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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第9楽章:1999年]
「米が査察官装いスパイ」 イラクで独自に情報収集 NYタイムズ報道
【ニューヨーク7日永井昌己】米紙ニューヨーク・タイムズは7日付紙面で、イラクの武器査察を行ってきた国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の中に米国が査察要員を装ったスパイを潜入させていたと報じた。「UNSCOMが米の盗聴に協力した」とした前日のワシントン・ポスト紙に続く疑惑で、イラクの猛反発は必至だ。
ニューヨーク・タイムズによると、米の情報機関はUNSCOMに自前のイラク情報や情報収集技術を供与し、その見返りに米と他の安保理メンバー国がUNSCOMの査察情報を入手。米はさらに、外交官や専門家を装った自国の情報部員をUNSCOMに紛れ込ませ、正規の査察官とは独立して情報収集を行わせていたという。複数の米政府高官が証言したが、情報部員の人数や具体的役割は明らかにされていない。
米高官の一人はUNSCOMに対する米の対応を非難して昨年8月にUNSCOMを辞任した米人の元査察官スコット・リッター氏にも言及した。
同氏は「米はUNSCOMの査察活動を乗っ取ろうとした」などと非難したが、米高官は「UNSCOMに情報収集力はなく、彼らが集めたとされた情報は実はメンバー国から提供されたものだ」と強調。米の情報部員抜きでは査察が成り立たなかった実態を示し、同氏は誤解しているとした。(中日新聞 1999/01/08)情報機関職員の派遣は認める 米政府当局者
【ワシントン7日共同】米政府当局者は7日、米国が国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の査察要員に米情報機関の職員を派遣していたとの報道を「否定しない」として事実上、認めるとともに、米国の行為は「イラクの対応に業を煮やした」UNSCOMの要請に基づく「正当な措置」であると強調した。
当局者は、米国から派遣された要員は「イラクの大量破壊兵器の実態を把握するUNSCOMの業務以外には携わっていない」と指摘。その上で、要員が米国内で本来の業務に復職すれば、UNSCOMで得た情報が「何らかの形で活用される」ことは自然なことだと述べた。(中日新聞 1999/01/08)遺伝子兵器開発5―10年で可能 特定民族・一族殺傷
英医師会(BMA)はこのほど、遺伝子工学の発達により特定の民族だけを殺傷する「遺伝子兵器」の開発が理論的に5年から10年後には可能になると発表した。英医師会は早期にこうした兵器の開発を防ぐ手立てを講じるべきだと提言している。
軍事専門家の間でも遺伝子情報で目標を選ぶ兵器の開発の可能性が指摘されている。遺伝子研究の中では、米政府が中心になって進めている「ヒトゲノム計画」が知られており、同計画によって2003年には人間の全遺伝子の働きが解明されると見られている。英医師会はこうした研究がさらに進めば、ある民族や個人を含む一族に固有の遺伝子を特定することが可能になると指摘した。これを利用すれば、例えば特定の遺伝子に反応するウイルスなどを開発すれば兵器として転用できる。(日本経済新聞 1999/01/23)ref. Health Genetic weapons alert(BBC News 1999/01/21) 特定民族のみ有効な遺伝子兵器「10年内にも出現」 英医師会が警告
【ロンドン31日=田中規雄】英医師会(BMA)は、このほど遺伝子工学の発達により、特定の民族を選んで死に至らしめるという遺伝子兵器が、5年から10年のうちに出現する可能性がある、と警告を発した。
医師会の保健行政研究部門の責任者であるビビアン・ネイサンソン博士は「遺伝子兵器は現在存在しているわけではないが、実現の可能性は高まっており、われわれは早急に対策を立てなければならない」と訴えている。
医師会が発行した報告書「生物兵器と人類」は、遺伝子兵器誕生の主たる根拠として、米政府が進めている「ヒトゲノム計画」の進展をあげている。
ヒトゲノム計画は、人間の遺伝子情報の総体ヒトゲノムのすべてを解析しようという計画で、1988年から米国を中心に進められてきており、2003年までに、約10万種と見積もられている人間の全遺伝子の解読をめざしている。実現すれば、がんや老化、遺伝子病の研究や診療に計り知れない恩恵を与えるといわれているが、その一方で、個人や民族の遺伝子の特徴が明らかになることによって、軍事目的に使われるおそれが出てきた。たとえば、ある民族の遺伝子だけに反応して、発病するウイルスを、その民族の居住地近くにまき散らすといった、悪夢のようなテロも起こりうるという。
すでにイラクでは、アラブ地域に特有の細菌を使って、免疫のない欧米人をねらい撃ちにする生物兵器の開発が進んでいた、との国連査察官の証言がある。また、南アフリカでは、黒人に対する細菌兵器の研究が知られている。
生物兵器の廃絶をめざした生物・化学兵器禁止条約は、現在140カ国が調印しているが、査察の権限や制裁が盛り込まれておらず、効力には限界がある。英医師会では、遺伝子兵器の開発を阻止するために、まず条約の強化を求めている。(産経新聞 1999/02/01)イラクでのスパイ疑惑「CIA、3年活動」 特殊装置で盗聴 米紙報道
【ワシントン2日=林路郎】2日付の米ワシントン・ポスト紙は、米政府職員の話と内部文書を元に、イラク国内に国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)が設置した査察施設に、米中央情報局(CIA)が交信傍受装置を隠し、約3年にわたりイラク軍へのスパイ活動を行っていたと報じた。報道内容についてホワイトハウス、国務省、CIAの高官はいずれも事前に否定しなかったという。事実とすれば、米国と国連との間に生じた亀裂はさらに深まり、国連における米国の信用が傷つくのは不可避だ。
同紙によると、秘密工作がスタートしたのは96年3月。UNSCOMがイラク国内の軍事施設など300か所に設置したモニター装置が撮影した映像を無線信号でバグダッドへ転送する作業と、同時に始まった。CIA工作員がUNSCOM要員としてバグダッド入りし、UNSCOMの設備に特殊なアンテナを忍ばせ、通常傍受が困難な、イラク軍のマイクロ波による交信の盗聴を可能にした。
工作が行われていた間はUNSCOMや査察に協力する他国には知らされず、報告は直接ワシントンへ送られていたといい、同紙は「国連の査察を支援するためにあらゆる協力をしてきた」との従来の説明は完全に偽り、と指摘している。
同紙は、バグダッドのイラン情報当局が97年に、CIAの暗号交信を探知し、テヘランに「米国はスパイ活動をしている」と報告していたことと、さらに、このイランの交信を英国がキャッチし、米国に釈明を求めていた事実を明らかにし、「スパイが逆にスパイされた皮肉な事件だった」と結んでいる。
同紙はまた、工作にかかわっていた3人のスパイの実名は、政府の要請により、伏せたとしている。
米国のスパイ疑惑に関しては、UNSCOMのリチャード・バトラー委員長が今年1月、米国提供の機器を用い、イラク当局への盗聴活動を行っていたことをアラブ紙とのインタビューで認めたが、目的は大量破壊兵器の隠匿場所を追跡するためで、米国への情報提供ではなかったと述べている。報道はこうした主張を全面的に否定するものだ。(読売新聞 1999/03/03)天然痘ウイルス「生物兵器テロ対策に有用」 米科学アカデミーが報告書
【ワシントン16日=大塚隆一】米科学アカデミーは15日、世界保健機関(WHO)が廃棄処分を決議している天然痘ウイルスについて、保存しておけば、生物兵器テロに悪用された場合の予防ワクチン開発などに役立つとする報告書をまとめた。
伝染力の強さで知られる天然痘は1967年にWHOが撲滅作戦に乗り出してから患者数が激減、80年に根絶宣言が出された。その後、世界各地の研究所のウイルスは処分され、米ジョージア州アトランタとロシア・モスクワの研究施設だけが残されたウイルスを研究用に保管してきた。
今回の報告書は事実上の廃棄中止を米政府に勧告するもの。クリントン米大統領は科学アカデミーの勧告を重視すると明言してきている上、ロシアも廃棄には反対とされ、今年6月30日に地上から姿を消すことになっていたウイルスの処分は再び先送りされる可能性が強まってきた。
WHOの専門家は、保管中のウイルスがテロリストの手に渡り、細菌兵器として使われる恐れがあるとして、再三にわたって廃棄を勧告。96年のWHO総会で廃棄処分を求める決議を採択した。
米科学アカデミーがワクチン開発の意義を強調した背景には、財政難で管理が不十分とされるロシアの研究施設から、すでにウイルスが外部へ持ち出されているのではという懸念がある。今年1月にはイスラエルが天然痘ウイルスをひそかに保管しているとの報道もあった。WHOは今年5月の総会で廃棄処分を最終決定する方針だったが、米露両国が反対した場合、紛糾するのは必至とみられる。(読売新聞 1999/03/17)コソボ紛争:米軍機が劣化ウラン弾使用 NATO認める
【ブリュッセル20日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)のジュゼペ・マラニ軍事報道官(イタリア空軍准将)は20日、毎日新聞に対し、NATOの米軍機がユーゴスラビア連邦への空爆で「劣化ウラン弾」を使用していることを認めた。実戦における劣化ウラン弾使用が公式に確認されたのは、湾岸戦争(1991年)以来初めて。報道官は「すべてのNATO軍機が使っているわけではなく、環境や人体への影響もない」としているが、湾岸戦争症候群との関連が指摘されるなど、劣化ウラン弾の毒性が健康や環境に及ぼす影響が問題となっているだけに、論議を巻き起こすのは必至だ。
マラニ報道官は取材に対し、劣化ウラン弾を使用しているのは米軍機だけで、他国の戦闘機は装備していないことを明らかにしたうえで、「対戦車攻撃は劣化ウラン弾がもっとも効果的」と語った。コソボ自治州に展開するユーゴ連邦軍の戦車部隊攻撃用に、米軍が投入したA10爆撃機やF15戦闘機から発射する30ミリ銃やガトリング砲などの砲弾に使っているという。
報道官はまた95年のボスニア内戦でも「戦車攻撃に大きな成果を挙げた」と証言、NATO軍が劣化ウラン弾をボスニアのセルビア人勢力攻撃に使用したことも初めて認めた。
劣化ウラン弾は貫通力に優れた特性を生かし、戦車や装甲車の鋼板貫通用に開発された。NATOは現在、コソボ自治州内で連日数台のユーゴ軍の戦車を破壊したと発表しており、この攻撃で威力を発揮しているとみられる。
一方で劣化ウラン弾は貫通の際に瞬時に燃焼し、ミクロン単位のちりとなって空中に拡散。吸入した人体内や地上に堆積(たいせき)し、化学的毒性や放射性が人体や環境に悪影響を及ぼすことが、指摘されている。安全確認が十分でない兵器の大量使用は、国際的論議を呼びそうだ。ユーゴ情報相も使用確認と指摘
【ベオグラード20日高橋龍介】ユーゴスラビア連邦のコムネニッチ情報相は毎日新聞に対し、NATOがユーゴ連邦に対し使用したミサイルなど爆発物の総量は広島に投下された原爆4発分に相当し、中には劣化ウラン弾、化学兵器も含まれていると断言した。
情報相は、劣化ウラン弾はボスニア・ヘルツェゴビナ内戦でもNATO軍によって使用され、その後、機能障害を持った子供が増加するなど深刻な影響を残していると指摘。劣化ウラン弾が今月13日、ベオグラードの南約13キロのラコビツァに対する空爆で使用されたことを確認したと語った。劣化ウラン弾
核兵器に使用するため、天然ウランを濃縮処理する過程で派生する核廃棄物が劣化ウラン。米軍は湾岸戦争(1991年)で劣化ウランを弾頭に使用し、貫通力を高めた特殊弾を、イラクの戦車部隊に大量使用、大きな成果を挙げた。しかし従軍兵士が帰国後、健康障害に陥り、劣化ウラン弾との関連が問題化した。日本でも在日米軍が95年12月から96年1月に沖縄・鳥島の演習で劣化ウラン弾1520発を誤射したことが判明。米国は通告遅れを謝罪し、在日米軍のすべての劣化ウラン弾を日本国外に撤去した。(毎日新聞 1999/04/21)コソボ紛争:劣化ウラン弾使用 破壊力優先「軍の倫理」
【ワシントン20日布施広】NATO軍が、ユーゴスラビア攻撃に劣化ウラン弾を使用しているとの証言は、空爆下で暮らす市民の健康と攻撃終結後の環境問題に大きな不安を投げ掛けた。米国内で劣化ウランの影響調査が続く中での大量使用だとすれば、破壊力を優先する「軍の論理」が厳しく問われることになりそうだ。
劣化ウランはタングステンの1.6倍の比重を持ち、貫通能力が高いため、1991年の湾岸戦争で大量使用された。兵器としての性能に優れる半面、化学的毒性や放射性物質を含むため、人体への悪影響を指摘する声が強い。湾岸戦争後、元従軍兵士らが原因不明の身体不調を訴える「湾岸戦争症候群」が多発、米議会や国防総省が劣化ウランの影響調査を行ってきた。
国防総省は、劣化ウランの粒子を吸引するなどした元兵士の尿、肝機能検査などを基に、劣化ウランと健康障害の因果関係は立証できないとしているが、劣化ウランの破片が体内に入った患者の追跡調査を続けている。
米国のシンクタンク「軍事的毒物研究所」のレマール所長はユーゴ攻撃に関して発表した文書の中で、「NATOは集中的に劣化ウラン弾を使用しているのではないか。イラクでは白血病などの多発が報告されている。我々は劣化ウラン弾と湾岸戦争症候群は関係があると信じる」と、一般住民の健康への悪影響や環境汚染を懸念している。
国防総省は劣化ウラン弾の安全確認が十分でないことを認めており、NATOの軍事報道官の発言は、安全性よりも破壊力を優先する軍の論理を改めて浮き彫りにした形だ。市民への誤爆続発でNATO軍の主力、米国への信頼が大きく揺らいでいる時期だけに、劣化ウラン弾使用は米国への反発を増幅させることになりかねない。風当たり必至
【ウィーン20日町田幸彦】NATO軍が20日、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦における劣化ウラン弾の使用を認めたことで、劣化ウラン弾問題を無視する姿勢を貫いてきたNATO主体の平和安定化部隊(SFOR、ボスニア駐留)は、情報開示を求める動きに直面しそうだ。
ユーゴ当局がまとめた報告書などによると、NATO軍は95年8月末から9月上旬までの間、ボスニアの「セルビア人共和国」領に空爆を実施した際、30ミリ口径劣化ウラン弾を使用。発射したのは米軍A10戦闘機と特定した。ユーゴの調査団はサラエボ近郊やボスニア北部数カ所で劣化ウラン弾が爆撃に使われたのを確認したが、具体的な規模、数量などは不明だ。
一方、SFOR報道官は97年12月、ボスニアでの劣化ウラン弾使用問題に言及し、「NATOはボスニア空爆で1度も劣化ウラン弾を使ったことがない」と断言。「SFOR部隊は劣化ウランを考慮した健康上の予防措置を義務づけられていない」と強調した。
ところが、米国の復員軍人局は96年4月、ボスニアからの帰還兵に対し、劣化ウランの影響を検査する「劣化ウラン・プロジェクト」を受けられると表明。ボスニアでの劣化ウラン弾使用を前提にした対応とみられ、SFORと著しい食い違いを見せていた。
ボスニアでの劣化ウラン弾使用問題はSFOR、ボスニア政府双方から具体的な情報提供がない状況が続いており、ボスニアでも真相解明の動きが浮上することになろう。(毎日新聞 1999/04/21)ユーゴ空爆 劣化ウラン弾使用 NATO当局者明かす
【ブリュッセル21日共同】北大西洋条約機構(NATO)当局者は20日、ユーゴスラビア空爆作戦で、ウランの廃棄物を弾芯(しん)に用いた劣化ウラン弾が使用されていると述べた。
劣化ウラン弾は貫通力と破壊力が高く、戦車などの装甲を破壊するため砲弾の弾芯に用いられる。1991年の湾岸戦争で大量に使用されたほか、当局者によると、最近では、94年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争での空爆の際に使われた。
同当局者は「劣化ウラン弾は土や岩など、自然界と同じ程度の最低含有量のウランしか含んでおらず、人体に害はない」と説明した。使用しているのは米軍機とみられる。
しかし、ごくわずかながら核分裂物質を含むほか、重金属としての毒性も指摘されている。91年の湾岸戦争後には、劣化ウランが原因とみられる兵士の健康被害が表面化した。また97年には、在日米軍機が95−96年にかけ、沖縄県・鳥島の射爆撃場での訓練中、劣化ウラン弾を「誤射」したことが明らかになり、政治問題化した。(中日新聞 1999/04/21)ハーグ平和会議閉幕 10基本提言に憲法9条盛り込む
非政府組織(NGO)の呼びかけで、100カ国以上の約1万人が参加して開かれていた「ハーグ平和市民会議」は最終日の15日、「公正な国際秩序のための基本10原則」を行動目標として設け、第1項に「日本の憲法9条を見習い、各国議会は自国政府に戦争をさせないための決議をすべきだ」との文言を盛り込んだ。日本国憲法の理念が世界の平和運動の共通の旗印として初めて前面に掲げられた。
会議はこの基本10原則を含む「21世紀の平和と正義のための課題」(ハーグ・アジェンダ)を採択、アナン国連事務総長に手渡し、4日間の日程を終えた。アジェンダは18日からの政府間会議と11月の国連総会に提出される。
10原則は憲法9条の理念の普及を訴えているほか、各国政府に対し▼政府、国際機関、市民社会の協力による「新しい外交」の追求▼国際刑事裁判所設立条約と地雷禁止条約の批准▼核軍縮交渉の進展▼小火器取引の規制▼国際司法裁判所の裁判権の無条件受け入れ▼平和教育の尊重▼「経済上の権利」も重要な市民的権利として受け止めること▼戦争回避のための世界行動計画を平和的な世界秩序の基礎とすること、などを求めている。(朝日新聞 1999/05/16)日米密約示す米公文書発見 朝鮮有事は事前協議対象外
1960年の日米安保条約改定の際、朝鮮半島有事は事前協議の対象外とする日米間の密約があったことを裏付ける文書が、米国立公文書館で見つかった。64年に出された米国務省の内部文書で、朝鮮有事の例外扱いがわかると日本が混乱することを米側が認識していた様子も克明につづられている。事前協議の形がい化や「密約」疑惑は、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案をめぐる集中審議でも指摘されたが、日本政府は「朝鮮有事でも事前協議は必要。密約もない」と否定している。
見つかったのは、米国務省内部の政策企画文書「日本の将来」(64年3月23日付)を起草した1人だったロバート・フィアリー極東局東アジア副部長代行が、同省の法律顧問に送った64年4月20日付の内部文書。琉球大学の我部政明教授(国際関係論)が今月、入手した。
文書の中で、フィアリー氏は「60年の日米安保条約改定の時、日米で交わされた秘密了解に私もかかわった。朝鮮有事で時間がない場合、在日米軍の使用には日米で『取り決め』があるが、『日本の将来』をつくる際はわざと削った。秘密裏の協議であっても両国間では有効だからだ」と述べ、朝鮮有事は事前協議の対象外とする秘密了解があったことを明らかにしている。
また、事前協議なしに在日米軍が出撃した場合、「日本との協議は緊急事態が終わった後に必要で、選択の自由がないことは日本側もわかっている。ただ、例外措置が知られると、日本で深刻な結果を招く」とつづっている。
「日本の将来」は、対日政策の基本方針を決めるため、国務省が国防、財務、商務の各省の意見を採り入れてつくった内部文書。
我部教授は「60年の安保改定時の記録は、非公開になっている。その後、日米が解釈を改めていないなら、米側が今も朝鮮半島有事では、事前協議の必要がないと認識している可能性は大きい」と話している。(朝日新聞 1999/05/22)米軍、劣化ウラン弾誤射 プエルトリコ 訓練中止求める声
【ロサンゼルス30日=宮川政明】カリブ海の北方に浮かぶ米自治領プエルトリコで、米軍機が訓練中に劣化ウラン弾を誤射し、大半が未回収であることが分かった。その事実を知らされていなかった島民たちは激しく反発し、訓練中止を求める声もあがっている。沖縄県鳥島の米軍射爆撃場でも誤射が起こっており、米軍の劣化ウラン弾管理や事故通報のあり方に改めて疑問符がついた格好だ。
米軍などによると、プエルトリコのビエケス島(島人口約9000人)にある米軍訓練場で今年3月初旬、ハリアー攻撃機が25ミリの劣化ウラン弾263発を発射した。
同訓練場では同弾の使用が禁じられているが、米軍側は、米本土のフロリダ州かバージニア州の基地で誤って積み込み、そのまま発射されたと説明している。回収したのは57発だけ。「単発の出来事」で組織的なミスではなく、「健康への影響はない」としている。
米軍は国の原子力規制委員会(NRC)やプエルトリコの環境部局には報告していたというが、プエルトリコ側はロセジョ知事はじめ、知らされていなかったとしている。
今年4月19日に同じ訓練場で米軍機の誤爆によって、民間の警備員1人が死亡した。訓練反対運動の高まりの中で、劣化ウラン弾誤射も暴露され、米軍も5月27日に誤射の事実を認めた。(朝日新聞 1999/06/01)冷戦後の米産軍複合体 ユーゴ空爆で恩恵
北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴスラビア連邦空爆は、米産軍複合体の存在を際立たせました。冷戦終結に伴うNATO東方拡大とユーゴ空爆は、いずれも米産軍複合体の思惑と合致します。コソボ紛争はようやく和平へと向かいますが、兵器を生産する米国防企業は、既に空爆作戦の恩恵を十分享受しました。(編集委員・関口宏)NATOの大規模なユーゴ空爆作戦に動員された戦闘爆撃機やスマート爆弾、巡航ミサイルなどを生産する米国防企業は、軒並み株価が上昇し、フル操業中のところも出たほどです。
国防総省を頂点とする軍部と国防企業は、冷戦時代を通じて、強力な軍事協力体制を築いてきました。国防企業は兵器受注を確保するため、国防総省に食い込み、国防企業はその見返りに国防総省高官を迎え入れる、という構図が出来上がりました。
この米産軍複合体にとって、冷戦構造崩壊はソ連・東欧圏という目標が失われたことを意味し、自らの存在価値の低下を招きました。しかし、クリントン政権が打ち出したNATO東方拡大と、それに続くユーゴ空爆に米産軍複合体は新たな活路を見いだしました。
NATOは、東方拡大の第一歩としてポーランド、ハンガリー、チェコの3カ国の加盟を承認しました。クリントン政権はこれで欧州のNATO加盟国を糾合して、旧東欧圏まで軍事戦略を拡大できます。
旧東欧圏の新規加盟国は、在来兵器の性能をNATO基準にまで高めることを要請され、必然的に新たな兵器市場が誕生します。東方拡大の実現を目指して、国防企業が活発なロビーを展開した、と言われるのも道理です。
米国防企業は冷戦以後の軍事予算削減という事態に直面して、体質強化を迫られ、ボーイング、ロッキード、レイセオンを軸に、合併による再編成が進みました。そこへ登場したのが、ユーゴ空爆です。国防企業は兵器増産の絶好の機会に恵まれました。
ワシントンでNATO創設50周年首脳会議が開催された際、米国防企業は加盟国の閣僚や兵器開発担当者を招待、歓迎パーティーを主催しました。この催しのため米国防企業41社が合わせて800万ドルを拠出したと伝えられます。兵器の販路拡大が目的であることは、言うまでもありません。(中日新聞 1999/06/06)朝鮮半島有事 日米事前協議抜きの在日米軍出撃を密約
1960年の日米安保条約改定時に、朝鮮半島有事の際には在日米軍の行動について日米間の事前協議の対象としないことを日本側が極秘に認めていたことを示唆する米政府の内部文書が5日までに見つかった。
米国家安全保障会議(NSC)が70年安保改定をめぐる対日政策の検討の中で作成した研究メモ(69年4月28日付)の付属文書で、琉球大の我部政明教授が米国立公文書館で入手した。
「日米安保条約の背景」と題された同付属文書は、日米間の事前協議制度について、「在韓国連軍への武力攻撃が起きた場合、米国は事前協議なしで、国連の指揮下にある米軍を日本から出撃させることを、日本は秘密合意によって認めた」と記している。
問題となっている「秘密合意」は、60年安保改定時に日米間で極秘に合意されたのではないかとする見方が、以前から日米関係の研究者の間で指摘されている。
この文書について政府は「事前協議は朝鮮半島有事も例外ではない。米政府の内部文書についてはコメントできない」(外務省筋)としている。
我部教授は「『秘密合意』については、日本側が実際にどう反応したのかを示す文書がこれまでに見つかっておらず、正式な日米間の合意なのか、米側の一方的な認識なのか、日米間の文書に残さない形での合意なのかがはっきりしない。しかし、合意の存在を示す文書はこのほかにもいくつか見つかっており、やはり存在していたのではないか」と話している。(読売新聞 1999/06/06)爆破テロ関与の証拠なし ラディン氏黒幕説に疑問符
【ニューヨーク14日共同】14日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、昨年8月のケニアとタンザニアの米大使館同時爆破事件の黒幕として本人不在のまま米国で起訴されたサウジアラビア出身の富豪ウサマ・ビン・ラディン氏について、米捜査当局は同氏の事件への直接の関与を示す証拠を一切持ち合わせていないと報じた。
同紙は、ラディン氏を「スーパーマン」のように描く米捜査当局の主張は実態とかけ離れていると指摘。米捜査当局は、事件はアフガニスタンから放送を通じ激しい言葉で「米軍のサウジアラビアからの撤退」を要求する同氏の主張に感化された勢力が引き起こしたとの見方を強めていると伝えている。
米政府、スーダン、パキスタンなどの関係者らへの詳細な取材に基づく記事によると、「富豪」と伝えられるラディン氏の資産は実際はかなり少なく、しかも底を突きつつある。また、米捜査当局は起訴状で、同氏がスーダンでテロリスト養成キャンプを財政支援したとしているが、スーダンにはこうしたキャンプは存在しなかったという。
また、ラディン氏は1996年6月のサウジでの米空軍施設爆破テロの首謀者ともされているが、関与を示す証拠は一切ない。サウジ内相のナエフ皇子は、ラディン氏は「治安上のトラブルを起こしたことはない」と言明、事件は「同氏の思想に共鳴した者の犯行だろう」と述べている。
米情報機関筋は、米捜査当局は正確な情報ではなく、多くの仮説に基づいてラディン氏を「テロの黒幕」に仕立て上げたと語っている。(共同通信 1999/06/14)新たな対米テロを準備か ラディン被告
【ワシントン16日共同】米ABCテレビは16日、昨年8月の米大使館同時爆破事件を指揮したとされ、米国で起訴されているサウジアラビア出身のウサマ・ビン・ラディン被告が、在外の米施設を標的とした新たなテロ攻撃の計画を進めていると報じた。
ABCによると、同被告側近らの通信を傍受した米当局の情報に基づいており、爆弾製造の材料についての会話があったという。
米連邦捜査局(FBI)などはテロを実行する場所、時期の特定を急いでおり、中東やアフリカの米大使館などが危険視されている。既にモザンビーク、セネガル、ガーナの米大使館周辺で最近、不審人物の報告があったという。
また、旧ソ連の国の一部からラディン被告の組織に生物、化学兵器の材料が渡ったとも指摘。アフガニスタン東部のジャララバードなど2カ所に研究施設があるとしている。(共同通信 1999/06/17)『ステルス機 過大評価』 撃墜事件で米誌が性能検証
【ニューヨーク27日共同】28日発売の米ニューズウィーク誌最新号は、敵のレーダーに映りにくい「見えない爆撃機」といわれる米空軍のF117ステルス爆撃機が、ユーゴスラビア空爆中に撃墜された事件の検証記事を掲載、ステルス機の性能は過大評価されており、実は脆弱(ぜいじゃく)だと報じた。同誌はまた、別のF117が作戦中に被弾したとも伝えた。
同誌が国防総省や専門家の話として伝えたところによると、ステルス機の機体はレーダー波の反射を避けるため、角材を切り落としたような直線を複雑に組み合わせた形状をしている。しかし、この形状が変化したときには在来型のレーダーにも捕そくされやすくなる。3月にベオグラード近郊で撃墜されたF117は、爆弾投下用の扉を開いた際、ユーゴ軍のロシア製移動レーダーにとらえられたとみられる。
また黒く塗装された機体は月夜の雲を背にした場合などには視認が容易になるため、灰青色の方がカムフラージュになるという説もあったのに、空軍は「男らしくない」として黒く塗るよう命じていたという。撃墜された機は、片翼に機関砲弾による穴が開いており、ユーゴ軍に視認され対空機関砲で撃たれた可能性があるという。(中日新聞 1999/06/28)細菌放出の実験を中止 米ロスアラモス国立研究所
【ロサンゼルス8日共同】米ニューメキシコ州にあるロスアラモス国立研究所は8日、細菌戦に備えた探知器を実証試験するため、細菌を施設外に放出する実験を計画していたが、住民の強い反対にあって、実験を中止した。
AP通信によると、この細菌は、土壌にある一般的な細菌で、ジャガイモやニンジンなどの野菜の根に付着しており、同研究所は、健康に害は与えないと説明している。
計画では毎月1回午後9時から午前3時までの夜間に約10グラムを放出する実験を1年間続けることになっていた。
探知器を試験するには施設外に放出する必要があるため、施設から約16キロ離れた集落(人口約6500人)の住民と話し合いを続けていた。
同研究所は、別の実験方法を検討するとしている。(共同通信 1999/07/09)米の核搭載艦 定期寄港 日本政府は黙認 冷戦時代の米公文書公開
【ワシントン22日時事】米軍が1960−70年代の冷戦期を通じ、日本の非核3原則を無視して定期的に核兵器を日本に持ち込み、日本政府も事前協議なしに寄港を容認してきたことを示す米機密文書が多数解禁され、21日公開された。沖縄の嘉手納基地や東京の横田、府中両基地が米軍の核戦略任務の一端を担っていたことも初めて判明した。
核兵器搭載の米艦船は寄港・通過していないとする戦後の日本政府の主張は、今回の文書公開で覆される可能性がある。
解禁された文書は、米国家安全保障会議(NSC)や太平洋軍司令部(ハワイ)の報告など計23点。
米シンクタンク、ノーチラス研究所が情報公開法(FOIA)に沿って入手、「核の傘の下の日本」のテーマで公表した。
それによれば、沖縄返還交渉の行われていた69年4月29日付でNSCが作成した対日政策文書は、「日本は核兵器を装備した海軍艦船の一時通過(トランジット)を黙認しており、この権利は自動的に沖縄にも適用される。核搭載航空機の沖縄通過は作戦の柔軟性を高める」と指摘、日本政府が事前協議なしの通過権を了承したことを明記している。
太平洋軍が73年に作成した司令部記録も、「日本政府はこれまで核搭載艦船の寄港を黙って受け入れてきた」とし、「国務省は日本への寄港前に核兵器を外すよう求めたが、海軍作戦部は戦術上受け入れられないとして拒否した」ことを明らかにした。
また、佐藤栄作元首相が非核3原則を表明していた67年、太平洋軍司令部は日本に空対空核ミサイルを配備する緊急計画を策定。62年には、米軍と自衛隊が核使用を想定した空軍演習を行っていた。
一方、米軍は60年代半ばから70年代にかけて在日米軍基地に核戦略任務を負わせ、府中基地に核計画を担当する太平洋軍作戦連絡事務所を置いたほか、嘉手納基地は沖縄返還後の74年、核戦略に関する単一統合作戦計画(SIOP)への関与が強化された。嘉手納、横田両基地は65年、核指令・統制用航空機の寄航地になったという。
核搭載艦船の日本への寄港・通過容認については、ライシャワー元駐日大使が81年、「日米間に口頭了解があり、実際に核を積んだまま寄港している」と発言、63年に大平正芳元外相が同大使に「了解」したことを示す米側文書も最近発見されている。(中日新聞 1999/07/23)米政府が民間ネットワーク監視を計画?
28日のNew York Times紙が、「ハッキング行為防止のために民間ネットワークを監視する」という米政府の計画を報じた。これは「Federal Intrusion Detection Network(FIDNET)」と呼ばれるプランの一環で、これをめぐって各方面から反発の声が上がっている。だが政府側は、民間ネットワーク監視の計画はないとしている。大統領諮問機関のNational Security Council(NSC)がZDNNに説明するところでは、これは1年以上前からの計画で、最近、米政府機関のコンピュータネットワークや民間の機密情報ネットワークがクラッカーに狙われていることから、侵入行為を防ぐ目的で、セキュリティシステムを米政府が監視するという計画のものだという。Center for Democracy and Technologyが入手した政府計画案では、民間ネットワークの監視もプランの中に含まれているが、NSCではそれを否定している。(ZDNN/USA 1999/07/28)米、45年の原爆投下正当化 陸軍省機密報告
1945年の広島、長崎への原爆投下決定の経緯を記録した米陸軍省の最高機密報告が、ワシントン郊外の米国立公文書館で発見された。46年に作成された同報告は原爆投下を「正しい戦略思考に沿った決断」と正当化、(1)日本の軍事的撃破と無条件降伏達成(2)日米両国の犠牲者抑制(3)日本の軍事的抵抗能力の破壊(4)決定的な軍事作戦能力の誇示(5)日本への心理的圧力強化(6)戦争長期化の阻止――の6項目の戦略概念が原爆投下の行動指針になったと述べている。
「原爆の軍事的使用」(日付不詳)と題する36ページの報告は、陸軍省参謀本部作戦局が大戦中の機密文書を基に内部資料として作成。原爆投下には戦争長期化による日本側の犠牲と破壊を防ぐ目的もあったと指摘している。
この報告から、スティムソン陸軍長官がトルーマン大統領(いずれも当時)に対し「日本本土決戦はドイツとの戦闘よりはるかに厳しい戦いとなり、米軍に多大な戦死者が予想される」と原爆使用を促すメモを送っていたことも分かった。(ワシントン=時事)(日本経済新聞 1999/08/04)「旧日本軍が終戦直前、原爆実験?」 朝鮮半島東岸沖合 GHQに極秘情報
【ワシントン5日時事】旧日本軍が第2次世界大戦の終戦直前、現在は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)領となっている朝鮮半島東岸の興南沖合で原爆実験を実施したとの情報を米軍がつかみ、戦後日本を占領統治した連合国軍総司令部(GHQ)などが秘密裏に調査していたことが、米国立公文書館で時事通信が入手した米軍機密文書(約300ページ)で分かった。1947年の米軍防ちょう機関の報告は「原爆に似た爆発があった」と伝えているが、真相は解明できなかったもようだ。
また、これらの文書から、米軍は興南にあった化学コンビナートで日本海軍が秘密裏に核開発を進めていたとみて、朝鮮戦争(50―53年)に乗じて疑惑施設を徹底的に爆撃していたことも明らかになった。
米軍犯罪調査部隊のデービッド・スネル氏は、旧日本軍が45年8月12日未明、興南沖三十数キロの海上で原爆実験を行い、巨大なきのこ雲が上がったとの情報を、ソウルで元日本軍情報将校から入手。退役後の46年、米ジョージア州アトランタの新聞に公表したが、一笑に付されていた。
しかし、在朝鮮米軍司令部防ちょう部隊が47年1月16日付で作成した報告は、調査結果として、「日本軍は朝鮮北部東海岸沖に浮かべた小さな船で爆破を伴う実験を行い、原爆に似た爆発が起きた。関与した科学者らの名も(スネル報告は)正確だ」と指摘、科学者は旧ソ連軍によってソ連に抑留されたと伝えた。興南は8月12日、進攻ソ連軍に占領された。
興南での日本軍の核開発説について、45年のGHQ文書は(1)日本軍復員者によると、興南の化学工場で原子力関係の実験が行われていた(2)日本海軍は興南の化学工場の秘密部門で、「NZ計画」と呼ばれる水素化合物によるジェット燃料実験を実施していた(3)ソ連による興南占領後、秘密施設がソ連軍に接収され、日ソ両国科学者の共同研究が行われている―などの情報を挙げて、徹底調査を命じた。
興南には戦前、日本窒素肥料(チッソの前身)の大型化学工場があり、海軍と共同で重水などを生産していた。
一方、朝鮮戦争中の米軍文書(50年12月29日付)によれば、米軍は興南の化学工場施設に空爆を加え、施設の95パーセントを破壊したという。(西日本新聞 1999/08/06)米ウラン濃縮工場汚染 政府と企業が隠ぺい ワシントン・ポスト報道
【ワシントン8日共同】米ケンタッキー州のウラン濃縮工場(国有)で、多くの従業員がプルトニウムを含む粉じんにさらされていたことを政府と操業を請け負う企業が隠ぺいしてきたと、8日付の米紙ワシントン・ポストが訴訟記録などを基に報じた。ずさんな安全管理と汚染の隠ぺいが明らかになったのは、同州パデューカのガス拡散方式の濃縮工場。1952年に操業を開始、1800人以上の従業員を抱え、一時は原発燃料の低濃縮ウランに加え原爆に用いる高濃縮ウランも製造していた。
同紙によると、工場はウラン専用の設計だが53年ごろから、原発使用済み燃料から分離したウランが使われるようになり、混入したままのプルトニウムの汚染が広がった。汚染は50年代半ばから70年代がひどかったが、操業を請け負う企業が隠ぺい。90年代になっても汚染は続いているとして、今年6月、従業員3人が企業側を相手に提訴した。
請負企業の1つ、マーチン・マリエッタ社が92年にまとめた報告書は、工場が重大な環境問題を抱えているとし、従業員に放射線被害が出る恐れも指摘していたことが分かった。工場を所管するエネルギー省は汚染があったことを一部認める一方で「従業員らの健康が懸念されるような汚染ではない」との立場を取り続けている。(毎日新聞 1999/08/09)米核兵器製造で周辺住民被爆
【ワシントン8日共同】リチャードソン米エネルギー長官は8日、ケンタッキー州のウラン濃縮工場で従業員がプルトニウムを含む粉じんに汚染されていたとのワシントン・ポスト紙の報道を受け、「事実解明の完全な調査」に乗り出すとの声明を発表した。
声明は、事実関係と責任者を解明し、再発防止策を徹底すると述べている。
同紙によると、核兵器に使われる高濃縮ウランなどが作られた同州バデューカの濃縮工場で、1950年代半ばから汚染が始まったが、請負企業が隠ぺいし、今年6月に従業員3人が訴訟を起こした。
長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設が7日開いた「原研公開セミナー」で、米ワシントン公衆衛生研究所のサンディー・ロック医師が「核兵器用のプルトニウム製造工場周辺で1940年から72年にかけて、約200万人が被ばくした可能性がある」などと報告した。
セミナーは、放射能の人体への影響を知ってもらおうと開催。長崎市民ら約60人が参加した。ロック医師は、長崎に投下された原爆が製造されたワシントン州のハンフォード核施設周辺の住民の健康調査を実施している。
ロック医師によると、同施設では、プルトニウム浄化工場から放射性物質が排出、約200万人が被ばくした可能性があり、特に、子どもの被ばくがひどかったという。
また、セミナーではロシアやカザフスタンの医師らが、旧ソ連の核実験場だったセミパラチンスクの現状などを説明。参加者から「どの程度情報公開されているのか」「核実験の影響は」などと、質問が相次いだ。(共同通信 1999/08/09)東京に核戦略拠点 67年から5年間偵察計画など作成 米太平洋軍
東京都府中市に1945年から74年まであった米・第5空軍基地施設内に、67年から5年間、米太平洋軍(司令部・ハワイ)の核戦争を想定した作戦連絡事務所が設置され、日本が米国の重要な核戦略拠点になっていたことが、このほど初公開された米太平洋軍の62〜92年の年次記録などで明らかになった。冷戦期、「核の傘」がどういう実態だったかが示された。
安全保障問題などが専門の「ノーチラス研究所」(カリフォルニア州)のハンス・クリステンセン研究員が情報公開法により入手、原文をインターネットで公開した。
それによると、米軍の核戦略に核兵器を搭載した航空機や艦船を一体として運用する「単一統合作戦計画」が存在。この遂行のため、府中市に太平洋司令作戦連絡事務所が67年から72年まで置かれ、作戦計画が立てられた。
4人の将校と3人の事務員が勤務。核戦争に備える太平洋地域の「事前偵察計画」作成や核を使用した場合に敵の軍事施設などにどの程度のダメージを与えるかの分析にもあたった。
事務所閉鎖後も「作戦計画そのものは横田基地(東京都)や嘉手納基地(沖縄県)で引き続き遂行された」と記され、75年には核戦争時に作戦を指揮する航空機「ブルー・イーグル」が両基地とフィリピン基地で10回の核戦争の「地上警戒待機」訓練を実施していた。
別の公開資料には、79年10月、韓国の朴正煕(パクチョンヒ)大統領が暗殺された直後、米国は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から攻撃があった場合に韓国を支援するため、空母キティホークを横須賀から東シナ海に派遣したとあった。当時の「キティホーク 西太平洋・インド洋派遣リポート」には「11月、韓国からフィリピンへ向かう途中に実施した演習は、模擬核爆弾11発を投下した」と書かれていた。
62年日本近海とみられる地域で行われた防空・空爆演習で「核戦争の伝達過程のための訓練を実施した」との記述もあった。クリステンセン研究員によると、核兵器を装備したすべての部隊に、無線などで作戦司令を伝達する訓練という。
これらの資料について米国の核戦略に詳しい軍縮問題専門家の梅林宏道さんは「日本国民が何も知らされないうちに、領土や領海が米国の核作戦に利用されており、『核の傘』の代償の大きさを証明している。驚いた」と話している。【高村洋一】(毎日新聞 1999/08/09)日本の核武装に警戒を 米調査機関が報告書発表
【ワシントン9日共同】米国の安全保障問題の調査機関「国家安全保障ニュース・サービス」は9日、核兵器開発に必要な科学技術水準の高さや朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)・中国情勢など地政学的な理由を背景に、日本の核武装の可能性を指摘する報告書を発表した。
唯一の被ばく国として「核アレルギー」が強いとの常識の一方で、歴代の日本政府高官は過去30年間にわたって核武装の可能性を否定していないとして、報告書は「米国が核の傘の提供を止めれば、日本は真剣に核武装を検討するだろう」と述べている。
報告書は(1)日本は核兵器用に使える大量のプルトニウム、運搬用のミサイル技術を保持している(2)日本に対する国際原子力機関(IAEA)の監視体制が弱い――などを指摘し、国際社会に日本の原子力・宇宙開発政策への警戒を強めるよう呼び掛けている。
また、報告書は1995年までに日本は核武装すると予想した米中央情報局(CIA)の79年の報告書や、佐藤栄作首相がジョンソン大統領に日本の核武装の必要性を説いた1965年の日米首脳会談の議事録などを基にしている。
同サービスは記者会見で、日本が1992年にロシアからソ連製の中距離ミサイルSS20技術を購入し、ミサイル技術を向上させたとの独自に得た情報も公開した。同サービスは安全保障問題に関する情報を米情報自由法(FOIA)やニュース報道などで入手し分析している組織。(共同通信 1999/08/10)微量のプルトニウム吸引 英科学者が人体実験
【ロンドン9日共同】英原子力公社(AEA)はこのほど、猛毒の放射性物質プルトニウムの人体への影響を調べるため、2人の科学者が志願してプルトニウムを吸引する人体実験を行っていたことを明らかにした。9日付の英紙ガーディアンが報じた。
同紙によると、実験に志願したのは核科学者のエリック・ボイス博士(73)と60歳代の同僚。2人は1年半前にオックスフォード州ハーウェルにあるAEA研究所で、極微量のプルトニウムを吸引した。
これまでのところまったく副作用は現れていないとされ、ボイス博士は、プルトニウムが人間に危害を及ぼすという恐怖には根拠がないと主張している。AEAは、2人の吸引実験の結果は来年、発表するとしている。
同紙によると、同国では1992年から98年にかけても、26歳から67歳の12人の志願者にプルトニウムを注射する実験が行われており、ボイス博士はこの実験にも参加していたという。
今回の吸引実験は、国立放射線防護委員会の許可を得て行われ、欧州連合(EU)が資金を出した。
AEAなどによると、実験は人体に入ったプルトニウムがどのように分泌されるかなどを明らかにする目的で実施され、2人の分泌物はすべて集められ、計量された。
これまでのところ、人体に入ったプルトニウムは骨や睾丸(こうがん)にとどまるという従来の学説とは異なる結果が出ているという。
ボイス博士が吸引したのはプルトニウム244と呼ばれる同位体で、博士は「半減期8000万年ぐらいで放射線はゆっくりと放出される。健康への影響は心配していない」と話している。
しかし、がん研究の専門家は「いかに微量でも(がんの)危険はある」と反論している。(共同通信 1999/08/10)イラク、幼児死亡率が倍増 湾岸戦争前と比較
【ジュネーブ12日=佐藤伸】国連児童基金(ユニセフ)は12日、経済制裁下にあるイラクで、4歳以下の幼児死亡数が10年前に比べ倍増したとする調査報告を公表した。報告は、「(1990年のクウェート侵攻で国連安全保障理事会が決議した)経済制裁は、国連加盟国の意思で行われているが、子供へのマイナスの影響は避けるべきだ」と結論付けている。
イラクでの本格的調査は、1991年の湾岸戦争以後初めて。世界保健機関(WHO)とイラク政府の協力を得て、イラク国内4万戸を対象に2月から5月にかけ実施された。ユニセフによると、国連の救援括動が行われていないイラク中南部の幼児死亡数は、84−89年に1000人あたり56人だったが、94−99年には131人に増えたという。
幼児死亡数が倍増した理由については、経済制裁の影響で社会的な生活基盤が機能せず、医療を受けられなかったり、上下水道システム破壊によって伝染病で死亡するケースが多かったりしたためとしている。(読売新聞 1999/08/14)白血病のゴルバチョフ夫人・ライサさん 『核実験原因』とロ紙
【モスクワ17日共同】ドイツ北西部ミュンスターの大学病院で闘病生活を送っているゴルバチョフ元ソ連大統領夫人、ライサさん(67)の重度の急性白血病は、旧ソ連の核実験場の放射能が原因だった−。
15日発売のロシア週刊紙モスコフスキエ・ベドモスチは、ライサさんの病気が、旧ソ連カザフスタンのセミパラチンスク核実験場からわずか100キロのロシア南部アルタイ地方ルプツォフスクで、約20年間生まれ育ったことと関係があるとの見方を伝えた。
報道が正しければ、ソ連大統領時代に東西冷戦を終結させ、激烈な核軍拡競争に幕を引いたゴルバチョフ氏の妻が、旧ソ連核兵器開発の犠牲者となっている可能性もある。
同実験場では、米ソが核軍拡競争を続けた1949年から89年までの間、延べ500回に上る核実験が行われ、約30万人が放射能汚染の後遺症に悩まされているとされる。
同紙によると、特にライサさんが少女時代の40年代、セミパラチンスクとアルタイ地方の住民は強い放射線を被ばく、多くの住民が白血病に苦しんでいる。(中日新聞 1999/08/17)ブッシュ氏、1974年以降の麻薬使用体験を否定
米大統領選の共和党最有力候補ジョージ・ブッシュ・テキサス州知事(53)は、過去の麻薬使用体験についての質問に答え、20代後半の1974年以降は麻薬を使用していないと語った。
しかし、ブッシュ氏は麻薬使用体験を明らかにすることは再度拒否。また、この問題を巡る沈黙が大統領選レースでの自分の立場を不利にすることを認めた。
ブッシュ氏はNBC放送の「トゥデーショー」とのインタビューで、「私に対する投票に影響を与えるだろう。有権者が本物でない私について憶測する原因になる」と語った。
しかし、ブッシュ氏は、いかなる”うわさのゲーム”にかかわるつもりはなく、一般の人たちが理解してくれるよう望むと語った。(ロイター通信 1999/08/20)毒ガスの人体実験で警察が捜査着手 英国防省の研究施設
20日付の英紙ガーディアンは、英国国防省の研究施設が1950年代に実施した毒ガスの人体実験の刑事責任を問うため、警察当局が捜査を始めたと報じた。
人体実験がされていたのはイングランド南部ポートンダウンの国防研究所。志願兵に少量のサリンなどの神経ガスを吸わせて、人体への影響を調べていた。
その後、実験に参加した約300人が内臓や皮膚、目などの不調を訴えたほか、53年には皮膚にサリンを付着させる実験を受けた男性兵士が死亡する事故も起きている。地元のウィルトシャー州警察が業務上過失致死傷などの容疑で捜査を行い、国防省も捜査に協力する方針という。
神経ガスを使った人体実験は87年に英国メディアが報じ、政府も「敵から攻撃を受けた場合の防衛手段を研究するため」と大筋で事実を認めていた。(朝日新聞 1999/08/20)3000人に神経ガス人体実験 英軍が戦後40年間と英紙
【ロンドン3日共同】3日付の英紙ガーディアンは、英軍が戦後40年間にわたり科学兵器の威力を試すため約3200人の兵士に神経ガスの人体実験を行っていた、と報じた。同紙によると、人体実験の数は米国で行われた数字の3倍にあたる。
同紙はまた、英軍は1996年に総工費350万ポンドで新しいガス室を建設しており、英軍は将来の新たな人体実験の可能性を排除しなかった、と伝えた。
ガーディアンによると、実験はロンドン西方約130キロのウィルト州ポートンにある英軍の研究施設で続けられてきた。
実験は、連合軍がナチスの保有していた強力な神経ガスを発見した直後の1945年4月に始まった。最も頻繁に実施されたのは、冷戦初期の戦後15年間で、ソ連の科学兵器に対抗するため2644人に対して実施された。60年代になると減少し、89年に終了した。
主に皮膚に液体の神経ガスをたらす方法がとられ、人間1人を殺害するにはどれだけの量の神経ガスが必要かを試した。使用ガスは主にサリンで、タブンとソマンも使われた。
一方、同紙によると、英警察当局は先月、1953年に神経ガスの人体実験中に当時20歳の航空兵が死亡したケースの捜査を開始した。警察は、兵士たちがだまされて人体実験に参加させられたかどうかも捜査をする。(共同通信 1999/09/03)「Windowsに米政府用の“第2の鍵”」の指摘をMSが否定
カナダのセキュリティ会社Cryptonymのチーフサイエンティスト、Andrew Fernandes氏が、「Microsoftは米政府がユーザーのマシンにアクセスするための“第2の鍵”をWindowsにインストールずみのようだ」と報告した。同氏によると、この“第2の鍵”は「NSA」の文字を含むコードとしてWindowsの中に含まれており、これはMicrosoftが米国家安全保障局(NSA)へ鍵を提供していることの証ではないかという。それらコードはWindows 95、98、NT4、2000のすべてに含まれるとのこと。だが、Microsoftは3日のうちにこの「容疑」を否定,これはソフトウェア輸出許可用に米政府が課している規定に従っただけのものだと説明した。ただMicrosoft担当者は「NSA」という文字が誤解を招きやすいだろうことは認めた。(ZDNet News 1999/09/03)ref. How NSA access was built into Windows ウィンドウズのスパイ用裏口説をめぐって議論沸騰(上)
ウィンドウズのスパイ用裏口説をめぐって議論沸騰(下)
(WIRED NEWS 1999/09/06-08)米陸軍サイトが「セキュリティ強化」でMac OSサーバへ移行
Microsoftにとっては屈辱的なニュースだろう。米陸軍がセキュリティ強化のためのWebサーバ変更を明らかにした。陸軍の広報担当サイトであるArmyLINKによると、陸軍のWebサイトはWindows NTサーバをMac OSサーバ+WebSTAR(Webサーバ構築ソフト)に変更した。
今春、米軍のWebサイトに対する一連の攻撃が大きく報道された。今回のシステム変更はそれを受けてのセキュリティ対策の1つだ。米軍サイトへの侵入事件では先日、Global Hellのリーダー格の1人である19歳の青年が逮捕され(9月9日の記事参照)。
ArmyLINKは、陸軍ホームページのWebサイト管理者、Christopher Unger氏の発言を載せている。同氏によると、陸軍がAppleを選択したのは、World Wide Web Consortium(W3C)が、「Macのほうが他のプラットフォームよりも安全」と報告しているためだという。
ArmyLINKでは、陸軍の判断を裏付ける論拠としてW3Cの公開レポートを引用している。それによると、Macintoshはコマンドシェルを持っておらず、リモートログインも受け付けない。したがって、MacプラットフォームはNTやUNIXなどの競合OSよりもセキュリティが高いというのがW3Cの判断だ。このレポートはまた、W3CはMacプラットフォームのソフトウェアにもサーバにも特にセキュリティ上の問題を見出さなかったとしている。
Unger氏はArmyLINKに対し、「政府系ネットワークは有名であるが故に、ハッカーを招く結果になっている」と話している。陸軍の今回の動きは、米政府関連サイトは十分に保護されないまま放置されているとの批判をかわす一助となるかもしれない。(ZDNet News 1999/09/13)米政府ウラン工場放射線環境汚染を認める
【ワシントン16日共同】16日付の米紙ワシントン・ポストは、ケンタッキー州のウラン濃縮工場で問題になっている放射能汚染で、がんなど健康被害を受けた従業員に総額2000万ドルを超える補償を行う方針を米政府が決めた、と報じた。
同工場は、1952年から核兵器や原発燃料製造のためウラン濃縮を行っている。同紙が先月、従業員が起こした訴訟記録などをもとに深刻な汚染が起きていると報じ、エネルギー省が調査を進めていた。
同省が14日発表した調査報告は、現在は従業員や周辺住民の健康への危険は少ないとしながら、「汚染管理は以前より著しく改善した」との表現で、過去には汚染があったことを事実上、認めていた。(共同通信 1999/09/16)西ナイルウイルス流行? 米で脳炎死者、動物もバタバタ 西半球で初の発症
【ニューヨーク27日真能秀久】ニューヨーク市を中心にことし8月から流行している脳炎の原因が、西半球では初の発症となる「西ナイルウイルス」であることが27日、米疾病対策センター(CDC)の検査で明らかとなった。同ウイルスの感染が確認されたのは死者4人を含む37人。同様の症状を示している174人も感染している可能性があり、同センターなどで検査している。
ニューヨーク市内と同市周辺では、干ばつ後の多量の雨とともに脳炎が流行。当初は蚊が媒介するセントルイス脳炎ウイルスが原因とみられていた。
しかし、ことし7月以降、同市のブロンクス動物園周辺でカラスなどの鳥が大量死し、死因を調査した結果、西ナイルウイルスが検出された。
同ウイルスによる脳炎の流行はアフリカや中東、アジアが中心。セントルイス脳炎と同様、蚊を媒介して感染し、症状はナイルウイルスの方がやや軽いという。多くは熱や頭痛といった軽い症状が出た後に恢復するが、老人や幼児の場合には高熱や意識障害を起こし、死亡することもある。
ニューヨークでの流行は、旅行者か輸入動物によってウイルスが運ばれた可能性が強い。同市では、蚊が大量に発生する地域へ殺虫剤散布などで感染源対策を行っている。(中日新聞 1999/09/28)イスラエルが第6の核大国
【エルサレム8日共同】8日付のイスラエル紙ハーレツは、米エネルギー省の秘密文書をもとに、公式には核保有を認めていないイスラエルがロシア、米国などに続き世界で6番目の核大国であると報じた。
同紙によると、核兵器に転用可能なプルトニウムの保有量では、ロシアが最も多く140トン。続いて米国の85トン、英国7.6トン、フランス6―7トン、中国1.7―2.8トンの順で、イスラエルは300―500キロで6番目。インドは150―250キロ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は23―35キロを保有しているという。
核拡散防止条約(NPT)への調印を拒否しているイスラエルは、核疑惑に対し、否定も肯定もしない立場をとっているが、核弾頭100―200の戦術核を保有していると推定されている。(共同通信 1999/10/08)CIA Support of Death Squads(Serendipity 1999/10/09) 秘密文書:チリ独裁時代の米国人死亡でCIA関与の疑惑
チリのピノチェト軍事独裁時代の73年、軍部に殺され、映画「ミッシング」で知られる米国人について、当時、CIAが関与した疑いを米政府当局者が持っていたことが公開された米国務省の秘密文書で明らかになった。米国では米政府機関がチリの人権弾圧に関わっていた可能性が強いと、真相解明を求める声が広がっている。(毎日新聞 1999/10/09)米国をテロ支援国と批判 ロシア軍スポークスマン
【モスクワ17日共同】ロシア国防省スポークスマンであるマニロフ参謀本部第一次長が、ロシア紙との会見で米国を「テロ支援国」と批判していたことが17日、明らかになった。
ロシア軍を公式に代表する高級幹部の発言だけに物議を醸す可能性もある。
ロシア軍が進攻したチェチェン情勢に対する米国の懸念表明や、ロシアの核抑止力を決定的に低下させる米本土ミサイル防衛(NMD)計画推進に対するロシア軍首脳部の強い不満と焦りが背景にあるとみられる。
問題の会見記事は、週刊紙インタファクス・ブレーミャ最新号が掲載した。
次長は、ロシア軍が作成した新たな軍事ドクトリンに関連して、過激な民族主義や宗教組織が「国際的な反動勢力」の支持を受けて、ロシアだけでなく世界の脅威に成長していると指摘。
その実例として、チェチェン共和国を含む北カフカス情勢の不安定化に触れ、「その他の地域でも、米国や(ユーゴスラビアの)コソボ解放軍などが、テロリストを表や裏で支援している」と決め付けた。
次長は、今回のチェチェン進攻の実現に中心的な役割を果たしたといわれる強硬派のクワシニン参謀総長に近い人物とされる。(共同通信 1999/10/17)日本本土の核兵器配備
【ワシントン20日共同】米核軍縮団体である天然資源保護協会のノリス上級研究員らは22日、米国防総省の機密解除文書を分析し、返還前の沖縄に合計1200発以上の核爆弾・弾頭が配備され、本土にも1950、60年代に核物質部分を除いた核爆弾の容器が配備されていた、とする論文を発表した。
返還前の沖縄の核配備はこれまでも知られていたが、論文は合計18種の配備核兵器など初めて具体的に明示。核物質を積み込むだけで爆弾となる半製核爆弾が日本に配備されていたと指摘し、対共産圏の最前線として日本列島が米核戦略の重要拠点だったことを裏付けた。米政府は日本への半製爆弾の配備について日米関係への影響を懸念し明らかにしなかったという。
国防総省の文書は「核兵器の管理・配備の歴史」(1978年2月)。同氏らの情報公開請求を受けて同省がこのほど一部を公開した。
同省文書は一部の国名を安全保障上の理由で黒塗りで消し「日本」「沖縄」とは明記していないが、国名がアルファベット順の配列となっていることや他の公開情報を基に、論文は特定している。
沖縄には台湾海峡の緊張を受けて、まず核爆弾の容器を54年7月に初配備し、完全な核爆弾(54年12月)、対潜水艦核爆弾(57年12月)、地対地ミサイル、マタドール(57年11月)などを順次配備、ベトナム戦争が激化した最多期の67年にはアジア太平洋の合計3200発のうち、1200発以上が沖縄にあった。50年代末には嘉手納空軍基地だけで800発あった。
沖縄の核はグアム島、韓国よりも大量に配備されていたが、返還が実現した72年にすべて撤去された。日本の核爆弾の容器部分の配備はアイゼンハワー政権が54年12月に命じ、最終的な撤去は65年6月となっている。(共同通信 1999/10/20)「核兵器は違法」と施設破壊を免罪 英・スコットランド
「核兵器は国際法上、違法である。これを無くそうという行動は犯罪を防ぐためのものだ」――こんな論理が通って、英国・スコットランドで21日、海軍基地に侵入して核搭載原子力潜水艦トライデントの施設の一部を破壊した反核運動の女性3人に対し、免罪を言い渡す法廷の決定があった。
3人は、1980年代に盛んだった「核軍縮運動」(CND)に共鳴する反核運動家で、45―63歳。今年6月、グラスゴー西方にある海軍基地ファスレーンに忍び込み、トライデントの付属施設である「はしけ」の実験設備の一部を破壊して逮捕され、拘束されていた。
21日、スコットランドから報じられたところでは、地元のグリーノック治安判事裁判所で、弁護側は(1)1996年の国際司法裁判所(ICJ)の判断(勧告的意見)で、すべての核兵器は違法とされている(2)女性たちは基本的に罪を犯したが、それはこれを上回る犯罪を防ぐためだった(3)したがって、スコットランドの法で「免罪」されるべきだ――と主張した。
これに対して、ギムブレット判事(60)は弁護側の言い分を認めて放免を決定。「決定はこうした行動を繰り返していいという意味ではない」と諭しながらも、「この事件がきわめて特別な状況下にあった」と語って、トライデントの存在を「違法」と判断したことを強く示唆した。
決定の理由として、同判事は「英国のトライデントが他国に脅威を与えていて、国際法を犯すと解釈することもできる」と語り、女性らの行動が「正当化」されるという判断を示した。
英国は「抑止力」として核兵器保有を正当化している。BBC放送などによると、この判決について、地元の保守党議員らから、早速、怒りの声があがっている。上級審に持ち込まれた場合、この決定が支持を得られるかどうかは疑問だが、核兵器の合法性について国際社会に改めて一石を投じ、世界の反核運動を勇気づける「小さな町の法廷の大きな判断」になるかも知れない。(朝日新聞 1999/10/22)ブッシュ氏のコカイン疑惑本の販売停止=著者の信頼性に疑問−米出版社
来年の米大統領選挙の共和党最有力候補ブッシュ・テキサス州知事が1972年にコカイン所持容疑で逮捕されていたなどとする「暴露本」について、出版元が販売を停止したことが22日、明らかになった。著者の信頼性に疑問が生じたためという。(時事通信 1999/10/23)国民の4割が終末信じる 米誌の世論調査
【ニューヨーク24日共同】25日発売の米誌ニューズウィーク最新号に掲載の世論調査によると、米国民の40%は善の力(イエス・キリスト)と悪の力(反キリスト)が最後の決戦を行う「ハルマゲドン」の戦いで世界が終末を迎えるという聖書の予言を信じており、予言を信じる人たちの45%は、自分たちが生きている間にキリストが地上に再降臨すると信じていることが明らかになった。
キリスト教徒だけでは終末を信じる人は45%だった。
キリストの再降臨を信じる人の多くは最近の自然災害やエイズ、エボラ出血熱、相次ぐ銃乱射事件などが再降臨が近いことを示す兆候だと受け止め、非キリスト教徒をキリスト教に改宗させることが重要と考えているという。
調査は21日から2日間、全米の18歳以上の755人に電話で行われた。(共同通信 1999/10/25)731部隊:関係者リストの作成作業に協力要請 米下院議員
【ワシントン27日瀬川至朗】第2次大戦中に中国で細菌兵器開発の人体実験を行った旧日本軍の731部隊(関東軍防疫給水部)の戦犯問題で、米下院のトム・ラントス議員(民主党、カリフォルニア州)は27日、米政府による731部隊関係者リストの作成作業に協力するよう小渕首相に書簡を送ったことを明らかにした。また、ナチ戦犯の追求で知られるユダヤ人人権組織「サイモン・ウィゼンタール・センター」も同日、リノ司法長官に、731部隊関係者に対して行った戦犯免責処分を取り消すよう申し入れた。
米政府は、戦後、731部隊の内部資料の引き渡しを条件に、関係者の戦犯としての扱いを免責した。その後、当時の内部資料の多くは日本に返還した。しかし96年、731部隊関係者を米国への入国拒否リストに加えることを決定。正確なリストがないため、日本政府に協力を求めたが、日本政府は「日本国民の不利益になる」と協力を拒否している。
今回、小渕首相に協力要請の書簡を送ったラントス議員は、米下院に日本政府への協力を求める決議案を提出する準備も進めている。
一方、サイモン・ウィゼンタール・センターのクーパー副代表らは、731部隊はすでに故人となった関係者は多いが、生き残りの関係者は今も、戦時中の自らの行為を反省していないと指摘。米政府が免責処分の誤りを認めることが、日本に反省を促すきっかけになると強調した。(毎日新聞 1999/10/28)旧約聖書記述は事実ではない? イスラエルの学者が論文
ユダヤの民がエジプトでの奴隷生活から逃げ出し、荒野をさまよった末に、約束の地カナンを征服した――これらの旧約聖書の記述は、考古学的発掘でみる限り歴史的事実ではないとする論文が、イスラエルの学者により発表された。1967年に占領したヨルダン川西岸などからの撤退には、「神から与えられた土地を手放すもの」と、聖書を論拠に反対する右派、宗教指導者も多く、この学説は論議を呼びそうだ。
論文は29日のイスラエル紙ハーレツに掲載された。テルアビブ大学のゼエブ・ヘルツォグ考古学教授によるもので、イスラエル各地で70年にわたって続けられた発掘の結果を検証した考古学者や歴史学者の大半が、旧約聖書に描かれたことがらは史実ではないと結論づけている、というのがその骨子だ。
イスラエルの考古学は60―70年代、旧約聖書の記述の裏付けに夢中になった。しかし科学的な研究、調査を続けてきた人々の大半は、ユダヤ民族の成立過程は聖書に描かれたのとは全く異なる、という考えで一致。聖書の記述が事実であることを証明しようとしてきた研究者も、多くが、これに同意するようになったという。(朝日新聞 1999/10/30)米が68年に細菌兵器実験 太平洋ジョンストン環礁
【ワシントン5日共同=石山永一郎】中部太平洋ハワイ南方の米領ジョンストン環礁で1968年、米軍が細菌を空中散布する大規模な生物兵器実験を行っていたことが5日までに分かった。
92年に米国に移住した旧ソ連生物兵器研究所の元副所長のケン・アリベック氏(49)=バージニア州在住=が、かつてソ連情報機関から報告を受けたとして共同通信に語った。米国側の当時の実験責任者の1人である米国防総省の生物戦争研究所元幹部のウィリアム・パトリック氏(73)=メリーランド州在住=もこれを確認した。
旧日本軍「731部隊」の研究内容を入手して進められたとされる米国の生物兵器の開発が、72年の生物兵器禁止条約調印による「開発、生産、貯蔵」の放棄直前まで続けられ、当時、既に実戦配備のできる段階に至っていたことを示している。
アリベック氏によると、実験に使われた細菌はヒトが感染するとペストに似た症状になる野兎(やと)病菌だった。実験には多くのサルがを乗せた複数の艦船が使われ、軍用機が細菌を含んだ粉末状物質を散布、サルの感染率、死亡率を調べた。「実験は信じ難いほどの成功を収めた」という。
環境への影響についてアリベック氏は「野兎病菌は長期間、安定的には生存せず、問題は生じていないと思う」と述べている。
米側のパトリック氏は「実験により、われわれは決定的なデータを得た」と語り、これらの事実を認めた。しかし「使用した細菌名など詳細は現在も機密扱いであり、答えられない」と語った。
米国防総省は96年、ジョンストン環礁に化学兵器を貯蔵していた事実とともに、これを廃棄する方針を発表したが、生物兵器については触れていない。同環礁ではかつて核実験が行われたことがあり、現在は少数の米軍、政府関係者のみが居住している。
また、沖縄の米軍基地に貯蔵されていた化学兵器が、71年に同環礁に移送されている。(共同通信 1999/11/05)米国防総省は確認せず
【ワシントン5日共同】米国による太平洋のジョンストン環礁での細菌兵器実験について米国防総省スポークスマンは4日、共同通信に対し「現在の問題ではなく古い話であり、答えられない」と述べ、実験を実施したかどうか確認しなかった。(共同通信 1999/11/05)米基地に波紋状の巨大施設 68年の衛星写真を公開
【ワシントン7日共同】米中西部ユタ州のダグウェー米軍基地内に、中央施設の周りを大小の同心円が幾重にも囲む巨大な施設がつくられていたことが、米国立公文書館が7日までに公開した米衛星「コロナ」の1968年撮影の写真で判明した。同基地は生物・化学兵器開発の実験場として使用されてきたことが知られており、実験場の施設とみられる。
衛星写真によると、付近の地形の様子から直径は少なくとも数キロはある。
ダグウェーでは生物兵器投下実験が60年代までモルモットなどを使って行われていたことが分かっており、施設の構造から、一定距離ごとに動物を置き、死亡率などを調べるための実験場だったとみられる。
その巨大さは、米国が当時、局地的な戦術兵器にとどまらず、生物・化学兵器を核兵器なみの戦略兵器と位置づけていたことも示唆している。
ワシントンの米軍関係者は、写真が撮影された理由について「ソ連の偵察衛星などを警戒、上空から実験場がどのように見えるかを確かめたのではないか」と分析している。
中心施設を同心円状に囲む構造は、中国東北部(旧満州)で旧日本軍「731部隊」が同心円上に打ったくいに捕虜を縛り付け、細菌兵器生体実験を行った際の構造とも似ている。
88年に米国で公開された文書によると、同基地では50年代から60年代にかけて炭疽(たんそ)菌などの生物兵器を爆弾や噴霧器で航空機から投下する実験が69回以上行われた。現在は化学兵器の廃棄作業が進められている。
ダグウェーはソルトレークシティーの南西約140キロ。ユタ州は核実験場のあるネバダ州に隣接、「核実験の風下」の州としての被害も出ている。(共同通信 1999/11/07)米軍、韓国でも枯れ葉剤散布 米国防総省認める
【ワシントン17日=林路郎】米国防総省のクイグリー副報道官は16日、在韓米軍と艦国軍が60年代に、南北間の軍事境界線周辺で、ベトナム戦争時に使用したのと同様の枯れ葉剤を使用していたことを認めた。韓国内の報道を確認したもので、中には最も強力なオレンジ剤も含まれていたという。人体への影響について同副報道官は「知らない」と述べたが、国防総省が調査を行うことを約束した。
枯れ葉剤は猛毒のダイオキシンなどを含み、ベトナム戦争で米軍が使用した結果、障害児の誕生が相次ぎ問題となった。
副報道官の説明によると、南北朝鮮の緊張が高まった当時、北朝鮮軍の監視を強めるため、密生した植物を除去する必要に迫られた。
韓国政府が枯れ葉剤使用を決め、米国の承認のもとで韓国兵が地上から韓国側に散布したという。
韓国メディアは「米軍が使用をもみ消した」と伝えたが、クイグリー副報道官は、「当時は枯れ葉剤の危険性は認識されておらず、使用については当時の米国務長官と韓国高官が決定に関与した」と述べ、“もみ消し”を否定した。【ソウル17日=森千春】韓国国防省は17日、軍事境界線の韓国側で、68年、69年の2回、枯れ葉剤を使用したと発表した。
68年には、「エージェント・オレンジ」(オレンジ剤)約8万リットル、「エージェント・ブルー」約12万8000リットルなどを7345ヘクタールに、69年には、約1万4000リットルを1070ヘクタールの地域に散布した。
韓国側発表は、枯れ葉剤の使用は、軍事境界線付近に駐屯していた米軍部隊の提案が発端となって、駐韓米軍司令部が本国政府を通じて韓国政府と協議して決めたとしており、「韓国政府の決定」とする米国防総省の説明と、微妙な食い違いを見せている。(読売新聞 1999/11/18)「核保有」暴露技師の公判記録初めて公表 イスラエル
【エルサレム24日=当間敏雄】1986年にイスラエルの核兵器開発・保有を英紙サンデー・タイムズに暴露し、現在、国家反逆罪、スパイ罪で服役している元原子力技師モルデハイ・バヌヌ受刑者の公判記録が、24日、初めてイスラエルのイディオト・アハロノト紙に掲載された。イディオト紙の資料請求で裁判所が一部公表を認めた。
同紙によると、バヌヌ受刑者は裁判の中で「イスラエルは核兵器を保有していないとうそをつくことはできない。だれもが知っていることを確認したかっただけだ」と核保有を認めた上で、「この件に関しては適正な査察を受けるべきだと思った」などと機密暴露の動機を語っている。サンデー・タイムズ紙は、暴露情報をもとに、イスラエルは200個以上の核弾頭を製造していると伝えていた。
バヌヌ受刑者は、ディモナ原子力研究所のスタッフで、86年10月に機密情報を英紙に暴露した。(読売新聞 1999/11/25)ベトナム戦争 豪帰還兵にもつめ跡
子供の自殺率、平均の3倍 枯れ葉剤で障害も
【シドニー3日桑原智雄】ベトナム戦争に参加したオーストラリア軍人の子供の自殺率が、一般の3倍に上ることが、3日発表された調査結果で明らかになった。復員軍人の団体は、子供の自殺を防ぐことを緊急課題として挙げている。
調査は、オーストラリア健康福祉研究所がベトナム帰還兵約6800人と帰還兵の子供約3600人を対象に行った。帰還兵の子供は口唇口蓋裂(こうがいれつ)などの発生率が非常に高く、病気などによる死亡率も平均より非常に高いが、自殺率は3倍にも達し、さらに研究が必要としている。
ベトナム復員軍人協会のミッチェル・テーラー会長は、ABC放送のインタビューにこたえ「多くの帰還兵は、うつ症状に悩み、自殺率が平均より20−25%高い。彼らの生き方について考えたり葬儀に出たり、そうした環境で育った子供は、自殺を1つの選択肢と考えてしまいやすいのだと思う。この連鎖を断ち切る必要がある」と語った。
帰還兵の子供の先天性障害の発生率の高さについては、復員軍人団体はベトナムで使われた枯れ葉剤との関係をあらためて強調している。(中日新聞 1999/12/04)13基地で核扱い可能 50年代在日米軍基地で
【ワシントン12日共同】米核監視団体、天然資源保護協会は12日、米軍は冷戦時代に三沢、板付、厚木、岩国、小牧、入間などの米軍基地にプルトニウムなど核物質部分を取り外した核爆弾を配備、佐世保や横須賀には核搭載艦が常時出入りしていたことが、米文書で確認されたと明らかにした。
同協会のロバート・ノリス氏によると、核兵器の一部が配備されたり、核兵器配備を想定していた在日米軍施設は計13あったという。「1956―57年米極東司令部核兵器作戦手続き」で明らかになった。
核物質を除いた核爆弾を日本に前方配備し、有事の際に沖縄などから核物質を緊急輸送し、完全な核爆弾にする態勢を米軍が50年代に取っていたことは、同氏らの研究や元米兵の証言で既に知られている。
同氏によると、米国防総省や統合参謀本部は日本本土に完全な核爆弾を配備する許可を最後まで得られず、特に米国務省は核配備が日本国民に漏れた場合に、反米・反日本政府感情が高揚し、親米の自民党政権が崩壊するのを嫌ったという。(共同通信 1999/12/13)父島、硫黄島にも核兵器 返還後も有事再配備の密約
【ワシントン12日共同=杉田弘毅】1968年に日本に返還された小笠原諸島の父島と硫黄島に、米国が50年代から返還直前まで対ソ連・中国戦を想定し核兵器を配備、返還後も有事の際の再配備を認める日米両政府間の密約があったことが、公開された米政府の機密文書などで12日明らかになった。
米核監視団体の天然資源保護協会が発表した。小笠原諸島の核配備や返還後の密約が明らかになったのは初めて。同協会は、再配備に関する密約は後の沖縄返還の際の核持ち込み・通過の密約の先例になったとみている。
同協会のロバート・ノリス氏らは10月、沖縄に1200個の核が配備されていたなど冷戦時代の米核配備状況を発表したが、この時特定できなかった2地点がその後両島だと分かった。
米統合参謀本部文書(57年6月)は、56年2月に父島に核爆弾配備が始まったと記録。海洋発射核ミサイルのレグルス、タロスと合わせ3種類の核兵器が65年12月まで配備されていたことが確認された。
硫黄島には、プルトニウム部分を外した核爆弾を56年2月から返還の2年前まで配備。56年9月―59年12月の間は、同部分も含む完全な核爆弾も置かれた。両島とも配備数は不明。
同氏らは、両島が核ミサイルを発射した潜水艦がミサイルを再装てんする基地と位置づけられており、日本などの基地が破壊された後も、米軍が目立たない両島からの核攻撃継続を想定していたとしている。
小笠原返還に伴う有事の核再配備の密約は、米軍の強い意向を受けジョンソン政権が佐藤政権と交渉、秘密合意に達し、後の日本政権も従う方向で協議が進んだことが、国務省文書で確認された。
返還直前の68年4月10日に「小笠原諸島核貯蔵の合意」を交わしたことも記録されており、この合意自体は公開されていないが、同氏らは米軍による核再持ち込みの権利を認めた文書と断定した。(共同通信 1999/12/13)「人工生命」米企業が計画 遺伝子を合成
生命体を作るためには最低限300前後の遺伝子が必要であると、米バイオ企業セレラ・ジェノミクス社のクレイグ・ベンター社長らが突き止め、米科学誌サイエンスに発表した。
同社長らは、この成果を受け、DNAをつないで遺伝子を作り生命を人工合成する研究を計画。倫理的な問題がないかどうか、外部の学者に委託して検討を進めている。
人工生命の実現にはまだ克服しなくてはならない多くの課題がある。もし成功すれば、自然現象だった生命の概念自体に変更が迫られる可能性や、細菌兵器などに悪用される懸念も出てくる。
今回の研究に使ったのは、マイコプラズマ・ゲニタリウムと呼ばれる微生物。人間の遺伝子は8万−14万個と推定されるが、この微生物は生物で最少の517個しかないことが知られている。
同社長らは、遺伝子のDNA配列に入り込んで遺伝子機能をなくしてしまうトランスポゾンというDNA断片を使い、どの遺伝子が壊れるとマイコプラズマが死ぬかを調べた。そのデータをもとに生命体を作るために必要な遺伝子数を割り出したところ、最低でも265−350個の遺伝子が必要であることがわかった。(共同)(朝日新聞 1999/12/27)
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