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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第83楽章:2007年5月]
「偽善」と元職員が批判 元CIA長官の回想録発売
【ワシントン30日共同】イラク戦争開戦時に米中央情報局(CIA)長官だったジョージ・テネット氏がブッシュ政権の開戦判断などを批判した回想録「嵐の真ん中で」が30日、全米で発売された。しかし、当時沈黙を守っていたのに今さら被害者のような顔をするのは「偽善」として、CIAの元職員6人が最も名誉ある勲章「大統領自由勲章」の返還をテネット氏に求めるなど批判の声が上がっている。
テネット氏は、イラクの旧フセイン政権による大量破壊兵器保有は「(バスケットボールの)スラムダンクと同じ(ように確実)」と保証し、ブッシュ大統領に開戦を決断させたとのこれまでの“通説”を否定。泥沼状態に陥った戦争の責任をCIAに負わせようとして、自分の発言が利用されたと政権批判を展開している。
テネット氏は在任中の議会証言などでは、イラクの大量破壊兵器に関する情報評価の正当性を強調していた。(共同通信 2007/05/01)CIA元職員、テネット元長官を批判
ワシントン──米中央情報局(CIA)の元職員ラリー・ジョンソン氏は4月30日、2003年3月のイラク開戦前に同国の大量破壊兵器(WMD)保有疑惑を十分否定しなかったとして、テネット元CIA長官を厳しく批判した。
テネット元長官は29日放送のCBS番組「60ミニッツ」で、イラクのWMD保有は当時、米情報機関内の一致した認識だったと述べた。
2000年の大統領選でブッシュ大統領に投票したジョンソン氏はCNNに対し、元長官がイラクのWMD保有疑惑をめぐる情報を問題視していたものの、米政権が国民にイラクの脅威を伝えるうえで依然役割を担っていたと発言。「元長官は02年秋、旧フセイン政権の高官レベルの関係筋から、イラクがWMDを保有していないと伝えられていた。根拠なき開戦を煽った点で、元長官の手は政権内の全員と同様、血に染まっている」と述べた。
ジョンソン氏はまた、テネット元長官がブッシュ大統領に、開戦正当化に向けた世論操作への積極姿勢を示していたと語り、「これは情報機関の最高幹部の役割ではない。政治的意味が何であれ、大統領や議会に対して事実を伝えるのが役割だ」と強調した。
ジョンソン氏を含む元CIA職員6人は4月28日、テネット元長官への公開書簡を発表。連邦検事解任への関与を最初否定し、後日主張を翻したゴンザレス米司法長官との共通点を指摘し、元長官が回顧録「At the Center of the Storm」で「指導力の誤りを認めた」と主張した。また、自著の印税収入をイラクで死亡した米兵の遺族らに寄付するよう求め、開戦正当化より抗議の辞任をするべきだったと述べている。ジョンソン氏は元長官が在任中に沈黙せず、毅然と主張していた場合、「米国の歴史を変えることができただろう」とコメントした。
一方、職務に復帰したスノー米大統領報道官は、ブッシュ大統領にイラク開戦を説得したとされるテネット元長官の「スラム・ダンク」(確実)発言に注目が集中していると指摘し、イラクのWMD保有疑惑を調べていた機関はCIAのみではなかったと発言した。(CNN 2007/05/01)4月末の戦闘で民間人50人前後が死亡=アフガン西部
【ヘラート(アフガニスタン)2日】アフガニスタン警察や国連などは2日、同国西部ヘラート州シンダンド地区で4月27日と29日に起きた戦闘で、女性や子供を含む民間人50人前後が死亡したことを明らかにした。米軍主導の連合軍は先に、これらの戦闘でイスラム教原理主義勢力タリバンの戦闘員計136人を殺害したと公表、民間人の被害に関する報告はないとしていた。
国連当局者は民間人49人が死亡したとし、アフガン警察は女性18人や子供を含む民間人51人が死亡したとしている。また、同州知事が任命した調査チームによれば、民間人42人が殺害され、55人が負傷。戦闘のため1600家族が避難し、民家100軒が破壊され、または損傷したという。
アフガンでの軍事作戦で民間人の犠牲者がこれほど多数に上ったケースは最近ではない。4月30日には地元住民約1000人が抗議のデモを行い、シンダンド地区当局の事務所が放火された。カルザイ大統領は2日、首都カブールで、軍事作戦で民間人に犠牲者が出るのは受け入れられないと語った。〔AFP=時事〕(時事通信 2007/05/02)米国:テロやスパイ対象の盗聴・家宅捜索が急増
【ワシントン和田浩明】国際テロ容疑者や外国のスパイ活動を対象にした米国内での盗聴や家宅捜索を承認した令状の発行数が06年は2176件に達し史上最高を更新したことが司法省が4月30日公表した年次報告書で明らかになった。令状発行数は01年同時多発テロ以降毎年増え続けており、大規模テロ再発に神経をとがらせ監視を強化する米政府の姿勢が垣間見える。
米国内での国際テロ、スパイ活動を対象にした米政府機関による盗聴には「外国情報活動監視法(FISA)」に基づく特別法廷の令状が必要。司法省によると、06年の発行数は前年の2072件より104件増えた。同時テロ前の00年の2倍以上に達している。
ブッシュ政権は特別法廷では手続きに時間がかかりテロ組織などの活動に対応しきれないとして02年から極秘裏に令状なし盗聴を行っていたが、米メディア報道で発覚し昨年夏に連邦地裁が違法判決を出した。司法省は同月13日、FISA改正案を連邦議会に提案したと発表している。(毎日新聞 2007/05/02)米陸軍中佐、将軍非難の論文 イラク戦争遂行失敗で
イラクへ2度の派遣経験があり、連隊副隊長を務める現役の米陸軍中佐が「米軍の将軍たちは、ベトナムと同様にイラクでも責任を果たさなかった」などと、戦争遂行策の失敗について、米軍上層部の責任を厳しく問う論文を軍事専門誌に寄稿、波紋を呼んでいる。
軍事誌「アームド・フォーシズ・ジャーナル」最新号に問題の論文を執筆したのは、第3機甲化騎兵連隊副隊長のポール・イングリング中佐。
中佐は、一般論として軍上層部のあり方を論じ、「政治家が不十分な手段しか持たずに国家を戦争に導こうとした時に将軍が沈黙を守っていたのなら、その将軍も過失を共有する」と論じた。
ラムズフェルド前国防長官らが、楽観的な見通しのままイラク戦争に突入しようとしたのに、制服組も異論を差し挟まなかった責任を自己批判し、「戦後のイラクについての計画不足のせいで、兵員不足で生じた危機は急速に大失敗へと変質した」と断じた。
イングリング中佐が副隊長を務める連隊は、05年から06年にかけて北部タルアファルで「クリア・ホールド・ビルド(制圧・維持・開発)」と呼ばれる3段階戦略を試験的に実施し、一定の治安改善に成功。昨年3月にはブッシュ大統領も演説の中で成功例として紹介した。(朝日新聞 2007/05/03)元CIA長官、イラク開戦めぐり副大統領非難
「イラクの脅威が緊迫性を帯びているのか、政権内で真剣に討議されたことはなかった」──イラク戦争の開戦時に米中央情報局(CIA)長官だったジョージ・テネット氏が4月30日に出版した回顧録の中で、ブッシュ政権、特にチェイニー副大統領が開戦の結論を最初から出していたのに、後からCIAに責任を押しつけた、と非難し、論議を呼んでいる。
「嵐の中心で」と題したこの回顧録は、イラク戦争にかかわったブッシュ政権高官による内幕の記録としても初めて。
テネット氏は、イラク戦争前の大量破壊兵器に関する情報に関して、バスケットボールのリングの上から得点するシュートになぞらえ「『スラムダンク』ですよ」と、確実さを大統領に請け合ったとされ、「スラムダンク」は、イラクに関する米情報機関の過ちを象徴する言葉となってきた。
だがテネット氏の回顧録によると、CIAが02年12月、イラクの大量破壊兵器疑惑について発表案を用意した際、大統領から「パンチを加えろ」と指示され、「できます」という意で答えたのが「完全に別の文脈で取り上げられた」という。
チェイニー副大統領は昨年、NBCテレビのインタビューで、大量破壊兵器疑惑については「ジョージ・テネットが『スラムダンク』だと請け合った」と主張した。
これに対し、テネット氏は「まるで私が『スラムダンク』と言わなければ、イラクと戦う決意はできなかったかのような言い方だ」と批判した。(朝日新聞 2007/05/03)O・ストーン監督、米イラク政策批判のテレビ広告を製作
ロサンゼルス(CNN) ベトナム戦争映画「プラトーン」「7月4日に生まれて」や、社会派作品「JFK」「ナチュラル・ボーン・キラーズ」で知られるオリバー・ストーン監督がこのほど、ブッシュ米大統領のイラク政策を批判するテレビ広告を製作した。広告には、2004年にイラク従軍を終えた元兵士が登場。連邦議会が可決したイラク駐留米軍の撤退期限を明記した戦費補正予算案に、同大統領が拒否権を発動したことなどを、批判している。
広告は、政治団体「MoveOn.org」のために製作された。
自身もベトナム戦争に従軍したストーン監督は、「(イラク戦争は)ベトナム戦争と同様に、死体の山を積み上げ、世界中の恥さらしになっている」と批判。
CNNに対し、広告のメッセージは単純で簡単だとして、「兵士を支援し、彼らの声に耳を傾けよう。彼らを家に連れ戻そう。兵士らに、死ではなく、命を与えよう」と訴えた。
広告に出演した元イラク従軍兵士のジョン・ブルーンス氏は、「この広告を見た人は、戦争に従軍した兵士がとても愛国的で、しかし盲目的に大統領の方針に従ったわけではないということが、わかるだろう」と話している。
ストーン監督はまた、政府が主張する「イラクから駐留米軍が撤退すれば、イラク国内が無秩序な混乱状態に陥る」という意見に、「我々があそこから出て行けば、イラクの国民が自分たちの手で、自分たちの問題を解決する」と反論。
「毎日毎日、大勢の人々が死んでいる現状はかなり深刻だ。あそこでは、市民になれない。人が生きていく状況じゃない。この状況をもたらしたのは我々だ」と語っている。(CNN 2007/05/04)核爆弾開発、50年前に仏と密約=ペレス副首相の伝記で指摘−イスラエル
【エルサレム9日時事】ロイター通信は9日、最近執筆されたイスラエル政界の重鎮、ペレス副首相の伝記で、同国が50年前にフランスと核爆弾の共同開発を行う密約を交わしていたことが明らかになったと報じた。
イスラエルの核兵器をめぐっては、フランスの支援を得て、1960年代に建設された中部ディモナにある原子炉で、最大200個ほどの核弾頭が製造されたとみられている。
ペレス氏はこれに先立つ57年、パリで当時のフランス首脳と密約の調印を行った。ただ、米国がフランスに対し、イスラエルへの協力を停止するよう強い外交圧力を掛け、密約は数年後には破棄されたという。
伝記を執筆したイスラエルの歴史家ミハエル・バルゾハル氏によると、密約の事実は最近公開されたイスラエル、フランス両政府の公文書によって判明した。(時事通信 2007/05/09)米軍空爆で市民21人が死亡 アフガン、タリバンと戦闘
【カブール9日共同】アフガニスタン南部のヘルマンド州知事は9日、旧政権タリバンなどの掃討作戦を展開する駐留米軍が8日に同州サンギン地区を空爆、子供や女性を含む市民21人が死亡したことを明らかにした。米軍の声明は「タリバンの戦闘員多数を殺害したが、市民の犠牲者はいなかった」としている。アフガンでは駐留外国軍とタリバンによる戦闘で、民間人が巻き添えになるケースが相次いでいる。(共同通信 2007/05/09)イラクのメディア操作
米国防総省、開戦前に計画
【ワシントン=山崎伸治】米国防総省がイラク開戦前の2003年1月から、フセイン政権打倒後にイラクのメディアを使った情報操作を計画していたことが、米政府解禁文書で分かりました。民間研究組織ナショナル・セキュリティ・アーカイブが8日、米情報公開法で入手した文書を明らかにしました。
これは「『即応メディアチーム(RRMT)』構想」と題した計画書と説明用文書(計10ページ)。03年1月16日付で、国防総省の特殊作戦・低強度紛争担当次官補室と近東・南アジア問題担当次官補室が作成したものです。
それによると、即応メディアチームは、米英のテレビ・ラジオ・新聞などのメディア専門家と「米政府公認のイラクのメディア専門家」で構成。「任務」として、「イラク国民に米政府・連合軍の意図と活動を知らせる」、「米政府が承認した情報の放送と出版を開始する」ことなどを列挙しています。現地の米軍司令部との連携も盛り込まれています。
フセイン政権与党のバース党の影響力の排除を狙った番組や、同政権による大量破壊兵器の製造を扱った番組のほか、ハリウッド映画やスポーツ番組なども扱うことが計画されています。
国防総省は03年3月、米国の軍需企業に1500万ドルで事業を発注。そのもとにつくられた「イラク・メディア・ネットワーク」が同年5月からテレビ放送を開始しています。
同ネットワークは翌月、米英の占領組織・暫定行政当局(CPA)から、イラクの旧情報省に代わるものと認定されました。(しんぶん赤旗 2007/05/10)ref. IRAQ: THE MEDIA WAR PLAN (The National Security Archive) 米軍、市民の犠牲認める アフガン南部空爆
アフガニスタン駐留米軍が8日に南部ヘルマンド州で空爆を実施し、一般市民21人が犠牲になったとされる問題で、米軍は11日、市民が巻き添えになったことを認める声明を発表した。
米軍はこれまで、この空爆で旧政権タリバンの戦闘員多数を殺害したものの、市民の犠牲者はいなかったと主張していた。何人の市民が死亡したかは不明としている。
声明によると、米軍は負傷者の手当てを始めたが、けがが原因で子供1人が死亡したという。(共同)(U.S. FrontLine 2007/05/11)米副大統領「イランに湾岸支配させない」
【テヘラン=加賀谷和樹】チェイニー米副大統領は11日、ペルシャ湾に展開する米空母ジョン・ステニス艦上で「イランの核兵器入手を阻止する」と演説した。
イランに流入するモノやカネの窓口とされるアラブ首長国連邦(UAE)に対米協力を要請。UAEにはイランのアハマディネジャド大統領が13日に訪問する予定で、同湾岸を舞台に米国とイランのつばぜり合いが激しくなってきた。
チェイニー副大統領が演説したとき、ステニスはUAE沖に出て、イランまで約240キロの地点に近づいた。副大統領は、ペルシャ湾に2隻目の空母としてステニスを派遣した狙いを「友人と敵に向けた明確なメッセージ」と指摘。「イランに湾岸を支配させない」と強調、イラン核施設への軍事攻撃の可能性を示唆した。(日本経済新聞 2007/05/12)「宗派間の分裂図るため米軍がテロに関与」 イラク出身の脱走米兵が手口を暴露
イラクで爆破事件が起きるたびに、西側大手メディアは米軍やイラク政府の発表どおり、「テロリスト」や「武装勢力」の仕業と報じる。だが、現地の自由メディアはその多くが占領軍や傀儡民兵の仕業だと伝えている。今回、イラク出身の脱走米兵が自分が体験した米軍による宗派間の分裂を図るためのテロの模様を暴露した。ロンドンに本社を置くアラビア語の通信社、クドゥス・プレス(9日付)が報じた。...(齊藤力二朗)(日刊べリタ 2007/05/13)クラスター爆弾:改良型で不発弾4000発 国連機関推計
【アイナタ(レバノン南部)で前田英司】昨夏の第2次レバノン戦争で大量のクラスター爆弾が投下された同国南部で、自爆装置を備え不発率が「1%未満」とされる改良型爆弾の不発弾でも、市民に重傷者が出ていたことが13日、国連地雷除去センター(UNMAC)の調べで分かった。同センターは改良型だけで不発弾が4000発以上あると推計。「不発率1%未満は実現できていない」として、改良型を含むクラスター爆弾の全面禁止を訴えている。
UNMACなどによるとアイナタで今年4月、女性(70)が親類宅で草刈り中、地中の不発弾が爆発。女性は手の指3本を吹き飛ばされ、両足にも重傷を負った。右目は失明の恐れがある。爆発したのはイスラエル製の改良型クラスター爆弾「M85」と判明した。
M85は着弾時に不発の場合、自動的に爆発する自爆装置を備えている。不発弾が紛争後も市民を殺傷する通常のクラスター爆弾が「非人道的」な兵器とされる一方、不発率の低い改良型は「人道的」とされている。
UNMACが非政府組織(NGO)などの情報を総合したところ、レバノン南部に残る改良型クラスター爆弾の不発弾は、4000〜5000発に上るという。改良型爆弾の被害者が他にもいる可能性があり、ノルウェーのNGOが今月から調査を始めた。
UNMACはまた、改良型爆弾の不発率について「1%未満を実現していないのは明らかだ」と指摘する。昨年、レバノン南部に投下されたクラスター爆弾の子爆弾は数百万発とされ、改良型の使用数はごく限られていたとみられるが、正確な数は明らかにされていない。
英国は今年3月、不発率の高い旧型クラスター爆弾の即時使用禁止を発表したが、改良型M85の保有は継続。ドイツは先月、不発率1%未満の使用は当面認める段階的禁止条約案を発表した。
一方、今月23日からリマで始まる「クラスター爆弾禁止リマ会議」の議長国ペルーは即時全面禁止の条約案を作成。UNMACの調査は部分禁止論では不発弾の脅威を排除しきれないことを示しており、今後の議論に影響を与えそうだ。
国連によるとレバノン南部では昨年から、クラスター爆弾の不発弾で少なくとも22人が死亡、170人が負傷している。(毎日新聞 2007/05/14)クラスター弾死者5000人超える NGO調査
国際的な非政府組織(NGO)、ハンディキャップ・インターナショナルは16日、不発弾による深刻な被害が問題視されているクラスター弾による累積の死者が、世界の24カ国・地域で5475人、負傷者が7246人に上ったとする最新の調査結果を発表。クラスター弾は1発の爆弾から多数の子爆弾が飛散し、地上の広範囲の目標に打撃を与える兵器。不発弾と知らずに触って死傷する子供らが続出。(共同通信 2007/05/16)戦争調整官ポストたらい回し 新設も不人気 米政策
ブッシュ米大統領は15日、イラクとアフガニスタンの政策のかなめとしてホワイトハウスに「戦争調整官」ポストを新設し、統合参謀本部の作戦部長、ダグラス・ルート陸軍中将を選んだと発表した。複数の大物の退役将軍らが打診を受けたものの、不人気な戦争を支える職務を敬遠して全員辞退したとの報道があり、注目されていた。
大統領が出した声明によると、人事は「大統領顧問兼次席補佐官」という形で発令された。ルート中将は湾岸戦争に従軍した経歴があり、04年6月から約2年間はイラク・アフガンを含む中東地域を統括する中央軍の作戦部長。06年9月から現職に就いていた。
このポストは当初、ロシア皇帝にちなんで「ツァー」と呼ばれる戦争の「総責任者」として、強い権限をふるう人物をホワイトハウスに配置する構想だった。
しかし、ワシントン・ポスト紙が先月、少なくとも3人の「四つ星(大将)」の退役将軍に辞退されて人事が暗礁に乗り上げていると暴露。打診された1人のシーハン退役海兵隊大将は同紙に、政権内はなおチェイニー副大統領らタカ派が仕切っており、「引き受けても潰瘍(かいよう)になって去るだけだ」と辞退の理由を語っていた。
イラク駐留米軍のペトレイアス司令官(陸軍大将)よりも「格下」の人物になったことで、戦争調整官の権威も限られたものになるとみられる。(朝日新聞 2007/05/16)病床の司法長官に盗聴承認要求 米高官が議会で証言
【ワシントン16日共同】米中枢同時テロ後、国家安全保障局が行ってきた令状なしの国内盗聴権限の期限が迫った04年、ブッシュ政権の当時の高官らが入院中だった国内盗聴慎重派の司法長官の病室に押し掛け更新に応じるよう要求していたことが15日分かった。当時、司法省ナンバー2の副長官が上院司法委員会で証言した。この問題をめぐり政権内部で深刻な対立があったことを裏付ける議会証言は初めて。(共同通信 2007/05/16)単独犯説の証拠に欠陥=ケネディ暗殺事件で−元FBI科学者
【ワシントン17日時事】「複数犯説の排除に使われてきた証拠には根本的な欠陥がある」。1963年のケネディ大統領暗殺事件をめぐり、元米連邦捜査局(FBI)の科学者らの研究チームが17日までに、こんな論文を米専門誌「応用統計学年報」(電子版)に寄稿した。
ケネディ暗殺事件は、調査報告書をまとめたウォーレン委員会がオズワルド容疑者の単独犯行と断定。遺体から回収された5個の弾丸の破片は、同容疑者が発射した2発の弾丸のものだとする専門家の鑑定がその根拠となっている。
今回、科学者らは最新の科学技術を利用、破片に含まれていた鉛を改めて分析するとともに、犯行に使われたのと同じ型式の銃や弾丸を購入して実験。その結果、破片が「3発かそれ以上の弾丸のものであり、第2の暗殺者がいた可能性が高い」と指摘、科学的な再調査が望ましいとしている。(時事通信 2007/05/17)サリンで脳収縮と米研究 湾岸戦争症候群と関連か
【ワシントン17日共同】17日付ニューヨーク・タイムズ紙は、1991年の湾岸戦争で神経ガス「サリン」にさらされた米兵に脳の収縮がみられると、米ボストン大の研究チームが近く専門誌に発表すると報じた。
国防総省の暴露量推計データと磁気共鳴画像装置(MRI)による検査とを組み合わせた研究結果で、米政府の研究費で行われた。
湾岸戦争直後に米軍が爆破したイラクのミサイル施設から、弾頭に搭載されていたサリンが周辺に拡散。国防総省の推計では、米兵10万人以上が低濃度汚染を受けた。
帰国後に倦怠感や慢性頭痛などを訴える兵士が15万人にも上り「湾岸戦争症候群」として社会問題化したが、政府はサリンとの明確な因果関係を認めていない。(共同通信 2007/05/18)市民3人死亡、誤爆か ガザ南部でイスラエル軍
【エルサレム18日共同】イスラエル軍は17日夜、パレスチナ自治区ガザ南部のラファ近郊で小型トラックを空爆、武装勢力と無関係の男性と10代の息子2人が死亡した。AP通信によると、地元住民は誤爆だったとの見方を示した。またAPは、軍が18日未明にも、ガザ東部でイスラム原理主義組織ハマスの武装集団を空爆、4人が死亡したと伝えた。(共同通信 2007/05/18)ネオコン代表格、世銀総裁辞任へ 恋人厚遇で指導力低下
世界銀行は17日、交際中の女性職員の人事を厚遇したと批判されていたウォルフォウィッツ総裁が6月30日付で辞任すると発表した。内規を上回る昇給を指示したことなどが規律違反とされ、欧州の加盟国などから辞任要求が強まり、事実上の解任といわれる。不祥事による任期途中の総裁辞任は45年の世銀発足以来初めて。イラク戦争を主導した「ネオコン(新保守主義)」の大物だった同氏を総裁に指名したブッシュ米政権には痛手だ。
ウォルフォウィッツ氏の進退を3日連続で協議した世銀理事会は17日声明を発表。総裁を含む関係者の不手際を指摘する一方で、総裁の言い分も一部認め、「『倫理にかなった行動をした』という彼の主張を受け入れた」とした。
同氏は05年、ブッシュ大統領の指名で国防副長官から総裁に就任。恋人が広報担当だったので、関連職場の勤務には問題があるため、自ら国務省に出向させる手続きをしたことなどが規律違反と認定されていた。昇給幅も内規を上回り、年収は5割増近い約19万ドル(約2200万円)だった。
総裁は反論していたが、欧州を中心とした加盟国政府が辞任を強く要求。世銀調査委員会も引責を求めていた。辞任要求の高まりに、総裁を擁護していた米政府も辞任による幕引きに動いた。(朝日新聞 2007/05/18)クラスター爆弾:製造企業への投資中止 欧米の20団体
【オスロ福原直樹】不発弾が市民に大きな被害を与えているクラスター爆弾を「非人道的」と判断し、製造企業への投資を05年以降、中止した欧米の大手基金や金融機関が約20に広がっていることが17日までにわかった。投資を中止した中には、日本の大手銀行の預金量並みの総資産を持つノルウェー年金基金(総資産約2500億ユーロ、約41兆円)もある。同爆弾の「資金源を断つ」方針は、欧米の金融機関の主流になりつつあるようだ。
同基金の投資を審査する倫理委員会が毎日新聞に明らかにした。金融機関の大半は投資中止を公表していないが同委が情報収集した。
中止した中には「北米の大手金融機関」が含まれる。また同基金や▽ベルギーの銀行▽英国の信用金庫も中止している。
同基金は71年に生産を始めた北海油田の収益を元に、90年に設立。国外企業約3000社(07年)に投資するが、04年に倫理委員会を設置。「著しい人権侵害」を行う可能性のある投資対象の審査を始めた。この結果、昨年までに▽クラスター爆弾製造7社▽核兵器製造関連8社など、計19企業への投資を中止した。
同委員会は同様の中止例についての調査を独自に実施。欧米で約20の金融機関が同基金に追随、クラスター爆弾関連企業への投資を中止していたことがわかった。同委員会は倫理審査や投資中止の結果を公表しており、この結果を信頼し、投資中止の基準に適用した金融機関が多いという。
同委のニステュエン委員長は、クラスター爆弾が多数使用され、市民に被害が出た第2次レバノン戦争に触れ「こうした影響で、倫理を重視し、投資をやめる金融機関が増えた」と「投資自粛」の背景を説明している。今年2月、46カ国が08年までに同爆弾の禁止条約を作る「オスロ宣言」が出されたことも背景にあるとみられる。
欧州ではこれまでオランダの2つの年金基金が今年4月までにクラスター爆弾関連企業への投資中止を決めている。(毎日新聞 2007/05/18)イスラエル軍のガザ空爆続く 市民の犠牲増える
イスラエル軍は20日夜、パレスチナ自治区ガザへの空爆を続け、現地からの報道によると自治評議会(国会に相当)議員でイスラム過激派ハマス幹部のハヤ氏の自宅が攻撃され、市民6人を含む計8人が死亡した。イスラエル国内の報道によると、同軍はハヤ氏宅を標的にしたのではなく、外にいたハマス戦闘員5人を狙って殺害、近くの市民3人が巻き添えで死亡した、と主張した。
21日には過激派「イスラム聖戦」の幹部らが乗った車を空爆、4人が死亡した。イスラエル政府は20日の閣議で、ガザからのロケット弾攻撃を防ぐために空爆を強化する方針を決めていた。市民の犠牲が増えれば、イスラエルに対する国際社会の批判が高まる可能性がある。
ハヤ氏はガザで続くハマスと穏健派ファタハの抗争をめぐる停戦交渉のハマス代表団員。同日も交渉に出席した後、帰宅する直前に空爆があり、本人は無事だった。
また、ガザからの報道によると、イスラエル軍による同日の別の空爆で、石材加工場にいた市民1人が死亡した。戦車による砲撃では、ハマス戦闘員1人とその子供4人が負傷した。(朝日新聞 2007/05/21)ケネディ暗殺は複数犯?命中弾丸3発以上…米大チーム新説
【ワシントン=増満浩志】1963年のケネディ米大統領暗殺に使われた銃弾数について、当時の政府調査委員会が「2発」と結論する決め手となった化学分析には根本的な欠陥があることを、テキサス農工大などの研究チームが新たな分析で突き止めた。
狙撃手1人による犯行とされていたが、当時の銃の連射に要する時間を考慮すると、同チームは「命中した銃弾が実際には3発以上あり、狙撃手も複数だった可能性がある」として、米専門誌「応用統計学年報」に発表した。
当時の調査では、大統領の頭部など5か所で計7個採取された銃弾やその破片を分析。銀とアンチモンの含有量を比較、弾丸ごとに成分のばらつきは多少あるという前提で、「5か所のうち2か所が同一の弾丸、もう3か所も別の同一弾丸から生じた破片で、銃弾は計2個」と結論した。
研究チームは今回、犯行に使われたのと同じ、54年製マンリヒャー・カルカノ銘柄の銃弾を古物市場で入手。計30個を最新の化学、統計手法で分析した結果、成分のばらつきが事件当時に考えられたより少ないことが判明、結論を導く上での前提が崩れた。
このため、同チームは「調査委で『同一』と判断した試料にも、実は2個以上が混じっている可能性がある」と指摘。「試料を再分析し、銀とアンチモン以外の微量成分も調べるべきだ」と求めている。(読売新聞 2007/05/21)対テロ戦が世界を分断=アムネスティ報告書
【ロンドン23日】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は23日、2007年版の年次報告を発表し、01年9月11日の米同時テロ後の対テロ戦争で、世界が分断されたと指摘する一方、中国やスーダンのダルフール地方、ロシア、中東で人権侵害が横行していると批判した。
報告書は、西側諸国による差別的な対テロ戦略の結果、イスラム教徒と非イスラム教徒の溝が著しく深まったと強調。米主導の対テロ戦争が展開されているイラクやアフガニスタンでは、人権が日常的に軽視されていると糾弾した。
報告書では、06年の世界の人権状況を320ページにまとめた。カーン事務総長は「『恐怖をあおる政治』が人権侵害を悪循環に陥らせ、その結果、いかなる権利も尊重されず、いかなる市民も安全ではない状況をもたらした」と訴えた。〔AFP=時事〕(時事通信 2007/05/23)イラン国内で秘密活動 CIAに米大統領許可 ABC報道
【ワシントン=有元隆志】米中央情報局(CIA)がイランの不安定化を図るための秘密活動を行う許可をブッシュ大統領から受け取ったと米ABCテレビは22日伝えた。核開発のためのウラン濃縮活動やイラクの武装勢力への支援をやめさせるのが目的とみられる。
同テレビが情報当局者らの話として伝えたところによると、大統領はCIAに対し、イラン国内での宣伝活動、偽情報の流布、通貨や国際金融取引の操作を行うことを認める大統領決定に署名した。イランが核開発の動きをスピードアップさせていることへの警戒から、経済面を中心にイランに圧力をかけていくためだ。秘密活動を行うということは同時に、当面イランに対する軍事行動をとらないことを意味するという。
一方、マコーマック国務省報道官は22日の記者会見で、イランが政権転覆を画策したとして米シンクタンク、ウッドロー・ウィルソン・センターのハレー・エスファンディアリ中東研究部長を拘束していることについて、「全くのナンセンスだ」と述べ、早期解放を求めた。米国とイランの二重国籍を持つエスファンディアリさんは8日にテヘランでイラン当局によって拘束された。
同報道官は、両国の二重国籍を持つ米政府系ラジオ局記者もイラン当局に旅券を没収され、出国できない状態が続いていると指摘。「これらの個人がイラン政府にとって脅威というのは本当にばかげた話だ」とイラン側を強く非難した。
米国とイランは28日にイラク情勢に関する大使級の2国間会談を行う。マコーマック報道官はこの会談では「イラクの安定化に焦点が当てられる」との見通しを示した。(産経新聞 2007/05/23)米海軍がペルシャ湾に集結=軍事演習でイランに圧力
【ワシントン23日】米海軍は23日、核開発を進めるイランとの緊張が高まる中、ペルシャ湾に海軍力を集結させた。推定2200人の海兵隊員を乗せた強襲揚陸艦や兵員輸送ヘリコプターを伴った空母2隻がホルムズ海峡を通過した。
バーレーンを拠点とする米第5艦隊のスポークスマンは、「中東地域の同盟国を守る海上警備行動のために、われわれはここに存在する」と述べた。原子力空母「ジョン・C・ステニス」と空母「ニミッツ」がペルシャ湾で演習を行うほか、ステニスはイラクの米軍部隊を支援する訓練を実施するという。
米海軍は、演習が特定の国を意識したものではないとしている。ただ、国際原子力機関(IAEA)がイランの核開発問題で報告書を提出するのに先立つ数時間前に米艦船が到着、緊張がさらに高まるのは必至の情勢だ。
このような中、米ABCテレビは、米情報当局者の話として、ブッシュ大統領がイランの体制を不安定化させるための非暴力的な極秘作戦を承認したと報じた。具体的には、プロパガンダ放送を流したり、イランの通貨を操作したりするものという。 〔AFP=時事〕(時事通信 2007/05/24)WTCビルテロ被害補償で和解、保険会社が5300億円支払い
【ニューヨーク=中前博之】2001年9月の米同時テロで崩壊した世界貿易センター(WTC)ビルの被害補償額をめぐる争いは23日、保険会社側が開発業者に総額44億ドル(約5300億円)を払うことで両者が和解した。決着は係争開始から約5年8カ月ぶり。ニューヨーク州のスピッツァー知事が発表した。
対象保険会社は米トラベラーズ、スイス再保険など欧米の7社。所有者の同州港湾局からビルをリースしていた開発業者、シルバースタイン・プロパティーズに保険金を払う。総額のうち24億ドルは支払い済みで、新たな負担は20億ドルとなる。資金は同時テロ跡地「グラウンド・ゼロ」の再開発に充てられる。
テロ当時、同ビルは35億5000万ドルの損害保険に加入していたが、開発業者側は「2機の旅客機により2つの事件が起きた」として2倍の補償額を求めて提訴。昨秋、約46億ドルの支払いを認める判決が出ていた。(日本経済新聞 2007/05/24)違法性認識し入植開始=第3次中東戦争後にイスラエル―極秘メモ入手と英紙
【ロンドン26日】1967年の第3次中東戦争でヨルダン川西岸やゴラン高原などを奪取したイスラエル政府が、占領の違法性を認識しながらユダヤ人入植地の建設を開始していたことが分かった。英紙インディペンデントが26日、極秘メモの内容として報じた。
メモを書いたのは、当時イスラエル外務省法律顧問を務めていたテオドール・メロン氏(76)。メモには「機密、緊急」と記され、民間人の入植は第4ジュネーブ条約の条項に違反すると結論付けられていた。
メロン氏によれば、当時のエバン外相は同氏の見解に理解を示したが、労働党政権が積極的に入植地建設を承認し、この案件はエシュコル首相に送られたという。この結果、今日ではヨルダン川西岸に24万人以上のユダヤ人入植者が住む事態となり、和平の大きな障害となっている。
メロン氏は同紙に対し、「入植地の建設や建設ペースの速さは和平の実現を一層困難にしていると思う」と述べた。
6日間戦争とも呼ばれる第3次中東戦争でイスラエルは、エジプトからシナイ半島、シリアからゴラン高原、ヨルダンから西岸と東エルサレムを奪っている。〔AFP=時事〕(時事通信 2007/05/26)イラク泥沼化を予測 米情報機関、戦前に警告
イラク戦争が始まる前の03年1月、開戦すれば戦後のイラク社会は亀裂、宗派・民族間抗争が起きかねないと米国政府の情報機関が警告していたことが、25日に機密解除された複数の報告書で明らかになった。ブッシュ政権が、泥沼の現状につながる問題を事前に指摘されていたのに戦争を始めたことが改めて浮き彫りになった。
機密解除されたのは、「イラク体制転換の地域的影響」と「サダム後イラクの主要な課題」と題する報告書。中央情報局(CIA)や国防情報局(DIA)など、全情報機関の情報を統合して分析する「国家情報評議会」(NIC)が作成した。野党民主党が多数を握る上院の情報特別委員会が、一部共和党議員の賛成も得て、10対5の多数で公開を決めた。
NICはこの2つの分析で、イラクの移行期を国際テロ組織アルカイダは攻撃の機会として利用しようとするだろうと予測。「武装イスラム過激派が資金や民衆の支持を増やし、対米軍テロ攻撃を実施する」可能性を指摘した。
また、イラクに民主主義を定着させるのは「波乱に満ちた道のりで、伝統的な専制主義に逆戻りする可能性もある」とみていた。
上院情報特別委のロックフェラー委員長(民主党)は「ブッシュ政権はこうした不吉な警告に耳を傾けず、その悲劇的な結果の対価を我が国が支払わされている」と非難する声明を出した。(朝日新聞 2007/05/27)イラン、国内スパイ組織を米国が支援とスイス大使を通じて抗議
【テヘラン27日ロイター】イラン外務省は27日、国内のスパイ組織を米国が支援しているとして、在イラン・スイス大使館(イランにおけるアメリカの利益代表部)の大使を呼んで抗議した。イラン学生通信(ISNA)が伝えた。
ISNAによると、スイス大使に抗議を伝えたイラン外務省関係者は「米国およびその情報機関が、イラン国内の問題に対し敵対的干渉を行っているため、これに対する強い異議を(スイス)大使に伝えた」と述べた。
イラン情報省は26日、複数のイラク人グループとイラク占領軍が運営するスパイ組織を発見したと発表した。
イラン外務省関係者は「米情報機関に支援されたスパイ組織が最近、イラン南部、南西部、中部で発見された」としている。(ロイター通信 2007/05/28)イラン:イラン系3米国人、スパイ罪で起訴 「静かな革命画策」
【テヘラン春日孝之】イラン司法当局は29日、イラン系米国人の男女3人を反国家安全保障活動とスパイ活動の罪で正式に起訴したと公表した。その1人、米シンクタンク「ウッドロー・ウィルソン研究所」のハレ・エスファンディアリ中東部長(67)とその組織について、情報省は「イランのイスラム体制を崩壊させるという『静かな革命』を究極の目的に、イラン国内でのネットワーク構築に動いている」と断定している。
他に起訴されたのは、米投資家ジョージ・ソロス氏主宰の「オープン・ソサエティー財団」コンサルタント、キアン・タジバクシュ▽米政府が出資するラジオ局「ファルズ・ラジオ」イラン向け放送の記者、パルナズ・アジマの2氏。情報省は、民主主義推進を目的とするソロス氏の財団についても「(イラン体制崩壊を目指す)陰謀の一部という疑念がある」と説明している。
タジバクシュ氏以外は女性。タジバクシュ氏についてイラン政府は「拘束したとの情報はない」と説明していた。3人は今年1月から今月にかけ、イラン入国中に拘束されたとみられる。
米国は国交のないイランに在外公館を持たないため、イランでの情報活動を民間人に頼っているとみられてきた。米ABCテレビは今月22日、ブッシュ米大統領がイランを不安定化させるための秘密活動を承認したと伝えており、イラン治安当局は警戒を強めている。(毎日新聞 2007/05/30)反戦の母:シーハンさん引退宣言 米国の政治状況批判
【ニューヨーク小倉孝保】イラクで息子が戦死したことをきっかけに反戦運動を展開し、「反戦の母」と呼ばれた米国人、シンディ・シーハンさん(49)が28日、運動の引退を宣言した。シーハンさんは「息子の死は無駄だった」と表現し、政治にほんろうされる中での引退だったようだ。
シーハンさんは自らのブログで「私は外で活動することを終了した」と宣言。AP通信の29日の電話取材でも「普通の生活に戻るためカリフォルニアの自宅に帰る」と語った。
ブログでシーハンさんは「人々が理由もなく死んでいく問題は、“右か左か”の問題でなく、“正しいか間違っているか”の問題」「我々が、腐った(共和、民主の)2大政党制に代わる別の制度を見つけない限り、世界の人々は我々のやっていることを冗談だと思うだろう」と米国の政治状況を手厳しく批判した。反戦運動が共和、民主両党に政治的な駆け引きに利用され、駐留イラク米軍の撤退にめどが立たない状況を批判した発言とみられる。
シーハンさんは「ケーシー(息子)の死は無駄だった。彼の尊い命は、戦争する機械となった祖国に奪われた」と述べ、「さようなら、米国よ。あなたは私の愛する国ではなかった」と記した。
ケーシーさん(当時24歳)は04年4月にバグダッドで戦死。シーハンさんは05年8月からブッシュ大統領のテキサス州クロフォードの自宅農場前などで抗議行動を行い、国際的に注目を集めた。(毎日新聞 2007/05/30)
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