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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」

[第48楽章:2004年6月]




ノルマンディー上陸作戦:民間人死者2万人、負の過去に検証の光──6日で60周年
◇6割は空爆犠牲者──地元大学集計
◇「イラクと同じ」──米軍の横暴、市民証言
第2次大戦のノルマンディー上陸作戦開始日(Dデー)から6日で60周年を迎えるフランスで、欧米の紐帯(ちゅうたい)として機能してきた「ノルマンディー」を市民の視点からとらえ直す動きが浮上している。米国主導の連合国軍はこれまで、欧州解放軍として英雄的な側面が強調されがちだったが、その空爆に伴う民間人犠牲に検証の光が当てられ、駐留米兵による暴行・略奪の被害も語られ始めた。イラク戦争をめぐる欧米間の確執が尾を引く中での動きだけに、波紋を広げそうだ。【カーン(フランス北部)で福島良典】

「解放はすぐに幸福をもたらすものではなかった。ノルマンディーの主要都市カーンには4万トンの爆弾が投下されて70%が破壊され、民間人2500人が命を落とした」。ジャン・マリ・ジロー元カーン市長(78)が赤十字隊員として廃虚を駆けずり回った往時を振り返る。フランスでは上陸作戦がナチスドイツからの欧州解放につながったとの歴史的評価は定着しているが、60年を経て、一般市民が戦災体験を次世代に語り継ぐ機運が高まっている。
地元カーン大学の歴史研究所は10年前、民間人犠牲者数の集計調査に着手した。「ノルマンディー全域の民間人死者は米兵戦死者と同等の2万人。60%は空爆犠牲者」という結果が出た。
上陸作戦さなかの1944年6月6、7の両日に一帯の都市の多くが破壊され、市民3000人が死亡した。ジャン・ケリアン・カーン大教授(57)は「住民の間では誤爆説が流れたが、空爆は作戦に組み込まれていた。連合国軍は通信要衝の都市を破壊すれば独軍部隊の沿岸到着を遅らせられると考えていた」と解説する。
カーン平和記念館は60周年に合わせ今年1〜4月、地元ラジオ局と協力し、高齢生存者の証言に耳を傾ける住民対話集会を開いた。25市町村で約350人のお年寄りが空爆による都市破壊の記憶をひもとき、証言は48時間に達した。
「これまでレジスタンス(対ナチスドイツ抵抗運動)参加者、元軍人などの証言は集められてきたが、市民の話は『さまつな逸話』とみなされ、注意を引いてこなかった。だが、市民が証言に積極的になり、歴史家が話を聞くという対話が生まれた」と記念館のステファン・シモネ館員(36)が環境変化を語る。
集会での住民証言を通じて知られるようになった上陸作戦の「負の側面」がある。ノルマンディー駐留米軍による地元住民に対する略奪や暴行などの犯罪行為の実態だ。イラク駐留米軍によるイラク人収容者虐待が表面化したこともあって、60年前の蛮行は米メディアの関心を集めている。
上陸後、米兵と住民との間には友好ムードが高まったが、戦闘が終わると「米兵は征服した国ででもあるかのように、我がもの顔で振る舞い始めた」(ケリアン教授)。兵たん部門担当の米兵らが軍の燃料や食料を横流しして酒を手に入れ、殺人や暴行、略奪が横行。当時は「ドイツの時代の方が良かった」とさえ語る住民もいたという。
5年前からノルマンディー駐留米軍と住民の関係を調査する法律専門家のステファン・ラマシュさん(42)は「暴行・略奪は『ドイツからの解放』のイメージを汚すものだった」と説明、「解放軍でも駐留が長引くと住民感情は悪化する。イラクで起きていることと同じだ」と指摘する。

◇元独兵「すべて破壊、これが解放か」
ノルマンディー上陸作戦を迎え撃った旧枢軸国ドイツでは、シュレーダー首相が独首相として初めて6日の記念式典に招かれる。一般のドイツ人の関心はあまり高くないが、独誌が「欧州を救った上陸作戦」のタイトルで特集を組むなど、首相の式典出席を戦後処理の一区切りとして前向きに受け止める動きもある。一方、生存する元兵士らは、歓迎と戸惑いが入り交じった複雑な反応を見せている。【ベルリン斎藤義彦】

作戦の当日、ユタビーチから数キロ内陸部にいたロルフ・デ・ベーザーさん(79)は、作戦は「侵略だった」と話す。十分な訓練も実戦経験もないまま18歳でノルマンディーの歩兵部隊に配置されたベーザーさんは「美しい自然に魅せられた。独兵は礼儀正しいと評判で、住民との関係も良好だった。米兵を憎む住民もいた」と言う。
上陸作戦開始後、独兵ばかりでなく、じゅうたん爆撃によって多くの仏住民も殺された。「侵略ですべてが壊された」とベーザーさんは涙ぐむ。徒歩に銃だけで戦う部隊は3日目には劣勢になり、敗走に敗走を重ねた。
作戦がナチスからの「解放」と言われていることについてベーザーさんは「何とも言えない」と口を濁す。ベーザーさんはナチ党員ではなく、義務として兵役に就いた。「ユダヤ人虐殺も知らない。私に罪はない」という。「ヒトラーが倒されたのは良いが、ドイツ人だけでなくフランス人も多数殺され、ドイツの都市は徹底的に破壊された。代償は大きい。これが解放なのか」と疑問を投げかける。
ベーザーさんは、兵役に就く前にドイツで、ノルマンディー出身の仏兵捕虜を世話した。72年、元捕虜が訪ねて来て以来、ベーザーさんも何度かノルマンディーに招かれ、地元住民と交流を続けている。「長い時間、独仏住民が友好関係を築いたからこそ首相も招かれる」と話す。
ベーザーさんは今月5日にもノルマンディーに招かれ、作戦で死亡した米兵の家族などが参加する討論会に出席する予定だ。戦勝国の“お祝い”になりがちな記念式典。ベーザーさんは「もしDデーをお祭りのように祝うだけなら、とても受け入れられない」と式典そのものには懐疑的だ。

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■ノルマンディー上陸作戦
第2次世界大戦末期の1944年6月6日、アイゼンハワー総司令官指揮の連合国軍がフランス北部ノルマンディー地方で開始した上陸作戦。連合国軍は英国に近いパ・ド・カレー地方の守りを固めるナチスドイツの裏をかき、ノルマンディーを上陸地点に選んだ。
艦船約6800隻、軍用機約1万5000機、上陸陸軍兵員約16万人が投入され、「史上最大の作戦」として映画化された。ナチスドイツに対する西部戦線の地上戦の戦端が開かれ、欧州解放とドイツ敗戦へとつながる戦局の一大転機となった。上陸後「ノルマンディーの戦い」が44年8月まで繰り広げられ、民間人2万人、連合国軍3万8000人、ドイツ軍6万人の死者を出した。連合国軍上陸を受けて仏国内で抵抗運動が高まり、8月にパリが解放された。
6日の60周年記念式典にはブッシュ米大統領、プーチン露大統領、英国のエリザベス女王とブレア首相、シュレーダー独首相らが出席の予定。独首相の招待は初。式典には関係者計約1万人が参加の見込み。(毎日新聞 2004/06/01)

イラク:米兵がパトロール中に暴行や窃盗 米紙報道
【ワシントン和田浩明】イラク駐留米軍が治安維持の一環として日常的に行っているパトロールや家宅捜索中に、米兵がイラク民間人を暴行したり金品を盗んだとの告発がイラク人らからあり、米陸軍犯罪捜査局が捜査していることが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズなどが報じた。
米兵によるイラクでの犯罪行為としては、アブグレイブ刑務所などでの収容者虐待が発覚したが、報道が事実なら、日々の治安維持活動にまで違法行為が広がっていたことになる。
同紙に国防総省高官が明らかにしたところによると、5月21日までの約15カ月間に、イラク人を対象とした窃盗18件と暴行6件の計24件が、イラク人らから申告され、捜査対象になっている。その後も、新たな犯罪被害の申告が行われているという。ある事例では、イラク人が所有していた現金を「反米活動支援資金」との名目で、検問所で米兵が取り上げたという。
国防総省のホイットマン報道官もロイター通信に対し捜査が行われていることを確認した。
イラク駐留米軍のキミット准将は米兵による違法行為の存在は認めていたが、「ごく少数で、99%以上は厳しい環境下で自制して行動している」と主張していた。
反米勢力の武装蜂起が続く中、駐留米軍は治安維持や情報収集などを目的に日々1000件以上のパトロールや家宅捜索を行っている。(毎日新聞 2004/06/01)

民主・ケリー氏のイラク政策 党内批判に直面 ブッシュ政権と類似
【ワシントン=古森義久】米国民主党の大統領候補への指名が事実上、確定しているジョン・ケリー上院議員がイラク政策を改めてまとめて発表した。イラク側に主権移譲した後も米軍は駐留を続け、場合によっては増強もすべきだとする骨子は、民主党内の一部に出てきた撤退論を断固、排した形となった。だがその結果、この政策がブッシュ大統領の政策と類似し過ぎて独自色がないとする党内の批判にさらされることともなった。
ケリー議員は5月下旬から、一連の国内遊説や米大手紙との会見で、国家安全保障や外交戦略、特に今、切迫しているイラク情勢に対する政策提案を発表し始めた。同議員は米軍が今の規模、さらには増強してでもイラク駐留を続け、イラクが主権を回復する6月末以降も治安の維持に当たり、民主政権の樹立を目指すべきだと主張、撤退はもちろん撤退の目標の期限を設定することにも明確な反対を表明した。
骨子はブッシュ政権のイラク政策と変わらないが、「ブッシュ大統領は欧州同盟国との関係を悪化させ、国連を軽視し過ぎた」と唱え、イラクの主権回復後の民主選挙への過程では国連の「イラク専門高等弁務官」を置くとの提案がブッシュ政権とは一線を画した。
しかし、民主党内では左派のハワード・ディーン・前バーモント州知事らがイラクからの米軍撤退を唱えたほか、ゴア前副大統領も5月下旬の演説で、イラク情勢を「米国の歴史でも最大の戦略的破綻(はたん)」と非難し、ブッシュ政権の主要閣僚の即時辞任を求め、事実上のイラク放棄を唱えた。また大統領選に第3の候補として名乗りをあげたラルフ・ネーダー氏もイラクの米軍は6カ月の期限を付けて撤退すべきだとの見解を打ち出した。
ケリー議員はこれに対し、ブッシュ政権が議会にかけたイラク攻撃の決議案にも賛成した経緯もあり、米国の対テロ戦争の必要性は一貫して説いてきた。だが、反ブッシュ陣営からは、イラク政策では手ぬるいとする批判も起きて、ブッシュ大統領とのこれからの本格的な対決で、イラク政策をめぐって独自性を出せないのは不利だという指摘をも生むに至った。
ところが、当のケリー陣営では議員自身の本来の思考のほかに、「イラク撤退論は米国大統領としては無責任に過ぎる」とか、「今、13万人以上の米軍が戦闘中なのにその戦闘を一方的に放棄することは米国民多数派の反発を買う」という理由が述べられている。
民主党寄りの米紙ワシントン・ポストも30日付の社説で、「ケリー氏は自分自身をブッシュ大統領と区分させるためにイラクでの米国の任務を放棄する、という大胆で無責任な提案への誘惑に抵抗し、ゴア前副大統領のヒステリックな米軍糾弾の言辞を採用することもしなかった」として、その政策は正しいという賛同を表明した。
しかし、ケリー議員は今後、イラクに関してネーダー氏など外部からの米軍撤退論にさらされながら、ブッシュ大統領とも一線を画すスタンスを説く難儀な路線の保持を迫られることとなる。(産経新聞 2004/06/01)

米将校がジュネーブ条約違反指摘の報告書 虐待事件で
虐待事件が起きたイラクのアブグレイブ刑務所を昨秋、訪れた米軍幹部が「(捕虜の取り扱いを定めた)ジュネーブ条約に違反している」と指摘する報告書を作っていた、とAP通信が1日報じた。機密扱いの報告書を入手したという。
同通信によると、報告書はイラク国内の刑務所の運営を評価し、昨年11月5日付で64ページ。ドナルド・ライダー少将が作成して駐留米軍のサンチェス司令官に提出した。
一般犯罪者と武装勢力側の逮捕者を区別せずに収容していることや過密状況にあること、医療・衛生面が整っていない点などを指摘。「作戦上の制限や施設の限界によるものだが、ジュネーブ条約では認められていない」「こうした収容方法は管理に混乱をもたらす」と警告した。
ジュネーブ条約は戦時における軍人や文民、捕虜などの待遇を定めた4つの条約の総称。捕虜について、暴行、脅迫、拷問の禁止などを定めている。戦争捕虜と一般の犯罪者を一緒に収容することも禁じられ、衛生や健康が保証された施設での収容を求めている。(朝日新聞 2004/06/02)

米でのロビー活動に高額資金=イラク新首相が昨秋以降−有力紙
3日付の米有力紙USAトゥデー(電子版)は、イラク暫定政府の首相に就任したイヤド・アラウィ氏が昨年10月以降、ワシントンでの政治的支持を築くため、ロビー活動や宣伝活動を行い、少なくとも34万ドル(約3800万円)の資金を費やしたと報じた。
ロビー活動の開示記録を基に伝えた。それによると、ロビー活動は米国の駐カタール大使を務めたパトリック・セロス氏のコンサルティング会社が調整し、ワシントンの弁護士やニューヨークのPR会社が雇われた。資金は全額、ロンドン在住の富裕なイラク人が提供した。
ロビー活動の対象となったのは、議会の有力メンバーや政権当局者、シンクタンク、ジャーナリストなどだったという。
これについてワシントンの有力シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」の中東専門家は「アラウィ氏は、ワシントンの支持を固めておけば、イラクに自分の支持基盤は必要ないと見なしている」と話している。(時事通信 2004/06/03)

軍事作戦は「国家テロ」=パレスチナ政策でイスラエル批判−トルコ首相
【エルサレム3日時事】トルコのエルドアン首相は3日付のイスラエル紙ハーレツのインタビューで、同国による多数の市民を巻き込んだパレスチナ自治区ラファなどでの軍事作戦は「国家テロ」に相当するとの認識を示した。
トルコは、イスラエルと密接な軍事関係を持つ同盟国。しかし、同首相は1492年にキリスト教への改宗を拒否してスペインを追われたユダヤ人をオスマン帝国が保護した歴史を引き合いに出し、「イスラエル人は約500年前に自らが扱われたようにパレスチナ人に接している」と非難した。
エルドアン首相はまた、「ヘリコプターで市民を爆撃し、熟慮なしに子供や女性を殺し、ブルドーザーで家屋を破壊している」と批判した。国民の大多数がイスラム教徒のトルコは、イスラエルとアラブ諸国の和平仲介に意欲を見せており、イスラエルに苦言を呈した格好だ。(時事通信 2004/06/03)

ローマで「反ブッシュ」のデモ 大統領訪問を前に
ローマ(ロイター)ブッシュ米大統領のイタリア訪問を目前にし、ローマ市民らは2日、イラク戦争への反対やブッシュ大統領への抗議を込め、市内各地でデモを繰り広げた。
自らを「不従順者たち」と呼ぶデモ参加者たちは、ローマ市内の橋の上で反戦の旗を広げたり、天使の彫像の頭部に黒い袋をかぶせて、イラク・アブグレイ部刑務所での米兵による虐待に抗議したりした。「ブッシュは帰れ」「イラクから撤兵しろ」「イタリアは戦争が嫌いだ」などのかけ声も聞かれた。
デモでは、警官隊との衝突する場面もあり、約25人が拘束された。
ブッシュ大統領は、3日夜から1日半、イタリアに滞在する。大統領はイタリアのメディアに対し、「(自分に)賛成しない人々がいたってまったく問題だとは思わない。(デモは)健康なことだと思う」と述べた。
イタリア国民の大半は米国主体のイラク戦争に反対しているとされる。連合軍には、米英両国に次いで3番目に多い2700人を派兵しているが、国民の間では撤退を求める声が高まっている。(ロイター通信 2004/06/03)

「テロとの戦い」は第2次大戦と同じ 米大統領演説
コロラド州コロラドスプリングス(CNN)ブッシュ米大統領は2日、米空軍士官学校の卒業式で演説し、イラクなどにおける「テロとの戦い」を第2次世界大戦になぞらえ、「勝利しか受け入れない」と宣言した。開戦に至った経緯については、日本の真珠湾攻撃を引き合いに出した。
ブッシュ大統領は「テロとの戦い」について、「独裁者を信奉した人々と自由を信奉した人々との間で起きた、20世紀の壮大な争いに似ている」と描写。「我々の、この世代の目標も同じだ。自由を前進させ、我々の国を安全にし、平和を守るのだ」と強調した。
大統領はさらに、米同時多発テロ事件を日本の真珠湾攻撃に重ね合わせ、「第2次世界大戦同様、現在の戦いは米国に対する残忍な攻撃によって始まった」と説明。「そうした裏切り行為を我々は忘れないし、敵に勝利すること以外は受け入れない」と明言し、卒業生らを鼓舞した。(CNN 2004/06/03)

ブレマー氏は「サダム」 米、首相ら選定に強く介入
【バグダッド4日共同】1日に発足したイラク暫定政権について、統治評議会のメンバーだったマハムード・オスマン氏(65)は4日までに、首相や主要閣僚らの人選に米国の強い介入を受けたと指摘。連合国暫定当局(CPA)のブレマー行政官は「サダム・フセイン元大統領のような独裁者」で、ブラヒミ国連事務総長特別顧問は「米国の言いなりだった」と批判した。
共同通信とのインタビューで語った。
オスマン氏はまた、6月末の主権移譲後もイラクに駐留予定の多国籍軍について「イラクが作戦について権限を持たなければ、主権国家とはいえない」として、大幅な治安権限の移譲が不可欠との考えを示した。
内閣の人選について、オスマン氏は「統治評議会の一部のメンバーと、ブレマー氏、ブラヒミ氏が密室で決めた」と言明。「当初、ブラヒミ氏は(米国の干渉を受けず)独立して選ぶのだと期待したが、結局、米国の言う通りにしただけだった」と批判、「彼の仕事は失敗だった」と述べた。(共同通信 2004/06/04)

CIA長官辞任:米大統領、戦争批判かわす身代わりに
【ワシントン佐藤千矢子】ブッシュ米大統領が3日、米中央情報局(CIA)のテネット長官(51)の辞任を発表したのは、イラク統治の混乱などで支持率が低迷し、再選に黄信号がともり始めた中で、イラク戦争批判をかわそうとの思惑も働いていると見られる。米政界では、テネット長官が「スケープゴート(身代わり)になった」との声も出ている。
イラク戦争開戦までのブッシュ政権の舞台裏を描いたボブ・ウッドワード氏の新著「攻撃計画」(プラン・オブ・アタック)では、開戦の約3カ月前に、テネット長官がブッシュ大統領にイラクの大量破壊兵器保有は「スラム・ダンクだ」(間違いない)と請け合った秘話が明かされている。しかし大量破壊兵器は今だに未発見のままだ。
テネット長官はまた、昨年1月の大統領の一般教書演説にねつ造情報に基づくイラクのウラン入手疑惑が盛り込まれたことを巡っても批判を浴び、謝罪に追い込まれた。
ブッシュ大統領は、CIAの情報収集と分析をめぐりテネット長官が批判を浴びるたび、長官をかばい、辞任を否定してきた。イラク戦争や同時多発テロの情報収集・分析の失敗を認めれば、そのまま大統領の責任に跳ね返るからだ。
だがイラクの治安悪化や、駐留米軍によるイラク人収容者虐待事件で、イラク戦争に対する米国民の支持は揺らぎ始め、大統領の支持率は各種世論調査でこのところ軒並み就任以来最低を記録している。長官辞任を受け入れることで、批判を沈静化させたいとの判断が働いたとの見方が多い。
米シンクタンク「ケイトー研究所」のテッド・カーペンター副所長は「テネット長官は長い間、議会から辞任要求にさらされてきたが、引責辞任の形は取りたくなかった。最終的に自ら時期を選んで辞任したと思う」と話している。(毎日新聞 2004/06/04)

マイケル・ムーア監督の話題作「Fahrenheit 9/11」、ウェブで公開に
映画製作者のMichael Mooreは米国時間3日、論争を巻き起こしているドキュメントフィルム「Fahrenheit 9/11」予告編のストリーミング配信を開始した。
この予告編は、Mooreのウェブサイトで公開されており、劇場でも4日から上映が始まる予定だ。
同作品は、世界貿易センタービルと米国防総省へのテロ攻撃をめぐって起こった様々な出来事を、批判的かつ非常に私感的に取り上げており、Walt Disneyが配給を拒否したとMooreが明らかにしたことで、多くの注目を集めるようになった。
Mooreはこれまで、銃規制や労働政策などの問題に取り組んだ作品を手がけてきた。同氏は、Disneyが配給を拒否したことについて、この映画のなかにBush大統領および現共和党政権に対して批判的な部分があり、それを封じようとしたものだと主張している。
先週、権威あるカンヌ映画祭で「Fahrenheit 9/11」が最高のパルムドール賞を受賞したことで、この論争はさらに激化した。
Mooreは、映画スタジオのMiramaxを率いるBobとHarveyのWeinstein兄弟が同作品を600万ドルで買い取り、提携するLions Gate FilmsとIFC Filmsを通じてこれを配給することを3日に発表した。
本作品の封切り予定は6月25日だが、待ちきれないファンは予告編でもその雰囲気を味わえる。この予告編ではMooreの強い対決姿勢が描写されており、連邦議会議員に自分たちの子供を軍隊に志願させ、イラクに送り込むよう求めたり、法案承認前に目を通さなかった議員たちへの当てつけに、ワシントンを車で移動しながら反テロ法の条文を拡声器を使って読み上げるなどしている。
ウェブは、ハリウッドが作品を宣伝する場所として一段と重要な存在となってきている。ストリーミング配信される話題作の予告編は、劇場での予告編上映が始まらないうちから、大量のトラフィックを集めている。(CNET Japan 2004/06/04)

発煙筒投げ窓ガラス割る ローマで15万人反米デモ
【ローマ4日共同】ブッシュ米大統領のイタリア訪問に抗議してローマ市内の数カ所で4日、計約15万人が参加した反米デモが行われデモ隊がごみ箱に放火したり、発煙筒を投げるなどの騒ぎとなった。デモ隊は規制に当たった警官隊にも瓶などを投げたため、警官が催涙弾を使って鎮圧した。
ローマ大学近くの空軍の施設には発煙筒が投げ込まれ、窓ガラスが割れた。
世論調査によると、イラク南部ナシリヤでのイタリア軍駐留に国民の約60%が反対するなど、イタリアではベルルスコーニ政権への批判が高まっている。(共同通信 2004/06/05)

4月5日以降のイラク人死者1100人超す イラク保健省
イラクで米軍がファルージャ掃討作戦を始めた4月5日以降、各地で戦闘やテロで死亡したイラク人は少なくとも1110人に上ることが同国保健省の調べでわかった。バグダッド首都圏と13の州の主要病院からの報告を集計した。女性と子どもの割合は15%。病院に運ばれずに埋葬される場合も多く、実際はさらに多いと同省はみている。
イラクの行政当局による死者の公式集計はイラク戦争開戦後初めて。
戦後、各地の病院を結ぶ連絡網がなかなか整わず、今年4月になってようやく医師3人が専従で電話による聞き取りを始めた。旧クルド人自治区が含まれる北部4州は連絡体制がなお不十分で、今回のまとめに含まれていない。
集計を始めた4月5日から6月3日までの2カ月間の死者は計1110人。このうち男性は938人、女性91人(いずれも14歳を超す)、子ども(14歳以下)は81人となっている。負傷者は3534人(男性3171人、女性237人、子ども126人)。
死者が最も多いのは、米軍と地元勢力が激しくぶつかったファルージャを含むアンバル州で384人。次いで、バグダッド首都圏の332人。反米強硬派ムクタダ・サドル師を支える民兵と米軍の間で戦闘が続く中部ナジャフ州、カルバラ州などが続く。
ファルージャでは、死亡した家族を病院に運ばずに埋葬したケースが多数確認されている。地元には700人以上が死亡したとされている。
担当の医師は「イラク人自身が実態を知らなければ救援体制を構築できない。人道的にも無視できない犠牲が続いており、事態が収束するまで集計を続ける」と話した。
一方、報道をもとに民間の犠牲者数を集計している英米の非政府組織「イラク・ボディーカウント」は、イラク戦争開戦以後の死者数を最大で1万1100人余と見積もっている。(朝日新聞 2004/06/05)

米政権とタリバン、ビンラーディン引き渡しで秘密協議
【ブリュッセル=鶴原徹也】米国とアフガニスタンの旧タリバン政権の間で、国際テロ組織アル・カーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディンの引き渡しを巡る秘密協議が同時テロの約1年前に独フランクフルトで行われた──。交渉を仲介したエルマー・ブロック欧州議会議員(ドイツ出身)が4日夜、本紙の電話取材で認めた。
ブロック議員によると、タリバン密使を名乗るアフガンのビジネスマン、カビル・モハバト氏がクリントン前政権下の1999年夏、同議員に接触し、「第三国で米国に引き渡す用意がある」と伝え、米当局への仲介を要請した。同議員は半信半疑ながらも駐独米大使に伝達。その後、モハバト氏は訪米し、米当局者と交渉した。タリバン代表団と米当局者は2000年11月、フランクフルトで秘密協議を行った。
この協議を巡り独公共放送ZDFが3日夜報じたところによると、タリバン政権外相は「第三国を指定すれば、いつでも引き渡しができる」とする一方、「見返り」を米国に要求。時期と場所を詰めるため、在パキスタン米大使館で交渉を継続することになったが、結局、交渉は途絶えたと報道した。「見返り」には米国によるタリバン政権の承認が含まれていたと見られる。
ブロック議員は「モハバト氏は在アフガン独企業関係者から、私の名を聞いた。私は仲介しただけで、交渉には関与していない。引き渡しが実現していれば、米同時テロはなかったかもしれないが、それは誰にもわからない」と述べた。(読売新聞 2004/06/05)

米、核弾頭6000発温存・廃棄は4割
【ワシントン=共同】ブッシュ米政権は4日までに、米国が現在保有するすべての核弾頭約1万発のうち4割を2012年までに廃棄し、保管用も含め約6000発を中期的に温存させる新たな「備蓄核計画」を決定、米議会に機密報告書を提出した。エネルギー省傘下の核安全保障局(NNSA)当局者や米核戦略専門家が明らかにした。
戦域・戦術核や保管分も含めた核弾頭に関する米政府の備蓄計画が判明したのは初めて。
同当局者は今月1日に議会へ送った機密報告書の中で(1)戦略核(2)戦術・戦域核(3)予備用に保管されている核──などすべてを「ほぼ半減」する計画が示されたと言明。ただ具体的な弾頭数については「機密情報にあたる」として言及を避けた。
一方、NNSAのブルックス局長から説明を受けた核戦略専門家は、情報公開法で得た機密情報などから、現在ある1万500発のうち、約6000発が維持されると指摘。うち2200発を戦略核として配備し、戦術・戦域核に約1000発を温存、残りは予備用に保管されると説明した。(日本経済新聞 2004/06/05)

バングラデシュで反米デモ・国防長官来訪に抗議
【ニューデリー=山田剛】ラムズフェルド米国防長官が5日から訪問を予定しているバングラデシュの首都ダッカで4日、米国のイラク政策に対する抗議デモが発生した。イスラム団体や左翼組織を中心とするデモ隊は、イスラム教の金曜礼拝を終えた群衆らを加えて約5000人に達し、「ラムズフェルドは戦争犯罪人」などと叫んで大通りを行進した。一部は路上で星条旗を燃やすなどして気勢を上げた。
バングラデシュ外務省によるとラムズフェルド長官は6日まで同国に滞在し、カレダ・ジア首相らと会談する予定。同長官がバングラデシュ政府に対し、今月末の主権移譲後のイラク派兵を要請する、と報道されたことで、国内のイスラム勢力は激しく反発していた。
バングラデシュはこれまで、停戦監視団などの国連平和維持活動(PKO)には積極的に兵員を派遣してきた。だがカーン外相は4日の記者会見で「我が国は国連の要請がない限りイラクには派兵しない」と明言した。バングラデシュは人口約1億4000万人のうち90%近くがイスラム教徒。(日本経済新聞 2004/06/05)

パリで大規模な反戦デモ、米大統領訪問に抗議
【パリ5日ロイター】米仏首脳会談が行われたパリ市内では5日、イラクでの戦争に反対する大規模なデモが行われた。
ブッシュ大統領を戦犯のように描写したTシャツや、「ブッシュはナンバー1のテロリスト」「米軍はイラクから撤退せよ」などと書かれた横断幕を掲げた学生や主婦、会社員らが市内中心部を行進した。
デモ隊はブッシュ米大統領のフランス訪問に反対するスローガンを叫んだが、首脳会談が行われていたエリゼ宮周辺に近づくことは許されなかった。
警察は周辺の道路の多くを封鎖し、デモは平和裏に行われた。
警察はデモ参加者数を推計1万2000人と発表したが、主催者側は不明としている。(ロイター通信 2004/06/06)

情報専門家、新著で米副大統領避難所を暴露
7日発売の米誌タイムによると、情報専門家ジェームズ・バンフォード氏が、米中央情報局(CIA)がイラク情報収集に失敗した実情などを描いた新著「ア・プレテクスト・オブ・ウォー(戦争の口実)」の中で、非常事態時に米副大統領が避難する「サイトR」と呼ばれる秘密執務室の詳細を明らかにした。
同誌によると、サイトRはメリーランド、ペンシルベニア両州境のレーベンロック山の地下深くにあり、大統領山荘キャンプデービッドから約11キロ。「3階建ての建物5棟とコンピューターで埋まった洞窟(どうくつ)と地下貯水池の秘密の世界」という。
2001年9月11日の米中枢同時テロの後、チェイニー副大統領は大統領と同時に暗殺の標的になるのを避けるため、しばらくここで執務していた。(産経新聞 2004/06/07)

湾岸戦争退役軍人70万人が健康被害──「ストレス」説に米会計検査院が疑念
(WIRED NEWS 2004/06/08)

米国:大統領に拷問命じる合法的権限 弁護士団が見解
【ワシントン和田浩明】米紙ウォールストリート・ジャーナルは7日、米ブッシュ政権の弁護士グループが、大統領が拷問を命じる合法的な権限を持ち、命令を受け拷問を実行した者は刑事訴追されないとの見解を昨年3月に文書にまとめていたと報じた。
問題の文書は03年3月6日付で約100ページ。尋問に関連する国内・国際法を検討した上で、米国民を保護するための情報収集が至上命題だと指摘。米国大統領は、米軍の最高司令官として、尋問中の拷問を命じる権限があると述べているという。同文書はラムズフェルド国防長官が13年まで機密指定している。
国防総省のデリタ報道官は7日、AP通信に対し「あくまで弁護士グループの見解で、米軍の許容範囲を超えている」と同通信に語った。(毎日新聞 2004/06/08)

『米国パトリオット法』にNOを突きつける地方自治体
(WIRED NEWS 2004/06/09)

米司法省がCIAに「拷問は正当化される」と助言 米紙
8日付の米紙ワシントン・ポストは、米司法省が02年8月に中央情報局(CIA)に対し、国外で拘束中の国際テロ組織アルカイダのテロリストに、従来なら「拷問」とされるような虐待も「正当化できる」とする文書を提示していたと報じた。
この文書はCIAからアルカイダ戦闘員の尋問方法に関する法的判断基準の問い合わせを受けた司法省が作ったもので、同紙が入手したという。ホワイトハウスもあて先になっていた。
文書の中で司法省は、「拷問」を米陸軍の定義よりも狭く解釈して「臓器の損傷、肉体的機能の損傷や死さえもたらすような苦しみに匹敵するもの」とし、中程度の痛みや短期間の苦痛は拷問にあたらないとの見解を示している。
同紙は、こうした解釈によって虐待事件が起きる素地が生まれたのではないかと推測している。
司法省報道官は同紙に「行政部内で秘密に提供した特定の法的助言についてはコメントしない」と述べ、CIAはコメントを拒否した。ホワイトハウスは「大統領はアルカイダなどのメンバーを人道的に処遇するよう指示した」と同紙に答えた。(朝日新聞 2004/06/09)

米司法長官が文書の議会提出拒否 「拷問容認」問題
国際テロ組織アルカイダ関係者への拷問まがいの厳しい尋問を正当化する文書を米司法省がつくったとされる問題で、アシュクロフト司法長官は8日、上院司法委員会で証言し、問題の文書を議会に提出することを拒否した。
8日付の米紙ワシントン・ポストによると、文書は02年8月に司法省がつくり、ホワイトハウスに回覧された。民主党側は「司法省の見解に沿い、大統領がアルカイダ関係者の厳しい尋問を認める命令を出したのではないか」と長官を追及した。
長官は大統領が文書にどう対応したかについては言及せず、「大統領が憲法や法律、条約に反する命令を出したことはない」「大統領が(拷問まがいの尋問を超法規的に認める)命令を下したことはない」と一般論を繰り返した。
民主党側は問題の文書がイラク人虐待の素地にもなったと見て、文書を委員会に提出するよう求めた。長官は文書が存在することは否定しなかったが、「政府の活動に支障をきたす」として内容には触れず、提出する考えもないと証言した。(朝日新聞 2004/06/09)

『イラク攻撃は国際法違反』 フセイン裁判無効訴え
【アンマン=秦融】イラクのサダム・フセイン元大統領の弁護団がアラブ諸国や欧米の弁護士、大学教授、人権家などを中心に総勢1500人に上っていることが分かった。主任弁護士が7日、本紙との会見で明らかにした。裁判では、イラク攻撃を国際法違反として、裁判自体の無効を訴え、逆に米軍の戦争犯罪を追及する方針という。

■主任弁護士、本紙と会見
会見したのは、ヨルダン人弁護士のモハメド・ラシュダン氏(55)。ラシュダン氏はフセイン元大統領が米軍に拘束された昨年12月、アンマンに住む第一夫人サジダさん、長女ラガドさんら元大統領の家族から相談を受け、弁護団の編成に当たった。
ラシュダン氏によると、1500人の弁護団内には、大量虐殺罪など予想される容疑ごとに委員会を設置。法廷闘争は、アラブ主要国の弁護士組合会長やカイロ・アメリカン大学元教授の米国人ら、サジダ夫人が選任した20人の専属チームが中心となって行う。「イラク戦争がジュネーブ条約など国際法に違反した戦争であることを立証し、違法な占領下でつくられたイラク政府の無効を確認する」という。
弁護団長について、ラシュダン氏は「直接要請はしていないが、ネルソン・マンデラ氏のような辛酸をなめた著名人に頼みたい」としている。
元大統領を弁護する理由について、ラシュダン氏は「国際法違反の戦争によって拘束されたフセイン氏はいまも正統大統領。元大統領を弁護することが国際法を守り、次なる米国の侵略からアラブ諸国を守ることにつながる」と語った。他の旧政権幹部についても、弁護団内に特別委員会を設け、対応を検討していることを明らかにした。(東京新聞 2004/06/09)

「元大統領裁く権利ない」 フセイン氏弁護士会見
【アンマン=秦融】「イラクの暫定政権は、ナチスがフランス侵略後につくった、かいらいのビシー政権と同じ。元大統領を裁く権利はない」−7日、本紙とのインタビューに応じたサダム・フセイン元大統領の主任弁護士モハメド・ラシュダン氏は強気な姿勢を示した。大量破壊兵器がいまだに発見されず、開戦の根拠が揺らいでいることや、虐待事件で、米国の“正義”が地に落ちたことが、弁護団を勢いづかせているようだ。
ラシュダン氏は元大統領の拘束後、まだ一度も元大統領本人と面会していないが、「拷問を受けている可能性がある」と懸念する。
「大統領に面会した赤十字国際委員会から、家族にあてて“軽度の負傷が確認された”との報告があった。拘束から2カ月たった段階で負傷があるというのは、拷問しか考えられない」というのが理由だ。
裁判では、イラク戦争の開戦の違法性に始まり、旧政権を裁くための特別法廷の設立、元大統領の取り調べ中の扱いや拘束の不当性まで、米軍がイラクで行った行為すべてを「違法」と立証する方針だという。
特別法廷の長官に任命されているサレム・チャラビ氏に対しては「選定の経過が全く不明で、妥当な人物とは思えない」と批判。旧暫定統治機関・統治評議会メンバーのアハマド・チャラビ氏(旧反政府亡命政治家)の親類筋にあたり、「イラクで商売しようとしていたという話は聞いているが、判事の経験はないはず」と指摘する。
一方、検察側が追及することが確実なクルド人への化学兵器使用(ハラブジャ事件)について、「使用された毒物が当時のイラク国内には存在しなかったという報告がある」と反論したが、声のトーンは途端に低くなった。
湾岸戦争後のシーア派住民の大量虐殺に至っては、「侵略してきたイランの武装勢力によるバース党員の虐殺、埋葬や、米軍が外国人雇い兵を埋めたケースもあるはず。旧政権との因果関係は不明だ」と、数十万人ともいわれる虐殺の説明としては、非常識な“弁護”も飛び出した。
裁判費用については、「いまは全員が自費でやっている」とし、フセイン家からの資金提供はない、という。弁護団の中には旧政権関係者らイラク人協力者も多いといい、「貴重な情報提供をしてもらっている。新たな事実から、米国だけでなく、苦しい立場に追い込まれる国もあるだろう」と述べた。
国連の役割について、ラシュダン氏は「米国の望むことしかしない国連に何の期待もない」と強く批判。
ヨルダンの米国大使館、旧統治評議会に元大統領との面会を要請しているが回答がない、といい「それ自体、この裁判の正当性を否定するものだ」と非難した。(東京新聞 2004/06/09)

虐待事件で米企業提訴 軍業務の民間委託に一石
【ロサンゼルス9日共同】米兵らによるイラク人虐待事件で、拘束されていたイラク人ら8人が9日、米軍から被拘束者の取り調べを委託されていた米民間企業2社を相手に、損害賠償を求める訴訟をサンディエゴ連邦地裁に起こした。
事件に関与したとされる米兵は軍法会議にかけられている。その一方で米軍の下請けの民間企業の軍事活動は広範囲に及んでいるが、民間人には軍の司法権が及ばず、何らかの責任追及が必要との意見が米国で高まっている。同事件で企業責任を問う訴訟は初めてとみられ、軍業務の安易な民間委託の潮流にも一石を投じることになりそうだ。
訴状によると、2社はカリフォルニア州サンディエゴの「タイタン」とバージニア州の「CACIインターナショナル」で、請求額は未定。(共同通信 2004/06/10)

イラク人虐待はブッシュ政権の国際法無視が原因 人権団体
ニューヨーク──国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は10日、イラクの旧アブグレイブ刑務所で起きたイラク人虐待は、ジュネーブ条約など人権に関する国際法を無視し続けたブッシュ政権の姿勢の産物だと批判する報告を発表した。
アブグレイブ刑務所でのイラク人拘束者虐待について、米政府はあくまでも一部の憲兵らによる個別事件で組織的なものではないと主張している。これに対してHRWは、同時多発テロを機にブッシュ政権が、「ルールはないものにするとの立場をとり」、拷問を禁止し人権を保護する国内法や国際法を無視し続けたことが、囚人虐待につながっていったと批判した。
HRWは、アフガニスタン攻撃で拘束した国際テロ組織アルカイダやアフガニスタン旧タリバン政権の兵士らの扱いについて、捕虜の待遇を定めたジュネーブ条約の保護規定はあてはまらないと、ラムズフェルド国防長官ら政権幹部が言明したことを指摘。政府幹部のこうした姿勢によって、捕虜や囚人の人権を全く認めない風潮が、グアンタナモ米軍基地をはじめ米軍の末端まではびこることになったと非難している。
HRWは報告で、アブグレイブでの虐待に至るプロセスを3段階に分けて分析。(1)ブッシュ政権は、対テロ戦争では従来の国際法の規制はあてはまらず、よって拷問や虐待も容認されるとの姿勢を事実上とった(2)米軍は拘束者を尋問しやすくするため、肉体的・精神的苦痛と性的辱めを与えるなどの手法を常用した(3)アブグレイブでの虐待写真が報道される前から、アフガニスタンとイラク両方で虐待の指摘や報告があったにも関わらず、ブッシュ政権はそれを無視し続けた──などとしている。(CNN 2004/06/10)

「華氏451度」のブラッドベリ氏がムーア監督非難
米WNBCテレビ(電子版)によると、米のSF作家レイ・ブラッドベリ氏は、スウェーデン紙「ダーゲンス・ニュヘテル」とのインタビューで、映画監督マイケル・ムーア氏の新作「華氏911」を、「自著『華氏451度』の題名を断りなくまねた」と非難したという。
インタビューは先週、同紙に掲載された。ブラッドベリ氏は、「タイトルを盗んで数字だけを変えた」「恐ろしい人間だ」などとムーア氏に憤慨し、「華氏911」の内容は自分の政治的な見解とはまったく相いれない、と語った。法的手段を取るかどうかには触れていないという。
今年83歳のブッラドベリ氏はSF小説の世界的な第一人者。「華氏451度」は思想統制による焚書(ふんしょ)を描いた近未来小説で代表作の1つ。66年にトリュフォー監督によって映画化されている。
「華氏911」はブッシュ米大統領を批判的に描いたドキュメンタリー映画。ディズニー社による配給拒否が表面化した後、カンヌ国際映画祭で最高賞を取り、公開を前に話題を呼んでいる。(朝日新聞 2004/06/10)

『アラウィ首相、CIA指示でテロ』
【ニューヨーク=斎田太郎】イラク暫定政権のアラウィ首相が1990年代、フセイン政権転覆を図る反政府組織を率いて、米中央情報局(CIA)の指示で爆弾テロや破壊活動に関係していたと9日、米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。米情報機関の複数の元当局者の話を基にしている。同首相は就任時に「爆弾テロを止めて治安を回復する」と語っていた。
同首相は、かつてCIAと関係のあった親米派有力者として知られるが、テロに関与していたとすれば、混迷するイラクを立て直す資格に疑問が生じる可能性もある。
同紙によれば、アラウィ首相は親フセイン派から反体制派に転じ、90年に元イラク政府高官らと反フセイン組織「イラク国民合意(INA)」を設立。92年からCIAに雇われた。
当時、映画館やスクールバスが爆破されて子どもが死亡する事件が起きており、このテロがINAによる可能性もある。米情報機関の元当局者は「反政府組織の中でINAが唯一、爆弾テロを実行していた」と話す。イラク北部から爆発物をバグダッドに運び込んでいたという。
アラウィ首相は、同紙にコメントしていないが、元INAの爆弾製造責任者は、同首相が爆弾テロ活動について話しているビデオテープがあると証言。元当局者も、ビデオの存在を認めた上で、「泥棒を逮捕するのに泥棒を送り込んでいるようなものだ」と、テロが続発するイラクのトップを皮肉った。(東京新聞 2004/06/10)

ref. Ex-C.I.A. Aides Say Iraq Leader Helped Agency in 90's Attacks
(New York Times 2004/06/09)

エルサレムから17万のパレスチナ人を追放する計画を発表
【東京10日=齊藤力二朗】イスラエルのオルメルト副首相は、エルサレムから17万人のパレスチナ人を追放する計画であることを明らかにした。10日付けのネット紙、イスラム・メモが、9日付のイスラエルの英語紙、エルサレム・ポストの報道として伝えた。
オルメルト副首相はインタビューで「17万人のパレスチナ人の聖都エルサレム6地区での居住権を奪った後、完全にイスラエル化するために、エルサレムから分離する。エルサレムの聖域と他のアラブ人地区の完全な支配を保持することになる」と語った。
「現在、東エルサレムのパレスチナ人居住者の割合は3分の1であるが、この計画を実行することにより、ユダヤ人以外の居住者の割合は減少する。この計画は、エルサレム周辺の他の人口が多い地域の分離計画の一部となる」と述べ、エルサレム内の他の地区でも、分離、追放計画が実行されることを示した。(日刊ベリタ 2004/06/10)

尋問方法、駐留米軍司令官承認と米紙報道 イラク人虐待
イラク人虐待事件で、軍用犬で脅したり、眠る時間を逆転させたりする尋問方法を、駐留米軍のサンチェス司令官が認めていたことを裏付ける文書を入手したと、12日付の米ワシントン・ポスト紙(電子版)が報じた。
同紙が入手したのは、米軍の内部文書や、アブグレイブ刑務所の虐待事件に関する調書。それらによると、駐留米軍は昨年9月、宗教的な所持品の没収や人格攻撃といった32の尋問手法を、同刑務所の取調官の判断で使ってもよいと認めた。
しかし、一部職員が反対したため、10月12日に規則を変更。過酷な方法を使うにはサンチェス司令官の承認が必要と改めた。
恐怖感を与えるための軍用犬の使用や、収容者が緊張する姿勢の強要、睡眠時間の逆転、パンや水などの制限などは、承認があれば使える方法として残されたという。
虐待した米兵らが司令官の承認を得ていたかどうかは不明。
同紙によると、こうした方法は、米テロ事件に関する容疑者やアフガニスタン戦争の捕虜を収容する米グアンタナモ基地で採用されていたものとほぼ一致する。米軍はイラクで虐待事件が明るみに出たあと、5月中旬、これらの尋問方法を禁止した。
サンチェス司令官は5月19日、米上院公聴会で「収容者の適切な取り扱いを求める文書を数回出した」と語り、虐待への関与を否定している。(朝日新聞 2004/06/12)

米ハリバートン:SECが調査 天然ガス事業で不正疑惑
米石油関連大手ハリバートンは11日、子会社によるナイジェリアの天然ガスプラント事業に関連し、海外政府高官に対する贈賄などの不正を禁止した法律に違反した疑いで、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けていることを明らかにした。
この事業を進める共同企業体には日本のプラント大手、日揮も参加している。米メディアによると問題となっているのは同企業体がコンサルティング会社に支払った1億数千万ドル。プラントが建設された90年代後半は、チェイニー副大統領がハリバートンの最高経営責任者(CEO)を務めていた。
ハリバートンは内部調査を進めているとした上で、「現時点では法律違反をしたとは考えていない」とコメントしている。(ニューヨーク共同)(毎日新聞 2004/06/12)

幹部標的の空爆すべて失敗 イラク、犠牲拡大と米紙
【ニューヨーク13日共同】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は12日、昨年3月のイラク戦争開戦直後、フセイン元大統領ら政権幹部を狙った米軍による空爆が公表されている以外にも多数あったが、情報不足などからすべて失敗に終わり、一般市民の犠牲者を増やす結果を招いたと報じた。
軍や情報機関高官の話として伝えた。
国際人権監視団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「米軍がもっと予防的な措置を取っていれば、民間人の犠牲の多くは防げた」と指摘している。
同紙によると、元政権幹部を標的として、開戦から約1カ月のうちに行われた空爆は50回あったが、公になっているのはわずか2、3回。精密誘導弾を使用し、少なくとも13人を狙ったが、多くが確実な情報が得られないまま遂行された。(共同通信 2004/06/13)

昨年11月に虐待報告 拘束者評価部隊が、と米紙
【ニューヨーク14日共同】米兵によるイラク人虐待事件で、米軍の「拘束者評価部隊」が昨年11月初旬の時点で、旧アブグレイブ刑務所で虐待が行われているとの報告を責任者に提出していたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が13日、元隊員らの証言として報じた。
同紙は、昨年11月初めに報告があったとすれば、今年1月に虐待に初めて気付いたなどとしていた米軍幹部の言明よりも、かなり早い段階で虐待が認識されていたことになるとしており、幹部の責任があらためて問われる可能性もある。
評価部隊は、拘束者を釈放するかどうかの判定などのため昨年10月に設置された。部隊は、最終判断を仰ぐため当時の管理責任者カーピンスキー准将ら幹部3人で構成する委員会に週に一度、報告書を提出していた。
報告書が保管されているかどうかは不明だが、目隠ししたイラク軍元将軍らへの殴打など少なくとも20件の虐待に言及。また、刑務所内で起きた7件のうち4件は軍情報部の管理区域で発生したとしている。(共同通信 2004/06/14)

イスラエル首相、不起訴 汚職疑惑で検察当局
【エルサレム15日共同】ギリシャのリゾート買収に絡むイスラエルのシャロン首相汚職疑惑で、同国のマズーズ検事総長は15日、首相を不起訴処分にすると発表した。
不起訴により、首相は政治的打撃を回避することになり、自らが策定したガザ地区撤退などの対パレスチナ政策の推進に弾みとなりそうだ。
首相をめぐっては、外相だった1998―99年に、ギリシャのリゾート買収で便宜を図る見返りに、息子を通じイスラエル人実業家から現金300万ドル(約3億3000万円)の支払いを約束された疑惑が浮上。
実業家は1月に贈賄の罪で起訴されたが、首相はこれまで一貫して「わいろの申し込みを受けた認識はない」と述べてきた。(共同通信 2004/06/15)

マイケル・ムーア監督、「華氏911」のR指定に抗議
【ロサンゼルス14日ロイター】全米映画協会(MPAA)がマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」をR指定としたことに、監督と配給会社が抗議している。
「華氏911」は、ブッシュ大統領の外交政策と、米国のイラクでの戦争を痛烈に批判した作品。R指定の映画は、米国では17歳以下は成人の同伴がないと観ることができない。
MPAAの広報は14日、R指定にした理由を「暴力、不穏な映像と過激な言葉」と説明。
これに対して配給会社2社は、若い観客を制限することになるとし、「R指定は間違っており不当だ。指定を取り消すためには何でもする」との決意を表明。
ムーア監督も週末、「15、16歳の子供達は、数年後にはイラク戦争に派兵される可能性がきわめて高い。徴兵され、戦闘で命の危険にさらされる年齢になったときのために、イラクで今、何が起こっているのか知る権利がある」との声明を発表。
「華氏911」は、25日から500―1000館で公開される予定だが、ドキュメンタリー映画としては最大級の規模となる。(ロイター通信 2004/06/15)

華氏911:「反ブッシュ映画」賛否過熱
大統領選まで5カ月を切った米国で、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」への賛否両論が過熱している。カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得したのに、ウォルト・ディズニー社が国内配給を拒否。アカデミー賞監督でもあるムーア氏が腕を振るった反ブッシュ映画は、公開前から爆弾扱いだ。【ロサンゼルス國枝すみれ】

■「政治色強すぎ」
「華氏911」は目を背け、頭に血が上りそうな映像でいっぱいだ。
イラクで血を流す米兵、息子を失った母親。一方で9.11同時多発テロ発生を知らされた後も、訪問先の小学校で童話の朗読を続けるブッシュ大統領。大統領の母親バーバラさんはテレビカメラの前で本音をこぼす。「テレビは見ない。何人がいつ戦死したかを、なぜ聞く必要があるの? だって、関係ないでしょ。なぜ平和な心をかき乱されなくてはいけないの」
ウォルト・ディズニー社は「政治色が強すぎる」と配給を拒否。すったもんだの末、「問題作」を好んで配給する隣国カナダのライオン・ゲート・フィルムなど数社が米国内での配給を引き受けた。25日からの劇場公開が決まっている。

■広がる監督攻撃
ムーア監督はこの映画の目的を「大統領選に影響を与えること」と公言してはばからないが、こうした態度に嫌悪感を抱く米国民も多い。
保守系雑誌のウィークリー・スタンダードは「作品を宣伝するため、カンヌ映画祭直前にわざと騒ぎを起こした」と攻撃。「ムーア監視・コム」などのウェブサイトが「事実をゆがめる」「カネの亡者」などと監督批判を展開しており、ムーア監督が「ボウリング・フォー・コロンバイン」で03年に受賞したアカデミー賞の返還を求める署名運動も起きている。
だが、「華氏911」のヒットは確実だ。映画の予告編が見られるサイトはアクセスが殺到して一時ダウン。予告編を見た学生、ライアン・マクドゥノーさん(20)は「映画を見た米国人は、大統領がテロを止めるどころか、イラク戦争で米国の敵を増やしていることに気づくだろう」と話す。ニューヨーク・タイムズ紙は「ムーア監督はダイナマイトに火をつけた」と報じた。

■「爆発力がある」
作品タイトルはSF小説家、レイ・ブラッドベリ氏(83)が53年に著した「華氏451度」のもじりだ。思想統制が進んだ未来社会で本を焼くこと(焚書=ふんしょ)が仕事の消防士が、思想の自由に目覚めた途端、追っ手が迫るという内容。このタイトルだけでも、イラクで戦死した米兵の柩(ひつぎ)の写真公開や、戦死者名を読み上げるテレビ番組に批判が集中する、現在の米社会への痛烈な批判となっている。
公開前から、なぜこんなに注目を集めるのか? ムーア監督はハリウッドの業界紙のインタビューで解説してみせた。「私の映画は爆発力がある。有権者の半分しか投票所に行かないこの国で、10%がこの映画を見て、11月の大統領選で投票する気になったらどうする? だから、みんな神経質になっているんだ」
物議を醸すこの映画、日本では早ければ8月下旬から公開される予定。(毎日新聞 2004/06/15)

イラク人虐待:民間人が憲兵に指示 AP通信報道
【ワシントン和田浩明】米兵が収容者を虐待していたバグダッドのアブグレイブ刑務所で、駐留米軍の雇用する民間人が、尋問のため収容者の睡眠を制限するよう、看守役の憲兵に指示していたとAP通信が14日報じた。事実だとすれば、「憲兵の尋問関与は禁じていた」とする駐留米軍幹部らの議会証言と相反することになる。
同通信によると、この民間人は、米国のIT関連企業「CACIインターナショナル」の男性社員。米軍と同社の契約に基づき、アブグレイブ刑務所で軍情報部員と尋問を担当していた。虐待事件では刑事訴追されておらず、虐待への関与を否定しているが、事件に関する陸軍の内部報告書で「処分すべきだ」と指摘されている。
この男性は、陸軍捜査官への宣誓供述で、尋問に際しては軍情報部の担当者と計画書を作成し「1日の睡眠時間を最大4時間に制限し、3日間継続」などと書面で憲兵に指示したなどと説明。憲兵らは、「軍規の範囲内なら、(眠らせないために)必要と考える方法をとることが許されていた」と述べた。(毎日新聞 2004/06/15)

華氏911の指定緩和要請 映画配給元が協会に訴え
【ニューヨーク15日共同】ブッシュ米政権を批判したマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」が、17歳未満の鑑賞に保護者同伴を義務付ける「R指定」を受けたことに対し、映画配給元がクオモ前ニューヨーク州知事(民主党)を担当責任者に任命し、指定の緩和を米映画協会に求めることを決めた。AP通信が15日伝えた。
現在弁護士として活動している前知事は「数年で軍に入る可能性のある若い人が特にこの映画を見るべきだ」と述べた。
配給元は、13歳未満の子供にとって不適切な内容が一部含まれていることを警告する「PG−13」への指定緩和を求める方針。(共同通信 2004/06/16)

CIA、イラク戦争報告で3分の1を機密扱いに
【ワシントン15日ロイター】米中央情報局(CIA)は、イラク戦争前の情報に関する上院情報特別委員会の報告について、3分の1にあたる部分に機密扱いすべき内容が含まれているとして公表しないことを決定した。情報筋が15日明らかにした。
報告は約400ページにわたり、CIAはこれを検証した後、30―40%にあたる部分に、機密箇所を示す印を付記して同委に返却したという。
報告は、イラクが生物・化学兵器を保有しているなどの観測を含めた、イラク戦争前の情報を検証している。ブッシュ大統領は、イラクが大量破壊兵器を保有しているとの情報を開戦の理由に挙げたが、これまでのところ、生物・化学兵器は発見されていない。
同委は15日、報告の内容とCIAの付記について非公開協議を行ったが、公表の手続きについては決定が下されないまま話し合いが終了した。(ロイター通信 2004/06/16)

イラク:米英当局のフセイン氏扱いを批判 仏弁護士
【パリ福島良典】米軍拘束下にあるフセイン元イラク大統領のイラク暫定政府への身柄引き渡しが現実味を帯びる中、元大統領担当を自称するフランス人弁護士のジャック・ベルジェス氏(79)は15日、パリ市内で記者会見し、米英占領当局による元大統領の扱いを「(捕虜の人道的処遇などを定めた)ジュネーブ条約に反し、違法」と批判、米兵によるイラク人収容者虐待での「ブッシュ米大統領の責任追及」を主張した。
ベルジェス氏は「イラクには自由選挙で成立した民主的な政府はなく、憲法も司法も存在しない。フセイン氏にかけられた容疑はなく、冒頭陳述をする検事も、担当判事もいない。一体、誰が裁くのか」とイラクの司法体制の不備を指摘。「彼は推定無罪だ」と主張した。
また、米兵によるイラク人収容者虐待が表面化したバグダッド郊外アブグレイブ刑務所の事件に触れ、「刑務所で過去に起きたことにサダム・フセイン(元大統領)の責任があるのであれば、今後、ブッシュ氏も追及されなければならない」と述べた。(毎日新聞 2004/06/16)

米国防総省、CIA要請でイラク人を極秘拘束と
ワシントン(CNN)複数の米国防総省筋は16日、ラムズフェルド国防長官が昨年10月、中央情報局(CIA)のテネット長官(当時)の要請に応じて、重要参考人とされたイラク人の極秘拘束を命じたと明らかにした。「トリプルX」と呼ばれたこのイラク人は約9カ月間、米軍による収監の事実を赤十字などに一切公表されないまま、重警備施設で極秘裏に拘束され続けたという。
国防総省筋によると、CIAは男性が進行中の対米攻撃作戦に関与しており、拘束した事実が外部に知られれば、情報源としての価値が失われることを理由に、極秘拘束を要請。ラムズフェルド長官がこれを受け入れ、イラク駐留米軍のサンチェス司令官に対応を命令した。
男性は、拘束者として登録されず、記録上の番号も与えられず、その存在は赤十字国際委員会に通知されなかった。
国防総省筋は、男性の存在をいつまでも隠し続けるつもりはなく、「幽霊囚人」扱いしたわけではないと説明。赤十字に隠すつもりはなく、ジュネーブ条約上、ただちに赤十字に通知する必要のないタイプの捕虜だったと主張している。
一方で国防総省高官は、この男性を拘束者として正常に登録し、他の拘束者たちと同様に処遇するべきという申し入れを現場担当者らから2度にわたって受けたが、国防総省もCIAも対応しなかったのは、明らかな「ミスだった」と認めた。
男性はイスラム原理主義過激派組織「アンサール・イスラム」の「幹部」で「軍事部門リーダー」だとされ、米軍「クロッパー基地」の拘束施設に収容されている。イラク人虐待や極秘拘束が問題となった旧アブグレイブ刑務所で収監されていたことはないという。
国防総省は、イラク拘束施設責任者のミラー少将から、男性の待遇改善の要請を受けて初めて、男性に拘束者番号を与えて記録する方針と決めた。
当局筋は、男性の極秘拘束が続いた理由として「CIAがそのうち、再尋問したいと言い出すと思っていた」からと説明するが、米軍による極秘拘束が始まって以来、軍尋問官の取り調べはあったが、CIAは尋問を再開しなかったという。(CNN 2004/06/17)

イラクで数十億ドルの無駄遣い=国防総省、ずさんな事業管理−米会計検査院
米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)が15日報じたところによると、米会計検査院のウォーカー長官は同日、下院政府改革委員会の公聴会に出席し、イラクにおける米国防総省の発注事業に関連して、計画性のなさとずさんな管理によって無駄な支出が行われており、その額は数十億ドルに上る恐れがあると証言した。
同長官は「問題はまだ解決されておらず、深刻さを増している」と述べるとともに、過大な請求で問題となっている石油関連企業のハリバートン社(テキサス州ヒューストン)との契約を例に挙げ、管理不十分のとりわけひどいケースとして批判した。また、国防総省の担当官が法律で必要とされている入札なしに、数十億ドル規模の事業を発注していると指摘した。(時事通信 2004/06/17)

イラクがアルカイダを支援していた証拠なし=米同時テロ調査委
【ワシントン16日ロイター】米同時多発テロについて調べている調査委員会は16日、国際テロ組織アルカイダによる米国攻撃の企てを、イラクが支援した証拠はないとする報告を発表した。報告は、ブッシュ政権がイラク戦争開始の根拠としていた主張と相容れない内容となった。
調査委員会スタッフ報告によると、アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン氏は1994年にイラク情報当局者と会い、連携の可能性を探った。しかし計画が実を結ばなかったことは明白であるとしている。
報告は「イラクとアルカイダが米国攻撃で連携していたという信頼性のある証拠はなかった」と指摘。「ビンラディン氏がアフガニスタンに初めて到着した後にタリバンが行った限定的な支援以外には、9月11日以前、どこかの国の政府がアルカイダに資金を援助したという確信に足る証拠は見当たらない」としている。
米連邦捜査局(FBI)と中央情報局(CIA)のテロ対策当局者は、同調査委員会の公聴会で、報告の結論に同意すると証言。元外交官で構成される超党派グループは、ブッシュ政権が9月11日の攻撃とサダム・フセイン元イラク大統領を結びつけることによって戦争への支援を得ようとする宣伝活動を非難した。
この報告は、調査委員会が2日間の予定で開いた同時多発テロについての公聴会の冒頭に発表された。公聴会は、同時多発テロを防ぐに当たっての米政府の失策や、現在の安全保障体制改善のために何ができるかを探るために開かれている。
委員会は17日の最終公聴会の後、7月末に最終報告を発表する。(ロイター通信 2004/06/17)

米調査委、アルカイダ「フセイン政権と関係なし」と結論
01年9月の米同時多発テロ事件を未然に防げなかった経緯を調査している議会超党派の独立調査委員会は16日、報告書を発表し、同テロ事件にあたって、国際テロ組織アルカイダとイラクのフセイン政権(当時)との間の協力関係を示す「信頼できる証拠はない」と結論づけた。大量破壊兵器の開発とともにテロ組織との関係をフセイン政権打倒の主要な根拠にしてきたブッシュ政権の主張を否定するものだ。
また、アルカイダは当初、10機の民間機を使い、米東海岸だけでなく西海岸でも攻撃する予定だったことを明らかにした。首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏については、ハイジャック犯の選定にかかわるなど攻撃の計画に直接関与していたと認定した。同委員会は来月にも最終報告書を発表する方針。
アルカイダとフセイン政権との関係についてブッシュ政権は、イラク戦争を正当化する主要な理由の一つとして掲げてきた。ブッシュ大統領は16日の演説でも「フセイン政権を打倒したことで、米本土がより安全になった」と表明、両者の関連を強調している。
両者の直接の結びつきについてはチェイニー副大統領が14日、「イラクはアルカイダと長期にわたる関係がある」と主張、直接的な関係があるとの立場をとっている。ブッシュ大統領は15日、アルカイダと関係を持つザルカウィ氏がイラクにとどまっていることなどを指摘したが、フセイン政権については「(複数の)テロ組織との関係があった」と述べ、アルカイダとの直接的な関係には言及しなかった。(朝日新聞 2004/06/17)

元CIA長官ら、ブッシュ政権退陣求める異例の書簡
【ワシントン=永田和男】米歴代政権で国務省、国防総省や軍の高官を務めた27人が16日、記者会見し、ブッシュ政権の一国主義的外交政策が「米国を危険にさらしている」と糾弾、政権交代を訴える公開書簡を発表した。
5月には元外交官60人が現政権の中東政策を批判する公開書簡を出しているが、超党派の「変革を求める外交官と軍司令官の会」による今回の書簡は、政権の外交路線を根本から批判した上、政権交代まで求めた点で異例。
クロウ元統合参謀本部議長、ターナー元中央情報局(CIA)長官、マトロック元ソ連大使らが署名した書簡は「220余年の歴史の中で、米国がこれほど各国の間で孤立し、恐れられ、不信を持たれたことはなかった」と指摘。イラク戦争については「大量破壊兵器について不確かな情報を流した上、(元イラク大統領)フセインが同時テロに関与していたと国民に宣伝することで正当化した」と特に厳しく糾弾した。
その上でブッシュ大統領の政策は「落第」と断言。「我々は変化を必要としている」と政権交代を求めた。民主党の大統領候補となるジョン・ケリー上院議員には言及していないが、個々のメンバーには同氏支持を表明した人物もいる。(読売新聞 2004/06/17)

虐待事件で民間人初起訴 CIA雇用の元特殊部隊員
【ワシントン17日共同】アシュクロフト米司法長官は17日、米中央情報局(CIA)に雇われた元陸軍特殊部隊員が、アフガニスタンで収容者を尋問中に暴行を加えて死亡させたとして、ノースカロライナ州の大陪審が暴行罪で起訴したと発表した。
イラクやアフガニスタンで起きた一連の暴行・虐待事件で民間人が起訴されたのは初めて。長官は、民間人が関与した虐待事件では、このほかに国防総省から1件、CIAから複数件の報告を受けており、バージニア州の検察局が捜査していることを明らかにした。
長官によると、元特殊部隊員はノースカロライナ州に住むデービッド・パサロ被告(38)。同被告は昨年6月19、20の両日、アフガニスタン東部コナル州のアサダバードにある米軍基地で、アフガン人男性の収容者を尋問中、持っていた懐中電灯や手足で繰り返し殴るけるの暴行を加え、男性は同21日に死亡した。(共同通信 2004/06/18)

乗っ取り機への対応に遅れ=撃墜態勢整わず−米同時テロ
【ワシントン17日時事】2001年9月11日の米同時テロに関する超党派の国家調査委員会は17日、同時テロ発生時の本土防衛態勢に不備があったと指摘する報告書を発表した。
それによると、連邦航空局(FAA)が最初の乗っ取りを察知したのは事件当日の午前8時24分で、同37分には米本土の防衛を担当する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の北東防空セクター(NEADS)に通報したものの、ニューヨークに近い空軍基地のF15戦闘機が緊急発進命令を受けたのは8時46分。これは、乗っ取られたアメリカン航空機が世界貿易センタービルの北棟に激突した時刻と同じだった。
また、第2の乗っ取りにFAAが気付いたのは8時55分だったが、この時はアメリカン航空機の乗っ取りへの対応で大騒ぎになっていたため、対応が遅れ、ユナイテッド航空機は世界貿易センタービルの南棟に激突した。
第3の乗っ取り機であるアメリカン航空機に関しては、NEADSからの問い合わせにFAAのワシントンセンターが「行方不明」と回答したのが9時34分で、それから3分後には、同機は国防総省に突っ込んだ。
ホワイトハウスの地下に潜ったチェイニー副大統領が、乗っ取り機の撃墜を空軍機に命じたのは10時12分から18分ごろ。しかし、第4の乗っ取り機であるユナイテッド航空機は既に10時3分ごろ、乗客の抵抗でペンシルベニア州に墜落していた。(時事通信 2004/06/18)

イラク:米軍が赤十字に隠して拘束 米国防長官認める
【ワシントン和田浩明】ラムズフェルド米国防長官は17日会見し、テネット米中央情報局(CIA)長官の要請で、イスラム原理主義過激派「アンサール・イスラム」幹部とされる人物を、赤十字国際委員会(ICRC)に通告せずにイラク国内の米軍拘束施設に収容する命令を昨年11月に出していたことを認めた。
ICRCから隠匿された「幽霊拘束者」は、米兵による収容者虐待事件が起きたバグダッドのアブグレイブ刑務所にも存在していたことが明らかになっており、米軍の内部報告書も「欺瞞(ぎまん)的で、国際法違反だ」と批判している。
ラムズフェルド長官は「アブグレイブのケースとは違う」と主張、赤十字から隠匿する意図は「自分には無かった」と釈明した。テネット長官からの要請は書面だったというが、内容は「機密指定されている」と開示を拒否、通知しなかった理由も説明しなかったが、「状況が分かれば公表する」と語った。
会見に同席した国防総省の法務担当者は「通告は早期に行うべきだった」と述べた上で、ICRCの拘束者訪問自体は「差し迫った軍事上の理由があれば、一定期間拒否できる」との見解を示した。(毎日新聞 2004/06/18)

米、世界に20以上のテロ容疑者収容所
【ワシントン17日共同】米人権団体「ヒューマン・ライツ・ファースト」は17日、米国がテロ容疑者を収容するための施設を全世界に20カ所以上持っており、その約半数が秘密裏に運営されているとの報告書を発表した。
イラク人虐待事件の舞台となった旧アブグレイブ刑務所や、国際テロ組織アルカイダ関係者を収容するキューバのグアンタナモ基地以外にも、実態不明の収容所が多数運営されている状況で、同団体は米政府に対し、議会や赤十字国際委員会(ICRC)への情報開示を求めている。
報告書によると、収容所はアフガニスタン国境沿いのパキスタン国内や、インド洋の軍事拠点ディエゴガルシア島、ヨルダン国内などに存在し、一部施設には米中央情報局(CIA)の尋問施設があるという。(日本経済新聞 2004/06/18)

独、テロ機撃墜可能に・航空安全法案を可決
【ベルリン18日共同】ドイツ連邦議会(下院)は18日、テロリストに乗っ取られた航空機の撃墜を可能とする航空安全法案を社会民主党など与党の賛成多数で可決した。連邦参議院(上院)の承認は必要ないが、施行時期は未定という。
ドイツの現行法では、軍が民間航空機を撃墜することはできない。しかし、米中枢同時テロや、2003年に軽飛行機を強奪した男が高層ビルの立ち並ぶフランクフルトの金融街上空などを2時間近くも旋回した事件を踏まえ、政府・与党が法案を提出した。
法案では、航空機が乗っ取られた場合などに国防相が「最後の手段」としてのみ、撃墜命令を発することができるようにした。(日本経済新聞 2004/06/18)

大統領選へ共・民火花 映画「華氏911」北米で25日公開
共和 非公開求め劇場にメール/民主 手紙で「圧力に屈するな」

ブッシュ政権を批判する内容で、今年のカンヌ映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞したマイケル・ムーア監督の米映画「華氏911」が25日から北米公開されるのを前に、共和党と民主党の支持者が火花を散らしている。それぞれの支持団体が劇場などに電子メールを送るなどして公開の是非に関する主張を展開しており、大統領選とも絡んで“攻防”はさらに過熱しそうな気配だ。(ロサンゼルス 片山雅文)

「華氏911」は、ブッシュ家と同時テロの首謀者、ウサマ・ビンラーディン氏の一族を含むサウジアラビアの有力家との約30年にわたる財政的関係などを取り上げ、ブッシュ大統領や政権を厳しく批判する内容。
ディズニー傘下のミラマックスが製作したが、ディズニーが「政治的すぎる」として配給を拒否。ミラマックス側が配給権をディズニーから600万ドルで買い戻し、別の配給会社によって今月25日から、北米の約500劇場で公開される。
AP通信によると、共和党の強力な支持団体「ムーブ・アメリカ・フォワード」(MAF)は、劇場側に作品を公開しないよう求める電子メールを送付するキャンペーンを展開している。
同団体は昨年11月、ロナルド・レーガン元大統領の半生を描いたCBSテレビ制作のミニドラマシリーズに「内容が不正確」と反対キャンペーンを行い、放送中止に追い込んだ“実績”もある。
「華氏911」について「批判するのは自由だが、作品はドキュメンタリーではなく政治的な宣伝」と非難しており、ウェブサイトで公開劇場名と電話番号を掲載、「映画の顧客として公開を黙ってみているわけにはいかない」と訴えている。
一方、民主党の支持団体「ムーブオン・オルグ」では、劇場側に「圧力に屈するな」という手紙を送るとともに、メンバーらに大量の電子メールを送り、公開初日に友人を誘って作品を見に行くよう呼びかけている。(産経新聞 2004/06/18)

米空爆で住民ら22人死亡 ファルージャ、停戦後初
【バグダッド19日共同】イラク中部ファルージャの住宅街で19日朝(日本時間同日午後)、米軍機が空爆を行い、ロイター通信によると、住民ら22人が死亡、多数が負傷した。地元の警察幹部はAP通信に「米軍機がミサイルを2発撃ち込んだ」と語った。
フランス公共ラジオによると、死者が24人との情報もある。
ファルージャでは、米軍と武装勢力との停戦を受け、イラク人治安部隊が5月上旬に展開して以降、米軍と武装勢力との小規模な戦闘はあったが、米軍の空爆は初めてとみられる。AP通信によると、死者には女性3人、子供5人が含まれる。
今月末の主権移譲まで10日余りと微妙な時期の民間人を巻き込んだ攻撃で、イラク国民が反米感情を一層募らせる可能性が高い。(共同通信 2004/06/19)

「死んだのは普通の家族」と米軍を非難 イラク民家空爆
バグダッド西方のファルージャで19日、米軍機による民家への空爆で20人以上が死亡したことについて、現地の治安部隊など地元イラク人らは20日、「死んだのは普通の家族」などとして米軍作戦を批判した。駐留米軍は、国際テロ組織アルカイダの幹部であるヨルダン人、ザルカウィ氏らの隠れ家を狙ったものと説明しているが、死傷者に同氏らが含まれているかは依然不明だ。
住民らの証言によると、米軍機はミサイルを2発発射。最初の攻撃で崩壊した民家へ近所の人々が駆けつけたところに、2発目が撃ち込まれたため、被害が広がったという。住民の1人はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラに、「がれきに埋まった人を救出しようとしていた人まで犠牲になった」と怒りをあらわにした。
駐留米軍のキミット准将は19日夜、「あの家にはザルカウィのネットワークのメンバーがいたという重大な証拠がある」と述べた。イラク暫定政府のアラウィ首相は20日の会見で「テロリストが使う家への攻撃だった」として、米軍作戦を評価した。
しかし、ファルージャ治安部隊の隊員は20日、ロイター通信に「検視では、死者に女性や子供、年寄りがいた。ただの大家族だった」と話し、外国人らしい者はいなかったと話した。
地元警察の幹部も「ザルカウィやその仲間が、あの家やファルージャにいた様子はない」と発言。さらに、「民家への攻撃によって一家が全滅し、治安が不安定になった。我々とは何の調整もなく、攻撃が行われた」とも話し、地元治安担当者への通達なしで空爆が行われたことに強い不満を表した。
今回の攻撃は、5月初めに米海兵隊が撤退した後、初の大規模な作戦とあって、イスラム教スンニ派教徒らの間では「またファルージャで戦闘が始まるのでは」と不安が高まっている。同通信によると、19日夜から20日未明にかけて、ファルージャ北部の幹線道路で武装勢力と米軍による小規模な衝突があったという。(朝日新聞 2004/06/20)

ブラッドベリさん、「華氏911」のタイトルに抗議
ロサンゼルス──「華氏451」「火星年代記」「10月はたそがれの国」など数多くの傑作SF作品で知られる作家レイ・ブラッドベリさん(83)が18日、マイケル・ムーア監督はひとことの連絡もなく勝手に小説「華氏451」のタイトルをもじって、新作映画に「華氏911」と名付けたと強く抗議した。
ブラッドベリさんはAP通信などに対し、「(ムーア監督は)タイトルを使わせてくださいと前もって言ってこなかった。あれは彼の小説じゃないし、彼のタイトルでもないのだから、勝手に使うべきではなかった」と述べ、公開前にタイトルを変えるべきだと主張した。「華氏911」は6月25日から全米公開が予定されている。
ブラッドベリさんは政治的には共和党支持でも民主党支持でもなく、独立派として有権者登録しており、タイトルに抗議するのは映画の内容には無関係だと説明。映画をまだ観ていないと言うブラッドベリさんは、映画の題名を知った6カ月前、ムーア監督の事務所に抗議。ムーア監督側は、すぐに折り返し連絡すると約束したが、実際にムーア監督がブラッドベリ氏と連絡をとったのは6月11日だったという。
「今になって、電話をするのが遅れたとやっと気づいたみたいだ」と言うブラッドベリさんによると、ムーア監督はしきりに「おはずかしい」と言い、恐縮していたという。
映画「華氏911」の広報担当は、ムーア監督をはじめ映画のスタッフは全員「レイ・ブラッドベリをものすごく尊敬している」と説明。「ブラッドベリさんの作品はこの映画の関係者全員に、インスピレーションを与えてくれた。ただ実際に映画を観ればタイトルが、9/11をめぐる実際の出来事を描いた内容によくマッチしていると分かるはず」と広報は話している。
ブラッドベリさんは、ムーア監督側を法的に訴えるよりも、「お互いに紳士らしく、問題にケリを付けたいと思っている。彼が私と握手をして、本と本のタイトルを私に返してくれればそれでいい」と話し、題名変更を求めていく考えを示した。
ブラッドベリさんが1953年に発表した小説「華氏451」は、人々の自由意志や思考を規制するため、政府が本を燃やして回るという近未来社会を描いたもので、タイトルは「本が燃える温度」を意味する。
一方、ムーア監督はこのタイトルをもじり、「自由が燃える温度」として「華氏911」と新作映画を名付けた。ブッシュ一族やイラク戦争を痛烈に批判したこの作品は、ディズニーの配給拒否で話題になった後に、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞。今年11月の米大統領選に影響を与えるのではないかと、公開前から各国で注目されている。
ブラッドベリ原作の「華氏451」は1966年、フランソワ・トリュフォー監督によって映画化された。ブラッドベリさんによると、「グリーンマイル」「ショーシャンクの空に」などのフランク・ダラボン監督を中心にしたリメイク版製作の計画が、現在進行中だという。 (朝日新聞 2004/06/20)

日本版「CIA」の誕生 防衛庁に要員920人
日本は「情報大国」に跳躍するために、情報組職の大規模な拡大・改編と、人的・物的な情報収集の強化策を推進中だと、中国青年報が19日付で報じた。

▲日本版「モサド」の創設
防衛庁は3月、10万件の軍事秘密文書にマグネッティック署名作業を終えた。文書を盗み出した場合、防衛庁の建物内に設置された検知装置が作動して警報装置が鳴るように設計されている。赤色の特殊用紙の機密文書は、不法コピーの瞬間、黒色に変色し、内容を見ることができなくなる。
同時に、防衛庁情報本部要員を110人から920人に増やし、軍事情報の収集、解読、保安能力を大幅に強化させた。
また、内閣情報研究室、通産省など6、7の省庁に分散している情報組職を統合・拡大する作業も進めている。各省庁の情報を総括して首相に報告する内閣情報研究室職員が120人に過ぎず、役割を十分に果たせないために、1000人以上に大幅増員し、事実上新たな情報機関を創設する計画だ。
日本版「ネオコン」(新保守主義者)の石破茂・防衛庁長官は、「内閣情報研究室を米中央情報局(CIA)やイスラエルのモサドのような情報機関に変貌させる計画だ」と明らかにしたと、同紙は伝えた。

▲007学校もある
4月24日、小泉純一郎首相の机には、北朝鮮の龍川(ヨンチョン)駅爆発事故現場を撮影した衛星写真が置かれた。昨年3月に打ち上げられた2基の軍事偵察衛星が撮影したものだ。日本政府は、これを基に対北朝鮮支援規模を決定した。
軍事偵察衛星は、98年8月に北朝鮮が日本列島を横断するテポドン・ミサイルを発射したことに刺激を受けたもの。2基の衛星が毎日15回地球を周り、韓半島、中国、ロシアなどの軍事情報を探知する。
日本は昨年11月に、2基の衛星をさらに打ち上げようとしたが、ロケットの打ち上げ失敗で延期になった。しかし06年までに4基体制を構築することを決め、1370億円の予算を策定している。
情報要員に対する訓練も強化した。代表的な情報訓練機関である小平学校は、毎年35歳以上の自衛隊の将校50人を入校させ、各種情報収集能力の育成はもとより、韓国語、中国語、ロシア語などの語学能力を身につけるスパルタ式教育を実施している。
川口順子外相は最近、英国のマスコミとの会見で、「日本も現在、007のような情報要員を養成中だ」としながら、「そのため、英国の情報機関の経験を学びたい」と話していた。(東亜日報 2004/06/20)

アルカイダ幹部、実はゼロ グアンタナモ基地で米紙
【ニューヨーク21日共同】21日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、国際テロ組織アルカイダ幹部が拘束されているとされていたキューバのグアンタナモ米海軍基地に同幹部はおらず、米政府や軍が被拘束者の重要性について誇張を重ねていた実態が分かったと伝えた。
欧米や中東の軍高官、情報機関当局者、捜査関係者数十人の話から明らかになったという。
同紙によると、基地に拘束されている約600人のうち、アルカイダのメンバーあるいはアルカイダの内部を知る関係者は10−20人余にとどまり、指導者や幹部は拘束されていない。
グアンタナモ基地以外で拘束されているアルカイダ関係者からの情報に比べ、同基地で得られる情報も限られ、これまでにテロの未然の防止などにつながった情報は得られていないという。(共同通信 2004/06/21)

大統領承認なく撃墜命令か 米誌、同時テロで
【ニューヨーク20日共同】21日発売の米誌ニューズウィークは、米中枢同時テロでチェイニー副大統領が乗っ取り機撃墜命令を下した際、ブッシュ大統領の承認を得る手続きを経ていなかった可能性があると伝えた。
テロを検証する独立調査委員会の複数のメンバーによる話として報じた。
同誌によると、17日に発表された調査委の報告書は当初、副大統領から大統領への電話連絡があったかどうか疑わしいとする見方を盛り込んでいたが、報告書草案を見たホワイトハウスから強い抗議があったため、懐疑的な見方を明確に記述するのを避けたという。
報告書には、ペンシルベニア州に墜落した飛行機がワシントンから約130キロに近づいた際、大統領に電話で了解を得たとして副大統領が撃墜命令を下したと記されている。(共同通信 2004/06/21)

誤って拘束されたイラク人、性的虐待の訴え…タイム誌
【ニューヨーク=河野博子】米誌タイム(電子版)は20日、イラクでの拘束者虐待問題で、アブグレイブ刑務所に誤って拘束されていた28歳のイラク人男性が、性器に電気ショックを与えられたり、軍服の女性にセックスを強要されるなどの性的虐待を受けた、と報じた。
「ネイセフ」という名前のこの男性は、今月6日、「拘束は、情報提供者の誤った情報に基づいていた」と告げられて釈放された。タイム誌はイラクの米軍当局に男性の身元や釈放の事実を確認している。
男性は同刑務所に拘束直後、衣服を脱がされ、性器を電線に直接つなげての電気ショックを受け、静脈が破裂するなどした。またセックスを強要されたときには、2人の男性に押さえつけられた、という。男性は、米政府を相手取って集団訴訟を起こしている原告の1人。
一方、タグバ米陸軍少将が2月に行った内部報告の非公開部分には、イラク人の17歳と18歳の女性拘束者に対する性的虐待の疑いが記されており、現在米議会上院が調査中という。(読売新聞 2004/06/21)

マドンナが「華氏911」を大絶賛
マイケル・ムーアはマドンナに認められたようだ。先週水曜日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたコンサートで、マドンナはファンたちにムーア監督の最新作「華氏911」を見に行くよう薦めた。
マドンナは台本に書かれていたとは考えられない、誠意のこもった口調で、ムーア監督を含むこの夜のオーディエンスに対し、自身が同作を見たばかりで、本当に影響を受けたことを明らかにした。ムーア監督は2日前の月曜日に、ニューヨークのZiegfeld Theaterで、セレブリティやマスコミ向けの試写会を行っていた。
「映画であんなに泣いたのは、人生で初めてだと思う。」とマドンナはパフォーマンスの合間のMCでコメントした。「作品からは、確実にもっとたくさん学ぶことがあると思うわ。」
マドンナはまた、会場にいたムーア監督に対して、作品を制作したことへの感謝の意を述べた。同作はニューヨークで現地時間の水曜日に先行ロードショーとなり、25日から全米公開される。
「この映画は感銘を受けさせられたり、教えられたりするだけではなく、人々が、我々が、違いを生み出せるという証拠よ。」と彼女は語った。「マイケル、今夜は来てくれているのよね。公の場であなたに感謝したい。危険を承知で支配層に立ち向かい、私たちに希望を与えてくれてありがとう。」
マドンナ自身も、「American Life」のミュージックビデオを通して、イラクでの戦争に対する意見を発しようとしたが、当時その内容が不適切だと捉えられることを恐れたため、同ビデオは編集を重ねた上で回収された。しかし彼女のアイディアはライブパフォーマンスでは健在で、ステージ後ろの様々なスクリーンには戦争のイメージが映しだされ、ダンサーたちは同曲のパフォーマンス中に、兵士のような衣装を身にまとっていた。また、この日のコンサートでは、ジョン・レノンが平和への願いを歌った「Imagine」のカヴァーも披露された。(MTVNews 2004/06/21)

ノーベル賞学者48人がケリー氏支持=大統領の科学政策批判−米
【ワシントン21日時事】物理、化学、医学生理学のノーベル各賞を受賞した米国の学者48人が21日、国民向けの公開書簡を発表し、ブッシュ大統領は科学分野で「われわれの将来を危うくしている」と批判。次期大統領には、民主党のケリー上院議員(マサチューセッツ州)がふさわしいと表明した。
公開書簡は、ブッシュ政権が科学研究費を削減し、難病治療に役立つヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究を不当に制限し、不適切な移民政策で海外の優秀な科学者を遠ざけていると強く批判。地球規模の温暖化に関しても、科学的なコンセンサスを無視していると糾弾した。(時事通信 2004/06/22)

イスラエル、イラクでクルド人を軍事訓練=米誌
【ニューヨーク21日ロイター】米誌ニューヨーカーは21日、イスラエルがイラク北部のクルド人居住地域でクルド人を軍事訓練し、イラクやイラン、シリアの情報源としていると報じた。
同誌は米中央情報局(CIA)当局者の発言として、米情報関係者の間では、クルド人居住地域でのイスラエルの存在は広く知られていると伝えた。記事は先にイラクのアブグレイブ刑務所でのイラク人虐待を暴露したセイモア・ハーシュ記者が書いた。
一方、同誌は、在ワシントンのイスラエル大使館報道官が「記事は事実無根」と語ったとしている。
同誌は、米国、中東、欧州の現役または元情報関係者の発言として、イスラエルの主要目的は、クルド人の軍事力を拡大し、シーア派民兵との均衡を図ることだと伝えた。(ロイター通信 2004/06/22)

ref. PLAN B(New Yorker 2004/06/21)

イラク:ファルージャで反米集会 ミサイル攻撃に抗議
イラク中部・ファルージャ中心部で21日、米軍が19日に行ったミサイル攻撃で住民約20人が死亡したことに抗議する反米集会が開かれた。
集会には数百人が参加。参加者は、国際テロ組織「アルカイダ」の幹部、ザルカウィ氏のグループの隠れ家を狙ったという米軍側の説明は言い訳にすぎないと主張し、反米スローガンを叫んだ。
AP通信によると、ファルージャの宗教指導者の1人は「米国は、我々がザルカウィ氏をかくまっていると非難した。だが、我々は、米国そして全世界の前に断言する。ファルージャには、戦闘準備のできた勇敢な男たちがおり、ザルカウィ氏であれ誰であれ、助けを必要としてはいない」と語り、米国に反発した。(毎日新聞 2004/06/22)

IAEA:イラクの核「90年代に解体」──事務局長が見解
【ワシントン和田浩明】ブッシュ米大統領がイラク戦争の開戦根拠の1つとして、フセイン政権による核兵器開発を挙げていた問題で、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は21日、「イラクの核兵器計画はIAEAの査察で90年代に実質的に解体されていた」との見解を示した。
同事務局長は、イラク開戦前のIAEAなどによる査察は、「対象国が非協力的でも、時間をかけ辛抱強く行えば、査察は有効であることを示した」と述べた上で、「現在までに入手したすべての情報」が、査察によりイラクの核兵器計画が解体されたことを示しており、開戦前にその結論に近づいていたと述べた。(毎日新聞 2004/06/22)

ブッシュ米大統領:映画監督ムーア氏と和解?──映画のポスター、合成写真で作成
25日から米国で公開されるドキュメンタリー映画「華氏911」のポスター=ロイター。マイケル・ムーア監督が、ブッシュ米大統領と手をつなぐ合成写真を使った。
ブッシュ大統領とイラク戦争を痛烈に批判した作品はカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得したが、政治性が強いなどとしてウォルト・ディズニー社が配給を拒否するなどの騒動も起きた。結局、隣国カナダの会社などが米国での配給を引き受ける。大統領選を11月に控え、今後も大きな論議を呼びそうだ。(毎日新聞 2004/06/22)

「華氏911」、上映館はドキュメンタリー史上最多に
【ロサンゼルス22日ロイター】ブッシュ大統領とイラク戦争を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の「華氏911」のR指定はそのままだが、配給元によると、25日公開予定の同映画は、政治ドキュメンタリーとしては史上最多の868館で上映される予定。
配給元の社長は、「上映館数に関しては、映画館経営者が顧客の意見を聞いて同作品を支持したと確信している」との見解を示した。
R指定を決定したのは全米映画協会(MPAA)で、R指定では17歳未満は成人の同伴がないと観ることができないため、配給元は指定を13歳未満のPG−13に緩和するよう求めていた。(ロイター通信 2004/06/23)

「華氏911」、米でR指定決定 ムーア監督の求め却下
ブッシュ米政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」が、17歳未満は保護者同伴を義務づけるR指定で公開されることが22日決まった。配給元が「あと数年で兵士になる15歳、16歳にも自由に見せるべきだ」と主張して米映画協会に指定緩和を求めていたが、却下された。映画は25日に全米で一斉に公開される。
米メディアによると、映画には米軍が投下したナパーム弾で焼かれたイラク人の遺体や、イラク人に損壊された米国人の遺体などの映像が含まれ、協会は「暴力的な映像がある」としてR指定にした。
これに対し、ムーア監督は「もうすぐ軍に採用される年齢なら、イラクで何が起きているかを見る権利がある」として、13歳未満には不適切な内容が含まれていることを警告するPG―13指定への緩和を求めていた。(朝日新聞 2004/06/23)

五輪テロ警備にイスラエル参加、NATO司令部に常駐か
アテネ五輪のテロ警備に、イスラエルが参加すると、イスラエル紙マーリブが23日報じた。ギリシャ政府が警備支援を要請した北大西洋条約機構(NATO)の南欧軍司令部(ナポリ)にイスラエル軍将校が常駐し、テロの事前情報があった際に直ちに同軍が出動できる態勢を取る計画だという。
同紙によると、参加のきっかけはイスラエルからの売り込みだった。イスラエルからアテネまで約1200キロという地理的な近さとテロ対策の経験を五輪警備に生かそうと、約1年前に治安当局がギリシャ政府に接触して、大勢の人が集まる行事の警備手法について助言した。その後、イスラエルとギリシャ、NATOが協議を続けてきたという。(朝日新聞 2004/06/23)

イラク:米軍がファルージャを再空爆
【バグダッド小倉孝保】イラク駐留米軍は22日夜、中部ファルージャで、国際テロ組織アルカイダ幹部のアブムサブ・ザルカウィ氏のグループが隠れ家に使っていたとみられる建物を空爆した。駐留米軍のキミット准将は声明を発表し、「複数の確かな情報に基づく攻撃」との見解を示したが、ロイター通信は市民4人が死亡、6人が負傷したと伝えた。ファルージャでは19日にも民家が同様の理由で米軍機の攻撃を受け、住民約20人が死亡しており、6月30日の主権移譲を前に反米感情の再燃が懸念される。
空爆は、イラクで武装勢力に拉致・殺害された韓国人男性の遺体が見つかった数時間後に実行された。目撃者によると、米軍が攻撃したのは車庫という。(毎日新聞 2004/06/23)

ジュネーブ条約:停止権限を持っている 米大統領が明言
【ワシントン和田浩明】ブッシュ米大統領が02年2月、政権幹部あての文書で、捕虜の人道的取り扱いを定めたジュネーブ条約を一時停止する権限を自らが持っていると明言していたことが22日、分かった。大統領の見解は「大統領はすべての条約を停止・破棄する権限を持ち、国際慣習法に従う義務もない」などとするアシュクロフト司法長官らの助言に基づいており、「ジュネーブ条約軽視」とのブッシュ政権への批判が再燃しそうだ。
また、ラムズフェルド米国防長官が、グアンタナモ米海軍基地での尋問で拘束者に犬をけしかける手法を一時的に承認していたとする文書も表面化。バグダッドのアブグレイブ刑務所での収容者虐待事件でも米兵が軍用犬を使ったとされる。
問題の文書はいずれもホワイトハウスが同日公開した内部文書の一部。「ブッシュ政権が拘束者の拷問を許容していた」などとの指摘に反論する形で報道陣に提供された。ブッシュ大統領は同日、「私は拷問を容認しない」と語った。
大統領からの文書は02年2月7日付で、チェイニー副大統領やラムズフェルド長官らあて。「テロとの戦争」で拘束した、アフガニスタンのタリバン政権や国際テロ組織「アルカイダ」のメンバーへのジュネーブ条約適用方針を示している。
それによると、アルカイダは「不法戦闘員」であり、同条約は全く適用されないと認定。タリバンに関しては、米大統領にはジュネーブ条約のアフガニスタンへの適用を一時停止する権限があり、今回は行使しないが「将来的に行使権を留保する」と明言。一方で、拘束者の「人道的」取り扱いも命じている。
別の国防総省の内部文書によると、ラムズフェルド長官は02年12月、グアンタナモ基地での拘束者の尋問で▽犬を使い恐怖をあおる▽衣服を脱がせる▽20時間尋問する▽4時間無理な姿勢を取らせる──などの手法を承認。犬の使用は実際にはなく、翌年1月15日、こうした使用については、同長官の直接の許可を必要とする命令を出した。(毎日新聞 2004/06/23)

ミサイル燃料の成分、米国各州の飲料水や牛乳を汚染
(WIRED NEWS 2004/06/24)

「華氏911」、NYのプレミア上映館で興行収入の新記録
【ロサンゼルス23日ロイター】ブッシュ大統領とイラク戦争を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の「華氏911」が、25日の全米50州868館での上映に先駆けて上映を始めたニューヨークの映画館2館で、1日の興行収入の新記録を達成した。
配給元によると、1館での1日の興行収入は、4万9000ドルで、1997年の「メン・イン・ブラック」の4万3435ドルの記録を抜いた。
もう1館でも、興行収入は3万ドルを超え、2000年の「Crouching Tiger, Hidden Dragon」の2万4013ドルの記録を塗り替えた。
配給元広報担当者によると、2館でプレミア上映を行ったのは、口コミによる観客動員を狙った宣伝活動だという。
また、前売り券のネット販売会社は23日、今週末分では「華氏911」は全体の48%を占めると発表した。(ロイター通信 2004/06/24)

「華氏911」、米批評家はおおむね高い評価
【ロサンゼルス24日ロイター】米同時多発テロを切り口にブッシュ政権を批判した話題のドキュメンタリー映画「華氏911」(マイケル・ムーア監督)は24日に米国で封切られるが、米批評家の大半は“極めて挑発的だが、断固とした反権力”と高く評価している。
ロサンゼルス・タイムズ紙のケネス・トゥラン氏は、同作品がプロパガンダであるのは疑いないものの、そこに真実が含まれている場合は絶大な効果があると述べた。
ニューヨーク・タイムズ紙のA・O・スコット氏は、ムーア氏が米国の名誉であるとしたうえで「どのような政治的立場の人にとっても、見て論議し熟考するに値する作品」と絶賛。
保守系フォックス・ニュースのウェブサイトさえも、「全党派の政治家必見の傑作」とするロジャー・フリードマン氏のコラムを掲載した。
同作品は今年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得し、映画批評専門サイト「ロットントマトズ・ドットコム」でも80%もの支持を集めているが、必ずしも好意的な意見ばかりではない。
ウォールストリート・ジャーナル紙は先月のプレミア上映を受けて、同作品が「悪い」プロパガンダであると批判。
ニューヨーク・ポスト紙のルー・ルメニック氏も、監督が意図したほどの説得力はないと述べている。(ロイター通信 2004/06/25)

米国は対テロ戦争に敗北=CIA分析官が匿名で新著
【ワシントン24日ロイター】米中央情報局(CIA)の現職の情報分析官が、米国は対テロ戦争に敗北しつつあり、現在の政策に固執すればイスラム世界の敵に力をつけさせるだけだ、と指摘する本を匿名で出版する。この本は「帝国のごう慢、なぜ西側が対テロ戦争に敗北しているのか」と題され、発売は7月15日。
筆者はCIAの対テロ・センターのアナリストで、かつてアルカイダの指導者、オサマ・ビンラディン氏に関する部門の責任者だった。筆者は今週、匿名でテレビにシルエット姿で出演し、自著について語った。
同書は、イスラム世界の強硬派が米国の生活様式に反対しているために米国を攻撃している、と米国の指導者が大衆に伝えることは誤りである、と批判。また、米国の特定の政策は、過激派でないイスラム教徒の間にも反米感情を起こさせている、と論じる。
同書は、「米国では、米国の政策がイスラム教徒に誤解されており、アラブの衛星チャンネルが故意に政策を歪曲して伝えているなどとの声出ているが、それは誤りだ。米国がイスラム教徒に憎まれ攻撃されるのは、米国がイスラム世界でしようとしていることをイスラム教徒は正確に把握していと考えているためだ」と指摘している。(ロイター通信 2004/06/25)

またも「身内の造反」 CIA現職高官が批判本
【ワシントン26日共同】米中央情報局(CIA)の現職高官が匿名で、「米国は対テロ戦争に敗北しつつある」と警告する本を近く出版することになった。支持率低迷に悩むブッシュ大統領はホワイトハウス前テロ対策官らの暴露本に続く「身内の造反」に直面、秋の大統領選を前に頭痛の種が増えそうだ。
本の題は「帝国の不遜(ふそん)」。事前に入手したニューヨーク・タイムズ紙などによると、対テロ部門幹部のCIA高官はイラク戦争を「差し迫った脅威を与えていない敵に対する、強欲で正当な理由のない仕組まれた戦争」とこき下ろし、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン氏が望んだ反米機運の高まりに火を付けるという「この上ないプレゼントを与える結果になった」と痛烈に批判した。(共同通信 2004/06/26)

映像で大統領の資質問う 全米公開「華氏911」
【ニューヨーク25日共同】全米で25日公開されたマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」は、ブッシュ大統領が大統領としての資質を欠く人物だとの印象を与える映像を集め、深い考えもなく政策が実施されていると主張する内容だ。
米中枢同時テロ発生時の映像では、訪れていた米フロリダ州の小学校で、側近に事態を初めて伝えられた際の大統領の表情をクローズアップ。
画面に刻々と変わる時刻を表示しながら、大統領が7分間にわたり何もせず、絵本「マイ・ペット・ゴート(ペットのヤギさん)」を手にする姿を強調。ナレーションが「彼の目は宙を泳いでいる。側近がどうすればよいか何も言ってくれないからだ」とからかった。
また国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディン氏を「いぶり出せ」と演説するシーンを1−2秒ずつ何コマもつなげた後、西部劇で保安官が犯人を「いぶり出せ」と語る場面を突然挿入、大統領が単純な思考の持ち主であるような印象づくりを図っている。(共同通信 2004/06/26)

ブッシュ嫌い、不信感共有 「華氏911」満員御礼
【ニューヨーク25日共同】「この映画館も売り切れ? 別のところに行ってみなくちゃ」−。マイケル・ムーア監督の映画「華氏911」が全米公開された25日、ニューヨークなどの上映映画館では「売り切れ」の表示を前に、残念そうな表情で入場券を求めて奔走する夫婦連れや若者グループらの姿が目立った。
23日に先行上映した一部映画館でも1日の入場券売上高で過去最高を記録するという繁盛ぶり。イラク戦の是非やブッシュ米大統領の個人的資質を問う硬派の映画になぜこれほどの注目が集まるのか−。
観客の多くは「ブッシュ嫌い」。11月の大統領選を控え、イラク戦を機に拡大した大統領への不信感を、みんなで共有したいとの意識が強いようだ。
「戦闘で傷ついたイラクの子どもたちの映像が頭を離れない。こんなに涙が出るとは思わなかった。米国人はこの映画を見たほうがいい」。28歳の女優アレクサンドラさんはニューヨークの映画館の前で興奮気味に語り「ケリー(民主党の大統領候補)のキャンペーンにもっと力を入れなきゃ」と付け加えた。(共同通信 2004/06/26)

各地で「反ブッシュ」デモ=アイルランド
【エニス25日時事】ブッシュ米大統領がアイルランド入りした25日夜、首都ダブリンなどで「反ブッシュ」デモが行われ、集まった約2万人が米国のイラク政策に抗議した。
大統領が到着したアイルランド西部のシャノン空港付近では、約1200人が「ノー・モア・ブッシュ」(ブッシュはもうたくさん)と叫び、気勢を上げたが、空港に近づく直前で警官隊に阻止された。また、空港近くの川では、ボートで接近しようとした活動家数人が逮捕された。(時事通信 2004/06/26)

ブッシュ大統領激怒、アイルランドTV記者と口論
「答えを遮るのはいいかげんにやめてくれ」──。ブッシュ米大統領はアイルランド訪問に先立ち応じたアイルランドテレビRTEのインタビューで、厳しい質問を連発する記者に怒りの声を上げた。
インタビューしたのはRTEのワシントン特派員キャロル・コールマンさん。第1問でいきなり「アイルランド国民はあなたの訪問を歓迎しないだろう」と先制パンチを浴びせた後、「あなたはアルカイダから目をそらし、イラクに焦点を移した」「こんなに暴力が続いて民主主義は繁栄するのか」「ところで大量破壊兵器は?」と大統領が嫌がる質問を連発。極めつきは「あなたのせいで世界は危険になった」。
大統領は「なんでそんなことを言うんだ」と激怒。答えの途中で質問を連発する記者に対して「レット・ミー・フィニッシュ(最後まで聞いてくれ)」と都合9回も繰り返した。(ワシントン=森安健)(日本経済新聞 2004/06/26)

「華氏911」のテレビ宣伝、選挙法違反と米団体が異議
ブッシュ米政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」に対し、保守系の市民団体が24日、「映画のテレビ宣伝は選挙法違反になる」として、連邦選挙委員会にコマーシャルの放映中止に向けた調査を申し立てた。同映画は25日、全米で公開が始まった。
宣伝の中身はこうだ。芝のゴルフコースを背に、ポロシャツ姿でくだけた感じのブッシュ大統領。「殺し屋のテロリストを止めなければならない」とカメラに語る。ニュースならここまでだが、ムーア監督の狙いは直後の映像にあったようだ。
「さあ、今度はこのドライブショットを見てくれ」。そう言い残した大統領が、クラブを力いっぱい振り回す。テロからゴルフへの話の大きな落差が違和感を残す。お行儀のいい民主党陣営の選挙宣伝より、よほど強烈な政権批判だ。こんな映像が今、家庭に毎日流れている。
保守系の「市民連合」は、このコマーシャルが企業資金を投じた敵対的な選挙宣伝にあたると主張。連邦選挙法で、大統領候補を決める党大会の30日前からの放映は禁じられているとして、共和党大会開催の1カ月前にあたる7月末からの放映中止を求めている。
ただ、企業資金による宣伝もメディアについては例外規定があるため、ドキュメンタリー監督の作品の宣伝がこの規定にあたるのか、言論の自由の問題としても議論を呼びそうだ。(朝日新聞 2004/06/26)

「調べ中、司令官いた」 イラク人虐待予備尋問で証言
駐留米軍兵士によるイラク人収容者虐待事件で、サブリナ・ハーマン技術兵(26)に対する予備審問が24、25の両日、バグダッドで行われた。ロイター通信によると、米憲兵隊の中隊長が「収容者が取り調べ中に死亡した際、司令官がいた」と証言した。
同通信などによると、24日の予備審問で証人に立った372憲兵隊の中隊長、ドナルド・リース大尉は、昨年10月にバグダッドの赤十字国際委員会現地本部で起きた爆破テロ後、アブグレイブ刑務所に連行された収容者について「最初に見たのは死亡後だった」としたうえで、「取り調べ中に死亡したと聞いた」と述べた。
同大尉は「(遺体は)頭、鼻、口から血を流していた。(同刑務所を担当する205情報旅団の司令官である)パパス大佐が『これだけのために私は失脚したくない』と言うのを聞いた」と証言した。(朝日新聞 2004/06/26)

イスタンブールで2万人が反米集会
【イスタンブール27日共同】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれるトルコ・イスタンブールで27日、米国のイラク政策やNATO首脳会議の開催に反対する2万人近い市民が抗議集会を開いた。
集会はボスポラス海峡を挟んだ同市のアジア側で開かれ、参加した労働組合員や市民団体のメンバーらは「米国は中東から出て行け」と叫んだり、「NATOと平和は共存しない」と書いた横断幕を掲げたりした。
市中心部にある首脳会議の会場周辺は、主要道路が封鎖され厳戒態勢が続いた。(日本経済新聞 2004/06/27)

「華氏911」全米800館満員!
ブッシュ米政権を批判して世界的注目を集めているマイケル・ムーア監督(50)の新作映画「華氏911」が25日、全米800館以上で一斉公開された。初日はほぼ満員になり、1日の入場券売上高で過去最高を記録する映画館も多かった。観客も米メディアも同作品をめぐる賛否両論で一色となる中、著名人の多くも見解を続々発言。特に全米ツアー中の歌手マドンナ(45)はコンサートの中で「絶対に見るべきよ」と語りかけたほか、自分の公式ホームページ上でも観賞をすすめた。(日刊スポーツ 2004/06/27)

米政府のテロ対策強化で、アマチュアロケット愛好家に打撃
(WIRED NEWS 2004/06/28)

米運輸保安局、航空旅客情報受け取りの事実がまたもや明るみに
(WIRED NEWS 2004/06/28)

安心のためなら「裸」もOK──政府のセキュリティー対策に幻想をもつ米国人(上)
安心のためなら「裸」もOK──政府のセキュリティー対策に幻想をもつ米国人(下)
(WIRED NEWS 2004/06/28-29)

米同時テロは回避できた 独立調査委結論と米誌
【ニューヨーク27日共同】28日発売の米誌ニューズウィーク最新号によると、米中枢同時テロを検証している独立調査委員会の消息筋は同誌に対し、調査委が7月に発表する最終報告書で「同時テロを防ぐことは可能だった」と結論づける方針を固めたことを明らかにした。
同時テロへの「報復」としてアフガニスタンとイラクでの「対テロ戦争」に踏み切ったブッシュ米政権が、前提となる情報収集段階での失態が指摘され、あらためて責任が問われることになる。11月の大統領選を前にブッシュ政権に対する風当たりが強まるのは必至だ。
同誌によると、最終報告書は中央情報局(CIA)の失策に主な責任があると指摘し、イラク戦争開戦前の情報の取り扱いについてもCIAの行動を厳しく非難する内容になるとみられる。
独立調査委は17日、同時テロについて、米軍と連邦航空局(FAA)の連携が不十分で、チェイニー副大統領によるハイジャック機撃墜命令が30分以上も戦闘機のパイロットに伝わらなかったなどとする調査報告書を発表。イラクと国際テロ組織アルカーイダとの関係についても、正式な協力関係の存在を否定している。(共同通信 2004/06/28)

無期限拘束の異議容認 ブッシュ政権の主張退け
【ワシントン28日共同】米連邦最高裁は28日、国際テロ組織アルカイダのメンバーとして拘束され、キューバのグアンタナモ米海軍基地に拘束されている外国人が拘束に対し、異議申し立ての訴訟を米裁判所に起こすことができるとの決定を下した。ロイター通信などが報じた。
ブッシュ政権はテロ容疑者は米国の法律が及ばない海外の米軍基地に拘束しているため、必要な場合は無期限に拘束できるとの見解を示していたが、最高裁はこの主張を退けた。明確な証拠の提示がない状態での長期拘束に歯止めがかけられた格好だ。
グアンタナモ基地に収容されている外国人は約650人。一部を釈放しているが、大半は名前も公開されないまま拘束されている。(共同通信 2004/06/29)

米大統領:「拡大中東構想」を積極推進 トルコで演説
【イスタンブール和田浩明】トルコ訪問中のブッシュ米大統領は29日、米国が主導する「拡大中東構想」などに関して当地の大学で演説し、「中東の人々が自由という生得の権利を手に入れられるよう、全力で支援する」と同構想を積極推進する姿勢を示した。また、28日に主権移譲が行われたイラクの民主化が、その先駆けとなるとの認識を示した。
同構想が中東地域で目指す自由化、民主化について、ブッシュ大統領は「個々の文化や宗教と相反せず、むしろ安全をもたらすものだ」と意義を強調。「イスラム世界の将来は、イスラムの人々が決めること」と述べ、同構想に対する「外部からの押し付け」との批判をかわした。
イラク暫定政府への主権移譲は、「中東の歴史上でも重大な事件」と位置づけ、「中東全域の改革者に大きな希望をもたらした」と主張。一方で「(移譲は)テヘランとダマスカスに別のメッセージを送った」とも述べ、対米強硬政策を維持しているイランとシリアを名指ししてけん制した。(毎日新聞 2004/06/29)

米のかいらい「必要ない」 マハディ軍支持者は不満
【バグダッド=ムハンマド・ファトナン通信員】テロ活動を活発化させる旧政権勢力や国際テロ組織アルカイダ以外にも、暫定政府を「米軍のかいらい」と決めつけ、苦々しい思いで28日の政権移譲セレモニーを見つめる人は少なくない。
イスラム教シーア派の対米強硬指導者ムクタダ・サドル師率いるマハディ軍の支持者で、聖地カルバラに住むアボアリさん(35)もそんな1人だ。
アボアリさんは女性用衣料品店を営み、3児の父親。5月の米軍とマハディ軍との激しい戦闘で、聖地のモスクの一部が破壊され「米国はただイラクを破壊するためだけに駐留を継続している」と不信感を募らせる。
暫定政府に対しては「イラク人のための政府であれば支持する。しかし、もうゲームはたくさん。(暫定統治機関だった)統治評議会のようなまやかしの組織はもう必要ない」と半信半疑の目で見つめる。
マハディ軍がイラク南部混乱の原因になったことについては「批判があるのは分かる。しかし、国を守るため許された戦いもある」と話した。(中日新聞 2004/06/29)

戦争請負人、イラクで巨額の警備契約を獲得 汚れた前歴は不問
【東京29日=鳥居英晴】アフリカでの違法な武器取引やパプアニューギニアでの内戦への介入など、きわどい前歴を持つ元英軍人が経営する小さな会社がイラクを舞台に、復興プロジェクトの警備全般を統括する巨額の契約を獲得した。2億9300万ドルとイラクでの警備としては最大になるこの契約は、事実上、世界最大の民間軍事会社を誕生させることになると専門家は指摘する。...(日刊ベリタ 2004/06/29)

分離フェンスは人権侵害 イスラエル最高裁が判決
【エルサレム30日共同】イスラエル最高裁は30日、同国がパレスチナ過激派のテロ防止を目的にヨルダン川西岸に建設中の分離フェンスに関し、パレスチナ人の人権を侵害するとして、エルサレム北西部の約30キロ分の建設を差し止める判決を言い渡した。
7月9日には国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)が国際法に違反するかどうかについて勧告的意見を出す予定で、最高裁の判決を受け、分離フェンス建設に対する国際社会の批判は高まりそうだ。
エルサレム近郊にある8つのパレスチナ人村の住民が、約40キロの建設ルートについて、土地の収奪などを理由に差し止めを求めていた。
最高裁は判決で、2005年末までに完成予定の全長約700キロに上るフェンス建設そのものについては「イスラエルの治安のため」と容認。その上で、移動の自由など国際法上認められる人権と治安上の必要性を比較考量。約30キロについては村民の人権を著しく侵害するとしてイスラエル政府にルートの変更を命じた。(共同通信 2004/06/30)

「華氏911」公開3日で26億円突破
米ブッシュ政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督(50)の新作映画「華氏911」が、公開開始からたった3日間でドキュメンタリー映画史上最高額の興行収入をたたき出した。
25日に北米868館で公開され、27日までに計2392万ドル(約26億3000万円)を売り上げ、ドキュメンタリー映画として史上初の初登場1位をマーク。ムーア監督のアカデミー賞作品「ボウリング・フォー・コロンバイン」が持っていたドキュメンタリー映画最高興行収入記録2160万ドル(9カ月間)をあっさり塗り替えた。
同作品は23日の先行上映から各地でチケット売り切れが続出し、全上映回がほぼ満員。2位「White Chicks」(1968万ドル)以下13位までの作品がいずれも2000〜3000館規模で公開されているのに対し、館数や「R指定(17歳未満の観賞に親の同伴を義務付け)」のハンデを背負ったことを考えると、驚異的数字といえる。
早くも興行上は大成功を収めたムーア監督は「公開を妨害しようと劇場オーナーに圧力をかけたり、テレビCMが選挙法違反と訴えたり、テレビで批判しまくったり、いろいろやってくれたすべての保守派団体に感謝したい。みなさんのおかげでますます大勢の人が映画を見たいと思ってくれた」とここでも痛烈な皮肉を飛ばした。
米中枢同時テロやイラク戦争へのブッシュ大統領の対応を批判した同作品は、米娯楽大手ウォルト・ディズニーが傘下企業に配給拒否を命じる騒動の中で、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを獲得。秋の大統領選直前の公開というタイミングもあって、米国では「ドキュメンタリーか、反ブッシュのプロパガンダか」という激論を巻き起こしており、大統領選への影響が注目される。(日刊スポーツ 2004/06/30)



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