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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第47楽章:2004年5月]
イラク人死者1361人 4月、治安悪化浮き彫り
【バグダッド1日共同】イラクで4月に戦闘行為に関連して死亡したイラク人は、AP通信の集計で1361人で、同月の米兵死者138人のほぼ10倍に上ることが1日、分かった。
米兵の4月の死者数はイラク戦争後、月間で最多だったが、市民や警官、武装勢力を含むイラク人の死者数はほぼ10倍にも達した。1日はブッシュ米大統領がイラク戦争の大規模戦闘終結を宣言してからちょうど1年だが、治安状況の悪化が一段と浮き彫りになった。
米軍と武装勢力の戦闘が激しかった中部ファルージャで、地元病院は731人のイラク人が死亡したとしており、APはこの数字を集計に含めた。イラク保健省は4月22日の時点でファルージャでの死者を271人としている。(共同通信 2004/05/01)全裸ピラミッドや“処刑” 生々しい虐待写真、米CBS
【ワシントン30日共同】米CBSテレビが28日に放映した拘束イラク人の写真は、全裸で人間ピラミッドを作らせたり、処刑のまねをするなど、米兵による虐待の様子が生々しく撮影されていた。
写真は全部で7枚ほど。1枚の写真は、服を着たイラク人がずきんをかぶり、箱の上に乗って両手に電気コードのようなものが付けられていた。箱から落ちたら感電死するという設定で、処刑のまねとみられる。
全裸で並んだ4人のイラク人の前で、女性兵士がくわえたばこで両手を拳銃のような格好にして性器の部分を指している写真も。さらに4、5人を全裸にしてピラミッドのように組ませ、その背後で男女の米兵がポーズを取っている1枚も。
米兵らがイラク人と一緒に写っているものが何枚もあり、記念写真気分でふざけていた様子が伝わってくる。(共同通信 2004/05/01)ref. Photos of Iraqis Being Abused by US Personnel(Memory Hole) ref. SHAME OF ABUSE BY BRIT TROOPS(Daily Mirror 2004/05/01) アラブ社会に怒り広がる 米兵のイラク人虐待写真で
【バグダッド1日共同】米テレビが放映した、イラク駐留米軍兵士が拘束したイラク人を全裸にするなど虐待している写真について、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラなどアラブのメディアが4月30日に繰り返し放映、イラクを含むアラブ諸国全体で米軍に対する怒りが広がっている。
人前での肌の露出を極端に嫌うイスラム社会で、全裸にされることは想像を絶するほどの侮辱。イラク人の間でも反発が高まる気配で、ただですら反米運動にてこずる駐留米軍にとって深刻な打撃となる可能性もある。
写真はバグダッドの旧アブグレイブ刑務所の拘置施設で昨年撮影されたものとされ、米兵が複数のイラク人男性を全裸にして立たせ、笑いものにしているというもの。米CBSテレビは4月28日、ニュース番組で放映した。(共同通信 2004/05/01)米ABC放送:イラクの戦死米軍将兵721人の名前を朗読
【ワシントン和田浩明】ブッシュ大統領が昨年5月にイラクでの大規模戦闘終結を宣言して1年を目前にした30日、米ABCテレビの人気キャスター、テッド・コッペル氏はニュース番組「ナイトライン」で、昨年3月の開戦後イラクで死亡した米軍将兵のうち身元の判明している721人全員の名前を読み上げ、入手できた顔写真と階級、年齢も放送した。
これに対し、大手テレビ網を運営する「シンクレア・ブロードキャスティング・グループ」は「イラクでの米国の活動を阻害する政治的な意図に基づいている」として、傘下62局中ABC系8局での放映を拒否。ベトナムで戦争捕虜として長年拘束された経験を持つマケイン上院議員(アリゾナ州選出、共和党)が「戦争の恐るべき損失を理解する機会を視聴者から奪う行為」と非難する書簡をシンクレア社に送付、全米の新聞が番組を巡る論争を記事や社説で取り上げるなど、大きな波紋を広げている。
番組は、「ザ・フォーレン(戦死者たち)」のタイトルで、通常30分の時間枠を10分間延長。すべての名前を読み終えたコッペル氏は、最後に「反戦も戦争支持も意図していない」と主張、「戦争以外に選択肢がない場合がある」とも述べた。
そのうえで、自らが反対するのは「わずかな犠牲で戦争を行えるとの幻想と、戦時中は指導者の政策を批判できないとの考えだ」と述べた。
米メディアはイラクで死亡した米兵の名前や顔写真を定期的に放送・掲載している。30日付ワシントン・ポスト紙は、3ページを割いて3月13日以降の死亡者のうち入手できた顔写真を掲載、USAトゥデー紙は、大規模戦闘終了後最も多かった4月の死亡者の写真を1面トップ記事で扱った。
国防総省によると、イラクでの米軍関係者の犠牲は、昨年3月19日の開戦後、4月30日午前10時の時点で、戦死が532人、事故死などが202人の計734人。負傷者は3864人。(毎日新聞 2004/05/01)イラク:米英軍の虐待 イラク市民の反米感情あおる
【バグダッド杉尾直哉】バグダッドの刑務所に収容されているイラク人が米軍関係者に虐待された問題は1日、イラクのテレビや新聞で報じられた。裸で虐待を受けるイラク人の写真がもたらした衝撃は大きく、市民の間で既に広まっている米国への不信・嫌悪感に火をつける結果となった。
バグダッドでは、アルジャジーラなど衛星テレビや、地上波テレビ局アルイラキヤを通じ、電線につながれたイラク人の写真などが放送された。
バグダッド北東部で商店を営むセッタさん(29)は「テレビで恥ずかしい格好をさせられた人の写真を見て、米軍の目的はイラク解放ではなく占領だったとはっきり分かった。米軍は完全に信用を落とした」と話した。
近くに住むアフメドさん(40)は「(イスラム教)スンニ派、シーア派、クルド人ら宗教・民族にかかわらず、あらゆるイラク人はあんな侮辱には耐えられない」と話した。アフメドさんの子供3人は、米英軍の占領以降、学校接収や道路封鎖で通学できない状態が続いている。米軍の包囲作戦が続いた中部ファルージャに住む親類宅3軒も米軍の攻撃で粉々に破壊されたという。アフメドさんは「米軍が行ってきたことすべてが侮辱だ。米国によるイラク復興など幻だ」と話した。(毎日新聞 2004/05/01)イラク人虐待非難、各地で相次ぐ=「戦争犯罪」とイスラム聖職者協
イラクの首都バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所で拘置中のイラク人を駐留米軍の兵士らが虐待していた問題について、同国を含むアラブ諸国や欧州連合(EU)からは1日、相次いで非難の声が上がった。AFP通信などが伝えた。
イラクでは、イスラム教スンニ派最高指導部「イラク・イスラム聖職者協会」が、虐待を「野蛮で非人道的行為だ。戦争犯罪とみなす」と糾弾する声明を発表。さらに「こうした行為はアブグレイブ刑務所に限られたものではない」として、国際人権団体などによる独立調査を要求した。(時事通信 2004/05/02)イラク囚人拷問の写真 アラブ諸国が激怒
(CNN)イラク駐留米英軍の兵士らがイラク人の囚人を全裸にして拷問し、性的に辱めている様子を映したものとされる写真が、米英のマスコミによって公開されたのを受け、アラブ諸国の市民やマスコミは一斉に、怒りの声を挙げている。
米兵による拷問行為の写真は、米CBSが28日夜に放送した。また英兵によるものとされる写真は、英大衆紙デイリー・ミラーが1日に掲載。これを受けて、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラやアラブ首長国連邦(UAE)のアルアラビアをはじめ、各国の新聞が30日までに一斉にこれを報道した。
イラク国内では、アルジャジーラなどのテレビ放送は受信することができるが、国内の新聞各紙は、暫定占領当局(CPA)に批判的な新聞も含めて、国民感情への懸念などから、一様に写真掲載を控えている。
アルジャジーラのアフメド・アルシェイク編成局長は、英PA通信に対し、「バスラ駐留の英国軍はこれまで、ヘルメットや防弾装備なしで市内をパトロールできると自慢していたが、この写真がイラク国民の目に触れたら、状況は変わるはずだ。この写真はイラク人だけでなく、世界中のアラブ人を辱めるものだ」と批判した。
エジプトの保守系新聞アハバル・エルヨムは、全裸で頭に袋をかぶせられた囚人の写真に「スキャンダル」と見出しをつけて掲載。野党系新聞アルワフドも、「恥」と見出しを付けて写真を載せた。
アラブ同盟(本部・カイロ)のザキ報道官はロイター通信に対し、昨年12月にアラブ同盟がイラクで現地調査をした後、米軍など駐留連合軍に繰り返し、こうした虐待・拷問が日常化していると警告し続けてきたと指摘。「このような写真を目にして、言葉に出来ないほどの嫌悪を覚える。実に皮肉なことだ。サダム・フセインは決して、自由の旗印を掲げたりしなかった。彼は独裁者で抑圧者だった。その下でこうした残虐行為が行われるのは、予想できることだった。しかし、自由と民主主義をもたらし、米国の価値観を世界に普及するためにやってきたとかいう米兵たちが、こうした恥ずべき言語道断な行為を広めているとは。あまりに皮肉すぎて気分が悪くなるほどだ」とザキ報道官は厳しく非難した。
カイロ市内のカフェで、新聞報道を読んでいた男性はAP通信に対し、「米国はこれでよく、自分たちが民主主義と自由と人権の国だなどと言えたものだ」と批判。
イラクでは、統治評議会メンバーで元判事のダラ・ノール・アルディン氏が「フセイン政権による囚人虐待を批判してきたと同じように、今回の悲劇も決して受け入れることはできない」と非難。バグダッドの大学生(24)は「米国人はこうやって囚人を扱うのか。彼らは、自由と民主主義を大事にしているとか言うが、それは自分の国の中だけのことだ」と強く反発した。
また交通整理の警官はロイター通信に対し、「あの写真を目にした時の気持ちは、とても言葉にならない。吐き気がした。占領軍の残虐性が証明されたわけだ。連中とサダムのどこが違う? サダムが始めたことを、連中が仕上げているだけだ」と非難した。(CNN 2004/05/02)イラク人虐待、「CIAが奨励」の報告書 米誌報道
イラク人虐待問題をめぐり、米軍が2月下旬に調査報告書をまとめていたと米週刊誌ニューヨーカーが2日、電子版で報じた。53ページの報告書を入手したとしている。軍の情報担当者や米中央情報局(CIA)が情報を聞き出すため、兵士らに虐待を奨励していたという。
同誌によると、イラクのアブグレイブ刑務所で内部告発があり、軍の犯罪調査部門がイラク駐留米軍のサンチェス司令官の承認を受けて調査した。憲兵部隊6人が虐待などの容疑で審問を受けている。
報告書によると、「サディスト的で露骨、不当な犯罪的虐待」が昨年10〜12月に集中的に行われた。「裸にして冷水を浴びせた」「ほうきの柄やいすで殴打した」「軍用犬をけしかけて脅した」「化学物質入りの液体を浴びせた」「性的暴行」などと暴行の例を挙げている。
さらに報告書は、軍の情報担当者やCIA関係者らが兵士らに「尋問にふさわしいように(イラク人の)体力や精神状態を整えるよう積極的に要請した」と断定。虐待の現場に立ち会ったり、兵士らに「よくやった。すぐに口を割って何でも話している」などと声をかけたりしていたとの目撃証言に基づき、情報部隊幹部ら4人について「虐待に直接的、間接的な責任がある疑い」を指摘している。
報告書は、同刑務所に入っているイラク民間人の60%以上が「社会に対する脅威ではないと見られる」と述べ、無実のイラク人が強制収容されていると批判した。
ニューヨーカー誌によると、虐待の容疑者の米兵の1人は、家族らにあてた手紙や電子メールで「軍の情報担当者から、劣悪な独房にイラク人を裸で押し込めろと指示された」と述べている。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは、1月まで同刑務所の責任者だったカーピンスキー予備役准将に電話取材。准将は「虐待が行われた場所は軍情報当局の厳格な管理下にあった」とし、「軍は私や予備役の兵士に責任を押しつけようとしている」と強く反発したと報じている。(朝日新聞 2004/05/02)ref. TORTURE AT ABU GHRAIB(New Yorker 2004/04/30) 米兵イラク人虐待:米軍が部下に責任転嫁
准将が不満「私たちは使い捨て」 米紙報道
【ニューヨーク支局】1日の米紙ニューヨーク・タイムス(電子版)によると、バグダッドのアブガリブ刑務所でイラク人を米兵が虐待していた問題で、軍内部での事件発覚後に刑務所長を解任されたジャニス・カルピンスキ准将は同紙に対し、「私たちは使い捨てだ」と言明。予備役軍人である准将自身や部下の兵士たちに、軍上層部が責任を押し付けようとしているという不満をあらわにした。
准将は、イラク人に対する虐待行為について何も知らなかったと話して、自身の関与を否定。今年1月に初めて写真を見た時には「嫌悪感を覚えた」と話した。
虐待が行われたのは20余りある独房のうち「1A」という部屋。准将は、虐待行為に参加した部下の予備役兵士を弁護するつもりはないと繰り返し ながらも、この独房は陸軍情報機関の管理下にあり、米中央情報局(CIA)の職員が四六時中出入りしていたと指摘した。
そのうえで、自分たちが責任を取らされようとしているのは、イラクで今も活動している情報機関職員を守るためだと主張。准将の弁護士も、准将はスケープゴート(身代わり)にされたという見方を同紙に示した。
准将はすでに帰国しており、サウスカロライナ州の自宅で同紙の電話インタビューに応じた。(毎日新聞 2004/05/02)イラク人への虐待は軍情報機関の指示か 内部報告書も明るみに
【東京2日=齊藤力二朗】イラクの米軍当局者は1日、軍高官がアブグレイブの拘置所で起きたイラク人拘束者への虐待問題で、尋問の際に行き過ぎた行為がなかったかなどを調査していると語った。同当局者によると、拘置所の部隊を統括していたカーピンスキー准将と、6人の兵士がこの問題で拘置所での職務からはずされたと述べた。
報道を総合すると、同准将は、拘置所でのイラク人への尋問は、自分の部隊とは別個の軍諜報機関が行い、部隊の兵士たちは、諜報機関員から、虐待を行うよう命じられたと話した。米中央情報局(CIA)でも、この虐待問題を調べている。
米ワシントン・ポスト紙によると、キューバのグアンタナモ基地から尋問にたけた担当官がイラクに赴任した後から、急に自白を得る率が高くなったという。
一方、英ガーディアン紙は1日、「アブグレイブでのイラク人拘束者に対する扱いは、これまでに言われてきた以上に酷いものらしい。また、軍情報機関からの指令があったようだ」と報じた。
虐待に加わった兵士のひとり、フレデリック軍曹は1月に家族に宛てた手紙で「拘束者から供述を引き出すために、時には死に至るまで、ぎりぎりのところまで圧力を加えた。死体は医者が来るまでの24時間氷付けにされ、カモフラージュするために両腕に血清が差し込まれ、担架で運ばれた」と伝えている。
「このような行為の指令は、軍情報機関から出されているようだ。拘置所で見たこのような行為に関して(上官に)質問をしたところ、回答は、軍情報機関がそのように望んでいるのだというものだった。また、軍情報機関のある将校は、私と同僚たちが拘束者に対して行った“立派な仕事”を祝ってくれた」と書いている。
米ニューヨーカー誌は、米軍が2月に作成した秘密内部報告書を入手。これを基に、この拘置施設には、1人の軍事情報将校と、複数の言語学者が働いていると伝えた。報告書には「兵士たちは、ほうきや椅子で拘束者たちを殴りつけた。また冷水や燐系の液体を浴びせた」などと書かれてあった。(日刊ベリタ 2004/05/02)テロ資金をマネーロンダリング 米老舗のリグズ銀に疑惑
【ワシントン=気仙英郎】歴代大統領が口座を開設し多くの大使館と取引関係がある米国の老舗銀行、リグズ銀行(本店・ワシントン)が、テロ資金のマネーロンダリング(資金洗浄)を隠蔽(いんぺい)した疑いで揺れている。ワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルなど複数の米紙は30日、米銀行監督当局が2500万ドル(約27億円)を超える罰金を科す可能性があると報じており、同族経営の同行の事実上のトップとその妻、頭取らが辞任する意向を表明する事態に発展している。
同行の取引については、米通貨監督局(OCC)や米連邦準備制度理事会(FRB)、米連邦捜査局(FBI)、それに連邦大陪審などが問題にしている。ポスト紙などによれば、同行は、サウジアラビア大使館と赤道ギニア大使館の大使館員の複数の口座を対象に特別に高い利息を支払った上、マネーロンダリングとみられる取引を隠蔽し、銀行監督当局に報告していなかった疑いが持たれている。この中には、サウジアラビアのバンダル駐米大使の個人口座も含まれており、サウジから入金された資金を同行で複雑な出入金操作をした上で欧州の銀行に送金するなどの取引があったという。
OCCやFBIは、2001年の米中枢同時テロ以降、テロ組織の資金源を断つ目的で、銀行取引の調査を行ってきている。同行のマネーロンダリングの疑いはその調査の過程で浮上したもので、特に、大使の妻が同行の口座を通して行った福祉事業への寄付金の一部が同時テロの犯人らの資金に回った疑いが持たれており、FBIは、同行の数千万ドル相当の取引を問題視しているという。OCCやFBIの捜査を受け、同行は29日、第1・4半期(1−3月)の決算報告書で、捜査を受けていることを認めた上、事実上の経営者で同行の持ち株会社のオールブリトン副会長とその妻ら3人の役員が辞任する意向を表明。さらに、大半の海外業務を9月までに停止するなどのリストラ策を明らかにした。同行は、1836年創業の老舗銀行で、総資産は64億ドル(約7000億円)。サウジアラビア大使館とは20年来の取引があるほか在ワシントンの各国大使館を顧客にした銀行取引で業績を拡大してきた経緯があり、預金総額の約4分の1は各国大使館名義といわれている。(産経新聞 2004/05/02)ガザ撤退案を大差で否決=シャロン首相に身内が反旗−イスラエル
【エルサレム3日時事】イスラエルのシャロン首相率いる右派与党リクードが2日実施したガザ撤退案をめぐる党員投票は、開票の結果、反対票が約6割に上り、同案は大差で否決された。投票結果に法的拘束力はないが、同首相のパレスチナ分離策に身内が反対したことで、政局が混迷する可能性が出てきた。
最終結果は反対59.5%、賛成39.7%。シャロン首相は「簡単な任務ではないが、実施に移すつもりだ」と述べ、辞任の考えがないと強調するとともに、計画実現への決意を表明した。首相は、閣僚や連立与党幹部と善後策を協議する。(時事通信 2004/05/03)イスラエル情報機関、ハマス新指導者の暗殺に失敗?
イランの英字紙テヘラン・タイムズは3日、地元通信社電として、イスラエルの情報機関モサドがイスラム過激派ハマスの新指導者ハリド・メシャール氏の暗殺を試みたものの失敗したと報じた。信頼できる筋の情報としているが、真偽は不明。
報道によると、モサドから指令を受けた5人のイエメン国籍のユダヤ人が、イスラエル軍の攻撃で4月に殺害されたハマスの最高指導者ランティシ氏の追悼集会に参加するためヨルダン経由でシリアに入国。イスラム教徒を装い、首都ダマスカスのハマスの拠点でメシャール氏らと面会をしようとしたところを同氏の護衛に見破られて拘束され、シリアの治安当局に引き渡されたという。(朝日新聞 2004/05/03)尋問中の殺害疑惑も浮上 米軍のイラク人虐待問題
駐留米軍によるイラク人虐待問題で、米軍の内部報告書の存在を報じた米誌ニューヨーカーのハーシュ記者は2日、CNNテレビに出演し、尋問中にイラク人男性が死亡し、遺体がひそかに遺棄された疑いがあると指摘した。同誌電子版には同日、氷詰めにされた男性の遺体写真が掲載された。
ハーシュ記者はこのイラク人男性は事実上、米軍に殺害された疑いがあることを指摘したうえで、「男性は担架に乗せられ、点滴しているように偽装して救急車に乗せられた。そして、拘束されていた施設の外に運んでどこかに遺棄された」と述べた。この男性は「囚人」としての登録を受けていなかったという。
虐待の理由について同記者は「軍情報部の指示で、尋問前にその人間の神経を衰弱させるためのものだった」と指摘し、軍や米中央情報局(CIA)などから指示されたと断言した。「囚人」らは、検問所や一般住宅から無差別に選ばれた人間で、アブグレイブ刑務所に収容されている人の同報告書では約60%を占める。事件やテロ活動とは全く無縁だったという。
一方、マイヤーズ米統合参謀本部議長は2日、ABCテレビに出演し、イラク人虐待問題で「組織的な虐待の証拠はない」と述べた。「関係者を裁判にかける」と述べ、直接関与したとされる6人を訴追する考えを示したが、軍高官の責任問題には言及しなかった。軍の調査報告書については「見ていない。報告書が正確なものであるかについてはコメントできない」と述べた。(朝日新聞 2004/05/03)イラク:新国旗「イスラエルに似ている」、一部修正も──統治評議会
【カイロ小倉孝保】イラク統治評議会が承認した新国旗に対し、反対の声が相次いでいる。「イスラエル国旗に似ている」として一部修正が加えられたほか、同評議会有力メンバーのアドナン・パチャチ氏は2日、「新国旗はまったく気に入らない」と語った。皮肉にも国旗が新生イラク建設の難しさを象徴するものとなっている。
パチャチ氏は2日、アブダビ・テレビに対し「三日月は(青でなく)アラブを象徴する緑にすべきだし、青線は赤にすべきだ」と細かい注文を付けた。
新国旗は先月26日に米英占領当局によって発表され統治評議会も承認した。しかしその後、イスラエル国旗に似ているとの批判が出たため、三日月と2本の青線をより濃い青にするなど修正が加えられた。(毎日新聞 2004/05/03)イラク人虐待:奨励する米軍内部報告書が存在 米誌報道
【ワシントン和田浩明】バグダッドのアブガリブ刑務所のイラク人を米兵が虐待していた問題で、米陸軍情報機関や中央情報局(CIA)の担当者が尋問での情報入手を容易にするため虐待を奨励していたとする、イラク駐留米軍による内部報告書の存在が2日、明らかになった。米誌「ニューヨーカー」(電子版)が報じた。
報告書は、虐待事件に関連して軍情報機関幹部2人と、同刑務所で尋問を担当していた民間人1人を処分するよう勧告しているという。
同誌によると、虐待容疑で摘発された米兵らも、軍情報機関などからの依頼を受けたことを、家族への手紙や米軍の事情聴取で明かしている。
同誌が入手した報告書は53ページ。サンチェス駐留米軍司令官の指示で2月下旬に陸軍少将が内部調査を行ってまとめた。それによると、昨年10月から12月にかけ、「数々のサディスティックで露骨かつ野放図な犯罪的虐待」が、第372陸軍憲兵中隊の兵士によって行われた。具体的には▽化学薬品や冷水を浴びせたり、椅子で殴打する▽ほうきの柄で性的暴行を行う▽軍犬をけしかけて脅す──など。
報告書によると、陸軍情報機関の将校やCIAの担当者らが、尋問で情報を聞き出しやすくするため、イラク人拘束者の「身体的・心理的状態を設定する」よう、看守役の憲兵らに「積極的に依頼した」という。同誌によると、「状態を設定する」は隠語で、尋問対象者の意志をくじくことを意味している。
事件にかかわった女性兵士は陸軍犯罪調査局の事情聴取に対し、軍情報機関などの指示で、拘束者に口を割らせるよう虐待を行ったと宣誓供述した。摘発された男性兵士も「刑務所内の軍情報機関の担当エリアで、道徳的に問題のあるさまざまな行為が行われるのを見た」と証言。尋問がうまくいった場合、情報機関側は「よくやってくれた。いい情報がとれた」と感謝したという。
別の男性兵士は家族への手紙で、昨年11月にCIA担当者が行った激しい尋問でイラク人が死亡、「遺体は氷詰めにされ、医務兵が運び去った」と書いたと同誌は報じた。
刑務所の管理を担当していた憲兵部隊は、昨年10月に担当になるまでは交通整理などが任務だったといい、報告書は、収容者の取り扱いに関する適切な訓練を受けていなかったと指摘。虐待事件発覚後に刑務所長を解任されたジャニス・カルピンスキ准将も、今回初めて刑務所運営を担当したとされる。(毎日新聞 2004/05/03)イラク人虐待:電気で拷問、偽処刑で脅し 米紙報道
3日付の米紙ワシントン・ポストは、反米武装勢力メンバーとみなされ、米軍に拘束された際に電気を使った拷問や偽の処刑で脅されたとするイラク人の証言を報じた。
無職のアブドラ・アブドルラザックさん(19)は昨年9月、米軍攻撃に関与したとして拘束された。最初は米兵の尋問を受け、その後クウェート陸軍の軍服を着た兵士に電気を使った拷問を受けたという。手足を縛られて床に転がされ、数時間尋問を受けたこともあった。
タクシー運転手のサイフ・シャキルさん(26)は昨年7月、双子の兄弟アリさんと一緒に拘束され、イラク南部のウムカスルの収容所に移送された。シャキルさんは尋問の際に暴行を受けたほか、3回アリさんと一緒に砂漠に連れて行かれ、首まで砂に埋められた。
シャキルさんは「アリの姿が見えない時に銃声を聞いた。米兵らが来てアリが死亡したと言った。でも実際には死んでいなかった」と話し、米兵らが処刑を偽装しシャキルさんの動揺を誘った様子を振り返った。米兵が脅すためにわざと頭の近くで銃を発砲することもあったという。(ワシントン共同) (毎日新聞 2004/05/03)イラク人虐待に軍情報機関関与、准将が示唆
【ワシントン=寺田正臣】イラク駐留米軍兵士による拘束イラク人の虐待問題で、虐待があったとされるバグダッド郊外のアブグレイブ刑務所の責任者だった米軍准将が、2日付けの米有力紙に対して、軍情報機関の関与を新たに示唆した。
米軍は一連の指摘に対して内部調査を急いでいるが、虐待が組織的に行われたとの疑惑は払しょくできず、国際的波紋は拡大する様相だ。
マイヤーズ米統合参謀本部議長は2日、ABC、CBS、FOXの各テレビに相次いで出演し釈明に務めた。
マイヤーズ議長は、虐待が組織的だったのではないかとの疑惑に対してABCテレビで「組織的に行われたということはない。これはテロリストが収容されているキューバのグアンタナモ米軍基地内の刑務所でも同じことだ」と疑惑を明確に否定した。
だがマイヤーズ議長は、CBSテレビでは「組織的なものではなかったという確信はあるのか」との質問に「確信は持てない」と口ごもり、疑惑払しょくは出来なかった。
同議長はまた、米軍兵士に対して虐待をそそのかす圧力が情報機関からあったかどうかを調査中であることを明らかにした。調査はイラク、アフガニスタン両国の刑務所などの収容所が対象になるという。
一方、アブグレイブ刑務所の管理責任者だったジャニス・カルピンスキー准将はワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ両紙(2日付け)とのインタビューで、虐待があったとされる同刑務所の特別棟は、准将が指揮する予備役隊ではなく軍情報機関が直接管理していたことを明らかにした。
ワシントン・ポスト紙が伝えた同准将の証言によると、昨年、虐待が行われる1か月前にグアンタナモ米軍基地の捕虜収容施設から軍情報機関の将校の一団が同刑務所を訪れた。同准将はすでに懲戒処分となっている。
訪問の目的は「被拘束者から情報を得るために尋問者に対して新しいテクニックを教えること」であり、雰囲気として尋問を成功させるための大きな圧力がかかっていたという。またニューヨーク・タイムズ紙での証言によると、尋問には米中央情報局(CIA)職員もひんぱんに加わっていたという。(読売新聞 2004/05/03)米航空大手、顧客情報を当局に大量提供・米紙
【ニューヨーク3日共同】3日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、航空世界最大手アメリカン航空の持ち株会車AMRなど4社が、2001年9月の米中枢同時テロ以降、米連邦捜査局(FBI)の召喚に応じて大量の顧客情報を極秘に提供していたと報じた。専門家によると、これほどの規模の個人情報が当局に渡されたことが判明したのは初めて。
情報を提供したのはアメリカンをはじめユナイテッド航空、デルタ航空、ノースウエスト航空の4社。00年9月から01年9月の1年間に渡された個人情報は数百万件に上るとみられる。ノースウエストは、住所、電話番号、クレジットカードの番号などが含まれる可能性を認めた。
FBIがこれらの個人情報をほかの政府当局に知らせたかどうかは不明。(日本経済新聞 2004/05/03)イラクで米兵が暴行と訴え エジプト系カナダ人
【ポートランド(米オレゴン州)4日AP=共同】イラクで米軍に誤って拘束され、収容先で拷問を受けたとして、エジプト生まれのカナダ人男性(57)が米陸軍に35万ドル(約3800万円)を求める申し立てを米軍当局に起こしたことが4日、分かった。
弁護士らによると、米軍は昨年4月、人権団体の一員としてイラク入りしていたこの男性をフセイン元大統領の「側近」と誤認して拘束。イラク南部の収容施設に連行し、暴行を加えたという。
男性は、米兵が同じ収容施設にいたイラク人に「口にできないような仕打ちをしていた」と話している。(共同通信 2004/05/04)イラク紙編集主幹ら辞任 米メディア管理に抗議
【バグダッド4日共同】米国防総省の資金支援を受け昨年から発行しているイラク紙アッサバハの編集主幹がこのほど、政治的広告を掲載しないよう圧力をかけるなどした米側の編集介入に抗議、独立した新たな新聞を発行するため、編集スタッフほぼ全員とともに辞任した。
昨年4月のフセイン政権崩壊以降、米国防総省と契約した米企業がイラクの多くのメディアを事実上管理してきたが、スタッフの一斉退職という事態に発展したのは初めて。
3日のAP通信などによると、辞任した編集主幹はイスマイル・ザイル氏。3日付1面の社説で同氏は「われわれが被ってきた悪夢が終わることを祝う」「われわれは独立を求める」と表明した。一方、同紙を管理する米企業担当者は、新しいスタッフでアッサバハの発行を続けるとしている。(共同通信 2004/05/04)女性も裸、軍用犬で威嚇 米紙がイラク人虐待の詳細
【ロサンゼルス3日共同】駐留米軍によるイラク人虐待問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズは3日、同軍が女性を裸にしたり、軍用犬で威嚇するなど、精神的、肉体的に拘留者を執拗(しつよう)に虐げていた実態を軍の内部報告書を基に報じた。報告書は軍が今年2月にまとめたもので、米誌ニューヨーカー(インターネット版)が2日に存在を明らかにしたが、虐待の詳細に関する報道は初めて。イラクを含むアラブ社会の反米感情が一層悪化するのは必至だ。
同紙によると、バグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所内で昨年10−12月の間、米軍関係者らが拘留者の指や性器などに電線を取り付け、電気ショックを与えると脅したり、軍用犬を使って威嚇し、重傷を負わせていた事実が判明。
イラク国民の大半を占めるイスラム教徒は、伝統的に犬を不浄の動物とみなしている上、女性を含む多数の拘留者の裸やみだらな行為をビデオ撮影していたことも分かり、保守的なイスラム教徒の怒りに火を付ける内容となっている。■米軍内部報告書の要旨
【ロサンゼルス3日共同】米紙ロサンゼルス・タイムズが3日、イラク人虐待問題に関連して報じた米軍の内部報告書の要旨は次の通り。
一、軍警察の要員による拘留者虐待には、以下の行為が含まれていた。
一、男性と女性の裸をビデオと写真で撮影する。
一、卑猥(ひわい)な姿勢を取らせ、写真撮影する。
一、裸にし、数日間放置する。
一、殴打し、ける。素足に飛び乗る。
一、裸の男性に女性の下着着用を強制する。
一、軍用犬をけしかける。拘留者が重傷を負った例も。
一、男性のグループに自慰行為を強制し、写真撮影する。
一、男性の指やつま先、性器に電線を取り付け、電気ショックの脅しをかける。
一、裸の男性の足に、15歳の別の拘留者を強姦(ごうかん)したとの告白の落書きをする。
一、犬の首輪を着けた男性の前で女性米兵が写真撮影する。
一、男性憲兵が女性拘留者と性行為をする。
一、電球を壊し、電球内の有毒物リンを拘留者に振り掛ける。
一、拳銃で威嚇する。
一、いすやほうきで殴打する。
一、裸の拘留者に冷水を浴びせる。
一、(医師ではない)憲兵が壁に打ち付けられ負傷した拘留者の傷口を縫合する。
一、肛(こう)門に蛍光スティックやほうきを挿入する。(共同通信 2004/05/04)イラク人虐待:女性収容者を裸にしてビデオ撮影 米紙報道
【ロサンゼルス國枝すみれ】米紙ロサンゼルス・タイムズは3日、米軍の内部報告書を基に、昨年秋にバグダッド西方のアブガリブ刑務所内で起きた拘束イラク人に対する拷問・虐待の詳細を報じた。女性収容者を裸にしてビデオ撮影したり、収容者の首にイヌ用の首輪と鎖をつけるなど衝撃的な内容だ。女性に対する性的な侮辱や、イスラム教で不浄の動物とされるイヌを使った虐待は、同教徒の強い反発を呼ぶことが必至で、アラブ社会全体の反米感情がさらに高まる恐れもある。
53ページの報告書は、陸軍のアントニオ・タグバ少将が、関係者48人へのインタビューを基に、今年3月に作成した。
同紙によると、米軍関係者らは▽男女の収容者を裸にして写真やビデオに撮影▽男性収容者の指や下腹部に電線を取り付けて電気ショックを与えると脅迫▽男性憲兵が女性収容者を暴行▽軍用犬をけしかけ、少なくとも1人に重傷を負わせた──などの虐待を行っていた。
少将は報告書で、虐待に関与した軍人10人と民間人2人に対する懲戒措置を勧告。軍人5人と通訳1人が犯罪容疑者となる可能性があると指摘した。
また、報告書は、尋問で情報を聞き出しやすくするために、陸軍情報機関が拷問・虐待を奨励していたことも明らかにした。看守役の軍人は情報担当官から「こいつの口が軽くなるよう、今晩痛めつけてくれ」と言われたと証言している。(毎日新聞 2004/05/04)イスラエル軍:パレスチナ人2人を殺害、20人けが
【エルサレム樋口直樹】ガザ地区南部のパレスチナ自治区ハンユニス難民キャンプで4日、イスラエル軍の武装ヘリがパレスチナ武装勢力に向けミサイルを発射し、2人を殺害、約20人にけがを負わせた。地元住民によると、死者のうち1人は武装していたが、もう1人は15歳の少年で巻き添えになったとみられる。イスラエル軍機は対戦車ミサイルを発射した武装パレスチナ人を狙ったという。(毎日新聞 2004/05/04)イラク人虐待:少なくとも4カ所の刑務所で 国際市民団体
【バグダッド杉尾直哉】イラク駐留米軍による人権被害を調べている国際市民団体「イラク占領監視センター」は4日、毎日新聞に対し、イラクの刑務所のうち少なくとも4カ所で、米監視兵が収容者を強制的に裸にするなどの虐待を行っていたと明らかにした。同センターが元収容者や家族を対象に実施した聞き取り調査で分かった。電気ショックによる拷問を受けたと疑われる例も2件あったという。
エマン・アフメド・ハマス同センター・バグダッド所長によると、昨年夏にティクリートの刑務所に入れられた50代の元バース党員は、逮捕から2週間後に後頭部を強打され、意識不明の状態で同市内の病院に運ばれた。男性の両手のひらには黒く焼けた斑点があり、エマン所長は「電気ショックによる拷問を受けた可能性が高い」と話した。男性は現在も意識不明のままで、家族が米英占領当局(CPA)に補償を求めている。同センターの抗議に対し、ティクリート刑務所側は、拷問を否定しているという。
エマン所長によると、収容者が裸にされる例は、問題化しているアブガリブのほか、バグダッドのルサファ刑務所、南部ウンムカスルのキャンプ・ブッサでもあり、広範にわたるとみられる。
同センターの聞き取り調査では▽数日間も裸のまま放置▽刑務所内を裸で歩き回らされる▽全裸の男性収容者を使って女性収容室に食事を運ばせる──などの例があった。女性収容者の裸を刑務所内で見せられたという男性収容者の証言もあった。エマン所長は「イスラム文化では、裸を異性に見られるのは恥でありタブーだ。米軍はそれを知りながら収容者を侮辱したと思われる」と語り、占領当局に抗議と真相解明を働きかけている。
一方、テロリストに疑われ米英軍により約3カ月間、拘束されていたイラクの民間人男性(28)が、毎日新聞に、拘束中はドアのないトイレで銃を突きつけられながら用を足したり、酷暑の中で水を十分与えられなかった実情を明らかにした。
男性の話では、昨年7月、いきなり米兵に拘束され、収容所で幅1メートル、奥行き2メートルの広さの独房に入れられ、便器に座る際も監視された。また、50度以上の酷暑にかかわらず、扇風機などは一切なく、お湯のようになった1リットルボトル入りの水を1日3本だけ与えられた。食事は米兵用の余りものとみられるという。
男性は「罪もないのに長期間拘束し、説明や謝罪は一切ない。ひどい扱いはどの米英軍施設でもある」と話した。(毎日新聞 2004/05/04)米軍拘束のイラク人ら25人死亡、3人は殺害
【ワシントン4日共同】米国防総省は4日、イラクやアフガニスタンで2002年12月以降、米軍が拘束した25人の収容者が死亡、うちイラク人3人が米兵や中央情報局(CIA)関係者により殺害されたと明らかにした。
残り22人のうち、12人のケースは事件性がないと断定したが、10人については違法な暴行や虐待がなかったか引き続き調査しており、米軍による虐待事件がさらに広がる可能性が出てきた。
殺害された3人のうち1人はCIA関係者による尋問中に死亡した。この事件は虐待が発覚した旧アブグレイブ刑務所で起きたが、米陸軍幹部は、死亡に至った経過を明らかにしなかった。容疑者がCIA関係者で米軍の司法権が及ばないため、捜査は司法省に委ねられたとしている。
残り2人の場合、1人は石を投げて抵抗したため、もう1人は逃亡しようとしたため、いずれも米兵が発砲した。
陸軍幹部によると、石を投げられて発砲したケースは「過剰な武力行使」として、米兵は降格の上、除隊処分となった。逃亡しようとしたイラク人への発砲は「正当な行為」だと陸軍幹部は説明した。(共同通信 2004/05/05)米軍、負傷イラク人ら射殺 仏テレビが映像放映
【パリ5日共同】フランスのケーブルテレビ、カナル・プリュスは4日夜(日本時間5日未明)、米軍ヘリコプターが負傷者を含む無抵抗のイラク人3人を機関銃で殺害する映像を放映した。イラク人虐待問題が国際的に非難される中、「負傷者の殺害は国際法からみて戦争犯罪」(人権活動家)と米軍に対する批判が強まっている。
放送担当者によると、イラクの米軍基地で働いていた欧州出身者がビデオを持ち出した。フランス公共ラジオによると、同様の映像が今年1月に米ABCテレビで放映されているという。
ビデオは昨年12月1日の日付入り。場所は不明だが、米軍のヘリから撮影されている。殺害された3人のうち1人はトラックの下に隠れ、狙撃手は「負傷している」と指摘したが、上官が「撃て。トラックも彼も撃て」と命令していた。フランス公共ラジオは、殺害された2人は武装していたように見えるが、武器を捨て戦闘を行う状況ではなかったと伝えている。(共同通信 2004/05/05)ref. Apache killing video becomes viral news
ref. Iraq video clip killings trigger TV investigation
(dot.Journalism)イラク人虐待:「米軍は帰れ」バグダッドで抗議デモ
イラク駐留米軍によるイラク人虐待問題の舞台となった首都バグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所前で5日、虐待に抗議する大規模なデモが行われ、拘束されている人の家族ら約1000人が米軍への怒りの声を上げた。
デモを呼び掛けたのは、外国人拉致事件で人質解放の仲介を務めたイラク・イスラム聖職者協会。「米国の自由と民主主義はどこにあるんだ」「米軍は帰れ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた参加者らは「のろわれたブッシュ(米大統領)は民主主義と自由の敵」などと連呼してデモ行進。
旧刑務所前に到着すると、同協会のクバイシ師が「(虐待問題は)すべてのイラク人に対するひどい侮辱であり、人々は激怒している。イラクの伝統に従えば報復しなければならない行為だ」と、拡声器で米軍への要求文書を読み上げた。
聖職者協会は要求文書で(1)虐待に関与した兵士に対する尋問と厳罰(2)虐待された拘束者への補償と謝罪(3)無実の拘束者の早期釈放―などを訴えた。
今年2月に拘束されたことがある農業イブラヒム・ハッサンさん(57)は「体を検査すると言って裸にされた。神が許す行為ではない」と怒り、米兵に殴られたという手のけがを見せた。ハッサンさんは「米軍は面会を認めなかった。拘束の翌日には家族の面会を認めた旧フセイン体制の方がまだ良かった」と話す。
息子を拘束された女性教師のナジハ・ハリドさん(45)は「ブッシュこそ巨大なテロリストよ」と憤った。(バグダッド共同)(毎日新聞 2004/05/05)イラク人虐待:暫定内閣の人権相 抗議し辞意を表明
イラク暫定内閣のアブドルバシト・トゥルキ人権相は4日、首都バグダッド郊外の旧アブグレイブ刑務所で起きたイラク人拘束者虐待問題に抗議し辞意を表明した。米軍による虐待問題で暫定内閣閣僚が辞意を表明したのは初めて。
AP通信によると、トゥルキ人権相はカタールの衛星テレビ、アルジャジーラに対し、拘束者への虐待がイラク人の人権を侵害し、アブグレイブ以外の刑務所でも同様の人権侵害が起きている可能性があることを理由に挙げた。
人権相は昨年12月に連合国暫定当局(CPA)のブレマー行政官に対し、米軍による人権侵害行為に不満を表明していたと主張した。(バグダッド共同)(毎日新聞 2004/05/05)ブッシュ政権の中東政策批判、米元外交官60人が書簡
【ワシントン=永田和男】米国の元外交官60人が4日、ブッシュ政権の中東政策を批判する大統領宛て公開書簡を発表した。大統領が強硬派のシャロン・イスラエル首相を露骨に支持することで米国が「信用と威信、そして友人を失っている」と苦言を呈した。
書簡はブッシュ大統領がヨルダン川西岸入植地存続容認などの方針転換に踏み切ったことについて、「あなた(大統領)は米国が公平な和平のパートナーでないことを証明した」と糾弾している。
書簡に署名したのは主に中東諸国に駐在した元大使ら。昨年イラク戦争開始直前に「抗議の辞任」をしたジョン・キースリング元ギリシャ大使館参事官の名もある。書簡は冒頭で4月末にブレア英首相批判の公開書簡で話題を呼んだ元英外交官52人を称賛し、かれらに刺激された行動であることをうかがわせる。(読売新聞 2004/05/05)イラク人遺族が英で賠償請求訴訟
【ロンドン5日共同】イラク戦争の大規模戦闘終結後に駐留英軍に殺害されたイラク人12人の遺族が5日、「殺害は欧州で保障された生命の権利に反する」として事実関係の司法調査と賠償を求める訴訟をロンドンの高等法院に起こした。
代理人弁護士によると、12人は自宅にいたり、普段通りの農作業を行っていた際に警告なしの攻撃を受けて死亡しており、英軍が免責される状況ではなかった。弁護士は「英軍占領下では英国内と同様、欧州人権規約が適用されるべきだ」と主張している。遺族側は英軍に賠償を求めてきたが、英軍は拒否して少額の見舞金しか支払わないと主張したため、訴訟に踏み切った。英国では、イラク人に対する英軍の虐待場面とされる写真が報じられ、国防省が緊急調査を行っている。(日本経済新聞 2004/05/05)インド人にも「虐待あった」 英字紙報道
【バンコク=田内建一】インドの英字紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は4日、イラク北部モスルの米軍基地の調理場で働いていたインド人が米兵から“虐待”を受けていたと報じた。
同紙は、イラクから脱出して先月28日ムンバイに到着したインド人4人の体験談を掲載。「イスラム教徒なので豚肉を調理できないと告げると、銃床で殴られた」「基地の調理場では奴隷のような扱いを受け、1日2時間しか眠れなかった」「イラク兵が攻めてきた時、盾に使われた」−などの証言を伝えた。
イラクの米軍キャンプでは、同じようなインド人が少なくとも70人は働いていたという。(中日新聞 2004/05/05)ムーア監督の“ブッシュ批判”新作、ディズニーが配給中止
ニューヨーク──ブッシュ政権批判などで知られるマイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」(配給・ミラマックス)をめぐり、ミラマックスの親会社で米娯楽大手ディズニーが同作品の配給中止を決めたことが5日、分かった。
ムーア氏が自身の公式サイトで「ディズニーが作品の配給を取りやめるようミラマックスに働きかけていると、4日に知らされた」と明らかにした。ディズニーの決定については、ニューヨーク・タイムズ紙と業界紙デイリー・バラエティが確認した。
バラエティ紙によると、「Fahrenheit 9/11」は米同時多発テロの背景を探るコメディタッチのドキュメンタリー映画で、国際組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン氏およびビンラディン一族などサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ一族の関係に焦点を当てたもの。同作は今月末のカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品される。
ムーア氏は、ディズニーの決定には、フロリダ州にあるディズニーワールドへの減税措置が関係していると指摘。ブッシュ批判の映画をディズニーが配給すれば、大統領の弟でもあるジェブ・ブッシュ州知事が、減税措置をとりやめかねないと心配しているようだと、ムーア氏は批判する。
しかし、ニューヨーク・タイムズ紙によるとディズニーはこの報道を否定。幹部の1人は同紙に、今年11月の米大統領選を前に、偏った政治的立場の映画を配給することは、片方の陣営に加担することになるとして、「多様な政治的見解を持つ消費者に、偏向した内容の映画を配給することは好ましくない」「このような激しい政治論争に巻き込まれることは、大企業にとって何の利益にもならない」と話した。
ディズニーの広報担当ムシャ氏も声明で、「昨年5月の時点でディズニーはすでにミラマックスとムーア氏の代理人に対し、この作品を配給しない旨を伝えている」とコメント。「ムーア氏の最近の発言とは異なり、別の配給会社を探すか、自分自身で配給する方策を検討する時間は、十分にあったはずだ」としている。
一方、ミラマックス広報は「ディズニーと話し合いを進めている。あらゆる選択肢を検討しており、事態の友好的な解決を期待している」と話した。
ムーア氏は公式サイトで「僕の作品はこれまでも検閲という障害に直面してきたが、いい加減そういう問題なしに作品を公開できるようになったんじゃないかと期待していた」とコメント。「この映画をつぶそうとする企み(これ以外にもいくつかある)については、今後じっくり詳しく語っていく(中略)ともかく、この件に関しては映画製作中ずっと僕を支えてくれたハーヴィー・ワインスタイン(ミラマックス社長)とミラマックスに、心から感謝するばかりだ」としている。
ムーア氏は米国の銃社会を痛烈に批判した前作「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002年)でアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞。ブッシュ政権批判の著作もベストセラーになっている。最近では、ブッシュ大統領がベトナム戦争時に戦場へ行かなくて済むテキサス州空軍に志願した上、その兵役も全うしなかったのではという疑惑をめぐり、大統領を「脱走兵」呼ばわりし、物議を醸していた。(CNN 2004/05/06)ディズニー社の矛盾指摘 ムーア作品拒否で米議員
【ロサンゼルス6日共同】米娯楽大手ウォルト・ディズニーがマイケル・ムーア監督の新作の配給を拒否した問題で、フランク・ローテンバーグ上院議員(民主党)は5日、米国の表現の自由が侵される恐れがあるとして、上院の商業科学運輸委員会に調査を要請する書簡を送った。
ローテンバーグ議員は「ディズニーは史上最も暴力的な映画である『キル・ビル』を配給しながら、ブッシュ大統領に批判的という理由でムーア氏の映画配給は拒否した」と矛盾を指摘した。
議員は、米ABCテレビによるイラクでの戦死米兵追悼番組の放送を一部地方局が拒否した問題も取り上げ、大手メディアがわいせつ、暴力問題に目をつぶる一方、政治的な問題では検閲を行っていると批判した。
タランティーノ監督のキル・ビルは最近2作目が公開されたが、残虐なシーンが多く一部視聴者から批判を浴びている。(共同通信 2004/05/06)映画:ムーア監督の新作、ディズニー側が配給拒否
【ワシントン河野俊史】米国のドキュメンタリー映画監督、マイケル・ムーア氏は5日、米同時多発テロ(01年9月)前後のブッシュ大統領の対応やサウジアラビア王室との関係を批判した新作「ファーレンハイト(華氏)911」の配給がウォルト・ディズニー社から正式に拒否されたと自らのホームページで公表した。ディズニー側は「1年前から方針を伝えており、映画の宣伝のための言い掛かり」と反論している。
ムーア氏によると、新作はディズニー傘下の映画会社ミラマックス・フィルムズから配給される予定だったが、4日になってディズニー側から正式な配給拒否の連絡を受けたという。新作は同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の親族を含むサウジ有力者とブッシュ大統領の親密な関係などを批判するドキュメンタリーで、今月のカンヌ映画祭での公開が決まっている。
5日付ニューヨーク・タイムズ紙はムーア氏の代理人の話として、新作が配給・公開された場合、ブッシュ大統領の実弟のジェブ・ブッシュ・フロリダ州知事を怒らせ、同州内で運営するテーマパークやホテルの税制面での優遇措置に悪影響が及ぶことをディズニー側が懸念していると報じた。ディズニーのアイズナー最高経営責任者は同日、記者団に「ばかげた話」と語り、新作については1年前からディズニーとして関与しないことを傘下会社にも伝えてあると強調した。
ディズニーは93年にミラマックスを買収した際に、特定の事情がある場合にはミラマックスの配給を阻止できる契約を結んでいる。ミラマックス側は「ディズニーとなお協議中」としている。
ムーア監督は高校の銃乱射事件を題材にしたドキュメンタリー作品「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞を受賞。ブッシュ大統領の政策を批判するムーア氏は5日、米テレビに出演し「ディズニーはブッシュ家を恐れている。これでは自由に声を上げることもできなくなる」と怒りを口にした。(毎日新聞 2004/05/06)大酒、自殺…アブグレイブ刑務所勤務の米兵、実態語る
米兵によるイラク人虐待が明るみに出たアブグレイブ刑務所で、3月まで5カ月にわたる任務を終えて帰国した米カリフォルニア州兵らが、地元紙の取材に「長時間勤務からくる不満やストレスが、飲酒や自殺として表れていた」などと語り、士気の低下が著しい軍内部の実態を明らかにした。
5日付オークランド・トリビューン紙によると、州兵らは憲兵隊として1日12時間の交代勤務で働き、休日はなかった。ストレスから大酒を飲んだり、自殺を試みたり、本国の妻に電話をしてはけんかしたりした。うつ状態を解消しようと、ストレス管理部隊が兵士らに抗うつ剤を「大量にばらまいていた」という。
州兵らは収監者が捕虜なのか、テロ容疑者なのか、犯罪者なのかも知らされず、どう扱うかという指導も当初はなかった。ガイドラインを示されたのは何カ月もたってから。「我々も収監されたようなものだ」と、ある州兵は語った。
州兵らの職場は虐待事件が表面化した区画とは別だったが、当時から「虐待のうわさ」が所内に流れていたという。(朝日新聞 2004/05/06)イラク人虐待:米兵が70代女性に馬乗り 英紙報道
【ロンドン山科武司】5日付の英夕刊紙「イブニング・スタンダード」は、米兵によるイラク人虐待が行われていたアブグレイブ刑務所などで、米兵が70歳代のイラク人女性をロバに見立てて馬乗りにしていたと報じた。ブレア首相のイラク人権問題担当特使であるアン・クルーイド議員の話として伝えた。
同紙によると、女性は旧フセイン政権との関連を疑われ、昨年7月から6週間、同刑務所などで拘束された。その間、米兵は女性を「ロバ」と呼び四つんばいにして背中にくらをのせ、その上に乗って歩かせたという。
英国に住む女性の親族が同議員に通報し、議員が米英の関係当局に働きかけた結果、米兵2人が虐待容疑で逮捕されたという。(毎日新聞 2004/05/06)イラク人虐待:犬扱いする女性兵士の写真 米紙掲載
【ワシントン和田浩明】6日付の米ワシントン・ポスト紙は、米兵によるイラク人拘束者虐待事件が発覚したバグダッドの刑務所に勤務していた女性上等兵(21)が、床に横たわる裸の男性の首に付いたひもを持った写真を1面に掲載した。写真は男性が首輪を付けられて米兵に引かれているようにも見える。衝撃的な映像が新たに浮上したことで、イラクや周辺国での反米感情や、米国内でのブッシュ政権への批判がさらに拡大することも予想される。
同紙は他にも、米兵と見られる複数の人物が見守る中、足を縛り付けられて床に横たわった数人の裸の男性▽頭に黒い袋をかぶせられ、鉄格子に手錠でつながれた裸の男性▽寝台に後ろ手に拘束され、女性の下着を頭にかぶせられた裸の男性──などの写真を掲載した。いずれも刑務所で撮影されたと見られる。
同紙によると、イラク国内でデジタルカメラにより撮影された大量の写真がコンパクト・ディスクに保存され、一部米兵の間で出回っている。
女性兵士については、同紙が写真を見せた家族2人が本人だと確認した。親類らは、写真は仕組まれたものだと主張。友人の1人は「彼女は犬の首を引き回すようなことはしない」と語ったという。
女性兵士が勤務していた第372憲兵中隊では、アブグレイブ刑務所でイラク人拘束者を虐待した容疑で隊員6人が告発され軍法会議にかけられる見通し。容疑者らは「軍情報機関に指示されてやった」と主張している。
女性兵士は告発されておらず、ノースカロライナ州のフォート・ブラッグ基地に配置換えになっている。母親によると、女性は虐待事件が発覚した後に電話で「間違った時に間違った場所にいた」と語ったという。(毎日新聞 2004/05/06)「米軍帰れ」と1000人 旧刑務所前で抗議デモ
【バグダッド=共同】イラク駐留米軍によるイラク人虐待問題の舞台となった首都バグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所前で5日、虐待に抗議する大規模なデモが行われ、拘束されている人の家族ら約1000人が米軍への怒りの声を上げた。
デモを呼び掛けたのは、外国人拉致事件で人質解放の仲介を務めたイラク・イスラム聖職者協会。「米国の自由と民主主義はどこにあるんだ」「米軍は帰れ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた参加者らは「のろわれたブッシュ(米大統領)は民主主義と自由の敵」などと連呼してデモ行進。
旧刑務所前に到着すると、同協会のクバイシ師が「(虐待問題は)すべてのイラク人に対するひどい侮辱であり、人々は激怒している。イラクの伝統に従えば報復しなければならない行為だ」と、拡声器で米軍への要求文書を読み上げた。聖職者協会は要求文書で(1)虐待に関与した兵士に対する尋問と厳罰(2)虐待された拘束者への補償と謝罪(3)無実の拘束者の早期釈放−などを訴えた。
今年2月に拘束されたことがある農業イブラヒム・ハッサンさん(57)は「体を検査すると言って裸にされた。神が許す行為ではない」と怒り、米兵に殴られたという手のけがを見せた。ハッサンさんは「米軍は面会を認めなかった。拘束の翌日には家族の面会を認めた旧フセイン体制の方がまだ良かった」と話す。
息子を拘束された女性教師のナジハ・ハリドさん(45)は「ブッシュこそ巨大なテロリストよ」と憤った。(中日新聞 2004/05/06)Poor Judgment Cited in Destruction of 9/11 FAA Tape
(Reuters 2004/05/07)Israeli lessons for the US in Iraq(Aljazeera.Net 2004/05/07) 「軍が容認」と報告書 イラク人虐待で国際赤十字
【ニューヨーク7日共同】7日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米軍などによるイラク人虐待について赤十字国際委員会(ICRC)がまとめた報告書の内容を報じた。報告書は発砲で7人が殺害されたことを挙げた上で、虐待が広範囲に行われ、拷問に近いものもあったと結論付け「虐待は(連合軍によって)認められた行為だった可能性をうかがわせる」と指摘している。
同紙によると、報告書はイラクで昨年3−11月に行われた聞き取り調査などを基に今年2月に作成、ブッシュ政権に送られたとされ、同政権の対応の遅れを一層印象付けた。
報告書は24ページ。「自白させ、情報を入手する」ための常とう手段として、尋問中のイラク人が乱暴な扱いを受けたと指摘。戦時捕虜の取り扱いを定めたジュネーブ条約に「深刻な違反」があったと非難している。
また、連合軍が監視塔などからイラク人に発砲した8件の事例を指摘。7人が殺害され、20人が負傷したとしている。(共同通信 2004/05/07)ハマス実力者の暗殺を計画 イスラエル特務機関
【カイロ6日共同】シリア筋が6日明らかにしたところによると、シリア治安部隊は、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの指導者で、ダマスカスを拠点とするマシャル氏の暗殺を計画したグループを数日前に逮捕した。暗殺を命じたのはイスラエル特務機関モサドだとしている。
同筋は「グループのメンバーはイスラム教徒で、一部はマシャルを殺害するためイエメンから来たと主張した」が、後にモサドの指令だと分かったとしている。グループの規模は不明。
マシャル氏はイスラエル軍に先月殺害されたランティシ氏と並ぶハマスの実力者。イスラエルのエズラ無任所相は同氏も「ランティシと同じ運命になる」と述べている。(共同通信 2004/05/07)「レーザー砲」の実験に成功=ロケットを破壊−米・イスラエル
【エルサレム7日時事】7日のイスラエル放送などによると、同国と米国が共同開発中のミサイルやロケット弾などを迎撃する「レーザー砲」の実験が4日に米ニューメキシコ州で行われ、長距離ロケットの破壊に成功した。
レーザー砲は、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが大量に保有するカチューシャ砲から発射されるロケット弾や、低空で飛来する巡航ミサイルの破壊を念頭に開発が進められている。(時事通信 2004/05/07)帰国した米軍警察要員、イラクでの捕虜虐待常態化を証言
【アンティオク(米カリフォルニア州)6日ロイター】イラクの旧アブグレイブ刑務所で任務に就いていた米軍の軍警察要員3人が、刑務所内では、報道されていないイラク人捕虜の虐待が行われていた、と証言した。
また3人は、そうした虐待行為が常態化していた、と述べている。
そのうちの1人は、「捕虜の虐待は日常化している。殴打は絶えず行われていた。多くの人が鬱積した怒りと攻撃性を抱えていた」と語った。
虐待のもようが写真で公表されて以来、米国によるイラク人捕虜の取り扱いに対して国際的な非難が高まっている。
捕虜虐待に関連して、これまでにイラク駐在の米兵6人が起訴され、6日にはブッシュ米大統領が公式に謝罪した。(ロイター通信 2004/05/07)米兵、イラク少女にも暴行 「裸にして殴打」と英TV
【ロンドン7日共同】英国の民放ITVテレビは7日、駐留米軍によるイラク人虐待が発覚したバグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所内で、イラク人の少女が米兵に裸にされ暴行を受けていたと報じた。
同刑務所で拘束されていたカタールの衛星テレビ、アルジャジーラのカメラマンであるスハイブ・バズ氏の証言として伝えた。
報道によると、同氏の拘束中、別の収容者の妹である12歳の少女が同刑務所に連れてこられ、深夜にバズ氏らの房の前で裸にされ殴打を受けた。少女は兄に助けを求め泣き叫んだという。
同氏はさらに、15歳の少年が虐待された様子を証言。少年は病気にもかかわらず、重い水の入った缶を持たされ、廊下を行ったり来たりするよう米兵に命じられた。立ち止まると棒でたたかれ、「最後には疲れ果てて崩れ落ちた」という。
バズ氏は連合軍と反米武装勢力の衝突を取材中に拘束された。AP通信によると、バズ氏自身も拘束中に睡眠を制限されるなどの虐待を受けた。(共同通信 2004/05/08)「劣化ウラン弾で汚染」 イラク人医師が米批判
血液疾患の治療で名古屋大病院に入院したイラク人男児とともに来日し、同病院で研修中のアサード・アメール・カラフさん(34)らイラク人医師2人が8日、名古屋市内で講演し、イラクの医療について「湾岸戦争前と比べてがん患者が10倍以上になった。注射器などの簡単な医療器具も不足している」などと厳しい現状を訴えた。
約100人の参加者を前に、アサードさんは「劣化ウラン弾でイラクの土地を汚染した」などとイラク戦争で攻撃に使った米国を批判。「若い人が世界の将来を輝かしいものにできる。ベストを尽くしてほしい」と呼び掛けた。
モハメド・ダハム・ハッサンさん(30)は、参加者から今年夏にイラクに帰国した後の活動について質問を受け「研修で得た知識を病院の同僚に伝えたい」と答えた。(共同通信 2004/05/08)M・ムーア監督「ブッシュ批判」新作、英で今夏公開
ロンドン──マイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」をめぐり、配給会社ミラマックスの親会社ディズニーが米国内の配給を拒否し、同監督とディズニーの対立が深まっていた問題で、英国の配給会社「Optimum Releasing」が7日、配給権を買い取り、今夏にも英国で公開することが分かった。同日付のフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。
同社のダニー・パーキンス社長は、「アーティストの表現の自由は尊重されるべき」として、ブッシュ政権批判などで論議を呼んでいるムーア監督を支持すると表明。「また、「『Fahrenheit 9/11』は、我が社の今年のラインアップにおける目玉作品だ」と話した。
「Fahrenheit 9/11」は2001年の米同時多発テロの背景を探るコメディータッチのドキュメンタリー映画で、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏を含むサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ大統領一族の関係に焦点を当てたもの。同作は今月末のカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品する。
米国内での公開をめぐっては、ミラマックスが同作を配給する予定だったが、親会社のディズニーが「多様な政治的見解を持つ消費者に、偏向した内容の映画を配給することは好ましくない」として配給を拒否する決定を出した。
これに対し、ムーア監督は6日、ディズニーの決定には、フロリダ州にあるディズニーワールドの減税優遇措置が関係していると主張。ブッシュ批判の映画を流すことで、大統領の弟でもあるジェブ・ブッシュ州知事が、同措置を取り消しかねないと懸念しているのが原因と批判していた。
一方、ディズニーは、配給拒否は昨年、同監督に通知していたと主張、この時期になってムーア監督が問題を蒸し返したのは、「カンヌを目前に控えて、(メディアなどの)注目を集めたいだけだ」と非難している。ディズニーは配給拒否の理由として、大統領選を控えた年に政治的論議に巻き込まれたくない、とムーア監督に説明していたという。(CNN 2004/05/08)虐待疑惑:米兵、アフガンなどでも 陸軍長官代行証言
【ワシントン和田浩明】米兵によるイラク人収容者虐待事件に関連して、レス・ブラウンリー米陸軍長官代行は7日、米上院軍事委員会で宣誓証言した。長官代行はイラクだけでなくアフガニスタンなど米中東軍の管轄地域で、米兵による民間人に対する不法行為の容疑事件が新たに42件あり、陸軍犯罪捜査局などの捜査対象になっていることを明らかにした。
新たな不法行為の内容や場所は明らかでない。国防総省は既に同地域で02年12月以降、米軍による拘束者の虐待・死亡事件が35件あり、うち2件が「殺人」と認定しており、不法行為の疑いは計77件に上った。(毎日新聞 2004/05/08)イラク人虐待:「情報将校らの指示」 告発された女性兵
【ワシントン中島哲夫】8日付の米紙ワシントン・ポストは、アブグレイブ刑務所のイラク人収容者虐待事件で米軍当局に告発された女性技術兵(26)と電子メールで行ったインタビュー記事を掲載した。情報将校らの指示により、尋問を容易にするため虐待を続けていた実態を明らかにしている。
この技術兵は、裸にして重なり合わせたイラク人らを前に笑いながらポーズをとった写真で知られる。裸の男性の首にひもをつなぎ犬扱いにしている写真の女性上等兵(21)とは別人だが、同じ憲兵隊に所属していた。
ポスト紙への電子メールでは「憲兵の仕事は彼ら(尋問を控えた収容者)を眠らせず、ひどい目にあわせることだった」などと指摘、陸軍の情報将校や米中央情報局(CIA)要員、尋問を請け負った民間企業社員らから指示があったことを明らかにしている。
また、収容者は従順に供述すれば衣服やマットレス、たばこ、温かい食事を与えられるが、非協力的ならこうした「恩恵」は受けられなかったと説明。刑務所には運営の基準が存在せず、捕虜の非人道的処遇を禁じるジュネーブ条約の教育も全く受けなかったと述べている。
ポスト紙によると、この女性技術兵は自らの虐待行為に具体的には言及していないが、告発の対象とされた容疑は(1)収容者が兵士や他の収容者の前で裸にされた姿を写真やビデオで撮影(2)死体を撮影し、自分も一緒に写った(3)折り重なった収容者らの上で跳びはねた(4)箱の上に立たせた収容者の手足や下腹部に電線をつなぎ、箱から落ちれば電流を流すと脅して眠らせないようにした──ことなどという。(毎日新聞 2004/05/08)収容された記者証言「米将校級が指揮」
【カイロ=秦融】米軍によるイラク人虐待事件で、問題が発覚したバグダッド近郊のアブグレイブ刑務所に収容されていたイラク人ジャーナリストが7日、本紙の電話取材に応え、拷問の生々しい様子を証言した。男性の収容者はほぼ全員が裸にされて拷問を受け、米兵らはその様子を競って写真に撮っていたといい「拷問は指揮官が指示した組織的な犯罪だ」と言い切った。
取材に応じたのは中東の衛星テレビ、アルジャジーラのバグダッド支局記者ソハイブ・エルバズさん(24)。
エルバズさんは昨年11月16日、バグダッド北部のイスラム教スンニ派住民が多いサマラ近郊を取材活動中に「反米勢力のスパイ容疑」で拘束され、アブグレイブ刑務所の独房に約2カ月収容された。
尋問では、毎回裸にされ、太い棒で殴打、冷水をかけられる拷問を受けた。尋問にはエジプト系の米国人通訳が立ち会い、多数の米兵が見守る中、「将校クラスの男の指揮下で拷問が行われた」と証言。自分以外の収容者も全員、同様に毎回裸にされて拷問を受けていたという。
見守る米兵らは、こぞって裸の拷問の様子を撮影し、刑務所内のパソコン画面の背景用に取り込んでいた。「米兵らは虐待写真のベストコレクションを競っているようだった」という。ワインを飲みながら拷問をする米兵もいたと指摘。
エルバズさんは尋問室に連行される際、拷問を指揮している将校が女性の収容者の体をさわりキスしている場面も目撃。「汚らわしい行為で吐き気がした」と振り返る。
10代前半とみられる少女が「服を脱がされた」と泣き叫ぶ声も聞いた。老父とその息子が一緒に裸にされ棒で打たれているところも目撃した。
エルバズさんは釈放後、職場に復帰し、取材活動を再開。「これまでに公にされたのは、刑務所内で米兵がやった数々の虐待行為のごく一部にすぎない。人間として許せない行為だった」と憤りをあらわにしている。(中日新聞 2004/05/08)米軍のイラク人虐待「拷問に相当」と赤十字国際委
【ジュネーブ=長谷川由紀】赤十字国際委員会(ICRC)のピエール・クレーンブール事業局長は7日、ジュネーブの本部で記者会見し、イラク駐留米軍による拘束イラク人虐待問題について「一部には拷問に相当する取り扱いもあった」と述べた。
また赤十字は、調査を始めた2003年3月から再三、米軍当局に改善を申し入れていたことを明らかにした。
赤十字は、戦時捕虜の取り扱いなどを定めたジュネーブ条約に基づき、バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所などで、拘束されているイラク人に対す聞き取り調査を実施してきた。
クレーンブール事業局長は「(虐待は)アブグレイブ刑務所だけでなく、一定のパターンで広範に行われている」と述べ、拘束イラク人に対する虐待が組織的であることを示唆した。さらにICRCは調査開始直後から、米軍当局に繰り返し、改善を要求するとともに、2004年2月12日には、虐待の実態などをまとめた報告書を連合国暫定当局(CPA)に提出したという。(読売新聞 2004/05/08)米軍がファルージャでわいせつ写真をばら撒く 「精神的虐待」とイスラム紙
【東京8日=齊藤力二朗】米軍によるイラク人拘留者に対する拷問・虐待写真が問題化しているなか、米軍による新たな精神的虐待が明らかになった。ファルージャの米軍が撤退前に数千枚のわいせつ写真をばらまいたというのだ。イスラム系ネット新聞イスラム・ネットで8日、この事実を報じた現地特派員は「米兵の下劣な人格を雄弁に語るこれらの写真のおぞましさと破廉恥さに、警察官たちは衝撃を受けた」と伝えている。...(日刊ベリタ 2004/05/08)パウエル長官らの忠告を国防総省が無視・米紙報道
【ワシントン8日共同】8日付の米紙ワシントン・ポストは、パウエル米国務長官らが昨年来、米軍によるイラク人の虐待をやめさせるよう国防総省に繰り返し忠告していたにもかかわらず、同省側が無視していたと報じた。
米政府当局者らの話として伝えたところによると、イラクを占領統治する連合国暫定当局(CPA)のブレマー行政官が昨年8月、人権団体からの警告を受けて、米軍に改善を要請。その後、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官らと、米政府のイラク政策を協議するたびに、この問題を取り上げた。
ラムズフェルド長官らは7日の議会証言でも、軍内部で虐待疑惑が発覚したのは今年1月半ばと主張した。(日本経済新聞 2004/05/08)米の石油戦略備蓄積み増し、民主党議員が中止を要求
【ワシントン=吉田透】米民主党の上院議員30人は7日、原油価格の高騰を抑えるために、戦略石油備蓄(SPR)をこれ以上積み増すのを中止するようブッシュ政権に要求した。政権側はSPRが原油の市場価格に及ぼす影響は限られるとして、積み増しを続ける姿勢を崩していない。
エーブラハム米エネルギー長官あてに連名で書簡を送り付けたのは、大統領選の民主党候補になるケリー議員のほか、ダシュル院内総務、クリントン議員ら。書簡は「石油価格がこれだけ高騰している時に、市場から(SPRへ)原油を持ち出してしまうのは非論理的だ」と強調。SPRの積み増しが続けば、米国内のガソリン価格の高騰も続きかねないと警告した。
これに対し米エネルギー省報道官は「(SPRの積み上げを続ける)政権の方針に変わりはない」と強調。民主党からの要求を拒否する姿勢を示した。(日本経済新聞 2004/05/08)虐待は「占領開始当初から」 イラク前人権相が仏紙に
イラク暫定内閣のトゥルキー前人権相は9日付の仏日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュとのインタビューで、「米軍のイラク人虐待は占領開始当初から始まっていた」と語った。昨年11月に米英暫定占領当局(CPA)のブレマー代表に懸念を伝えたが、「(同代表には)軍の尋問方法を変えさせる権限はなかった」と述べた。
トゥルキー氏によると、最初に南部ウムカスル、続いてバグダッド空港の収容施設での虐待が報告され、その後すべての米軍施設に広がったという。暫定内閣の収容施設への訪問は禁じられていたが、「今週も新たな虐待があった情報を得ている」と述べた。
トゥルキー氏は4月8日、米軍による掃討作戦強化に抗議して人権相を辞任した。(朝日新聞 2004/05/09)イラク:英軍が民間人4人殺害 南部・アマラ
AP通信によると、イラク南部のアマラで9日、駐留英軍のヘリコプターが地上を攻撃し、民間人4人を殺害し、住宅を破壊した。住民は英軍の攻撃を非難しているが、英軍当局は、詳細な情報がないとしている。攻撃は英軍が配置についている知事庁舎への、武装勢力によるとみられる迫撃弾による襲撃の直後に発生したという。(毎日新聞 2004/05/09)英軍のイラク人虐待疑惑さらに拡大、英紙相次ぎ報道
【ロンドン=飯塚恵子】イラク駐留英軍による拘束イラク人虐待疑惑は9日、複数の英紙がこれまでの報道とは別の部隊での事例などを報じ、虐待疑惑は一層の広がりを見せている。
9日付の日曜紙サンデー・タイムズは、これまでの報道とは別のイラク駐留部隊で、英兵3人が拘束イラク人に同性愛の性行為を強要する虐待を行っていた、と報じた。現場を撮影したフィルムを昨年5月に現像した英国内の写真店の通報で明らかになった。また、日曜紙オブザーバーは、米軍による虐待の現場となったアブグレイブ刑務所に、英軍の情報関係担当官3人が今年1月から4月まで出向し、拘束イラク人に尋問を行っていたと報道した。
一方、英首相官邸報道官は8日夜、赤十字国際委員会(ICRC)がまとめたイラク人虐待に関する報告書を、英政府も今年2月の時点で受け取っていたことを認めた。
国防省幹部は先週、英軍による虐待に関し、外部組織からの指摘は一切なかった、と議会で証言したが、政府がICRCの報告書を2月に受け取っていたことを首相官邸が認めたことで、ブレア首相も苦しい弁明を強いられることになりそうだ。(読売新聞 2004/05/09)虐待イラク人会見「補償では許されない」
【バグダッド9日共同】イラク駐留米軍に拘束された経験があるイラク人らが9日、バグダッドで記者会見、米兵から受けた虐待の様子を証言し「補償では許される行為ではない」と述べ、米軍に対する怒りをあらわにした。
バグダッドで風船を売っているナジーム・スダニさん(45)によると、昨年8月、所有している風船づくりの機械が「爆発物製造装置」だと疑われ、息子(17)とともに拘束施設に連行された。
米兵に殴られ、目の前で息子が電気ショックで虐待されるのを見せられた。スダニさんは今年1月、釈放されたが、息子は拘束されたままだという。
白い民族衣装に身を包んだスダニさんは「(これは)汚い戦争だ。神が米兵を罰するだろう」と、米軍を非難した。 (日本経済新聞 2004/05/09)イラク人虐待「刑務所は無法地帯」
【ワシントン=沢木範久】8日付の米ワシントン・ポスト紙は、イラク人虐待事件で告発された米憲兵隊に所属する女性のサブリナ・ハーマン技術兵(26)=予備役=のインタビュー記事を掲載した。「情報将校に指示されてやった。刑務所は無法地帯だった」と語った。
ハーマン技術兵によると、虐待現場となったアブグレイブ刑務所には、情報将校や中央情報局(CIA)、民間の尋問専門家によって、覆面をされ、手錠をはめられたイラク人が運ばれてきた。情報将校らの指示で、憲兵隊が虐待した。目的は、自供させやすいよう「眠らせず、地獄を味わわせる」ことだったという。
収容者が尋問に協力的なら厚遇するが、非協力的な場合は衣服やふとんを奪った。睡眠、食事、たばこなど、すべて供述と引き換えに与えた。尋問の規則は全くなく、情報将校が好き放題にしていたと“証言”した。
ハーマン技術兵は、裸のイラク人を重ねて「人間ピラミッド」をつくり、背後で笑っている写真で知られる。自慰をさせてビデオに収めた▽手に電線を巻いて、電気拷問すると脅した▽遺体を写真に収めた−として、暴行などの容疑で告発されている。
同技術兵は昨年2月に招集され、イラク派遣前に3カ月訓練を受けたが、捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約は全く教えられなかったという。現在、バグダッドで米軍の監視下にあり、インタビューは電子メールで行われた。(東京新聞 2004/05/09)劇的な政策転換なければイラク失う ネオコンのクリストル氏警告
【ロサンゼルス9日=戸田邦信】ブッシュ米政権の外交政策を支えるネオコン(新保守主義派)の理論家の1人、ビル・クリストル氏が、「ブッシュ政権が今、劇的な政策変更をしなければ、イラクを失うことになる」と警告した。同氏は、国連主導のイラク暫定政権作りは、現在のイラクの情勢下では、不適切と指摘し、劇的な政策変更の柱として、05年1月に予定される総選挙を繰り上げ、9月にも早期に実施するよう提言した。リベラル左派や伝統的保守派から「ブッシュ政権のイラク政策は失敗、もしくは失敗の瀬戸際にある」と批判されていることに、ネオコンが焦りの色を濃くしている証拠といえそうだ。...(日刊ベリタ 2004/05/09)裸や睡眠妨害認める指針 国防総省が作成と米紙
【ワシントン9日共同】9日付の米紙ワシントン・ポストは、米国防総省が昨年4月、国際テロ組織アルカイダのメンバーらを収容するキューバのグアンタナモ基地での取り調べについて、供述を得るため拘束者を裸にしたり眠らせなかったりする尋問手法の指針をひそかに作成、承認していたと報じた。
イラクでもテロ容疑など「価値が高い」拘束者に対して同様の指針を適用することが認められていたとしている。
こうした指針の存在が明らかになったのは初めて。人権団体は「残酷かつ非人道的」で大半の手法が米国内では違法だと批判している。報道が事実なら、組織ぐるみでこうした尋問を認めていたことになり、ラムズフェルド米国防長官らへの批判がさらに強まりそうだ。
同紙によると、指針には約20の尋問手法が盛り込まれ、国防総省と司法省が最高レベルで承認した。極端な寒さや暑さに拘束者をさらしたり、大きな音で音楽を流すことや照明を当てるなど「感覚的暴行」も指針に示されていた。これらの手法を実際に使用するには上層部の許可を得る必要があり、ラムズフェルド長官の許可が必要なケースもあるという。(共同通信 2004/05/10)イラク収容所での捕虜虐待、特殊事例ではない=NGO
【バグダッド9日ロイター】イラクで活動している非政府組織(NGO)と米国のキリスト教団体は9日、米国管理下のイラクの収容所について、捕虜に対する拷問や虐待、屈辱的な行為などが広範囲に行われており、特殊な事例ではないとの報告を発表した。
イラク人権組織(IHRO)のスポークスマンは、バグダッドで記者会見し、「捕虜への拷問などが特殊なケースではなく、またこうしたことに関与しているのがアブグレイブ収容所や6人米軍憲兵らに限ったことではないと世界に伝えたい」と語った。
この問題ではこれまでに7人が起訴。イラク駐留米軍によると、来週には1人が軍法会議にかけられる。(ロイター通信 2004/05/10)イラク人虐待がはるかに残酷だった証拠入手=イラン革命防衛隊
【テヘラン10日ロイター】イラン革命防衛隊のジャザエリ報道官は10日、駐留米軍によるイラク人虐待でこれまで発覚した行為よりはるかに残酷で、長い期間行なわれてきたことを示す文書を入手したと発表した。
報道官は、イラン学生通信(ISNA)に対し、「ある筋を通して一連の文書を入手した。虐待が長期間行なわれており、これまで明るみに出た疑惑よりはるかに残酷だったことが分かる」と述べ、「複数の米高官、特にラムズフェルド国防長官は虐待事件に遺憾の意を表明したが、虐待行為はいまだに起きている」と指摘した。
報道官は文書を近く公表する意向。(ロイター通信 2004/05/10)軍用犬使い、裸のイラク人収容者虐待 米誌が写真公開
米誌ニューヨーカー(電子版)は9日、イラクのアブグレイブ刑務所内で米兵が軍用犬を使って裸のイラク人収容者を虐待している写真を公開した。同誌によると、写真に付随するデータなどから、昨年12月12日に2台のデジタルカメラを使い、約12分間にわたって撮影されたとみられる。
公開された写真では、軍用犬2頭が収容者にほえている。同じ収容者が床に倒れ、足などを犬にかまれて血を流している写真も同誌は入手したという。
先週号で米軍内部調査報告書をスクープしたハーシュ記者が、同刑務所を担当する米陸軍320憲兵大隊のメンバーから入手したとしている。同記者は9日のCNNに出演し、「まるで(ナチス・ドイツ)第三帝国の光景だ」と批判した。
同誌は、昨年11月に米軍がファルージャ近郊のラマディを捜索した際、軍用犬を民家の中に放ち、数人の民間人にかみ付いた事例があるとも報じている。
ラムズフェルド米国防長官は7日の議会公聴会証言で、メディアに報じられた以外に多数の写真、ビデオが存在すると認めていた。(朝日新聞 2004/05/10)虐待の刑務所、軍の弁護士不在 国防総省が派遣計画却下
米軍による収容者虐待が問題となっているイラクのアブグレイブ刑務所の担当部隊に対して、米陸軍が昨年春、弁護士の資格を持つバイヤー下院議員(共和)を派遣する計画を立てたものの、国防総省の文民高官らが計画を却下したことが明らかになった。この結果、刑務所内には弁護士が1人もいなかったという。AP通信が8日、同議員の証言として報じた。
バイヤー氏は予備役の中佐で、91年の湾岸戦争中には陸軍800憲兵旅団付きの弁護士としてイラク人捕虜の取り扱いなどを担当した。イラク戦争開戦直後の昨年3月、アブグレイブ刑務所を担当することになった同旅団への法的な助言などを目的に陸軍が同氏の現地派遣を立案した。
しかし、ブラウンリー陸軍長官代行(文民)ら国防総省側が「別の方法がある」などと退けた。結果的に同刑務所には取り調べ方法や取り扱いを助言する弁護士が1人もいないままになった。
バイヤー氏はAP通信に「制服組は統合参謀本部レベルまで派遣を承認していた」と述べ、文民側の判断で拒まれたことを強調。そのうえで「刑務所内に弁護士がいれば虐待事件は防げたかもしれない」と指摘した。
ブラウンリー長官代行はバイヤー氏に書簡を送り「(下院議員という)高い立場の人間が行けばその周りの部隊に危険が及ぶ」と却下理由を説明したという。(朝日新聞 2004/05/10)核製造能力:日本は70年代初頭に30個 米政府報告書
日本の核武装への懸念が米政府内で強まった60年代、米政府の軍備管理軍縮局が、日本は70年代初頭に年間で最大30個の核を製造する能力を持ち、70年代半ばまでには核搭載の弾道ミサイルも100基製造できるとの機密報告書をまとめていたことが10日、分かった。
当時のジョンソン政権が「日本は核開発能力を持つ」と判断していたことは知られているが、能力を具体的に分析した文書の存在は分かっていなかった。
文書は65年6月の「日本の核兵器分野における見通し」(45ページ)。当時のフォスター軍備管理軍縮局長が国務、国防長官、大統領補佐官に提出した。ジョンソン大統領図書館が機密指定を解除、沖縄国際大学の吉次公介助教授(国際政治)が入手した。
報告書は日本には非核世論が根強く、核武装に数年内に踏み切ることはないとしながらも(1)71年までに年間10〜30個の核を製造(2)75年までに核搭載の大陸間弾道弾(ICBM)などを最大で100基開発(3)71年までの核実験──が可能と結論づけた。
当時兵器級プルトニウムが製造可能な英国製原子炉が稼働し、国産宇宙ロケットの開発も進んでいたことを根拠としている。核戦力配備の総費用として13億〜25億ドルが必要とし、日本の経済力なら可能としている。
また日本独自の核武装を防ぐため、米軍と自衛隊の「核の共同管理」や日本への核兵器貯蔵を研究する必要性にも触れている。64年12月に佐藤栄作首相がライシャワー駐日大使に「他国が核を持てば(日本も)持つのは常識」と言明したことも明記している。(ワシントン共同)(毎日新聞 2004/05/10)情報機関のイラク刑務所管理、米軍司令官が命令…米誌
【ニューヨーク=河野博子】イラク駐留米軍による被拘束イラク人への虐待問題で、焦点となっているアブグレイブ刑務所について、サンチェス駐留米軍司令官が昨年11月に軍情報機関に施設の管理をゆだねる命令を出していたことが9日、明らかになった。
ニューヨーカー誌が電子版で報じた。これまで、同刑務所の責任者だった米軍准将が米紙に対し、軍情報機関の関与を示唆していたが、司令官の“お墨付き”が出ていたことで、今後、国防総省と軍の責任をめぐり、事態の究明を求める声が高まりそうだ。
ことの発端は、昨年9月、当時、キューバのグアンタナモ基地の拘束施設を統括する立場にあり、現在はイラクの拘束施設全体を統括するジェフリー・ミラー米軍少将が専門家チームを率いて、イラク内の施設を視察し、まとめた「勧告書」。拘束施設の目的は戦争遂行のための尋問と情報収集にあると強調し、施設の管理にあたる憲兵は軍情報機関を支援することに最大の重きを置くべきだ、とした。
サンチェス司令官は勧告を受け入れ、司令部は11月19日、アブグレイブ刑務所について、「205軍情報大隊」に指揮監督をまかせる命令を出した。この結果、軍情報機関員が制服や私服で自由に刑務所に出入りするようになった。
一方、同誌は、昨年12月12日にアブグレイブ刑務所で撮影されたデジタル写真を入手。全裸のイラク人男性に対し、米兵2人がそれぞれ軍用犬をけしかけている写真を公開した。全裸の被拘束者が床に横たわり、右の太ももに犬のかみ跡とみられる傷がついている写真もあるという。
また、米民間団体メンバーによるイラク人弁護士の体験談として、ファルージャ近郊で、手錠をかけられたイラク人被拘束者30人を閉じこめた家の中に軍用犬が放たれ、数人がかまれた、としている。(読売新聞 2004/05/10)虐待、陸軍情報部が方法を伝授…元米軍現場将校
米軍によるイラク人虐待問題で、この虐待・拷問の舞台となったバグダッド郊外アブグレイブ刑務所に配属され、内部告発に接した上官の1人、マイケル・シェリダン元予備役少佐(41)は読売新聞の取材に対し、「虐待が行われたのはアブグレイブだけでない」「若い憲兵らは罪を着せられた」などと述べ、虐待が米陸軍情報部による組織的関与だったとの見方を裏付けた。
現在、民間企業の中堅管理職として職場復帰したシェリダン元予備役少佐は、2月の帰国まで同刑務所の憲兵大隊に配属された。今回、「個人的体験に基づく部分なら話せる」としてインタビューに応じた。
シェリダン氏は、「当時、アブグレイブ、ウンムカスルだけでなく、バグダッド郊外の残り2か所の刑務所、収容所でも虐待があった」と言明。例えば、看守が収監者に向かって排尿するような“軽微”な事件の申し立てを含めて調べ、改善勧告を行った、と述べた。
その上で、同氏は、ある時点から陸軍情報部員が午前2時前後に突然、ヘリコプターでアブグレイブ刑務所を訪れるようになり、「睡眠の剥奪(はくだつ)」「食事の管理」などの「拷問方法」を持ち込んだと聞き、同刑務所の管理責任者、ジャニス・カーピンスキー准将(現在、停職処分)や同氏らが「懸念を深めていた」と説明した。
しかし、「年若い憲兵」は「(軍情報部に)利用されて拷問を行った」。同氏によると、「中東諸国の尋問と拷問の方法に詳しい」情報部員から、アドバイスを受けたと見られる憲兵らは、「この尋問を行うと、わずか1週間で(収監者を)骨抜きにできる」などと喜び、その姿に情報部員は「満足げだった」。
同氏は、憲兵が虐待を写真やビデオに収めていた理由については、「米軍に不利になるだけの物証だが、『おまえも協力しなければ、こういう目に遭わせるぞ』と、収監者に見せて尋問の効率化を図ったのではないか」と推測した。
今回の事件の発端について、同氏は、今年1月13日、軍内の犯罪を調べる犯罪捜査局(CID)兵士が「自室のドアの下のすき間から入れられていた」として、匿名のメモ書きと1枚の写真入りCDを持ってきたと説明。同氏が大隊司令官に通報、司令官が電話でカーピンスキー准将に伝えたという。(ニューヨーク 勝田 誠)(読売新聞 2004/05/10)暗殺のチェチェン大統領、KGBスパイ説が浮上
【モスクワ=古本朗】ロシア南部チェチェン共和国の首都グローズヌイで9日に暗殺された親モスクワ現地政権のアフマト・カディロフ大統領(52)は、実は旧ソ連国家保安委員会(KGB)のスパイだったとする情報が浮上した。
チェチェン・イスラム武装勢力の元メンバーで、現在は「有力政治家」という人物がカタールのネット・メディアに証言し、それを10日、人気ラジオ局「エコー・モスクワ」が伝えた。
同元メンバーによると、カディロフ氏はブレジネフ時代(1964―82年)から秘密警察KGBに雇われ、「アダム」の暗号名で活動した、という。
これまで知られる経歴では、カディロフ氏は、チェチェン生まれでウズベキスタンのイスラム神学校、イスラム大学を経て、90年代にチェチェンのムフティ(宗教指導者)となり、第1次チェチェン戦争(94―96年)では「聖戦」を唱え武装勢力の側で露軍と戦った。現在の第2次戦争ではクレムリン側に付き、2000年にチェチェンの臨時行政府長官に任命され、昨年秋の大統領選で当選した。証言内容は検証不可能だが、元メンバーはカディロフ氏を「偽ムフティ」と酷評している。(読売新聞 2004/05/10)パキスタン、タイに虐待施設 米情報機関
【ニューヨーク=斎田太郎】ニューズウィーク最新号は9日、米軍事情報機関が捕虜虐待を恒常的に行い、違法に尋問するための特別施設がタイなどに存在すると伝えた。
同誌によると米政府や米軍は、国の責任を回避するため、アフガニスタンやイラク、グアンタナモ基地(キューバからの租借地)などに個人としての滞在資格で専門家を送り込み違法な尋問を繰り返しているという。
こうした尋問は米中央情報局(CIA)などによって秘密裏に設けられた「幽霊施設」と呼ばれる建物内で行われ、収容者を殴ったり、極度のストレスを与える方法が取られているという。拘束中のアルカイダ幹部アブ・ズバイダ氏ら高度な情報を保持しているとみられる人物を徹底的に締め上げているとされる。
同誌は情報筋の話として幽霊施設のいくつかがタイやパキスタン北西部に存在しているとしている。
情報収集のために捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約を無視した形で拷問を繰り返していることになり、同誌は違法な尋問手法はすでに一部上院議員に極秘で伝えられていたと報じている。(中日新聞 2004/05/10)イラク人虐待、米は「手続きの一環」と説明=赤十字
【ロンドン10日ロイター】赤十字は昨年10月、イラクのアブグレイブ収容所で、米軍がイラク人捕虜を裸のまま数日にわたって暗闇に放置するのを目撃し、責任者だった軍情報当局者から、この措置が「手続きの一環」との説明を受けていたことが分かった。この日漏洩した報告で明らかになった。
赤十字は24ページの報告で、同盟軍の情報当局はイラク人拘束の9割は誤認によるものと推定している、と指摘。
この報告により、現地の司令官は、捕虜虐待調査の開始数カ月前から、明らかな虐待行為に気付いていたことが裏付けられた。
赤十字は、捕虜に対する虐待行為は「例外的なケースにとどまらず、同盟軍が容認していた行為とみなされる可能性がある」としている。
赤十字は、国際条約に基づき戦闘地域の収容所に立ち入る権利がある。
この報告は2月4日付の機密文書で、初めて米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のウェブサイトで公表された。ジュネーブの赤十字国際委員会(ICRC)は、この報告を本物と確認した。(ロイター通信 2004/05/11)国防長官ら軍首脳の解任要求、米軍専門紙が異例記事
ワシントン──米軍専門紙「アーミー・タイムズ」は10日、イラク内の米軍刑務所内などで発覚した拘束者虐待問題に触れ、米軍の指導力の能力の欠如の反映と指摘、ラムズフェルド国防長官とマイヤーズ統合参謀本部議長の解任を求める異例の記事を掲載した。
同紙は、独立系の新聞だが、軍に関する情報が中心で、米軍では広く読まれている。ロイター通信によると、同紙は、国防長官更迭などを求める記事で、「説明責任を果たすことは、戦時であっても、軍首脳を交代させることを意味する」と強調した。(CNN 2004/05/11)イラク人虐待:米上院、非難決議を全会一致で可決
米上院は10日、米兵によるイラク人虐待事件を非難する決議を全会一致で可決した。下院も先週、同様の決議を可決していた。
上院決議は虐待事件に関し「この卑劣な行為に関与したすべての人々の責任が問われるべきだ」と徹底した調査と関係者の処分を要求している。(毎日新聞 2004/05/11)米、国際機関にアラブ・イスラム世界の虐待を発表するよう圧力
【東京11日=齊藤力二朗】イラクのアブグレイブ刑務所での拷問事件をめぐり、非難の矛先をかわすために、米国は国際人権団体などに、アラブ・イスラム諸国での人権侵害や、拘留者や受刑者者たちへ拷問を非難するよう圧力を加えている、とサウジアラビアの高級紙、アル・ワタンが報じた。9日付の同紙が欧州の高級外交筋の話として伝えたところによると、欧州や国連の米国外交団、米国諜報機関はアムネスティ・インターナショナルや国連人権委員会、欧州人権委員会などにアラブ・イスラム世界の虐待を発表するよう圧力を掛けている。...(日刊ベリタ 2004/05/11)「首ひもは上官の指示」 上等兵が釈明
【デンバー(米コロラド州)11日ロイター=共同】裸のイラク人の首にひもを付けて引くなどの虐待写真が公開されたリンディ・イングランド米陸軍予備役上等兵は11日、コロラド州デンバーのテレビ局KCNCのインタビューで「首ひもを持つように上官に指示された」と釈明した。
上等兵は、上官に写真を撮るためポーズを取るよう命令されたと説明。裸の男性の隣に立っていたときの気持ちを尋ねられると「異様な感じはしていた」と不審に思っていたことを認めたが「自分たちは、言われた通りの仕事をした。結果は上官が望んだものだった」と強調した。
インタビューは、上等兵がいるノースカロライナ州のフォートブラッグ陸軍基地で行われた。(共同通信 2004/05/12)イラクの子ども虐待に憂慮 ユニセフが声明
【ニューヨーク11日共同】国連児童基金(ユニセフ)の報道官は11日、イラクの収容施設などで拘束されている子どもたちが米兵らから虐待を受けている恐れがあるとの一部報道を深く憂慮する声明を発表した。
報道官は、報道の信ぴょう性は確認されていないとしながらも、特に米政府に対し「子どもたちを保護し、兵士らが国際法を順守するよう注意喚起し、訓練することを保証する義務がある」と強く求めた。
声明は「子どもたちに対するいかなる拷問や性的虐待も国際法に違反する行為で、拘束や収監は最短かつ適切な期間においてのみ行われなければならない」と指摘した。(共同通信 2004/05/12)ヒズボラ、米民間人の斬首を反イスラム的と批判
【ベイルート12日ロイター】レバノンに拠点をおくイスラム原理主義組織ヒズボラは、イラク人武装勢力が米国人を斬首したことについて、イスラムの教えを冒とくする卑劣な犯罪、と非難した。
ヒズボラは声明を発表し、「慈悲と共感と人道主義に基づくイスラム教との関連を主張しているグループが犯したこの忌まわしい行為を、イスラムおよびイスラム教徒に極めて重大な打撃を与えたものとして、非難する」と述べた。(ロイター通信 2004/05/12)イラク人虐待の日常化、上官も黙認=2兵士が証言−英大衆紙
【ロンドン12日時事】12日付の英大衆紙デーリー・ミラーは、兵士によるイラク人拘束者への虐待は日常的に行われており、上官はこうした行為を黙認していたなどとする英軍2兵士の証言を伝えた。(時事通信 2004/05/12)イラクの収容者「ゴキブリ以下扱い」 伊の死亡兵妻証言
イラク南部ナーシリヤのイタリア警察軍駐屯地で昨年11月に起きた自爆攻撃事件で死亡した同軍兵士の妻が11日、「夫が亡くなる前にイラクの刑務所を訪れた際、収容者の扱いにショックを受け、本国にも状況が伝達されたと話していた」とニュース番組で証言した。虐待に関して伊政府はこれまで「知らなかった」としてきたが、野党は強く追及する構えだ。
証言したのは、死亡したマッシミリアノ・ブルーノさんの妻ピナさん。11日深夜(日本時間12日午前)、国営イタリア放送協会の番組で放映された。目撃した刑務所の場所や、虐待していた兵士の国籍などには言及しなかった。
ピナさんによると、ブルーノさんは死亡前、刑務所へ収容者を引き取りに行った際、「最もおぞましいものを見た。収容者は裸で、ゴキブリ以下の扱いを受けていた。第1次世界大戦でもこれほどの虐待はない」と話したという。駐屯地内の電話で話したとみられる。
ピナさんは「目撃した同僚兵士らはみなショックを受け、次々に伝達されてイタリアまで報告されたと夫は説明していた。(政府が)何も知らなかったというのはあり得ない」とも話した。
放送前に証言内容が伝わると、伊国防省は「人道に反する収容者の扱いについて情報を受けたことはない」との声明を発表。野党が指摘してきた「虐待の事実を把握しながら何もしなかった」との疑惑を改めて否定した。野党側は「まだしらを切るつもりか」と、議会で追及する構えだ。
イタリアはナーシリヤを中心に、約2600人の兵士を派遣している。(朝日新聞 2004/05/12)「米軍が一方的にシーア派攻撃着手」 スペイン軍幹部
イラク占領軍に対するシーア派強硬派の攻撃が拡大するきっかけとなった4月4日の中部ナジャフでの衝突について、当時ナジャフを管轄していたスペイン駐留軍幹部が「米軍が何の協議もなく逮捕や攻撃を始め、状況を悪化させた」とする報告書を政府に出していたことが明らかになった。ボノ国防相も報告書の内容を認め「早期撤退を決断する要因になった」と述べた。11日、スペインの主要メディアが報じた。
報告書をまとめたのはアラヤ副司令官。エルパイス紙が報じた報告書の内容によると、ナジャフのシーア派とスペイン軍の関係は比較的良好だったが、4月1日に米軍が同派指導者サドル師への攻撃を命令、3日には同師側近を一時拘束したため、大規模な騒乱になったという。
報告書は「事前に協議があれば逮捕に反対した」「米軍に警告したが、命令はワシントンから来たと米軍の司令官は回答した」と説明。「スペイン軍は理解も同意もできない紛争の目撃者となるしかすべがなかった」と結論している。
この時の衝突でイラク人20人以上とスペイン軍指揮下にいたエルサルバドル兵1人が死亡。以後シーア派による抵抗が拡大した。スペイン軍は現在ナジャフを撤退している。(朝日新聞 2004/05/12)「軍情報部門が関与の証拠」 虐待内部調査の軍少将証言
米上院軍事委員会は11日、イラク人虐待事件で米軍の内部調査報告書を作成したタグバ陸軍少将らを呼び、公聴会を開いた。少将は「調査の過程で軍情報部門が虐待に関与しているとの証拠を集めた」と述べ、同部門に対する別の調査が必要と勧告したことを明らかにした。現地で軍と活動している米中央情報局(CIA)などが関与した可能性を示唆したものだ。
少将はすでに行った内部調査について「焦点は情報収集や尋問方法ではなく、刑務所の運営方法に限定されていた。調査チームに軍情報部門の当局者や尋問の専門家はいなかった」と述べ、情報機関の関与については調査が及ばなかったことを明らかにした。
アブグレイブ刑務所での虐待事件の原因としては「規律や訓練の欠如、著しい監督怠慢」を挙げ、憲兵旅団の司令官について「統率力が欠如していた」と結論づけ、管理責任者だったカーピンスキー准将(停職処分)の対応を批判した。
一方、ケンボーン国防次官(情報担当)は「米政府はイラクでの収容者にジュネーブ条約を適用することを明確にしてきた。米兵らは、そのことを当然知っていた」と説明。一部の兵士による「例外的な犯行」との米政府の立場を主張した。
虐待をめぐる同委員会の公聴会は先週のラムズフェルド国防長官らの証言に続き2回目。タグバ少将は1月中旬に内部告発があったことを受け、駐留米軍のサンチェス司令官の指示で調査を開始。3月に報告書を作成し、昨年10〜12月に「収容者に対する組織的かつ違法な虐待があった」と指摘していた。(朝日新聞 2004/05/12)「米軍、アフガンでも虐待」 被害者が証言・米紙
【ニューヨーク=共同】米紙ニューヨーク・タイムズは12日、アフガニスタンでもイラクと同様に米軍拘束下での虐待があったとする被害者の証言を伝えた。カブールの米国大使館は同日、訴えに基づいて米軍が既に調査を開始したことを明らかにした。
証言したのはアフガニスタンの元警察大佐サイド・ナビ・シディキさん(47)。昨年夏にカブール郊外バグラム空軍基地の収容所などで計約40日間拘束され、殴るけるの暴行などを受け、裸で写真も撮られた。
シディキさんは警察の腐敗を告発後に逮捕され、収容所に入れられた。タリバンのメンバーと密告されたという。同紙によると、アフガニスタン政府が設立した独立人権委員会は、イラクでの虐待問題が表面化する以前を含め、米軍による虐待の訴えを44件受けている。(日本経済新聞 2004/05/12)「英軍 8歳少女ら射殺」 アムネスティ報告
【ロンドン=沢田敬介】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは11日、8歳の少女ハナンちゃんが射殺された事件など、昨年5月1日以降、イラクで少なくとも37人の民間人が英軍に殺害されたと告発する最新の報告書を発表した。旧フセイン政権が抑圧した人権の確保を開戦理由の1つに掲げたブレア政権にとり大きな打撃になりそうだ。
報告書は、今年2月から3月にかけて英軍が管理下に置くイラク南部バスラやアマラで実施した目撃者からの聞き取り調査の結果をまとめた。
それによると、少女射殺は、英兵が約60メートルの距離から狙いを定めて銃を発射した。しかし英軍は警告射撃の流れ弾が当たった「事故」と主張しているという。
報告書はまた、自宅で家族の結婚を祝っていて玄関の外に出たところを撃たれた男性(22)の事例などを紹介。いずれも英軍にとって何の脅威でもない民間人であるのに加え「多数」が未調査のままになっていると英政府を批判している。
英国では先週、イラク人12遺族が、英軍に家族を非合法に殺されたと提訴。英高等法院は11日、審理公開を拒否した英国防省に対する遺族の異議申し立てを認めた。(東京新聞 2004/05/12)自爆者は狂人、狂信者、貧困者でない=英科学誌
【パリ12日】イスラエル、イラク、チェチェン、スリランカなどで多くの人を死傷させている自爆テロリストはしばしば伝えられるような狂人、狂信者、貧しい社会的不適合者ではないと指摘した報告書が15日発行の英科学誌ニュー・サイエンティストに掲載された。
報告書は自爆者たちの心理的側面、生い立ちを専門家たちが調べてまとめた。その結果、彼らは宗教的熱情のある人たちではなく、教育程度も高いことが分かった。大半の自爆者は裕福な家庭に生まれ、自分の進路について合理的な決断を下す人たちだという。報告書は、狂信者など特殊な人たちだけが自爆テロリストになるとの従来の観念は誤りであり、状況さえ整えば、誰でも自爆テロリストになる可能性があると述べている。
米プリンストン大学のエコノミスト、クロード・ベレビ氏が1980年代から2003年までのハマスなどパレスチナの過激派組織の自爆者たちを調べたところでは、パレスチナの貧困家庭は全体の32%だが、自爆者のうち貧しい家庭で育った者の比率は13%にとどまっている。また、高等教育を受けたパレスチナ住民は15%どまりだが、自爆者の場合は半分以上に達している。80−90年代にレバノンでの戦闘で死亡した過激組織ヒズボラのメンバーの場合も同様だという。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/05/13)ミラマックス、ムーア新作の配給権獲得で合意発表
ロサンゼルス──マイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」をめぐり、配給会社ミラマックスの親会社ディズニーが米国内の配給を拒否したため、同監督とディズニーの対立が深まっていた問題で、ミラマックスは12日、同作品の配給権を買い取ることでディズニーと合意した、と発表した。
ミラマックスの広報担当、マシュー・ヒルツィック氏は「配給権を売却することに合意してくれたのは喜ばしいこと」と語った。これでミラマックスは、第三者に権利を売却することが可能になった。
一方、ディズニーの広報担当によると、売却についてはまだ交渉中で、合意に達していないと述べている。
「Fahrenheit 9/11」は2001年の米同時多発テロの背景を探るドキュメンタリー映画で、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏を含むサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ大統領一族の関係に焦点を当てたもの。同作品は、12日から始まったカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品されている。
ディズニーは「政治的に偏向した映画を配給するのは好ましくない」として同作品の配給を拒否したが、この問題が米メディアで大きく報じられた今月初旬、配給拒否の方針は同監督に昨年通知していたとの反論を展開。「カンヌ映画祭を控え、(メディアなどの)注目を集めたいだけだ」としてムーア監督を非難していた。(CNN 2004/05/13)イラク人の死「それがどうした」 女性米兵のビデオ日記
「イラク人が2人死んだ。でも、それがどうしたっていうの……」
米CBSテレビは12日、イラクの刑務所に勤務した米軍の女性兵士が撮った「ビデオ日記」の一部を報じた。収容者たちを人間と見なしていないような暴言が目立つ一方で、「ここはもうたくさん。家に帰りたい。もう一度、市民に戻りたい」と嘆く姿もある。
ビデオ日記は、イラク南部のブッカ刑務所やアブグレイブ刑務所で撮影されたという。20歳という女性兵士は、顔にモザイクをかけて放映され、レンズに向かって「彼ら(イラク人たち)は1週間に3度、暴動を起こしているけれど、私の当番時には決してしない。私を怖がっているからよ」と自慢。「このあいだは彼らに石を投げつけて問題になった」とも告白している。
また、「きょう私たちは収容者2人を撃った。1人は棒を振り回したから胸を、もう1人は腕だった。胸を撃った収容者が死んだかどうかは知らない」。さらに刑務所の周辺にいる毒蛇にレンズを向け、「これにかまれたら6時間で死ぬ。すでにイラク人が2人死んだ。でも、それがどうしたっていうの。たった2人じゃない」と淡々と語っている。(朝日新聞 2004/05/13)イラク虐待「想像絶する」写真、米議会に公表
【ワシントン=伊藤俊行】米兵らによるイラク人虐待問題で、米国防総省は12日、虐待の様子を撮影した新たな写真やビデオ計約1600点を上下両院議員に開示した。
イラク人男性が同性愛や自慰行為を強制されているシーンや、イラク人女性が胸をはだけさせられたシーン、さらに遺体の前でポーズを取る米兵や、米兵同士の性行為などが撮影されていたとされ、議員たちは一斉に「想像を絶する忌まわしい行為」などと非難した。
議員への開示は、議会内に部屋を設けた上、関係者以外立ち入り禁止にして行われた。上院軍事委員会のジョン・ウォーナー委員長(共和党)は、写真やビデオの内容が米兵に対する憎しみをさらにあおる恐れがあることから、一般公開すべきではないとの見解を表明した。
写真とビデオについて、ビル・ネルソン上院議員(民主党)は記者団に対し、「気持ちが悪くなるような内容で、がく然とした。ビデオから非人間的な(収容者に対する)扱いがわかった」として、これまでにメディアで報じられているもの以上にひどいものだったとの感想を語った。また、これまで報じられた写真に登場した人物の数よりも多くの兵士や関係者の姿が映っていたとも語った。
リチャード・ダービン上院議員(民主党)は、「地獄図だった。上の方の了承なしに、こんなことが起きたとは、信じられない」とコメントした。
一方、ラムズフェルド国防長官は同日の上院歳出委員会小委員会で証言し、虐待の組織性について、「6件の捜査が進んでいるが、より多くの事実が明らかになることは間違いない。虐待問題がどの程度広がっていたのかはわからないが、組織的なものだったと明らかになったわけでもない」と述べ、捜査結果を見守る考えを改めて強調した。(読売新聞 2004/05/13)米CIA、アルカイダ幹部に水責め尋問・米紙
【ワシントン=森安健】米兵によるイラク人捕虜に対する残虐な行為が注目を集めるなか、米中央情報局(CIA)による強引な尋問手法が新たな火種として浮上してきた。米紙ニューヨーク・タイムズは13日、CIAが国際テロ組織アルカイダの幹部を尋問する際に、水中で溺(おぼ)れる寸前まで押さえつけたなどと報道。非人道的な対処を巡り、CIA内でも問題視されていると伝えた。
同紙によると、CIAはアルカイダのナンバースリー、ハリド・シェイク・モハメド被告に対して「水中尋問」を実施。同氏を縛って身動きが取れなくしたうえで、水の中に押さえつけ、溺(でき)死させるかのような錯覚を覚えさせた。これとは別に、尋問中に拘留者を銃で脅したとして1人のCIA職員も処罰を受けているという。いずれのケースもイラク以外の場所で発生したもようだ。(日本経済新聞 2004/05/13)「グアンタナモ」の元所長、虐待を“指南”
【ワシントン=大島宇一郎】国際テロ組織アルカイダ容疑者らを拘束しているキューバのグアンタナモ米海軍基地で収容所長を務めていたミラー少将が、イラクのアブグレイブ刑務所に「グアンタナモ流」の厳しい取り調べ方法を持ち込んでいたと、12日付の米紙ワシントン・ポストが報じた。
同刑務所を監督していた第800憲兵旅団司令官のカービンスキー准将の事情聴取から明らかになったという。准将の供述が事実なら、虐待は軍上層部主導でテロ容疑者収容所全体に広がったことになる。
同紙によると、国防総省はイラク人捕虜から得られる敵情報が乏しいことに不満を抱いていた。昨年9月、ミラー少将をアブグレイブ刑務所に派遣。この時にアブグレイブの監督権限を軍情報部に移管することを通告した。ミラー少将は、カービンスキー准将に「アブグレイブを『グアンタナモ化』したい」と述べたという。
カービンスキー准将は、取調官が収容者の生命にかかわるほどの暴力を振るうことに懸念を表明。しかし、ミラー少将は「イラク司令官からは、情報収集の尋問のために、どの収容所を使っても良いと許可を得た」と押し切ったという。
ただ、ミラー少将は「グアンタナモ化」との発言はしていないと主張しているという。(中日新聞 2004/05/13)情報機関加担の証拠写真 米TV報道、将校4人か
【ワシントン13日共同】米NBCテレビは13日、イラク人虐待事件の舞台となった旧アブグレイブ刑務所内で、米軍情報機関の将校計4人がイラク人拘束者の虐待に加担したことを裏付けるとみられる未公開の「証拠写真」を特ダネとして報じた。
虐待事件の捜査で米軍の「組織的関与」の有無が焦点として浮上する中で、今回の証拠写真によって情報機関の関与が裏付けられれば、米軍の組織ぐるみの犯罪だった疑いが一段と濃厚となる。
NBCは、事件で訴追された米軍憲兵隊のチャールズ・グレイナー技術兵の弁護士から証拠写真を入手。NBCによると、同技術兵を含む米軍関係者がイラク人を尋問する様子を撮影した写真では、数人のイラク人が全裸で重なるように床に寝かせられ「虐待」を受けている。
同技術兵は、写真に写っている米軍関係者のうち4人は情報機関の将校だったと証言しているという。(共同通信 2004/05/14)イラク人同士殴らせ、嘲笑=虐待の様子を米兵告白−米紙
イラクのアブグレイブ刑務所での収容者虐待の罪に問われているジェレミー・シビッツ技術兵は米軍の調査官に対し、同技術兵を含む米兵看守らが、裸にしたイラク人収容者を殴打してあざけり笑ったり、イラク人同士を殴らせたりしたなどと虐待の様子を告白した。米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)が尋問調書を入手し、13日報じた。
シビッツ技術兵は来週、今回の虐待問題で初めて開かれる軍法会議に掛けられる。関係筋によると、同技術兵は虐待の事実を認める見通し。(時事通信 2004/05/14)米軍によるアフガン捕虜虐待は組織的=人権団体
【カブール13日ロイター】国際的な人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは13日、米軍はアフガニスタンの収容所で組織的な捕虜虐待を行っていた、との見解を示した。カブールの駐留米軍は前日、複数の収容所で起きたとされる暴行や性的虐待について、新たな調査に入った。
同団体は、2002年12月にカブール北方のバグラム空軍基地で死亡した2人のアフガン人捕虜の死因についても、情報の提供を求めるとともに、収容所立ち入りの制限を緩和するよう呼びかけた。収容所には、アルカイダなどイスラム過激派容疑者が数百人が拘束されている。
米軍の犯罪調査当局の報道官は米国から電話で、アフガン人捕虜の死因について「調査は継続中で完了間近。調査結果は完了後、然るべき上層部に提出して処置を仰ぐ」と語った。(ロイター通信 2004/05/14)イスラエル軍がガザ難民キャンプを攻撃、計12人死亡
【ガザ13日ロイター】イスラエル軍は13日、ガザ地区のパレスチナ自治区ラファにある難民キャンプを武装ヘリで何度かミサイル攻撃、パレスチナ人12人が死亡した。
11、12日に起きたパレスチナ武装勢力によるイスラエル軍車両爆破などでイスラエル軍兵士11人が死亡したが、これに対する報復とみられている。
目撃者によると、難民キャンプに対するイスラエル軍の攻撃で、計12人が死亡したが、4人が民兵で残りは難民という。(ロイター通信 2004/05/14)米軍賠償金不払い:国内3爆音訴訟の賠償金を負担せず
極東最大の米軍基地、嘉手納飛行場(沖縄県)の飛行差し止めなどを求めた「嘉手納爆音訴訟」など、原告側の勝訴が確定した国内3つの騒音・爆音訴訟で、米政府が日米地位協定に基づく賠償金の負担分、計約19億円の支払いを拒否していることが14日分かった。日本が肩代わりしており、国民にツケが回されている実態が浮き彫りになった。
照屋寛徳衆院議員(社民党)の質問主意書に、政府が一部について書面で答えた。答弁書や外務省日米地位協定室によると、米側が負担を拒否しているのは、嘉手納爆音訴訟判決(98年5月、賠償額約15億4000万円)のほか、第1〜3次横田基地騒音差し止め等請求訴訟(93年2月〜94年3月、同計約8億8000万円)と第1次厚木基地爆音訴訟(95年12月、同約1億円)判決。いずれも国が原告側に賠償金を支払った。
地位協定は、米軍が損害を与えた民間人への賠償について、米側にのみ責任がある場合、賠償額の75%を米国、25%を日本が負担すると規定。本来は総額約25億2000万円中、約18億9000万円は米国負担となる。外務省は「規定に基づき米側に75%の負担を請求している。協議中だが、まだ妥結していない」と話す。拒否理由などについては「合衆国政府との信頼関係が損なわれる恐れがあり話せない」という。
照屋議員は「米国は未納大国だ。地位協定の明文すら守らせることができない外務省の弱腰の対米交渉が原因。不平等な地位協定を早期に抜本的に見直すべきだ」と話している。【松藤幸之輔】(毎日新聞 2004/05/14)世銀途上国融資、最大1300億ドル無駄遣い? 米で指摘
米上院外交委員会のルーガー委員長(共和党)は13日の同委公聴会で、世界銀行がこれまでに実施してきた融資のうち最大1300億ドル(約14兆7000億円)が途上国政府の汚職など不正な目的に関与し、無駄遣いとなった可能性があると指摘、「貧困や病気に苦しむ多くの人の命が犠牲になった」と厳しく批判した。
世銀以外の国際金融機関への監視も強めていく姿勢を強調。日本と米国が最大の出資国となっているアジア開発銀行(ADB)なども監視対象として名指しした。
ルーガー委員長は公聴会の冒頭の演説で「専門家の推定」と断ったうえで、世銀が1946年の創設以来実施してきた総額5250億ドルの融資のうち「260億―1300億ドルの資金が不適切に運用された」と指摘した。
具体的には、途上国への融資プロジェクトを決める過程で資金の一部が途上国政府高官のわいろに使われたり、独裁政権に融資して人権抑圧を助長したりした恐れがあるとした。(ワシントン=吉田透)(日本経済新聞 2004/05/14)パレスチナ少年虐待も 国際NGOが保護訴え
【エルサレム15日共同】イラク人虐待事件で米英両国が国際社会の非難を浴びる中、国際的な非政府組織(NGO)がイスラエル兵らによるパレスチナ人少年への虐待が恒常化していると指摘、「パレスチナの虐待問題にも目を向けて」と訴えている。
「ディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナル」(DCI、本部スイス)によると、イスラエル、パレスチナ双方の衝突が激化した2000年秋以降、イスラエルが拘束した18歳以下のパレスチナ人少年は2500人を超える。
約9割はイスラエル軍兵士や軍車両に対する投石行為が理由だ。
イスラエル最高裁は1999年、取り調べでの拷問を非合法化したが、DCIは体を強く殴打するなどの取り調べが続いていると主張。便器に顔を突っ込まれたり、両足、両手を鎖でつながれ一晩寝かされたりしたほか、性的虐待を受けたケースを報告している。(共同通信 2004/05/15)「奇形の子供は3倍に」 イラクの医師が窮状訴え
イラク南部の都市バスラから来日し、広島大病院で半年間の研修を受けている小児科医フサーム・マフムード・サリッヒさん(34)が16日、広島県三次市で講演し、湾岸戦争の前後で奇形を持って生まれた子供が3倍に増えたなどと訴えた。
フサームさんは、両手足がなかったり脳が飛び出したりした状態で生まれた子供の写真を示しながら、1990年以降の数字を使い奇形や小児がんが増えていると説明。「湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾が原因だ」と話した。
また、「結局見つからなかった大量破壊兵器を理由に国際法を破った」などと米国を批判。イラク戦争の目的について「石油の確保とイスラエル支援だ」と指摘した。
質疑応答で自衛隊のイラク派遣について問われ、「どこの国であれ、軍服はもう見たくない。必要なのは非政府組織(NGO)による支援だ」と述べた。
講演会は三次市内の市民団体が主催。約50人が耳を傾けた。(共同通信 2004/05/16)「イラク人虐待で法王の許し請え」=ベネズエラ大統領が米大統領非難
【サンパウロ15日時事】南米ベネズエラからの報道によると、同国のチャベス大統領は14日、ブッシュ米大統領は米兵によるイラク人虐待について、ローマ法王に許しを請うべきだと語った。ブッシュ大統領は6月4日にイタリアを訪れる際、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世と会談する。
チャベス大統領は、法王庁内部でも虐待問題に対する批判が高まっているとした上で、「彼がカトリック教徒でないにせよ、バチカンで神の許しを請うべきだ」と指摘。「法王の前にひざまずき、イラク人だけでなく世界中の人々に謝罪しなければならない」と非難した。(時事通信 2004/05/16)米科学者団体、「ミサイル防衛に効果なし」
米国の民間団体「憂慮する科学者同盟」(UCS)は13日、今秋にも米国内に配備されるミサイル防衛システムについて、「実戦では機能しない」という報告書をまとめた。米会計検査院も先月、懐疑的な報告書を発表しており、配備を急ぐブッシュ政権への風当たりが強まっている。
UCSの科学者やマサチューセッツ工科大の専門家が、国防総省関係者らの議会証言や公表資料を詳細に分析。大気圏外を飛来中のミサイルを迎撃する「地上配備ミッドコース防衛」(GMD)の有効性を検証した。
報告書は、レーダーやセンサーの性能に問題があることや、迎撃実験の条件設定が実践的でなかったことを指摘。「北朝鮮がハワイを長距離弾道ミサイルで攻撃した場合、迎撃ミサイルで破壊することはできないだろう」と批判した。
国防総省は9月末までに、GMD用の地上配備型ミサイル計10基をアラスカ州とカリフォルニア州に配備。太平洋越しに飛来する弾道ミサイルを追跡するレーダーと連結する。05年末までに計20基に増やす予定だ。
UCSは「いったん配備を凍結して、より実践的な迎撃実験をするべきだ」としている。(朝日新聞 2004/05/16)収容者への威圧、「国防長官が承認」 米誌報道
米誌ニューヨーカー(電子版)は15日、ラムズフェルド米国防長官が昨年、反米武装勢力からの情報収集などを目的に、イラク人収容者に対し身体的な威圧や性的な屈辱を与えることを認める極秘作戦を承認していたと報じた。アブグレイブ刑務所で起きた虐待事件は、この極秘作戦の一環として実施されたものだとしている。
事実だとすれば、国防総省トップの承認の下で虐待が組織的に実施されていたことになる。「イラクでの取り調べにはジュネーブ条約を明確に適用してきた」とする同長官の議会証言とも矛盾する。国防総省は同日、「記事の主張は奇異で陰謀めいており、誤りと匿名の連続で埋められている」と反論する異例のコメントを発表した。
同誌によると、極秘作戦は「銅の緑青」などの暗号名で呼ばれ、アフガニスタンでの対テロ戦争で実施。国際テロ組織アルカイダの重要人物を逃さないため殺害や尋問などを事前に承認するもので、性的な屈辱や身体的苦痛を伴う過酷な尋問方法も認めている。
昨年8月以降、反米武装勢力の攻撃が拡大したことを受け、ラムズフェルド長官の承認の下にケンボーン国防次官(情報担当)がイラク国内の刑務所の責任者ミラー少将にイラクでの適用を指示したという。長官が詳細な実態まで把握していたかは明確にしていない。
性的な屈辱を与え、写真を撮影した背景には、性に開放的でないアラブ人らの「弱み」につけこみ、写真が家族らに公開されることを恐れさせて、米軍側のスパイとして協力させようとしたとの見方を示している。
ミラー少将は、アルカイダメンバーらを収容しているキューバのグアンタナモ米軍基地から転任し、ジュネーブ条約の適用外としている同基地での取り調べ方法をイラクの刑務所でも適用しようとしたとの疑惑が米議会の公聴会で指摘されていた。(朝日新聞 2004/05/16)ref. THE GRAY ZONE(New Yorker 2004/05/15) イラク:殺害ビデオの米国人葬儀 父が米大統領ら批判
【ワシントン和田浩明】イラクの反米武装勢力とみられる男たちに殺害される様子のビデオがインターネットに流された米国人、ニック・バーグさん(26)の葬儀が14日、出身地のペンシルベニア州フィラデルフィア近郊で行われ、家族や友人らが故人をしのんだ。
父親のマイケルさんは13日、「息子の死はブッシュ大統領とラムズフェルド国防長官の罪によるものだ」と政権幹部を名指しで批判、見解を聞かれたマクレラン大統領報道官は14日、同行記者団に「家族にとっては困難な時期」とだけ述べ、直接の反論などは避けた。
バーグさんは殺害される前、4月初旬まで約2週間にわたりイラク警察当局に拘束された。家族は「この間に治安が悪化し出国できなくなった」と主張、米政府も拘束に関与したとして非難している。政府側は関与を否定している。
米メディアの報道によると、バーグさんの殺害犯らが「米政府に人質交換を要求したが、断られた」とビデオで述べている点について、マイケルさんは「もし事実なら、事情を説明してほしい」と記者らに語っている。(毎日新聞 2004/05/16)米軍グアンタナモ基地でも「虐待ビデオ」…英紙報道
【ロンドン=土生修一】16日付の英紙オブザーバーは、キューバにあるグアンタナモ米軍基地で米兵が収容者を虐待している場面を撮影したビデオが同基地に保管されていると報じた。
テロ関与の疑いで同基地に身柄拘束され今年3月に釈放された英国人男性(26)が同紙に語った。
同紙によると、この男性は、懲罰担当の兵士たちから刺激性のガスを顔にかけられたほか、指で目を突かれたり、便器に頭を押し込まれ水を流されるなどの虐待を繰り返し受けた。男性は、「虐待の一部始終はビデオカメラで撮影されていた」と語っており、同基地スポークスマンも同紙の問い合わせに、「懲罰の模様を撮影したビデオは保管されている」と回答し、ビデオの存在を認めたという。(読売新聞 2004/05/16)別の刑務所でも虐待死か 独誌報道
【ベルリン=熊倉逸男】ドイツの有力週刊誌「シュピーゲル」(電子版)は、米軍に捕らえられたイラク人男性(47)が暴行などの虐待を受けた結果、死亡した疑いがあると報じた。
同誌系列のテレビ番組の現地取材によると、イラク人男性は反米活動の疑いで米兵に拘束された。バグダッド近郊にあるアブグレイブ刑務所とは別の米軍基地内の刑務所に収容され今年1月、死亡。米軍は国際赤十字に「睡眠中の死亡」と報告した。
これに対し収容者仲間は、男性が5日間にわたって米兵による虐待を受け、その様子を撮影されたと証言。遺体を見たイラク人医師によると、全身に殴られたとみられる内出血のほか背中に傷があった。同誌は証拠として傷あとが残る遺体の写真をホームページに掲載した。同誌の指摘に対し米軍からのコメントはないという。(中日新聞 2004/05/16)安保理演説の誤り認める 生物兵器施設で米長官
【ワシントン16日共同】パウエル米国務長官は16日、米NBCテレビに出演し、イラク戦争開戦前の昨年2月に開かれた国連安全保障理事会の演説で示したイラクの移動式生物兵器製造施設に関する情報が「結果的に不正確で誤りだった」と述べ、米情報機関の手落ちを認めた。
同情報は、イラクの大量破壊兵器の脅威を国際社会に訴える「核心部分」だったが、長官の釈明でイラク戦争の大義がさらに揺らぐことになった。
国務長官は、安保理演説について、中央情報局(CIA)の最新情報を基に行ったとし、トラックや列車を使った施設の存在を裏付ける情報については「複数の情報源があり、われわれは慎重に精査した」と述べた。
イラク戦争後も移動式施設は発見されていないことから、国務長官は「(国際社会を)欺く結果となり、私も深く失望し、後悔している」と遺憾の意を表明した。(共同通信 2004/05/17)米大統領が過酷尋問承認 テロ容疑者に、と米誌
【ニューヨーク16日共同】17日発売の米誌ニューズウィークは、ブッシュ米大統領、ラムズフェルド国防長官、アシュクロフト司法長官が承認しイラクでの拘束者虐待の引き金になった、テロ容疑者の「拘束と尋問の秘密システム」に関する米政府文書を入手したと報じた。
それによると、ブッシュ大統領は2001年9月の米中枢同時テロを受けて02年1月、アフガニスタン旧政権のタリバンや国際テロ組織アルカイダに対し、過酷な尋問の禁止など戦争捕虜の待遇を定めたジュネーブ条約は適用されないと決定。
同月25日付の大統領あて覚書で、ホワイトハウスのゴンザレス法律顧問は「(大統領が)言うように、テロとの戦いは新たな戦争。ジュネーブ条約は時代遅れになった」と述べた。
この決定は対テロ戦争の敵は「権利のない非合法の戦闘員」とする考えに基づき、司法省の法律家グループが立案、国防総省、ホワイトハウスが承認した。(共同通信 2004/05/17)虐待で18人死亡と米紙 アフガン、イラクで
【ロサンゼルス16日共同】米軍による拘束者虐待問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズ紙は16日、アフガニスタンとイラクで虐待が原因で死亡した拘束者は少なくとも18人に上ると報じた。
情報機関筋によると、18人のうちアフガニスタンでの死亡は4人、イラクでは14人。アフガンでは、裸にし水を掛けたまま一晩放置された拘束者が死亡。米中央情報局(CIA)はこれを米司法省に伝えたが、関係者は処罰されなかった。
米軍はイラクの旧アブグレイブ刑務所の問題が発覚するまで、赤十字関係者を除き、報道陣や人権団体の収容施設立ち入りを拒否してきたため、人権団体などは今後調査が進むにつれ犠牲者の数が増えるとみている。
米国防総省はイラクやアフガンで拘束された収容者25人が死亡、うち3人が米兵やCIA関係者に殺害されたと公表している。(共同通信 2004/05/17)ムーア監督「華氏911度に製作中止の圧力があった」
【カンヌ(フランス)16日ロイター】米国のマイケル・ムーア監督は16日、新作ドキュメンタリー映画「華氏911度(ファーレンハイト9/11)」に対し、当初から製作を止めようとする圧力があったことを明らかにした。
同作品は、米国人とホワイトハウスが米同時多発テロにいかに反応したかに焦点を当て、ブッシュ大統領一家と著名なサウジアラビア人一族との関係をたどった。
同作品は、当地で開催中のカンヌ国際映画祭で上映されたが、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーが、傘下のミラマックス・フィルムに配給を禁止したことで論争を巻き起こした。
ムーア監督は、娯楽業界紙バラエティが主催した記者会見で、「当初から、この映画に対する製作中止の圧力があった。完成した段階では、配給を阻止しようとした」と述べた。
さらに、監督は「この映画をみると、これまで目にしたことがないものをたくさん知ることになる」と述べた。(ロイター通信 2004/05/17)イラク人虐待:電気ショックの拷問受け 元収容者が証言
【バグダッド杉尾直哉】イラクのアブグレイブ刑務所の元収容者が米兵による虐待の実態を毎日新聞に明らかにした。18日間にわたって裸にされたうえ、両手両足を後ろ手に逆エビの形で縛られたり、電気ショックの拷問を受けたという。「いっそのこと殺してほしいと思ったこともある」と振り返っている。
電気ショックの拷問が明るみになったのは初めて。証言したのはイラク西部ラウィに住む元イラク軍特別部隊教官、サダム・サレハ・ラウィさん(29)。昨年11月末にバグダッドで不審人物と見なされ、12月1日から今年3月28日までアブグレイブ刑務所に収監された。
証言によると、最初の18日間は「虐待の現場」として知られる「1A」棟の独房42号室に裸のまま入れられた。初日はプラスチック製の手錠で後ろ手に縛られ、ひざ立ちにさせられた。目隠し用のずきんを取られると、目の前に全裸の男性収容者の尻があり、米軍のエジプト人通訳から「同性愛者め」とさげすまれた。
連日のように立たされ、倒れるとモップの柄で殴るなどされた。つま先立ちの姿勢になるよう、腕などを鉄格子の高い位置に縛り付けられ数時間放置されたり、鉄格子の外側に両手両足だけ出して縛られ、1日中座らされたこともあった。小便は座ったまました。
看守らは、逆エビぞりの形で体を縛る方法を「スコーピオン(さそり)」と呼んで多用。看守に体を背後で押さえられたまま、犬をけしかけられたこともあった。
電気ショックによる拷問では電線を円形のシールで体に張り付けられた。ショックが体全体を貫き「死ねば神が魂を救ってくれると思った」という。夜通し大音響の不協和音がかけられ眠ることができなかった。
尋問はめったになかったが、国際テロ組織アルカイダの存在などを聞かれたことはあり、恐怖のため「何でもイエスと答えた」という。
サダムさんは拘束中に他の収容者とともに裸の写真を撮られ、米CBSテレビが公表したうちの1枚に自分を指し示すことができた。写真は看守の米兵から笑われながら見せられたこともあった。
サダムさんは出所後、婚約を自ら破談にした。「あんな恥辱を受け、女性と結婚などできない」と話している。
「1A」には独房10室をはじめ計約40室あり、収容者は数十人いた。虐待を行った米兵は少なくとも6人以上いたという。(毎日新聞 2004/05/17)旧イラク幹部:米の待遇、ジュネーブ条約違反 赤十字指摘
【ワシントン和田浩明】17日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、米国がバグダッドで拘束している旧フセイン政権幹部ら約100人の待遇について、赤十字国際委員会(ICRC)から「(捕虜などの人道的取り扱いを定めた)ジュネーブ条約に違反している」と今年2月に指摘されていたと報じた。
拘束者はフセイン元大統領側近のタリク・アジズ副首相らも含む。1日1時間しか日の当たらない独房に数カ月間監禁されたままだという。こうした拘束者に対する尋問には駐留米軍の規則は適用されず、厳しい尋問手法を使う場合も、アビザイド司令官の承認は必要としないとされる。
同紙によると、拘束場所はバグダッド国際空港の「キャンプ・クロッパー」という施設。(毎日新聞 2004/05/17)パレスチナ:イスラエル軍の道路拡張で1000人家失う
【エルサレム樋口直樹】ガザ地区南部のパレスチナ自治区ラファでイスラエル軍が軍専用道の拡張を目的に周囲の民家を破壊している問題で、14日以降に約90戸が取り壊され、新たに1000人以上の住民がホームレスになっていることが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の17日までの調べで分かった。
UNRWA報道官によると、イスラエル軍は14日以降、206家族が暮らす88戸の住宅を破壊、1064人の住民が住み家を追われた。同報道官は「インティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)が始まって以来、ラファにとって最悪の日々だ」と指摘。ヨルダン訪問中のパウエル米国務長官は「イスラエルが自衛権を有していることは分かるが、ラファでのパレスチナ人民家の破壊には反対だ」と語った。
イスラエル軍は00年9月の衝突発生以降、エジプト国境沿いのラファが武装勢力による武器密輸拠点になっているとして、地下トンネルの摘発などを目的に民家を破壊。これまでに1万2000人以上の住民が家を失った。イスラエル軍はラファで先週、兵士7人を失ったことを受け、軍部隊の安全地帯でもある専用道の拡張を決定した。
地元住民は家屋破壊の中止を求める訴えを起こしたが、イスラエル最高裁は16日、緊急時の兵士保護のためには民家破壊も認められると判断した。イスラエル放送によると、イスラエル軍のヤアロン参謀総長はこの日の閣議で「さらに数百戸のパレスチナ人住宅が取り壊しの対象になっている」と発言、武装勢力側の出方次第で破壊範囲を広げる考えを示唆した。(毎日新聞 2004/05/17)ガザ撤退求め15万人デモ イスラエルの掃討作戦に国内反発
【カイロ=嶋田昭浩】イスラエルからの報道によると、同国最大の都市テルアビブで15日夜、パレスチナ自治区ガザからのイスラエル軍撤退とユダヤ人入植地撤去を求める集会が開かれ、15万人以上が参加した。
最大野党の労働党などの呼びかけによるもので、2000年秋にパレスチナ紛争が激化して以来、最大の規模となった。
ガザ地区では先週、「テロリスト掃討」を続けるイスラエル軍部隊がパレスチナ組織の抵抗に遭い、イスラエル兵合わせて13人が死亡。同時期に、イスラエル軍ヘリコプターのミサイル攻撃などでパレスチナ側は民間人を含め29人の死者を出した。集会では、これ以上犠牲者を増やしたくないという声が相次いだ。
労働党党首のペレス元首相は「これは左翼の集会ではない。(国民の)多数派の集会だ。(与党リクードの党員投票で撤退案に反対した)過激な右派の投票者より四倍多い人々がここに集っている」と発言した。
一方、イスラエル軍は16日未明、ガザのパレスチナ組織関連の建物などにヘリコプターからミサイルを発射。通りかかった子どもを含むパレスチナ人数人が負傷した。(中日新聞 2004/05/17)ブッシュ政権を厳しく批判 カンヌでM・ムーア監督
【カンヌ17日共同】米中枢同時テロやイラク戦争でのブッシュ米政権の対応を批判したマイケル・ムーア監督の新作映画「華氏911」が17日南フランスのカンヌで開催中の第57回カンヌ国際映画祭で初上映され、注目を集めた。
上映後に記者会見したムーア監督は「でっち上げで起こした戦争であんなに多くの犠牲者を出すなんて」とあらためてブッシュ政権を非難した。
映画は同時テロ前後のブッシュ大統領の動向を検証、ブッシュ家とサウジアラビアの有力者一族との緊密な関係を探ったドキュメンタリー。
ムーア監督は「今まで米国民が見たことがなかった映像や情報が含まれている。米国民はショックだろうが、見た人には何らかのリアクションを期待したい」と述べた。(共同通信 2004/05/18)ムーア監督、カンヌ映画祭で米大統領批判を展開
【カンヌ(フランス)17日ロイター】米国のマイケル・ムーア監督の新作映画「華氏911度(ファーレンハイト9/11)」は17日、南仏の保養地カンヌで開催中のカンヌ国際映画祭で上映され、批評家から温かい拍手で迎えられた。
場面の展開が早い同作品は、全編を通してブッシュ米大統領のイラクへの取り組み、テロとのたたかいを強烈に批判したドキュメンタリー。監督は大統領を冷笑する目的で、ポップなサウンドトラックを使用している。
映画は冒頭、同時多発テロの知らせを聞いた数分後、明らかに平然とした様子のブッシュ大統領の姿を映し出している。
大統領を支援するポップスター、ブリトニー・スピアーズがガムをかむ姿をとらえる一方、ホワイトハウスの外でイラク戦争で息子を失った女性がこらえようもなく嘆く姿も映し出している。
監督が、ワシントンで議員を呼び止め、「イラクに子どもを送り込んだ議員はほとんどいない。実際は1人しかいない。議員の子どもが最初にいくべきではないか」と質問し、拒否される姿も見られた。
映画は、軍需産業関係者によるイラクの利権へのコメント、テロ後のビンラディン一家逃亡、イラク駐留米兵によるイラク人虐待の最新映像なども収録している。
自身に向かってののしりの言葉を吐く大統領の映像も見せるなど、大統領に対する皮肉なユーモアも盛り込んでいる。
「華氏911度」は、11月の米大統領戦を控え、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーが傘下ミラマックスに配給を禁止したのを機に国際的なメディアの注目を浴びた。(ロイター通信 2004/05/18)M・ムーア監督「ブッシュ批判」新作、カンヌで好評
フランス・カンヌ──ディズニーによる配給拒否で話題となったマイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」が17日、当地で開催中の第57回カンヌ映画祭で上映された。批評家からは、「パワフルな映画」「米国人が、自分たちの裏庭での出来事について描かれているこの作品を見ないとしたら、恥ずかしいことだ」などと、おおむね好評だった。
この作品は、「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞を受賞したムーア監督が、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏を含むサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ大統領一族の関係に焦点を当て、米同時多発テロの背景を探るコメディータッチのドキュメンタリー映画。カンヌ映画祭では、コンペティション部門に正式出品されている。
映画の題名は、本が全て焼かれてしまう近未来を描いたSF作家レイ・ブラッドベリの作品「華氏451度」をもじったもの。作中で華氏451度は「本が燃え上がる温度」を意味し、ムーア監督はこれにちなんで「Fahrenheit(華氏) 9/11」を、「自由が燃える温度」としている。
ムーア監督は、イラク戦争における米軍の実態を伝えるため、撮影クルーを複数の部隊にもぐりこませてあると公表しており、こうした秘密撮影隊が映したと思われるイラクの現地映像も、映画に登場。中には、イラク人の囚人が虐待されたり、死亡したイラク人赤ちゃんや幼児の遺体を米兵が火炎放射器で焼く映像などが含まれているという。
この作品は、製作資金を提供した配給会社ミラマックスの親会社ディズニーが、「政治的に偏向した映画を配給するのは好ましくない」として米国内での配給を拒否。ミラマックスは現在、配給権を買い取って第三者に権利を売却できるよう、働きかけている。
カンヌでの初試写会後、米国公開できるのか記者団に質問されたミラマックスのワインスタイン会長は、「この私が、みんなをがっかりさせたことがあるか?」と切り返し、米国公開に意欲を示した。
ディズニーの配給拒否についてムーア監督は、表現の自由の圧殺だと猛反発。配給拒否の真の理由は、ディズニーがブッシュ一族を怒らせてフロリダ州内での減税特別措置を失いたくないからだと、批判している。(CNN 2004/05/18)配給中止のムーア監督「華氏911」上映 カンヌ映画祭
「ボウリング・フォー・コロンバイン」で知られるマイケル・ムーア監督の新作で、ディズニーが配給中止を命じた「華氏(かし)911」が17日、第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映された。ブッシュ父子とビンラディン一族の石油利権をめぐる密接な関係などを多様な資料映像を駆使して検証した。
米軍の攻撃にさらされるイラクの人々の深刻な被害状況や米兵たちのジレンマを伝えた。また、戦闘長期化で泥沼化するイラクの状況を様々なニュース映像を引用して紹介した部分では、日本人の人質3人をとらえたアルジャジーラの映像も登場した。
上映後の記者会見でムーア監督は「この映画はブッシュ氏批判ではなく、9.11後に起きたより大きな問題を考えるのが目的」と語った。「米国民がもっとも衝撃を受けそうな場面」としては、2000年に請求した公文書には掲載されていたビンラディン一族に近いブッシュ氏の友人の名が、今年請求したコピーでは黒く塗りつぶされていたことなどを挙げた。
また、この作品は当初、俳優のメル・ギブソン氏率いる映画会社アイコンと製作の契約を結んだが、撮影開始直前に大統領周辺から同社幹部に「この映画に協力すれば、ギブソン氏は2度とホワイトハウスに招かれないと思え」と製作中止を求める電話があったことも明かした。「まだ米国の配給元は決まっていないが、大統領選前に必ず公開できると思う」と話している。(朝日新聞 2004/05/18)イスラエル軍、ガザに大規模侵攻、死傷者多数
パレスチナ自治区ガザ市──イスラエル軍は18日未明、ガザ南端、エジプトと境界を接するラファ難民キャンプを武装ヘリで数波、ミサイル攻撃した後、戦車約100両、ブルドーザーなどを連ねた大規模侵攻作戦を実施した。
ガザ地区では近年にない規模の大きさで、同地で今月11日以降続く衝突で、イスラエル軍兵士13人が死亡した爆破事件などへの報復とみられる。イスラエル軍は今回の侵攻の狙いについて、エジプト側からラファへの武器密輸阻止などを挙げている。
パレスチナ治安、病院当局筋によると、ミサイル攻撃などでパレスチナ人15人が死亡、少なくとも33人が負傷した。うち、8人は重傷。イスラエル軍当局者は、パレスチナ人の死亡者は13人としている。
キャンプ内外で軍部隊が過激派の活動家を捜索しており、武装パレスチナ人との交戦も起きた。イスラエル軍は先週から、同キャンプ周辺でパトロールを強化、作戦に支障となる民家約100棟などを破壊し、住民1000人以上が自宅を失う事態になっている。(CNN 2004/05/18)イスラエル支持強調 米大統領がユダヤロビーで演説
ブッシュ米大統領は18日、米議会などを通じて米国の中東政策に大きな影響力を持つユダヤ・ロビー「アメリカ・イスラエル広報委員会(AIPAC)」の年次総会で演説し「自由で安全なイスラエルの存在は米国の国益につながる。両国の結びつきが壊れることは決してない」と述べ、イスラエルとの強固な同盟関係を強調した。伝統的に民主党支持者が多いユダヤ系米国人に対し、11月の大統領選を前に支持を訴える狙いがある。
ブッシュ大統領は「イスラエルはテロから自国を守る権利を持つ」と述べ、パレスチナ側に対する武力行使を「テロとの戦い」の一環と位置づけて正当化。パレスチナ側に対して「まず腐敗した指導者たちを拒絶しなければならない」と自治政府の改革を求めた。(朝日新聞 2004/05/18)米国防長官:虐待への米対応で「世界に示すセミナー」発言
ラムズフェルド米国防長官は17日、講演し、米兵のイラク人収容者虐待事件への米国の対応について、「民主主義国家が直面する問題に、どう対応するかを世界に示すセミナーだ」と述べた。同事件でラムズフェルド長官への批判が高まっている中での極めて強気な発言に「米国の高慢さ」を指摘する国内外の声も強まりそうだ。(毎日新聞 2004/05/18)戦争犯罪:ジュネーブ条約適用回避助言 大統領顧問がメモ
【ワシントン和田浩明】米誌ニューズウィーク(電子版)は17日、ゴンザレス米大統領法律顧問が02年1月のブッシュ大統領あてのメモで、テロとの戦争で米政府関係者が米国内法により戦争犯罪に問われる可能性があると指摘していたと報じた。
顧問は「新しい戦争では攻撃を回避するため、捕虜から素早く情報を収集する必要がある」と従来より厳しい尋問手法が必要なことを示唆。訴追を回避するために対テロ戦争では、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約を適用しないよう大統領に助言したという。
ブッシュ政権はメモが作成された後の02年2月、テロ組織「アルカイダ」やアフガニスタンの旧タリバン政権にジュネーブ条約を適用しないことを宣言した。これが捕虜の人道的待遇を軽視し、イラクのアブグレイブ刑務所でのイラク人収容者虐待事件の温床にもなったとの見方が強まっている。
同メモは02年1月25日付で4ページ。この中でゴンザレス顧問は、クリントン前政権時代の96年に成立した「戦争犯罪法」が、ジュネーブ条約の「重大な違反」を犯した米国民や米政府関係者の訴追を可能にしており、有罪の場合の最高刑は死刑であることを指摘。 顧問は、同条約が適用される限り、戦争犯罪法による大統領への訴追も将来の政権下で行われる可能性があると説明したという。
一方で、ジュネーブ条約の条項について、顧問は「新しい戦争」に対しては「時代遅れになった」と述べ、アルカイダと旧タリバン政権への同条約の適用除外を宣言するよう助言した。(毎日新聞 2004/05/18)イラク人虐待:米陸軍情報部指揮官が憲兵らに指示 米紙
【ワシントン和田浩明】18日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、アブグレイブ刑務所の担当だった米陸軍情報部隊の指揮官が、尋問前に収容者を裸にしたり足かせを装着するなどの虐待行為を看守役の憲兵らに命じたと証言していたと報じた。
政府関係者が同紙に語ったところでは、証言したのは第205陸軍情報旅団のトーマス・パパス大佐。虐待事件の背景を調査した米中東軍のタグバ陸軍少将に対して今年2月中旬に明かした。
タグバ少将は米議会での証言で、同刑務所の指揮は、本来の担当である憲兵旅団ではなく、同情報旅団の司令官が実質的に行っていたとの関係者の証言を紹介していた。
パパス大佐はさらに、軍情報部の指示を憲兵らがどう実行しているかを監督する公式の枠組みが同刑務所には存在しなかったとも語ったという。
虐待事件では第800憲兵旅団の憲兵7人が告発され、19日に軍事法廷が開催される予定。
タグバ少将の報告書などによると、パパス大佐は昨年11月下旬にアブグレイブ刑務所の「戦術的指揮権」を駐留米軍のサンチェス司令官に与えられていた。容疑者らは「虐待は軍情報部の担当者らの奨励で行った」と主張している。
しかし、カンボーン国防次官(情報担当)は議会証言で、情報部の指示で憲兵らが虐待にかかわったとの指摘に否定的見解を示していた。(毎日新聞 2004/05/18)「ラファはパレスチナ人に生き地獄」 国連担当者
エルサレム(CNN)パレスチナ自治区ガザ南部のラファをイスラエル軍が武装ヘリやブルドーザーで侵攻したのを受け、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の担当者は「ラファのパレスチナ人は生き地獄の中にいる」とイスラエル軍の攻撃の激しさを語った。
UNRWAのブリッソン氏は現地スタッフの報告として、「状態は非常に悪い。非常に緊迫している。誰もこの地域に入れない。ラファのパレスチナ人は生き地獄の中にいる」と指摘。
「イスラエル軍はUNRWA運営の学校を戦車で占領している。住民は家に鍵をかけて中に閉じこもり、イスラエル軍と武装抵抗勢力の激しい戦闘から避難している」とブリッソン氏は話した。
またラファ近くのテルスルタンにもイスラエル軍は侵攻しており、住民約1万5000人が外出禁止状態に置かれているという。
パレスチナ自治政府筋によると、イスラエル軍の大規模侵攻で、ラファのパレスチナ人20人が死亡し、35人が負傷した。死亡した20人のうち3人は、武装勢力「アルアクサー殉教者旅団」の戦闘員だったが、残りは10歳少年と11歳少女をふくむ民間人だったという。
一方でイスラエル軍幹部はイスラエルラジオに対し、死亡した20人は全員、武装勢力だったと話している。(CNN 2004/05/19)ロイターやNBCのイラク人スタッフも虐待
バグダッド──英ロイター通信と米NBCテレビは18日、両社のイラク人スタッフが今年1月初めに中部ファルージャで米軍に拘束され、裸にされ性的に辱められるなどの虐待を受けたと明らかにした。両社とも、米軍から満足のいく回答を得ていないとしている。
ロイター通信の3人とNBCテレビの1人は、撃墜された米軍ヘリを取材中の1月2日に一緒に拘束され、同月5日まで近くのボルトルノ米軍施設で尋問されたという。
ロイター通信の契約イラク人スタッフはカメラマンとジャーナリスト、運転手の3人。米兵たちに裸にされ、嘲笑されて写真をとられたり、自分の肛門に指を入れてその指をなめるよう命令されたりしたという。またイスラム教徒にとって極めて屈辱的な、靴を口でくわえる姿勢をとらされた。眠ることを許されず、殴る蹴るの暴行も受けたという。
3人は釈放後、ロイターに虐待経験を話し、ロイターが米軍に説明を要求していたが、米軍は1月28日に「尋問を容易にするため、意図的かつ慎重に、捕虜の睡眠時間を削るなどストレスを与えたが、虐待や拷問は行われていない」と回答。アブグレイブ刑務所での虐待が明るみになった後も、米軍はサンチェス駐留米軍司令官の名前で「客観的で万全な調査の結果」虐待の事実はなかったとする書簡をロイターに送った。手紙の日付は3月5日となっていたが、実査にロイターに届いたのは今月17日のことだった。
こうした事態を受けて、3人とロイター通信は、虐待経験の公表に踏み切った。ロイター通信のシュレシンガー国際編集局長は改めて、国防総省に再調査を要求したという。
虐待されたカメラマンのサレム・ウレイビ氏は、「アブグレイブでの写真を見て、涙が出た。私たちと同じように苦しんでいたのだ」と話した。英語を理解するウレイビ氏は、米兵たちに性的な脅しを散々され、強姦されるのではないかと恐怖で一杯だったと話した。
ロイターの3人と一緒に拘束されたNBCテレビの現地契約記者アリモハメド・バドラニ氏は、頭に袋を長時間かぶされ、疲れ果てるまで体操をさせられたり、眠ることを禁止されたり、殴る蹴るの暴力を受けたと話している。
パドラニ氏の釈放後、NBCニュースはウィートリー副社長名で1月9日に米軍に事情説明を要求。しかし「繰り返し(米軍に)事情説明を求めてきたが、調査結果の報告はいまだ受け取っていない」とウィートリー副社長はコメントしている。(CNN 2004/05/19)米軍曹がイラク任務途中に兵役拒否 19日に軍法会議
米陸軍の軍曹としてイラク戦争に動員された中米出身の青年が、戦場の現実に耐えられずに兵役拒否を申し立て、19日から南部ジョージア州で軍法会議にかけられる。米軍施設での虐待も拒否の一因にあげており、任務の途中で公然とイラク戦争に反対を唱えた初めての事例だ。ヒスパニック系移民の若者が良心の葛藤(かっとう)に悩んだすえ選んだ道が、軍の手で裁かれる。
軍曹は、ニカラグアの著名な歌手カルロス・メヒア・ゴドイさんの息子で、18歳のとき母親と兄の3人で渡米したカミロ・メヒアさん(28)。
陸軍に3年、さらにフロリダ州兵として5年近く務めたところでイラクに派遣され、03年4月からスンニ派三角地帯で5カ月近く戦った。今はジョージア州にあるスチュワート基地で禁足状態にある。軍は面接取材を禁じている。
朝日新聞の取材に、基地から携帯電話で応じたメヒアさんは「イラクの経験は悪夢だった。罪のない市民が周りでたくさん死んだ。我々はこの場にいるべきではないと感じた」と、物静かな口調で語った。
兵役拒否の申立書によると、メヒアさんの部隊は昨年5月初旬、イラク国内の空軍基地で捕虜収容所の運営を命じられた。そこには、手当たり次第に捕まえられた通行人が連行されてきた。尋問官として本名を明かさない3人組が現れ、収容者の一部を眠らせるなと指示。看守役が怒鳴りつけたり、ハンマーで壁をたたいたりして指示を実践した。耳元で銃に弾を込めたこともあった。
そのほか、勲章ほしさの上官が不必要に危険な任務を負わせている実態や、戦闘で無関係の市民が巻き添えになっている現実を告発している。
10月に一時休暇を認められ、帰国した際に雲隠れ。今年3月、表に出て「良心的兵役拒否者」を宣言した。「テロへの戦争気分に操られ、みんなイラク戦争の現実が見えていない。だれかが真実を話すべきだと思った」と語る。
支援している市民団体「シチズン・ソルジャー」は、メヒアさんが今年3月に提出したこの証言が、問題のアブグレイブ刑務所での虐待より以前に、別の米軍施設でも虐待があった証拠になるとして、上院軍事委員会に証人喚問を要請。委員会は陸軍に関連情報の提出を求めている。
米陸軍によると、無許可離隊が30日を超えると脱走兵とみなされ、メヒアさんは軍法会議で最長禁固1年と懲戒除隊処分を言い渡される可能性がある。米陸軍は「テロとの戦いはまだ続いており、兵士はイラクの自由と解放のため全力を尽くしている。メヒア軍曹とは違った意見の兵士が大勢いるのは間違いない」(広報)と話している。(朝日新聞 2004/05/19)バチカン:米大統領訪問を前に高官が米イラク政策批判
【ローマ井上卓弥】ローマ法王庁(バチカン)の米国人枢機卿が英字誌「インサイド・ザ・バチカン」来月号で、イラク戦争を「道徳的失敗」と呼ぶなどブッシュ米政権のイラク政策を強く批判していることが18日、分かった。ロイター通信が伝えた。ブッシュ大統領は来月4日、バチカンで法王ヨハネ・パウロ2世と会談するが、訪問を控えて法王庁高官の対米批判が目立ち始めている。
報道によると、掲載されるのは前デンバー大司教のジェイムス・スタフォード枢機卿のインタビュー記事。枢機卿はこの中で、フセイン・イラク前政権の大量破壊兵器保持に関する決定的証拠がないまま、米政権が開戦を決断したことを「道徳的失敗」と呼び、大統領とチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官を名指しして批判した。
また、米兵によるイラク人虐待事件を「野蛮人の行い」と呼び、「アラブ人やイスラム教徒との将来の関係を手ひどく傷つける」と深い懸念を表明。米英主導の占領統治についても「イラク人を(圧政から)救い出すと主張しながら同様の状態を押し付けており、人々を辱めるだけでなく欺いている」と述べているという。(毎日新聞 2004/05/19)イスラエル:ラファの抗議デモを空爆 子供ら多数が死傷
【ラファ(ガザ地区南部)樋口直樹】パレスチナ自治区ラファで19日、イスラエル軍のラファ封鎖に反対する数千人のパレスチナ人デモ隊に向け、軍が武装ヘリによるミサイル攻撃を含む激しい攻撃を加えた。病院によると少なくとも10人が死亡、数十人が重軽傷を負った。死傷者には多数の子供が含まれている。
イスラエルのボイム国防次官は民間人に多数の死傷者が出たことに遺憾の意を表明した。軍当局も「群衆を直接狙った攻撃ではなかった」と釈明した。だが同日朝にもパレスチナ人4人が軍に射殺され、18日以降パレスチナ側の死者が計34人に上っており、イスラエルに対する国際社会の非難が強まるのは必至だ。
デモ参加者によると同日午後2時過ぎごろ、イスラエル軍に完全に封鎖されたラファ南部テルスルタン地区に向かって、約4000人のラファ住民が抗議のデモ行進を行った。武装ヘリがミサイル数発を発射したほか、戦車も砲撃した。デモ隊からの発砲は無かったという。
ラファ唯一のアルナジャール病院には、片腕を失った子供など数十人の負傷者が次々と担ぎ込まれた。病室に入りきれない子供たちが血まみれのまま床に寝かされ、うめき声が院内に充満。死者が運び込まれる度に、押し寄せた数百人の住人から「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」との声がわき上がった。
イスラエル軍は過激派を摘発するためラファ全体の封鎖を続けている。19日午前、テルスルタン地区で15〜60歳の男性住民全員に対し、地区内の学校へ集合するよう命令した。武装勢力のメンバーを見つけ出すのが目的とみられるが、これへの反発が強まり、デモ行進が自然発生的に組織された。
テルスルタン地区では18日にも空爆で8人以上が死亡した。救急車の運転手によると、18日朝には同地区の近くで救急車がイスラエル軍に銃撃される事件も起きた。病院には同地区の住民から救援を求める電話が多数かかっている。(毎日新聞 2004/05/19)デモ空爆で子供ら多数犠牲に=パレスチナ人14人死亡−イスラエル軍
【エルサレム19日時事】戦車など約100両のイスラエル軍部隊は19日、ガザ地区南部のパレスチナ自治区ラファの難民キャンプで大規模作戦を続け、13歳の少年を含むパレスチナ人4人を射殺。さらに軍の武装ヘリコプターが市民数千人のデモ隊にミサイルを撃ち込み、医療関係者によると、子供や学生の10人が死亡、約50人が負傷した。
目撃者によれば、軍部隊による包囲下のキャンプに向かっていた抗議デモの群衆にミサイルが撃ち込まれた。イスラエルのボイム国防次官は、多数の市民に犠牲が出たことに対して遺憾の意を表明。作戦が始まった18日からの死者は、少なくとも34人に上った。(時事通信 2004/05/20)イスラエル、国際社会の批判受けるもガザ地区攻撃継続
【ラファ(ガザ地区)19日ロイター】イスラエルは19日、ガザ地区のラファ難民キャンプで近年最大規模の攻撃を実施。 平和的な抗議デモの参加者33人を殺害した 。
国連安全保障理事会は、アラブ諸国の要請に基づいて協議を行い、パレスチナ人の住宅破壊停止と暴力の終結をイスラエルに求める決議を採択した。アラブ諸国は、イスラエルによるラファ攻撃を「戦争犯罪」と位置づけている。
イスラエルと親密な関係にある米国も、今回は拒否権を発動して決議を阻止する措置をとらず、投票を棄権する異例の立場をとった。またブッシュ大統領は、イスラエルに自制を求めている。
しかしイスラエル軍は、先週ガザ地区で13人のイスラエル兵士が殺害されたことを受け、こうした国際社会の声に耳を貸さず、武器運搬用のトンネル捜索を理由にエジプト国境付近まで進攻している。(ロイター通信 2004/05/20)米国はイラクで戦闘を続ける=チェイニー副大統領
【ニューロンドン(米コネティカット州)19日ロイター】チェイニー米副大統領は19日、米コネティカット州ニューロンドンにある沿岸警備隊養成学校の卒業式で演説し、米国に対する攻撃激化にも動揺せず、イラクでの挑戦から逃げ出すこともないと言明した。
チェイニー副大統領は、イラクは対テロ戦争における前線の中心となっており、「殺人集団」がイラクを混沌に陥れようとしていると語った。
また、これらの「テロリスト」は、中東の中心で民主主義が誕生すれば決定的な交代につながることを認識していると指摘した。(ロイター通信 2004/05/20)女性子どもら45人殺害 イラク、米軍最悪の誤爆か
【バグダッド19日共同】AP通信によると、イラク中部ラマディの警察幹部は、ヨルダン、シリアとの西部国境付近で19日、イラク人住民の結婚式を米軍ヘリコプターが攻撃、42人から45人が死亡したと語った。
同幹部によると、死者の中には子ども15人、女性10人が含まれている。
AP通信は、ラマディの病院関係者も死者数について、45人だとしていると伝えた。一方、アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ、アルアラビーヤは死者数について20人以上、負傷者が10人と伝えており、情報が錯綜(さくそう)している。
駐留米軍はこの情報について、調査中としている。米軍ヘリは、結婚式参列者が祝砲を空に向けて撃ったのを攻撃と間違えて攻撃した可能性がある。(共同通信 2004/05/20)米軍がチャラビ氏宅捜索 銃口突き付け書類押収
【バグダッド20日共同】イラク駐留米軍とイラク警察は20日、暫定統治機関、統治評議会メンバーのアハメド・チャラビ氏のバグダッド市内にある自宅と、同氏が代表を務めるイラク国民会議(INC)本部を家宅捜索し、警備員3人を拘束、コンピューターや書類などを押収した。
旧フセイン政権崩壊後、米国防総省は一時、チャラビ氏を有力な後継指導者とみなしていたが、同氏は最近、米国のイラク統治を批判しており、INCスポークスマンは「政治的圧力だ」と反発した。
チャラビ氏の側近によると、米兵はチャラビ氏の頭部に銃口を突き付け、米国批判をやめるよう脅したという。
警察は捜索の理由として、逮捕状の出ている人物の所在確認を挙げ、警備員3人が許可を得ずに武器を持っていたとして拘束したという。
チャラビ氏は主権移譲後も米軍が治安権限を維持することに反対。主権移譲後の暫定政権のメンバー選出を進める国連のブラヒミ事務総長特別顧問を批判するなど、米国、国連との対立が目立っていた。(共同通信 2004/05/20)「最悪の誤爆」濃厚に 英TV、幼女の遺体放映
【バグダッド20日共同】シリア国境に近いイラク西部のカイム付近で19日未明、米軍機の攻撃で住民40人以上が殺害された事件は20日、現地からの映像や住民の証言などから、昨年5月5日のイラク戦争の大規模戦闘終結宣言以降、最悪の誤爆である可能性がますます高まってきた。
20日の英BBCテレビは、死亡した人々の埋葬場面で、幼い少女や老人の遺体を前に泣き叫ぶ住民らの姿を放映。AP通信は、被害者が催していた結婚式の祝砲を米軍が調査に来て立ち去った後、ヘリコプターが現れ、攻撃したとする地元医師の証言を伝えた。
ロイター通信によると、結婚式に首都バグダッドから招かれていた音楽家兄弟2人も死亡。親類の男性は同日、住民らは結婚式後、睡眠中に攻撃を受けたと語った。
現場から8人の遺体を運んだという男性は、そのほか35人の遺体を現場で目撃したと証言。ロイターによると、埋葬の参列者は「米国は神の敵だ」と叫ぶなど、米軍に対する住民の怒りが高まっている。(共同通信 2004/05/20)イラク人収容者虐待、米軍情報機関が関与 米紙報道
20日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、イラクのアブグレイブ刑務所での収容者虐待事件に米軍情報機関が関与していたとの証言を伝えた。同刑務所に勤務していた軍情報機関のサミュエル・プロバンス軍曹が電話インタビューで明らかにしたという。
同紙によると、軍曹は「尋問方法は軍情報機関が憲兵に厳格に命令していた」と証言。自らが尋問に加わったことはないが、収容者の口を割らせるために裸にしたり、眠らせないようにしたり、食事を制限したりするように憲兵は指示を受けていた、と語った。(朝日新聞 2004/05/20)ref. Sergeant Says Intelligence Directed Abuse
(Washington Post 2004/05/20)イラク人虐待:米テレビが「遺体前で笑顔の写真」を報道
【ワシントン和田浩明】米ABCテレビは19日、アブグレイブ刑務所での収容者虐待事件で告発されている女性米兵らが、イラク人の遺体を前に笑顔でポーズを取っている写真を同社サイトに掲載した。初めて報じられる写真で、死者を冒涜(ぼうとく)したとも取れるだけにイスラム諸国での反米感情をさらに悪化させるのは必至だ。
写真は2枚あり、サブリナ・ハーマン技術兵(26)と、チャールズ・グレイナー技術兵(35)がそれぞれ、氷の詰まった袋を乗せられた男性の遺体と写っている。2人とも満面の笑顔を見せ、右手の親指を立てている。撮影したのは、アイバン・フレデリック2等軍曹(37)だという。
ABCテレビによると、死亡した男性は「マナデル・アルジャマディ」さん。同刑務所関係者の証言によると、米海軍特殊部隊「シールズ」の隊員が同刑務所に連行してきた。当初は元気だったが、シャワールームで米中央情報局(CIA)担当者の尋問中に死亡、遺体には多数の打撲傷があったという。
グレイナー技術兵とフレデリック2等軍曹は19日にバグダッドで行われた虐待事件の予備審問に出廷したが、罪状認否は留保している。ハーマン技術兵も虐待事件で告発されている。(毎日新聞 2004/05/20)原油高騰:米大統領、戦略備蓄取り崩し拒否
【ワシントン竹川正記】ブッシュ米大統領は19日の閣議後の会見で、原油・ガソリン価格高騰に絡んで野党・民主党などから要求が高まっている戦略石油備蓄の取り崩しについて「テロとの戦いで米国を危険な状況にさらすものだ」と反論し、米国でのテロ再発など非常時に備えるための戦略備蓄を原油高是正のために活用することを拒否した。同日のニューヨーク・マーカンタイル取引所では、原油先物相場の指標の米国産標準油種(WTI)6月渡しの終値が前日終値比0.96ドル高の1バレル=41.50ドルと過去最高水準に再び迫り、米景気への打撃が懸念されている。
特に、1ガロン(約3.8リットル)=2ドル台を突破し過去最高値を更新し続けているガソリン価格の急騰ぶりは米国の家計や企業を圧迫し始めている。民主党の大統領候補のケリー上院議員が「エネルギー失政」と激しく批判しており、戦略備蓄放出問題は11月の大統領選の争点に急浮上してきた。
クリントン大統領時代には、大統領選を控え、00年夏に戦略備蓄を取り崩して、ガソリン高を抑えたことがある。(毎日新聞 2004/05/20)国連安保理、イスラエル非難決議…米は棄権・反対無し
【ニューヨーク=勝田誠】国連安全保障理事会は19日、ガザ地区南部ラファのパレスチナ難民キャンプでの軍事作戦に関してイスラエルを非難する決議を賛成14票、反対無しで採択した。
米国は、アルジェリアなどが作成した決議案の語調を弱めた上、拒否権行使を控え、棄権に回った。
決議は、イスラエルに対して、国際人権法を順守するよう要求。ラファの難民キャンプなどで行われている民家の破壊活動を即時停止し、中東和平の行程表(ロードマップ)に定められた義務の履行を求めた。
同キャンプ周辺では最近、イスラエル軍の攻撃により、子どもを含む多数の住民が死傷、国際的な非難が高まっていた。(読売新聞 2004/05/20)イラク人虐待軍法会議 募る不信「単なるショー」
元収容者ら怒り新た「米大統領も裁くべきだ」
【カイロ=嶋田昭浩】イラク駐留米軍によるイラク人収容者虐待事件で19日、首都バグダッドで米軍の軍法会議が始まったが、問題の首都西郊アブグレイブ刑務所に実際に収容されていたイラク人らには「事態改善に何も期待できない」と不信感が根強く、軍法会議の公平性などに疑問を投げかける声が相次いだ。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラのバグダッド支局記者ソハイブ・エルバズさん(24)は、「この軍法会議はごまかしにすぎない。彼ら(米軍)は兵士を裁く前に、命令を与えた上官の責任を問うべきだ」と同日、本紙の取材に語った。
エルバズさんは昨年11月、「スパイ容疑」で拘束された。同刑務所の独房に約2カ月拘禁、尋問の際、裸にされ殴打など拷問を受けたという。
「どう補償してくれるのか。刑務所で肉親を失った遺族だって多い。米軍はしばらく軍法会議を開いて(時間を稼ぎ)また収容者の状況は元のようになる。占領軍は私の国から出ていってほしい」と怒りをぶつけた。
元判事でバグダッド在住の弁護士アブード・ジュマイリさん(63)も「これは単なるショー(見せ物)。人権擁護グループの参加も認められていない。表向き法的手続きを踏んでいると国際社会を納得させ、イラク人やアラブ世界の怒りを和らげようとしているだけだ」と厳しい見方だ。
「イラクには判事も法律専門家もおり、法廷を設置する能力がある。犯罪者である米軍の士官が判事を務めるのは論理的でない」と指摘するジュマイリさんは「これらは戦争犯罪だ。彼らは(旧ユーゴ紛争で元ユーゴスラビア連邦大統領の)ミロシェビッチを裁いており当然、ブッシュ(米大統領)も裁かれなければならない」と語った。(中日新聞 2004/05/20)NY市警・消防 米同時テロ連携ずさんさ露呈
独立委公聴会 遺族ら「うそつき」と非難
【ニューヨーク=斎田太郎】2001年9月の米中枢同時テロを検証する独立調査要員会(9.11委員会)は18日、ニューヨークで公聴会を開いた。市警や消防のトップや生存者らが証言し、両機関の連携の悪さや現場にテロ情報が伝達されていなかった実態が明るみに出た。傍聴席の遺族からは「うそつき!」などと書かれた紙が掲げられ、当時「英雄」ともてはやされた警察と消防は矢面に立たされている。
ニューヨーク公聴会は、同市の非常態勢が整っていたかどうか、同市がテロの危険性をどれだけ認識していたかを調査し、将来のテロ防止に役立てる目的で開かれた。
世界貿易センタービル幹部は、テロ首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の情報について、元連邦捜査局(FBI)職員をテロ直前に雇い入れて初めて知ったと証言。それまで情報はどこからも伝えられなかったという。現在の市警本部長は今後、化学兵器テロが発生しても1万人規模の負傷者には対応できないと答えた。
またビルからの生存者は「911(日本の110番)に電話しても待たされるだけだった」と証言した。警察と消防の連携の悪さから指令室に情報が集まらず、ビルが崩壊するかどうかも判断できなかったという。
こうした実態に委員からは「ボーイスカウト以下だ」と、非難の声が上がる一方で、エッセン前消防本部長は「まるですべてが悪かったような言い方だ。ひどすぎる」と応酬した。(中日新聞 2004/05/20)モサドがクルド民兵の秘密部隊に要人暗殺などを訓練
【東京20日=齊藤力二朗】イラク国内でイスラエルの様々な暗躍が報じられている中、同国の対外諜報機関のモサドが、クルド人の民兵組織の秘密特殊部隊を訓練していることが明らかになった。5月18日付けのレバノン紙アル・ムスタクバルが報じた。イラク北部からの情報によると、モサドは今年1月末に、クルド民兵組織から60人を選抜し、秘密特殊部隊を作り上げたという。
特殊部隊員全員は2月初旬、イラク北部のクルド人地域の拠点都市キルクークから米軍用機で空路イスラエルのネタニヤ市に向かった。彼らは市内から離れた宿営地に極秘に滞在し、1ヶ月以上の集中訓練を受けたという。訓練の内容は、暗殺、拉致、爆発物設置、遺跡や博物館からの略奪の作戦実行だ。
モサドは、学術、政財界などの各界要人の逮捕や拉致、イスラエルへの強制移送、あるいはイラク国内での殺害すべき対象者のリストを特殊部隊員に授けたとされる。
特殊部隊員は、バグダット、モスル、キルクーク、バスラ、カルバラ、ナジャフなどイラク各地に配属された。イラク人から怪しまれないように、彼らは粗末な住居に住んでいて、本部はイラク北部のスレイマニヤに置いている。
このため近い将来、特にキルクークとモスルで、スンナ派とシーア派の不和を煽動するために宗教施設を含む重要な公共建物の破壊作戦に加えて、イラク人要人の拉致や暗殺事件が増加すると予測されている。(日刊ベリタ 2004/05/20)特殊部隊が過酷な尋問 国防長官指示と米テレビ
【ワシントン20日共同】米NBCテレビは20日、イラクのバグダッド国際空港近くにある米陸軍特殊部隊デルタフォースの極秘収容所で、イラク人に対して窒息寸前まで水につけるなど過酷な方法を使った尋問が行われていたと報じた。米政府当局者の話として伝えた。
ラムズフェルド国防長官が国防総省幹部を通じ、こうした尋問を虐待事件が起きた旧アブグレイブ刑務所など他の施設でも行うよう軍情報部に命じたという。同省高官は報道を否定したが、事実なら虐待事件が新たな展開を見せる可能性もある。
イラク人を拘束した段階からマスクで顔を覆い、小さな独房に収容。デルタフォース隊員はイラク人を水につけたり、薬物を使うなど、捕虜の人道的扱いを定めるジュネーブ条約に明らかに違反する尋問方法を用いていたという。
国防長官は議会で、イラクではジュネーブ条約が適用されると証言していた。(共同通信 2004/05/21)良心的兵役拒否の3人に初の無罪判決 韓国裁判所
ソウル南部地裁は21日、宗教上の理由で兵役や予備役訓練を拒否したとして兵役法違反の罪に問われた韓国人男性3人について、「兵役拒否が良心の決定に基づくもので、良心の自由という憲法上の保護対象に十分に該当する場合、正当な拒否理由になる」として無罪判決を言い渡した。韓国で「良心の自由」を理由とした兵役拒否者に対して無罪判決が出たのは初めて。(朝日新聞 2004/05/21)米陸軍大教授:ベトナムの教訓無視すればイラクも、と論文
【ワシントン和田浩明】多数の米兵が死傷し米国が敗退を強いられたベトナム戦争の教訓を無視すれば、米国はイラクでも正統性のある政府の擁立に失敗し、国内世論の支持を失ったうえ、外交上の大失敗を喫しかねないとの論文を、米陸軍大学の教授らが今月まとめた。執筆者の1人は昨年末にも「イラク戦争は不要だった」と、ブッシュ政権に批判的な論文をまとめている。
執筆者は陸軍大戦略研究所のジェフリー・レコード客員研究教授ら。「イラクのベトナム(泥沼)化」論を反映する形で、論文は両国における米国の軍事活動や「国づくり」活動を比較している。
同教授らは「2つの戦争は、類似点より相違点の方が多く、特に戦略・軍事面では全く似ていない」と指摘。しかし、異文化環境での国づくり支援▽国内世論の支持の必要性──の2点で共通項があると説明している。
米国のかいらいと見られた南ベトナム政府同様、イラクで米国が成立させた統治評議会も政治的正統性に関する国民の疑念がつきまとっていると分析。
イラクでは大量破壊兵器の未発見が、反米蜂起などで米兵の死傷をもたらし、国民や議会に受け入れられにくくなっていると指摘した。(毎日新聞 2004/05/21)米兵イラク人虐待:「組織ぐるみ」示唆、米兵証言──ワシントン・ポスト紙報道
【ワシントン和田浩明】20日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、米兵によるイラク人収容者虐待事件が起きたアブグレイブ刑務所で、尋問を担当する陸軍情報部が看守役の憲兵に、収容者を裸にしたり、女性の下着を身に着けさせるよう指示したとの米兵の証言を報じた。
米国防総省は、虐待事件で告発した憲兵7人の「個人的な行為」と説明してきた。今回の証言は同省の主張と真っ向から対立するもので、虐待が「組織ぐるみ」だったことも示唆する内容だ。
証言したのは昨秋まで同刑務所に勤務していた陸軍第320情報大隊のサミュエル・プロバンス軍曹で、「米軍は情報部の関与を隠そうとしている」とドイツからの電話取材で語った。
プロバンス軍曹はコンピューターネットワークの管理担当で、尋問には直接関与せず、虐待行為も目撃していない。しかし、尋問担当者から、収容者の取り扱いを度々聞いたという。
同軍曹によると、米海軍グアンタナモ基地(キューバ)で尋問を指揮していたジェフリー・ミラー少将の視察直後から、同刑務所の拘束者と尋問者数が急増したという。(毎日新聞 2004/05/21)米軍空爆で市民7人死亡・アフガン東部
【イスラマバード21日共同】アフガン・イスラム通信によると、アフガニスタン東部ホスト州で21日、米軍が民家を空爆、女性や子供を含む市民7人が死亡した。
カブールの駐留米軍は「現時点でそうした事実は把握していないが、調査する」としている。
同通信が伝えた目撃者の話では、米軍は、民家の住人から発砲を受けたため空爆し、その後、地上部隊が民家を包囲、銃撃を加えたという。住人が発砲した理由は分かっていない。
民家は完全に破壊され、がれきの中から7人の遺体が見つかった。(日本経済新聞 2004/05/21)100万人に生命の危険 WHO、パレスチナに憂慮
【ジュネーブ21日共同】世界保健機関(WHO)のナバロ事務局長代表は21日、イスラエルによる分離フェンスの建設や移動の制限などにより、ヨルダン川西岸とガザ地区で、今後半年から1年以内に「約400万人いるパレスチナ人の20−25%(約100万人)に生命の危険が及ぶような保健衛生上、深刻な事態」に陥る恐れがあると憂慮を表明した。
4月と5月初めに西岸、ガザとイスラエルを訪問したナバロ代表は、医療機関への通院やイスラエル領内への患者搬送などが著しく制限されているため、パレスチナの医療体制が急激に悪化していると指摘した。
特に、合わせて約100万人に及ぶ「糖尿病や腎臓疾患などの慢性病患者と高齢者、乳幼児」の健康状態が最も懸念されると述べた。(共同通信 2004/05/22)イラク人虐待:組織的な虐待 赤十字国際委報告書明らかに
【ワシントン和田浩明】イラクに駐留する米英軍の複数の施設での収容者虐待の詳細が、毎日新聞が入手した赤十字国際委員会(ICRC)の報告書で明らかになった。駐留軍攻撃に関与したり重要な情報を持っていると疑われた収容者は、軍情報部による尋問過程で「組織的な虐待」を受け、場合によっては「拷問に等しい取り扱い」を受けたといい、同委員会は「深刻な国際人権法違反が行われた」と結論づけている。
報告書は24ページで、昨年3〜11月の間にICRCの職員がイラク国内の14施設を29回視察、身柄の拘束や移送、尋問時に受けた虐待について、拘束者から直接聞き取りしてまとめた。
それによると、昨年10月中旬に視察したアブグレイブ刑務所では、米軍情報部が一部の収容者を対象に「組織的方法」で肉体的・心理的虐待を実施していた。ICRC担当者も、裸にされた収容者が真っ暗な房に隔離されている現場を目撃。情報部員は、情報収集の「通常の手順」だと説明したという。
具体的には▽袋を数日間かぶせられたまま尋問時に殴られる▽裸で女性の下着を頭にかぶせられ写真を撮られる▽裸のまま手錠で鉄格子に固定▽袋をかぶせられたままセ氏50度近くの気温の屋外に放置▽睡眠や食事を制限──などの虐待を受けたと収容者が証言。裏付けとなる体の傷などもICRC担当が確認した。尋問で協力すると、服を着たり、ベッドや電灯のある房に移動できるなどの「報酬」が与えられたという。
イラク南部ウンムカスルの施設「キャンプ・ブッカ」(昨年4〜9月は米軍管理)の収容者も、同様の虐待行為が逮捕時や移送時に行われたと証言した。
また、昨年9月13日にバスラで拘束された男性9人のうち28歳の男性は、占領軍の兵士に激しく殴られて死亡。死亡証明書に死因は「心肺停止」と書かれたが、遺体は鼻やろっ骨が折れていた。家族に死亡が告知されたのは5日後で、翌月3日になって現地の占領軍指揮官が弔意を表明、捜査と関係者の処罰を約束したという。
ICRCは昨年4月以降、3回、250件以上の拘束者の証言と虐待の実態を米英占領軍に指摘。報告書は今年2月付で駐留米軍に提出したというが、米中東軍のアビザイド司令官は19日の議会証言で、目を通したのはアブグレイブ刑務所での虐待が発覚した後の今月だったと発言している。(毎日新聞 2004/05/22)米軍のイラク・アフガン拘束者殺害、新たに8件判明
【ワシントン=伊藤俊行】米国防総省は21日、イラクとアフガニスタンの米軍拘束施設での被拘束者の死亡事例を調査した結果、新たに8人が「殺害」によるものだったことが判明し、捜査に着手したことを明らかにした。
国防総省高官によると、イラク、アフガンの拘束施設で死亡した事例は37人。国防総省はこれまで、このうち2人について「殺害」されたと説明していたが、その後の医学的調査などによって、新たに8人が「尋問の最中、または前後に危害を加えられて死亡したものと見られる」として「殺害」に分類された。(読売新聞 2004/05/22)イラク兵役拒否の米兵、部隊脱走の罪で禁固1年
【ロサンゼルス21日共同】米ジョージア州の陸軍軍法会議は21日、イラクで市民殺害や虐待を目撃したとの理由でイラク帰任を拒否したカミロ・メヒア2等軍曹(28)に対し、部隊脱走の罪で禁固1年を言い渡した。
メヒア軍曹は、昨年4月からイラク派兵部隊の一員として駐留。イラクで市民が米軍の攻撃で殺されたりイラク人拘束者が虐待を受けているとして、同10月に約2週間の休暇で帰国した後、「良心的兵役拒否」を申し立てた。
軍スポークスマンによると、今回の軍法会議ではイラクでの米軍の行為に対する軍曹の意見や良心的兵役拒否の事情は考慮されず、脱走罪に絞って審理が行われた。(日本経済新聞 2004/05/22)「豚肉や酒を強要」「通訳が少年襲う」
陰惨虐待どこまで? W・ポスト報道
【ワシントン=沢木範久】米軍によるイラク人虐待事件で、21日付の米紙ワシントン・ポストは、イスラム教徒に禁忌の豚肉を食べさせたり、酒を飲ませたなど、新たな虐待の内容を報じた。米軍の内部調査に対する被害者13人の宣誓供述書や、虐待の模様を写したビデオや写真を入手したとしている。
それによると、▽両手両足で歩き(イスラム世界で下等とされる)犬のようにほえろと言われ、断ると殴られた▽米軍通訳が15〜18歳の少年を性的虐待し、女性兵士が撮影したのを目撃した−などと供述している。
ある者は、トイレに投げた食べ物を食べるよう強要された。別の収容者は骨折した足をけられ、イスラム教をののしるよう強制された。痛みに耐えかねて従うと、「生きていることをイエスに感謝しろ」と言われた。
さらに「何を信じるか」と聞かれ「アラーだ」と答えると、米兵は「オレは拷問を信じる。だからこれから拷問してやる」と脅されたと証言している。
同紙は、米兵が後ろ手に縛ったイラク人を殴ったり、手錠で鉄さくに縛りつけられ、気絶した収容者の写真を掲載した。(中日新聞 2004/05/22)米軍がイラク西部の砂漠に化学兵器を埋設 バーレーン紙報道
【東京21日=齊藤力二朗】バーレーンのアハバール・アル・ハリージ紙は20日、イラク軍の元将校らの情報として、米軍がイラク西部の砂漠に化学兵器を埋設したと報じた。イラクでの軍事作戦の失敗や虐待事件から世界と米国の目をそらすため、近く「化学兵器発見」を発表する布石だという。...(日刊ベリタ 2004/05/22)モスク攻撃などで34人死亡 米軍がサドル師派攻撃
【バグダッド23日共同】イラク中部ナジャフ周辺で22日夜から23日にかけて、駐留米軍とイスラム教シーア派の対米強硬派指導者ムクタダ・サドル師の民兵組織「マハディ軍」との戦闘があり、モスク(イスラム教礼拝所)攻撃などで少なくとも34人前後が死亡、数十人が負傷した。ロイター通信が伝えた。
このうち、近郊のクーファでは、マハディ軍が占拠していたシーア派のモスクを米軍が襲撃。米軍は、約20人の戦闘員を殺害したとしている。
また、米軍はナジャフ近郊を空爆。同通信の通信員が14人の遺体を確認した。地元の医師は、死亡したのは主に一般市民や警察官のようだと語った。
ナジャフは、サドル師が立てこもるシーア派の聖地で、クーファも同師の支持者が多い。
一方、AP通信によると、中部バクバで23日、車でバグダッドに向かっていた警察幹部と大学生が武装勢力の攻撃を受け死亡したほか、別の警官が負傷した。(共同通信 2004/05/23)米大統領が自転車転倒事故、顔や手足に軽いけが
【クロフォード(米テキサス州)22日ロイター】ブッシュ米大統領は22日、米テキサス州クロフォードの私邸牧場でマウンテンバイクに乗っていた際に転倒し、あご、上唇、鼻、右手と両ひざに擦り傷を負った。ホワイトハウス報道官が記者団に語った。
27キロのコースを走行中に下り坂25キロ地点で転倒したが、報道官によると、最近の雨のせいで地面がぬかるんでいたという。
事故当時、同行していた大統領の主治医が手当てをしたが、主治医は、後に「すぐ良くなる」と報告したという。
大統領はこの後、テキサス州オースティンを専用ヘリで訪れたが、傷ははっきりと目立っていた。(ロイター通信 2004/05/23)カンヌ映画祭、最高賞にムーア監督の「華氏911」
【カンヌ(フランス)22日ロイター】第57回カンヌ映画祭は22日、南仏カンヌで授賞式が開かれ、米国のマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー「華氏911」が最高賞のパルムドールを受賞した。
同作品は、ブッシュ米大統領のイラク戦争とテロへの取り組みを痛烈に批判した内容で、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーが傘下の映画会社に配給を禁止したことで注目を集めた。
ムーア監督は「事態は変化しつつある」と述べ、「米国民もこの映画を見るだろう」とクエンティン・タランティーノ監督ら審査委員に謝意を表明。会場のスタンディングオベーションに感激を隠せない面持ちだった。(ロイター通信 2004/05/23)カンヌ映画祭:「華氏911」が国際批評家連盟賞
南仏・カンヌで開催中の「第57回カンヌ国際映画祭」で21日、「国際批評家連盟賞」にマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー「華氏911」が選ばれた。同賞は、映画祭とは別の、世界の映画評論家が審査員となって選ぶ。映画は、ブッシュ米政権の対テロ政策やイラク戦争を批判する内容。【勝田友巳】(毎日新聞 2004/05/23)イラク人虐待:英軍の組織的虐待裏付ける証拠 英紙報道
23日付の英紙インディペンデント・オン・サンデーは、イラク南部バスラで英軍が拘束したイラク人らが英兵のイラク人暴行の際に将校も居合わせていたと証言し、虐待が組織的だったことを裏付ける新たな証拠となったと報じた。
同紙によると、英軍は昨年9月、バスラのホテルを捜索したが、探していた人物は見つからず、ホテル従業員らを拘束。兵士らは殴るけるなどの暴行を加えたが、従業員の1人は英軍の将校に殴られたという。
従業員のうち27歳の男性が死亡し、英軍当局が調査を進めている。(ロンドン共同)(毎日新聞 2004/05/23)米兵イラク人虐待:軍弁護士「現場にサンチェス司令官」──米紙、発言を報道
【ワシントン和田浩明】23日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、イラク駐留米軍のサンチェス司令官が、バグダッドのアブグレイブ刑務所で米兵が収容者を虐待する現場にいたとの「証言」を報じた。虐待事件の被告の上官がそう証言した、と主張する米軍弁護士の話として伝えた。
サンチェス司令官は19日の上院軍事委員会での宣誓証言で、事件を知ったのは、今年1月に米兵が内部告発してからとの趣旨の発言を行っている。今回の報道内容が事実だとすれば、同司令官に偽証の疑いが生じるうえ、駐留米軍最上層部が虐待を承認していた可能性も出てくる。
問題の発言は、被告のアイバン・フレデリック2等軍曹(37)のロバート・シャック米軍弁護士が、4月2日に米軍がバグダッドで開いた公聴会で行った。公聴会の録音テープによると、シャック弁護士は、フレデリック被告が所属する第372憲兵中隊指揮官のドナルド・リース大尉が、虐待の場にサンチェス司令官と複数の中東軍高官が居合わせたと話した、と語っているという。(毎日新聞 2004/05/23)米当局に提供されていた、12万人分の「テロ予備軍リスト」
(WIRED NEWS 2004/05/24)虐待報告書に欠落2000ページ 米上院軍事委調査と米誌
【ニューヨーク23日共同】米誌タイム(電子版)は23日、イラク駐留米軍のタグバ少将がイラク人虐待事件で提出した内部調査報告書が米上院軍事委員会に渡された際、全6000ページのうち2000ページが欠落していたことが分かったと報じた。軍事委のウォーナー委員長は、欠落した部分に何が記載されていたか調査する方針。
報告書は、5月7日のラムズフェルド国防長官の公聴会証言後に渡された。106の付属文書を含む分厚いもので、いくつかのバインダーに分けてとじられており、軍事委スタッフも総ページ数を確認していなかった。
国防総省当局者は「欠落があったとしたら手落ちだ」と説明。軍事委メンバーのマケイン上院議員(共和党)は「紛失した中身が何か確かめたい」と話している。(共同通信 2004/05/24)ナチスの大虐殺想起=ガザ南部の家屋破壊批判−イスラエル法相
【エルサレム23日時事】「自らの家のがれきの中で薬を探す老女の姿は、ホロコースト(ナチス・ドイツの大虐殺)で家を追われた祖母を想起させる」−。イスラエルのラピド法相は23日、イスラエル軍によるガザ地区南部のパレスチナ自治区ラファでの軍事作戦を批判した。
同軍は先週、ラファで大規模作戦を実施し、子供多数を含むパレスチナ人40人以上を殺害、家屋数十軒を破壊した。同法相はこの中で「先週米国に滞在していたが、われわれは世界から怪物のように見られていることに気付いた」と述べた。(時事通信 2004/05/24)ムーア監督の「華氏911」、米でヒットする見通し=業界関係者
【ロサンゼルス23日ロイター】米映画業界関係者によると、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画、「華氏911」が米国でヒットする見通しだ。
この作品は、ブッシュ大統領のイラクとテロへの取り組みを痛烈に批判。
大統領一家とアルカイダのウサマ・ビンラディン氏の生家を含む、有力なサウジアラビア人一族との関係をたどった作品で、今年のカンヌ映画祭では最高賞のパルムドールを獲得した。
業界オブザーバーらは、初期には厳しい批判もあったものの、この作品は興行収入でヒット作になると見ており、あるベテランのドキュメンタリー映画監督も、「大きな成功を収めるだろう」と予想している。
一方で、ホワイトハウス関係者や業界紙バラエティは、この作品に批判的。
ホワイトハウスのコミュニケーション・ディレクター、ダン・バーレットは先週、ニューヨーク・タイムス紙上でこの作品について、「全くの作り話。コメントするに値しない」と述べている。(ロイター通信 2004/05/24)イラク人虐待:刑務所内でいじめ競うコンテスト 米紙報道
【ロサンゼルス國枝すみれ】米ロサンゼルス・タイムズ紙は23日、イラクのアブグレイブ刑務所内で、憲兵が何人のイラク人収容者を泣かすことができるかや、恐怖のあまり失禁させることができるかを競う「コンテスト」に興じていた、と報じた。
同紙は刑務所に勤める米兵や収容者へのインタビューを基に陸軍が作成した100ページの報告書を入手。それによれば、ある収容者は「歯ブラシで攻撃しようとした」と難癖をつけられて小部屋に連れ込まれ、他の収容者の尿が残る床に顔を押し付けられ、頭の上から足で踏まれたと証言した。
また、勤務中の憲兵が酒のにおいをさせていたことが何度もあったと証言する収容者もいた。
虐待に関与したとして軍法会議にかけられることが決まっているジャバル・デービス3等軍曹は、同僚のチャールズ・グレイナー技術兵が収容者を頭から壁にぶつけ、死亡させたと証言した。またリンディー・イングランド上等兵も、グレイナー技術兵の発案で収容者を裸にしてピラミッドを作ったと証言した。
陸軍は今年1月、虐待写真入りの告発の手紙を受け取った後で、25人の米兵にアンケートを行った。7人が何らかの虐待を目撃したことを認め、1人が虐待写真を見たと答え、15人が虐待の話を聞いたことがあると回答していたという。(毎日新聞 2004/05/24)英外務省、内部文書で米軍のイラク虐待問題に強い懸念
【ロンドン=飯塚恵子】英外務省が内部文書で、イラクをめぐる米軍の「強引な戦術」や虐待問題などに強い懸念を示していることが明らかになった。英日曜紙サンデー・タイムズがこの文書を入手し、23日付で報じた。同紙は米英間に深刻な亀裂が生じ始めたと指摘している。
この文書は19日付で6ページ。関係閣僚や高官らに配布された。この中で、米軍によるファルージャとナジャフでの最近の「強引な戦術」について「イスラム教スンニ、シーア両派の連合軍に対する反発に火をつけ、英国はイラク国内の支持を大きく失った」と指摘。アブ・グレイブ刑務所での虐待についても「イラク国内でも国際的にも連合軍に対する道徳的権威を失墜させた」と断じている。
そのうえで、「我々の目的を危うくする」米国の行動を制止する必要があるとしている。
ブレア首相はこれまで米国のイラク対応に表立った懸念を表明していない。(読売新聞 2004/05/24)華氏911にカンヌ最高賞、ホワイトハウスも“歓迎”
【パリ=池村俊郎】カンヌ映画祭で22日、ブッシュ米政権を批判し、皮肉った米人監督マイケル・ムーア氏の「華氏911」が最高賞「パルム・ドール」に選ばれたが、仏マスコミでは「伝統ある仏映画賞が政治的な選択をした」など、異例の反響を呼んでいる。
米同時テロ以後のタカ派一色の現米政権とイラク戦争を批判したドキュメント作品で最高賞を射止めたムーア氏は、「ブッシュ大統領が受賞の知らせに驚いて、また好物のプレッツェルでのどをつまらせないよう祈るよ」と言って、記者団を爆笑させた。
これに対し、米ホワイトハウスも「ムーア氏の受賞で、米国が思うことを発言できる自由の国と改めて教えてくれた」と、こちらも皮肉を込めたコメントでやり返した。
審査委員評は「作品本位の評価」とし、イラク情勢をめぐる冷ややかな米仏関係とは無関係と強調したが、作品の政権に対する皮肉と批判は強烈で、制作親会社ディズニーが米国配給を拒否している。これに対し「映画文化への締め付け」と、各国映画界で反発が広がっている。(読売新聞 2004/05/24)ブッシュ氏のおかげで受賞 ムーア氏皮肉 カンヌ
【カンヌ=久原穏】カンヌ国際映画祭でブッシュ米政権のイラク政策を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督の作品「華氏911」が最高賞パルムドールに選ばれたことは、今秋再選を目指すブッシュ大統領の選挙戦や仏米間などの外交関係に少なからず影響を与えそうだ。
「私の映画に出演した俳優たち、ブッシュ、チェイニー(副大統領)、ラムズフェルド(国防長官)にお礼を言いたい」。授賞式後に会見したムーア監督は世界のメディアを通じ、ブッシュ政権を皮肉った。
製作会社の親会社に当たるウォルト・ディズニーが配給中止を決めるなど場外の話題も注目度をアップ。ムーア監督の「でっち上げで起こしたイラク戦争であれほど多くの犠牲者を出すとは」との主張は、カンヌから世界に広く発信された。(中日新聞 2004/05/24)M・ムーア監督感涙! パルムドール受賞
【カンヌ22日=近藤由美子】第57回カンヌ映画祭授賞式でパルムドール(最高賞)は、米ブッシュ政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督(50)の「華氏911」が受賞した。
「カンヌもやってくれたね。ドキュメンタリーが受賞するとはこれっぽちも思っていなかった。受賞のショックから立ち直れないよ」。「華氏911」で世界の映画界の頂点に立ったムーア監督は、スタンディングオベーションの中、何度も感激の涙をぬぐった。
米中枢同時テロに絡んでブッシュ大統領一族とウサマ・ビンラディン氏一族との関係などを検証した「華氏911」は米大手ウォルト・ディズニーが配給拒否を命令。全米公開は7月4日に決定しているものの、配給会社が未定という異常事態に陥っている。ムーア監督は「今回の受賞で米国民がこの作品を見られることが確実になった」と満足そうに言い切った。
イラク戦争に批判的なフランスだから受賞できたのではとの質問には「審査員は9人中米国人は4人もいて、フランス人は1人だけ。世界の審査による賞なんだよ」と反論した。審査委員長を務めた米国のタランティーノ監督は「君の政治活動は受賞に何の関係もない。素晴らしい映画をつくったから受賞したんだ」と祝福した。
「米国とイラクの子供たち、全世界で苦しんでいる人々、22歳の娘にこの賞をささげたい。世界はこれから変わっていくよ。僕は1人じゃないことが分かった」。米国の銃社会を痛烈に批判した「ボウリング・フォー・コロンバイン」で03年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した際には「ミスターブッシュ、恥を知れ! 」とあいさつした。今回はブッシュ大統領に対して「彼はこれ(パルムドール)が何だか知らないだろうね。(クラッカーの)プレッツェルを食べている時に知らせたら大変だよ」。02年にテレビ視聴中にプレッツェルをのどに詰まらせ気絶した大統領を皮肉った。
同映画にはイラク日本人人質事件の今井紀明さんらが犯行グループにナイフを突きつけられ脅されている映像が使用されている。ムーア監督は関係者を通じて「米国とイラクだけの関係ではなく、各国の悲劇を入れた。日本の人々も海の向こうの話ではなく、自分たちの問題ということを知ってほしい」と話した。(日刊スポーツ 2004/05/24)米軍拘束のイラク人科学者、暴行受け死亡か・英紙
【ロンドン=横田一成】24日付の英紙ガーディアンは、イラクで米軍に拘束されたイラク人科学者のモハメド・イズメルリ氏が後頭部に棒か銃器による暴行を受けて死亡していた、と伝えた。同氏はイラクの大量破壊兵器開発に関連して米軍から取り調べを受けており、虐待による死亡となればブッシュ政権にとって一層の痛手となりそうだ。
米軍は同氏の死因を「脳幹への圧迫」と説明したが、遺体を検視したバグダッド病院の医師は「突然、後頭部に打撃を受けたために死亡した」と指摘している。
イズメルリ氏は化学の専門家でフセイン元大統領に近かったとみられている。米軍が当初作成した「200人の容疑者リスト」にも入っていた。
同氏の家族によるとイラク戦争中の昨年4月、バグダッド郊外の自宅にある研究室が米軍とイラク軍の戦闘で焼失。その後、米軍が同氏を連行したという。家族が今年1月にバグダッド空港の米軍基地内で面会した際は元気だったという。国際赤十字も1月に同氏と面会したが、2月には家族に対して「死亡」を通達していた。(日本経済新聞 2004/05/24)米軍の虐待は「戦争犯罪」=サマワの宗教指導者ら講演
陸上自衛隊の宿営地サマワがあるイラク南部ムサンナ州から東京財団の招きで来日中のイスラム教シーア派指導者サイド・アリ・アルマイーリ師ら7人は25日、都内で講演会に出席、自衛隊の人道支援を高く評価する一方、米軍によるイラク人虐待を「戦争犯罪だ」と非難した。
同師は「米軍はアブグレイブ刑務所での虐待事件の被告に、1年の禁固刑しか科さなかった。フセイン政権を倒したこと以外、米国には何も感謝していない」と語った。(時事通信 2004/05/25)米大統領、イラク刑務所の発音を3度誤る
【カーライル(米ペンシルベニア州)24日ロイター】ブッシュ米大統領は24日、遊説先の当地で、イラク人虐待事件が起きたアブグレイブ刑務所を取り壊すと発表した際、「アブガレイプ」などと刑務所名を3度にわたり間違って発音した。
発音や文法上の誤りが度々指摘されている大統領だが、「アブグレイブ」を初めに「アブガレイプ」と発音。
2度目には「アブガロン」とやってしまい、3度目には「アブガラー」と発音したように聞こえた。
ホワイトハウスの側近によると、大統領は演説会場に向かうヘリに搭乗する前、演説のリハーサルを2度行っていた。(ロイター通信 2004/05/25)披露宴のビデオ放映 「結婚式誤爆」強まる
【カイロ=秦融】イラク駐留米軍による空爆で約40人が死亡し、イラク人遺族が「現場は結婚式会場だった」と訴えている米軍の誤爆疑惑で、AP通信系の映像会社APTNは23日、遺族から入手した披露宴のビデオを配信。アラブのメディアや英BBCテレビが一斉に放映した。■イラク「画面に犠牲者」
APTNによると、撮影者は19日未明の空爆で死亡し、新郎の遺族から入手したという。
出席者によると、結婚式は2日前の17日に始まった。映像は、空爆現場となったシリア国境の砂漠の披露宴会場に、花嫁らの車列が向かう場面からスタート。バグダッドから招待された有名な楽器演奏家フセイン・アリ氏の演奏に合わせ、子どもらが踊る様子や、高齢男性が水たばこをふかす様子が映っている。
APTNは、アリ氏が埋葬されるビデオも入手し、「披露宴のビデオに出てくる音楽家と同一人物で服装も同じ」と指摘している。
駐留米軍のキミット准将は22日、「現場からマシンガン、外国人のパスポートは見つかったが、楽器など披露宴を示唆する証拠は見あたらなかった。死者の中に子どもはいない」と誤爆の可能性を真っ向から否定。
しかし、APTNが空爆の翌日に撮影した現場映像には、披露宴に通常用意される派手な色調の寝具類や楽器が、弾頭の破片とともに散乱。遺族側は、子ども10人が死亡したと訴えている。(東京新聞 2004/05/25)米主導の「テロとの戦い」、構想破たんで原則失う=人権団体
【ロンドン26日ロイター】国際的人権団体のアムネスティ・インターナショナルは26日、年次報告のなかで、米政府の世界的な反テロ政策は、治安をやみくもに追求した結果、人権が犠牲になっているとして、「構想が破たんし原則を失っている」と指摘した。
さらに、米国が唱える「テロとの戦い」に賛同する国も、容疑者を不法に投獄し、政治的・宗教的な反対意見を弾圧するなどしているとして、非難した。
また、「米軍がイラク一般市民を殺害し、イラクやアフガニスタンなどで不当に逮捕や虐待を行い、国際法廷の設置にも反対している」と糾弾している。(ロイター通信 2004/05/26)少将が軍用犬の使用提案か=イラク人虐待−米紙
【ワシントン26日時事】26日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、アブグレイブ刑務所でのイラク人虐待事件に関して、昨年キューバのグアンタナモ米海軍基地から同刑務所に派遣されたミラー少将が収容者への軍用犬の使用を提案したと伝えた。刑務所の軍情報機関当局者が虐待の調査を行っているタグバ陸軍少将に語ったもので、同紙が筆記録を入手した。(時事通信 2004/05/26)イスラエル軍侵攻でパレスチナ人2000人が家失う
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は25日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ西南端のラファに侵攻し、エジプトとの境界沿いの家屋を組織的に破壊した作戦で、約2000人のパレスチナ人が家を失ったことを明らかにした。
UNRWAによると、今月1日から一連の作戦が一応終了した23日までの間にイスラエル軍が破壊した家屋・ビルは155棟。死傷者も多数出ており、18日以降だけでも、死者が40人、負傷者が150人に達したという。
UNRWAは、家を失ったパレスチナ難民の救済支援を行うが、被害の拡大で資金が底をついているため、各国に緊急支援を呼びかけることを決めた。(朝日新聞 2004/05/26)膨張、米戦場ビジネス 警備、取り調べ、軍への給食まで
イラク戦争を機に、戦場をビジネスの場にする企業の存在がにわかに注目を集めている。冷戦後、縮小する米軍が業務の外注を進めた結果、企業は軍と武器供給ではなくサービスを通じて結びつきを強めた。米兵による虐待事件が起きたイラク・アブグレイブ刑務所では、米企業から派遣された社員が取り調べにまで携わっていた。かつてアイゼンハワー米大統領が警告を発した「軍産複合体の影響力」は姿を変えて膨張している。
職種・取調官▽勤務地・バグダッド▽年収・9万〜10万ドル(約1030万〜1130万円)とボーナス……
米軍関係の求人を扱う民間のホームページにこんな条件が並ぶ。アブグレイブ刑務所に取調官を派遣していたCACI・インターナショナルの求人情報もある。
情報関連企業のCACIの本社は国防総省と同様、ワシントンに隣接するバージニア州アーリントン郡にある。朝日新聞記者の問い合わせに、CACIは「取材には応じられない」としているが、公表資料によると、90年度に約1億5000万ドルだった売り上げが03年度には約8億4300万ドル(約950億円)に達した。うち64%が国防総省相手の事業だ。米兵に対するコンピューター操作の教育から機器の管理、ソフトウエアの開発まで。取調官や通訳の派遣など取り調べにかかわるサービスもその一部だ。経営陣には元国防総省高官も並ぶ。
3月31日、イラクのファルージャで民間米国人4人が殺害された。被害者は、米ノースカロライナ州の警備会社ブラックウオーター・セキュリティー・コンサルティングに雇われた元軍人。食料を運ぶ車両部隊の警備中に襲われたという。
暫定占領当局(CPA)によると、警備にかかわる分野だけで米企業60社に雇われた民間人約2万人がイラクで働いている。これに対し、イラクに展開している米兵は約13万人だ。
米軍は90年代に業務の外注化を進めた。冷戦終了で国防費が削減され、兵員も90年の204万人から02年には141万人に減った。特に後方支援部門の削減が目立つ。一方で湾岸戦争後もコソボ空爆、ソマリアやボスニアでの平和維持活動など米軍の活動は続く。その溝を埋める形で急成長したのが、米軍の業務を受注する民間企業群だ。
米会計検査院(GAO)は昨年6月、ボスニアやコソボ、ペルシャ湾岸地域での民間軍事サービス産業の活動について報告をまとめた。それによると、業務の範囲は通訳、基地の運営、武器の補修、基地の入り口や周辺の警備、情報分析、他の民間企業社員の監督など多岐にわたる。
国防総省の年間予算は現在、約3750億ドル。外注化による経費削減効果は「年間60億ドル」(96年の国防総省の諮問委員会報告)とも「年間20億ドル」(97年のGAOの報告)とも言われる。
これに対し、ブルッキングズ研究所のシンガー研究員は「経費より、むしろ政治的コストの削減効果が大きい」と指摘する。「軍事サービス産業のおかげで、招集される予備役も、死亡する米兵も減り、政治的な抵抗が抑えられる。戦争の原因とは思わないが、戦争をしやすくしているのは間違いない」
危険な地域での注文に柔軟に対応してもらえるよう、国防総省は外注する際、細かな事業内容を特定せずに包括的な契約を結ぶことが多い。限られた総額内ならかかった費用にもとづいて経費を請求できるケースが多く、企業が経費を抑える誘因が働かない。イラク戦争では、チェイニー副大統領が最高経営責任者(CEO)を務めていたハリバートンのグループ企業による給食事業などで、水増し請求疑惑も起きている。
軍事サービスのビジネスの場は国境を超えて広がっている。新生イラク軍の訓練を担当する軍需産業大手ノースロップ・グラマンのグループ企業ビネルは、サウジアラビアで軍の訓練なども請け負っている。シンガー研究員は「世界的な軍事サービス産業の市場規模は年間1000億ドル(約11兆円)にものぼるとみられる。誰が誰のために働くことができるのかなど、国際的なルールが必要だ」と話す。(朝日新聞 2004/05/26)虐待:イラク、アフガンで広範囲に 米陸軍犯罪捜査局
【ワシントン和田浩明】26日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、イラクとアフガニスタンでの米軍による拘束者の虐待が、米ブッシュ政権のこれまでの説明より広範囲に及んでいることを示す米陸軍犯罪捜査局の内部文書を入手したと報じた。
同文書は5日付で、拘束者の死亡・虐待事件に関する米軍の捜査の概略を示している。これまで表面化していなかった部隊の行為も捜査対象になっているという。
同紙によると、米軍捜査官が特に注目しているのは、アフガニスタンで発生した2件の殺人事件。いずれも02年12月に東部バグラムの米軍施設で起きた。捜査対象は、ノースカロライナ州フォート・ブラッグ基地所属の第519情報大隊A中隊と、オハイオ州の陸軍予備役部隊の関係者。内部文書は「収容者の暴行や虐待にたびたび関与した」と指摘している。
同中隊は後に、米兵による拘束者虐待が発覚したイラクのアブグレイブ刑務所に配置換えになり、昨年秋には所属兵士3人が女性囚人を脅したとして降格・罰金処分を受けた。
カリフォルニア州兵の第223情報大隊は、昨年春にイラク中部のサマラで、10週間にわたり尋問中の拘束者を殴ったり窒息させたりしたという。
米国防総省の説明では、米中東軍が管轄するイラクとアフガニスタンで、02年12月以降33件37人の拘束者が米軍の管理下で死亡。このうち、8件の「殺人」を含む9件で捜査が継続している。(毎日新聞 2004/05/26)「米軍が泥棒行為」 捜索で宝石など押収
イラク住民が訴え 米「疑い晴れ次第返還」
【カイロ=秦融】イラク駐留米軍に家宅捜索で現金や宝石類を押収された住民が「押収品を返さないのは泥棒行為だ」と人権団体に訴えた。ロイター通信が25日、伝えた。米軍は捜索と押収は「敵対勢力への関与が理由」とし、押収時に「預かり証を渡している。疑いが晴れ次第返還される」と反論している。
イラクの人権団体に所属するアデル・アラミ弁護士は「捜索を受けたほぼ全家族が“貴金属やお金がなくなった”と訴えている。大問題だ」と指摘。預かり証を受け取った住民はいないという。
昨年、突然米軍の捜索を受けたコンピューター技師のケースだと、捜索後屋内に戻ると、家具類は壊され金庫の現金5000ドルと結婚指輪など貴金属類がなくなっていた。米軍に抗議したところ、3カ月後「捜索は正当。賠償義務はない」との回答がきたという。
キリスト教平和団体の関係者は「押収と窃盗がはびこっている。私財を自宅に保管するイラクの習慣を米軍は理解していない。被害は相当あり、9割はゲリラと無関係の住民。経済的損失を受けている」と指摘する。
米軍スポークスマンは「一部兵士が不適切な行動で懲戒処分を受けたようだが極めてまれなケース。住民が(うそを)言っている可能性もある」と主張している。(中日新聞 2004/05/26)イラク刑務所虐待事件──米軍、兵士のデジタルカメラなどの使用を制限へ
(WIRED NEWS 2004/05/27)議会に核爆弾とニクソン氏 キッシンジャー電話録公開
【ワシントン26日共同】米国立公文書館は26日、1970年代前半のニクソン政権で大統領補佐官、国務長官を務めたキッシンジャー氏の2万ページに及ぶ当時の電話記録を公開。ウォーターゲート事件で大統領弾劾審議中の議会に「核爆弾を落としてやる」とニクソン大統領が語ったことなど、政権内部での生々しいやりとりが明らかになった。
AP通信によると、下院の弾劾審査が始まって1カ月後の74年3月、キッシンジャー氏はヘイグ大統領補佐官に電話。「大統領は荒れているようだな」と言うと、ヘイグ補佐官は「“(核の発射ボタンを収めている)ブリーフケースを持ってこい。議会に(核爆弾を)落としてやる”と言っています」と答えた。
また、第4次中東戦争勃発(ぼっぱつ)直後の73年10月、ヒース英首相からの緊急電話に対し、酔っぱらっていたニクソン大統領が出られなかった際のやりとりも記録されている。(共同通信 2004/05/27)ガザ唯一の動物園全壊 「憩いの場」がれきに
イスラエル軍が1週間にわたり大規模侵攻したガザ地区南部のパレスチナ自治区ラファでは、地区唯一の動物園も軍により破壊され全壊し「子供たちに楽しんでもらおう」との思いで動物園を設立した園長、ムハンマド・ジャマさん(40)はがれきの中で途方に暮れている。
動物園は、家屋破壊が激しかったラファのブラジル地区にある。8000平方メートルの土地に5年前に設立され、ジャマさんはカンガルーやヘビ、鳥などを買い集め、侵攻前までは約90種類の動物がそろい、子供たちの憩いの場になっていた。
しかし、侵攻2日目の19日夜、ブルドーザーが動物園を襲い、おりは壊され、ほとんどの動物は死亡するか逃げ出した。「なぜ動物園がこんな目に遭わなければいけないのか」と憤るジャマさんは住民らと協力し、行方が分からなくなった動物を探している。(共同通信 2004/05/27)米政府、個人情報調査を継続=議会報告書
【ワシントン27日ロイター】米国防総省が提案し、論議を呼んだコンピュータによる情報監視計画が、米議会によって中止されてから9カ月が経過した。しかし米政府は不審な動きを察知するため、個人情報記録の徹底調査を続けていることが、ロイター通信が入手した報告書で明らかになった。
議会の会計検査院によると、同省が提案した「全情報認知計画」(事業総額5400万ドル)は昨年9月、米議会の反対で中止された。
しかし、米政府のコンピューターは引き続き膨大なデータベースを巡回し、犯罪やテロにつながる手がかりを探っている。
米政府の調査は「データマイニング」と呼ばれる手法で実施されており、199件中36件は民間からの個人情報を行うものという。
専門家らは、こうした動きが放置されると人権侵害につながる恐れがあるとして、懸念を表明している。(ロイター通信 2004/05/27)ゴア氏、政府のイラク政策痛烈批判 政権幹部の辞任要求
ニューヨーク(CNN)ゴア前副大統領は28日、当地のニューヨーク大学で講演し、ブッシュ政権のイラク政策を痛烈に批判した上で、ラムズフェルド国防長官とライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は責任をとって辞任すべきだと名指しした。
ゴア氏は、「この国がイラクで直面している大惨事」の責任をとって、ラムズフェルド国防長官とライス補佐官の辞任を要求。さらに中央情報局(CIA)のテネット長官についても、「個人的な友人で、まともで品性のある善良な男だ」と前置きしながら、米情報機関は指導層を刷新する必要があるとして、テネット長官の辞任も求めた。
ブッシュ大統領については、大統領の「傲慢と意固地と不手際」のせいで、米国人が世界各地で危険にさらされていると批判。「残念なことに、ブッシュ大統領のどうしようもない無能ぶりのせいで、世界は前よりはるかに危険な場所になり、対米攻撃の危険が劇的に増えてしまった。彼は戦争の種をまき、つむじ風をまきおこした。誤った前提で始まった戦争という腐った樹木は遂に、アメリカ人が自分たちの保護下にある無力な囚人を性的に辱めるという、とんでもない悪しき果実をつけるに至った」とゴア氏は糾弾。ブッシュ氏の大統領再選を阻止するため、民主党候補となるのが確実のケリー上院議員に投票するよう強く訴えた。
講演主催者はオンライン市民グループMoveOn.orgで、ブッシュ再選阻止の活動資金5000万ドルを集める運動の一環として、ゴア氏の講演を企画した。(CNN 2004/05/27)イラクで拘束の囚人、無実は7〜9割 国際赤十字報告書
赤十字国際委員会(ICRC)がまとめたイラクの報告書の中で、現在収容されているイラク人の70〜90%の拘束に根拠がないと米兵が証言していたことが分かった。米軍は旧フセイン政権の残党や武装勢力の掃討の際、無関係な人物も多数拘束しており、そもそも拘束自体が誤りだったとの指摘が相次いでいる。
ICRCはイラクで昨年3月31日から10月24日の間、14カ所で述べ24回、刑務所を訪問し、報告書をまとめた。2月に米英当局に伝えその内容が今月、米ウォールストリート・ジャーナル紙で報じられた。
それによると、ICRCが接触した米兵は「イラクで自由を奪われている人の70〜90%は、誤って拘束された」と指摘。「拘束の際、家にいる男であれば、老人や障害者、病人にいたるまで全員に手錠をかけ、連行した」と語ったという。
また、英ガーディアン紙は、虐待事件が起きたアブグレイブ刑務所のトリン・ネルソン元調査官の証言を特集。部隊報告に「ターゲットの家を捜索した際、相手が留守だと、代わりに隣人を拘束した」とあったと指摘している。
イラク人権省によると、拘束者の家族からの訴えを受け、イラクの裁判所が「釈放が妥当」と決定したケースのうち、昨年6、7月で90%、今年1、2月でも80%が、米英の暫定占領当局(CPA)の審査で却下されたという。(朝日新聞 2004/05/27)イスラエル核開発スクープの英国人記者、治安当局が拘束
イスラエルが秘密裏に進めていた核開発を技術者の内部告発によって86年に報道した英国人記者ピーター・フーナム氏(59)が26日夜、イスラエル国内で治安当局に拘束された。同氏の代理人弁護士が明らかにした。当局が報道管制を敷いているため詳細は不明だが、イスラエル軍放送は27日、「核開発についての新情報を報道しようとしていたと疑われた可能性がある」と伝えた。
18年前、当時英紙サンデー・タイムズ記者だったフーナム氏に核開発の情報をもたらした技術者モルデハイ・バヌヌ氏は、4月21日に禁固18年の刑期を終え出所。フーナム氏が投宿していたエルサレムのホテル関係者によると、フーナム氏はバヌヌ氏に再会するために約1カ月前にイスラエル入りし、バヌヌ氏やその支援者と接触していた。
支援者との面会場所に27日、姿を見せず、同夜、治安関係者に伴われてホテルに現れた。部屋の捜索などの後、再び連行されたという。(朝日新聞 2004/05/27)米国防総省:ジュネーブ条約適用除外 イラクでも可能
【ワシントン和田浩明】米国防総省のディリタ報道官は26日、イラクで反米攻撃などに関与している外国人に対しては、捕虜の人道的取り扱いを定めたジュネーブ条約を適用しない場合がありうるとの見解を示した。会見で記者の質問に答えた。
米国は、対テロ戦争で拘束した国際テロ組織「アルカイダ」メンバーなどは「不法戦闘員」と見なし、同条約を適用しない立場だが、イラクについてはラムズフェルド国防長官ら政権幹部は「完全適用している」と説明していた。
ディリタ報道官は、法的には「ケース・バイ・ケース」でジュネーブ条約を適用しないことも可能だと述べたうえで、「適用除外をした事例はないし、そうするつもりもない」とも明言した。(毎日新聞 2004/05/27)イスラエル:核機密報道の英記者を釈放
【エルサレム樋口直樹】イスラエルの核機密報道で知られる英国人記者ピーター・ホーナム氏を逮捕していたイスラエルの国内治安機関シャバクは27日夜、同氏を釈放した。治安当局は逮捕理由を明らかにしていないが、機密漏えいによる服役を終えたばかりの元原子力研究所技師、モルデハイ・バヌヌ氏側と接触した疑いがかけられていた模様。確たる証拠が見つからなかったことから、イスラエルへの批判が高まりそうだ。
ホーナム氏は釈放後、報道陣に対し、26日夜に逮捕された後、治安当局から容疑を伝えられず、弁護士との接見も禁じられたまま長時間の取り調べを受け、汚物にまみれた独房で一夜を過ごしたと説明、「民主主義を自ら標ぼうしているこの国の価値基準を尋ねたい」と怒りをあらわにした。
ホーナム氏はバヌヌ氏の内部告発をもとに、86年に英サンデー・タイムズ紙でイスラエルの核機密をスクープした。(毎日新聞 2004/05/28)航空客の情報提供で調印 EUと米国、テロ防止
【ブリュッセル28日共同】欧州連合(EU)と米国は28日、テロ防止の目的で、EU域内から米国に向かう航空旅客の個人情報をEU側が米国に提供する協定に調印した。欧州委員会が同日、明らかにした。
提供する情報は、乗客の名前や住所、旅券やクレジットカードの番号など34項目で、情報は3年半保存される。航空会社は個人情報提供に同意しない乗客には発券を拒否できる。
両者は昨年12月に基本合意したが、欧州議会はEUのプライバシー法に違反するとして反対決議を採択。欧州司法裁判所に提訴する動きを見せたため、合意内容をめぐり調整していた 米国は協力しない航空会社に対し、高額の罰金や着陸拒否の制裁を通告。このため、実際には多くの航空会社が既に旅客情報を提供している。(共同通信 2004/05/29)グアンタナモの部隊関与 イラク人虐待で
【ニューヨーク29日共同】米兵によるイラク人虐待事件で、キューバのグアンタナモ米軍基地の尋問チームがイラクへ派遣され、収容者を取り調べる情報将校の訓練などで重要な役割を果たしていたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が28日、複数の米国防総省当局者の話として報じた。
米国は同基地に収容しているテロ組織アルカイダのメンバーらには、戦争捕虜の人道的扱いを規定するジュネーブ条約は適用されないと主張している。
同基地での過酷な尋問手法がそのままイラクに持ち込まれた可能性が高く、米軍の組織的責任がさらに問われそうだ。(共同通信 2004/05/29)「米軍が父を殺した」 拘束中のイラク人著名科学者の不可解な死
2003年4月のバグダッド陥落後、駐留米軍に逮捕されたイラクの著名科学者が、ことし1月、拘束中に不可解な死を遂げた。遺体安置所で死体袋を開いた遺族は、裸体の状態で、頭を鈍器で殴打された科学者の変わり果てた姿に面会した。米軍の死亡証明書は「自然死」だった。しかし、イラク人医師による検死解剖の結果、頭蓋骨内に大量の出血が認められた。密室状態の拘束下で、一体何が起きたのか。遺族の妻や子供たちは「米軍が彼を殺した」と非難している。(ロサンゼルス=戸田邦信)...(日刊ベリタ 2004/05/29)サミットで大中東構想、討議 米主導に警戒感 エジプト、サウジは招請拒否
【ワシントン=樫山幸夫】来月8日から米ジョージア州シーアイランドで開かれる主要国首脳会議(サミット)に中東地域6カ国首脳が招かれ、米国が掲げる「大中東構想」を主要議題として討議することが27日、正式に決まった。米主導の構想を前にエジプト、サウジアラビアなど中東の主要国は、サミットへの出席を見送るなど、構想は出足から波乱含みだ。
中東からサミットに出席するのはアフガニスタン、アルジェリア、バーレーン、ヨルダン、イエメン、トルコの各国首脳。
米国務省のラーソン次官は27日、サミットでは、中東地域での経済、教育改革、民主化促進−などをテーマに(1)中小企業に対する融資のありかた (2)学校教育の改善(3)女性の地位向上(4)言論の自由の促進−などが具体的に協議される見通しだと指摘した。
サミット終了後、そこでの議論をもとに各国がそれぞれ改革に着手。主要国からの支援継続を目的に定期的な協議の場を設置することも検討されている。
こうした米国の強い意欲をよそに、エジプト、サウジアラビアなど中東の主要国は出席見送りを決めた。ラーソン次官は、サミット会場となるシーアイランドの要人受け入れ能力に限界があったためと説明しているが、米メディアなどは、これら各国が、米国の招請を拒否したと伝えている。改革案の米国主導色に加え、「中東」の概念にアフガニスタンなどを加えることへの反発と伝えられる。
パウエル国務長官は28日の記者会見で、「中東の改革は中東の人々が決めることで米国の方針を押し付けるつもりはない」と説明。ラーソン次官も「大中東」という言葉にもこだわらない姿勢を強調したが、“イラク後”の中東政策の柱になるべき構想をめぐって、冒頭から中東各国とのあつれきが生じたことで、米政府内には失望感が広がっている。
「大中東構想」は、イラク戦争終結を受け、米国が打ち出した。主要国や北大西洋条約機構(NATO)と協力し、中東の恒久和平実現と安定促進をめざすのが目的だ。(産経新聞 2004/05/29)「華氏911」全世界公開へ
第57回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を獲得したドキュメンタリー映画「華氏911」(監督マイケル・ムーア)が、地元の米国で公開されることが決まった。28日(日本時間29日)、ウォルト・ディズニーが、ブッシュ政権を批判する内容を問題視し、圧力をかけ配給を拒否させていた傘下の映画会社に諸権利を売却したと発表。これで全世界で上映される見通しとなった。
ドキュメンタリー映画として初めてカンヌを制した「華氏911」。その作品的評価に、米娯楽大手のディズニーがついに折れた!?
01年の米中枢同時テロ後、イラクへの軍事介入などブッシュ大統領の政策を、ニュース映像などを使ってユーモアたっぷりに批判する内容。ホワイトハウスの前で、議員に「息子を戦争に行かせないか?」と突撃取材を試みるなど、今月17日にお披露目されたカンヌでは21分にもわたるスタンディング・オベーションで迎えられた。
当初は、ミラマックスが製作し、配給する予定だったが、今月に入ってディズニーが政治的影響を懸念して配給拒否を指示。自国での公開が決まらないまま映画祭に参加したムーア監督も、授賞式(22日)で「全世界で公開されても、唯一上映されない国があるかもしれない」とジョーク交じりに米国内の動きを揶揄(やゆ)していた。
しかし、ミラマックスの創業者であるワインスタイン兄弟が、米国での配給交渉を進めていることも明かし、このほど合意に至った形。共同電によると、発表はワインスタイン兄弟が個人的に作品の権利を買い取り配給する。具体的な買い取り額や上映時期は未定だ。
日本では既にギャガ・コミュニケーションズが配給権を獲得しており、今夏に東京・恵比寿ガーデンシネマで公開される予定。パルムドール受賞により、全国の劇場からもオファーが殺到し、同劇場を中心とした拡大公開への調整が進められている。
「受賞によって米国人が見られることも確実になった。(配給が)決まらなかったら驚きだよ」とも話していたムーア監督。政治性をめぐり紛糾した配給問題が解決し、ホッとひと息といったところだろう。(スポーツニッポン 2004/05/29)暴行受けた女性多くが自殺 イラクで釈放後、仏日曜紙
【パリ30日共同】フランス日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュは30日、イラクの旧アブグレイブ刑務所などで米国人看守らに性的虐待を受けた多くの女性収容者が、釈放後に自殺したり家族に殺されたりした、と報じた。
イラクの民間団体「占領軍監視センター」のイマン・カマス所長が集めた家族らの証言によると、ある女性は米兵がいる場でイラク警察官に度々レイプされ、別の女性は独房の夫の目の前で米国人看守にレイプされ、釈放後に自殺した。
スンニ派の3人の農民の女性は妊娠して釈放された後、家族に殺されたという。
同センターによると、イラク全土で約4万人にのぼったイラク人収容者のうち約80人が女性で、収容中の夫から証言を引き出すなどの目的で収容されている。
カマス所長は「レイプされた女性は『家族の恥』とされ、証言を集めるのが難しい」と話している。(共同通信 2004/05/30)米国防長官「対テロ戦争は始まったばかり」
【ワシントン29日共同】ラムズフェルド米国防長官は29日、「テロの脅威に屈せず、恐怖によって孤立しないよう友好国や同盟国を励ますことが(イラクへの主権移譲の)成功を左右する」と述べ、国際社会が結束してイラク民主化を推進することが重要との認識を示した。
米陸軍士官学校(ウェストポイント)卒業式での講演で語った。
長官は米国の対テロ戦争は「終わりに近づいているというより、むしろ始まったばかり」と強調。「イラク国民の自治回復に向けた軌道を脱線させようと敵は試みており、われわれの決意が問われている」と語った。(日本経済新聞 2004/05/30)レバノン侵攻などが背景 核開発暴露の技師会見
【ロンドン30日AP=共同】イスラエルの核開発を英紙に暴露、国家反逆罪などで収監され、4月に出所したイスラエル人技師、モルデハイ・バヌヌ氏は30日放映の英BBC放送との会見で、暴露を決断した背景にイスラエルのレバノン侵攻やチェルノブイリ原発事故などがあったことを明らかにした。
1982年のレバノン侵攻についてバヌヌ氏は「戦争ではなく、パレスチナ人とレバノンに対する急襲だった」として、イスラエルのこうした行為が秘密核開発を世界に伝える動機になったと説明。
また、86年4月のチェルノブイリ原発事故の放射能汚染に対する恐怖にも影響を受けたとも述べた。
バヌヌ氏は反逆者と非難されたことに「強い失望と怒りを覚える」と述べる一方、「(暴露したという)自らの行為を後悔していない」と言明した。(共同通信 2004/05/31)
米ミサイル防衛配備中止を 効果立証ないと科学者団体
【ワシントン31日共同】米国の第一線の科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟」(UCS)はこのほど、北朝鮮などの弾道ミサイルを想定し、米政府が年内に実戦配備を予定しているミサイル防衛システムに関し、効果が立証されていないとして配備中止を求める報告書をまとめた。
会計検査院(GAO)も最近、同システムの効果に懐疑的な報告書を出しており、実戦配備を急ぐ米政府への風当たりが強まりそうだ。
UCSの報告書は「弾道ミサイルを迎撃ミサイルで撃ち落とす過去の実験では、実際の攻撃に関連するデータが得られたとはいえない」と指摘。迎撃が容易な条件下での実験しか実施していないことに懸念を示した。
特に迎撃を回避するためのおとりへの対策ができておらず、北朝鮮のような国でも原始的なおとりを使うことは十分可能と警告している。(共同通信 2004/05/31)ブッシュ大統領、フセイン氏の銃を所有 来客に見せ
ワシントン──ブッシュ米大統領が、昨年12月にイラクでフセイン元大統領が拘束された際に持っていた短銃を、ホワイトハウスで陳列し、来客に見せていたことが明らかになった。米タイム誌が報じ、ホワイトハウス報道官が30日、これを確認した。
タイム誌によると、バグダッド北のティクリートでサダム・フセイン氏を拘束した米軍部隊が、押収した短銃を台座に乗せ、大統領に進呈した。
ホワイトハウスで大統領に短銃を見せられた人の話として同誌が伝えたところ、サダム・フセイン氏の銃は大統領執務室に続く小部屋に、ほかの様々な記念品や小物とともに陳列されていた。この小部屋は、クリントン前大統領が実習生モニカ・ルインスキーさんと逢い引きした場所としても知られる。
タイム誌によると、ブッシュ大統領は短銃をごく一部の来客にだけ見せ、フセイン氏が持っていた当時も今も弾はこめられていないなどと説明した。
「すごく嬉しそうに見せびらかしていた。とても自慢気だった」と、銃を見せられた客はタイム誌に話している。
ホワイトハウスのモレル報道官は、「大統領は米軍部隊の勇気と行動を誇らしく思っており、(フセイン氏)拘束作戦に参加した部隊から記念として送られたことを名誉に思っていた」と話した。 (CNN 2004/05/31)米兵イラク人虐待:理由なく数百人を拘束 釈放勧告も無視──米陸軍報告書
◇アブグレイブ刑務所へ
【ワシントン和田浩明】30日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、数百人のイラク人が、駐留米軍に治安上の脅威を与えるとの十分な証拠もないまま、バグダッドのアブグレイブ刑務所に長期間拘束されていたと指摘する米陸軍の内部報告書を入手したと報じた。一部の収容者は、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に違反する形で拘束が続いたという。
米軍関係者が同紙に語ったところでは、同刑務所担当の憲兵部隊が釈放を勧告しても軍情報部幹部が反対するケースが多かったという。報告書は昨年11月5日付で、イラク駐留米軍の拘束施設の現状をドナルド・ライダー陸軍憲兵部長がまとめイラク駐留米軍のサンチェス司令官に提出した。
報告書は、反米蜂起の鎮圧作戦での拘束者の増加で、「拘束の半年ごとの見直し」とのジュネーブ条約などの規定順守が困難になっていると指摘。釈放の可否の判断主体を、イラク駐留米軍将官で構成する評価委員会から、国防次官補レベルに引き上げるよう勧告しているという。
駐留米軍のキミット准将は「収容者は何らかの治安上の脅威があったからアブグレイブに拘束された」と主張している。(毎日新聞 2004/05/31)米副大統領:ハリバートン社のイラク石油事業受注に関与
【ワシントン和田浩明】30日付の米誌タイム(電子版)は、イラクの石油関連事業を米エネルギー大手のハリバートン社が受注するにあたり、同社の最高経営責任者(CEO)だったチェイニー副大統領の事務所が関与していた疑いを示す電子メールを入手したと報じた。
メールは03年3月5日付で、米陸軍工兵隊の担当者名のもの。それによると、副大統領の事務所が、数十億ドル単位のイラク石油施設復興事業のハリバートンへの発注を「調整」したという。
メールは、ダグラス・ファイス国防次官が「翌日にホワイトハウス(米大統領官邸)に報告することを条件に」発注を承認したと指摘。「副大統領の事務所が調整しており、問題は予想していない」と述べている。陸軍工兵隊はこの3日後、ハリバートンに同契約を発注したが、入札社は他にいなかった。ファイス次官は同復興事業を実施する権限をウルフォウィッツ国防副長官から与えられたという。
副大統領の報道官がタイム誌に語ったところでは、チェイニー氏は(前回大統領選が行われた)00年以降、「ハリバートンが関与するいかなる政府契約にも関わっていない」という。同氏自身も米テレビなどで関与疑惑について全面否定してきた。国防総省報道官は問題のメールについて「発注について論議が予想されたので、副大統領に事前に連絡するのが趣旨」と説明しているという。
チェイニー副大統領は00年の大統領選直前までハリバートンのCEOを務めた。イラク戦争では、同社グループが石油関連施設の復興・保守や米軍への燃料・食料供給などで巨額の契約を受注。ガソリン代金を過剰請求したとの批判が民主党議員らから上がっていた。(毎日新聞 2004/05/31)
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