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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第47楽章:2004年5月]
イラク人死者1361人 4月、治安悪化浮き彫り
【バグダッド1日共同】イラクで4月に戦闘行為に関連して死亡したイラク人は、AP通信の集計で1361人で、同月の米兵死者138人のほぼ10倍に上ることが1日、分かった。
米兵の4月の死者数はイラク戦争後、月間で最多だったが、市民や警官、武装勢力を含むイラク人の死者数はほぼ10倍にも達した。1日はブッシュ米大統領がイラク戦争の大規模戦闘終結を宣言してからちょうど1年だが、治安状況の悪化が一段と浮き彫りになった。
米軍と武装勢力の戦闘が激しかった中部ファルージャで、地元病院は731人のイラク人が死亡したとしており、APはこの数字を集計に含めた。イラク保健省は4月22日の時点でファルージャでの死者を271人としている。(共同通信 2004/05/01)全裸ピラミッドや“処刑” 生々しい虐待写真、米CBS
【ワシントン30日共同】米CBSテレビが28日に放映した拘束イラク人の写真は、全裸で人間ピラミッドを作らせたり、処刑のまねをするなど、米兵による虐待の様子が生々しく撮影されていた。
写真は全部で7枚ほど。1枚の写真は、服を着たイラク人がずきんをかぶり、箱の上に乗って両手に電気コードのようなものが付けられていた。箱から落ちたら感電死するという設定で、処刑のまねとみられる。
全裸で並んだ4人のイラク人の前で、女性兵士がくわえたばこで両手を拳銃のような格好にして性器の部分を指している写真も。さらに4、5人を全裸にしてピラミッドのように組ませ、その背後で男女の米兵がポーズを取っている1枚も。
米兵らがイラク人と一緒に写っているものが何枚もあり、記念写真気分でふざけていた様子が伝わってくる。(共同通信 2004/05/01)ref. Photos of Iraqis Being Abused by US Personnel(Memory Hole) ref. SHAME OF ABUSE BY BRIT TROOPS(Daily Mirror 2004/05/01) アラブ社会に怒り広がる 米兵のイラク人虐待写真で
【バグダッド1日共同】米テレビが放映した、イラク駐留米軍兵士が拘束したイラク人を全裸にするなど虐待している写真について、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラなどアラブのメディアが4月30日に繰り返し放映、イラクを含むアラブ諸国全体で米軍に対する怒りが広がっている。
人前での肌の露出を極端に嫌うイスラム社会で、全裸にされることは想像を絶するほどの侮辱。イラク人の間でも反発が高まる気配で、ただですら反米運動にてこずる駐留米軍にとって深刻な打撃となる可能性もある。
写真はバグダッドの旧アブグレイブ刑務所の拘置施設で昨年撮影されたものとされ、米兵が複数のイラク人男性を全裸にして立たせ、笑いものにしているというもの。米CBSテレビは4月28日、ニュース番組で放映した。(共同通信 2004/05/01)米ABC放送:イラクの戦死米軍将兵721人の名前を朗読
【ワシントン和田浩明】ブッシュ大統領が昨年5月にイラクでの大規模戦闘終結を宣言して1年を目前にした30日、米ABCテレビの人気キャスター、テッド・コッペル氏はニュース番組「ナイトライン」で、昨年3月の開戦後イラクで死亡した米軍将兵のうち身元の判明している721人全員の名前を読み上げ、入手できた顔写真と階級、年齢も放送した。
これに対し、大手テレビ網を運営する「シンクレア・ブロードキャスティング・グループ」は「イラクでの米国の活動を阻害する政治的な意図に基づいている」として、傘下62局中ABC系8局での放映を拒否。ベトナムで戦争捕虜として長年拘束された経験を持つマケイン上院議員(アリゾナ州選出、共和党)が「戦争の恐るべき損失を理解する機会を視聴者から奪う行為」と非難する書簡をシンクレア社に送付、全米の新聞が番組を巡る論争を記事や社説で取り上げるなど、大きな波紋を広げている。
番組は、「ザ・フォーレン(戦死者たち)」のタイトルで、通常30分の時間枠を10分間延長。すべての名前を読み終えたコッペル氏は、最後に「反戦も戦争支持も意図していない」と主張、「戦争以外に選択肢がない場合がある」とも述べた。
そのうえで、自らが反対するのは「わずかな犠牲で戦争を行えるとの幻想と、戦時中は指導者の政策を批判できないとの考えだ」と述べた。
米メディアはイラクで死亡した米兵の名前や顔写真を定期的に放送・掲載している。30日付ワシントン・ポスト紙は、3ページを割いて3月13日以降の死亡者のうち入手できた顔写真を掲載、USAトゥデー紙は、大規模戦闘終了後最も多かった4月の死亡者の写真を1面トップ記事で扱った。
国防総省によると、イラクでの米軍関係者の犠牲は、昨年3月19日の開戦後、4月30日午前10時の時点で、戦死が532人、事故死などが202人の計734人。負傷者は3864人。(毎日新聞 2004/05/01)イラク:米英軍の虐待 イラク市民の反米感情あおる
【バグダッド杉尾直哉】バグダッドの刑務所に収容されているイラク人が米軍関係者に虐待された問題は1日、イラクのテレビや新聞で報じられた。裸で虐待を受けるイラク人の写真がもたらした衝撃は大きく、市民の間で既に広まっている米国への不信・嫌悪感に火をつける結果となった。
バグダッドでは、アルジャジーラなど衛星テレビや、地上波テレビ局アルイラキヤを通じ、電線につながれたイラク人の写真などが放送された。
バグダッド北東部で商店を営むセッタさん(29)は「テレビで恥ずかしい格好をさせられた人の写真を見て、米軍の目的はイラク解放ではなく占領だったとはっきり分かった。米軍は完全に信用を落とした」と話した。
近くに住むアフメドさん(40)は「(イスラム教)スンニ派、シーア派、クルド人ら宗教・民族にかかわらず、あらゆるイラク人はあんな侮辱には耐えられない」と話した。アフメドさんの子供3人は、米英軍の占領以降、学校接収や道路封鎖で通学できない状態が続いている。米軍の包囲作戦が続いた中部ファルージャに住む親類宅3軒も米軍の攻撃で粉々に破壊されたという。アフメドさんは「米軍が行ってきたことすべてが侮辱だ。米国によるイラク復興など幻だ」と話した。(毎日新聞 2004/05/01)イラク人虐待非難、各地で相次ぐ=「戦争犯罪」とイスラム聖職者協
イラクの首都バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所で拘置中のイラク人を駐留米軍の兵士らが虐待していた問題について、同国を含むアラブ諸国や欧州連合(EU)からは1日、相次いで非難の声が上がった。AFP通信などが伝えた。
イラクでは、イスラム教スンニ派最高指導部「イラク・イスラム聖職者協会」が、虐待を「野蛮で非人道的行為だ。戦争犯罪とみなす」と糾弾する声明を発表。さらに「こうした行為はアブグレイブ刑務所に限られたものではない」として、国際人権団体などによる独立調査を要求した。(時事通信 2004/05/02)イラク囚人拷問の写真 アラブ諸国が激怒
(CNN)イラク駐留米英軍の兵士らがイラク人の囚人を全裸にして拷問し、性的に辱めている様子を映したものとされる写真が、米英のマスコミによって公開されたのを受け、アラブ諸国の市民やマスコミは一斉に、怒りの声を挙げている。
米兵による拷問行為の写真は、米CBSが28日夜に放送した。また英兵によるものとされる写真は、英大衆紙デイリー・ミラーが1日に掲載。これを受けて、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラやアラブ首長国連邦(UAE)のアルアラビアをはじめ、各国の新聞が30日までに一斉にこれを報道した。
イラク国内では、アルジャジーラなどのテレビ放送は受信することができるが、国内の新聞各紙は、暫定占領当局(CPA)に批判的な新聞も含めて、国民感情への懸念などから、一様に写真掲載を控えている。
アルジャジーラのアフメド・アルシェイク編成局長は、英PA通信に対し、「バスラ駐留の英国軍はこれまで、ヘルメットや防弾装備なしで市内をパトロールできると自慢していたが、この写真がイラク国民の目に触れたら、状況は変わるはずだ。この写真はイラク人だけでなく、世界中のアラブ人を辱めるものだ」と批判した。
エジプトの保守系新聞アハバル・エルヨムは、全裸で頭に袋をかぶせられた囚人の写真に「スキャンダル」と見出しをつけて掲載。野党系新聞アルワフドも、「恥」と見出しを付けて写真を載せた。
アラブ同盟(本部・カイロ)のザキ報道官はロイター通信に対し、昨年12月にアラブ同盟がイラクで現地調査をした後、米軍など駐留連合軍に繰り返し、こうした虐待・拷問が日常化していると警告し続けてきたと指摘。「このような写真を目にして、言葉に出来ないほどの嫌悪を覚える。実に皮肉なことだ。サダム・フセインは決して、自由の旗印を掲げたりしなかった。彼は独裁者で抑圧者だった。その下でこうした残虐行為が行われるのは、予想できることだった。しかし、自由と民主主義をもたらし、米国の価値観を世界に普及するためにやってきたとかいう米兵たちが、こうした恥ずべき言語道断な行為を広めているとは。あまりに皮肉すぎて気分が悪くなるほどだ」とザキ報道官は厳しく非難した。
カイロ市内のカフェで、新聞報道を読んでいた男性はAP通信に対し、「米国はこれでよく、自分たちが民主主義と自由と人権の国だなどと言えたものだ」と批判。
イラクでは、統治評議会メンバーで元判事のダラ・ノール・アルディン氏が「フセイン政権による囚人虐待を批判してきたと同じように、今回の悲劇も決して受け入れることはできない」と非難。バグダッドの大学生(24)は「米国人はこうやって囚人を扱うのか。彼らは、自由と民主主義を大事にしているとか言うが、それは自分の国の中だけのことだ」と強く反発した。
また交通整理の警官はロイター通信に対し、「あの写真を目にした時の気持ちは、とても言葉にならない。吐き気がした。占領軍の残虐性が証明されたわけだ。連中とサダムのどこが違う? サダムが始めたことを、連中が仕上げているだけだ」と非難した。(CNN 2004/05/02)イラク人虐待、「CIAが奨励」の報告書 米誌報道
イラク人虐待問題をめぐり、米軍が2月下旬に調査報告書をまとめていたと米週刊誌ニューヨーカーが2日、電子版で報じた。53ページの報告書を入手したとしている。軍の情報担当者や米中央情報局(CIA)が情報を聞き出すため、兵士らに虐待を奨励していたという。
同誌によると、イラクのアブグレイブ刑務所で内部告発があり、軍の犯罪調査部門がイラク駐留米軍のサンチェス司令官の承認を受けて調査した。憲兵部隊6人が虐待などの容疑で審問を受けている。
報告書によると、「サディスト的で露骨、不当な犯罪的虐待」が昨年10〜12月に集中的に行われた。「裸にして冷水を浴びせた」「ほうきの柄やいすで殴打した」「軍用犬をけしかけて脅した」「化学物質入りの液体を浴びせた」「性的暴行」などと暴行の例を挙げている。
さらに報告書は、軍の情報担当者やCIA関係者らが兵士らに「尋問にふさわしいように(イラク人の)体力や精神状態を整えるよう積極的に要請した」と断定。虐待の現場に立ち会ったり、兵士らに「よくやった。すぐに口を割って何でも話している」などと声をかけたりしていたとの目撃証言に基づき、情報部隊幹部ら4人について「虐待に直接的、間接的な責任がある疑い」を指摘している。
報告書は、同刑務所に入っているイラク民間人の60%以上が「社会に対する脅威ではないと見られる」と述べ、無実のイラク人が強制収容されていると批判した。
ニューヨーカー誌によると、虐待の容疑者の米兵の1人は、家族らにあてた手紙や電子メールで「軍の情報担当者から、劣悪な独房にイラク人を裸で押し込めろと指示された」と述べている。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは、1月まで同刑務所の責任者だったカーピンスキー予備役准将に電話取材。准将は「虐待が行われた場所は軍情報当局の厳格な管理下にあった」とし、「軍は私や予備役の兵士に責任を押しつけようとしている」と強く反発したと報じている。(朝日新聞 2004/05/02)ref. TORTURE AT ABU GHRAIB(New Yorker 2004/04/30) 米兵イラク人虐待:米軍が部下に責任転嫁
准将が不満「私たちは使い捨て」 米紙報道
【ニューヨーク支局】1日の米紙ニューヨーク・タイムス(電子版)によると、バグダッドのアブガリブ刑務所でイラク人を米兵が虐待していた問題で、軍内部での事件発覚後に刑務所長を解任されたジャニス・カルピンスキ准将は同紙に対し、「私たちは使い捨てだ」と言明。予備役軍人である准将自身や部下の兵士たちに、軍上層部が責任を押し付けようとしているという不満をあらわにした。
准将は、イラク人に対する虐待行為について何も知らなかったと話して、自身の関与を否定。今年1月に初めて写真を見た時には「嫌悪感を覚えた」と話した。
虐待が行われたのは20余りある独房のうち「1A」という部屋。准将は、虐待行為に参加した部下の予備役兵士を弁護するつもりはないと繰り返し ながらも、この独房は陸軍情報機関の管理下にあり、米中央情報局(CIA)の職員が四六時中出入りしていたと指摘した。
そのうえで、自分たちが責任を取らされようとしているのは、イラクで今も活動している情報機関職員を守るためだと主張。准将の弁護士も、准将はスケープゴート(身代わり)にされたという見方を同紙に示した。
准将はすでに帰国しており、サウスカロライナ州の自宅で同紙の電話インタビューに応じた。(毎日新聞 2004/05/02)イラク人への虐待は軍情報機関の指示か 内部報告書も明るみに
【東京2日=齊藤力二朗】イラクの米軍当局者は1日、軍高官がアブグレイブの拘置所で起きたイラク人拘束者への虐待問題で、尋問の際に行き過ぎた行為がなかったかなどを調査していると語った。同当局者によると、拘置所の部隊を統括していたカーピンスキー准将と、6人の兵士がこの問題で拘置所での職務からはずされたと述べた。
報道を総合すると、同准将は、拘置所でのイラク人への尋問は、自分の部隊とは別個の軍諜報機関が行い、部隊の兵士たちは、諜報機関員から、虐待を行うよう命じられたと話した。米中央情報局(CIA)でも、この虐待問題を調べている。
米ワシントン・ポスト紙によると、キューバのグアンタナモ基地から尋問にたけた担当官がイラクに赴任した後から、急に自白を得る率が高くなったという。
一方、英ガーディアン紙は1日、「アブグレイブでのイラク人拘束者に対する扱いは、これまでに言われてきた以上に酷いものらしい。また、軍情報機関からの指令があったようだ」と報じた。
虐待に加わった兵士のひとり、フレデリック軍曹は1月に家族に宛てた手紙で「拘束者から供述を引き出すために、時には死に至るまで、ぎりぎりのところまで圧力を加えた。死体は医者が来るまでの24時間氷付けにされ、カモフラージュするために両腕に血清が差し込まれ、担架で運ばれた」と伝えている。
「このような行為の指令は、軍情報機関から出されているようだ。拘置所で見たこのような行為に関して(上官に)質問をしたところ、回答は、軍情報機関がそのように望んでいるのだというものだった。また、軍情報機関のある将校は、私と同僚たちが拘束者に対して行った“立派な仕事”を祝ってくれた」と書いている。
米ニューヨーカー誌は、米軍が2月に作成した秘密内部報告書を入手。これを基に、この拘置施設には、1人の軍事情報将校と、複数の言語学者が働いていると伝えた。報告書には「兵士たちは、ほうきや椅子で拘束者たちを殴りつけた。また冷水や燐系の液体を浴びせた」などと書かれてあった。(日刊ベリタ 2004/05/02)テロ資金をマネーロンダリング 米老舗のリグズ銀に疑惑
【ワシントン=気仙英郎】歴代大統領が口座を開設し多くの大使館と取引関係がある米国の老舗銀行、リグズ銀行(本店・ワシントン)が、テロ資金のマネーロンダリング(資金洗浄)を隠蔽(いんぺい)した疑いで揺れている。ワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルなど複数の米紙は30日、米銀行監督当局が2500万ドル(約27億円)を超える罰金を科す可能性があると報じており、同族経営の同行の事実上のトップとその妻、頭取らが辞任する意向を表明する事態に発展している。
同行の取引については、米通貨監督局(OCC)や米連邦準備制度理事会(FRB)、米連邦捜査局(FBI)、それに連邦大陪審などが問題にしている。ポスト紙などによれば、同行は、サウジアラビア大使館と赤道ギニア大使館の大使館員の複数の口座を対象に特別に高い利息を支払った上、マネーロンダリングとみられる取引を隠蔽し、銀行監督当局に報告していなかった疑いが持たれている。この中には、サウジアラビアのバンダル駐米大使の個人口座も含まれており、サウジから入金された資金を同行で複雑な出入金操作をした上で欧州の銀行に送金するなどの取引があったという。
OCCやFBIは、2001年の米中枢同時テロ以降、テロ組織の資金源を断つ目的で、銀行取引の調査を行ってきている。同行のマネーロンダリングの疑いはその調査の過程で浮上したもので、特に、大使の妻が同行の口座を通して行った福祉事業への寄付金の一部が同時テロの犯人らの資金に回った疑いが持たれており、FBIは、同行の数千万ドル相当の取引を問題視しているという。OCCやFBIの捜査を受け、同行は29日、第1・4半期(1−3月)の決算報告書で、捜査を受けていることを認めた上、事実上の経営者で同行の持ち株会社のオールブリトン副会長とその妻ら3人の役員が辞任する意向を表明。さらに、大半の海外業務を9月までに停止するなどのリストラ策を明らかにした。同行は、1836年創業の老舗銀行で、総資産は64億ドル(約7000億円)。サウジアラビア大使館とは20年来の取引があるほか在ワシントンの各国大使館を顧客にした銀行取引で業績を拡大してきた経緯があり、預金総額の約4分の1は各国大使館名義といわれている。(産経新聞 2004/05/02)ガザ撤退案を大差で否決=シャロン首相に身内が反旗−イスラエル
【エルサレム3日時事】イスラエルのシャロン首相率いる右派与党リクードが2日実施したガザ撤退案をめぐる党員投票は、開票の結果、反対票が約6割に上り、同案は大差で否決された。投票結果に法的拘束力はないが、同首相のパレスチナ分離策に身内が反対したことで、政局が混迷する可能性が出てきた。
最終結果は反対59.5%、賛成39.7%。シャロン首相は「簡単な任務ではないが、実施に移すつもりだ」と述べ、辞任の考えがないと強調するとともに、計画実現への決意を表明した。首相は、閣僚や連立与党幹部と善後策を協議する。(時事通信 2004/05/03)イスラエル情報機関、ハマス新指導者の暗殺に失敗?
イランの英字紙テヘラン・タイムズは3日、地元通信社電として、イスラエルの情報機関モサドがイスラム過激派ハマスの新指導者ハリド・メシャール氏の暗殺を試みたものの失敗したと報じた。信頼できる筋の情報としているが、真偽は不明。
報道によると、モサドから指令を受けた5人のイエメン国籍のユダヤ人が、イスラエル軍の攻撃で4月に殺害されたハマスの最高指導者ランティシ氏の追悼集会に参加するためヨルダン経由でシリアに入国。イスラム教徒を装い、首都ダマスカスのハマスの拠点でメシャール氏らと面会をしようとしたところを同氏の護衛に見破られて拘束され、シリアの治安当局に引き渡されたという。(朝日新聞 2004/05/03)尋問中の殺害疑惑も浮上 米軍のイラク人虐待問題
駐留米軍によるイラク人虐待問題で、米軍の内部報告書の存在を報じた米誌ニューヨーカーのハーシュ記者は2日、CNNテレビに出演し、尋問中にイラク人男性が死亡し、遺体がひそかに遺棄された疑いがあると指摘した。同誌電子版には同日、氷詰めにされた男性の遺体写真が掲載された。
ハーシュ記者はこのイラク人男性は事実上、米軍に殺害された疑いがあることを指摘したうえで、「男性は担架に乗せられ、点滴しているように偽装して救急車に乗せられた。そして、拘束されていた施設の外に運んでどこかに遺棄された」と述べた。この男性は「囚人」としての登録を受けていなかったという。
虐待の理由について同記者は「軍情報部の指示で、尋問前にその人間の神経を衰弱させるためのものだった」と指摘し、軍や米中央情報局(CIA)などから指示されたと断言した。「囚人」らは、検問所や一般住宅から無差別に選ばれた人間で、アブグレイブ刑務所に収容されている人の同報告書では約60%を占める。事件やテロ活動とは全く無縁だったという。
一方、マイヤーズ米統合参謀本部議長は2日、ABCテレビに出演し、イラク人虐待問題で「組織的な虐待の証拠はない」と述べた。「関係者を裁判にかける」と述べ、直接関与したとされる6人を訴追する考えを示したが、軍高官の責任問題には言及しなかった。軍の調査報告書については「見ていない。報告書が正確なものであるかについてはコメントできない」と述べた。(朝日新聞 2004/05/03)イラク:新国旗「イスラエルに似ている」、一部修正も──統治評議会
【カイロ小倉孝保】イラク統治評議会が承認した新国旗に対し、反対の声が相次いでいる。「イスラエル国旗に似ている」として一部修正が加えられたほか、同評議会有力メンバーのアドナン・パチャチ氏は2日、「新国旗はまったく気に入らない」と語った。皮肉にも国旗が新生イラク建設の難しさを象徴するものとなっている。
パチャチ氏は2日、アブダビ・テレビに対し「三日月は(青でなく)アラブを象徴する緑にすべきだし、青線は赤にすべきだ」と細かい注文を付けた。
新国旗は先月26日に米英占領当局によって発表され統治評議会も承認した。しかしその後、イスラエル国旗に似ているとの批判が出たため、三日月と2本の青線をより濃い青にするなど修正が加えられた。(毎日新聞 2004/05/03)イラク人虐待:奨励する米軍内部報告書が存在 米誌報道
【ワシントン和田浩明】バグダッドのアブガリブ刑務所のイラク人を米兵が虐待していた問題で、米陸軍情報機関や中央情報局(CIA)の担当者が尋問での情報入手を容易にするため虐待を奨励していたとする、イラク駐留米軍による内部報告書の存在が2日、明らかになった。米誌「ニューヨーカー」(電子版)が報じた。
報告書は、虐待事件に関連して軍情報機関幹部2人と、同刑務所で尋問を担当していた民間人1人を処分するよう勧告しているという。
同誌によると、虐待容疑で摘発された米兵らも、軍情報機関などからの依頼を受けたことを、家族への手紙や米軍の事情聴取で明かしている。
同誌が入手した報告書は53ページ。サンチェス駐留米軍司令官の指示で2月下旬に陸軍少将が内部調査を行ってまとめた。それによると、昨年10月から12月にかけ、「数々のサディスティックで露骨かつ野放図な犯罪的虐待」が、第372陸軍憲兵中隊の兵士によって行われた。具体的には▽化学薬品や冷水を浴びせたり、椅子で殴打する▽ほうきの柄で性的暴行を行う▽軍犬をけしかけて脅す──など。
報告書によると、陸軍情報機関の将校やCIAの担当者らが、尋問で情報を聞き出しやすくするため、イラク人拘束者の「身体的・心理的状態を設定する」よう、看守役の憲兵らに「積極的に依頼した」という。同誌によると、「状態を設定する」は隠語で、尋問対象者の意志をくじくことを意味している。
事件にかかわった女性兵士は陸軍犯罪調査局の事情聴取に対し、軍情報機関などの指示で、拘束者に口を割らせるよう虐待を行ったと宣誓供述した。摘発された男性兵士も「刑務所内の軍情報機関の担当エリアで、道徳的に問題のあるさまざまな行為が行われるのを見た」と証言。尋問がうまくいった場合、情報機関側は「よくやってくれた。いい情報がとれた」と感謝したという。
別の男性兵士は家族への手紙で、昨年11月にCIA担当者が行った激しい尋問でイラク人が死亡、「遺体は氷詰めにされ、医務兵が運び去った」と書いたと同誌は報じた。
刑務所の管理を担当していた憲兵部隊は、昨年10月に担当になるまでは交通整理などが任務だったといい、報告書は、収容者の取り扱いに関する適切な訓練を受けていなかったと指摘。虐待事件発覚後に刑務所長を解任されたジャニス・カルピンスキ准将も、今回初めて刑務所運営を担当したとされる。(毎日新聞 2004/05/03)イラク人虐待:電気で拷問、偽処刑で脅し 米紙報道
3日付の米紙ワシントン・ポストは、反米武装勢力メンバーとみなされ、米軍に拘束された際に電気を使った拷問や偽の処刑で脅されたとするイラク人の証言を報じた。
無職のアブドラ・アブドルラザックさん(19)は昨年9月、米軍攻撃に関与したとして拘束された。最初は米兵の尋問を受け、その後クウェート陸軍の軍服を着た兵士に電気を使った拷問を受けたという。手足を縛られて床に転がされ、数時間尋問を受けたこともあった。
タクシー運転手のサイフ・シャキルさん(26)は昨年7月、双子の兄弟アリさんと一緒に拘束され、イラク南部のウムカスルの収容所に移送された。シャキルさんは尋問の際に暴行を受けたほか、3回アリさんと一緒に砂漠に連れて行かれ、首まで砂に埋められた。
シャキルさんは「アリの姿が見えない時に銃声を聞いた。米兵らが来てアリが死亡したと言った。でも実際には死んでいなかった」と話し、米兵らが処刑を偽装しシャキルさんの動揺を誘った様子を振り返った。米兵が脅すためにわざと頭の近くで銃を発砲することもあったという。(ワシントン共同) (毎日新聞 2004/05/03)イラク人虐待に軍情報機関関与、准将が示唆
【ワシントン=寺田正臣】イラク駐留米軍兵士による拘束イラク人の虐待問題で、虐待があったとされるバグダッド郊外のアブグレイブ刑務所の責任者だった米軍准将が、2日付けの米有力紙に対して、軍情報機関の関与を新たに示唆した。
米軍は一連の指摘に対して内部調査を急いでいるが、虐待が組織的に行われたとの疑惑は払しょくできず、国際的波紋は拡大する様相だ。
マイヤーズ米統合参謀本部議長は2日、ABC、CBS、FOXの各テレビに相次いで出演し釈明に務めた。
マイヤーズ議長は、虐待が組織的だったのではないかとの疑惑に対してABCテレビで「組織的に行われたということはない。これはテロリストが収容されているキューバのグアンタナモ米軍基地内の刑務所でも同じことだ」と疑惑を明確に否定した。
だがマイヤーズ議長は、CBSテレビでは「組織的なものではなかったという確信はあるのか」との質問に「確信は持てない」と口ごもり、疑惑払しょくは出来なかった。
同議長はまた、米軍兵士に対して虐待をそそのかす圧力が情報機関からあったかどうかを調査中であることを明らかにした。調査はイラク、アフガニスタン両国の刑務所などの収容所が対象になるという。
一方、アブグレイブ刑務所の管理責任者だったジャニス・カルピンスキー准将はワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ両紙(2日付け)とのインタビューで、虐待があったとされる同刑務所の特別棟は、准将が指揮する予備役隊ではなく軍情報機関が直接管理していたことを明らかにした。
ワシントン・ポスト紙が伝えた同准将の証言によると、昨年、虐待が行われる1か月前にグアンタナモ米軍基地の捕虜収容施設から軍情報機関の将校の一団が同刑務所を訪れた。同准将はすでに懲戒処分となっている。
訪問の目的は「被拘束者から情報を得るために尋問者に対して新しいテクニックを教えること」であり、雰囲気として尋問を成功させるための大きな圧力がかかっていたという。またニューヨーク・タイムズ紙での証言によると、尋問には米中央情報局(CIA)職員もひんぱんに加わっていたという。(読売新聞 2004/05/03)米航空大手、顧客情報を当局に大量提供・米紙
【ニューヨーク3日共同】3日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、航空世界最大手アメリカン航空の持ち株会車AMRなど4社が、2001年9月の米中枢同時テロ以降、米連邦捜査局(FBI)の召喚に応じて大量の顧客情報を極秘に提供していたと報じた。専門家によると、これほどの規模の個人情報が当局に渡されたことが判明したのは初めて。
情報を提供したのはアメリカンをはじめユナイテッド航空、デルタ航空、ノースウエスト航空の4社。00年9月から01年9月の1年間に渡された個人情報は数百万件に上るとみられる。ノースウエストは、住所、電話番号、クレジットカードの番号などが含まれる可能性を認めた。
FBIがこれらの個人情報をほかの政府当局に知らせたかどうかは不明。(日本経済新聞 2004/05/03)イラクで米兵が暴行と訴え エジプト系カナダ人
【ポートランド(米オレゴン州)4日AP=共同】イラクで米軍に誤って拘束され、収容先で拷問を受けたとして、エジプト生まれのカナダ人男性(57)が米陸軍に35万ドル(約3800万円)を求める申し立てを米軍当局に起こしたことが4日、分かった。
弁護士らによると、米軍は昨年4月、人権団体の一員としてイラク入りしていたこの男性をフセイン元大統領の「側近」と誤認して拘束。イラク南部の収容施設に連行し、暴行を加えたという。
男性は、米兵が同じ収容施設にいたイラク人に「口にできないような仕打ちをしていた」と話している。(共同通信 2004/05/04)イラク紙編集主幹ら辞任 米メディア管理に抗議
【バグダッド4日共同】米国防総省の資金支援を受け昨年から発行しているイラク紙アッサバハの編集主幹がこのほど、政治的広告を掲載しないよう圧力をかけるなどした米側の編集介入に抗議、独立した新たな新聞を発行するため、編集スタッフほぼ全員とともに辞任した。
昨年4月のフセイン政権崩壊以降、米国防総省と契約した米企業がイラクの多くのメディアを事実上管理してきたが、スタッフの一斉退職という事態に発展したのは初めて。
3日のAP通信などによると、辞任した編集主幹はイスマイル・ザイル氏。3日付1面の社説で同氏は「われわれが被ってきた悪夢が終わることを祝う」「われわれは独立を求める」と表明した。一方、同紙を管理する米企業担当者は、新しいスタッフでアッサバハの発行を続けるとしている。(共同通信 2004/05/04)女性も裸、軍用犬で威嚇 米紙がイラク人虐待の詳細
【ロサンゼルス3日共同】駐留米軍によるイラク人虐待問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズは3日、同軍が女性を裸にしたり、軍用犬で威嚇するなど、精神的、肉体的に拘留者を執拗(しつよう)に虐げていた実態を軍の内部報告書を基に報じた。報告書は軍が今年2月にまとめたもので、米誌ニューヨーカー(インターネット版)が2日に存在を明らかにしたが、虐待の詳細に関する報道は初めて。イラクを含むアラブ社会の反米感情が一層悪化するのは必至だ。
同紙によると、バグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所内で昨年10−12月の間、米軍関係者らが拘留者の指や性器などに電線を取り付け、電気ショックを与えると脅したり、軍用犬を使って威嚇し、重傷を負わせていた事実が判明。
イラク国民の大半を占めるイスラム教徒は、伝統的に犬を不浄の動物とみなしている上、女性を含む多数の拘留者の裸やみだらな行為をビデオ撮影していたことも分かり、保守的なイスラム教徒の怒りに火を付ける内容となっている。■米軍内部報告書の要旨
【ロサンゼルス3日共同】米紙ロサンゼルス・タイムズが3日、イラク人虐待問題に関連して報じた米軍の内部報告書の要旨は次の通り。
一、軍警察の要員による拘留者虐待には、以下の行為が含まれていた。
一、男性と女性の裸をビデオと写真で撮影する。
一、卑猥(ひわい)な姿勢を取らせ、写真撮影する。
一、裸にし、数日間放置する。
一、殴打し、ける。素足に飛び乗る。
一、裸の男性に女性の下着着用を強制する。
一、軍用犬をけしかける。拘留者が重傷を負った例も。
一、男性のグループに自慰行為を強制し、写真撮影する。
一、男性の指やつま先、性器に電線を取り付け、電気ショックの脅しをかける。
一、裸の男性の足に、15歳の別の拘留者を強姦(ごうかん)したとの告白の落書きをする。
一、犬の首輪を着けた男性の前で女性米兵が写真撮影する。
一、男性憲兵が女性拘留者と性行為をする。
一、電球を壊し、電球内の有毒物リンを拘留者に振り掛ける。
一、拳銃で威嚇する。
一、いすやほうきで殴打する。
一、裸の拘留者に冷水を浴びせる。
一、(医師ではない)憲兵が壁に打ち付けられ負傷した拘留者の傷口を縫合する。
一、肛(こう)門に蛍光スティックやほうきを挿入する。(共同通信 2004/05/04)イラク人虐待:女性収容者を裸にしてビデオ撮影 米紙報道
【ロサンゼルス國枝すみれ】米紙ロサンゼルス・タイムズは3日、米軍の内部報告書を基に、昨年秋にバグダッド西方のアブガリブ刑務所内で起きた拘束イラク人に対する拷問・虐待の詳細を報じた。女性収容者を裸にしてビデオ撮影したり、収容者の首にイヌ用の首輪と鎖をつけるなど衝撃的な内容だ。女性に対する性的な侮辱や、イスラム教で不浄の動物とされるイヌを使った虐待は、同教徒の強い反発を呼ぶことが必至で、アラブ社会全体の反米感情がさらに高まる恐れもある。
53ページの報告書は、陸軍のアントニオ・タグバ少将が、関係者48人へのインタビューを基に、今年3月に作成した。
同紙によると、米軍関係者らは▽男女の収容者を裸にして写真やビデオに撮影▽男性収容者の指や下腹部に電線を取り付けて電気ショックを与えると脅迫▽男性憲兵が女性収容者を暴行▽軍用犬をけしかけ、少なくとも1人に重傷を負わせた──などの虐待を行っていた。
少将は報告書で、虐待に関与した軍人10人と民間人2人に対する懲戒措置を勧告。軍人5人と通訳1人が犯罪容疑者となる可能性があると指摘した。
また、報告書は、尋問で情報を聞き出しやすくするために、陸軍情報機関が拷問・虐待を奨励していたことも明らかにした。看守役の軍人は情報担当官から「こいつの口が軽くなるよう、今晩痛めつけてくれ」と言われたと証言している。(毎日新聞 2004/05/04)イスラエル軍:パレスチナ人2人を殺害、20人けが
【エルサレム樋口直樹】ガザ地区南部のパレスチナ自治区ハンユニス難民キャンプで4日、イスラエル軍の武装ヘリがパレスチナ武装勢力に向けミサイルを発射し、2人を殺害、約20人にけがを負わせた。地元住民によると、死者のうち1人は武装していたが、もう1人は15歳の少年で巻き添えになったとみられる。イスラエル軍機は対戦車ミサイルを発射した武装パレスチナ人を狙ったという。(毎日新聞 2004/05/04)イラク人虐待:少なくとも4カ所の刑務所で 国際市民団体
【バグダッド杉尾直哉】イラク駐留米軍による人権被害を調べている国際市民団体「イラク占領監視センター」は4日、毎日新聞に対し、イラクの刑務所のうち少なくとも4カ所で、米監視兵が収容者を強制的に裸にするなどの虐待を行っていたと明らかにした。同センターが元収容者や家族を対象に実施した聞き取り調査で分かった。電気ショックによる拷問を受けたと疑われる例も2件あったという。
エマン・アフメド・ハマス同センター・バグダッド所長によると、昨年夏にティクリートの刑務所に入れられた50代の元バース党員は、逮捕から2週間後に後頭部を強打され、意識不明の状態で同市内の病院に運ばれた。男性の両手のひらには黒く焼けた斑点があり、エマン所長は「電気ショックによる拷問を受けた可能性が高い」と話した。男性は現在も意識不明のままで、家族が米英占領当局(CPA)に補償を求めている。同センターの抗議に対し、ティクリート刑務所側は、拷問を否定しているという。
エマン所長によると、収容者が裸にされる例は、問題化しているアブガリブのほか、バグダッドのルサファ刑務所、南部ウンムカスルのキャンプ・ブッサでもあり、広範にわたるとみられる。
同センターの聞き取り調査では▽数日間も裸のまま放置▽刑務所内を裸で歩き回らされる▽全裸の男性収容者を使って女性収容室に食事を運ばせる──などの例があった。女性収容者の裸を刑務所内で見せられたという男性収容者の証言もあった。エマン所長は「イスラム文化では、裸を異性に見られるのは恥でありタブーだ。米軍はそれを知りながら収容者を侮辱したと思われる」と語り、占領当局に抗議と真相解明を働きかけている。
一方、テロリストに疑われ米英軍により約3カ月間、拘束されていたイラクの民間人男性(28)が、毎日新聞に、拘束中はドアのないトイレで銃を突きつけられながら用を足したり、酷暑の中で水を十分与えられなかった実情を明らかにした。
男性の話では、昨年7月、いきなり米兵に拘束され、収容所で幅1メートル、奥行き2メートルの広さの独房に入れられ、便器に座る際も監視された。また、50度以上の酷暑にかかわらず、扇風機などは一切なく、お湯のようになった1リットルボトル入りの水を1日3本だけ与えられた。食事は米兵用の余りものとみられるという。
男性は「罪もないのに長期間拘束し、説明や謝罪は一切ない。ひどい扱いはどの米英軍施設でもある」と話した。(毎日新聞 2004/05/04)米軍拘束のイラク人ら25人死亡、3人は殺害
【ワシントン4日共同】米国防総省は4日、イラクやアフガニスタンで2002年12月以降、米軍が拘束した25人の収容者が死亡、うちイラク人3人が米兵や中央情報局(CIA)関係者により殺害されたと明らかにした。
残り22人のうち、12人のケースは事件性がないと断定したが、10人については違法な暴行や虐待がなかったか引き続き調査しており、米軍による虐待事件がさらに広がる可能性が出てきた。
殺害された3人のうち1人はCIA関係者による尋問中に死亡した。この事件は虐待が発覚した旧アブグレイブ刑務所で起きたが、米陸軍幹部は、死亡に至った経過を明らかにしなかった。容疑者がCIA関係者で米軍の司法権が及ばないため、捜査は司法省に委ねられたとしている。
残り2人の場合、1人は石を投げて抵抗したため、もう1人は逃亡しようとしたため、いずれも米兵が発砲した。
陸軍幹部によると、石を投げられて発砲したケースは「過剰な武力行使」として、米兵は降格の上、除隊処分となった。逃亡しようとしたイラク人への発砲は「正当な行為」だと陸軍幹部は説明した。(共同通信 2004/05/05)米軍、負傷イラク人ら射殺 仏テレビが映像放映
【パリ5日共同】フランスのケーブルテレビ、カナル・プリュスは4日夜(日本時間5日未明)、米軍ヘリコプターが負傷者を含む無抵抗のイラク人3人を機関銃で殺害する映像を放映した。イラク人虐待問題が国際的に非難される中、「負傷者の殺害は国際法からみて戦争犯罪」(人権活動家)と米軍に対する批判が強まっている。
放送担当者によると、イラクの米軍基地で働いていた欧州出身者がビデオを持ち出した。フランス公共ラジオによると、同様の映像が今年1月に米ABCテレビで放映されているという。
ビデオは昨年12月1日の日付入り。場所は不明だが、米軍のヘリから撮影されている。殺害された3人のうち1人はトラックの下に隠れ、狙撃手は「負傷している」と指摘したが、上官が「撃て。トラックも彼も撃て」と命令していた。フランス公共ラジオは、殺害された2人は武装していたように見えるが、武器を捨て戦闘を行う状況ではなかったと伝えている。(共同通信 2004/05/05)ref. Apache killing video becomes viral news
ref. Iraq video clip killings trigger TV investigation
(dot.Journalism)イラク人虐待:「米軍は帰れ」バグダッドで抗議デモ
イラク駐留米軍によるイラク人虐待問題の舞台となった首都バグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所前で5日、虐待に抗議する大規模なデモが行われ、拘束されている人の家族ら約1000人が米軍への怒りの声を上げた。
デモを呼び掛けたのは、外国人拉致事件で人質解放の仲介を務めたイラク・イスラム聖職者協会。「米国の自由と民主主義はどこにあるんだ」「米軍は帰れ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた参加者らは「のろわれたブッシュ(米大統領)は民主主義と自由の敵」などと連呼してデモ行進。
旧刑務所前に到着すると、同協会のクバイシ師が「(虐待問題は)すべてのイラク人に対するひどい侮辱であり、人々は激怒している。イラクの伝統に従えば報復しなければならない行為だ」と、拡声器で米軍への要求文書を読み上げた。
聖職者協会は要求文書で(1)虐待に関与した兵士に対する尋問と厳罰(2)虐待された拘束者への補償と謝罪(3)無実の拘束者の早期釈放―などを訴えた。
今年2月に拘束されたことがある農業イブラヒム・ハッサンさん(57)は「体を検査すると言って裸にされた。神が許す行為ではない」と怒り、米兵に殴られたという手のけがを見せた。ハッサンさんは「米軍は面会を認めなかった。拘束の翌日には家族の面会を認めた旧フセイン体制の方がまだ良かった」と話す。
息子を拘束された女性教師のナジハ・ハリドさん(45)は「ブッシュこそ巨大なテロリストよ」と憤った。(バグダッド共同)(毎日新聞 2004/05/05)イラク人虐待:暫定内閣の人権相 抗議し辞意を表明
イラク暫定内閣のアブドルバシト・トゥルキ人権相は4日、首都バグダッド郊外の旧アブグレイブ刑務所で起きたイラク人拘束者虐待問題に抗議し辞意を表明した。米軍による虐待問題で暫定内閣閣僚が辞意を表明したのは初めて。
AP通信によると、トゥルキ人権相はカタールの衛星テレビ、アルジャジーラに対し、拘束者への虐待がイラク人の人権を侵害し、アブグレイブ以外の刑務所でも同様の人権侵害が起きている可能性があることを理由に挙げた。
人権相は昨年12月に連合国暫定当局(CPA)のブレマー行政官に対し、米軍による人権侵害行為に不満を表明していたと主張した。(バグダッド共同)(毎日新聞 2004/05/05)ブッシュ政権の中東政策批判、米元外交官60人が書簡
【ワシントン=永田和男】米国の元外交官60人が4日、ブッシュ政権の中東政策を批判する大統領宛て公開書簡を発表した。大統領が強硬派のシャロン・イスラエル首相を露骨に支持することで米国が「信用と威信、そして友人を失っている」と苦言を呈した。
書簡はブッシュ大統領がヨルダン川西岸入植地存続容認などの方針転換に踏み切ったことについて、「あなた(大統領)は米国が公平な和平のパートナーでないことを証明した」と糾弾している。
書簡に署名したのは主に中東諸国に駐在した元大使ら。昨年イラク戦争開始直前に「抗議の辞任」をしたジョン・キースリング元ギリシャ大使館参事官の名もある。書簡は冒頭で4月末にブレア英首相批判の公開書簡で話題を呼んだ元英外交官52人を称賛し、かれらに刺激された行動であることをうかがわせる。(読売新聞 2004/05/05)イラク人遺族が英で賠償請求訴訟
【ロンドン5日共同】イラク戦争の大規模戦闘終結後に駐留英軍に殺害されたイラク人12人の遺族が5日、「殺害は欧州で保障された生命の権利に反する」として事実関係の司法調査と賠償を求める訴訟をロンドンの高等法院に起こした。
代理人弁護士によると、12人は自宅にいたり、普段通りの農作業を行っていた際に警告なしの攻撃を受けて死亡しており、英軍が免責される状況ではなかった。弁護士は「英軍占領下では英国内と同様、欧州人権規約が適用されるべきだ」と主張している。遺族側は英軍に賠償を求めてきたが、英軍は拒否して少額の見舞金しか支払わないと主張したため、訴訟に踏み切った。英国では、イラク人に対する英軍の虐待場面とされる写真が報じられ、国防省が緊急調査を行っている。(日本経済新聞 2004/05/05)インド人にも「虐待あった」 英字紙報道
【バンコク=田内建一】インドの英字紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は4日、イラク北部モスルの米軍基地の調理場で働いていたインド人が米兵から“虐待”を受けていたと報じた。
同紙は、イラクから脱出して先月28日ムンバイに到着したインド人4人の体験談を掲載。「イスラム教徒なので豚肉を調理できないと告げると、銃床で殴られた」「基地の調理場では奴隷のような扱いを受け、1日2時間しか眠れなかった」「イラク兵が攻めてきた時、盾に使われた」−などの証言を伝えた。
イラクの米軍キャンプでは、同じようなインド人が少なくとも70人は働いていたという。(中日新聞 2004/05/05)ムーア監督の“ブッシュ批判”新作、ディズニーが配給中止
ニューヨーク──ブッシュ政権批判などで知られるマイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」(配給・ミラマックス)をめぐり、ミラマックスの親会社で米娯楽大手ディズニーが同作品の配給中止を決めたことが5日、分かった。
ムーア氏が自身の公式サイトで「ディズニーが作品の配給を取りやめるようミラマックスに働きかけていると、4日に知らされた」と明らかにした。ディズニーの決定については、ニューヨーク・タイムズ紙と業界紙デイリー・バラエティが確認した。
バラエティ紙によると、「Fahrenheit 9/11」は米同時多発テロの背景を探るコメディタッチのドキュメンタリー映画で、国際組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン氏およびビンラディン一族などサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ一族の関係に焦点を当てたもの。同作は今月末のカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品される。
ムーア氏は、ディズニーの決定には、フロリダ州にあるディズニーワールドへの減税措置が関係していると指摘。ブッシュ批判の映画をディズニーが配給すれば、大統領の弟でもあるジェブ・ブッシュ州知事が、減税措置をとりやめかねないと心配しているようだと、ムーア氏は批判する。
しかし、ニューヨーク・タイムズ紙によるとディズニーはこの報道を否定。幹部の1人は同紙に、今年11月の米大統領選を前に、偏った政治的立場の映画を配給することは、片方の陣営に加担することになるとして、「多様な政治的見解を持つ消費者に、偏向した内容の映画を配給することは好ましくない」「このような激しい政治論争に巻き込まれることは、大企業にとって何の利益にもならない」と話した。
ディズニーの広報担当ムシャ氏も声明で、「昨年5月の時点でディズニーはすでにミラマックスとムーア氏の代理人に対し、この作品を配給しない旨を伝えている」とコメント。「ムーア氏の最近の発言とは異なり、別の配給会社を探すか、自分自身で配給する方策を検討する時間は、十分にあったはずだ」としている。
一方、ミラマックス広報は「ディズニーと話し合いを進めている。あらゆる選択肢を検討しており、事態の友好的な解決を期待している」と話した。
ムーア氏は公式サイトで「僕の作品はこれまでも検閲という障害に直面してきたが、いい加減そういう問題なしに作品を公開できるようになったんじゃないかと期待していた」とコメント。「この映画をつぶそうとする企み(これ以外にもいくつかある)については、今後じっくり詳しく語っていく(中略)ともかく、この件に関しては映画製作中ずっと僕を支えてくれたハーヴィー・ワインスタイン(ミラマックス社長)とミラマックスに、心から感謝するばかりだ」としている。
ムーア氏は米国の銃社会を痛烈に批判した前作「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002年)でアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞。ブッシュ政権批判の著作もベストセラーになっている。最近では、ブッシュ大統領がベトナム戦争時に戦場へ行かなくて済むテキサス州空軍に志願した上、その兵役も全うしなかったのではという疑惑をめぐり、大統領を「脱走兵」呼ばわりし、物議を醸していた。(CNN 2004/05/06)ディズニー社の矛盾指摘 ムーア作品拒否で米議員
【ロサンゼルス6日共同】米娯楽大手ウォルト・ディズニーがマイケル・ムーア監督の新作の配給を拒否した問題で、フランク・ローテンバーグ上院議員(民主党)は5日、米国の表現の自由が侵される恐れがあるとして、上院の商業科学運輸委員会に調査を要請する書簡を送った。
ローテンバーグ議員は「ディズニーは史上最も暴力的な映画である『キル・ビル』を配給しながら、ブッシュ大統領に批判的という理由でムーア氏の映画配給は拒否した」と矛盾を指摘した。
議員は、米ABCテレビによるイラクでの戦死米兵追悼番組の放送を一部地方局が拒否した問題も取り上げ、大手メディアがわいせつ、暴力問題に目をつぶる一方、政治的な問題では検閲を行っていると批判した。
タランティーノ監督のキル・ビルは最近2作目が公開されたが、残虐なシーンが多く一部視聴者から批判を浴びている。(共同通信 2004/05/06)映画:ムーア監督の新作、ディズニー側が配給拒否
【ワシントン河野俊史】米国のドキュメンタリー映画監督、マイケル・ムーア氏は5日、米同時多発テロ(01年9月)前後のブッシュ大統領の対応やサウジアラビア王室との関係を批判した新作「ファーレンハイト(華氏)911」の配給がウォルト・ディズニー社から正式に拒否されたと自らのホームページで公表した。ディズニー側は「1年前から方針を伝えており、映画の宣伝のための言い掛かり」と反論している。
ムーア氏によると、新作はディズニー傘下の映画会社ミラマックス・フィルムズから配給される予定だったが、4日になってディズニー側から正式な配給拒否の連絡を受けたという。新作は同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の親族を含むサウジ有力者とブッシュ大統領の親密な関係などを批判するドキュメンタリーで、今月のカンヌ映画祭での公開が決まっている。
5日付ニューヨーク・タイムズ紙はムーア氏の代理人の話として、新作が配給・公開された場合、ブッシュ大統領の実弟のジェブ・ブッシュ・フロリダ州知事を怒らせ、同州内で運営するテーマパークやホテルの税制面での優遇措置に悪影響が及ぶことをディズニー側が懸念していると報じた。ディズニーのアイズナー最高経営責任者は同日、記者団に「ばかげた話」と語り、新作については1年前からディズニーとして関与しないことを傘下会社にも伝えてあると強調した。
ディズニーは93年にミラマックスを買収した際に、特定の事情がある場合にはミラマックスの配給を阻止できる契約を結んでいる。ミラマックス側は「ディズニーとなお協議中」としている。
ムーア監督は高校の銃乱射事件を題材にしたドキュメンタリー作品「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞を受賞。ブッシュ大統領の政策を批判するムーア氏は5日、米テレビに出演し「ディズニーはブッシュ家を恐れている。これでは自由に声を上げることもできなくなる」と怒りを口にした。(毎日新聞 2004/05/06)大酒、自殺…アブグレイブ刑務所勤務の米兵、実態語る
米兵によるイラク人虐待が明るみに出たアブグレイブ刑務所で、3月まで5カ月にわたる任務を終えて帰国した米カリフォルニア州兵らが、地元紙の取材に「長時間勤務からくる不満やストレスが、飲酒や自殺として表れていた」などと語り、士気の低下が著しい軍内部の実態を明らかにした。
5日付オークランド・トリビューン紙によると、州兵らは憲兵隊として1日12時間の交代勤務で働き、休日はなかった。ストレスから大酒を飲んだり、自殺を試みたり、本国の妻に電話をしてはけんかしたりした。うつ状態を解消しようと、ストレス管理部隊が兵士らに抗うつ剤を「大量にばらまいていた」という。
州兵らは収監者が捕虜なのか、テロ容疑者なのか、犯罪者なのかも知らされず、どう扱うかという指導も当初はなかった。ガイドラインを示されたのは何カ月もたってから。「我々も収監されたようなものだ」と、ある州兵は語った。
州兵らの職場は虐待事件が表面化した区画とは別だったが、当時から「虐待のうわさ」が所内に流れていたという。(朝日新聞 2004/05/06)イラク人虐待:米兵が70代女性に馬乗り 英紙報道
【ロンドン山科武司】5日付の英夕刊紙「イブニング・スタンダード」は、米兵によるイラク人虐待が行われていたアブグレイブ刑務所などで、米兵が70歳代のイラク人女性をロバに見立てて馬乗りにしていたと報じた。ブレア首相のイラク人権問題担当特使であるアン・クルーイド議員の話として伝えた。
同紙によると、女性は旧フセイン政権との関連を疑われ、昨年7月から6週間、同刑務所などで拘束された。その間、米兵は女性を「ロバ」と呼び四つんばいにして背中にくらをのせ、その上に乗って歩かせたという。
英国に住む女性の親族が同議員に通報し、議員が米英の関係当局に働きかけた結果、米兵2人が虐待容疑で逮捕されたという。(毎日新聞 2004/05/06)イラク人虐待:犬扱いする女性兵士の写真 米紙掲載
【ワシントン和田浩明】6日付の米ワシントン・ポスト紙は、米兵によるイラク人拘束者虐待事件が発覚したバグダッドの刑務所に勤務していた女性上等兵(21)が、床に横たわる裸の男性の首に付いたひもを持った写真を1面に掲載した。写真は男性が首輪を付けられて米兵に引かれているようにも見える。衝撃的な映像が新たに浮上したことで、イラクや周辺国での反米感情や、米国内でのブッシュ政権への批判がさらに拡大することも予想される。
同紙は他にも、米兵と見られる複数の人物が見守る中、足を縛り付けられて床に横たわった数人の裸の男性▽頭に黒い袋をかぶせられ、鉄格子に手錠でつながれた裸の男性▽寝台に後ろ手に拘束され、女性の下着を頭にかぶせられた裸の男性──などの写真を掲載した。いずれも刑務所で撮影されたと見られる。
同紙によると、イラク国内でデジタルカメラにより撮影された大量の写真がコンパクト・ディスクに保存され、一部米兵の間で出回っている。
女性兵士については、同紙が写真を見せた家族2人が本人だと確認した。親類らは、写真は仕組まれたものだと主張。友人の1人は「彼女は犬の首を引き回すようなことはしない」と語ったという。
女性兵士が勤務していた第372憲兵中隊では、アブグレイブ刑務所でイラク人拘束者を虐待した容疑で隊員6人が告発され軍法会議にかけられる見通し。容疑者らは「軍情報機関に指示されてやった」と主張している。
女性兵士は告発されておらず、ノースカロライナ州のフォート・ブラッグ基地に配置換えになっている。母親によると、女性は虐待事件が発覚した後に電話で「間違った時に間違った場所にいた」と語ったという。(毎日新聞 2004/05/06)「米軍帰れ」と1000人 旧刑務所前で抗議デモ
【バグダッド=共同】イラク駐留米軍によるイラク人虐待問題の舞台となった首都バグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所前で5日、虐待に抗議する大規模なデモが行われ、拘束されている人の家族ら約1000人が米軍への怒りの声を上げた。
デモを呼び掛けたのは、外国人拉致事件で人質解放の仲介を務めたイラク・イスラム聖職者協会。「米国の自由と民主主義はどこにあるんだ」「米軍は帰れ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた参加者らは「のろわれたブッシュ(米大統領)は民主主義と自由の敵」などと連呼してデモ行進。
旧刑務所前に到着すると、同協会のクバイシ師が「(虐待問題は)すべてのイラク人に対するひどい侮辱であり、人々は激怒している。イラクの伝統に従えば報復しなければならない行為だ」と、拡声器で米軍への要求文書を読み上げた。聖職者協会は要求文書で(1)虐待に関与した兵士に対する尋問と厳罰(2)虐待された拘束者への補償と謝罪(3)無実の拘束者の早期釈放−などを訴えた。
今年2月に拘束されたことがある農業イブラヒム・ハッサンさん(57)は「体を検査すると言って裸にされた。神が許す行為ではない」と怒り、米兵に殴られたという手のけがを見せた。ハッサンさんは「米軍は面会を認めなかった。拘束の翌日には家族の面会を認めた旧フセイン体制の方がまだ良かった」と話す。
息子を拘束された女性教師のナジハ・ハリドさん(45)は「ブッシュこそ巨大なテロリストよ」と憤った。(中日新聞 2004/05/06)Poor Judgment Cited in Destruction of 9/11 FAA Tape
(Reuters 2004/05/07)Israeli lessons for the US in Iraq(Aljazeera.Net 2004/05/07) 「軍が容認」と報告書 イラク人虐待で国際赤十字
【ニューヨーク7日共同】7日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米軍などによるイラク人虐待について赤十字国際委員会(ICRC)がまとめた報告書の内容を報じた。報告書は発砲で7人が殺害されたことを挙げた上で、虐待が広範囲に行われ、拷問に近いものもあったと結論付け「虐待は(連合軍によって)認められた行為だった可能性をうかがわせる」と指摘している。
同紙によると、報告書はイラクで昨年3−11月に行われた聞き取り調査などを基に今年2月に作成、ブッシュ政権に送られたとされ、同政権の対応の遅れを一層印象付けた。
報告書は24ページ。「自白させ、情報を入手する」ための常とう手段として、尋問中のイラク人が乱暴な扱いを受けたと指摘。戦時捕虜の取り扱いを定めたジュネーブ条約に「深刻な違反」があったと非難している。
また、連合軍が監視塔などからイラク人に発砲した8件の事例を指摘。7人が殺害され、20人が負傷したとしている。(共同通信 2004/05/07)ハマス実力者の暗殺を計画 イスラエル特務機関
【カイロ6日共同】シリア筋が6日明らかにしたところによると、シリア治安部隊は、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの指導者で、ダマスカスを拠点とするマシャル氏の暗殺を計画したグループを数日前に逮捕した。暗殺を命じたのはイスラエル特務機関モサドだとしている。
同筋は「グループのメンバーはイスラム教徒で、一部はマシャルを殺害するためイエメンから来たと主張した」が、後にモサドの指令だと分かったとしている。グループの規模は不明。
マシャル氏はイスラエル軍に先月殺害されたランティシ氏と並ぶハマスの実力者。イスラエルのエズラ無任所相は同氏も「ランティシと同じ運命になる」と述べている。(共同通信 2004/05/07)「レーザー砲」の実験に成功=ロケットを破壊−米・イスラエル
【エルサレム7日時事】7日のイスラエル放送などによると、同国と米国が共同開発中のミサイルやロケット弾などを迎撃する「レーザー砲」の実験が4日に米ニューメキシコ州で行われ、長距離ロケットの破壊に成功した。
レーザー砲は、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが大量に保有するカチューシャ砲から発射されるロケット弾や、低空で飛来する巡航ミサイルの破壊を念頭に開発が進められている。(時事通信 2004/05/07)帰国した米軍警察要員、イラクでの捕虜虐待常態化を証言
【アンティオク(米カリフォルニア州)6日ロイター】イラクの旧アブグレイブ刑務所で任務に就いていた米軍の軍警察要員3人が、刑務所内では、報道されていないイラク人捕虜の虐待が行われていた、と証言した。
また3人は、そうした虐待行為が常態化していた、と述べている。
そのうちの1人は、「捕虜の虐待は日常化している。殴打は絶えず行われていた。多くの人が鬱積した怒りと攻撃性を抱えていた」と語った。
虐待のもようが写真で公表されて以来、米国によるイラク人捕虜の取り扱いに対して国際的な非難が高まっている。
捕虜虐待に関連して、これまでにイラク駐在の米兵6人が起訴され、6日にはブッシュ米大統領が公式に謝罪した。(ロイター通信 2004/05/07)米兵、イラク少女にも暴行 「裸にして殴打」と英TV
【ロンドン7日共同】英国の民放ITVテレビは7日、駐留米軍によるイラク人虐待が発覚したバグダッド西方の旧アブグレイブ刑務所内で、イラク人の少女が米兵に裸にされ暴行を受けていたと報じた。
同刑務所で拘束されていたカタールの衛星テレビ、アルジャジーラのカメラマンであるスハイブ・バズ氏の証言として伝えた。
報道によると、同氏の拘束中、別の収容者の妹である12歳の少女が同刑務所に連れてこられ、深夜にバズ氏らの房の前で裸にされ殴打を受けた。少女は兄に助けを求め泣き叫んだという。
同氏はさらに、15歳の少年が虐待された様子を証言。少年は病気にもかかわらず、重い水の入った缶を持たされ、廊下を行ったり来たりするよう米兵に命じられた。立ち止まると棒でたたかれ、「最後には疲れ果てて崩れ落ちた」という。
バズ氏は連合軍と反米武装勢力の衝突を取材中に拘束された。AP通信によると、バズ氏自身も拘束中に睡眠を制限されるなどの虐待を受けた。(共同通信 2004/05/08)「劣化ウラン弾で汚染」 イラク人医師が米批判
血液疾患の治療で名古屋大病院に入院したイラク人男児とともに来日し、同病院で研修中のアサード・アメール・カラフさん(34)らイラク人医師2人が8日、名古屋市内で講演し、イラクの医療について「湾岸戦争前と比べてがん患者が10倍以上になった。注射器などの簡単な医療器具も不足している」などと厳しい現状を訴えた。
約100人の参加者を前に、アサードさんは「劣化ウラン弾でイラクの土地を汚染した」などとイラク戦争で攻撃に使った米国を批判。「若い人が世界の将来を輝かしいものにできる。ベストを尽くしてほしい」と呼び掛けた。
モハメド・ダハム・ハッサンさん(30)は、参加者から今年夏にイラクに帰国した後の活動について質問を受け「研修で得た知識を病院の同僚に伝えたい」と答えた。(共同通信 2004/05/08)M・ムーア監督「ブッシュ批判」新作、英で今夏公開
ロンドン──マイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」をめぐり、配給会社ミラマックスの親会社ディズニーが米国内の配給を拒否し、同監督とディズニーの対立が深まっていた問題で、英国の配給会社「Optimum Releasing」が7日、配給権を買い取り、今夏にも英国で公開することが分かった。同日付のフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。
同社のダニー・パーキンス社長は、「アーティストの表現の自由は尊重されるべき」として、ブッシュ政権批判などで論議を呼んでいるムーア監督を支持すると表明。「また、「『Fahrenheit 9/11』は、我が社の今年のラインアップにおける目玉作品だ」と話した。
「Fahrenheit 9/11」は2001年の米同時多発テロの背景を探るコメディータッチのドキュメンタリー映画で、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏を含むサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ大統領一族の関係に焦点を当てたもの。同作は今月末のカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品する。
米国内での公開をめぐっては、ミラマックスが同作を配給する予定だったが、親会社のディズニーが「多様な政治的見解を持つ消費者に、偏向した内容の映画を配給することは好ましくない」として配給を拒否する決定を出した。
これに対し、ムーア監督は6日、ディズニーの決定には、フロリダ州にあるディズニーワールドの減税優遇措置が関係していると主張。ブッシュ批判の映画を流すことで、大統領の弟でもあるジェブ・ブッシュ州知事が、同措置を取り消しかねないと懸念しているのが原因と批判していた。
一方、ディズニーは、配給拒否は昨年、同監督に通知していたと主張、この時期になってムーア監督が問題を蒸し返したのは、「カンヌを目前に控えて、(メディアなどの)注目を集めたいだけだ」と非難している。ディズニーは配給拒否の理由として、大統領選を控えた年に政治的論議に巻き込まれたくない、とムーア監督に説明していたという。(CNN 2004/05/08)虐待疑惑:米兵、アフガンなどでも 陸軍長官代行証言
【ワシントン和田浩明】米兵によるイラク人収容者虐待事件に関連して、レス・ブラウンリー米陸軍長官代行は7日、米上院軍事委員会で宣誓証言した。長官代行はイラクだけでなくアフガニスタンなど米中東軍の管轄地域で、米兵による民間人に対する不法行為の容疑事件が新たに42件あり、陸軍犯罪捜査局などの捜査対象になっていることを明らかにした。
新たな不法行為の内容や場所は明らかでない。国防総省は既に同地域で02年12月以降、米軍による拘束者の虐待・死亡事件が35件あり、うち2件が「殺人」と認定しており、不法行為の疑いは計77件に上った。(毎日新聞 2004/05/08)イラク人虐待:「情報将校らの指示」 告発された女性兵
【ワシントン中島哲夫】8日付の米紙ワシントン・ポストは、アブグレイブ刑務所のイラク人収容者虐待事件で米軍当局に告発された女性技術兵(26)と電子メールで行ったインタビュー記事を掲載した。情報将校らの指示により、尋問を容易にするため虐待を続けていた実態を明らかにしている。
この技術兵は、裸にして重なり合わせたイラク人らを前に笑いながらポーズをとった写真で知られる。裸の男性の首にひもをつなぎ犬扱いにしている写真の女性上等兵(21)とは別人だが、同じ憲兵隊に所属していた。
ポスト紙への電子メールでは「憲兵の仕事は彼ら(尋問を控えた収容者)を眠らせず、ひどい目にあわせることだった」などと指摘、陸軍の情報将校や米中央情報局(CIA)要員、尋問を請け負った民間企業社員らから指示があったことを明らかにしている。
また、収容者は従順に供述すれば衣服やマットレス、たばこ、温かい食事を与えられるが、非協力的ならこうした「恩恵」は受けられなかったと説明。刑務所には運営の基準が存在せず、捕虜の非人道的処遇を禁じるジュネーブ条約の教育も全く受けなかったと述べている。
ポスト紙によると、この女性技術兵は自らの虐待行為に具体的には言及していないが、告発の対象とされた容疑は(1)収容者が兵士や他の収容者の前で裸にされた姿を写真やビデオで撮影(2)死体を撮影し、自分も一緒に写った(3)折り重なった収容者らの上で跳びはねた(4)箱の上に立たせた収容者の手足や下腹部に電線をつなぎ、箱から落ちれば電流を流すと脅して眠らせないようにした──ことなどという。(毎日新聞 2004/05/08)収容された記者証言「米将校級が指揮」
【カイロ=秦融】米軍によるイラク人虐待事件で、問題が発覚したバグダッド近郊のアブグレイブ刑務所に収容されていたイラク人ジャーナリストが7日、本紙の電話取材に応え、拷問の生々しい様子を証言した。男性の収容者はほぼ全員が裸にされて拷問を受け、米兵らはその様子を競って写真に撮っていたといい「拷問は指揮官が指示した組織的な犯罪だ」と言い切った。
取材に応じたのは中東の衛星テレビ、アルジャジーラのバグダッド支局記者ソハイブ・エルバズさん(24)。
エルバズさんは昨年11月16日、バグダッド北部のイスラム教スンニ派住民が多いサマラ近郊を取材活動中に「反米勢力のスパイ容疑」で拘束され、アブグレイブ刑務所の独房に約2カ月収容された。
尋問では、毎回裸にされ、太い棒で殴打、冷水をかけられる拷問を受けた。尋問にはエジプト系の米国人通訳が立ち会い、多数の米兵が見守る中、「将校クラスの男の指揮下で拷問が行われた」と証言。自分以外の収容者も全員、同様に毎回裸にされて拷問を受けていたという。
見守る米兵らは、こぞって裸の拷問の様子を撮影し、刑務所内のパソコン画面の背景用に取り込んでいた。「米兵らは虐待写真のベストコレクションを競っているようだった」という。ワインを飲みながら拷問をする米兵もいたと指摘。
エルバズさんは尋問室に連行される際、拷問を指揮している将校が女性の収容者の体をさわりキスしている場面も目撃。「汚らわしい行為で吐き気がした」と振り返る。
10代前半とみられる少女が「服を脱がされた」と泣き叫ぶ声も聞いた。老父とその息子が一緒に裸にされ棒で打たれているところも目撃した。
エルバズさんは釈放後、職場に復帰し、取材活動を再開。「これまでに公にされたのは、刑務所内で米兵がやった数々の虐待行為のごく一部にすぎない。人間として許せない行為だった」と憤りをあらわにしている。(中日新聞 2004/05/08)米軍のイラク人虐待「拷問に相当」と赤十字国際委
【ジュネーブ=長谷川由紀】赤十字国際委員会(ICRC)のピエール・クレーンブール事業局長は7日、ジュネーブの本部で記者会見し、イラク駐留米軍による拘束イラク人虐待問題について「一部には拷問に相当する取り扱いもあった」と述べた。
また赤十字は、調査を始めた2003年3月から再三、米軍当局に改善を申し入れていたことを明らかにした。
赤十字は、戦時捕虜の取り扱いなどを定めたジュネーブ条約に基づき、バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所などで、拘束されているイラク人に対す聞き取り調査を実施してきた。
クレーンブール事業局長は「(虐待は)アブグレイブ刑務所だけでなく、一定のパターンで広範に行われている」と述べ、拘束イラク人に対する虐待が組織的であることを示唆した。さらにICRCは調査開始直後から、米軍当局に繰り返し、改善を要求するとともに、2004年2月12日には、虐待の実態などをまとめた報告書を連合国暫定当局(CPA)に提出したという。(読売新聞 2004/05/08)米軍がファルージャでわいせつ写真をばら撒く 「精神的虐待」とイスラム紙
【東京8日=齊藤力二朗】米軍によるイラク人拘留者に対する拷問・虐待写真が問題化しているなか、米軍による新たな精神的虐待が明らかになった。ファルージャの米軍が撤退前に数千枚のわいせつ写真をばらまいたというのだ。イスラム系ネット新聞イスラム・ネットで8日、この事実を報じた現地特派員は「米兵の下劣な人格を雄弁に語るこれらの写真のおぞましさと破廉恥さに、警察官たちは衝撃を受けた」と伝えている。...(日刊ベリタ 2004/05/08)パウエル長官らの忠告を国防総省が無視・米紙報道
【ワシントン8日共同】8日付の米紙ワシントン・ポストは、パウエル米国務長官らが昨年来、米軍によるイラク人の虐待をやめさせるよう国防総省に繰り返し忠告していたにもかかわらず、同省側が無視していたと報じた。
米政府当局者らの話として伝えたところによると、イラクを占領統治する連合国暫定当局(CPA)のブレマー行政官が昨年8月、人権団体からの警告を受けて、米軍に改善を要請。その後、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官らと、米政府のイラク政策を協議するたびに、この問題を取り上げた。
ラムズフェルド長官らは7日の議会証言でも、軍内部で虐待疑惑が発覚したのは今年1月半ばと主張した。(日本経済新聞 2004/05/08)米の石油戦略備蓄積み増し、民主党議員が中止を要求
【ワシントン=吉田透】米民主党の上院議員30人は7日、原油価格の高騰を抑えるために、戦略石油備蓄(SPR)をこれ以上積み増すのを中止するようブッシュ政権に要求した。政権側はSPRが原油の市場価格に及ぼす影響は限られるとして、積み増しを続ける姿勢を崩していない。
エーブラハム米エネルギー長官あてに連名で書簡を送り付けたのは、大統領選の民主党候補になるケリー議員のほか、ダシュル院内総務、クリントン議員ら。書簡は「石油価格がこれだけ高騰している時に、市場から(SPRへ)原油を持ち出してしまうのは非論理的だ」と強調。SPRの積み増しが続けば、米国内のガソリン価格の高騰も続きかねないと警告した。
これに対し米エネルギー省報道官は「(SPRの積み上げを続ける)政権の方針に変わりはない」と強調。民主党からの要求を拒否する姿勢を示した。(日本経済新聞 2004/05/08)虐待は「占領開始当初から」 イラク前人権相が仏紙に
イラク暫定内閣のトゥルキー前人権相は9日付の仏日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュとのインタビューで、「米軍のイラク人虐待は占領開始当初から始まっていた」と語った。昨年11月に米英暫定占領当局(CPA)のブレマー代表に懸念を伝えたが、「(同代表には)軍の尋問方法を変えさせる権限はなかった」と述べた。
トゥルキー氏によると、最初に南部ウムカスル、続いてバグダッド空港の収容施設での虐待が報告され、その後すべての米軍施設に広がったという。暫定内閣の収容施設への訪問は禁じられていたが、「今週も新たな虐待があった情報を得ている」と述べた。
トゥルキー氏は4月8日、米軍による掃討作戦強化に抗議して人権相を辞任した。(朝日新聞 2004/05/09)イラク:英軍が民間人4人殺害 南部・アマラ
AP通信によると、イラク南部のアマラで9日、駐留英軍のヘリコプターが地上を攻撃し、民間人4人を殺害し、住宅を破壊した。住民は英軍の攻撃を非難しているが、英軍当局は、詳細な情報がないとしている。攻撃は英軍が配置についている知事庁舎への、武装勢力によるとみられる迫撃弾による襲撃の直後に発生したという。(毎日新聞 2004/05/09)英軍のイラク人虐待疑惑さらに拡大、英紙相次ぎ報道
【ロンドン=飯塚恵子】イラク駐留英軍による拘束イラク人虐待疑惑は9日、複数の英紙がこれまでの報道とは別の部隊での事例などを報じ、虐待疑惑は一層の広がりを見せている。
9日付の日曜紙サンデー・タイムズは、これまでの報道とは別のイラク駐留部隊で、英兵3人が拘束イラク人に同性愛の性行為を強要する虐待を行っていた、と報じた。現場を撮影したフィルムを昨年5月に現像した英国内の写真店の通報で明らかになった。また、日曜紙オブザーバーは、米軍による虐待の現場となったアブグレイブ刑務所に、英軍の情報関係担当官3人が今年1月から4月まで出向し、拘束イラク人に尋問を行っていたと報道した。
一方、英首相官邸報道官は8日夜、赤十字国際委員会(ICRC)がまとめたイラク人虐待に関する報告書を、英政府も今年2月の時点で受け取っていたことを認めた。
国防省幹部は先週、英軍による虐待に関し、外部組織からの指摘は一切なかった、と議会で証言したが、政府がICRCの報告書を2月に受け取っていたことを首相官邸が認めたことで、ブレア首相も苦しい弁明を強いられることになりそうだ。(読売新聞 2004/05/09)虐待イラク人会見「補償では許されない」
【バグダッド9日共同】イラク駐留米軍に拘束された経験があるイラク人らが9日、バグダッドで記者会見、米兵から受けた虐待の様子を証言し「補償では許される行為ではない」と述べ、米軍に対する怒りをあらわにした。
バグダッドで風船を売っているナジーム・スダニさん(45)によると、昨年8月、所有している風船づくりの機械が「爆発物製造装置」だと疑われ、息子(17)とともに拘束施設に連行された。
米兵に殴られ、目の前で息子が電気ショックで虐待されるのを見せられた。スダニさんは今年1月、釈放されたが、息子は拘束されたままだという。
白い民族衣装に身を包んだスダニさんは「(これは)汚い戦争だ。神が米兵を罰するだろう」と、米軍を非難した。 (日本経済新聞 2004/05/09)イラク人虐待「刑務所は無法地帯」
【ワシントン=沢木範久】8日付の米ワシントン・ポスト紙は、イラク人虐待事件で告発された米憲兵隊に所属する女性のサブリナ・ハーマン技術兵(26)=予備役=のインタビュー記事を掲載した。「情報将校に指示されてやった。刑務所は無法地帯だった」と語った。
ハーマン技術兵によると、虐待現場となったアブグレイブ刑務所には、情報将校や中央情報局(CIA)、民間の尋問専門家によって、覆面をされ、手錠をはめられたイラク人が運ばれてきた。情報将校らの指示で、憲兵隊が虐待した。目的は、自供させやすいよう「眠らせず、地獄を味わわせる」ことだったという。
収容者が尋問に協力的なら厚遇するが、非協力的な場合は衣服やふとんを奪った。睡眠、食事、たばこなど、すべて供述と引き換えに与えた。尋問の規則は全くなく、情報将校が好き放題にしていたと“証言”した。
ハーマン技術兵は、裸のイラク人を重ねて「人間ピラミッド」をつくり、背後で笑っている写真で知られる。自慰をさせてビデオに収めた▽手に電線を巻いて、電気拷問すると脅した▽遺体を写真に収めた−として、暴行などの容疑で告発されている。
同技術兵は昨年2月に招集され、イラク派遣前に3カ月訓練を受けたが、捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約は全く教えられなかったという。現在、バグダッドで米軍の監視下にあり、インタビューは電子メールで行われた。(東京新聞 2004/05/09)劇的な政策転換なければイラク失う ネオコンのクリストル氏警告
【ロサンゼルス9日=戸田邦信】ブッシュ米政権の外交政策を支えるネオコン(新保守主義派)の理論家の1人、ビル・クリストル氏が、「ブッシュ政権が今、劇的な政策変更をしなければ、イラクを失うことになる」と警告した。同氏は、国連主導のイラク暫定政権作りは、現在のイラクの情勢下では、不適切と指摘し、劇的な政策変更の柱として、05年1月に予定される総選挙を繰り上げ、9月にも早期に実施するよう提言した。リベラル左派や伝統的保守派から「ブッシュ政権のイラク政策は失敗、もしくは失敗の瀬戸際にある」と批判されていることに、ネオコンが焦りの色を濃くしている証拠といえそうだ。...(日刊ベリタ 2004/05/09)裸や睡眠妨害認める指針 国防総省が作成と米紙
【ワシントン9日共同】9日付の米紙ワシントン・ポストは、米国防総省が昨年4月、国際テロ組織アルカイダのメンバーらを収容するキューバのグアンタナモ基地での取り調べについて、供述を得るため拘束者を裸にしたり眠らせなかったりする尋問手法の指針をひそかに作成、承認していたと報じた。
イラクでもテロ容疑など「価値が高い」拘束者に対して同様の指針を適用することが認められていたとしている。
こうした指針の存在が明らかになったのは初めて。人権団体は「残酷かつ非人道的」で大半の手法が米国内では違法だと批判している。報道が事実なら、組織ぐるみでこうした尋問を認めていたことになり、ラムズフェルド米国防長官らへの批判がさらに強まりそうだ。
同紙によると、指針には約20の尋問手法が盛り込まれ、国防総省と司法省が最高レベルで承認した。極端な寒さや暑さに拘束者をさらしたり、大きな音で音楽を流すことや照明を当てるなど「感覚的暴行」も指針に示されていた。これらの手法を実際に使用するには上層部の許可を得る必要があり、ラムズフェルド長官の許可が必要なケースもあるという。(共同通信 2004/05/10)イラク収容所での捕虜虐待、特殊事例ではない=NGO
【バグダッド9日ロイター】イラクで活動している非政府組織(NGO)と米国のキリスト教団体は9日、米国管理下のイラクの収容所について、捕虜に対する拷問や虐待、屈辱的な行為などが広範囲に行われており、特殊な事例ではないとの報告を発表した。
イラク人権組織(IHRO)のスポークスマンは、バグダッドで記者会見し、「捕虜への拷問などが特殊なケースではなく、またこうしたことに関与しているのがアブグレイブ収容所や6人米軍憲兵らに限ったことではないと世界に伝えたい」と語った。
この問題ではこれまでに7人が起訴。イラク駐留米軍によると、来週には1人が軍法会議にかけられる。(ロイター通信 2004/05/10)イラク人虐待がはるかに残酷だった証拠入手=イラン革命防衛隊
【テヘラン10日ロイター】イラン革命防衛隊のジャザエリ報道官は10日、駐留米軍によるイラク人虐待でこれまで発覚した行為よりはるかに残酷で、長い期間行なわれてきたことを示す文書を入手したと発表した。
報道官は、イラン学生通信(ISNA)に対し、「ある筋を通して一連の文書を入手した。虐待が長期間行なわれており、これまで明るみに出た疑惑よりはるかに残酷だったことが分かる」と述べ、「複数の米高官、特にラムズフェルド国防長官は虐待事件に遺憾の意を表明したが、虐待行為はいまだに起きている」と指摘した。
報道官は文書を近く公表する意向。(ロイター通信 2004/05/10)軍用犬使い、裸のイラク人収容者虐待 米誌が写真公開
米誌ニューヨーカー(電子版)は9日、イラクのアブグレイブ刑務所内で米兵が軍用犬を使って裸のイラク人収容者を虐待している写真を公開した。同誌によると、写真に付随するデータなどから、昨年12月12日に2台のデジタルカメラを使い、約12分間にわたって撮影されたとみられる。
公開された写真では、軍用犬2頭が収容者にほえている。同じ収容者が床に倒れ、足などを犬にかまれて血を流している写真も同誌は入手したという。
先週号で米軍内部調査報告書をスクープしたハーシュ記者が、同刑務所を担当する米陸軍320憲兵大隊のメンバーから入手したとしている。同記者は9日のCNNに出演し、「まるで(ナチス・ドイツ)第三帝国の光景だ」と批判した。
同誌は、昨年11月に米軍がファルージャ近郊のラマディを捜索した際、軍用犬を民家の中に放ち、数人の民間人にかみ付いた事例があるとも報じている。
ラムズフェルド米国防長官は7日の議会公聴会証言で、メディアに報じられた以外に多数の写真、ビデオが存在すると認めていた。(朝日新聞 2004/05/10)虐待の刑務所、軍の弁護士不在 国防総省が派遣計画却下
米軍による収容者虐待が問題となっているイラクのアブグレイブ刑務所の担当部隊に対して、米陸軍が昨年春、弁護士の資格を持つバイヤー下院議員(共和)を派遣する計画を立てたものの、国防総省の文民高官らが計画を却下したことが明らかになった。この結果、刑務所内には弁護士が1人もいなかったという。AP通信が8日、同議員の証言として報じた。
バイヤー氏は予備役の中佐で、91年の湾岸戦争中には陸軍800憲兵旅団付きの弁護士としてイラク人捕虜の取り扱いなどを担当した。イラク戦争開戦直後の昨年3月、アブグレイブ刑務所を担当することになった同旅団への法的な助言などを目的に陸軍が同氏の現地派遣を立案した。
しかし、ブラウンリー陸軍長官代行(文民)ら国防総省側が「別の方法がある」などと退けた。結果的に同刑務所には取り調べ方法や取り扱いを助言する弁護士が1人もいないままになった。
バイヤー氏はAP通信に「制服組は統合参謀本部レベルまで派遣を承認していた」と述べ、文民側の判断で拒まれたことを強調。そのうえで「刑務所内に弁護士がいれば虐待事件は防げたかもしれない」と指摘した。
ブラウンリー長官代行はバイヤー氏に書簡を送り「(下院議員という)高い立場の人間が行けばその周りの部隊に危険が及ぶ」と却下理由を説明したという。(朝日新聞 2004/05/10)核製造能力:日本は70年代初頭に30個 米政府報告書
日本の核武装への懸念が米政府内で強まった60年代、米政府の軍備管理軍縮局が、日本は70年代初頭に年間で最大30個の核を製造する能力を持ち、70年代半ばまでには核搭載の弾道ミサイルも100基製造できるとの機密報告書をまとめていたことが10日、分かった。
当時のジョンソン政権が「日本は核開発能力を持つ」と判断していたことは知られているが、能力を具体的に分析した文書の存在は分かっていなかった。
文書は65年6月の「日本の核兵器分野における見通し」(45ページ)。当時のフォスター軍備管理軍縮局長が国務、国防長官、大統領補佐官に提出した。ジョンソン大統領図書館が機密指定を解除、沖縄国際大学の吉次公介助教授(国際政治)が入手した。
報告書は日本には非核世論が根強く、核武装に数年内に踏み切ることはないとしながらも(1)71年までに年間10〜30個の核を製造(2)75年までに核搭載の大陸間弾道弾(ICBM)などを最大で100基開発(3)71年までの核実験──が可能と結論づけた。
当時兵器級プルトニウムが製造可能な英国製原子炉が稼働し、国産宇宙ロケットの開発も進んでいたことを根拠としている。核戦力配備の総費用として13億〜25億ドルが必要とし、日本の経済力なら可能としている。
また日本独自の核武装を防ぐため、米軍と自衛隊の「核の共同管理」や日本への核兵器貯蔵を研究する必要性にも触れている。64年12月に佐藤栄作首相がライシャワー駐日大使に「他国が核を持てば(日本も)持つのは常識」と言明したことも明記している。(ワシントン共同)(毎日新聞 2004/05/10)情報機関のイラク刑務所管理、米軍司令官が命令…米誌
【ニューヨーク=河野博子】イラク駐留米軍による被拘束イラク人への虐待問題で、焦点となっているアブグレイブ刑務所について、サンチェス駐留米軍司令官が昨年11月に軍情報機関に施設の管理をゆだねる命令を出していたことが9日、明らかになった。
ニューヨーカー誌が電子版で報じた。これまで、同刑務所の責任者だった米軍准将が米紙に対し、軍情報機関の関与を示唆していたが、司令官の“お墨付き”が出ていたことで、今後、国防総省と軍の責任をめぐり、事態の究明を求める声が高まりそうだ。
ことの発端は、昨年9月、当時、キューバのグアンタナモ基地の拘束施設を統括する立場にあり、現在はイラクの拘束施設全体を統括するジェフリー・ミラー米軍少将が専門家チームを率いて、イラク内の施設を視察し、まとめた「勧告書」。拘束施設の目的は戦争遂行のための尋問と情報収集にあると強調し、施設の管理にあたる憲兵は軍情報機関を支援することに最大の重きを置くべきだ、とした。
サンチェス司令官は勧告を受け入れ、司令部は11月19日、アブグレイブ刑務所について、「205軍情報大隊」に指揮監督をまかせる命令を出した。この結果、軍情報機関員が制服や私服で自由に刑務所に出入りするようになった。
一方、同誌は、昨年12月12日にアブグレイブ刑務所で撮影されたデジタル写真を入手。全裸のイラク人男性に対し、米兵2人がそれぞれ軍用犬をけしかけている写真を公開した。全裸の被拘束者が床に横たわり、右の太ももに犬のかみ跡とみられる傷がついている写真もあるという。
また、米民間団体メンバーによるイラク人弁護士の体験談として、ファルージャ近郊で、手錠をかけられたイラク人被拘束者30人を閉じこめた家の中に軍用犬が放たれ、数人がかまれた、としている。(読売新聞 2004/05/10)虐待、陸軍情報部が方法を伝授…元米軍現場将校
米軍によるイラク人虐待問題で、この虐待・拷問の舞台となったバグダッド郊外アブグレイブ刑務所に配属され、内部告発に接した上官の1人、マイケル・シェリダン元予備役少佐(41)は読売新聞の取材に対し、「虐待が行われたのはアブグレイブだけでない」「若い憲兵らは罪を着せられた」などと述べ、虐待が米陸軍情報部による組織的関与だったとの見方を裏付けた。
現在、民間企業の中堅管理職として職場復帰したシェリダン元予備役少佐は、2月の帰国まで同刑務所の憲兵大隊に配属された。今回、「個人的体験に基づく部分なら話せる」としてインタビューに応じた。
シェリダン氏は、「当時、アブグレイブ、ウンムカスルだけでなく、バグダッド郊外の残り2か所の刑務所、収容所でも虐待があった」と言明。例えば、看守が収監者に向かって排尿するような“軽微”な事件の申し立てを含めて調べ、改善勧告を行った、と述べた。
その上で、同氏は、ある時点から陸軍情報部員が午前2時前後に突然、ヘリコプターでアブグレイブ刑務所を訪れるようになり、「睡眠の剥奪(はくだつ)」「食事の管理」などの「拷問方法」を持ち込んだと聞き、同刑務所の管理責任者、ジャニス・カーピンスキー准将(現在、停職処分)や同氏らが「懸念を深めていた」と説明した。
しかし、「年若い憲兵」は「(軍情報部に)利用されて拷問を行った」。同氏によると、「中東諸国の尋問と拷問の方法に詳しい」情報部員から、アドバイスを受けたと見られる憲兵らは、「この尋問を行うと、わずか1週間で(収監者を)骨抜きにできる」などと喜び、その姿に情報部員は「満足げだった」。
同氏は、憲兵が虐待を写真やビデオに収めていた理由については、「米軍に不利になるだけの物証だが、『おまえも協力しなければ、こういう目に遭わせるぞ』と、収監者に見せて尋問の効率化を図ったのではないか」と推測した。
今回の事件の発端について、同氏は、今年1月13日、軍内の犯罪を調べる犯罪捜査局(CID)兵士が「自室のドアの下のすき間から入れられていた」として、匿名のメモ書きと1枚の写真入りCDを持ってきたと説明。同氏が大隊司令官に通報、司令官が電話でカーピンスキー准将に伝えたという。(ニューヨーク 勝田 誠)(読売新聞 2004/05/10)暗殺のチェチェン大統領、KGBスパイ説が浮上
【モスクワ=古本朗】ロシア南部チェチェン共和国の首都グローズヌイで9日に暗殺された親モスクワ現地政権のアフマト・カディロフ大統領(52)は、実は旧ソ連国家保安委員会(KGB)のスパイだったとする情報が浮上した。
チェチェン・イスラム武装勢力の元メンバーで、現在は「有力政治家」という人物がカタールのネット・メディアに証言し、それを10日、人気ラジオ局「エコー・モスクワ」が伝えた。
同元メンバーによると、カディロフ氏はブレジネフ時代(1964―82年)から秘密警察KGBに雇われ、「アダム」の暗号名で活動した、という。
これまで知られる経歴では、カディロフ氏は、チェチェン生まれでウズベキスタンのイスラム神学校、イスラム大学を経て、90年代にチェチェンのムフティ(宗教指導者)となり、第1次チェチェン戦争(94―96年)では「聖戦」を唱え武装勢力の側で露軍と戦った。現在の第2次戦争ではクレムリン側に付き、2000年にチェチェンの臨時行政府長官に任命され、昨年秋の大統領選で当選した。証言内容は検証不可能だが、元メンバーはカディロフ氏を「偽ムフティ」と酷評している。(読売新聞 2004/05/10)パキスタン、タイに虐待施設 米情報機関
【ニューヨーク=斎田太郎】ニューズウィーク最新号は9日、米軍事情報機関が捕虜虐待を恒常的に行い、違法に尋問するための特別施設がタイなどに存在すると伝えた。
同誌によると米政府や米軍は、国の責任を回避するため、アフガニスタンやイラク、グアンタナモ基地(キューバからの租借地)などに個人としての滞在資格で専門家を送り込み違法な尋問を繰り返しているという。
こうした尋問は米中央情報局(CIA)などによって秘密裏に設けられた「幽霊施設」と呼ばれる建物内で行われ、収容者を殴ったり、極度のストレスを与える方法が取られているという。拘束中のアルカイダ幹部アブ・ズバイダ氏ら高度な情報を保持しているとみられる人物を徹底的に締め上げているとされる。
同誌は情報筋の話として幽霊施設のいくつかがタイやパキスタン北西部に存在しているとしている。
情報収集のために捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約を無視した形で拷問を繰り返していることになり、同誌は違法な尋問手法はすでに一部上院議員に極秘で伝えられていたと報じている。(中日新聞 2004/05/10)イラク人虐待、米は「手続きの一環」と説明=赤十字
【ロンドン10日ロイター】赤十字は昨年10月、イラクのアブグレイブ収容所で、米軍がイラク人捕虜を裸のまま数日にわたって暗闇に放置するのを目撃し、責任者だった軍情報当局者から、この措置が「手続きの一環」との説明を受けていたことが分かった。この日漏洩した報告で明らかになった。
赤十字は24ページの報告で、同盟軍の情報当局はイラク人拘束の9割は誤認によるものと推定している、と指摘。
この報告により、現地の司令官は、捕虜虐待調査の開始数カ月前から、明らかな虐待行為に気付いていたことが裏付けられた。
赤十字は、捕虜に対する虐待行為は「例外的なケースにとどまらず、同盟軍が容認していた行為とみなされる可能性がある」としている。
赤十字は、国際条約に基づき戦闘地域の収容所に立ち入る権利がある。
この報告は2月4日付の機密文書で、初めて米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のウェブサイトで公表された。ジュネーブの赤十字国際委員会(ICRC)は、この報告を本物と確認した。(ロイター通信 2004/05/11)国防長官ら軍首脳の解任要求、米軍専門紙が異例記事
ワシントン──米軍専門紙「アーミー・タイムズ」は10日、イラク内の米軍刑務所内などで発覚した拘束者虐待問題に触れ、米軍の指導力の能力の欠如の反映と指摘、ラムズフェルド国防長官とマイヤーズ統合参謀本部議長の解任を求める異例の記事を掲載した。
同紙は、独立系の新聞だが、軍に関する情報が中心で、米軍では広く読まれている。ロイター通信によると、同紙は、国防長官更迭などを求める記事で、「説明責任を果たすことは、戦時であっても、軍首脳を交代させることを意味する」と強調した。(CNN 2004/05/11)イラク人虐待:米上院、非難決議を全会一致で可決
米上院は10日、米兵によるイラク人虐待事件を非難する決議を全会一致で可決した。下院も先週、同様の決議を可決していた。
上院決議は虐待事件に関し「この卑劣な行為に関与したすべての人々の責任が問われるべきだ」と徹底した調査と関係者の処分を要求している。(毎日新聞 2004/05/11)米、国際機関にアラブ・イスラム世界の虐待を発表するよう圧力
【東京11日=齊藤力二朗】イラクのアブグレイブ刑務所での拷問事件をめぐり、非難の矛先をかわすために、米国は国際人権団体などに、アラブ・イスラム諸国での人権侵害や、拘留者や受刑者者たちへ拷問を非難するよう圧力を加えている、とサウジアラビアの高級紙、アル・ワタンが報じた。9日付の同紙が欧州の高級外交筋の話として伝えたところによると、欧州や国連の米国外交団、米国諜報機関はアムネスティ・インターナショナルや国連人権委員会、欧州人権委員会などにアラブ・イスラム世界の虐待を発表するよう圧力を掛けている。...(日刊ベリタ 2004/05/11)「首ひもは上官の指示」 上等兵が釈明
【デンバー(米コロラド州)11日ロイター=共同】裸のイラク人の首にひもを付けて引くなどの虐待写真が公開されたリンディ・イングランド米陸軍予備役上等兵は11日、コロラド州デンバーのテレビ局KCNCのインタビューで「首ひもを持つように上官に指示された」と釈明した。
上等兵は、上官に写真を撮るためポーズを取るよう命令されたと説明。裸の男性の隣に立っていたときの気持ちを尋ねられると「異様な感じはしていた」と不審に思っていたことを認めたが「自分たちは、言われた通りの仕事をした。結果は上官が望んだものだった」と強調した。
インタビューは、上等兵がいるノースカロライナ州のフォートブラッグ陸軍基地で行われた。(共同通信 2004/05/12)イラクの子ども虐待に憂慮 ユニセフが声明
【ニューヨーク11日共同】国連児童基金(ユニセフ)の報道官は11日、イラクの収容施設などで拘束されている子どもたちが米兵らから虐待を受けている恐れがあるとの一部報道を深く憂慮する声明を発表した。
報道官は、報道の信ぴょう性は確認されていないとしながらも、特に米政府に対し「子どもたちを保護し、兵士らが国際法を順守するよう注意喚起し、訓練することを保証する義務がある」と強く求めた。
声明は「子どもたちに対するいかなる拷問や性的虐待も国際法に違反する行為で、拘束や収監は最短かつ適切な期間においてのみ行われなければならない」と指摘した。(共同通信 2004/05/12)ヒズボラ、米民間人の斬首を反イスラム的と批判
【ベイルート12日ロイター】レバノンに拠点をおくイスラム原理主義組織ヒズボラは、イラク人武装勢力が米国人を斬首したことについて、イスラムの教えを冒とくする卑劣な犯罪、と非難した。
ヒズボラは声明を発表し、「慈悲と共感と人道主義に基づくイスラム教との関連を主張しているグループが犯したこの忌まわしい行為を、イスラムおよびイスラム教徒に極めて重大な打撃を与えたものとして、非難する」と述べた。(ロイター通信 2004/05/12)イラク人虐待の日常化、上官も黙認=2兵士が証言−英大衆紙
【ロンドン12日時事】12日付の英大衆紙デーリー・ミラーは、兵士によるイラク人拘束者への虐待は日常的に行われており、上官はこうした行為を黙認していたなどとする英軍2兵士の証言を伝えた。(時事通信 2004/05/12)イラクの収容者「ゴキブリ以下扱い」 伊の死亡兵妻証言
イラク南部ナーシリヤのイタリア警察軍駐屯地で昨年11月に起きた自爆攻撃事件で死亡した同軍兵士の妻が11日、「夫が亡くなる前にイラクの刑務所を訪れた際、収容者の扱いにショックを受け、本国にも状況が伝達されたと話していた」とニュース番組で証言した。虐待に関して伊政府はこれまで「知らなかった」としてきたが、野党は強く追及する構えだ。
証言したのは、死亡したマッシミリアノ・ブルーノさんの妻ピナさん。11日深夜(日本時間12日午前)、国営イタリア放送協会の番組で放映された。目撃した刑務所の場所や、虐待していた兵士の国籍などには言及しなかった。
ピナさんによると、ブルーノさんは死亡前、刑務所へ収容者を引き取りに行った際、「最もおぞましいものを見た。収容者は裸で、ゴキブリ以下の扱いを受けていた。第1次世界大戦でもこれほどの虐待はない」と話したという。駐屯地内の電話で話したとみられる。
ピナさんは「目撃した同僚兵士らはみなショックを受け、次々に伝達されてイタリアまで報告されたと夫は説明していた。(政府が)何も知らなかったというのはあり得ない」とも話した。
放送前に証言内容が伝わると、伊国防省は「人道に反する収容者の扱いについて情報を受けたことはない」との声明を発表。野党が指摘してきた「虐待の事実を把握しながら何もしなかった」との疑惑を改めて否定した。野党側は「まだしらを切るつもりか」と、議会で追及する構えだ。
イタリアはナーシリヤを中心に、約2600人の兵士を派遣している。(朝日新聞 2004/05/12)「米軍が一方的にシーア派攻撃着手」 スペイン軍幹部
イラク占領軍に対するシーア派強硬派の攻撃が拡大するきっかけとなった4月4日の中部ナジャフでの衝突について、当時ナジャフを管轄していたスペイン駐留軍幹部が「米軍が何の協議もなく逮捕や攻撃を始め、状況を悪化させた」とする報告書を政府に出していたことが明らかになった。ボノ国防相も報告書の内容を認め「早期撤退を決断する要因になった」と述べた。11日、スペインの主要メディアが報じた。
報告書をまとめたのはアラヤ副司令官。エルパイス紙が報じた報告書の内容によると、ナジャフのシーア派とスペイン軍の関係は比較的良好だったが、4月1日に米軍が同派指導者サドル師への攻撃を命令、3日には同師側近を一時拘束したため、大規模な騒乱になったという。
報告書は「事前に協議があれば逮捕に反対した」「米軍に警告したが、命令はワシントンから来たと米軍の司令官は回答した」と説明。「スペイン軍は理解も同意もできない紛争の目撃者となるしかすべがなかった」と結論している。
この時の衝突でイラク人20人以上とスペイン軍指揮下にいたエルサルバドル兵1人が死亡。以後シーア派による抵抗が拡大した。スペイン軍は現在ナジャフを撤退している。(朝日新聞 2004/05/12)「軍情報部門が関与の証拠」 虐待内部調査の軍少将証言
米上院軍事委員会は11日、イラク人虐待事件で米軍の内部調査報告書を作成したタグバ陸軍少将らを呼び、公聴会を開いた。少将は「調査の過程で軍情報部門が虐待に関与しているとの証拠を集めた」と述べ、同部門に対する別の調査が必要と勧告したことを明らかにした。現地で軍と活動している米中央情報局(CIA)などが関与した可能性を示唆したものだ。
少将はすでに行った内部調査について「焦点は情報収集や尋問方法ではなく、刑務所の運営方法に限定されていた。調査チームに軍情報部門の当局者や尋問の専門家はいなかった」と述べ、情報機関の関与については調査が及ばなかったことを明らかにした。
アブグレイブ刑務所での虐待事件の原因としては「規律や訓練の欠如、著しい監督怠慢」を挙げ、憲兵旅団の司令官について「統率力が欠如していた」と結論づけ、管理責任者だったカーピンスキー准将(停職処分)の対応を批判した。
一方、ケンボーン国防次官(情報担当)は「米政府はイラクでの収容者にジュネーブ条約を適用することを明確にしてきた。米兵らは、そのことを当然知っていた」と説明。一部の兵士による「例外的な犯行」との米政府の立場を主張した。
虐待をめぐる同委員会の公聴会は先週のラムズフェルド国防長官らの証言に続き2回目。タグバ少将は1月中旬に内部告発があったことを受け、駐留米軍のサンチェス司令官の指示で調査を開始。3月に報告書を作成し、昨年10〜12月に「収容者に対する組織的かつ違法な虐待があった」と指摘していた。(朝日新聞 2004/05/12)「米軍、アフガンでも虐待」 被害者が証言・米紙
【ニューヨーク=共同】米紙ニューヨーク・タイムズは12日、アフガニスタンでもイラクと同様に米軍拘束下での虐待があったとする被害者の証言を伝えた。カブールの米国大使館は同日、訴えに基づいて米軍が既に調査を開始したことを明らかにした。
証言したのはアフガニスタンの元警察大佐サイド・ナビ・シディキさん(47)。昨年夏にカブール郊外バグラム空軍基地の収容所などで計約40日間拘束され、殴るけるの暴行などを受け、裸で写真も撮られた。
シディキさんは警察の腐敗を告発後に逮捕され、収容所に入れられた。タリバンのメンバーと密告されたという。同紙によると、アフガニスタン政府が設立した独立人権委員会は、イラクでの虐待問題が表面化する以前を含め、米軍による虐待の訴えを44件受けている。(日本経済新聞 2004/05/12)「英軍 8歳少女ら射殺」 アムネスティ報告
【ロンドン=沢田敬介】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは11日、8歳の少女ハナンちゃんが射殺された事件など、昨年5月1日以降、イラクで少なくとも37人の民間人が英軍に殺害されたと告発する最新の報告書を発表した。旧フセイン政権が抑圧した人権の確保を開戦理由の1つに掲げたブレア政権にとり大きな打撃になりそうだ。
報告書は、今年2月から3月にかけて英軍が管理下に置くイラク南部バスラやアマラで実施した目撃者からの聞き取り調査の結果をまとめた。
それによると、少女射殺は、英兵が約60メートルの距離から狙いを定めて銃を発射した。しかし英軍は警告射撃の流れ弾が当たった「事故」と主張しているという。
報告書はまた、自宅で家族の結婚を祝っていて玄関の外に出たところを撃たれた男性(22)の事例などを紹介。いずれも英軍にとって何の脅威でもない民間人であるのに加え「多数」が未調査のままになっていると英政府を批判している。
英国では先週、イラク人12遺族が、英軍に家族を非合法に殺されたと提訴。英高等法院は11日、審理公開を拒否した英国防省に対する遺族の異議申し立てを認めた。(東京新聞 2004/05/12)自爆者は狂人、狂信者、貧困者でない=英科学誌
【パリ12日】イスラエル、イラク、チェチェン、スリランカなどで多くの人を死傷させている自爆テロリストはしばしば伝えられるような狂人、狂信者、貧しい社会的不適合者ではないと指摘した報告書が15日発行の英科学誌ニュー・サイエンティストに掲載された。
報告書は自爆者たちの心理的側面、生い立ちを専門家たちが調べてまとめた。その結果、彼らは宗教的熱情のある人たちではなく、教育程度も高いことが分かった。大半の自爆者は裕福な家庭に生まれ、自分の進路について合理的な決断を下す人たちだという。報告書は、狂信者など特殊な人たちだけが自爆テロリストになるとの従来の観念は誤りであり、状況さえ整えば、誰でも自爆テロリストになる可能性があると述べている。
米プリンストン大学のエコノミスト、クロード・ベレビ氏が1980年代から2003年までのハマスなどパレスチナの過激派組織の自爆者たちを調べたところでは、パレスチナの貧困家庭は全体の32%だが、自爆者のうち貧しい家庭で育った者の比率は13%にとどまっている。また、高等教育を受けたパレスチナ住民は15%どまりだが、自爆者の場合は半分以上に達している。80−90年代にレバノンでの戦闘で死亡した過激組織ヒズボラのメンバーの場合も同様だという。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/05/13)ミラマックス、ムーア新作の配給権獲得で合意発表
ロサンゼルス──マイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」をめぐり、配給会社ミラマックスの親会社ディズニーが米国内の配給を拒否したため、同監督とディズニーの対立が深まっていた問題で、ミラマックスは12日、同作品の配給権を買い取ることでディズニーと合意した、と発表した。
ミラマックスの広報担当、マシュー・ヒルツィック氏は「配給権を売却することに合意してくれたのは喜ばしいこと」と語った。これでミラマックスは、第三者に権利を売却することが可能になった。
一方、ディズニーの広報担当によると、売却についてはまだ交渉中で、合意に達していないと述べている。
「Fahrenheit 9/11」は2001年の米同時多発テロの背景を探るドキュメンタリー映画で、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏を含むサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ大統領一族の関係に焦点を当てたもの。同作品は、12日から始まったカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品されている。
ディズニーは「政治的に偏向した映画を配給するのは好ましくない」として同作品の配給を拒否したが、この問題が米メディアで大きく報じられた今月初旬、配給拒否の方針は同監督に昨年通知していたとの反論を展開。「カンヌ映画祭を控え、(メディアなどの)注目を集めたいだけだ」としてムーア監督を非難していた。(CNN 2004/05/13)イラク人の死「それがどうした」 女性米兵のビデオ日記
「イラク人が2人死んだ。でも、それがどうしたっていうの……」
米CBSテレビは12日、イラクの刑務所に勤務した米軍の女性兵士が撮った「ビデオ日記」の一部を報じた。収容者たちを人間と見なしていないような暴言が目立つ一方で、「ここはもうたくさん。家に帰りたい。もう一度、市民に戻りたい」と嘆く姿もある。
ビデオ日記は、イラク南部のブッカ刑務所やアブグレイブ刑務所で撮影されたという。20歳という女性兵士は、顔にモザイクをかけて放映され、レンズに向かって「彼ら(イラク人たち)は1週間に3度、暴動を起こしているけれど、私の当番時には決してしない。私を怖がっているからよ」と自慢。「このあいだは彼らに石を投げつけて問題になった」とも告白している。
また、「きょう私たちは収容者2人を撃った。1人は棒を振り回したから胸を、もう1人は腕だった。胸を撃った収容者が死んだかどうかは知らない」。さらに刑務所の周辺にいる毒蛇にレンズを向け、「これにかまれたら6時間で死ぬ。すでにイラク人が2人死んだ。でも、それがどうしたっていうの。たった2人じゃない」と淡々と語っている。(朝日新聞 2004/05/13)イラク虐待「想像絶する」写真、米議会に公表
【ワシントン=伊藤俊行】米兵らによるイラク人虐待問題で、米国防総省は12日、虐待の様子を撮影した新たな写真やビデオ計約1600点を上下両院議員に開示した。
イラク人男性が同性愛や自慰行為を強制されているシーンや、イラク人女性が胸をはだけさせられたシーン、さらに遺体の前でポーズを取る米兵や、米兵同士の性行為などが撮影されていたとされ、議員たちは一斉に「想像を絶する忌まわしい行為」などと非難した。
議員への開示は、議会内に部屋を設けた上、関係者以外立ち入り禁止にして行われた。上院軍事委員会のジョン・ウォーナー委員長(共和党)は、写真やビデオの内容が米兵に対する憎しみをさらにあおる恐れがあることから、一般公開すべきではないとの見解を表明した。
写真とビデオについて、ビル・ネルソン上院議員(民主党)は記者団に対し、「気持ちが悪くなるような内容で、がく然とした。ビデオから非人間的な(収容者に対する)扱いがわかった」として、これまでにメディアで報じられているもの以上にひどいものだったとの感想を語った。また、これまで報じられた写真に登場した人物の数よりも多くの兵士や関係者の姿が映っていたとも語った。
リチャード・ダービン上院議員(民主党)は、「地獄図だった。上の方の了承なしに、こんなことが起きたとは、信じられない」とコメントした。
一方、ラムズフェルド国防長官は同日の上院歳出委員会小委員会で証言し、虐待の組織性について、「6件の捜査が進んでいるが、より多くの事実が明らかになることは間違いない。虐待問題がどの程度広がっていたのかはわからないが、組織的なものだったと明らかになったわけでもない」と述べ、捜査結果を見守る考えを改めて強調した。(読売新聞 2004/05/13)米CIA、アルカイダ幹部に水責め尋問・米紙
【ワシントン=森安健】米兵によるイラク人捕虜に対する残虐な行為が注目を集めるなか、米中央情報局(CIA)による強引な尋問手法が新たな火種として浮上してきた。米紙ニューヨーク・タイムズは13日、CIAが国際テロ組織アルカイダの幹部を尋問する際に、水中で溺(おぼ)れる寸前まで押さえつけたなどと報道。非人道的な対処を巡り、CIA内でも問題視されていると伝えた。
同紙によると、CIAはアルカイダのナンバースリー、ハリド・シェイク・モハメド被告に対して「水中尋問」を実施。同氏を縛って身動きが取れなくしたうえで、水の中に押さえつけ、溺(でき)死させるかのような錯覚を覚えさせた。これとは別に、尋問中に拘留者を銃で脅したとして1人のCIA職員も処罰を受けているという。いずれのケースもイラク以外の場所で発生したもようだ。(日本経済新聞 2004/05/13)「グアンタナモ」の元所長、虐待を“指南”
【ワシントン=大島宇一郎】国際テロ組織アルカイダ容疑者らを拘束しているキューバのグアンタナモ米海軍基地で収容所長を務めていたミラー少将が、イラクのアブグレイブ刑務所に「グアンタナモ流」の厳しい取り調べ方法を持ち込んでいたと、12日付の米紙ワシントン・ポストが報じた。
同刑務所を監督していた第800憲兵旅団司令官のカービンスキー准将の事情聴取から明らかになったという。准将の供述が事実なら、虐待は軍上層部主導でテロ容疑者収容所全体に広がったことになる。
同紙によると、国防総省はイラク人捕虜から得られる敵情報が乏しいことに不満を抱いていた。昨年9月、ミラー少将をアブグレイブ刑務所に派遣。この時にアブグレイブの監督権限を軍情報部に移管することを通告した。ミラー少将は、カービンスキー准将に「アブグレイブを『グアンタナモ化』したい」と述べたという。
カービンスキー准将は、取調官が収容者の生命にかかわるほどの暴力を振るうことに懸念を表明。しかし、ミラー少将は「イラク司令官からは、情報収集の尋問のために、どの収容所を使っても良いと許可を得た」と押し切ったという。
ただ、ミラー少将は「グアンタナモ化」との発言はしていないと主張しているという。(中日新聞 2004/05/13)情報機関加担の証拠写真 米TV報道、将校4人か
【ワシントン13日共同】米NBCテレビは13日、イラク人虐待事件の舞台となった旧アブグレイブ刑務所内で、米軍情報機関の将校計4人がイラク人拘束者の虐待に加担したことを裏付けるとみられる未公開の「証拠写真」を特ダネとして報じた。
虐待事件の捜査で米軍の「組織的関与」の有無が焦点として浮上する中で、今回の証拠写真によって情報機関の関与が裏付けられれば、米軍の組織ぐるみの犯罪だった疑いが一段と濃厚となる。
NBCは、事件で訴追された米軍憲兵隊のチャールズ・グレイナー技術兵の弁護士から証拠写真を入手。NBCによると、同技術兵を含む米軍関係者がイラク人を尋問する様子を撮影した写真では、数人のイラク人が全裸で重なるように床に寝かせられ「虐待」を受けている。
同技術兵は、写真に写っている米軍関係者のうち4人は情報機関の将校だったと証言しているという。(共同通信 2004/05/14)イラク人同士殴らせ、嘲笑=虐待の様子を米兵告白−米紙
イラクのアブグレイブ刑務所での収容者虐待の罪に問われているジェレミー・シビッツ技術兵は米軍の調査官に対し、同技術兵を含む米兵看守らが、裸にしたイラク人収容者を殴打してあざけり笑ったり、イラク人同士を殴らせたりしたなどと虐待の様子を告白した。米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)が尋問調書を入手し、13日報じた。
シビッツ技術兵は来週、今回の虐待問題で初めて開かれる軍法会議に掛けられる。関係筋によると、同技術兵は虐待の事実を認める見通し。(時事通信 2004/05/14)米軍によるアフガン捕虜虐待は組織的=人権団体
【カブール13日ロイター】国際的な人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは13日、米軍はアフガニスタンの収容所で組織的な捕虜虐待を行っていた、との見解を示した。カブールの駐留米軍は前日、複数の収容所で起きたとされる暴行や性的虐待について、新たな調査に入った。
同団体は、2002年12月にカブール北方のバグラム空軍基地で死亡した2人のアフガン人捕虜の死因についても、情報の提供を求めるとともに、収容所立ち入りの制限を緩和するよう呼びかけた。収容所には、アルカイダなどイスラム過激派容疑者が数百人が拘束されている。
米軍の犯罪調査当局の報道官は米国から電話で、アフガン人捕虜の死因について「調査は継続中で完了間近。調査結果は完了後、然るべき上層部に提出して処置を仰ぐ」と語った。(ロイター通信 2004/05/14)イスラエル軍がガザ難民キャンプを攻撃、計12人死亡
【ガザ13日ロイター】イスラエル軍は13日、ガザ地区のパレスチナ自治区ラファにある難民キャンプを武装ヘリで何度かミサイル攻撃、パレスチナ人12人が死亡した。
11、12日に起きたパレスチナ武装勢力によるイスラエル軍車両爆破などでイスラエル軍兵士11人が死亡したが、これに対する報復とみられている。
目撃者によると、難民キャンプに対するイスラエル軍の攻撃で、計12人が死亡したが、4人が民兵で残りは難民という。(ロイター通信 2004/05/14)米軍賠償金不払い:国内3爆音訴訟の賠償金を負担せず
極東最大の米軍基地、嘉手納飛行場(沖縄県)の飛行差し止めなどを求めた「嘉手納爆音訴訟」など、原告側の勝訴が確定した国内3つの騒音・爆音訴訟で、米政府が日米地位協定に基づく賠償金の負担分、計約19億円の支払いを拒否していることが14日分かった。日本が肩代わりしており、国民にツケが回されている実態が浮き彫りになった。
照屋寛徳衆院議員(社民党)の質問主意書に、政府が一部について書面で答えた。答弁書や外務省日米地位協定室によると、米側が負担を拒否しているのは、嘉手納爆音訴訟判決(98年5月、賠償額約15億4000万円)のほか、第1〜3次横田基地騒音差し止め等請求訴訟(93年2月〜94年3月、同計約8億8000万円)と第1次厚木基地爆音訴訟(95年12月、同約1億円)判決。いずれも国が原告側に賠償金を支払った。
地位協定は、米軍が損害を与えた民間人への賠償について、米側にのみ責任がある場合、賠償額の75%を米国、25%を日本が負担すると規定。本来は総額約25億2000万円中、約18億9000万円は米国負担となる。外務省は「規定に基づき米側に75%の負担を請求している。協議中だが、まだ妥結していない」と話す。拒否理由などについては「合衆国政府との信頼関係が損なわれる恐れがあり話せない」という。
照屋議員は「米国は未納大国だ。地位協定の明文すら守らせることができない外務省の弱腰の対米交渉が原因。不平等な地位協定を早期に抜本的に見直すべきだ」と話している。【松藤幸之輔】(毎日新聞 2004/05/14)世銀途上国融資、最大1300億ドル無駄遣い? 米で指摘
米上院外交委員会のルーガー委員長(共和党)は13日の同委公聴会で、世界銀行がこれまでに実施してきた融資のうち最大1300億ドル(約14兆7000億円)が途上国政府の汚職など不正な目的に関与し、無駄遣いとなった可能性があると指摘、「貧困や病気に苦しむ多くの人の命が犠牲になった」と厳しく批判した。
世銀以外の国際金融機関への監視も強めていく姿勢を強調。日本と米国が最大の出資国となっているアジア開発銀行(ADB)なども監視対象として名指しした。
ルーガー委員長は公聴会の冒頭の演説で「専門家の推定」と断ったうえで、世銀が1946年の創設以来実施してきた総額5250億ドルの融資のうち「260億―1300億ドルの資金が不適切に運用された」と指摘した。
具体的には、途上国への融資プロジェクトを決める過程で資金の一部が途上国政府高官のわいろに使われたり、独裁政権に融資して人権抑圧を助長したりした恐れがあるとした。(ワシントン=吉田透)(日本経済新聞 2004/05/14)パレスチナ少年虐待も 国際NGOが保護訴え
【エルサレム15日共同】イラク人虐待事件で米英両国が国際社会の非難を浴びる中、国際的な非政府組織(NGO)がイスラエル兵らによるパレスチナ人少年への虐待が恒常化していると指摘、「パレスチナの虐待問題にも目を向けて」と訴えている。
「ディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナル」(DCI、本部スイス)によると、イスラエル、パレスチナ双方の衝突が激化した2000年秋以降、イスラエルが拘束した18歳以下のパレスチナ人少年は2500人を超える。
約9割はイスラエル軍兵士や軍車両に対する投石行為が理由だ。
イスラエル最高裁は1999年、取り調べでの拷問を非合法化したが、DCIは体を強く殴打するなどの取り調べが続いていると主張。便器に顔を突っ込まれたり、両足、両手を鎖でつながれ一晩寝かされたりしたほか、性的虐待を受けたケースを報告している。(共同通信 2004/05/15)「奇形の子供は3倍に」 イラクの医師が窮状訴え
イラク南部の都市バスラから来日し、広島大病院で半年間の研修を受けている小児科医フサーム・マフムード・サリッヒさん(34)が16日、広島県三次市で講演し、湾岸戦争の前後で奇形を持って生まれた子供が3倍に増えたなどと訴えた。
フサームさんは、両手足がなかったり脳が飛び出したりした状態で生まれた子供の写真を示しながら、1990年以降の数字を使い奇形や小児がんが増えていると説明。「湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾が原因だ」と話した。
また、「結局見つからなかった大量破壊兵器を理由に国際法を破った」などと米国を批判。イラク戦争の目的について「石油の確保とイスラエル支援だ」と指摘した。
質疑応答で自衛隊のイラク派遣について問われ、「どこの国であれ、軍服はもう見たくない。必要なのは非政府組織(NGO)による支援だ」と述べた。
講演会は三次市内の市民団体が主催。約50人が耳を傾けた。(共同通信 2004/05/16)「イラク人虐待で法王の許し請え」=ベネズエラ大統領が米大統領非難
【サンパウロ15日時事】南米ベネズエラからの報道によると、同国のチャベス大統領は14日、ブッシュ米大統領は米兵によるイラク人虐待について、ローマ法王に許しを請うべきだと語った。ブッシュ大統領は6月4日にイタリアを訪れる際、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世と会談する。
チャベス大統領は、法王庁内部でも虐待問題に対する批判が高まっているとした上で、「彼がカトリック教徒でないにせよ、バチカンで神の許しを請うべきだ」と指摘。「法王の前にひざまずき、イラク人だけでなく世界中の人々に謝罪しなければならない」と非難した。(時事通信 2004/05/16)米科学者団体、「ミサイル防衛に効果なし」
米国の民間団体「憂慮する科学者同盟」(UCS)は13日、今秋にも米国内に配備されるミサイル防衛システムについて、「実戦では機能しない」という報告書をまとめた。米会計検査院も先月、懐疑的な報告書を発表しており、配備を急ぐブッシュ政権への風当たりが強まっている。
UCSの科学者やマサチューセッツ工科大の専門家が、国防総省関係者らの議会証言や公表資料を詳細に分析。大気圏外を飛来中のミサイルを迎撃する「地上配備ミッドコース防衛」(GMD)の有効性を検証した。
報告書は、レーダーやセンサーの性能に問題があることや、迎撃実験の条件設定が実践的でなかったことを指摘。「北朝鮮がハワイを長距離弾道ミサイルで攻撃した場合、迎撃ミサイルで破壊することはできないだろう」と批判した。
国防総省は9月末までに、GMD用の地上配備型ミサイル計10基をアラスカ州とカリフォルニア州に配備。太平洋越しに飛来する弾道ミサイルを追跡するレーダーと連結する。05年末までに計20基に増やす予定だ。
UCSは「いったん配備を凍結して、より実践的な迎撃実験をするべきだ」としている。(朝日新聞 2004/05/16)収容者への威圧、「国防長官が承認」 米誌報道
米誌ニューヨーカー(電子版)は15日、ラムズフェルド米国防長官が昨年、反米武装勢力からの情報収集などを目的に、イラク人収容者に対し身体的な威圧や性的な屈辱を与えることを認める極秘作戦を承認していたと報じた。アブグレイブ刑務所で起きた虐待事件は、この極秘作戦の一環として実施されたものだとしている。
事実だとすれば、国防総省トップの承認の下で虐待が組織的に実施されていたことになる。「イラクでの取り調べにはジュネーブ条約を明確に適用してきた」とする同長官の議会証言とも矛盾する。国防総省は同日、「記事の主張は奇異で陰謀めいており、誤りと匿名の連続で埋められている」と反論する異例のコメントを発表した。
同誌によると、極秘作戦は「銅の緑青」などの暗号名で呼ばれ、アフガニスタンでの対テロ戦争で実施。国際テロ組織アルカイダの重要人物を逃さないため殺害や尋問などを事前に承認するもので、性的な屈辱や身体的苦痛を伴う過酷な尋問方法も認めている。
昨年8月以降、反米武装勢力の攻撃が拡大したことを受け、ラムズフェルド長官の承認の下にケンボーン国防次官(情報担当)がイラク国内の刑務所の責任者ミラー少将にイラクでの適用を指示したという。長官が詳細な実態まで把握していたかは明確にしていない。
性的な屈辱を与え、写真を撮影した背景には、性に開放的でないアラブ人らの「弱み」につけこみ、写真が家族らに公開されることを恐れさせて、米軍側のスパイとして協力させようとしたとの見方を示している。
ミラー少将は、アルカイダメンバーらを収容しているキューバのグアンタナモ米軍基地から転任し、ジュネーブ条約の適用外としている同基地での取り調べ方法をイラクの刑務所でも適用しようとしたとの疑惑が米議会の公聴会で指摘されていた。(朝日新聞 2004/05/16)ref. THE GRAY ZONE(New Yorker 2004/05/15) イラク:殺害ビデオの米国人葬儀 父が米大統領ら批判
【ワシントン和田浩明】イラクの反米武装勢力とみられる男たちに殺害される様子のビデオがインターネットに流された米国人、ニック・バーグさん(26)の葬儀が14日、出身地のペンシルベニア州フィラデルフィア近郊で行われ、家族や友人らが故人をしのんだ。
父親のマイケルさんは13日、「息子の死はブッシュ大統領とラムズフェルド国防長官の罪によるものだ」と政権幹部を名指しで批判、見解を聞かれたマクレラン大統領報道官は14日、同行記者団に「家族にとっては困難な時期」とだけ述べ、直接の反論などは避けた。
バーグさんは殺害される前、4月初旬まで約2週間にわたりイラク警察当局に拘束された。家族は「この間に治安が悪化し出国できなくなった」と主張、米政府も拘束に関与したとして非難している。政府側は関与を否定している。
米メディアの報道によると、バーグさんの殺害犯らが「米政府に人質交換を要求したが、断られた」とビデオで述べている点について、マイケルさんは「もし事実なら、事情を説明してほしい」と記者らに語っている。(毎日新聞 2004/05/16)米軍グアンタナモ基地でも「虐待ビデオ」…英紙報道
【ロンドン=土生修一】16日付の英紙オブザーバーは、キューバにあるグアンタナモ米軍基地で米兵が収容者を虐待している場面を撮影したビデオが同基地に保管されていると報じた。
テロ関与の疑いで同基地に身柄拘束され今年3月に釈放された英国人男性(26)が同紙に語った。
同紙によると、この男性は、懲罰担当の兵士たちから刺激性のガスを顔にかけられたほか、指で目を突かれたり、便器に頭を押し込まれ水を流されるなどの虐待を繰り返し受けた。男性は、「虐待の一部始終はビデオカメラで撮影されていた」と語っており、同基地スポークスマンも同紙の問い合わせに、「懲罰の模様を撮影したビデオは保管されている」と回答し、ビデオの存在を認めたという。(読売新聞 2004/05/16)別の刑務所でも虐待死か 独誌報道
【ベルリン=熊倉逸男】ドイツの有力週刊誌「シュピーゲル」(電子版)は、米軍に捕らえられたイラク人男性(47)が暴行などの虐待を受けた結果、死亡した疑いがあると報じた。
同誌系列のテレビ番組の現地取材によると、イラク人男性は反米活動の疑いで米兵に拘束された。バグダッド近郊にあるアブグレイブ刑務所とは別の米軍基地内の刑務所に収容され今年1月、死亡。米軍は国際赤十字に「睡眠中の死亡」と報告した。
これに対し収容者仲間は、男性が5日間にわたって米兵による虐待を受け、その様子を撮影されたと証言。遺体を見たイラク人医師によると、全身に殴られたとみられる内出血のほか背中に傷があった。同誌は証拠として傷あとが残る遺体の写真をホームページに掲載した。同誌の指摘に対し米軍からのコメントはないという。(中日新聞 2004/05/16)安保理演説の誤り認める 生物兵器施設で米長官
【ワシントン16日共同】パウエル米国務長官は16日、米NBCテレビに出演し、イラク戦争開戦前の昨年2月に開かれた国連安全保障理事会の演説で示したイラクの移動式生物兵器製造施設に関する情報が「結果的に不正確で誤りだった」と述べ、米情報機関の手落ちを認めた。
同情報は、イラクの大量破壊兵器の脅威を国際社会に訴える「核心部分」だったが、長官の釈明でイラク戦争の大義がさらに揺らぐことになった。
国務長官は、安保理演説について、中央情報局(CIA)の最新情報を基に行ったとし、トラックや列車を使った施設の存在を裏付ける情報については「複数の情報源があり、われわれは慎重に精査した」と述べた。
イラク戦争後も移動式施設は発見されていないことから、国務長官は「(国際社会を)欺く結果となり、私も深く失望し、後悔している」と遺憾の意を表明した。(共同通信 2004/05/17)米大統領が過酷尋問承認 テロ容疑者に、と米誌
【ニューヨーク16日共同】17日発売の米誌ニューズウィークは、ブッシュ米大統領、ラムズフェルド国防長官、アシュクロフト司法長官が承認しイラクでの拘束者虐待の引き金になった、テロ容疑者の「拘束と尋問の秘密システム」に関する米政府文書を入手したと報じた。
それによると、ブッシュ大統領は2001年9月の米中枢同時テロを受けて02年1月、アフガニスタン旧政権のタリバンや国際テロ組織アルカイダに対し、過酷な尋問の禁止など戦争捕虜の待遇を定めたジュネーブ条約は適用されないと決定。
同月25日付の大統領あて覚書で、ホワイトハウスのゴンザレス法律顧問は「(大統領が)言うように、テロとの戦いは新たな戦争。ジュネーブ条約は時代遅れになった」と述べた。
この決定は対テロ戦争の敵は「権利のない非合法の戦闘員」とする考えに基づき、司法省の法律家グループが立案、国防総省、ホワイトハウスが承認した。(共同通信 2004/05/17)虐待で18人死亡と米紙 アフガン、イラクで
【ロサンゼルス16日共同】米軍による拘束者虐待問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズ紙は16日、アフガニスタンとイラクで虐待が原因で死亡した拘束者は少なくとも18人に上ると報じた。
情報機関筋によると、18人のうちアフガニスタンでの死亡は4人、イラクでは14人。アフガンでは、裸にし水を掛けたまま一晩放置された拘束者が死亡。米中央情報局(CIA)はこれを米司法省に伝えたが、関係者は処罰されなかった。
米軍はイラクの旧アブグレイブ刑務所の問題が発覚するまで、赤十字関係者を除き、報道陣や人権団体の収容施設立ち入りを拒否してきたため、人権団体などは今後調査が進むにつれ犠牲者の数が増えるとみている。
米国防総省はイラクやアフガンで拘束された収容者25人が死亡、うち3人が米兵やCIA関係者に殺害されたと公表している。(共同通信 2004/05/17)ムーア監督「華氏911度に製作中止の圧力があった」
【カンヌ(フランス)16日ロイター】米国のマイケル・ムーア監督は16日、新作ドキュメンタリー映画「華氏911度(ファーレンハイト9/11)」に対し、当初から製作を止めようとする圧力があったことを明らかにした。
同作品は、米国人とホワイトハウスが米同時多発テロにいかに反応したかに焦点を当て、ブッシュ大統領一家と著名なサウジアラビア人一族との関係をたどった。
同作品は、当地で開催中のカンヌ国際映画祭で上映されたが、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーが、傘下のミラマックス・フィルムに配給を禁止したことで論争を巻き起こした。
ムーア監督は、娯楽業界紙バラエティが主催した記者会見で、「当初から、この映画に対する製作中止の圧力があった。完成した段階では、配給を阻止しようとした」と述べた。
さらに、監督は「この映画をみると、これまで目にしたことがないものをたくさん知ることになる」と述べた。(ロイター通信 2004/05/17)イラク人虐待:電気ショックの拷問受け 元収容者が証言
【バグダッド杉尾直哉】イラクのアブグレイブ刑務所の元収容者が米兵による虐待の実態を毎日新聞に明らかにした。18日間にわたって裸にされたうえ、両手両足を後ろ手に逆エビの形で縛られたり、電気ショックの拷問を受けたという。「いっそのこと殺してほしいと思ったこともある」と振り返っている。
電気ショックの拷問が明るみになったのは初めて。証言したのはイラク西部ラウィに住む元イラク軍特別部隊教官、サダム・サレハ・ラウィさん(29)。昨年11月末にバグダッドで不審人物と見なされ、12月1日から今年3月28日までアブグレイブ刑務所に収監された。
証言によると、最初の18日間は「虐待の現場」として知られる「1A」棟の独房42号室に裸のまま入れられた。初日はプラスチック製の手錠で後ろ手に縛られ、ひざ立ちにさせられた。目隠し用のずきんを取られると、目の前に全裸の男性収容者の尻があり、米軍のエジプト人通訳から「同性愛者め」とさげすまれた。
連日のように立たされ、倒れるとモップの柄で殴るなどされた。つま先立ちの姿勢になるよう、腕などを鉄格子の高い位置に縛り付けられ数時間放置されたり、鉄格子の外側に両手両足だけ出して縛られ、1日中座らされたこともあった。小便は座ったまました。
看守らは、逆エビぞりの形で体を縛る方法を「スコーピオン(さそり)」と呼んで多用。看守に体を背後で押さえられたまま、犬をけしかけられたこともあった。
電気ショックによる拷問では電線を円形のシールで体に張り付けられた。ショックが体全体を貫き「死ねば神が魂を救ってくれると思った」という。夜通し大音響の不協和音がかけられ眠ることができなかった。
尋問はめったになかったが、国際テロ組織アルカイダの存在などを聞かれたことはあり、恐怖のため「何でもイエスと答えた」という。
サダムさんは拘束中に他の収容者とともに裸の写真を撮られ、米CBSテレビが公表したうちの1枚に自分を指し示すことができた。写真は看守の米兵から笑われながら見せられたこともあった。
サダムさんは出所後、婚約を自ら破談にした。「あんな恥辱を受け、女性と結婚などできない」と話している。
「1A」には独房10室をはじめ計約40室あり、収容者は数十人いた。虐待を行った米兵は少なくとも6人以上いたという。(毎日新聞 2004/05/17)旧イラク幹部:米の待遇、ジュネーブ条約違反 赤十字指摘
【ワシントン和田浩明】17日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、米国がバグダッドで拘束している旧フセイン政権幹部ら約100人の待遇について、赤十字国際委員会(ICRC)から「(捕虜などの人道的取り扱いを定めた)ジュネーブ条約に違反している」と今年2月に指摘されていたと報じた。
拘束者はフセイン元大統領側近のタリク・アジズ副首相らも含む。1日1時間しか日の当たらない独房に数カ月間監禁されたままだという。こうした拘束者に対する尋問には駐留米軍の規則は適用されず、厳しい尋問手法を使う場合も、アビザイド司令官の承認は必要としないとされる。
同紙によると、拘束場所はバグダッド国際空港の「キャンプ・クロッパー」という施設。(毎日新聞 2004/05/17)パレスチナ:イスラエル軍の道路拡張で1000人家失う
【エルサレム樋口直樹】ガザ地区南部のパレスチナ自治区ラファでイスラエル軍が軍専用道の拡張を目的に周囲の民家を破壊している問題で、14日以降に約90戸が取り壊され、新たに1000人以上の住民がホームレスになっていることが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の17日までの調べで分かった。
UNRWA報道官によると、イスラエル軍は14日以降、206家族が暮らす88戸の住宅を破壊、1064人の住民が住み家を追われた。同報道官は「インティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)が始まって以来、ラファにとって最悪の日々だ」と指摘。ヨルダン訪問中のパウエル米国務長官は「イスラエルが自衛権を有していることは分かるが、ラファでのパレスチナ人民家の破壊には反対だ」と語った。
イスラエル軍は00年9月の衝突発生以降、エジプト国境沿いのラファが武装勢力による武器密輸拠点になっているとして、地下トンネルの摘発などを目的に民家を破壊。これまでに1万2000人以上の住民が家を失った。イスラエル軍はラファで先週、兵士7人を失ったことを受け、軍部隊の安全地帯でもある専用道の拡張を決定した。
地元住民は家屋破壊の中止を求める訴えを起こしたが、イスラエル最高裁は16日、緊急時の兵士保護のためには民家破壊も認められると判断した。イスラエル放送によると、イスラエル軍のヤアロン参謀総長はこの日の閣議で「さらに数百戸のパレスチナ人住宅が取り壊しの対象になっている」と発言、武装勢力側の出方次第で破壊範囲を広げる考えを示唆した。(毎日新聞 2004/05/17)ガザ撤退求め15万人デモ イスラエルの掃討作戦に国内反発
【カイロ=嶋田昭浩】イスラエルからの報道によると、同国最大の都市テルアビブで15日夜、パレスチナ自治区ガザからのイスラエル軍撤退とユダヤ人入植地撤去を求める集会が開かれ、15万人以上が参加した。
最大野党の労働党などの呼びかけによるもので、2000年秋にパレスチナ紛争が激化して以来、最大の規模となった。
ガザ地区では先週、「テロリスト掃討」を続けるイスラエル軍部隊がパレスチナ組織の抵抗に遭い、イスラエル兵合わせて13人が死亡。同時期に、イスラエル軍ヘリコプターのミサイル攻撃などでパレスチナ側は民間人を含め29人の死者を出した。集会では、これ以上犠牲者を増やしたくないという声が相次いだ。
労働党党首のペレス元首相は「これは左翼の集会ではない。(国民の)多数派の集会だ。(与党リクードの党員投票で撤退案に反対した)過激な右派の投票者より四倍多い人々がここに集っている」と発言した。
一方、イスラエル軍は16日未明、ガザのパレスチナ組織関連の建物などにヘリコプターからミサイルを発射。通りかかった子どもを含むパレスチナ人数人が負傷した。(中日新聞 2004/05/17)ブッシュ政権を厳しく批判 カンヌでM・ムーア監督
【カンヌ17日共同】米中枢同時テロやイラク戦争でのブッシュ米政権の対応を批判したマイケル・ムーア監督の新作映画「華氏911」が17日南フランスのカンヌで開催中の第57回カンヌ国際映画祭で初上映され、注目を集めた。
上映後に記者会見したムーア監督は「でっち上げで起こした戦争であんなに多くの犠牲者を出すなんて」とあらためてブッシュ政権を非難した。
映画は同時テロ前後のブッシュ大統領の動向を検証、ブッシュ家とサウジアラビアの有力者一族との緊密な関係を探ったドキュメンタリー。
ムーア監督は「今まで米国民が見たことがなかった映像や情報が含まれている。米国民はショックだろうが、見た人には何らかのリアクションを期待したい」と述べた。(共同通信 2004/05/18)ムーア監督、カンヌ映画祭で米大統領批判を展開
【カンヌ(フランス)17日ロイター】米国のマイケル・ムーア監督の新作映画「華氏911度(ファーレンハイト9/11)」は17日、南仏の保養地カンヌで開催中のカンヌ国際映画祭で上映され、批評家から温かい拍手で迎えられた。
場面の展開が早い同作品は、全編を通してブッシュ米大統領のイラクへの取り組み、テロとのたたかいを強烈に批判したドキュメンタリー。監督は大統領を冷笑する目的で、ポップなサウンドトラックを使用している。
映画は冒頭、同時多発テロの知らせを聞いた数分後、明らかに平然とした様子のブッシュ大統領の姿を映し出している。
大統領を支援するポップスター、ブリトニー・スピアーズがガムをかむ姿をとらえる一方、ホワイトハウスの外でイラク戦争で息子を失った女性がこらえようもなく嘆く姿も映し出している。
監督が、ワシントンで議員を呼び止め、「イラクに子どもを送り込んだ議員はほとんどいない。実際は1人しかいない。議員の子どもが最初にいくべきではないか」と質問し、拒否される姿も見られた。
映画は、軍需産業関係者によるイラクの利権へのコメント、テロ後のビンラディン一家逃亡、イラク駐留米兵によるイラク人虐待の最新映像なども収録している。
自身に向かってののしりの言葉を吐く大統領の映像も見せるなど、大統領に対する皮肉なユーモアも盛り込んでいる。
「華氏911度」は、11月の米大統領戦を控え、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーが傘下ミラマックスに配給を禁止したのを機に国際的なメディアの注目を浴びた。(ロイター通信 2004/05/18)M・ムーア監督「ブッシュ批判」新作、カンヌで好評
フランス・カンヌ──ディズニーによる配給拒否で話題となったマイケル・ムーア監督の新作「Fahrenheit 9/11」が17日、当地で開催中の第57回カンヌ映画祭で上映された。批評家からは、「パワフルな映画」「米国人が、自分たちの裏庭での出来事について描かれているこの作品を見ないとしたら、恥ずかしいことだ」などと、おおむね好評だった。
この作品は、「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞を受賞したムーア監督が、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏を含むサウジアラビアの有力者一族と、ブッシュ大統領一族の関係に焦点を当て、米同時多発テロの背景を探るコメディータッチのドキュメンタリー映画。カンヌ映画祭では、コンペティション部門に正式出品されている。
映画の題名は、本が全て焼かれてしまう近未来を描いたSF作家レイ・ブラッドベリの作品「華氏451度」をもじったもの。作中で華氏451度は「本が燃え上がる温度」を意味し、ムーア監督はこれにちなんで「Fahrenheit(華氏) 9/11」を、「自由が燃える温度」としている。
ムーア監督は、イラク戦争における米軍の実態を伝えるため、撮影クルーを複数の部隊にもぐりこませてあると公表しており、こうした秘密撮影隊が映したと思われるイラクの現地映像も、映画に登場。中には、イラク人の囚人が虐待されたり、死亡したイラク人赤ちゃんや幼児の遺体を米兵が火炎放射器で焼く映像などが含まれているという。
この作品は、製作資金を提供した配給会社ミラマックスの親会社ディズニーが、「政治的に偏向した映画を配給するのは好ましくない」として米国内での配給を拒否。ミラマックスは現在、配給権を買い取って第三者に権利を売却できるよう、働きかけている。
カンヌでの初試写会後、米国公開できるのか記者団に質問されたミラマックスのワインスタイン会長は、「この私が、みんなをがっかりさせたことがあるか?」と切り返し、米国公開に意欲を示した。
ディズニーの配給拒否についてムーア監督は、表現の自由の圧殺だと猛反発。配給拒否の真の理由は、ディズニーがブッシュ一族を怒らせてフロリダ州内での減税特別措置を失いたくないからだと、批判している。(CNN 2004/05/18)配給中止のムーア監督「華氏911」上映 カンヌ映画祭
「ボウリング・フォー・コロンバイン」で知られるマイケル・ムーア監督の新作で、ディズニーが配給中止を命じた「華氏(かし)911」が17日、第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映された。ブッシュ父子とビンラディン一族の石油利権をめぐる密接な関係などを多様な資料映像を駆使して検証した。
米軍の攻撃にさらされるイラクの人々の深刻な被害状況や米兵たちのジレンマを伝えた。また、戦闘長期化で泥沼化するイラクの状況を様々なニュース映像を引用して紹介した部分では、日本人の人質3人をとらえたアルジャジーラの映像も登場した。
上映後の記者会見でムーア監督は「この映画はブッシュ氏批判ではなく、9.11後に起きたより大きな問題を考えるのが目的」と語った。「米国民がもっとも衝撃を受けそうな場面」としては、2000年に請求した公文書には掲載されていたビンラディン一族に近いブッシュ氏の友人の名が、今年請求したコピーでは黒く塗りつぶされていたことなどを挙げた。
また、この作品は当初、俳優のメル・ギブソン氏率いる映画会社アイコンと製作の契約を結んだが、撮影開始直前に大統領周辺から同社幹部に「この映画に協力すれば、ギブソン氏は2度とホワイトハウスに招かれないと思え」と製作中止を求める電話があったことも明かした。「まだ米国の配給元は決まっていな