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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第42楽章:2003年12月]
グルジア政変の陰にソロス氏?=シェワルナゼ前大統領が主張
【モスクワ1日時事】グルジアのシェワルナゼ前大統領は、11月30日放映のロシア公共テレビの討論番組に参加し、グルジアの政変が米国の著名な投資家、ジョージ・ソロス氏によって仕組まれたと名指しで非難した。
ソロス氏は、旧ソ連諸国各地に民主化支援の財団を設置、シェワルナゼ前政権に対しても批判を繰り返していた。(時事通信 2003/12/01)ブッシュ政権の中東政策批判=カーター氏
【ニューヨーク30日時事】カーター元米大統領は、1日発売の米誌タイム最新号に掲載されたインタビューで、ブッシュ政権が「アラブとイスラエルの和平プロセスを傷つけた」と述べ、現政権の中東政策を批判した。
カーター元大統領は「ホワイトハウスと(イスラエルの)シャロン政権のこれ見よがしの同盟関係が米国のイメージにも、和平合意にも有害」と指摘。超党派で維持されてきたバランスの取れた政策をブッシュ政権が放棄したと批判した。(時事通信 2003/12/01)自衛隊派遣に「怒っている」 大江健三郎氏が仏紙で論陣
フランスの有力紙リベラシオンは1日、ノーベル文学賞を受けた作家大江健三郎氏の「私は怒っている」と題する論文を、1ページ全面をつかって掲載した。大江氏は自衛隊のイラク派遣を「日本がテロの標的とされる危険が深刻になる」と批判。米国から距離を置くべきだと主張している。
リベラシオン編集局によると、同紙側が意見を求めた。
大江氏は「小泉首相は兵士を派遣することがテロとの戦いだと思っているが、それは米国が取り組むべきこと。イラクへは純粋な人道的援助を提供するにとどめるべきだ」と論じている。
また、「派遣は開戦当初から決まっていた。小泉首相がブッシュ米大統領に無条件に従うと決めたからだ。だから私は怒っている。戦後半世紀あまりの中でも、日本がこれほど米国追従の姿勢を示したことはない」と指摘した。(朝日新聞 2003/12/01)イスラエルが過激派掃討戦 パレスチナ人男児ら4人死亡
イスラエル軍は1日未明、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区のラマラに侵攻した。軍報道官によると、イスラム過激派ハマス活動家の一斉拘束が目的。郊外の難民キャンプなど2カ所で銃撃戦が起き、9歳の男児を含むパレスチナ人4人が死亡した。
軍は「過激派30人を逮捕した」としているが、パレスチナ放送は「民間人40人が逮捕された」と報じている。ハマスによると、逮捕者の中にはハマスの地区幹部が含まれているという。アラファト自治政府議長の側近アブルデイネ氏は「自治区への軍事侵攻作戦は中東和平の行程表を壊そうとする挑発行為だ」と批判した。(朝日新聞 2003/12/01)民間人多数が巻き添え=米軍と武装勢力の戦闘、死者54人に−イラク
【カイロ1日時事】イラク駐留米軍が1日明らかにしたところによると、イラク中部のサマラで11月30日に起きた米軍と武装勢力との戦闘で、イラク側の死者は54人に上った。AFP通信は病院関係者の話として、女性と子供を含む少なくとも民間人8人が死亡、60人以上が負傷したと伝えており、多数の民間人が戦闘に巻き込まれたもようだ。
米軍は犠牲者に民間人がいるかどうかは明らかにしていない。地元警察幹部によれば、負傷者のうち約20人は当時、モスク(礼拝所)で日没の祈りをささげていたという。戦闘は30分ほど続き、武装勢力の少なくとも一部は逃走した。米軍の反撃は激しく、この幹部は無差別攻撃に近かったと証言している。(時事通信 2003/12/01)米軍、無差別に攻撃か サマラの戦闘、市民犠牲に
【バグダッド2日共同】イラク中部のサマラで11月30日に起きた米軍と反米武装勢力の大規模な衝突で、米軍部隊が無差別に攻撃し、一般市民に多数の死傷者が出たとの疑いが2日までに強まり、米軍は「そういう報告はない」と打ち消しに追われている。
またイラク駐留米軍は「54人の敵を殺害し、22人を負傷させたとみられる」と「戦果」を発表したが、現場の状況と食い違う部分が多く、疑いの目が向けられている。
戦闘直後のサマラ市街では、道路沿いに車がつぶれたように破壊され、モスク(イスラム教礼拝所)の門や病院駐車場も壊されていた。
サマラの住民らは「米軍がヘリコプターなどから無差別に攻撃した」と口をそろえて語った。
死者には、2人のイラン人巡礼者やモスクで礼拝していた男性も含まれており、病院の医師は「ここにいるのは全員が一般市民だ」と語った。
病院では、モスクで礼拝中だったという人や子どもらが手当を受ける姿が多数見られた。(共同通信 2003/12/02)“意味不明”発言大賞にラムズフェルド国防長官
ロンドン(ロイター)分かりやすい英語の使用を推奨する英国の市民団体「プレーン・イングリッシュ・キャンペーン」は1日、2003年の“意味不明発言”大賞を発表し、イラクの大量破壊兵器についてコメントしたラムズフェルド米国防長官の不可解な発言を選出した。
ラムズフェルド国防長官は、率直な強硬発言で有名だが、昨年2月の記者会見では、イラクの大量破壊兵器について、「何かが起こらなかったという報告は、いつも興味深い。なぜなら、知ってのとおり、知っていると知られていることがあるからだ。知っていると知っていることがあるわけだ」「また、知らないと知られていることもある。つまり、知らないこともあるということを我々は知っている。しかし、未知だと知らないこと、つまり、知らないと知らないこともある」とコメントした。
同団体の広報担当は「何が言いたいのか、わかったと思うが、本当にわかったかどうかは、わからない」と皮肉っている。
ほか“意味不明発言”には、カリフォルニア州の州知事に就任したアーノルド・シュワルツェネッガー氏の、「ゲイの結婚は、男と女がするべきものだと思っている」との発言もノミネートされていた。
同団体は毎年、不可解な発言をした著名人を選んでいる。昨年の大賞は、同性愛者なのかとの質問に、「自分が何者か、僕は分かっている。ほかは誰も、僕が何者か知らない。もし僕がキリンだったとして、誰かが僕をヘビだと言ったとしたら、僕は、いや僕は本当はキリンなんだよと思うだろう」と述べた米俳優リチャード・ギアさんに贈られていた。(CNN 2003/12/02)小型核:研究予算を計上 地中貫通型核も 米大統領が署名
ブッシュ米大統領は1日、5キロトン以下の小型核や、地下深く潜伏する敵の部隊やテロリスト、大量破壊兵器を攻撃目標にした「強力地中貫通型核」の研究予算を盛り込んだ総額273億ドル(約2兆9700億円)のエネルギー省関連歳出法案に署名、同法が成立した。
研究予算は「強力地中貫通型核」に当初案の半額となる約750万ドル、小型核に600万ドルをそれぞれ計上。核実験準備期間短縮のための経費として約2500万ドルが計上されたが、準備期間についてはブッシュ政権が求めた「1年半」ではなく、当面「2年」を目指すよう求めている。(ワシントン共同)(毎日新聞 2003/12/02)旧友に裏切られた=シェワルナゼ氏、ベーカー氏を批判
【モスクワ3日時事】「冷戦終結時の彼とは別人だった」−。無血政変で退陣したグルジアのシェワルナゼ前大統領は3日、ロシア紙イズベスチヤとの会見で、米政府が政権交代に動く契機になったとされるベーカー元米国務長官の今年7月のグルジア訪問について語り、ベーカー氏の“変節”を批判した。(時事通信 2003/12/03)バグダッドで「感謝祭の夕食」は大うそ
実際は朝食、メディアの協力でディナーに 米大統領の電撃訪問
ブッシュ米大統領の11月27日の電撃的なイラクを極秘訪問の際、駐留米兵士らと「感謝祭の夕食」をともにしたというのはうそで、実際には「朝食」であったことが分かった。
米ジャーナリストのウェイン・マドセン氏が米カウンターパンチ誌(電子版)に28日に寄稿した記事などで明らかになった。
この電撃訪問に同行したホワイトハウスの記者は、大統領のバグダッド出発直前まで報道しなかったと米CNNなどが報じていたが、実際には大統領の帰国まで報道せず、映像が「ディナー」であるかのような演出に協力したことも分かった。日本のメディアもすっかりだまされ、大統領が兵士と夕食をともにしたと報じていた。...(日刊ベリタ 2003/12/03)米軍の1700人脱走 イラクからと仏風刺紙
【パリ4日共同】すっぱ抜きで知られるフランスの風刺週刊紙カナール・アンシェネは3日、フランス情報機関の入手した情報として、イラクに駐留する米軍から、これまでに1700人が任務を離れ脱走したと報じた。
脱走兵はイラク戦争で従軍し、イラクに駐留した後、許可を得て米国へ一時帰国したまま戻らないケースがほとんどという。
同紙は、米国防総省がイラクで死亡した米兵の実際の数を隠し続けていると主張、「しかし、それだけが米国防総省を悩ませている数字ではない」と脱走兵の急増を指摘した。
同紙はさらに、米国のタカ派はこの数字が米国マスコミに知られるのを恐れていると報じた。
さらに駐米フランス高官が得た情報によると、7000人の米兵が精神的なダメージなどにより、治療のため撤収させられたほか、2200人が手足を失うなど重傷を負ったという。(共同通信 2003/12/04)米国:反テロ法の一部は違憲 サンフランシスコ連邦高裁
【ロサンゼルス國枝すみれ】サンフランシスコの連邦高裁は3日、国務省がテロ組織と認定した組織への資金・物資の提供を禁じた96年の反テロ法の一部は憲法違反という判決を下した。
95年4月のオクラホマシティー連邦ビル爆破事件を機に作られた同法を対テロ対策に多用するブッシュ政権にとって打撃になりそうだ。
AP通信によると、同高裁は、テロ組織で訓練したり、ロビー活動などの人的支援を行った人物に対し、終身刑を含む重い刑罰を与えることは違憲であるとの判断を示した。
テロ組織として認定されているクルド労働者党(PKK)の利益のために、民間の人権法律団体が米議会でロビー活動することの是非を争った裁判で、同高裁は「物資供与の中に(ロビー活動など)人的支援を含めることは、言論の自由を侵害する恐れがある」として、ロビー活動は反テロ法違反とする政府の主張を退けた。
また、テロ組織と認定された組織への資金提供を理由に刑事訴追する場合、献金がテロ行為に使われることを被告が認識していたことを証明する義務があるとした。
高裁は「政府の解釈では、クルド難民の子どもを支援するためにクッキーを購入した女性ですら、同法で罰することができる」と批判した。(毎日新聞 2003/12/04)豪州:米のミサイル防衛計画に参画へ
【シドニー山本紀子】オーストラリア政府は4日、米国が進めるミサイル防衛計画に参画すると発表した。弾道ミサイルや生物化学兵器などの攻撃を防ぐ、迎撃・警戒システムを整備していく。ヒル国防相は「今のところ直接的な脅威はないが、熟慮のうえ、計画参加を決めた」と述べた。計画の詳細や予算額は固まっておらず、2国間で協議する。
ミサイル防衛計画は、北朝鮮などの脅威を念頭に米国が膨大な予算をつぎ込み、開発を重ねている。日本も共同研究などに参加している。しかしミサイルを撃ち落とすためのシステムは非常に複雑で、迎撃実験の成功率も100%とはいえず、実現が疑問視されている。
ダウナー外相は米CNNに取材に対し、「無法な国家の攻撃から身を守るもので、あくまで自衛手段にすぎない」と強調した。周辺のアジア諸国が、対米協調に傾く豪州への批判を強めていると指摘されると、「我々も日本も米国の同盟国で、米国は自由社会のリーダー。平和を守るため、喜んで協調してゆく」と述べた。(毎日新聞 2003/12/04)エノラ・ゲイ:訪米市民団体に、原爆投下正当化のメール
広島に原爆を落としたB29爆撃機「エノラ・ゲイ号」を米・スミソニアン航空宇宙博物館が15日から一般公開することに抗議し、広島から訪米する被爆者の所属する市民団体に2日以後、「原爆投下は素晴らしいことだった」などと原爆投下を正当化する内容の英文メール4通が届いたことが分かった。エノラ・ゲイの展示を巡っては、95年にも米で原爆投下の正当性を巡る論争が起きた。
広島からは被爆者ら3人が、11〜18日に訪米する。メールは訪米団の通訳も務める小倉桂子さん(66)が代表を務める市民団体に送られてきた。小倉さんによると、差出人はそれぞれ違う外国人名で、団体名などの記載はなかった。メールには「われわれはそこに爆弾を落としたことを素晴らしいと思っている。エノラ・ゲイも誇りに思っている」などと書かれていた。中には、「地獄へ落ちろ」と書いたものもあったという。広島からの抗議の訪米を報じた記事を添付したものもあった。
エノラ・ゲイは原爆投下から50年となる95年、機体の一部が同博物館で特別展示された。当初は広島や長崎の被害実態を同時に伝える「原爆展」として企画されたが、退役軍人団体や米議会から強い反発があり、エノラ・ゲイの歴史と復元作業だけに焦点を当てた展示に切り替えられた。
95年当時に原爆資料館長だった被爆者の原田浩さん(64)は「被爆50年の夏、米新聞に核兵器廃絶を訴える全面広告を出した時も、同様のメールが届いた。原爆を正当化する声を乗り越えて核兵器の恐ろしさを伝えることが、ヒロシマに求められている」と話している。【牧野宏美】<エノラ・ゲイ号> 1945年8月6日に、広島へ原子爆弾を落とした米陸軍航空隊所属の爆撃機の名称。同機のポール・ティベッツ機長(当時)の母親のファースト・ネームからとった。
機体は、第2次大戦中に製造されたB29型重爆撃機で、全長30・2メートル、翼幅43メートル。原爆投下用に改造されていた。
同号は同日午前2時45分(日本時間同1時45分)、原子爆弾リトル・ボーイを搭載し、12人の搭乗員とともに、太平洋西部のマリアナ諸島テニアン島の基地から飛び立った。原爆投下時の科学観測と写真撮影を行う2機を従えていた。日本時間午前8時15分、高度約9600メートルで原爆を投下、上空約600メートルで爆発した。
同号は一線を退いた後、解体し保管された。95年には米スミソニアン博物館が同機の胴体部分などを展示し、併せて「原爆展」も企画したが、米議会や退役軍人団体などが強く反発、原爆投下の正当性をめぐる論争に発展した。結局、原爆展は中止され、短い説明文とともに機体だけが展示された。
長崎に原爆を落としたB29爆撃機は、オハイオ州デイトンのライト・パターソン空軍基地に展示されている。(毎日新聞 2003/12/04)セグウェイ技術を転用 戦場用ロボット開発へ 米国防総省
【ワシントン=近藤豊和】2年前に米国で登場した2輪電動スクーター「セグウェイ・ヒューマン・トランスポーター」の技術を利用して、米国防総省が戦場用のロボットを開発しようとしていることが3日までに明らかになった。
AP通信によると、開発を担当しているのは国防高等研究企画局。大学の研究機関などと提携し、自律型ロボットの新技術開発にセグウェイの「構造的に転倒しない」という点を応用する考えだ。
自律型ロボットは、戦場での連絡などに利用が期待される。セグウェイの発明者、ディーン・カーメン氏は「自動車という発明は、救急車にも兵隊の輸送にも使われている。広く技術開発に応用されることに何ら問題はない」と語っている。
かつて「夢の乗り物」として公開されたセグウェイは、「環境重視で絶対に倒れない」をうたい文句としたが、今年9月に転倒事故が3件続いたためにリコールが実施された。
この際、リコール対象がたったの6000台だったことから普及度の低迷も話題となった。(産経新聞 2003/12/04)イラク人死者は2万1000人ー5万5000人
3月20日の開戦以来、民間人・兵士合わせ 英団体が報告書
【TUP速報=ベリタ通信】米国の反戦ニュースサイト「アンチウォー・コム」が3日までに報じたところによると、英国の反戦団体で核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の英国支部でもある「メダクト」(MEDACT)が新たに発表した報告書などから、米軍のイラク侵攻以来、兵士・民間人を合わせたイラク人の死者は推定で2万1000人から5万5000人に上っていることが分かった。同報告書は、占領下のイラクの治安状況が悪いことなどを原因として「イラク人の健康状態は米軍の侵攻前よりもおおむね悪化した」とも指摘している。...(日刊ベリタ 2003/12/04)参照:イラク人犠牲者は2〜5万人に(TUP速報 2003/12/04) ref. Charity: Iraq War Killed 21,000-55,000 Iraqis(Antiwar.com 2003/12/03) 小型核 米が研究再開 「抑止力」から使える兵器に
核不拡散政策と矛盾 国内にも批判の声
北朝鮮やイランの核開発阻止を掲げるブッシュ米政権下で、2004会計年度の国防権限法(国防予算)とエネルギー省関連歳出法が相次いで成立した。小型核兵器の研究などを禁止した「ファース・スプラット条項」撤廃と研究予算が盛り込まれており、矛盾した核政策は核不拡散体制に深刻な影響を与えかねない。(ワシントン・豊田洋一)「われわれは米国を強くし、平和を守り、米国民を安全にすることなら、何でもやる」
■何でもやる
ブッシュ大統領は先月24日、国防総省で行われた国防権限法署名式で、こう強調した。
廃止されたファース・スプラット条項は、民主党のファース元下院議員とスプラット下院議員がクリントン政権時代に提案、1994会計年度の国防権限法に盛り込まれた。広島型原子爆弾が持つ爆発力(約15キロトン)の3分の1程度にあたる5キロトン以下の小型核兵器の研究・開発・製造を一切禁止する内容だ。
小型核並みの威力をもつ燃料気化爆弾「デージーカッター」が実際、アフガニスタン戦争などで使用されており、核兵器が通常兵器級となれば、使用にためらいがなくなる。それを回避するのが、同条項の狙いだった。■ハードル低く
小型核の研究・開発を目指す動きは、2001年の米中枢同時テロ以降、急速に強まった。国際テロ組織アルカイダの指導者、ウサマ・ビンラディンが洞穴に深く潜伏し、通常兵器では殺害、拘束できない状況が続いたためだ。地下に多くの核施設があるとされる北朝鮮への対応も視野に入れていることは間違いない。
ラムズフェルド国防長官はこう説明する。
「生物・化学兵器を通常兵器で破壊すると汚染が広がるが、低威力の核兵器で破壊すれば、そうした問題を少なくすることができる」
放射線が病原菌を殺し、毒性の化学物質も破壊するとの理屈だ。
米国は冷戦当時、大規模報復が可能な核戦力を持つことで、敵の攻撃を抑止する相互確証破壊(MAD)戦略を維持。核は実際には使用できない兵器とされた。小型核の研究再開は、核を使える兵器にする狙いがある。ブッシュ政権になり、「核使用のハードル」は確実に低くなりだした。■軍拡招く恐れ
今回の条項撤廃では、研究から開発に移行するには連邦議会の承認を必要とするなど、民主党議員らの抵抗で一応の歯止めがかけられた。しかし、研究再開に踏み切れば、米国の先制核攻撃を警戒する国の核開発を促進させ、新たな核軍拡競争や核拡散の引き金になる可能性は否定できない。
ロシアのバルエフスキー軍参謀第1次長は素早く反応し、「われわれの核戦略を見直すべきだと思う」と表明。一方、川口順子外相は米国に対し、「核軍縮、核不拡散に悪い影響を与える」との懸念を伝えた。
実際に核兵器が使用される事態になれば、地下爆発でも放射能汚染が地上にも広がり、第2の「ヒロシマ・ナガサキ」を生みかねない。
米国が北朝鮮やイランの核開発の脅威を国際社会に訴えながら、自ら新たな核兵器研究を進めることは、核不拡散政策の矛盾を露呈しており、米国の平和団体も「国防予算の中に大量破壊兵器が潜んでいる」(ピース・アクション)と厳しく批判している。■実験再開など懸念
ダリル・キンボール米軍備管理協会事務局長の話 新型の低威力核弾頭や、地下貫通型の高威力兵器には、米国の国防政策上、実用的で合理的な役割はない。現在や将来の脅威には、通常兵器で十分対応でき、核兵器の役割を維持、拡大しようとする政策には懸念を抱いている。米政府は今のところ、核実験を行う兆候はないが、その可能性は残る。研究に予算が付けば結局2、3年以内に新型核弾頭の生産や核実験再開につながるのではないかと心配している。(中日新聞 2003/12/05)
韓国で「イラク派兵反対」8万人参加 各地で集会・デモ
韓国のイラク追加派兵をめぐる国会論議を前に、派兵に反対する市民集会やデモが6日、各地で開かれた。聯合ニュースによると、ソウルのほか光州など全国約70カ所で8万人以上が参加した。
10月の派兵方針発表以来、最大の盛り上がりとみられ、トップニュースで扱うテレビ局もあった。ソウル市の光化門では午後6時前、「米国はイラクから出ていけ」などと書いたプラカードを持った若者ら数千人が車道にあふれた。ソウル市庁前広場にも約4000人が集まった。(朝日新聞 2003/12/06)マイケル・ムーア監督、再びブッシュ糾弾ののろし
“打倒ブッシュ大統領”を掲げ、銃社会を痛烈に批判した映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したマイケル・ムーア監督(49)。今年3月の授賞式スピーチでも「ブッシュ大統領、恥を知れ!」とやり、話題になったが、ここにきて再び糾弾ののろしを上げ注目されている。
ムーア監督は全米で200万部、日本でも22万部のベストセラーになった「アホでマヌケなアメリカ白人」の著者でもあるが、最新刊となる著書「おい、ブッシュ、世界を返せ!」(アーティストハウス、税別1600円)が日本で先月末に発売された。
米メディアの報道を紹介しつつ、自身のリサーチ、理論でつぶさに検証したうえで、“ブッシュ批判”を展開する手法。
たとえば、「大統領への7つの質問」として「なぜ9・11直後、サウジの自家用ジェット機が米国中を飛び回ったり、ビン・ラーディン一族を国外に連れ出すのを許可したり、FBIにまともな事情聴取をさせなかったりしたのか?」などを俎上にのせ、ブッシュ一族とビン・ラーディン一族のビジネス上の“関係”を暴いたりも。
大統領の失言、失態も見逃さず、「ホワイトハウスを“大ボラ製造所”に変えた」などとぶちかます。
前作より過激だが、10月に出た米では70万部と好調な売れ行きで、改めてブッシュ政権論議のきっかけにもなっている。
さらにムーア監督は、同じテーマで新作のドキュメンタリー映画も製作中という。内容は明かにされていないが、「Fahren heit911(華氏911度)」のタイトルで、大統領選投票日(04年11月予定)の2カ月前に公開予定(日本も同年予定)とか。
アカデミー賞監督による“大統領糾弾キャンペーン”はさらに続きそうで、今後の動向、作品が気になるところだ。(ZAKZAK 2003/12/06)イスラエル軍攻撃、パレスチナ人3人死亡 ガザ
エルサレム(CNN)イスラエル軍報道官は6日、ガザ自治区2カ所で5日夜にパレスチナ人3人がイスラエル兵に銃撃されて死亡したと発表した。
イスラエル軍報道官によると、ガザ北東部にあるイスラエルとの検問所付近では、不審者姿が見えたので発砲したが、その時点では死傷者が出たかは分からなかったという。軍が翌朝、周辺を捜索したところ、迷彩服姿で手りゅう弾や爆発物25キロ分をもったパレスチナ人男性2人の遺体を発見したという。
これに対してパレスチナ治安当局は、死亡した2人は20代前半の青年で、畑に水をまいていたところをイスラエル兵に撃たれたと話している。
イスラエル軍はさらに、5日夜にはガザ南端のラファでも、立ち入り禁止区域にいたパレスチナ人を射殺し、遺体を翌朝発見したと発表した。
パレスチナ治安当局はこれに対して、殺されたのはラファ在住で16歳のパレスチナ人少年で、武装はしておらず、過激派グループとのつながりがあったかは不明だとしている。(CNN 2003/12/07)政府のサイバーセキュリティ戦略は「欠陥品」だ
(ZDNET News 2003/12/08)病理標本、米側が独自調査 第五福竜丸事件から半世紀
【ラスベガス(米ネバダ州)8日共同】静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23人が1954年3月、中部太平洋・ビキニ環礁付近で米国の水爆実験による「死の灰」(放射性降下物)を浴びた事件で、半年後に死亡した無線長、久保山愛吉さん=当時(40)=の遺体の組織の一部が米国に渡り、病理標本となったことが8日、米ネバダ州のエネルギー省(DOE)核実験公文書館に保管されている内部文書で明らかになった。
それによると、久保山さんの組織は、ワシントンの米軍病理学研究所(AFIP)で標本にされ、同研究所と米原子力委員会(AEC、現DOE)の専門家が死因を調査したとされる。
久保山さんの死因をめぐっては当時、「放射能症」と発表した日本側と「輸血による黄疸(おうだん)」と主張する米国側との間で大きな食い違いがあった。(共同通信 2003/12/08)米軍機攻撃で子供9人死亡 ボール遊び中、機銃掃射
【カブール7日共同】アフガニスタン駐留米軍は7日、アフガン東部ガズニ州南部の米軍機による攻撃現場で、子供9人の遺体が見つかったと発表した。アフガンのジャラリ内相は「米軍が誤って子供9人を殺した」として、犠牲者が旧政権タリバン幹部を狙った攻撃の巻き添えになったことを明らかにした。
AP通信によると、米軍機はボールで遊んでいた子供たちに機銃掃射した。
アフガン東部と南部ではタリバンなどによるテロが激化し、米軍は掃討作戦を強化。民間人の犠牲も相次ぎ、今回の事件でアフガン市民の反米感情が一層高まるのは必至だ。
米軍は現地に調査団を派遣。子供の死亡原因は調査中としているが、米軍報道官は「罪のない命が失われたことは遺憾。犠牲者の遺族を支援するため、あらゆる努力をする」と述べた。
ブラヒミ国連アフガン特別代表は「国内の不安や恐怖を加速させた。早急に調査結果を公表すべきだ」と非難する声明を発表した。(共同通信 2003/12/08)アフガン:「タリバンはいなかった」 子供9人死亡で住民
【イスラマバード西尾英之】アフガニスタン東南部ガズニ州で米軍機の攻撃に巻き込まれ子供9人が死亡した事件で、地元住民が8日までにAP通信に対し「事件当時、米軍が標的としたタリバン幹部はいなかった」などと証言した。米軍が誤った情報にもとづいて攻撃した可能性を示唆するもので、非難の声が一層高まりそうだ。
同通信によると、米国のハリザド駐アフガン大使は、攻撃の目標がタリバンの元地元司令官のワジル師だったことを明らかにした。米軍報道官は、攻撃機のパイロットが「現場にこのテロリストがいたため攻撃した」と話した、と伝えた。
これに対し、地元住民は「死亡したのはワジル師ではなく別の男性で、同師は2週間前に村を出ていた」と主張した。住民のファロキさんは「ここにはタリバンもアルカイダもいない。貧しい住民だけだ」と怒りをあらわにしている。
事件に対し、カルザイ・アフガン大統領は犠牲者の家族に哀悼の意を表明する一方、米軍に対して原因の説明を求めるとの声明を発表。また、国連のアナン事務総長も「罪のない市民の命を犠牲にしてはテロとの戦争に勝てない」と批判した。(毎日新聞 2003/12/08)米、マーシャル核実験被害者らへの医療援助打ち切りへ
太平洋マーシャル諸島で約半世紀前に実施された核実験の被害者らに米国が進めてきた医療援助などの健康管理事業が、今年末で打ち切られることがわかった。
米国はマーシャル諸島共和国の中で、1946年から58年にかけて核実験場にしたビキニ、エニウェトク両環礁と、風下で「死の灰」を浴びたロンゲラップ、ウトリック両環礁の計4環礁の島民とその子孫約1万6000人(同国の人口の約4分の1)を対象に、86年から毎年総額200万ドルを出資し、定期検診や巡回医療を実施してきた。
しかし本国の財政難や、被曝(ひばく)者ら核実験の直接被害者には既に1.5億ドルを拠出してがんなどの病気ごとに補償金を支払ってきたことから、健康管理事業については数年前から打ち切りの意向を表明してきた。
同事業の継続を米国側に求めてきたロンゲラップ環礁出身のアバッカ・マジソン上院議員が、朝日新聞記者の国際電話に、今年末で打ち切られることを明らかにした。同議員は「打ち切り決定でヒバクシャらは大きな衝撃を受けている。核実験による島民への健康被害は半世紀近くを経た今も続いており、米国には今後ともその責任を果たすよう再交渉していく」と話している。(朝日新聞 2003/12/08)『自衛隊派遣ならテロの標的に』 シーア派最高位聖職者が警告
イスラム教シーア派の最高位聖職者で、レバノンのシーア派組織ヒズボラの精神的指導者とされてきたムハマド・フセイン・ファドルラー師(68)が本紙のインタビューに応じ、9日に基本計画が閣議決定される日本の自衛隊のイラク派遣について「日本の兵士は(先月12日にイラク南部での自爆テロで16人が死亡した)イタリア兵と同様の事態に直面するのではないか」と警告した。(ベイルートで、嶋田昭浩)イラクでは、住民の多数派を占めるシーア派の動きが、今後の政治体制を決めるカギとなる。
ファドルラー師は「ブッシュ米大統領は、イラクがテロとの戦いの戦場であると宣言した。つまり、米国の関心はいかにイラクの抵抗勢力と戦うかであって、イラクに平和と安全をもたらすかではない。現時点での派兵は日本の国益にかなっていない」と指摘。
その上で「イラクの人々は、米国との(同盟)関係で派遣されてくる他国の兵士を、イラクの平和維持でなく米兵の防護が目的だと考えている」として、自衛隊などが派遣されれば抵抗を受けるとの見通しを語った。
さらに同師は「日本の人々に分かってほしいのは、われわれはテロに反対するが、ナチス占領下のフランスの抵抗のように(占領された)自国の自由を守る人々をテロリストとは考えないということだ」と強調した。
一方、イスラエル軍に対するゲリラ戦を続けてきたヒズボラと自らの関係を否定した上で「イスラエル軍がパレスチナから撤退しさえすれば、パレスチナ人は自分の側から(イスラエルに向け)1発の弾丸も撃たないと言っている」とし、イスラエルに“肩入れ”する形で仲介に入る米国の中東政策を批判。「われわれは米国民やユダヤ人を嫌っていない。他の民族の土地を占領する彼らの政策を嫌っているのだ」と語った。(中日新聞 2003/12/08)国際司法裁に判断求める 分離フェンスで国連決議
【ニューヨーク8日共同】国連総会は8日、ヨルダン川西岸にイスラエルが建設中の「分離フェンス」問題で緊急会合を開き、同フェンスの合法性について国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)に「勧告的意見」を求める決議案を賛成多数で採択した。採決では賛成90、反対8、棄権74だった。日本は棄権した。
決議案は、パレスチナが中心となりアラブ諸国などが共同提案。ICJにフェンスの違法性を認定させるのが狙いで、米国やイスラエル、オーストラリアなどが反対した。欧州の主要国などは、ICJに問題を持ち込めば政治対話を妨げる恐れがあるとして棄権に回った。
パレスチナ自治政府のキドワ国連代表(大使に相当)は会合で、イスラエル政府を「ファシスト」と決めつけ「イスラエルがフェンス建設を続ければ、パレスチナ新和平案(ロードマップ)は終わりだ」と警告。
これに対しイスラエルのギラーマン国連大使は「フェンスはテロを主導するアラファト(自治政府議長)が造ったようなもの」と反発、非難の応酬となった。
国連総会は、いかなる法律問題でもICJの勧告的意見を要請できると国連憲章で定められている。同意見に法的拘束力はない。(共同通信 2003/12/09)米、議定書関連の拠出拒否
【ミラノ(イタリア)共同】地球温暖化防止の役割を担う気候変動枠組み条約の事務局予算をめぐり、京都議定書を離脱した米国が「議定書関連の支出が含まれているのは容認できない」としてその分の拠出を拒否、2004年〜05年の予算に約62万ドル(約6500万円)の穴があくことが9日分かった。議定書にあくまでも反対する米国の姿勢が予算編成にも及んだ格好だ。(共同通信 2003/12/09)米国の全入国者指紋・写真チェックシステム、年明けから稼働
(WIRED NEWS 2003/12/10)米で検挙のテロ容疑者6400人、有罪は7分の1以下
米シラキュース大学が8日発表した調査で、2001年9月の同時テロ後に米国でテロ関連の容疑で検挙された人は約6400人に上り、うち有罪になったのは7分の1以下の879人にすぎなかったことが分かった。有罪の場合も懲役の平均は14日で、司法当局のテロ対策の実効性に疑問の声も出ている。
調査は今年9月30日までの政府の記録を基に分析した。報告書によると、逮捕後に釈放または無罪となった人は1802人で、釈放の理由の35%が「証拠不十分」だった。2845人が処分保留のままになっている。
調査結果について全米市民自由連合(ACLU)は「司法当局が対テロ戦の成功を誇張し、市民の監視強化の正当化に利用していることが明らかになった」と指摘。これに対しマクレラン大統領報道官は「調査は、初期段階の逮捕と起訴がテロの抑止と情報収集に役立っていることを無視している」と批判している。(ワシントン支局)(日本経済新聞 2003/12/09)米攻撃で子供6人死亡 アフガン、再び巻き添え
【カブール10日共同】アフガニスタン駐留米軍は10日、東部パクティア州のガルデス近郊で5日夜に行ったテロリスト掃討作戦の現場で、子供6人と大人2人の遺体が見つかったと明らかにした。空爆や地上攻撃の巻き添えになったとみられる。
隣接する東部ガズニ州では6日、旧政権タリバン幹部を狙った米軍機の機銃掃射で子供9人が死亡したばかり。米軍報道官は「民間人の被害を出さないとは保証できない」と今後も巻き添え事件が起きる可能性を指摘しており、相次ぐ子供の被害と合わせアフガン市民の反米感情がさらに強まるのは確実だ。
米軍報道官によると、米軍が5日に攻撃したのは元タリバン幹部の住居兼武器庫とされる施設。報道官は「攻撃時、現場に非戦闘員がいることを示す情報はなかった」と述べ、子供たちがいると知らずに攻撃したことを認めた。(共同通信 2003/12/10)イラク派遣「石油の利益分配の狙い」 中国・新華社分析
中国国営通信・新華社は10日未明、「日本政府のイラク派兵決定の背景」と題する東京発の分析記事を配信。外交官2人が殺害され国民の不安が強いにもかかわらず派遣を急ぐのは「日米関係をより近づけるほか、米国の力を借りてイラクでの地盤をつくり、石油などの利益の分配を受けることもできる」との狙いがあると分析した。
派遣計画について「戦闘が続く国に重火器を持った陸海空の自衛隊を派遣するのは初めてで、第2次世界大戦後に日本が海外派遣する部隊では最大規模」と解説。「日本の戦後防衛政策の一大転換点だ」と指摘した。
さらに「日本政府は一歩ずつ自衛隊を海外の戦地に送り出し、日本が経済力だけでなく軍事力でも大国だということを国際社会に示そうとしている」とする評論家の分析を引用。自衛隊派遣が野党や民間団体の強い反対を受けている、と報じた。(朝日新聞 2003/12/10)サマワで高レベルの放射線 劣化ウラン弾の影響か
自衛隊の派遣予定地となっているイラク南部サマワとバグダッド国際空港の兵器残がいで、高いレベルの放射線を民間の研究機関などが11日までに確認。現場を訪れたフォトジャーナリストの森住卓さん(52)は「劣化ウラン弾が使われたことがはっきりした。長期滞在した場合は被ばくの危険は避けられない」と指摘している。
森住さんは今月4日、サマワに放置されていたキャノン砲を発見。砲の付け根部分にめり込むなどして弾自体は確認できなかったが、被弾個所からは手持ちの計器で自然レベルの20倍以上の線量が測定された。
場所はサマワ中心から約1キロのユーフラテス川沿い。森住さんが住民から聞いた目撃情報によると、3月下旬にアパッチヘリから攻撃があったという。
一方、バグダッド空港などの調査は、カナダを拠点に活動する独立系の研究機関「ウラニウム医療研究センター」(UMRC)が9−10月に実施。空港周辺では、劣化ウラン弾でできたとみられる戦車の貫通孔で自然レベルの600倍近く、バスラ近郊の戦車貫通孔では約2600倍の線量が測定された。(共同通信 2003/12/11)イラク、民間人犠牲者の集計中止=占領当局が好まず?−米紙
11日付の米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)によると、イラク保健省は、イラク戦争による民間人死者数の集計を中止した。同省のモフセン統計局長が10日明らかにしたもので、これまでにまとめられた死者数も公表しないよう職員に命令が出されたという。
それによると、モフセン局長は、集計中止命令はアッバス保健相の意向として同省幹部から告げられたと述べるとともに、同省を監督する米主導の暫定行政当局(CPA)も集計を好んでいなかったと語った。
これに対しアッバス保健相は、集計中止への関与を全面否定。CPAからも中止の指示はなかったとしている。(時事通信 2003/12/11)エバディさん、米の対テロ姿勢を非難=ノーベル平和賞授賞式で記念演説
【ロンドン10日時事】2003年のノーベル平和賞授賞式が10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で行われ、受賞者のイラン人女性弁護士シリン・エバディさん(56)は記念演説で、一部の国が2001年9月に起きた米同時テロを口実にして人権を侵害しているなどと述べ、米政府の強硬な対テロ姿勢を非難した。
エバディさんは「人権や自由の抑圧が、対テロ戦という偽装の下で正当化されている」と指摘。さらに、キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されているテロ組織アルカイダのメンバーらに対する処遇問題に触れ、「(一般市民の人道的取り扱いを定めた)ジュネーブ条約に反している」と訴えた。
エバディさんにはこの日、記念メダルと賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億4700万円)が贈られた。イスラム教徒の女性が同賞を受賞するのは初めて。ノーベル賞委員会は先に、授賞理由として「女性と子供の人権を守る闘いに力を注いだ」ことなどを挙げている。(時事通信 2003/12/11)イラク:新陸軍、3分の1以上が任務拒否 テロ恐れ
【ワシントン中島哲夫】「イラク人による治安維持」を目標に米国が大きな期待をかけるイラク新陸軍は最初の大隊を編成するため約700人が訓練を終えたが、3分の1以上にあたる約250人が作戦任務に就くことを拒否して既に辞職した。10日、米メディアが伝えた。テロを恐れたケースも多いと見られる。
イラク新陸軍は、旧イラク軍を解体させた米英占領当局が治安改善の中核戦力として育成を急いでいる。最初に募集した約700人は9週間の基礎訓練を10月に終了。ブッシュ大統領は11月11日の演説で、この第一陣が既に軍務に就いており、来年中に3万5000人を現場配置したいと期待を表明していた。
ところが、10日のAP通信によると、第一陣のうち約250人が、今月始まる現場での作戦任務を前に既に辞職したことを米国防総省当局者が認めた。当局者らの証言によると、辞職した一部は月額60ドルの給与では安すぎると不満を漏らし、その他は占領統治に協力するイラク人を標的にした抵抗勢力の攻撃を恐れた可能性がある。
この事態に対応するため米英占領当局のブレマー行政官は兵士の給与見直しを検討しているが、辞職せずに残っている約450人を予定していた作戦任務に出すかどうかは未定だという。
ラムズフェルド米国防長官は9日の記者会見でこうした実情にまったく言及せず、警官なども合わせたイラク人治安要員が計16万人に近づき「自国の治安維持にますます大きな責任を果たしている」と述べていた。(毎日新聞 2003/12/11)米国防総省:小型核弾頭の導入を勧告 諮問機関
【ワシントン和田浩明】米国防総省の諮問機関で軍事技術の開発政策に強い影響力を持つ「国防科学委員会」が、従来型核弾頭の性能維持体制を大幅に見直し、命中精度や地中貫通性能を高めた小型核弾頭の導入を進めるよう勧告する報告書をまとめていたことが10日わかった。備蓄核弾頭のうち実戦配備できないほど劣化したものの比率を大幅に減らし、小型核など「使用可能な核兵器」を新たに備蓄に加える形で導入することを求めたといえる。
ブッシュ政権は先月、小型核兵器の研究再開を決めたが、議会の承認を得るにあたり「研究に限定しており開発や使用は想定していない」と説明してきた。だが、ラムズフェルド国防長官の側近と言われるウィリアム・シュナイダー氏が委員長を務める国防科学委が、使用も視野に入れた提言をまとめていたことで、現実の政策に反映される可能性を懸念する声が高まりそうだ。
毎日新聞が入手した同報告書は「将来の戦略的攻撃部隊」と題され、8月15日付。核兵器の開発、製造や管理を担当する米エネルギー省が、備蓄核弾頭の信頼性と安全性を維持するため実施している「核兵器維持管理プログラム(SSP)」の見直しが中心テーマだ。ブッシュ政権は同プログラムに04会計年度で64億ドル(約6800億円)の支出を求めていた。
報告書は同プログラムが「従来型核兵器の性能維持が主眼で、将来の国家安全保障の必要性から見て適切ではない」と分析した。こうした兵器が対応すべき脅威の性質が変化し、より複雑になっているうえ、兵器そのものも「求められる効果に比べ(民間などへの)2次被害が大きすぎる」とも指摘。当時は研究のための予算要求段階だった地中貫通型核兵器の研究再開に触れ、「それ以上に多くが求められる」と主張したうえで「小型核などを含む備蓄」を提案している。
その上で、将来求められる核兵器の要件として、精度や地中貫通力が高いこと▽製造や維持が容易▽電子機器を破壊する電磁波や殺傷能力の高い中性子を高出力で発生する能力があること──などを提示。製造施設についても、新しい要求にすばやく柔軟に対応できることを求めている。<国防科学委員会> 軍事技術関連政策に関する米国防総省の諮問機関。56年に設立された。国防次官(調達・技術担当)が任命するメンバーは国防産業や米軍関係者が多数を占めており、勧告は国防長官にも報告される。(毎日新聞 2003/12/11)
「日本抑制は米の利益」 ニクソン氏、中国に明言
【ワシントン11日共同】1972年2月、ニクソン米大統領(当時)が訪中した際、周恩来首相(同)に対し「太平洋の平和のため、日本を抑制することが米国の利益と信じる」と明言していたことが11日までに会談議事録から明らかになった。
会談ではまた「米中のいずれかが日本について情報を手に入れたら相手に通知しよう」と提案した周氏に、ニクソン氏が「完全に秘密にできるようにすべきだ」と賛成。同席のキッシンジャー大統領補佐官(同)は「米中は直接話すべきで、間接的に日本を通すのはやめよう」と日本排除を提案していたことも判明した。
当時、急速な経済成長を続けていた日本に、軍事大国化を懸念する中国だけでなく、同盟国・米国のトップが根深い警戒感を明確に示していたことが裏付けられた。(共同通信 2003/12/12)「計算ミス大量被ばくに」 ビキニ水爆目撃の米教授
【メンドシーノ(米カリフォルニア州)11日共同】ビキニ環礁で1954年3月に行われた米国の水爆実験を艦船上で目撃、その後住民の医学調査に携わったカリフォルニア大ロサンゼルス校のドナルド・パリヤ名誉教授(72)=病理学=が12日までに、共同通信の取材に応じ「北西の水平線いっぱいに太陽のような火の玉が上がった」と半世紀前の惨事を振り返った。
静岡県焼津市の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23人やロンゲラップ環礁などの住民らが「死の灰」(放射性降下物)を浴びた水爆実験をめぐっては、当初5、6メガトンと予定された威力が、実際には15メガトンに上ったほか、想定外の東向きの風が吹いたとされる。
パリヤ教授は「威力の計算ミスや風向きの変化が重なり、大量被ばくにつながった」と指摘した。(共同通信 2003/12/12)イスラエル軍がラファ難民キャンプに侵攻、6人死亡
【ラファ(ガザ地区)11日ロイター】パレスチナ自治区ガザのラファ難民キャンプで11日、イスラム聖戦の活動家を逮捕するためキャンプ内に侵攻したイスラエル軍とパレスチナ武装勢力との間で銃撃戦があり、パレスチナ人6人が死亡した。目撃者が明らかにした。
パレスチナ当局によると、死者のうち5人は医療関係者など民間人。パレスチナ自治政府と過激派勢力との停戦協議が先週末に決裂して以降、イスラエル軍による最大規模の攻勢となった。
ラファの病院によると、負傷者は17人。子ども4人と数人の武装組織の活動家が含まれている。
イスラエル軍関係者は、指名手配中のイスラム聖戦の活動家の身柄を拘束するための作戦行動だったと述べ、対戦車ミサイルと自動小銃で攻撃を仕掛けてきた活動家に応戦したとしている。
イスラエル軍は、3人の活動家が死亡したと主張している。(ロイター通信 2003/12/12)核兵器はイスラムの教えに反する=イラン大統領
【ジュネーブ11日ロイター】イランのハタミ大統領は、イランによる核兵器開発はイスラムの教えに反する、との見解を示した。
また同大統領は、政府は人民を人権侵害から守ろうと努力している、と述べた。
同大統領は、世界教会協議会の会合で、「私はイスラム教徒として、(イスラムの)教えが核兵器開発を許すものではないと述べてきた。私の知っているイスラムは、(核兵器の)使用を想定していない」と語った。
この前日、イランは国連の抜き打ち査察など、より強化された核査察を受け入れることに同意すると表明した。(ロイター通信 2003/12/12)イラク復興事業で水増し請求か 米ハリバートン関連企業
ワシントン(ロイター) イラクの石油産業復興などを請け負っている米石油大手ハリバートンのグループ企業が、ガソリン代金など合計1億2000万ドル余りを政府に水増し請求していた可能性があることが、米国防総省の監査で明らかになった。国防当局者が語った。
当局者らによると、ハリバートンのグループ企業ケロッグ・ブラウン・アンド・ルートは、クウェートの下請け企業からガソリンを買い取ってイラク国内に供給した際、不当に高い代金を政府に請求し、支払いを受けていた。さらに、駐留米軍の食堂施設を提供する事業でも不当請求が見つかったという。
ハリバートンはチェイニー副大統領が就任前に最高経営責任者(CEO)を務めていた企業で、イラク復興事業の発注を優先的に受けているとの批判が集中していた。(CNN 2003/12/12)「米兵被爆死」終戦直後に遺族へ通知…米資料で判明
B29爆撃機「エノラ・ゲイ」による広島への原爆投下で米兵捕虜も死亡したことについて米政府は1983年まで公式に認めていなかったが、実際は終戦直後の46―49年に、少なくとも3人の遺族に「被爆死」を通知していたことが12日、広島市の歴史研究家森重昭さん(66)の調査と米国立公文書館の未公開資料などからわかった。
被爆死した米兵は45年7月末、広島近くで撃墜されたB24爆撃機「ロンサムレディ」と同「タロア」の乗員ら。爆心地から約400メートルの憲兵隊司令部など2か所で被爆した。
被爆者である森さんは、元捕虜らの情報から96年ごろ、ジェームズ・ライアン少尉(当時20歳)の「死亡通知書」を入手した。47年8月28日付で、「広島市は原爆で破壊され、少尉は亡くなった」と当時の陸軍省陸軍軍務局長名で記されていた。
読売新聞の米国立公文書館への照会で、同館には他に2人の死亡通知が存在し、連合国軍総司令部(GHQ)が原爆投下の2か月後には被爆した米兵捕虜の名前などをほぼ把握していたこともわかった。しかし、当時の米側は日本国内に「プレスコード(報道管制)」を敷いたため、原爆報道は規制され、83年、歴史学者バートン・バーンスタイン・米スタンフォード大教授が外務省の米兵捕虜の死亡者名簿をもとに照会するまで米政府は「被爆死した米兵」の存在を認めなかった。
バーンスタイン教授は「米政府が半世紀にわたって意図的に関係資料を隠してきたと考えられ、素晴らしい発見」と評価している。(読売新聞 2003/12/12)「仏独露の排除は愚か」 ネオコン論客が米政権批判
【ワシントン=永田和男】米政府がイラク復興事業の元請け受注から仏独露などの企業の排除方針を決めたことについて、ブッシュ政権に影響力を持つとされる新保守主義の代表的論客2氏が11日、「愚かである」と酷評した上、「ブッシュ大統領は、恐らく方針を撤回することになろう」との見解を発表した。
この見解は政策研究所「新アメリカの世紀プロジェクト」(PNAC)のウィリアム・クリストル代表と評論家ロバート・ケーガン氏の連名によるもの。
両氏は、イラク復興事業で英国やスペインなどこれまで協力的な国々の企業を優先すること自体は支持できると述べた上で、「真に賢明な政権なら、戦争に反対した国の企業の入札も受け付けることでその国の協力をも取り付けることだろう」と指摘した。
両氏は、ブッシュ政権は仏独露などの企業排除を公に表明してしまったことで欧州にかねて根強い「米国は友好国の意見も顧みない」との批判を蒸し返した上、ベーカー元国務長官による対イラク債務削減交渉も困難にしたと糾弾。「大統領は被害を最小限にとどめるため、すみやかに方針を撤回すべきだ」と主張している。
PNACは6年前に発足し、新保守主義の論客が集う拠点と目されている政策研究所。今回の仏独露の受注排除を決めた通達を発表したウォルフォウィッツ国防副長官も設立メンバーの1人で、副長官は欧州や民主党に加えて古巣の批判にもさらされた形だ。(読売新聞 2003/12/12)日本、ミサイル防衛システム導入へ
潤う米と防衛産業 2年で改良 カネのなる木
政府は近く開催される安全保障会議でミサイル防衛システム(MD)の導入を決定する。石破茂防衛庁長官がMD開発を急ぐ米国を訪問し、意欲を示してわずか1年。「対米追従」との批判もある中、防衛力のあり方を足元から揺さぶる巨大な武器システムの導入問題はあっさり決着。米政府と米軍需産業、さらに国内の防衛産業にとって毎年、利益を生み出す「カネのなる木」が誕生する。(社会部・半田 滋)先月下旬、都内で開かれた第2回日米安全保障戦略会議。米国防総省や自民党国防族が参加し、会場に隣接した講堂には日米防衛産業のブースが並んだ。
ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、レイセオン、ボーイング。世界市場で売り上げ1位から5位までに入る巨大武器メーカーだ。ブースには来年度予算で防衛庁が購入を計画しているイージス護衛艦から発射するスタンダードミサイル(SM3)や地上配備のパトリオットミサイル(PAC3)の実物大模型が展示された。
「新ミサイル防衛構想について」のテーマで開かれたシンポジウムで、米国防総省顧問のシュナイダー氏が「日本のミサイル防衛計画は米国の計画をさらに有効にする」と述べ、集団的自衛権行使を視野に入れた共同対処の重要性を強調した。■投資回収
官民挙げて売り込みを図る米国には、日本を取り込むことでMDの戦略的な効果を高める目的のほかに、10兆円に上る過去の投資を回収し、将来の利益につなげる狙いがあるようだ。
ミサイル防衛の歴史は古く、冷戦下の1983年、レーガン政権下で開始された「戦略防衛構想(SDI)」が原点。ブッシュ政権になって研究が加速、米政府は昨年12月、2004年と05年に米本土を守るMDを初期配備すると発表した。
同じ日、訪米中だった石破長官は米国に歩調を合わせるように「開発・配備も視野に入れる」と積極姿勢を表明した。米国が日本という、うまみのある市場をあらためて認識した瞬間だった。
米国防産業の最大手であり、MDの主契約企業でもあるロッキード・マーチン社とブッシュ政権とのかかわりは深い。01年から02年にかけての政治献金は236万9000ドルに上り、その6割が共和党に支払われた。チェイニー副大統領夫人がロ社の役員だったのは有名な話だ。
98年、米議会が設けた「弾道ミサイル脅威評価委員会」の委員長として北朝鮮による弾道ミサイルの脅威を強調し、MD導入の旗振り役を務めた現国防長官のラムズフェルド氏は、ロ社と関係深いシンクタンク「ランド研究所」の理事だった。
同研究所は01年に「日本と弾道ミサイル防衛」の論文を発表、日本のMD配備に1兆2000億円から5兆9000億円かかるという試算を行っている。
「米国製」ばかり並ぶミサイル防衛システムの中で、防衛庁は指揮統制・通信システムを国産とし、米国とのデータ交換なしでも運用できるシステムづくりを目指す考えでいる。
しかし、同様のシステムを既に完成させ、米国防総省に採用されたノースロップ・グラマン社の副社長、ガルーナ氏は「独自に開発することは時間とカネの無駄遣いだ」と話し、防衛庁に購入を勧めていると舞台裏を明かした。■政策変更
もともと、弾道ミサイル発射を探知できる早期警戒衛星を持たない日本は各種情報を米国に頼らざるを得ない。指揮管制・通信システムを日米でつなげば、集団的自衛権の行使に踏み込むことになりかねないが、前出のシュナイダー氏は「日本のイージス艦のレーダーを使って米国のイージス艦が弾道ミサイルを撃ち落とせば、コスト効果が増大する」と日本の政策変更に期待を寄せる。
国内の防衛産業のうち、MD導入の推進役となっているのは三菱重工業だ。昨年度の防衛庁との契約額は3481億円で、2位の川崎重工業の1102億円を大きく引き離しトップ。
だが、主力商品のF2支援戦闘機は数年内に生産を終え、防衛庁からの受注は激減する見通し。既にPAC3の前身である地対空ミサイルのPAC2をライセンス生産し、防衛庁に納入している同社にとって、米国では2年ごとに改良するMDはカネを生み続ける魅力的な商品となる。
MDに関する取材には「応じられない」とする同社だが、防衛庁幹部は「SM3、PAC3ともライセンス生産で導入したい」と三菱重工業への発注を示唆する。MDが“軍産複合体”のシンボルとなる日は近いようだ。■武器メーカーの献金額と主なMD生産内容
・ロッキード・マーチン 2,369,234ドル(1位) イージス護衛艦のイージスシステム、同垂直発射装置(VLS)、PAC3
・ノースロップ・グラマン 2,014,370ドル(2位) 統合国家インテグレーションセンター(JNIC)、宇宙追跡・査察システム(STSS)
・レイセオン 1,082,969ドル(4位) SM3
・ボーイング 387,234ドル(10位) SM3(キネティック弾頭)、PAC3(赤外線シーカー)
(注)金額は2001〜02年米国内の軍需産業部門政治献金。その下はMDの主な生産内容<ミサイル防衛システム(MD)> 弾道ミサイルをレーダーなどで識別し、軌道を予測して地上や海上から迎撃ミサイルで撃ち落とす防空システム。米国のブッシュ政権は弾道ミサイルを(1)上昇途中のブースト段階(2)大気圏外のミッドコース段階(3)落下直前のターミナル段階−の3段階に分類し、それぞれの過程で迎撃する構想を描く。日本は(2)の海上発射型と(3)の陸上発射型を組み合わせる。(中日新聞 2003/12/12)
パレスチナ:イスラエル軍が検問所でタクシーに発砲、女性死亡
【エルサレム樋口直樹】AP通信などによると、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区ナブルス近郊で13日、イスラエル軍兵士がタクシーに向けて発砲、乗っていたパレスチナ人女性の大学生(20)が死亡した。軍側はタクシーが検問所を強行突破したうえ、威嚇射撃を無視したため発砲したと主張している。タクシーには計8人が乗車、ナブルスに向かう途中だった。死亡した女性は胸に2発の銃弾を受けていたが、他の7人にけがはなかった。(毎日新聞 2003/12/13)原爆投下機:被爆者ら、米博物館に抗議署名手渡す
【ワシントン和田浩明】訪米中の日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のメンバーらは12日、スミソニアン航空宇宙博物館を訪れ、同館が予定しているB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の展示方法に対する抗議の署名約2万5000通や秋葉忠利・広島市長らからのメッセージを手渡した。
訪米団が面会を望んだジョン・デイリー館長(69)は「不在」(同館広報担当者)とされ、会うことができなかった。被爆者らは13日にワシントン市内で開催される集会で被爆体験や今回の展示への反対理由を報告。15日の展示開始日には会場を訪問し、原爆被害の写真を掲げるなどして、静かな抗議活動を展開する計画だ。
訪米団の1人の田中煕巳・日本被団協事務局長(71)は「B29はたくさんある。なぜエノラ・ゲイなのか、原爆の被害を考えるのか、博物館側の考えを聞きたかった」と話した。
デイリー館長は11日に毎日新聞と会見し「原爆の被害については承知しているが、原爆投下の意味をめぐる議論は長年続いている。今回の展示でそれを過不足なく示すのは不可能」と語り、展示内容を変更する考えはないことを示した。
13日の集会を企画したアメリカン大のピーター・カズニック教授(歴史学)は「原爆使用が本当に必要だったかは大いに疑問。いずれにせよ、双方の考えを取り入れた展示は可能なはずだ」と話している。(毎日新聞 2003/12/13)小型核兵器:米安保管理局が3施設に研究再開を指示
【ワシントン花岡洋二】ブッシュ米政権が10年ぶりに小型核兵器の研究を解禁したのを受け、米核安全保障管理局がロス・アラモス国立研究所(ニューメキシコ州)など国内3カ所の核施設に研究の再開を指示していたことが12日、毎日新聞が入手した内部文書で分かった。
文書は今月5日付。リントン・ブルックス局長名で、ロス・アラモス、ローレンス・リバモア(カリフォルニア州)、サンディア(ニューメキシコ州)の各国立研究所長にあてられている。国防総省と全面協力して研究を推進することを求める内容で、小型核兵器を使用したときの民間人の被害を減らすための研究の重要性を強調。NGO(非政府組織)などから「小型核を使えば民間の被害は甚大」と強く批判されたのを意識していることがうかがえる。
また、研究が禁止されていた10年間の空白を埋め、敵が保有する生物・化学兵器を破壊する技術の研究も進めるよう指示している。
文書で局長は「新しい脅威への抑止、対応能力を高めるための技術を自由に追求できる」と研究解禁を歓迎。「議会承認のない核兵器の実験、製造、配備は禁じられている」と注意を呼びかける一方で、「このチャンスを逃すな」と結んでいる。
米政府は94年、「スプラット・ファース条項」で小型核兵器の研究・開発を禁じた。しかし、ブッシュ大統領は先月、上下両院で可決された04会計年度国防権限法案に署名して、この条項を無効にしている。▽反核団体「グリーンピース・インタナショナル」のトム・クレメンツ顧問の話 近い将来、核実験の再開を狙うブッシュ政権の本音が行間から読み取れる。北朝鮮、イラン、イラクの核開発を批判する一方で、自らは開発を続ける2重基準に強い憤りを感じる。(毎日新聞 2003/12/13)
クラスター爆弾:イラク戦争中の死傷者推計1000人以上に
【ワシントン和田浩明】イラク戦争中に米英軍が使用したクラスター(集束)爆弾による死傷者は、推定で1000人を超えることが国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部・ニューヨーク)の現地調査報告で明らかになった。両軍が使用したクラスター爆弾は計約1万3000発で、その子爆弾数は約190万発に上った。また大量の子爆弾が不発弾となって放置され、不発弾で遊んでいるうちに爆発するなどして子供たちを中心に多数が死傷した。イラクでのクラスター爆弾による被害の詳細な実態が明らかになったのは初めて。
調査報告書は12日に公表された。調査は大規模戦闘がほぼ終結した4月29日から6月1日まで実施した。軍事紛争後の被害調査の経験を持つ専門家ら3人が、バグダッドなど10都市を訪問。住民や兵士からの聞き取り調査のほか、クラスター爆弾の使用場所や、民間人死傷者の病院での治療状況などのデータも集め、死傷者数などを算出した。
報告書によると、米軍が使用したクラスター爆弾は1万782発で子爆弾が約180万発。英軍は約2100発使用し子爆弾は11万3190発に上った。イラク軍側が軍事施設を市街地に設置していたこともあって人口密集地でもクラスター爆弾が使用され、民間人が多数死傷した。
特に被害の大きかったバグダッド南方約90キロのヒッラでは、3月31日の1日だけで15人が死亡、171人が負傷した。民間病院の1つに運び込まれた負傷者の9割がクラスター爆弾によるものだった。4月24日には米軍が投下したクラスター爆弾が市内の女子小学校を直撃。深夜だったため児童に直接の被害はなかったが、職員と近くの住民計2人が死亡、13人がけがをしたという。
被害は戦闘中だけにとどまらなかった。報告によると、不発弾として地上に残った子爆弾は推定で約9万発に上る。事実上の地雷となり、少なくともこれまでに数百人の市民が死傷し、報告書は現在も「被害が続いている」と指摘している。
同団体は報告書で「不発弾の率が下がるまで使用を中止するか、人口密集地の使用を避けるべきだ」と勧告。米英軍に対し、イラク戦争での民間人被害の徹底的な調査を行い、軍事作戦による非戦闘員死傷者の減少を目指すよう呼びかけている。(毎日新聞 2003/12/13)イラク人死傷者の大部分は米軍の無差別発砲による普通の市民
イラク北部の戦闘で米軍指揮官が証言
イラク北部のサマラで11月30日に起きた米軍部隊と反米抵抗勢力との大規模交戦では54人のイラク人が死亡、現地の米軍司令官はその多くは旧フセイン政権の民兵組織サダム・フェダイーンだと述べた。だが、これは事実ではない、と米軍の戦闘部隊の指揮官が、Soldiers for the Truth(SFTT)のサイト宛てに戦闘の実態を送ってきた。それによると、死傷者の大部分は普通の市民だった。同指揮官は、なぜ彼らが投石によってまで米軍に抵抗するのか理解できないとしながらも、圧倒的な火力による米軍の無差別攻撃がさらに多くのゲリラ志願者を作り出していくことを恐れている。...(TUP速報=ベリタ通信)(日刊ベリタ 2003/12/13)参照:町全体を舐め尽くす銃撃戦(TUP速報 2003/12/13) 「アメリカよ目を覚ませ!息子、娘たちを無駄死にさせるな!」
イラク帰還米兵が逮捕覚悟で惨状を証言
食料と水の不足で危機的状況に陥る米軍部隊、米兵の死傷者の増大と同時進行するイラク民間人のおびただしい死、家族の悲嘆、クラスター爆弾による孤児たちの虐殺…。イラク戦線から帰還したばかりの米軍下士官兵が、「Coalition For Free Thought in Media」というグループのインタビューで「地獄」の惨状を告発している。軍規違反による逮捕を覚悟で米国民に真実を知らせたいと願うこの兵士は、中・低所得層の兵士たちの血で肥え太るブッシュ政権関係者の行為をイラクと自分ら兵士に対する卑劣な犯罪と糾弾し、米国民がいまこそ「戦争の大義」の欺瞞に目を覚ませ、と訴えている。...(TUP速報=ベリタ通信)(日刊ベリタ 2003/12/14)参照:★恰好の標的 「我々を今すぐ家に帰してくれ!」★
「我々は石油と企業の欲望のために死ぬのか!」
(TUP速報 2003/12/14)来年も対テロ戦争継続 米大統領がラジオ演説
【ワシントン13日共同】ブッシュ米大統領は13日、週末恒例のラジオ演説で今年の業績を振り返り、対テロ戦争について「勝利するまで戦いを継続する」と述べ、来年も最重要政策として取り組む考えを強調した。
大統領は「対テロ戦争のあらゆる分野で迅速に行動した」とし、イラク戦争やアフガニスタン復興、生物兵器への対応など国内のテロ対策を強化した点を力説した。
また、景気浮揚のための経済政策について「減税が効果を上げてわれわれの経済は力強く成長している」と強調、雇用情勢も好転している点を指摘した。内政問題では、山火事の被害を減らすため、森林伐採を容易に行えるようにする法案など重要法案を成立させた成果を訴えた。(共同通信 2003/12/14)米司法省、100年以上眠っていた法律でグリーンピースを告発
(WIRED NEWS 2003/12/15)反米テロの動機は宗教や愛国心=スンニ派住民証言−米紙
【ワシントン15日時事】15日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、イラクのフセイン元大統領の拘束を受けて米軍当局者が反米テロの減少を予想しているが、首都バグダッドの北西に広がる「スンニ・トライアングル」の住民たちは、フセイン氏への忠誠心よりも、イスラム教上の理由や愛国心が反米抵抗活動の動機だと証言していると伝えた。(時事通信 2003/12/15)「大量破壊兵器など作り話」とフセイン元大統領 タイム誌
(CNN)14日付の米誌タイム(電子版)は、拘束されたイラクのフセイン元大統領が米軍の尋問に答えている様子を伝え、イラクは大量破壊兵器を保有しているのかとの質問に、「もちろんしていない。米国がでっちあげた作り話だ」と答えていると報じた。同誌によると元大統領は拘束時、抵抗勢力指導者の手紙を所持していたという。
タイム誌は、拘束直後の取り調べ記録を読んだ米情報機関関係者の話として、フセイン元大統領が大量破壊兵器保有について「もちろんしていない。米国はわれわれに戦争を仕掛けるために、勝手にでっちあげた作り話だ」と答えたと伝えた。取調官が「もし大量破壊兵器がないなら、なぜ国連査察に協力しなかったのか」と尋ねると、元大統領は「大統領関連施設などに入り込んでわれわれのプライバシーを侵害されたくなかったからだ」と答えたという。
同誌によると、フセイン元大統領はやつれてはいるが挑発的で、「気分はどうか」と聞かれると、「わが国民が束縛されているので悲しい」と答えたり、水を飲むかと聞かれると「水を飲んだらトイレに行かなくてはならなくなる。わが国民が束縛されているのに、どうして私がトイレなぞに行けるだろうか」と答えたりしたという。
米情報機関関係者はタイム誌に対して、フセイン元大統領拘束時に武器や現金などと合わせて押収されたブリーフケースに、バグダッドの抵抗勢力指導者からの手紙が入っていたと確認した。手紙は、複数の抵抗グループ指導者がバグダッドで会合を開いた際の議事内容を元大統領に伝えたもので、抵抗指導者たちの名前が明記されていたという。
情報機関関係者は、フセイン元大統領が尋問に協力して有用な情報を提供するかは疑わしいとの見方を示している。すでに拘束されていたアジズ副首相ら旧政権高官はほとんどが、実質的な情報を供述していないという。(CNN 2003/12/15)原爆被害の資料展示訴え エノラ・ゲイで被爆者ら
【ワシントン15日共同】広島に原爆を投下し、このほど復元されたB29爆撃機エノラ・ゲイがワシントン郊外の米スミソニアン航空宇宙博物館新館で一般公開された15日、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)ら日本の被爆者団体と米市民団体が、原爆の悲惨さを伝える資料が展示されていないとして同館前で抗議集会を開いた。
原水爆禁止広島県協議会の坪井直常任理事は「十数万人の子どもや女、男が一瞬にして死んだ。われわれは核廃絶に向け、気持ちを1つにしなければならない」と連帯を強調。
原爆投下直後の広島に調査のため入った父親を持つレスリー・スーザンさんは「父も被爆し私も被爆2世。核のない世の中をつくらなければ」とアピールした。
展示場では米国人がエノラ・ゲイにペンキを投げ付け、一時警備員が周囲を封鎖する騒ぎとなった。(共同通信 2003/12/16)第2夫人との電話が端緒? モサドが追跡と独紙
【ベルリン16日共同】16日付のドイツ大衆紙ビルトは、イラクのフセイン元大統領拘束の端緒について、イスラエルの対外情報機関モサドが元大統領と第2夫人のサミラ・シャーバンダルさんの電話で手掛かりをつかんだとの観測記事を掲載した。
同紙によると、元大統領とレバノンに住む第2夫人は定期的に電話連絡を取り合っており、11日に夫人はベイルートのインターネットカフェで通話していたという。記事の情報源は明らかにしていない。
同紙は、第2夫人が元大統領の居場所を意図せずに暴露してしまった可能性があるとしている。(共同通信 2003/12/16)代金不正請求疑惑の米企業、イラク復興事業で追加受注
【ワシントン15日ロイター】米軍は15日、イラク復興事業での代金不正請求疑惑が浮上している米ハリバートン<HAL.N>が先週、イラクで2億2200万ドルの事業を追加受注したことを明らかにした。
今回の追加受注は、米陸軍工兵隊から3月に受注したイラク石油セクター復興事業の枠内で、ハリバートンの子会社ケロッグ・ブラウン・アンド・ルートが同枠内で獲得した受注総額は22億6000万ドルとなる。
米陸軍工兵隊のスポークスマンは、今回のハリバートンへの追加発注は、「重要なインフラ設備の修復事業」に関連するもの、と話している。(ロイター通信 2003/12/16)物陰から射撃できる首振りタイプの新型銃
(WIRED NEWS 2003/12/17)米ハリバートンの子会社が破産法を申請
【ニューヨーク=北山文裕】チェイニー米副大統領が就任前に最高経営責任者(CEO)を務めた米石油・エネルギー関連大手ハリバートンは16日、エンジニアリング関連などの子会社が米連邦破産法第11章(日本の民事再生法に相当)を申請したと発表した。
ハリバートンは、元従業員などから、1990年代の生産設備で使っていた化学物質が原因でがんなどの重病を患ったとして損害賠償を求める訴訟を起こされており、請求金額の一部を払う代わりに、子会社が連邦破産法第11章を申請することで原告と合意していた。ハリバートンは、親会社やイラクの油田開発を受注した事業部門については、今回の同法申請の影響を受けないとしている。(読売新聞 2003/12/17)米英兵の迫撃砲も輸送可能 イラク派遣の参院審査
石破茂防衛庁長官は16日午後の参院外交防衛委員会の閉会中審査で、イラクに派遣される自衛隊が米英兵を輸送する際の携行武器の扱いについて「対戦車弾も迫撃砲も自分の身を守るためだから、(輸送して)いいのだという理屈もそれなりに成り立つ」と述べ、迫撃砲なども輸送可能との考えを示した。
さらに「米軍も身を守るために必要なものは(自衛隊と)そんなに異ならないだろう」と述べ、自衛隊が携行する無反動砲などの武器と同程度の他国兵の武器は輸送可能との判断を表明。米軍などの事情を優先し拡大運用される可能性があることが明らかになった。
小泉純一郎首相は「基本計画では武器・弾薬の輸送はできるが、実施要項ではしない」と述べ、実施要項には武器・弾薬の輸送を行わないことを明記する考えを示し、政府方針と実態運用とがかい離する可能性が歴然となったと言える。(共同通信 2003/12/17)イスラエル、フセイン氏暗殺を計画、ミサイル事故で断念
エルサレム(CNN)イスラエルが1992年、イラクのフセイン元大統領をミサイル攻撃で暗殺する計画を練り、訓練を実施したものの、作戦に加わる軍特殊部隊5人が不慮の事故で死亡し、断念したことが16日分かった。当時、イスラエル国会の外交・国防委員会委員だった人物や地元メディアが明らかにした。
暗殺計画の動機については、「イラク国民の苦境を救うため」「中東情勢の安定を図るため」などとしているが、91年の湾岸戦争でイラクがイスラエル国内へスカッドミサイル攻撃を仕掛けたことへの報復の意図もあったとみられる。
フセイン氏の親戚が当時、死去し、北部ティクリートで葬儀が営まれるとの情報を察知。身内の葬式だけに、元大統領本人が出席する可能性が強いと見て、墓地での暗殺を計画した。墓地の近場からミサイル2発を発射し、殺害に成功した場合、特殊部隊をイラク内の臨時の飛行場から空路脱出させる予定だった。
しかし92年、イスラエル軍の訓練場を墓地に見立てて訓練中に、ミサイル操作のミスが発生、葬儀参列のフセイン氏と親族の役割だった特殊部隊兵士5人が死亡する事故が起きた。他の6人も負傷し、計画はこの後、葬られた。計画はシャミール首相時代に作成され、後任のラビン首相時代に事故が起きていた。
参加した特殊部隊は志願で募られ、失敗した場合、「捕らわれの身になるより、自殺を選ぶよう」指示されていたという。この暗殺計画の存在は地元メディアに伏せられ、関連文書の公開は今月15日に解禁された。事故発生時、訓練の目的はレバノン内で活動するシリア、イラン系のイスラム強硬派組織ヒズボラの掃討と説明されたが、事故を報じた一部記者の軍取材許可証を取り消す措置も取ったという。
関連文書が今回、機密解除を受けたことについて、国家安保上の理由からイスラエル軍には不満の声も出ている。(CNN 2003/12/17)乗客の個人情報が米国へ EUが提供に合意
【ブリュッセル17日共同】欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、航空機でEU域内から米国に向かう乗客の個人情報を、テロ防止の目的で米国に提供することで米国と合意したと発表した。来年3月か4月ごろに実施される予定。
対象は国籍にかかわらず乗客全員で、乗客は搭乗手続き時に個人情報が米国に送られ保管されることに同意を求められる。拒否すれば搭乗券が発券されないか、米国に入国後に厳重な取り調べを受けることになる。
米国は2001年9月の米中枢同時テロを契機に、米国に航空機で向かう乗客の個人情報を提出するようEUに求めたが、EUはプライバシー法に抵触するとして難色を示していた。(共同通信 2003/12/18)被爆者の苦痛報道=「エノラ・ゲイ」展示問題−Wポスト紙
【ワシントン17日時事】17日付の米紙ワシントン・ポストは、広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の完全復元機が米スミソニアン航空宇宙博物館新館で一般公開され、これに抗議するため訪米した広島、長崎の被爆者について報じた。「エノラ・ゲイ、本当に恐ろしいせん光の中で」という見出しで、「ヒバクシャ」という日本語も紹介。原爆の悲惨さを伝える内容となっている。
「わたしは(被爆)当時、13歳だった。吹き飛ばされる直前、この飛行機が空を横切ったのを見た。怒りと苦痛を感じていた。級友は火に包まれていた。泣きたかったが、泣けなかった」(西野稔さん)、「(エノラ・ゲイを見て)悲しかった。涙が出そうだ。展示されているすべての戦闘機を見ると、ここ(スミソニアン博物館)は戦争博物館ではないのかと思えてくる」(田中煕巳さん)−。同紙は被爆者のこのような思いを伝えた。(時事通信 2003/12/18)露大統領:米国の「帝国主義化」を遠回しに批判
【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は18日、国営テレビを通じた市民との対話でイラク戦争に関連し「フセイン(元大統領)時代のイラクには国際テロリストは存在しなかった」と述べた。戦争を契機に国際テロ組織流入による混乱が続いているとの考えを示し、米国の占領政策を批判したものだ。
大統領は「すべては国連安保理決議に基づかずに行われ、正当だとは言えない」と米英軍主導のイラク攻撃と占領を改めて非難。さらに「いつの時代でも帝国的な大国は尊大さや無謬性といった問題に悩まされてきた。我々のパートナーの米国がそうならぬように望んでいる」とも語り、米国の「帝国主義化」を遠まわしに批判した。(毎日新聞 2003/12/18)日本政府、弾道ミサイル防衛システム導入を決定
【東京19日ロイター】政府は、午前に開いた安全保障会議と閣議で、弾道ミサイル防衛(BMD)システムを導入することを決定した。これを受けて、2004年末までに新たな防衛 計画の大綱および中期防衛力整備計画を策定する。
大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散が進展している状況で、BMDシステムが技術的に実現可能性が高くなったこと、専守防衛の理念に合致すると判断し、導入を決定。新たな安全保障環境を踏まえた防衛力の見直しが必要だとした。
決定を受けて、福田官房長官が閣議後に発表した談話では、(1)BMDシステムは、弾道ミサイル攻撃に対し、国民の生命・財産を守るための純粋に防衛的な、かつ他に代替手段のない唯一の手段として、専守防衛の理念に合致する、(2)従って、周辺諸国に脅威を与えるものではなく、地域の安定に悪影響を与えるものではない、としている。
他国を標的としたミサイルを撃ち落した場合、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈との問題が指摘されてきたが、集団的自衛権との関係では、同談話で、「あくまでもわが国を防衛することを目的とするものであって、わが国自身の主体的判断に基づく運用、第三国の防衛のために用いられるこはないことから、集団的自衛権の問題は生じない」としている。
その後開かれた記者会見で、福田官房長官は、「あくまで自衛手段で、他国を侵害するものではない。飛翔距離からしても明白だ」とする一方で、「特定の国を指していうものではないが、脅威があることに対して、なるべく早く整備するのは当然」、「守るべき手段をもつのは当然ではないか」と述べ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威に対応する必要を示唆した。(ロイター通信 2003/12/19)『独裁者』の口 のぞけば米の暗部が…
「取引したい」。米軍に身柄拘束された際、フセイン元大統領が吐いた言葉とされる。発言の真偽はともかく、米国の側にも「独裁者」に握られた「弱み」がある。イラン・イラク戦争時代、フセイン政権を軍事支援し「テロ支援国家」の下地をつくったのはほかならぬ米国だ。法廷でばらされては困る過去の暗部もあるだろう。公の場でどう裁くというのか−。■「政治家暗殺へ CIAが雇う」
「サダムは、彼に反対する人々にとって好ましくないことを話すだろう」
「(フセイン氏が)公平で自由な裁判が受けられるか、疑問がある」
そう強調したのはイランのハタミ大統領だ。イスラム革命後のイランと敵対した米国は、「敵の敵」であるイラクに軍資金や武器供与を続けた。蜜月時代があったからこそ知り得た米国の「闇の工作」を、ブッシュ政権は暴かれたくないだろうという指摘だ。
フセイン氏に証言されると米国が困る情報とは、具体的にどのような内容なのか。米国の国際戦略に詳しいニューヨーク州・バード大のジョエル・コベル教授は「サダムがまだどんな力も持っていない20代のころ、イラクの政治家の暗殺のために米中央情報局(CIA)が雇ったのがサダムだとされている」と指摘する。
放送大学助教授の高橋和夫氏もこう解説する。
「1959年、イラクのカセム将軍暗殺に失敗しカイロに亡命したフセイン氏にCIAが将来、手先として使おうと接触していた可能性が高い。米国の高官の中には過去、企業経営者としてフセイン氏に多額のわいろを提供していた人物も多い。裁判証言で実名が出されるのを嫌がるだろう」
中東経済研究所主任研究員の立花亨氏は「イ・イ戦争中、米国は軍事衛星情報をイラクに流した。使用された毒ガスの材料も提供していた疑惑もある」。
昨年9月には、レーガン政権下の80年代に、米国がボツリヌス菌や炭疽(たんそ)菌などのサンプルを直接イラクに提供したことが、米議会に提出された資料で明らかになっている。これが「汚い兵器」と呼ばれる化学兵器開発につながったとみられている。■クルド人虐殺で議会は制裁否決
中東調査会客員研究員の大野元裕氏は「88年に、イラクの化学兵器によるクルド人虐殺事件が発覚した時、米議会は対イラク制裁を否決。農業借款を再開する便宜も図った。それを後ろで支えたのがラムズフェルド米国防長官ら。化学兵器などの裏事情を暴露されたくなかったのだろう」。
84年に米国はイラクをテロ支援国リストから外しハイテク技術の輸出制限を緩和。これで大量破壊兵器の開発を可能にするスーパーコンピューターなどを輸入できるようになった。
国際政治学者の浜田和幸氏は「米国が困るのは、大量破壊兵器に関してしゃべられることだ」と断じる。
「イラクがどういう生物化学兵器を持っているかを米国は熟知している。もともと材料を米国が売ったのだから。カーター以降の歴代政権内部での石油利権も表ざたにしてほしくない話だ。83年に中東特使としてフセインと会談したラムズフェルド国防長官は(米石油関連サービス大手の)ハリバートンの代理人としてパイプラインの建設に関する交渉をしたともされている」と指摘する。
だが、「フセイン拘束」に酔う米メディアは、米国とイラクの「過去」に触れようとはしない。
明治学院大の川上和久教授(メディア論)は「米国はフセイン逮捕以降、情報を巧妙にコントロールしていて、不都合な情報を排除している。その広報戦略はほぼ100パーセント成功している」と説明する。
「国防総省は、フセインを生きて捕らえた場合と死んだ場合との広報について綿密な計画を立てていた。直後にフセインの映像を流したのも計画に基づいている。フセインの2人の息子が死亡した際に、イラクでは『死んでいない』といううわさが流れたので、確実に本物を捕らえたことを印象づけるために、直ちにビデオを流している」
そんな中で川上教授が注目しているのが、フセイン元大統領拘束直後に「(大量破壊兵器を)持っていない」という供述が米誌などにリークされた点だ。
「米国民が喜んでいるどさくさにまぎれて、大量破壊兵器については、この供述ですべて終わりにする戦略ではないか」と話した。
現在、元大統領はCIAなどが取り調べているが、前出の浜田氏は「フセインと裏取引を行っている節がある」と話す。
「米政権にとって、公開の裁判でフセインが『米国に言われて…』『米国のために…』などと過去の密約などをしゃべることは避けたい。死刑にしない代わりに、口止めをすることは十分ありえる」と説明する。
さらに浜田氏は「フセインの精神状態が不安定で、つじつまの合わない話をしているとの情報もある」と指摘した上で、こう推測する。「供述内容がどこまで本当か分からないが、裏取引とともに、どんな証言も精神に異常をきたした末の“妄言”とみなされてしまえば実質的な口封じになる。精神鑑定をして『裁判には耐えられない』とすることもありうる」■イランは強硬に事実解明を要求
だが、米国は、何らかの国際的な法廷の場で、独裁者を裁くことを約束している。裁判の前に、米国とフセイン氏が何らかの「司法取引」をするのも現実には容易ではないと、前出の大野氏は分析する。「司法取引でフセイン氏が死刑を免れた場合、独裁体制で苦しめられたイラク国民が納得するのか。そのあたりのイラク人感情に配慮し、処刑する可能性が高い」
立花氏も同様の見解だ。「米国も大量破壊兵器の証拠が出てくる可能性をほぼあきらめている。そもそも取引が成立する条件がない」と予想する。「イラク人に手を下させてフセイン氏を処刑する可能性が高い。法廷は形式上の“茶番”で、米国の強い影響下で行われる。フセイン氏を殉教者にさせないためには、それしか手段がない」
ただ、フセイン氏の口を封じたまま、葬り去るのも難しい。高橋氏は言う。
「米国としては、フセイン氏に余計なことをしゃべられるより、イラク人の手で早く処刑してもらいたいだろう。しかし、国際世論が許さない。その代表がイランのハタミ大統領で、過去の事実を明らかにすることを強硬に求めている」■フセイン元大統領拘束以降の発言(米誌などから)
「撃つな。私はサダム・フセインだ。イラクの大統領だ」「取引したいのだが…」(拘束時、米兵に)
「彼らはみな泥棒かイランのスパイだったからだ」(面会したイラク統治評議会メンバーの「なぜ大勢の人々を虐殺した」との質問に)「(大量破壊兵器は)持っていない。もちろんない。米国がわが国と戦争するために夢想したのではないか」「(国連査察官を施設内に入れなかったのは)大統領施設内に彼らを入れ、プライバシーを侵害されたくなかった」
「(取調官に「元気か」と問われ)私は悲しい。わが国民はとらわれの身にあるからだ」「(水を飲むように勧めると)私が水を飲めば、トイレに行かなければならなくなる。国民がとらわれの身にあるとき、どうして私がトイレなど使うことができようか」(いずれも1回目の尋問調書)(東京新聞 2003/12/19)日本の大手企業ら、イラク・ガス開発に参加
日本の三菱商社など、9社がイラクへの軍需支援を行っている米国のエネルギーグループのハリバートンの子会社であるKBRと共同でイラクのガス開発事業に参加する。
イギリスのフィナンシャル・タイムズは19日付で、大企業が共同で構成したコンソーシアムがKBRとともに連合軍臨時行政処(CPA)が発注するイラクの西部ガス田開発事業の入札に参加すると報じた。
KBRの親会社であるハリバートンはチェイニー米副大統領が一時経営していた会社。
これに先立って、日本のコンソーシアムは今年7月ガドバン前イラク石油部長官とガス開発事業関連の了解覚書を結んだ。米国と日本の会社が関心を集めているのは、イラクの西部アクラ油田地帯で、まだ探査が行われていないが、数十億ドルくらいの埋蔵量を持っているものと評価されている。ここで生産されたガスは、サウジアラビアとヨルダンに輸出するものと見られる。
日本政府は、スペインで開かれたイラク支援国会議で、04〜08年の5年間50億ドルを支援することに約束したため、日米コンソーシアムのアクラガス田開発事業が競り落とされる可能性が高いものと予想されている。日本のコンソーシアムには、三菱のほかに、丸紅、伊藤忠、トーメン、千代田などが参加した。日本の企業はこのほか、モスルの水力発電所の建設事業、病院のベッドの供給事業など、10事業あまりに進出することを考慮していると、新聞は伝えた。(東亜日報 2003/12/19)イラク派遣:自衛隊員、放射線測定器を携行
陸上自衛隊はイラクへの派遣隊員全員に放射線測定器の「新型線量計」を携帯させることを決めた。20日に第2師団(北海道旭川市)が開いた家族説明会で示し、「劣化ウラン弾に対する隊員の不安を解消するため」と説明した。
イラクでは、湾岸戦争時に米軍が使った劣化ウラン弾の残留放射能被害が指摘されている。陸自派遣が予定されるイラク南部のサマワ周辺で劣化ウラン弾が使われたかどうかは確認されていないが、防衛庁は万一を考えて対策を検討していた。
携行する「新型線量計」はボールペン大の大きさで、放射線が一定の基準値を超えると音で警告する。隊員は活動中、襟と腰に付ける。
劣化ウラン弾は、天然ウランを濃縮する過程で派生する核廃棄物の劣化ウランを利用した弾丸。米軍がイラクで使用した地域で、がん患者が戦前の数倍から数十倍に上るという調査結果もある。
元米軍医で放射線医学の専門家、アサフ・ドラコビッチ博士は先月、大阪市での講演でサマワ周辺でも汚染の可能性があると指摘。「派遣するなら、防護服や被ばく対策の専門家の随行が必要」と警告した。【渡部宏人】(毎日新聞 2003/12/20)イラク:米軍が誤射、警官3人死亡
【バグダッド大木俊治】AP通信によると、イラク北部のキルクーク警察当局は20日、キルクーク南方で駐留米軍がイラク人警察官を武装ゲリラと間違って発砲し、警察官3人が死亡、2人が負傷したと明らかにした。米軍側は事件を発表していない。
警察当局者によると、イラク人警官が道路で検問所を設置していたところ、パトロールに来た米軍が銃撃したという。現地では19日、米軍の輸送路に爆弾を仕掛けようとしていた2人にイラク警察が発砲する事件があり、周辺の警備を強化していた。(毎日新聞 2003/12/20)イスラエル:「市街戦用」新兵器を開発
【エルサレム樋口直樹】建物などの陰に身を隠しながら、死角の標的に銃身だけを正確に向けることができる──こんな新兵器がイスラエルで開発された。パレスチナ人との戦闘経験を基に発案したユニークな新兵器は、遮へい物の多い市街戦で威力を発揮するという。
英BBCによると、この新兵器は可動式の銃身部分に小型の精密カメラを取り付けたもの。兵士は遮へい物に隠れたまま、カメラ映像を見て最大400メートル先に照準を合わせることができる。自動小銃のほか催涙ガスの発射装置などにも転用可能。価格は3000〜5000ドル。既に米国やロシア、欧州諸国など計15カ国に販売されたという。
この兵器を発案したはイスラエルの元対テロ部隊員。80年代後半に発生したインティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)の最中、多くのイスラエル兵が武装パレスチナ人の隠れ家に正面から突入し、銃撃を受けた経験を教訓に発案した。元隊員は「イラクの市街地で戦う米兵にとってもこの兵器は強い味方になるはずだ」と話している。(毎日新聞 2003/12/20)自衛隊イラク派遣 もうひとつの危険 『文明の衝突』加担
空自先遣隊に命が下り、自衛隊のイラク派遣は秒読みに入った。国内では派遣の違憲性が焦点だ。だが、外からはパレスチナを軸とする「文明の衝突」に日本が巻き込まれたかに映る。イラクの米軍統治がイスラエル右派との連携を強めているからだ。そのイスラエルで和平機運が盛り返す。日本の「背伸び」が世界を逆走する危険もある。(田原拓治)■米軍統治『イスラエル化』
今月14日のフセイン元大統領の拘束を伝える米紙「ニューヨーク・タイムズ」の片隅に、見慣れない単語が記されていた。「特殊部隊タスク・フォース121」。米陸軍第4歩兵師団とともに拘束劇を演じた。
この特殊部隊の存在は今月初め、英紙「タイムズ」にスクープされ、一部の欧米メディアで注目された。米誌「ニューヨーカー」のシーモア・ハーシュ記者の報告を要約すると−。
「(121は)先制的な“人狩り”戦略のため、ラムズフェルド国防長官の肝いりで、陸軍のデルタフォース、海軍のSEALSなど特殊部隊、加えて米中央情報局(CIA)の選抜メンバーで編成された。イラクのバース党の地下情報網を操る中核メンバーの暗殺や拘束が主任務だ」■人狩り部隊訓練を依頼
英紙「ガーディアン」はさらにこう付け加える。
「国防総省はこの部隊の訓練のため、イスラエル軍の対ゲリラ戦専門家をノースカロライナ州のフォート・ブラッグ訓練基地に招いた。イスラエル軍のコンサルタントはすでにイラクにも入っている。『121』にはシリア国内に潜入し、イラク国境を越える前にアラブ志願兵を暗殺する任務も課せられている」
イスラエル軍は2000年9月の「第2次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)」発生以来、パレスチナ自治区で暗殺も含む「テロリスト」掃討作戦を展開している。この経験に学べ、というのだ。■湾岸戦争後暗殺計画も
イスラエルは92年、前年の湾岸戦争でスカッドミサイル攻撃を受けた報復として、当時のラビン首相の命令で、訓練中の死亡事故で派遣は中止されたものの、フセイン元大統領の暗殺部隊を創設していた。
この「121」の創設に携わった国防総省メンバーも、強硬路線をひた走るイスラエル右派のシャロン政権に連なる面々だ。
代表格はステファン・キャンボーン国防次官(情報担当)とウイリアム・ボイキン国防次官代理(陸軍中将)。キャンボーン次官はイラク戦争を「イスラエルの平和のため」と先導した新保守主義(ネオコン)派で、「使える小型核」の開発を主張したシンクタンク「国家公共政策研究所(NIPP)」の幹部だ。5月のイラク戦争終結宣言直後、押収した軍用トラックが「移動用の生物兵器実験室だ」(誤りと判明)と騒いだ張本人である。■『宗教戦争』物議を醸す
ボイキン中将はネオコンと同盟関係にあるキリスト教原理主義者で、イラク戦争を宗教戦争と位置づけて物議を醸した。いわく「イスラムの神はニセモノ」「イスラム社会は悪魔であり悪魔はわれわれをキリスト軍として滅ぼそうとしている」「ブッシュ大統領は選挙で選ばれたのではなく神によって指名された」。
だが大統領自らが「神が私を大統領選に出馬するよう欲していると感じた」(ステファン・マンスフィールド著「ジョージ・W・ブッシュの信仰」)と独白する政権下で、舌禍におとがめはなかった。
この特殊部隊に限らず、今秋以来、米軍は泥沼状況をパレスチナ自治区で続く「イスラエル方式」で打開しようとしている。抵抗勢力の同調者と見られる住民の家屋破壊、メンバーの自首を促すため親族の拘束、抵抗勢力が潜んでいるとされる村落の封鎖などだ。■パレスチナ問題に重ね
一方、イラク国民も「われわれとパレスチナ人に違いはない。フセイン政権が倒れたとき、イラク国民は誰ひとり自分の村が米軍に包囲されるとは思わなかった」(イスラム・オンライン)と反米感情を強める。
シリア在住のパレスチナ難民で、イラクへの義勇兵として死亡した青年の家族が「パレスチナの敵と戦って死んだ」(アラブ首長国連邦英字紙「ガルフ・ニュース」)と語るように、イラクでの攻防は中東やイスラム世界でパレスチナ問題に連なる「文明の衝突」の色彩を帯びてきている。
特殊部隊や統治評議会が新設する情報機関は、抵抗勢力一掃につながるのか。
「ベトナム戦争でもこれと似た方式が採られ、20万人以上が犠牲になった。戦争に関与した者だけでなく、私的な感情で殺された者もいた。この作戦の責任者であるウイリアム・コルビーCIA元長官は『すべきでない多くのことがなされた』と振り返った」(前出のハーシュ記者)■米大統領も中道を模索
特殊部隊はバース党残党勢力を攻撃対象にするとしている。だが、これまでフセイン勢力の再興を恐れ、米軍に対し自制してきたシーア派勢力などが「フセイン拘束」を機に反米活動を激化させるという観測も流れている。
国防総省を根城とするネオコン勢力が、いまだ発見されない大量破壊兵器をあるかのように情報操作し、戦争の引き金を引かせたことはすでに周知の事実だ。
ブッシュ大統領も10月、イラク統治の指揮を国防総省からライス大統領補佐官が率いる「イラク安定化グループ」に切り替えたり、ネオコンと対立してきた中道派のベーカー元国務長官を今月、特使として欧州へ派遣した。イラクでの泥沼から抜け出すべく国際協調路線への転換を模索しているといわれる。■シャロン政権批判が噴出
ネオコンと一蓮托生(いちれんたくしょう)のイスラエルのシャロン政権にも火が付き始めた。9月、イスラエル空軍の27人の兵士がパレスチナ自治区への空爆命令を「国家テロには加担しない」と拒否。制服組トップ、モシュ・ヤアロン参謀総長は10月、異例の政権批判をした。
「現行のテロ対策がパレスチナ人の憎悪をかきたて逆にテロを増やしている。(パレスチナ自治区での)夜間外出禁止令を緩和し、(自治区内に建設中の)分離壁も取り除くべきだ」
今月1日にはジュネーブでカーター元米大統領の立ち会いの下、野党労働党のヨシ・ベイリン元法相とパレスチナ自治政府のアベドラボ元内閣相が約2年半の秘密会合の末、「ジュネーブ合意」と名付けられた和平試案が署名された。■はしごを外される可能性
法的拘束力はないものの、中道派のパウエル国務長官も激励したとされ、欧州連合(EU)、英国、ロシア、エジプトなどアラブ諸国も支持した。国際情勢の風向きは明らかに変わりつつあり、米追随型で自衛隊を派遣する日本がはしごをはずされる恐れもある。
ただ日本の中東地域研究家は「現状のイラク統治はまだネオコン主導だ。この時期に日本がイラクへ派兵すれば、主観的に復興支援と言っても、ネオコンやシャロン政権への協力者とみなされる」とし、日本が「文明の衝突」に巻き込まれる危険を警告している。(東京新聞 2003/12/21)「空飛ぶ円盤」型飛行機の開発が再開?(上)
「空飛ぶ円盤」型飛行機の開発が再開?(下)
(WIRED NEWS 2003/12/22-24)在韓米軍がハイテク強化 有事への対応力を維持
【ロサンゼルス21日共同】21日付米紙ロサンゼルス・タイムズは、韓国に駐留する米軍が最近、バンカーバスターなどハイテク兵器の導入を強化していると報じた。在韓米軍の兵力を削減しても、北朝鮮有事の際の対応力を維持するのが目的。
バンカーバスターは、地下に建設された軍事施設を破壊するレーザー誘導の特殊爆弾で、約30メートルの深さまで攻撃対象にできる。このため米軍は、韓国と北朝鮮の間の非武装地帯でトンネルを建設している北朝鮮軍への攻撃に有効だとしている。
米陸軍が2001年に導入した最新鋭の戦闘装甲車「ストライカー」も今年夏から配備。軽量で高速移動が可能なため、起伏の多い非武装地帯周辺での作戦に活用できる。今年のイラク戦争でも使用された新型無人偵察機「シャドー200」も稼働中で、有事への「素早く柔軟な対応」(米軍筋)を可能にしている。(共同通信 2003/12/22)イラク人体実験:クルド人に化学兵器で 人権関係者ら文書入手
【バグダッド福島良典】米軍に拘束されたフセイン元イラク大統領の扱いが国際社会の関心を集める中、旧フセイン政権下のイラク軍がクルド人に対し、化学兵器の人体実験を実施していたとの疑惑にからむ書類の存在が明らかになった。クルド人政党や人権擁護グループらの関係者が21日、毎日新聞に示した。クルド人政党は元大統領ら旧政権首脳・高官を裁く特別法廷に関係書類を証拠提出する方針だ。
書類は▽イラク軍の軍事治安本部▽イラ5013部隊(化学兵器部隊)▽バグダッド南東にあるスワエラの収容所──の3者間で交わされた3通の「極秘」通信文。収容所は、89年10月26日付で「『ダブル24』作戦の実験を完遂するためにクルド人の第2グループ、1860人を移送した」と化学兵器部隊に送信、同部隊は28日付で「『ダブル24』作戦のため、さらにクルド人のグループを至急送ってほしい。総司令部は作戦の成果を早急に知りたがっている」と要請している。
「ダブル24」作戦が何を指すのかは不明だが、軍事治安本部は11月15日付の通信文で、化学兵器部隊に対し「5013部隊についての情報漏れを防ぎ、この件に関する関係書類を焼却処分するよう」指示。「その後、運転手、将校、部隊監督官を厳しく監視し、疑わしき将兵、特に当該地域のクルド人兵士は追放または殺害しなければならない」と命じた。
イラクはイラン・イラク戦争末期の88年、国内のクルド人鎮圧に化学兵器を使用。今年2月に国連安保理でイラクの大量破壊兵器の脅威について報告したパウエル米国務長官は、旧フセイン政権が80年代に生物化学兵器の人体実験を行った、と非難していた。
また、クルド愛国同盟(PUK)のアデル・ムラド政治局員(54)によると、クルド人勢力は旧フセイン政権崩壊後、80年代半ばにフセイン政権高官が人体実験用とみられるクルド人の移送を求めた書類を発見。この中で、高官は「先日、送ってもらったクルド人に化学兵器を使用したところ3分で死亡した。今度は400人送ってほしい」という内容の指示を出していたという。
ムラド政治局員は「旧政権はクルド人を実験用マウスのように扱った。化学物質には殺害だけでなく、生殖機能障害などを狙ったものもあった」と指摘する。クルド人勢力は旧政権崩壊後に政府関係施設などから20トン以上の書類を発見・押収しており、特別法廷を通じて、旧政権によるクルド人弾圧の実態を明らかにしたい考えだ。(毎日新聞 2003/12/22)イスラエル軍:予備役兵13人が兵役拒否 首相あて書簡に署名
【エルサレム樋口直樹】イスラエル軍の最精鋭部隊に所属する予備役兵13人が21日、占領地であるヨルダン川西岸とガザ地区での兵役を拒否するシャロン首相宛の書簡に署名した。イスラエル放送が報じた。最精鋭部隊は数々の首相を輩出し国民の信頼が高いだけに、兵役拒否宣言は、国際的に非難を浴びている占領地での軍事作戦に新たな一石を投じそうだ。
参謀本部偵察部隊「サイレト・マトカル」と呼ばれるこの部隊は米英の特殊部隊「デルタフォース」や「SAS」と並ぶエリート集団。76年ウガンダのエンテベ空港を電撃的に急襲し、パレスチナ・ゲリラの人質になっていた乗客らを救出した作戦などに従事したことで知られる。バラク、ネタニヤフの両元首相もかつてこの部隊に所属していたことがある。
13人は首相宛の手紙で「我々はもはや(パレスチナ)自治区での非道な支配に加担し、何百万人ものパレスチナ人の人権を無視することはできない」と宣言、併せて占領地にあるユダヤ人入植地の防衛作戦にも従事しない考えを示した。
これに対し、軍当局の報道官は「予備役兵が自らの政治的見解を発表する手段として軍の階級や部隊の名前を使うことは極めて重大な問題」とコメントしている。
イスラエルでは今年9月にも、軍の予備役パイロット27人が占領地での作戦飛行を拒否する手紙を首相に送り、多数の民間人を巻き添えにしてきたパレスチナ過激派幹部へのミサイル攻撃を厳しく非難している。(毎日新聞 2003/12/22)イスラエル国防相 イラン核施設攻撃に言及
【カイロ=嶋田昭浩】21日のイスラエルの有力紙「ハーレツ」によると、同国のモファズ国防相はイスラエル・ラジオのペルシャ語番組で、「もしイランの核保有能力を破壊する必要が生じたら、イラン市民を傷つけないよう必要な措置をとる」と発言した。
イスラエル軍は1981年、自国の脅威になるとみたイラクの首都バグダッド近郊の核施設を空爆。当日はイラクの休日で、犠牲者はフランス人技術者1人だったが、この20年間に空爆の技術が向上したため、同様の攻撃を行っても市民への被害を最小に抑えられるとの見方を強調したとみられる。
一方、リビアの決断を受け、アラブ諸国は、核保有能力があるとされるイスラエルへ国際社会が圧力をかけるよう要求。エジプトの半国営・中東通信によると、アラブ連盟のムーサ事務局長が「核拡散防止条約(NPT)に加わるようイスラエルに圧力をかけることが重要だ。イスラエルを例外にするのはおかしい」と発言した。(中日新聞 2003/12/22)化学兵器使用後も関係改善 米長官84年、イラク訪問
【ニューヨーク23日共同】米紙ニューヨーク・タイムズは23日、ラムズフェルド現米国防長官がイラン・イラク戦争中の1984年に、イラクのフセイン政権による化学兵器使用後も同政権との関係改善を図りたいとのメッセージを伝える米政府特使として、同国を訪問していたと報じた。機密解除された国家安全保障関係の文書で明らかになったという。
同紙によると、当時のシュルツ国務長官が製薬会社経営者だったラムズフェルド氏を特使に起用。米政府によるイラクの化学兵器使用非難はあくまでも原則であり、イランの勝利阻止とイラクとの関係改善が米の優先政策だとのメッセージを託した。
ラムズフェルド氏はブッシュ現政権の中で、化学兵器など大量破壊兵器保有を口実にしたフセイン政権打倒の主唱者の1人。(共同通信 2003/12/23)ref. Rumsfeld backed Saddam even after chemical attacks
(Independent 2003/12/24)トンキン湾事件 米の謀略 当初から認識
外交文書公開で明らかに
ベトナム戦争拡大のきっかけとなった1964年8月の「トンキン湾事件」で、日本政府内に発生当初から米国の謀略性を疑う見方があった。
当時、ジョンソン米大統領は「2度にわたり、北ベトナム(北越)が公海上の米駆逐艦を理由なく攻撃した。故意の侵略だ」として報復爆撃に踏み切ったが、事件は後に、最初の攻撃は米側のスパイ活動の結果起き、2回目は攻撃の事実自体がなかったことが判明した。
日本政府は他の西側諸国と同様に、「自衛権の発動だ」と米国を支持したが、背後では必ずしも米国が主張する事件の構図通りではないと認識していたことをうかがわせる。
事件から間もない8月12日、外務省で牛場信彦外務審議官(後に駐米大使)を筆頭に幹部計13人が会合を開いた。
牛場氏「米国の謀略説はどうか」
小川平四郎国際資料部長(後に初代駐中国大使)「謀略という言葉は悪いが、北越としては目の前を米軍艦が航行しているので、立ち向かわざるを得なかったのが第1回の事件だろう」
さらに、小川氏は「北越側が受け身で事件が起こったのだとみて、初めて事件の全ぼうの解釈が付く。結果からしても得をしたのは米国だけで、北越・中共(中国)の反応も周章狼狽(ろうばい)している。米国の行動は誠にWELL−DONE(うまくやった)」と、米側の挑発が事件を招いた可能性を指摘した。
虚構の事件と分かった北ベトナム側の「2回目の攻撃」に関しては、「米国のことだから、物的証拠があって安保理に持ち出す自信があるのだろう」(稲田繁南東アジア課長)との見方がある一方で、牛場氏は「それならもっと早く(証拠を)出した方がよりIMPRESSIVE(印象的)だ」と疑念を口にした。<トンキン湾事件>
ベトナムのトンキン湾で米駆逐艦が1964年8月2日と4日の2度、北ベトナムの魚雷艇から攻撃を受けたとして、米軍は5日、北ベトナム海軍基地などを報復爆撃した。米議会は7日、ジョンソン大統領に東南アジアでの戦争権限を広範に与える「トンキン湾決議」を可決、本格的な北爆など戦争の拡大、泥沼化に突入する契機となった。
しかし後に、北ベトナム側の最初の攻撃は米側のスパイ活動の結果起きたもので、2度目は攻撃の事実自体がでっち上げだったと判明。米国のベトナム戦争遂行に対する批判が高まる一因にもなった。(中日新聞 2003/12/24)KEDO米代表に元CIA分析官
米国務省の韓半島和平担当特使および韓半島エネルギー開発機構(KEDO)米代表にジョセフ・デトラニ元米中央情報局(CIA)分析官を任命したと、バウチャー国務省報道官が23日明らかにした。
バウチャー報道官は、デトラニ氏が最近中国を訪問し、中国政府高官や中国駐在の韓国大使、日本大使らと会談し、韓半島情勢や北朝鮮核問題をめぐる6者協議などについて協議したと話した。
同報道官は、デトラニ特使がプリチャード対北朝鮮交渉担当大使のポストを引き継ぐのではなく、「新たなポスト」として就任することになると説明した。国務省によると、ニューヨーク大出身のデトラニ氏は空軍将校として勤務したあと、1974年に経済分析官としてCIA入りし、欧州や東アジアを担当してきた。91年からは広報責任者として務めた。(東亜日報 2003/12/24)イラク戦争特需で12億ドル 航空業界にと米紙
【ニューヨーク26日共同】米紙ニューヨーク・タイムズは26日、米国防総省がイラク戦争で兵員や装備の輸送のために12億ドル(約1300億円)以上を米民間航空業界に支払ったと報じた。
国防総省の特需は、戦争の影響などで業績が低迷する航空業界の「頼みの綱」となっている。
同省の報告では、2−6月の緊急動員期間に兵員輸送で10社に6億3620万ドル、装備輸送で14社に5億7400万ドルを支払った。運んだ兵員は延べ約50万人、装備は16万1000トン以上。ほとんどが米国内の基地とクウェート間の飛行だった。
国防総省と契約した会社が戦時に輸送任務を請け負う「民間予備航空団計画」に基づく。制度が始まった1951年以来、運用されるのは2回目。前回91年の湾岸戦争時は、動員兵力は4倍で、期間も長かったため、支払い額は現在の通貨価値で約17億ドル相当だった。(共同通信 2003/12/26)フセイン元大統領 「米の策略ばらす」と脅す?
26日付のサウジアラビア紙アルワタンは、イラクのフセイン元大統領が米国当局の尋問に対し、クウェート侵攻(1990年)の際の米政府の策略など、明らかになっていない事実を暴露すると脅していると伝えた。
元大統領は尋問にまともに答えず「強引な取り調べを続ければ、湾岸戦争前の米国による画策を公にする」と語っているという。
元大統領は、大量破壊兵器の開発に携わったとされる科学者らは平和目的の開発に従事していただけだと主張。米国のイラク国民への犯罪行為を裁く国際法廷の設置を呼び掛ける意思を示しているという。(共同)(産経新聞 2003/12/26)イスラエル軍:分離壁建設反対デモに発砲 2人負傷
【エルサレム樋口直樹】ヨルダン川西岸のパレスチナ人集落マハセ近郊で26日、イスラエルの分離壁建設に反対する平和活動家らのデモ隊に向け、イスラエル軍兵士が実弾などを発砲、イスラエル人男性と外国人女性の2人が負傷した。うち男性は脚を撃ち抜かれ重傷の模様。イスラエル軍は事実関係の調査を始めた。
イスラエル紙ハーレツ(電子版)によると、このデモには約100人が参加、ワイヤー・カッターなどで分離壁の一部を破壊しようとしたところ、警戒にあたっていたイスラエル兵が実弾やゴム弾を発射した。男性には実弾が命中。女性にはゴム弾が直撃した。軍当局筋はデモ隊に向け実弾1発が発射されたことを認めたが、デモの主催者側は複数の実弾が発射されたと主張している。
参加者のひとりは同紙に対し、兵士に危害が及ぶ恐れが無かったにもかかわらず、警告無しで銃撃されたと話しており、野党などから事実究明を求める声が上がっている。
イスラエルがパレスチナ過激派の流入阻止を名目にヨルダン川西岸で建設中の分離壁をめぐっては、将来のイスラエル・パレスチナ国境を既成事実化する恐れがあるだけでなく、地元パレスチナ人の生活基盤が壁によって分断されるため、米国をはじめとする国際社会が強く非難している。(毎日新聞 2003/12/27)イスラエル軍、ヨルダン川西岸でパレスチナ人少年を殺害
【ナブルス(ヨルダン川西岸)27日ロイター】ヨルダン川西岸にある武装組織の拠点を捜索していたイスラエル部隊が、投石をする人々と衝突した。17才のパレスチナ人の少年1人が殺害され、少なくとも17人が負傷した。
目撃者らが明らかにしたところによると、少年はイスラエル部隊に立ち向かった際に、胸を撃たれた。
医療関係者らによると、負傷したパレスチナ人のうち、6人は銃弾で、11人はゴム弾で撃たれた。
イスラエル軍の広報官は、実弾の使用を否定。ナブルスのいくつかの地点で、大量の投石などを受けた後に、ゴム弾と催涙ガスで応戦したとしている。
広報官から、負傷者に関するコメントはなかった。(ロイター通信 2003/12/28)ブレア首相にまたも批判 大量破壊兵器で「誇張」
【ロンドン29日共同】イラクの脅威をめぐる情報操作批判を受けたブレア英首相が今月、イラクで大量破壊兵器を捜索している米調査団が「大規模な秘密実験室の証拠」を見つけた、と事実と異なる発言をしていたことが分かり、英メディアや野党から「懲りずにまた誇張している」と批判を浴びている。
首相発言は今月中旬、英軍向けメディアで収録、放映された。しかし、連合軍暫定当局(CPA)のブレマー行政官は、英テレビ局からブレア首相の発言と知らされずにこの情報の確認を求められ「だれが言ったか知らないが(においで周囲を惑わす)薫製ニシンのようだ」と言下に否定。首相の面目は丸つぶれとなった。
英国では、情報操作疑惑の渦中に起きた大量破壊兵器の専門家の自殺に関する独立調査委員会が来年1月に報告書を発表する予定で、首相批判が再燃しそうな雲行き。野党保守党の幹部は「首相は単なる自己弁護のために情報を誇張し、墓穴を掘っている」と皮肉った。(共同通信 2003/12/29)パレスチナ人強制移住計画の存在が明らかに シャロン家がギリシャの島入手へ
イスラエルのシャロン首相の息子たちが、パレスチナ人たちを強制移住させる資金集めを目的にギリシャの島を観光業者から譲り受けていた疑惑が浮上している。
イスラム系のネット新聞「イスラム・メモ」が24日に報じたところによると、リクード党議員でシャロン首相の息子であるオムリ・シャロン氏およびシャロン家の戦略顧問は、23日のイスラエル軍放送のインタビューの中で、観光開発請負業者のデビット・アビール氏が、観光プロジェクトを支援してきたシャロン首相に感謝し、島をシャロン家に譲り渡す方針を示していることを認めた。
さらにオムリ・シャロン氏は同インタビューの中で、譲り受けた島を開発、これによって得た資金を「アラブ住民(パレスチナ人)を集団移住させるために使うことを考えている」と述べた。オムリ氏によると、請負業者のアビール氏も「自分の夢は大金をつかみ、それをパレスチナ人たちに与えるためのプロジェクトを行うことだ。そうすれば彼らが自発的にイスラエルから去ることになる」と語ったという。
オムリ氏のこの発言は、パレスチナ人の強制移住計画が存在することが明らかになっただけでなく、シャロン家が事実上のわいろを受け取っていたことを認めたに等しい内容。オムリ氏はインタビューの中で「うっかり口を滑らせた」ともみられている。
インタビューの内容は、パレスチナの最有力紙「アルクドゥス」紙の一面で「オムリがパレスチナ人移住資金工面を目的にギリシャの島を入手」と報じるなど、大きな反響を巻き起こしている。
伏線としては、イスラエルの閣僚がしばしば「人種分離政策」を公言するなど、パレスチナ人の強制移住計画の存在がうわさされていたことがあった。
シャロン首相も、自らが党首を務める右派政党リクードの24日の会合で「350万ものアラブ人を我々の手元に置いておくわけにはいかない。すべての場所が今の姿でとどまることはないだろう」と、強制移住を視野に入れているとも取れる発言をしている。
首相は、この発言の際「パレスチナ政府の譲歩をただ待っているわけにはいかない。国益に照らし、単独行動を考える必要がある」とも述べている。
ギリシャの島をめぐるシャロン家と請負業者アビール氏の癒着問題は数年前から浮上していた。オムリ氏だけでなく、同じくシャロン首相の息子であるギラド・シャロン氏も関与しているとされる。
イスラエルメディアなどの報道によると、両者の癒着は贈収賄の疑いがあるとして警察当局が調べを進めている。調べによると、島の譲渡だけでなく、ギラド・シャロン氏は観光開発プロジェクトのコンサルタント料として10万米ドルを既に受け取っており、今後さらに30万ドルを受け取る約束になっていた。
しかし、ギラド氏は事実上、コンサルタント業務といえる仕事はしておらず、謝礼は有力者の息子への単なる賄賂であった疑いが強まっている。警察は、この問題でシャロン首相にも事情聴取を何度か行っている。
しかし、警察の捜査の進め方は遅々としており、このスキャンダルがシャロン首相の辞任に結びつくような致命的なものになるとは考えられていない。イスラエルの法律専門家らは「シャロンが辞職後、長期間経過して、ようやく事情聴取が終わるだろう」と冷めた見方を示している。
シャロン家の息子たちをめぐっては、これまでにも金銭をめぐるさまざまな疑惑が指摘されている。イスラエル警察は、オムリ氏が1999年のリクード党首選と2001年の首相選をめぐり、1300万ドル(約15億円)の違法献金を架空の会社を利用して送金した疑惑について捜査をしているが、これも全容が解明されないままになっている。(日刊ベリタ 2003/12/29)米軍誤射に怒り募らす住民 サマワ近くで葬列に発砲
【サマワ(イラク南部)30日共同】陸上自衛隊が派遣されるイラク南部サマワ近郊で、葬儀の際に伝統的に行われる住民の発砲を攻撃と誤解した米軍が応射し、参列していたイラク人男性に重傷を負わせていたことが30日、分かった。米軍はこの男性を治療のため病院に搬送しながら、家族に消息を知らせておらず、住民が怒りを募らせている。
自衛隊は発砲を受けた場合の応射に厳しい規制をかけているものの、極度の緊張を強いられる隊員に現地の文化に対する理解を徹底させなければ、同様の事故を繰り返すことになりかねない。住民にとって自衛隊が“占領軍”化しないためには、現場の隊員の十分な研修が不可欠だ。
住民への誤射があったのは、サマワの南東約50キロにあるハワイシリの幹線道路沿い。地元住民らによると、12月20日午前8時すぎ、葬儀の列が空に向けて発砲した際、通り掛かった米軍車両2台が応戦態勢で向かってきた。
バシム・マシャラウィさん(29)は近所の家に逃げ込んだところに米軍の銃撃を受け、左手の指4本を吹き飛ばされた。(共同通信 2003/12/30)外国機に武装要員義務付け 米、テロ対策で緊急命令
【ワシントン29日共同】米国のリッジ国土安全保障長官は29日、米国に乗り入れたり上空を通過したりする外国航空機に対し、必要に応じて武装要員の搭乗を義務付ける緊急命令を出した。外国機がテロリストの標的になる可能性が高まっているとの情報を受けた措置で、即時発効した。
外国政府が武装要員の搭乗を拒否する場合は、当該機の米国乗り入れを禁止するなどの対抗措置を取る。国土安全保障省のスポークスマンは「対象となる航空会社や要員の搭乗頻度など詳細は今後検討する」としているが、関係国が直ちに訓練された要員を確保できるかどうかなど、実行には困難も予想される。
長官は「航空機への脅威は国際社会への挑戦であり、各国が緊密に協力すべきだ」と述べた。要員搭乗を求めるケースについては「適切と考える時」とし、頻度などは明らかにしなかった。(共同通信 2003/12/30)イスラエル軍が分離フェンス反対のデモ隊に発砲、11人負傷
【ラマラ(ヨルダン川西岸)31日ロイター】ヨルダン川西岸でイスラエルが進めている分離フェンス建設現場で31日、建設反対のデモ隊にイスラエル軍が発砲、デモ参加のパレスチナ人10人とイスラエル人1人が負傷した。
軍当局筋によると、デモ隊は建設現場で投石を始め、境界線警備中の警官が軽傷を負った。
同筋は、発砲はしたものの実弾は使われなかったとしている。
イスラエル軍がデモ隊に発砲したのは、26日に次いで2度目。26日には実弾が使われ、イスラエル人と米国人の計2人が負傷している。(ロイター通信 2003/12/31)イスラエル:ゴラン高原にユダヤ人入植地倍増へ シリア反発
【エルサレム樋口直樹】イスラエルが67年の第3次中東戦争で占領したシリアのゴラン高原で、今後3年間でユダヤ人入植地を倍増する計画を進めていることが31日、わかった。イスラエル紙イディオト・アハロノトなどが、カッツ農業相の話として伝えた。シリア側は反発しており、暗礁に乗り上げている両国間の和平交渉の先行きは一層困難になりそうだ。
同紙によると、イスラエルは今後3年間で、ゴラン高原の基幹整備などのため3億シェケル(約75億円相当)以上投資し、第1期計画として新たに900戸の入植者用住宅を建設する。ゴラン高原の入植者数は現在約1万500人余とされる。ヨルダン川西岸やガザ地区での入植者が急増する半面、ゴラン高原ではここ10年間大きな人口増はなかった。
イスラエルはゴラン高原を占領後、一方的に併合を宣言。イスラエル・シリア間の和平交渉は停止したままだが、最近になってシリア側から交渉再開を求める声が強まっていた。ゴラン高原の返還を和平達成の条件とするシリアに対し、イスラエル側は前提条件無しでの交渉再開を主張している。このため、今回の入植地倍増計画は和平交渉を有利に進めるための既成事実づくりともみられている。
シリアの外務次官はロイター通信に「イスラエルは軍事力と占領によって何かを成し遂げることができると勘違いをしている。このような施策(入植地の倍増)は全く認められない」と非難する声明を発表した。(毎日新聞 2003/12/31)「日本、将来核武装も」 米政府機関2020年国際予測 公的文書、異例の言及
【ワシントン=近藤豊和】米中央情報局(CIA)の所属機関である米国家情報会議(NIC)が2020年の国際情勢を予測分析した報告書の中で、日本の防衛力拡大のための憲法改正と核武装の可能性に言及していることが分かった。日本の改憲や核武装をめぐる議論は米国内に以前からあるが、公的機関がまとめた報告書で言及されたのは極めて異例だ。
報告書によると、2020年までに、朝鮮半島や中台関係などをめぐって北東アジアの各国はそれぞれの異なる度合いで軍備強化を進め、日本はその中で最も技術的に優位な軍備を持つ地位を、駐留米軍とは別に保持すると分析。
そのうえで、「(日本は)自衛のための積極的な役割を増すことを可能とするために、憲法を改正するだろう」との見方を示している。
また、韓国は最終的に朝鮮半島の統一という国益を守るために軍備増強を続けると予測。中国については、台湾海峡への米国の干渉を制止するために、軍事力の近代化を進めるとし、北東アジアは他地域に比べても軍事的緊張が非常に高い地域になるとしている。
こうした状況の中で、朝鮮半島が統一された場合、日米同盟に圧力がかかることが予想されるほか、「北東アジアの駐留米軍の存在は、もはや韓国を防衛するということで(駐留を)正当化できなくなる」と指摘。こうした情勢変化は、日本と統一された朝鮮半島の双方を「核能力の獲得」へと導く可能性があるとしている。また、米国のこの地域での安全保障は継続されるものの、駐留米軍の再編や脅威への認識の変化によって「(同盟国との)結び付きは緩くなる」とも予測している。
日中関係については、中国が地域で確実に伸長する中で、日本は難しい選択を迫られ、地域での主導権を握ろうとするか、米国に接近するかのいずれかだと指摘している。
ワシントンのシンクタンク「スチムソンセンター」が12月に発行した「日本の核の選択」などによると、米国内での日本の核武装論議は一部で活発化しており、北朝鮮の核開発計画の中で、米国が中国などに「北朝鮮の核開発を中止させないと、日本が対抗上、核武装する事態になりかねない」との見方を示すことで、北朝鮮の核開発問題解決に中国を引きつけるという狙いが背景にあると指摘されている。
今回、NICが報告書の中で「日本の核能力の獲得」に言及したことも、こうした議論が影響している可能性がある。
しかし、「将来の日本独自の核武装の可能性」にNICの報告書が言及したことで、米国の「核の傘」という戦略は将来、日本には適用されなくなる可能性を示唆したとも解釈でき、日本の安全保障に重大な転機が来ることも予感させる内容となっている。(産経新聞 2003/12/31)オノ・ヨーコさんから平和メッセージ
水戸芸術館現代美術ギャラリーで、40年にわたる活動を振り返る「YES オノ・ヨーコ」展を開催しているオノ・ヨーコさんから、新年を迎えるにあたって、平和を願うメッセージが届きました。本文中の「War Is Over(戦争は終わった)」というメッセージは、同館の屋上にも巨大な看板作品として展示されています。(水戸会場は1月12日まで。その後、広島、東京、鹿児島、滋賀へ巡回)(朝日新聞)
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