| BACK | HOME | NEXT |
アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第22楽章:2002年4月]
イスラエルとパレスチナが交渉のテーブルに戻るために
ヤセル・アベド・ラボ(Yasser Abed Rabbo)
パレスチナ自治政府情報文化大臣
ヨッシ・ベイリン(Yossi Beilin)
イスラエル前法務大臣
→原文はこちら(LE MONDE DIPLOMATIQUE | AVRIL 2002)
→訳文はこちら(ル・モンド紙「ディプロ」2002年4月号)「イスラエルは戦争中」シャロン首相が宣言
テレビ通じ軍事的強硬路線を強調
イスラエルのシャロン首相は3月31日夜、テレビを通じて国民に向けて演説し、「イスラエルは戦争の下にある」と宣言した。それに先だって同首相は治安閣議を開催し、軍事作戦の拡大を決めた。31日夜にはイスラエル軍がカルキリヤ自治区に侵攻し、制圧した。AP通信によると、1日早朝にはベツレヘムにも戦車が入った。
シャロン首相は演説の中で、「我々は反テロ戦争を強いられている。(パレスチナの)テロの基盤を破壊することに一切容赦しない」と、軍事的な強硬路線を強調した。また、アラファト議長について、「平和への障害であり、中東全域の安定をまひさせる」と非難した。
イスラエルテレビによると、治安閣議では28日に承認された大規模な軍事作戦の次の段階について協議し、西岸とガザの他の自治区に作戦を拡大、強化することが決まったという。
31日夜、イスラエル軍はカルキリヤ自治区に約100両の戦車部隊で侵攻し、自治区のほぼ全域を制圧した。市内の電話は切られ、水道も止まったという。市内で銃声がしているという。
イスラエル軍は31日午後、ラマラ自治区を「軍事地域」に指定し、住民には外出禁止令をしいて、一戸ずつを家宅捜索し、過激派の摘発を進めている。
29日未明の侵攻開始以来、31日夕方までに500人を拘束したという。外国メディアにも退去を求めている。
また、イスラエル軍はアラファト議長がいる議長府に、昨年10月にイスラエルの観光相の暗殺犯とされるパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のメンバーや、1月にイスラエルが紅海でだ捕した武器密輸船問題の首謀者とされる治安・警察の財政責任者が拘束されているとして、身柄の引き渡しを求めていると伝えられる。(朝日新聞 2002/04/01)「同時テロは米政府の陰謀」説が仏でベストセラーに
英紙「ガーディアン」のインターネット版が1日付で報じたところによると、米同時多発テロは米政府による「陰謀」だったとの説を唱えた本がフランスでベストセラーになり、物議をかもしている。
同書はフランス人のティエリ・メイサン氏が著した「 L'effroyable Imposture, 11 septembre, 2001 」(恐るべき詐欺師)で、発売2時間で初版の2万部を売り上げたという。
メイサン氏は同書の中で、昨年9月11日に米国防総省に激突したアメリカン航空77便そのものが存在しなかったと主張し、同時テロが米政府による陰謀だと主張している。
また、1日付のバーレーン紙「ガルフ・デーリー・ニュース」のインターネット版によると、メイサン氏は同書の中で、ニューヨークの世界貿易センタービルに激突した航空機は、米連邦捜査局(FBI)が航空機を遠隔操作して指揮したものと主張している。
一方、ガーディアン紙によると、仏紙「リベラシオン」は同書について「まったく根拠がないむこうみずで無責任な主張」と評している。(毎日新聞 2002/04/01)ref. US invented air attack on Pentagon, claims French book
(Guardian 2002/04/01)平和運動家13人を拘束、パレスチナ議長府で40人盾に
マクドナルド襲撃のボベ氏ら
アラファト議長が閉じこめられているヨルダン川西岸ラマラの議長府に入った欧米の平和運動家ら約50人のうち、13人が31日、アラファト議長との会談後イスラエル軍に身柄を拘束された。AFP通信が運動家らの話として伝えたもので、拘束された中にフランスの反グローバリズム運動家ジョゼ・ボベ氏も含まれている。ボベ氏は99年に南仏のマクドナルド店舗を襲撃したことで知られる。
拘束された以外にも約40人の運動家が「人間の盾」になるとして、議長府内にとどまっているという。(朝日新聞 2002/04/01)デモ参加の邦人女性負傷 平和行進にイスラエル軍兵士発砲
【エルサレム1日共同】ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベイトジャラで1日午後、外国人らの平和行進にイスラエル兵が発砲、参加していた日本人女性を含む外国人5人が負傷した。
負傷した日本人は、英国在住の大学院生、清末愛砂さん(30)=東京都出身。右足に3カ所、銃弾の破片が当たり病院で手当を受けたが軽傷。
清末さんによると、デモに参加していたのはパレスチナ人支援団体の欧米人ら数十人。イスラエル軍戦車の前を通り抜けようとしたところ、兵士が「帰れ」と叫び、地面に向けて発砲したという。
負傷者のうち英国人女性は腹部に銃弾を受けて手術中という。(共同通信 2002/04/02)イスラエル軍が援助物資を輸送していたトラックに攻撃=国連
【国連2日ロイター】国連のエッカート報道官は、食糧や医療器具など緊急援助物資を搭載してヨルダン川西岸を走行していた国連のトラックにイスラエル軍が攻撃を加え、国連職員1人の身柄を拘束したと発表した。
そのうえで国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエルに対して抗議する方針だと述べた。(ロイター通信 2002/04/02)US grants N Korea nuclear funds(BBC News 2002/04/03) イスラム諸国会議、イスラエル非難を宣言
【クアラルンプール=山崎淳弘】マレーシアのクアラルンプールで開いていたイスラム諸国会議機構(OIC)の特別外相会合は3日、イスラエルのパレスチナに対する攻撃拡大を強く非難する「クアラルンプール宣言」を採択して閉幕した。
宣言は「国際的なテロと戦うという口実でのイスラム国家に対するいかなる一方的な行動も認めない」と米国を暗に批判する一方、「独立国家樹立を求めるパレスチナ人の闘争をテロと結びつけるどのような企ても拒絶する」との表現も盛り込んだ。(日本経済新聞 2002/04/03)イスラエル: ジェニンを制圧 13歳少年ら4人死亡
【エルサレム井上卓弥】イスラエル軍は3日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンに侵攻、パレスチナ人武装集団と激しい銃撃戦を展開し、パレスチナ人4人が銃弾を受けて死亡した。このうち少なくとも2人は巻き添えで、難民キャンプに住む13歳の少年と27歳の女性だった。
イスラエル軍は、戦車数十両でジェニンに侵攻し、難民キャンプ周辺でパレスチナ人武装集団と衝突した。戦闘の末、イスラエル軍はジェニンを制圧した。
イスラエル軍は今回の一連の軍事作戦で、ヨルダン川西岸の主要8都市のうちラマラ、ベツレヘム、カルキリヤ、トゥルカルム、ジェニンの5都市に侵攻した。また、これ以外にサルフィトなど西岸北部の町村も制圧した。
ロイター通信などによると、ベツレヘムでは、イエス・キリストの生誕地とされる聖誕教会に武装したパレスチナ人やベツレヘム知事、住民ら約200人が逃げ込み、イスラエル軍が包囲する状態が続いている。(毎日新聞 2002/04/04)ベツレヘム:「何人殺されたかわからない」 邦人学生語る
イスラエル軍の侵攻が続くパレスチナで平和を訴えるデモの最中、同軍の発砲で足に負傷した日本人学生、清末愛砂(きよすえあいさ)さん(30)が3日(日本時間3日夜)、毎日新聞の電話インタビューに応じ、銃撃時の生々しい恐怖などを語った。インタビュー直後、清末さんは軍の制圧下にあるベツレヘムのホテルを他の外国人とともに米国の車で脱出したが、街では依然多数のパレスチナ人が軍に包囲されている。「もう何人殺されたか分からない。そこに行って何かしたいのに」と悔しさに声を震わせた。
東京都出身の清末さんは大阪大大学院生で、英国の大学に留学中。パレスチナ難民への支援などをしているNGO(非政府組織)「国際連帯運動」のメンバーとして、3月28日にベツレヘム入りした。
イスラエル軍の攻撃が強まった今月1日、清末さんを含む約70人のメンバーはベツレヘム近郊のベイトジャラの難民キャンプを目指してデモ行進中、軍の装甲車と遭遇。メンバーは両手を挙げ、抵抗の意思がないことを示したが、その途端に銃撃が始まった。
3発目の銃声と共に右太ももに激痛が走り、白い靴下がみるみるうちに真っ赤に染まった。近くの病院に駆け込み、銃弾の破片が食い込んでいることが分かったが、パレスチナ人医師は「取らなくても大丈夫。ここではみんな入れっぱなしだ」と応急処置にとどめた。
3日まで滞在したホテルでも、窓には常に銃口が向けられ、カーテンも開けられなかった。イスラエル軍が街中の建物の給水タンクを壊し、電線を切断したため、トイレの水も流せない。街路には兵士がひしめき、食料の調達もできない。近くの民家では、子供たちが両親の遺体と共に閉じ込められているという。
負傷する前にも、ホテル前の建物が被弾した。恐怖に泣き出す清末さんに、隣にいたパレスチナ人男性は「これが僕らの日常なんだ」と吐き捨てるように言った。難民キャンプで出会った子供に将来の夢を尋ねると「将来? そんなものないよ」という答えが返ってきた。
一方で、笑顔でコーヒーを振る舞ってくれた家族もいた。道行く子供たちの明るい表情に救われた時もある。「あの子たちが希望を持てる世界を築きたい」。平和をおう歌する日本に無事帰り着いたら、清末さんは多くの人にパレスチナの現実を報告したいと考えている。【鈴木英生】(毎日新聞 2002/04/04)直径50メートル 米極秘衛星?
静止軌道上 日本見下ろす 望遠鏡で確認
日本スペースガード協会(磯部しゅう三理事長)は4日、日本を見下ろす静止軌道上に直径約50メートルの巨大物体があるのを望遠鏡で発見、写真撮影に成功したと発表した。
同物体は継続的に軌道制御を行っており、運用中の人工衛星であることは明らか。同協会は、米国が通信傍受などのため極秘に運用している巨大パラボラアンテナ型の情報収集衛星の1つ、とみている。
発見したのは昨年12月。同協会の美星スペースガードセンター(岡山県美星町)の望遠鏡(口径1メートル)で、地球周回軌道にある人工衛星の破片などの宇宙ゴミ(スペースデブリ)を観測中に偶然見つけた。
巨大物体は東経120度、インドネシア付近の赤道上空の高度約3万6000キロの静止軌道にあり、明るさは9等星ほどで同軌道の人工衛星としてはきわめて明るかった。同協会は、明るさから物体の直径は約50メートルと割り出した。観測を続けたところ、同物体は常に軌道制御を行って厳密に位置を維持していることが分かった。
地球を回る軌道にある人工衛星やスペースデブリは、米空軍が観測し、自国の軍事衛星を除いてリストを公開しているが、発見した物体は記載がなかった。
米科学者達盟によると、米国は通信やレーダー波を傍受するため1970年代から、静止軌道に大型衛星を極秘に配置している。現在は、80年代半ば以降に打ち上げられた直径数十メートル−100メートルのマグナムと呼ばれる衛星などが運用中とみられる。(中日新聞 2002/04/04)「イスラエルが救急車狙い撃ち」と国連幹部が非難
【ジュネーブ5日=大内佐紀】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のペーター・ハンセン事務局長は5日、滞在先のエルサレムとジュネーブ国連欧州本部を電話回線で結び記者会見を行い、イスラエル軍がパレスチナ自治区内で、パレスチナ人のけが人を搬送するUNRWAや国際赤十字・赤新月社の救急車を狙い撃ちしていると批判した。
ハンセン氏によると、「守りの壁」作戦が開始されて以来、これまでに救急車が銃撃された例は185件以上に上る。また、3人の医師と4人の運転手が銃撃で死亡したほか、計122人の医師と運転手が負傷した。
また、イスラエル軍に阻止されたため、救急車が負傷者に近づけなかった例も350件あったという。(読売新聞 2002/04/05)イスラエルをバチカン非難 米大統領に書簡
【ミラノ=小林明】カトリック教の総本山であるローマ法王庁(バチカン)は4日までに「イスラエルはパレスチナ人を不公正で屈辱的な状況に置いている」とイスラエル軍の軍事行動を非難する声明を発表した。同時にブッシュ米大統領に書簡を送り、中東和平実現のため米国が影響力を行使するよう要請した。
ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は4日、全世界のカトリックに対し、7日に中東での暴力行為の停止を求める祈りをささげるよう呼び掛けた。(日本経済新聞 2002/04/05)日米共同で飛行実験 ミサイル防衛で米国防総省
【ワシントン6日共同】米国防総省が2005会計年度(04年10月−05年9月)に、ミサイル防衛構想に基づく日米初の迎撃ミサイル共同飛行実験を計画していることが6日、米国防総省の内部文書で明らかになった。実験は日米が共同研究している部品を搭載した迎撃ミサイルを使い、約2年間続く見込み。日本はこの成果を踏まえ「研究」から「開発」段階への協力移行を決断する見通しだ。共同実験の設定は、日米協力に対する米側の強い期待を浮き彫りにしたもので、配備を前提とした「開発」段階への日本参加の流れが強まってきたといえる。(共同通信 2002/04/06)「救援活動中の73人が死んだ」 国連が報告
【ジュネーブ5日=小林伸雄】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のハンセン事務局長は5日、エルサレムからジュネーブの国連記者会に向けてテレビ会見し、イスラエル軍の侵攻後の状況について「パレスチナ人の人命は無視され、この5日間で救援活動を行っているパレスチナ人73人が死んだ。とくに西岸はひどい。水がたたれ、2500カ所の難民の家が破壊された」と生々しく報告した。(朝日新聞 2002/04/06)アラブ系市民らが反イスラエルデモ NY
【ニューヨーク5日真能秀久】ニューヨーク中心部にあるタイムズスクエアで5日、イスラエルのパレスチナ侵攻に抗議するデモが行われた。
アラブ系市民やイスラム教徒ら約2000人が参加。「パレスチナ人に対する戦争をやめろ」「アラファト(パレスチナ自治政府議長)の軟禁を解け」「米政府はイスラエルへの援助を停止しろ」などのプラカードを掲げて気勢を上げた。
この日、パレスチナ国連代表部前で公職者らがパレスチナを批判する集会を行い、パキタ・ニューヨーク州知事が「アラファトはテロリストだ」などと発言。これに反発したパレスチナ支持者らがデモを行った。(中日新聞 2002/04/06)イスラエル軍が報道陣に威嚇発砲=国境なき記者団
【エルサレム7日ロイター】国際的なジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は、ヨルダン川西岸で取材を行っている報道陣を狙い、イスラエル軍が威嚇目的で故意に発砲していると非難した。
RSFのメナード代表によると、イスラエル軍がラマラに侵攻した3月29日以降、5人のジャーナリストが銃撃され負傷。また約40人が身柄拘束や強制排除、脅迫、負傷などの被害を受けているという。
メナード代表はイスラエル政府が報道陣を敵視していると指摘。軍事行動を隠そうと躍起になっており、世界のメディアを侵害していると述べた。
一方のイスラエル側はRSFの主張は一方的かつ反イスラエル的で根拠のないものであると反発した。(ロイター通信 2002/04/07)反イスラエル:世界各地で抗議行動激しく ローマで5万人デモ
イスラエルがパレスチナ過激派の掃討作戦を強化する中、世界各地で、パレスチナ支持者による反イスラエル抗議行動が激しさを増している。
ロイター通信などによると、インドネシアでは7日、「パレスチナを救え」と書いたはち巻きをしたり、顔を布で隠した数千人がデモに参加。イスラエル国旗を焼き、米国に対しシャロン・イスラエル首相を「戦犯」として裁くよう求めた。
中東バーレーンでも同日、米国大使館周辺で約1万人が抗議行動。大使館の敷地に石を投げ込むなどして暴徒化した参加者と警官隊が衝突し、警官側は催涙弾やゴム弾を発射して鎮圧に当たり、ゴム弾を受けた参加者の男性(24)が死亡した。
また、6日にもパリで2万人以上がデモ行進し、アラファト・パレスチナ自治政府議長の写真や引き裂かれた星条旗を掲げ、イスラエル軍のヨルダン川西岸地区からの撤退などを求めた。ローマでも同日、約5万人が参加するデモがあった。【岩崎日出雄】(毎日新聞 2002/04/07)「必要ない戦争」 テルアビブで1万人平和集会
【テルアビブ6日=久田貴志子、小森保良】ヨルダン川西岸で大規模な軍事攻撃を続けるイスラエル軍の撤退を求める平和集会が6日夜、イスラエル最大の都市テルアビブであった。「戦争はNO!」「再占領で問題は解決しない」。シャロン首相の強硬路線に異を唱える人たち約1万人の訴えが響いた。その一方、首相を支持する人々はデモの傍らで「テロリストは根絶しろ」と書かれたプラカードを掲げた。
平和集会では、対テロ軍事作戦の停止や占領地からの撤退を求めた。テルアビブ近郊に住むイスラエル・マオさん(74)とドロシーさん(70)は夫婦そろって参加した。50年代にイスラエルに移ってから、イスラエルさんは戦争にも3度加わった。「軍人としての経験からしても、今の西岸での軍事作戦は本当に必要のない戦争だ。ただ、人々の血と命と資源を無駄にしているだけだ。作戦のあとの見通しが全く見えてこない」と話した。
一昨年秋に始まったパレスチナのインティファーダ(民衆蜂起)はイスラエルさんたちの生活にも直接影響を与えずにはおかない。「自爆テロがどこで起こるかわからないから、ただ喫茶店に入るだけでも何度も考えなければいけない。いつも大きな不安のなかで暮らしている」という。
「今の作戦はイスラエルにとってもメリットがない。ビジネスは冷え込んでいるし、失業者だって増えている」と語るのは、銀行勤務の女性ギラ・アウツェンさん(54)。
エルサレムの男子大学生シャバタイ・ゴールドさん(19)は近く予備役兵として軍務に就かねばならない。「罪のない人の命を奪うのだけは絶対ごめんだ。それなら命令を拒否して軍刑務所に行く方を選ぶよ」と話した。(朝日新聞 2002/04/08)イスラエル 難民キャンプを空爆
【エルサレム8日井上喜博】イスラエル軍は、ブッシュ米大統領の撤退呼び掛け後の7日もパレスチナ自治区への侵攻を続けた。米CNNテレビによると、激戦が続くヨルダン川西岸ジェニンでは難民キャンプをヘリコプターからのミサイルで空爆、多数の死傷者が出たもようだ。
また、ロイター通信によると、ナブルス侵攻ではこの日だけでパレスチナ人12人が死亡した。
一方、イスラエル放送などによると、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが7日夕、イスラエル北部のシャバー農場にある同国軍陣地を迫撃砲と対戦車ミサイルで攻撃し、イスラエル兵6人が負傷した。これに対し、イスラエル軍はレバノン南部に砲弾で反撃した。
ヒズボラは6日にもイスラエル軍陣地に銃撃を加え、アラブ系イスラエル人5人が負傷するなど越境攻撃を活発化させている。イスラエル軍のパレスチナ自治区への侵攻作戦が続く中、戦線が北部国境地帯に広がる恐れが出てきた。(東京新聞 2002/04/08)修道士撃たれ重傷=ベツレヘム
【エルサレム10日時事】イスラエル軍がパレスチナ武装勢力を含む200人以上を包囲下に置いているヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムのキリスト教聖地「聖誕教会」で10日、敷地内にいたアルメニア人修道士が銃撃され、重傷を負った。(時事通信 2002/04/10)動くものすべて撃たれる イスラエル侵攻
命綱の携帯 自治区の惨状語る
【エルサレム9日島田佳幸】「砲撃の音は鳴りやまない。道には殉教者(イスラエル攻撃による死者)の遺体が転がっている…」。イスラエルの軍事行動で最大の激戦地となっているパレスチナ自治区ナブルスとジェニンは、メディアもなかなか立ち入れず、内部の様子はつかめない。唯一外界とつながる手段である携帯電話を通じての9日の人々の話からは、悲惨な状況が伝わってくる。
ナブルスの中でも最も激烈な戦闘が続く旧市街の中に住むハリール・アボアラブさんは「部屋からは、旧市街のいたるところで、煙が上がっているのが見える。銃声や砲撃の音は朝から夜まで絶え間ない。殉教者の数は分からないが、道路に遺体が転がっている」と携帯電話で本紙に語った。
「通りで動くモノはすべて撃たれる」(アボアラブさん)という状況で無論、外出はできない。軍は作戦を始めた時から大部分で電気、水道、電話(有線)を遮断。アポアラブさんによると、侵攻を予想し、住人らは水を蓄えていたが「もう底をつく」という。
ナブルスにいる国連の医療チームのイブラヒム・アルサルカン医師は治療がまるで追いつかない状況を携帯電話で訴えた後、「アスカ一難民キャンプでは、もう7日も道路に転がっている遺体がある。だれも近づけない」。他のキャンプでは、負傷した男性を救出しようとイスラエル軍に協力を求め、了承を得たのに「救急車が向かうと銃撃された」と話した。
戦闘地から1キロほどのホテルにいるハッサンさんは「人々は、イスラエル兵に皆殺しにされると信じている。聞こえるだろ、この銃声や爆発音が」。さらに「知人から、病死した親類を、もう2日も埋葬もできないでいると電話で聞かされた」という。外出禁止令下にある他の地域でも「遺体と暮らす」ことを強いられるケースがある。
一方、ジェニン難民キャンプの様子は、アラブの衛星テレビ・アルジャジーラへの8日の電話で、戦闘に参加している男性が語っている。「10分に1回、『また10人殺された』というような話が携帯に入ってくる。ブルドーザーでの破壊も激しい。イスラエル軍は、このキャンプを、完全に壊滅させようとしている」(中日新聞 2002/04/10)Secret agreement between USA and Israel
(Pravda.RU 2002/04/11)ラマラ軍事封鎖地区ルポ 市民に“死の時”刻む
イスラエル兵、通行人狙撃 病院で息絶える主婦
【ラマラ10日共同】治療のすべもなく死を待つ患者たち。胸を撃たれた主婦が病院で息絶える−。イスラエル軍がパレスチナ自治政府のアラファト議長を議長府に監禁してから2週間近くが過ぎたヨルダン川西岸の自治区ラマラ。銃声と爆発音がひっきりなしに鳴り響く「軍事封鎖地区」では市民生活が崩壊、恐怖と死の時間が刻まれている。
自治区入り口の検問所から車で約15分。人けが途絶え、荒れ果てた通りを抜け、市中心部に近い公立ラマラ病院に着いた。議長府までは約1キロ。入り口付近では砲撃で焼け焦げた赤い小型乗用車がひしゃげた無残な姿をさらしていた。
軍側は自治区内での救急活動や援助団体の活動を「武装パレスチナ人の移動などに利用される恐れがある」と厳しく制限。外出禁止令に反する者は無差別の狙撃を受ける。同病院の唯一の救急車は出動中にライフル射撃を受けて故障中だ。
「今や病院の前ですらスナイパー(狙撃兵)通りになった。数日前には通院途中の56歳の主婦が病院の20メートル手前でやられた」と、ホスニ・アカリ医務長(46)。
アカリ医務長は「毎日多くの人が助けを求めるが、何もできない」と憤る。けが人に加え、深刻なのが腎臓病や心臓病の患者だ。戦闘を恐れて通院できず、自宅を出られない。「腎臓病の場合、通常2、3週間が透析を受けずに生きられる限界。心臓病は発作が来たら終わり。死の時計が刻まれるのを待つだけだ」
イスラエル軍は病院隣のビルにも最近、狙撃兵を配置し、少しでも不審な通行人を狙撃する。米国人の援護団体関係者アダム・シャピロさん(30)は、イタリアやスウェーデンの仲間約10人とともに各病院の救急活動を護衛している。「外国人が一緒だと、多少は狙撃の可能性が減る」という。
危険覚悟の外国人による「人間の盾」がほそぼそと続く救急活動を支える。シャピロさんに話を聞いた直後、別の病院の救急車が走り込んできた。集中治療室に運び込まれたのは28歳の主婦だ。5人の医師が懸命の治療に当たるが、ベッドはたちまち鮮血に染まった。付き添いのいとこが神に祈りをささげる。約15分後、生命維持装置のモニターがあっけなく死を告げた。
「彼女の名はマナル。男の子3人と女の子1人の母親だった。自宅でテレビを見ていた時に、子供の目の前で窓から飛び込んできた銃弾に右胸を撃たれた」。いとこが消え入るような小声で話す。同病院での死者はこの日だけで3人。侵攻作戦で既に200人を超えたパレスチナ人にとってあまりにも日常的な死の風景だった。(中日新聞 2002/04/11)Democrat Implies Sept. 11 Administration Plot
(Washington Post 2002/04/12)迎撃ミサイルに核搭載 国防長官、開発に前向き
【ワシントン11日=杉本宏】11日付のワシントン・ポスト紙は、ブッシュ政権のミサイル防衛(MD)の一環としてラムズフェルド国防長官が核弾頭搭載の迎撃ミサイル開発の検討に前向きな姿勢を示していると報じた。
国防長官の諮問機関「防衛科学委員会」のシュナイダー委員長が同紙に明らかにした。それによると、長官は核弾頭搭載の迎撃ミサイル構想の是非を委員会が検討することに「非常に興味を示した」という。
国防総省が現在、開発を進めているのは非核の迎撃体による衝突で目標ミサイルを破壊するシステム。だが、敵のおとりミサイルなどと標的を識別して命中させるのは技術的に極めて難しいといわれている。核弾頭による迎撃は、命中しなくても、周囲で核爆発を起こせば、おとりも含めてすべて破壊できるとされる。(朝日新聞 2002/04/12)米の撤退要請は表向き? 対イスラエル
【ワシントン11日金井辰樹】ブッシュ米政権は10日、イスラエルがパレスチナ自治区からの完全撤退に応じないことへの制裁として、経済支援凍結などを行う考えはない方針を明確にした。イスラエルに対する圧力を強めるブッシュ政権だが「イスラエル支持」という一線は守りたい思惑が感じ取れる決断だ。が、それだけに足元を見透かされ説得に欠いているともいえる。
フライシャー大統領報道官は10日の会見で「米国の言うことに敬礼して『かしこまりました』と言わなくても国民は驚かない」と説明、イスラエルへ配慮をみせた。「言葉通り遅滞なき撤退を求める」と即断を求める大統領と温度差のある発言だ。大統領と報道官に意見の不一致はあり得ず、「米国はアラブ諸国など『外』向けにイスラエルを厳しく批判するが、報道官発言が米国の本音」との見方もできる。
年間30億ドルものイスラエル支援継続の決定は、この観測を広げそうだ。10日付の米紙USAトゥデーは「大統領の脅しは言葉だけ」との分析記事を掲載。こうした「疑惑」の目が向けられることはイスラエル、パレスチナの仲介役として致命傷になりかねない。(中日新聞 2002/04/12)Amid the ruins of Jenin, the grisly evidence of a war crime
(Independent News 2002/04/16)
→訳文はこちら(「残骸の中の凄惨な戦争犯罪の証拠」:ジェニンからの報告)ジェニンの「数百人死傷」 イスラエル軍が認める
【エルサレム岸本卓也】イスラエル軍報道官は12日朝、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンの難民キャンプでの過激派掃討作戦で「パレスチナ人数百人が死傷した」と公式に認めた。イスラエル側は「戦闘での死者」と発表しているが、パレスチナ自治政府側は「虐殺」を主張し、国連に調査団派遣を要請した。一連の衝突収拾に向け、パウエル米国務長官が本格仲介に乗り出した矢先だけに、虐殺疑惑が交渉の行方を左右しかねい情勢だ。
3日に始まった同軍侵攻に伴い、パレスチナ人武装集団との戦闘が連日続き、軍幹部は12日、パレスチナ人死者数を「約200人」と推定、パレスチナ筋も「150人以上」と言っている。だが、正確な犠牲者数は分かっていない。
イスラエル軍は、ジェニンの難民キャンプを自爆テロ関与した疑いがあるイスラム原理主義組織「イスラム聖戦」をはじめとする過激派の重要拠点とみて、大量の戦車や兵士を投入して徹底した掃討作戦を展開していた。同難民キャンプでは武装したパレスチナ人が各拠点でろう城し、9日には過激派の仕掛けた爆弾で兵士13人が死亡するなど、今回のイスラエル軍の「守りの壁」作戦で最大の激戦地となっていたが、軍は11日、「ジェニンを制圧した」と発表し、数百人の死者の身元確認や埋葬作業に入ったという。
虐殺疑惑に対してイスラエル軍は「一般市民を戦闘に巻き込む虐殺行為をするつもりならば、空爆した方がイスラエル兵の被害も少なくてすむ。武装勢力を確認しながら地上戦を行ったための犠牲者だ」と主張している。(毎日新聞 2002/04/13)難民キャンプで「大量虐殺」疑惑 西岸ジェニン
【カイロ=松尾博文】ヨルダン川西岸北部ジェニンのパレスチナ難民キャンプで、イスラエル軍が数百人のパレスチナ人を殺害した「大量虐殺」の疑いが浮上している。
約1万3000人が暮らすとされるジェニンの難民キャンプでは、イスラエル軍による侵攻が2日に始まった。パレスチナ側はかねて「大量虐殺」の存在を主張しており、イスラエル軍スポークスマンも12日のラジオ放送で「パレスチナ人数百人が死亡したのは明らか」と発言した。
イスラエル軍はその直後に、「死傷者」と言うべきところを「死者」と誤って述べたと発言を修正。しかしAFP通信によると、その後、同軍高官はパレスチナ軍の死者は約250人に上ると述べ、発言が二転三転している。
おさまらないのはパレスチナ側で、アリカット地方行政相は12日、「1982年にシャロン首相(当時国防相)がレバノン侵攻を指揮した際に起きた、パレスチナ難民キャンプでの大量虐殺に匹敵する」と反発した。(日本経済新聞 2002/04/13)イスラエル軍の大量殺害を非難 国連人権委が決議採択
【ジュネーブ15日共同】ジュネーブで続いている国連人権委員会は15日、イスラエル軍によるパレスチナ住民の「大量殺害」を非難する決議を賛成多数で採択した。アラブ諸国が提案し、人権委員会メンバーの過半数を構成する途上国が賛成に回った。
決議は、イスラエルの軍事侵攻が「数百人に及ぶパレスチナ住民の死亡につながった」とした上で、イスラエルが「超法規的な処刑」「パレスチナ住民に対する拷問」「救急車への銃撃」に及んでいるとしている。
人権委員会は賛成多数による決議採択が可能なため、アラブ諸国の主張がほぼ通った。決議に拘束力はない。(中日新聞 2002/04/16)「米国とユダヤは敗北する」 オマル師声明 アラブ紙掲載
【カイロ15日共同】15日付のアラブ紙アルハヤトは、アフガニスタン・旧タリバン政権の最高指導者オマル師が「イスラムに対する戦争は、明らかに十字軍の戦争。ユダヤ人と米国人は同じ目的を持つ一つの軍隊だ」などとする内容の声明を出したと伝えた。
声明はイスラエルの侵攻を受けているパレスチナ人に対し「我慢せよ。神だけを信頼せよ」「米国とユダヤは最終的に敗北する」などと訴えている。
同紙は声明を14日に入手したとしているが、入手経路など詳細は不明。オマル師は昨年12月のアフガニスタン・カンダハル陥落直前に逃亡、アフガン暫定政権が行方を追っている。(中日新聞 2002/04/16)米ブッシュ政権の中東政策 ユダヤ系が「圧力」
【ワシントン16日金井辰樹】米国内でブッシュ政権の中東政策に対する風当たりがにわかに厳しくなってきた。パウエル国務長官の調停が思うように進まない中、ユダヤ系住民や議会民主党の不満が噴出した格好だ。
米連邦議会前で15日開かれたイスラエル支援者集会は「ブッシュ非難集会」のような雰囲気。ウルフォウィッツ国防副長官のあいさつには参加者からブーイングが飛んだ。ブッシュ大統領が「イスラエル支持」を明言しながら、今月に入ってシャロン首相にパレスチナ自治区からの撤退を求めたことが、出席者には「裏切り」と映ったといえる。
この日の出席者の多くはユダヤ系で、米国民すべての意見を反映しているわけではない。だが、全米で約570万人いるユダヤ系住民は強力なロビー活動を行う。彼らが厳しい目を向け始めたことは、今後のブッシュ政権の政策決定に影響を及ぼすことは避けられない。
民主党側からも批判が出ている。14日にフロリダ州で開かれた同党の集会では「米国が中枢同時テロに報復したのと同様、イスラエルにも自爆テロに報復する権利がある」(ケリー上院議員)「大統領は中東政策でモラルを失った」(リーバーマン上院議員)とブッシュ政権を痛烈に批判した。2004年大統領選候補にも名が挙がる2人は、中東政策でポイントを稼ごうとの思惑もちらついている。今後も確信犯的にブッシュ政権を批判し続けるとみられる。
大統領の父ジョージ・ブッシュ元大統領は在任中、中東政策でイスラエル政府にも努力を迫った結果、1992年大統領選ではユダヤ系住民が史上最高の割合で民主党新人のクリントン氏に投票。これが一因となってブッシュ氏は落選したといわれる。中東政策は、国内政争の様相をみせながら、大統領自身の命運も左右する可能性が出始めている。(中日新聞 2002/04/17)『悪の枢軸に立ち向かえ』 米大統領、講演で
【ワシントン17日金井辰樹】ブッシュ大統領は17日、バージニア州で行った講演で「一部の政権が生物、化学、核兵器、を開発し、テロ組織とのつながりを強めて『悪の枢軸』を構成している。世界は彼らに立ち向かわなければならない」と述べた。国際社会に対し、米国が「悪の枢軸」として批判するイラク、イラン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への圧力を強めるよう強く求めたものだ。
さらに大統領は「大量破壊兵器への脅威に対しては、場所により違った方法、違った戦略で戦う。世界で最も危険な兵器で武装してわれわれを脅かすことは許さない」と決意を述べた。(中日新聞 2002/04/18)Israelis try to counter claims of war crimes(Financial Times 2002/04/19) 絶望の街 イスラエル侵攻 ジェニン・ルポ(東京新聞 2002/04/20) がれきの下に遺体が──ジェニン難民キャンプルポ
【ジェニン難民キャンプ(パレスチナ自治区)岸本卓也、森忠彦】「食べ物よりも水よりも、命を確保してほしい」――今月上旬、イスラエル軍による激しい攻撃を受けたヨルダン川西岸北部のパレスチナ自治区ジェニン難民キャンプに19日、入った。がれきの下には遺体が放置されたまま。周辺では銃声が今もやまない。同軍は同日早朝、ジェニンからの撤退を完了したが、軍による虐殺の疑いが残る。
キャンプには異臭が漂っていた。広場の一角に墓穴が掘られ、14日にイスラエル軍に「虐殺」されたという男性45人の遺体が埋められていた。「イスラエルはパレスチナから出て行け。私の息子たちを返してくれ」。2人の息子を殺された母親のサキナ・スタットさん(49)が泣き叫ぶ。
中心部は戦車の攻撃でできたがれきの山が続く。2日夜、ジェニンを急襲した戦車は5000人が住む一帯を破壊し尽くしたのだ。その前で住民たちがぼうぜんと立ち尽くしていた。ブロック片の中には無数の遺体が埋まっているとみられるが、掘り出す手段すらない。
イスラエル軍によると、キャンプで殺害したパレスチナ人はすべてテロリスト予備軍で、侵攻も「テロ壊滅作戦」の一部と位置づける。死者は100人程度とするが、住民たちは500人以上が一連の攻撃の犠牲になったと主張する。
キャンプを取り囲む道路には新たな土山が築かれ、キャンプ外を結ぶ交通は遮断されたまま。キャンプにたどり着くには警備兵の銃声がとどろく中、オリーブ林を命がけで抜けるしかない。◇急がれる人道救済
「虐殺」の検証はこれからの作業だが、可能性が残るがれきの中の生存者の救助と、電気も水もなく、食料も尽きかけた中で、いまだに始まらない人道救済は急がれる。
「早くこのことを世界の人に伝えてくれ」。自宅を廃虚同然にされ、夫を軍に連行されたままのラスミアパス・ハファドさん(41)がすがるように私たちに言った。(毎日新聞 2002/04/20)国連調査団への協力撤回=ジェニン虐殺疑惑でイスラエル
【エルサレム23日時事】イスラエル放送などによると、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニン難民キャンプに侵攻したイスラエル軍部隊によるパレスチナ人虐殺疑惑で、イスラエル政府は23日夜、国連調査団に協力する方針の撤回を決めた。方針撤回は、シャロン首相が国防省や軍、外務省当局者と協議した結果、決定された。(時事通信 2002/04/23)「ジェニンで死者500人」
パレスチナ自治政府・エラカト地方行政相、米に不信あらわ
【エリコ(ヨルダン川西岸・パレスチナ自治区)井上卓弥】パレスチナ自治政府の対外交渉責任者として知られるエラカト地方行政相は21日、ヨルダン川西岸エリコの自治政府庁舎で毎日新聞と会見した。同氏はイスラエル軍による住民虐殺疑惑が高まる西岸ジェニンの難民キャンプですでに500人以上の死者が確認されたことを明らかにするとともに、イスラエル支持の姿勢を堅持する米国の仲介役としての資格に強い疑念を示した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が現段階で確認した同キャンプでの死者は45人とされている。だが、エラカト氏は「(21日段階で)523人の死亡が家族によって確認され、なお1600人が行方不明だ」と述べた。その上で、国連安全保障理事会が採択した真相究明のための国際調査団派遣に強い期待感を表明。「虐殺の事実を隠し通すことはできない。シャロン(イスラエル首相)を戦争犯罪に問うための重要な機会になる」と指摘した。
また、イスラエル軍による大規模侵攻について「パレスチナ人が治安問題を受け持つ完全自治区をすべて破壊し、自治政府自体を崩壊させようとしている」と激しく非難。さらに、米国について、「シャロン(首相)を『平和の人』と呼ぶブッシュ米政権は、パレスチナ人が置かれた状況をまじめに心配しているとは思えない」と酷評。「米国は中東地域の安定を国益とみているが、こんなやり方ではイスラエル軍の(完全)撤退すら実現できない」と述べ、米国への不信感を隠さなかった。(毎日新聞 2002/04/23)米テロから7カ月… 音声記録を遺族に公開
なぞ残る墜落前31分間
米中枢同時テロでペンシルベニア州の山中に墜落したユナイテッド航空93便のボイスレコーダーが、遺族にだけ公開された。遺族の強い要望による「前代未聞」の公開だが、米メディアは「墜落原因を含め不明な点が依然多い」と報じている。
93便の一部乗客は、ハイジャック犯と格闘したと言い伝えられ、このヒーロー物語が米国民の愛国心を高揚させた。ただ、米政府は93便に対し戦闘機を緊急発進させ、チェイニー副大統領が撃墜命令を出していた事も明らかになっている。遺族は「最後の瞬間に何が起きたのか知りたい」とし、ボイスレコーダーの公開を求めていた。
ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙などによると、米連邦捜査局(FBI)は捜査中を理由に公開を拒否してきたが、テロ事件の裁判が9月にも予定され、ボイスレコーダーが証拠として提示されるため「メディアを通して(テープの内容を)聞きたくない」とする遺族に配慮。FBIが初めて遺族への公開を決断した。
ニュージャージー州プリンストンのホテルに18日、93便のパイロット2人、乗務員5人、乗客33人(全員死亡)の遺族約70人が集まった。ボイスレコーダーは、操縦室内の音声を録音する装置で、録音時間は最後の一瞬までの31分間。遺族は事前にFBIや司法省を「訴えない」との誓約書に署名させられ、テープ内容は裁判に影響するため「マスコミに口外しないように要望された」と言う。
遺族はテープ再生をヘッドホンで聴いた。ハイジャック犯が話すアラビア語の英訳はスクリーンに映し出された。FBIから「関係者への暴力が壮絶過ぎる」として「出席しない方が良い」と助言された遺族など数組が、直前にテープを聴くのを中止した。
遺族によると「テープの音声は悪く、こもっていた。混とんとした中に、叫び声や闘いの音が続いた」と言う。ニューヨーク・タイムズ紙は「英語で『やっつけろ(ゲット・ゼム)』という叫び声が聞こえたと話す遺族がいる一方で、『叫び声ははっきりしない言葉だった』という遺族もいた」と報じた。
「女性が命ごいをする声」や「泣き声」も入っていた。遺族の1人は「ボイスレコーダーを聴いて、愛する人が勇敢にテロリストと闘ったことが証明された」と話した。別の遺族は「テープは大半が理解不能で、何の解決にもならなかった。パズルの別のかけらをもらったようなものだ」と感想を述べた。
ある米政府関係者は「乗客が操縦席に突入できたのか、ハイジャッカーが故意に飛行機を墜落させたのかなど、テープを聴いても疑問は残ったままだ」と明かす。(中日新聞 2002/04/24)ホロコーストと比較だめ 中国に記事訂正要求
【エルサレム25日共同】イスラエル外務省は25日、駐イスラエル中国大使を24日に同省に呼び、イスラエル占領地のパレスチナ人の苦難を第2次大戦中の欧州ユダヤ人の苦難と比較した中国国営通信新華社の記事に不満を伝え、中国外務省か当局の報道官が記事の訂正を出すよう求めたことを明らかにした。
発表によると、外務省のガバイ次官補(アジア太平洋担当)は中国大使に、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)は「人類史上唯一無二の悲劇であり、比較に使うことはできない」などと指摘した。(共同通信 2002/04/26)イスラエルの軍事作戦「国家テロだ」
ムバラク・エジプト大統領がテレビ演説
【カイロ小倉孝保】ムバラク・エジプト大統領は24日、テレビ演説し、イスラエル軍によるパレスチナ自治区への軍事作戦に言及し、「イスラエルが行っていることは国家テロだ」と同国と平和条約を締結しているアラブ諸国としては異例の厳しい調子でシャロン・イスラエル政権を批判した。エジプト民衆の間ではイスラエル軍の攻撃を止められない自国指導者への批判が高まっており、こうした批判をかわす狙いとみられる。(毎日新聞 2002/04/26)新パイプライン計画が始動 アフガン情勢安定化で
【モスクワ27日共同】アフガニスタン情勢の安定化を受け、タリバン政権時代に頓挫した同国経由の天然ガスパイプライン建設計画が、実現へ向け再び動き始めた。アフガン、トルクメニスタン、パキスタンの3カ国首脳が5月上旬にトルクメニスタンの首都アシガバートで会談、事業復活へ本格的な協議を開始する。
完成すれば周辺のエネルギー供給地図を塗り替えることになるが、隣接の大国ロシアやイランにとっては経済的損失となりかねず、海外資本を再び呼び込めるかも不透明。実現にはなお曲折がありそうだ。
天然ガス埋蔵量世界4位のトルクメニスタンからアフガン南部カンダハルを経由、パキスタンのムルタンに抜けるパイプライン計画は、米国の石油資本などが推進していたが、タリバンと米国との関係悪化で1998年に中止された。
新パイプラインは全長1460キロ。年間で最大200億立方メートルのガス輸送が可能で、総工費20億ドル(約2600億円)。インドへの延長構想もある。
天然ガスで国内総生産(GDP)の半分を稼ぎだすトルクメニスタンの現在の主力輸出ラインはロシア経由。このため対ロ関係が国内経済を大きく左右する結果になっており、インド洋方面への新ルート開拓は悲願とされる。
カルザイ議長(首相)率いるアフガン暫定政権は、パイプライン通過料などで巨額の安定収入を見込んでいる。経済復興の象徴として何としても実現にこぎ着けたい事業だ。
パキスタンも、かつてのタリバン支援の狙いの1つはこのパイプライン計画の実現だったといわれ、3カ国の利害は一致する。
しかし、ロシアのプーチン大統領は今年1月、トルクメニスタンに「ガス生産国同盟」結成を提案するなど、さまざまな手でつなぎ留めを図ろうとしており、新計画をめぐる関係国の綱引きが活発化している。(共同通信 2002/04/27)イラク攻撃作戦立案に着手 2003年初に最大25万人動員か
【ニューヨーク27日共同】28日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、イラクのフセイン大統領打倒のためにブッシュ米政権が来年初頭に陸空軍合わせて兵力7万―25万人を動員して大規模攻撃を実施する作戦を立案中だと報じた。
ブッシュ政権はイラクを「悪の枢軸」の一角に位置付け、大量破壊兵器査察に応じない場合は武力行使する意向とされてきたが、兵力規模など作戦の青写真が報じられたのは初めて。
国防総省高官は「ブッシュ大統領は何の決定も下していない」と指摘する一方、アフガニスタンでの対タリバンの戦闘よりも、湾岸戦争に近い通常の戦争になるとの見方を示した。
作戦には最低で一個軍団(7万―10万人)を動員。最大で25万人を想定しているが、当局者は「湾岸戦争の半分にすぎない」としている。英軍の参加も見込んでいる。
これまでイラク攻撃は年内にもあり得るとされてきた。年明けにずれ込む理由として、米高官は(1)夏は猛暑のため化学兵器防護服を着用しての戦闘が困難(2)作戦に反対するアラブ諸国による石油輸出削減に備えた石油備蓄の積み増しが必要(3)パレスチナ紛争の沈静化に時間がかかる―などを挙げた。
米軍高官によると、国民の間に反米感情が高まるサウジアラビアの米空軍基地の使用が困難なため、トルコ、クウェートの基地を広範に使用することになる。また作戦の目的がフセイン大統領の打倒であることから、首都バグダッドなどで危険な市街戦が必要になるとの見方も出ている。
反フセイン派軍人によるクーデターや国内反体制派を使った“代理戦争”も検討したが、成功の可能性は低いと判断した。(共同通信 2002/04/27)ナチス「安楽死計画」の犠牲 子供600人遺体、埋葬へ オーストリア
【ウィーン26日=青木雪雄】第2次大戦中、ナチス・ドイツ併合下のオーストリアで、ナチスの「安楽死計画」によって殺された600人の子供たちの遺体が戦後57年を経て28日、ようやく埋葬されることになり、遺族や生存者が26日、記者会見した。
障害者や問題児とされた子供を「安楽死」させるという計画で、生後3カ月から16歳の子供たちが病院に収容され、毒物注射で殺害されたり、餓死させられたりした。
遺体はそのまま行方不明になっていたが、殺害に関与していたハインリヒ・グロス医師が、子供たちの脳や神経を標本として保存し、研究に使っていたことが79年に判明。グロス医師は戦後のオーストリアの精神医学界の重鎮となっており、社会に衝撃を与えた。
ナチスへの協力が裁判所で認定され、00年からは刑事責任を追及する裁判も始まったが、現在86歳になるグロス被告は「記憶が定かでない」と主張、審理は止まったままだ。年齢を考えれば、結審は不可能と見られる。
宗教上の理由でナチス式の敬礼を拒否して、病院に収容されたアンナ・マイヤーホーファーさん(75)は「父といとこが同じ病院で殺された。責任者がいまだに裁きを受けていないことに強い怒りをおぼえる」と語った。(朝日新聞 2002/04/27)「虐殺」訴え ジェニン住民に聞く 究明になお時間
ジェニンで何があったのか。パレスチナ自治区の難民キャンプヘのイスラエル軍侵攻の実態は、「虐殺だ」というパレスチナの主張と、これを全面否定するイスラエルの間で揺れている。国連の現地調査団受け入れを表明したイスラエルは一転、その延期を通告、真相究明への道は険しい。破壊されたキャンプ中心部で、住民の話す体験談から、現地調査の焦点を探った。(ジェニン<パレスチナ自治区>=江木慎吾)経過 イスラエル軍は3日未明、ジェニンに侵攻。難民キャンプの中心部に集結した武装勢力の抵抗に遭った。同軍は中心部を包囲、連日、激しい銃撃戦があった。
8日、イスラエル軍は中心部で待ち伏せ攻撃に遭うなどして13人の兵士をほぼ一度に失った。10日、同軍はキャンプ中心部を軍用ブルドーザーで破壊。家々に爆発物のわなが仕掛けられていると説明した。
パレスチナ側は、500人が虐殺されたと主張。イスラエル軍側の死者は23人。「虐殺」はあったのか、なかったのか。それを検証するためのカギは、難民キャンプの中心部の家々に対する、イスラエル軍の徹底的な破壊をどうみるかにある。がれきからは、子どもの遺体も収容されているという。建物の形も残らない破壊が、必要だったのか。ブルドーザーによる本格的な破壊が始まった時点で、戦闘はほぼ終わっていたという住民もいた。
イスラエル軍スポークスマンは、「車両の入り込めない細い路地の至る所に爆発物などのわなが仕掛けられていた」と説明する。また、破壊ぶりにだけ調査の関心が集中することを警戒。「国連の運営する難民キャンプがテロの温床になっていたことこそが問題だ」(外務省・ベーカー法律顧問)としている。
住民の犠牲を防ぐために、手が尽くされたかどうかも、検証されなくてはならない。イスラエル軍は、キャンプ中心部の制圧に時間がかかったことや、同軍に計23人の犠牲が出ていることを挙げ、一般住民の犠牲を防ぐため、細心の注意を払ったとしている。
一方、何人かの住民からはイスラエル軍による「処刑」が行われたという指摘もあった。「手錠され処刑」「戦車が遺体ひく」
ジェニン難民キャンプの住民に、イスラエル軍侵攻時の体験を聞いた。(○数字は体験の場所。地図参照=江原注:割愛)
●処刑は
「パレスチナ治安部隊の男性が、手にプラスチックの手錠をされ、座ったまま左目の上と口元を撃たれて死んでいた」=女性(55)、
「ある兄弟が家の中で処刑された」=男性(43)。現場とされる部屋に行くと、吹き飛んだ頭の肉片と髪の毛が、1つの壁と、反対側にあった額縁の計5カ所に付着していた。●けが人救出、遺体収容は
「砲撃で脚を4カ所骨折した。イスラエル軍に病院に行かせてくれと頼んだが『アナン(国連事務総長)に助けてもらえ』と言われた。5日間、治療を受けられなかった」=国連パレスチナ難民救済事業機関職員の男性(42)、
「体の不自由な男性が、通りで射殺された。近所の人が遣休を運ばうとしたら、イスラエル軍に『そのままにしておけ』と言われた。戦車が遺体を何回もひくのを見た」=女性(55)。●市民の犠牲は
「体の不自由な知人の家にいた。10日、何の前触れもなくブルドーザーで知人の家が壊された。私は逃げたが、知人は建物の下敷きになってしまった。その時は、すでに武装勢力の反撃などなくなっていた」=男性(43)、
「イスラエル兵13人が死亡したと聞いた直後に、ロケット砲などの攻撃が突然激しくなった」=男性(45)、
「ブルドーザーで本格的に家々が壊され始める前の日、住人は拡声機で集められた。イスラエル軍の拠点の建物に呼ばれ、男は服を脱がされ、爆発物などを持っていないか調べられた。地区から出るように言われた」男性(57)、
「激しい銃撃戦のさなか、イスラエル軍は拡声機で武装勢力に投降を呼びかけた。キャンプの中心部からは『アラーアクバル(アラーは偉大なり)』『絶対に投降しない』という叫びが聞こえていた」=女性(55)、
「ブルドーザーによる本格的な破壊が始まってからは、破壊の激しい方向には行くことを許されなかった」=男性(34)。(朝日新聞 2002/04/27)イスラエル、国連調査団を拒否 ジェニン虐殺疑惑
【エルサレム森忠彦】イスラエル政府は28日の閣議で、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区ジェニンの難民キャンプ虐殺疑惑に関する国連調査団の受け入れを拒否することを決めた。多数の住民を巻き込んだ大規模な軍事攻撃への中立的な調査を拒否する同政府の姿勢に国際的な批判が高まるのは必至。国連安保理は同日、緊急協議する。
リブリン通信相は「調査団の任務や構成に問題が残る。イスラエル側が非難されるのは明らか」と、受け入れ拒否の理由を明らかにした。(毎日新聞 2002/04/29)生物兵器テロ:100万人死亡の可能性指摘 米シンクタンク
29日付の米紙ワシントン・ポストは、米国で天然痘などによる生物兵器テロが発生した場合、最大で100万人が死亡する可能性があるとする米有力シンクタンクの報告書の内容を伝えた。
「米本土を守る」と題した報告書は、ワシントンにあるブルッキングズ研究所の経済政策や外交政策の専門家が執筆。それによると、天然痘のほかに、炭疽(たんそ)菌やエボラ出血熱の菌によるテロ攻撃の場合にも最大100万人が死亡する可能性がある。ただ、こうしたテロの発生する可能性は「極端に低い」としている。
また、生物兵器テロが大都市で起きた場合、7500億ドル(約96兆円)の被害が出るなど、大規模テロの際の経済損失の巨大さを指摘している。(ワシントン共同)(毎日新聞 2002/04/29)Atta Didn't Meet With Iraqi(NewsMax 2002/04/30)
![]()
![]()
| BACK | HOME | NEXT |