| BACK | HOME | NEXT |
アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第10楽章:2000年]
核兵器開発施設、高いがん発症率 米政府認める
【二ューヨーク29日=共同】29日付の米紙二ューヨーク・タイムズによると、米政府は、核兵器開発施設の従業員が通常より高い確率でがんにかかっていたことを確認する調査報告書案をまとめた。正式な報告書は3月にまとめられるという。
リチャードソン・エネルギー長官は同紙に「放射線被ばくで人々ががんになったことを政府が認めるのは初めて。これまで政府は寄り道をしてきたが、間違いだったと思う」と発言。政府が今後、がんで死亡した従業員の遺族らへの補償を迫られるのは必至。
同紙によると、エネルギー省などは昨年から、第2次大戦中に始まった核開発の舞台となった研究所や工場の従業員の健康データなどを再検討。
その結果、14の施設で、白血病をはじめとする22種類のがんが通常より高い率で発生していることを確認した。
がんになった従業員の総数は明らかではないが、政府高官の一人は数百人と推定しているという。
政府は昨年7月、核施設で用いられた軽金属のベリリウムが呼吸器系の病気を誘発したことは認めたが、核兵器の原料となる放射性物質とがんの因果関係は否定してきた。(朝日新聞 2000/01/30)日本、核武装の可能性研究 2件の報告書、と韓国紙
【ソウル15日共同】韓国の中央日報は16日付早版で、日本が佐藤栄作内閣時代の1960年代後半から核兵器開発を検討した報告書を作成し「原爆の製造は技術的に可能だが、外交的な孤立を招くおそれがある」との結論を下していたと報じた。
同紙が独占入手したとする報告書は、内閣調査室(現在の内閣情報調査室)が、蝋山道雄元上智大教授ら数人の核問題専門家に依頼。68年、70年の2回にわたり、日本の核兵器開発能力と核兵器保有の外交的影響などについて、それぞれ分析している。
佐藤元首相は65年の日米会談で「中国が核武装するなら日本も核を持つべきだ」と個人的見解を表明したことが米側の会議録草稿で明らかになっているが、核兵器開発を政府が検討、分析したことを裏付ける資料はこれまで見つかっていない。
報道によると、68年の報告書は「少量の原爆製造は可能だが、濃縮ウランを独自に製造するには80年代半ばまでかかる」と予測、核弾頭搭載のミサイル開発にも時間がかかると指摘した。
続く70年の報告書は「日本より核兵器開発が先行している中国から、核攻撃を受ける可能性もある」と中国の脅威を指摘。しかし「中国をしのぐ核攻撃能力を持つのは不可能で、狭い国土で地下核実験も難しい」と分析し「米国の(日本への)不信感も増し、外交的孤立は避けられず、日本の安全保障(能力)は核武装で高まることはない」と否定的な見解をまとめたという。(共同通信 2000/02/15)日本に核兵器「貯蔵」 米参謀本部、62年に構想
日米安保条約改定から2年後の1962年、米軍を統括する統合参謀本部が、日本に核兵器を常時配備する「貯蔵」構想を提案、日本での混乱を恐れた国務省やライシャワー駐日大使(当時)の反対で実現しなかったことが18日、機密指定を解除された複数の国務省公文書から明らかになった。
文書はいずれも米メリーランド州の国立公文書館とボストンのケネディ大統領図書館から見つかった。
国務省極東局アジア部が62年3月、ハリマン国務次官補(極東担当)に提出したメモは、統合参謀本部が貯蔵問題を提起したと記載。参謀本部は太平洋軍司令官に対し「核兵器の防衛上の利点」について自衛隊当局者と「内密に協議するよう」指示したとしている。
これを受けてラスク国務長官は4月1日、ライシャワー大使にこれまでの経過を打電。「日本への打診は時期尚早」とする国務省内部の見解を伝えた。
大使は長官あての返電で、「(現在の状況下で)貯蔵問題を協議しても不毛だ」と主張。「(貯蔵問題が)漏れたら、池田(勇人首相)は公式に反対を表明せざるを得ない」と断じた。(ワシントン=共同)(日本経済新聞 2000/02/19)米軍施設でサリン漏れか ユタ州
【ワシントン22日共同】米国防総省のベーコン報道官は22日の記者会見で、ユタ州にある米陸軍の化学兵器処分施設で20日、サリンの漏れを示す警報が作動、作業員が退去したことを明らかにした。
警報が示した区域で作業していたのは2人で、血液検査などを受けたが、異常はなかった。
報道官によると、警報の誤作動ではなく、人体に害を及ぼさない程度の少量のサリンが漏れた可能性が高いという。(共同通信 2000/02/23)「独立派はCIA協力者」 インドネシア アチェ地域司令官
【ジャカルタ23日共同】インドネシア国軍のシャリフディン・ティップ大アチェ県地域軍管区司令官は23日、アチェ特別州の独立派ゲリラの上部団体指導者ハッサン・ティロ氏(スウェーデンに亡命中)は米中央情報局(CIA)の協力者だと述べ、CIAによる「インドネシア分裂工作」を非難した。州都バンダアチェで記者団に語った。
真偽は不明だが、米国の支援で強化されてきた国軍の高官が米国を名指しで批判するのは異例。
ティップ司令官によると、1974年に独立派ゲリラを支援するイスラム団体の有力者にあてたマレーシアの閣僚の手紙を入手したところ、ティロ氏がCIA協力者で中東諸国や米国、オランダ、マレーシアの政治家と密接な関係にあると記されていたという。(共同通信 2000/02/23)元スパイ「口封じ」に「著作権侵害」と訴訟検討 英政府
国外から英国の機密情報の暴露を企てる元スパイの「口封じ」に、英国政府が「(暴露は)政府の著作権に対する侵害行為」という理由で民事訴訟を検討していることが明らかになった。英国の主要メディアが27日までに報じた。
訴えられそうなのは、英国の防ちょう機関MI5の元職員で、現在はフランスに滞在するデービッド・シェイラー氏。
3年前に退職後、機密情報や過剰捜査の実態を次々に暴露。MI5がストロー内相ら現職閣僚を監視対象にし、別の情報機関MI6がリビアの指導者カダフィ大佐の暗殺計画に関与していたなどと述べていた。
英政府は守秘義務違反だとしてフランスに脱出したシェイラー氏の逮捕と身柄引き渡しを要求。しかし、フランスの裁判所は1998年11月、「訴追は政治目的」として引き渡しを拒否する決定を出した。
刑事訴追で打つ手がなくなった英政府は、シェイラー氏がメディアから多額の謝礼を得ていることに着目。「政府が得た資料を営利目的に使うのは著作権侵害」と攻める策を思いついたようだ。謝礼契約を結ぶ大衆紙にも損害賠償を求める構えで、シェイラー氏の収入源を断つことで、これ以上の機密の流出をくい止める作戦だ。
一方、シェイラー氏はBBCラジオに「私の言論の自由を封じるまねに出れば、政府がもっと困るような情報を暴露する」と対抗。さっそくカダフィ大佐暗殺計画に携わったとされる工作員2人の実名をメディアに流すなど、ひるむ気配を見せていない。(朝日新聞 2000/02/28)昨年殺害された記者87人 国際新聞編集者協会
【ウィーン13日共同】国際新聞編集者協会(IPI、本部ウィーン)は13日、1999年に世界でジャーナリスト87人が記者活動中に殺害されたとの年次報告を発表した。98年の50人から大幅に増え、報告書は「昨年は最悪の年の1つ」と指摘した。
報告書によると、殺害された記者の多くはバルカン半島やロシアの地域紛争を取材中、戦闘に巻き込まれたり治安当局に意図的に狙われた者で、特にユーゴスラビアでは16人と最大の死者を出した。
IPIのフリッツ事務局長は「ジャーナリストが合法的に殺害対象とされる事態になった」と述べ、政府や治安当局に自制を求めた。(共同通信 2000/03/14)天然痘ワクチン研究開始 米、生物テロに備え
【ワシントン13日共同】世界保健機関(WHO)が根絶宣言をしている天然痘が生物テロに使われる恐れがあるとして、米疾病対策センター(CDC)は13日までに、米セントルイス大と協力して予防ワクチンの研究を開始した。
天然痘は世界で毎年200万人近い死者を出していたが、予防ワクチンの種痘による根絶計画が成功し1977年、アフリカの患者を最後に発生は終息。現在はワクチン投与は行われておらず製造もされていない。
しかし、根絶後にロシアと米国に限って保管されたはずの天然痘の原因ウイルスが外部に持ち出されたとの見方があり、米国内ではテロに使われる恐れを指摘する声が高まっていた。
天然痘は1人の患者から平均10人に感染し急速に広がるのが特徴。米国には約600万人分のワクチンが備蓄されているが、天然痘ウイルスがテロに使われた場合、備蓄量だけでは感染拡大を防ぐのは困難という。
CDCは、ワクチンを本来の使用濃度の10倍と100倍に薄めて被験者に投与して効果を測定。テロで感染が起きた場合に、備蓄したワクチンを薄めて、より多くの人に接種が可能かどうか確かめる。(共同通信 2000/03/14)ビンラーデン氏重病か…香港誌報道
【香港支局16日】16日発売の香港の英字週刊誌「アジア・ウィーク」(3月24日号)は、西側情報筋の話として、イスラム原理主義勢力の指導者オサマ・ビンラーデン氏(45)が、じん臓病を患い重病だと伝えた。
同誌によると、病状は肝臓にも影響し始め、ビンラーデン氏の側近は透析に必要な医療器具の入手を試みている。現在、ビンラーデン氏の意識はあり、側近との会話も可能だが、情報筋によると「ビンラーデン氏の病状は末期的だ」という。
ビンラーデン氏はアフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンの保護下にあり、同国内に潜伏中と見られる。98年8月のアフリカでの米大使館連続爆破テロの首謀者とされ、国連安保理は昨年、ビンラーデン氏の身柄引き渡しをタリバンに要求、経済制裁を発動している。(読売新聞 2000/03/17)NATO軍がコソボで劣化ウラン弾使用 UNEPが確認
国連環境計画(UNEP)は21日、北大西洋条約機構(NATO)軍が昨年のコソボ紛争で、劣化ウラン弾約3万1000発を使用したことを確認したと発表し、地域住民の健康や環境への懸念を表明した。
UNEPによると、ロバートソンNATO事務総長がアナン国連事務総長への書簡の中で明らかにしたもので、アメリカ軍のA10型対地攻撃機がユーゴスラビア軍の車両などの攻撃に使った。100波の出動で約3万1000発、約10トンが使われた。書簡には使用場所の地図が添えられていた。
UNEPなどの国連専門家チームは、劣化ウランは発がんなど健康への影響、環境汚染が心配されるとして、昨年からNATOの情報提供を求めていた。同チームは今回提供された情報は不十分だとして、今後(1)着弾地域を特定できる詳細な地図(2)A10型機がコソボ以外のユーゴスラビア領人口密集地で活動した情報、などをさらにNATOに求める。また世界保健機関(WHO)は住民の健康調査報告を5月に出す予定だ。(朝日新聞 2000/03/22)劣化ウラン弾:3万1000発を使用 NATOのユーゴ空爆で
【ブリュッセル21日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)が昨年春のユーゴスラビア連邦空爆の際に対戦車攻撃で使用した「劣化ウラン弾」が3万1000発に上ったことが21日、明らかになった。NATOが国連環境計画に報告する形で認めたもので、米軍が劣化ウラン弾の使用数を公表したのは初めて。NATOの空爆1周年を機会に人体への影響が指摘されている武器の使用実態が再確認された形だ。
報告は、劣化ウラン弾が環境に与える影響を調査している国連環境計画がNATO側に行った質問に対してロバートソンNATO事務総長が答えたもの。それによると、78日間の空爆中、米軍のA10対戦車攻撃機がユーゴ軍の戦車や装甲車に対して行った攻撃の一部に貫通力が優れた劣化ウラン弾を使用したという。コソボ自治州の中でもユーゴ部隊の主力が配置された西部と南西部で集中的に使われた。
劣化ウラン弾は天然ウランを濃縮する過程で派生する劣化ウランを弾頭に付けた特殊弾で、米軍は湾岸戦争やボスニア紛争でも使用。貫通力は優れているものの、従軍兵士が健康障害に陥るなどの問題が発生し、人体や環境面での被害が指摘されている。ユーゴ空爆での使用については、当初は米軍側が使用の事実を否定するなど、あいまいな見解を示していた。
報告の中で事務総長は「ウラン弾は人体などへの影響はない」としている。しかし、環境調査に当たっているハービスト団長(元フィンランド環境相)は「NATOがコソボの中でも人口密集地帯で劣化ウラン弾を使用した実態が明らかになった。NATO側が示した資料は十分とは言えず、セルビア共和国やモンテネグロについては明らかではない」として、さらに使用実態や環境への影響調査を続ける方針を示した。(毎日新聞 2000/03/22)ユーゴ空爆で使用の劣化ウラン弾、環境に影響ない=米国防総省
【ワシントン22日ロイター】米国防総省軍は、北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア空爆の際に米軍が使用した劣化ウラン弾について、これに関する情報は隠しておらず、健康に悪影響を与えることはないと強調した。
国連のバルカン半島環境調査団が21日ジュネーブで発表した調査は、NATOが3万1000発の弾薬の使用を認めたが、使用地域の詳細に関する情報は不十分と指摘した。
国防総省スポークスマンは、「この弾薬に関する情報は、NATOが十分開示した。それが、われわれの有する最良の情報だ」と述べた。
他のスポークスマンも、米国の科学的調査で、健康や環境への大きな影響はないとされた、としている。
ただ、一部の専門家は、この弾薬の成分が土地や水源を汚染する可能性もあるとみている。(ロイター通信 2000/03/22)NATOがコソボで劣化ウラン弾を使用したことを認める
国連環境計画(UNEP)と国連人間居住センター(UNCHS)は22日、北大西洋条約機構(NATO)が昨年ユーゴスラビアのコソボ地区での戦争において約3.1万発の劣化ウラン弾を使用したことを認めたとコミュニケを発表した。
コミュニケによると、NATOから劣化ウラン弾の発射の正確な地点と詳細資料が提出されていないため、現在環境と人類の健康への影響について推定評価ができていない。
これまでNATOはユーゴスラビアでの戦争中に劣化ウラン弾を使用したことを否定し、国連環境計画と国連人間居住センターが組織したバルカン行動グループの調査を阻止してきた。
科学者の分析によると、劣化ウラン弾の爆発後、放射能が放出され、有毒な微粒子と土埃が水質と土壌を汚染するとのこと。(人民日報 2000/03/24)ダイオキシンで糖尿病
米軍の枯れ葉剤散布作戦参加 元兵士、高い罹患率
【ワシントン29日共同】ベトナム戦争で米軍が行った枯れ葉剤作戦に参加した元米兵の間で、糖尿病の罹患(りかん)率が異常に高いことが29日、米国防総省の調査で分かった。枯れ葉剤の主成分はダイオキシンで、ゴミ焼却場周辺の環境汚染など日本のダイオキシン被害の調査にも影響を与えそうだ。
調査によると、枯れ葉剤散布作戦に参加したヘリコプター乗務員ら1000人の元米兵と、ベトナムで戦ったものの枯れ葉剤作戦には加わらなかった1300人を比較。高濃度でダイオキシンを浴びた兵士の糖尿病の罹患率は、その他の兵士に比べ47%も高かった。
ダイオキシンは発がん性のほか、内臓障害、免疫異常を起こすとされてきたが、同作戦参加兵の健康障害を追跡調査してきた国防総省が糖尿病の被害を確認したのは初めて。
同省は「極めて強い因果関係が明らかになった」として、糖尿病になった元米兵への政府による医療優遇制度を検討している。
米軍は北ベトナム軍や解放戦線掃討のために、森林を枯らす目的で、枯れ葉剤の大量散布作戦を1962年から71年まで続け、ベトナムで奇形児などの被害を生んだ。(中日新聞 2000/03/30)多数の工作員が無駄死に 朝鮮戦争で米CIA文書
【ワシントン3日共同】朝鮮戦争での米国の対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)工作活動で、数千人の工作員を北朝鮮に送り込んだ米中央情報局(CIA)が、多数が無為に死亡したとその後の総括で非難していることが分かった。AP通信がCIAの複数の文書を入手し3日伝えた。
工作員の任務は北朝鮮内での抵抗組織や撃墜された米兵の救出ネットワーク作りだったが、活動を総括した1973年の文書などは、計画自体がずさんで「多数の工作員が死亡、道徳的に非難されるべきだ。達成された業績は不釣り合いに小さい」と指摘している。
CIA工作員は韓国人や、共産主義を嫌って韓国に逃亡してきた北朝鮮人だった。
文書によると、50年の戦争開始直後から53年の休戦まで数千人の工作員が陸、海、空から侵入。当初は情報収集などでいくつかの成果を挙げたが、後半2年間は北朝鮮側に発見され全滅するなど、生還した工作員はほとんどいなかった。
一部のCIA高官は当時から「パイロット救出作戦が成功するチャンスはない」と警告していたが、73年の文書は工作員ネットワークによって救出された米兵捕虜は皆無で、作戦は「無駄だった」とまで断言している。(共同通信 2000/04/04)CNNで米軍が研修 心理戦部隊の軍曹ら
【ワシントン5日共同】宣伝工作などを任務とする米陸軍心理作戦部隊の兵士計5人が、昨年6月から米CNNテレビ本社の報道現場で、入れ替わりながら研修生として働いていたことが5日分かった。
メディアとの「協力関係強化」を図る米軍の要請をCNNが受け入れており、同社は「報道の中立性に誤解を与える」との内部批判などを踏まえて、先月受け入れを中止したことを明らかにした。
関係者の話を総合すると、研修を受けたのはノースカロライナ州フォートブラッグに基地を置く陸軍第四心理作戦部隊所属の軍曹ら5人で期間は4―9週間。
CNNの広報担当者によると、研修はアトランタ本社の報道部門の仕事を間近に見ることが主な内容。「簡単な実践的経験をさせることはあったが、常にCNNスタッフの監督下に置かれ、彼らがニュース活動に影響を及ぼすことはなかった」としている。
第4心理作戦部隊スポークスマンは研修内容について「照明、カメラワーク、取材など現場の仕事全般だった」と述べている。
米軍当局者によると、昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆の際、米軍内部で報道対応への反省があり「巨大メディアとの協力関係強化」の観点から今回の研修を依頼したという。(共同通信 2000/04/06)通信傍受疑惑:英米が正当性を主張 EU各国は反発
【ロンドン6日岸本卓也】世界の通信情報を盗聴している疑惑が持たれている米英など英語圏5カ国の通信傍受機関・エシュロンについて、英国の欧州連合(EU)担当大使や米中央情報局(CIA)元長官が盗聴行為の正当性を主張したことが明らかになった。2人は盗聴した情報の悪用は否定しているが、EU各国は「開き直りだ」と反発している。EU議長国・ポルトガルは司法担当閣僚会議で本格的な対抗措置を検討する構えだが、英国は閣僚会議の議題に乗せることに抵抗している。
エシュロン機関(米・英・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)は人工衛星とコンピューターを駆使して世界の電話、ファクス、Eメールを盗聴しているといわれ、EUが調査を進めている。このほどEUが米英に質問したところ、両国ともに「不正行為はしていない」と回答したが、英政府を代表してEUに書簡で回答したスティーブン・ウォールEU担当大使は「国家の経済的安定を守ることは盗聴活動の正当な理由の1つだ」と述べた。
また、1993年から95年までCIA長官を務めたジェームズ・ウルジー氏は米ウォールストリート・ジャーナル紙に対して「米国が欧州企業の情報を盗聴する由は、取引先の政府へわいろ攻勢をかけるからだ。しかし、米情報機関は情報を米企業に渡さず、わいろ工作を当該政府に通報する。わいろを使ったり、国連の経済制裁措置を破って取引する企業を監視するのは当然だ」と述べた。
これに対して、ポルトガルのゴメス内相は米英の対応について「疑惑の解明を求めるEU加盟国の正当な要求を尊重していない」と批判し、司法担当閣僚会議でエシュロン機関の盗聴問題を議題にすることを加盟各国に打診した。英国は議題にしないように各国に働きかけているが、ポルトガルを支持する国は多い。(毎日新聞 2000/04/06)NMD:開発中の迎撃システムは役に立たず 米の科学者11人
【ワシントン11日布施広】米政府が巨額の費用をつぎ込んで開発している米本土ミサイル防衛(NMD)について、米国の著名な科学者11人が11日、開発中の迎撃システムは役に立たないと結論付けた報告書をまとめ、クリントン大統領にミサイル防衛構想の根本的な見直しを求めた。大統領は7月をめどに、NMDを配備するか否かを決断するが、米政府諮問機関の元メンバーを含む科学者団体が、技術的な問題点を指摘したことで、大統領はさらに難しい対応を迫られそうだ。
『対抗措置』と題した約200ページの報告書はマサチューセッツ工科大、ペンシルベニア大、コーネル大などの教授、有力研究所の研究員らがまとめた。11人中には、国防総省の諮問機関や米議会委嘱の「弾道ミサイル脅威評価委員会」の元メンバー、米防衛産業の元研究者も含まれる。
敵の弾道ミサイルを迎撃ミサイルで破壊するNMDについて報告書は、敵がおとりとして多数の金属製風船をばらまいたり、直径10メートルの風船の中に弾頭を入れた場合など、迎撃システムが正確に標的を捕捉できるかどうか疑問と指摘。敵が弾頭を金属で覆って冷却した場合は、熱線追尾も難しくなるとしている。
さらに、NMDが核兵器の多弾頭化に対応できたとしても、化学・生物兵器の場合は弾頭のユニットをさらに細分化できる。報告書によると、中国はNMDを無力化する対抗策を取ると明言しており、米国がNMD配備を決断した場合、ロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などが、NMDの防御網を突破するミサイル技術の向上に努める可能性が高いという。
国防総省は6月にもNMD迎撃実験を行い、配備するか否かをクリントン大統領に進言する方針だが、NMDの開発・維持費として300億ドル近くかかるとの見方もある。半面、過去の実験では手の込んだおとりは使われていないため、報告書は「現在の実験では実際のミサイル攻撃に対する有効性を評価できない」と指摘。
見切り発車の形でNMDを配備すれば「米国の安全保障は低下する」と警告している。(毎日新聞 2000/04/12)CIA関与の全体像示す イラン政変の秘密文書
【ニューヨーク16日共同】16日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、特ダネとして、1953年に米中央情報局(CIA)が関与したイランのモサデク政権転覆工作の全体像を示す秘密文書の内容を伝えた。
親共民族主義のモサデク首相政権を倒し、パーレビ国王を樹立したこのクーデターは、同国王を放逐したイスラム革命を経て現在の米イラン関係の悪化の遠因となった。
文書は、クーデターを立案し、実行に関与したCIAの当時のイラン担当者ドナルド・ウィルバー氏が書き残した秘史。米国と英国の情報部が政権転覆で緊密に協力したとしている。
具体的な転覆計画は、CIA関係者が直接、王政復古派の軍部とクーデターを画策、次期首相候補を選び、共産党の仕業に見せかけた爆弾事件を指導するなどしたという。
文書はまた、パーレビ国王が「優柔不断な弱虫」で、クーデターに参加させるのに苦労したと指摘。作戦は土壇場で、CIAが抱き込んだ士官の組織したパーレビ支持のデモが成功、モサデク政権を打倒できたとしている。
ウィルバー氏はクーデター直後の54年に秘史を執筆、非公開となっていたが、コピーをタイムズ紙が入手した。(共同通信 2000/04/16)これが米のUFO基地? 衛星写真を公開
マニアの疑惑 一掃できるか
【ワシントン18日共同】未確認飛行物体(UFO)マニアの間で、米軍のUFO研究基地と疑われているグルームレーク試験飛行基地(ネバダ州)を、米国の民間衛星写真会社エアリアルイメージがロシア衛星で撮影、18日までにウェブサイトに画像を公開した。
同基地はマニアの間で「エリア51」と呼ばれ、地球に不時着したUFOや宇宙人を集めて研究する極秘施設とみられてきた。
しかし、衛星画像にUFOらしい物体は映っておらず、国防総省のベーコン報道官は18日の記者会見で「宇宙人の技術に頼った秘密計画はない」と冗談を飛ばし、記者団を笑わせた。
同基地は、ラスベガスから車で約2時間の距離にある。米科学者連盟によると、1950年代からU2やSR71などの偵察機やステルス爆撃機B2など、極秘に開発を進めた米軍機の試験飛行に使われ、米軍は基地の存在を94年まで認めていなかった。
このため周辺住民らの間に「なぞの爆音」「見慣れない飛行機」などのうわさが立ちUFO基地として有名になったとされる。
画像があるウェブサイトは http//www.terraserver.com(中日新聞 2000/04/19)「朝鮮」統一に備えた戦略の必要性指摘…米国防委
【ワシントン19日=林路郎】コーエン米国防長官の諮問機関で、今後25年の米国の国家安全保障戦略のあり方を検討している「国防委員会」は19日、第2回報告書「国家戦略を求めて」を発表、「米国は、朝鮮半島統一のシナリオに備えた計画を策定すべきだ」との見方を示した。
報告書は「韓国」「北朝鮮」という国名を一切使わず、「朝鮮」が統一された場合の東アジア安保を想定。一定の米軍を朝鮮半島に駐留させることで地域の安定を図り、同時に朝鮮半島の非核化を維持すべきだと提言した。
東アジアについては、「中国の国力増大と共に、米中の競争が激化する可能性がある」と言及。中国との建設的関係構築の一方で、台湾問題の平和的解決の重要性を指摘。さらに、「日本との間で対等な戦略的パートナーシップと、より自由な貿易協定の締結を目指すべきだ」と述べた。
また、米国本土や同盟国に対する大量破壊兵器による攻撃に対する防御を、最も優先度の高い問題と位置づけ、「全米ミサイル防衛(NMD)と戦域ミサイル防衛(TMD)を配備すべきだ」と提唱した。
報告書は、中国が核戦力を増強している実態について触れ、第2次戦略兵器削減条約(START2)以後の核軍縮戦略を構築するためには、核戦力の規模・能力を評価する新たな基準を設けることが必要だと訴えている。同委員会は来年2月までに最終報告書をまとめる方針。(読売新聞 2000/04/20)PTSD:英国防省を相手どり損害賠償訴訟へ 英国の元軍人
【ロンドン21日笠原敏彦】湾岸戦争などの体験から「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」に苦しんでいる英国の元軍人約300人が、英国防省を相手どり損害賠償を求める訴訟を起こすことが21日、明らかになった。PTSDは日本でも阪神大震災などで問題になっており、訴訟の行方が注目される。
集団訴訟の原告は、フォークランド紛争(1982年)でアルゼンチン軍機の攻撃を受け炎上した戦艦の生存兵40人のほか、湾岸戦争、ボスニア内戦などに参加した元兵士ら。フォークランド紛争の炎上艦では同僚50人が戦死し、生き残った兵士らは心的外傷から不眠や不安に悩まされ働くこともできない状態が続いている、という。
原告団のジョン・マッケンジー弁護士は、元兵士らは症状を訴えてきたが国防省は真剣な対応を示していないと批判。これに対して、国防省は「可能な限りの策を取ってきた」と話している。
自然災害や戦争などの被災者に多く見られるPTSDは、1980年に米国精神医学協会により正式に認知された。(毎日新聞 2000/04/21)NPT派遣団が米ネバダ核実験場で抗議の座り込み
24日から米ニューヨークの国連本部で開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて渡米した原水禁などの「NPT再検討会議派遣団」約20人が21日、ネバダ核実験場を訪れた。地元のネバダ州やカリフォルニア州、アリゾナ州などから集まってきた反核運動家らとともに抗議の行進をした後、「立ち入り禁止」と書かれた標識の前で、地元の警察官らの監視の中、米の未臨界核実験や核兵器開発に対する抗議の座り込みをした。
派遣団のほか、集まった在米の反核運動家や市民グループのメンバーは約30人。うち約10人は、意識的に境界線を越え、拘束されることによって抗議の意を示した。先祖代々の土地の中に核実験場が位置する先住民族ウエスタン・ショショーニ族のコービン・ハーニーさん(80)は、警察官に詰め寄って、「これ以上我々の土地を汚染するな」と訴えた。NPT派遣団のメンバーで被爆者の坪井直・広島県被団協事務局長(74)は「核兵器廃絶を願う心に、国境や民族の壁はない。互いに協力し合ってがんばっていきましょう」と呼びかけた。(朝日新聞 2000/04/22)NPT再検討会議に合わせ、NYで「原爆展」開催
米ニューヨークの国連本部で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれるのに合わせた連合、原水禁、核禁会議による「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」が23日、国連本部近くの多目的ホールで始まった。26日まで開かれる。
会場には、やけどを負った子どもの写真や、放射線被害を示すパネルなど約60点が展示された。資料は、被爆地の広島、長崎市からの提供で、両市の市長から寄せられた平和と核兵器の廃絶を願うメッセージも張り出された。反核の象徴とされる折りづるをつくるコーナーも設けられている。
開会の式典で、野沢雄三・連合副事務局長(59)は「再検討会議に合わせて集まるたくさんの軍縮問題の専門家や非政府組織(NGO)関係者に、『悲劇を繰り返してはならない』と訴えたい」とあいさつした。
この日は、市民や旅行者らが次々に訪れ、熱心に見入っていた。地元の会社員ポールライリーさん(42)は「教科書に載っていない写真ばかりだ。アメリカ人はもっと核の問題に関心を持っていい」と話した。(朝日新聞 2000/04/24)膨れ上がる米のミサイル防衛費、見積もり600億ドルに
核不拡散条約(NPT)再検討会議で各国の批判を浴びている米国の本土ミサイル防衛(NMD)構想をめぐり、米議会予算局は25日、2015年までの開発・配備費は594億ドルにのぼる、と発表した。国防総省は、敵のミサイルを迎え撃つ迎撃体の配備数を100発とする第1段階の費用しか明らかにしていない。この日の報告書は、最終的に250発まで増やす第3段階までの総見積もりに初めて踏み込み、国防総省が先に発表し直した数字の倍近くになる、と結論づけた。膨れ上がる一方の費用に、反対派は「値札を何回付け替えればいいのか」と批判している。
国防総省は今月、迎撃体100発の配備や、2026年までの兵器の維持などに少なくとも302億ドルかかる、と修正したばかり。
クリントン大統領は6月の米ロ首脳会談で、(1)撃ち落としをめざすのは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの長距離ミサイルで、ロシアの核ミサイルではない(2)当面は、アラスカの基地1カ所だけで、大規模な展開はしない(3)配備に伴う弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直しも小幅にする――といった案で、ロシアの理解を得たい考えだ。
しかし、共和党は「限定的な配備でロシアと妥協すれば、将来の開発の手足を縛る」と反対する。しかも、地上配備の迎撃体を250発にする、という国防総省の最終目標でさえ、国土防衛には不十分だ、と唱えている。ロシアの説得のために規模を抑えれば共和党が反発し、大規模な配備に道を開けば、ロシアと折り合えないだけでなく、開発費もさらに膨れ上がる、というクリントン政権の板挟みが、浮き彫りになってきた。
中立的な立場の議会予算局が、1996年から2015年までのコストを試算したところ、第1段階は、国防総省の見積もりを39億ドル上回る295億ドル。地上のXバンド目標捕そくレーダーや早期警戒衛星などを増やす第2段階で61億ドル、早期警戒機能を高め、ミサイル基地を2カ所にする第3段階には133億ドルが、それぞれ必要となる。これに、衛星の運用費などを加えると、総額で600億ドル近くになる。
NMD構想を支持しているドメニチ上院議員(共和党)も「最終的にいくらかかるのか、国防総省がつかんでいるとは思えない」と疑問を呈した。NMDは軍拡競争の再燃につながるとして反対する「核の危険削減連合」や「憂慮する科学者連合」などの民間団体は「技術的に不確かな兵器にこれほどの巨費を投じるのは無駄だ」「2階建ての家を建てるのに土台の費用しか明らかにしてこなかったのはおかしい」と勢いづいている。
NMDは6月に予定されている迎撃実験を経て、国防長官が実戦配備について大統領に勧告。クリントン大統領は、脅威、コスト、技術、ロシアとの軍備管理交渉の4点を踏まえ、夏から秋にかけて、正式に導入するかどうかの結論を出すことになっている。(朝日新聞 2000/04/27)フランスが核軍縮に消極的な米国を批判
「英国とフランスは独自に核軍縮している。約3万発の世界の核弾頭の97%から98%は米ロが持っている。軍縮の行方は米国とロシアにかかっている」――フランスのデュラフォルテール軍縮大使は27日、国連内で記者会見し、欧州に比べて核軍縮に消極的な米国を批判した。
フランスは欧州連合(EU)としての核軍縮政策に合わせて米国の防衛ミサイル網計画に反対しているが、同大使は防衛予算についても「フランスは過去10年間で国防費を国民総生産(GNP)比2.9%から2.1%に減らし、特に核関連支出は60%も減らした。しかし、米国はいっこうに減らそうとしてない」。
米政府は昨年、冷戦末期から減少傾向にあった国防費を初めて持続的に増やしていく方針に転換した。こうした米国の姿勢を皮肉るように「われわれは軍拡競争には決して参加しないし、軍事態勢を最低限の状態にしておこうとしている」と米国と欧州の違いを強調した。(朝日新聞 2000/04/28)非核保有「急進派」が5大国に核廃絶を迫る
【ニューヨーク29日=松浦一樹】ニューヨーク国連本部で開会中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、南アフリカやエジプト、スウェーデンなど非核保有7か国で構成する核廃絶急進派グループ「新アジェンダ連合」(NAC)が米、英、露、仏、中の核保有5か国に対して厳しい核軍縮要求を突きつけている。「少数の大国が核兵器を独占することによって核不拡散・核軍縮体制の信頼性が揺らいでいる」(南ア代表)との考え方から、保有国に核廃絶を迫る動きだ。実現性は低いものの、利害が複雑に絡み合い核軍縮のピッチがなかなか上がらない核保有国にとっては、厄介な存在になっている。
メキシコのアントニオ・デイカサ軍縮大使は26日に行われたNPT再検討会議の第1委員会(核軍縮)で、「NPTの無期限延長は、核兵器の永久保有を正当化するものではない」と発言、NACを代表して主に核保有国を対象とする核軍縮提案を提示した。
NAC提案は、核保有国に▽次回再検討会議が開かれる2005年までに核軍縮を加速化する▽5か国の軍縮プロセスを統合し、核の完全廃絶を目指す▽核の先制不使用宣言を行い、現在配備されている核弾頭を取り外してすべての核戦力を撤収する――などを要求。デイカサ大使は「いずれも達成可能な目標」とした。
NACにとって、加盟国中で最大勢力となる非同盟諸国(114か国・地域)の支持が頼みだ。98年の国連総会では、その支持を取りつけ核の究極廃絶を目指す総会決議の採択にこぎ着けた実績もある。
ただ、非同盟諸国は今会議で、より穏便な独自提案を提示しており、NACと一線を画している。「核保有国がNPT体制に背を向けるような事態になれば、元も子もない」(国連外交筋)との政治的判断が働くからだ。
しかし、NAC提案には「非同盟諸国の間で同情する国も多い」(同)とされる。核保有国に対する非核保有国の“本音”が最も鮮明に表れていると受け止められているからだ。
核保有国に対する圧力を強めるため、「2005年」の具体的な目標達成期限を設定したことがNAC提案の最大の特徴とされるが、「核ドクトリン」を掲げ、核兵器を自国防衛の中核にすえる核保有国にとっては、どれも受け入れがたい要求ばかりだ。
再検討会議は、5月19日の会期末までに各国・機関の提案を取りまとめ、NPT体制強化をうたう最終文書の採択を目指すが、全加盟国(187か国)の総意が前提とされるため、NAC提案が受け入れられる可能性は低い。ごり押しすれば、最終文書がまとまらなくなる可能性もあり、NACは微妙な立場にあるといえる。【新アジェンダ連合(NAC)】原爆を製造後に自主廃棄した経験から「核廃絶は可能」と力説する南アフリカを中心に、98年に結成された。当初、南米からブラジル、欧州からアイルランド、スウェーデン、スロベニアの3か国、中東からエジプト、アジア太平洋からニュージーランドが名を連ねた。しかし、その後、スロベニアが脱退し、メキシコが新たに加わった。結成時には、唯一の被爆国日本も参加を求められたが、日本政府は「主張の内容が現実味を欠く」(外交筋)との理由で断った。(読売新聞 2000/04/29)
Eメールすべて傍受可能に 英の情報機関M15が準備
【ロンドン30日=渡辺覚】30日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、英国のスパイ防止機関MI5が、高度化するテロ活動の防止を目的に、インターネットを使って国内で送受信されるすべての電子メールを傍受する体制を確立する、と1面トップで報じた。
同紙によると、MI5は2500万ポンド(約42億円)を投じ、本部内に電子メール傍受のための新組織「国家技術支援センター」(GTAC)を設立。その上でMI5は、同センターと、英国内に約400社あるプロバイダー(インターネット接続業者)のホストコンピューターなどを専用のケーブルで直結する。
この結果、年内には、英国内で送受信されるすべての電子メールやホームページ上のメッセージを、すべて読み取ることが技術的に可能になる、としている。
日本で昨夏成立した通信傍受法は、電子メールなどの傍受に際して裁判官の礼状をその都度必要とし、記録提出も義務づけている。
英国では以前から捜査機関による通信傍受が認められているが、今回明らかになったプロジェクトは、より巧妙化するテロリストや国際的な組織犯罪に対抗するために、インターネット上のすべての情報に“網”をかける方法で、国内で論議を呼ぶのは必至。野党・自由民主党の議員は、「国家の安全と個人のプライバシーのバランスは、あまりにも国家寄りになっている」と、強い懸念の声を上げている。(読売新聞 2000/05/01)中国のICBMを無力化 米NMD、軍拡招く恐れ
【ワシントン2日共同】米国が2005年の配備開始を構想する米本土ミサイル防衛(NMD)が、中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)戦力を無力化する能力を持つことが1日までに分かり、米軍備管理専門家らが「中国が対抗上、ミサイル軍拡を進めるのは必至」と懸念を表明した。
同構想の全容は、米政府がロシア政府との弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の修正交渉の場で提示し、米核問題専門誌が最新号で全文を報じた。
それによると、NMD構想は100基の迎撃ミサイルをアラスカ州に配備する第1次計画と、ノースダコタ州に100基を配備する第2次計画に分かれ、合計200基の迎撃ミサイルが侵入してくる40から45のミサイル弾頭を破壊する。
米国はNMDが少数のミサイルしか発射できない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランを対象とし、ロシアの千を超すICBM戦力には対抗できないとしてロシアの了解を得ようと努めているが、中国が保有している20基前後の単弾頭式ICBMは無力化されてしまうことから、米軍事誌ディフェンス・ウィーク最新号は「中国のNMDへの懸念は正しいことが証明された」と解説した。
また、米カーネギー国際平和財団のウルフストール研究員は、中国が対米抑止力を維持するためにミサイル数を増やし、多弾頭化などICBM戦力を拡充するのは間違いないと指摘。「ロシアがNMDを了解しても、中国の軍拡を招き米国が得るものはない」との見方を示した。(共同通信 2000/05/02)日本本土から核攻撃計画 60年代、米機密文書明記
【ワシントン7日共同=太田昌克】ソ連に加え中国が核開発を進めた1960年代に米軍が朝鮮半島などの有事に備え、返還前の沖縄に配備した核兵器を横田(東京都)や三沢(青森県)板付(福岡県)の米軍3基地へ即時搬入できる態勢を取り、爆撃機などで日本本土から当時のソ連や中国を核攻撃する作戦計画を立てていた。7日までに、機密指定を解除された米公文書から明らかになった。
日本を巻き込んだ米核戦略の一端が明るみになるのは異例。日本の歴代政権が核持ち込み拒否の姿勢をみせる裏で、米軍が在日基地を核戦争の出撃拠点と位置付けていた事実を示す。
62年3月22日付の国務省極東局フィアリー日本課長あてのメモは米空軍が「ハイ・ギア計画」の暗号名で本土に核兵器を運ぶ輸送機C130を沖縄・嘉手納基地に24時間待機させている状況を明記。
嘉手納から核兵器を持ち出し、横田基地のB57爆撃機(36機)、三沢、板付両基地のF100戦闘機(計51機)に装備させるまで、4―6時間かかると見積もっている。
また同日付のライス国務副次官補(極東担当)発信のメモ「日本での核兵器貯蔵」は統合参謀本部が反撃に要する時間を短縮するため、日本への核配備を要望している経緯を指摘。日本の反核感情から「核兵器を速やかに搬入するために特別に編み出した手順」を取らざるを得ないと説明している。
さらに同メモは、軍部が核貯蔵の秘密合意を日本側と結ぶことや、核搭載のC130を交代で在日基地へ展開させる方策を検討している事実を記載しているが、当時の複数の政府関係者はいずれも日本の政治状況などへの配慮などから実現しなかったと語っている。(共同通信 2000/05/08)有事なら今も核の前線に 日本組み込む米戦略 本土から出撃
【ワシントン7日共同=太田昌克】米国務省機密文書から7日までに明らかになった、沖縄配備の核兵器を搬入し日本本土から出撃するという作戦計画は、非核政策を内外に訴えてきた日本が米核戦略にいかに深く組み込まれていたかを見せつけている。
同時に、いまも米国の「核の傘」の下にある日本が、有事には簡単に核戦力の前線となり得る現実をあらためて思い起こさせる。
米国は第2次大戦後、ソ連の圧倒的な通常戦力に対抗するため核戦力を強化してソ連の西欧侵攻を抑止。極東では朝鮮半島や台湾海峡の火種を抱え、核使用を想定したシナリオも描いていた。
緊張状態を背景にかつては沖縄へ核兵器を配備。沖縄の核は日本復帰の72年までに引き揚げられたとされるものの、米国はその後も大陸間弾道ミサイルなどで日本に傘を提供。その下で日本の歴代政権は“非核政策”を堅持してこられた。
もちろん、核持ち込みは日米安保条約の「事前協議」の対象で日本側は拒否できる。しかし、米核戦力に国防の根本を預けながらいざ有事が発生した場合、「核の傘」を抜け出て非核の国是を貫けるのか。
そうした意味で、秘密文書は決して過去の冷戦秘話ではなく、今なお「核の傘」が内包する現実を日本に突き付けている。(共同通信 2000/05/08)ユーゴ空爆の成果は1割弱 米軍が誇張発表と米誌
【ワシントン9日共同】「史上最も成功した空爆」とされた北大西洋条約機構(NATO)軍の昨年春の対ユーゴスラビア空爆が、実際には公式発表の1割足らずの成果しかなかったと、8日発売の米誌ニューズウィーク最新号が報じた。米国防総省は同日、公式発表を既に下方修正していることを認めた。
同誌によると、米空軍主体の爆撃評価チームが現地調査で確認したところ「戦車14両、装甲兵員輸送車18、火砲類20」と成果はごくわずかだった。
この報告は、国防総省内で握りつぶされ、驚いたNATO司令部は再調査を命じ「戦車93両、装甲兵員輸送車153」など未確認情報も交えた“折衷報告”を作成したという。
米国のシェルトン統合参謀本部議長は、空爆作戦の終了直後、「約120の戦車、220の装甲兵員輸送車、最大450の火砲・迫撃砲」を破壊したと発表。精密爆弾や巡航ミサイルを駆使した空爆だけによる勝利は「戦争形態を変えた」とまで称賛されていた。
成果が挙がらなかったのは(1)高高度からの爆弾投下は命中度が落ちる(2)ユーゴ軍が模型の戦車や橋で操縦士の目を欺いた(3)操縦士は命中が確認できなくても爆撃の成果を報告しがち―などが理由とされている。
同誌の報道に対し国防総省は「できる限りの情報を基に分析したが、爆撃評価は極めて難しい作業だ」(ベーコン報道官)と述べ、現在はNATO軍の再調査結果を公式の成果とみていることを認めた。ただ米軍が予算獲得のために成果を誇張したとの同誌の指摘には「誤報だ」と否定した。
同誌は、効果があったのは軍事施設ではなく、むしろ発電所などへの空爆だとし、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領が和平受け入れに同意したのは、ベオグラードの停電などで市民が苦しみ、政権維持に危機感を抱いたためと分析している。(共同通信 2000/05/09)ユダヤとアラブは血縁 染色体分析で確認
【ワシントン8日共同】ユダヤ人と、パレスチナ人などアラブ人が共通の祖先を持つことがDNA分析で確認された、と米ニューヨーク大のハリー・オストラー博士らが9日付の米科学アカデミー紀要に発表した。
ユダヤ人とアラブ人に血縁関係があることは旧約聖書など宗教、歴史文書の記述から当然とみられていたが、遺伝分析ではっきり確認できたのは初めてという。
同博士らは中東地域をはじめ、北米、アフリカ、欧州各国など世界29地域の1371人の男性のY染色体のDNAを調べた。同染色体は父親から男の子に伝わり、遺伝的に近い人は共通の特徴を持つ。
その結果、イスラエルや北米、欧州、アフリカ北部に住むユダヤ人のY染色体に共通点が多いことが判明。ユダヤ人は紀元前にパレスチナから世界各地に離散した後も他民族とあまり混血せず、遺伝的な同一性を保ってきたと分かった。
またパレスチナ人、シリア人はユダヤ人とY染色体の特徴を共有しており、旧約聖書などが示すように遺伝的なルーツは同じと分かった。(共同通信 2000/05/09)遺伝子:ユダヤとアラブの先祖は同じ 国際研究グループ
【ワシントン8日斗ケ沢秀俊】イスラエルとアラブとの対立が続いているが、遺伝子上はユダヤ人はアラブ人と「兄弟」とも言える近い関係にあることが欧米とイスラエルの国際研究グループの調査で判明し、9日付の米科学アカデミー誌に発表される。
米ニューヨーク大医学校やイスラエルのテルアビブ大などのグループは、7地域のユダヤ人を含む世界29地域の男性1371人を対象に、男性の性染色体であるY染色体の塩基配列を調べた。
調査の結果、ユダヤ人はパレスチナ、シリア、レバノンなど中東のアラブ人と祖先が共通で、塩基配列に同じ特徴を持っていた。ユダヤ人とアラブ人は、中東以外の非ユダヤ人とは塩基配列の違いが大きく、遺伝子上は離れた関係にあった。ユダヤ人は地域ごとの塩基配列の違いが少なく、他民族との混血があまりなかったことも分かった。
研究グループは「ユダヤ人とアラブ人はみな、古代ヘブライ民族の始祖アブラハムの子供たちであり、いずれも4000年以上にわたって中東の遺伝的な特徴を保っている」と分析している。(毎日新聞 2000/05/09)規制緩和で武器輸出拡大へ 米が日本など友好国に
【ワシントン23日共同】米国防総省高官は23日会見し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と日本、オーストラリアに対する武器輸出手続きを緩和すると発表した。
同高官は「(友好国内の)防衛市場における効率と(米軍需産業の)競争力拡大が目的」と説明。昨年のNATO軍によるユーゴスラビア空爆などの教訓から、他国軍が米軍と同じ装備を持つことが作戦上有利との判断もある。
緩和の内容は(1)武器輸出の際に国務省が業者に与える認可の有効期限を4年から8年に延長(2)米民間企業と友好国企業との合弁事業認可の簡素化―など。ただし友好国から第3国への再輸出については、監視を強化するとしている。
米国の武器輸出は1989年以降、総額では減少傾向にあるが、冷戦崩壊後、旧ソ連地域からの武器輸出が激減したため、世界市場占有率は96年の時点で44%と89年の30%から大幅に増加している。(共同通信 2000/05/24)嘉手納弾薬庫に劣化ウラン弾を貯蔵 米空軍が認める
沖縄県の米軍嘉手納弾薬庫に、劣化ウラン弾が貯蔵されていることが25日までに分かった。管理している米空軍第18航空団のジェームス・スミス司令官は「貯蔵しているのはごく少量で、人体への影響はない」としている。今後も貯蔵されるというが、県は県外への移設などを求めていく方針だ。
同航空団によると、貯蔵されている劣化ウラン弾はA10攻撃機が使用する。同機は在韓米軍に配備されており、朝鮮半島有事に備えての貯蔵とみられる。
劣化ウラン弾をめぐっては1995年から96年にかけて、在日米海兵隊機が同県内の鳥島射爆撃場で約1520発を発射していたことが明らかになった。在日米軍は当時、海兵隊基地からすべての劣化ウラン弾を撤去したと説明していたが、陸、空軍の貯蔵については明らかにしなかった。
鳥島では政府と米軍が放射線量など環境への影響調査を続けている。(朝日新聞 2000/05/25)米軍が戦略の重点をアジアへ…WP紙
【ワシントン26日=林路郎】来月初めに米国防総省が発表する今後20年の米軍運用計画「統合ビジョン2020」で統合参謀本部が、中国の「敵対的軍事大国」としての台頭を想定、「東京からテヘランへ至るアジアの弧」が世界で最も厳しい軍事的競争の舞台となるとの認識に立ち、米軍戦力の重点をアジアへ転換する方針を打ち出すことがわかった。26日付のワシントン・ポスト紙が、計画策定責任者や軍首脳らの話として報じた。
「ビジョン」は中国の名指しは避けているが、「対等な競争相手」と呼び、事実上の「対中包囲網」を軸とする21世紀序盤の米国の軍事戦略を明確にしている。具体的には、〈1〉敵の核ミサイル搭載原潜や水上艦艇を破壊する攻撃型原潜の6割が数年前まで大西洋に配備されていたが、数年後はアジアに6割を配備する〈2〉広大なアジア用に航続距離の長い潜水艦・爆撃機・給油機の増強――などがうたわれる。
同紙によると、こうした長期計画策定の背景には、中国の軍事大国化は「時間の問題」とする米軍首脳の共通認識がある。「米中の直接軍事衝突の回避」が作戦計画立案の最優先事項であり、同紙は、国防総省が過去8年に策定した作戦計画の7割近くがアジアを舞台にしたものだと伝えた。
また、今年夏にアラバマ州で行われる空軍の大規模演習は、「中国がロシアのシベリア地方へ侵攻した」事態を想定、米軍がロシア防衛に回る作戦に関するものになるという。
「朝鮮半島統一後の在日・在韓米軍の維持」が同様に重要な目標とされ、これには「日本が大国として復活した場合、1930年代の過ちを繰り返させない」狙いが込められている、という。
中国との緊張に加えて国防総省が描いているシナリオには、「北朝鮮の平和的崩壊」「インドネシア分裂」「印パ核戦争」「アフガニスタンのイスラム原理主義勢力の浸透によるパキスタン崩壊とタリバンによる核兵器入手」「イランの核武装」などが含まれる。(読売新聞 2000/05/26)日本に核武装の懸念 アジア重視へ転換提言 米諮問
【ワシントン26日共同=杉田弘毅】米国防総省の諮問機関が「2025年のアジア」と題した報告書で、南北朝鮮統一後の在日米軍の撤退、日本の核武装化や米中衝突など懸念されるシナリオを想定し、これを防ぐために米軍事戦略を現在の欧州重視からアジア重視に切り替えるよう提言していたことが26日分かった。
報告書は「米国の関心は欧州に向いているが、脅威があるのはアジアだ」と結論付け「より実体のある米軍のアジアでのプレゼンス」の増強を今から策定するよう促した。
報告書は官民のアジア研究者でつくるスローコム国防次官(政策担当)の諮問機関が昨年夏に答申。同省が26日に明らかにした。
朝鮮半島統一の場合は、日本と韓国の民族主義勢力が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威の消滅を理由に米軍駐留の反対論を高め、米軍は沖縄も含めて徐々に撤退を開始。日本が朝鮮半島と中国の脅威への懸念として核武装、軍事力増強の道を進む可能性を指摘した。
一方、中国が強大化した場合、東南アジア、中央アジアへの影響力を強め、経済的問題を克服できず弱体化した日本に対して、在日米軍の段階的撤退を迫ることを想定。中国が弱体化する場合は、実権を握る軍の冒険主義的な周辺諸国への介入が米中衝突を招くシナリオを挙げた。
報告書は中国を封じ込める形で米国とインド、日本とインドの同盟関係にも触れ、米国防総省と軍の中国に対する警戒心の強さを浮き彫りにした。
米統合参謀本部はこの報告書などを基に近く世界全体に対する2020年の戦略「ジョイントビジョン2020」を発表する。(共同通信 2000/05/27)米国防総省:「統合ビジョン2020」で軍事力維持を唱える
【ワシントン30日清宮克良】米国防総省は30日、統合参謀本部が作成した安全保障戦略に関する報告書「統合ビジョン2020」を公表した。報告書では「2020年に米国や同盟国への脅威がなくなることはない」と強調し、国名こそあげていないが中国などの軍事的な脅威に対抗するため、将来にわたって米国が地球規模で展開できる軍事力維持の必要性を唱えている。
さらに「弾道ミサイルの直接的な脅威は深刻な影響を与える」と米領土への弾道ミサイル攻撃に警戒感をにじませたほか、戦略核による抑止力の堅持を明記。情報技術(IT)の急速な進展を踏まえ、「情報社会は軍事作戦に質的な変化をもたらす」と分析し、米コンピューターシステムの防御や敵の防御システムの破壊を含む情報作戦の重要性を説いている。
国防総省の諮問機関による「2025年のアジア」と題する報告書では、米国の軍事戦略を欧州からアジア重視に転換するように提言しており、将来的には仮想敵国として中国などへの警戒を強めそうだ。(毎日新聞 2000/05/31)誤爆は国際法に違反せず ユーゴ戦犯法廷が報告書
【ブリュッセル 7日共同】北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア空爆に伴う民間人の死傷に関し、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は7日までに、NATOには国際法上の責任を問えないとの最終報告をまとめた。近く公表する。
報告は相次いだ誤爆による民間人の死傷について、NATO側が事実を認め、謝罪していることから故意ではなく、戦時の文民保護を定めたジュネーブ条約違反には当たらないと判断した。
しかしユーゴ政府は誤爆などにより、1200人以上の民間人が空爆で死亡したと発表しており、10日の空爆停止1周年を機に、あらためて反NATO感情を強めるとみられる。
戦犯法廷報道官によると、デルポンテ主任検察官は昨年8月、国際法に照らしたNATOの軍事行動の再検討に着手、今年5月に作業を終えた。最近まとまった50ページの報告書は「条約違反の証拠は見いだせなかった」と結論付けている。
こうした報告書の内容に対し、ユーゴのマティッチ情報相は、戦犯法廷は「NATOによる犯罪の共犯者と化した」として即時解体を要求している。(共同通信 2000/06/07)アムネスティ、ユーゴ空爆は国際法違反と声明
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)は7日、北大西洋条約機構(NATO)軍による対ユーゴ空爆について、「民間人に犠牲者が出ることを念頭に置いたうえでの攻撃があり、国際法に違反した」との声明を発表した。NATOは「根拠のない批判」と反論している。
セルビア当局は空爆による民間人の死者を400―600人と公表しているが、アムネスティは「民間人や民間施設に対する攻撃を禁じた国際法をNATOが順守していれば、死者の数はかなり抑えられた」と指摘。例として、死者16人を出したセルビア国営放送への空爆をあげ、「戦争犯罪」と批判している。
声明は、橋や放送局など民間人犠牲者が出ることが確実視された空爆を実施した責任者に対する捜査の開始をNATO加盟国に求めた。
声明に対してNATOのロバートソン事務総長は「国際法順守には細心の注意を払い、民間人犠牲者を最小限におさえた。NATOがくい止めた残虐行為の規模に比べれば、犠牲は少なかった」と反論した。
国連旧ユーゴスラビア戦争犯罪法廷(オランダ・ハーグ)のデルポンテ主任検察官は、NATO軍の空爆について「いくつかのミスは認められたが、民間人を意図的に標的にしたものではなかった」として、捜査しない方針をすでに国連安保理に報告している。(朝日新聞 2000/06/07)レーザー兵器が迎撃に成功 米陸軍が実験で
【ワシントン7日共同】米陸軍は7日、開発中の地上配備型レーザー兵器がカチューシャ・ロケット(多連装ロケット)砲弾を迎撃する実験に成功したと発表した。レーザー兵器が実際に飛来するロケット砲弾を撃墜したのは初めてという。
地上型レーザー兵器「THEL」は米国がイスラエルと共同開発中で、近くイスラエルに配備され、レバノン南部の過激組織ヒズボラが撃ち込むカチューシャ・ロケット砲弾攻撃の防衛兵器となる。
レーザー兵器は近接した敵からのロケット砲弾攻撃などへの対応に適しているため、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と向き合う在韓米軍への配備も検討対象となっている。
ニューメキシコ州のホワイトサンズ実験場で行われた実験では、ロケット砲の飛来コースから数キロ離れた地点に配備されたTHELが正確に予測。強力なレーザー光線で飛行途中のロケット砲弾を完全に破壊した。(共同通信 2000/06/08)エイズは生物兵器の陰謀?
【ジュネーブ8日共同】「エイズは何者かが開発した生物兵器であり、アフリカはその犠牲者だ」―エイズ禍に苦しむナミビアのヌジョマ大統領は8日、国際労働機関(ILO)総会が開かれているジュネーブで記者会見し、独自の説を展開した。
大統領は「エイズがアフリカ起源だという説は真っ赤なうそ」と述べ、アフリカ起源説は生物兵器による陰謀を隠そうとするたくらみだと強調した。
各国記者が生物兵器説の根拠をただしたが、大統領は「あなたの母国に戻って科学者に尋ねれば、すぐに分かることだ」とかわした。
大統領は、エイズが労働人口に与える影響をめぐるILO会合に出席した。(共同通信 2000/06/08)連合国はナチスの連行知っていた ユダヤ人虐殺で新文書
【ワシントン27日共同】27日付の米紙ワシントン・ポストは、新たに公開された米戦略事務局(OSS)文書の内容から、第2次大戦中にナチス・ドイツがイタリアで行ったユダヤ人連行を英国、米国など連合国は1943年10月の時点で知っていたと報じた。同紙は、連合軍がナチスのユダヤ人虐殺をいつ知ったか、防ぐ手だてを講じることができたかをめぐる長年の論争に、新たな資料が加わったとしている。
同紙によると、OSSが傍受した43年10月6日付の暗号文は、ローマ駐在のドイツ当局者に対し、ローマに住む約8000人のユダヤ人を連行せよと命令。
同月20日付のドイツ治安警察司令官の返信は、ユダヤ人をアウシュビッツ収容所に送ったと報告している。
同紙によると、英国が43年夏までにナチスの暗号文解読に成功していたことは知られていたが、イタリアのユダヤ人連行に関する情報はこれまで秘密扱いにされていた。
OSSは現在の米中央情報局(CIA)の前身に当たる情報機関。(共同通信 2000/06/27)ノーベル賞学者が反対表明 米本土ミサイル防衛で大統領に書簡
【ワシントン6日共同】原爆を開発したマンハッタン計画で指導的役割を果たし、戦後歴代米大統領の核兵器問題担当上級顧問を務めたハンス・ベーテ博士ら、米国のノーベル賞受賞科学者50人が6日、米本土ミサイル防衛(NMD)システムについて「資金の浪費の上、かえって米国の安全保障に悪影響を与える」として、配備中止を求める書簡を連名でクリントン大統領に送った。
有力科学者が反対を表明したことで、米国内にも根強いNMD反対論は今後さらに強まりそうだ。
書簡は、発射されたミサイルを空中で撃ち落とすという技術自体が「完成されていない。(迎撃)実験が成功したとしても、時期尚早で(配備は)危険だ」と指摘。
さらに、外交的な影響について「ロシアや中国は、(朝鮮民主主義人民共和国など)小さな国のミサイル脅威のために、米国がわざわざ巨額の資金を投じるとは受け止めない」として、NMD配備はロシアと中国の弾道ミサイル増強につながり、米国の安全保障上の利益にはならないと警告した。(共同通信 2000/07/07)エイズ原因で議論喚起 HIV説疑う南ア大統領
【ダーバン9日共同】南アフリカのムベキ大統領はHIVがエイズを引き起こすとの定説を否定する科学者を大統領直属のエイズ調査委員会のメンバーに加え、国内外で議論を巻き起こしている。だが9日のエイズ会議開会式での演説ではこの問題に直接触れず、定説に関する「見解表明」は先送りされた。
ムベキ大統領は、代表的なエイズ治療薬のAZT(ジドブジン)の効果にも疑問を提起。母子感染防止に効果があるとされるAZTだが、南アの公立病院では妊婦に投与されない状態が続いている。
南アフリカのエイズ感染者は世界最多の420万人に達するとみられ、多くの科学者は「エイズとの闘いに無用な議論を持ち込んだ」と大統領を批判。
「HIVがエイズを引き起こす原因であることに疑いはなく、エイズ撲滅はこの事実を認識することから始まる」との宣言にこのほど世界中の5000人以上の科学者が署名する事態にまで発展した。
ただ、エイズが猛威を振るう国を発信地とする論争がエイズへの関心を高めたのも確か。会議に参加する医師の1人は「アフリカのエイズ禍に先進国の目を向けさせるのが大統領の狙いだったのかもしれない」と話した。(共同通信 2000/07/10)コソボに駐留する米兵の銃が暴発、7歳の少年死亡
ユーゴスラビア・コソボ自治州の東部の村で10日、治安維持のために展開している国際部隊(KFOR)の米兵の持っていた銃が暴発し、アルバニア系の少年(7つ)が死亡した。ロイター通信によると、米兵たちは学校のさくを修理中で、少年はそれを見ていたという。KFORは哀悼の意を表する声明を発表した。暴発の原因はわかっていない。
コソボには昨年の北大西洋条約機構(NATO)による空爆後、米兵約5600人を含む4万人以上の国際部隊が駐留を続けている。(朝日新聞 2000/07/11)南ア原子力会社:イスラエルとの核弾頭開発計画認める
【ヨハネスブルク10日藤原章生】南アフリカで1960年代から原子力開発に携わってきた「南アフリカ原子力会社」社長、ウォルド・ストゥンフ博士(58)は10日、毎日新聞と会見し、イスラエルと南アの間で70年代から80年代にかけ、地対地ミサイル搭載用核弾頭の共同開発計画があったことを認めた。85年にボタ大統領(当時)が計画中止を決めたという。南ア政府はこれまで公式には、イスラエルとの核開発協力は「皆無」としてきた。一問一答は以下の通り。――元南ア海軍司令官だった旧ソ連諜報員は、イスラエルの地対地ミサイル「エリコ2」用の核弾頭の共同開発計画が75年に始まったと証言しているが。
◆計画はあった。両国の技術者が図面を描き、紙上シミュレーションまでしたのは事実だ。83〜84年ごろには理論的に可能という段階まで行った。だが85年9月、ボタ大統領が費用面や南ア周辺での野戦にミサイルは不適という理由から計画を中止した。――デクラーク元大統領は93年、核爆弾の廃棄を発表し、「他国の支援はない」と明言したが。
◆核弾頭開発は実現しなかったのだから、うそには当たらない。91年に廃棄した核爆弾はすべて「広島型」に近い単純な構造で、計画から製造、廃棄まで南ア単独で行った。――イスラエルに核燃料を提供したというが。
◆80年代に一度だけ酸化ウラン50トンを輸出、見返りにウラン濃縮などに利用するトリチウム(三重水素)を譲り受けた。計画や構想を除けば、核開発での協力はない。プルトニウムを利用するイスラエルと濃縮ウランに頼る南アの核開発では技術が異なり、情報交換すべきこともなかった。――イスラエルの安全保障政策は白人政権の核政策に影響を与えたのでは。
◆いや、むしろ核爆発を利用した鉱山開発など60年代の米国の平和利用構想に影響を受けた。原爆製造は孤立した南アを守るための「核抑止」思想からだ。アンゴラなど周辺諸国との紛争も中東ほどの緊迫感はなく、使う気はなかった。――核保有はやむを得なかったのか。
◆我々は間違っていた。日本の犠牲が世界に示したように、核兵器は絶対悪であり、なくすべきものだ。ウォルド・ストゥンフ博士 南ア生まれ。シェフィールド大(英国)などで冶金学を学んだ後、68年から南ア政府原子力局(現・南ア原子力会社)で核開発に当たる。89年の核爆弾廃棄では現場指導に当たった。現在は医療用の放射性物質の製造、輸出を手がける。(毎日新聞 2000/07/11)
チェイニー氏はCEOとしての腕前もA級 米アナリストら
米大統領選で共和党の副大統領候補になることが確実になったチェイニー元国防長官(59)は、ビジネスマンとしての腕もA級だった、と金融アナリストらは口をそろえている。チェイニー氏は世界でも屈指の石油関連サービス会社、ハリバートン(本社・米テキサス州)で最高経営責任者(CEO)を退いて、今秋の大統領選にブッシュ氏とともに臨む。
ブッシュ・テキサス州知事は25日、チェイニー氏を副大統領候補に指名すると正式発表した。両氏は7月31日から始まる共和党党大会で同党の正副大統領候補に正式指名される。
アナリストらによれば、ハリバートンの業績は、チェイニー氏が入社した1995年よりもかなり上向いている。
現在ハリバートンの社長兼財務担当責任者(CFO)デイブ・レッサー氏だが、チェイニー氏の退任後に最高経営責任者(CEO)に就任する予定。体制の移行もスムーズに行われる見込み。
証券会社アナリスト、ジェームズ・ウィックランド氏によれば、ハリバートンは世界第2位の石油関連サービス会社で、石油の採掘や技術供与などのサポートを行っている。チェイニー氏が入社した当時、業績は世界では5本の指に入るか入らないかで、技術面では2軍との印象がぬぐえなかった、という。
「業界についての知識のある人間はたくさんいた。だが、当時会社に必要だったのは決断力で、チェイニー氏はそれを会社に与えた」とウィックランド氏は分析する。
チェイニー氏の主な仕事といえば、1998年のドレッサー・インダストリーとの合併だ。合併により、資本金はほぼ2倍以上に増え、仕事の効率も向上した。当時は770億ドルともいわれた合弁も、現在ハリーバートンの時価総額が1880億ドルになったことを考えればよい決断だった、とウィックランド氏は言う。
チェイニー氏は合併直後に会長に就任したが、1年後にはウイリアム・ブラッドフォード氏にその座を譲った。
「チェイニー氏はブラッドフォード氏に会長の座を譲ることを躊躇しなかった。プライドで会社の戦略を曲げなかった態度をみれば、副大統領としてもうまくいくだろう」とウィックランド氏は言う。
しかし、ハリーバートンはチェイニー氏を失っても打撃は受けないだろう、とアナリストらはみている。別のアナリスト、ステーブン・ジェンガーロ氏は「ハリーバートンのサービスと製品は業界でも高く評価されている」と話している。(CNN 2000/07/26)水爆用トリチウム工場建設 米が着手
【ワシントン27日=大牟田透】米エネルギー省は27日、サウスカロライナ州サバンナリバーで、水爆用トリチウム(3重水素)の精製工場の建設に着手した。1988年以来、自主的に停止していたトリチウムの生産を再開するための施設で、2006年稼働を予定している。(朝日新聞 2000/07/28)「軍縮に悪影響」と批判 NMD研究者が来日会見
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の世界大会に出席するため来日した米本土ミサイル防衛(NMD)の研究者、ジョージ・ルイス米マサチューセッツ工科大安全保障プログラム副主任(45)が31日、東京都内で記者会見。「NMDは技術的に核弾頭のおとりなどの対抗手段に対応できず、国際的な軍縮の流れに悪影響を及ぼす」などと、計画の見直しを訴えた。
ルイス氏は技術的な側面からNMDを研究し「表面を金属で薄く覆ったおとりのバルーン(風船)などを使用すると核弾頭と区別できず、防衛能力は期待できない」と結論付けた。
さらに「科学者はこうした事実を理解しているが、政治家を説得するのは困難で、新たな軍拡競争が起きる」と懸念を示した。
NMDは長距離弾道ミサイルを迎撃し、米国全土を守るシステム。迎撃するミサイルが比較的短距離で、防衛地域も在外米軍など狭い場合を戦域ミサイル防衛(TMD)と呼び、日本は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威を理由に共同研究を進めている。
ルイス氏は、日本について「まず本当に脅威があるかどうかを検討すべきだ」と指摘。その上で「NMDやTMDを正当化するような脅威は存在しない」と語った。(共同通信 2000/07/31)「WTOは悪夢」と批判 グローバル化で国連人権委
【ジュネーブ14日共同】国連人権委員会の人権小委員会は14日までに、グローバル化と人権に関する報告をまとめ、先進国が主導権を握っている世界貿易機関(WTO)は途上国市民の人権にとって「悪夢だ」と痛烈に批判した。
報告は、アフリカ諸国の専門家が中心となってまとめた。WTOだけでなく、国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関も「途上国に命令を押しつけている」とやり玉に挙げており、代表的な国際組織に対する途上国の不満を代弁した内容だ。
報告は、WTO協定が「(途上国にとり)著しく不公正であり、ときには偏見さえ見受けられる」と指摘。先進国中心の一連の協定は「既に国際貿易を支配している一部の巨大企業に利益をもたらすだけだ」と結論づけた。その上で、途上国はWTO体制下で「取るに足らない立場」しか与えられておらず、早急に改革を実施するよう求めた。また、WTOの幹部に女性がほとんどいないとして、女性の人権の観点からも問題があると批判。
IMFについては、自らの機構改革には消極的なのに、支援対象国には「選択肢や柔軟性がほとんどない『処方せん』(経済改革案)という名の命令」を与え続けていると非難。途上国に配慮を示し始めた世界銀行は「少しはまし」だが、改良の余地はあるとした。(共同通信 2000/08/14)ユーゴ空爆の英軍機、成功率わずか40% BBC報道
英BBCラジオは14日、昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆で英軍機が投下した爆弾のうち、攻撃目標に到達したのは40%だったと報じた。
英国防省の内部データとし、旧式の爆弾の中には2%の成功率しかなかったものもあったという。対空砲を避けるため高高度からの投下を強いられたのが原因とみられ、同ラジオは「誤爆や市民の犠牲は当初の予想より多くなった」と指摘している。
国防省はこれまで「ユーゴ空爆は史上最も成功した作戦」と自賛していた。スペラー国防担当閣外相は同ラジオに「多くの爆弾は(成否が)不明と分類され、必ずしも目標に到達しなかったわけではない」と苦しい弁明をしている。(朝日新聞 2000/08/16)米大統領ら14人を戦犯で起訴=民間人大量殺害で欠席裁判
【ウィーン29日時事】ユーゴスラビア国営タンユグ通信によると、ベオグラード地検は29日、コソボ自治州紛争をめぐる昨年の北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ空爆作戦を指揮したクリントン米大統領らNATO指導者14人を戦争犯罪で起訴した。被告不在のまま、公判を開始する方針という。
同地検は、NATO軍は空爆中、民間人を大量虐殺する戦争犯罪を繰り広げたと断定。クリントン大統領を筆頭にブレア英首相、シラク仏大統領、シュレーダー独首相らNATO主要国首脳のほか、空爆推進の急先ぽうだったオルブライト米国務長官やクラーク前欧州連合軍最高司令官ら14人からなる被告人リストを公表した。地検によれば、昨年3月下旬から6月初めまで78日間にわたった空爆で、ユーゴ民間人約500人が死亡した。(時事通信 2000/08/30)日米安保密約の全容判明 60年改定時 国務省文書に明記
核積み寄港 事前協議対象外 朝鮮有事の出撃も
1960年の日米安保条約改定の際に日米両政府が結んだ秘密合意の全容が、米国の研究機関が入手した米国務省文書から明らかになった。秘密合意は、核兵器を積んだ米艦船が日本に寄港したり、朝鮮半島有事で米軍が日本国内の基地から出撃したりする場合には、日本との事前協議は必要ないとの内容を明記している。事前協議方式は安保改定の柱で、日本の主体的な判断を保証しているはずだが、肝心のところで骨抜きになっていたことを意味する。秘密合意は、これまでも故ライシャワー駐日大使ら元米当局者の証言や関連の米外交文書から存在が指摘されたが、日本政府は一貫して否定してきた。しかし、条約交渉を担当した国務省のファイルから合意内容そのものを含む文書が出たことで、密約の存在は動かせなくなった。この文書は、米国立公文書館で機密解除された国務省北東アジア部のファイル「議会用説明資料集(コングレッショナル・ブリーフィング・ブック)」の中にあった。ワシントンで情報公開に取り組んでいる民間研究機関ナショナル・セキュリティー・アーカイブ(NSA)が昨年秋に入手したが、その直後に「安全保障」上の理由で再び非公開となった。米政府が60年6月、上院に安保条約の批准を求めた際、ハーター国務長官用の説明資料としてつくったとみられる。
このうち秘密合意の内容を示すのは、密約の全体像を記した「日米安保条約に関連して結ばれた非公開合意の要約」、日米の交渉結果をまとめた「討議記録」、米国の立場から論点を整理した「日米安保における事前協議方式の解説」の3点だ。
「討議記録」は、新たに導入される事前協議方式について、「米軍機の日本飛来、米海軍艦艇の日本領海並びに港湾への進入に関する現行の手続きに影響を与えるものと解釈されない」と記載。核搭載の有無を問わず改定前の旧安保条約下で行われていた艦船の寄港などを協議の対象から外した。
この合意に基づき日米は63年、事前協議の対象となる「核の持ち込み」は核兵器の陸揚げ・貯蔵に限るという解釈を確認した。佐藤栄作首相が67年に「持たず」「つくらず」「持ち込ませず」の非核3原則を表明したが、密約に変更はなかった。国是となった非核3原則のうち、3番目の「持ち込ませず」は当初から空洞化していたことになる。
「事前協議方式の解説」は、朝鮮半島有事への対応として、安保条約発効後に開かれる第1回日米安保協議委員会で藤山愛一郎外相が「在韓国連軍が武力攻撃を受けた場合には、戦闘作戦行動のために在日米軍基地の使用を認める」と発言すると明記。朝鮮半島についての密約は、外相の発言として議事録に盛り込まれる段取りになった。
いずれの場合も、討議記録や議事録という形で密約が残されており、外交交渉で通常取り交わされる交換公文の書式をとっていない。だが、藤山外相とマッカーサー駐日大使がイニシャルで署名しており、政府間の合意として拘束力があることには変わりはない。発覚しても「密約の存在」を否定できるように日本側がこういう形式を求めたという舞台裏が、沖縄返還関連の別の米外交文書の中で明かされている。
事前協議は、旧安保条約にあった不平等性を攻めるため、日本側の要求で60年改定時に安保に付随する交換公文として設けられた。米軍の配置・装備の重要な変更や、日本から出撃する米軍の戦闘作戦行動について米国が事前に日本と協議する仕組みだ。日本政府はこれにより米側に異議を申し立てる「対等性」が確保されたとしていた。
しかし、米国は表向き、日本の主張する事前協議方式を受け入れながらも、密約で核搭載艦の寄港や朝鮮半島への出撃の自由を確保していた。密約の全体像が明るみに出たことで、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)で想定する「周辺有事」の際の日本のかかわり方や非核政策の位置づけなど、外交・安全保障について論議の見直しを求める声が出そうだ。密約は一切存在しない
藤崎一郎外務省北米局長の話 日米安保に密約は一切存在しない。これが日本政府の一貫した立場である。こういう文書のひとつひとつについて米政府に問い合わせたり、政府が調査したりすることはない。(朝日新聞 2000/08/30)
|
|
|
米、パトリオット配備準備 イスラエルに
【ワシントン1日共同】1日付の米紙ワシントン・ポストによると、米国防総省はイラクが米大統領選期間中にイスラエルを弾道ミサイルで攻撃することを警戒、8月31日、ドイツに駐留するパトリオット迎撃ミサイル部隊にイスラエル配備の準備に入るよう命じた。
同紙によると、米軍の偵察衛星は最近、イラク軍のミサイル実験が増えていることを発見。米政府高官は具体的なミサイル攻撃の兆候はないとしながらも、「イラクのサダム・フセイン大統領は過去にも、米国が選挙中で散漫になっている、と誤算したことがある」と述べた。
また同高官はイラクの大量破壊兵器を査察する国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の準備が整ったことから、イラクが査察を中止に追い込もうとミサイル実験などで威嚇する可能性があると指摘した。(共同通信 2000/09/01)日本は7カ所に配備か 米紙がTMD構想図掲載
【ニューヨーク4日共同】4日付の米紙ニューヨーク・タイムズは戦域ミサイル防衛(TMD)構想に関する特集を組み、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の弾道ミサイルから日本を防衛するためのミサイル3種類の配備に関する構想図を紹介した。
それによると、陸上発射の戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)の場合は東京、大阪、福岡など7カ所に配備することで日本列島のほぼ全域をカバーする。
低層用地上配備のパトリオットPAC3の場合は、札幌から鹿児島まで13都市に配備し、それぞれ周辺数十キロを防衛する。
第3の海上配備型上層防衛システム(NTWD)では、東京と大阪を含む本州中部が防衛対象となる。
同紙は、構想図は国防関係の研究機関などの資料に基づき作成したとしており、米国防当局の意向を反映しているかどうか不明。
また米兵多数が駐留する沖縄への配備構想の有無も明らかでない。
TMDは、在日米軍など特定の施設や地域を守るため、衛星などで弾道ミサイル発射を探知し迎撃するシステム。日米は共同で技術研究を行っている。(共同通信 2000/09/05)対人地雷を122万個貯蔵 米軍が朝鮮有事に備え
【ジュネーブ6日共同】対人地雷全面禁止条約の推進で1997年ノーベル平和賞を受賞した地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)は7日付で「2000年地雷モニター報告」を発表、米軍が朝鮮半島有事に備え、韓国などに計122万個の対人地雷を保有していると批判した。このうち約15万個は日本国内での貯蔵と推定されている。
また、条約に調印した138カ国のうち、日本やドイツなど5カ国が米軍の対人地雷貯蔵を認めていると指摘。「外国軍の地雷」であることを理由に、条約で定めた締約国の定期報告に記載していないとして透明性の向上を求めた。
報告は11日からジュネーブで始まる条約の第2回締約国会議で採択される。
報告によると、アジア太平洋地域では調査対象となった39カ国のうち、中国やインドなどの「地雷大国」を含む21カ国が条約に調印していない。このため「未調印国が最も多い地域」として、国際社会の取り組み強化を求めた。
日本については、在日米軍が保有する対人地雷に関し不透明性を指摘する一方、自衛隊が1999年末時点で保有していた対人地雷99万8866個の廃棄は順調に進んでいると分析。地雷犠牲者への支援も積極的だと評価した。
世界的にみると、条約の批准国が101に達し、99年から2000年にかけては目立った対人地雷の輸出がなかったと指摘。しかし世界には2億5000万個の対人地雷が残っているとして、調印・批准国をさらに増やす必要性を強調した。
1100ページに上る報告は、ICBLを中心とする世界各地の地雷廃絶活動に携わる非政府組織(NGO)がまとめた。(共同通信 2000/09/07)「民族浄化」の過去認める 米当局者が公式謝罪
【ニューヨーク11日共同】米内務省の先住民(インディアン)保護局の創立175周年式典で、ケビン・ゴーバー内務次官補(先住民問題担当)はこのほど、「この部局は民族浄化に関与してきた」などの極めて厳しい表現を使い、初めて公式に各先住民族の代表らの前で謝罪した。
しかしニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど有力紙、主要テレビ局は、発言内容を伝えるだけの小さな扱いで、自らの暗い歴史を見直すことにはちゅうちょする米国内の大勢をうかがわせている。
ゴーバー次官補は「未来を見る前に、過去を振り返らねばならない」と前置きし、同局が創設当初から、米政府の前に立ちふさがる先住民を排除するための「道具」として、強制移住や文化破壊などを実行したと率直に認めた。
さらに、現在も先住民居留地を害している貧困、無知、病気は「この役所が生み出した産物だ」と述べた上で、「私たちには物事を正す道義的責任がある」と強調し、各民族の理解を求めた。
ゴーバー次官補はオクラホマ州の先住民族ポウニーの一員で45歳。貧困の中からプリンストン大学を卒業、弁護士を経て1997年に内務次官補に任命された。(共同通信 2000/09/12)CIA、元ナチ将校との情報交換の事実認める
【ワシントン20日ロイター】米中央情報局(CIA)は、ナチスドイツ下で、ヒトラーの情報機関の責任者を務めた故ラインハルト・ゲーレンと、大戦後にを関係を持っていたことを、初めて認めた。
ナチス戦犯記録作業委員会(IWG)は声明で、CIAが50年間内密にしてきたゲーレンとの情報交換を認める宣誓供述書を、米地方裁判所に提出したことを明らかにした。同委員会は、第二次大戦時の戦争犯罪および犯罪人に関する米政府の機密記録の公開を監視している。
CIAのスポークスマンも、宣誓供述書を提出した事実を認めている。
ゲーレンは大戦後、ゲーレン機関を設立し、ナチス時代のスパイ網を使って、旧ソ連に対する情報調査を行っていた。同機関には、米国からかなりの資金援助があったと言われている。
CIAとゲーレンとの関係は歴史学者らには長く知られてきたが、CIAがはっきりと認めたのは、今回が初めて。(ロイター通信 2000/09/20)イスラエルに核兵器100発 衛星写真を分析 米科学者ら推測 ネットで公開
イスラエルの核兵器は戦略、戦術用を合わせて100発前後が使用可能――米の核科学者団体はこのほど、最新の衛星写真からイスラエル南部の砂漠地帯にあるディモナ核施設の現状をインターネットで公開した。核問題はタブーのはずのイスラエル紙も先月、1面写真入りで報じたが、政府当局は沈黙したまま。国家安全保障上の機密を建前に掲げる政府の基本政策は変わりそうにない。インド、パキスタンが一昨年、相次ぐ核実験で「核クラブ」に加入した後、イスラエルだけが「事実上の核保有国」として残った。中東和平の大きな障害要因である。(カイ口=定森大治)衛星写真を分析
公開したのは米科学者連盟(FAS)。すでに機密解除となった過去の米偵察衛星による資料と今年7月に撮影された資料を比較し、(1)ディモナの施設はやや拡大したが、兵器用プルトニウムの生産量は年間40キロ程度(2)敵の攻撃に耐える地下の核再処理工場が稼働(3)湾岸戦争以降と見られる対空ミサイル陣地が強化された――などと推測している。
そして、弾頭に使われるプルトニウムの量を5キロとすると、100発前後が実戦配備可能な状態、と推定。これらは航空機搭載の核爆弾やイスラエルが独自に開発したジェリコ1、2の各弾道ミサイルに装着できるほか、戦術用の小型核兵器も保有、としている。
同連盟の別の資料によれば、イスラエルは1967年の第3次中東戦争で起爆装置の実験だけですませた核爆弾2発を実戦配備していた。また、エジプトが奇襲に成功した73年の第4次中東戦争では、不測の事態に備えて20キロトン級の原爆13発を保有していた、とされる。
核不拡散条約(NPT)への加盟を拒むイスラエルの核政策について、同国政府高官は「乳白色と呼ぶのが適切だ」と語る。核保有を否定するより、存在を半透明にしていた方が周辺諸国への抑止力が効く、との思惑からだ。
核保有を公表した方が抑止力が向上するとの議論はイスラエル国内にもある。
だが、米通商法などで制裁の対象になりかねず、イスラエルの安全保障を基軸に掲げる米中東政策の最大の泣きどころだ。
中東和平交渉と並行して進められるはずだつたアラブ・イスラエル間の多国間軍備管理交渉は、イスラエルが核問題を議題にすることを拒否しているため、宙に浮いたままだ。
今春のNPT再検討会議の最終文書で、イスラエルに対して初めて名指しでNPT加盟を求める条項が加わった。米政府内にも「掛け違え」の見直し論が浮上している、と伝えられる。
米科学者連盟が公開しているイスラエル関連情報のアドレスは、http://www.fas.org/nuke/guide/israel/facility/(朝日新聞 2000/09/21)
戦争犯罪裁判:西側首脳に懲役20年の判決 ユーゴ
【ベオグラード22日福井聡】ユーゴスラビアの首都ベオグラードで21日、クリントン米大統領、シラク仏大統領、ブレア英首相ら計14人の「戦争犯罪」を糾弾する裁判の判決公判が開かれ、ラキティッチ裁判長は被告欠席のまま全員に懲役20年の判決を下した。ミロシェビッチ大統領らが昨年、国連旧ユーゴ戦犯法廷により起訴されたことに対抗するもので、24日投票のユーゴ大統領選直前の判決は一種の選挙運動と言える。
被告は3首脳のほかオルブライト米国務長官やシュレーダー独首相ら計14人。それぞれに弁護士をあて、被告不在の形で3日前に始まった。罪状は昨年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴ空爆での「侵略戦争」「市民に対する戦争犯罪」「ミロシェビッチ大統領暗殺未遂」など。裁判長は「我々は被告を召喚したが彼らは無視した。真実と良心に直面することを恐れたのかもしれない」と述べた。
24日の大統領・議会選で、与党側は「愛国心か裏切りか」のスローガンを掲げてミロシェビッチ大統領支持を訴えている。21日の判決内容は与党の主張と重なるものだ。(毎日新聞 2000/09/22)中印にAWACS売却か 軍事バランスに影響も
【ワシントン28日共同】ロシアが中国とインドに対し、空軍力を飛躍的に向上させる空中警戒管制機(AWACS)の売却交渉を行っていることが27日明らかになった。米軍事専門誌ディフェンス・ウイークが最新号で報じた。
AWACSは高性能レーダーを搭載し、敵機の動きを早期にとらえ味方機を指揮・管制できる。売却が実現した場合はアジアの軍事バランスに影響を与えると注目されている。
同誌がロシアの兵器輸出業者のインタビューを基に報じたところによると、ロシア製AWACSのA50を中国とインドにそれぞれ2機ずつ引き渡す交渉が行われている。
中国は米政府の圧力で、イスラエル製AWACSのファルコン購入を台湾との軍事バランスが崩れるとの理由で7月に断念させられたばかりだが、同誌によると、11月か12月に商談がまとまる見通し。
インドへの売却は10月にプーチン・ロシア大統領がニューデリーを訪問する際に最終合意するという。
A50は米国製やファルコンよりレーダー性能が劣るが、中国は日本から東南アジアを、インドはアラビア海、インド洋北部を警戒空域に収める。当初は2年間リースし、その後売却となる。
米政府は報道についてコメントしていないが、コックス下院議員(共和党)はロシアによる中国へのAWACS売却の可能性を認めた。
ロシアは最近スホイ戦闘機や駆逐艦を中国に売却。インドとは空母や最新鋭戦車の輸出契約を結ぶなど、アジアへの兵器売却攻勢を強めている。(共同通信 2000/09/28)強まるチベット弾圧 亡命政府が報告書
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所(東京・新宿)のリンポチェ代表は29日記者会見し、チベット亡命政府が同日発表した報告書「中国の現在のチベット政策」の内容を明らかにするとともに、「チベットにおける中国当局の弾圧はますます激しくなっており、地球上からチベットの民族と文明を消滅させようとしている」と批判した。
報告書は、中国指導部が1994年にチベット工作会議を開いて以降を中心に、亡命政府が集めた情報を基に中国のチベット政策を分析した。代表によると、亡命政府が包括的な報告書をまとめたのは初めて。
報告書では、中国当局は(1)チベット弾圧を強めると同時に、弾圧をごまかすための宣伝を強化している(2)亡命政府との交渉には全く関心を持っていない―などと指摘している。(共同通信 2000/09/29)中東情勢:イスラエルの「過剰な武力使用」を非難 安保理
【ワシントン7日布施広】国連安全保障理事会は7日、イスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突について、イスラエルの「過剰な武力使用」を非難する決議を採択した。決議には米国が棄権したものの、15理事国のうち14カ国が賛成し、国連としてイスラエルの対応を批判する立場を鮮明に打ち出した。
採択された決議は、衝突で80人以上のパレスチナ人が死亡、多数の負傷者が出たことを憂慮し、名指しは避けながらも、イスラエル最大野党リクードのシャロン党首が「神殿の丘」を訪問したことがパレスチナ人を挑発し、衝突の呼び水となったと批判した。また、イスラエルとパレスチナの和平交渉の即時再開を呼びかけ、衝突に関する「迅速で客観的な調査」の必要性を強調した。
決議案に対し米国は当初、拒否権行使の構えを見せたが、アラブの対米感情をさらに悪化させることを懸念して棄権にとどめた。ホルブルック米国連大使は決議採択後「イスラエル人も死傷している事実を反映していない」と述べ、「一方的」な決議だと遺憾の意を表明した。(毎日新聞 2000/10/08)「集団的自衛権」政策転換求める 米のアジア専門家ら
米国のアーミテージ元国防次官補ら超党派のアジア専門家のグループが11日、来年の新政権発足に向け対日政策の指針となる報告書を発表した。日本重視の姿勢を明確に打ち出す一方、日本政府が集団的自衛権の行使は現行憲法下では許されないとの立場を取っていることは「同盟協力の制約になっている」と指摘、政策転換を求めている。沖縄に駐留する海兵隊の訓練をアジア太平洋全域に分散することで、地元の負担をさらに軽減する考えも示している。
このグループにはアーミテージ氏やウォルフォビッツ元国務次官補ら共和党系の元政府高官に加え、クリントン政権で日米安保「再定義」を手がけたナイ元国防次官補、キャンベル同代理ら民主党系の専門家も参加している。提言は大統領選の結果にかかわらず、次期政権の政策に大きな影響を与えると見られている。
報告書はまず朝鮮半島や台湾海峡の情勢が不安定であることを指摘し、日米安保関係は「これまで以上に重要性を増している」とし、強化の必要性を強調した。
両国の同盟関係は単に「負担の分かち合い」にとどまらず「力を共有する時が来た」とし、集団的自衛権の行使のほか、有事法制の制定、国連平和維持軍(PKF)本隊業務への参加凍結の解除、情報面での協力の強化などを提唱している。
沖縄については、日米特別行動委員会(SACO)合意が目指す基地の「再編」「統合」「削減」に加え、海兵隊の施設や訓練を「アジア太平洋地域に分散する」という新たな目標も模索すべきだとの考えを打ち出している。この日、会見したアーミテージ氏は、最終的には駐留軍の規模削減につながると見ていることも明らかにした。
経済面では構造改革に向けた一層の努力を求めているほか、短期的には財政・金融面での景気刺激策が必要だとしている。(朝日新聞 2000/10/12)150カ国で拷問、虐待 アムネスティが報告書
人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル日本」は18日、東京都内で会見し、世界150カ国以上で政治犯や少数集団への拷問、虐待が行われているとの報告書を発表した。
「国際アムネスティ」は、東西冷戦時代にも政治犯の拷問を中心に報告書を2回まとめているが、今回は一般事件の容疑者や女性への暴力、人種差別問題なども取り上げた。
報告書によると、1997年から今年にかけ、150を超える国で公務員による拷問や虐待が行われ、うち80カ国以上で死者が出た。最も多いのは刑事事件の被拘禁者に対する拷問で、130カ国以上で確認されたとしている。
報告書はまた「拷問は差別によって生まれる」と発生の構造を指摘。不法滞在の外国人らに対する日本の当局の不当な扱いや、ロシア軍によるチェチェン民族への暴行などを例に挙げている。
アムネスティは報告書を基に同日から、世界各地で拷問廃止キャンペーンを展開。アジア、アフリカなどの18カ国を重点に2001年末まで、それぞれの国の人権、宗教団体などと連携して拷問や虐待の廃止を訴え、国際会議や署名活動なども計画している。(共同通信 2000/10/18)イスラエル非難の共同宣言採択 アラブ首脳会議
カイロ(CNN)エジプトのカイロで開かれていた緊急アラブ首脳会議は22日、パレスチナ人に対する暴力行為についてイスラエルを非難し、アラブ諸国がイスラエルとの間で新たな関係を築くことを停止するとの内容を盛り込んだ共同宣言を採択し、閉幕した。
共同宣言は「アラブ首脳は和平プロセスの崩壊に照らして、イスラエルがアラブ世界に侵入しようとする試みに立ち向かうとともに、イスラエルとの間でいかなる関係の確立も停止することを確認する」として、アラブ諸国がイスラエルとの間で新たな外交や経済関係を築くことは停止すると明言。この関係停止の責任はイスラエル側にあると指摘した。ただ、現在イスラエルと関係を持つアラブ各国に対し、関係断絶を求める内容は盛り込まれなかった。
21日から2日間にわたって開かれた緊急アラブ首脳会議では、参加各国からイスラエルを非難する発言が相次ぎ、シリアやリビアなどはイスラエルとの関係断絶やボイコットなどの制裁を主張。一方、イスラエルと外交関係のあるエジプトなどは、強硬な対応を取ることには慎重な姿勢を示していた。
一方、アフリカのチュニジア共和国政府は22日、パレスチナ人に対する暴力行為に抗議してイスラエルとの外交関係を断絶し、テルアビブの外交使節を閉鎖すると発表した。(CNN 2000/10/22)ブッシュ候補に飲酒運転の逮捕歴
【ワシントン3日清宮克良】米大統領選で共和党候補のブッシュ・テキサス州知事(54)が24年前に飲酒運転で逮捕されたことが2日、フォックス・テレビの報道で表面化した。ブッシュ氏は「双子の娘たちに話したくなかったので秘密にしていた」と弁明し、事実関係を認めた。7日の大統領選投票日を前に、ブッシュ氏が逮捕歴を隠していたことが選挙戦の行方に影響する可能性も出てきた。
フォックス・テレビによると、ブッシュ氏は独身時代の1976年9月、ブッシュ一家の別荘があるメーン州で、酒を飲んで運転していたところを地元警察の停止命令を受け、酒気帯びの疑いで逮捕され、同州での免許停止処分を受けた。ブッシュ氏は150ドルの罰金を払って釈放された。
ウィスコンシン州を遊説中のブッシュ氏は「私はかつて酒の飲み過ぎで過ちを犯したと何度も言っている。(飲酒運転での逮捕も)そうであり、後悔している」と釈明した。その一方で「(投票直前の)今、なぜ、この問題が出たのか」と疑問を投げかけた。ブッシュ氏には昨年夏に若い頃のコカイン使用疑惑も浮上したが、この時は「過ちから学んだ」と述べるにとどまり明確な事実の公表を避けている。ブッシュ氏は30代までは酒好きで、40歳の誕生日から禁酒したと公言している。
最終盤を迎えた選挙戦で、ブッシュ陣営は民主党のゴア副大統領を首都ワシントンの利権政治に染まっていると批判し、「ワシントンに信頼や誠実さを取り戻す」と訴えている。このため、24年前の逮捕歴とはいえ事実関係を隠していたことに対し、ゴア陣営が逆に「ブッシュ氏の信頼性に問題がある」と攻撃してくることは必至だ。(毎日新聞 2000/11/03)ウガンダのエボラ出血熱、発生から半月で死者92人
WHO(世界保健機関)は11月7日、ウガンダ健康省の発表として、 エボラ出血熱 のアウトブレーク(伝染病の爆発的流行)による死者が92人、感染者が284人に達したと伝えた。 今回の感染は10月半ばに始まり、ウガンダのグル地区を中心に広まった。 ウガンダで患者が発生したのはこれが初めて。 米国CDC(米国疾病管理センター)は旅行者向けの情報をWebサイトに掲載し、注意を呼びかけている。 感染の拡大は峠を越えたと見る向きもある。
エボラ出血熱 はエボラウイルスによって引き起こされる。 人間同士の接触によって広まる。 潜伏期間は5〜10日、1〜2週間で死に至る。 死亡率は25〜90%とされる。 発熱と頭痛、筋肉痛、下痢、嘔吐などが初期症状で、増悪すれば粘膜や皮下からの出血が起こる。 ワクチンや有効な治療法は見つかっていない。(日経BizTech 2000/11/08)Author links Bush family to Nazis(Herald Tribune 2000/11/11) イスラム諸国:イスラエルとの関係断絶を採択 OIC首脳
【カイロ14日小倉孝保】カタール・ドーハで開かれていたイスラム諸国会議機構(OIC)首脳会議(55カ国、1機構加盟)は14日未明(日本時間同日午前)、イスラエルとの関係断絶を加盟国に求める「ドーハ宣言」を採択し閉幕した。
宣言では、「聖地エルサレムを首都としてパレスチナ人の独立国家樹立の権利を認める国際社会の意思を、イスラエルは拒否している」と非難。イスラエルと国交のある国、今後持とうとしている国に対し、外交関係を絶つよう求めた。
一方、イスラエルと国交のあるエジプト、ヨルダン、トルコなどの加盟国は、「外交関係は2国間で決定するもの」との立場をとり、各国が宣言を受けてイスラエルとの関係を断絶する可能性は少ない。
さらに、宣言では、エルサレムに大使館を移そうとしている国との関係を絶つことを勧告。これは、米国を念頭に置き、大使館移転を阻止するため圧力をかけたものとみられる。また、宣言には、「パレスチナ人虐殺」に関与したイスラエル人を裁く国際法廷の設置を国連に要求する項目などを盛り込んだ。(毎日新聞 2000/11/14)ウガンダのエボラ出血熱、死者100人超す
ウガンダのグル地区を中心に発生した エボラ出血熱 の死者がついに100人を超えた。 WHO(世界保健機関)が11月12日に発表した伝染病リポートによると、ウガンダにおけるエボラ出血熱 の患者数は320人、死者102人に達した。 11月5日ごろにいったんは新規患者の発生が収まる気配があったが、その後再び増加傾向が高まっている。 死亡者数もやや伸び率が低下したものの、11月に入ってから22人が新たに死亡しており、終局にはまだ時間がかかりそうだ。(日経BizTech 2000/11/14)イスラエルの武力行使は「行き過ぎ」 国連人権弁務官
ニューヨーク(CNN)断続的な武力衝突が続くパレスチナ問題について、現地を視察していた国連人権高等弁務官のメアリー・ロビンソン・前アイルランド大統領が27日、イスラエル側の武力行使は行き過ぎだとする報告書を国連人権委員会などに提出した。イスラエルからはこの報告書に対する声明などは出ていないが、同国に対する国際的な非難が高まることが予想される。
パレスチナでは、9月28日の衝突以降、少なくても270人が死亡したが、多くはパレスチナ人という。
ロビンソン高等弁務官は、今月8日から16日までイスラエルやユダヤ人入植地などを視察。近隣のエジプトやヨルダンも訪れた。
報告書では、イスラエルについて、占領地での武力行使などについて定めたジュネーブ条約を守る義務があると非難。スイスのジュネーブで会見したロビンソン高等弁務官は、「全体的な印象として、(イスラエルの)武力行使は必要以上で行き過ぎている。パレスチナ側からも発砲はあるが、それに対して度を超えた武力が(イスラエルによって)使用されている。特に、投石をする若者たちに対して顕著だ」と述べた。
中東問題について国連では、事実関係を解明するためジョージ・ミッチェル米上院議員を団長とした委員会を発足。近々、現地視察を予定しており、衝突の原因などについての報告書を来年3月までにまとめる予定だ。(CNN 2000/11/28)自衛隊核装備の選択肢検討 60年代の国務省文書明記
中国の核兵器開発などを背景に日米防衛協力が進んだ1960年代前半、米軍主導で自衛隊を核装備する選択肢が米国務省の一部で検討されたことを示す米公文書が29日までに、メリーランド州の国立公文書館で見つかった。
北大西洋条約機構(NATO)並みの核の共同管理方式で、自衛隊を核武装する考えがあった事実を明らかにしている。当時のケネディ政権首脳は「自衛隊の核武装が上層部で協議されたことはない」としているが、米軍内にもそうした動きがあったと指摘する関係者の証言もあり、核搭載艦船の日本寄港を軸とした「核の傘」の成立過程を検証する上で興味深い。
文書は62年12月3日付で国務省極東局で作成された部内協議用の秘密メモ「共産中国の核爆発」。
メモは中国の核開発を受けた日本の防衛力強化を論じる中で「NATOタイプの安全管理対策下で核兵器を装備した日本の軍事力強化」が「究極の目的」だと明記。同盟国に配備された核兵器の使用に対し米国が“最後の決定権”を握る方式で、自衛隊を核装備する考えを示している。
メモは半面、核を拒絶する日本国内世論の動向を踏まえ、日本が自ら「領土内や自軍(自衛隊)に核兵器を導入しようとする傾向はほとんどない」と分析。日本独自の核開発の可能性を回避しながら、中国の脅威をてこに日本の再軍備を促進させ、日本が「対中均衡勢力」となることが「米国の利益」にかなうとしている。
メモを起草した元極東局スタッフのスウェイン氏(80)は「詳細は忘れた」としながらも、日本への核持ち込みを検討していた軍部の意向でメモが作成された可能性が高いと指摘。他の複数の極東局元幹部も「一部軍関係者が日本の核装備を考えていた」と証言した。
これに対し、当時の国防長官マクナマラ氏は「政権の高いレベルで協議されたことはない。中国や旧ソ連の反応を考えると危険だったからだ」としている。(太田昌克共同記者)(共同通信 2000/11/29)NATO方式の核共同管理 日本は極東の「要石」
自衛隊の「核武装化」が国務省の一部で検討されたことを伝える秘密メモは、中国の核開発という極東での新たな危機に直面した米国が、日本を対中冷戦政策の「要(かなめ)石」と位置付け、北大西洋条約機構(NATO)レベルの同盟体制構築をも視野に入れていた事実を伝えている。
米国は1950年代から、英国、西ドイツなどNATO諸国と同盟国軍への核兵器導入の協議を重ね、核弾頭の最終的な管理は自らの手中に残したまま、核爆弾や中距離ミサイルなどを各国領土内へ配備。60年代に入ると、海上配備の核戦力の共有化についても同盟内で検討が進んだ。
こうした背景には、旧ソ連から中国への核技術流出や東欧への「核拡散」の懸念があり、59年には国務省が「選ばれた同盟国の核能力を高めなくてはならない」(国家安全保障会議への同年7月6日付国務省メモ)との見解を示している。
この時点で「選ばれた同盟国」に日本が含まれていた可能性は極めて低いが、今回見つかった秘密メモから、核武装を目指す中国の動きを受け、60年代に入り、日本に対してもNATO並みの検討を加えようという動きがあった事実が読み取れる。(共同通信 2000/11/29)NIHがエボラワクチン開発――アカゲザルで有効性確認
NIH(米国国立衛生研究所)は11月30日(日本時間)、新しいタイプの エボラ出血熱ワクチンを開発、アカゲザルにおける実験で長期の生存を確認したと発表した。 霊長類で有効性を確認されたエボラワクチンはこれが始めて。 ワクチン開発に関する原著論文はnature誌の11月30日号に掲載される。
ワクチンを開発したのはNIHワクチンリサーチセンターのゲイリー・ネーバル氏のチーム。 実験はアカゲザルに対して行われた。 ワクチンを接種しなかったコントロールの4匹が4〜7日で死亡したのに対し、ワクチンを接種した4匹は発症せず、組織検査のため10日目で安楽死させた1匹を除く3匹が観察期間とした6カ月間生存した。
血液中にも検知可能なウイルスは見られなかったという。 NIHでは今後、新ワクチンが有効性を示した機構について十分な研究を行ったうえで人間用のワクチンと抗ウイルス療法の開発を進めたいとしている。
ワクチンは2つの異なる方式を組み合わせている。 第1は抗原をコードするウイルスDNAからなるDNAワクチンで、ウイルスと全く同様に宿主細胞に組み込まれ、抗原を産生する。 今回はザイール株、象牙海岸株、スーダン株の3種類に対応するものを作り、順に実験動物に接種した。 第2はアデノウイルスにエボラウイルスザイール株の表面タンパクの遺伝子を組み込んだもの。 これは「ブースター」と呼ばれ、エボラウイルスに対する抗体とT細胞の産生を大幅に増大させる役割を果たした。(日経BizTech 2000/12/01)George W Bush: Like father like son?(BBC NEWS 2000/12/14) 安保理がパレスチナへの国連部隊派遣決議案を否決
ワシントン(CNN)国連安全保障理事会は18日、紛争が続くパレスチナ自治区への国連監視部隊派遣を求める決議案を採決したが、可決に必要な8カ国の賛成が得られず、否決された。
この決議は、パレスチナ住民とイスラエル治安部隊の衝突を止めるため、監視任務の軍事要員と文民警察官の派遣を求める内容。パレスチナ自治政府のアラファト議長の要請を受け、非常任理事国のマレーシアなどが提案した。
しかし、イスラエルは「国連の介入」に反発し、国連は当事者間の和平交渉を支援すべきとの立場を強く主張した。
採決では反対した国はなかったものの、米国など7カ国が棄権に回り、賛成は8カ国にとどまった。(CNN 2000/12/19)「ラムズフェルド調査会」の活動について(岡崎研究所 2000/12/30)
![]()
![]()
| BACK | HOME | NEXT |