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アメリカとイスラエルのための狂騒組曲
「新世界秩序」[第1楽章:1990年-1991年]
George H.W. Bush - New World Order
A History of the New World Order Sept. 11, 1990 - In an address to Congress entitled "Toward a New World Order," George Bush says: "The crisis in the Persian Gulf offers a rare opportunity to move toward an historic period of cooperation. Out of these troubled times a new world order can emerge. We are now in sight of a United Nations that performs as envisioned by its founders." [But who were the founders of the U.N. and what exactly were their intentions? At least 43 members of the U.S. delegation to the founding conference in San Francisco were also members of the CFR. The Secretary General at the U.N. founding conference in 1945 was a U.S. State Department official named Alger Hiss. It was later determined that Alger Hiss was a Soviet spy. He was convicted of perjury for lying about his pro-Soviet activities. And Hiss was not just an aberration. The U.N. has always chosen socialist one-worlders for leaders.]
ケネディ大統領暗殺 「CIA命令で父が撃った」 当時2歳の男性が会見
【ワシントン6日三輪特派員】ケネディ大統領の暗殺事件では、次々に“真犯人説”が現れているが、米テキサス州ダラス市に住む元石油機械セールスマン、リッキー・ホワイト氏(29)は6日、同地で記者会見し「自分の父親、故ロスコー・ホワイトが3人の暗殺犯の1人。米中央情報局(CIA)の命令で大統領を撃った」と語った。
ケネディ大統領は1963年11月22日、遊説先のダラスで銃により暗殺された。真相究明のための議会に特設されたウォーレン委員会は、犯行直後に現場付近で逮捕され、取り調べ中に地元のキャバレー経営者ジャック・ルビーに射殺された元海兵隊員リー・オズワルドの単独犯行と断定したが、その後27年間にさまざまな犯人説が出ている。
目下失業中というホワイト氏は会見で「父はCIAから“マンダリン”という暗号名で呼ばれるエージェントの1人だった。事件の2カ月前にダラス警察に就職、オズワルドら3人で暗殺を企てた。実行したのは父で、オズワルドら2人は身代わりの犯人だった。父は71年に火災で死亡したが、生前の父との会話、牧師との対話、父の日記によって犯行は裏づけられる」と語った。肝心の日記については所在不明と答えた。
事件から9年間にわたり、ダラスで真相解明に努めた連邦捜査局(FBI)の元捜査官ウッディ・スペクト氏は「事件当時2歳だったホワイト氏の話が本当かどうか、冷静に判断してほしい」と、疑問を呈している。(中日新聞 1990/08/07)イラク大統領の侵攻意図 米大使が読み違え? 7月末会談 軍事行動を“黙認”
【ワシントン13日三輪特派員】イラク軍のクウェート侵攻の直前、フセイン・イラク大統領と会談した駐イラク米大使(女性)が、クウェートに対する軍事行動を示唆する大統領に、反論しないばかりか、黙認するかのような態度をとっていたことが13日、明るみに出た。ホワイトハウスは直ちに「米政府が侵攻を認めるような態度をとったことはない」と否定したが、会談の内容については認めている。
会談の記録全文を入手したとするワシントンポスト紙が13日付で報じたもので、それによると、フセイン大統領がエイブリル・グラスピー米大使とバグダッドの大統領官邸で会談したのは7月25日。
その席で大統領は「われわれは(石油価格の維持に協力しない)クウェートの経済政策を一種の軍事行動とみている。もし、解決策が見つからない場合、自らの死を受け入れることはできない」と、対抗手段としての軍事力行使の可能性を示唆した。また「米国の社会は一度の戦いで、米側に1万人の死者が出ることを受容できないだろう」と、多数の犠牲者が出る危険をおかしてまで米国が介入することはないとの見方を示した。
これに対しグラスピー大使は「イラクが戦後再建のため資金を必要としているのは分かっている。イラクとクウェートの国境紛争のようなアラブ国家間の問題にはわれわれは介入しない」と述べ、さらに「米大統領はイラクとの友好増進を望んでいる。彼は知的な人間で(議会が進めようとする)対イラク経済制裁には反対だ」と答えた。
ホワイトハウスのフィッツウォーター報道官は「大使が、フセイン大統領の意図を読み違えたのではないか」とする記者団の質問に対し「当時の米国はイラクとの友好関係を増進中であり、大使は米国の意思を正しく伝えた。イラクの行動を黙認したとする見方は全くばかげている」と述べた。
グラズピー大使はキャリア外交官。フセイン大統領との会談後の30日からロンドンで夏休みに入り、クウェート侵攻の8月2日以降は帰任する代わりにワシントンの国務省で執務中という。(中日新聞 1990/09/14)湾岸危機 息吹き返す兵器産業 米、サウジへ大量の武器売却
【テルアビブ22日関口特派員】湾岸危機は米国、欧州などの兵器産業にとって“福の神”となったようだ−−。米ソ和解が急速に進み、東西冷戦の時代が終わるとともに、軍拡という言葉もご用済みになるかと思われた。だが、ペルシャ湾岸危機は、現実はそうでないことを証明してみせた。イラクがクウェートを簡単に制圧できたのは、中東最大といわれる軍事力があったからこそだ。米国はそのイラクの次の軍事行動を封じるため、サウジアラビアに最新式の戦闘爆撃機、ミサイル、戦車などとともに、楕鋭部隊を送り込んだ。湾岸危機は第三世界であろうと超大国であろうと、日ごろの軍備がいかに重要かを浮き彫りにした。東西軍事対決の可能性は薄れても地域紛争はなくならない。兵器信仰が姿を消すこともない。米ソ両超大国が友好関係を深めるのと比例して、世界の兵器市場は活気を失いつつあった。兵器産業の前途に赤信号が点滅しはじめたところへ、湾岸危機が起きた。
欧州各国が共同開発を計画している「欧州戦闘航空機(EFA)」のプロジェクトも湾岸危機で息を吹き返した。このプロジェクトには英国、西ドイツ、イタリア、スペインが参加して次世代の戦闘機を開発するが、欧州以外でどの程度の売り込みが図れるか、見通しが立たなかった。それが湾岸危機の発生で、中東地域からの受注も期待できそうだという。
このように兵器産業界が湾岸危機の行方を見守っている時に、米国防総省はサウジに対する総額約200億ドル相当の武器売却を検討中と伝えられ、イスラエルを強く刺激した。
米国のサウジへの思い切った軍事的テコ入れは、中東地域に新たな軍拡レースをもたらす気配だ。サウジとイスラエルがレースを展開するという構図である。湾岸危機の副産物といえよう。
サウジに引き渡される武器はF15戦闘機が24機、MIA2戦車が385両、装甲兵器輸送車が500台、パトリオット地対空ミサイルが26基、対戦車へり「アパッチ」48機など膨大な数に上る。
しかし、イスラエルは「米国によるサウジへの大量の武器供与は中東における軍事バランスを崩す」と主張する。
さらに「湾岸危機が去ったあとも大量の武器はサウジに残り、結局はイスラエルに向けられる」と指摘する。
「米国は地域の安定を望むならば、兵器産業を太らせ、武器輸出で貿易赤字の縮小を図ろうという考えは捨てるべきだ」(エルサレム・ポスト)という新聞論評もある。
もっともイスラエルもサウジに比べると、はるかに数は少ないが、米国から武器供与を約束されている。先週、イスラエル南部の空軍基地でシャミル首相も出席して、米国からの対戦車へり「アパッチ」2機の引き渡し式が行われた。ヘリは総額3億5000万ドル相当の武器供与の第一陣で、引き続き60機のF16CとF16Dがイスラエルに供与される。
なおイスラエル側は米国に10億ドル相当の武器供与を求めているが、米国はとりあえず300基のサイドワインダー空対空ミサイルをはじめ合わせて15機のF15AとF15B、パトリオット地対空ミサイル2基をイスラエル側に供与ないし貸与することを約束したという報道もある。だが、イスラエルは資金の面ではオイルマネーに恵まれたサウジの足元にも及ばない。
湾岸危機は中東全体に貯蔵される武器の量を増やすことになり、引き続き危険な火薬庫が残ることは確実だ。(中日新聞 1990/09/23)三沢に「核弾薬整備班」 米空軍 公式組織図に明記
米空軍三沢基地(青森県三沢市)に、核弾薬の整備を専門に担当する部隊が配備されている疑いが、基地の公式の部隊組織図から浮かび上がった。常駐するF16戦闘機が核爆弾搭載可能であることは米軍当局も認めている。ただちに核兵器の「常駐」を意味するものとは言えないが、「通過」や「立ち寄り」を指摘する関係者の声を強い。在日米軍で「核」を明記した部隊が明らかになったのは、1981年の沖縄駐留の海兵隊・辺野古弾薬庫の核弾薬小隊(NOP)に次ぐものだ。
F16を運用する第432戦術戦闘航空団の組織を表した図には、「NUCLEAR MUNITIONS MAINT」という部隊の名前が記されている。整備担当副司令官直属の装備品整備中隊の弾薬分隊の中に組み込まれており、直訳だと「核弾薬整備班」となる。
組織図は、同基地が作成した公式の文書。一昨年暮れ、米国の航空専門誌が「F16のエンジンに欠陥」と報じ、三沢市が三沢基地に説明を求めた。
これに対し、基地側は「整備の現場を見てほしい」と市幹部を招待。整備状況の説明の場で資料として配布されたのが、この組織図だった。
三沢基地の内部資料によると、装備品整備中隊は滑走路北側の弾薬庫地区にあり、中隊長以下、軍属も含め約360人。弾薬分隊など5つの分隊で構成されている。
同基地に長く勤めている日本人従業員によると、F4戦闘機が配備されていた70年代初めまでは、弾薬取扱員の資格を取り、特別の通行パスがあると出入りできたが、F16配備後は、日本人の立ち入りは認められなくなった、という。弾薬庫周辺には高い照明灯が設けられ、警備も厳重だ。
これについて、三沢基地報道部は「核兵器の使用、適用については議論しないのが、長年にわたっての米空軍のポリシー」として、その存在を否定も肯定もしていない。また、外務省北米局安全保障課は「そのような組織図は受け取っていないし、米側からも報告を受けていない。(核が)持ち込まれていることにはならない」としている。鈴木重令市長の話 ありうべからざる存在、と言わざるを得ない。米軍には早急に照会し、どのような部隊なのか、納得できる説明を求めたい。(朝日新聞 1990/12/11)
イラクへ化学兵器材料 米国政府 侵攻直前まで輸出許可 米議会筋明かす
【ワシントン7日本多特派員】米議会筋が7日明らかにしたところによると、米商務省は昨年8月のイラク軍のクウェート侵攻まで過去6年間にわたり、同国に対し核兵器やミサイル開発につながる機械設備、軍需物資など約15億ドルの輸出許可を与えていたことがわかった。これらの中には直接、「イラク原子力委員会」や同国の弾道ミサイル研究施設「SAAD16」向けのものも含まれており、サダム・フセイン・イラク大統領の「暴虐」さを問題にしながら、一方でこうした物資の野放し輸出を許した米国政府の「甘さ」が問われそうだ。
同筋によれば、これらの輸出許可は85年から90年にかけ、米国の企業750社に対して行われた。15億ドル分の輸出物資の中には民生、軍事どちらにも使われる乳化爆薬、原子力設備、レーザー装置、コンピューター機器、航空機部品、化学原材料が含まれているほか、生物兵器用薬剤の船積み許可も20回以上にわたっているという。
これに対し、米議会下院商業・消費者・金融問題小委員会は昨年秋、モスバカー商務長官に対イラク輸出許可資料の公開を求めたが、同省は同委に対し、外部に一切情報を漏らさないとの罰則条件付きで知らせただけ。
商務省はこれについて「国益に合致するもの以外、個別の商行為の情報公開は法律で禁じられている」として公表を拒否している。(中日新聞 1991/01/08)イスラエル 迎撃ミサイル増強 パトリオット 米が追加供与の方針
【ワシントン19日新蔵特派員】イラクが19日、イスラエルに対し第2次のミサイル攻撃を行ったことについて、ワシントン郊外キャンプ・デーピッドの山荘に滞在中のブッシュ米大統領は同日朝(日本時間同日夜)、電話でイスラエルのシャミル首相と会談した。フィッツウォーター大統領報道官によると、ブッシュ大統領はこの電話で、引き続きイスラエルの自制を強く求め「シャミル首相の理解に感謝した」と述べた。
また、米政府筋によると、米国はイスラエルに地対空ミサイル「パトリオット」を追加供与する方針を決定した。「パトリオット」は18日、イラクがサウジアラビアに撃ち込んだ「スカッド」ミサイルの迎撃に成功し、初めて実戦での威力が立証された。(中日新聞 1991/01/20)良心的兵役拒否者 米の3市が「保護」 シスコ議会など決議
【ワシントン25日=高野特派員】ペルシャ湾岸戦争への反対運動が活発な米カリフォルニア州サンフランシスコ湾一帯の3市の議会は、25日までに、湾岸での良心的兵役拒否軍人に対して保護を与えることを、それぞれ決議した。
決議したのはサンフランシスコ市と、湾をはさんだオークランド、バークリー各市だ。このうちオーックランド市議会は22日に決議した。他の2市は、開戦直前に決議していた。決議内容はほぼ同じで、例えばサンフランシスコの場合、この戦争に加担することを「道徳的、倫理的、宗教的理由から拒否するすべての人」に対しては、「サンクチュアリ」(聖域)となって保護することを宣言している。
また、法に定められない限り、市が米軍に特別支出することや、軍と絡む個人情報を収集することも拒否する。
こうした決議は連邦法や州法に優先するものではない。また決議自体、実際にどう運用されるのかも明らかでないため、良心的兵役拒否者が、決議によって、どの程度守られるかは疑問だ。
だが、例えばサンフランシスコに住む兵士が、湾岸への出動命令を拒否して行方をくらました場合、米軍や連邦捜査局(FBI)は、もっとも豊富な情報を持つはずの地元サンフランシスコ市警の協力を望みにくいといったこととなりそう。(朝日新聞 1991/01/26)イラクの兵器 みな欧州製
スーパーガン/スカッド・ミサイル/毒ガスや生物・化学兵器/地下基地
【ロンドン26日菊池哲郎】イラクが間もなく多国籍軍に向け発射するであろう恐怖のスーパーガン(35センチ砲)は英国で設計、製造され、英政府の許可を受けてイラクに輸出されていた(デーリー・ミラー紙)▼イスラエルを脅かしているスカッド・ミサイルの設計はソ連で、ユダヤ人の科学者、ビクトル・フェルマルク氏が担当していた(デーリー・スター紙)▼毒ガスや生物・化学兵器はドイツ企業がイラクに供給した(ツデー紙)──。
このところ、英国各紙はイラクの武器のほとんどが多国籍軍側あるいはイラクの攻撃目標にされている側が設計し、製造、輸出していたことを競って報じ、今回の戦争のバカバカしさを強調した。
一方、強固なイラクの地下壕(ごう)や地下秘密基地も英、ベルギー、ユーゴスラビアの国際共同企業が建設したことがすでに明らかになっており、欧州は自業自得の結果にホゾをかんでいる。「供給した者が悪いのではなく、発射ボタンを押す方が悪いのだ」(BBC)という反論もあるものの、他方では日本同様、武力を湾岸に送っていないドイツに対し、毒ガス製造装置を供給した責任をとる意味でも、もっと資金協力するべきだと圧力をかけている。(毎日新聞 1991/01/27)世界が育てた軍事大国イラク 最新鋭兵器こぞって輸出
湾岸戦争が地上戦闘になると、多国籍軍側は味方であるソ連や西側各国製兵器で反撃されることになりそうだ。各国はこれまでせっせとイラクに兵器を売り込むと同時に、イラクの軍事産業のバックアップをしてきた。イラクを「世界4位」といわれる軍事大国にしたのは、もとはといえば世界の各国なのである。米軍備管理軍縮局が昨年11月末に発表した「世界の軍事費・兵器移転報告書」を見ると、1984年から88年の5年間に、イラク向けに輸出された武器は総額297億ドルで世界一。
国別ではソ連50%、フランス15%、中国10%の順で、イラクは引き続きイラン・イラク戦争が終わった88年にも46億ドルの買い付けを行っている。
ソ連はワルシャワ条約機構軍以外には前例のない高性能攻撃機スホーイ25を総額25億ドルで売り、フランスは最新型のミラージュF1戦闘機のほか、空対艦エグゾゼ・ミサイルを売却。中国も地対艦ミサイル・シルクワームを売却した。
米・英はほとんどないが、売り込み合戦にはこうした大国のほかブラジル、チェコスロバキア、ルーマニア、南アフリカ、ユーゴスラビア、オーストリアも加わっている。
軍事関係者によると、化学・細菌兵器関係では、ドイツの企業のほか、米国の化学工業会社が500トンのマスタード・ガスの原料をバグダッドに送ったことがあるほか、開発にはドイツ、ハンガリーの生化学研究所の協力があったとされる。
核兵器の開発には、ソ連のほかエジプト、パキスタン、アルゼンチン、ブラジルが協力。イタリアは使用済みウランからプルトニウムを抽出するためのホットセル(遠隔操作小部屋)3基を供与、ナイジェリア、ブラジル、ポルトガル、イタリアは大量の天然ウランを送ったという。
普通の兵器はともかくABC兵器(核・生物・化学兵器)技術や物資の移転、売買には厳しいものがある。それをイラクはどのようにして入手したのか。
米中央情報局(CIA)、国防情報局(DIA)によると、その核となったのがイラクの情報機関ムハバラト。フセイン大統領の異父兄弟イブラヒム・シバウィ氏が率いる秘密機関で総勢は12万5000人に上るといわれ、一部はパレスチナ・テロ組織とも関連しネットワークは世界中に及ぶという。
イラクは欧州に約10社の貿易商社、自動車販売会社などの擬装企業(フロントカンパニー)を設置。代表的なフロントカンパニー、スイスのコンサン社はイタリア第1位の国営銀行バンカ・ナチョナレ・デル・ラボロのアメリカ支店に30億ドルの口座を合法的に持ち、「脱穀機」などの名目でイラクの工場に米国製コンピューター、イギリス製工作機械、フランス製ミサイル誘導装置、西ドイツ製ロケットエンジンを送ったという。
米上院外交委員会がまとめた資料では、高度な技術が特にドイツからイラクに渡ったとされる。シーメンス社がミサイル用部品、メッサーシュミット社が化学兵器関係部品、戦闘用ヘリ、対戦車ロケット、ザールシュタール社がウラン濃縮用部品――といった具合だ。
では、日本はどうか。確かに兵器そのものの輸出はないといえる。しかし、問題は一般用が軍用に使われる場合だ。
イラクに駐在した著述業、前田耕一氏の「日本の建設機械総合メーカーの最大手のブラジルにある孫会社が、イラク軍の軽戦車のキャタピラを入れていた」、また軍事評論家、松井茂氏の「日本の最大手通信機器メーカーがイラクに治安用として電波方向探知システムを設計・施工した」などの指摘がある。
さらに米上院外交委員会はイラクの軍拡に協力した企業218社のリストの中に、日本のカメラメーカーが含まれることを公表。「ドイツの支社を通じてミサイル製造に使われる光電子工学機器の供給を計画した」(ドイツ週刊誌シュピーゲル)といわれる。
これに対し、建設機械総合メーカーは「中東に兵器として流れることはないはず。ただ、産業用の部品を第三国を通じて、兵器として勝手に使われるとしたら防ぎようがない」と話す。
しかし、イラクがハイテク技術では世界トップレベルの日本企業に目をつけないはずがない。このため、通産省は昨年夏のイラクに対する経済制裁と同時に、兵器に転用される恐れのある機器を輸出する国内商社、メーカーに対して第三国経由の不法輸出を含め“抜け道”と批判されることのないよう十分に注意するよう呼びかけた。軍事大国イラクを“育てる”側に参加したら、日本批判がさらに高まることは間違いない。(中日新聞 1991/01/28)多国籍兵器のイラク軍 米や仏 自国兵器と戦う異様
ソ連、フランス、中国、エジプト、アメリカ。湾岸戦争でイラク軍が使っているとみられる兵器、装備の原産国の一部だ。多国籍軍は自国を含め、味方である西側諸国やイラクへの制裁を決めた国連の安全保障理事会の主要国がせっせと売り込んだ武器で反撃されている。世界が、イラクを有数の軍事大国に育てあげたために生まれた皮肉だ。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の1985−89年版年鑑(東海大学出版会刊)によると、1981年から8年間にイラクヘ兵器、装備を売った主な国は別表の通り。
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SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)年鑑=東海大学出版会刊=1985〜89年版から(☆印は多国籍軍参加国) 特に熱心に売り込んだのはソ連、フランス、中国。武器輸出の新興国ブラジルや、南アフリカ共和国、スイスなども名前を連ねている。
ソ連は、いまイスラエルのほか多国籍軍に向けて繰り返し発射されている地対地ミサイル・スカッド改良型のオリジナル版のほか戦車や自走りゅう弾砲を売却。フランスはミラージュ戦闘機のほか、フォークランド紛争で一躍有名になったエグゾセ・ミサイルも売却している。英国はイラン・イラク戦争の初期80年から83年の間、双方に銃などの小火器と弾薬を売ったとの情報もある。
また、スカッドの簡易発射台に、米国をはじめ西側諸国が経済援助の一環で供与した大型トラックが使われている可能性が大きいことも指摘されている。
特殊兵器開発への各国の技術協力問題も伝えられている。スカッドが発射されるたびに化学兵器の恐怖が広がっているが、化学兵器開発にドイツが協力したとしてイスラエルは、ドイツを厳しく非難している。
兵士1200人を収容できる堅固な地下シェルターの設計図は英国の核シェルター建設業界がイラクに渡した、とされる。ハイテク兵器を駆使した多国籍軍の攻撃に、このシェルターが威力を発揮していると見られる。
イラク側は空爆に耐え、地上戦に持ち込む作戦とされるが、そうなると多国籍軍側にも多数の死傷者が出るのは避けられない。
石川要三・前防衛庁長官は「個人的な見解」と前置きしながら「各国がどんどん武器を売り込んだ結果、イラクが軍事大国になり戦争が起きた。戦争の費用は武器の売上高に比例して負担するべきではないか」として、輸出した国々を批判している。
◇
中東専門家らによると、相手国の武器を奪って使う例は4次にわたる中東戦争ではたびたび見られたという。また、英国とアルゼンチンが戦ったフォークランド紛争では同じ兵器が飛び交ったが、湾岸戦争は、イラクがさまざまな国から多様な兵器を大量に買い集めており、いわば両軍の兵器同士が「兄弟」のようになっている点が特徴だ。
中東問題研究家の田上四郎さんは、「外国の兵器を大量に買って、買い入れた国も相手にして戦争をしているところに今回の異様さがある。戦史上、例のない戦争だ」と語っている。(朝日新聞 1991/02/05)
“あらし”吹いて 米軍需産業笑う 株価30−40%も急騰
米軍に率いられた多国籍軍が「砂漠のあらし作戦」を開始して以来、米国の主な兵器メーカーの株は、軒並み急騰した。英国でも同じような現象がみられる。湾岸であらしが吹き荒れれば、それだけ兵器メーカーは潤うという寸法だ。戦闘スタイルを大きく変えるハイテク戦争の背後で“死の商人”は、ほくそ笑む。
新型兵器の開発には巨額の資金が必要だ。今回の湾岸戦争では、“カネ食い虫”と陰口をたたかれながら開発された新型兵器がイラク攻撃に使われ、それなりの成果を上げている。高価な兵器ずらり
米国防総省当局者は、「米国の納税者はハイテク兵器の価値が分かったのではないか」と述べ、新型兵器の性能に満足の意を表している。
一つひとつの兵器は実に高価だ。
敵のレーダーをかすめて攻撃するステルス戦闘機のF117A(ロッキード社)は、1機が1億1864万ドル(約154億2000万円)もする。
半径480キロ以内のすべての敵機を捕そくし、味方に迎撃を指令する早期警戒管制機(AWACS)のE3Aセントリー(ボーイング社)は、1機当たり1億900万ドル(約141億7000万円)。
敵のレーダーをかく乱する電子戦用機のEF111Aレーブン(グラマン社、ゼネラル・ダイナミックス社)は1機当たり7390万ドル(約96億円)。
空中給油機のKC10Aエクステンダー(マクドネル・ダグラス社)は同7360万ドル(約95億6800万円)。
さらに戦闘機のF15イーグル(マクドネル・ダグラス社)が1機当たり4720万ドル(約61億3600万円)、F111(ゼネラル・ダイナミックス社)が同3590万ドル(約46億6700万円)といった具合だ。『トマホークが潤す』
湾岸戦争が始まると、米国の兵器メーカーの株価は、急上昇し、その傾向は以後ずっと続いている。
米国の軍事専門誌「エビエーション・ウイーク・アンド・スペース・テクノロジー」は「あらゆる分野の国防産業にこのすう勢がみられる」と書いている。
戦闘用航空機のほか、地上戦の主役となるM1A1エイブラムズ戦車も生産しているゼネラル・ダイナミックス社の株価は、「砂漠のあらし作戦」が開始されてから40%以上も値上がりした。また、F15のほか攻撃用ヘリAH64アパッチのメーカーでもあるマクドネル・ダグラス社の株価も30%近くアップした。
両社の場合、湾岸戦争で初めて実戦デビューし、優れた性能を発揮している巡航ミサイル「トマホーク」のメーカーであることも株価急騰の要因となっているという。
イラクの中距離ミサイル「スカッド」の迎撃に活躍中の米国製の地対空ミサイル「パトリオット」の主要メーカー、レイセオン社は米国防総省の要請で24時間3交代で増産に追われている。
このミサイル・システムの開発に米国防総省は15年の歳月と総額10億ドル(約1300億円)の研究費をつぎ込んだ。
「パトリオット」の売上高は昨年は13億ドル(約1690億円)だったが、今年は16億ドル(約2080億円)、来年は19億ドル(約2470億円)が見込まれている。
現在、ミサイルから野戦病院用のマットレスまで、軍事関連物資メーカーの多くはフル操業中といわれるが、「米陸軍から増産の件については公表しないよう言い渡されている」(ミサイル・システム・メーカーのLTV社スポークスマン)と口は堅いようだ。
英誌「エコノミスト」によると、英国でも国防産業は生産に大車輪のようす。戦闘機トーネードのメーカーであるブリティッシュ・エアロスペース社(BAe)は、同機を使用しているサウジアラビアから部品発注を受けて、工場はフル操業中という。先行き楽観できず
このように米英の兵器メーカーは目下のところは活気を呈しているが、必ずしも前途は楽観できないという見方もある。米国では最近、国防予算削減の方向に沿って、艦載用のステルス機A12(ゼネラル・ダイナミックス社、マクドネル・ダグラス社)の開発が棚上げにされた。
湾岸戦争が国防産業にとってどの程度の“恵み”をもたらすかは戦争をめぐる今後の状況次第というところらしい。(中日新聞 1991/02/07)湾岸戦争 米の「罪」追及 クラーク元司法長官ら、国際法廷を提唱
「将来の戦禍防ぐために」 国内外で証言・証拠収集
【ニューヨーク30日=外岡秀俊】市民の手で、湾岸戦争における米国の責任を追及しようと、元司法長官らが提唱した「国際戦争犯罪法廷」の公聴会が、このほどニューヨークで開かれた。この後、世界各地で公聴会を開き、来年初めには、法廷を開いて国連などに働きかける予定。「戦勝国」から始まった新しい型の市民運動として、注目を集めている。「法廷」を提唱したのは、ニューヨーク在住の法律家で米国の元司法長官ラムゼー・クラーク氏と、反戦団体「中東における米国の介入阻止連合」。
クラーク氏は、湾岸戦争さなかの2月にイラク入りし、空爆で市民が受けた被害の実態を調べた。その後、「イラクだけでなく、米国が犯した国際法違反を追及するのでなければ、将来の戦争を阻止できない」として、「阻止連合」と協力し、民間人による国際的な「法廷」の開催を呼びかけた。
クラーク氏らは、まず、調査委員会を結成。ニューヨークを始めとする米国内の32都市、中東のアンマンやカイロなど、国外30都市以上で現地民間団体主催の公聴会を開き、証言・証拠を収集する準備を進めている。来年2月ごろには、国際法廷を開き、その結果を国連総会に通知するなど、国際社会にも訴える方針だ。
今月11日にニューヨークの高校で開いた第1回の公聴会には、主催者側発表で約1000人が参加。まず、クラーク氏が、告発状を発表し、ブッシュ大統領ら米政府、米軍首脳を「平和や人道に対する罪」などで「訴追」すると述べた。戦争前後にイラク国内を旅行した市民や、軍事専門家、米国在住のアラブ人ら25人が、ビデオ上映をまじえ、米軍によるイラクへの空爆の実態などについて7時間近くにわたって証言した。
今回の「国際法廷」には法的な権限も拘束力もなく、いわば市民の手によるキャンペーン。クラーク氏は、「米国ではグレナダ侵攻、リビア攻撃、パナマ侵攻と、次第に新しいタイプの軍事優先主義が強まる傾向がある。『戦勝国』を裁く国際裁判は開かれたことがなかったが、再び新たな戦争が起きることがないように呼びかけたい」と語っている。
政府当局者は、今のところ、こうした動きを黙殺しており、目立った反応は出ていない。国連の動きに詳しい米国国連協会のジェフリー・ラウレンティ事務局長も、「権限のない私的な調査結果を国連に訴えても、効果はあまりない」と、懐疑的な見方だが「一般の市民の関心をひき、戦争の新たな事実を明るみに出すことになれば、意味はある」と話す。イラク挑発など19項目の告発
クラーク氏らが準備した「告発状」は、ブッシュ大統領、クエール副大統領ら政権首脳と、パウエル統合参謀本部議長ら米軍首脳らを「戦争と人道」に対する罪、国連憲章、国際法違反の罪に問う内容。19項目から成り、「米軍の軍事行動と湾岸の軍事的優位を確保するためにイラクを挑発した」「ブッシュ大統領は、イラクの市民生活と経済活動に必須(ひっす)の施設の破壊を命じた」「米国は故意に、過剰兵力を使って、投降を求めるイラク兵士を攻撃した」などの点をあげている。(朝日新聞 1991/05/31)イラクの乳幼児死亡率 湾岸戦争で3.8倍に 国際共同調査
【ロンドン22日=竹内敬二】湾岸戦争中から戦後にかけて、イラクでは乳幼児死亡率が戦前の3.8倍にはね上がり、上下水道施設の破壊で人口の約半数が「し尿」で汚染された飲料水を使うなど、極めて深刻な生活・衛生環境破壊が起きていることが、22日に発表された国際共同調査で明らかになった。イラクの市民生活が受けた影響に関する初の本格的な報告だ。
調査には米ハーバード大、英オックスフォード大など米、英、オランダの大学から農業、環境、医学、心理学の専門家ら87人が参加、8月末から9月初めまでの2週間、イラク各地を回った。
全国の約9000世帯で行った聞き取り調査では、5歳未満の乳幼児の死亡率は、戦争前(90年1ー8月)の出生1000人当たり27.8人に対し、今年の同時期には3.8倍の104.4人に激増、1歳未満の乳児でも3.5倍だった。
主な原因は食料、医薬品の不足と飲料水の汚染。粉ミルクは90年8月から1年間で20ー30倍も値上がりし、5歳未満の29%が栄養不良だった。
ワクチンや抗生物質の不足でましん、小児まひ、破傷風など普通ならば未然に防げる病気が流行。水汚染が原因で起きるコレラ、腸チフス、赤痢で多くが死んでいた。
また、小学生の年齢の子ども214人に聞いたところ、8割がすぐ近くでの砲撃・爆発を経験し、やはり8割が家族の死、一家離散を心配。3分の2近くが「自分は大人になるまで生きておれないだろう」と考えるなど、戦争が心に大きな傷を残していた。(朝日新聞 1991/10/23)『真珠湾は過去』74% 60%が原爆を正当化
【ロサンゼルス1日共同】4人に3人は日本の真珠湾奇襲を“遠い過去の出来事”と見なしている一方、過半数の人は広島、長崎への原爆投下は正当化されると考えている−−。米カリフォルニア州の住民を対象に行われた電話による世論調査で1日、こんな米国人の対日意識が明らかになった。
調査は世論調査団体の「カリフォルニア・ポール」が9月下旬、998人を対象に行った。
それによると、太平洋戦争開戦から50年たった今日、74%の人が真珠湾奇襲を「現在、将来にわたっての日本との関係の中では考慮に入れなくていい、と考えている」(世論調査担当者)ことが分かった。
しかし、ドイツをもはや敵国とは思わないと答えた人は86%だったのに対し、日本は81%とわずかながら旧敵国への意識の差も現れた。
原爆投下については60%が正当化しており、「悪いことをした」と答えた28%を大きく上回った。また67%の人が、日本人は原爆を投下した米国に敵意を持っていると答えた。(中日新聞 1991/11/03)「オズワルドは射撃が下手だった」 「ケネディ暗殺犯」KGB記録に基づきソ連紙が報道
【モスクワ24日=時事AFP】ケネディ元米大統領の射殺犯とされているリー・ハーベイ・オズワルド氏がソ連に滞在中、射撃の腕前は下手と思われていた――23日付のソ連紙イズべスチヤが旧国家保安委員会(KGB)の記録をもとに、こんな話を伝えた。
同紙によると、オズワルド氏は1959年10月から62年5月まで、ソ連に滞在、政治亡命を求めた。狩猟が好きで、狩猟クラブに入り、ライフル銃も購入した。しかし、オズワルド氏はしばしば目標を外した、と旧KGB幹部ビアチェスラフ・ニコノフ氏は証言した。
旧KGBのオズワルド記録は5巻から成り、ニコノフ氏は「電話盗聴の部分などを除いて、今後すべて公表される」と話している。◇ ケネディ大統領は1963年11月22日、米テキサス州ダラス市内をオープンカーでパレード中、頭部に銃弾を受けて暗殺された。オズワルド氏が容疑者として逮捕され、2日後、護送中にナイトクラブ経営者によって射殺された。(朝日新聞 1991/11/25)
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