マティアス・ラス博士の告発
危機的状況にある歴史



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「市民のアジェンダ」:マティアス・ラス博士へのインタビュー(2003年4月)

ウェブサイト:www4.dr-rath-foundation.org


危機的状況にある歴史


あなたがイラク戦争反対のキャンペーンを出された後、アラブ系の人々の中で「もっとラス博士について知りたい」という声が高まっています。ご自身のこれまでの足跡について、もう少し説明していただけませんか?


まず、何より先に申し上げておきたいのは、私が一人の医師であり、科学者であり、そしてそれ以前に、私たちの住むこの惑星が第三次世界大戦で焦土と化すことがないように、破滅から守りたいと考えている、一人の人間であるということです。

これまで、一人の医師・科学者としての私は、人類が、より健康になり、より平和な世界を築くために役立ついくつかの方面で貢献できたと思います。自然療法による循環器系疾患の予防と治療の分野で私が発見した事柄が実行されるようになれば、心臓発作・脳卒中・高血圧・心不全・不整脈など様々な疾病を、これから将来の世代にわたって著しく低減できるはずです。

私が人類に対して果たした二つ目の貢献は、地上最大の投資産業であり、史上最悪の詐欺まがいの計画を維持・推進している製薬産業の実態をあばくことでした。この投資産業の場合、広告では人々に「健康」を約束していますが、その実、この業界のマーケットは疾病の存続と拡大を基盤に成り立っているのです。疾病の予防・抜本的治療・撲滅が実現したのでは、製薬産業という「疾病を基盤とする投資ビジネス」の存在は危うくなってしまうわけですね。ですから、いわゆる「製薬企業カルテル」は、これにあらがっているのです。私がこの「『保健医療』を世界的に独占している製薬産業こそ、世界中の人々が健康的な生活を実現する上での最大の障害物」という、ありのままの分析結果を初めて公表したのは、1997年の公開プレゼンテーションにおいてでした。

私が果たした、言及に値する第三の貢献は、この人々の命を救う情報と分析内容を、私自身が地球規模で広めることができた点です。しかし、これによって数兆ドルという製薬業界への投資ビジネスに携わるグループは非常な脅威を覚え、このビジネスを守る法規を作ったり、人々の市民的権利を放棄させるというやり方で、法の力を借りて、自らの世界支配を強めていこうとしています。

この戦略は、世界規模での「対テロ戦争」という体裁をとっています。けれども、このいわゆる「テロとの戦争」は本当の意味での戦争ではありません。これは世界全体に恐怖や脅威を作為的に作り出し、アメリカのみならず世界各地で先に述べた徹底的な法的手段を実施できる状況を生み出せるよう、一つの戦略として考えられ、実行に移された筋書きです。

私の最も近しい協力者であった2度のノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士は、この事態をすでに10年以上前に予見していました。博士は「あなたの発見はあまりにも重要なものであるため、業界全体を脅かす可能性がある。この発見の普及を妨げようと、いつか戦争が始まるかもしれない」と私に告げたのでした。


あなたは医学部を卒業なさり、医師・研究者として仕事して来られたわけですが、何がきっかけとなって、そこから自然療法の研究へ移られたのですか?


たしかに私の出発点は循環器系疾患の病因に関する従来的な研究でした。当時、心臓発作や脳卒中の主な病因はコレステロール値の高さであると考えられていました。コレステロール降下剤のメーカーが影響力を持っていたので、医師は、「コレステロール値が高いと血管壁が損なわれ、そこから血管壁の肥厚が生じ、最後は血管がつまって心臓発作や脳卒中を起こす」と教え込まれていました。今日では、私たちはこれも製薬業界が広めた市場戦略上の流説の一つであると知っています。もし、本当にコレステロール値が高いと血管壁に損傷が及ぶのであれば、この血管系の長いパイプラインのいたるところで損傷は起きるはずです。心臓や脳だけでなく、血管はいたるところで詰まるはずです。つまり、鼻、耳、膝、肘、指、その他からだの様々な器官で梗塞が起こるはずなのです。しかし、実際そんなことはありえませんね。

さらに私は、人間の世界では循環器系疾患が主な死因の一つであるのに、動物の世界では基本的に循環器系疾患は見られないことに注目しました。そして、この発見が世界的に普及している自然健康法に通ずる突破口となったのです。動物は自分自身の体内でビタミンCを生産しますが、ビタミンCは、コラーゲンと呼ばれる身体およびその血管系統を強化する物質を作り出すために必要な栄養素です。ビタミンCが豊富なほどコラーゲンは豊富に作られ、私たちの血管壁もより安定して、心臓発作を起こしにくくなります。動物はほとんど心臓発作を起こしませんが、これは自分の体内で豊富な量のビタミンCを生産できるからです。これに引きかえ、私たち人間はこのビタミンを一分子たりとも体内で生産できませんし、食物から摂取するビタミン量も不十分な場合が多く、その結果、血管系統が弱り、沈着物の形成を招いているのです。このような沈着物は、血液を送り出す心臓の冠状動脈のように、おもに機械的ストレスにさらされる血管部位に形成されます。

この一連の発見は、「人間は心臓発作を起こすのに動物はなぜ心臓発作を起こさないのか」という疑問のみならず、「人間は心臓発作を起こすのに鼻発作はなぜ起こさないのか」という疑問に対する答えにもなっているわけですから、非常に説得力のある理論だと言えるでしょう。他方、この画期的発見は多くの研究データや臨床研究によっても疑う余地なく確認されているのです。

ですから、今までに出会ったこのような学術的発見こそ、私が従来の研究から離れ、現代の様々な疾病を最も効果的に予防・治療できる物質の研究へと向かうにいたった一番の理由と言えます。つまり、自然自らが作り出し、細胞の最適な働きに欠かせない物質の研究です。


あなたの研究の多くは学術誌に発表されていますね。ご自身の研究の中心的テーマは何ですか?


心臓発作や脳卒中の原因である循環器系疾患の特性解明は、単にスタートにすぎません。ビタミン、ミネラル、ある種のアミノ酸、微量元素が体内の無数の細胞を機能させるための「燃料」であることが分かると、冠状動脈疾患や心臓発作のみならず今日よく見られる多種多様な疾病の多くも、この知識の応用によって予防できることが理解できるようになりました。過去数年間にわたり、私の研究所では世界各国の数多くの科学者や医師の協力を得て「高血圧、心不全、不整脈、糖尿病性血行障害などの疾患は、おおむね微量栄養素(ビタミン、ミネラル等)の長期的欠乏によって起こる」という事実を疑う余地なく実証してきました。適切な量の微量栄養素を通常の食事または補助栄養剤として摂取すれば、高血圧(無数の血管壁細胞における長期的な微量栄養素欠乏で起こる)、心不全(無数の心筋細胞における微量栄養素欠乏で起こる)や、不整脈、糖尿病性血行障害などの疾病の予防に大いに役立つのです。

もう一つの重大な発見は、体内のガン細胞の増殖を予防する自然な予防法です。数年前、私は「ガンの種類を問わず、どの器官を原発とするガンでも、すべてのガン細胞は同じ方法で増殖する」という情報を公表しました。つまり、ガン細胞は体内の組織分子(コラーゲン)を切り裂く「生体学的ハサミ(酵素)」を使うのです。ガンは進行の速い種類のガンほど大量のコラーゲン消化酵素を出しています。

こうした組織を破壊する大量の酵素生産は、アミノ酸リシンやプロリンをビタミンCおよびその他の微量栄養素と組み合わせて使用すれば、自然にかなった方法で抑制したり完全に防止することができます。最近私たちの研究機関は、この栄養素の相乗作用を活用して、こうした酵素の作用をブロックし、研究対象となったすべてのタイプのガン細胞増殖をくい止めることができました。ヨーロッパやアメリカでは、すでに何万人というガン患者さんがこのガンの自然治療法・予防法を活用しています。そのうちの数百人はすでにガンからの回復を果たしました。従来の医学では今にいたるまでガン告知が「死の宣告」と考えられていることを考慮すれば、この結果はいっそう重大な意味を持つと言えるでしょう。私たちはこの自然療法を実施した前と後の患者さんの肺と骨のX線写真を入念に記録しています。この療法の成功の記録は、私たちの財団のウェブサイトで実際に見ることができます。

そういうわけで、現在見られる一般的な疾病の予防には、私自身、一定の貢献を果たせたのではないかと考えています。ここで残されたただ一つの疑問は、「では、なぜ、この情報はただちに世界中に広まらないのか?」という疑問です。この疑問に答えるには、疾病市場の世界的撤廃を招く画期的発見に対して猛烈に抵抗している製薬投資ビジネスについて、あらためてお話しする必要があると思います。


あなたは「細胞医学」という新しいコンセプトを発案なさいましたが、この「細胞医学」とは何か、そして、これを実際に応用した場合のメリットは何かを説明していただけませんか?


現在、医学は身体の器官によって諸分野に分けられています。心臓病専門医は心臓を診るし、消化器専門医は消化器を診るし、整形外科医は骨や骨盤を診るわけです。こうした器官ごとのアプローチに従うかぎり、「健康状態や疾病は器官のレベルで決まるのではなく、人体の器官を作り上げている無数の細胞のレベルで決まる」という事実は無視されています。しかし、細胞の機能障害とそこから生ずる疾病の最大の原因は、細胞レベルでの生体エネルギーの欠乏なのです。これらの細胞が正しく機能するために必要な生体エネルギー物質のうち、最も重要なのは、生体触媒と呼ばれる細胞の化学反応を促進する小さな物質です。そして、こうした物質の中でも特に重要なのが、ビタミン、ミネラル、微量元素、特定アミノ酸といった天然物質です。「細胞医学」というのは、現在一般的に見られる疾病の予防と治療にこの知識を活用する新たな分野の医学を指しています。私たちの細胞医学を研究する機関では、循環器系疾患、ガン、感染症といった特定疾患の予防・治療に必要とされる微量栄養素の研究を続けています。

21世紀の医学が世界的規模でこの知識を活用し、循環器系疾患やガンなど今日の一般的疾病からの人類解放に多大な貢献を果たすことは、すでに予見できています。もはや無駄にできる時間はありません。この原理は、医学の学位などなくても、地球に住むすべての人にとって理解可能な原理です。一般市民の保健医療に関わる医療関係者や政治家は、全員ただちにこの科学的事実を学び、この知識を活用できる国民保健医療プログラムを策定すべきです。


あなたはなぜ、従来の薬物治療よりも自然療法による予防・治療の方がより優れており、効果的だとお考えになるのですか?


製薬産業は一つの投資産業です。そして、まさにその性格ゆえに、製薬産業に疾病を根治・予防する薬は作り出せません。そんなことをすれば、疾病人口という今後も薬を使い続けるはずのマーケットがなくなってしまいますからね。これは理解しがたく、受け入れがたい事実です。しかしながら、万人が理解すべき真実でもあります。

したがって、現在、世界の市場で使われている薬の80%については確たる効果が実証されていない状況であり、単なる対症的な薬と考えられます。この事実からの直接的帰結として、循環器系疾患、ガン、エイズなど現在一般的に見られる疾病の多くは、かたや特許の対象とならない効果的な治療法がちゃんと存在しているのに、抑制されるどころか今も広がり続けているわけです。

生物学や生化学を学ぶ学生は世界のどこの国でも、微量栄養素が細胞の正しい機能において果たす役割について学んでいます。けれども残念なことに、医学教育に対する製薬産業の支配的影響は世界中いたるところで根深く浸透しており、医学的な問題の解決のために先に述べた科学的知見が活用されることはありませんでした。そこで、世界の人々が自然健康法の恩恵にあずかるためには、まず、この新しい科学的知見を受け入れる必要がありますし、それとともに、疾病を基盤とする製薬産業の投資ビジネスによって作為的に設けられた医学的障壁を撤廃することも前提条件となります。


2度のノーベル賞受賞者である故ライナス・ポーリング博士は、あなたの業績を重要なものであると語っていました。ポーリング博士は、なぜ、そのように考えていたのでしょうか?


ライナス・ポーリング博士は2度にわたり異なる部門でノーベル賞を受賞した、ただ一人の科学者です。彼が最初に受賞したのはノーベル化学賞でしたが、2回目に受賞したのはノーベル平和賞でした。この平和賞は、1963年に部分的核実験停止条約の締結を実現させた彼の功労に対して与えられたものです。ライナス・ポーリング博士は20世紀の科学界における巨人であり、数多の有機物質や無機物質の分子構造を解明しました。プロテイン(αヘリックス)の構造特性を初めて解明したのも彼なら、最初の遺伝子疾患(鎌状赤血球貧血)を発見したのも彼でした。

私がライナス・ポーリング博士と知り合ったのは今から20年以上前、私がドイツで医学生代表としてスポークスマンをしていた時分です。私は世界保健機構(WHO)に所属する医学生組合の委員会メンバーでした。とはいえ、当時の私たちを結び付けていたのは、学術的な興味というよりはむしろ、平和運動や核兵器廃絶に対する共通の関心でした。

それから数年後、循環器系の医療分野における研究の結果から、私はビタミンが果たす役割の重要性を認識するに至りました。私がこの結果をポーリング博士に報告したところ、博士はただちにその重要性を認識し、私をカリフォルニア州にあるポーリング博士の研究所の初代研究部長として招いてくれました。

ライナス・ポーリング博士と私は単なる研究者仲間という以上の仲でした。私たちは、より健康的で平和な世界を築くという共通のビジョンを分かち合っていたのです。ですから、ポーリング博士が亡くなる直前に私を自分の後継者として考えていると語ったとしても、それは格別驚くべきことではありませんでした。


あなたの業績や研究に対する従来の学会の反応はいかがでしたか?


新たな発見は3つの段階を通過すると言われています。最初の段階ではあざけられ、2番目の段階では激しく反駁され、そして最後の段階に至って自明の理として受け入れられるのです。私の循環器疾患やガンの領域における発見も例外ではありません。バイパス手術やバルーンカテーテル(血管再形成)術といった機械的処置が循環器系疾患に対する「治療法」であり、放射線療法や化学療法がガンに対する「治療法」と見なされる医学の世界において、こうした疾患を自然で安全かつ経済的に予防・治療する方法があるという私の主張は全くもって革命的でした。

循環器系疾患の分野で私の考え方が受け入れられ始めた時には、私の画期的な学術論文「心臓病の謎を解く方法」の発表から優に10年が経過していました。しかし、ついに2002年5月4日、私は世界有数の医学部を持つスタンフォード大学に招かれ、同医学部が組織したシンポジウムでこの画期的発見について講演を行ったのです。この招待自体がすでに、循環器系疾患を早期の壊血病(「船乗りの病気」)と見なす私たちの新たな考え方を受け入れる人々が非常に増えている事実を反映しています。

この講演では、1世紀以上にわたり製薬企業カルテルによって利用されてきた主要医学機関で初めて、循環器医学における最も基本的な未解明問題の説明が試みられました。つまり「人間は心臓発作を起こすのに動物はなぜ心臓発作を起こさないのか」、「人間は心臓発作を起こすのに鼻発作はなぜ起こさないのか」、あるいは「動脈硬化症はあるのに静脈が硬化を起こさないのはなぜか(すなわち、静脈硬化症が見られないのはなぜか)」といったテーマに関する私の見解です。この講演内容については、私たちの財団のウェブサイトで閲覧できます。

同様にガンの分野でも、私が発見したリシンなどの微量栄養素の活用によるガンの自然治療法について、論文が出てからそれが一般に知れ渡るまでには約10年の歳月が経過しています。2002年3月8日、この画期的発見は世界最大の発行部数を持つUSA Today紙に全面刷りで掲載されました。この情報は野火のような勢いで広がり、数多くの国や施設でこの知見が実地に応用されるようになりました。

この見解に対し学術的な根拠を持つ反論はありませんでしたが、製薬業界からの反論は非常に熾烈でした。製薬業界は、疾患を基盤とした地球規模での巨大投資ビジネスを保護するために、この5年間はもっぱら法規にたよる戦略をとり、特許対象とならない自然健康法の分野での画期的発見が一般に普及するのを法規で取り締まらせようとしています。


あなたの著書は製薬業界にどんな影響を及ぼしましたか?


私は、自著「なぜ動物は心臓発作を起こさず、人間は起こすのか」の中で初めて「製薬産業の法則」を掲載しました。この法則は、疾病を基盤にビジネスを営む製薬企業が、健康産業などではなく、投資産業の一種であることを知らしめています。ここでは、製薬産業の研究開発目的を人々の健康への奉仕からそらせて金儲けへと向かわせている特許性の原則が解明されています。この本は、過去数十年にわたり、世界の何億人もの人々がその寿命を全うできず、経済全体が財政破綻に追いやられた原因が製薬企業にある事実を明らかにし、その責任を問うています。この世界最大の投資産業が数兆ドルの詐欺まがいの計画であると暴露するには勇気が必要でした。1997年6月21日、ドイツにおいて、史上初めて3500人の聴衆を前に私がこの事実を公にした時には、世界中で大きな反響がありました。

製薬企業が私に報復しなかった唯一の理由は、私がこの人倫にもとる「疾病ビジネス」と20世紀最大の人道犯罪である第二次世界大戦下の大量虐殺の関係を指摘したからです。70年前、ヨーロッパ最大の石油化学・製薬企業カルテルがヒットラーの政権掌握を財政的にバックアップしたのは歴史的事実です。第二次世界大戦は、東ヨーロッパとアジアにおける天然資源の征服をその主目的とした戦争でした。

1946/47年のニュールンベルク戦争裁判では、I.G.ファルベンと呼ばれる石油化学カルテルの存在なくして第二次世界大戦は起こりえなかったことが確認されています。この戦争裁判の結果、I.G.ファルベンはバイエル社、BASF社、ヘキスト社の3社に分割され、その一部の経営陣は国際法に背いて戦争を開始した罪、大量殺戮の罪、諸外国の公的・私的資産を搾取・掠奪した罪、その他種々の人道犯罪の罪を問われて有罪宣告を受けました。第二次世界大戦の企業的背景については、ジョセフ・ボルキンの「I.G.ファルベンの犯罪と罰」という本に詳しく書かれています。この本に関しても私たちの財団のウェブサイトで閲覧できます。

つまり、私の企業責任追及が始まった当時からすでに、製薬業界は守勢に回っていたわけです。ですから、彼らがあえて私に報復したり誹謗中傷を理由とする訴訟を起こしたりしなかったのも、無理からぬことだと思います。一方、製薬企業が携わっている数兆ドルの詐欺まがい商法を10年がかりで暴露した私の努力は、ヨーロッパ最大の週刊誌であるDer Spiegel誌トップ面への掲載という形で日の目を見ました。これは、製薬企業が詐欺行為を行い、人々の生命を危険にさらし、世界各国の経済に何十億ドルもの規模で損害を与えてきた事実や、私が過去数年間にわたり指摘してきたその他様々な事実に対する糾弾記事でした。私が最初に製薬企業の疾病ビジネスを公の場で弾劾してから大手メディアがこの事実を認めるまでに、5年以上の年月が流れていました。また、この記事では、製薬企業が世界最高レベルの意志決定者たちと密接な関わりを持っている事実を指摘していますが、これも決して意外ではありません。この記事では、「ある国の政府が製薬企業の疾病ビジネスを取り締まる措置をとろうとすると、現在ですらアメリカ大使館がアメリカ政府に代わって直接介入する」という事実も明らかにしています。

私自身、自然健康法でのパイオニアであるのみならず、製薬業界が手を染めている疾病ビジネスの告発でも先駆的役割を果たしてまいりました。この2003年3月31日のDer Spiegel誌に掲載された記事は、近い将来に製薬業界を取り囲む防壁を倒壊させるドミノ倒しの最初の一手だったのです。いずれ、他のメディアもこれに続くでしょう。それは良いことだと思います。わずか一握りの投資家のために、世界中の何百万人もの人々の健康と各国の経済が犠牲になるような事態が続いてはなりません。この投資家たちは、今後もこの数兆ドルの詐欺まがい行為をあの手この手で存続させようと、合衆国大統領やイギリス首相を含む数多くの不徳な政治家たちを支援して、自らの権益固めに余念がないのです。


あなたの著書は世界中どこでも手に入るのでしょうか?


私の著書は10ヶ国語以上の言葉に翻訳されており、多数の言語で出版されています。また興味を持った人誰でもが閲覧できるように、私たちのウェブサイトでもこれらの本の内容を掲載しています。私たちは、循環器系疾患、ガンといった一般的疾病に対する自然予防法・治療法を含め、何百万人もの人々の命を救える大切な情報を普及するために、あらゆる努力を払っています。

この情報はきわめて重要であるため、早急に世界中に広める必要があります。ですから、このメッセージの重要性を理解して情報の普及を支援して下さるメディアであれば、新聞、ラジオ、テレビ等どんなメディアの取材でも歓迎いたします。最も良く知られた著書を3つ挙げるとすれば、そのうちの一つには心臓発作・脳卒中・高血圧・心不全・不整脈など様々な循環器系疾患に対する新治療法を論じた「なぜ動物は心臓発作を起こさず、人間は起こすのか」を挙げるべきでしょう。また「ガン」という本の中では、ガンの自然予防法における画期的知見が述べられています。この本は、ガンが「もはや死の宣告ではない」と説く初めての本です。3番目は、私の10年間に及ぶ製薬企業カルテルとの戦いを描いた実録で、「人類の名において」という題の本です。


この画期的療法について私たちが今までに知らなかったのは、なぜでしょうか?


その答えは明白です。製薬産業は自然に発展を遂げた産業ではありません。製薬産業は投資家が作為的に作り上げた産業ですから、彼らは今後も疾病ビジネスから利潤を吸い上げ続けるため、特許対象とならない自然の治療法が世界中に広まるのを妨害しなければならなかったのです。

20世紀の初め、ロックフェラー・グループはすでにアメリカをはじめ世界各国の石油ビジネスの大半を支配下に収めていました。同グループは、そこから上がる数兆ドルの収益を元手に、次なる投資の対象を定めました。ここで、その次なるマーケットとなったのが人間の体だったわけです。この投資に対する利潤や見返りは、開発された製薬品の特許性によって左右されます。この新たな投資産業から上がる数兆ドルの利潤は、医療を製薬品によって駆り立てられる投資ビジネスへと変貌させるために組織的に使われました。医療はわずか数十年のうちに、この利益集団が医学部、マスコミ、政界に及ぼす影響力を通じてコントロールされるようになりました。

その時、この製薬産業にとって一番の問題となったのが、自然健康食品との競合でした。細胞の代謝活動を円滑に保つのに必要なビタミンや必須栄養素の大半は、1920年から1935年の間に発見されています。科学界においては、細胞の代謝でこれら必須物質が欠乏すると、細胞が正常に機能せず、疾病の原因となりうることは明白だったのです。

製薬業界の投資戦略家はこれに気付き、この命に関わる大切な情報が世界各国の人々に普及するのを妨げる国際的なキャンペーンに乗り出しました。この情報について沈黙を守ることは、そのほんの第一歩にすぎませんでした。特許対象に含まれない自然療法の信用を貶める中傷キャンペーン、はては自然療法による疾患の予防や治療についての記述を法によって禁ずることも、この詐欺まがいの製薬ビジネスを強化するための戦略の一つでした。

こうした様々な方策が目指した唯一の目的。それは、対症療法しかできない特許薬を基盤とした製薬産業を、細胞の健康維持に不可欠な特許対象外の自然療法から保護することでした。皮肉なことに、生物の教科書にすら記載されている基本的細胞機能に必要な自然物質についての科学的事実が、この投資ビジネスにとっては業界全体の浮沈に関わる大問題となったのです。もし特許対象外の自然物質を使い細胞の健康状態を良好に保つやり方で疾患予防ができるとすれば、これは製薬業界が営む疾病ビジネス全体を揺るがす脅威となるはずです。疾患が予防・根治できるのであれば、もはや製薬業界のマーケットは存在しなくなるのです。

なかでも医学関係者に製薬業界の影響を行き渡らせることは、とくに重要と考えられていました。製薬投資産業は、ハーバード大学・エール大学・メーヨークリニック等、いわゆる「アイビーリーグ」を含めた様々な大学に医学部を創設して、やすやすと医学界の権威を買い占めたのです。当然ながら、治療法についての授業は一挙に製薬中心のカリキュラムとなり、その一方で、自然療法は「時代遅れ」として体よく排除されました。

この数十年間に医学部を卒業した学生で、細胞の代謝におけるビタミンCの役割解明に対し、1937年に初めてのノーベル賞が与えられたことを知っている人はほとんどいません。このように半世紀以上にわたり何世代もの医師ら(世界全体で見れば数百万人)が、生命や健康に果たすビタミン・ミネラル・微量元素の重要な役割について学ばないまま、医学部を卒業しました。

これから述べる事実を見るだけでも、この投資戦略が世界の人々の健康に及ぼした深刻な結末が理解できるはずです。現在、地球上に住む60億人という人類のうち、人体ではビタミンCが生産できないという事実を知っている人はほとんどいません。しかし、まさにこの(「船乗りの病気」の壊血病から動脈を守る物質として知られている)ビタミンが心臓発作・脳卒中などの循環器系疾患を予防する主要要素でもあることは、科学的事実として受け入れられています。つまり、製薬投資産業の利益のために、医療関係者の間から生命に関わる大切な知識を排除するだけで、世界の先進工業国や開発途上国の都市部で最も多い健康障害となっている循環器系疾患を、意図的に増やすことができるわけです。

現在この地球上に住む人間の中で、人体ではプロテインの不可欠な構成要素であるアミノ酸リシンを自然に生産できないと知っている人はほとんどいません。しかし今では、このリシンという自然物質が、ガン細胞の体内での増殖を防止するのに最も必要な要素であることが分かっているのです。ガンは先進工業国では2番目に多い疾患であり、ガン患者さんの末期治療に使用される薬剤は、製薬企業の疾病ビジネスにとって最も儲けの大きいマーケットとなっています。

そして今21世紀の初頭にいたって、人類はついにその悪夢から目覚めようとしています。細胞を円滑に機能させるのに不可欠でありながら人体では生産できない物質について、簡単な保健情報を普及するだけで、先進工業国や移行期の国々で失われる人命のうち、3分の2は救えるのです。

それのみならず、世界の人々が丸々1世紀にわたってこの事実に「目覚めなかった」のは、なにも私たちが無教養な人間だったからではないことを認識すべきでしょう。私たちは、虚偽と欺瞞に満ちた製薬ビジネスがこの詐欺行為を首尾よく成功させるために何十億ドルも費やしており、「人類の恩人」という上べの顔を作為的に作り上げてきた事実を認識すべきなのです。この目的を達成するために、この業界が「マーケティング」に費やした金額は、研究開発にかけた金額の2倍にも及びます。

現在アメリカ合衆国の国防長官であるドナルド・ラムズフェルドは、複数の多国籍製薬企業の経営最高責任者を務めた人物です。ブッシュ政権から現職の指名を受ける以前、彼は製薬産業に果たした功績によっていくつかの賞を受賞しました。ラムズフェルドと(ロックフェラー投資グループも含め)この業界の経営陣全員が先に述べた事実を知悉している点については、全く疑問の余地がありません。彼らは製薬産業が営んでいる疾病ビジネスの実態が野火のような勢いで世界中に広まっているのを見て、震え上がっています。この事実を世界中の人々が知れば、彼らの運命は火を見るより明らかでしょう。その意図的決定さえなければ防げたはずの疾患で命を落とした何百万という人々の死に対して、彼らは責任を問われるのです。自らが世界の「ビッグブラザー」になるシナリオを考えて人類全体を戦争に巻き込まない限り、人類が自分たちをやり込めるだろうと彼らは考えています。他に逃れる道はありません。これが今回の戦争の背景です。この事実があるからこそ、彼らはこの地球全体を相手に戦いを挑んでいるのです。

1世紀以上にわたり、製薬企業はその数兆ドルの詐欺まがい行為の前提条件として、今日最も一般的な疾病が予防できる特許対象外の自然療法に関する大切な保健情報を閉め出してきました。ですから、こうした製薬業界のとった措置のせいで、私たちの耳にこの画期的新療法に関する情報がまったく入らなかったとしても、それは意外とは言えません。


では、世界保健機構(WHO)の役割はどうなっているのでしょうか? WHOは栄養素の普及を促進しているのではありませんか?


世界保健機構(WHO)は、世界の人々の健康水準を向上する目的で50年以上前に設立された組織です。栄養情報の普及は、その当初の目的の一つでした。WHOには食糧農業機関(FAO)との合同で「栄養に関する共同報告書」を毎年発行していた時期が10年ほどありました。

しかし、その後、製薬産業に投資する投資家集団の利害がWHOを完全に支配するようになりました。そして、それを境としてWHOは全く正反対の目的を持つ組織へと変貌を遂げたのです。WHOが世界の人々の福利を目指して設立されてからわずか15年後の1963年、この組織は国際的な製薬企業カルテルの道具となってしまいました。1963年、微量栄養素(ビタミン・ミネラル・アミノ酸)を疾病の予防・治療・根絶を目的として使用するのを妨げるために、新しい委員会が特別に組織されました。このWHO/FAO所属の「コーデックス・アリメンタリウス(国際食品規格)委員会」の目的は、世界の人々が自然の健康維持物質を治療目的で使用するのを阻止するため、人為的な「上限値」を課することでした。この委員会はさらに、効果の実証されているこれら微量栄養素を使った自然健康法についての情報普及を阻止する「聖戦」へと乗り出しました。このように製薬企業カルテルは、グローバリゼーションを推進する最初の法規制を通すために、WHOを悪用したのです。これは、特許薬による保健市場の国際的独占を人為的に確保する目的で作られた保護主義的な法規にほかなりません。

こうして、世界の人々の健康水準を向上するために創設されたWHOは、過去40年にわたり、一握りの投資家集団を利するためにその正反対の目的で利用されてきました。つまり、現代の最も一般的な疾病を防止できる人命に関わる保健情報が決して世界の人々の耳目に触れないようにすることこそ、彼らの目的だったのです。

私が2002年8月にヨハネスバーグのサミットで発表した10項目のプログラム「2020年までに全人類の健康達成」は、WHOにとって一つの転機となりました。100ヶ国以上の首長が製薬企業カルテルの詐欺的な性格と、それに代わる自然健康法に対して認識を新たにしたこの大会をきっかけとして、WHOを再び私たちの手に取り戻し、この組織を世界中の人々の福利実現に活用するための戦いが始まりました。アフリカ、南米、アジアの開発途上国がこの歴史的戦いに加わります。しかし、間違えてはなりません。WHOの組織内部に潜む製薬企業カルテルの勢力は、絶対に自ら陣地を明け渡したりはしないでしょう。

WHOをその本来の目的とは正反対の組織に変貌させた一部の利益集団が、現在対イラク戦争を遂行し、世界のいたるところで国際危機を引き起こしている利益集団と同じグループである事実に、世界中が気付いてほしいと思います。つまり、WHOに対する支配をめぐる戦いは、軍隊による戦争と同じ程度に情け容赦なく戦われるわけです。この比較は決して的はずれではありません。結局のところ、いずれの戦いにおいても犠牲者は数千、数百万という規模に達するのですから。

このWHOの支配をめぐる戦いの結果は目に見えています。自らのため、未来の世代のために戦う世界の人々が勝利を収め、この国際組織を支配することになるはずです。この戦いがどれほど続くのかは、世界の人々の出方一つにかかっています。ことの成り行きを知らされた人々が、各国政府に対し、国内および国際レベルで何らかの措置を取るよう働きかけることでしょう。一方、決して買収されず、賄賂を受け取らず、他からの影響を被ったりしない組織を持つことも不可欠です。Dr.ラス健康財団は、この目標に向かって貢献するために設立された財団です。


先ほどコーデックス委員会についてお話がありましたが、この委員会についてもう少し詳しく教えていただけますか?


コーデックス委員会はWHOとFAOに所属する委員会です。この委員会のメンバーの約半数は、直接・間接に製薬業界と関係のある人物です。コーデックス委員会は食品保護に関わる様々な問題に取り組んでいますが、その実、その時間・努力・資源の大半は、ビタミン・ミネラルやその他の必須栄養素を利用した自然健康法に関する情報が普及するのを阻止しようとする製薬企業カルテル側の闘争に捧げられています。

私が壊血病と心臓疾患の関連性を解明し、拙著「なぜ動物は心臓発作を起こさず、人間は起こすのか」が成功を収めて、1994年にカルテルによる自然療法の非合法化を目指すアメリカでの最初の試みが挫折した後、1995年に製薬企業はこの「コーデックス委員会」を再び蘇らせました。それ以降カルテルは、製薬産業の疾病ビジネスを特許対象外の効果的かつ安全な微量栄養素療法から防衛するために、精力的な活動を続けています。今ではこの委員会は年ごとに非公開の会合を開いています。この委員会の主な目標は、ビタミン・ミネラルやその他の必須栄養素の疾患予防効果や治療効果に関する記述を法律で閉め出すことです。この製薬企業カルテルを利する不当な提言を国連総会に提出し、この規定をすべての国連加盟国、つまり世界全体に対して拘束力を持つ法規にするよう提言する計画が練られています。少なくとも、これが製薬企業カルテルの暖めている計画です。

近年では私たちも、コーデックス委員会すなわち製薬企業カルテルの計画に対し、定期的な抗議活動を組織しています。これは、学術会議、集会、コーデックス委員会のメンバーやこれを支援する政府に向けた抗議キャンペーンなどです。ごく最近の抗議キャンペーンでは、この不正な企てをいまだに支援している各国政府や議員に対し、なんと6億通(!)の抗議の手紙が寄せられました。

2002年11月にベルリンで開催されたコーデックス委員会の定例会議前夜には、私たちは世界各国から保健医療専門家を集めて会議を開催しましたが、その中には南アフリカも含まれていました。ですから、南アフリカの政府代表がコーデックス委員会の欺瞞を初めて暴露したのが、このコーデックス委員会の定例会議の席上であったのも、全くの偶然とは言えません。この展開の重要性を理解するには、次のような事情を説明しておく必要があります:

健康な精神を持っていれば、このような形で行われる自然健康法の締め出しを支援する人などいないと思われます。ですから製薬企業カルテル側は、まだ態度を決めかねている政治家に、なぜ自然健康法を禁止すべきであるかを納得させる口実を必要とします。その口実として考え出されたのが、ありもしないビタミンの副作用なのです。もちろん、この副作用は純粋に製薬業界の利益集団の想像力と、その国際的なPR計画構想の中にのみ存在するものです。ビタミン、ミネラル、アミノ酸は人の命や体を作り上げているブロックであり、余剰が出た場合でも、人体はこれをなんら問題なく排除できます。

この点、合成された製薬は非常に異なります。こうした薬は合成されたものなので、人体はこれを認識できません。このため、ほとんどすべての製薬には強い副作用が伴うのです。1998年4月15日に発行されたJournal of the American Medical Association誌の記事によると、先進工業国での死因の第4位として製薬による致命的副作用が挙げられています。こうした事実すべてを無視して、製薬業界のPR計画では世界中の人々の世論操作を企てており、このコーデックス委員会の不正な提言を政治家に無理やり受け取らせようとしています。

2002年のコーデックス委員会で南アフリカ政府代表がとった立場は、こうした背景に照らして考えてみるべきでしょう。南アフリカは、私たちの見解を政府の公的見解として支持し、コーデックス委員会内部の製薬企業カルテルが長期にわたり画策してきた計画の欺瞞性を暴露したのです。その2年前には、南アフリカ政府はエイズ薬に関する特許使用料の支払いを拒み、製薬企業カルテルに戦いを挑んでいたのでした。

南アフリカ政府の見解は明快です。「この種の薬に法外な特許使用料を支払わねばならないとしたら、南アフリカと発展途上国の圧倒的多数の人間にとって同薬の使用が不可能となる。そうすれば、製薬産業は巨額の利益マージンを主張することによって、アフリカや世界各国の何百万という人々の生命を意図的に危機にさらすことになる」というのが、その言い分です。製薬企業カルテル、つまり、国際製薬団体連合会は、傲慢にもプレトリアの裁判所で南アフリカ政府を訴えました。予想にたがわず、この戦いで南アフリカ政府は実際の法廷では勝てませんでしたが、世論という法廷では勝利を収めました。

「製薬産業が営む疾病ビジネスの利益のために行われる殺人」に対して世界中で抗議の声が上がり、製薬企業カルテル側はもうこの訴訟を先に進めることができなくなりました。2001年1月、法廷で南アフリカ政府と対決したわずか数週間後に、製薬企業カルテルはその敗北を認め、訴訟を取り下げました。南アフリカ政府は、製薬企業カルテルとの戦いに歴史的な勝利を収めたわけです。その間にも、数多くの国が南アフリカ政府の例にならい、普及の障害となる特許使用料を支払うことなく独自に薬を生産し始めました。


先ほどエイズの話が出ましたが、そのようなエイズ薬に代わる自然療法は存在するのでしょうか?


自然療法によってすべてのウィルスを部分的または全面的に阻止できることは、科学的な事実です。アスコルビン酸(ビタミンC)はウィルスの増殖(複製)を抑制します。1990年、有力な学術誌Proceedings of the National Academy of Science USAに掲載された報告によると、摂取可能用量のビタミンCを毎日摂れば、99.9%以上のHIVウィルスの複製を阻止できるとされています。Proceedings of the National Academy of Sciences USAは世界でも有数の発行部数を誇る学術誌です。つまり、この10年間にわたり、製薬産業も、WHOも、医学界の重鎮も、製薬に代わる特許対象外の自然療法が存在する事実を知っていたのです。それどころか、この自然療法は、エイズの抑制においては現在利用可能ないかなる薬物療法よりも効果的なアプローチと言えます。

ウィルスの増殖を阻止するのに決定的な役割を果たす二つ目の物質は、アミノ酸リシンです。ウィルスはすべて、酵素(コラゲナーゼ)の助けをかりて周囲の組織(コラーゲン)を消化しながら増殖するため、この酵素を無効化すれば、ウィルスの繁殖を抑制もしくは阻止できるわけです。実際に、自然のアミノ酸リシンとプロリンはこの効果を実証しています。さらにビタミンAやその他の必須栄養素は免疫系の働きを高め、エイズの予防と治療に効果を発揮することが確認されています。

私たちも当財団のウェブサイトでこうした研究の記録を公表しており、サイトにアクセスした人は誰でもすぐに、その結果を活用したり、命を救うメッセージを広めたりできるようにしています。患者さんであれ、保健医療関係者であれ、医療問題に取り組む政治家であれ、誰でもこの情報を利用できます。


あなたは国連のエイズ・プログラムが製薬産業を利するプログラムだと考えていらっしゃいますが、それはなぜですか?


国連が実施しているプログラムの大半は製薬産業の利益集団が支配下においています。国連のエイズ・プログラムも、その例外ではありません。まず理解すべきは、製薬産業にとって発展途上国のみならず先進工業国においても、業界の信用をめぐる戦いが始まったということです。世界の中では、特許使用料を支払う必要がなく、エイズ薬の何分の1かのコストで利用でき、エイズ薬よりも効果的な自然療法が存在する事実に気付いた国が、その数を増しています。こうした政府の多くは、製薬産業が営む「疾病ビジネス」の非倫理的な性格と詐欺まがいの事業計画に気が付き、自国の保健医療政策を自然療法的アプローチに基づいて見直そうと考えるようになりました。

いずれかの国が製薬産業の疾病ビジネスから決別しようと考えているとしたら、その決断は製薬投資産業にとって自らの棺おけに打ち込まれるクギのような存在であると言えるでしょう。それは、同国における製薬産業の収益が何分の1かに減ることを意味するのみならず、それよりはるかに重要な結果も示唆しています。すなわち、製薬産業の疾病ビジネスに背を向ける国はすべて、製薬産業の投資家グループが1世紀にわたって維持・推進してきた詐欺まがいビジネスに対して世界の目を開かせる役割を果たしているのです。

その結果、製薬企業カルテルのくびきから解放される国がいっそう増えるとしたら、それはこの業界にとって壊滅的な損害となります。世界の中で、ビタミンCなど特許対象外の自然療法を自国民に最適量摂取させればエイズという伝染病を抑止できる事実に気付く国が増えていった場合、どんな事態が起きるか想像してみて下さい。製薬産業がこうした自然物質についての生命に関わる情報を、意図的に隠匿していた事実に気付いた時の人々の反応を想像してみて下さい。

私たちが今、目撃しているのはまさに、こうした地球規模での製薬企業からの決別の動きなのです。ヨルダン、アラブ首長国連邦、ナイジェリア、南アフリカ、アンゴラ、マラウィといったアフリカ諸国の政府、そして、中華人民共和国が、自然療法に基づく保健医療政策に乗り出す決定を下しました。今、製薬投資産業が直面しているのは「ドミノ倒し」といった生やさしいものではありません。これは製薬産業が営む国際的な「疾病ビジネス」という「ベルリンの壁」が崩壊している状況と言えるでしょう。

エイズによる被害が最も深刻な国々とその国民を救うために、国連およびその所属機関は自然健康法に基づくこの画期的な新療法を採用し、できるかぎり早期に世界中の人々がこの知識と療法を活用できるようにする必要があります。


あなたは製薬産業という強力な利益集団を糾弾しておられますが、敵も多いのではないでしょうか?


私が2度のノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士からその志を引き継いで以来、その種の圧力は常にありました。私自身、そもそもの初めから、循環器系疾患と壊血病との関連性の解明だけでも、数兆ドルの製薬マーケットを永久に葬り去るに足る情報であるという認識を持っていました。ですから、この欺瞞に満ちた非倫理的な産業のくびきから人類を解放するために私がこの戦いを始めたのは、十分に考えたあげくの決断なのです。

思い返せばいくつかの貴重な教訓もありました。たった一人の科学者である私が、世界最大の投資産業を倒すなどという人類の行く末を大きく左右する事業を達成しようとする場合、それは私の力だけでできるものではありません。私が他の数名の人々とともに、この20世紀最大の投資産業を機能停止に追い込むきっかけを作ることができたのは、この業界の本質が偽りであったからです。この産業は人々に「健康」を約束しながら、その実、ますます多く疾病を売りつけているのですから。

この詐欺行為がいったん暴露されれば、もはや機能停止から逃れる道はありませんでした。つまり、私は長年にわたり製薬業界と対決し、その詐欺まがいのビジネスと何百万人もの生命を危機にさらしている事実を公然と糾弾してきたのですが、業界側はこれに対して決して公に反撃しようとはしませんでした。それどころか、私の学問上の発見に対して公開質問すら行いませんでした。

その代わり、製薬産業お抱えの医学界のオピニオンリーダーやマスコミの一部は、私の人間的信用を失墜させようとしました。しかし、それは正しいことをするために立ち上がった人間なら誰しも出会う運命なのです。私は、若者や未来の世代に属する人々がこの経験に学び、自分の番が回ってきた時には、正しいと考えることのために立ち上がる勇気を持ってほしいと願っています。

私自身の身の安全について、「自分の命は心配でないのか」とよく聞かれます。製薬産業のビジネスのやり方では人の命が大切にされていないという事実や、最近出たジョン・ル・カレの小説「ザ・コンスタント・ガーデナー」を引き合いに出す人もいます。ル・カレ自身、あとがきの中で、この作品を執筆中「製薬業界の現実の姿に比べれば、自分の書く小説はまるで休暇先から受け取る絵ハガキみたいなものだという気がしてきた。」と述べています。

もし、あなた自身が、私のように今後何世代にもわたりこの地上に生きる多くの人々の生命に影響を及ぼせる立場にあるのならば、あなたは正しい決断を下すべきです。あらゆる場所ではっきりと真実を口に出すことこそ、あなたに敵対する利益集団から自分の身を守る最善の方策となります。世界各国で私たちの財団が出している一連の公開状も、まさにこのプロセスの一環なのです。


あなたの国際的な情報キャンペーン「戦争ではなく健康を」の目的は何だったのでしょうか?


この国際的な危機が始まった時から、世界の人々はブッシュ政権が喧伝する「対テロ戦争」なるものには懐疑的でした。この戦争に対する抗議集会が行われた場所なら世界中どこでも、この戦争の背後にある本当の思惑は「石油」であると述べたポスターが見られました。しかし、本当にその目的が石油だけだとしたら、世界中で集団ヒステリー状況を作り出さなくても良いし、米国社会を準軍事国家に改変する必要はないわけです。さらに、6万7000人の職員が総出で自国民をスパイするような「ビッグブラザー(=CIA)」を作る必要もないわけです。しかし、今はこうしたことすべてが「国土治安」という口実のもとに行われています。これは、彼らが自国の中で起きつつある何ごとかを恐れており、自国民すべてが彼らの経済的利得や政治的ルールを脅かす可能性を持っていると考える場合にのみ、納得のいく事態ではないでしょうか。

この間の事情はもう公開状でも説明しましたが、ここでもう一度述べてみたいと思います。まず今回の危機や対イラク戦争から、あるいは第三次世界大戦が起こるとすれば、その戦争から最大の恩恵をこうむるのは製薬業界なのです。2001年8月に世界中で起こった訴訟に悩まされていた製薬業界は、9月11日の悲劇で最大の利益を得たグループです。この業界の背後に存在する投資家グループは、当時、その詐欺まがいビジネスの信用が粉砕されるのを防ごうと最後のあがきを続けていましたが、その投資全体はいまにも機能停止に陥りかけていました。

ここでは、もし誰かが詐欺的やり口によって世界最大の投資ビジネスを構築している場合に、その欺瞞が暴露されたとしたら、その社会の中で影響をまぬがれる産業部門は存在しないという点を理解しておく必要があります。そして、ロックフェラー・グループが直面したのは、まさにこの状況だったわけです。これが複数の多国籍製薬企業の経営者であったドナルド・ラムズフェルドが、基本的にどこでどの位の期間爆弾を落とすかを決める役職である国防長官に任命された理由です。これはまた、明確な戦争計画に支配された2002年11月の中間選挙も含め、ジョージ・ブッシュの選挙運動に製薬業界が単独で最大規模の献金を行っている理由でもあります。

これらの利益集団が、自らの機能停止を目前にして、人類全体をその道連れにしようと考えていることは確かです。500年前にもこれに似た状況が起こり、これが契機となってヨーロッパは中世から近代へと移行しました。当時の為政者らは、その没落を目前にして、自らの領民に対する戦争を始めました。この「30年戦争(1618−1648年)」で、ヨーロッパの3分の1が破壊され、何千万人もの生命が失われました。


現在の状況に似ているという、その中世に終止符を打った歴史的事件について、もう少し詳しく説明していただけますか?


400年前、ヨーロッパでは何百万人という一般民衆が、印刷機の普及やラテン語から日常口語体に翻訳された本を通じて読み書きできるようになりました。この「文盲状態からの解放」により、ヨーロッパの中世は終わり、今では「近代」という言葉で知られている時代が始まりました。いかなる権力も、戦争も、専制も、一般民衆に読み書きの権利、知識を持つ権利、尊厳ある生活を送る権利を放棄させることはできませんでした。

同じように今日の世界においても、いかなる戦争や独裁といえども、人類が製薬企業カルテルのくびきから解放されるのを妨げることはできません。このような企業の利益のために、すでにあまりに多くの生命がいたずらに失われ、あまりに多くの経済が破綻に陥りました。いまや世界の人々は、こうした事態がなぜ起こるのかを理解しつつあり、自然に基づく健康法を享受する権利のために今後も戦っていこうと考えています。

私たちの「戦争ではなく健康を」というキャンペーンでは、今回の戦争とすでに前CIA長官のジェームズ・ウールジーによって公にされた今後起こる「世界大戦」の背後にいる製薬産業の関与について、あらためて指摘しました。また、このキャンペーンは、こうした製薬企業の企てが実現しないように行動を呼びかけるアピールでもありました。世界のどこでも、誰でも、自然療法の分野で出てきたこの画期的新療法をただちに利用できるのです。この自然健康法を利用する家庭、診療所、医療制度はいかなるものであれ、製薬産業の利益集団から次の戦争に投資する財源を剥奪する役割を果たすことなります。

世界の人々は今、自らの経済的利得のために疾病を意図的に存続させ、何百万人もの命を奪っている利益集団とまったく同じグループが、人類を第三次世界大戦へと引きずっていこうとしているという現実に目覚めつつあります。世界の人々はさらに、この保健医療部門こそ、私たちの世界をより健康的で平和な世界に変えていくために最大の戦略拠点になりうるという事実にも気付きつつあります。この図式はいたって簡単です。かたや疾病と戦争によって今後も利益を得たいと考えている一握りの投資家がおり、その一方で、疾病も戦争もない世界を望む60億人の人々がいるのです。この戦いの結果は目に見えています。もちろん勝利を収めるのは私たち一般市民ですが、それにはまず、より多くの人々が団結しなければなりません。


あなたの「戦争ではなく健康を」というキャンペーンに資金を提供しているのは誰ですか?


このキャンペーンは、これまでに自然健康法を実行して改善を見た方々からの資金援助で可能となりました。私たちの研究施設では、心臓疾患、心不全、高血圧、糖尿病性血行障害、ガン、骨粗鬆症など様々な疾患を持つ人々が、ビタミンや細胞医学の分野での画期的治療法を実行して病状の改善を図れるように、様々な情報や自然健康プログラムを提供しています。世界5大陸の何十万という人々がすでに、この画期的治療の恩恵をこうむっています。その健康面でのメリットは、多くの場合、彼らが以前に試みたどんな薬物療法のメリットよりも大きいのです。

その結果、彼らは単に自分がその自然健康法の恩恵を受けるだけでなく、この健康情報を世界中に広めて、まだこの治療法のことを知らない人々を救いたいと考えるようになるようです。ですから多くの場合、このキャンペーンに対する支援は、自分が良いと信ずる療法を実行し、自分自身の生命と身体のために戦って実際に改善を経験した人々から来ています。そうでなければ、このような世界規模の情報キャンペーンは実現しなかったでしょう。


あなたの「戦争ではなく健康を」のキャンペーンが達成した最も重要な事柄は何ですか?


このキャンペーンでは製薬産業が今回の国際的危機と戦争をあおった扇動者であり、主要な企業後援者であるという事実を公にしましたが、その結果、国際社会はこの戦争にいかなる正当性も承認も与えなかったわけですから、その点で私たちの貢献は大きかったと思います。いったん世界の人々が団結すれば、この戦争を始めた張本人たちは生涯にわたり国際社会の法廷で罪を追求される可能性もあるのです。

私がNew York Times紙の紙面に公開状を発表したのは意図的な選択でした。New York Timesは国連ビルが所在する都市で発行されています。この国連のある都市に、今年の2月と3月ほど政治家、各国首脳、政府代表者が数多く集まったことは未だかつてなかったはずです。ですから、私の公開状に含まれていた情報と、製薬産業が主要な企業後援者であるという事実の開示は、実質的に世界のあらゆる国々にまで達したと思われます。それのみならず、国連安保理事会のメンバーであるチリ・パキスタン・カメルーンなど超大国以外の国の新聞、そして、トルコといった国の新聞も、自国の新聞に私の公開状を掲載しました。こうした比較的小さな国々で、数多くの市民がこの戦争の企業後援者について注意を喚起され情報を得たことが、結果的にこれらの国々の政府がアメリカやイギリスの凄まじい政治的圧力と賄賂攻勢にも屈せず抵抗し通した大きな要因になりえたのです。

アメリカとイギリスは世界の二大薬品輸出国です。世界で売られている錠剤の総売上げのうち、3分の2はこのどちらかの国に吸い上げられています。そして、企業に依存し、腐敗した政治家たちをホワイトハウスやダウニングストリートに送り込むために使われている資金であり、中近東の戦争や、すでに公表されている「世界大戦」の資金となるのは、まさにそこから上がる収益なのです。

私たちが達成できた第二の目標は、この対イラク戦争が核戦争や生物兵器・化学兵器による大量殺戮につながらなかったことです。この戦争の背後にある利害の暴露によって、いったん大量破壊兵器による戦争が起きれば、それは自動的に「世界各国で戒厳令と市民的権利の放棄の状態を作り出して企業による独占を確保する」という戦略目標を製薬産業に達成させてしまう結果を招くことが明白となったのです。

製薬産業が今後生き残れるかどうかは、今までも今後も、戦場で大量破壊兵器による戦争が起きるかどうか、あるいは国内でごく早い時期に数度に及ぶテロ攻撃があるかどうかにかかっています。実際毎日、毎週、この種の出来事が起きないと、製薬産業は世界各国に箝口令を強い、それによって国際的な「疾病市場」での自らの独占を確保することができないのです。私たちはこのような企てを世界中に知らしめることで、今までのところは製薬産業の投資グループがその目標を達するのを妨げてきました。

ちなみに、こうした公開状の発表にまつわる経緯は、まるでスパイ小説やコロンボ刑事物のエピソードのようです。被疑者が罪を犯したかどうか確信できない時、コロンボ刑事は一定の証拠を手にして被疑者と直接対決し、被疑者の反応を確かめます。私が公開状を発表したのは、そのような意図もあってのことでした。私の場合、自分の考えは正しいと分かっていましたが、もし本当にそうなら、「犯人たち」は何らかの行動を起こすはずでした。

そして実際にその通りの反応があったのです。9月11日の悲劇と今回の戦争の背後にひそむ最大の企業後援者は製薬産業であることが暴露されてからわずか24時間後(1日後)、9月11日事件の「首謀者」なるものが姿を現して世界の人々を唖然とさせました。何ヶ国もの軍隊が1年半にわたりヒンズークシ山脈を9月11日事件の「首謀者」を求めて探し回ったあげく、この人物はパキスタンのアパートで安穏に眠っているところをいきなり発見され、逮捕されたのです。その週を通じて、アメリカの大手メディアはこの「捕り物劇」に沸き返っていました。これは明らかにメディアぐるみで国民の気を逸らせる作戦でした。しかしアメリカ以外の国では、このメディアぐるみのスタントプレーを本気にする人はほとんどいませんでした。「戦争支援国」のメディアも含め、国際的なジャーナリズムはすでに隠された行動計画の存在を嗅ぎつけていたのです。イギリスのThe Independent紙は、この首領が突然逮捕された事件について「なんと都合の良い発見」と書いています。

それにも増して意味深長であったのは、米国議会と米国司法機関の反応でした。そもそもアメリカでも知的な人々の多くは、9月11日のテロ攻撃の背後に、隠された行動計画が存在したのではないかと疑っていました。こうした人々は、FBIが出した攻撃に対する正確な警告が無視されていた点や、FBIの上司がこの攻撃の警告者に沈黙を強いていた点に疑惑の目を向けました。しかし、それ以上に怪しく思われたのは、世界貿易センター被害者の遺族が訴えていた事件の背景に関する公的な真相究明の要請が、1年以上にわたり拒まれていたという事実です。この調査を阻んでいた張本人は、ホワイトハウスとブッシュ大統領本人にほかなりません。被害者の遺族らは、ひたすら真実が知りたかったのです。もし、このテロ攻撃が本当に「テロリスト」の所業であるとしたら、どんな政府でもただちに総力をあげて真実を突き止めようとしたはずです。それが遺族のためのみならず、一般市民のためでもあるのですから。そこで遺族らは、「公の真相究明を阻んで、ブッシュ政権はいったい何を隠そうとしているのか?」と自問したわけです。

こうした疑念は当然ながら私の公開状によっても膨らんでいきました。この公開状では、すでに70年さかのぼった過去にこれと同じ事件が起きていた点に言及しており、米国の議員、司法界、一般市民に衝撃を与えました。1933年2月28日、ドイツの国会議事堂が放火されました。そして、この事件もまたただちにすべての市民的権利の廃止と治安法(国土治安法)施行の口実として利用されました。結局こうした措置は、その後の企業と政治家による独裁と第二次世界大戦の開戦への法的基礎固めとなったのでした。

今日では、このドイツ国会議事堂(「ライヒスターク」)の放火は、ドイツ社会を自らの征服戦争(第二次世界大戦)に引き込もうとする利益集団が前もって慎重に計画した襲撃であることが、歴史的事実となっています。このとき施行された大半の市民的権利を剥奪する法律が、事前に準備されていたことも事実です。それから70年経った今、アメリカの政界と一般市民は、これと同じ目隠しが自分の眼前にあることを知りました。そして、この計画を立案したグループは、その呼び方を変える手間すら省きました。70年前、市民的権利を廃止する法的下地となった法律は「国土および国家治安法」と呼ばれましたが、この9月11日事件を利用しているグループはこの新法を「国土治安法」と呼んでいます。ここには驚くべき類縁性があります。この法の「立案者」は、世界の人々が70年前の事件に照らして今回の計画の背後に何が潜んでいるか見抜くことすらできないと、本気で考えていたのでしょうか?

議員、政界、司法界から抗議が殺到しました。彼らがブッシュ政権を支持したのは、ひとえに「対テロ戦争」という大義を信じていたからでした。それが今となって、現在ホワイトハウスを動かしているグループにより実現しつつある、隠された行動計画があることを知ったのです。それのみならず、アメリカの政界・司法界は、自分の選挙民である一般市民も同様にこのNew York Times紙を読んでおり、いずれ彼らからは答えられない質問を浴びせられることになるだろうと気付いたのです。

ホワイトハウスと米国司法省の電話は鳴りやみませんでした。怯えあがった政治家や立法者は、「自分は決してロックフェラー・グループの『クーデター』には関与しないし、ホワイトハウスにおける彼らの傀儡政治家にもならない。」と言明しました。

これに対する対処は迅速でした。驚くべきことに、この4日後にいわゆる第2パトリオット法がジョン・アシュクロフト米司法長官によって公表されました。そこでアメリカの一般市民は、「現行の対テロ法は不完全であるから修正が必要である」と知らされ、唖然としたのです。結局のところ、「ブッシュ政権が発する法令の執行においては、米国の司法関係者の責任はすべて免除される。」というのがこの修正の骨子でした。

つまり、ペンの一撃をくらったブッシュ、アシュクロフトをはじめとする製薬企業カルテルの政治的傀儡らは、彼らの非倫理的な法と戦争犯罪を支援する人間に対しては誰であれ、その責任を免除してやったのです。9月11日事件の背景と今回の国際的危機の真の目的についてまだ疑問の余地があったにしても、私の公開状に含まれる情報に対してブッシュ政権が示したこの反応を見れば、世界中の知性ある人々の目を開かせるには十分であったと思います。


米国の一般市民やニューヨーク市民からの反響は何かありましたか?


世界中から反響がありました。主要大学、政府機関、医師、そして当然ながら大勢の患者さんや一般市民の方からの声が寄せられました。最も多かったのは、製薬産業の生き残りを賭けた闘争と今回の国際的危機の関連性に目を開かせてくれたことに対する感謝の言葉でした。自然健康法や、製薬産業の疾病ビジネスの背景について、もっと詳しい情報がほしいという問い合わせも数多く寄せられました。

とくに注目されたのは、私たちの政府がもはや米国民の大多数の利益を代表していないことを認識したという意見が、アメリカ国内から多数寄せられたことです。こうした人々は、現在の政府は主にロックフェラー系の石油化学産業および製薬産業をめぐる一握りの企業家の利益に奉仕していることに気付いたと述べています。もし自分がニューヨーク市に住んでいて、「9月11日の事件について一般に伝わっている話はどこか変だ。」とかねがね考えている時に、誰かが「なぜ政府は公の真相究明を阻止しているのか」という理由を説明してくれたとしたら、きっとありがたいと思うはずです。

私自身、もはやニューヨーク市民だけでなく世界中の人々が、9月11日の事件の背景にあった真実を知っても良いころだと考えています。以来、この事件を口実として今度は国際政治の場で同様のスタントプレーが繰り返し試みられ、幻のテロリストに対し聖戦を挑むように世界中が無理強いされているのですから、なおさらです。「あなたは本気で、ブッシュとその取り巻きが9月11日の事件で3000人をわざと死なせたと考えているのか?」と聞かれることもあります。私の答えはいたって簡単です。つまり「3000人というのは、10日あたり(!)に製薬品の既知の致命的副作用で死亡する人数と大体同じだ。」というのが私の答えです。

ホワイトハウスはこの事件の調査を阻止する一方で、世界戦争を始める口実としてこれを常に利用し続けているのですから、この問題はもうアメリカ一国の問題ではありません。国連はこの事件に対する独自の調査を要求・主導すべきです。ニューヨーク市は国連の本拠地であるのみならず、この1年半に世界政治の場で行われてきた話し合いや討論全体にこの事件の影響は及んでいるわけですから、これは正当な要求と言えます。今こそ世界中の人々と政府が立ち上がり、9月11日の事件の背景について疑念を晴らすべき時です。そしてアメリカ政府もその国際的な真相究明に協力した方が賢明でしょう。そうしなければ、いずれ政府の信用は失墜してしまいます。


あなたは9月11日のテロ事件がもとで、アメリカは独裁国家に変貌するとお考えですか?


アメリカはもう独裁国家に変貌しています。私が言っているのは、一人の人間による独裁や一党独裁の話ではありません。私は、自らの国際的利得を確保するために現政権を傀儡として利用している一握りの財界利益集団による独裁のことを指しているのです。今年の1月にはすでに、ラルフ・ネーダー、女優のスーザン・サランドン、環境保護団体グリーンピースの代表者を含む事態を懸念する市民のグループが、New York Times紙に「ビッグブラザーはやって来ない─もうここにいるのだ」という見出しの全面広告を出しました。ここで使われている「ビッグブラザー」という言葉は、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」に出てくる言葉です。この小説の中でオーウェルが描いたのは、特定の小利益集団によって管理され、操作され、搾取されている社会であり、その社会では個々人の私生活のあらゆる側面がこの集団の監視を受けています。実際、今日のアメリカ合衆国を見ると、そんな社会が現実と化している部分も多いようです。裁判所命令がなくとも個人の銀行口座をチェックでき、Eメールを読むことができ、通話内容を録音でき、手紙を開封でき、家宅捜査ができ、その他さまざまな市民的権利を侵害することができるのです。このような呆れはてる法律が、9月11日事件のあと、「対テロ戦争」の口実のもとで段階的に正当化されてきました。

現ブッシュ政権がアメリカ市民から剥奪しようとしている最も基本的な人権の一つが、自然健康法に関する情報を見る権利です。この市民的権利は1994年8月に「栄養補助食品健康教育法」が全会一致で議会を通過して以来、法律で保証されています。自然健康法や疾病の自然的手段による防止・治療法に関する情報へのアクセス制限は、平時のアメリカ市民であれば決して認めるはずのない聖域です。健康改善のために微量栄養素を毎日摂取している人は、アメリカ国民の50%以上を占めています。この権利を剥奪する唯一の方法は、「戒厳令」的状況に紛れてこの制約を押しつけることです。

そして、これがまさにブッシュ政権が中東和平を求めない、それどころか、その反対の道を突き進んでいる理由でもあります。彼らは対イラク戦争後のイラクを踏み台に国際的危機をエスカレートさせ、大量破壊兵器の使用をも含む今後の戦争へとつなげようとしています。これほど激しい地球規模の恐怖が存在しなければ、彼らがその目標を達することはできないのです。

アメリカの人々そして世界の人々は、警戒おこたりなく製薬企業カルテルとその政治家らが仕掛ける複雑な戦術やトリックを見抜き、「対テロ戦争」なる仮面の下に押し隠している彼らの本当の目的が何であるかを見極める必要があります。


あなたは大量破壊兵器を使用する戦争が製薬企業カルテルに利益をもたらすと言われましたが、その点についてもう少し詳しく説明していただけますか?


ニューヨークの2つのビルが破壊され3000人の人命が失われた事件を口実として利用し、一つの国家全体を恐慌状態に陥れ、どんな市民的権利でも剥奪することができた事実を考えれば、おのずと結論は見えてくるはずです。製薬企業カルテルの利害はグローバルな性格を持っています。このカルテルの支配のメカニズムから一つの大陸、あるいは、わずか数ヶ国の国ですら逃れることは許されません。

たとえば、南米の数ヶ国で製薬品よりも効果のすぐれた自然療法が報告されたとします。そうなると、製薬企業の詐欺まがいビジネスが世界中で築き上げてきた独占権は破壊されてしまうでしょう。このインターネットや世界規模でのリアルタイムのコミュニケーションが可能となった時代において、世界のどこかで自然療法により疾病が根治できたというニュースは、瞬時にして世界各地に伝わるのです。したがって、製薬企業カルテルがその戦略の中で押し通そうとしている対抗措置は、やはりグローバルな性格をもった措置である必要があります。

そこで製薬企業カルテルが計画したのは、9月11日の事件が引き起こした心理的恐怖を、世界規模で何倍にも増幅するというやり方です。これを実現する最高の方法が大量破壊兵器を用いた戦争です。そして、このような戦争を誘発する最高の方法が、この種の大量破壊兵器を持っており、危急の際にはその兵器を使用するであろうと思われている国々で戦争を始めることだったのです。その戦場で大量破壊兵器が使用されたり、その戦争の残酷さに挑発された人間が、復讐のためにロンドンやニューヨークの地下鉄で大量破壊兵器を使用したとしたら、製薬企業カルテルにとっては世界規模で戒厳令の実施を要求できる格好の大義名分ができるわけです。これはさらに、現在アメリカで出来上がりつつある「ビッグブラザー」的体制を世界全土に広げようとする国際的雰囲気が醸成されることも意味しています。

しかし、私が公開状とこのインタビューで彼らの計画を暴露しているため、この戦略は基本的に反古になってしまい、今ではそれに代わる新しい計画が策定されています。対イラク戦争の戦略家が「カルテルが好ましいと考える計画が実現しそうにない」と悟った時期、つまり「大量破壊兵器を使用した戦争を引き起こすことはできない」と悟った時期から1週間も経たないうちに、SARSという新たな流行性疾患が世界的な恐怖の種となったのは、決して偶然の一致ではありません。

SARSをめぐってマスメディアがかき立てている世界的なヒステリー状態は、この疾患が持つ本当の危険度とは全く関係ありません。SARSは他のウィルス性疾患と同じ単なるウィルス性疾患です。したがって適量のアスコルビン酸(ビタミンC)やその他の自然物質を摂取すれば、おおむね予防・抑制が可能です。しかし、この種の物質は特許対象外であるため、奨励されてはいません。むしろ大いに報道されているのは、この謎の伝染病が世界に及ぼす脅威であり、この恐怖はひたすらカルテルにとって有利な材料となっています。つまり、この事態は人々を再び製薬産業への依存へと引き戻し、特別措置法の施行も(少なくとも一定は)押し通すことができるような環境作りに役立つからです。

SARSを怖がる必要はありません。SARSの病因は、すでに昔から知られているコロナウィルスです。他のウィルス疾患の場合と同じように、免疫システムを強化する何種類かのビタミン類とともに1日あたりビタミンCの粉末を茶サジ2杯摂取することが、SARSの好ましい管理方法です。アスコルビン酸(ビタミンC)は、現在知られている最も攻撃的なHIV/エイズ・ウィルスのようなウィルスでも99%以上ブロックできる物質として知られており、SARSに関しても効果的な抑制手段となります。

特定の利益集団にのみ有利な材料となる謎の疾患の恐怖をかき立てる代わりに、保健医療に取り組む政治家、医療専門家、一般の人々は、今すぐにでも利用できるこのSARSやその他の健康障害の自然治療法について、一般に伝え広めるべきだと思います。


あなたの公開状の1通では、ジョージ・ブッシュとその政権の背後にひそむ主要組織として、ロックフェラー・グループと同グループが資金供与している三極委員会の名が挙がっていました。この三極委員会とは何でしょうか? また、これはどの情報源から分かったことですか?


ジョージ・ブッシュが選挙で選ばれる2年前の1998年9月13日、New York Times紙は、「もう一人のブッシュの役割とは?」というタイトルの長い特集記事を掲載しました。これはブッシュ王朝とロックフェラー・グループ、石油化学業界、その国内外の協力者との関わりについて述べた記事でした。この記事では、息子の方のジョージ・ブッシュとともに「ロックフェラーが資金供与している三極委員会」も再びホワイトハウス入りするだろうという予測が述べられていました。さらに同記事では、レーガン政権時代に副大統領を務め、第1回目のイラク戦争当時に大統領であった父親の方のジョージ・ブッシュが、三極委員会のメンバーであった事実も指摘しています。


三極委員会はどんな背景を持っているのですか?


ロックフェラー財閥は、20世紀の前半、その支配力を石油化学産業から製薬産業にまで拡大しました。それに伴い管理・再投資すべき資本もますます増えたため、国内のロックフェラー・グループの規模では世界的な投資組織のニーズに充分対応できないことも明らかになりました。そこで1972年、ロックフェラー・グループは自らの利益を世界規模で調整するために、一握りの人々からなる非公式なグループを設立する決定を下しました。

この組織の3つの拠点は、この時代の経済における3つの中心、つまりアメリカ合衆国、ヨーロッパ、日本です。「三極委員会」という名称はここから来ているわけです。この委員会の初代会長であり、今にいたるまで名誉会長の座にいるのはデビッド・ロックフェラー自身です。このグループは「招待でのみ入会できる」銀行家、企業トップ、「世界のリーダー」といったメンバーで構成されています。この会合は非公開で行われていますが、その一方でちゃんと公式ウェブサイトwww.trilateral.orgを持っているのが興味深いところです。このウェブサイトでは、同グループのメンバーのリストも掲載されており、まるで「大口融資先名士録」さながらです。

このような組織が何の目的もなく設立されるわけがありません。この三極委員会の目標は、本質的にこの地球を石油化学/製薬企業カルテルの支配下におく「新世界秩序」を構築することです。委員会はこの事実をなんら秘密にはしていませんし、リチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツ、ドナルド・ラムズフェルドなど、現在ブッシュ政権やペンタゴン周辺で見かける委員会の「懐刀たち」もこの理念について言及しています。1足す1が2だと理解するのに、歴史や政治科学の学位は必要ありません。1998年のNew York Times紙面で表明された懸念は現実のものとなり、ブッシュ政権の到来とともに、「ロックフェラーが資金供与している三極委員会」は世界で最も強力な政治的・軍事的中心であるホワイトハウスとペンタゴンに入り込みました。三極委員会の政治的傀儡らがこの機会をとらえて、「新世界秩序の構築」という目標を精力的かつ非倫理的に達成しようとすることは、疑う余地もありません。

これを疑わしく思う人は、現政権が2000年の選挙結果を自らの都合にあわせて歪めた時、どんな力が働いていたか思い出してみると良いでしょう。こうしたやり方で現政権は、ロックフェラー・グループの唱える「新世界秩序」という目標の実現に妥協なく邁進する「タカ派」の人材で、政権の戦略的要職を埋めていったのです。私自身、New York Times紙面に発表した1通目の公開状では、世界戦争追求の背後に見られるロックフェラーの関与について述べておくことが必要かつ重要であると考えました。ロックフェラーの「懐刀」の一人リチャード・パールの命運は、私がこの公開状で三極委員会の実態を公にしてからわずか数日のうちに尽きました。その後パールは、ある口実を設けてペンタゴンの職を辞任する羽目になったのです。

このグループの関与を明らかにし、世界の人々の目にさらすようにしなければ、歴史の流れやこの地球の将来は実際に変わらないし、変わる可能性もないことは言うまでもありません。疾病の存続と第三世界での戦争から儲けを得ているこの利益集団には、名前と顔があります。世界の人々は、その名前と顔を知っておくべきです。ですから、私たちの財団のウェブサイトでは、三極委員会に関する公開情報から収集した人名をリストアップしています。

ここに見られる人物は今や世界中にその名を知られています。彼らがロックフェラーの三極委員会に属する限りは、ロックフェラー・カルテルの名のもとで行われる所業に対して責任があるわけです。したがって、彼らはブッシュ政権が現在行っているすべてに対して責任を取るべきだと言えます。ブッシュ政権が国際法に違反して戦争を始めた今となっては、この利益集団にも戦争犯罪の責任を負わせるべきです。ブッシュ政権が犯した大量殺戮、戦争犯罪、搾取、略奪といった犯罪やその他すべての非合法行為に対する告発は、この「ジョージ・ブッシュを大統領にした集団」に対しても行われるべきです。そして、彼らはこのことを認識すべきでしょう。

今年の3月、オランダのデン・ハーグに国際刑事裁判所(http://www.icccpi.int/index.php)が設立されたばかりです。ブッシュ政権がこの裁判所の設立に猛烈に反対していたのも驚くにはあたりません。彼らは自らが真っ先にこの法廷に引き出される人間になり、世界の人々からその行為に対する吟味を受け、処罰されることになりかねないと分かっていました。1947年のニュルンベルク戦争裁判では、第二次世界大戦の勃発をうながした産業界トップ、つまり石油化学/製薬企業カルテルであるI.G.ファルベンの経営陣が、やはり戦争犯罪によって刑を宣告されています。

世界中の人々が一致協力して対イラク戦争やその後の戦争に対する責任を告発しようという時に、ロックフェラーの資金供与でできた三極委員会のメンバーは、いったいどうして刑の宣告を免れられると思うのでしょうか? こうした経営陣の短慮さ加減には驚かされます。コミュニケーションの透明性が確保された今の時代に、この種の情報が世界中に広まって責任追及を受けるのを防ごうとすれば、本当に全世界で戒厳令を発動させる以外に方法はないでしょう。ただ一つ残るのは「この裁判がいつ行われるか」という問題です。


ロックフェラーの名前は、あまり公の議論には登場しませんね。その関係者がそれほど影響力のある人物だとすれば、私たちがその名前を世間であまり見聞きしないのはなぜでしょうか?


世界のある地域では支配者の姿は目に見え、その写真がそこここに飾られて、国民から崇敬を受けています。しかし世界最強の力を持つ彼らは、それとは違ったやり方を選びました。ひそかに権力をふるい、一般大衆の目に触れまいとしているのです。ロックフェラー・グループは大小あわせて200を超える製薬企業を支配下においていますが、その事実を公の場で論ずる人はいません。ロックフェラー・グループは、チェイス・マンハッタン銀行を含む世界有数の影響力を持つ複数金融機関の背後にも控えています。ロックフェラー・グループは当然ながらエクソン・グループなどの多国籍石油化学企業も所有しています。エクソンの毎年の歳入だけで、地球上の半数の国家を合わせた国民総生産(GNP)総計を超える額となります。

ロックフェラー・グループはさらに、タイムズ・ワーナー、CNN、新聞・ラジオ・テレビの全ネットワークをふくむメディア全体をも支配下においています。したがって、彼らがアメリカ国民の世論を操作して、悪意のない多くの人々に国際法に違反した戦争という非合法的行為を支援させることができたとしても、驚くべきことではありません。それでも疑念を持つ人に対しては、金銭で買われた「世論調査」によってさらなる操作が行われます。世論調査の結果については、New York Times紙やその他のメディアにおいて、明確な形で疑問が投げかけられています。

アメリカにおけるロックフェラー・グループに相当するイギリスの利益集団は、この製薬品輸出第2位の国の製薬業界への投資を支配するロスチャイルド・グループです。


あなたは、デン・ハーグの国際刑事裁判所でジョージ・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルドらを告発すべきだと世界各国の政府に提案なさっているのですか?


まさにその通りです! 国際社会は長らく国際法違反を告発するための裁判所づくりに努力してきました。そして、この裁判所では特に、国際的な承認なしに開始・遂行された戦争に対する犯罪の告発も行われます。もし、ここで彼らを告発しないとしたら、イラクに対する戦争を始め、これからも他国に紛争を引き起こそうとしている人々に裁きを受けさせるのは、いつになることでしょうか? もし彼らを今止めなければ、彼らは今後も世界中を苦しめ、人々の命を奪い、自らの破滅とともに地球も滅ぼそうとするでしょう。繰り返しますが、世界最大の投資産業である製薬産業の命運は尽きていることを理解すべきでしょう。いずれ消え去る運命です。問題は、それがいつになるかです。次に、この非倫理的な疾病ビジネスを営み、何百万という人々の死をいたずらに早めた事実を正当化してきた責めを負う人間の命運も、間違いなくそのビジネスとともに尽きています。こんな彼らが、自分から進んで心を入れ替えると思いますか?

世界の人々と彼らが選んだ政府は、この状況に目覚めるべきです。ブッシュ政権は新たな世界戦争へ状況が激化していくであろうと公然と口にしています。そして、世界中の人々が止めなければ、彼らは本当にやるでしょう。しかし、軍事的手段で止めようとすれば世界戦争を引き起こさざるをえないわけですから、それ以外の二つの手段、つまり経済的手段と政治的手段を使って止めなければなりません。

経済的手段とは、世界的規模で各国の保健医療制度を自然健康法に基づいた制度へと回帰させ、それでもなお少量は必要とされる抗生剤のような製薬品に対する特許使用料の支払いを拒否するという方法で、製薬産業の疾病ビジネスを阻止するやり方です。

政治的手段は法的に重要な手段であり、今からすぐに取り組む必要があります。世界中の人々がその政府に働きかけて、ブッシュ政権とブレア政権に対し戦争犯罪と人権蹂躙による告発を行わせるべきです。この裁判を扱うべき裁判所は、オランダのデン・ハーグにある国際刑事裁判所です。

国際法に違反して戦争を開始・遂行した罪、大量殺戮の罪、公的・私的資産を搾取・掠奪した罪、その他種々の人倫と国際法に背いて行った犯罪に対して告訴が行われる必要があります。もし私たち、世界の一般市民、そして180ヶ国の政府が、不法な戦争で世界を恐怖に陥れたブッシュ、ブレア、ロックフェラー系カルテル、三極委員会メンバーの責任も問わずに、彼らの罪を許してしまったら、国際法の法的枠組みと国連裁判所制度の全体が何の価値もなくなってしまいます。

それも、被告として政府や企業の名前を挙げるだけでは十分とは言えません。個々の政府関係者、ジョージ・ブッシュ、コンドリーザ・ライス、ドナルド・ラムズフェルド、ジョン・アシュクロフトなどの人物を一人ひとり告発すべきです。トミー・フランクスやその他の国際社会の承認なしに今回の戦争を遂行した司令官も、一人ひとり告発する必要があります。ロックフェラー・グループ、三極委員会など、諸外国からの資産略奪を教唆・促進し、それによって経済的利益を得た団体のメンバーもすべて個々に被告とすべきです。イギリス側でもこれと同様の手続きを進めます。ブレア政権だけでなく、この不法な戦争から直接・間接に利益を得たロスチャイルド系銀行及びその他の組織経営陣の名が公にされる必要があります。被告のリストにはアメリカ人であれ、ヨーロッパ人であれ、どこの国の人間であれ、大勢の銀行家、政治家、企業経営者の名前が含まれるはずです。

またさらに製薬業界の経営陣も、彼らが製薬投資産業の利益のために世界の人々および各国政府に対して行った犯罪により告発すべきです。以上の手続きはすべて遅滞なく始める必要があります。こうした手続きがしやすくなるように、私たちの財団のウェブサイトでは告発の概要案と最も重要な被告人のリストを掲載しています。私たちはすべての政府に、今からただちにこの訴状を公式に提出するよう要請します。できればアフリカ諸国、南米諸国、アジア諸国というように数ヶ国がまとまって告訴し、カルテル側が経済的報復で脅しをかけても、リスクを最低限に留められるようにするのが理想的だと思います。しかし何より大事なのは、自分たちの政府がこのような措置をとるのを世界の人々が支援することです。私はこの地上に住む一人ひとりに、自らの政府が利益集団に対する正式な告発を行うよう働きかけてほしいと呼びかけているのです。

私たち一般市民に残された道は、このような勢力が私たちの地球を奈落の底に落とすがままにさせておくか、今、地球を自分たちの手に取りもどすか、いずれか一方です。むろん正式な告発手続きをさせるために、私たちは自らの政府をデン・ハーグの裁判所まで引きずって行かねばならないでしょう。とくに相手側に大きな経済的裁量がある場合、政府の対応は遅く、脅しに屈することも多いのです。しかし、私たちは一般市民です。私たちならやれるでしょうか? もちろん、やれます! そして、そのためには世界中の人々が力を合わせねばなりません。

まず認識すべきは、戦争を起こそうと画策しているこれら利益集団の実態を公にするだけでも、世界戦争を防ぐためのきわめて強力な手だてになりうるということです。世界は、もう一度新たな戦争が起きて、イラク戦争の時のように第三次世界大戦が勃発する危機に日々おびえる事態には耐えられません。今こそ行動の時です。この地球に住むすべての政治家、すべての市民は、今が歴史的な機会であることを認識し、今すぐに行動を起こす必要があります。


では、私たち一般市民には何ができるのでしょうか?


すべての人が自然健康法の分野における画期的療法について十分に知識を持つことです。たとえ住んでいる場所がニューデリーであれ、カイロであれ、あるいはヨハネスバーグ、ニューヨーク、ブエノスアイレス、メキシコシティーのいずれの都市であれ、開発途上国であれ、先進工業国であれ、現在の処方製薬の80%以上に代わる効果的治療となりうる自然健康法に基づく画期的療法について、すべての人が知識を持たねばなりません。自然健康法の分野でさらに研究が進めば、私自身、これから数年後には製薬の95%が不要になると考えています。

これはつまり、製薬企業カルテルが非倫理的な疾患ビジネスを継続し、トニー・ブレアやジョージ・ブッシュのような政治家の選挙キャンペーンに政治献金を続けるための資金のうち、95%が世界の人々の力で排除できることを意味しています。考えてもみて下さい。これは、より健康な世界を築くだけでなく、子供や孫の世代まで続く平和を保証するために、すべての人々がただちに貢献できる素晴らしい機会なのです。

これに加えて、各国政府がデン・ハーグなどの裁判所へ公式に訴状を提出し、今回の世界危機を利用して利益を得ている団体を裁きの場に引き出せるよう、各国で支援グループを組織する必要もあります。このような利益団体が私たちの地球とそこに住む人々に今後与える影響力と被害を減らすには、こうした勢力の正体とその行為を白日のもとにさらすことが前提となります。

「今回の戦争のシナリオの背後に存在する製薬業界の利害について、なぜ今まであまり見聞きしなかったのでしょうか?」という質問をよく受けます。その答えは非常に簡単です。それは、この利益団体が「人類愛」や「地球への善行」といった仮面の背後に潜んでいるからです。この製薬産業の非倫理的で卑劣な事業形態を理解する以前に、まずはその人類愛の仮面をはぎ取り、製薬産業の疾病ビジネスが持つ人倫にもとる投機的性格を直視しなければなりません。この段階が完了したら、もはや無駄にできる時間はありません。そこでこのインタビューでは、この地球を守り、より健康的で平和な世界を子供らの世代に伝えられるように、世界の人々とその政治家たちがただちに行動を起こすことができる戦略を述べているわけです。


あなたは将来における国連の役割をどのように考えていらっしゃいますか?


国連が対イラク戦の後の戦後復興でアメリカと競い合うだけでは不十分です。この国際機関の役割をそこに限定してしまうのは、結局のところ、石油化学・製薬企業カルテルとその政治的・軍事的手先に屈服してしまうのも同然です。こんなことは決してあってはなりません。

国連自体が、ジョージ・ブッシュ、トニー・ブレアおよびその他の国際法違反者を処罰する機動力となるべきです。この国際機関が国連総会の過半数メンバーになり代わってこのような訴えを起こしたとしたら、それはなんと重要な第一歩となることでしょうか。私自身、この決定は可能だと思いますし、いずれ、そうなるだろうと思っています。

国連の保護は必要です。しかし、製薬企業カルテルの利害に服したり製薬企業カルテルと妥協するのでは、国連を守ることはできません。国連が今後なんらかの役割を果たそうとするなら、それは自信に満ちた、自らの権限の行使という面での役割であるべきです。

誰でも、どの政府でも、そして、たとえそれが世界最強の政府であっても、国連の決定を無視したり、決定から免れようとすることは許されません。国連の決定をないがしろにする者には処罰を下し、その企てを世界中に知らしめるべきでしょう。これが国連の担うべき最も直接的かつ緊急の役割です。

当然ながら、世界保健機構(WHO)といった国連に所属する組織についても同様です。製薬産業の利害を早急に排除する必要があります。世界の人々がWHOを自らの健康を守ってくれる機関であると信じているのに、はるか以前からWHOの最重要課題が製薬業界の利益の保護に変わっているなど、とても許しがたい事態です。こんなことは止めさせるべきです。製薬産業の利害が今回の国際的危機の主要因であることが明らかになれば、WHOの権限の悪用をさし止め、この組織をその本来の使命「世界的な健康水準の向上」へと回帰させる大きな力となるはずです。とくに発展途上国では、WHOの働きが最も必要とされているのです。


あなたの財団の目標は「2020年までに全人類の健康達成」ですね。あなたは本当にこの目標を達成できるとお考えですか?


ビタミンや細胞医学の分野で現在利用できる学術的知識に照らして考えた場合、いま先進工業国で見られる疾患4つのうち、3つは排除できます。発展途上国では20億人以上が微量栄養素の欠乏に悩んでおり、その結果、感染症やその他の健康障害にかかりやすくなっています。教育水準の向上、衛生状態の改善、飢餓や失業に対する対策と併せて、微量栄養素が健康に及ぼすメリットについての知識が行きわたれば、発展途上国の人々の健康と福祉の改善に重要なプラス要因になると考えられます。

また巨額の資金が、製薬産業やその大半は非効果的で安全性に乏しい製薬品に吸い上げられることなく、教育などの社会的目的のために自由に使えるようになるとしたら、どうでしょう? 製薬産業の疾病ビジネスがこの地球上からあらかた追放されれば、地球全体で数兆ドルの資金が予防医学、教育、その他さまざまな社会的ニーズのために使えるようになります。

もちろん2020年になっても病気は存在するでしょう。しかし心臓発作、脳卒中、ガン、骨粗鬆症など今日最も一般的な健康障害となっている病気の多くは、もはや普遍的な疾患ではなくなっているはずです。私はこの財団が「2020年までに全人類の健康達成」という重要な目標を達成して、人類のために大きな貢献を行えると確信しています。

このインタビューでお伝えした戦略は、私たちの地球を守るために非常に入念に練られた戦略です。10年以上にわたって世界の人々の健康と平和を妨げてきた利益集団と戦い、その正体を暴いてきた科学者として、私はこの戦略を世界の人々に捧げることが自分の務めであると考えています。


世界のどこかで誰かが、あなた方の財団に協力し、その目標達成を支援したいと考えているとしたら、どのようにすれば良いのでしょうか?


現時点では、私たちの主なコミュニケーション手段はインターネットです。今、世界保健機構は世界の人に自然健康法についての情報を提供するという使命を果たしていないため、私たちの財団がこの重要な作業を財団の最優先項目として引き受けています。

私たちの財団のウェブサイトは、世界各国の患者さん、医療保健専門家、医療保健行政に関わる政治家といった方々にとって、自然健康法に関する世界有数の情報ソースとなっています。可能な限り多くの言語でこの情報が提供できるようにするため、現在、精力的に作業を進めています。

当方としては、色々な方々が書簡、ファックス、Eメールで私たちと意見を交換し、自分の住む市町村・地域・国で行われている/計画されている自然健康法の普及プロジェクトについて情報を送って下されば嬉しく思います。

また、私たちの財団は、疾病や戦争で自らを利する利益団体を処罰するよう政府に働きかけるキャンペーンのために、情報センター的役割も果たしています。政府への働きかけが容易になるよう、当財団ではオランダのデン・ハーグでの国際公聴会を準備中です。ここには、先に述べた利益集団の姿を公に知らしめるため、現時点で利用できる情報が集められることになります。これによって、「各国政府がデン・ハーグの国際刑事裁判所に正式な訴えを起こす手続きが少しでも簡素化できれば」というのが私たちのねらいです。

この二つが私たちの現在取り組んでいる最優先プロジェクトです。賛同される方は、世界各地からそれぞれ自分にできる方法でこれに参加していただきたいと思います。


あなたは「新しい世界の憲法」を提案なさっていますが、それはどんな内容でしょうか? また、どういう理由でそれを提案なさったのですか?


長い歴史の中で、これほどまでに平和な世の中を望む世界の人々の思いが一つにまとまった時代はありません。米軍兵士の息子を亡くしたニューヨークの母親も、バグダッドに住む子供を亡くした父親も、そして、この地球に存在する不正の代価を支払わされている発展途上国の何百万人もの人々も、その思いは一つです。

しかし、各国政府はアメリカの軍事力に脅かされており、世界が一つにまとまって発言する必要性をなかなか認識することができません。そこで、誰かが立ち上がり、多くの人々が考えていることを公の場で発言する必要があります。つまり、今こそ地球の市民がいっせいに立ち上がり、目前の問題を解決し、新しい世界を構築するべき時だと声を上げなければならないのです。

科学者である私は、その新たな発見により製薬企業カルテルを追いつめるのに一役買ったわけですが、そのことにより、カルテルにとって唯一の逃げ道は、世界全体を自らの滅亡の道連れにする以外になくなりました。そこで私は、人類の福利を目指す、人類みんなの新しい世界を構築するための憲法および行動計画「市民のアジェンダ」を提案することが、私自身の責務であると考えています。

この「市民のアジェンダ」は、次のような内容のものです:


「新しい平和・健康・社会正義の世界の憲法」


3000年紀の初頭に際し、人類は十字路に立っています。一方の道は、平和な世界の中で尊厳ある健康的な生活を望む、今この地球に住む60億人とこれからの世代の福利を目指す道です。もう一方の道は、金銭的貪欲という唯一の理由のために、人類全体にこの基本的権利を認めない少数の企業利益集団の道です。

この状況の中で、私たち世界市民は自らの道を選び取ることができます。それは、戦争と疾病を強いる投資産業のくびきを今後も受け入れ続けるか、あるいは、その重荷から自らを解放し、平和・健康・社会的正義の原則に則った世界を構築するかという選択です。

私たち世界市民は、長い歴史の中で、これほどまでに世界平和の存続と、投機的な「疾患ビジネス」の終焉と、企業の利得のために平和と健康を犠牲にする者の処罰とを願う人々の思いが一つにまとまった時代はないことを認識しています。

そこで私たちは、西の国の人も東の国の人も、北の国の人も南の国の人も、富む国の人も貧しい国の人も、私たち自身と今後の世代のために、平和・健康・社会正義の世界を構築する決意を固めました。

基本的権利として、私たちはこのような権利を要求します:

平和の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの平和の権利を守る決意があります。大量破壊兵器の時代において、戦争はもはや国際紛争を解決できる選択肢ではありません。私たちは、国際法によって明確に認められない戦争を遂行した者に対しては、必ずその責任を追及し、その犯罪が処罰されるようにします。その経済的・政治的結果がいかなるものであれ、そうした人々が処罰を受けるまで、私たちはたゆみなく努力します。なぜなら、私たちはこれが地球を破壊から守る唯一の方法であると認識しているからです。

生命の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの生命の権利を守る決意があります。地球に生きる人々の命を縮めるすべての要因が排除されるまで、私たちはたゆみなく努力します。私たちは、乳児や幼児を含む何百万人という地球の住人の命を年々奪っている飢餓、栄養不良その他の要因と戦います。私たちはさらに、かつて人類が経験した戦争すべてを併せたよりも多くの人々の死を本来は予防可能な疾病によっていたずらに早めた「投機的な疾病ビジネス」も廃絶します。

健康の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの健康の権利を守る決意があります。私たちは、企業の利得のために意図的に疾病を蔓延させている製薬産業の「疾病ビジネス」を必ず世界的に禁止させます。私たちは、意図的に疾病を蔓延させる者、人命を左右する特許対象外の自然療法に関した情報を隠匿する者を処罰させます。私たちの地域社会での健康促進と国民の健康医療プログラム実施に際しては、私たちは効果的で安全な自然健康法に則ったアプローチを重視します。いかなる保健医療施策も、その主な目標を疾病の予防および根絶とします。

正義の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの社会正義の権利を守る決意があります。私たちは、この地球の住人3人のうち2人までが貧困と無学の中で生きることを、もはや受け入れません。私たちは、この地球の住人すべてが教育を受けられ、尊厳ある生活を送れるよう、世界の資源が必ず再分配されるようにします。この再分配の資金として、私たちは数兆ドルの「疾病ビジネス」の廃絶と軍事費の削減から生まれた財源を利用します。

これらの目標を達成するためには、戦争と疾病を促進する企業利益集団に、何百万人もの人命を犠牲にした罪やその他様々な人道犯罪に関与した罪により、国際刑事裁判所での裁きを受けさせることが第一歩であると私たちは認識しています。

これら企業利益集団の代表者を公に知らしめ、罰することができれば、「疾病・戦争・不正の暗黒時代」を終わらせる最後の障害が取り除かれ、人々は21世紀中に「新しい平和・健康・社会正義の世界」の構築を開始できるわけです。


2003年4月

医学博士 マティアス・ラス


訳文:「市民のアジェンダ」:マティアス・ラス博士へのインタビュー (PDF)
http://www4.dr-rath-foundation.org/ad_archive/japan.html

原文:A Crucial Moment In History (HTML)
http://www4.dr-rath-foundation.org/open_letters/interview.html



【江原注】このページをご覧になって、現在抗がん剤の投与を受けている人が「それをやめて」ビタミン剤などの栄養療法に切り替えるのはあまり得策ではないかもしれない。
上記の一文にも紹介されている、2度のノーベル賞(化学賞と平和賞)に輝く物理化学者ライナス・ポーリング博士と言えば、著書『ポーリング博士のビタミンC健康法』(平凡社ライブラリー)でも知られるとおり、ビタミンCの大量投与が風邪だけにとどまらず、ガン抑制にも効果があるという「メガ・ビタミン理論」を提唱した人としてよく知られている。医学界主流から否定的な扱いを受けながらも、当のポーリング自身はアメリカの平均寿命より20年も長い93歳まで生きることができたわけだが、一方、妻エヴァ・ヘレンも同じ考えのもとで化学療法を断り、ビタミンC大量投与に専念したにもかかわらず、その甲斐なく亡くなった(それでも78歳まで生きた)。そこで興味深い実験データを簡単に紹介しておく。
ケダール・N・プラサド博士の著書『ガンはビタミンで治る』(経済界)によると、手術・抗がん剤・放射線の単独治療、もしくはビタミン剤(とくにA・C・E)の単独療法に対して、それらを組み合わせた併用療法の方がもっとも実験成績がよかったという。また、H. L. ニューボールド著『ビタミンCでガンと闘う』(中央公論社)に「大量のビタミンCは、放射線療法や化学療法による不快な副作用を軽減する。それだけでなく、それらの治療効果を高めることが十分に期待される」とあることや、さらにビタミンCを点滴で大量投与してガンを治す「超高濃度ビタミンC点滴療法」について書かれた柳澤厚生著『ビタミンCがガン細胞を殺す』(角川SSC新書)においても「化学療法に併用すると効果的」との指摘がある。したがって、エヴァ夫人もビタミン療法を「化学療法と併用して」行っていれば、もう少し長くポーリング博士と晩年を一緒に過ごせていたかもしれない。



【関連文献】

村田 晃、E. キャメロン 、L. ポーリング共著『がんとビタミンC』(共立出版)

H. L. ニューボールド著『ビタミンCでガンと闘う』(中央公論社)

ケダール・N・プラサド著『ガンはビタミンで治る プラサド博士の最新医療レポート・栄養療法医学が実証した驚くべき新事実』(経済界リュウブックス)

ライナス・ポーリング著『ポーリング博士のビタミンC健康法』(平凡社ライブラリー)

平井和正著『メガビタミン・ショック 隠蔽されてきた「病気産業」震撼のビタミンC超健康パワー』(駿台曜曜社)

柳澤厚生著『ビタミンCがガン細胞を殺す』(角川SSC新書)

水上治著『超高濃度ビタミンC点滴療法』(PHP研究所)

澤登雅一著『ビタミンCはガンに効く ビタミンC大量点滴療法のすべて』(ディスカヴァー携書)

週刊『新潮』2008年6月5日号(「ガン医療の最先端で注目!高濃度ビタミンC療法とは?」)

月刊『わかさ』2008年6月号(「緊急特集 ビタミンCはすごい!脳卒中もガンも退く世界の最新報告」)

月刊『わかさ』2008年11月号(「全身に転移した末期ガンが消失!副作用なくガン細胞を直接叩いて殺す米国式ビタミンC点滴療法」)

月刊『夢21』2009年9月号(「ビタミンCこそ世界が注目する天然の抗ガン剤でガンの予防にも初期にも末期にも有効なNo.1補給法も発見」)



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食品公害 ビタミンCで自衛を
異物代謝に特効 添加物も“追い出す” 
「食品添加物が怖い」という声をよく聞く。「疑わしいものは使うべきでない」と、具体的に名をあげて使用禁止をめざす運動を展開している消費者団体もある。しかし保存、着色など添加物が果たしている役割も大きく、怖いからすぐやめるというわけにもいかない事情もあるようだ。では「どうすればよいのか」の問いに、1つの対策を示しているのが、吉田昭・名大農学部教授(栄養化学)だ。吉田教授は、現在行っている実験から「ビタミンCは、これまで言われていた以上の異物代謝機能があり、体内の汚染物質を排出させる。食品添加物に対しても同じような効果を発揮するはずだ」という。何かと不安の多い80年代。決め手とはいえないまでも、せめて、救世主・ビタミンCをたっぷり摂取して、自衛したいものだ。これは野菜ぎらいなどの偏食家は、生き残るのが大変だという警告でもある。

現在、使用が認められている食品添加物は334種。保存、着色、味付けなど、さまざまな機能のために使われている。特に近年、パック食品が増えているため、保存剤としての食品添加物は、なくてはならぬものになっている。
しかし、この中のいくつかについて、発ガン性など有害な副作用があると指摘している学者もある。ハム・ソーセージの発色剤が原因とされるニトロソアミン、食パンのイーストフードの成分・臭素酸カリウムなどもその一例だ。
政府は、有害性がないということで認可しているわけだが、小山宏・名城大農学部教授(食品化学)らは「それは“今のところ”というただし書き付きです」という。皮膚にひどい炎症を起こし、死者も出たカネミ油症のPCBでも、それ以前は「絶対安全」のお墨付きで使われていた。発ガン剤のAF2やチクロもそうだった。
「科学は日進月歩ですから、将来のことはわかりませんが“今のところ”は、PCBのような札付きはありません。いろいろな実験による有害性の報告もありますが、禁止するには、なかなか難しい問題が多いようです」(同教授)という。やはり不安だ。
この不安に答えたのが、吉田教授の研究だ。PCBをエサの中に入れてネズミに食べさせると、尿中のビタミンCがすごく増えることを突き止めた。ネズミは人間とちがい、ブドウ糖からビタミンCを体内で作る能力を持っている。つまり、異物の代謝にビタミンCが何かの働きをしていることが予想できた。
これを人間で実験できないため、同じようにビタミンCの自家製造能力を持たないモルモットで同様の実験をした。
乳離れ直後の若いモルモットのエサに(1)PCBとわずかなビタミンCをまぜた(2)PCBと多量のビタミンCをまぜた(3)多量のビタミンCだけまぜた──の3種類のエサで、3匹を飼育した。グラフ(江原注:割愛)のように、ビタミンCを多量に与えたものと、そうでないものでは、体重の増え方に、大きな差の出ることがはっきりした。
この実験は、ビタミンCがPCBの被害を軽減する効果を持つことを示している。このほか、カドミウムを添加したエサについても、ビタミンCと鉄分の補給で、貧血症状が軽くなるという結果も出た。
愛媛大学など別のグループの実験だと、動脈硬化に関係の深い血しょうコレステロールも、ビタミンCの補給によって減少するという報告が出ている。
吉田教授は「食品添加物や環境汚染物質など、体内に入るほとんどの異物に、ビタミンCは同じ働きをしてくれるはずだ」という。

野菜ぎらいはご注意 大人、日に50−70ミリグラムが必要

それでは、われわれ日本人のビタミンC摂取量は十分だろうか。厚生省が毎年行っている国民栄養調査の結果をみると、平均的には、必要量といわれる大人1日50−70ミリグラム(学者によって差がある)は、軽く超えている。しかし、この調査はミカンや冬野菜が多量に出回る11月に行われるので、年間を通じてみた場合は、かなり割り引いて考えねばならない。また低所得層ほどビタミンC摂取量が減る傾向なのも心配だ。
さらに、調理、加工などにより、摂取量全量が必ずしも有効に働くとは限らないことも注意しておく必要がある。
吉田教授は「学界では1日10グラム以上といった大量投与論さえ出始めている。それほどでなくても、野菜ぎらい、果物ぎらなど偏食タイプの人は、十分に注意することです」と忠告している。
別表(江原注:割愛)は、ビタミンCの含有量が多い主な食品だが、ミカンなどは豊作のおかげで値段も安い。「どんなに忙しい朝でも、チーズ、ミカンぐらいは食べましょう」(財団法人・日本食生活協会発行『ゆたかな食生活への道』から)という呼びかけに、ちょっと耳を傾けもよいのではなかろうか。(中日新聞 1980/01/11)

ビタミンC剤売れて売れて 「ガンに効く」の新説で
健康食品ブームに乗ってビタミンC製剤の売れ行きが好調だ。1年ほど前「ビタミンCはガンや風邪に効く」との新説が紹介されたのをきっかけに爆発的に売れ出し、倍々ゲームふうの伸びよう。ことしの売り上げは初の100億円を突破しそうな勢いだ。
ビタミンC製剤市場は典型的な寡占市場。シェア(市場占有率)は大きい方から武田薬品工業(ハイシーS)50%、エーザイ(ユベラC)20%、塩野義製薬(シナール)5%。残りの25%を十数社で分け合っている。
これまではしみ、そばかすなど色素沈着予防を主に宣伝していたため、肌が気になる若い女性が買うだけで、年間売り上げも2、30億円止まりだった。
そこに登場したのが新学説。しかも提唱者がノーベル化学賞(1954年)、平和賞(1962年)を受賞した米国のL・ポーリング博士とあってガン恐怖症世代の中年層がまず飛びついた。昨年6月には博士が来日、日本記者クラブなどでビタミンCの効用を分かりやすく講演したこともあって、学説はまたたく間にお茶の間の話題に。
ビタミンCに詳しい佐賀大学農学部村田晃教授も「ビタミンCには免疫増強作用があり、風邪などに効く。健康人なら1日500ミリグラムで十分」と説明する。(日本経済新聞 1982/10/09)

野菜や緑茶などのビタミンC、発がん物質抑制 遺伝研の黒田教授
新鮮な野菜、果物、緑茶などに含まれるビタミンCが発がん物質の細胞への作用を数分の1にも抑えることを、このほど国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の黒田行昭教授が動物細胞による実験で確かめ、30日から秋田市で開かれる日本環境変異原学会で発表する。
黒田教授は、チャイニーズハムスターの肺からとったV79細胞という培養細胞を使い、これに細胞のデオキシリボ核酸(DNA)に突然変異を起こさせる発がん物質、エチル・メタンサルフォネート(EMS)とビタミンCを種々の濃度で加えて、突然変異の様子を見た。
すると、たとえば1ミリリットルあたり1000分の1グラムのEMSだけを加えた例では、突然変異を起こす率が1万個の細胞のうち約9個だったのが、ビタミンCを1ミリリットルあたり1万分の1グラム加えると、1万個の細胞のうち2.5個と4分の1近くに減少、EMSの作用が抑えられることがわかった。他の濃度でも傾向は同様だった。
さらに、細胞に対するEMSの毒性も見たところ、細胞の半数が死んでしまう濃度(半数致死濃度)がEMSだけなら1ミリリットルあたり約1万分の5グラムだが、ビタミンCを1ミリリットルあたり1万分の1グラム加えると半数致死濃度は1ミリリットルあたり約1万分の9グラムで、毒性が半分に薄められることもわかった。
この仕組みについて黒田教授は(1)ビタミンCがEMSの一部を壊すなどして発がん活性を抑える(2)ビタミンCがEMSによって壊されたDNAを修復する働きがある──などの可能性をあげ、詳しい機能の解明はさらに進めたい、という。
この研究結果については、国立がんセンターの佐藤茂秋生化学部長は「直接発がん物質そのものの働きを抑えることが示されたのは初めてと思う。がんの予防薬などに使えるかどうかは、さらに研究が進まなければわからない」と話している。(朝日新聞 1985/09/22)

血中ビタミン多いとがん死の確率低い スイスのゲイ博士ら発表
血液の中に含まれるビタミンの量が多いほど、がんで死亡する確率が低いことが、約3000人の追跡調査の結果分かり、スイスの製薬会社ホフマン・ラ・ロッシュのフレッド・ゲイ博士らが13日、京都で開かれている国際フリーラジカル学会で発表した。
ゲイ博士らは、スイスのバーゼル市に住む30代後半から50代後半の健康な男性2975人から血液を採った。
7年後にこれらの人を追跡調査したところ、9%に当たる268人が亡くなり、うち102人ががんで死んでいた。
生きている人と死んだ人のビタミンの量を比べたところ、ビタミンAが少ない人は、多い人よりも胃がんになる率が6倍高く、ベータカロチンでは約3倍、ビタミンEでは2.5倍の差となっていた。(朝日新聞 1988/04/13)

白血病にビタミンAが効果 大学病院などで試験的に使用
副作用もなく安心 悪い細胞を正常に

ビタミンAが、白血病のなかでも一番治療が難しいタイプに劇的に効くことが分かり、血液内科の専門家がいる大学病院や大病院で試験的に使われ、成果をあげている。これまでの抗がん剤のように、患者が副作用で苦しむこともない。製薬会社も新薬の承認申請をするため、もっか臨床試験中である。東京女子医大の溝口秀昭・血液内科主任教授にその威力を尋ねた。

ビタミンAが不足するとがんになりやすいといわれてきたが、ある型の白血病に画期的な効果をあげるのは、ビタミンAそのものではない。ビタミンAが体内に入って変化したレチノイン酸の一種、「全トランス型レチノイン酸」(ATRA)というものである。
上海医科大学のグループが、ATRAを使った治療で「急性全骨髄球性白血病」23症例の96%が完全に寛解(かんかい)したと、初めて専門誌に報告したのは1988年のことだった。「最初は素直に信じられなかった」と溝口教授は話す。中国の研究陣は2年後、日中血液シンポジウム(名古屋市)で成果を披露。これに続き、フランス、米国でも相次いで同じ成果を確認した。

80%超す完全寛解

日本でも厚生省の共同研究班(班長・大野竜三浜松医科大教授)が試み、1次研究で82%、2次で88%の完全寛解を得た。これまでせいぜい30%の完全寛解があれば、有望な新薬といわれてきただけにATRAのすごさが分かる。
日本の白血病の死亡率(1989年)は10万人中4.8人で年々増加傾向にある。白血病には急性と慢性があり、急性は、さらにリンパ性と骨髄性に大別されるが、ATRAが効くのは、骨髄性のうち1割強を占める「急性前骨髄球性白血病」に限られている。
白血病は“血液のがん”といわれるが、血液をつくる工場の骨髄で異常細胞がどんどん増えて、正常の赤血球、白血球、血小板の生産が激減するために貧血、感染、発熱、出血などが起きる病気。
化学療法では、抗がん剤を数種類組み合わせて、異常細胞を殺してしまうが、完全に殺せなくとも、正常の血球をつくる力が異常細胞の増殖を上回ると症状も軽く、落ちついてくる。この状態を「寛解」と呼ぶ。
しかし「この寛解に至るまでの治療が大変。大量の抗がん剤で、異常細胞だけでなく正常なものまで殺してしまい、出血など白血病の症状がさらに悪化し、亡くなるケースさえ出てくる。寛解まで医者は神経を張りつめています」と溝口教授。
ところが、この薬を飲むと、通常、数日で重症の出血は消え、約1カ月でスーッと寛解に至る。「生理の出血が止まらずやってきた若い患者に使ったところ、ビタミン剤を処方しているような感じで、患者は白血病と分からないまま寛解でしたよ」
寛解段階で治療をやめるとまた異常細胞が増えてくるので、さらに従来の抗がん剤を使って2年間ぐらいの維持療法を続けるが、少量月1回程度ですみ、患者を苦しめることは少ない。

抗がん剤とは異質

教授はATRAを「悪い子を排除しないで、良い子に変えてしまう見事な教育者」とたとえる。悪い細胞を殺さず正常の細胞に変えてしまう作用があり、これまでの抗がん剤とは全く質的に違った画期的な薬だ。この働きを「分化誘導療法」と呼ぶが、教授にやさしく説いてもらう。
白血病の異常細胞というのは全く別の細胞になるのではなく、赤ちゃん細胞のまま成熟できないでいるのだと分かってきた。細胞にはもともと、ATRAを受け入れる受容体があるのだが、このタイプの白血病の異常細胞は受容体の感度が鈍いために成熟が妨げられている。そこでATRAを補充してやれば、スムーズに正常な血球をつくるようになるわけだ。
ATRAはもともと体内にある物質で、これまで日本で試みてきた分化誘導療法では、同じレチノイン酸でも体内にない種類を使っていたため、うまくいかなかったのだという。
溝口教授は「ATRAの発見をきっかけに研究者の間で分化誘導を起こす物質の洗い直しが行われ、タイプの異なる白血病や、他のがんにも効くものが見つかる可能性が出てきた」とみている。(中日新聞 1993/06/19)

ベータカロチン、がん予防に効果 米がん研が発表
緑黄色野菜に多く含まれるベータカロチンに、がんの予防効果があるかどうかを調べていた米国立がん研究所は、ベータカロチンとビタミンEなどを連続投与したところ、胃がんによる死亡率は、連続投与を受けなかった者より21%低かった、と発表した。
緑黄色野菜を多く食べる人にがんが少ないことは、これまで疫学調査で判明しているが、人の体内でビタミンAに変わる色素で、有害な活性酸素を取り除く性質があるベータカロチンのがん予防効果が、実際の投与で確認されたのは初めて。(共同)(朝日新聞 1993/09/22)

がんにはやっぱりビタミン 活性酸素の発生抑制
金沢の医師 動物実験

ビタミンA、Eなどががんの原因の1つとされる活性酸素の発生を抑える様子を、石川県済生会金沢病院副院長の川浦幸光医師(消化器外科)が動物実験で電波の動きによってとらえた。ビタミンAの基となる物質で、緑黄色野菜に含まれるベータカロチンなどにがんの予防効果があるとする疫学調査結果を裏付けるデータといえる。この実験結果は来春の日本消化器病学会で発表する。
実験は、発がん剤によってがんを発生させたラットの肝臓を使用。この肝臓に、活性酸素を発生させる薬物を投与し、同時にビタミンA、C、Eを与えた場合と与えない場合とでそれぞれ発生した活性酸素量を比較した。活性酸素量の発生量は、電子の量に反応する電子スピン共鳴吸収波(ESR波)で測定した。活性酸素は酸素イオンが通常よりも1つ多い電子を持った状態で、活性酸素の量が多ければESR波は大きく振れる。
測定の結果、活性酸素を発生させる薬物だけを投与した場合、ESR波が大きく波打ったのに対し、この薬物とビタミンAを同時に与えた場合は波があまり動かなかった。ビタミンC、Eについても同じ傾向の結果が出た。
ビタミンAについては、ビタミンAを構成する一単位であるベータカロチンががん予防に効果があるという疫学調査結果がある。最近では米国立がん研究所が、中国河南省の住民2万9000人余りを対象にベータカロチンやビタミンEなどの連続投与試験をしたところ、がんによる死亡率が13%低下したという結果が出ている。
川浦医師は「今回の実験結果は、このような疫学調査結果と符合するものだ」と説明している。(中日新聞 1993/11/28)

急性前骨髄球性白血病に活性型ビタミンA効く
浜松医科大教授 名古屋のシンポで報告へ

急性骨髄性白血病の一種、急性前骨髄球性白血病の治療に活性型ビタミンAを用いたら、9割の患者から完全に症状が消えたことが確かめられた。化学療法で効果がない患者や、再発患者に用いた研究では、すでに成果が認められていたが、未治療患者の治療に用いた研究は初めて。医療費がかなり軽減されることも分かった。浜松医科大の大野竜三教授が16日始まった名古屋癌(がん)治療国際シンポジウムで報告する。
大野教授が昨年まで班長を務めた厚生省のがん研究助成金白血病治療研究班と日本成人白血病研究グループ(JALSG)の1992年1月から93年7月にかけての研究。初めて治療を受ける患者に、オール・トランス・レチノイン酸(ATRA)と呼ばれる活性型ビタミンAを投与した。
錠剤で、通常の必要摂取量の約100倍を1日3回に分けて飲むだけ。症状が進んで白血球が増えている場合には、抗がん剤を投与する化学療法と併用した。
この療法で治療した109人の患者のうち97人(89%)から完全に症状が消え、うち25人はATRAだけで改善された。78%は再発しないで2年以上生存している。
年齢別でみると、40歳未満(49人)で98%、40代から60代(52人)で85%、70歳以上(8人)の63%から完全に症状が消えた。
副作用も、皮膚に発疹が出たり、唇や口の中が乾いたりするぐらいで、ほとんどないという。
また、今年に入ってJALSGのメンバー、全国45施設の計76例について医療費を調べた。従来の化学療法では2カ月で420万円だったのに対し、ATRAを用いた療法では290万円代と少なかった。
急性前骨髄球性白血病は、急性骨髄性白血病の15%を占め、発病患者は1年に約500人といわれている。重い出血症状や発熱を伴うのが特徴で、通常の輸血だけでなく血小板輸血も必要となり、治療代は高額になる。(朝日新聞 1994/09/16)

HIV感染乳児の下痢にビタミンAが効果
南アの大学教授が報告

エイズウイルス(HIV)に感染した乳児にビタミンA(VA)を投与すると、死因にもなる下痢症状が軽減することが、南アフリカ・ナタル大学のアンナ・クートソーディス教授(小児科)らの調査でわかった。8日発行の米公衆衛生学会誌に報告された。
同教授らは、HIVに感染した母親から生まれた乳児118人と、HIVに感染したことが判明した乳児85人を、約半数ずつ2つの群に、計4群に分け、正常児、HIV感染児とも、片方の群にだけVAを1−15カ月間投与した。
この結果、HIV感染児のうち、VAを投与した群は、投与しない群に比べて下痢症状の現れる率が半分近くに減少。非感染児では両群で差はなかった。ただし、VAの作用機序ははっきりしていない。(ワシントン=北島重司)(朝日新聞 1995/08/16)

納豆のビタミンK2が大腿骨けい部骨折防ぐ?
納豆の消費量が多い地域ほど、足の付け根の「大腿骨けい部」を骨折する女性が少ない──こんな調査結果を東大医学部老年病学教室の金木正夫医師らがまとめた。
大腿骨けい部骨折の大半は、中高年の女性に多い骨粗しょう症が原因とされている。骨折した人は、骨の形成をうながすビタミンK2の血液中の濃度が低いことも知られている。
そこで金木さんらは、ビタミンK2が通常の食品の何百倍も多く含まれている納豆に着目。都道府県別の患者数の推計と、県庁所在地の一世帯あたりの納豆の消費金額を比べた。その結果、男性では明らかな差はなかったが、女性では納豆の消費金額が多い地域の方が骨折が少なかった。
さらに、納豆を食べる習慣がないロンドンの女性10人と、半数以上が週に2回以上食べている東京の女性49人、9割以上が週に1回未満しか食べない広島の女性25人で、ビタミンK2の濃度を比較した。それによると、東京の女性はロンドンの女性の約15倍、広島の女性の約5倍も濃度が高かった。
金木さんは「大腿骨けい部骨折の頻度は国内では関西を中心に西に多く、英国人より日本人が少ないことが知られていた。納豆のビタミンK2が予防に役立っている可能性がある」と話している。(朝日新聞 1995/08/27)

βカロチン錠剤のがん予防効果に疑問
ベータカロチン錠剤が肺がんを防ぐかどうかは疑問で、喫煙者では逆に肺がんの危険を増やす恐れがある──米国立がん研究所がこんな研究結果を発表した。
ベータカロチンは緑黄色野菜や果物などに含まれ、発がん物質からDNAを守る働きがあるとされる。
同研究所のリチャード・クラウスナー博士によると、12年間にわたる2万2000人の男性医師を対象にした調査で、半数にベータカロチン錠剤、半数に偽薬を与えたところ、がんや心臓病の発生率で両者の間に差がなかった。
また、喫煙者やアスベストを吸い込んだ1万8000人を対象にした調査では、ベータカロチン錠剤を与えた人は偽薬を与えた人より、肺がん発生率が28%、死亡率は17%高くなった。
クラウスナー博士は、天然のベータカロチンががんや心臓病を防ぐことを否定するものではないと強調している。(朝日新聞 1996/01/24)

ビタミンC がん細胞の転移抑制 動物実験で立証 広島県立大
広島県立大学生物資源学部の三羽信比古教授らは大量のビタミンC(アスコルビン酸)をがん細胞に与えると転移が起きにくくなることを動物実験で確かめた。がん細胞内の有害な酵素の働きが弱まり、転移する能力が下がるという。ネズミを使った実験では転移を通常の3−4割に抑制できた。3月27日から金沢市で開かれる日本薬学会で発表する。
ビタミンCはそのままの形では細胞に入りにくいので、リン酸基をつけるなど一部の構造を変えた「Asc2P」と呼ぶ物質を合成した。この物質は細胞に吸収されてビタミンCに変わり、細胞内のビタミンCの濃度が通常の40倍近くにまで高まる。
ヒトの線維肉腫(しゅ)がん細胞を培養してAsc2Pを加えたところ、がん細胞の転移能力を示す浸潤能が1−2割に減少した。メラノーマ(悪性黒色腫)ができたネズミに注射すると、メラノーマの転移は通常の3−4割に減った。
がん細胞はMMPという酵素を合成し、この酵素が周囲の細胞間を埋めている物質を溶かすことによって、他の場所に転移するための通り道を作る。三羽教授によると、ビタミンCはがん細胞に作用して、この酵素を合成する遺伝子が働かないようにしている。がん細胞の運動能力を失わせる作用もあるという。
ビタミンCは正常な細胞に対して害が少なく、三羽教授は「転移抑制剤として有望だ」と話している。研究は富山医科薬科大学、昭和電工と共同で実施した。(日本経済新聞 1996/02/26)

ビタミンCでガン治療 細胞に侵入転移や増殖抑える
ビタミンCをがん細胞に取り込ませ、がんをやっつけようという研究が進んでいる。
大量のビタミンC投与でがんを治す試みは以前からあったが、ビタミンCは服用しても細胞内にまで入りにくいために期待されたほどの効果は上がっていない。最新の手法は、ビタミンCに手を加え細胞に取り込ませやすくして利用する。がんの治療薬として再デビューする可能性がでてきた。
ビタミンCが細胞に取り込まれないのは、油に溶けにくいからだ。細胞を囲む細胞壁は実は油の一種でできている。
ビタミンCに別の物質をくっつけてやり、油に溶けるようにすると細胞膜をするりと通り抜ける。広島県立大学生物資源学部の三羽信比古教授は、そうやって改造したビタミンCによるがん治療を試みている。
油溶性になったビタミンCをおなかの中にがん(腹水がん)があるネズミに投与したところ、ネズミの寿命は、投与しない場合の2.5−2.8倍に延びた。がんが縮小したネズミもいたという。
ビタミンCにはがんの転移を抑える作用もあるらしい。三羽教授らが富山医科薬科大学などと共同で実施した実験では、ネズミのメラノーマ(悪性黒色しゅ)というがん細胞に大量のビタミンCを取り込ませると、がんの転移をある程度防げることがわかった。がん細胞がつくる特殊な酵素の合成をビタミンCが妨げ、がんが勢力を拡大するのを防ぐ。「ビタミンCを利用してがんを治療できる可能性がみえてきた」と三羽教授は話す。
ビタミンCを別の治療法と組み合わせる試みもある。大阪市立大学の蔭山勝弘講師らは、培養したがん細胞にビタミンCを取り込ませ、セ氏42度に温度を上げると殺傷効果が上がることを確認した。がん細胞にビタミンCを取り込ませた後、マイクロ波を照射してやっつける温熱療法が考えられるという。
ビタミンCと呼ぶ物質の正体は「アスコルビン酸」。新鮮な野菜や果実、緑茶などに多く含まれている。生体内に生じる有害な物質を捕らえて消したり、細胞の分化や増殖を制御するなどさまざまな作用を持つ。重要な物質だが、人間やサルなど霊長類は体内で合成できないため、食物から摂取しなくてはならない。
ビタミンCの能力を利用してがんを治療する試みは以前からあった。米国のノーベル賞学者、ポーリング博士らはがん患者にビタミンCを大量に投与してがん細胞にダメージを与えるという治療法を考案、提唱した。ビタミンC治療法は、ひところブームになったが、劇的な効果は表れなかった。
現在では、ビタミンCをそのまま与えても、壊れやすいうえに細胞内に入りにくい欠点があって、効果は期待できないと考えられている。ビタミンCをせっせと食べてもがんが治せるわけではないのだ。
首尾よくがん細胞内に潜入させられれば、効果がある。そこを狙った研究が活発になってきたわけだ。
食べるビタミンCでは、治療より予防効果の方が期待できる。がんを引き起こすもとにもなる有害な「フリーラジカル」を減少させる効果があり、がんを「初期消火」できるからだ。紫外線がもたらす遺伝子の傷もビタミンCによって抑えられることも知られており、皮膚がんの予防につながるとされる。
現代人は喫煙、食品添加物、ストレスなどでビタミンCが不足しがち。「ビタミンCは1日1.5グラム程度とった方が良い」と専門家は言う。一度に大量に取り過ぎても悪影響がでるので、少しずつ何回にも分けて摂取することが大切だ。(日本経済新聞 1996/03/30)

ビタミンCでピロリ菌100分の1に減少 レモン1500個分
胃がんなどとの関連も疑われている細菌「ヘリコバクター・ピロリ」が、ビタミンCの投与で大幅に減少することが国立国際医療センター研究所の研究で分かった。ピロリ菌を感染させたスナネズミに、体重1キロ当たり1000ミリグラムのビタミンCを3日間経口投与。その結果、投与しないネズミに比べて、胃内のピロリ菌が100分の1に減少した。
しかし、投与したビタミンCは、体重60キロの人に換算すると60グラム、レモン約1500個に含まれる量に当たり、このままでは人には応用できないという。(東京新聞 1997/04/08)

アレルギーにビタミン有効 副作用ない予防薬に
徳島文理大チーム解明
レバーなどに多く含まれるビタミンB6が、アレルギー反応の原因となる体内の酵素の働きを抑えることを徳島文理大健康科学研究所(徳島市)の勝沼信彦所長らの研究チームが、動物実験で解明した。
花粉症などアレルギー全般に効果があるとみられ、副作用のない新たな予防薬の開発が期待されている。8月に米国で開かれる国際生化学学会で発表する。
アレルギーは、体内に入ってきた異物(抗原)に対してリンパ球がつくる抗体が結合する抗原抗体反応の1つ。この抗体が皮膚の炎症などの原因となるが、勝沼所長らはビタミンB6が抗体をつくらせる酵素「カテプシンB」の働きを邪魔することを突き止めた。
体内に花粉などの抗原が入ると、まず食細胞(マクロファージ)が取り込んでリンパ球に異物の情報を伝える。この伝達信号の役目をするのが酵素だが、B6はこの酵素と結合してしまい、情報伝達をさせない。
実験では、マウスの腹腔(ふくくう)内に卵アレルギーを起こす量の卵白のタンパクとB6を一緒に投与、アレルギー症状が起きないことを確かめた。
アレルギーの治療は抗ヒスタミン剤が一般的だが、眠気などの副作用がある。通常の食品に含まれるB6は副作用の心配がなく、皮膚病の治療に使われている。
勝沼所長は「服用過多による毒性がない水溶性ビタミンのB6にアレルギー性疾患の抑止効果が見つかったことは、非常に重要な発見」と話している。(中日新聞 1997/05/23)

ビタミンCやE、心臓病を予防か
脂肪たっぷりの食事をする前にビタミンCやEを取れば、心臓病の危険を抑えられる、という最新の研究成果を、米メリーランド大医学部の研究チームが米医師会誌に発表した。悪玉コレステロールによって血流が滞るのを、ある程度、両ビタミンがじゃまするからだという。
20人を3群に分けた。「高カロリー食」「低カロリー食」「高カロリー食+ビタミンC、E」を取ってもらった。高カロリー食の人たちは食事後の血流が遅くなった。これに対し、低カロリー食と高カロリー食+ビタミンの人たちは正常だった。
高カロリー食に含まれる悪玉コレステロールは、血液中に有害な活性酸素を増やすため、動脈硬化や心臓病を引き起こす恐れがある。ビタミンCとEは、こうした活性酸素の働きを一定程度、阻害すると、研究チームはみている。
ただ、ビタミンさえ取れば脂肪に富む食事を続けても大丈夫というわけではない。論文の中で同チームは「心臓病を防ぐには、低カロリー食と適度なビタミン摂取が大切だ」とくぎを刺している。(ロイター)(朝日新聞 1997/12/07)

プロビタミンC 血管細胞老化、遅らせる効果
広島県立大グループが発見
ビタミンCの構造の一部を変えたプロビタミンC(ビタミンC前駆体)という物質が、人の血管細胞の老化を大幅に遅らせる効果があることを、広島県立大の三羽信比古教授(遺伝子制御工学)らのグループが発見した。口から飲む老化防止剤への応用が期待されている。研究成果は7日発行の米国の学術誌「ライフサイエンス」に掲載された。
人の染色体の両端には、テロメアと呼ばれる特殊な塩基配列のDNAがあり、染色体を細胞核につなぐ「留め金」の働きをしている。細胞が分裂を繰り返すと留め金がすり減り、やがて分裂できなくなったり、がん細胞をつくるため、テロメアは細胞の老化やがん発生のかぎを握るといわれている。三羽教授は広島大医学部の桧山英三講師や化学メーカーの昭和電工(本社・東京)との共同研究で、プロビタミンCの一種のAsc2Pと呼ばれる物質を人の静脈血管の内皮細胞に投与したところ、吸収されてビタミンCに変わり、細胞内のビタミンCの濃度が大幅に高まり、テロメアがすり減る速度を平均で73%も遅くできることがわかった。
三羽教授らは、テロメアが減る原因の1つが細胞内のフリーラジカル(活性酸素)であると指摘。プロビタミンCから変化したビタミンCが、細胞内のフリーラジカルの量を47%も減らす働きをすることから、細胞の寿命を延長させる効果があるとみている。

寿命延長の夢広がる

ビタミンCに詳しい大阪市立大の蔭山勝弘助教授(放射線生物学)の話 私の研究でも、ビタミンCを応用すると、がん細胞を殺傷する効果があることがわかっているが、血管細胞の寿命をプロビタミンCが延長する効果が明らかになったことは、人の寿命の延長という夢に向けて注目される。今後は臨床面への応用の準備が課題だ。(東京新聞 1998/08/11)

広島県立大・昭和電工など、ビタミンC使い細胞の寿命延長 新薬開発に道
広島県立大学と広島大学、昭和電工の共同研究グループは血管細胞内のビタミンC濃度を高めることにより細胞の寿命を延ばすことに成功した。細胞の老化に伴い短くなる「テロメア」という特殊なDNA(デオキシリボ核酸)の短縮化をビタミンCが抑制することで細胞が長生きできるようになるとみている。心臓病などの予防・治療薬開発に役立ちそうだ。
広島県立大学の三羽信比古教授らの共同研究グループは、細胞に吸収されて細胞内でビタミンCに変わる「Asc2P」と呼ぶビタミンCの前駆体を開発。培養した人間の血管内皮細胞にこの物質を加えたところ、通常なら約1億3000万倍(分裂回数27回)に増えると死んでしまう細胞が約2兆2000億倍(同41回)まで増えることを突き止めた。
染色体の一部を構成するテロメアは細胞が分裂するたびに150塩基対ずつ短くなり、全体の長さが7000塩基対になると細胞が死ぬことが知られており、細胞の寿命を決める「時計」のような役割を果たしていると考えられている。「Asc2P」を加えると、テロメアの短縮速度は遅くなり、1回の分裂で41塩基対ずつしか短くならず、細胞の老化スピードが約7割減速することがわかった。
「Asc2P」を投与すると、細胞内のビタミンC濃度は細胞外の67−120倍に高まり、細胞内でテロメアを傷つける働きをしているフリーラジカルという化学物質の量を約53%抑制することもわかった。共同研究グループは細胞内でできたビタミンCがフリーラジカルの発生を抑えて細胞の寿命延長に貢献したとみている。
ネズミを使った動物実験でも「Asc2P」を投与すると4時間後に血液中のビタミンC濃度が約3倍に増え、通常のビタミンCを飲むより効果が2−3倍長く続くことを確認しており、「Asc2P」が「内臓の機能低下を防ぐ老化防止剤などに応用できるのではないか」と三羽教授は期待している。(日経産業新聞 1998/08/19)

体内物質にがん治癒力 天然のビタミン化合物が有効
三重大・田口教授が報告
人体内に存在する天然のビタミン化合物に、がん細胞を死滅させる「アポトーシス」を引き起こす能力のあることを、田口寛・三重大生物資源学部教授(生物化学)が突き止め、岡山県倉敷市で13日開かれた臨床フリーラジカル会議で発表した。天然ビタミン化合物とアポトーシスの関連の報告は、きわめてめずらしい。もともと体内にある物質が、無害で有効ながん治療薬になり得る研究として注目を集めそう。
がん細胞を死滅させる力を持っていることが分かったのは、天然のビタミン化合物「ピコリン酸」「ジピコリン酸」と、結核治療薬(イソニコチン酸ヒドラジド)の代謝副産物「イソニコチンアミド」の3種類。いずれも、ニコチン酸ビタミン化合物の一種で、人の体内に多く存在している。
ピコリン酸は、体内で必須(ひっす)アミノ酸「トリプトファン」から合成される。ラットの成長促進作用も報告されている。ジピコリン酸は、紫外線に対する防護作用を示す。イソニコチンアミドは天然化合物ではないが、無害なうえ、リンパ腫(しゅ)の発症を抑える能力を持つ。
田口教授は、骨髄性白血病細胞「HL−60」「K562」、子宮頸(けい)がん細胞の3種類に対し、22種類のニコチン酸化合物を添加。このうち、ピコリン酸とジピコリン酸、イソニコチンアミドが強いアポトーシス能力を示し、10−20時間で数百万個のがん細胞を全滅させた。
一方、正常なヒトリンパ球にも同じ実験をしたがアポトーシスは起こらず、ピコリン酸など3種頬の化合物は「正常組織には害を与えず、がん細胞だけを標的にする」と結論づけた。
「人体への投与は、注射や経口服用などが考えられるが、動物実験で治療薬として効果的な濃度、他のがんへの作用なども調べたい」と田口教授。細胞内への浸透能力向上、大量投与したさいの人体への影響などが明確になれば、実用化に大きく近づく、という。

合成物と違い安全

玉井浩・大阪医科大教授(栄養学)の話 天然のビタミン化合物は、がん予防効果が注目されているが、治療薬としては手付かずで意義ある着眼点だ。副作用の恐れがある合成物などと違い、もともと体内にあるものなので安全性は高い。

<アポトーシス> 細胞の病変による壊死(ネクローシス)と異なり、不要になった細胞の増殖を防ぐため計画的に脱落する現象。「細胞の自殺」ともいう。オタマジャクシがカエルに変態するさい尾が消えたり、胎児期にある指の間の“水かき”がなくなるのが、アポトーシスの主な例。この性質を利用し、がん細胞の死滅を誘導するような治療法の開発が進められている。(中日新聞 1999/02/14)

VC スポーツ選手の「守護神」
抗酸化で病気を予防 厚生省、所要量を倍増
やっと涼しくなって、体を動かすのが美しい季節になりました。これから、スポーツを始めようとするなら、ビタミンC(VC)を十分にとって下さい。生活習慣病を防ぐ効果も最近、注目されています。(鍛治 信太郎)

東京都港区でスポーツ外来などのクリニックを開いている平石貴久さんは1996年初め、サッカーJリーグの柏レイソルのチームドクターになった。それから、選手の栄養指導では、特にビタミンCをたくさん取ってもらうよう心掛けてきた。
選手は試合の前後とハーフタイムに「スペシャルドリンク」を飲む。ビタミンCが多いアセロラ果汁をベースにハチミツ、重曹、水、氷などを混ぜ、汗と同じ浸透圧にしてある。
ビタミンCは、筋肉を骨に結合させているコラーゲンができるのにかかわっている。「たくさん取ることで、ひざのじん帯や筋肉のけんが強くなる。チームドクターになった時には、11人がけがで入院していた。今はけが人も減り、1人1人の調子が上がっている」と平石さん。チームは6日、初のナビスコ杯決勝進出を決め、第2ステージも現在3位と好調だ。
大量摂取とじん帯やけんの強さとの関係は科学的に証明されたとはいえないが、最近、スポーツをする人はしない人に比べ、ビタミンCを多くとった方がいいという研究結果が発表されている。
国立健康・栄養研究所の樋口満健康指標研究室長は、大学生で、普通の人とトライアスロンの選手のビタミンCの摂取量を比べた。8人ずつの平均で、普通の学生は1日69ミリグラムだったが、選手は倍以上の151ミリグラムだった。ところが、血液100ミリリットルあたりの濃度は、普通の学生が1.1ミリグラムで、選手は厚生省が今年6月に改定した「日本人の栄養所要量」で基準にしている0.7ミリグラムぎりぎりだった。

運動で消費増

どうして、選手の濃度の数値が低くなったのか。
運動する時には、酸素を大量に吸い込む。すると、細胞や遺伝子を傷つけやすい形の酸素が増え、がんの引き金になったり、老化を促進したりする。ビタミンCはこの酸化を防ぐために働く。運動量が多いスポーツ選手ほど、ビタミンCの消費量が多くなる。樋口さんは「スポーツをする人は1日、150−200ミリグラム程度取った方がいいのではないか」と指摘する。
一方、改定された栄養所要量では、ビタミンCの所要量が、18歳以上で1日50ミリグラムから100ミリグラムに増えた。どれぐらい取るべきかは取材した専門家によって意見が違っているが、100ミリグラム以上という点では一致している。
所要量の決定に協力したお茶の水女子大学生活環境研究センターの倉田忠男教授は「増えた理由は、ビタミンCに関する考え方が変わってきたため」という。体内の酸化物が糖尿病や高血圧など様々な生活習慣病にも関係していることがわかり、ビタミンCの役割が重視されるようになったのだ。

食事でが基本

倉田さんたちは、様々な文献を調べ、血液100ミリリットル当たり0.7ミリグラムという濃度を基準にした。これは、健康な日本人の平均的な値で、この濃度を保つには1日100ミリグラム必要とした。
実際の摂取量はどうか。約1万3000人を調べた一昨年の国民栄養調査では、1日約135ミリグラムと一応、所要量を超えている。だが、佐賀大学農学部の村田晃学部長は、「調査はミカンなどが出回り、12月についでビタミンCがよく取れる11月にある。調理で損失する分も差し引かれておらず、実際に口に入る量は50ミリグラム程度」と指摘する。
国民栄養調査によれは、ビタミンCの約半分を野菜、約3割を果物、約8%をいも類でとっている。錠剤などで取ればいいと思っている人がいるが、食事から取るのが基本だ。果物や野菜には、ビタミンCと同様に酸化を防ぐ抗酸化作用を持つビタミンEやベータカロチンなどが含まれている。体内の抗酸化作用はこれらが協力して働いている。ほかのものが足りないとビタミンCの消費が激しくなり、作用を十分に発揮できない。
ビタミンCは熱に弱く、水に溶けて流れやすいから、調理に工夫が必要だ。果物や野菜は切って組織が壊れると特に流れ出しやすいから、切った後は水に長くさらすようなことは止めた方がいい。

上限はないが

また、サツマイモやジャガイモなどいも類は焼いたり、蒸したりしてもあまりビタミンCが減らない利点がある。女子栄養大学の吉田企世子教授の調査では、ホウレン草を5分ゆでるとビタミンCは60%失われるが、ジャガイモは40分蒸しても26%しか減らなかった。
改定された栄養所要量は、摂取量の上限を決めていない。体内でビタミンCが多くなりすぎると尿中に排出されるので、取りすぎても通常、害はないとされ、人間に1日1000ミリグラム以上与えても悪影響がなかったという実験報告がある。
それでも、倉田さんは、「ビタミンCに限らず、何でも大量に取りすぎるのは勧められない」と、ビタミンCの製剤を一度に何十錠も飲むことなどは控えた方がいいという。食事から取っていれば、心配はないそうだ。

○ビタミンCが多い食べ物の例

アセロラ
グアバ
パセリ
赤ピーマン
ブロッコリー
黄ピーマン、芽キャベツ
ニガウリ
シシトウ、レモン
ピーマン、イチゴ、キウイ

1700
270
200
170
160
150
120
90
80

単位ミリグラム[食べられる部分100グラムあたり](科学技術庁資源調査会編「四訂、五訂日本食品標準成分表」による)(朝日新聞 1999/10/18)

喫煙者のがんに効くビタミンE
血液中のビタミンEの濃度が高いと、喫煙者が肺がんになる危険が減る。米国立がん研究所のカレン・ウッドソン博士らはそんな報告を同研究所ジャーナルに発表した。
フィンランドの50−69歳の男性喫煙者約2万9000人を対象に調査。1日当たりビタミンEの一種アルファトコフェノール50ミリグラムと緑黄色野菜に含まれる色素ベータカロチン20ミリグラムを5−8年間飲んだグループと、どちらも飲まないグループに分けて比べている。
それぞれグループに属する人たちの血液中のアルファトコフェノールの濃度を調べた。その結果、アルファトコフェノールの濃度が高い人は低い人より肺がんになる危険率が19%低かった。とくに、60歳未満の人や喫煙期間が40年未満の短い人の方が、濃度の高まりと肺がんの危険の低下との関係が強かった。ウッドソン博士らは、しゅよう形成の初期に高濃度で存在すれば、肺がんの進行をくい止めるとみている。
ビタミンEやベータカロチンは、がんの引き金になる体内での酸化反応を抑える抗酸化作用がある。(朝日新聞 1999/11/28)

「ビタミン」国際カルテル 公取委、日欧の10社検査
日本と欧州の大手薬品メーカーが、日本を含む世界市場でのビタミン販売で違法なカルテルを結んでいた疑いが強まり、公正取引委員会は27日、「ロシュ」(スイス)、「BASF」(ドイツ)の日本法人や、「エーザイ」(本社・東京都)、「第一製薬」(同)など約10社の本社など10か所を、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。立ち入りを受けたメーカーの大半は昨年、米国市場のビタミン販売でカルテルを結んでいたとして米司法省に反トラスト法(独占禁止法)違反に問われ、巨額の罰金支払いに応じている。
関係者によると、ロシュやエーザイなど大手薬品メーカーは、飲料や食品に添加するビタミンC剤など各種ビタミン製品の日本を含む世界市場で、シェア維持を図るための出荷数量割り当てや高価格の維持、価格引き上げなどのカルテル行為を繰り返していた疑い。
米国、欧州を中心としたビタミンの世界市場では、ロシュなど2社がビタミンC剤の約8割を占めているほか、ビタミンA、Eなどの製品も、立ち入り検査を受けた各社で寡占状態が続いている。また、年間約250億円以上と推定されている日本の栄養補助食品も、添加されるビタミンについて各社が圧倒的なシェアを持っているという。
ロシュ、BASF、エーザイ、第一製薬など6社は昨年、米司法省から反トラスト法違反に問われ、計11億ドル(当時、約1200億円)の罰金支払いに応じている。6社は米国内のビタミン販売で、高い価格設定や販売割り当てなどのカルテル行為をしていた。(読売新聞 2000/01/29)

ビタミン、C+Eの補充がストレスに効果
酸化作用、協力して防ぐ
ビタミンCとEの補充でストレスによる体への悪影響を防ぐことができる──昭和大学医学部の研究グループによるマウスの実験で、そんな結果が出た。さまざまなストレスで活性酸素ができ、遺伝子が傷つけられたり、酸化作用の強い過酸化脂質などが生じたりする。これががんをはじめ多くの病気の原因の1つになるとみられている。CとEはこのようなメカニズムに対抗する役目を果たしているようだ。2日発売の医学誌「あたらしい眼科」に発表された。
同大医学部の浅野和仁講師らは、マウスにストレスを与え、過酸化脂質の量が眼球の中でどう変わるかを調べた。
過酸化脂質は細胞膜などが酸化されてでき、動脈硬化の発病や悪化に深く関係しているといわれる。人間でもストレスが高まると増加する。
実験では、縦に置いたプラスチックの管にマウスを入れて身動きのできない状態にし、首のあたりまで水につけた。8時間このようなストレスを加えると、過酸化脂質の量が普通のマウスの1.7倍に増えた。逆にCの量は約半分に減った。

●消費が急増

人など少数の例外を除き、マウスを含むほ乳動物は体内でCをつくることができる。実験では、強いストレスでCが大量に消費され、生産が追いつかなくなったと考えられる。
同じ条件のストレスを与える30分前にビタミンC2.5ミリグラムを注射しておくと、過酸化脂質やビタミンCの量は普通のマウスと変わらない状態が維持された。
また、活性酸素が増えやすい100%酸素中で飼う実験をした。48時間たつと、空気中で飼った場合に比べて過酸化脂質の量が1.6倍、ビタミンCの量が約半分になった。マウスを酸素中に入れる4時間前にビタミンE1ミリグラムを注射しておくと、過酸化脂質の増加やビタミンCの減少はほぼ抑えられた。Eは体内でつくることができない。
普通の状態のマウスにCやEを注射してもCの含有量は増えないから、ふだんはCは体内で飽和状態になっていると考えられる。

●体内で分業

体内にある酸化力の強い活性酸素は必要な物質だが、ストレスなどで増え過ぎると悪影響が出る。ビタミンCとEは活性酸素をなくしたり、酸化を防いだりする抗酸化作用がある。水に溶けやすいCは水のあるところを担当し、脂になじみやすいEは細胞膜などで働く。

●人間は深刻

また、Cは、抗酸化作用発揮して機能を失ったEを元に戻したり、ストレス対抗ホルモンの材料になったりすることが知られている。
Cをつくれない人、サル、モルモットなどは、個体の条件をそろえることが難しく、Cの投与とストレスの関連実験はほとんどないという。
浅野さんは「もし、人間が日常生活で受ける程度のゆるやかなストレスを与えれば、マウスは自分でつくるビタミンCだけで対抗できるかもしれない。だが、つくれない人間は食物などでCを追加する必要があるだろう」と話す。(朝日新聞 2000/02/04)

ビタミンC・Eほどほどに 米科学アカデミー、摂取量の上限決定
【ワシントン11日=辻篤子】米科学アカデミーは11日、「ビタミンCやEの錠剤を大量に取っても健康に良いという証拠はなく、むしろ害を及ぼす恐れがある」とする報告書を発表、初めて1日の摂取量の上限を定めた。一方、野菜や果物からはこれまでより多くビタミンを取るべきだとして、米国人を対象とする推奨摂取量を改めた。
ビタミンCやE、ベータカロチンなどは抗酸化物質として知られ、細胞が酸化されて傷つくのを防ぐともいわれる。栄養補助剤として大量に取れば、がんや心臓病などが防げるのではないかと期待されていた。
同アカデミーはその効果があるかどうかを調査していたが、「十分な証拠はなかった」と結論づけた。
逆に大量に取ると、ビタミンCは下痢を起こす危険があり、米国人の成人の1日摂取量の上限を、食品と補助剤合わせて2000ミリグラムとした。
ビタミンEは大量に取ると血が固まりにくくなる作用があるとして、補助剤の1日摂取量の上限を1000ミリグラムとした。微量栄養素のセレンは髪の毛が抜けるなどの作用がありうるとし、400マイクログラム以下とした。
一方、1日の推奨摂取量については、ビタミンCは従来の60ミリグラムから、女性は75ミリグラム、男性は90ミリグラムに増やし、喫煙者はさらに35ミリグラムを取るように勧告した。ビタミンEは男女とも15ミリグラムに増やした。
ビタミンCはレモン100グラムあたり90ミリグラム含まれている。(朝日新聞 2000/04/12)

ビタミンCが心臓病、脳卒中のリスク低減
米国の研究所長が発表

「1日50ミリグラム以上のビタミンCを摂取し続ければ、心臓病にかかるリスクは男性で45%、女性で25%ダウンする」──米国ライナス・ポーリング研究所のバルツ・フライ所長が、このほど東京で開かれたビタミン広報センター20周年記念講演会に出席、米国での疫学調査をもとに、ビタミンCを積極的に食事に取り入れるよう力説した。【川鍋 亮】

フライ所長によると、ビタミンCは生体の細胞に酸化的障害を引き起こす活性酸素を効果的になくす強力な抗酸化剤の役目を果たす。そして血しょうやLDL(悪玉コレステロール)中の過酸化脂質の生成を抑制し、心臓病や脳卒中のリスクを低下させる働きがあるという。
米国の研究によると、毎日45ミリグラムのビタミンCを摂取したグループは、28ミリグラム未満の摂取群に比べ、脳卒中のリスクが50%低下した。疫学的研究でも、1日100ミリグラムのビタミンCを摂取すれば、心臓病と脳卒中のリスクを低下させることができるという。
喫煙者は特にビタミンCの摂取を心がけた方がよいという。喫煙で活性酸素が発生し、これを消すためにビタミンCを消費するため、非喫煙者に比べてより多くのビタミンCが必要になる。米国では心臓病の20%は喫煙が原因とされる。さらに、がん死亡で1位の肺がんの90%が喫煙が原因とされているだけに、フライ所長は喫煙の危険性を強く指摘していた。
こうしたことから、フライ所長は「健康の維持には、毎日ビタミンCを200ミリグラム程度摂取することが必要。免疫機能の強化、体調維持にも大切だ。野菜、果物類を1日5皿(500グラム)程度食べるとよい」と勧めていた。ちなみにビタミンCは水溶性のため取り過ぎても体外に排せつされる。
一方、京都府立医科大学の吉川敏一助教授は同講演会で「ビタミンEが動脈硬化など心血管系疾病の予防に効果的」と述べた。ビタミンEは、ビタミンCと同様に抗酸化作用をもち、動脈硬化などいろいろな病気の予防に役立つことが分かってきた。
米国で医療従事者約4万人を対象に4年間、看護婦約8万7000人を対象に8年間、それぞれビタミンEの摂取量と心臓発作の関係を調べたところ、医療従事者では、1日当たり平均100IU(IUは国際単位でビタミンEは1ミリグラムが1IUにあたる)のビタミンEを摂取したグループで冠動脈疾患の発生率が37%下がることがわかった。
また看護婦は同100〜200IUの摂取で、冠動脈疾患の発生が41%も減った。ビタミンEはナッツ類や大豆などに豊富だ。吉川さんは「ビタミンEの働きを補助するビタミンCもなるべく摂取する方が健康にいい」と指摘した。(毎日新聞 2000/08/03)

アルツハイマー病患者に強い味方 ビタミンE
進行遅延に具体的効果
老化防止に役立つとされるビタミンE。このほど来日した米国コロンビア大学脳神経外科のメアリー・サノ博士は、ビタミンEが中程度のアルツハイマー病の病状進行を遅らせる効果があるとする具体的なデータを発表した。患者に投与した量は日本の現状に比較して多めだが、脳の組織を保護するうえでビタミンEが重要な役割を果たすことを裏付ける研究として注目されている。(羽雁 渉)

アルツハイマー病の発症には過酸化脂質が関係し、その蓄積が神経細胞膜の破壊につながっていくと想定されている。また、アルツハイマー病患者の脳には無数の老人斑(はん)があり、そこにべ一夕・アミロイドと呼ばれるタンパク質が粘着し、神経細胞が死んだ状態になっている。ビタミンEは培養細胞でこのベータ・アミロイドの毒性による細胞死を抑えるとされている。
サノ博士は、ビタミンEがアルツハイマー病の症状進行を遅らせることを明らかにするために次のような試験を行った。
在宅で生活している中程度症状の患者341人に、2年間にわたって異なるタイプの薬を投与、アルツハイマーの進行遅延の程度を調べた。
使ったのはパーキンソン病の治療に用いるセレジリン(1日10ミリグラム)、ビタミンE(1日1330ミリグラム)、セレジリンとビタミンE併用、偽薬の4種類。偽薬を投与したグループと比較したところ、ビタミンEのグループが一番効果があった。
さらに、患者が施設に入居するまでの期間をどのぐらい遅らせることができるのかを調べたところ、ビタミンE群が155日、セレジリン群が105日という結果が出た。また、両者の併用群は60日で、併用のメリットはみられなかった。
この結果をもとに、サノ博士は「病態の悪化とともに日常生活活動(ADL)の低下を遅らせる効果はあった」と語った。ただし、認知機能の改善といった面では効果は認められなかった、としている。
そのうえで、サノ博士は「アメリカでは、アルツハイマー病の患者には必ずといっていいほどビタミンEのサプリメント(栄養補助食品)を使うように医師が勧告している」と現状を報告した。健康状態が良い場合は約1800ミリグラム、ほかに合併症がある場合は720−360ミリグラムぐらいの量を出しているという。
一方、日本の場合を見ると、栄養所要量は成人男性が10ミリグラム、女性が8ミリグラム、許容上限摂取量は600ミリグラムとされており、日米間には大きな開きがある。米国に比べ、サプリメントを取る習慣が薄いことが理由として考えられるが、アルツハイマー病の進行抑制に一定の効果がある可能性が強まったことで、今後、高齢者らにどう摂取量を増やしてもらうか課題になりそうだ。

<ビタミンE> 化学名はトコフェロール。8種類あるビタミンEの中でα(アルファ)型が生体内での生理活性の効力が最も強いといわれる。植物油(ひまわり油、コーン油など)やアーモンド、玄米、マグロの脂身、カツオ、カボチャなどに多く含まれる。(中日新聞 2001/02/16)

第一製薬・エーザイに警告 国際カルテル容疑 公取委 ビタミン剤販売で
日本と欧州の医薬品・化学メーカーが、世界市場でビタミン製剤の販売をめぐって違法な国際カルテルを結んでいた問題で、公正取引委員会は5日、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)と同第6条(特定の国際協定・契約の禁止)違反の疑いで第一製薬とエーザイに警告を出した。国際カルテルの禁止を規定した独禁法第6条を適用するのは極めて異例。
この国際カルテルでは、米司法省が1999年5月から9月にかけて武田薬品工業を含む日本企業3社とロシュ(スイス)、BASF(独)に対し、反トラスト法(米独禁法)違反で罰金を科している。
公取委は昨年1月、第一製薬とエーザイのほか、ロシュやBASFの日本法人にも立ち入り検査を実施したが、欧州本社での十分な調査ができないことなどを理由に欧州2社の摘発は見送った。武田薬品工業は95年にカルテル行為から離脱したため時効が成立している。
公取委によると、第一製薬はビタミンB5の販売で、世界市場で最大シェアを持つロシュの呼びかけに応じてBASFとともに91年2月ごろから違法な国際カルテルに参加。99年まで日本を含む世界7地域の市場で各社の年間販売数量を決めていたとされる。
またエーザイは合成ビタミンEの販売で、ロシュ、BASF、ローヌ・プーラン(仏、現アベンティス)の欧州3社とともに、91年1月ごろから98年まで日本を含む世界4地域で同様のカルテルを結んでいた疑いが持たれている。
ビタミンB5と合成ビタミンEは世界需要量の約7割が家畜や魚類の飼料用添加剤に使われ、残る3割が総合ビタミン剤などの医薬品や化粧品の原料になる。

第一製薬の話 公取委の認定を厳粛に受け止めている。当社は米国でこの問題が起きて以降、倫理に裏打ちされた行動を徹底している。
エーザイの話 公取委の警告を厳粛に受け止め、法令と倫理の順守を徹底したい。

米欧との強力体制に課題

【解説】 公取委が国際カルテルを巡る独禁法違反で日本の製薬会社2社に行った警告措置は、1999年の日米独占禁止協力協定の締結後、初めての摘発となった。ただ、処分は日本企業だけに絞られ、内容も制裁措置のない警告にとどまった。情報交換を含めた日米独禁当局の協力体制など、国際カルテル摘発の問題点も浮かび上がった。
90年代から目立つようになってきた多国籍企業による国際カルテルや国際合併に監視を強めるため、日米当局は協定を締結。公取委は現在、欧州連合(EU)や韓国の独禁当局とも交渉を進めており、「日米同様の包括的な協力体制を築きたい」としている。
摘発されたビタミンカルテルの背景には、世界的規模で進む薬品市場の寡占化が指摘される。世界のビタミンB5の市場規模は推定で年間約1億ドル。市場シェアはロシュが約4割、BASFと第一製薬がそれぞれ2割程度で、この3社で8割のシェアを握る。合成ビタミンEはロシュが最大手で、BASFが続き、エーザイは4位でシェアは10%程度だ。しかし、日米間で協定が結ばれたものの、国際カルテルを共同監視するシステムはなく、協力体制も十分ではない。今回も「米司法省や欧州各国から実際の捜査にかかわる情報はほとんど提供されなかった」(特別審査部)という。
米司法省は日欧企業に対し、司法取引という手法を使って有罪の確証を取り、99年に罰金刑を科した。日本側の調査能力の“限界”を指摘する声もあり、公取委は昨年から司法取引の実態調査を開始。審査官増員を図るなど、国際カルテルなどの監視態勢の強化を急いでいる。(日本経済新聞 2001/04/06)

ビタミンC使い歯周病予防商品 ライオン、5年後メド
ライオンは、ビタミンCに、歯茎に炎症などを引き起こす歯周病を予防する効果があることを突き止めた。歯周病菌を攻撃する白血球の働きを最大2倍に高めて歯茎を守るほか、炎症の拡大も防げるという。5年後をめどに、歯周病予防に有効な歯磨きを開発する。
ビタミンCは水に溶けやすいため、ライオンは溶けにくく変化させたビタミンC誘導体(L―アスコルビン酸リン酸エステル)に着目。培養した歯周病菌の中に、白血球とこの物質を入れて殺菌効果を確かめた。白血球の働きはビタミンCがない場合に比べ最大で2倍高まり、歯周病菌を減らした。
成果を27日から千葉市で開かれる国際歯科研究会で発表する。(日本経済新聞 2001/06/22)

ビタミンと亜鉛で老人の失明防止効果
ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、それに亜鉛という4種のサプリメント(栄養補助食品)で、老人が失明に至る眼の病気を予防できることがわかった。
米連邦政府のNIH(米国立衛生研究所)傘下の研究機関の1つである、米国立眼研究所の研究で明らかになったもの。
予防できるのは、老人性円板状黄斑変性という老化現象による眼の病気。老人性円板状黄斑変性は視野の中心部が、ぼやけたり、ゆがんだりする症状が出て、病状が進むと、失明に至ることが多い。老人の失明の最大の原因となっているが、決定的な治療法はない。
この研究では、3640人(平均69歳)を被験者に、ビタミン類が、老人性円板状黄斑変性と白内障にどういう影響を与えるかを調べた。
被験者は全員、黄斑変性の初期の段階にあり、放置すると症状が進行する可能性がある患者ばかりだった。使ったサプリメントは、いわゆる抗酸化剤として知られているビタミンC、E、ベータカロチンで、それに亜鉛も一緒に被験者に与え、6年間追跡調査した。
試験の結果、これらのビタミン類と亜鉛を毎日与えた場合、偽薬を与えた場合と比較して、黄斑変性が進行するリスクが25%減り、失明のリスクが15%減ることがわかった。
ただし、ビタミン類、亜鉛を個別に与えた場合では、効果は薄く、あるいは全く効果がなかった。
この研究で、被験者に与えたビタミンCは500mg、ビタミンEは400国際単位(IU)、ベータカロチン15mg、亜鉛80mgだった。(日経ヘルス 2001/10/29)

ビタミンDが若年型糖尿病を防ぐ──フィンランド
乳児期、幼児期にビタミンDを十分摂取すれば、若年型糖尿病の発病を予防する効果があると英国とフィンランドの合同研究チームが発表した。
若年型糖尿病は、幼少期にインスリンを分泌する機能が失われるために、治療のために毎日インスリン注射をして血糖値をコントロールしなければならないタイプの糖尿病で、糖尿病全体の約1割を占める。
ロンドンにある小児健康研究所のエリナ・ヒッポネン博士らは、フィンランド北部の地域で生まれた1万2000人以上の子どもの健康状態を66年から97年まで、31年間追跡調査した。
その結果、ビタミンDをサプリメント(栄養補助食品)として与えられていた子どもは、与えられていなかった子どもと比較して、若年型糖尿病を発症する割合が80%減少していた。また、生後最初の1年間に、ビタミンDが不足していたと思われた子どもは、その後、若年型糖尿病にかかるリスクが3倍に高まっていた。
ヒッポネン博士は「ビタミンDの摂取と若年型糖尿病の発病との間には、非常に強い関連があることがわかった。すなわち、サプリメントの形であれ、日常の生活のなかであれ、ビタミンDの摂取が不足すれば、若くして糖尿病にかかりやすくなる」と述べている。(日経ヘルス 2001/11/06)

ビタミンEで神経難病治療 東京医科歯科大など動物実験
神経が障害され、体がふらつくなどの症状が出る脊髄(せきずい)小脳変性症の1種に、ビタミンEが効くことを、東京医科歯科大や東京大、中外製薬の共同グループがマウス実験で確かめた。根本的な治療法に結びつくと期待される。
この病気の原因は血中からビタミンEが異常に早く消えることだとされる。東京医科歯科大の横田隆徳講師(神経内科)らが突きとめた。
一方、東大の新井洋由教授(薬学)は、ビタミンEを輸送するたんぱく質の遺伝子を発見した。さらに横田さんらと共同で研究。患者ではこの遺伝子には異常があることを見つけた。
マウスの遺伝子を操作して、このたんぱく質をつくれないようにしたところ、生後1年で歩行がふらつくなど、患者とそっくりな症状が現れた。しかし、誕生時からビタミンEを与えると、症状は出なかった。
こうしたことから、血中のビタミンE濃度を保てば病気の治療につながると考えられた。
東京医科歯科大の水沢英洋教授(神経内科)は「早期に診断し、早く治療を始めれば病気を悪化させないようにできる」と期待する。(朝日新聞 2002/01/25)

白内障がビタミンCで予防できる
野菜や果物などの食品から、あるいはサプリメント(栄養補助食品)からでもいい、ビタミンCをたっぷり摂取するとあなたの眼を白内障から守ってくれます、と米タフツ大学(ボストン)の研究者が、「米臨床栄養学雑誌」(American Journal of Clinical Nutrition)最新号で報告している。
同大学の人間栄養研究センターのアレン・テイラー博士をリーダーとする研究チームは、53歳から73歳までの女性492人について、年齢と白内障とビタミンC摂取量との関係を調べた。
その結果、60歳以下の女性でビタミンCを1日362ミリグラム以上摂取している人では、ビタミンCの摂取量140ミリグラム以下の人と比べると、白内障にかかる割合が57%も低かった。
また、サプリメントの形でビタミンCを飲んでいる人は、飲んでいない人と比べると、白内障にかかる割合が60%低かった。(日経ヘルス 2002/03/04)

ビタミンD、直腸がん予防 とりすぎはダメ
魚肉や卵黄、キノコ類などに多く含まれるビタミンDに、直腸がんを予防する働きがあるらしいことが分かった。米テキサス大グループが米科学誌サイエンス17日号に発表した。
グループは、小腸などの細胞にあるビタミンD受容体がリトコール酸という発がん物質と結びつくことを実験で確かめた。この結合によって、リトコール酸の分解酵素が小腸で増産されることもわかった。
リトコール酸は食物中の脂肪からできる。脂肪の多い食生活を続けると、リトコール酸の分解が追いつかず、直腸がんの危険が増すとみられる。グループの一員で現在、大阪大学の槇島誠・助教授は「ビタミンDはとりすぎると副作用がある。ビタミンD受容体を活性化させる物質でがんを抑制できる可能性がある」という。(朝日新聞 2002/05/27)

ビタミンEが豊富な食事でアルツハイマー病を予防
日ごろから、ビタミンEをたっぷり含む食事をとっている人は、アルツハイマー病になりにくいという報告があった。
シカゴの「ラッシュ健康老化研究所」の疫学者、マ−サ・クレア・モリスさんらが行った研究。研究者たちは、シカゴ地区に住む65歳以上の815人を対象にまず食習慣について詳しく調べた。調査開始時には、全員アルツハイマー病の兆候が全くない人たちばかりだった。
4年間追跡調査したところ、この間に131人がアルツハイマー病を発病した。アルツハイマー発病とビタミンEの摂取との関係を見たところ、ビタミンE摂取が最も少ないグループでは発病率14.3%だったのに対して、ビタミンE摂取が最高のグループでは発病率は5.9%と半分以下だった。
研究者たちは、被験者の年齢、教育水準などの要素を考慮に入れて分析した結果、ビタミンEを多く摂取していると、アルツハイマー病の発病が70%抑えられると結論づけている。(日経ヘルス 2002/07/02)

京都府医大、肝臓がん化抑制
カロチン・ビタミンE服用、肝硬変患者に効果
京都府立医科大学の西野輔翼教授らの研究チームは、カロチンやビタミンEを組み合わせて服用すると、肝硬変が肝臓がんに進むのをある程度、予防できることを臨床試験で確認した。西野教授らはベンチャー企業を設立、今秋にも医療機関を通じて錠剤の試験販売を始める。
C型肝炎ウイルスの感染などで発症するウイルス性肝硬変の患者91人を対象に試験した。
このうち46人の患者に最長で5年弱の期間、べ−タカロチンなどのカロチン類19ミリグラムと、ビタミンE50ミリグラムを毎日服用してもらったところ、肝臓がんの発症率は約15%だった。一方、服用しなかった45人の患者では、発症率はその3倍の約45%だった。
カロチン類やビタミンEは食品として市販されているが、2つをうまく組み合わせて投与することで、肝臓がんの発症予防を引き出したとみている。
「抗酸化、免疫増強など複数の作用が調和して効果が表れた」と西野教授は分析している。
西野教授らが出資して新設したベンチャー企業は、フリーラジカル制御研究所(大阪府枚方市、西村久社長)。患者は医療機関を通じて錠剤を購入し、医師の指導の下で服用する。(日経産業新聞 2002/09/30)

肝臓がん再発危険性、ビタミンK2で3分の1に
肝臓がんを治療した患者に、安全な骨粗しょう症治療薬として普及しているビタミンK2剤を投与すると、がん再発の危険性を3分の1に抑えられることが、山本匡介・佐賀医科大助教授(内科)らによる臨床研究で明らかになった。
佐賀医大は、患部を電磁波で焼くなど様々な治療法によって「患部を完全に死滅または除去させた」と判断できた肝細胞がん患者32人に、「メナテトレノン」(商品名グラケー)を1日45ミリ・グラムずつ内服してもらい、内服しなかった29人と比較した。
3−4か月ごとに再発の有無を調べた結果、グラケーを内服した患者、内服しなかった患者の再発率はそれぞれ、1年後が12.5%と51.7%、2年後が39.1%と84.5%、3年後が65.5%と92.2%。統計的に再発の危険性を計算すると、内服によって3分の1に減少することが分かった。特に、C型肝炎から進展したがんは、約4分の1となった。
小俣政男・東大教授(消化器内科)らも、患部を焼くなどの治療を受けた患者60人に同量のグラケーを投与。転移につながる門脈へのがん細胞の広がりを、1年後は2%(内服しなかった60人は21%)に抑制でき、2年後の生存率は59%(同29%)に向上した。(読売新聞 2002/11/18)

ビタミンAの過剰摂取 骨折の危険性高める
スウェーデンの研究チームが調査

ビタミンAを取りすぎると、骨折する危険性が大幅に増すことがスウェーデンの研究チームの調査でわかった。ビタミンAは、不足すると視覚障害などが起きることが知られているが、研究者は「ビタミンAの栄養補助食品(サプリメント)の摂取は、適切にすることが大切だ」と指摘している。この成果は、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表された。
50歳前後の男性2322人を30年間にわたって調査、このうち266人(11%)が骨折を経験していた。
ビタミンAの血中濃度と骨折の関係を調べたところ、濃度が平均より1―2割高い人は1.6倍骨折しやすいことがわかった。さらに濃度が通常より5割以上高い人は、骨折する率が7倍も高かった。ビタミンAに、骨を壊す破骨細胞の働きを強めるなどの作用があるとされ、過剰になると骨を弱くしてしまうようだ。
これまでも、ビタミンAの過剰摂取が骨折の危険を高めると推測させる調査はあるが、実際に血中濃度を測定して確認したのは初めてという。(読売新聞 2003/01/28)

ビタミンD化合物が癌細胞死滅に効果
乳癌(がん)に対する放射線療法は、術前では腫瘍サイズを縮小する目的で、術後では腫瘍の再発を減らす目的でそれぞれ頻繁に行なわれるが、ビタミンD類似化合物を放射線療法に併用することにより、放射線単独で治療するよりも癌細胞がより多く死滅することが実験で明らかになった。
米国薬学誌「癌化学療法と薬理学(Cancer Chemotherapy and Pharmacology)」5月号に掲載された米バージニア・コモンウェルス大学の研究によると、培養した乳癌細胞に低用量放射線を照射する前に、通常量のビタミンD類似化合物で処置したところ、放射線の治療効果が高まることが確認された。実際、ビタミンD類似化合物の働きにより癌細胞数は放射線単独の場合に比べ30%近く減少し、また新しい癌細胞の増殖阻止に3倍の効果を発揮した。
ビタミンDの大量投与は細胞毒性となるため、研究者らは天然ビタミンDに修飾を施し毒性を軽減させた。また放射線を低用量で照射したため、併用による正常細胞に対する毒性は認められなかったが、あくまでも培養細胞での結果であり、臨床応用に当たっては注意を要すると共同研究者のGewirtz教授は指摘している。現在、米国ではビタミンD類似化合物のヒトでの臨床試験はまだ行われていない。
同教授は近く論文で、マウスでの研究で同じ結果が得られたことを発表する。また、この併用療法が放射線抵抗性の脳腫瘍や前立腺癌の治療にも効果が期待できることを示唆している。
今回の研究結果について、別の専門家は「ビタミンD化合物は癌細胞に対する放射線の増感剤となり、そのことが殺傷率を持続的に増大させる効果につながるようだ。今回の知見が臨床試験で立証されれば、癌患者にとって大きな利益になるだろう」とコメントしている。(日本経済新聞/HealthScout News 2003/04/23)

歯周病予防や症状改善 ビタミンCや乳酸菌で
歯を失う最大の原因となっているのが歯周病。歯槽膿漏(のうろう)とも呼ばれ、程度の差はあるが、成人の7―8割はかかっているいわれる。
発症にはその人の生活習慣が密接に関係しているため、日々の生活の中で予防や症状の改善ができることが望ましい。こうした点から、ビタミンC入り歯磨き剤や乳酸菌タブレットが注目されている。

▽欠かせないセルフケア

歯周病は、ほとんどが痛みなどの自覚症状が乏しく、気づいたときは歯がぐらぐらして抜ける寸前だったということも多い。
歯周病が専門の日本歯科大の鴨井久一教授は「歯周病はセルフケアが欠かせない」と指摘する。歯磨き剤などで予防できれば一番望ましいわけだ。
ビタミンCは、歯肉からの出血を抑える作用のあることが分かっていたが、水溶性であるため歯磨き剤に入れておくことが難しかった。しかし、最近、その問題が解決され、ビタミンC入りの歯磨き剤が開発されたという。
鴨井教授らが東京歯科大のグループと協力してビタミンC入り歯磨き剤の効果を調べたデータがある。
軽度の歯周病と診断された44人を(1)ビタミンCと薬効成分の入った歯磨き剤を使用(2)薬効成分だけの歯磨き剤を使用(3)すべての薬効成分を除いた歯磨き剤を使用―の3群 に分け、4週間、1日2回以上の歯磨きをしてもらった。
その結果、歯磨き時の出血がビタミンC入り歯磨き剤を使った群は平均で初診時を100とすると、4週間後には30程度まで改善。薬効成分だけの歯磨き剤やすべての薬効成分を除いた歯磨き剤の群は、あまり改善が見られなかった。
また、歯肉の炎症でも4週間後には、ビタミンC入り歯磨きのグループが明らかに改善していることが確認されたという。

▽治療にも期待

歯周病の症状改善では、乳酸菌LS1も効果があるとされており、虫歯や口臭も防ぐようだ。
日本プロバイオティクス学会(理事長、古賀泰裕東海大医学部教授)は、ボランティア7人にこのタブレットを1回5粒、1日3―5回服用してもらい、効果を調べた。すると、服用半年後には歯周ポケット(歯と歯茎の間のすき間)の歯周病原因菌の数が、100分の1に減少していたことが確認された。
同学会は「乳酸菌LS1で、歯周病の予防だけでなく治療にも一定の効果が期待できるのではないか」と説明している。
ビタミンC入り歯磨きは「デントウェル薬用VC」(大正製薬)、乳酸菌タブレットは「クリッシュ」(フレンテ社)として製品化されている。(共同通信 2003/06/03)

心臓病予防 ビタミン剤効果なし
心臓病予防などに効果があるとして広く使われているビタミンEや、体内でビタミンAに変わるβ(ベータ)―カロチンの錠剤は、心臓病予防に効果がないことが、米国の研究チームの大規模な調査解析で分かった。ビタミンEの錠剤を飲んでも、こうした病気になる率が変わらなかったほか、β―カロチン錠剤を飲み続けた場合は逆に、心臓病の危険性、死亡率はわずかながら上昇したという。研究結果は英医学誌「ランセット」に掲載された。
研究チームは、ビタミンEについては、計8万1788人を対象にした7つの大規模調査を、β―カロチンについても同様に計13万8113人を対象にした、8つの大規模調査を解析した。それぞれ、1―12年間、死亡率などを追跡した。
この結果、ビタミンEを飲んでいる人と、偽薬を飲んでいる人とを比べたところ、死亡率、心臓病の危険性ともに変わらなかった。しかし、β―カロチンを日常的に飲んでいる人と、偽薬を飲んでいる人とを比べたところ、β―カロチンを飲んでいる人の方が0.4%全体の死亡率が高く、心臓病で死亡する率も0.3%高かった。研究チームは「β―カロチンやビタミンA、ビタミンEの錠剤を健康のために飲み続けることは、お勧めしない」と結論づけている。(読売新聞 2003/07/08)

消化性潰瘍をビタミンCで防ぐ
血中のアスコルビン酸(ビタミンC)濃度が高いと胃腸障害のリスクが低いことが、米国医学誌「Journal of the American College of Nutrition」8月号に掲載された報告で示唆されている。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部のJoel A. Simon博士のチームが、既存の第3回米国健康栄養調査(NHANES III)データを分析した結果、成人6746人のおよそ3分の1に、ヘリコバクターピロリ菌に対する抗体があることが明らかになった。H.ピロリ菌の慢性感染は消化性潰瘍や胃癌の危険因子とされている。
研究チームは、年齢や肥満指数(BMI)などの要因を調整した後に被験者の血液サンプルを調査した結果、アスコルビン酸濃度の高い白人では、H.ピロリ菌への感染リスクが25%低いことを発見した。マイノリティグループでは、この関連性は明らかになっていない。また、特に病毒性の強い菌株では、アスコルビン酸の濃度が1dLあたり50mg上昇するとリスクが69%低くなることが判明した。
Simon博士は、この関連が事実ならば、ビタミンCを多く摂取すればH.ピロリ菌の感染を防止し、消化性潰瘍も防ぐことができると語った。米国立アカデミー医学研究所が奨励するビタミンCの1日摂取量は、女性で75mg、男性では90mgとなっている。(日本経済新聞 HealthDayNews 2003/08/01)

ビタミンCが活性酸素抑制 米カリフォルニア大学
米カリフォルニア大学バークレー校の研究グループは動脈硬化などの原因となる酸化ストレスの抑制にビタミンCが有効なことを実験で確かめた。ビタミンCが悪玉の活性酸素の働きを抑える。受動喫煙による悪影響も軽減できるという。
たばこの煙は肺がんを起こすだけでなく、脳卒中や心臓疾患につながる酸化ストレスを高める原因になる。研究グループはたばこを吸わない数十人に毎日500ミリグラムのビタミンCを投与。2カ月たつと、被験者の体内の活性酸素はビタミンCを摂取しなかった人より1割以上低下したという。たばこの煙中の微粒子とビタミンCが反応、悪玉酸素の働きを抑えるとみられる。(日経産業新聞 2003/08/21)

ビタミン、ミネラルの取りすぎはよくない
英国の食品監視当局の「英食品標準局」(Food Standard Agency、FSA)は、このほど、「サプリメント(栄養補助食品)の大部分はまず安全だが、取りすぎや、長期間使用で、かえって健康を害することがあるビタミン、ミネラルもある」と、以下のように警告した。
●ビタミンC、カルシウム、鉄分は大量に摂取すると、危険な症状を呈することがある。ビタミンCは1日に1000mg、カルシウムは1日に1500mg、鉄分は1日に17mg以上摂取すると、腹痛や下痢を起こすことがある。
●ビタミンB6は、医療で使用する場合を除いて、1日10mg以上は避けるべきである。
●抗酸化剤として人気のあるベータカロチンは、喫煙者が高用量を長期間使うと、有害となる恐れがある──など。
FSAは、34種類のビタミン、ミネラルを対象に、その安全性に関して独自に調査して、この警告を出した。(日経ヘルス 2003/08/29)

ビタミンDに大腸ガン予防作用発見
体内でカルシウムの吸収を促進することで知られているビタミンDが、大腸ガンの予防にも効果があることが初めてわかった。
テキサス・サウスウエスタン大学ハワードヒューズ医学センターのデービッド・マンゲルスドーフ博士が、米科学誌「サイエンス」で明らかにしたもの。
博士らは、高脂肪食でなぜ大腸ガンが増えるかを研究し、胆汁酸とビタミンDの関係を見つけた。高脂肪の食事をすると肝臓から胆汁酸が出る。このうち「リトコール酸」(lithocholic acid)は、動物の腸管に高濃度であると、大腸ガンを起こす。ところが、ビタミンDを与えた後、リトコール酸を与えたら動物に大腸ガンは起きなかったのである。すなわち、ビタミンDにはリトコール酸を解毒させる働きがあるという。
実際に大腸ガンの患者では、高濃度のリトコール酸が分泌される人が多いという。「こういう患者にビタミンDを与えると、リトコール酸による害が抑えられて、この状態を改善できるだろう」と研究者たちは見ている。(日経ヘルス 2003/09/26)

βカロチン、ビタミンC、E、亜鉛が高齢者の失明を防ぐ
老人性黄斑変性症は、網膜のほぼ中央にある黄斑部が変化して、見ようとするものの中心部が見えにくくなたり、ゆがんで見える。病状が次第に悪化して、最後は失明に至るケースも多い。
この眼の病気の予防に抗酸化物質作用の強いサプリメント(栄養補助食品)、すなわち、βカロチン、ビタミンC、E、それに亜鉛の大量療法が効果を持つという報告があった。ジョンズホプキンス大学(ボルチモア)での研究。「米眼科学会誌」に報告された。
研究によると、米国には55歳以上で黄斑変性症にかかる危険性が高い人は800万人いるが、もしこの人たち全員が、これらのサプリメントを使えば、少なくとも30万人が黄斑変性症にならずに済み、失明を避けることができるという。(日経ヘルス 2003/11/20)

大量のビタミン摂取でアルツハイマー予防? 米研究
シカゴ(ロイター)高齢者がビタミンCとビタミンEを毎日大量に摂取すると、アルツハイマー病にかかる危険性が小さくなるとの研究結果を、米ジョンズホプキンス大のチームがこのほど発表した。両ビタミンのサプリメント(栄養補助食品)を常用しているグループは、発症率が8割近く低下するとのデータが得られたという。
同大のピーター・ザンディ氏らは、65歳以上の高齢者4740人を対象に、95年から5年間にわたる追跡調査を実施。神経学専門誌「アーカイブズ・オブ・ニューロロジー」に成果を発表した。
それによると、調査の前半では対象者のうち200人がアルツハイマー病と診断されたが、サプリメントでビタミンCとEを摂取していたグループでは、非摂取グループに比べ、発症率が78%も低かった。調査期間が終了するまでにさらに104人がアルツハイマー病にかかり、最終的に摂取グループは発症の危険性が64%低いとの結果が出たという。
ビタミンCのサプリメントは通常、1日分の含有量が500−1000ミリグラム。米政府が推奨する1日の標準摂取量は75−90ミリグラムだ。またビタミンEの標準摂取量は22IUとされるが、サプリメントでは1日に最高1000IUまで摂取できる。複数のビタミンを少量ずつ含むサプリメントを利用したグループや、ビタミンC、Eのどちらか一方のみ摂取したグループでは、発症率に差がみられなかったという。
チームによれば、ビタミンは大量に摂取してもほとんど害がなく、アルツハイマー予防への活用が期待される。ザンディ氏は研究について「非常に興味深い結果が出た」と述べる一方、「これはあくまで観察調査による統計。本格的な実験はこれからだ」と話している。(CNN 2004/01/26)

ビタミンEにガン予防効果、ヒマワリの種など効果的
【ワシントン28日ロイター】2つの最新の調査で、ビタミンEが少なくとも前立腺ガンと膀胱ガンの予防に効果を持つことが分かった。
ただ、効果を期待するには、補助剤投与が最良の方法ではないという。
2つの調査によると、ビタミンEが最も多く含まれる食品を摂取したり、血液中の(ビタミンE)濃度が最高水準の人は、ガンの発症率が最も低かった。
ただ、調査を行った研究者らは、ビタミンEにはいくつかの型があり、摂取する種類が重要だと指摘している。
この場合、重要なのはアルファ・トコフェロールで、しかも最も効果の高い形のトコフェロールが含まれているのは、補助剤ではなく、ヒマワリの種やホウレンソウ、アーモンド、それにピーマン類などだという。(ロイター通信 2004/03/29)

総合ビタミン剤はHIVの増殖を抑える−エイズの発症を遅らせる安価な栄養補助食品
総合ビタミン剤がHIVの進行を遅らせるかもしれない、と米国の医者がいう。そうなら、途上国の患者はさらに高価な医薬品に切り替える時期を遅らせることができるかもしれない。
この提案は1080人のHIVに感染したタンザニアの妊婦を対象にした臨床試験から生まれた。毎日ビタミンB、C、Eを飲み続けた患者を5年間にわたり調査したところ、本格的にエイズを発症する可能性が対照群と比較して50%低いことがわかった、とNew England Journal of Medicineに発表した。
主著者のハーバード大学公衆衛生学教室のWafaie Fawziは、総合ビタミン剤は途上国のHIV感染者に早期のうちに与えられるべきだ、と考えている。この方法で生活の質を向上させる費用は年15ドルしかかからない。
また、ビタミン剤は症状の悪化を遅らせ、その結果、効果は高いが1人年300〜400ドルかかる抗ウイルス療法を適用する時期も遅らせる。これらの抗ウイルス剤は副作用が強いため、通常病状が悪化するまで使われない。
「もちろん総合ビタミン剤で抗ウイルス剤を置き換えることはできない。抗ウイルス剤の利用を拡大する努力も実行中ではありますが。しかし、薬価や途上国での投与の難しさにより全世界600万人のうち8%以下の患者しかこれらの治療法を手にすることができない。」と、メリーランド州ロックビルの国立子供の健康と発育に関する研究所で母子とHIVを研究しているLynne Mofensonはいう。
これまでも医師らは栄養不足、あるいは特定の栄養を欠いている患者はHIVに感染すると悪化しやすいのではないかと考えてきた。しかし、Fawziらによって今回はじめて複合ビタミン剤についての2重盲検法による臨床試験が行われた。Fawziらは米国で1日あたりの推奨摂取量の6倍の量のビタミン剤を処方した。
ビタミン剤は栄養状態のよくない途上国のHIV治療に大きなインパクトをもたらしそうだ。「ただし、既に十分な栄養をとっている途上国の人についても良い影響があるかどうか、また、男性についても同じような効果が期待できるか、ということについて結論を下すにはまだ時期尚早ですが。」と、Mofenson。
専門家ですらもビタミン類がこの疾病に効果があるのかよくわかっていないが、今回の研究により、ウィルス量を減らし、免疫細胞を増やす効果があることは明らかとなった。「この効果はおそらく、ビタミンの不足を補い、免疫系の働きを活性化することにあるのだろう」とボストンタフツ大学で免疫学と栄養学を研究するSimin Meydani。
だが、その他の疾病についても総合ビタミン剤が効果があるかどうかという点についてもまた議論の余地がある。何にでも効く薬、というものも存在しない。この最新の研究からビタミンAを総合ビタミン剤に加えると、効果が減退するということもわかっている。「気をつけないと、余計悪くなっちゃうかもしれませんよ。」と、Meydani。(Nature: Multivitamins slow HIV: Onset of AIDS delayed by low-cost supplements. 2004/07/01)

エイズの進行防止にマルチビタミンが効いた!
HIV(エイズウイルス)にかかった女性にマルチビタミンを与えたところ、エイズの進行が防止できたと、ハーバード大学の公衆衛生学のグループが明らかにした。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンでの報告によると、試験には1078人のHIV感染妊婦をエントリーし、マルチビタミンを与えるグループと、偽薬を与えるグループなどに分けて、71カ月間病状の変化を観察した。すると、マルチビタミンを与えられた271人では、病状が第4ステージというかなり悪い状態まで至ったのは67人だったが、偽薬を与えられた267人では83人が第4ステージになった。偽薬に対して、悪化のリスクが約30%低かった。また、マルチビタミンを与えられた人には白血球なども減少せずに保たれた人が多かった。(日経ヘルス 2004/07/05)

小児期のビタミン剤使用、食品アレルギーなどと関係も
【シカゴ6日ロイター】米研究グループが、8000人以上の子供を対象とした調査で、小児期における栄養補助食品のマルチビタミン剤の使用が、ぜんそくや食品アレルギーに関係している可能性がある、とする研究結果を発表した。
ワシントンの米国小児医療センターなどの研究機関の共同研究だが、因果関係は明らかでないという。また、幼児期のマルチビタミン剤使用が、近年みられるぜんそくや食品アレルギーの増加の原因となっているかどうか結論を出すには、さらなる調査が必要としている。
米政府の研究機関は、1991年から母親と小児に対する追跡調査を実施しており、今回の調査結果はそのデータに基づいている。
調査は、「黒人の子供について、小児期のマルチビタミン剤使用とぜんそくの間に関係がみられたほか、調合乳で育った子供の場合、マルチビタミン剤の使用と食品アレルギーの間に関係がみられた」と指摘している。
また、3歳ごろにマルチビタミンを与えられた子供の間では、全体でアレルギー発症率が高かった。(ロイター通信 2004/07/06)

ビタミンK2で肝がん抑制、副作用少なく 大阪市立大
ウイルス性肝硬変の患者がビタミンK2剤を何年も飲み続けると、肝がんに進行する確率が標準的な治療のみの患者に比べ約5分の1にまで下がる。塩見進・大阪市立大教授らのグループがそんな研究結果を米医師会誌(21日発行)に発表する。ビタミンK2剤は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬として普及しており、同グループは「副作用が少ない安価な薬で肝がん抑制の可能性を示せた」という。
ビタミンK2は納豆などに多く含まれる成分。研究の対象となった患者40人は皆、男性より骨がもろくなりやすい女性で、骨粗鬆症と早期のウイルス性肝硬変を併発していた。96年から約8年間、経過を追った。
21人は肝臓を保護する薬剤を使う標準治療に加え、ビタミンK2剤「メナテトレノン」を毎日45ミリグラム飲み、19人は標準治療だけを続けた。その結果、肝がんに進行したのは、K2を飲んだ患者では2人、飲まなかった患者では9人だった。
この結果をもとに1年間に発がんする確率を計算すると、飲んだ患者は1.6%になる。飲まなかった患者は8.8%で、ウイルス性肝硬変になった患者の全国平均(8%前後)に近かった。
小俣政男・東京大教授(消化器内科)は「ビタミンK2が肝がんの再発を抑えることを示す研究が別のグループから発表されているが、今回は肝がんへの進行を抑える効果もうかがわせる。ただ、抗がん剤のように劇的には効かないだろう」と話す。(朝日新聞 2004/07/21)

栄養補助食品のビタミンE、心臓疾患予防に効果ない=米調査
【シカゴ26日ロイター】米研究グループの調査によると、栄養補助食品(サプリメント)のビタミンEを服用しても、心臓疾患発症の確率は低下しないことが分かった。
それだけではなく、栄養補助食品のビタミンEを摂取することで、効果が証明されている薬剤の使用や、健康的な生活スタイルは必要ないとの誤った認識に陥る可能性があるという。
調査は、1990年以後行われた7つの研究結果をまとめたもので、栄養補助食品のビタミンEを服用しても心臓血管系の疾患は予防されなかった、と結論づけている。
研究を率いたレイチェル・アイデルマン氏は、食物から摂取されたビタミンEは、老化防止の作用を持つと言われ、コレステロールが動脈をふさぐことを予防すると考えられているが、栄養補助食品の形で摂取しても同様の効果が得られないことがこの調査で分かった、と述べた。(ロイター通信 2004/07/27)

ビタミンEは高齢者を風邪から守る=米の研究
【シカゴ17日】高齢者がビタミンEを毎日服用すれば普通の風邪を引かないで済む可能性が大きくなるとの研究結果が米国医学会報(JAMA)最新号に発表された。研究は養老院に入っている65歳以上の高齢者450人以上を対象に1年かけて行われ、その半分に200国際単位(UI)のビタミンEが毎日投与された。
その結果、ビタミンEのサプリメントを投与されたグループでは風邪の件数が目立って少なく、プラセボ(有効成分のない偽薬)を与えられたコントロールグループに比べ、風邪にかかるリスクが20%低いことが判明した。ただし、このサプリメントは急性気管支炎、急性肺炎、季節的なアレルギーには効果がないもよう。
研究を行ったボストンのタフト大学の研究者たちは、高齢者が普通の風邪を引けば他の病気にかかりやすくなるため、この研究は高齢者の福祉のために意味するところが大きく、一層の研究に値すると述べている。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/08/18)

ビタミンE大量摂取は「有害の恐れ」、米研究結果
老化の原因になる体内の活性酸素を消す働きがあるビタミンEをサプリメントなどで大量に摂取すると、健康に有害な恐れがあるとする研究を米ジョンズホプキンズ大などがまとめ、10日、米心臓学会で発表した。
欧米と中国で主に高齢者を対象に行われた、計19の臨床試験(患者総数約13万6000人)を分析した。1日に267ミリグラム(400国際単位)以上を摂取すると、最長約7年の追跡期間中の死亡率が、偽薬をのんだ人に比べ約10%高かった。摂取量がその半分以下だと、逆にプラスの効果も推定された。
死亡率が高くなる原因は不明。試験参加者の大半は持病があったため、研究者らはさらに研究が必要と認めているが「無害と分かるまで大量摂取は控えた方がいい」としている。
日本人の1日のビタミンE所要量は成人男性10ミリグラム、同女性8ミリグラムで、摂取上限は600ミリグラム。専門家によると食事から取れるのは10ミリグラム程度だが、サプリメントは1錠で267ミリグラム以上を含む製品もあるという。(共同)(産経新聞 2004/11/11)

ビタミンCにがんと闘う新しい機能
ビタミンCが抗酸化物質としてフリーラジカルを中和することはよく知られているが、米オレゴン大学の研究では、脂肪代謝の毒性副産物に反応して中和するというビタミンCの機能が初めて判明した。
この脂肪代謝物に関する新たな発見は、ビタミンCが酸化脂肪から生成される毒性化合物の防御で複雑な役割を果たし、それらが引き起こす遺伝子の損傷および炎症を阻止することを示す上で極めて重要である。
これは体が脂肪代謝副産物の毒性を回避する主要な経路と見られ、明らかにがんの予防と関連している、と同大学ライナス・ポーリング研究所准教授Fred Stevens博士は用意された声明の中で述べた。
研究は米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences」今週号に掲載されている。(日本経済新聞 HealthDayNews 2004/12/10)

ビタミンEのサプリメント、効能に疑問=研究
【シカゴ15日ロイター】カナダのマクマスター大学とハミルトン・ヘルス・サイエンス・コープ社は15日、ビタミンEのサプリメント(栄養補助食品)を毎日摂取しても、血管疾患や糖尿病の高齢者にはガンや脳卒中、心臓発作を防止する効果はなく、かえって心臓疾患発症のリスクが高まる可能性もあるとする研究結果を発表した。
報告は、「われわれの研究で、ビタミンEのサプリメントに効果がないことや潜在的な有害性があると分かったことから、血管疾患や糖尿病のある患者に投与すべきでないとの説が強く裏付けられた」としている。
調査によると、ビタミンEを摂取していた人が心臓疾患で入院する確率は、摂取していない人を40%上回った。
ビタミン摂取については、必ずしも健康への早道ではなく、かえって有害にさえなり得るとの指摘が増加している。(ロイター通信 2005/03/16)

菜食主義は骨を丈夫に 骨粗しょう症になりやすい否定
米・ワシントン大が調査
【ワシントン=松川貴】菜食主義者の骨は丈夫−。米ワシントン大学医学部の調査チームは28日、野菜や果物など生鮮品しか食べないベジタリアンは骨粗しょう症になりやすいとの説を否定する調査結果を発表した。
同チームは18人の厳格なべジタリアンと通常の米国人グループを比較。骨の健康と密接に関係があるビタミンDは、ベジタリアンの方がかなり高かった。ビタミンDは牛乳などから摂取するが、牛乳を飲まないベジタリアンは日光に当たることで、皮膚からビタミンDが生成されたと推定されている。
また、体格指数(BMI)はベジタリアングループが平均20.5。もう一方は25で、痩身(そうしん)が骨への負担を軽くしている、という。BMIは20から24の範囲が健康とされる。
さらに、心臓病や糖尿病と関係するC反応性タンパク質、乳がんとの関連が指摘されるインスリン様成長因子も低かった。
調査を指導したフォンタナ医師は「もしがんや心臓病の危険性を低くしたければ、もっと生野菜や果物類を食べるべきだ」と話している。(東京新聞 2005/03/30)

ビタミンDが前立腺ガンを予防する
血液中にビタミンDが多く含まれている男性は、前立腺ガンにかかるリスクが、ビタミンDが少ない男性より、はるかに小さいことがわかった。ボストンのブリガム女性病院とハーバード大学医学部のスタッフの研究。研究対象は、同グループが長年健康調査を続けてフォローしている医療従事者と医療従事者OB。
1982年に約1万5000人の男性の血液を採取した。18年後調べたところ、このうち1082人が前立腺ガンにかかっていた。そこで、保存されていた血液から、含まれているビタミンDの量を調べた。
次に前立腺ガンにかかっていない1701人の血液中のビタミンD量を測定した。すると、前立腺ガンにかかった人は、かからなかった人に比べてビタミンDの量が半分であることがわかった。(日経ヘルス 2005/04/08)

半年服用で中性脂肪3割減 ビタミンPと糖の結合物質
林原生物化学研究所(岡山市)は11日、ビタミンPの一種に糖を結合させた物質に、血液中の中性脂肪を減らす作用を確認したと発表した。現在も食品の原料に使われているが、動脈硬化予防に役立つとして医薬品などへの応用も検討する。
ビタミンPは血管強化などの作用があるとされる。同研究所は糖と結合させて水溶性を高め、吸収しやすくした「糖転移ヘスペリジン」を開発した。成人男性25人で実験。500ミリグラムを6カ月間毎日摂取し、高脂血症の人は中性脂肪が平均3割減少。正常値の人はほとんど影響がなかった。
肝臓細胞で調べると、この物質によって中性脂肪の分泌が制御されていた。
かんきつ類の皮を原料にしており、副作用はないという。5月に東京で開かれる日本栄養・食糧学会で発表する。(共同通信 2005/04/11)

ビタミンDで肺ガンの生存率が上がる?=米ハーバード大調査
【ライブドア・ニュース25日東京】AP通信によると、ビタミンDの摂取と肺ガンの生存率との間に相関関係があることを示す研究成果がこのほど発表された。デビッド・クリスチャーニ・ハーバード大学教授のグループは、マサチューセッツ・ジェネラル病院などの初期肺ガン患者456人を対象に、食事やサプルメント、肺ガン手術の時期について聞き取り調査を行った。その結果、ビタミンDの摂取量が多く、夏に手術した患者の5年生存率が72%だったのに対し、同摂取量が少なく、冬に手術した患者では29%だった。ビタミンDは、皮膚が日光に当たることによって作られることから、手術前後にビタミンDを多く摂取すれば肺ガン生存率を上げられる可能性もあり、今後の研究が注目される。(ライブドア・ニュース 2005/04/25)

前立腺がん患者の寿命を延長させるビタミンDを開発
米オレゴン健康科学大学が開発した強力なビタミンD剤DN-101によって、死に直面した前立腺がん患者で延命効果の得られたことが、臨床試験で明らかになった。
AP通信によれば、試験は放射線療法ないし外科的治療後に薬剤療法を実施してもがん細胞の増殖がみられる進行性の前立腺がん患者250例を対象としたもの。現状では、この種の症例に対しては、生存期間を平均16か月延長させる抗がん薬ドセタキセルを用いた化学療法が行われている。
試験では、ドセタキセルに開発されたビタミン剤DN-101を併用投与した結果、化学療法による生存期間が平均7.1カ月延長した。また、前立腺特異抗原(PSA)は、併用投与群およびドセタキセル単独投与群でそれぞれ63%、52%の低下していた。
今回の試験結果は、DN-101が進行性の前立腺がん患者に延命効果を示すものであるが、DN-101の上市承認に至る十分な患者数の規模ではなかった。承認には、約600例の患者を対象とする試験が必要という。(日本経済新聞 HealthDayNews 2005/05/18)

がん治療ビタミンで楽に
京大名誉教授ら 患者の副作用改善

吐き気や下痢といった抗がん剤と放射線治療の副作用の抑制にビタミン剤が有効―。京都大の鍵谷勤名誉教授(石油化学)と京都府立医大が実施した臨床治験で、こんな結果が実証された。がん患者に負担をかけずに、薬剤投与量と照射線量を増やすことができるとして、今後さらに治験を重ねる方針。成果は三重県桑名市で28、29日の両日に開かれる研究会で症例報告される。
鍵谷名誉教授によると、臨床治験は副作用を訴えた抗がん剤と放射線治療の患者3人ずつ計6人を対象に実施。治療前や治療後にビタミンCやEを配合した薬を服用したところ、いずれも副作用症状が改善された。
月3回の抗がん剤治療で吐き気や不眠、食欲不振を訴えていた乳がん再発患者(56)は、ビタミンEを配合した薬剤50ミリグラムを服用したところ副作用は起きず、6カ月間の治療で抑制効果を確認できた。
乳がんが腰椎に転移した患者(65)も、約1分間の放射線治療で下痢に悩んでいたが、ビタミンCを配合した薬剤10グラムを服用したところ、計10回の治療で一度も下痢は起こさなかったという。
鍵谷名誉教授は「激しい吐き気や下痢に苦しむ多くの患者に勇気を与える治療で、社会的影響は大きい」と話している。(産経新聞 2005/05/25)

南アでエイズ治療薬巡り訴訟、NGOが政権の政策批判
【ヨハネスブルク=加藤賢治】世界最多のエイズウイルス(HIV)感染者(約530万人)を抱える南アフリカで、エイズ治療薬を巡る訴訟が始まった。
訴訟は、免疫機能を回復させる治療薬の普及を訴える民間活動団体(NGO)が、その活動を中傷するドイツ人医師に対し、中傷キャンペーンの即時停止を求めたもの。
医師の主張は、治療薬の効果に懐疑的なムベキ南ア大統領の見解と酷似しており、訴訟は、ムベキ政権のエイズ政策を批判するものでもある。
訴えを起こしたのは、公的医療機関での治療薬の無料配布を求めてきた民間活動団体「治療活動キャンペーン(TAC)」。被告のドイツ人医師のマティアス・ラト医師が主宰する財団は、ビタミン補給の有効性を唱え、南アの新聞広告などで「治療薬は副作用が強く、免疫機能を破壊する」「TACは製薬会社の手先」などと持論を展開してきた。TACは「広告内容は事実無根」と提訴、5月13日に初公判が開かれた。
訴訟は、ムベキ政権のエイズ政策を問う構図も併せ持つ。大統領はHIVとエイズ発症の関連性を疑い、製薬会社がTACを資金援助していると非難したこともある。エイズ発症者の免疫不全は貧困による栄養不良が原因との立場を取る。
ムベキ大統領は、1日に1000人以上がエイズ関連の病で死亡するとされる南アのエイズ禍は誇張されていると主張し、南アのエイズ政策への批判を「人種差別」と退けてきた。南アのエイズ研究者によると、ムベキ大統領はこうした批判を「黒人は性行為を抑制できない」との黒人蔑視(べっし)と受け取っている。こうした大統領の姿勢について、ヨハネスブルク大のピーター・フーリー講師は、「エイズ禍の責任をアフリカに貧困をもたらした植民地政策など外部に転嫁している」と分析している。(読売新聞 2005/05/26)

がん治療の副作用抑制 ビタミン配糖体が効果示す
がんの治療で行われる放射線照射や抗がん剤の投与は、吐き気や下痢などの副作用をしばしば引き起こし、患者を苦しめる。財団法人体質研究会(京都市)主任研究員の鍵谷勤京都大名誉教授は、ビタミン EやCにブドウ糖を結合させた物質・ビタミン配糖体に、これらの副作用を抑制する働きがあると考え、研究を進めている。
鍵谷名誉教授らは、2002年から今年にかけ、京都府立医大病院など3病院で、放射線治療や抗がん剤の投与を受けていた4人のがん患者の同意を得て、ビタミンEの配糖体(TMG)とCの配糖体(AAG)を服用してもらい、効果を確認した。
いずれも吐き気や下痢、不眠や食欲不振などの副作用に苦しんでいたが、服用後は収まった。また、抗がん剤投与を受ける前に服用した別の1人は、治療開始後も副作用が出なかった。鍵谷名誉教授らは、5月の癌(がん)治療増感研究会で結果を発表。TMGの臨床研究をしているインドの医師も今年、放射線治療の副作用が抑えられたとする報告を出している。
もともとビタミンEやCは、有毒な活性酸素などの体内での働きを抑える抗酸化剤として知られる。ただ、Eは油状で水にまったく溶けないので単独では体内に取り込みにくく、Cは摂取してもすぐ体内に排せつされる欠点がある。
その点、TMGは水溶性のため、細胞内にまで入り込むことができ効果を発揮。AAGも血液の中に長くとどまることができるのが、副作用抑制に関係しているとみられる。
鍵谷名誉教授は京大などで20年以上にわたり、放射線化学を研究。放射線から人体を守る物質を追求する過程で、TMGに着目した。TMGの働きの研究は、鍵谷名誉教授を中心に、インドのほかロシアなどでも行われており、副作用抑制の詳しい仕組みの解明が期待される。
鍵谷名誉教授は「これまで副作用は、患者が我慢するしかなかったのが実情」と指摘。「TMGなどで副作用が抑制できれば、抗がん剤や放射線の量を増やすこともでき、積極的ながん治療にもつながる」と話す。(京都支局・土平 研)(中日新聞 2005/07/08)

化学療法薬&ビタミンDで、前立腺ガン患者の延命に効果
前立腺ガンが進行して、手術も放射線療法もむなしく、ただ死を待つばかりとなった患者に、抗ガン剤とビタミンDの組み合わせがすばらしい延命効果をもたらすことがわかった。
組み合わせるのは、化学療法剤「ドセタクセル」(docetaxel )と「DN−101」という名前の特殊なビタミンD剤。オレゴン健康科学大学の研究者らが250人の末期前立腺ガン患者を対象に行なった試験では、ドセタクセルのみでも末期の前立腺ガンに平均16カ月の延命効果が期待できるが、同時にビタミンDを与えると、さらに7カ月の延命効果が加わり、ほぼ2年間生き延びることがわかった。(日経ヘルス 2005/07/19)

ビタミンCの効果的な摂り方
この時期、私達に最も必要な栄養素ビタミンC。それは夏の強い紫外線や暑さがストレスとなって体の中のビタミンCを奪っています。悪いことに夏は野菜や果物のビタミンCも減っていて食事で摂れるビタミンCが乏しい。ビタミンCは吸収がとても悪く、しかも体外に排出されやすいため、効果的に摂るにはひと工夫が大切(監修:茨城キリスト教大学教授・落合 敏 栄養学博士)。

■肌荒れ・疲労・動脈硬化・血圧安定に特に効果を発揮するビタミンCの食材は果物(とくにリンゴはビタミンCをすばやく吸収させ、血中濃度を高める──10時と3時のおやつにそれぞれ半個ずつ分けて、細かく刻んだリンゴをよく噛んで食べるとよい)
■貧血・骨粗しょう症・イライラ・白内障に特に効果を発揮するビタミンCの食材は野菜(とくにホウレン草はビタミンCの酸化を防ぎ、再び活性させる力を持っている──1日80gを朝昼夕と3回に分けて、冷凍させたホウレン草を解凍せずに調理し、炒めたホウレン草に少量のトウガラシを加えて食べるとよい)
■カゼ・胃腸障害・むくみ・ガンに特に効果を発揮するビタミンCの食材はイモ類(とくにジャガイモはビタミンCを体内で長持ちさせる──1日150gを朝昼夕と3回に分けて、電子レンジで3〜5分ラップで包んで加熱したジャガイモを、ポテトサラダにして食べるとよい ※熱に弱いビタミンCであるが、農林水産消費技術センターによって、電子レンジでジャガイモに熱を加えると、ビタミンCの量が38%増加し、体内で長時間維持できることがわかった)
■ビタミンCの吸収をよくするための効果を高めるひと工夫──1日10回食前に筋肉を動かすとよい(日本テレビ系列番組「おもいッきりテレビ」 2005/09/05)

多くのインド低所得者が外国製薬会社の人間モルモットに
【バンガロール(インド)30日】新薬の開発コストを下げるためインドで臨床試験を行う外国製薬会社が増加している。業界関係者によると、新薬をつくるには10億ドル(約1130億円)以上かかることも珍しくないが、そのうち3分の2近くは臨床試験コストという。インドには安い報酬で人間モルモットに応じる低所得者がたくさんおり、インドで臨床試験を行えば、新薬開発コストを55%以上削減することが可能。
またインドには英語に不自由せず、科学知識を持った熟練労働者がたくさんいる。他の国にはない、こうした利点に着目してインドに新薬試験拠点を設けた外国製薬会社は約50社に上っている。これら企業は本国で新薬の動物実験と、ボランティアを対象にした第1次の臨床試験を行ったあと、インドで第2次、第3次の臨床試験を実施する。
米国のコンサルタント会社によれば、インドの臨床研究産業は2010年までに15億ドルの規模に発展する見込み。そのころには約30万人の人間モルモットが必要になるという。批判派は、心ない企業が疑問のある新薬の実験台にインドの膨大な非識字人口を利用する危険があると指摘している。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/09/30)

英でエイズ「自然治癒」 治療受けず陰性に
【ロンドン=時事】エイズウイルス(HIV)に感染したものの、治療も受けないまま、自然に治癒していたケースが英国で報告され、「奇跡」として医療関係者らを驚かせている。病院ではさらに検査を重ねる計画だが、エイズ治療の突破口になるかもしれないと一部では早くも期待が高まっている。
13日付の英各紙によると、エイズの「自然治癒」が確認されたのは現在ロンドンに住むアンドルー・スティンプソンさん(25)。2002年8月、3回にわたりHIVの抗体が確認された。しかし、「03年10月、12月、さらに04年3月の検査ではいずれも陰性」(タイムズ紙)との結果が出た。医療当局は「検査ミス」について調査、誤りがないことを確認した。
スティンプソンさんは感染判明後、抗酸化剤のコエンザイムQ10やコラーゲン、ビタミン剤などを摂取したというが、治癒との関係は不明だ。(中日新聞 2005/11/14)

南アの活動家と医師会、エイズ治療めぐり政府を提訴
【ケープタウン29日ロイター】南アフリカのエイズ活動家らと医師会は、ビタミン剤などをエイズ治療薬として患者に推めている著名医師を野放しにしているとして、南ア政府を訴えた。関係者が29日に明らかにした。
エイズ団体の治療行動キャンペーン(TAC)と南ア医師会は、チャバララムシマング厚生相がマチアス・ラス医師の南アでの活動を認め、国民に被害を与えていると主張。
TACのシフォ・ムハティ氏は記者会見で、「マチアス・ラスは貧しい黒人をモルモットとして利用しており、政府はそれに対して何もしていない」と非難した。
裁判所に提出した訴状でTACと医師会は、ラス医師がケープタウン郊外で行っているビタミン剤の臨床実験について、厚生相と医薬品協議会にそれを中止させるよう求めている。
ラス医師の活動については、倫理協会からの承認を得ていないだけでなく、エイズの進行を遅らせる抗レトロウイルス(ARV)薬の使用も妨げているとの批判が出ている。
エイズ活動家らによると、南アでは毎日900人がエイズに関連した病気で死亡。政府は、人口4500万人のうち560万人がHIV感染者と推計している。
米国を拠点とするラス医師は、エイズ対策として栄養剤やビタミン剤を推奨する一方、ARV薬を有害だとするパンフレット配布や新聞への広告を行っている。(ロイター通信 2005/11/30)

ビタミンDの摂取でがんリスク軽減=米研究
【ワシントン28日ロイター】米国のがん研究者チームは28日、ビタミンDを摂取すると、大腸がん、乳がん、卵巣がんにかかるリスクが低くなると発表した。
ガーランド博士は電話インタビューで「ビタミンDの摂取を増やすことを推奨したい」と述べた。
同博士のチームは、ビタミンDと特定のがんとの関連性について1996年―2004年に世界中で行われた63の研究を精査。この中には、長期的かつ大規模な研究も含まれた。
ガーランド博士によると、喫煙が肺がんに悪影響を及ぼすという関係が明らかであるのと同じくらい、ビタミンD摂取のメリットは明確だという。
博士は「これほどがん予防能力があるものは他にない」と述べ、政府や保健当局者らに対し、ビタミンDを含む食品の強化に努めるよう促した。
ガーランド博士は、カリフォルニア大学サンディエゴ校がんセンターのチームメンバー。(ロイター通信 2005/12/29)

妊娠時のビタミンD摂取で生まれる子の骨が丈夫に
妊娠時に、ビタミンDが多い食品を良く食べ、サプリメントのビタミンDをよく飲んだ母親からまれた子どもは、後々までも骨が丈夫で、強く、がっちりした体格であることがわかった、と英国の研究者が報告した。
これまでの研究では、体格が良く、栄養状態が良く、良く運動をする女性から生まれた子どもは、骨が丈夫で、後年、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)など、骨の病気にかかるリスクが小さいと言われていた。
この研究では、まず、198人の9歳の子どもの骨量、骨密度を測定した。
これらの子どもたちの母親は、妊娠時に、別の目的で、食事の習慣や内容について、調べてあった。そこで、母親が妊娠時に、どれくらいビタミンDを摂取していたか、その推定量などを割出した。その結果、母親の約半数は、妊娠時にビタミンDの摂取が基準値より低かったことがわかった。
そのデ−タを突き合わせると、ビタミンDが不足していた母親から生まれた子どもは、不足していなかった母親から生まれた子どもよりも、明らかに、カルシウムなど、骨を構成しているミネラル分が少なく、また骨密度が低かった。(日経ヘルス 2006/01/17)

カルシウムとビタミンDで老人の腰骨骨折を予防
サプリメント(補助栄養食品)に関する、かつてない大がかりな調査研究で、カルシウムとビタミンDの組合せで、高齢女性が腰骨を骨折する割合が約3割減少し、予防効果があることがわかった。2006年2月16日発売の医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で発表された。
研究は米連邦政府の肝いりで行われている全米規模の「女性健康イニシアチブ」(Women Health Initiative )と言う名前の調査の一環で、50歳以上79歳までの女性、3万6282人を対象に行われた。
被験者を2グループに分け、1グループには、毎日1000mgのカルシウムと400国際単位のビタミンDを与えた、残り半数には偽薬を与えた。
こうして約7年経過後に、調べたところ、被験者全員の腰骨の骨密度はカルシウム・ビタミンD組は1%アップし、腰骨骨折のリスクは12%減っていた。(日経ヘルス 2006/02/21)

ビタミンC不足で老化促進 都の研究員ら解明
ビタミンCが不足すると老化が進みやすくなることを、東京都老人総合研究所の石神昭人・主任研究員と東京医科歯科大大学院の下門顕太郎教授らの研究グループがマウスの実験で明らかにした。人の老化のメカニズムの解明につながることが期待できるという。米科学アカデミー紀要(電子版)で4日に発表する。
マウスなどは人と違い、体内でビタミンCを合成できる。グループは、ビタミンCを合成できないマウスを遺伝子操作でつくり、ビタミンCが少ないえさで飼育した。死亡で半数になる速さを比べたところ、通常のマウスは24カ月かかったが、操作したマウスは6カ月で半数となった。死因は老衰で、4倍の速さで老化が進行したことになる。
さらに、ビタミンCを全く含まないえさでこのマウスを飼育すると、人がビタミンCの欠乏でかかる壊血病の症状が現れて、約半年後にはすべてが死んだ。
日本ビタミン学会ビタミンC研究委員会委員長の村田晃・佐賀大名誉教授は「ビタミンCの老化防止作用について、動物実験で科学的な根拠が出たのは初めてではないか。ビタミンCが不足すると老化が進むと言われてきたが、それを裏付けるデータで、より確実になってきた」と話している。(朝日新聞 2006/04/03)

ビタミンC:老化予防に有効 不足のマウス老い4倍加速
ビタミンCが不足したマウスは通常のマウスに比べ、4倍以上老化が速く進むことを東京医科歯科大と東京都老人総合研究所などの研究チームが突き止めた。研究チームは「ビタミンCが、老化の予防に有効である可能性が高まった」と結論付けている。4日付の米科学アカデミー紀要の電子版に発表した。
研究チームは、老化が進むと減る特定のたんぱく質を解析した結果、ビタミンCを合成する酵素と同一であることが分かった。このたんぱく質を持たないマウスを遺伝子操作で作り、正常なマウスと同時に飼育したところ、6カ月たつと、正常なマウスはすべて生きていたが、たんぱく質を持たないマウスは半数が老衰で死んだ。
臓器や血中のビタミンC量を比べたところ、たんぱく質を持たないマウスは正常なマウスの10分の1だった。研究チームは「マウスは体内でビタミンCを合成するため、たんぱく質を持たないマウスは、ビタミンC合成ができず、老化が急速に進んだようだ」と話す。
ヒトは、このたんぱく質があっても体内でビタミンCを作ることはできない。今回の実験結果は直接、ヒトでもビタミンCが老化予防に有効と示すものではないが、たんぱく質を持たないマウスをヒトの老化に関する研究に活用することができるという。【永山悦子】(毎日新聞 2006/04/04)

Prolonged Survival Linked To Intravenous Vitamin C Seen In Three Cancer Patients
NEW YORK (Reuters Health) - Researchers at the National Institutes of Health and colleagues in Canada report three cases in which high-dose intravenously administered vitamin C apparently led to longer-than-expected survival in patients with advanced cancer. Two of them show long-term survival without evidence of disease.
While early clinical trials of intravenous and oral vitamin C showed benefit in cancer patients, randomized controlled trials of oral vitamin C failed to show benefit. In these case reports, described in the March 28th issue of the Canadian Medical Association Journal, vitamin C was given intravenously at doses ranging from 15 g to 65 g, to produce plasma concentrations that cannot be achieved with oral administration.
Dr. Mark Levine of the National Institutes of Health in Bethesda, Maryland, and colleagues note that, in vitro, vitamin C is toxic to some cancer cells but not normal cells at concentrations above 1000 オmol/L. IV doses in the range of 50-100 g result in plasma levels of about 14,000 オmol/L.
The team analyzed clinical and histological data from three patients with advanced cancer who responded to high-dose IV vitamin C.
The first patient was a 51 year-old-women with advanced renal cell carcinoma, treated with nephrectomy, and several small lesions in the lung "consistent with metastatic cancer." She received IV vitamin C 65 g twice a week for 10 months, in combination with other alternative therapies, including thymus protein extract. Repeat chest radiography revealed one small spot, assumed to be a scar. Five years later, new lung masses were detected. The patient again received intravenous vitamin C, with unsuccessful results.
The second patient, a 49-year-old man, had bladder cancer with multiple satellite tumors. He received IV vitamin C 30 g twice a week for three months, followed by 30 g vitamin C once every 1-2 months for four years. . Nine years after diagnosis, the patient is in good health, without signs of disease.
Case three was a 66-year-old woman with B-cell lymphoma invading paraspinal muscle and bone at L4-5. She received IV vitamin C 15 g twice weekly for 7 months, then 15 g every 2-3 months for about one year. Ten years after diagnosis, the patient is in good health.
Dr. Levine and colleagues note that all three patients survived for longer than expected for the types and stages of cancers that they had. At the doses delivered, vitamin C "is a pro-drug for hydrogen peroxide formation in extracellular fluid," they explain. Histology results also showed evidence of tumor hemorrhage, attributable to ascorbate.
The investigators conclude that "the role of high-dose intravenous vitamin C therapy in cancer treatment should be reassessed." (Reuters Health 2006/04/10)

res. Intravenously administered vitamin C as cancer therapy/ three cases
(Canadian Medical Association Journal)

粗しょう症:治療に道 ビタミンKがコラーゲン増──埼玉医大
野菜や納豆に多く含まれるビタミンKに、骨を構成するたんぱく質のコラーゲンを増やす働きがあることを、井上聡・埼玉医大ゲノム医学研究センター教授らの研究チームが突き止めた。骨粗しょう症の治療につながる成果で、米生化学学会誌に掲載された。
研究チームは骨を作り出すヒトの骨芽細胞にビタミンKを投与し、その反応を調べた。その結果、骨のコラーゲンを増やす働きを持つ「tsukushi」と呼ばれる遺伝子の働きが活発になることが分かった。
ビタミンKには、緑黄色野菜に豊富に含まれるK1と納豆や乳製品などに比較的多いK2があり、大量に摂取しても毒性はないとされる。ただ、血液を固めるたんぱく質の働きを助ける作用があるため、血を固まりにくくする血栓症の薬を服用している人は摂取に注意が必要だという。
井上教授は「骨を建物に例えれば、コラーゲンは鉄骨、カルシウムはコンクリート。骨粗しょう症治療では、コラーゲンも増やすことが重要で、新しい薬剤の開発につながる成果だと思う」と話している。【大場あい】(毎日新聞 2006/06/26)

ビタミンDが膵臓がんの発症予防に効果
ビタミンDの摂取により、膵臓がんのリスクが半減されることが明らかになった。これは、米Northwestern大学と米Harvard大学の研究によるもので、Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention誌9月号に掲載された。
今回の研究は、ビタミンDによる膵臓がんの予防効果を大規模な疫学調査で検討したほぼ初めての研究だという。40歳から75歳の4万6771人の男性と、38歳から65歳の7万5427人の女性のデータを解析した。
その結果、米国で推奨されているビタミンDの摂取量(400IU/日)を摂取している場合、膵臓がんのリスクが43%下がることが明らかになった。これは、ビタミンDの摂取が150IU/日以下の場合、膵臓がんのリスクが22%下がるのみであることに比べて、有意な数字だ。また、400IU/日以上を過剰摂取しても、リスクは変わらなかった。
これまでの研究で、膵臓がんのリスク因子は、喫煙以外には明らかになっていなかった。ただし、近年の実験で、ビタミンDががん細胞の増殖をおさえる効果があることが明らかになっている。加えて、ビタミンDには、前立腺がんの予防効果があることが他の研究で示されている。また、日照時間が長い地域では、前立腺がん、乳がん、大腸がんの患者数が少なく、死亡率も低いことが知られている。ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で合成されることが分かっている。(小板橋 律子)(日経BP 2006/09/14)

「COPD」の主因・ビタミンC不足と喫煙!
東京都老人総合研究所と順天堂大学医学部の研究チームは、高齢者に多い肺の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症の主因がビタミンC不足であることを突き止めた。喫煙によって症状が加速することも証明した。患者数が急増しているCOPDの治療薬の開発や予防法を探る成果として注目を集めそうだ。
老人研の石神昭人主任研究員と順天堂大の瀬山邦明助教授のチームは、「SMP30」というビタミンCを合成するたんぱく質を作れないよう遺伝子操作したマウスに、タバコを吸わせた。このマウスの肺を解剖して調べたところ、タバコを吸わせないマウスに比べ3倍早い2ヶ月でCOPDになることが分かった。
ビタミンCに不足が老化を加速させることが分かってきた。今回のビタミンCを作らないマウスでも早期に肺胞が大きくなるという老化現象を確認した。さらに喫煙させることで、肺胞の破壊が起こり、一気にCOPDに進行するという。これまでビタミンCや喫煙と、COPD発症の因果関係は科学的に解明されていなかった。石神主任研究員は「ビタミンCの摂取や喫煙がCOPDの予防につながる可能性が高い」と話す。
COPDは別名「タバコ病」といわれ、高齢者に多い。初期は息苦しさが目立つだけだが、進行すると呼吸困難になって死に至る。世界では死因の第4位と高く、日本の患者数は21万人程度という。日本では近年40歳ぐらいから発症するケースが増えており、潜在的な患者数は500万人を超えると考えられている。一連の成果は米国胸部疾患学会詩に掲載された。(日経産業新聞 2006/09/14)

カルシウムで大腸がん予防=日光浴びないと効果減−1700人対象に疫学調査
カルシウムやビタミンDの摂取量が多い人ほど大腸がんになりにくいことが、古野純典九州大教授(予防医学)らによる約1700人を対象とした疫学調査で分かった。カルシウムなどの発がん抑制機能は動物実験などで知られているが、日本での大規模な疫学調査は初めて。横浜市で開かれている日本がん学会で29日発表した。
調査は2000〜03年に実施。福岡市と近郊の病院に入院する大腸がん患者840人と、一般住民から抽出した833人を対象に、面談方式で詳細な食事内容や生活習慣などを聞き取り、大腸がんとの関連を調べた。
食事から算出したカルシウム摂取量で5つの群に分類。最少摂取群と比べ、最も多い群は32%、2番目に多い群は14%、大腸がんのリスクが低かった。
ただし、仕事内容や屋外スポーツなどで日光を浴びる時間が多い群と少ない群に分けると、少ない群ではこの傾向が見られなかった。日光に当たらないと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で作られないためと考えられる。(時事通信 2006/09/29)

野菜は脳の若さ保つ〜高齢者に効果大と米研究者
高齢者は野菜を食べることで脳の年齢を若く保つことができ、認知力の低下を防げるとの研究結果が、科学誌ニューロロジーの最新号に掲載された。
AP通信によると、シカゴにあるラッシュ大学医療センターのマーサ・クレア・モリス助教授らは、シカゴ在住の65歳以上の男女1946人(約60%は黒人)を対象に6年間、食生活を調査した。その結果、毎日2食分以上の野菜を取っていた人は、そうでない人に比べ脳年齢が5歳以上若かった。
野菜1食分は、カットした物なら2分の1カップ、生で食べる葉野菜なら1カップとして計算。また食生活の記録と並行して、6年間で3回、認知力検査を実施した。検査には短期および長期の記憶力測定が含まれ、記号や数字を瞬間的に見せるテストも行われた。
全体では加齢につれて得点は徐々に下がったものの、1日2食分以上の野菜を食べていた人たちは、そうでない人たちよりも認知力の低下度が約40%も低かった。これは5年分の若さに相当する。
脳年齢の保持に最も効果があると考えられるのは、ホウレンソウ、キャベツ類などの緑黄色野菜だった。モリス助教授らは、緑黄色野菜は、体内で作られ細胞を傷付ける化学物質に強いビタミンEなどの抗酸化剤を豊富に含むからではないかと推測している。
今回の調査では、果物に認知力の低下を遅らせる効果は見られなかった。野菜は一般に果物よりビタミンEが豊富で、ドレッシングなどの油分と一緒に食べられることが多いため、体内にビタミンEその他抗酸化物質が吸収されやすいのではないかと、研究者は分析している。(U.S. FrontLine 2006/10/27)

がん治療、ビタミンCが救世主となる? 米国の病院では臨床研究も
ビタミンCといえば、免疫力を高め、病気予防にいいといわれているが、さらに一歩進んで、がん治療そのものにビタミンCを用いる研究が進んでいる。カラダに優しい“夢の抗がん剤”となるのか。
「この1、2年で米国の公的機関の研究者たちが、高濃度ビタミンCによる抗がん効果の論文を相次いで発表しています。それによると大腸がん、肺がん、膵臓(すいぞう)がん、腎臓がんなどに有効とされ、米国の病院ではすでに臨床研究も進められています」
こう話すのは、杏林大学保健学部臨床内科の柳澤厚生教授。ビタミンCが病気の予防だけでなく、がん細胞そのものにも力を発揮するという研究は実は最近始まったものではない。
「ノーベル化学賞を受賞したライナス・ボーリング博士が、70年代にがん患者にビタミンCを投与し、延命効果があると発表しました。ところがこれについては米医学界内でも賛否があり結局、ビタミンCの抗がん効果については30年以上も封印されていたんです」
この30年でがん研究は飛躍的に進み、過去の研究についても様々な形で検証が進められるようになった。実は柳澤教授自身も昨年、患者からの問い合わせをきっかけにこの研究に関心を持つようになったという。では、いかにビタミンCががん細胞を攻撃するのか。
「ビタミンCは、自分が酸化されることで強力な抗酸化作用を発揮します。その際、正常な細胞は過酸化水素を中和する酵素を持っているが、がん細胞はその酵素が少ないために中和できない。そのため、大量の過酸化水素を発生し、がん細胞を攻撃する」
具体的には点滴を使って直接血管内にビタミンCを取り込む。1回に60グラム程度。通常、みかん1個のビタミンC含有量は約30ミリグラムだから、日常生活の中でそう簡単に摂取できる量ではない。また、仮にサプリメントでビタミンCを体内に取り込んだとしても、腸管から吸収され細胞に到達する前に代謝され、力は発揮されにくいのだそうだ。
「ビタミンCは水溶性なので、余分なものは体外に排出され、副作用がないのもメリットです」
現在、がんの治療と並行して高濃度ビタミンC療法を希望する人に、柳澤教授が「スピックサロン・メディカルクリニック」(神奈川県鎌倉市)で治療指導を行っている。日本では、まだこれからの代替療法。ビタミンC療法は、どこまで日本に浸透するか。(足達純子)(夕刊フジ 2007/01/31)

ビタミンD摂取と日光浴で乳がん、結腸がんの危険性が大幅減=米研究
【ワシントン6日】米国の医学ネットサイトは、ビタミンDのサプリメントを摂取し、毎日適量の日光を浴びてビタミンDの体内濃度を上げると、乳がんになる危険性を約50%、結腸がんのそれを3分の2減らせるとの研究結果を掲載した。
ビタミンDは脂溶性で、日光を浴びることで体内で合成される。1760人を対象とした乳がんに関する研究では、血中のビタミンDのレベルが最低のグループが乳がんになる最高の率を示し、乳がんになる率はビタミンDのレベルが高いほど減少するという明確な相関関係が見られた。
研究者によると、1日当たり2000国際単位(IU)のビタミンD3を摂取し、1日に10−15分間日光に当たれば、乳がんになる危険性を50%減らせるという。
また、1448人を対象とした結腸がんに関する研究でも同様の結果が得られ、1日当たり2000IUのビタミンD3と10−15分の日光浴で、結腸がんになる危険性が3分の2減らせる可能性があることが判明した。〔AFP=時事〕(時事通信 2007/02/07)

ビタミンC:白内障を抑える効果 国内で初確認
日ごろの食事でビタミンCを多くとっていると白内障になる率が低いとの結果が、厚生労働省研究班(担当研究者=吉田正雄・杏林大医学部助手)の3万5000人規模の調査で出た。海外では同様のデータが出ていたが、国内で確認されたのは初めて。白内障は目の中の水晶体が酸化されて濁ることで発症するが、ビタミンCには酸化を抑える作用があり、濁りを防ぐとみられるという。
研究班は95年、岩手、秋田、長野、沖縄の各県に住む男性約1万6000人と女性約1万9000人を対象に調査した。食事の内容を詳しく聞いて個人ごとに1日のビタミンC摂取量を算出後、00年まで追跡すると、男216人、女551人が白内障と診断された。
摂取量で5グループに分けて比べると、男性で最多のグループ(1日のビタミンCが約210ミリグラム前後)は、最少のグループ(同約50ミリグラム前後)に比べ、白内障にかかる率が約35%低かった。女性でも最多のグループ(同約260ミリグラム前後)の発症率は、最少のグループ(同約80ミリグラム前後)より約41%低かった。
吉田助手によると、ビタミンCは、温州みかん1個に約35ミリグラム、レモン1個に約20ミリグラム含まれる。野菜ではホウレンソウやブロッコリーに多い。吉田助手は「1種類でなく、さまざまな食べ物からビタミンCをとってほしい。たばこを1本吸うと約25ミリグラムのビタミンCが破壊されるため、白内障予防には禁煙が望ましい」と話している。
ビタミンCをサプリメントでとった場合の効果は、今回検証していない。海外の研究でも結論は出ていないという。【高木昭午】(毎日新聞 2007/02/27)

マルチビタミン、未熟児出産のリスクを軽減? - 米国
【ワシントンD.C./米国5日AFP】妊娠中にマルチビタミン剤を飲むと、未熟児が生まれるリスクが激減する。このような研究結果が5日付けの「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された。
調査は、エイズウイルス(HIV/AIDS)に感染していないタンザニアの妊婦8468人(妊娠期間は12-27週)を対象に実施された。その結果、ビタミンB、C、Eを毎日摂取したグループでは、それらを摂取しなかったグループと比較して、標準以下の体重または身長の新生児が産まれる確率は、それぞれ18%と23%減少したという。
今回の調査では、過去の各種調査で効果が確認できなかったビタミンAと亜鉛は用いられなかった。また、両グループとも、タンザニアの妊婦が通常摂取する鉄分、葉酸、マラリア予防薬を摂取した。
調査を行った研究者によると、新生児の体重は、母体の健康、栄養状態、微量栄養素の欠乏などの諸要素に影響されるという。
世界では毎年2000万人の未熟児が誕生している。うち95%以上が発展途上国で産まれているという。(AFP 2007/04/05)

C型肝炎ウイルスを抑制する食品成分 岡山大グループが発見
リノール酸、βカロチン、ビタミンD2

食品に含まれるリノール酸やβ(ベータ)カロチン、ビタミンD2に、C型肝炎ウイルス(HCV)が肝細胞内で増殖するのを抑える効果があることを、岡山大の池田正徳・准教授(ウイルス学)と矢野雅彦研究員(肝臓病学)らが見つけ、米医学専門誌に発表した。
グループは、HCVの遺伝子(RNA)が増えやすくしたヒトの肝がん細胞株に、ビタミンやミネラルなど46種類の食品成分を別々に加え、遺伝子の量が減るかどうかを調べた。その結果、リノール酸など3成分が、HCV遺伝子の数を大幅に減らすことを確認した。インターフェロンを併用すると、効果が高まった。
HCV感染の治療は、インターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンの併用が主流だが、貧血などの副作用があるため、服用できない高齢者などに対する治療法が求められている。(読売新聞 2007/04/19)

マルチビタミン過剰摂取で前立腺がんに?
1粒で複数のビタミンを摂取でき、気軽に必要な栄養をバランスよく補給できるとして人気の「マルチビタミン」。ビタミンC、B群、Eなど12―13種のビタミンを組み合わせたサプリだ。
だが、最近、マルチビタミンを過剰に摂取すると、男性の前立腺がんのリスクが増えるという衝撃的な報告が米国立ガン研究所の医学誌で発表され、話題となった。
同所は、男性約30万人を対象に、6年間を追跡して前立腺がんの発症状況を調べている。週7回以上マルチビタミンを摂取した場合、まったく摂取しない男性に比べ、発症リスクが32%に増大。死亡リスクは約2倍に上った。
この結果について、サプリの臨床データに詳しい『おない内科クリニック』(群馬県伊勢崎市)の小内亨医師は、「マルチビタミンに含まれる抗酸化ビタミンの過剰摂取によるものと考えれば理解できる」と指摘。
その上で、「マルチビタミンやマルチミネラルの摂取は、カゼなどの感染予防に効果があったというデータもあります。特に食事摂取が十分にできない高齢者や、糖尿病やダイエット中でビタミン、ミネラルの摂取量が足りない場合、摂取する意味があるかもしれません。しかし、普通に食事できる健康な人には、サプリとして摂取する意味は今のところないと考えます。やはり野菜や果物を食べて、ビタミンやミネラルを摂取してほしい」と話している。(夕刊フジ 2007/06/12)

ビタミンDが発がんリスク下げる〜クレイトン大学
ビタミンDが発がんリスクを大幅に低下するという研究報告を、クレイトン大学(ネブラスカ州オマハ)の研究チームがこのほど発表した。米臨床栄養ジャーナル誌に掲載された。
AP通信によると、研究チームは、平均年齢67歳の健康な女性1179人を3グループに分け、第1グループ(446人)に毎日カルシウムとビタミンD3を1000 IU投与した。第2グループ(同数)にはカルシウムのみ、第3グループ(288人)には偽薬をそれぞれ4年間投与した。
この結果、がんを発症した割合は、第1グループはわずか3%(13人)にとどまったのに対し、第2グループは4%(17人)、第3グループでは7%(20人)に上った。
第1グループの発がんリスクは第3グループに比べると60%低かった。第2グループは第3グループに比べ47%リスクが低かった。
発症したがんは、乳がん、結腸がん、肺がん、白血病など。ボストン大学医療センターのホリック博士は「この研究で、充分なビタミンDを摂れば、がんの発症リスクを抑えられることが明らかになった」と話した。
細胞の成長に影響を与えるビタミンDは、以前からがん予防に効果があるのではないかと見られていたが、摂取量や実験対象を管理して試験した研究は今回が初めとなった。
現在政府が高齢者に薦めているビタミンDの摂取量は200〜600 IUで、通常マルチビタミン剤に含まれているのはD3ではなくD2。今回の報告書を受けて、ホリック博士は毎日摂取すべきビタミンD の量を1000 IU(D3)に引き上げるべきと訴えているが、米がん協会は「指針では2000 IU以上は危険とあるため、今のところこれまで通りに維持すべき」と見ている。(U.S. FrontLine 2007/06/13)

大腸がん:発症率低い男性はビタミンB6摂取、女性はコーヒー3杯以上──厚労省調査
◇厚労省が大規模調査
大腸がんと生活習慣の関係が、国立がんセンターや群馬大などでつくる厚生労働省研究班の大規模調査で明らかになった。男性はビタミンB6摂取、女性は1日3杯以上のコーヒーで発症の危険性が下がり、適度な日光浴は男女とも直腸がん予防につながる可能性があるという。
研究班は9府県の40〜69歳の男女約9万6000人を調査。コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、大腸がんになる危険性が約3割低かった。粘膜を越えて進行する結腸がん(結腸浸潤がん)に限ると、3杯以上の女性は飲まない女性より56%も低い。男性では、関連は見られなかった。
一方、男性では、魚やナッツに含まれるビタミンB6が効果を示した。同様の男女約8万人を調査。1日当たりのB6摂取量で男性を4グループに分け、大腸がんとの関係を比べた。
その結果、最も摂取量が少ないグループは、他のグループより危険性が30〜40%高かった。週に日本酒約7合(エタノール換算で150グラム)以上飲む男性でも、B6摂取は効果があった。女性ではB6との関連は見られなかった。
また、男女約4万人を対象に、体内のビタミンDの貯蔵量別に4グループに分け、直腸がんとの関係を調べたところ、最も少ないグループは最も多いグループに比べ、男性で約4.6倍、女性で約2.7倍も直腸がんになりやすかった。ビタミンDは紫外線によって体内で多く合成されるため、適度な日光浴が、直腸がん予防につながる可能性があるとみられる。【大場あい、永山悦子】(毎日新聞 2007/08/01)

ビタミンCが脳卒中予防の役割担う
血中のビタミンC値(濃度)が高いと、脳卒中のリスクの低下をもたらすことが、英国の新しい研究によって示唆された。ただし、ビタミンCサプリメント(栄養補助食品)を大量に摂取しても脳卒中を予防できるわけではない、と専門家は注意を促している。
米医学誌「The American Journal of Clinical Nutrition」1月号に掲載された今回の研究は、英国に住む2万人以上(40〜79歳)を対象に実施されたもの。健康に関する質問票に回答してもらい、血中ビタミンC値を測定した。平均追跡調査期間は9.5年、最終的には約20万人年(人数と年数を組み合わせた測定値。人年罹患率や死亡率の分母として使用される)となり、期間中、448人に脳卒中が認められた。
性別、喫煙歴、ボディ・マス・インデックス(BMI)、血圧、コレステロール値、糖尿病、飲酒、身体的活動、心疾患の既往など他の危険因子を調整後、血中ビタミンC値が最も高い群の脳卒中リスクは、最も低い群よりも42%低く、血中ビタミンCはこのリスクと強い逆(負)の関連性を示すことから、脳卒中のリスクに影響する因子が何であれ、優れたバイオマーカー(生体学的指標)となる可能性が示された。
米ニューヨーク大学メディカルセンターのKeith Siller博士は「今回の研究で、ビタミンCが脳卒中リスクを直接低下させることは示されておらず、ビタミンCは健康的なライフスタイルの指標と考えられる。リスク低下のメカニズムは不明だが、果物や野菜を食事に組み込むという米国栄養協会(ADA)の推奨に従うべきである」と述べている。
この報告の論説の共著者でもある米国立糖尿病・消化器病・腎疾患研究所(NIDDK)のMark Levine博士は、結論として、脳卒中や他の健康問題を予防するには果物や野菜の摂取量を増やすべきだと述べ、サプリメントではなく、さまざまな色の野菜や果物を毎日5種類以上食べることを勧めている。(HealthDay News 1月11日)(薬事日報 2008/01/21)

健康ブームの落とし穴? ビタミン剤で寿命縮む恐れ
【ロンドン=星浩】健康な人がビタミン剤を服用すると、寿命を縮める恐れがある?。デンマークの研究者らが、世界的なサプリメントブームに警鐘を鳴らす調査結果を発表した。英保健省も注意を喚起している。
英デーリー・テレグラフ紙などによると、コペンハーゲン大学の研究チームは23万人を対象に、化学的に合成されたビタミンを含む抗酸化剤(老化防止剤)の服用効果を調査した。
その結果、ビタミンA剤では寿命を縮める危険が16%高まりベータカロチン剤でも7%増すことが分かった。風邪の予防のため多くの人が摂取しているビタミンC剤には、顕著な予防効果が確認できなかったという。
研究者らは「サプリメント摂取が、もともと体に備わる病気への防御力を阻害する」と指摘している。
英保健省のスポークスマンは「サプリメント剤服用の効果を検証する必要がある」とした上で、食事によってビタミンなどを摂取するよう呼び掛けた。(中日新聞 2008/04/17)

ビタミンB群、心疾患を抑制=ただし食事でバランスよく−厚労省研究班
ビタミンB群を食事で多く取る人は心筋梗塞(こうそく)になりにくいことが27日までに、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。どれか1つだけでは効果がなかった。
研究班は1990年と95年、岩手、秋田、長野、沖縄の4地域で、40〜59歳の男女約4万人の生活習慣を調査。約11年の追跡期間に、男性201人、女性50人の計251人が心筋梗塞などの虚血性心疾患になった。
食事内容からビタミンB6、B12、葉酸の摂取量を算出してそれぞれ5群に分け、喫煙や肥満、ビタミン剤摂取などの影響を除いて発症リスクを比較。その結果、いずれも摂取量が多いとリスクが低い傾向がみられた。
心筋梗塞に限るとより顕著で、最も少ないグループに比べ、最も多いグループは葉酸で約4割、B6、B12で約5割低かった。
また、摂取量が多いか少ないかの組み合わせでも検討。3つすべて少ない人は、すべて多い人の2倍以上のリスクだった。1つだけ多くても他の2つが少なければ同様に高リスクで、特にB6が少ないと、B12と葉酸が多くても2倍以上だった。
研究班は、これらを満遍なく、特にB6を多く含む食品を積極的に取ることが、心筋梗塞の予防につながる可能性があるとしている。(時事通信 2008/05/27)

ビタミンDが欠乏すると死亡リスクが高まる、オーストリアの医科大学
【6月25日 AFP】ビタミンDが欠乏すると、特に心臓血管系疾患による死亡リスクが高まる。オーストリアのグラーツ医科大学(Medical University of Graz)がこのような研究結果を23日発行の医学誌に発表した。
米国医学会(American Medical Association)の機関誌「Archives of Internal Medicine」によると、研究チームは、同大の病院に1997-2000年に来院した患者3258人(平均年齢62歳)のビタミンD値を測定し、7.7年間にわたり追跡調査した。
この期間に737人が死亡したが、その内訳はビタミンD値が最も低いグループでは307人で、ビタミンD値が最も高いグループの103人を2倍以上上回った。なかでも、ビタミンDの欠乏と心臓血管系疾患による死亡には強い相関が認められた。死者数の62.8%にあたる463人が心臓血管系疾患によるものだったのだ。
ビタミンDが人間の免疫系に重要な役割を果たすことは、数々の研究で示されている。米ハーバード大学(Harvard University)は6月初め、ビタミンD値が低い人では心臓発作を起こす確率が高くなるとの研究結果を発表している。ビタミンDの欠乏が糖尿病、肥満、高血圧のリスクを高めるという研究も発表されている。
同機関誌によると、世界の高齢者人口の50%以上でビタミンDが欠乏しており、若年層でも同じような傾向が見られる。ビタミンDの欠乏は、屋外活動の減少や加齢、大気汚染が原因に挙げられる。
ビタミンDは、紫外線に当たることで体内に生産される。太陽に1日あたり10-15分当たるだけで充分という。ビタミンDを含有する食品には、魚、牛のレバー、卵黄などがある。マグロ缶85グラムには200 IUのビタミンDが含まれているという。(AFP 2008/06/25)

高濃度のビタミンC注射に抗がん効果、米研究
【8月5日 AFP】高濃度のビタミンC注射が、がんの発達や進行速度の抑制に効果的だとする研究結果が、5日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)で発表される。
米国立衛生研究所(National Institutes of Health、NIH)の研究チームが、脳、卵巣、膵臓(すいぞう)にがんを持つラットの静脈または腹腔(ふくくう)にアスコルビン酸注射を行ったところ、がん細胞株の75%で抗がん効果がみられたという。通常の細胞への影響はなかった。
研究チームはまた、アスコルビン酸に抗がん作用があるのは、腫瘍(しゅよう)をとりまく細胞外液で過酸化水素が形成されるためであることを突き止めた。
ただし、ビタミンCは内服した場合、体が摂取量を制限するため高濃度では摂取できず、注射で投与する必要があるという。ビタミンCの抗がん効果の可能性は数十年から指摘されてきたが、その後の研究で、口からの摂取では効果がないことが分かっていた。(AFP 2008/08/05)

ビタミンC投与でがん半減 マウス実験で、米研究所
【ワシントン4日共同】ビタミンCをマウスに大量投与することで、がん細胞の増殖を半分に抑えることができたとの実験結果を、米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。
チームによると、約30年前にビタミンCががんに有効だと注目されたが、その後の実験で否定された。今回は、効果が否定された経口投与ではなく、体内に直接注入。「副作用もなく、人間への適用も可能だ」としている。
実験ではまず、43種類のがん細胞と5種類の通常細胞に、ビタミンC(アスコルビン酸)の溶液を加えると、通常細胞に変化はなかったが、がん細胞のうち33種類では細胞の半分以上が死滅した。
次に、腹腔(ふくくう)内にそれぞれ子宮がん、膵臓(すいぞう)がん、脳腫瘍(しゅよう)の細胞を植え付けたマウスに、体重1キロ当たり4グラムという大量のアスコルビン酸を毎日投与すると12―30日後に、投与しなかった場合に比べてがんの重さが41―53%に抑えられた。副作用もみられなかった。
アスコルビン酸から発生した過酸化水素ががん細胞に作用したとみられるという。(共同通信 2008/08/05)

res. Vitamin C Injections Slow Tumor Growth in Mice
(NIH News 2008/08/04)

カルシウム+ビタミンD、大腸がんのリスク低減
カルシウムとビタミンDをともに多く摂取すると、大腸がんにかかるリスクを下げる可能性があることが、九州大などの調査でわかった。近く米国のがん予防専門誌で報告する。
古野純典・九大教授らのグループが、福岡市とその近郊に住み、大腸がんと診断された836人と、同じ年代で大腸がんではない861人から食事や生活習慣を詳しくたずね、関連を調べた。
1日あたりのカルシウム摂取量が平均約700ミリグラムと最多の人たちが大腸がんになるリスクは、同400ミリグラムで最も少ない人たちと比べ、3割ほど低かった。しかし、カルシウムを多くとっても、ビタミンDをあまりとらない人では、違いははっきりしなかった。
そこで、カルシウムを平均約700ミリグラムとり、かつビタミンDを多くとる人(1日10マイクログラムかそれ以上)で比べると、大腸がんリスクは、カルシウム摂取が少なくビタミンDをあまりとらない人より、6割低かった。
ビタミンDはサンマやサケといった魚類やキノコ類に多い。日本人のカルシウム摂取量は1日あたり平均540ミリグラム余で不足ぎみ。ビタミンDは8マイクログラムほど。大腸がんは肥満や飲酒でリスクが高まることがわかっている。
牛乳を飲んでカルシウムを多くとると、大腸がんリスクが2割ほど下がることは、欧米グループが報告している。今回の結果をまとめた溝上哲也・国立国際医療センター部長(前・九大助教授)は「ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、大腸がんの予防効果を高めるのかも知れない。さらに効果を調べたい」と話す。(田村建二)(朝日新聞 2008/09/22)

ビタミンCサプリメントで一部の抗がん剤の効果減少、米研究
【10月5日 AFP】がんの化学療法中にビタミンCのサプリメントを摂取すると、一部の抗がん剤の効果が減少するとの新しい研究結果が、米医学誌『キャンサーリサーチ(Cancer Research)』(10月1日号)で発表された。
実験室での研究では、あらかじめビタミンCで処理した分離されたがん細胞の死滅率が30-70%減少することが判明した。また、ビタミンCの投与と化学療法を平行して行ったマウスでは、腫瘍(しゅよう)が通常より速く成長することも判明した。研究チームは、同様の効果が人間のがん患者にも当てはまる可能性があるかもしれないとしている。
多くの抗がん剤は「酸素遊離基」を作ってがん細胞を攻撃するが、今回の研究はビタミンCがこの遊離基を吸収するために化学療法の効果が薄れるのではないかとの仮説を提示した。
論文の主執筆者である米ニューヨーク(New York)のメモリアル・スローン・ケタリング癌センター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center、MSKCC)のマーク・ヒーニー(Mark Heaney)氏は「ビタミンCのサプリメントは化学療法の治療効果を減少させる可能性がある」と説明する。
ヒーニー氏は、ビタミンCは細胞が活動を続けるための「動力装置」である極めて重要なミトコンドリアを保護することによって細胞の寿命を延ばす効果があり、通常の細胞にとってきわめて有益だと述べた。しかし、抗がん剤はがん細胞のミトコンドリアを破壊してがん細胞を殺すことを狙っているため、化学療法中はビタミンCが逆効果になるのではないかとの見方を示した。
これまでの研究では、ビタミンCは抗酸化物質であるため、がん患者によい効果をもたらす可能性があることが示されていた。8月に発表された研究では、マウスに高濃度のビタミンCを注射した結果、腫瘍(しゅよう)が小さくなり、がんの成長が約50%遅くなることが示された。論文では、がん患者はビタミンCが豊富な食べ物など、健康的な食事をとるべきだとしている。(AFP 2008/10/05)

ビタミンC 適量摂取で老化を防止 しみ、そばかす、乾燥肌にもプラス
アンチエージングという言葉がはやるなど老化防止への関心が高い。では何をすれば、老化を防げるのか? 精神的なストレスを避け、生活習慣病にならないことが基本だが、今回はビタミンCとの関係を通じて、老化防止を考えてみたい。【小島正美】

アンチエージングは一般に「抗加齢」と訳されている。しかし、加齢は年を重ねることなので、加齢自体を止めることは不可能だ。老化防止の研究で知られる石神昭人・東邦大学薬学部准教授は「加齢の結果、老化が生じるので、アンチエージングは抗老化と訳す方がよい」と指摘する。
では、老化防止が進んでいるかどうかを知る指標はあるのだろうか。

■加齢とたんぱく質

今年3月まで東京都老人総合研究所にいた石神さんらは肝臓や肺などで加齢とともに減ったり、増えたりするたんぱく質を探す研究を続けてきた。その結果、17年前に見つけたのが「SMP30」というたんぱく質だった。その後、このたんぱく質がどんな働きをするかをずっと研究してきた。
その働きは、SMP30を作る遺伝子を破壊したマウス(遺伝子破壊マウス)の飼育、観察で分かってきた。長年の研究の結果、外見的には野生のマウスと大差はなかったが、細胞を電子顕微鏡で見ると脂肪の粒の増加やエネルギーをつくるミトコンドリアの形態異常など細胞レベルでは障害が起きていることが分かった。人で言えば脂肪肝に近い症状だったのだ。

■壊血病に似た症状

また、SMP30はビタミンCの合成に必要な酵素ということも分かった。
そこで、SMP30を作る遺伝子を破壊したマウスを、ビタミンCを含まないえさで飼育し、ビタミンCを含む通常のえさで育ったマウスと成長や生存の様子を比べてみた。すると通常のマウスは健康に育ったのに対し、遺伝子破壊マウスは体重が減少したり、骨の形成が悪かったり、血管がもろくなったり、人の壊血病に似た症状を示した。

■生存率に4倍差

さらに、ビタミンCを必要(1日あたり7ミリグラム)なだけ与えたマウスと、ごくわずか(1日0.2ミリグラム、必要量の2.5%に相当)しか与えないマウスの比較飼育もした。
その結果、ビタミンCをちゃんと摂取したマウスは2年(24カ月)後でも約半分が生きていたのに対し、ビタミンC不足のマウスはわずか6カ月で半分が死んでしまった=図参照(※江原注:割愛)。つまり50%生存率で4倍の差があり、石神さんは「ビタミンC不足マウスは4倍もの速さで老化が進むことが分かった」と話す。この実験結果はビタミンCと老化の関係を解き明かす貴重な研究成果と言えそうだ。

■食物で1日100ミリグラム

もともと人はビタミンCを合成できないため、食べ物から摂取する必要がある。この実験結果を人にあてはめてみると、人は1日あたり100ミリグラム程度のビタミンCを摂取する必要がある。野菜や果物を毎日食べている人はビタミンC不足になることはないが、即席食品に頼るような偏った食生活の人や高齢者はビタミンC不足になりやすい。
血液中のビタミンCの濃度は加齢とともに減ることが分かっている。入院中の患者や糖尿病の患者などでも、ビタミンCの不足が生じやすい。
といっても、ビタミンCをたくさん取ればよいというものではない。多少多く取っても尿として排せつされるだけだ。過剰に取ると便が軟らかくなったり、老化を促す活性酸素が増える危険性もある。石神さんは「何事も適量の摂取が健康のもとだ」と話す。

■メラニンを抑制

一方、抗酸化作用のあるビタミンCは肌の老化防止にも役立つ。肌にしみ、そばかすができるのは肌の細胞の老化現象だ。光などの刺激で肌に黒っぽいメラニンが生成されると、しみやそばかすになる。ビタミンCなどの抗酸化物質は、このメラニンの生成を抑制する働きがある。
亀山孝一郎・青山ヒフ科クリニック院長(東京都)は「ビタミンCは皮膚の弾力性を保つコラーゲンの生成をも促す。しみ、そばかす、にきび、乾燥肌にもプラスだ。ストレスの防止にもよい」とビタミンCの有用性を話す。

■アセロラで効率的

ビタミンCの摂取の基本は普段から果物や野菜を食べることだが、どうせ取るなら効率的に取りたい。そこで注目したいのが美肌フルーツといわれる果物のアセロラだ。
健康栄養問題に詳しい村田晃・元佐賀短期大学食物栄養学科長によると、アセロラはレモンの果汁やイチゴに比べ、同じ量で30倍近いビタミンCを含む。同時に抗酸化作用のあるポリフェノールも豊富にある。アセロラに含まれるビタミンCは、合成ビタミンCに比べて、脳や皮膚など体内に吸収される率も高いといわれる。
村田さんは「ビタミンCは空腹時よりも、食後に取った方が吸収量が高い。母乳を与えている母親は母乳から失われるビタミンCを補うためにも1日あたり40〜50ミリグラム多めに取るとよい」と話している。(毎日新聞 2008/12/20)

ビタミンCで作製効率アップ=ヒトiPS細胞−中国など
マウスやヒトの人工多能性幹(iPS)細胞を作る際、培養液にビタミンCを加えると、作製効率が向上したと、中国・広州生物医薬健康研究院やオーストリア・ボルツマン研究所などの研究チームが25日、米科学誌セル・ステムセル電子版に発表した。培養中に急速に進行する細胞の老化を遅らせる効果などが原因と考えられるという。
山中伸弥京都大教授らが開発したiPS細胞は、増殖能力が高く、身体の多様な細胞に変わる万能細胞。皮膚などの細胞に3、4種類の遺伝子を導入するだけで作ることができ、将来は再生医療への応用が期待されるが、作製効率が低い問題があり、国内外でさまざまな工夫が研究されている。
山中教授らは8月、がん抑制遺伝子「p53」の働きを抑えると、iPS細胞の作製効率が改善すると発表したが、ビタミンCにはこのp53抑制効果もあった。
また、米ホワイトヘッド生物医学研究所などの研究チームは昨年、抗てんかん薬として知られる「バルプロ酸」を添加すると、作製効率が大幅に向上したと発表したが、バルプロ酸とビタミンCを併用すると、高い相乗効果があった。(時事通信 2009/12/25)



【関連サイト】

365日間元気に過ごすためのビタミン大事典

総合ビタミン剤で、AIDSによる死亡が減少。(Tsubono Report)

ビタミンでエイズウイルス患者の生存率を高める(USヘルスニュース)

「疾病ビジネス」を禁止しよう: ケムニッツプログラム(Dr.ラス健康財団)

“胎児の奇形”を防ぐビタミンとは〜ビタミン研究の最新報告(Health Net Media)

ビタミン配糖体による癌治療の副作用抑制の臨床経験(京都ライフサイエンス研究所)

ビタミンCが消える?! 老けない身体を作る方法(関西テレビ「発掘!あるある大事典2」)

新薬のモルモットにされるアフリカの人々(ル・モンド・ディプロマティーク 2005年6月号)

口先だけの約束:エイズ治療薬の新配合剤を途上国に供給しないアボット社(国境なき医師団)

Nutrition Key in AIDS Care (Washington Post 1989/09/26)

Vitamin D: New Weapon in Battle Against Breast Cancer? (HealthScout News 2003/07/06)

Multivitamins 'slow HIV progress' (BBC News 2004/07/01)

AIDS Activists Go After Vitamin Salesman (Washington Post 2005/05/13)

VITAMIN C: LABORATORY TESTS INDICATE ANTIVIRAL EFFECT (AIDS Treatment News)

Suppression of Human Immunodeficiency Virus Replication by Ascorbate in Chronically and Acutely Infected Cells (PNAS)

Effect of Vitamin E and C Supplementation on Oxidative Stress Viral Load in HIV-Infected Subjects. (Lippincott Williams & Wilkins)

Vitamin C conjugates of genotoxic lipid peroxidation products: Structural characterization and detection in human plasma (PNAS)

Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: Action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues (PNAS)



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