マティアス・ラス博士の告発
危機的状況にある歴史



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「市民のアジェンダ」:マティアス・ラス博士へのインタビュー(2003年4月)

ウェブサイト:www4.dr-rath-foundation.org


危機的状況にある歴史


あなたがイラク戦争反対のキャンペーンを出された後、アラブ系の人々の中で「もっとラス博士について知りたい」という声が高まっています。ご自身のこれまでの足跡について、もう少し説明していただけませんか?


まず、何より先に申し上げておきたいのは、私が一人の医師であり、科学者であり、そしてそれ以前に、私たちの住むこの惑星が第三次世界大戦で焦土と化すことがないように、破滅から守りたいと考えている、一人の人間であるということです。

これまで、一人の医師・科学者としての私は、人類が、より健康になり、より平和な世界を築くために役立ついくつかの方面で貢献できたと思います。自然療法による循環器系疾患の予防と治療の分野で私が発見した事柄が実行されるようになれば、心臓発作・脳卒中・高血圧・心不全・不整脈など様々な疾病を、これから将来の世代にわたって著しく低減できるはずです。

私が人類に対して果たした二つ目の貢献は、地上最大の投資産業であり、史上最悪の詐欺まがいの計画を維持・推進している製薬産業の実態をあばくことでした。この投資産業の場合、広告では人々に「健康」を約束していますが、その実、この業界のマーケットは疾病の存続と拡大を基盤に成り立っているのです。疾病の予防・抜本的治療・撲滅が実現したのでは、製薬産業という「疾病を基盤とする投資ビジネス」の存在は危うくなってしまうわけですね。ですから、いわゆる「製薬企業カルテル」は、これにあらがっているのです。私がこの「『保健医療』を世界的に独占している製薬産業こそ、世界中の人々が健康的な生活を実現する上での最大の障害物」という、ありのままの分析結果を初めて公表したのは、1997年の公開プレゼンテーションにおいてでした。

私が果たした、言及に値する第三の貢献は、この人々の命を救う情報と分析内容を、私自身が地球規模で広めることができた点です。しかし、これによって数兆ドルという製薬業界への投資ビジネスに携わるグループは非常な脅威を覚え、このビジネスを守る法規を作ったり、人々の市民的権利を放棄させるというやり方で、法の力を借りて、自らの世界支配を強めていこうとしています。

この戦略は、世界規模での「対テロ戦争」という体裁をとっています。けれども、このいわゆる「テロとの戦争」は本当の意味での戦争ではありません。これは世界全体に恐怖や脅威を作為的に作り出し、アメリカのみならず世界各地で先に述べた徹底的な法的手段を実施できる状況を生み出せるよう、一つの戦略として考えられ、実行に移された筋書きです。

私の最も近しい協力者であった2度のノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士は、この事態をすでに10年以上前に予見していました。博士は「あなたの発見はあまりにも重要なものであるため、業界全体を脅かす可能性がある。この発見の普及を妨げようと、いつか戦争が始まるかもしれない」と私に告げたのでした。


あなたは医学部を卒業なさり、医師・研究者として仕事して来られたわけですが、何がきっかけとなって、そこから自然療法の研究へ移られたのですか?


たしかに私の出発点は循環器系疾患の病因に関する従来的な研究でした。当時、心臓発作や脳卒中の主な病因はコレステロール値の高さであると考えられていました。コレステロール降下剤のメーカーが影響力を持っていたので、医師は、「コレステロール値が高いと血管壁が損なわれ、そこから血管壁の肥厚が生じ、最後は血管がつまって心臓発作や脳卒中を起こす」と教え込まれていました。今日では、私たちはこれも製薬業界が広めた市場戦略上の流説の一つであると知っています。もし、本当にコレステロール値が高いと血管壁に損傷が及ぶのであれば、この血管系の長いパイプラインのいたるところで損傷は起きるはずです。心臓や脳だけでなく、血管はいたるところで詰まるはずです。つまり、鼻、耳、膝、肘、指、その他からだの様々な器官で梗塞が起こるはずなのです。しかし、実際そんなことはありえませんね。

さらに私は、人間の世界では循環器系疾患が主な死因の一つであるのに、動物の世界では基本的に循環器系疾患は見られないことに注目しました。そして、この発見が世界的に普及している自然健康法に通ずる突破口となったのです。動物は自分自身の体内でビタミンCを生産しますが、ビタミンCは、コラーゲンと呼ばれる身体およびその血管系統を強化する物質を作り出すために必要な栄養素です。ビタミンCが豊富なほどコラーゲンは豊富に作られ、私たちの血管壁もより安定して、心臓発作を起こしにくくなります。動物はほとんど心臓発作を起こしませんが、これは自分の体内で豊富な量のビタミンCを生産できるからです。これに引きかえ、私たち人間はこのビタミンを一分子たりとも体内で生産できませんし、食物から摂取するビタミン量も不十分な場合が多く、その結果、血管系統が弱り、沈着物の形成を招いているのです。このような沈着物は、血液を送り出す心臓の冠状動脈のように、おもに機械的ストレスにさらされる血管部位に形成されます。

この一連の発見は、「人間は心臓発作を起こすのに動物はなぜ心臓発作を起こさないのか」という疑問のみならず、「人間は心臓発作を起こすのに鼻発作はなぜ起こさないのか」という疑問に対する答えにもなっているわけですから、非常に説得力のある理論だと言えるでしょう。他方、この画期的発見は多くの研究データや臨床研究によっても疑う余地なく確認されているのです。

ですから、今までに出会ったこのような学術的発見こそ、私が従来の研究から離れ、現代の様々な疾病を最も効果的に予防・治療できる物質の研究へと向かうにいたった一番の理由と言えます。つまり、自然自らが作り出し、細胞の最適な働きに欠かせない物質の研究です。


あなたの研究の多くは学術誌に発表されていますね。ご自身の研究の中心的テーマは何ですか?


心臓発作や脳卒中の原因である循環器系疾患の特性解明は、単にスタートにすぎません。ビタミン、ミネラル、ある種のアミノ酸、微量元素が体内の無数の細胞を機能させるための「燃料」であることが分かると、冠状動脈疾患や心臓発作のみならず今日よく見られる多種多様な疾病の多くも、この知識の応用によって予防できることが理解できるようになりました。過去数年間にわたり、私の研究所では世界各国の数多くの科学者や医師の協力を得て「高血圧、心不全、不整脈、糖尿病性血行障害などの疾患は、おおむね微量栄養素(ビタミン、ミネラル等)の長期的欠乏によって起こる」という事実を疑う余地なく実証してきました。適切な量の微量栄養素を通常の食事または補助栄養剤として摂取すれば、高血圧(無数の血管壁細胞における長期的な微量栄養素欠乏で起こる)、心不全(無数の心筋細胞における微量栄養素欠乏で起こる)や、不整脈、糖尿病性血行障害などの疾病の予防に大いに役立つのです。

もう一つの重大な発見は、体内のガン細胞の増殖を予防する自然な予防法です。数年前、私は「ガンの種類を問わず、どの器官を原発とするガンでも、すべてのガン細胞は同じ方法で増殖する」という情報を公表しました。つまり、ガン細胞は体内の組織分子(コラーゲン)を切り裂く「生体学的ハサミ(酵素)」を使うのです。ガンは進行の速い種類のガンほど大量のコラーゲン消化酵素を出しています。

こうした組織を破壊する大量の酵素生産は、アミノ酸リシンやプロリンをビタミンCおよびその他の微量栄養素と組み合わせて使用すれば、自然にかなった方法で抑制したり完全に防止することができます。最近私たちの研究機関は、この栄養素の相乗作用を活用して、こうした酵素の作用をブロックし、研究対象となったすべてのタイプのガン細胞増殖をくい止めることができました。ヨーロッパやアメリカでは、すでに何万人というガン患者さんがこのガンの自然治療法・予防法を活用しています。そのうちの数百人はすでにガンからの回復を果たしました。従来の医学では今にいたるまでガン告知が「死の宣告」と考えられていることを考慮すれば、この結果はいっそう重大な意味を持つと言えるでしょう。私たちはこの自然療法を実施した前と後の患者さんの肺と骨のX線写真を入念に記録しています。この療法の成功の記録は、私たちの財団のウェブサイトで実際に見ることができます。

そういうわけで、現在見られる一般的な疾病の予防には、私自身、一定の貢献を果たせたのではないかと考えています。ここで残されたただ一つの疑問は、「では、なぜ、この情報はただちに世界中に広まらないのか?」という疑問です。この疑問に答えるには、疾病市場の世界的撤廃を招く画期的発見に対して猛烈に抵抗している製薬投資ビジネスについて、あらためてお話しする必要があると思います。


あなたは「細胞医学」という新しいコンセプトを発案なさいましたが、この「細胞医学」とは何か、そして、これを実際に応用した場合のメリットは何かを説明していただけませんか?


現在、医学は身体の器官によって諸分野に分けられています。心臓病専門医は心臓を診るし、消化器専門医は消化器を診るし、整形外科医は骨や骨盤を診るわけです。こうした器官ごとのアプローチに従うかぎり、「健康状態や疾病は器官のレベルで決まるのではなく、人体の器官を作り上げている無数の細胞のレベルで決まる」という事実は無視されています。しかし、細胞の機能障害とそこから生ずる疾病の最大の原因は、細胞レベルでの生体エネルギーの欠乏なのです。これらの細胞が正しく機能するために必要な生体エネルギー物質のうち、最も重要なのは、生体触媒と呼ばれる細胞の化学反応を促進する小さな物質です。そして、こうした物質の中でも特に重要なのが、ビタミン、ミネラル、微量元素、特定アミノ酸といった天然物質です。「細胞医学」というのは、現在一般的に見られる疾病の予防と治療にこの知識を活用する新たな分野の医学を指しています。私たちの細胞医学を研究する機関では、循環器系疾患、ガン、感染症といった特定疾患の予防・治療に必要とされる微量栄養素の研究を続けています。

21世紀の医学が世界的規模でこの知識を活用し、循環器系疾患やガンなど今日の一般的疾病からの人類解放に多大な貢献を果たすことは、すでに予見できています。もはや無駄にできる時間はありません。この原理は、医学の学位などなくても、地球に住むすべての人にとって理解可能な原理です。一般市民の保健医療に関わる医療関係者や政治家は、全員ただちにこの科学的事実を学び、この知識を活用できる国民保健医療プログラムを策定すべきです。


あなたはなぜ、従来の薬物治療よりも自然療法による予防・治療の方がより優れており、効果的だとお考えになるのですか?


製薬産業は一つの投資産業です。そして、まさにその性格ゆえに、製薬産業に疾病を根治・予防する薬は作り出せません。そんなことをすれば、疾病人口という今後も薬を使い続けるはずのマーケットがなくなってしまいますからね。これは理解しがたく、受け入れがたい事実です。しかしながら、万人が理解すべき真実でもあります。

したがって、現在、世界の市場で使われている薬の80%については確たる効果が実証されていない状況であり、単なる対症的な薬と考えられます。この事実からの直接的帰結として、循環器系疾患、ガン、エイズなど現在一般的に見られる疾病の多くは、かたや特許の対象とならない効果的な治療法がちゃんと存在しているのに、抑制されるどころか今も広がり続けているわけです。

生物学や生化学を学ぶ学生は世界のどこの国でも、微量栄養素が細胞の正しい機能において果たす役割について学んでいます。けれども残念なことに、医学教育に対する製薬産業の支配的影響は世界中いたるところで根深く浸透しており、医学的な問題の解決のために先に述べた科学的知見が活用されることはありませんでした。そこで、世界の人々が自然健康法の恩恵にあずかるためには、まず、この新しい科学的知見を受け入れる必要がありますし、それとともに、疾病を基盤とする製薬産業の投資ビジネスによって作為的に設けられた医学的障壁を撤廃することも前提条件となります。


2度のノーベル賞受賞者である故ライナス・ポーリング博士は、あなたの業績を重要なものであると語っていました。ポーリング博士は、なぜ、そのように考えていたのでしょうか?


ライナス・ポーリング博士は2度にわたり異なる部門でノーベル賞を受賞した、ただ一人の科学者です。彼が最初に受賞したのはノーベル化学賞でしたが、2回目に受賞したのはノーベル平和賞でした。この平和賞は、1963年に部分的核実験停止条約の締結を実現させた彼の功労に対して与えられたものです。ライナス・ポーリング博士は20世紀の科学界における巨人であり、数多の有機物質や無機物質の分子構造を解明しました。プロテイン(αヘリックス)の構造特性を初めて解明したのも彼なら、最初の遺伝子疾患(鎌状赤血球貧血)を発見したのも彼でした。

私がライナス・ポーリング博士と知り合ったのは今から20年以上前、私がドイツで医学生代表としてスポークスマンをしていた時分です。私は世界保健機構(WHO)に所属する医学生組合の委員会メンバーでした。とはいえ、当時の私たちを結び付けていたのは、学術的な興味というよりはむしろ、平和運動や核兵器廃絶に対する共通の関心でした。

それから数年後、循環器系の医療分野における研究の結果から、私はビタミンが果たす役割の重要性を認識するに至りました。私がこの結果をポーリング博士に報告したところ、博士はただちにその重要性を認識し、私をカリフォルニア州にあるポーリング博士の研究所の初代研究部長として招いてくれました。

ライナス・ポーリング博士と私は単なる研究者仲間という以上の仲でした。私たちは、より健康的で平和な世界を築くという共通のビジョンを分かち合っていたのです。ですから、ポーリング博士が亡くなる直前に私を自分の後継者として考えていると語ったとしても、それは格別驚くべきことではありませんでした。


あなたの業績や研究に対する従来の学会の反応はいかがでしたか?


新たな発見は3つの段階を通過すると言われています。最初の段階ではあざけられ、2番目の段階では激しく反駁され、そして最後の段階に至って自明の理として受け入れられるのです。私の循環器疾患やガンの領域における発見も例外ではありません。バイパス手術やバルーンカテーテル(血管再形成)術といった機械的処置が循環器系疾患に対する「治療法」であり、放射線療法や化学療法がガンに対する「治療法」と見なされる医学の世界において、こうした疾患を自然で安全かつ経済的に予防・治療する方法があるという私の主張は全くもって革命的でした。

循環器系疾患の分野で私の考え方が受け入れられ始めた時には、私の画期的な学術論文「心臓病の謎を解く方法」の発表から優に10年が経過していました。しかし、ついに2002年5月4日、私は世界有数の医学部を持つスタンフォード大学に招かれ、同医学部が組織したシンポジウムでこの画期的発見について講演を行ったのです。この招待自体がすでに、循環器系疾患を早期の壊血病(「船乗りの病気」)と見なす私たちの新たな考え方を受け入れる人々が非常に増えている事実を反映しています。

この講演では、1世紀以上にわたり製薬企業カルテルによって利用されてきた主要医学機関で初めて、循環器医学における最も基本的な未解明問題の説明が試みられました。つまり「人間は心臓発作を起こすのに動物はなぜ心臓発作を起こさないのか」、「人間は心臓発作を起こすのに鼻発作はなぜ起こさないのか」、あるいは「動脈硬化症はあるのに静脈が硬化を起こさないのはなぜか(すなわち、静脈硬化症が見られないのはなぜか)」といったテーマに関する私の見解です。この講演内容については、私たちの財団のウェブサイトで閲覧できます。

同様にガンの分野でも、私が発見したリシンなどの微量栄養素の活用によるガンの自然治療法について、論文が出てからそれが一般に知れ渡るまでには約10年の歳月が経過しています。2002年3月8日、この画期的発見は世界最大の発行部数を持つUSA Today紙に全面刷りで掲載されました。この情報は野火のような勢いで広がり、数多くの国や施設でこの知見が実地に応用されるようになりました。

この見解に対し学術的な根拠を持つ反論はありませんでしたが、製薬業界からの反論は非常に熾烈でした。製薬業界は、疾患を基盤とした地球規模での巨大投資ビジネスを保護するために、この5年間はもっぱら法規にたよる戦略をとり、特許対象とならない自然健康法の分野での画期的発見が一般に普及するのを法規で取り締まらせようとしています。


あなたの著書は製薬業界にどんな影響を及ぼしましたか?


私は、自著「なぜ動物は心臓発作を起こさず、人間は起こすのか」の中で初めて「製薬産業の法則」を掲載しました。この法則は、疾病を基盤にビジネスを営む製薬企業が、健康産業などではなく、投資産業の一種であることを知らしめています。ここでは、製薬産業の研究開発目的を人々の健康への奉仕からそらせて金儲けへと向かわせている特許性の原則が解明されています。この本は、過去数十年にわたり、世界の何億人もの人々がその寿命を全うできず、経済全体が財政破綻に追いやられた原因が製薬企業にある事実を明らかにし、その責任を問うています。この世界最大の投資産業が数兆ドルの詐欺まがいの計画であると暴露するには勇気が必要でした。1997年6月21日、ドイツにおいて、史上初めて3500人の聴衆を前に私がこの事実を公にした時には、世界中で大きな反響がありました。

製薬企業が私に報復しなかった唯一の理由は、私がこの人倫にもとる「疾病ビジネス」と20世紀最大の人道犯罪である第二次世界大戦下の大量虐殺の関係を指摘したからです。70年前、ヨーロッパ最大の石油化学・製薬企業カルテルがヒットラーの政権掌握を財政的にバックアップしたのは歴史的事実です。第二次世界大戦は、東ヨーロッパとアジアにおける天然資源の征服をその主目的とした戦争でした。

1946/47年のニュールンベルク戦争裁判では、I.G.ファルベンと呼ばれる石油化学カルテルの存在なくして第二次世界大戦は起こりえなかったことが確認されています。この戦争裁判の結果、I.G.ファルベンはバイエル社、BASF社、ヘキスト社の3社に分割され、その一部の経営陣は国際法に背いて戦争を開始した罪、大量殺戮の罪、諸外国の公的・私的資産を搾取・掠奪した罪、その他種々の人道犯罪の罪を問われて有罪宣告を受けました。第二次世界大戦の企業的背景については、ジョセフ・ボルキンの「I.G.ファルベンの犯罪と罰」という本に詳しく書かれています。この本に関しても私たちの財団のウェブサイトで閲覧できます。

つまり、私の企業責任追及が始まった当時からすでに、製薬業界は守勢に回っていたわけです。ですから、彼らがあえて私に報復したり誹謗中傷を理由とする訴訟を起こしたりしなかったのも、無理からぬことだと思います。一方、製薬企業が携わっている数兆ドルの詐欺まがい商法を10年がかりで暴露した私の努力は、ヨーロッパ最大の週刊誌であるDer Spiegel誌トップ面への掲載という形で日の目を見ました。これは、製薬企業が詐欺行為を行い、人々の生命を危険にさらし、世界各国の経済に何十億ドルもの規模で損害を与えてきた事実や、私が過去数年間にわたり指摘してきたその他様々な事実に対する糾弾記事でした。私が最初に製薬企業の疾病ビジネスを公の場で弾劾してから大手メディアがこの事実を認めるまでに、5年以上の年月が流れていました。また、この記事では、製薬企業が世界最高レベルの意志決定者たちと密接な関わりを持っている事実を指摘していますが、これも決して意外ではありません。この記事では、「ある国の政府が製薬企業の疾病ビジネスを取り締まる措置をとろうとすると、現在ですらアメリカ大使館がアメリカ政府に代わって直接介入する」という事実も明らかにしています。

私自身、自然健康法でのパイオニアであるのみならず、製薬業界が手を染めている疾病ビジネスの告発でも先駆的役割を果たしてまいりました。この2003年3月31日のDer Spiegel誌に掲載された記事は、近い将来に製薬業界を取り囲む防壁を倒壊させるドミノ倒しの最初の一手だったのです。いずれ、他のメディアもこれに続くでしょう。それは良いことだと思います。わずか一握りの投資家のために、世界中の何百万人もの人々の健康と各国の経済が犠牲になるような事態が続いてはなりません。この投資家たちは、今後もこの数兆ドルの詐欺まがい行為をあの手この手で存続させようと、合衆国大統領やイギリス首相を含む数多くの不徳な政治家たちを支援して、自らの権益固めに余念がないのです。


あなたの著書は世界中どこでも手に入るのでしょうか?


私の著書は10ヶ国語以上の言葉に翻訳されており、多数の言語で出版されています。また興味を持った人誰でもが閲覧できるように、私たちのウェブサイトでもこれらの本の内容を掲載しています。私たちは、循環器系疾患、ガンといった一般的疾病に対する自然予防法・治療法を含め、何百万人もの人々の命を救える大切な情報を普及するために、あらゆる努力を払っています。

この情報はきわめて重要であるため、早急に世界中に広める必要があります。ですから、このメッセージの重要性を理解して情報の普及を支援して下さるメディアであれば、新聞、ラジオ、テレビ等どんなメディアの取材でも歓迎いたします。最も良く知られた著書を3つ挙げるとすれば、そのうちの一つには心臓発作・脳卒中・高血圧・心不全・不整脈など様々な循環器系疾患に対する新治療法を論じた「なぜ動物は心臓発作を起こさず、人間は起こすのか」を挙げるべきでしょう。また「ガン」という本の中では、ガンの自然予防法における画期的知見が述べられています。この本は、ガンが「もはや死の宣告ではない」と説く初めての本です。3番目は、私の10年間に及ぶ製薬企業カルテルとの戦いを描いた実録で、「人類の名において」という題の本です。


この画期的療法について私たちが今までに知らなかったのは、なぜでしょうか?


その答えは明白です。製薬産業は自然に発展を遂げた産業ではありません。製薬産業は投資家が作為的に作り上げた産業ですから、彼らは今後も疾病ビジネスから利潤を吸い上げ続けるため、特許対象とならない自然の治療法が世界中に広まるのを妨害しなければならなかったのです。

20世紀の初め、ロックフェラー・グループはすでにアメリカをはじめ世界各国の石油ビジネスの大半を支配下に収めていました。同グループは、そこから上がる数兆ドルの収益を元手に、次なる投資の対象を定めました。ここで、その次なるマーケットとなったのが人間の体だったわけです。この投資に対する利潤や見返りは、開発された製薬品の特許性によって左右されます。この新たな投資産業から上がる数兆ドルの利潤は、医療を製薬品によって駆り立てられる投資ビジネスへと変貌させるために組織的に使われました。医療はわずか数十年のうちに、この利益集団が医学部、マスコミ、政界に及ぼす影響力を通じてコントロールされるようになりました。

その時、この製薬産業にとって一番の問題となったのが、自然健康食品との競合でした。細胞の代謝活動を円滑に保つのに必要なビタミンや必須栄養素の大半は、1920年から1935年の間に発見されています。科学界においては、細胞の代謝でこれら必須物質が欠乏すると、細胞が正常に機能せず、疾病の原因となりうることは明白だったのです。

製薬業界の投資戦略家はこれに気付き、この命に関わる大切な情報が世界各国の人々に普及するのを妨げる国際的なキャンペーンに乗り出しました。この情報について沈黙を守ることは、そのほんの第一歩にすぎませんでした。特許対象に含まれない自然療法の信用を貶める中傷キャンペーン、はては自然療法による疾患の予防や治療についての記述を法によって禁ずることも、この詐欺まがいの製薬ビジネスを強化するための戦略の一つでした。

こうした様々な方策が目指した唯一の目的。それは、対症療法しかできない特許薬を基盤とした製薬産業を、細胞の健康維持に不可欠な特許対象外の自然療法から保護することでした。皮肉なことに、生物の教科書にすら記載されている基本的細胞機能に必要な自然物質についての科学的事実が、この投資ビジネスにとっては業界全体の浮沈に関わる大問題となったのです。もし特許対象外の自然物質を使い細胞の健康状態を良好に保つやり方で疾患予防ができるとすれば、これは製薬業界が営む疾病ビジネス全体を揺るがす脅威となるはずです。疾患が予防・根治できるのであれば、もはや製薬業界のマーケットは存在しなくなるのです。

なかでも医学関係者に製薬業界の影響を行き渡らせることは、とくに重要と考えられていました。製薬投資産業は、ハーバード大学・エール大学・メーヨークリニック等、いわゆる「アイビーリーグ」を含めた様々な大学に医学部を創設して、やすやすと医学界の権威を買い占めたのです。当然ながら、治療法についての授業は一挙に製薬中心のカリキュラムとなり、その一方で、自然療法は「時代遅れ」として体よく排除されました。

この数十年間に医学部を卒業した学生で、細胞の代謝におけるビタミンCの役割解明に対し、1937年に初めてのノーベル賞が与えられたことを知っている人はほとんどいません。このように半世紀以上にわたり何世代もの医師ら(世界全体で見れば数百万人)が、生命や健康に果たすビタミン・ミネラル・微量元素の重要な役割について学ばないまま、医学部を卒業しました。

これから述べる事実を見るだけでも、この投資戦略が世界の人々の健康に及ぼした深刻な結末が理解できるはずです。現在、地球上に住む60億人という人類のうち、人体ではビタミンCが生産できないという事実を知っている人はほとんどいません。しかし、まさにこの(「船乗りの病気」の壊血病から動脈を守る物質として知られている)ビタミンが心臓発作・脳卒中などの循環器系疾患を予防する主要要素でもあることは、科学的事実として受け入れられています。つまり、製薬投資産業の利益のために、医療関係者の間から生命に関わる大切な知識を排除するだけで、世界の先進工業国や開発途上国の都市部で最も多い健康障害となっている循環器系疾患を、意図的に増やすことができるわけです。

現在この地球上に住む人間の中で、人体ではプロテインの不可欠な構成要素であるアミノ酸リシンを自然に生産できないと知っている人はほとんどいません。しかし今では、このリシンという自然物質が、ガン細胞の体内での増殖を防止するのに最も必要な要素であることが分かっているのです。ガンは先進工業国では2番目に多い疾患であり、ガン患者さんの末期治療に使用される薬剤は、製薬企業の疾病ビジネスにとって最も儲けの大きいマーケットとなっています。

そして今21世紀の初頭にいたって、人類はついにその悪夢から目覚めようとしています。細胞を円滑に機能させるのに不可欠でありながら人体では生産できない物質について、簡単な保健情報を普及するだけで、先進工業国や移行期の国々で失われる人命のうち、3分の2は救えるのです。

それのみならず、世界の人々が丸々1世紀にわたってこの事実に「目覚めなかった」のは、なにも私たちが無教養な人間だったからではないことを認識すべきでしょう。私たちは、虚偽と欺瞞に満ちた製薬ビジネスがこの詐欺行為を首尾よく成功させるために何十億ドルも費やしており、「人類の恩人」という上べの顔を作為的に作り上げてきた事実を認識すべきなのです。この目的を達成するために、この業界が「マーケティング」に費やした金額は、研究開発にかけた金額の2倍にも及びます。

現在アメリカ合衆国の国防長官であるドナルド・ラムズフェルドは、複数の多国籍製薬企業の経営最高責任者を務めた人物です。ブッシュ政権から現職の指名を受ける以前、彼は製薬産業に果たした功績によっていくつかの賞を受賞しました。ラムズフェルドと(ロックフェラー投資グループも含め)この業界の経営陣全員が先に述べた事実を知悉している点については、全く疑問の余地がありません。彼らは製薬産業が営んでいる疾病ビジネスの実態が野火のような勢いで世界中に広まっているのを見て、震え上がっています。この事実を世界中の人々が知れば、彼らの運命は火を見るより明らかでしょう。その意図的決定さえなければ防げたはずの疾患で命を落とした何百万という人々の死に対して、彼らは責任を問われるのです。自らが世界の「ビッグブラザー」になるシナリオを考えて人類全体を戦争に巻き込まない限り、人類が自分たちをやり込めるだろうと彼らは考えています。他に逃れる道はありません。これが今回の戦争の背景です。この事実があるからこそ、彼らはこの地球全体を相手に戦いを挑んでいるのです。

1世紀以上にわたり、製薬企業はその数兆ドルの詐欺まがい行為の前提条件として、今日最も一般的な疾病が予防できる特許対象外の自然療法に関する大切な保健情報を閉め出してきました。ですから、こうした製薬業界のとった措置のせいで、私たちの耳にこの画期的新療法に関する情報がまったく入らなかったとしても、それは意外とは言えません。


では、世界保健機構(WHO)の役割はどうなっているのでしょうか? WHOは栄養素の普及を促進しているのではありませんか?


世界保健機構(WHO)は、世界の人々の健康水準を向上する目的で50年以上前に設立された組織です。栄養情報の普及は、その当初の目的の一つでした。WHOには食糧農業機関(FAO)との合同で「栄養に関する共同報告書」を毎年発行していた時期が10年ほどありました。

しかし、その後、製薬産業に投資する投資家集団の利害がWHOを完全に支配するようになりました。そして、それを境としてWHOは全く正反対の目的を持つ組織へと変貌を遂げたのです。WHOが世界の人々の福利を目指して設立されてからわずか15年後の1963年、この組織は国際的な製薬企業カルテルの道具となってしまいました。1963年、微量栄養素(ビタミン・ミネラル・アミノ酸)を疾病の予防・治療・根絶を目的として使用するのを妨げるために、新しい委員会が特別に組織されました。このWHO/FAO所属の「コーデックス・アリメンタリウス(国際食品規格)委員会」の目的は、世界の人々が自然の健康維持物質を治療目的で使用するのを阻止するため、人為的な「上限値」を課することでした。この委員会はさらに、効果の実証されているこれら微量栄養素を使った自然健康法についての情報普及を阻止する「聖戦」へと乗り出しました。このように製薬企業カルテルは、グローバリゼーションを推進する最初の法規制を通すために、WHOを悪用したのです。これは、特許薬による保健市場の国際的独占を人為的に確保する目的で作られた保護主義的な法規にほかなりません。

こうして、世界の人々の健康水準を向上するために創設されたWHOは、過去40年にわたり、一握りの投資家集団を利するためにその正反対の目的で利用されてきました。つまり、現代の最も一般的な疾病を防止できる人命に関わる保健情報が決して世界の人々の耳目に触れないようにすることこそ、彼らの目的だったのです。

私が2002年8月にヨハネスバーグのサミットで発表した10項目のプログラム「2020年までに全人類の健康達成」は、WHOにとって一つの転機となりました。100ヶ国以上の首長が製薬企業カルテルの詐欺的な性格と、それに代わる自然健康法に対して認識を新たにしたこの大会をきっかけとして、WHOを再び私たちの手に取り戻し、この組織を世界中の人々の福利実現に活用するための戦いが始まりました。アフリカ、南米、アジアの開発途上国がこの歴史的戦いに加わります。しかし、間違えてはなりません。WHOの組織内部に潜む製薬企業カルテルの勢力は、絶対に自ら陣地を明け渡したりはしないでしょう。

WHOをその本来の目的とは正反対の組織に変貌させた一部の利益集団が、現在対イラク戦争を遂行し、世界のいたるところで国際危機を引き起こしている利益集団と同じグループである事実に、世界中が気付いてほしいと思います。つまり、WHOに対する支配をめぐる戦いは、軍隊による戦争と同じ程度に情け容赦なく戦われるわけです。この比較は決して的はずれではありません。結局のところ、いずれの戦いにおいても犠牲者は数千、数百万という規模に達するのですから。

このWHOの支配をめぐる戦いの結果は目に見えています。自らのため、未来の世代のために戦う世界の人々が勝利を収め、この国際組織を支配することになるはずです。この戦いがどれほど続くのかは、世界の人々の出方一つにかかっています。ことの成り行きを知らされた人々が、各国政府に対し、国内および国際レベルで何らかの措置を取るよう働きかけることでしょう。一方、決して買収されず、賄賂を受け取らず、他からの影響を被ったりしない組織を持つことも不可欠です。Dr.ラス健康財団は、この目標に向かって貢献するために設立された財団です。


先ほどコーデックス委員会についてお話がありましたが、この委員会についてもう少し詳しく教えていただけますか?


コーデックス委員会はWHOとFAOに所属する委員会です。この委員会のメンバーの約半数は、直接・間接に製薬業界と関係のある人物です。コーデックス委員会は食品保護に関わる様々な問題に取り組んでいますが、その実、その時間・努力・資源の大半は、ビタミン・ミネラルやその他の必須栄養素を利用した自然健康法に関する情報が普及するのを阻止しようとする製薬企業カルテル側の闘争に捧げられています。

私が壊血病と心臓疾患の関連性を解明し、拙著「なぜ動物は心臓発作を起こさず、人間は起こすのか」が成功を収めて、1994年にカルテルによる自然療法の非合法化を目指すアメリカでの最初の試みが挫折した後、1995年に製薬企業はこの「コーデックス委員会」を再び蘇らせました。それ以降カルテルは、製薬産業の疾病ビジネスを特許対象外の効果的かつ安全な微量栄養素療法から防衛するために、精力的な活動を続けています。今ではこの委員会は年ごとに非公開の会合を開いています。この委員会の主な目標は、ビタミン・ミネラルやその他の必須栄養素の疾患予防効果や治療効果に関する記述を法律で閉め出すことです。この製薬企業カルテルを利する不当な提言を国連総会に提出し、この規定をすべての国連加盟国、つまり世界全体に対して拘束力を持つ法規にするよう提言する計画が練られています。少なくとも、これが製薬企業カルテルの暖めている計画です。

近年では私たちも、コーデックス委員会すなわち製薬企業カルテルの計画に対し、定期的な抗議活動を組織しています。これは、学術会議、集会、コーデックス委員会のメンバーやこれを支援する政府に向けた抗議キャンペーンなどです。ごく最近の抗議キャンペーンでは、この不正な企てをいまだに支援している各国政府や議員に対し、なんと6億通(!)の抗議の手紙が寄せられました。

2002年11月にベルリンで開催されたコーデックス委員会の定例会議前夜には、私たちは世界各国から保健医療専門家を集めて会議を開催しましたが、その中には南アフリカも含まれていました。ですから、南アフリカの政府代表がコーデックス委員会の欺瞞を初めて暴露したのが、このコーデックス委員会の定例会議の席上であったのも、全くの偶然とは言えません。この展開の重要性を理解するには、次のような事情を説明しておく必要があります:

健康な精神を持っていれば、このような形で行われる自然健康法の締め出しを支援する人などいないと思われます。ですから製薬企業カルテル側は、まだ態度を決めかねている政治家に、なぜ自然健康法を禁止すべきであるかを納得させる口実を必要とします。その口実として考え出されたのが、ありもしないビタミンの副作用なのです。もちろん、この副作用は純粋に製薬業界の利益集団の想像力と、その国際的なPR計画構想の中にのみ存在するものです。ビタミン、ミネラル、アミノ酸は人の命や体を作り上げているブロックであり、余剰が出た場合でも、人体はこれをなんら問題なく排除できます。

この点、合成された製薬は非常に異なります。こうした薬は合成されたものなので、人体はこれを認識できません。このため、ほとんどすべての製薬には強い副作用が伴うのです。1998年4月15日に発行されたJournal of the American Medical Association誌の記事によると、先進工業国での死因の第4位として製薬による致命的副作用が挙げられています。こうした事実すべてを無視して、製薬業界のPR計画では世界中の人々の世論操作を企てており、このコーデックス委員会の不正な提言を政治家に無理やり受け取らせようとしています。

2002年のコーデックス委員会で南アフリカ政府代表がとった立場は、こうした背景に照らして考えてみるべきでしょう。南アフリカは、私たちの見解を政府の公的見解として支持し、コーデックス委員会内部の製薬企業カルテルが長期にわたり画策してきた計画の欺瞞性を暴露したのです。その2年前には、南アフリカ政府はエイズ薬に関する特許使用料の支払いを拒み、製薬企業カルテルに戦いを挑んでいたのでした。

南アフリカ政府の見解は明快です。「この種の薬に法外な特許使用料を支払わねばならないとしたら、南アフリカと発展途上国の圧倒的多数の人間にとって同薬の使用が不可能となる。そうすれば、製薬産業は巨額の利益マージンを主張することによって、アフリカや世界各国の何百万という人々の生命を意図的に危機にさらすことになる」というのが、その言い分です。製薬企業カルテル、つまり、国際製薬団体連合会は、傲慢にもプレトリアの裁判所で南アフリカ政府を訴えました。予想にたがわず、この戦いで南アフリカ政府は実際の法廷では勝てませんでしたが、世論という法廷では勝利を収めました。

「製薬産業が営む疾病ビジネスの利益のために行われる殺人」に対して世界中で抗議の声が上がり、製薬企業カルテル側はもうこの訴訟を先に進めることができなくなりました。2001年1月、法廷で南アフリカ政府と対決したわずか数週間後に、製薬企業カルテルはその敗北を認め、訴訟を取り下げました。南アフリカ政府は、製薬企業カルテルとの戦いに歴史的な勝利を収めたわけです。その間にも、数多くの国が南アフリカ政府の例にならい、普及の障害となる特許使用料を支払うことなく独自に薬を生産し始めました。


先ほどエイズの話が出ましたが、そのようなエイズ薬に代わる自然療法は存在するのでしょうか?


自然療法によってすべてのウィルスを部分的または全面的に阻止できることは、科学的な事実です。アスコルビン酸(ビタミンC)はウィルスの増殖(複製)を抑制します。1990年、有力な学術誌Proceedings of the National Academy of Science USAに掲載された報告によると、摂取可能用量のビタミンCを毎日摂れば、99.9%以上のHIVウィルスの複製を阻止できるとされています。Proceedings of the National Academy of Sciences USAは世界でも有数の発行部数を誇る学術誌です。つまり、この10年間にわたり、製薬産業も、WHOも、医学界の重鎮も、製薬に代わる特許対象外の自然療法が存在する事実を知っていたのです。それどころか、この自然療法は、エイズの抑制においては現在利用可能ないかなる薬物療法よりも効果的なアプローチと言えます。

ウィルスの増殖を阻止するのに決定的な役割を果たす二つ目の物質は、アミノ酸リシンです。ウィルスはすべて、酵素(コラゲナーゼ)の助けをかりて周囲の組織(コラーゲン)を消化しながら増殖するため、この酵素を無効化すれば、ウィルスの繁殖を抑制もしくは阻止できるわけです。実際に、自然のアミノ酸リシンとプロリンはこの効果を実証しています。さらにビタミンAやその他の必須栄養素は免疫系の働きを高め、エイズの予防と治療に効果を発揮することが確認されています。

私たちも当財団のウェブサイトでこうした研究の記録を公表しており、サイトにアクセスした人は誰でもすぐに、その結果を活用したり、命を救うメッセージを広めたりできるようにしています。患者さんであれ、保健医療関係者であれ、医療問題に取り組む政治家であれ、誰でもこの情報を利用できます。


あなたは国連のエイズ・プログラムが製薬産業を利するプログラムだと考えていらっしゃいますが、それはなぜですか?


国連が実施しているプログラムの大半は製薬産業の利益集団が支配下においています。国連のエイズ・プログラムも、その例外ではありません。まず理解すべきは、製薬産業にとって発展途上国のみならず先進工業国においても、業界の信用をめぐる戦いが始まったということです。世界の中では、特許使用料を支払う必要がなく、エイズ薬の何分の1かのコストで利用でき、エイズ薬よりも効果的な自然療法が存在する事実に気付いた国が、その数を増しています。こうした政府の多くは、製薬産業が営む「疾病ビジネス」の非倫理的な性格と詐欺まがいの事業計画に気が付き、自国の保健医療政策を自然療法的アプローチに基づいて見直そうと考えるようになりました。

いずれかの国が製薬産業の疾病ビジネスから決別しようと考えているとしたら、その決断は製薬投資産業にとって自らの棺おけに打ち込まれるクギのような存在であると言えるでしょう。それは、同国における製薬産業の収益が何分の1かに減ることを意味するのみならず、それよりはるかに重要な結果も示唆しています。すなわち、製薬産業の疾病ビジネスに背を向ける国はすべて、製薬産業の投資家グループが1世紀にわたって維持・推進してきた詐欺まがいビジネスに対して世界の目を開かせる役割を果たしているのです。

その結果、製薬企業カルテルのくびきから解放される国がいっそう増えるとしたら、それはこの業界にとって壊滅的な損害となります。世界の中で、ビタミンCなど特許対象外の自然療法を自国民に最適量摂取させればエイズという伝染病を抑止できる事実に気付く国が増えていった場合、どんな事態が起きるか想像してみて下さい。製薬産業がこうした自然物質についての生命に関わる情報を、意図的に隠匿していた事実に気付いた時の人々の反応を想像してみて下さい。

私たちが今、目撃しているのはまさに、こうした地球規模での製薬企業からの決別の動きなのです。ヨルダン、アラブ首長国連邦、ナイジェリア、南アフリカ、アンゴラ、マラウィといったアフリカ諸国の政府、そして、中華人民共和国が、自然療法に基づく保健医療政策に乗り出す決定を下しました。今、製薬投資産業が直面しているのは「ドミノ倒し」といった生やさしいものではありません。これは製薬産業が営む国際的な「疾病ビジネス」という「ベルリンの壁」が崩壊している状況と言えるでしょう。

エイズによる被害が最も深刻な国々とその国民を救うために、国連およびその所属機関は自然健康法に基づくこの画期的な新療法を採用し、できるかぎり早期に世界中の人々がこの知識と療法を活用できるようにする必要があります。


あなたは製薬産業という強力な利益集団を糾弾しておられますが、敵も多いのではないでしょうか?


私が2度のノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士からその志を引き継いで以来、その種の圧力は常にありました。私自身、そもそもの初めから、循環器系疾患と壊血病との関連性の解明だけでも、数兆ドルの製薬マーケットを永久に葬り去るに足る情報であるという認識を持っていました。ですから、この欺瞞に満ちた非倫理的な産業のくびきから人類を解放するために私がこの戦いを始めたのは、十分に考えたあげくの決断なのです。

思い返せばいくつかの貴重な教訓もありました。たった一人の科学者である私が、世界最大の投資産業を倒すなどという人類の行く末を大きく左右する事業を達成しようとする場合、それは私の力だけでできるものではありません。私が他の数名の人々とともに、この20世紀最大の投資産業を機能停止に追い込むきっかけを作ることができたのは、この業界の本質が偽りであったからです。この産業は人々に「健康」を約束しながら、その実、ますます多く疾病を売りつけているのですから。

この詐欺行為がいったん暴露されれば、もはや機能停止から逃れる道はありませんでした。つまり、私は長年にわたり製薬業界と対決し、その詐欺まがいのビジネスと何百万人もの生命を危機にさらしている事実を公然と糾弾してきたのですが、業界側はこれに対して決して公に反撃しようとはしませんでした。それどころか、私の学問上の発見に対して公開質問すら行いませんでした。

その代わり、製薬産業お抱えの医学界のオピニオンリーダーやマスコミの一部は、私の人間的信用を失墜させようとしました。しかし、それは正しいことをするために立ち上がった人間なら誰しも出会う運命なのです。私は、若者や未来の世代に属する人々がこの経験に学び、自分の番が回ってきた時には、正しいと考えることのために立ち上がる勇気を持ってほしいと願っています。

私自身の身の安全について、「自分の命は心配でないのか」とよく聞かれます。製薬産業のビジネスのやり方では人の命が大切にされていないという事実や、最近出たジョン・ル・カレの小説「ザ・コンスタント・ガーデナー」を引き合いに出す人もいます。ル・カレ自身、あとがきの中で、この作品を執筆中「製薬業界の現実の姿に比べれば、自分の書く小説はまるで休暇先から受け取る絵ハガキみたいなものだという気がしてきた。」と述べています。

もし、あなた自身が、私のように今後何世代にもわたりこの地上に生きる多くの人々の生命に影響を及ぼせる立場にあるのならば、あなたは正しい決断を下すべきです。あらゆる場所ではっきりと真実を口に出すことこそ、あなたに敵対する利益集団から自分の身を守る最善の方策となります。世界各国で私たちの財団が出している一連の公開状も、まさにこのプロセスの一環なのです。


あなたの国際的な情報キャンペーン「戦争ではなく健康を」の目的は何だったのでしょうか?


この国際的な危機が始まった時から、世界の人々はブッシュ政権が喧伝する「対テロ戦争」なるものには懐疑的でした。この戦争に対する抗議集会が行われた場所なら世界中どこでも、この戦争の背後にある本当の思惑は「石油」であると述べたポスターが見られました。しかし、本当にその目的が石油だけだとしたら、世界中で集団ヒステリー状況を作り出さなくても良いし、米国社会を準軍事国家に改変する必要はないわけです。さらに、6万7000人の職員が総出で自国民をスパイするような「ビッグブラザー(=CIA)」を作る必要もないわけです。しかし、今はこうしたことすべてが「国土治安」という口実のもとに行われています。これは、彼らが自国の中で起きつつある何ごとかを恐れており、自国民すべてが彼らの経済的利得や政治的ルールを脅かす可能性を持っていると考える場合にのみ、納得のいく事態ではないでしょうか。

この間の事情はもう公開状でも説明しましたが、ここでもう一度述べてみたいと思います。まず今回の危機や対イラク戦争から、あるいは第三次世界大戦が起こるとすれば、その戦争から最大の恩恵をこうむるのは製薬業界なのです。2001年8月に世界中で起こった訴訟に悩まされていた製薬業界は、9月11日の悲劇で最大の利益を得たグループです。この業界の背後に存在する投資家グループは、当時、その詐欺まがいビジネスの信用が粉砕されるのを防ごうと最後のあがきを続けていましたが、その投資全体はいまにも機能停止に陥りかけていました。

ここでは、もし誰かが詐欺的やり口によって世界最大の投資ビジネスを構築している場合に、その欺瞞が暴露されたとしたら、その社会の中で影響をまぬがれる産業部門は存在しないという点を理解しておく必要があります。そして、ロックフェラー・グループが直面したのは、まさにこの状況だったわけです。これが複数の多国籍製薬企業の経営者であったドナルド・ラムズフェルドが、基本的にどこでどの位の期間爆弾を落とすかを決める役職である国防長官に任命された理由です。これはまた、明確な戦争計画に支配された2002年11月の中間選挙も含め、ジョージ・ブッシュの選挙運動に製薬業界が単独で最大規模の献金を行っている理由でもあります。

これらの利益集団が、自らの機能停止を目前にして、人類全体をその道連れにしようと考えていることは確かです。500年前にもこれに似た状況が起こり、これが契機となってヨーロッパは中世から近代へと移行しました。当時の為政者らは、その没落を目前にして、自らの領民に対する戦争を始めました。この「30年戦争(1618−1648年)」で、ヨーロッパの3分の1が破壊され、何千万人もの生命が失われました。


現在の状況に似ているという、その中世に終止符を打った歴史的事件について、もう少し詳しく説明していただけますか?


400年前、ヨーロッパでは何百万人という一般民衆が、印刷機の普及やラテン語から日常口語体に翻訳された本を通じて読み書きできるようになりました。この「文盲状態からの解放」により、ヨーロッパの中世は終わり、今では「近代」という言葉で知られている時代が始まりました。いかなる権力も、戦争も、専制も、一般民衆に読み書きの権利、知識を持つ権利、尊厳ある生活を送る権利を放棄させることはできませんでした。

同じように今日の世界においても、いかなる戦争や独裁といえども、人類が製薬企業カルテルのくびきから解放されるのを妨げることはできません。このような企業の利益のために、すでにあまりに多くの生命がいたずらに失われ、あまりに多くの経済が破綻に陥りました。いまや世界の人々は、こうした事態がなぜ起こるのかを理解しつつあり、自然に基づく健康法を享受する権利のために今後も戦っていこうと考えています。

私たちの「戦争ではなく健康を」というキャンペーンでは、今回の戦争とすでに前CIA長官のジェームズ・ウールジーによって公にされた今後起こる「世界大戦」の背後にいる製薬産業の関与について、あらためて指摘しました。また、このキャンペーンは、こうした製薬企業の企てが実現しないように行動を呼びかけるアピールでもありました。世界のどこでも、誰でも、自然療法の分野で出てきたこの画期的新療法をただちに利用できるのです。この自然健康法を利用する家庭、診療所、医療制度はいかなるものであれ、製薬産業の利益集団から次の戦争に投資する財源を剥奪する役割を果たすことなります。

世界の人々は今、自らの経済的利得のために疾病を意図的に存続させ、何百万人もの命を奪っている利益集団とまったく同じグループが、人類を第三次世界大戦へと引きずっていこうとしているという現実に目覚めつつあります。世界の人々はさらに、この保健医療部門こそ、私たちの世界をより健康的で平和な世界に変えていくために最大の戦略拠点になりうるという事実にも気付きつつあります。この図式はいたって簡単です。かたや疾病と戦争によって今後も利益を得たいと考えている一握りの投資家がおり、その一方で、疾病も戦争もない世界を望む60億人の人々がいるのです。この戦いの結果は目に見えています。もちろん勝利を収めるのは私たち一般市民ですが、それにはまず、より多くの人々が団結しなければなりません。


あなたの「戦争ではなく健康を」というキャンペーンに資金を提供しているのは誰ですか?


このキャンペーンは、これまでに自然健康法を実行して改善を見た方々からの資金援助で可能となりました。私たちの研究施設では、心臓疾患、心不全、高血圧、糖尿病性血行障害、ガン、骨粗鬆症など様々な疾患を持つ人々が、ビタミンや細胞医学の分野での画期的治療法を実行して病状の改善を図れるように、様々な情報や自然健康プログラムを提供しています。世界5大陸の何十万という人々がすでに、この画期的治療の恩恵をこうむっています。その健康面でのメリットは、多くの場合、彼らが以前に試みたどんな薬物療法のメリットよりも大きいのです。

その結果、彼らは単に自分がその自然健康法の恩恵を受けるだけでなく、この健康情報を世界中に広めて、まだこの治療法のことを知らない人々を救いたいと考えるようになるようです。ですから多くの場合、このキャンペーンに対する支援は、自分が良いと信ずる療法を実行し、自分自身の生命と身体のために戦って実際に改善を経験した人々から来ています。そうでなければ、このような世界規模の情報キャンペーンは実現しなかったでしょう。


あなたの「戦争ではなく健康を」のキャンペーンが達成した最も重要な事柄は何ですか?


このキャンペーンでは製薬産業が今回の国際的危機と戦争をあおった扇動者であり、主要な企業後援者であるという事実を公にしましたが、その結果、国際社会はこの戦争にいかなる正当性も承認も与えなかったわけですから、その点で私たちの貢献は大きかったと思います。いったん世界の人々が団結すれば、この戦争を始めた張本人たちは生涯にわたり国際社会の法廷で罪を追求される可能性もあるのです。

私がNew York Times紙の紙面に公開状を発表したのは意図的な選択でした。New York Timesは国連ビルが所在する都市で発行されています。この国連のある都市に、今年の2月と3月ほど政治家、各国首脳、政府代表者が数多く集まったことは未だかつてなかったはずです。ですから、私の公開状に含まれていた情報と、製薬産業が主要な企業後援者であるという事実の開示は、実質的に世界のあらゆる国々にまで達したと思われます。それのみならず、国連安保理事会のメンバーであるチリ・パキスタン・カメルーンなど超大国以外の国の新聞、そして、トルコといった国の新聞も、自国の新聞に私の公開状を掲載しました。こうした比較的小さな国々で、数多くの市民がこの戦争の企業後援者について注意を喚起され情報を得たことが、結果的にこれらの国々の政府がアメリカやイギリスの凄まじい政治的圧力と賄賂攻勢にも屈せず抵抗し通した大きな要因になりえたのです。

アメリカとイギリスは世界の二大薬品輸出国です。世界で売られている錠剤の総売上げのうち、3分の2はこのどちらかの国に吸い上げられています。そして、企業に依存し、腐敗した政治家たちをホワイトハウスやダウニングストリートに送り込むために使われている資金であり、中近東の戦争や、すでに公表されている「世界大戦」の資金となるのは、まさにそこから上がる収益なのです。

私たちが達成できた第二の目標は、この対イラク戦争が核戦争や生物兵器・化学兵器による大量殺戮につながらなかったことです。この戦争の背後にある利害の暴露によって、いったん大量破壊兵器による戦争が起きれば、それは自動的に「世界各国で戒厳令と市民的権利の放棄の状態を作り出して企業による独占を確保する」という戦略目標を製薬産業に達成させてしまう結果を招くことが明白となったのです。

製薬産業が今後生き残れるかどうかは、今までも今後も、戦場で大量破壊兵器による戦争が起きるかどうか、あるいは国内でごく早い時期に数度に及ぶテロ攻撃があるかどうかにかかっています。実際毎日、毎週、この種の出来事が起きないと、製薬産業は世界各国に箝口令を強い、それによって国際的な「疾病市場」での自らの独占を確保することができないのです。私たちはこのような企てを世界中に知らしめることで、今までのところは製薬産業の投資グループがその目標を達するのを妨げてきました。

ちなみに、こうした公開状の発表にまつわる経緯は、まるでスパイ小説やコロンボ刑事物のエピソードのようです。被疑者が罪を犯したかどうか確信できない時、コロンボ刑事は一定の証拠を手にして被疑者と直接対決し、被疑者の反応を確かめます。私が公開状を発表したのは、そのような意図もあってのことでした。私の場合、自分の考えは正しいと分かっていましたが、もし本当にそうなら、「犯人たち」は何らかの行動を起こすはずでした。

そして実際にその通りの反応があったのです。9月11日の悲劇と今回の戦争の背後にひそむ最大の企業後援者は製薬産業であることが暴露されてからわずか24時間後(1日後)、9月11日事件の「首謀者」なるものが姿を現して世界の人々を唖然とさせました。何ヶ国もの軍隊が1年半にわたりヒンズークシ山脈を9月11日事件の「首謀者」を求めて探し回ったあげく、この人物はパキスタンのアパートで安穏に眠っているところをいきなり発見され、逮捕されたのです。その週を通じて、アメリカの大手メディアはこの「捕り物劇」に沸き返っていました。これは明らかにメディアぐるみで国民の気を逸らせる作戦でした。しかしアメリカ以外の国では、このメディアぐるみのスタントプレーを本気にする人はほとんどいませんでした。「戦争支援国」のメディアも含め、国際的なジャーナリズムはすでに隠された行動計画の存在を嗅ぎつけていたのです。イギリスのThe Independent紙は、この首領が突然逮捕された事件について「なんと都合の良い発見」と書いています。

それにも増して意味深長であったのは、米国議会と米国司法機関の反応でした。そもそもアメリカでも知的な人々の多くは、9月11日のテロ攻撃の背後に、隠された行動計画が存在したのではないかと疑っていました。こうした人々は、FBIが出した攻撃に対する正確な警告が無視されていた点や、FBIの上司がこの攻撃の警告者に沈黙を強いていた点に疑惑の目を向けました。しかし、それ以上に怪しく思われたのは、世界貿易センター被害者の遺族が訴えていた事件の背景に関する公的な真相究明の要請が、1年以上にわたり拒まれていたという事実です。この調査を阻んでいた張本人は、ホワイトハウスとブッシュ大統領本人にほかなりません。被害者の遺族らは、ひたすら真実が知りたかったのです。もし、このテロ攻撃が本当に「テロリスト」の所業であるとしたら、どんな政府でもただちに総力をあげて真実を突き止めようとしたはずです。それが遺族のためのみならず、一般市民のためでもあるのですから。そこで遺族らは、「公の真相究明を阻んで、ブッシュ政権はいったい何を隠そうとしているのか?」と自問したわけです。

こうした疑念は当然ながら私の公開状によっても膨らんでいきました。この公開状では、すでに70年さかのぼった過去にこれと同じ事件が起きていた点に言及しており、米国の議員、司法界、一般市民に衝撃を与えました。1933年2月28日、ドイツの国会議事堂が放火されました。そして、この事件もまたただちにすべての市民的権利の廃止と治安法(国土治安法)施行の口実として利用されました。結局こうした措置は、その後の企業と政治家による独裁と第二次世界大戦の開戦への法的基礎固めとなったのでした。

今日では、このドイツ国会議事堂(「ライヒスターク」)の放火は、ドイツ社会を自らの征服戦争(第二次世界大戦)に引き込もうとする利益集団が前もって慎重に計画した襲撃であることが、歴史的事実となっています。このとき施行された大半の市民的権利を剥奪する法律が、事前に準備されていたことも事実です。それから70年経った今、アメリカの政界と一般市民は、これと同じ目隠しが自分の眼前にあることを知りました。そして、この計画を立案したグループは、その呼び方を変える手間すら省きました。70年前、市民的権利を廃止する法的下地となった法律は「国土および国家治安法」と呼ばれましたが、この9月11日事件を利用しているグループはこの新法を「国土治安法」と呼んでいます。ここには驚くべき類縁性があります。この法の「立案者」は、世界の人々が70年前の事件に照らして今回の計画の背後に何が潜んでいるか見抜くことすらできないと、本気で考えていたのでしょうか?

議員、政界、司法界から抗議が殺到しました。彼らがブッシュ政権を支持したのは、ひとえに「対テロ戦争」という大義を信じていたからでした。それが今となって、現在ホワイトハウスを動かしているグループにより実現しつつある、隠された行動計画があることを知ったのです。それのみならず、アメリカの政界・司法界は、自分の選挙民である一般市民も同様にこのNew York Times紙を読んでおり、いずれ彼らからは答えられない質問を浴びせられることになるだろうと気付いたのです。

ホワイトハウスと米国司法省の電話は鳴りやみませんでした。怯えあがった政治家や立法者は、「自分は決してロックフェラー・グループの『クーデター』には関与しないし、ホワイトハウスにおける彼らの傀儡政治家にもならない。」と言明しました。

これに対する対処は迅速でした。驚くべきことに、この4日後にいわゆる第2パトリオット法がジョン・アシュクロフト米司法長官によって公表されました。そこでアメリカの一般市民は、「現行の対テロ法は不完全であるから修正が必要である」と知らされ、唖然としたのです。結局のところ、「ブッシュ政権が発する法令の執行においては、米国の司法関係者の責任はすべて免除される。」というのがこの修正の骨子でした。

つまり、ペンの一撃をくらったブッシュ、アシュクロフトをはじめとする製薬企業カルテルの政治的傀儡らは、彼らの非倫理的な法と戦争犯罪を支援する人間に対しては誰であれ、その責任を免除してやったのです。9月11日事件の背景と今回の国際的危機の真の目的についてまだ疑問の余地があったにしても、私の公開状に含まれる情報に対してブッシュ政権が示したこの反応を見れば、世界中の知性ある人々の目を開かせるには十分であったと思います。


米国の一般市民やニューヨーク市民からの反響は何かありましたか?


世界中から反響がありました。主要大学、政府機関、医師、そして当然ながら大勢の患者さんや一般市民の方からの声が寄せられました。最も多かったのは、製薬産業の生き残りを賭けた闘争と今回の国際的危機の関連性に目を開かせてくれたことに対する感謝の言葉でした。自然健康法や、製薬産業の疾病ビジネスの背景について、もっと詳しい情報がほしいという問い合わせも数多く寄せられました。

とくに注目されたのは、私たちの政府がもはや米国民の大多数の利益を代表していないことを認識したという意見が、アメリカ国内から多数寄せられたことです。こうした人々は、現在の政府は主にロックフェラー系の石油化学産業および製薬産業をめぐる一握りの企業家の利益に奉仕していることに気付いたと述べています。もし自分がニューヨーク市に住んでいて、「9月11日の事件について一般に伝わっている話はどこか変だ。」とかねがね考えている時に、誰かが「なぜ政府は公の真相究明を阻止しているのか」という理由を説明してくれたとしたら、きっとありがたいと思うはずです。

私自身、もはやニューヨーク市民だけでなく世界中の人々が、9月11日の事件の背景にあった真実を知っても良いころだと考えています。以来、この事件を口実として今度は国際政治の場で同様のスタントプレーが繰り返し試みられ、幻のテロリストに対し聖戦を挑むように世界中が無理強いされているのですから、なおさらです。「あなたは本気で、ブッシュとその取り巻きが9月11日の事件で3000人をわざと死なせたと考えているのか?」と聞かれることもあります。私の答えはいたって簡単です。つまり「3000人というのは、10日あたり(!)に製薬品の既知の致命的副作用で死亡する人数と大体同じだ。」というのが私の答えです。

ホワイトハウスはこの事件の調査を阻止する一方で、世界戦争を始める口実としてこれを常に利用し続けているのですから、この問題はもうアメリカ一国の問題ではありません。国連はこの事件に対する独自の調査を要求・主導すべきです。ニューヨーク市は国連の本拠地であるのみならず、この1年半に世界政治の場で行われてきた話し合いや討論全体にこの事件の影響は及んでいるわけですから、これは正当な要求と言えます。今こそ世界中の人々と政府が立ち上がり、9月11日の事件の背景について疑念を晴らすべき時です。そしてアメリカ政府もその国際的な真相究明に協力した方が賢明でしょう。そうしなければ、いずれ政府の信用は失墜してしまいます。


あなたは9月11日のテロ事件がもとで、アメリカは独裁国家に変貌するとお考えですか?


アメリカはもう独裁国家に変貌しています。私が言っているのは、一人の人間による独裁や一党独裁の話ではありません。私は、自らの国際的利得を確保するために現政権を傀儡として利用している一握りの財界利益集団による独裁のことを指しているのです。今年の1月にはすでに、ラルフ・ネーダー、女優のスーザン・サランドン、環境保護団体グリーンピースの代表者を含む事態を懸念する市民のグループが、New York Times紙に「ビッグブラザーはやって来ない─もうここにいるのだ」という見出しの全面広告を出しました。ここで使われている「ビッグブラザー」という言葉は、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」に出てくる言葉です。この小説の中でオーウェルが描いたのは、特定の小利益集団によって管理され、操作され、搾取されている社会であり、その社会では個々人の私生活のあらゆる側面がこの集団の監視を受けています。実際、今日のアメリカ合衆国を見ると、そんな社会が現実と化している部分も多いようです。裁判所命令がなくとも個人の銀行口座をチェックでき、Eメールを読むことができ、通話内容を録音でき、手紙を開封でき、家宅捜査ができ、その他さまざまな市民的権利を侵害することができるのです。このような呆れはてる法律が、9月11日事件のあと、「対テロ戦争」の口実のもとで段階的に正当化されてきました。

現ブッシュ政権がアメリカ市民から剥奪しようとしている最も基本的な人権の一つが、自然健康法に関する情報を見る権利です。この市民的権利は1994年8月に「栄養補助食品健康教育法」が全会一致で議会を通過して以来、法律で保証されています。自然健康法や疾病の自然的手段による防止・治療法に関する情報へのアクセス制限は、平時のアメリカ市民であれば決して認めるはずのない聖域です。健康改善のために微量栄養素を毎日摂取している人は、アメリカ国民の50%以上を占めています。この権利を剥奪する唯一の方法は、「戒厳令」的状況に紛れてこの制約を押しつけることです。

そして、これがまさにブッシュ政権が中東和平を求めない、それどころか、その反対の道を突き進んでいる理由でもあります。彼らは対イラク戦争後のイラクを踏み台に国際的危機をエスカレートさせ、大量破壊兵器の使用をも含む今後の戦争へとつなげようとしています。これほど激しい地球規模の恐怖が存在しなければ、彼らがその目標を達することはできないのです。

アメリカの人々そして世界の人々は、警戒おこたりなく製薬企業カルテルとその政治家らが仕掛ける複雑な戦術やトリックを見抜き、「対テロ戦争」なる仮面の下に押し隠している彼らの本当の目的が何であるかを見極める必要があります。


あなたは大量破壊兵器を使用する戦争が製薬企業カルテルに利益をもたらすと言われましたが、その点についてもう少し詳しく説明していただけますか?


ニューヨークの2つのビルが破壊され3000人の人命が失われた事件を口実として利用し、一つの国家全体を恐慌状態に陥れ、どんな市民的権利でも剥奪することができた事実を考えれば、おのずと結論は見えてくるはずです。製薬企業カルテルの利害はグローバルな性格を持っています。このカルテルの支配のメカニズムから一つの大陸、あるいは、わずか数ヶ国の国ですら逃れることは許されません。

たとえば、南米の数ヶ国で製薬品よりも効果のすぐれた自然療法が報告されたとします。そうなると、製薬企業の詐欺まがいビジネスが世界中で築き上げてきた独占権は破壊されてしまうでしょう。このインターネットや世界規模でのリアルタイムのコミュニケーションが可能となった時代において、世界のどこかで自然療法により疾病が根治できたというニュースは、瞬時にして世界各地に伝わるのです。したがって、製薬企業カルテルがその戦略の中で押し通そうとしている対抗措置は、やはりグローバルな性格をもった措置である必要があります。

そこで製薬企業カルテルが計画したのは、9月11日の事件が引き起こした心理的恐怖を、世界規模で何倍にも増幅するというやり方です。これを実現する最高の方法が大量破壊兵器を用いた戦争です。そして、このような戦争を誘発する最高の方法が、この種の大量破壊兵器を持っており、危急の際にはその兵器を使用するであろうと思われている国々で戦争を始めることだったのです。その戦場で大量破壊兵器が使用されたり、その戦争の残酷さに挑発された人間が、復讐のためにロンドンやニューヨークの地下鉄で大量破壊兵器を使用したとしたら、製薬企業カルテルにとっては世界規模で戒厳令の実施を要求できる格好の大義名分ができるわけです。これはさらに、現在アメリカで出来上がりつつある「ビッグブラザー」的体制を世界全土に広げようとする国際的雰囲気が醸成されることも意味しています。

しかし、私が公開状とこのインタビューで彼らの計画を暴露しているため、この戦略は基本的に反古になってしまい、今ではそれに代わる新しい計画が策定されています。対イラク戦争の戦略家が「カルテルが好ましいと考える計画が実現しそうにない」と悟った時期、つまり「大量破壊兵器を使用した戦争を引き起こすことはできない」と悟った時期から1週間も経たないうちに、SARSという新たな流行性疾患が世界的な恐怖の種となったのは、決して偶然の一致ではありません。

SARSをめぐってマスメディアがかき立てている世界的なヒステリー状態は、この疾患が持つ本当の危険度とは全く関係ありません。SARSは他のウィルス性疾患と同じ単なるウィルス性疾患です。したがって適量のアスコルビン酸(ビタミンC)やその他の自然物質を摂取すれば、おおむね予防・抑制が可能です。しかし、この種の物質は特許対象外であるため、奨励されてはいません。むしろ大いに報道されているのは、この謎の伝染病が世界に及ぼす脅威であり、この恐怖はひたすらカルテルにとって有利な材料となっています。つまり、この事態は人々を再び製薬産業への依存へと引き戻し、特別措置法の施行も(少なくとも一定は)押し通すことができるような環境作りに役立つからです。

SARSを怖がる必要はありません。SARSの病因は、すでに昔から知られているコロナウィルスです。他のウィルス疾患の場合と同じように、免疫システムを強化する何種類かのビタミン類とともに1日あたりビタミンCの粉末を茶サジ2杯摂取することが、SARSの好ましい管理方法です。アスコルビン酸(ビタミンC)は、現在知られている最も攻撃的なHIV/エイズ・ウィルスのようなウィルスでも99%以上ブロックできる物質として知られており、SARSに関しても効果的な抑制手段となります。

特定の利益集団にのみ有利な材料となる謎の疾患の恐怖をかき立てる代わりに、保健医療に取り組む政治家、医療専門家、一般の人々は、今すぐにでも利用できるこのSARSやその他の健康障害の自然治療法について、一般に伝え広めるべきだと思います。


あなたの公開状の1通では、ジョージ・ブッシュとその政権の背後にひそむ主要組織として、ロックフェラー・グループと同グループが資金供与している三極委員会の名が挙がっていました。この三極委員会とは何でしょうか? また、これはどの情報源から分かったことですか?


ジョージ・ブッシュが選挙で選ばれる2年前の1998年9月13日、New York Times紙は、「もう一人のブッシュの役割とは?」というタイトルの長い特集記事を掲載しました。これはブッシュ王朝とロックフェラー・グループ、石油化学業界、その国内外の協力者との関わりについて述べた記事でした。この記事では、息子の方のジョージ・ブッシュとともに「ロックフェラーが資金供与している三極委員会」も再びホワイトハウス入りするだろうという予測が述べられていました。さらに同記事では、レーガン政権時代に副大統領を務め、第1回目のイラク戦争当時に大統領であった父親の方のジョージ・ブッシュが、三極委員会のメンバーであった事実も指摘しています。


三極委員会はどんな背景を持っているのですか?


ロックフェラー財閥は、20世紀の前半、その支配力を石油化学産業から製薬産業にまで拡大しました。それに伴い管理・再投資すべき資本もますます増えたため、国内のロックフェラー・グループの規模では世界的な投資組織のニーズに充分対応できないことも明らかになりました。そこで1972年、ロックフェラー・グループは自らの利益を世界規模で調整するために、一握りの人々からなる非公式なグループを設立する決定を下しました。

この組織の3つの拠点は、この時代の経済における3つの中心、つまりアメリカ合衆国、ヨーロッパ、日本です。「三極委員会」という名称はここから来ているわけです。この委員会の初代会長であり、今にいたるまで名誉会長の座にいるのはデビッド・ロックフェラー自身です。このグループは「招待でのみ入会できる」銀行家、企業トップ、「世界のリーダー」といったメンバーで構成されています。この会合は非公開で行われていますが、その一方でちゃんと公式ウェブサイトwww.trilateral.orgを持っているのが興味深いところです。このウェブサイトでは、同グループのメンバーのリストも掲載されており、まるで「大口融資先名士録」さながらです。

このような組織が何の目的もなく設立されるわけがありません。この三極委員会の目標は、本質的にこの地球を石油化学/製薬企業カルテルの支配下におく「新世界秩序」を構築することです。委員会はこの事実をなんら秘密にはしていませんし、リチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツ、ドナルド・ラムズフェルドなど、現在ブッシュ政権やペンタゴン周辺で見かける委員会の「懐刀たち」もこの理念について言及しています。1足す1が2だと理解するのに、歴史や政治科学の学位は必要ありません。1998年のNew York Times紙面で表明された懸念は現実のものとなり、ブッシュ政権の到来とともに、「ロックフェラーが資金供与している三極委員会」は世界で最も強力な政治的・軍事的中心であるホワイトハウスとペンタゴンに入り込みました。三極委員会の政治的傀儡らがこの機会をとらえて、「新世界秩序の構築」という目標を精力的かつ非倫理的に達成しようとすることは、疑う余地もありません。

これを疑わしく思う人は、現政権が2000年の選挙結果を自らの都合にあわせて歪めた時、どんな力が働いていたか思い出してみると良いでしょう。こうしたやり方で現政権は、ロックフェラー・グループの唱える「新世界秩序」という目標の実現に妥協なく邁進する「タカ派」の人材で、政権の戦略的要職を埋めていったのです。私自身、New York Times紙面に発表した1通目の公開状では、世界戦争追求の背後に見られるロックフェラーの関与について述べておくことが必要かつ重要であると考えました。ロックフェラーの「懐刀」の一人リチャード・パールの命運は、私がこの公開状で三極委員会の実態を公にしてからわずか数日のうちに尽きました。その後パールは、ある口実を設けてペンタゴンの職を辞任する羽目になったのです。

このグループの関与を明らかにし、世界の人々の目にさらすようにしなければ、歴史の流れやこの地球の将来は実際に変わらないし、変わる可能性もないことは言うまでもありません。疾病の存続と第三世界での戦争から儲けを得ているこの利益集団には、名前と顔があります。世界の人々は、その名前と顔を知っておくべきです。ですから、私たちの財団のウェブサイトでは、三極委員会に関する公開情報から収集した人名をリストアップしています。

ここに見られる人物は今や世界中にその名を知られています。彼らがロックフェラーの三極委員会に属する限りは、ロックフェラー・カルテルの名のもとで行われる所業に対して責任があるわけです。したがって、彼らはブッシュ政権が現在行っているすべてに対して責任を取るべきだと言えます。ブッシュ政権が国際法に違反して戦争を始めた今となっては、この利益集団にも戦争犯罪の責任を負わせるべきです。ブッシュ政権が犯した大量殺戮、戦争犯罪、搾取、略奪といった犯罪やその他すべての非合法行為に対する告発は、この「ジョージ・ブッシュを大統領にした集団」に対しても行われるべきです。そして、彼らはこのことを認識すべきでしょう。

今年の3月、オランダのデン・ハーグに国際刑事裁判所(http://www.icccpi.int/index.php)が設立されたばかりです。ブッシュ政権がこの裁判所の設立に猛烈に反対していたのも驚くにはあたりません。彼らは自らが真っ先にこの法廷に引き出される人間になり、世界の人々からその行為に対する吟味を受け、処罰されることになりかねないと分かっていました。1947年のニュルンベルク戦争裁判では、第二次世界大戦の勃発をうながした産業界トップ、つまり石油化学/製薬企業カルテルであるI.G.ファルベンの経営陣が、やはり戦争犯罪によって刑を宣告されています。

世界中の人々が一致協力して対イラク戦争やその後の戦争に対する責任を告発しようという時に、ロックフェラーの資金供与でできた三極委員会のメンバーは、いったいどうして刑の宣告を免れられると思うのでしょうか? こうした経営陣の短慮さ加減には驚かされます。コミュニケーションの透明性が確保された今の時代に、この種の情報が世界中に広まって責任追及を受けるのを防ごうとすれば、本当に全世界で戒厳令を発動させる以外に方法はないでしょう。ただ一つ残るのは「この裁判がいつ行われるか」という問題です。


ロックフェラーの名前は、あまり公の議論には登場しませんね。その関係者がそれほど影響力のある人物だとすれば、私たちがその名前を世間であまり見聞きしないのはなぜでしょうか?


世界のある地域では支配者の姿は目に見え、その写真がそこここに飾られて、国民から崇敬を受けています。しかし世界最強の力を持つ彼らは、それとは違ったやり方を選びました。ひそかに権力をふるい、一般大衆の目に触れまいとしているのです。ロックフェラー・グループは大小あわせて200を超える製薬企業を支配下においていますが、その事実を公の場で論ずる人はいません。ロックフェラー・グループは、チェイス・マンハッタン銀行を含む世界有数の影響力を持つ複数金融機関の背後にも控えています。ロックフェラー・グループは当然ながらエクソン・グループなどの多国籍石油化学企業も所有しています。エクソンの毎年の歳入だけで、地球上の半数の国家を合わせた国民総生産(GNP)総計を超える額となります。

ロックフェラー・グループはさらに、タイムズ・ワーナー、CNN、新聞・ラジオ・テレビの全ネットワークをふくむメディア全体をも支配下においています。したがって、彼らがアメリカ国民の世論を操作して、悪意のない多くの人々に国際法に違反した戦争という非合法的行為を支援させることができたとしても、驚くべきことではありません。それでも疑念を持つ人に対しては、金銭で買われた「世論調査」によってさらなる操作が行われます。世論調査の結果については、New York Times紙やその他のメディアにおいて、明確な形で疑問が投げかけられています。

アメリカにおけるロックフェラー・グループに相当するイギリスの利益集団は、この製薬品輸出第2位の国の製薬業界への投資を支配するロスチャイルド・グループです。


あなたは、デン・ハーグの国際刑事裁判所でジョージ・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルドらを告発すべきだと世界各国の政府に提案なさっているのですか?


まさにその通りです! 国際社会は長らく国際法違反を告発するための裁判所づくりに努力してきました。そして、この裁判所では特に、国際的な承認なしに開始・遂行された戦争に対する犯罪の告発も行われます。もし、ここで彼らを告発しないとしたら、イラクに対する戦争を始め、これからも他国に紛争を引き起こそうとしている人々に裁きを受けさせるのは、いつになることでしょうか? もし彼らを今止めなければ、彼らは今後も世界中を苦しめ、人々の命を奪い、自らの破滅とともに地球も滅ぼそうとするでしょう。繰り返しますが、世界最大の投資産業である製薬産業の命運は尽きていることを理解すべきでしょう。いずれ消え去る運命です。問題は、それがいつになるかです。次に、この非倫理的な疾病ビジネスを営み、何百万という人々の死をいたずらに早めた事実を正当化してきた責めを負う人間の命運も、間違いなくそのビジネスとともに尽きています。こんな彼らが、自分から進んで心を入れ替えると思いますか?

世界の人々と彼らが選んだ政府は、この状況に目覚めるべきです。ブッシュ政権は新たな世界戦争へ状況が激化していくであろうと公然と口にしています。そして、世界中の人々が止めなければ、彼らは本当にやるでしょう。しかし、軍事的手段で止めようとすれば世界戦争を引き起こさざるをえないわけですから、それ以外の二つの手段、つまり経済的手段と政治的手段を使って止めなければなりません。

経済的手段とは、世界的規模で各国の保健医療制度を自然健康法に基づいた制度へと回帰させ、それでもなお少量は必要とされる抗生剤のような製薬品に対する特許使用料の支払いを拒否するという方法で、製薬産業の疾病ビジネスを阻止するやり方です。

政治的手段は法的に重要な手段であり、今からすぐに取り組む必要があります。世界中の人々がその政府に働きかけて、ブッシュ政権とブレア政権に対し戦争犯罪と人権蹂躙による告発を行わせるべきです。この裁判を扱うべき裁判所は、オランダのデン・ハーグにある国際刑事裁判所です。

国際法に違反して戦争を開始・遂行した罪、大量殺戮の罪、公的・私的資産を搾取・掠奪した罪、その他種々の人倫と国際法に背いて行った犯罪に対して告訴が行われる必要があります。もし私たち、世界の一般市民、そして180ヶ国の政府が、不法な戦争で世界を恐怖に陥れたブッシュ、ブレア、ロックフェラー系カルテル、三極委員会メンバーの責任も問わずに、彼らの罪を許してしまったら、国際法の法的枠組みと国連裁判所制度の全体が何の価値もなくなってしまいます。

それも、被告として政府や企業の名前を挙げるだけでは十分とは言えません。個々の政府関係者、ジョージ・ブッシュ、コンドリーザ・ライス、ドナルド・ラムズフェルド、ジョン・アシュクロフトなどの人物を一人ひとり告発すべきです。トミー・フランクスやその他の国際社会の承認なしに今回の戦争を遂行した司令官も、一人ひとり告発する必要があります。ロックフェラー・グループ、三極委員会など、諸外国からの資産略奪を教唆・促進し、それによって経済的利益を得た団体のメンバーもすべて個々に被告とすべきです。イギリス側でもこれと同様の手続きを進めます。ブレア政権だけでなく、この不法な戦争から直接・間接に利益を得たロスチャイルド系銀行及びその他の組織経営陣の名が公にされる必要があります。被告のリストにはアメリカ人であれ、ヨーロッパ人であれ、どこの国の人間であれ、大勢の銀行家、政治家、企業経営者の名前が含まれるはずです。

またさらに製薬業界の経営陣も、彼らが製薬投資産業の利益のために世界の人々および各国政府に対して行った犯罪により告発すべきです。以上の手続きはすべて遅滞なく始める必要があります。こうした手続きがしやすくなるように、私たちの財団のウェブサイトでは告発の概要案と最も重要な被告人のリストを掲載しています。私たちはすべての政府に、今からただちにこの訴状を公式に提出するよう要請します。できればアフリカ諸国、南米諸国、アジア諸国というように数ヶ国がまとまって告訴し、カルテル側が経済的報復で脅しをかけても、リスクを最低限に留められるようにするのが理想的だと思います。しかし何より大事なのは、自分たちの政府がこのような措置をとるのを世界の人々が支援することです。私はこの地上に住む一人ひとりに、自らの政府が利益集団に対する正式な告発を行うよう働きかけてほしいと呼びかけているのです。

私たち一般市民に残された道は、このような勢力が私たちの地球を奈落の底に落とすがままにさせておくか、今、地球を自分たちの手に取りもどすか、いずれか一方です。むろん正式な告発手続きをさせるために、私たちは自らの政府をデン・ハーグの裁判所まで引きずって行かねばならないでしょう。とくに相手側に大きな経済的裁量がある場合、政府の対応は遅く、脅しに屈することも多いのです。しかし、私たちは一般市民です。私たちならやれるでしょうか? もちろん、やれます! そして、そのためには世界中の人々が力を合わせねばなりません。

まず認識すべきは、戦争を起こそうと画策しているこれら利益集団の実態を公にするだけでも、世界戦争を防ぐためのきわめて強力な手だてになりうるということです。世界は、もう一度新たな戦争が起きて、イラク戦争の時のように第三次世界大戦が勃発する危機に日々おびえる事態には耐えられません。今こそ行動の時です。この地球に住むすべての政治家、すべての市民は、今が歴史的な機会であることを認識し、今すぐに行動を起こす必要があります。


では、私たち一般市民には何ができるのでしょうか?


すべての人が自然健康法の分野における画期的療法について十分に知識を持つことです。たとえ住んでいる場所がニューデリーであれ、カイロであれ、あるいはヨハネスバーグ、ニューヨーク、ブエノスアイレス、メキシコシティーのいずれの都市であれ、開発途上国であれ、先進工業国であれ、現在の処方製薬の80%以上に代わる効果的治療となりうる自然健康法に基づく画期的療法について、すべての人が知識を持たねばなりません。自然健康法の分野でさらに研究が進めば、私自身、これから数年後には製薬の95%が不要になると考えています。

これはつまり、製薬企業カルテルが非倫理的な疾患ビジネスを継続し、トニー・ブレアやジョージ・ブッシュのような政治家の選挙キャンペーンに政治献金を続けるための資金のうち、95%が世界の人々の力で排除できることを意味しています。考えてもみて下さい。これは、より健康な世界を築くだけでなく、子供や孫の世代まで続く平和を保証するために、すべての人々がただちに貢献できる素晴らしい機会なのです。

これに加えて、各国政府がデン・ハーグなどの裁判所へ公式に訴状を提出し、今回の世界危機を利用して利益を得ている団体を裁きの場に引き出せるよう、各国で支援グループを組織する必要もあります。このような利益団体が私たちの地球とそこに住む人々に今後与える影響力と被害を減らすには、こうした勢力の正体とその行為を白日のもとにさらすことが前提となります。

「今回の戦争のシナリオの背後に存在する製薬業界の利害について、なぜ今まであまり見聞きしなかったのでしょうか?」という質問をよく受けます。その答えは非常に簡単です。それは、この利益団体が「人類愛」や「地球への善行」といった仮面の背後に潜んでいるからです。この製薬産業の非倫理的で卑劣な事業形態を理解する以前に、まずはその人類愛の仮面をはぎ取り、製薬産業の疾病ビジネスが持つ人倫にもとる投機的性格を直視しなければなりません。この段階が完了したら、もはや無駄にできる時間はありません。そこでこのインタビューでは、この地球を守り、より健康的で平和な世界を子供らの世代に伝えられるように、世界の人々とその政治家たちがただちに行動を起こすことができる戦略を述べているわけです。


あなたは将来における国連の役割をどのように考えていらっしゃいますか?


国連が対イラク戦の後の戦後復興でアメリカと競い合うだけでは不十分です。この国際機関の役割をそこに限定してしまうのは、結局のところ、石油化学・製薬企業カルテルとその政治的・軍事的手先に屈服してしまうのも同然です。こんなことは決してあってはなりません。

国連自体が、ジョージ・ブッシュ、トニー・ブレアおよびその他の国際法違反者を処罰する機動力となるべきです。この国際機関が国連総会の過半数メンバーになり代わってこのような訴えを起こしたとしたら、それはなんと重要な第一歩となることでしょうか。私自身、この決定は可能だと思いますし、いずれ、そうなるだろうと思っています。

国連の保護は必要です。しかし、製薬企業カルテルの利害に服したり製薬企業カルテルと妥協するのでは、国連を守ることはできません。国連が今後なんらかの役割を果たそうとするなら、それは自信に満ちた、自らの権限の行使という面での役割であるべきです。

誰でも、どの政府でも、そして、たとえそれが世界最強の政府であっても、国連の決定を無視したり、決定から免れようとすることは許されません。国連の決定をないがしろにする者には処罰を下し、その企てを世界中に知らしめるべきでしょう。これが国連の担うべき最も直接的かつ緊急の役割です。

当然ながら、世界保健機構(WHO)といった国連に所属する組織についても同様です。製薬産業の利害を早急に排除する必要があります。世界の人々がWHOを自らの健康を守ってくれる機関であると信じているのに、はるか以前からWHOの最重要課題が製薬業界の利益の保護に変わっているなど、とても許しがたい事態です。こんなことは止めさせるべきです。製薬産業の利害が今回の国際的危機の主要因であることが明らかになれば、WHOの権限の悪用をさし止め、この組織をその本来の使命「世界的な健康水準の向上」へと回帰させる大きな力となるはずです。とくに発展途上国では、WHOの働きが最も必要とされているのです。


あなたの財団の目標は「2020年までに全人類の健康達成」ですね。あなたは本当にこの目標を達成できるとお考えですか?


ビタミンや細胞医学の分野で現在利用できる学術的知識に照らして考えた場合、いま先進工業国で見られる疾患4つのうち、3つは排除できます。発展途上国では20億人以上が微量栄養素の欠乏に悩んでおり、その結果、感染症やその他の健康障害にかかりやすくなっています。教育水準の向上、衛生状態の改善、飢餓や失業に対する対策と併せて、微量栄養素が健康に及ぼすメリットについての知識が行きわたれば、発展途上国の人々の健康と福祉の改善に重要なプラス要因になると考えられます。

また巨額の資金が、製薬産業やその大半は非効果的で安全性に乏しい製薬品に吸い上げられることなく、教育などの社会的目的のために自由に使えるようになるとしたら、どうでしょう? 製薬産業の疾病ビジネスがこの地球上からあらかた追放されれば、地球全体で数兆ドルの資金が予防医学、教育、その他さまざまな社会的ニーズのために使えるようになります。

もちろん2020年になっても病気は存在するでしょう。しかし心臓発作、脳卒中、ガン、骨粗鬆症など今日最も一般的な健康障害となっている病気の多くは、もはや普遍的な疾患ではなくなっているはずです。私はこの財団が「2020年までに全人類の健康達成」という重要な目標を達成して、人類のために大きな貢献を行えると確信しています。

このインタビューでお伝えした戦略は、私たちの地球を守るために非常に入念に練られた戦略です。10年以上にわたって世界の人々の健康と平和を妨げてきた利益集団と戦い、その正体を暴いてきた科学者として、私はこの戦略を世界の人々に捧げることが自分の務めであると考えています。


世界のどこかで誰かが、あなた方の財団に協力し、その目標達成を支援したいと考えているとしたら、どのようにすれば良いのでしょうか?


現時点では、私たちの主なコミュニケーション手段はインターネットです。今、世界保健機構は世界の人に自然健康法についての情報を提供するという使命を果たしていないため、私たちの財団がこの重要な作業を財団の最優先項目として引き受けています。

私たちの財団のウェブサイトは、世界各国の患者さん、医療保健専門家、医療保健行政に関わる政治家といった方々にとって、自然健康法に関する世界有数の情報ソースとなっています。可能な限り多くの言語でこの情報が提供できるようにするため、現在、精力的に作業を進めています。

当方としては、色々な方々が書簡、ファックス、Eメールで私たちと意見を交換し、自分の住む市町村・地域・国で行われている/計画されている自然健康法の普及プロジェクトについて情報を送って下されば嬉しく思います。

また、私たちの財団は、疾病や戦争で自らを利する利益団体を処罰するよう政府に働きかけるキャンペーンのために、情報センター的役割も果たしています。政府への働きかけが容易になるよう、当財団ではオランダのデン・ハーグでの国際公聴会を準備中です。ここには、先に述べた利益集団の姿を公に知らしめるため、現時点で利用できる情報が集められることになります。これによって、「各国政府がデン・ハーグの国際刑事裁判所に正式な訴えを起こす手続きが少しでも簡素化できれば」というのが私たちのねらいです。

この二つが私たちの現在取り組んでいる最優先プロジェクトです。賛同される方は、世界各地からそれぞれ自分にできる方法でこれに参加していただきたいと思います。


あなたは「新しい世界の憲法」を提案なさっていますが、それはどんな内容でしょうか? また、どういう理由でそれを提案なさったのですか?


長い歴史の中で、これほどまでに平和な世の中を望む世界の人々の思いが一つにまとまった時代はありません。米軍兵士の息子を亡くしたニューヨークの母親も、バグダッドに住む子供を亡くした父親も、そして、この地球に存在する不正の代価を支払わされている発展途上国の何百万人もの人々も、その思いは一つです。

しかし、各国政府はアメリカの軍事力に脅かされており、世界が一つにまとまって発言する必要性をなかなか認識することができません。そこで、誰かが立ち上がり、多くの人々が考えていることを公の場で発言する必要があります。つまり、今こそ地球の市民がいっせいに立ち上がり、目前の問題を解決し、新しい世界を構築するべき時だと声を上げなければならないのです。

科学者である私は、その新たな発見により製薬企業カルテルを追いつめるのに一役買ったわけですが、そのことにより、カルテルにとって唯一の逃げ道は、世界全体を自らの滅亡の道連れにする以外になくなりました。そこで私は、人類の福利を目指す、人類みんなの新しい世界を構築するための憲法および行動計画「市民のアジェンダ」を提案することが、私自身の責務であると考えています。

この「市民のアジェンダ」は、次のような内容のものです:


「新しい平和・健康・社会正義の世界の憲法」


3000年紀の初頭に際し、人類は十字路に立っています。一方の道は、平和な世界の中で尊厳ある健康的な生活を望む、今この地球に住む60億人とこれからの世代の福利を目指す道です。もう一方の道は、金銭的貪欲という唯一の理由のために、人類全体にこの基本的権利を認めない少数の企業利益集団の道です。

この状況の中で、私たち世界市民は自らの道を選び取ることができます。それは、戦争と疾病を強いる投資産業のくびきを今後も受け入れ続けるか、あるいは、その重荷から自らを解放し、平和・健康・社会的正義の原則に則った世界を構築するかという選択です。

私たち世界市民は、長い歴史の中で、これほどまでに世界平和の存続と、投機的な「疾患ビジネス」の終焉と、企業の利得のために平和と健康を犠牲にする者の処罰とを願う人々の思いが一つにまとまった時代はないことを認識しています。

そこで私たちは、西の国の人も東の国の人も、北の国の人も南の国の人も、富む国の人も貧しい国の人も、私たち自身と今後の世代のために、平和・健康・社会正義の世界を構築する決意を固めました。

基本的権利として、私たちはこのような権利を要求します:

平和の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの平和の権利を守る決意があります。大量破壊兵器の時代において、戦争はもはや国際紛争を解決できる選択肢ではありません。私たちは、国際法によって明確に認められない戦争を遂行した者に対しては、必ずその責任を追及し、その犯罪が処罰されるようにします。その経済的・政治的結果がいかなるものであれ、そうした人々が処罰を受けるまで、私たちはたゆみなく努力します。なぜなら、私たちはこれが地球を破壊から守る唯一の方法であると認識しているからです。

生命の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの生命の権利を守る決意があります。地球に生きる人々の命を縮めるすべての要因が排除されるまで、私たちはたゆみなく努力します。私たちは、乳児や幼児を含む何百万人という地球の住人の命を年々奪っている飢餓、栄養不良その他の要因と戦います。私たちはさらに、かつて人類が経験した戦争すべてを併せたよりも多くの人々の死を本来は予防可能な疾病によっていたずらに早めた「投機的な疾病ビジネス」も廃絶します。

健康の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの健康の権利を守る決意があります。私たちは、企業の利得のために意図的に疾病を蔓延させている製薬産業の「疾病ビジネス」を必ず世界的に禁止させます。私たちは、意図的に疾病を蔓延させる者、人命を左右する特許対象外の自然療法に関した情報を隠匿する者を処罰させます。私たちの地域社会での健康促進と国民の健康医療プログラム実施に際しては、私たちは効果的で安全な自然健康法に則ったアプローチを重視します。いかなる保健医療施策も、その主な目標を疾病の予防および根絶とします。

正義の権利:
私たち世界市民にはすべての手段をつくして自らの社会正義の権利を守る決意があります。私たちは、この地球の住人3人のうち2人までが貧困と無学の中で生きることを、もはや受け入れません。私たちは、この地球の住人すべてが教育を受けられ、尊厳ある生活を送れるよう、世界の資源が必ず再分配されるようにします。この再分配の資金として、私たちは数兆ドルの「疾病ビジネス」の廃絶と軍事費の削減から生まれた財源を利用します。

これらの目標を達成するためには、戦争と疾病を促進する企業利益集団に、何百万人もの人命を犠牲にした罪やその他様々な人道犯罪に関与した罪により、国際刑事裁判所での裁きを受けさせることが第一歩であると私たちは認識しています。

これら企業利益集団の代表者を公に知らしめ、罰することができれば、「疾病・戦争・不正の暗黒時代」を終わらせる最後の障害が取り除かれ、人々は21世紀中に「新しい平和・健康・社会正義の世界」の構築を開始できるわけです。


2003年4月

医学博士 マティアス・ラス


訳文:「市民のアジェンダ」:マティアス・ラス博士へのインタビュー (PDF)
http://www4.dr-rath-foundation.org/ad_archive/japan.html

原文:A Crucial Moment In History (HTML)
http://www4.dr-rath-foundation.org/open_letters/interview.html



【江原注】このページをご覧になって、現在抗がん剤の投与を受けている人が「それをやめて」ビタミン剤などの栄養療法に切り替えるのはあまり得策ではないかもしれない。
上記の一文にも紹介されている、2度のノーベル賞(化学賞と平和賞)に輝く物理化学者ライナス・ポーリング博士と言えば、著書『ポーリング博士のビタミンC健康法』(平凡社ライブラリー)でも知られるとおり、ビタミンCの大量投与が風邪だけにとどまらず、ガン抑制にも効果があるという「メガ・ビタミン理論」を提唱した人としてよく知られている。医学界主流から否定的な扱いを受けながらも、当のポーリング自身はアメリカの平均寿命より20年も長い93歳まで生きることができたわけだが、一方、妻エヴァ・ヘレンも同じ考えのもとで化学療法を断り、ビタミンC大量投与に専念したにもかかわらず、その甲斐なく亡くなった(それでも78歳まで生きた)。そこで興味深い実験データを簡単に紹介しておく。
ケダール・N・プラサド博士の著書『ガンはビタミンで治る〜栄養療法医学が実証した驚くべき新事実〜』(経済界)によると、手術・抗がん剤・放射線の単独治療、もしくはビタミン剤(とくにA・C・E)の単独療法に対して、それらを組み合わせた併用療法の方がもっとも実験成績がよかったという。また、H. L. ニューボールド著『ビタミンCでガンと闘う』(中央公論社)に「大量のビタミンCは、放射線療法や化学療法による不快な副作用を軽減する。それだけでなく、それらの治療効果を高めることが十分に期待される」とあることや、さらにビタミンCを点滴で大量投与してガンを治す「超高濃度ビタミンC点滴療法」について書かれた柳澤厚生著『ビタミンCがガン細胞を殺す』(角川SSC新書)においても「化学療法に併用すると効果的」との指摘がある。したがって、エヴァ夫人もビタミン療法を「化学療法と併用して」行っていれば、もう少し長くポーリング博士と晩年を一緒に過ごせていたかもしれない。



【関連記事】

ビタミンC剤売れて売れて 「ガンに効く」の新説で
健康食品ブームに乗ってビタミンC製剤の売れ行きが好調だ。1年ほど前「ビタミンCはガンや風邪に効く」との新説が紹介されたのをきっかけに爆発的に売れ出し、倍々ゲームふうの伸びよう。ことしの売り上げは初の100億円を突破しそうな勢いだ。
ビタミンC製剤市場は典型的な寡占市場。シェア(市場占有率)は大きい方から武田薬品工業(ハイシーS)50%、エーザイ(ユベラC)20%、塩野義製薬(シナール)5%。残りの25%を十数社で分け合っている。
これまではしみ、そばかすなど色素沈着予防を主に宣伝していたため、肌が気になる若い女性が買うだけで、年間売り上げも2、30億円止まりだった。
そこに登場したのが新学説。しかも提唱者がノーベル化学賞(1954年)、平和賞(1962年)を受賞した米国のL・ポーリング博士とあってガン恐怖症世代の中年層がまず飛びついた。昨年6月には博士が来日、日本記者クラブなどでビタミンCの効用を分かりやすく講演したこともあって、学説はまたたく間にお茶の間の話題に。
ビタミンCに詳しい佐賀大学農学部村田晃教授も「ビタミンCには免疫増強作用があり、風邪などに効く。健康人なら1日500ミリグラムで十分」と説明する。(日本経済新聞 1982/10/09)

野菜や緑茶などのビタミンC、発がん物質抑制 遺伝研の黒田教授
新鮮な野菜、果物、緑茶などに含まれるビタミンCが発がん物質の細胞への作用を数分の1にも抑えることを、このほど国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の黒田行昭教授が動物細胞による実験で確かめ、30日から秋田市で開かれる日本環境変異原学会で発表する。
黒田教授は、チャイニーズハムスターの肺からとったV79細胞という培養細胞を使い、これに細胞のデオキシリボ核酸(DNA)に突然変異を起こさせる発がん物質、エチル・メタンサルフォネート(EMS)とビタミンCを種々の濃度で加えて、突然変異の様子を見た。
すると、たとえば1ミリリットルあたり1000分の1グラムのEMSだけを加えた例では、突然変異を起こす率が1万個の細胞のうち約9個だったのが、ビタミンCを1ミリリットルあたり1万分の1グラム加えると、1万個の細胞のうち2.5個と4分の1近くに減少、EMSの作用が抑えられることがわかった。他の濃度でも傾向は同様だった。
さらに、細胞に対するEMSの毒性も見たところ、細胞の半数が死んでしまう濃度(半数致死濃度)がEMSだけなら1ミリリットルあたり約1万分の5グラムだが、ビタミンCを1ミリリットルあたり1万分の1グラム加えると半数致死濃度は1ミリリットルあたり約1万分の9グラムで、毒性が半分に薄められることもわかった。
この仕組みについて黒田教授は(1)ビタミンCがEMSの一部を壊すなどして発がん活性を抑える(2)ビタミンCがEMSによって壊されたDNAを修復する働きがある──などの可能性をあげ、詳しい機能の解明はさらに進めたい、という。
この研究結果については、国立がんセンターの佐藤茂秋生化学部長は「直接発がん物質そのものの働きを抑えることが示されたのは初めてと思う。がんの予防薬などに使えるかどうかは、さらに研究が進まなければわからない」と話している。(朝日新聞 1985/09/22)

血中ビタミン多いとがん死の確率低い スイスのゲイ博士ら発表
血液の中に含まれるビタミンの量が多いほど、がんで死亡する確率が低いことが、約3000人の追跡調査の結果分かり、スイスの製薬会社ホフマン・ラ・ロッシュのフレッド・ゲイ博士らが13日、京都で開かれている国際フリーラジカル学会で発表した。
ゲイ博士らは、スイスのバーゼル市に住む30代後半から50代後半の健康な男性2975人から血液を採った。
7年後にこれらの人を追跡調査したところ、9%に当たる268人が亡くなり、うち102人ががんで死んでいた。
生きている人と死んだ人のビタミンの量を比べたところ、ビタミンAが少ない人は、多い人よりも胃がんになる率が6倍高く、ベータカロチンでは約3倍、ビタミンEでは2.5倍の差となっていた。(朝日新聞 1988/04/13)

白血病にビタミンAが効果 大学病院などで試験的に使用
副作用もなく安心 悪い細胞を正常に

ビタミンAが、白血病のなかでも一番治療が難しいタイプに劇的に効くことが分かり、血液内科の専門家がいる大学病院や大病院で試験的に使われ、成果をあげている。これまでの抗がん剤のように、患者が副作用で苦しむこともない。製薬会社も新薬の承認申請をするため、もっか臨床試験中である。東京女子医大の溝口秀昭・血液内科主任教授にその威力を尋ねた。

ビタミンAが不足するとがんになりやすいといわれてきたが、ある型の白血病に画期的な効果をあげるのは、ビタミンAそのものではない。ビタミンAが体内に入って変化したレチノイン酸の一種、「全トランス型レチノイン酸」(ATRA)というものである。
上海医科大学のグループが、ATRAを使った治療で「急性全骨髄球性白血病」23症例の96%が完全に寛解(かんかい)したと、初めて専門誌に報告したのは1988年のことだった。「最初は素直に信じられなかった」と溝口教授は話す。中国の研究陣は2年後、日中血液シンポジウム(名古屋市)で成果を披露。これに続き、フランス、米国でも相次いで同じ成果を確認した。

80%超す完全寛解

日本でも厚生省の共同研究班(班長・大野竜三浜松医科大教授)が試み、1次研究で82%、2次で88%の完全寛解を得た。これまでせいぜい30%の完全寛解があれば、有望な新薬といわれてきただけにATRAのすごさが分かる。
日本の白血病の死亡率(1989年)は10万人中4.8人で年々増加傾向にある。白血病には急性と慢性があり、急性は、さらにリンパ性と骨髄性に大別されるが、ATRAが効くのは、骨髄性のうち1割強を占める「急性前骨髄球性白血病」に限られている。
白血病は“血液のがん”といわれるが、血液をつくる工場の骨髄で異常細胞がどんどん増えて、正常の赤血球、白血球、血小板の生産が激減するために貧血、感染、発熱、出血などが起きる病気。
化学療法では、抗がん剤を数種類組み合わせて、異常細胞を殺してしまうが、完全に殺せなくとも、正常の血球をつくる力が異常細胞の増殖を上回ると症状も軽く、落ちついてくる。この状態を「寛解」と呼ぶ。
しかし「この寛解に至るまでの治療が大変。大量の抗がん剤で、異常細胞だけでなく正常なものまで殺してしまい、出血など白血病の症状がさらに悪化し、亡くなるケースさえ出てくる。寛解まで医者は神経を張りつめています」と溝口教授。
ところが、この薬を飲むと、通常、数日で重症の出血は消え、約1カ月でスーッと寛解に至る。「生理の出血が止まらずやってきた若い患者に使ったところ、ビタミン剤を処方しているような感じで、患者は白血病と分からないまま寛解でしたよ」
寛解段階で治療をやめるとまた異常細胞が増えてくるので、さらに従来の抗がん剤を使って2年間ぐらいの維持療法を続けるが、少量月1回程度ですみ、患者を苦しめることは少ない。

抗がん剤とは異質

教授はATRAを「悪い子を排除しないで、良い子に変えてしまう見事な教育者」とたとえる。悪い細胞を殺さず正常の細胞に変えてしまう作用があり、これまでの抗がん剤とは全く質的に違った画期的な薬だ。この働きを「分化誘導療法」と呼ぶが、教授にやさしく説いてもらう。
白血病の異常細胞というのは全く別の細胞になるのではなく、赤ちゃん細胞のまま成熟できないでいるのだと分かってきた。細胞にはもともと、ATRAを受け入れる受容体があるのだが、このタイプの白血病の異常細胞は受容体の感度が鈍いために成熟が妨げられている。そこでATRAを補充してやれば、スムーズに正常な血球をつくるようになるわけだ。
ATRAはもともと体内にある物質で、これまで日本で試みてきた分化誘導療法では、同じレチノイン酸でも体内にない種類を使っていたため、うまくいかなかったのだという。
溝口教授は「ATRAの発見をきっかけに研究者の間で分化誘導を起こす物質の洗い直しが行われ、タイプの異なる白血病や、他のがんにも効くものが見つかる可能性が出てきた」とみている。(中日新聞 1993/06/19)

ベータカロチン、がん予防に効果 米がん研が発表
緑黄色野菜に多く含まれるベータカロチンに、がんの予防効果があるかどうかを調べていた米国立がん研究所は、ベータカロチンとビタミンEなどを連続投与したところ、胃がんによる死亡率は、連続投与を受けなかった者より21%低かった、と発表した。
緑黄色野菜を多く食べる人にがんが少ないことは、これまで疫学調査で判明しているが、人の体内でビタミンAに変わる色素で、有害な活性酸素を取り除く性質があるベータカロチンのがん予防効果が、実際の投与で確認されたのは初めて。(共同)(朝日新聞 1993/09/22)

がんにはやっぱりビタミン 活性酸素の発生抑制
金沢の医師 動物実験

ビタミンA、Eなどががんの原因の1つとされる活性酸素の発生を抑える様子を、石川県済生会金沢病院副院長の川浦幸光医師(消化器外科)が動物実験で電波の動きによってとらえた。ビタミンAの基となる物質で、緑黄色野菜に含まれるベータカロチンなどにがんの予防効果があるとする疫学調査結果を裏付けるデータといえる。この実験結果は来春の日本消化器病学会で発表する。
実験は、発がん剤によってがんを発生させたラットの肝臓を使用。この肝臓に、活性酸素を発生させる薬物を投与し、同時にビタミンA、C、Eを与えた場合と与えない場合とでそれぞれ発生した活性酸素量を比較した。活性酸素量の発生量は、電子の量に反応する電子スピン共鳴吸収波(ESR波)で測定した。活性酸素は酸素イオンが通常よりも1つ多い電子を持った状態で、活性酸素の量が多ければESR波は大きく振れる。
測定の結果、活性酸素を発生させる薬物だけを投与した場合、ESR波が大きく波打ったのに対し、この薬物とビタミンAを同時に与えた場合は波があまり動かなかった。ビタミンC、Eについても同じ傾向の結果が出た。
ビタミンAについては、ビタミンAを構成する一単位であるベータカロチンががん予防に効果があるという疫学調査結果がある。最近では米国立がん研究所が、中国河南省の住民2万9000人余りを対象にベータカロチンやビタミンEなどの連続投与試験をしたところ、がんによる死亡率が13%低下したという結果が出ている。
川浦医師は「今回の実験結果は、このような疫学調査結果と符合するものだ」と説明している。(中日新聞 1993/11/28)

急性前骨髄球性白血病に活性型ビタミンA効く
浜松医科大教授 名古屋のシンポで報告へ

急性骨髄性白血病の一種、急性前骨髄球性白血病の治療に活性型ビタミンAを用いたら、9割の患者から完全に症状が消えたことが確かめられた。化学療法で効果がない患者や、再発患者に用いた研究では、すでに成果が認められていたが、未治療患者の治療に用いた研究は初めて。医療費がかなり軽減されることも分かった。浜松医科大の大野竜三教授が16日始まった名古屋癌(がん)治療国際シンポジウムで報告する。
大野教授が昨年まで班長を務めた厚生省のがん研究助成金白血病治療研究班と日本成人白血病研究グループ(JALSG)の1992年1月から93年7月にかけての研究。初めて治療を受ける患者に、オール・トランス・レチノイン酸(ATRA)と呼ばれる活性型ビタミンAを投与した。
錠剤で、通常の必要摂取量の約100倍を1日3回に分けて飲むだけ。症状が進んで白血球が増えている場合には、抗がん剤を投与する化学療法と併用した。
この療法で治療した109人の患者のうち97人(89%)から完全に症状が消え、うち25人はATRAだけで改善された。78%は再発しないで2年以上生存している。
年齢別でみると、40歳未満(49人)で98%、40代から60代(52人)で85%、70歳以上(8人)の63%から完全に症状が消えた。
副作用も、皮膚に発疹が出たり、唇や口の中が乾いたりするぐらいで、ほとんどないという。
また、今年に入ってJALSGのメンバー、全国45施設の計76例について医療費を調べた。従来の化学療法では2カ月で420万円だったのに対し、ATRAを用いた療法では290万円代と少なかった。
急性前骨髄球性白血病は、急性骨髄性白血病の15%を占め、発病患者は1年に約500人といわれている。重い出血症状や発熱を伴うのが特徴で、通常の輸血だけでなく血小板輸血も必要となり、治療代は高額になる。(朝日新聞 1994/09/16)

HIV感染乳児の下痢にビタミンAが効果
南アの大学教授が報告

エイズウイルス(HIV)に感染した乳児にビタミンA(VA)を投与すると、死因にもなる下痢症状が軽減することが、南アフリカ・ナタル大学のアンナ・クートソーディス教授(小児科)らの調査でわかった。8日発行の米公衆衛生学会誌に報告された。
同教授らは、HIVに感染した母親から生まれた乳児118人と、HIVに感染したことが判明した乳児85人を、約半数ずつ2つの群に、計4群に分け、正常児、HIV感染児とも、片方の群にだけVAを1−15カ月間投与した。
この結果、HIV感染児のうち、VAを投与した群は、投与しない群に比べて下痢症状の現れる率が半分近くに減少。非感染児では両群で差はなかった。ただし、VAの作用機序ははっきりしていない。(ワシントン=北島重司)(朝日新聞 1995/08/16)

納豆のビタミンK2が大腿骨けい部骨折防ぐ?
納豆の消費量が多い地域ほど、足の付け根の「大腿骨けい部」を骨折する女性が少ない──こんな調査結果を東大医学部老年病学教室の金木正夫医師らがまとめた。
大腿骨けい部骨折の大半は、中高年の女性に多い骨粗しょう症が原因とされている。骨折した人は、骨の形成をうながすビタミンK2の血液中の濃度が低いことも知られている。
そこで金木さんらは、ビタミンK2が通常の食品の何百倍も多く含まれている納豆に着目。都道府県別の患者数の推計と、県庁所在地の一世帯あたりの納豆の消費金額を比べた。その結果、男性では明らかな差はなかったが、女性では納豆の消費金額が多い地域の方が骨折が少なかった。
さらに、納豆を食べる習慣がないロンドンの女性10人と、半数以上が週に2回以上食べている東京の女性49人、9割以上が週に1回未満しか食べない広島の女性25人で、ビタミンK2の濃度を比較した。それによると、東京の女性はロンドンの女性の約15倍、広島の女性の約5倍も濃度が高かった。
金木さんは「大腿骨けい部骨折の頻度は国内では関西を中心に西に多く、英国人より日本人が少ないことが知られていた。納豆のビタミンK2が予防に役立っている可能性がある」と話している。(朝日新聞 1995/08/27)

βカロチン錠剤のがん予防効果に疑問
ベータカロチン錠剤が肺がんを防ぐかどうかは疑問で、喫煙者では逆に肺がんの危険を増やす恐れがある──米国立がん研究所がこんな研究結果を発表した。
ベータカロチンは緑黄色野菜や果物などに含まれ、発がん物質からDNAを守る働きがあるとされる。
同研究所のリチャード・クラウスナー博士によると、12年間にわたる2万2000人の男性医師を対象にした調査で、半数にベータカロチン錠剤、半数に偽薬を与えたところ、がんや心臓病の発生率で両者の間に差がなかった。
また、喫煙者やアスベストを吸い込んだ1万8000人を対象にした調査では、ベータカロチン錠剤を与えた人は偽薬を与えた人より、肺がん発生率が28%、死亡率は17%高くなった。
クラウスナー博士は、天然のベータカロチンががんや心臓病を防ぐことを否定するものではないと強調している。(朝日新聞 1996/01/24)

ビタミンC がん細胞の転移抑制 動物実験で立証 広島県立大
広島県立大学生物資源学部の三羽信比古教授らは大量のビタミンC(アスコルビン酸)をがん細胞に与えると転移が起きにくくなることを動物実験で確かめた。がん細胞内の有害な酵素の働きが弱まり、転移する能力が下がるという。ネズミを使った実験では転移を通常の3−4割に抑制できた。3月27日から金沢市で開かれる日本薬学会で発表する。
ビタミンCはそのままの形では細胞に入りにくいので、リン酸基をつけるなど一部の構造を変えた「Asc2P」と呼ぶ物質を合成した。この物質は細胞に吸収されてビタミンCに変わり、細胞内のビタミンCの濃度が通常の40倍近くにまで高まる。
ヒトの線維肉腫(しゅ)がん細胞を培養してAsc2Pを加えたところ、がん細胞の転移能力を示す浸潤能が1−2割に減少した。メラノーマ(悪性黒色腫)ができたネズミに注射すると、メラノーマの転移は通常の3−4割に減った。
がん細胞はMMPという酵素を合成し、この酵素が周囲の細胞間を埋めている物質を溶かすことによって、他の場所に転移するための通り道を作る。三羽教授によると、ビタミンCはがん細胞に作用して、この酵素を合成する遺伝子が働かないようにしている。がん細胞の運動能力を失わせる作用もあるという。
ビタミンCは正常な細胞に対して害が少なく、三羽教授は「転移抑制剤として有望だ」と話している。研究は富山医科薬科大学、昭和電工と共同で実施した。(日本経済新聞 1996/02/26)

ビタミンCでガン治療 細胞に侵入転移や増殖抑える
ビタミンCをがん細胞に取り込ませ、がんをやっつけようという研究が進んでいる。
大量のビタミンC投与でがんを治す試みは以前からあったが、ビタミンCは服用しても細胞内にまで入りにくいために期待されたほどの効果は上がっていない。最新の手法は、ビタミンCに手を加え細胞に取り込ませやすくして利用する。がんの治療薬として再デビューする可能性がでてきた。
ビタミンCが細胞に取り込まれないのは、油に溶けにくいからだ。細胞を囲む細胞壁は実は油の一種でできている。
ビタミンCに別の物質をくっつけてやり、油に溶けるようにすると細胞膜をするりと通り抜ける。広島県立大学生物資源学部の三羽信比古教授は、そうやって改造したビタミンCによるがん治療を試みている。
油溶性になったビタミンCをおなかの中にがん(腹水がん)があるネズミに投与したところ、ネズミの寿命は、投与しない場合の2.5−2.8倍に延びた。がんが縮小したネズミもいたという。
ビタミンCにはがんの転移を抑える作用もあるらしい。三羽教授らが富山医科薬科大学などと共同で実施した実験では、ネズミのメラノーマ(悪性黒色しゅ)というがん細胞に大量のビタミンCを取り込ませると、がんの転移をある程度防げることがわかった。がん細胞がつくる特殊な酵素の合成をビタミンCが妨げ、がんが勢力を拡大するのを防ぐ。「ビタミンCを利用してがんを治療できる可能性がみえてきた」と三羽教授は話す。
ビタミンCを別の治療法と組み合わせる試みもある。大阪市立大学の蔭山勝弘講師らは、培養したがん細胞にビタミンCを取り込ませ、セ氏42度に温度を上げると殺傷効果が上がることを確認した。がん細胞にビタミンCを取り込ませた後、マイクロ波を照射してやっつける温熱療法が考えられるという。
ビタミンCと呼ぶ物質の正体は「アスコルビン酸」。新鮮な野菜や果実、緑茶などに多く含まれている。生体内に生じる有害な物質を捕らえて消したり、細胞の分化や増殖を制御するなどさまざまな作用を持つ。重要な物質だが、人間やサルなど霊長類は体内で合成できないため、食物から摂取しなくてはならない。
ビタミンCの能力を利用してがんを治療する試みは以前からあった。米国のノーベル賞学者、ポーリング博士らはがん患者にビタミンCを大量に投与してがん細胞にダメージを与えるという治療法を考案、提唱した。ビタミンC治療法は、ひところブームになったが、劇的な効果は表れなかった。
現在では、ビタミンCをそのまま与えても、壊れやすいうえに細胞内に入りにくい欠点があって、効果は期待できないと考えられている。ビタミンCをせっせと食べてもがんが治せるわけではないのだ。
首尾よくがん細胞内に潜入させられれば、効果がある。そこを狙った研究が活発になってきたわけだ。
食べるビタミンCでは、治療より予防効果の方が期待できる。がんを引き起こすもとにもなる有害な「フリーラジカル」を減少させる効果があり、がんを「初期消火」できるからだ。紫外線がもたらす遺伝子の傷もビタミンCによって抑えられることも知られており、皮膚がんの予防につながるとされる。
現代人は喫煙、食品添加物、ストレスなどでビタミンCが不足しがち。「ビタミンCは1日1.5グラム程度とった方が良い」と専門家は言う。一度に大量に取り過ぎても悪影響がでるので、少しずつ何回にも分けて摂取することが大切だ。(日本経済新聞 1996/03/30)

ビタミンCでピロリ菌100分の1に減少 レモン1500個分
胃がんなどとの関連も疑われている細菌「ヘリコバクター・ピロリ」が、ビタミンCの投与で大幅に減少することが国立国際医療センター研究所の研究で分かった。ピロリ菌を感染させたスナネズミに、体重1キロ当たり1000ミリグラムのビタミンCを3日間経口投与。その結果、投与しないネズミに比べて、胃内のピロリ菌が100分の1に減少した。
しかし、投与したビタミンCは、体重60キロの人に換算すると60グラム、レモン約1500個に含まれる量に当たり、このままでは人には応用できないという。(東京新聞 1997/04/08)

アレルギーにビタミン有効 副作用ない予防薬に
徳島文理大チーム解明
レバーなどに多く含まれるビタミンB6が、アレルギー反応の原因となる体内の酵素の働きを抑えることを徳島文理大健康科学研究所(徳島市)の勝沼信彦所長らの研究チームが、動物実験で解明した。
花粉症などアレルギー全般に効果があるとみられ、副作用のない新たな予防薬の開発が期待されている。8月に米国で開かれる国際生化学学会で発表する。
アレルギーは、体内に入ってきた異物(抗原)に対してリンパ球がつくる抗体が結合する抗原抗体反応の1つ。この抗体が皮膚の炎症などの原因となるが、勝沼所長らはビタミンB6が抗体をつくらせる酵素「カテプシンB」の働きを邪魔することを突き止めた。
体内に花粉などの抗原が入ると、まず食細胞(マクロファージ)が取り込んでリンパ球に異物の情報を伝える。この伝達信号の役目をするのが酵素だが、B6はこの酵素と結合してしまい、情報伝達をさせない。
実験では、マウスの腹腔(ふくくう)内に卵アレルギーを起こす量の卵白のタンパクとB6を一緒に投与、アレルギー症状が起きないことを確かめた。
アレルギーの治療は抗ヒスタミン剤が一般的だが、眠気などの副作用がある。通常の食品に含まれるB6は副作用の心配がなく、皮膚病の治療に使われている。
勝沼所長は「服用過多による毒性がない水溶性ビタミンのB6にアレルギー性疾患の抑止効果が見つかったことは、非常に重要な発見」と話している。(中日新聞 1997/05/23)

ビタミンCやE、心臓病を予防か
脂肪たっぷりの食事をする前にビタミンCやEを取れば、心臓病の危険を抑えられる、という最新の研究成果を、米メリーランド大医学部の研究チームが米医師会誌に発表した。悪玉コレステロールによって血流が滞るのを、ある程度、両ビタミンがじゃまするからだという。
20人を3群に分けた。「高カロリー食」「低カロリー食」「高カロリー食+ビタミンC、E」を取ってもらった。高カロリー食の人たちは食事後の血流が遅くなった。これに対し、低カロリー食と高カロリー食+ビタミンの人たちは正常だった。
高カロリー食に含まれる悪玉コレステロールは、血液中に有害な活性酸素を増やすため、動脈硬化や心臓病を引き起こす恐れがある。ビタミンCとEは、こうした活性酸素の働きを一定程度、阻害すると、研究チームはみている。
ただ、ビタミンさえ取れば脂肪に富む食事を続けても大丈夫というわけではない。論文の中で同チームは「心臓病を防ぐには、低カロリー食と適度なビタミン摂取が大切だ」とくぎを刺している。(ロイター)(朝日新聞 1997/12/07)

プロビタミンC 血管細胞老化、遅らせる効果
広島県立大グループが発見
ビタミンCの構造の一部を変えたプロビタミンC(ビタミンC前駆体)という物質が、人の血管細胞の老化を大幅に遅らせる効果があることを、広島県立大の三羽信比古教授(遺伝子制御工学)らのグループが発見した。口から飲む老化防止剤への応用が期待されている。研究成果は7日発行の米国の学術誌「ライフサイエンス」に掲載された。
人の染色体の両端には、テロメアと呼ばれる特殊な塩基配列のDNAがあり、染色体を細胞核につなぐ「留め金」の働きをしている。細胞が分裂を繰り返すと留め金がすり減り、やがて分裂できなくなったり、がん細胞をつくるため、テロメアは細胞の老化やがん発生のかぎを握るといわれている。三羽教授は広島大医学部の桧山英三講師や化学メーカーの昭和電工(本社・東京)との共同研究で、プロビタミンCの一種のAsc2Pと呼ばれる物質を人の静脈血管の内皮細胞に投与したところ、吸収されてビタミンCに変わり、細胞内のビタミンCの濃度が大幅に高まり、テロメアがすり減る速度を平均で73%も遅くできることがわかった。
三羽教授らは、テロメアが減る原因の1つが細胞内のフリーラジカル(活性酸素)であると指摘。プロビタミンCから変化したビタミンCが、細胞内のフリーラジカルの量を47%も減らす働きをすることから、細胞の寿命を延長させる効果があるとみている。

寿命延長の夢広がる

ビタミンCに詳しい大阪市立大の蔭山勝弘助教授(放射線生物学)の話 私の研究でも、ビタミンCを応用すると、がん細胞を殺傷する効果があることがわかっているが、血管細胞の寿命をプロビタミンCが延長する効果が明らかになったことは、人の寿命の延長という夢に向けて注目される。今後は臨床面への応用の準備が課題だ。(東京新聞 1998/08/11)

広島県立大・昭和電工など、ビタミンC使い細胞の寿命延長 新薬開発に道
広島県立大学と広島大学、昭和電工の共同研究グループは血管細胞内のビタミンC濃度を高めることにより細胞の寿命を延ばすことに成功した。細胞の老化に伴い短くなる「テロメア」という特殊なDNA(デオキシリボ核酸)の短縮化をビタミンCが抑制することで細胞が長生きできるようになるとみている。心臓病などの予防・治療薬開発に役立ちそうだ。
広島県立大学の三羽信比古教授らの共同研究グループは、細胞に吸収されて細胞内でビタミンCに変わる「Asc2P」と呼ぶビタミンCの前駆体を開発。培養した人間の血管内皮細胞にこの物質を加えたところ、通常なら約1億3000万倍(分裂回数27回)に増えると死んでしまう細胞が約2兆2000億倍(同41回)まで増えることを突き止めた。
染色体の一部を構成するテロメアは細胞が分裂するたびに150塩基対ずつ短くなり、全体の長さが7000塩基対になると細胞が死ぬことが知られており、細胞の寿命を決める「時計」のような役割を果たしていると考えられている。「Asc2P」を加えると、テロメアの短縮速度は遅くなり、1回の分裂で41塩基対ずつしか短くならず、細胞の老化スピードが約7割減速することがわかった。
「Asc2P」を投与すると、細胞内のビタミンC濃度は細胞外の67−120倍に高まり、細胞内でテロメアを傷つける働きをしているフリーラジカルという化学物質の量を約53%抑制することもわかった。共同研究グループは細胞内でできたビタミンCがフリーラジカルの発生を抑えて細胞の寿命延長に貢献したとみている。
ネズミを使った動物実験でも「Asc2P」を投与すると4時間後に血液中のビタミンC濃度が約3倍に増え、通常のビタミンCを飲むより効果が2−3倍長く続くことを確認しており、「Asc2P」が「内臓の機能低下を防ぐ老化防止剤などに応用できるのではないか」と三羽教授は期待している。(日経産業新聞 1998/08/19)

体内物質にがん治癒力 天然のビタミン化合物が有効
三重大・田口教授が報告
人体内に存在する天然のビタミン化合物に、がん細胞を死滅させる「アポトーシス」を引き起こす能力のあることを、田口寛・三重大生物資源学部教授(生物化学)が突き止め、岡山県倉敷市で13日開かれた臨床フリーラジカル会議で発表した。天然ビタミン化合物とアポトーシスの関連の報告は、きわめてめずらしい。もともと体内にある物質が、無害で有効ながん治療薬になり得る研究として注目を集めそう。
がん細胞を死滅させる力を持っていることが分かったのは、天然のビタミン化合物「ピコリン酸」「ジピコリン酸」と、結核治療薬(イソニコチン酸ヒドラジド)の代謝副産物「イソニコチンアミド」の3種類。いずれも、ニコチン酸ビタミン化合物の一種で、人の体内に多く存在している。
ピコリン酸は、体内で必須(ひっす)アミノ酸「トリプトファン」から合成される。ラットの成長促進作用も報告されている。ジピコリン酸は、紫外線に対する防護作用を示す。イソニコチンアミドは天然化合物ではないが、無害なうえ、リンパ腫(しゅ)の発症を抑える能力を持つ。
田口教授は、骨髄性白血病細胞「HL−60」「K562」、子宮頸(けい)がん細胞の3種類に対し、22種類のニコチン酸化合物を添加。このうち、ピコリン酸とジピコリン酸、イソニコチンアミドが強いアポトーシス能力を示し、10−20時間で数百万個のがん細胞を全滅させた。
一方、正常なヒトリンパ球にも同じ実験をしたがアポトーシスは起こらず、ピコリン酸など3種頬の化合物は「正常組織には害を与えず、がん細胞だけを標的にする」と結論づけた。
「人体への投与は、注射や経口服用などが考えられるが、動物実験で治療薬として効果的な濃度、他のがんへの作用なども調べたい」と田口教授。細胞内への浸透能力向上、大量投与したさいの人体への影響などが明確になれば、実用化に大きく近づく、という。

合成物と違い安全

玉井浩・大阪医科大教授(栄養学)の話 天然のビタミン化合物は、がん予防効果が注目されているが、治療薬としては手付かずで意義ある着眼点だ。副作用の恐れがある合成物などと違い、もともと体内にあるものなので安全性は高い。

<アポトーシス> 細胞の病変による壊死(ネクローシス)と異なり、不要になった細胞の増殖を防ぐため計画的に脱落する現象。「細胞の自殺」ともいう。オタマジャクシがカエルに変態するさい尾が消えたり、胎児期にある指の間の“水かき”がなくなるのが、アポトーシスの主な例。この性質を利用し、がん細胞の死滅を誘導するような治療法の開発が進められている。(中日新聞 1999/02/14)

喫煙者のがんに効くビタミンE
血液中のビタミンEの濃度が高いと、喫煙者が肺がんになる危険が減る。米国立がん研究所のカレン・ウッドソン博士らはそんな報告を同研究所ジャーナルに発表した。
フィンランドの50−69歳の男性喫煙者約2万9000人を対象に調査。1日当たりビタミンEの一種アルファトコフェノール50ミリグラムと緑黄色野菜に含まれる色素ベータカロチン20ミリグラムを5−8年間飲んだグループと、どちらも飲まないグループに分けて比べている。
それぞれグループに属する人たちの血液中のアルファトコフェノールの濃度を調べた。その結果、アルファトコフェノールの濃度が高い人は低い人より肺がんになる危険率が19%低かった。とくに、60歳未満の人や喫煙期間が40年未満の短い人の方が、濃度の高まりと肺がんの危険の低下との関係が強かった。ウッドソン博士らは、しゅよう形成の初期に高濃度で存在すれば、肺がんの進行をくい止めるとみている。
ビタミンEやベータカロチンは、がんの引き金になる体内での酸化反応を抑える抗酸化作用がある。(朝日新聞 1999/11/28)

「ビタミン」国際カルテル 公取委、日欧の10社検査
日本と欧州の大手薬品メーカーが、日本を含む世界市場でのビタミン販売で違法なカルテルを結んでいた疑いが強まり、公正取引委員会は27日、「ロシュ」(スイス)、「BASF」(ドイツ)の日本法人や、「エーザイ」(本社・東京都)、「第一製薬」(同)など約10社の本社など10か所を、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。立ち入りを受けたメーカーの大半は昨年、米国市場のビタミン販売でカルテルを結んでいたとして米司法省に反トラスト法(独占禁止法)違反に問われ、巨額の罰金支払いに応じている。
関係者によると、ロシュやエーザイなど大手薬品メーカーは、飲料や食品に添加するビタミンC剤など各種ビタミン製品の日本を含む世界市場で、シェア維持を図るための出荷数量割り当てや高価格の維持、価格引き上げなどのカルテル行為を繰り返していた疑い。
米国、欧州を中心としたビタミンの世界市場では、ロシュなど2社がビタミンC剤の約8割を占めているほか、ビタミンA、Eなどの製品も、立ち入り検査を受けた各社で寡占状態が続いている。また、年間約250億円以上と推定されている日本の栄養補助食品も、添加されるビタミンについて各社が圧倒的なシェアを持っているという。
ロシュ、BASF、エーザイ、第一製薬など6社は昨年、米司法省から反トラスト法違反に問われ、計11億ドル(当時、約1200億円)の罰金支払いに応じている。6社は米国内のビタミン販売で、高い価格設定や販売割り当てなどのカルテル行為をしていた。(読売新聞 2000/01/29)

ビタミン、C+Eの補充がストレスに効果
酸化作用、協力して防ぐ
ビタミンCとEの補充でストレスによる体への悪影響を防ぐことができる──昭和大学医学部の研究グループによるマウスの実験で、そんな結果が出た。さまざまなストレスで活性酸素ができ、遺伝子が傷つけられたり、酸化作用の強い過酸化脂質などが生じたりする。これががんをはじめ多くの病気の原因の1つになるとみられている。CとEはこのようなメカニズムに対抗する役目を果たしているようだ。2日発売の医学誌「あたらしい眼科」に発表された。
同大医学部の浅野和仁講師らは、マウスにストレスを与え、過酸化脂質の量が眼球の中でどう変わるかを調べた。
過酸化脂質は細胞膜などが酸化されてでき、動脈硬化の発病や悪化に深く関係しているといわれる。人間でもストレスが高まると増加する。
実験では、縦に置いたプラスチックの管にマウスを入れて身動きのできない状態にし、首のあたりまで水につけた。8時間このようなストレスを加えると、過酸化脂質の量が普通のマウスの1.7倍に増えた。逆にCの量は約半分に減った。

●消費が急増

人など少数の例外を除き、マウスを含むほ乳動物は体内でCをつくることができる。実験では、強いストレスでCが大量に消費され、生産が追いつかなくなったと考えられる。
同じ条件のストレスを与える30分前にビタミンC2.5ミリグラムを注射しておくと、過酸化脂質やビタミンCの量は普通のマウスと変わらない状態が維持された。
また、活性酸素が増えやすい100%酸素中で飼う実験をした。48時間たつと、空気中で飼った場合に比べて過酸化脂質の量が1.6倍、ビタミンCの量が約半分になった。マウスを酸素中に入れる4時間前にビタミンE1ミリグラムを注射しておくと、過酸化脂質の増加やビタミンCの減少はほぼ抑えられた。Eは体内でつくることができない。
普通の状態のマウスにCやEを注射してもCの含有量は増えないから、ふだんはCは体内で飽和状態になっていると考えられる。

●体内で分業

体内にある酸化力の強い活性酸素は必要な物質だが、ストレスなどで増え過ぎると悪影響が出る。ビタミンCとEは活性酸素をなくしたり、酸化を防いだりする抗酸化作用がある。水に溶けやすいCは水のあるところを担当し、脂になじみやすいEは細胞膜などで働く。

●人間は深刻

また、Cは、抗酸化作用発揮して機能を失ったEを元に戻したり、ストレス対抗ホルモンの材料になったりすることが知られている。
Cをつくれない人、サル、モルモットなどは、個体の条件をそろえることが難しく、Cの投与とストレスの関連実験はほとんどないという。
浅野さんは「もし、人間が日常生活で受ける程度のゆるやかなストレスを与えれば、マウスは自分でつくるビタミンCだけで対抗できるかもしれない。だが、つくれない人間は食物などでCを追加する必要があるだろう」と話す。(朝日新聞 2000/02/04)

ビタミンC・Eほどほどに 米科学アカデミー、摂取量の上限決定
【ワシントン11日=辻篤子】米科学アカデミーは11日、「ビタミンCやEの錠剤を大量に取っても健康に良いという証拠はなく、むしろ害を及ぼす恐れがある」とする報告書を発表、初めて1日の摂取量の上限を定めた。一方、野菜や果物からはこれまでより多くビタミンを取るべきだとして、米国人を対象とする推奨摂取量を改めた。
ビタミンCやE、ベータカロチンなどは抗酸化物質として知られ、細胞が酸化されて傷つくのを防ぐともいわれる。栄養補助剤として大量に取れば、がんや心臓病などが防げるのではないかと期待されていた。
同アカデミーはその効果があるかどうかを調査していたが、「十分な証拠はなかった」と結論づけた。
逆に大量に取ると、ビタミンCは下痢を起こす危険があり、米国人の成人の1日摂取量の上限を、食品と補助剤合わせて2000ミリグラムとした。
ビタミンEは大量に取ると血が固まりにくくなる作用があるとして、補助剤の1日摂取量の上限を1000ミリグラムとした。微量栄養素のセレンは髪の毛が抜けるなどの作用がありうるとし、400マイクログラム以下とした。
一方、1日の推奨摂取量については、ビタミンCは従来の60ミリグラムから、女性は75ミリグラム、男性は90ミリグラムに増やし、喫煙者はさらに35ミリグラムを取るように勧告した。ビタミンEは男女とも15ミリグラムに増やした。
ビタミンCはレモン100グラムあたり90ミリグラム含まれている。(朝日新聞 2000/04/12)

ビタミンCが心臓病、脳卒中のリスク低減
米国の研究所長が発表

「1日50ミリグラム以上のビタミンCを摂取し続ければ、心臓病にかかるリスクは男性で45%、女性で25%ダウンする」──米国ライナス・ポーリング研究所のバルツ・フライ所長が、このほど東京で開かれたビタミン広報センター20周年記念講演会に出席、米国での疫学調査をもとに、ビタミンCを積極的に食事に取り入れるよう力説した。【川鍋 亮】

フライ所長によると、ビタミンCは生体の細胞に酸化的障害を引き起こす活性酸素を効果的になくす強力な抗酸化剤の役目を果たす。そして血しょうやLDL(悪玉コレステロール)中の過酸化脂質の生成を抑制し、心臓病や脳卒中のリスクを低下させる働きがあるという。
米国の研究によると、毎日45ミリグラムのビタミンCを摂取したグループは、28ミリグラム未満の摂取群に比べ、脳卒中のリスクが50%低下した。疫学的研究でも、1日100ミリグラムのビタミンCを摂取すれば、心臓病と脳卒中のリスクを低下させることができるという。
喫煙者は特にビタミンCの摂取を心がけた方がよいという。喫煙で活性酸素が発生し、これを消すためにビタミンCを消費するため、非喫煙者に比べてより多くのビタミンCが必要になる。米国では心臓病の20%は喫煙が原因とされる。さらに、がん死亡で1位の肺がんの90%が喫煙が原因とされているだけに、フライ所長は喫煙の危険性を強く指摘していた。
こうしたことから、フライ所長は「健康の維持には、毎日ビタミンCを200ミリグラム程度摂取することが必要。免疫機能の強化、体調維持にも大切だ。野菜、果物類を1日5皿(500グラム)程度食べるとよい」と勧めていた。ちなみにビタミンCは水溶性のため取り過ぎても体外に排せつされる。
一方、京都府立医科大学の吉川敏一助教授は同講演会で「ビタミンEが動脈硬化など心血管系疾病の予防に効果的」と述べた。ビタミンEは、ビタミンCと同様に抗酸化作用をもち、動脈硬化などいろいろな病気の予防に役立つことが分かってきた。
米国で医療従事者約4万人を対象に4年間、看護婦約8万7000人を対象に8年間、それぞれビタミンEの摂取量と心臓発作の関係を調べたところ、医療従事者では、1日当たり平均100IU(IUは国際単位でビタミンEは1ミリグラムが1IUにあたる)のビタミンEを摂取したグループで冠動脈疾患の発生率が37%下がることがわかった。
また看護婦は同100〜200IUの摂取で、冠動脈疾患の発生が41%も減った。ビタミンEはナッツ類や大豆などに豊富だ。吉川さんは「ビタミンEの働きを補助するビタミンCもなるべく摂取する方が健康にいい」と指摘した。(毎日新聞 2000/08/03)

アルツハイマー病患者に強い味方 ビタミンE
進行遅延に具体的効果
老化防止に役立つとされるビタミンE。このほど来日した米国コロンビア大学脳神経外科のメアリー・サノ博士は、ビタミンEが中程度のアルツハイマー病の病状進行を遅らせる効果があるとする具体的なデータを発表した。患者に投与した量は日本の現状に比較して多めだが、脳の組織を保護するうえでビタミンEが重要な役割を果たすことを裏付ける研究として注目されている。(羽雁 渉)

アルツハイマー病の発症には過酸化脂質が関係し、その蓄積が神経細胞膜の破壊につながっていくと想定されている。また、アルツハイマー病患者の脳には無数の老人斑(はん)があり、そこにべ一夕・アミロイドと呼ばれるタンパク質が粘着し、神経細胞が死んだ状態になっている。ビタミンEは培養細胞でこのベータ・アミロイドの毒性による細胞死を抑えるとされている。
サノ博士は、ビタミンEがアルツハイマー病の症状進行を遅らせることを明らかにするために次のような試験を行った。
在宅で生活している中程度症状の患者341人に、2年間にわたって異なるタイプの薬を投与、アルツハイマーの進行遅延の程度を調べた。
使ったのはパーキンソン病の治療に用いるセレジリン(1日10ミリグラム)、ビタミンE(1日1330ミリグラム)、セレジリンとビタミンE併用、偽薬の4種類。偽薬を投与したグループと比較したところ、ビタミンEのグループが一番効果があった。
さらに、患者が施設に入居するまでの期間をどのぐらい遅らせることができるのかを調べたところ、ビタミンE群が155日、セレジリン群が105日という結果が出た。また、両者の併用群は60日で、併用のメリットはみられなかった。
この結果をもとに、サノ博士は「病態の悪化とともに日常生活活動(ADL)の低下を遅らせる効果はあった」と語った。ただし、認知機能の改善といった面では効果は認められなかった、としている。
そのうえで、サノ博士は「アメリカでは、アルツハイマー病の患者には必ずといっていいほどビタミンEのサプリメント(栄養補助食品)を使うように医師が勧告している」と現状を報告した。健康状態が良い場合は約1800ミリグラム、ほかに合併症がある場合は720−360ミリグラムぐらいの量を出しているという。
一方、日本の場合を見ると、栄養所要量は成人男性が10ミリグラム、女性が8ミリグラム、許容上限摂取量は600ミリグラムとされており、日米間には大きな開きがある。米国に比べ、サプリメントを取る習慣が薄いことが理由として考えられるが、アルツハイマー病の進行抑制に一定の効果がある可能性が強まったことで、今後、高齢者らにどう摂取量を増やしてもらうか課題になりそうだ。

<ビタミンE> 化学名はトコフェロール。8種類あるビタミンEの中でα(アルファ)型が生体内での生理活性の効力が最も強いといわれる。植物油(ひまわり油、コーン油など)やアーモンド、玄米、マグロの脂身、カツオ、カボチャなどに多く含まれる。(中日新聞 2001/02/16)

第一製薬・エーザイに警告 国際カルテル容疑 公取委 ビタミン剤販売で
日本と欧州の医薬品・化学メーカーが、世界市場でビタミン製剤の販売をめぐって違法な国際カルテルを結んでいた問題で、公正取引委員会は5日、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)と同第6条(特定の国際協定・契約の禁止)違反の疑いで第一製薬とエーザイに警告を出した。国際カルテルの禁止を規定した独禁法第6条を適用するのは極めて異例。
この国際カルテルでは、米司法省が1999年5月から9月にかけて武田薬品工業を含む日本企業3社とロシュ(スイス)、BASF(独)に対し、反トラスト法(米独禁法)違反で罰金を科している。
公取委は昨年1月、第一製薬とエーザイのほか、ロシュやBASFの日本法人にも立ち入り検査を実施したが、欧州本社での十分な調査ができないことなどを理由に欧州2社の摘発は見送った。武田薬品工業は95年にカルテル行為から離脱したため時効が成立している。
公取委によると、第一製薬はビタミンB5の販売で、世界市場で最大シェアを持つロシュの呼びかけに応じてBASFとともに91年2月ごろから違法な国際カルテルに参加。99年まで日本を含む世界7地域の市場で各社の年間販売数量を決めていたとされる。
またエーザイは合成ビタミンEの販売で、ロシュ、BASF、ローヌ・プーラン(仏、現アベンティス)の欧州3社とともに、91年1月ごろから98年まで日本を含む世界4地域で同様のカルテルを結んでいた疑いが持たれている。
ビタミンB5と合成ビタミンEは世界需要量の約7割が家畜や魚類の飼料用添加剤に使われ、残る3割が総合ビタミン剤などの医薬品や化粧品の原料になる。

第一製薬の話 公取委の認定を厳粛に受け止めている。当社は米国でこの問題が起きて以降、倫理に裏打ちされた行動を徹底している。
エーザイの話 公取委の警