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グローバル化がテロ生む

仏農民活動家ボベ氏




2001年10月3日(共同通信)

グローバル化がテロ生む
仏農民活動家ボベ氏


経済グローバル化の象徴とも言えるニューヨークの世界貿易センタービルなどが破壊された米中枢同時テロについて、反グローバリズム運動を主導し続けるフランス中小農家組合「農民同盟」のジョゼ・ボベ国際広報部長(48)に聞いた。(パリ共同=信夫聡)


──なぜグローバル化に異を唱えるのか。

「一部の者だけが途方もない上前をはねる『支配の論理』だからだ。グローバル化のおかげで金持ちになったアフリカ人やイスラム教徒はいない。フランスであれ日本であれ、農業は細るばかり。今や世界の3富豪の所得が、貧困に苦しむ45カ国の歳入合計を上回る。グローバル化は貧富の差を広げている」


──テロも反グローバリズムの表れなのか。

「それは違う。今回のテロリストらは一種の『バブル長者』だ。グローバル化の恩恵を受けたと言える。タックスヘイブン(租税回避地)やマネーロンダリング(資金洗浄)、実体経済を全く反映しないマネーゲーム…。一刻も早く国際資本規制体制、国際捜査網を築く必要がある」


──米国への同情が運動を委縮させるのでは。

「米国内でさえ、多くの学者や市民団体が(報復)戦争反対を主張し始めた。私は米国が『支配の論理』を捨て、国際機関の真ん中で超大国の役割を果たすことを望む。貧しい者など存在しないかのごとくバブルに浮かれた米国に対する南半球の不満を解消するのは簡単ではない」


──報復攻撃には賛成か。

「まずは捜査するべきだ。『戦争だ』と激高したり、テロにおびえたりしていては冷静な捜査ができないだろう。米国は国際刑事裁判所の設立条約を批准していないから、すぐに批准し、捜査を尽くしてテロリストに有罪を宣告し、『処刑』を行うのは、その後でなければならない」


ジョゼ・ボベ
フランス・ボルドー生まれ。1971年から南部ミヨーで開拓農民。87年、中小農家組合「農民同盟」を設立。
99年8月、グローバル化の象徴としてハンバーガー店マクドナルドを破壊し逮捕された(上訴中)。「フォアグラの国にホルモン肥育牛肉は不要だ」と主張。「反グローバリズム」の旗手となり、同年末の世界貿易機関(WTO)閣僚会議の際も米シアトルでデモ隊を率いた。


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2003年10月30日(中日新聞)

仏の反グローバリズムの闘士 ジョゼ・ボべ氏に聞く
WTO交渉決裂―


バンコクで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)は、世界貿易機関(WTO)の貿易自由化交渉(新ラウンド)の再活性化で合意したが、先行きは依然として不透明だ。新ラウンドに立ちはだかるのが、米欧など先進国に対する途上国グループの団結だ。反WTO、反グローバル運動の象徴的な指導者であるフランスの農民運動リーダー、ジョゼ・ボベ氏(50)にWTO不調の「意味」を直撃した。(パリ・久原穏)


──メキシコ・カンクンのWTO閣僚会議の交渉決裂をどうみるか。

「民主主義の成功だ。というのは初めて地球の過半数の声が通ったからだ。米国や欧州が無理やりやらせたいことが、OKでないことを言い聞かせることができた。今は何でもWTOを通してやろうとしているが、すべてのことが、貿易組織の中だけでは解決できないことを理解しないといけない。国際通貨基金(IMF)や関係機関はこの事実を見て、考え直すべきだ」


──具体的に聞きたい。

「今回の交渉で初めて前面に出たのが(農産物輸出)ダンピングと食糧主権の問題だ。米国や欧州は(生産・輸出補助金によって)生産価格よりもずっと安く、ダンピングして自国農産物を流通させている。自国農業を保護しながら、途上国の農業を食い物にしているのだ」

「食糧主権というのは、食べる権利は貿易問題として扱うべきではないということ。国家主権や民族統治の問題だ。だからまず、国連などの場で検討し、それからWTOで交渉するというやり方が必要。例えば、日本は農産品について保護主義だと批判されるが、食料自給率が30−40%しかなく、60%のものを輸入するしかない事実が理解されれば、農業保護批判も変わるだろう。食糧主権をもっと強く主張しなければいけない。国連食糧農業機関(FAO)などに食糧主権の確立を訴えていく」


──あなたは「反グローバル運動」とは言わず、「もう1つのグローバル運動」という言葉を使っている。

「われわれは地球規模の交流には賛成している。しかし、今のグローバル化は1つの価値観、1つの文化で均一化しようとしている。しかも、自由化だという。しかし、国や文化、人間によって同時にいくつもの世界が存在できるはずだ。そうした視点に立つのが、もう1つのグローバル運動だ」

「商業的な貿易や多国籍企業と違うのは、われわれは人権や労働者の権利、環境を守りながらという点だ。個人の人権も大事だが、さらに集団的な人権が重要だ。50年前は自分の利益しかなかったが、今は水や地球、空気など共通の財という意識がある。そうした人類の財産を(商品としようとする動きから)守る必要がある」


──“工業食品”から農業を守るためにマクドナルドの店を破壊したり、遺伝子組み換え作物(GMO)の実験用イネを引き抜いたりする実力行使しかないと。

「GMOは、仮に外界と遮断して実験室の中だけでやるのであれば反対はしない。しかし、開いた空間でやるのは問題だ。アフリカから砂漠の砂が届くように、畑でやれば遺伝子操作した花粉が何キロ先まで飛ぶか分からない。2度と元に戻すことができない汚染が起きる可能性がある」

「世界の農家の大多数は簡単な道具で働いているが、GMOはそういう農業と関係なく、工業的農業だ。発展できたのは特許のおかげで、農民は毎年、使用料を払わなければならず、その土地の伝統的な農業は破壊される。今の国際法は大きな組織、多国籍企業しか守らないようになっていて、まともな農民はGMOやダンピングでつぶれるしかない。農業の世界に競争の論理を持ち込んではいけない」


■後 記

マクドナルド破壊など「過激な闘士」の顔ばかりが強調されるボベ氏だが、その主張は強者の論理をかざす勢力から、だれが弱者の権利を守るのか−という、分かりやすく良心的な問いかけだ。飾らない誠実な人柄で実に気持ちいい人だ。「カリスマ」という言葉とは違った人を引きつける魅力があり、仏国民の圧倒的な支持もうなずける。この人が突き動かしていく反グローバル運動から目が離せない。


ジョゼ・ボベ
仏陸軍による農地収用への反対運動を支援するため1973年に仏南部のラルザック高原に入植、羊飼いに。87年、中小農家組合「農民同盟」を設立。マクドナルド店舗破壊や遺伝子組み換え作物の実験用イネを抜き取り、禁固10月の判決が確定。今年6月に収監されたが、市民の大抗議運動に押され、シラク大統領が特赦し、8月に釈放された。



【関連記事】

仏南部、農民数百人が抗議行動
【パリ21日=共同】欧州連合(EU)による米ホルモン肥育牛肉の輸入禁止に対抗し、米国がEU産チーズなどを輸入禁止にする制裁措置を取った問題で、フランス南部の3カ所で21日、数百人の農民が米大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドの店舗前に桃やトマトを発酵させた、たい肥などをぶちまける抗議行動を展開した。
南東部アルルでは同日午前、地元農民がトラックで店舗前に運んだたい肥7、8トンをばらまいたほか、南西部モントバンでも約100人が計20トンの腐った桃をマクドナルド店舗や県庁の玄関に放置。南東部マルティーグでも農民ら約400人が果物をマクドナルドの前にまいた。
米国に対する抗議行動は7月下旬から活発化した。各地で「米国の象徴」とみられているマクドナルドを一時占拠したり、店舗を破壊する事件が相次いだ。8月中旬には、反政府系農民組織「農民連盟」の活動家ら5人が、同チェーン店の建設工事を妨害したとして逮捕されている。(共同通信 1999/08/21)

活動家ら3万人集結へ 仏のマック破壊裁判
【パリ29日共同】ホルモン肥育牛肉をめぐる欧州連合(EU)と米国の農産物貿易紛争で昨年8月、フランス南部ミヨーのハンバーガー店マクドナルドを「米国の象徴」として破壊、器物損壊罪などに問われたジョゼ・ボベ被告(47)ら11人の公判がミヨー軽罪裁判所で30日、開かれる。
「グローバリゼーション(経済の世界市場化)との闘争」を呼び掛けたボベ被告の主張は国境を超えて共感を呼び、支援者らは「市場万能主義を問う裁判」と位置付けている。人口2万のミヨーに、昨年11月の世界貿易機関(WTO)のシアトル閣僚会議に匹敵する3万人以上の活動家が集結する。
弁護団によると、判決は7月1日午後言い渡される予定。
EUによるホルモン肥育牛肉の禁輸措置を違法と裁定したWTOと、欧州産の高級農産物に高率関税制裁を科した米国に抗議するボベ被告ら中小農家組合「農民同盟」のメンバーらは昨年8月12日、建設中のマクドナルドの工事現場に侵入、柱や壁などを破壊した。
その後も「フォアグラの国にホルモン肥育牛肉はいらない」とのスローガンに賛同した農民らが全国約百カ所のマクドナルドで店内に肥料をまくなど「闘争」を拡大。ボベ被告は保釈後シアトルに渡り、WTOに対する数万人規模の抗議デモに参加、「新しいフランス農民」として人気を集めた。(共同通信 2000/06/29)

ボベ被告に禁固10月求刑 判決は9月に延期
【ミヨー(フランス)1日共同】昨年8月、経済のグローバル化の象徴としてフランス南部アベロン県ミヨーのハンバーガー店マクドナルドを破壊し、器物損壊などの罪に問われた中小農家組合「農民同盟」の幹部ジョゼ・ボベ被告(47)ら10人の公判が1日、ミヨー軽罪裁判所で開かれ、検察側はボベ被告に禁固10月、ほか9人に同3月を求刑した。
裁判長は9月13日に判決期日を指定し閉廷した。
検察側は、最高刑の禁固5年を大幅に下回る同10月を求刑し、うち9月分の執行猶予を認めると述べた。有罪の場合でも、ボベ被告は最長で1カ月だけの禁固となる。
ボベ被告は「軽い求刑に驚いた」と語って歌を歌い、被告の名前を連呼し続けた支持者らは「ジョゼを刑務所に渡さない」と検察側を非難した。
アベロン県の集計によると、人口2万人の農村に非政府組織(NGO)を中心とする4万人の支援者がこの日裁判所を取り囲み、有罪判決が出た場合、混乱が懸念されていた。大きなトラブルはなかった。
法廷で被告側は「追い詰められた中小農家を救済するため、ほかの手段は思いつかなかった」と主張していた。(共同通信 2000/07/01)

マック破壊の活動家が出所 フランス
フランス南西部ミヨーで1999年8月、ハンバーガー店マクドナルドを「グローバル化の象徴」として破壊し、禁固3月の刑で今年6月に収監された中小農家組合「農民同盟」の指導者、ジョゼ・ボベ氏(49)が1日、出所した。未決拘置期間を算入したため、約1カ月半の刑務所生活で刑期を終えた。
約1000人の支援者が出迎えたモンペリエ郊外の刑務所前で、ボベ氏は「ラファラン保守内閣は6月の総選挙に勝利した後、すぐにわたしを収監した。すべての社会活動家を危機に直面させている」と政府を非難した。
ボベ氏はマクドナルド破壊のほか、研究施設や民間農場で育成していた遺伝子組み換え作物を引き抜き捨てた事件などでも罪に問われ、裁判にかけられている。(共同通信 2001/08/01)

反グローバル化:仏農民連合がマクドナルド「封鎖」集会
【パリ福島良典】米ハンバーガーチェーン・マクドナルド襲撃で知られるジョゼ・ボベ氏率いる仏農民連合が12日、仏南部ミヨーで反グローバル化集会を開いた。
99年の襲撃から2周年を記念した集会で、非政府組織(NGO)メンバーら約2000人が参加。マクドナルドの店の前にトラクター十数台を並べて「封鎖」した。
ボベ氏によると、13日にブリュッセルで欧州連合(EU)のラミー欧州委員(通商担当)と会談。仏政府も近く農業者を招いて円卓会議を開く計画とされ、ボベ氏は「運動の大きな成果だ」と述べた。
ボベ氏は、死者1人を出した伊ジェノバ・サミット(主要国首脳会議)での反対デモにも参加。フランスでは一部の国民から反グローバル化運動の旗手として英雄視されている。(毎日新聞 2001/08/14)

遺伝子組み換え作物へ抗議激化
南仏 試験農場の破壊相次ぐ
【パリ31日井上純】遺伝子組み換え作物の導入に反対するフランスの活動家が、研究名目での屋外栽培を認めた仏政府の方針に抗議し、試験農場で栽培中の組み換えトウモロコシを次々破壊している。活動家の中にはジョスパン内閣与党の緑の党のメンバーも含まれており、政府は“身内の造反”への対応に苦慮している。
実力行使の標的にされているのは、米モンサント社など大手農薬・種子メーカーの試験農場。8月22日、南部ガール県で約1000平方メートルの畑に活動家約150人が侵入、刈り倒されたトウモロコシが県庁前に山積みにされたのに続き、26日には南部ドローム県でも2カ所のトウモロコシ畑が破壊された。
破壊行為は、小規模農家を中心とする市民団体「農民同盟」が主導し、グローバル化に反対する非政府組織(NGO)や緑の党のメンバーも参加している。農民同盟の指導者ジョゼ・ボベ氏は1999年夏、「食の帝国主義に抗議する」として南部ミヨーで米国系ハンバーガーチェーンのマクドナルド店舗を破壊し、有罪となった著名活動家。今回は「組み換え作物の研究は閉鎖空間で行い、周囲の在来種への自然交配を防ぐべきだ」と主張している。
仏政府は組み換え作物の導入に慎重な姿勢を示す一方、バイオテクノロジーの国際競争で後れを取らぬよう、109カ所計35ヘクタールの試験農場での組み換え作物栽培を支援している。
グラバニ農相は、話し合いを呼び掛けているが、農民同盟側は9月中旬まで作戦を続行すると表明。メーカー側は刑事告訴する方針を示している。(中日新聞 2001/09/01)

ボベ被告に禁固10月の判決 仏の反グローバル運動家
【パリ26日共同】フランス南部のモンペリエ控訴院は26日、「グローバル化の象徴」として米国系ハンバーガー店マクドナルドを破壊した事件などで知られる中小農家組合「農民同盟」の指導者ジョゼ・ボベ被告(49)に、禁固10月の実刑判決を下した。ボベ被告は1999年6月、モンペリエで遺伝子組み換え技術の研究用イネを抜き取り、器物損壊罪に問われていた。同事件で、モンペリエ控訴院は2001年12月に禁固6月の実刑判決を下し、同様の罪に対する98年2月の軽罪裁判所の執行猶予付き禁固8月の判決について猶予を取り消していた。被告側は執行猶予取り消しの免除を請求。同控訴院は26日、猶予刑の半分の禁固4月について請求を認め、禁固10月の刑が確定した。フランス公共ラジオによると、ボベ被告は判決後「(今後も)遺伝子組み換え団体に対する闘いを続ける」と述べた。同事件は、昨年11月フランス破棄永仏最高裁)が上告を棄却している。ボベ被告は99年8月にフランス南西部ミヨーで、マクドナルドを破壊、器物損壊罪で禁固3月が確定、昨年6月から8月まで収監された。(共同通信 2003/02/27)

ギリシャで反資本主義デモ 84人逮捕
ギリシャ・テッサロニキ――欧州連合(EU)首脳会議が開かれた当地で21日、反資本主義を抱えたデモ隊の一部がハンバーガー店マクドナルドなど商店やビルに放火し、84人が逮捕された。逮捕者にはオーストリア人や米国人、英国人など外国人12人が含まれているという。
EU首脳会議の終了後、反資本主義・反グローバリズムを唱えるデモ対約2万5000人が、会議会場から西約80キロのテッサロニキ市内を行進。その中から、無政府主義者を名乗る約200人が、マクドナルド店に火炎瓶を投げこみ、店の外に黒い旗を植え付けたり、携帯電話大手ボーダフォンの店舗に放火したり、他の店やビルをオノや棒で打ち壊すなどの破壊行為を繰り広げた。計30カ所の店舗とギリシャ系銀行の支店3カ所が窓を割られたり、火炎瓶で放火されるなどの被害にあった。自動車も少なくとも5台が火を付けられた。デモ隊は近くの米国領事館まであと500メートルまで迫ったが、警察は催涙ガスなどで対抗し襲撃を防いだ。(CNN 2003/06/22)

仏農民同盟指導者:ジョゼ・ボベ被告、収監される
米国系ハンバーガー店マクドナルドを破壊した事件などで知られるフランスの中小農家組合「農民同盟」の指導者ジョゼ・ボベ被告が22日朝、同国南部エロー県の刑務所に収監された。
ボベ被告は、99年6月に、フランス南部のモンペリエで遺伝子組み換え技術の研究用イネを抜き取り、器物損壊罪で今年2月にモンペリエ控訴院で禁固10月の実刑判決を言い渡された。
治安当局は同日早朝、ボベ被告を拘束、ヘリコプターで刑務所に移送した。
モンペリエ控訴院は、01年12月に禁固6月の実刑判決を下す一方、同様の罪に対する軽罪裁判所の執行猶予付き判決について猶予を取り消し、禁固10月の刑が確定していた。
被告は99年8月にフランス南西部ミヨーで、マクドナルドを破壊、器物損壊罪で禁固3月が確定、昨年6月から8月まで収監された。(パリ共同)(毎日新聞 2003/06/23)

「農民同盟」過激活動家ボベ氏 特赦を 仏燃ゆ
連日デモ、2000人集結も
【パリ4日久原穏】フランスの革命記念日(7月14日)を間近に控え先月下旬“大捕物”の末に収監された「農民同盟」リーダー、ジョゼ・ボベ受刑者の周辺が騒がしくなっている。国家の記念日に実施される大統領特赦で、ボベ氏を釈放すべきだとの支援運動が広がっているためだ。
本人は「釈放されるなら歓迎するが、といって大統領にひざまずくことはない」と相変わらずの強硬姿勢。果たして結末は−。
ボベ氏は過激な反グローバリズムを掲げ、米国系ハンバーガーチェーン・マクドナルドの店舗を破壊して有名になった。先月22日には、遺伝子組み換え技術に反対して1999年に実験用のイネなどを抜き取った器物損壊罪の判決(禁固10月)に基づき収監された。その際の捕物劇は過去に例がないほどの大がかりなもの。仏中南部アヴェロン県のボベ氏の自宅周辺は、収監が近いとの情報から支援者が道路を封鎖。治安当局はその裏をかき、早朝を狙ってヘリコプターで飛来、防弾チョッキに身を固めた憲兵隊数十人があっという間に連行していった。
この連行作戦に対し、農民連合や緑の党ら支援者は法務省前などで連日、集会を開いて抗議活動を展開。大統領の特赦により即時釈放すべきだと声を強めている。
フランスでは大統領特赦により毎年数千人の減刑が実施されている。今のところボベ氏については、法相からシラク大統領への特赦要請は行われていないもようだ。(中日新聞 2003/07/05)

フランス:反グローバリズム集会に市民20万人参加
【パリ福島良典】経済の無軌道な地球規模化(グローバリゼーション)に反対する大規模集会が10日までの3日間、フランス南部で開かれ、各国の市民約20万人(主催者発表)が参加した。米国系ハンバーガー店マクドナルドの破壊事件で知られるフランスの中小農組合「農民連盟」代表のジョゼ・ボベ氏が闘争強化を呼びかけた。
ボベ氏は、仏モンペリエで遺伝子組み替え技術用のイネを刈り取ったとして器物損壊罪で今年6月22日から刑務所に収監されていたが、今月2日に仮釈放された。
集会はNGO(非政府組織)連合体「連帯社会の建設」が開催、参加者は事前予想の5〜10万人を大きく上回った。ボベ氏は9月10〜14日にメキシコ・カンクンで開かれる世界貿易機関(WTO)閣僚会議を見据え、「カンクン会議が失敗するよう、9月6日からWTOと多国籍企業への反対行動を起こさなければならない」と力説した。
ボベ氏は1987年に仲間と共に「農民連盟」を創設。代表にあたる「広報官」として反地球規模化運動の旗手の役割を果たしてきたが、10日の集会閉会記者会見で「社会運動を私物化するのは危険だ」と述べ、来年4月の任期満了で「広報官」の職から退く意向を表明した。(毎日新聞 2003/08/11)

ハイテクで「武装」する反グローバリズム活動家たち
(WIRED NEWS 2003/09/03)

GM農作物を刈り取り=農民運動家ボベ氏らが抗議行動−仏
【パリ25日時事】遺伝子組み換え(GM)技術の導入に反対するフランスの活動家ら約1500人が25日、南部のオートガロンヌ県にあるGMトウモロコシの試験栽培畑で、作物を刈り取る抗議行動を行った。
抗議行動は農民運動家のジョゼ・ボベ氏らが主導。ペルベン法相は、実力行使を伴う反対運動には厳正に対処すると表明しており、ボベ氏らは重い禁固・罰金刑が科せられる可能性がある。(時事通信 2004/07/26)

組み換え作物抜き取り 仏南部、活動家1000人抗議
【パリ26日共同】フランス南部トゥールーズの近くで25日、中小農家組合「農民同盟」の元指導者ジョゼ・ボベ氏や環境保護政党「緑の党」の活動家ら約1000人が、遺伝子組み換え作物のトウモロコシを集団で引き抜き「遺伝子組み換え作物反対」を叫んだ。
活動家らは「市民の不服従の行為」として、約1ヘクタール分の研究用トウモロコシを1本1本手で抜き取った。警官隊が遠巻きに警備したが、強制排除はしなかった。
法務当局はこの種の抜き取りに対し、禁固5年、罰金7万5000ユーロ(約1000万円)を警告していたが、ボベ氏は「フランス人の70%が反対しているのだから、政府は遺伝子組み換え作物容認の態度を変えるべきだ」と主張した。
ボベ氏は1999年6月に南部モンペリエで遺伝子組み換え技術の研究用イネを抜き取り、器物損壊罪で昨年2月に禁固10月の判決を受け、その後、恩赦で釈放された。(共同通信 2004/07/26)

地方こそ新しい発想生む
仏の農民運動指導者 ボベ氏に聞く
私は地方こそ、新しい発想や運動を生み出す力を秘めているという固い信念を持っている。たとえば、フランス南部のラルザックが反戦運動や反グローバル化運動の発信地となったのはなぜか。まず私の体験を話そう。
元来、農民は保守的といわれる。だが、ここには反基地闘争をきっかけにして、エコロジスト、反戦反核、地方分権など多様な考え方の持ち主がやってきた。
ここでは2つの原則が確認された。だれもが自由に議論に参加できること。大地に暮らす人々、つまり農民が最終決定権限を持つことだ。
農民は外から来た人々と交わり、活動家は農民になった。私も農民になったおかげで、自然の摂理に逆らった近代農業のあり方から、その先にある市場原理主義や遺伝子組み換えなどの先端技術まで、様々な問題点をごく身近な脅威と考えられるようになった。ラルザックは運動の理念を日常生活で実践する「実験室」になった。
田舎での運動は自然のリズムと調和している。農繁期は仕事に専念し、農閑期は社会運動に専念する。時間がゆったり流れるので、都会よりもはるかに息の長い運動が可能なのだ。
かたや都会は衰退が著しい。60年代まで社会運動を担った大学が、単なる就職準備の機関になりさがり、批判的精神を失ってしまった。
フランスでは81年にミッテラン社会党政権が誕生したことで、左派の多くがこれで目標が達成されると安心し、活動をやめてしまった。90年代に社民政権が生まれた他の欧州諸国も事情は似たようなものだ。手をこまぬいている間に市場万能の風潮がはびこり、左派もその思考に染まった。
99年、成長促進ホルモンを使った牛肉を欧州連合(EU)が輸入禁止したことへの対抗措置として、米国はロックフォールチーズなどの欧州産食品に制裁関税を課し、世界貿易機関(WTO)もEUの措置を批判した。
すでに欧州では牛海綿状脳症(BSE)や鶏肉のダイオキシン汚染など数々の事件が起きていた。環境や健康を二の次にする自由貿易体制の象徴として、私たちはマクドナルドを標的にした。手法が暴力的という声もあるが、事前に当局に連絡し、みんなで整然と解体した。決して誰も傷つけないよう周到に準備された行動だった。
それまで政治家は、モノの往来が盛んになれば生活が豊かになるという幻想を振りまいていた。だが食の安全の問題は、グローバル化が多国籍企業など強者の利益のためにあり、環境や健康、途上国を置き去る構造だという現実を世界の人々に気づかせたいのだ。
01年の米同時多発テロ以降は、グローバル化を進める新自由主義に、国家による監視という新たな流れも加わった。人の移動や情報が監視され、現状に異を唱える動きにはテロのレッテルが張られるようになった。
問題のあまりの大きさに私たちはなすすべがないようにも思える。だが、心配は無用。地方はまだまだ健在だ。
都市の消費者と農家が直接契約を交わす産地直送システムが世界中で普及している。フランスで盛んな映画祭や演劇祭などの地方フェスティバルは文化の画一化への歯止めの役割を果たしている。コカ・コーラに対抗して、メッカ・コーラやブルターニュ・コーラなどご当地製品が増えている。
個々の市民にできることもたくさんある。例えばスーパーマーケットに依存しない。地域で作られる産品を購買する。電気を節約する。
簡単に世界は変わらない。自分の生活様式を変えるのも簡単なことではない。だが自分たちが暮らす範囲内の生活空間は少しずつでも確実に「何か」を変えられる。グローバルに思考し、ローカルに暮らそうじゃないか。(聞き手・沢村亙)

ジョゼ・ボベ氏 51歳。仏南西部ボルドー近郊で生まれ、ボルドー大学で哲学を専攻。基地拡張反対運動を支援するため76年、ラルザックに移り住み羊乳生産農家に。87年に中小農家組合「農民同盟」を創設した。ラルザックの羊乳が原料の特産チーズ「ロックフォール」に米政府が制裁関税を課した決定に抗議して99年、他の農民らと共に仏南部で建設中のマクドナルド店舗を解体。反グローバル化運動を象徴する事件として注目され、以来、その指導者に祭り上げられた。ボベ氏は実刑に服したが、服役中のボベ氏をミッテラン元大統領の妻が激励し話題を集めた。(朝日新聞 2005/01/01)

“マック”破壊で知られる仏農民活動家の入国を拒否
反グローバル活動の旗手として知られるフランスの農民活動家ジョゼ・ボベ氏が米国への入国を拒否されていたことが9日、分かった。ロイター通信が伝えた。
ボベ氏は8日、グローバル化と労働問題について話し合う国際会議に出席するため、ニューヨークのケネディ国際空港に着いたが、入国を拒否され、パリに引き返した。
米出入国管理当局は、入国拒否の理由を明らかにしていないが、フランス外務省は、ボベ氏が入国審査で過去の犯罪歴について誤った回答をしたためとの見方を示している。
ボベ氏は1999年にフランス国内の米国系ハンバーガー店マクドナルドを破壊したことで有名。ロイター通信の電話取材に対し「グローバル化を進める大企業が、それに反対する議論をさせたくなかったのだろう」と語った。(ZAKZAK 2006/02/10)

「闘士」ボベ氏、仏大統領選出馬へ 反グローバル化掲げ
フランスの農民運動元指導者ジョゼ・ボベ氏(53)が1日、大統領選への立候補を表明した。左派を中心に反グローバル化や反欧州統合の支持層などの結集を目指すという。ボベ氏は遺伝子組み換えトウモロコシを引き抜く事件を起こして禁固4カ月の控訴院(高裁)判決を受け上告中で、刑が確定すれば獄中からの選挙運動となる。(朝日新聞 2007/02/02)

大統領候補ボベ氏に有罪判決=獄中から立候補か−仏
【パリ7日時事】フランスの最高裁に相当する破棄院は7日、遺伝子組み換え(GM)作物を違法に刈り取ったとして、フランスの農民運動家ジョゼ・ボベ氏に対し、禁固4月を言い渡した。
問われたのは、2004年にボベ氏らが行った、仏南部オートガロンヌ県にある試験栽培畑でのGMトウモロコシの刈り取り行為。トゥールーズの控訴院(高裁に相当)は05年に禁固4月の判決を下し、ボベ氏側が控訴していた。
ボベ氏は、4、5月に行われる大統領選への立候補を1日に表明したばかりで、収監されれば獄中からの出馬となる。(時事通信2007/02/07)

仏大統領選に“囚人候補”、農民運動家のボベ氏
フランス破棄院(最高裁に相当)は7日、遺伝子組み換え作物を勝手に刈り取ったとして、農民運動家、ジョゼ・ボベ氏に対し、禁固4カ月の実刑判決を言い渡した。ボベ氏は1日に今春の仏大統領選への立候補を表明したばかり。異例の獄中出馬となる公算が大きい。
ボベ氏は「自分は初の“囚人大統領候補”になるだろう。逃げ隠れはしない」と述べ、収監されても出馬表明は取り下げない考えを強調した。2月の世論調査で同氏に投票するとの回答は4%で、サルコジ氏やロワイヤル氏などに次いで5番目の支持を集めた。
ボベ氏は今回の実刑判決の原因となった2004年の遺伝子組み換えトウモロコシの無断刈り取りのほか、1999年には建設中だったマクドナルド店舗をグローバル化の負の象徴として破壊した。(パリ=野見山祐史)(日本経済新聞 2007/02/08)

ボベ議員に有罪判決 仏活動家の欧州議員
フランス・ボルドーの高等裁判所は25日、2006年にジロンド県で起きた遺伝子組み換え作物損壊事件を主導したとして、環境派「ヨーロッパ・エコロジー」所属の欧州議会議員で、農民活動家のジョゼ・ボベ氏に禁固1年の執行猶予付き判決を言い渡した。
ボベ氏の弁護士によると、この判決でボベ氏が欧州議会の議員資格をはく奪されたり、被選挙権を失うことはないという。
判決によると、ボベ氏は06年11月に「遺伝子組み換え作物の流通を追跡する」として農民ら150人を率い、ジロンド県の農地に侵入。サイロに保管されていたトウモロコシなどの一部を「不当に消費した」。この日の判決では、ボベ氏と事件にかかわった農民ら計12人に計1万2000ユーロ(約160万円)の罰金支払いも言い渡された。
ボベ氏はこれまでも同様の抗議行動で、何度か有罪判決を受けている。同氏は今年6月の欧州議会選に出馬し当選した。(共同)(U.S. FrontLine 2009/11/25)



【関連サイト】

Confederation Paysanne(フランス農民連盟)

もう一つの世界は可能だ! ジョゼ・ボベ・トークライブ in Kyoto & ボベ's カフェ(ATTAC京都)



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