歳月は早いもので、フレディ・マーキュリーが没して今年(2001年)でもう10年目を迎えるという。1991年11月24日、フレディはエイズによる気管支肺炎で他界した。45歳という若さだった。彼の訃報を聞いたとき、私は次のようなコメントを書いた──
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フレディ・マーキュリーの死後、まる4年も経ってから、なんとクイーンの新作(!)アルバムが出たことは予想だにしない驚き、喜びであった。そのアルバム『メイド・イン・ヘヴン』のなかでフレディはちゃんと健在だったし、思いもかけない“プレゼント”だったから。クイーンのあまたある名曲のなかで、とくに気に入っている曲をしいて1曲だけ選ぶとすれば、先のリバイバルCDにもカップリングされている『輝ける日々』を私は挙げたい。原題は "These are the days of our lives"。原詞の内容はこちら(アルバム『Innuendo』収録、下記YouTube参照)。この曲のビデオクリップもまた味わいがあって、全体がモノクロトーンで至極シンプルな構成。実はこれがフレディ・マーキュリー最後の出演作品となってしまった。ラストの歌詞で、フレディが気恥ずかしげに "I still love you..." とささやきかけるシーンは、おそらく7年間をともに過ごした最愛にして最後の恋人、彼氏へ捧げた最期のメッセージだったのではないかと思う。
そのフレディの死を看取った最愛の恋人ジム・ハットンが、1994年に『フレディ・マーキュリーと私』(ロッキング・オン刊、原題は "Mercury and Me")という本を書き下ろした。スーパースターに対する気負いもなく、ひとりの人間として対等な立場でフレディと接し、彼を懸命に愛した、その最初の出会いから最期の別れまでを綴ったラブストーリーであり、その誠実な人柄と告白には心打たれずにはいられない。異性愛/同性愛を超えて、人が人を愛するということのなんと気高く「輝ける日々」であることか。その本のなかで、ジム・ハットンは、『輝ける日々』という曲について、また愛するフレディについてこんなふうに語っている。
「輝ける日々」の最後の数行が、いつも僕の心を強く揺さぶる。“あのころ僕らは生き生きしていた、人生に悪いことなどほとんどなかった。あの日々はもう遠い昔になってしまったけれど、ひとつだけいまもたしかなことがある。それはいまもきみを愛しているということ”。
フレディは僕が人生で一番愛した人だった。あんなに人を愛せることはもう二度とないだろう。たしかに彼は人を操るのが好きだったけれど、決して僕を変えようとはしなかった。僕も彼を変えようとは思わなかった。彼がだれだろうと、彼がなにをやっていようと、僕はフレディを愛しただろう。彼がすばらしい人間だという、ただそれだけのために。
『輝ける日々』のビデオクリップでフレディが着ていた衣装は、生前こよなく愛していた6匹の猫たちが描かれた お気に入りのベストだった。

【2001/11/26 江原・記】
(付記)2006年10月、新宿・武蔵野館で映画『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』が上映された。没後15年を記念して世界初公開されたこの伝記映画には、ジム・ハットンも姿を見せ、恋人フレディを追想している。フレディがもし生きていたら、今年60歳の還暦を迎えることになっていた。エンディングの曲『イン・マイ・ディフェンス』が切なく哀しい。
■Queen - These are the days of our lives■Freddie Mercury - In My Defence
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