GM: New study shows unborn babies could be harmed
(Independent 2006/01/08)遺伝子組み換え作物、栽培9000万haに
遺伝子組み換え作物の商業栽培面積は昨年、世界全体で約9000万ヘクタールとなり、前年に比べ11%増えた。
米国の国際アグリバイオ事業団が11日、発表した。1996年の商業栽培開始から10年間で50倍以上に拡大した。栽培する国は、フランス、ポルトガル、チェコ、イランが昨年加わり、計21か国となった。
栽培面積は米国(4980万ヘクタール)が最大で、アルゼンチン(1710万ヘクタール)、ブラジル(940万ヘクタール)、カナダ(580万ヘクタール)、中国(330万ヘクタール)の順。
除草剤への耐性や、害虫抵抗性の遺伝子を組み込んだ作物がほとんど。作物別では大豆が最も多く全体の60%を占め、トウモロコシ、綿、ナタネが多かった。
イネも、イランで害虫抵抗性の組み換え作物が、初めて商業栽培された。(読売新聞 2006/01/12)遺伝子組み換え食品:関係がないのに「不使用」、使用していても記載せず──表示
「組み換えではありません」と表示されていても、組み換え原料が混じるケースもある 遺伝子組み換え食品の表示制度ができて5年たった。遺伝子組み換え作物と全く関係ない海藻類などの食品にも「組み換え不使用」と表示するケースが目立つため、農水省は最近、こうした表示は法律違反、と指導し始めた。食品の種類によっても表示の仕方は異なり、組み換え表示のあり方が改めて問われている。【小島正美】◇違法目立ち農水省指導──施行から5年
昨年10月、王将フードサービス(京都市)が同社チェーン店で、コメやゴマを原料にした瓶入りラー油に「遺伝子組み換え原料不使用」と表示して、一般客に販売していることが分かり、農水省の指導を受けた。5年前から表示していたという。
現在、日本への輸入が認められている組み換え作物は(1)大豆(2)トウモロコシ(3)ナタネ(4)ワタ(5)ジャガイモ(6)テンサイの6品目。農水省表示・規格課は「これら6品目と関係ない食品に『組み換え不使用』と表示することは消費者に誤認を与え、違反です」と説明する。
JAS(日本農林規格)法に基づく「遺伝子組み換え表示にかかわる加工食品品質表示基準」には、「組み換え農産物以外の作物を原料にした加工食品は、組み換えでないことを示す用語を表示してはいけない」と明示されている。
これらの原料を使用している加工食品のうち、豆腐やポテトチップスなど30品目については表示が義務づけられている。しかし、表示対象外の食用油の場合、組み換えの大豆やナタネが使われている製品が多いが、何も表示されない。また、表示義務のある加工品でも、遺伝子組み換え作物の混入が5%以下なら「不使用」と表示できる。
EUでは組み換え原料を使用した場合は、どんな加工食品でも表示が義務づけられている。家畜の飼料も同じだ。混じった場合の混入比率は、0.9%以下と厳しい。
生活クラブ連合会(東京都新宿区)の冨田伸二常勤理事は「少なくともEU並みの基準にして、消費者が選べるようにすべきだ」と話す。
「食べても平気?BSEと食品表示」(集英社新書)の著者、吉田利宏さんは「組み換え作物が混じっているにもかかわらず『不使用』と表示されるのは正確さを欠く。分別・管理したという表示にすれば、より分かりやすいのでは」と話す。◇分かりにくい「対策済み」
「対策済み」という表示も論議になった。
組み換え作物を極力使わない方針の生活クラブ連合会は、組み換え原料を使っていない製品に「GM対策済み」と表示してきた。農水省から昨年、「GMが遺伝子組み換えを意味すると分からない人もおり、この表示は意味が分かりにくく、不適当だ」と指摘を受けた。
そこで2月からは、表示の欄外に「遺伝子組み換え(GM)対策=馬鈴しょ由来からGM農産物が流通していない甘藷(かんしょ)由来のクエン酸に変更」などと記すよう改め始めた。(毎日新聞 2006/03/21)遺伝子組み換え:セイヨウナタネ、除草剤2種に耐性 国内で交雑確認
異なる2種類の除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え(GM)セイヨウナタネが国内で交雑し、種子ができていることが22日、環境省の調査で初めて確認された。食用油の原料として輸入されたもので、発芽させた個体は2種類の除草剤でも枯れなかった。別の種子が発芽し自生している可能性も高いとみられる。同省や農林水産省は「直ちに生態系や農作物に影響はない」としているが、専門家からは「在来種との交雑に対する警戒を強めるべきだ」との声が上がっている。
環境省は昨年、静岡県・清水港や大阪府・堺泉北港など全国7港湾とその周辺の道路沿いや河川敷、さらに関東地方の河川敷の計117地点でセイヨウナタネや近縁種の在来ナタネ、カラシナの計473個体の種子を採取し、発芽させて調べた。
このうち三重県四日市港から約20キロ離れた旧河芸町(現・津市)内の国道23号沿いに自生していたセイヨウナタネの種子を発芽させた個体は、異なる2種類の除草剤を散布しても枯れなかった。さらに葉のDNAを調べ、2種類の除草剤に耐性を持つことを確認した。
これを含め、同港や福岡県・博多湾周辺の計7地点12個体のセイヨウナタネが、除草剤耐性のGMであることが分かった。在来ナタネやカラシナとGMナタネとの交雑は確認されなかった。
GMセイヨウナタネの自生は、農水省が04年6月に茨城県・鹿島港周辺で初めて確認。その後、全国の輸入港周辺で相次いで見つかった。【江口一】(毎日新聞 2006/06/22)遺伝子組み換え大豆:子ラット6割死ぬ 胎内、生後に摂取----ロシア科学アカデミー
ロシア科学アカデミー高次機能・神経行動学研究所のイリーナ・エルマコバ博士が、親ラットに遺伝子組み換え大豆を混ぜた餌を食べさせ、生まれた子ラットにも与える実験をしたところ、生後3週間までに約6割の子ラットが死んだ。遺伝子組み換え大豆の慢性毒性の可能性を示す初めての研究結果といい、6日に大阪市で開く講演会で報告する。
現在、大豆やトウモロコシなど遺伝子組み換え作物は日本でも大量に使われている。だが内閣府の食品安全委員会が定める安全性評価基準では、動物で安全性を確認する実験の義務はなく、慢性毒性などの実態はほとんど分かっていない。
イリーナ博士は、遺伝子組み換え大豆の粉末を毎日5〜7グラム混ぜた餌を親ラットに交配の2週間前から食べさせ、妊娠中や授乳中も与えた。さらに、生まれた子ラットにも同じ餌で飼育した。
その結果、生まれた子ラット45匹のうち、生後3週間までに25匹が死んだ(死亡率55.6%)。一方、通常の大豆を混ぜた餌の場合、生まれた子ラット33匹のうち、死んだのは3匹(同9.1%)だけだった。【河内敏康】遺伝子組み換え作物に詳しい金川貴博・京都学園大教授(環境微生物学)の話 遺伝子組み換え作物による慢性毒性の調査例は少なく、子どもへの影響について初めて示した点で注目される。ただちに人間に当てはまるものではないが、遺伝子組み換え作物の安全面の研究を国が率先して実施する必要がある。(毎日新聞 2006/07/06)
米モンサント、綿花種子の最大手を15億ドルで買収
【シカゴ=山下真一】米農業大手モンサントは15日、綿花種子の最大手デルタ・アンド・パイン・ランドを総額15億ドルで買収すると発表した。モンサントは綿花種子で全米シェアの5割以上を握ることになる。1998年にも19億ドルで買収を計画したが、当局の承認が遅れ、いったん買収を取りやめていた。
モンサントは遺伝子組み換えの種子事業を強化している。大きなシェアを握る大豆、トウモロコシに続き、高い成長性の見込める綿花に照準を合わせていた。(日本経済新聞 2006/08/16)遺伝子組み換え作物 10都道府県が独自規制
遺伝子組み換え(GM)作物の野外栽培を、自治体が独自に規制する動きが全国に広がっている。朝日新聞社の調べでは、東京、新潟、兵庫、徳島など10都道府県が、条例やガイドラインを定めていた。既成の作物との交雑や混入を防ぐのが主な目的だ。だが、GM作物には安全性や環境への影響に対する懸念も根強く、各自治体には農産物のブランド保護やトラブル回避という思惑もある。国の統一したルールを求める声も出始めた。
条例で規制しているのは5道府県。今年1月の北海道を皮切りに、4月に千葉、京都、徳島、5月には新潟が施行した。ガイドラインは5都県。茨城、滋賀、岩手が04年に制定したほか、今年4月に兵庫、5月には東京が策定した。
市レベルにも広がっており、茨城県つくば市が9月にガイドラインを施行するほか、愛媛県今治市は条例案を9月議会に提案する方針だ。
野外栽培を規制するのは、GM作物の花粉が飛んできて交雑する可能性があるからだ。北海道の条例は、GM作物を栽培する場合、隣接する同種の作物の畑や田との隔離距離を、イネは原則300メートル以上、テンサイは2000メートル以上、トウモロコシは1200メートル以上などと定めた。農林水産省系の試験研究機関の実験栽培指針の倍程度の距離を求めている。
規制内容が特に厳しいのは、農業が主産業の北海道や、ブランド米のコシヒカリをもつ新潟県。違反者に1年以下の懲役や罰金50万円以下という罰則規定を盛り込んでいるほか、野外で栽培実験を行う試験研究機関は「届け出制」、農家の一般栽培は「許可制」としている。
新潟県は厳しい規制を設けた理由を「交雑があってからでは、もう対応できないからだ」(農業総務課)と説明する。
規制の背景には自治体のイメージ戦略もある。いったん交雑や混入が起きると、実害の大きさにかかわらず、イメージの悪化による市場価格下落などの経済的被害を被りかねないためだ。
徳島県は「産地間競争に対応するための県産農産物のブランド化戦略の一環」(とくしまブランド戦略課)と消費者のイメージ重視を強調。京都府も、京の伝統野菜のブランドイメージを保つことが狙いだという。
GM反対派の農家や消費者とのトラブル回避という側面もある。北海道や新潟県、つくば市などでは、試験研究機関の栽培実験計画などに地元農家や生協関係者、消費者らが強く反発した。
GM作物の栽培は、生物の多様性を確保するためのカルタヘナ法などで規制され、野外栽培できるのはイネ、トウモロコシ、大豆、カーネーションなど91品種(一部条件付き)。さらに食品衛生法や飼料安全法による安全性審査などを通った品種なら、民間企業や農家は法的には自由に作付けできるが、国内ではまだ商業栽培の例はない。
農林水産省農産安全管理課は「法律でGM作物の安全性は担保されているが、作らないというのは地域の選択。規制をやめろという話ではない」としている。だが、自治体関係者からは「今は地域ごとにバラバラ。国が一般栽培のルールを定めるべきだ」という声も出ている。<遺伝子組み換え(GM)作物> 通常の品種改良は交配を重ねて行うのに対し、遺伝子を組み換えて品種改良した作物を指す。94年に米国で開発されたトマトが実用化第1号とされる。本格的な商業栽培は96年から。農水省によると、05年時点で計21カ国で栽培されているという。日本は04年2月、GM作物の環境への影響を避けるため、栽培するには農水相、環境相の承認を受けなくてはならないなどとしたカルタヘナ法を施行。食品衛生法などの規制もあるが、長期的に食べたときの安全性や自然界への影響などに消費者の不安感も強く、国内の商業栽培はなく実験レベル。(朝日新聞 2006/08/19)
遺伝子組み換え米:米国の商業用米に混入 厚労省が調査
安全性審査を経ていない遺伝子組み換え米(長粒種)が、米国の商業用米に混入していたことがわかった。輸入米国産米はすべて中粒種か短粒種で、コメとしては国内に流通していないものの、加工品の実態は不明なため、厚生労働省が調査を始めた。同省監視安全課によると、混入していたのは除草剤への耐性があるたんぱく質を生成するよう遺伝子操作された長粒種。このたんぱく質自体は、米国で安全性が確認されており、同課は「安全性に問題はないと考えている」としている。(毎日新聞 2006/08/19)EU:米産「長粒種」を輸入禁止 「組み換え」混入で
欧州連合(EU)欧州委員会は23日、米国産で安全性が確認されていないコメ(長粒種)の輸入を禁止するとの声明を発表した。米国で安全性の審査を受けていない遺伝子組み換えの商業用コメが微量検出されたことを受けた措置。
日本は同じ種類のコメの輸入を停止している。米当局から18日に受けた検出結果の中に「汚染」の規模などが明示されておらず、欧州委は「緊急措置を取るのは当然だ」と不快感を表明した。
EUでは一部のトウモロコシ、菜種などを除き、遺伝子組み換え食品の販売は禁止されている。ロイター通信によると、米国から欧州向けに昨年、約30万トンのコメが輸出され、その85%が長粒種だった。(ブリュッセル共同)(毎日新聞 2006/08/24)米6州のコメ農家、GM米混入でバイエル・クロップサイエンスを提訴
【ロサンゼルス28日ロイター】米国から輸出された商業用長粒米に未認可の実験用遺伝子組み換え(GM)品種が混入していたことが判明した問題で、米6州のコメ農家は、米国のコメ作物を汚染した責任でバイエル・クロップサイエンス<BAYG.DE>を提訴した。農家側の弁護士が28日明らかにした。
法律事務所が発表した声明によると、アーカンソーとミズーリ、ミシシッピ、ルイジアナ、テキサス、カリフォルニア各州のコメ農家は、アーカンソー州東部地区の連邦地方裁判所に訴えを起こした。
原告側は、バイエルが、食用に認可されていないGM米が他の食物連鎖に混入するのを防ぐのを怠ったと指摘。その結果、日本や欧州連合(EU)が米国産コメ輸入に厳しい制限を設けることとなり、米国産コメ価格が大幅に下落したと訴えている。(ロイター通信 2006/08/29)遺伝子組み換え米:米産長粒種問題 輸入雑穀に混入恐れ
米国産の長粒種米に未承認の遺伝子組み換え(GM)品種が混入していた問題で、製粉大手の日本製粉が米国から輸入した原料用雑穀の中に長粒種米を砕いたものが約7%含まれていたことが31日分かった。問題の品種ではないことが確認できていないため、同社は厚生労働省と農林水産省に報告するとともに、この原料を使った製品在庫約8トンの出荷を停止した。
日本製粉によると、5月に輸入した3.4トンの原料に長粒種米が混入していた。同社は以前からこの原料を他の粉と混ぜ菓子用などに出荷していることから、出荷先に使用しないよう連絡した。
問題の品種はバイエルクロップサイエンス社が開発した「LLRICE601」で、米農務省が8月18日、混入が見つかったと発表。601は日本で安全性審査を受けていないことから、政府は米国からの長粒種米の輸入を停止した。日本は米国から長粒種の玄米や精米は輸入していないが、米粉など加工品を年間約3万トン輸入しており、これに長粒種が含まれている可能性がある。
政府は現在、輸入済みの米粉などに長粒種が含まれていないか調査中。関係業界には、長粒種でないと確認されない米粉などが流通しないよう指導している。米側は601の安全性は「問題ない」としている。【位川一郎】(毎日新聞 2006/09/01)遺伝子組み換え作物:今も続く安全性論議 ロシア人科学者の発表に疑問多く
◇組み換え大豆食べたラット群の子「52%死ぬ」…疑問多く
遺伝子組み換え作物の栽培が米国で始まり、日本で流通し始めて10年。安全性の論議は今も続いている。今夏、日本で注目を集めたロシア人科学者の研究結果を中心に、論議の最前線を探る。【小島正美】
◇免疫への影響、発がん性、家畜や魚肉への遺伝子移行…国内でもさまざまな実験、「異常なし」の報告
組み換え作物の安全性論議に一石を投じたのは、ロシア科学アカデミー高次神経機能・神経生理学研究所のイリーナ・エルマコバさん。7月に市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(東京)などの招きで来日し、各地で講演した。
エルマコバさんは昨秋、3群のラットに▽遺伝子組み換え大豆▽通常の大豆▽通常の飼料──を与えたところ、組み換え大豆を食べた群の子ラットの約52%が死んだ、と発表した。
組み換え作物を食べた動物が大量に死んだという報告は過去になかったため、注目されたが、厚生労働省はすぐに「えさの栄養組成がはっきりしないなど実験に不備が多く、科学的な根拠に乏しい」とホームページで反論を載せた。英国食品基準庁も実験を疑問視する声明文を出した。
「そもそも審査のある科学雑誌に論文が出ていない」(唐木英明・東大名誉教授)「ラットの体重にバラツキが多過ぎ、飼い方に問題がある」(青山博昭・残留農薬研究所生殖毒性研究室長)など、専門家からも疑問の声が相次いだ。
実は、同様の実験は国内の研究機関も実施している。
東京都健康安全研究センターはラットに組み換え大豆を2年間与え、影響を調べた。えさに混ぜた組み換え大豆は、人の摂取量に換算すると1日約570〜730グラムにもなる。その結果、生存率は通常の大豆を与えたラットと差がなかった。
国立医薬品食品衛生研究所(東京)もラットとマウスで実験し、免疫への影響や発がん性などを調べたが、「悪影響は出ていない」という。
また、飼料添加物の安全性などを調べている「日本科学飼料協会」(東京都)は00〜03年、組み換え大豆やトウモロコシを肉牛、乳牛、豚、ブロイラー、採卵鶏に与える実験をした。牛の胃や血液の異常、乳量や産卵量への影響、肉や乳、卵への組み換え遺伝子の移行などを調べたが、いずれも「異常はなかった」としている。
さらに組み換え作物は養殖魚のえさにも混じっていることから、昨年、カンパチに組み換え大豆とトウモロコシを8週間与える実験を実施。魚肉に組み換え遺伝子は移行していなかったという。
ただ、安全性に関する論議が起こり、消費者に不安が生じた場合「早急に公的な検証が必要」との指摘もある。化学物質や組み換え作物などのリスクをどう伝えるかを研究する東京大学非常勤講師の西澤真理子さんは「食品安全委員会が市民と専門家を集めて議論する体制を整えれば、論点がはっきりする」と、同委員会の役割を期待している。(毎日新聞 2006/09/13)遺伝子組み換え米:米産コメ、混入有無を検査──農水省
米国で販売用の米に未承認の遺伝子組み換え品種(LLRICE601)が混入していた問題で、農林水産省は27日、国家貿易で今後輸入する米国産米と、輸入済み米国産米の在庫について、「601」が混入していないか検査を始めた。
「601」は長粒種で、日本が米国から輸入しているのはすべて中・短粒種であるため、混入の可能性は非常に小さいが、念のため調べるという。【位川一郎】(毎日新聞 2006/09/27)遺伝子組み換え米:米産長粒種問題 日本製粉が製品在庫を廃棄へ
製粉大手の日本製粉は28日、長粒種米を含んだ輸入原料から作った製品在庫約5トンを廃棄する方針を明らかにした。米国で販売用の長粒種米に未承認の遺伝子組み換え品種(LLRICE601)混入が見つかったのを受け、8月から出荷停止していた。原料の輸入が5月で製品が古くなったため廃棄を決めたという。検査はしていないが、「『601』ではないと確信している」と話している。
米国から輸入された米加工品について厚生労働省が全国調査をしたが、長粒種の混入例はこの1件だけだったことが分かっている。【位川一郎】(毎日新聞 2006/09/29)遺伝子組み換え米:米国産米の在庫、組み換え品種の混入ゼロ──農水省
米国で販売用の米に未承認の遺伝子組み換え品種(LLRICE601)が混入していた問題で、農林水産省は30日、輸入した米国産米の在庫(111万トン)すべてを対象にサンプル検査した結果「601」の混入はなかったと発表した。(毎日新聞 2006/10/31)遺伝子組み換えのコメを承認=混入問題の長粒種で−米農務省
【ワシントン24日時事】承認前の遺伝子組み換え(GM)長粒米品種「LLRICE601」が米国のコメ市場に混入した問題について、米農務省は24日、安全性が確認されたとして、同品種を承認した。これにより同省の監視下でなくても栽培が可能となる。
LLRICE601は、ドイツの医薬品大手バイエルのバイオ会社「バイエル・クロップサイエンス」が開発した。まだ試験段階だった今年8月中旬に少量の市場流出が発覚。同省は当初から安全性に問題がないと強調していたが、日本は約1カ月、米国産長粒種米の輸入を停止した。(時事通信 2006/11/25)比で遺伝子組み換えの米国産のコメが流通
【マニラ新聞特約28日】環境保護団体、グリーンピースは28日、ケソン市で記者会見を行い、比人向けの販売が認可されていない米バイエル社の遺伝子組み換え(GM)米、LLライス601(LL601)を含む食用米が、比各地のシューマート(SM)やロビンソン、ショップワイズなどのスーパーマーケットで販売されていると明らかにした。
同団体によると、LL601が含まれる商品名は「Uncle Sam Texas Long Grain Rice」。値段は約10キロ370ペソで売られているという。米国産LL601は、欧州連合(EU)、ロシア、日本などは輸入規制をしているという。
グリーンピース東南アジア事務局のオカンポ遺伝子組み換え食品担当は、今月7日、日本の民間企業に同GM米のサンプルを送り、検査の結果、LL601を含んでいることがわかったという。同担当は、「政府は国民への警告、市場から米国産の米、米製品の回収を行うべきだ」とし、米国産米の安全性が確認されるまで輸入を禁止すべきだと強調した。
日本の国立医薬品衛星研究所によると、LL601は、除草剤への耐性を持たせたGM米。(日刊べリタ 2006/11/29)5世代の鶏から薬効成分 遺伝子組み換えで英研究所
【ロンドン14日共同】英北部のロスリン研究所のチームが、遺伝子を組み換えたニワトリを5世代にわたって飼育し、がん治療薬などに使える成分を卵に分泌させることに成功した。治療薬を安価に大量生産する道を開く可能性があるという。14日付の英日曜紙サンデー・タイムズが報じた。
15日付の米科学アカデミー紀要に発表される。ロスリン研究所は、世界初の体細胞クローン羊「ドリー」を誕生させたことでも知られる。
同紙によると、治療に使えるたんぱく質をつくり出すヒトの遺伝子を雄のニワトリのDNAに組み込んだ。この雄と交配した雌のニワトリが産んだ卵の白身から必要なたんぱく質を抽出。世代を重ねても、この遺伝子が受け継がれたことが確認されたという。
ニワトリの遺伝子組み換えはこれまでも行われたが、世代を重ねるうちに必要なたんぱく質の分泌能力が失われていた。
同研究所ではニワトリ500羽を飼育。一群は、多発性硬化症の治療に使われるものに近いインターフェロンを、別の群は皮膚がんなどの治療に有効な抗体をつくり出している。(共同通信 2007/01/15)中国産ビーフンなどに遺伝子組み換えコメ使用…初検出
厚生労働省は26日、昨年10〜12月に中国から輸入されたコメの加工食品に、日本では安全性が確認されていない遺伝子組み換えのコメが初めて検出されたと発表した。
神戸港(兵庫県)に輸入されたビーフン2.3トンと、四日市港(三重県)に輸入されたもち米の粉540トンをDNA検査したところ、害虫への抵抗力を強める遺伝子が組み込まれていたことが判明。食品衛生法に基づいてすべて処分し、流通はしていない。ただ、同様の加工食品がすでに国内に流通した可能性もある。
同じ作用がある遺伝子はトウモロコシに使用されており、厚労省は「健康に及ぼす影響は少ないと思われる」としている。 (読売新聞 2007/01/27)遺伝子組み換え作物、全世界で栽培面積1億ha突破
遺伝子組み換え作物の2006年の商業栽培面積は、世界全体で1億200万ヘクタールとなり、初めて1億ヘクタールを超えたことが、米国の民間団体「国際アグリバイオ事業団」の調査で分かった。
前年より13%も増えた。
栽培国は、スロバキアが加わり、計22か国になった。最も栽培面積が大きかったのは米国で、次いでアルゼンチン、ブラジル、カナダの順。インドは、害虫抵抗性のワタの栽培が前年の約3倍に急増し、中国を抜き5番目になった。
最も広く栽培されている作物は大豆で、全体の57%。トウモロコシ、ワタ、ナタネと続いた。イランではコメも栽培されている。
全体の68%は除草剤耐性で、19%が害虫耐性、残りは両方の性質を併せ持つ作物だった。
日本を含む51か国で、食糧として輸入が認められている。(読売新聞 2007/01/22)遺伝子非組み換え品供給に黄信号=穀物高騰で米農家が作付け敬遠
【シカゴ24日時事】米国でのエタノールブームを背景とした穀物相場高騰のあおりで、日本向けの遺伝子非組み換え(非GM)のトウモロコシや大豆の供給に黄信号が点滅している。米国の農家が収入面での魅力が小さくなった非GM品の作付けを敬遠しつつあるためで、日本の大手商社などは農家に対する作付け継続の説得に追われている。
「今後は、GMトウモロコシをできるだけ多く作りたい。手間もかかり、単位当たり収量も少ない非GM品に対して、誰も十分な価格を支払ってくれないからだ」と語るのはイリノイ州のある農家。実際、今年から非GMの作付けをやめる農家も多いようだ。(時事通信 2007/02/24)米国:人の遺伝子組み込んだコメ、農務省が商業栽培を認可
【ワシントン共同】人間の遺伝子を組み込んだコメの商業規模での栽培を米農務省が基本的に認めたと、米紙ワシントン・ポストが報じた。カリフォルニア州のバイオ企業が申請していた計画で、下痢止めの薬効があるタンパク質を抽出するのが目的という。花粉が飛散してアレルギーの原因になったり、ほかの食用のコメに遺伝子が広がったりする可能性が市民団体などから指摘されている。
計画しているのはベントリア・バイオサイエンス社。抗菌作用のあるタンパク質ラクトフェリンやリゾチームをつくる遺伝子をコメに組み込み、中部カンザス州で約1300ヘクタール栽培する。収穫したコメはその場ですりつぶして有用成分を抽出、ヨーグルトなどの健康食品への添加用や薬として利用する。
申請を受けて環境影響評価をした農務省は「特に危険性はない」として基本的に承認、一般からの意見を聴く手続きに入った。(毎日新聞 2007/03/07)成長や内臓機能に影響か 組み換えトウモロコシ
米化学品大手モンサント社が開発した特定品種の遺伝子組み換えトウモロコシを食べさせたラットは、食べさせない場合に比べ、成長や腎臓の機能などを示す数値に明らかな差が生じていたとする結果をフランス・カン大学などの研究チームが14日までにまとめ、米国の専門誌に発表した。
同社による安全性に関する実験データをあらためて解析したもので、研究チームは「データからは、このトウモロコシが安全だとは結論付けられない。毒性がある可能性がある。哺乳(ほにゅう)類を使った新たな長期間の実験が必要だ」としている。
この品種は、既に日本や欧州連合(EU)、米国などで食品用や飼料用として承認されており、日本では飼料として流通しているという。
この結果を受け、EU欧州委員会は、欧州食品安全機関に研究内容の詳しい分析を要請。日本の食品安全委員会も情報を収集している。
同社の子会社、日本モンサントは「過去に欧州食品安全機関などで安全性に問題はないとの結論が出ている」と反論している。
問題のトウモロコシは同社の「MON863」で、土壌中の害虫などを殺す毒素をつくる遺伝子を組み込んである。
研究チームは、同社が許可申請のため過去に欧州委員会に提出したデータを再評価。組み換えトウモロコシを食べさせたグループでは、体重が雄で3.3%減少、雌では逆に3.7%増加していたことが分かった。
さらに中性脂肪のトリグリセリドは雌で24―40%増加、尿中へのリンとナトリウムの排出量は雄で31―35%減少していたなどの結果が得られた。
研究チームは「これらのデータは、肝臓と腎臓への毒性がある可能性を示している」と指摘している。(共同通信 2007/06/14)中国のグリコ製品などに遺伝子組み換え原料 NGO指摘
国際的な環境NGO(非政府組織)のグリーンピース(北京)は14日、江崎グリコやドイツ系企業が中国で製造・販売する食品の一部から、遺伝子組み換え技術を使ったトウモロコシや大豆などに含まれる成分を検出した、と発表した。グリーンピースは、「中国ではこうした原料の表示義務はないが、中国外で使用を避けている原料は、中国でも同様に対応すべきだ」と主張している。
調査は、グリーンピースが香港の検査所に委託して独自に行った。プリッツなどについて指摘されたグリコは「中国でも日本で表示義務があるものについては使わず、表示義務がないものもできるだけ使わないという日本国内と同じ考えで対応している。改めて自社で調査する」(広報担当)としている。(朝日新聞 2007/06/14)バラの香りのトマト=遺伝子組み換えで開発−イスラエル
バラやレモンに似た香りのするトマトを遺伝子組み換え技術で開発したと、イスラエルの農業研究機関や米ミシガン大などの研究チームが25日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジーの電子版に発表した。微生物への抵抗力も強くなるため、店頭での日持ちも良くなるかもしれないという。
研究チームは、料理に使われるハーブ類、レモンバジルの「ゲラニオール」合成酵素遺伝子をトマトに組み込んだ。その結果、ゲラニオールからバラやレモンに似た香りのさまざまな物質が生み出された。ただ、健康に良い抗酸化作用がある赤い色素「リコピン」は減り、赤みが薄くなった。
一般の37人に普通のトマトと比べてもらったところ、7割が食べた際の香りが強いと答え、6割がより好きだと回答したという。(時事通信 2007/06/25)「毒性ない」と欧州機関 米社の組み換え作物で論争
米化学品大手モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシが毒性を持っている恐れがあるとフランスの研究チームが論文で指摘した問題で、論文の内容を精査していた欧州食品安全機関は11日までに「論文は安全性に関する新たな疑問を示すものではなく、(過去に同機関が出した)毒性はないという判断は変わらない」との結論を公表した。これに対し研究チーム側は反論している。
論文は、同社のラットの実験データを研究チームが再解析したもので、米国の専門誌に発表された。害虫を殺すよう遺伝子を組み換えた品種「MON863」を食べたグループは、食べないグループに比べて内臓機能の数値などに差があり「安全とは言えない」と指摘している。
同機関は統計の専門家らを集め、論文の解析手法を精査。その結果、トウモロコシを食べた場合に一部の項目で差が出たのは、統計的に偶然の現象でトウモロコシが原因ではないとし、研究チームの解析手法には不備があると結論付けた。(共同通信 2007/07/11)イネ遺伝子:いもち病に強い遺伝子、農業生物資源研が発見 新品種開発に期待
いもち病などに極めて強い防御機能を持つイネの遺伝子を農業生物資源研究所(茨城県つくば市)が世界で初めて発見し、17日発表した。コムギなどイネ以外のイネ科作物にも利用可能。遺伝子組み換えにより、農薬使用を大幅に抑えられる新品種開発が期待される。研究チームは、病害防除薬ベンゾチアジアゾール(BTH)が、植物自体の持つ病害抵抗機能を活性化させることに注目。メカニズムを解析し「WRKY(ワーキー)45」という遺伝子が、BTHによって活性化された抵抗機能の中心的な役割を担っていることを突き止めた。【石塚孝志】(毎日新聞 2007/07/18)ダウ・ケミカル、米モンサントとトウモロコシ種子開発で提携
米化学大手ダウ・ケミカルは14日、米種子大手モンサントと技術提携すると発表した。遺伝子組み換え(GM)技術を相互に利用し、トウモロコシの種子を開発する。8種類の遺伝子を組み合わせたGM種子を生産できるようになり、害虫、農薬に強いなど複数の機能を備えた種子を2010年までに商業化する計画。現在は3種類程度の遺伝子を組み合わせたものが主流という。(米州総局)(日本経済新聞 2007/09/15)組み換え菜種、各地で自生 11府県、在来種と交雑の恐れ
特定の除草剤に耐性を持たせた米化学品大手モンサント社などの遺伝子組み換え菜種が、千葉や大阪、福岡など全国11府県で自生していることが、各地の生協などが今年実施した2件の調査で5日までに分かった。
港での陸揚げ時や輸送途中で種子がこぼれ落ちて育ったとみられる。熊本県と鹿児島県では今回初めて見つかり、拡散が進んでいる実態がうかがえる。三重県内では国道付近の畑のあぜや水田でも確認され、耕作地に侵入しつつある現状も明らかになった。
遺伝子組み換え菜種は、在来品種と交雑する「遺伝子汚染」の危険性や、近縁の白菜やカブ、高菜などと交雑する恐れが指摘されている。
調査は、各地の生協などと「農民連食品分析センター」(東京都)がそれぞれ、輸入菜種の陸揚げ港周辺や港からの国道沿いなどで実施した。
調査結果を総合すると、見つかったのはいずれも除草剤耐性の組み換え菜種で、モンサント社の品種が10県で、バイエルクロップサイエンス社(ドイツ)のものが10府県で見つかった。
初めて見つかった熊本、鹿児島両県では、飼料工場近くで自生していた。工場で油を搾った後、飼料工場に運ぶ際、搾りかすがこぼれ落ちて繁殖したらしい。
生協などの調査結果をまとめた「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠啓祐代表は「搾りかすを使う飼料工場の近くで見つかるとは思わなかった。搾りかすは肥料にも使われるので、全国どこでも自生の可能性があるのではないか」と話している。
組み換え作物の自生 運搬の際のこぼれ落ちなどによる遺伝子組み換え作物の自生は、2004年に初めて菜種の事例が公表された。最初は陸揚げ港周辺だったが、その後、港から数十キロ離れた国道沿いなどにも広がっていることが判明した。2種類の組み換え菜種の遺伝子を併せ持つものも発見され、研究者は国内で交雑した可能性を指摘している。組み換え菜種の大半はカナダから輸入、主に搾油や飼料用として使われる。トウモロコシや大豆でも組み換え作物の自生が見つかっている。(共同通信 2007/10/05)遺伝子組み換え:千葉大が違反 文科相の確認なしに実験
文部科学省は18日、遺伝子組み換え生物の使用時に必要な文科相の確認を受けずに実験を行ったとして、千葉大学(千葉市稲毛区)に厳重注意した。
同省などによると05年1月〜07年3月、同大大学院医学研究院(同市中央区)が「遺伝子組み換えワクシニアウイルス」をマウスに接種した。法令では使用時には、外部拡散防止が適切かを文科相が確認する必要がある。同ウイルスは軽い風邪のような症状が出る場合があるといい、実験後は適切に処理された。
研究院は同大の内規通り実験を申請したが、申請を受けた学内委員会が文科相の確認は必要ないと誤って判断したという。(毎日新聞 2007/10/18)“遺伝子組み換え作物”中国進む技術開発 コメ商業栽培もう一歩
中国で、遺伝子組み換え作物の栽培が拡大している。現在のところ、害虫に強い遺伝子組み換え綿が中心。主要穀物であるコメについても、試験栽培が終わり、商業栽培までもう一歩のところにきている。このほど来日した中国科学院・中国農業政策センターの黄季焜(こうきこん)所長は「組み換え技術は食糧や環境問題に対処するため重要性を増している」と話している。(杉浦美香)遺伝子組み換え作物は1996年に、米国で除草剤に強い大豆の商業栽培が始まって以来、世界各国に広がり、2006年にはブラジルやカナダなど22カ国で栽培。中国では1986年ごろから、遺伝子組み換え技術の研究に力を入れ、栽培面積は360万ヘクタールで世界第6位。そのほとんどが綿の栽培だ。これにより綿農家の農薬使用量が減り、収益増加にもつながったという。
中国の組み換え技術研究予算は年々増加、2003年には約2億ドル(228億円、家畜研究も含む)にのぼった。組み換え技術研究の最先端である米国に留学した研究者の帰国を促進するなどして、自国の技術開発に取り組んでいる。当初、米国の技術を使った組み換え綿の種子を使用していたが、現在では自国の技術による種子で大半を栽培。綿以外の栽培量はわずかだが、ペチュニア、パパイアなど6作物176品種が商品栽培の認可を受けている。
主食であるコメの研究は約20年前から始まった。02〜04年には湖北省と福建省で大規模試験栽培を実施。翌05年には商品栽培が認可されると予測されていたが、今のところ認可には至っていない。
ただ、実際には試験栽培の組み換え米が市場に流通し、欧州や日本でも、ビーフンなどのコメ加工品に見つかり、問題になった。
また、水不足に悩む中国は干魃(かんばつ)対策として水の量が少なくてすむコメなどの作物開発に力をいれているほか、バイオエタノールに加工しやすい草の研究にも着手している。
黄所長は「干魃対応の作物開発は地球温暖化が進む中、食糧の安全保障の観点で重要だ。開発は難しく、海外の技術を導入すれば早期に実現するが、外国の技術だけに頼ることは何かあれば国益を脅かすことにつながりかねない。自国の技術開発が課題だ」としている。
一方、日本では、他の種への影響やアレルギーなどを懸念する消費者の反発を恐れ、組み換え作物の商業栽培は行われず、実用化では大きく出遅れている。
農業生物資源研究所の田部井豊氏は「お隣の中国の遺伝子組み換え技術開発状況に焦りを感じる。試験栽培も難しい状況では日本から研究が自由にできる国への頭脳流出の恐れもある。食料自給率(40%)が低い日本は、もっと戦略的に遺伝子組み換え作物の利用を考える必要があるのではないか」と話している。<遺伝子組み換え作物> 有用な遺伝子を組み込むことによって、病気や害虫に強いなどの新しい性質の作物を作り出すことができる。交配を繰り返す従来の品種改良と違って、短期間に効率的に新しい品種を作り出すことが可能。栽培するには、人体にアレルギーを引き起こさないか、他の植生物に影響しないかを農林水産省や環境省、厚生労働省などが審査、10作物91品種が認可されている。しかし身体への影響を懸念する消費者団体の声もあり、日本では商業栽培されていない。(産経新聞 2007/10/28)
遺伝子組み換えコメ:中国「最終段階」
【北京・共同】中国農業省当局者は25日、記者会見し、中国が遺伝子組み換えコメ(水稲)の研究を進めていることを明らかにした。研究は順調に進んでおり、安全性評価について「最後の段階」に入っている一方、最終的な結果が出ておらず、市場には出回っていないとしている。
農業省によると、中国で商業化が許可された遺伝子組み換え作物は綿花、トマト、タバコ、漢方薬などに用いられるアサガオの4種類。実際に商業生産されているのは、ほとんどが綿花という。(毎日新聞 2008/02/03)フランス:遺伝子組み換えトウモロコシを栽培禁止
【パリ福井聡】フランス政府は9日、米・モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ「MON810」の仏国内での栽培禁止を発表した。仏国内では2万ヘクタール以上で栽培されており、一部農民は裁判で禁止解除を訴える構えだ。
遺伝子組み換え作物に関する諮問委員会のルグラン委員長は「害虫、ミミズ、微生物への否定的影響を証明する事実が浮かんだ。また、花粉が予想を超え数百キロも飛んでいることへの懸念もある」と指摘している。
MON810は害虫の殺虫性に優れ収穫増が見込め、欧州連合(EU)が承認したことで数年前からフランスも導入。昨年はEU内でスペインの7万5000ヘクタールに次ぐ2万2000ヘクタールで栽培された。仏トウモロコシ生産者組合によると、禁止命令がなければ今年は10万ヘクタールで栽培予定で、同組合は禁止命令による損害を1000万ユーロ(約15億6000万円)とし、一部組合員の提訴を示唆している。(毎日新聞 2008/02/10)韓国が初めて遺伝子組み換えトウモロコシ輸入へ
【シカゴ27日ロイター】韓国は初めて、食用として遺伝子組み換え作物(GMO)のトウモロコシ輸入に踏み切るが、消費者団体の反発は必至とみられている。
世界的に小麦、トウモロコシなどの穀物価格が急騰し過去最高値を付けているため、各国政府は安定供給が確保されないことやインフレなどへの警戒感を強めており、現在GMOの利点と安全性が争点になっている。
国内でコーンスターチと砂糖など90%近くを取り扱う韓国の複数の業者は26日、スターチや甘味料などに使用するため米国産GMOトウモロコシ5万トンを5月に輸入することを明らかにした。
韓国最大の消費者団体は「これらの企業がGMOトウモロコシを輸入すれば不買運動を展開する」としている。
アジアではこれまで、GMOトウモロコシを輸入していなかったのは韓国と日本だけだったが、シカゴの業者の間では、日本も韓国に続き、GMOトウモロコシ輸入に踏み切る可能性があるとの見方が出ている。
ある米国のトウモロコシ業者は「日本が今年夏に同様なことをする観測が出ている」と述べた。(ロイター通信 2008/02/27)遺伝子組み換え作物 12年で農地70倍に
世界で遺伝子組み換え作物の栽培が本格的に始まってから2007年までの12年間で生産国が23カ国に増え、作付面積も約1億1430万ヘクタールと約70倍に急拡大したことが8日、遺伝子組み換え作物の普及を推進する米民間非営利団体の国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の調査で分かった。
遺伝子組み換え作物は、消費者の健康や生態系への影響に対する不安が根強い。しかし、世界的に穀物価格が高騰する中で(1)異常気象や病虫害に強い(2)除草剤の使用量が減る(3)収穫量も増える?とされる点など生産性向上を優先し、インドや中国など新興市場国、途上国を中心に作付面積が著しく伸びている。
日本は商業栽培はしていないが、食用、飼料用に輸入している。
遺伝子組み換え作物の普及は、収穫量を増大させて穀物価格を引き下げ、食品インフレの沈静化につながるとの見方もある。石油代替エネルギーのバイオ燃料の原料にも活用されている。
ISAAAによると遺伝子組み換え作物の作付面積は商業栽培が始まった1996年に米国、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアの4カ国などで166万5000ヘクタール。その後拡大を続け、07年は世界の耕地面積の8%を占めるまでになった。
07年の国別の作付面積は米国が5770万ヘクタールと世界の約半分を占め、100万ヘクタール以上はアルゼンチン、ブラジル、カナダ、インド、中国など8カ国を数える。
遺伝子組み換え作物の全作付面積中の比率は、大豆が51%で最も多く、トウモロコシ31%、綿花13%の順。それぞれの農作物の全作付面積で遺伝子組み換え作物が占める割合は大豆が64%、綿花が43%、トウモロコシが24%だった。
栽培による経済的効果はこれまでに総額340億ドル(約3兆5000億円)に及ぶという。生産国以外に世界有数の食品輸入国の日本、ニュージーランドなど29カ国が輸入を認めている。<遺伝子組み換え作物> 遺伝子の一部を切り取り別の生物の遺伝子に組み入れる遺伝子組み換え技術の応用で品種改良などをした作物。1996年に米国で初めて商業栽培を開始。日本は商業栽培はしないが輸入しており大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、菜種、綿、テンサイ、アルファルファの7つの農作物が流通。遺伝子組み換え食品は商品ラベルに表示されるが原材料の重量中の割合が「上位3位以内で5%以上」でない加工食品などは表示を省略できる。(中日新聞 2008/03/09)
神戸大:廊下で大腸菌培養 遺伝子組み換え実験で──大学院医学研究科 /兵庫
神戸大は4日、大学院医学研究科(神戸市中央区)の50歳代の男性教授のグループが、法令に基づく遺伝子組み換え実験に関する大学規則に反し、実験室外の廊下で大腸菌の遺伝子組み換え実験の一部を行ったと発表した。神戸大は、大腸菌に病原性はなく、実験に使ったフラスコは密閉されており、人体への影響はないとした。
神戸大によると、遺伝子組み換え実験は、生態系に影響を与える恐れがあるため、法令で定められた拡散防止措置を施した実験室などの施設で行わなければならない。ところが、教授のグループは、昨年から今年3月にかけ、遺伝子を組み換えた大腸菌の培養実験を廊下に置いていた培養装置で行った。神戸大の調査に対し、教授は「実験室が狭くなったから装置を廊下に置いた」と説明したという。
今年3月に文部科学省に「不適切な実験が行われている」という内容の通報があり、神戸大は実験を中止させ、調査していた。【岩嶋悟】(毎日新聞 2008/04/05)遺伝子操作の大腸菌、下水に 神戸大教授が不法投棄指示
神戸大大学院医学研究科(神戸市中央区)の久野(くの)高義教授(57)の研究室(分子薬理・薬理ゲノム学)で、がん発症のメカニズムを研究するために遺伝子を組み換えた大腸菌や酵母を滅菌処理せず、違法に処分していたことがわかった。同教授によると、滅菌処理は手間がかかるため、院生らに違法な投棄を指示していたという。文部科学省は同大に調査と報告を求めている。
久野教授らによると、同研究室では、発がんの仕組みなどを調べるため、大腸菌や酵母の遺伝子を組み換えて培養。少なくとも4年ほど前から、大腸菌などが入った培養液や寒天状の培地を加熱処理して死滅させず、そのまま下水に流したり、一般ごみとして捨てたりしていたという。
遺伝子組み換え生物を扱う実験では、危険度に応じて管理方法が4段階に区分されているが、同研究室は危険度が最も低い「P1」レベルだった。遺伝子組み換え生物等規制法は、生態系へ影響を与えないよう、拡散防止措置を取らなければならないと定めている。違反すると、懲役1年以下か100万円以下の罰金と定められている。
久野教授は朝日新聞の取材に「実験に使っていた大腸菌が人体に無害であることから、安全だと過信して処理に手を抜いてしまった」と話している。同研究室には助教、助手、大学院生ら約25人が在籍している。
文部科学省生命倫理・安全対策室によると、3月17日に、処理について匿名の通報があり、神戸大学に調査を指示した。同大は今月4日、遺伝子を組み換えた大腸菌を廊下で違法に培養していたと発表。菌の処理方法については「調査中だが、流出は確認されていない」と説明していた。
大阪大微生物病研究所の菊谷仁所長(免疫学)は「遺伝子を組み換えた大腸菌は生命力が弱く、自然界に出してもすぐに死んでしまうが、環境や人間への実害がほとんどないからといって、違法に処理するのは、倫理上の観点からも問題がある」と話している。(朝日新聞 2008/04/11)食糧:遺伝子組み換え作物、日本でも導入「安定供給のため」 先進国、影響じわり
◇400年の味も悲鳴…白石温麺「危機深刻」
食糧価格の高騰や原料不足は、日本や米国などにも影響を及ぼし始めている。日本の大手食品会社が遺伝子組み換え作物(GMO)の使用に踏み切る一方で、宮城県では米国などの小麦高騰で伝統の麺(めん)産業が危機に。給食費値上げを決めた自治体も多い。一方、米国では小ぶりのステーキを出す店も出始めた。【花岡洋二、豊田英夫、ワシントン草野和彦】■環境団体は懸念
世界的に食糧価格が高騰する中、比較的価格の安いGMOへの依存度が高まっている。コーンスターチ製造最大手の日本食品化工(東京都渋谷区)は2月、遺伝子組み換え作物を初めて仕入れた。同社がトウモロコシの全量を仕入れる、世界最大のトウモロコシ生産国・米国では今年、作付面積の80〜85%がGMOに増える見通しで、「安定供給のためには仕入れるしかない」と説明する。
トウモロコシの国際相場(シカゴ市場)で06年秋以降、1ブッシェル2.30ドルが現在6ドルまで急騰した。同社によると、バイオエネルギー需要が値を押し上げている。海上輸送費も高騰。その結果、トウモロコシを原料とする異性化糖(清涼飲料などで使う甘味料)は07年1月、4月、今年4月の計3回、値上げした。調達コストが高くなる非GMOにこだわるのは「非現実的だ」という。
日本では豆腐やポップコーンなど32品目の加工食品原料にGMOを使った場合、表示義務がある。農林水産省によると32品目の中で実際にGMOを使う商品は、ほとんどないとみられる。だが組み換え原料のDNAなどが製品に残らないしょうゆなどに表示義務はなく、これらの商品の原料として大量に流通しているとみられる。
バイオ作物の技術支援などを行う国際アグリバイオ事業団(本部・米国など)は、生産性向上によりGMOの普及が飢餓・貧困の解消に役立つと主張。事実、大豆やトウモロコシなどを中心に作付面積は世界で増え続けてる。昨年は1億1430万ヘクタールで、12年連続で2ケタの伸びを記録した。同事業団会長のクライブ・ジェームズ博士は「世界的に食品価格が高騰している今、遺伝子組み換え作物は重要性を増している」と話している。
だがこの現状に、環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」で遺伝子組み換え問題を担当する棚橋さちよ氏は「GMOは飢餓・食糧難を救わない。現在の食糧難は、食糧生産の少なさが問題ではなく、インフラや治安などが障害となっている配分の問題だ。GMOは、気候変動や害虫の大量発生で全滅する恐れのある単一栽培だ」と危機感を抱く。同氏は、途上国では減農薬など持続可能な農法の定着に取り組むべきだと訴えている。■業者や給食も
小麦の高騰で、小麦粉を大量に使う国内の麺(めん)類業者も苦闘を強いられる。約400年の歴史を持つ宮城県の名産「白石温麺(うーめん)」の業界団体では「このままでは廃業者続出」と深刻な危機を訴える。
白石温麺は江戸時代から続く小麦と塩、水で作り上げたそうめん。舌触りのやわらかさが特徴だ。製麺業者は9社。現在、小麦のほとんどが米、豪州産だが、政府から商社などへの輸入小麦売り渡し価格は昨年以降、1.5倍になった。
関係者によると、輸送代や包装代も原油高などでコストアップ。昨年12月ごろから一部商品を15%ほど値上げした会社もあるが、小売り段階での価格競争もあり、多くの会社が値段を据え置いているのが現状という。
一方、危機は学校給食にも影響する。先月以来福岡、長崎、熊本など各県の自治体や札幌市などが、給食費の5〜10%程度の値上げを表明・検討中で、中には11年ぶりに値上げした自治体もあった。■ステーキ、小ぶりに
食糧価格高騰のあおりで、米の食堂にも影響が出ている。ワシントン・ポスト紙は13日付1面で、値段は変わらないが、ステーキ肉が小さくなった店が増えたと紹介。だが見た目は分からないように、小さめの皿に盛る。軽いフォークを使えば、客は肉が重く感じるともいう。
同紙は客の心理を利用したメニュー作りの指南家も紹介。この指南家によると、「10.95ドル」の値段を「10.99ドル」に変えても客は気づかず、これをチェーン店全体で実施すれば利益は莫大(ばくだい)となる。また、メニュー上で客が最もよく見るのは右上の料理といい、右上に高めの料理を掲載して、売り上げが3割増しの店もあった。<遺伝子組み換え作物(GMO)> 他の生物の遺伝子を組み込むなど、遺伝子工学を利用して品種改良された農作物。大豆やトウモロコシなどで病害虫に強い性質を持つ品種が、米国を中心に開発・商用化されている。欧州や日本の消費者には安全性や環境への懸念から抵抗感が強い。日本では一部品種の栽培が認められているが、風評被害を恐れて規制策を打ち出している自治体もある。(毎日新聞 2008/04/19)
遺伝子組み換え大腸菌など6年前から違法廃棄 神戸大大学院
神戸大大学院医学研究科の久野高義教授の研究室(分子薬理・薬理ゲノム学)が、遺伝子を組み換えた大腸菌などを違法に廃棄したとされる問題で、神戸大は10日、殺菌処理をせずに大腸菌を排水口に流すなどの不適切処理が、同研究室で少なくとも6年前から続いていたと発表した。記者会見した野上智行学長は「今後、研究室間の相互チェックなど適切な体制づくりに取り組みたい」と話した。
外部識者も交えた調査委員会の調査で判明。久野教授は調査に対し、菌の入った培養液を実験室外の廊下に置いていたことを認めたが、違法処理の指示は否定。大学側は、適正な排出方法を指導していなかったことを重くみて、久野教授らを近く処分する方針。
調査結果によると、研究室在籍の院生や学生20人のうち15人と、調査に協力した研究室OB20人中8人が不適切な処理を認めた。最も古いのは平成14年4月に在籍していたOBの証言で、少なくともこの時点で違法処理が行われていたことが分かった。
一方、下水から大腸菌は検出されず、下水処理場で菌が死滅することも確認。一般ゴミとして廃棄された器具などは焼却処理されるため、「環境に影響を与える状態ではない」とした。
同大では、問題発覚後の4月11日から学内すべての遺伝子組み換え実験を停止したが、他の研究室では適切に処理されているとし、10日付で実験中止を解除した。再開する実験は生命分野を扱う医・農・理学部など371実験に上る。(産経新聞 2008/05/10)遺伝子組み換え作物:仏の上下両院で可決
【パリ福井聡】フランスの上下両院は22日、サルコジ大統領の与党・国民運動連合が提案した、遺伝子組み換え作物に関する法案をそれぞれ審議し、両院とも可決した。13日に下院で否決されたが、与党は修正案を提出していた。野党側は可決を不服として憲法院に審査を要求した。
01年に欧州連合(EU)が遺伝子組み換え作物を条件付きで導入することを解禁した法に、フランスも歩調を合わせた。遺伝子組み換え作物の導入を認めるとともに、含有率が0.9%を超える製品情報を一般に通知、表示を義務づけている。(毎日新聞 2008/05/23)遺伝子組み換えナタネ、拡大の恐れ 市民団体調べ
遺伝子組み換え(GM)ナタネの国内での自生状況を調査している市民団体の報告会が12日、名古屋市で開かれ、今年度の調査で、愛知県や三重県など10県から計86株(検体)が見つかったことが報告された。主催した市民団体「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」の天笠啓祐代表は「近くに港や飼料工場がない場所でも見つかっている。汚染が拡大しているのではないか」と指摘している。
遺伝子組み換え作物は、国内での栽培は実験レベルにとどまっているが、食用油や飼料の原料として、除草剤耐性や殺虫性などの機能を付加したナタネが、カナダなどから輸入されている。
「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」は、05年から調査を続けていて、遺伝子組み換えナタネの自生の実態を明らかにしてきた。これまでの調査結果で、海外から荷揚げされる港や、工場への運搬ルートでこぼれ落ちた種が根付き、国内に自生するようになったと見られている。
今年度は、飼料工場周辺を中心に全国29都道府県で重点的に調べたところ、集めた1202検体のうち、愛知、三重、茨城、千葉、静岡、兵庫、福岡など10県の86検体が遺伝子組み換えナタネだった。43都道府県で調査した昨年度とほぼ同数で、割合から考えると自生の拡大がうかがえるという。
この日の報告会で、遺伝子組み換え作物の問題点について話した京都学園大バイオ環境学部の金川貴博教授は「GM作物を長年食べ続けることの安全性は、専門家の間でもまだ意見が分かれている。生態系など環境への悪影響も心配だ」と警告する。
除草剤耐性や殺虫性がある遺伝子組み換えナタネをめぐっては、米国で殺虫剤の効かない害虫が増えているという報告があるほか、花粉を通じて近縁の植物に除草剤耐性が移る恐れも指摘されている。
遺伝子組み換え作物の規制は、2010年に名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)でも重要なテーマの1つとなると見られている。天笠代表は「COP10に向けて、NGOがどう連携を取っていけるか、考えていきたい」としている。(冨岡史穂)(朝日新聞 2008/07/12)英皇太子が遺伝子組み換え食品を批判、英紙で論争
【ロンドン=木村正人】チャールズ英皇太子が遺伝子組み換え(GM)食品を批判した発言が英紙で論争を呼んでいる。
同皇太子は英紙デーリー・テレグラフ(13日付)とのインタビューで、食料不足を解消するためGM食品を導入しようという動きを牽制(けんせい)。「史上最悪の環境災害を招く」として同食品を推進している大企業などを批判した。
これに対し、タイムズは「同皇太子は口を閉じておくことができないようだ。同食品が人類と環境に害を与えるという証拠は何一つ見つかっていない」とかみついた。一方、ガーディアンは「同皇太子発言は大きな騒ぎを引き起こしたが、彼の主張は本質的に正しい」と擁護論を展開した。
環境問題に積極的に取り組んでいる同皇太子は、自らの農場で有機栽培を実践している。GM食品をめぐっては推進派と反対派の間で激しい論争が繰り広げられている。(産経新聞 2008/08/15)道路脇に遺伝子組み換え菜 海外輸入のこぼれ種
アリの穴から堤も崩れる、という。「遺伝子組み換え作物」と聞き、拒否反応を起こす人は多いだろう。だが、ふだんハンドルを握っていて、道路脇に咲く黄色い花が、実は遺伝子組み換え菜種だと、気付かぬ人も少なくないのでは。(社会部・豊田雄二郎)「あれがそうですね」。双眼鏡を手にした四日市大非常勤講師の河田昌東さん(68)が指さす。11月上旬、三重県鈴鹿市の国道23号沿い。中央分離帯に生える高さ20センチほどの草。これが遺伝子組み換え菜種だ。車道を横切り、素早く抜き取る。
カナダから四日市港に陸揚げされ、製油工場までトラックで運ぶ途中、こぼれ落ちたとみられる。そうして芽を出した菜種が横浜や神戸、名古屋など全国の港周辺で確認されたのが2004年。河田さんらは年数回、抜き取り作業を続ける。
もし、周辺の畑に植えられた在来の菜種や白菜、小松菜、カラシナと交配してしまったら。「人の健康への害だけでなく、かつてのセイタカアワダチソウのように大規模に繁殖する可能性もある」と河田さんは指摘する。
“抜き取り隊”の30人はこの日、8班に分かれ、1時間半の作業で100本以上を抜き取った。高さ10センチから60センチ、花や種を付けたのもあった。検査の結果、7割強が除草剤に耐性のある遺伝子組み換え菜種だった。
遺伝子組み換え作物は米国で研究、普及が盛んで、生産者のためにある。除草剤や害虫に抵抗のある遺伝子を組み込むことで、菜種や大豆、トウモロコシ農家の手間を省き、収益を上げる。菜種の場合、主にカナダから年200万トンが輸入され、うち8割が遺伝子組み換えとされる。
そのカナダで、ある生産農家が、バイオテクノロジー会社から勝手に同社の遺伝子組み換え菜種を植えたとして、特許権侵害で訴えられた。「安全な作物を生産したい」農家からすれば逆に被害者とも思えるが…。1審、控訴審で敗訴し、最高裁でようやく農家の主張が認められた。
この訴訟で会社は「わが社と農家の畑は8キロも離れ、交配は考えられない」と主張した。おそらくこの会社は例えば、自社の菜種が、海外のある国の道路沿いに自生していることを想定していない。
2010年に名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)はこうした遺伝子組み換え作物が、他国の生態系を破壊した場合の「責任と救済」を議論する。責任を取るのは輸出先か、輸入元か、政府か、企業か。そうした枠組みが必要な時期に来ている。(中日新聞 2008/11/17)「遺伝子資源は地域で管理する」 生物資源略取に対抗するペルー地方政府の取り組み
先進国の資本や研究機関による途上国の遺伝子資源の略奪と生命特許を武器とする商品化が問題となっているなか、アンデス、インカ帝国の首都であったペルーのクスコ地方では、2009年1月6日、地方政府が生物資源略取(バイオ・パイラシー)に対抗するための条例を公布。この条例は「クスコ地方における、遺伝子資源や生物多様性に関連する農民や先住民族の知識、慣行また革新に対してアクセスする活動」に関して定めたものであり、コミュニティを基盤に生物資源略取を防ぎ、訴追するためのメカニズムを定めている画期的な条例である。...(青西靖夫)(日刊ベリタ 2009/01/25)組み換え作物:世界の栽培面積、過去最高 08年
08年に世界で栽培された遺伝子組み換え作物の栽培総面積が、過去最高の1億2500万ヘクタールだったことが分かった。組み換え作物の国際的な動向を調べている「国際アグリバイオ事業団」(本部・米国)のクライブ・ジェームズ会長が25日、東京都内で発表した。
前年より約1000万ヘクタールの増加。実施国も前年からエジプト、ブルキナファソ、ボリビアの3カ国が増え、過去最高の25カ国に。同会長は「特に発展途上国で栽培面積が増えている」と話した。【小島正美】(毎日新聞 2009/02/25)遺伝子組み換えイネ:白米で鉄分含有量4倍──東大・西澤教授ら作製
白米での鉄分含有量が通常の4倍に増えたイネを、東京大の西澤直子教授(新機能植物開発学)らが遺伝子組み換えで作製した。実用化されれば、貧血など鉄分不足の症状改善に役立ちそうだ。
西澤教授らは00年から、遺伝子組み換えによる鉄分強化米の開発に乗り出した。
イネはムギネ酸類という物質を土壌に放出し、鉄分を水に溶かして吸収する。オオムギはこの物質をより多く持っている。そこで、細菌を用いてオオムギの遺伝子をイネに導入。さらに、植物内で鉄分を種子などに運ぶ能力が高い物質を作るオオムギの遺伝子や、鉄分を種子によく蓄積させる能力を持つ遺伝子も組み込んだ。
このイネを栽培して収穫された遺伝子組み換え米は、白米1グラムあたり4マイクログラム(マイクロは100万分の1)の鉄分を含み、通常米の含有量(同1マイクログラム)の4倍に達した。
西澤教授は「数年以内に新機能食品としての実用化を目指したい」と話している。3月下旬の日本育種学会で発表した。【江口一】(毎日新聞 2009/04/07)遺伝子組み換えのトウモロコシと大豆、増産に寄与せず 米科学者団体
【4月15日 AFP】米科学者団体「憂慮する科学者連盟(Union of Concerned Scientists、UCS)」は14日、食糧不足の緩和に役立つとされ、この10年以上の間に米国で作付面積を増やした遺伝子組み換えのトウモロコシと大豆は、実際には穀物の増産にほとんど寄与しなかったとする報告書を発表した。
報告書では、「この高額な費用を必要とする遺伝子組み換え技術の成果に関する現実的な調査の結果、この技術が今後の世界の食糧供給において大きな役割を果たすことはほとんどないと考えられる」と結論づけている。
この調査は、1990年代初め以降に査読を経て発表された学術論文を分析する方法で、過去13年間に米国内で商品化された遺伝子組み換えのトウモロコシと大豆について行われた。
報告書によると、米国内で生産されるトウモロコシの63%、大豆の90%が遺伝子組み換え作物だという。その上で報告書は「全体としては、トウモロコシと大豆の生産高はこの15年で大幅に増加したが、その大部分が遺伝子組み換えではなく従来型の栽培技術やその他の農業技術の発達によるものだった」と指摘している。
また、特定の除草剤への耐性がある遺伝子組み換えのトウモロコシと大豆を、一般の除草剤を使った従来農法で生産したものと比較したところ、単位面積あたりでも全米規模でみても、実質的な生産高の増加はみられなかったという。いくつかの害虫に耐性を持つバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis、Bt)という細菌を利用して遺伝子を組み換えたトウモロコシの生産量増加率は高かったものの、過去13年間で年平均0.2-0.3%に過ぎなかったという。
米国のトウモロコシ生産高は毎年平均約1%の割合で増加しているという。米農務省の詳しい統計によると、2004-08年の5年間の単位面積あたりのトウモロコシ生産高は、バチルス・チューリンゲンシスが登場する前の1991-95年の5年間より約28%も増加しているが、報告書はバチルス・チューリンゲンシスを使った遺伝子組み換え作物による増加寄与分は3-4%に過ぎず、残りの24-25%は従来型の品種改良などの成果だと結論している。(AFP 2009/04/15)遺伝子組み換えトウモロコシ禁止
ドイツ「環境に悪影響」
ドイツのイルゼ・アイグナー食料・農業・消費者相は14日、遺伝子組み換えトウモロコシが環境に悪影響を与えるとし、今後、禁止すると発表しました。
禁止されるのは大手モンサントが販売する遺伝子組み換えトウモロコシMON810。トウモロコシの害虫を近づけない効能を持つとされます。
同相は禁止措置が科学的根拠に基づくものと強調し、同トウモロコシが害虫以外のテントウムシなどほかの生物を脅かしていると指摘しました。また、花粉の伝播(でんぱ)力が強く、遺伝子組み換えをしていないトウモロコシへの汚染が懸念されると語りました。
ドイツ環境省はすでに、遺伝子組み換え作物が環境への脅威となっているとの報告を出しています。
これに対し、モンサント側は法的措置をとると、争う構えを示しました。
欧州連合(EU)でMON810禁止措置をとった国は、ドイツ、フランス、オーストリア、ハンガリー、ギリシャ、ルクセンブルクの六カ国になりました。
EUは遺伝子組み換え作物も含めすべての食品に表示を義務づけています。しかし遺伝子組み換え食品の一部を認めていることに対し、環境運動や有機農業農家から批判が続出。また、米国などの大手農業関連産業が遺伝子組み換え作物を管理していることを懸念する声が出ています。(片岡正明)(しんぶん赤旗 2009/04/16)遺伝子組み換え85%に 米国のトウモロコシ作付け
米国のトウモロコシ作付面積に占める遺伝子組み換え作物の比率が2009年、前年より5ポイント上昇して過去最高の85%になったことが米農務省の調査で4日までに分かった。大豆も91%とほぼ前年並みの高水準。日本は米国から大量のトウモロコシ、大豆を輸入しており、「非組み換え」作物を買い付けるのはますます困難になりそうだ。
組み換え作物は栽培は容易だが、安全性が十分に検証されたと言い切れないとの指摘があり、生態系に悪影響を及ぼすなどの問題点も取りざたされている。
米国では、特定の農薬に耐性があるため効率的に除草できる大豆が急速に普及。07年以降、全米の大豆作付面積の90%超で推移している。
一方、トウモロコシは害虫を殺す遺伝子を組み込んだ品種が開発されたが、農家が効果を実感しにくいといわれ、大豆に比べ普及がやや遅れていた。00年に全米のトウモロコシ作付面積の25%だったが、05年ごろから特定農薬への耐性も併せ持つ品種が広がり、比率が年々上昇した。
日本国内で出回っている大豆の約7割、トウモロコシの9割以上が米国産。非組み換えを求める消費者は多いが、栽培比率が下がれば品薄になり、買い付け価格が上昇する。(共同通信 2009/07/04)遺伝子組み換えナタネ、在来種と交雑 環境省確認
遺伝子組み換えセイヨウナタネが在来ナタネと交雑したとみられる個体を、環境省が国内で初めて確認した。ナタネの輸入港や輸送路を対象とした昨年の調査で、三重県松阪市の河川敷から採取した個体を分析してわかった。
遺伝子組み換えで作られ、特定の除草剤をまいても枯れなくした除草剤耐性ナタネは、年間200万トン程度輸入されるナタネの8割ほどを占める。これがこぼれて、港周辺などで自生していることは5年前から確認されてきた。
環境省が在来ナタネと思われる個体を分析したところ、組み換えナタネの特徴である除草剤耐性に関係するたんぱく質が検出された。その種子から育てた芽にも除草剤耐性を示すものがあり、染色体数が29本で、在来ナタネ(20本)と組み換えナタネ(38本)の中間だったことから、交雑によると考えられた。
環境省外来生物対策室は、「組み換えナタネの利用承認の際に交雑の可能性は予想されていた。在来ナタネも元は外来植物で日本産の野生種と言えない」などとして生物多様性に悪影響を与える事例とはみなしていない。
一方、組み換えナタネの監視を続ける河田昌東・遺伝子組み換え情報室代表は「組み換えナタネがはびこってしまってからでは、悪影響があった場合に回復不能となりかねない」と対応の必要性を主張している。(米山正寛)(朝日新聞 2009/08/17)トウモロコシが仏に「農業亡命」!?遺伝子組み換えに抗議 スペイン
【9月30日 AFP】欧州数か国から集まった国際環境NGO「地球の友(Friends of the Earth)」のメンバー約20人が29日、スペイン・マドリード(Madrid)のフランス大使館前で、トウモロコシに扮装(ふんそう)して遺伝子組み換えトウモロコシの栽培に対する抗議デモを行った。
「地球の友」のメンバーは大使館職員に、「遺伝子を組み換えられるくらいならフランスに亡命する」と書かれた請願書を手渡すなどして、スペインでは遺伝子組み換えトウモロコシが広く栽培されていることに抗議。フランスでは遺伝子組み換えトウモロコシの栽培は禁止されている。
同団体の広報担当は「スペインが欧州で唯一、(非遺伝子組み換え作物に対する)汚染対策なしに遺伝子組み換えトウモロコシを栽培しているという事実を非難したい」と述べた。
フランス、ドイツなど欧州数か国は欧州連合(EU)に対し、米バイオ企業大手モンサント(Monsanto)の遺伝子組み換えトウモロコシの種子に対する禁輸措置を促している。
欧州では遺伝子組み換え作物の問題をめぐり、農業関連企業と環境保護団体が激しく対立している。(AFP 2009/09/30)遺伝子組み換え稲訴訟:実験中止請求を却下 賠償請求も棄却──地裁支部 /新潟
独立行政法人「中央農業総合研究センター北陸研究センター」(上越市)の遺伝子組み換え稲の野外栽培実験で精神的苦痛を受けたとして、同市内の農家や漫画家のちばてつやさんら23人が、同センターを管轄する独立行政法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(茨城県つくば市)に実験中止と510万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、新潟地裁高田支部であった。庄司芳男裁判長は中止請求を却下、損害賠償請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
実験は、いもち病などに強い殺菌たんぱく質(ディフェンシン)をうるち米の遺伝子に組み込むもので05、06年度に実施。原告側は「ディフェンシンの効かない耐性菌が出現し、生態系に重大な影響を及ぼす危険性がある」と主張していた。
判決で庄司裁判長は中止請求について「実験は既に終了し、訴えの利益を欠く」とし、損害賠償については「ディフェンシンが稲の体外へ漏出する証拠はなく、耐性菌出現の危険性の立証がない」として原告側の主張を退けた。【新井敦】(毎日新聞 2009/10/01)GMイネ訴訟 差し止め請求却下
上越市のコメ農家や漫画家のちばてつやさんらが、独立行政法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(茨城県つくば市)を相手取り、同機構の研究機関(上越市)が行う遺伝子組み換え(GM)イネの屋外栽培実験の差し止めなどを求めた民事訴訟の判決が1日、新潟地裁高田支部(庄司芳男裁判長)であり、「原告らの主張は理由がない」として差し止め請求を却下、実験で精神的苦痛を受けたことへの慰謝料請求も棄却した。原告らは判決を不服として、控訴する方針だ。◇ 原告の一部は05年に地裁高田支部に実験中止の仮処分を申請したが、却下されている。今回の訴訟は、GMイネ体内から抗菌作用を持つたんぱく質(ディフェンシン)が外に出て、耐性菌が出現する危険があるかどうかが争点となった。被告が提供した試料(抗体)を使って第三者鑑定により決着が試みられたが、漏出の確認はできなかった。
判決は「鑑定はディフェンシンの体外漏出という原告の主張を否定するもの」などとした。
被告の同機構は「当方の主張が認められたものと考える。これまで同様に法令を守り、生産者、消費者の理解を得る努力を重ねながら、必要な研究開発を続けていく」とのコメントを出した。◇◇◇ ■不安解消へ責任果たせ
遺伝子組み換え(GM)イネの屋外栽培実験中止を求めたコメ農家や消費者らの訴えは、05年の仮処分申請却下に続き、本訴でも退けられた。
原告団は、裁判所近くの雁木通りプラザで「不当判決」と書いた紙を張り出し、記者会見。原告代理人の柳原敏夫弁護士は「遺伝子組み換えという先端技術に対し、素人集団が問題提起した。我々が安心できるような説明責任を果たしてほしいと期待したが、被告にそのような姿勢はみじんも見られなかった」。裁判所に対しても「第三者鑑定だけをうのみにし、再鑑定にも後ろ向きで、極めて遺憾だ」と批判した。
原告団長の農業山田稔さん(75)も「被告は出席せず、原告だけ。割り切れない気持ちでいっぱい」と悔しさをにじませた。
審理終結後の7月30日、原告は、耐性菌研究の権威とされる順天堂大の平松啓一教授(細菌学)の「耐性病原体の出現は必至」とする意見書を裁判所に提出している。
原告が主張するように、科学裁判では、一般の民事訴訟と同じように、原告側に立証責任を求めるだけでは真相の解明は難しい。国家プロジェクトに位置付けられているGMイネ開発を担う同機構側には、もっとコメ農家や消費者らに丁寧に説明し、不安の解消に努める責任がある。(河畑達雄)(朝日新聞 2009/10/02)米政府顧問「遺伝子組み換え作物、日本の政策転換に期待」
米国務省のニナ・フェドロフ科学技術特別顧問は2日、都内の在日米大使館で記者会見し、鳩山由紀夫新政権の誕生で日本の遺伝子組み換え作物に関する政策が変わることに期待を示した。「従来の農業手法では世界人口を養うことはできない。日本や欧州では遺伝子組み換えに抵抗が強いが、科学的に安全が証明されている」と強調。11月中旬のオバマ米大統領の来日時に遺伝子組み換え作物の規制緩和が議題になるという見通しを示した。(日本経済新聞 2009/10/02)遺伝子組み換え作物の作付け許可で抗議デモ メキシコ
(CNN) メキシコの首都メキシコ市内で18日、遺伝子組み換えトウモロコシの作付けを許可した同国政府の決定に対する初の抗議デモが行われた。
デモを行ったのは環境保護団体グリーンピースの活動家45人前後で、市内中心部の独立記念塔付近で黒い横断幕を掲げ、遺伝子組み換え作物が地元特産のトウモロコシ55種を駆逐すると危機感を訴えた。
メキシコ農業当局は先週、遺伝子組み換えトウモロコシの作付申請35件中2件を承認。こうした作物をめぐっては、消費者や他の農作物、環境に悪影響を及ぼす可能性が懸念されている。
メキシコ当局は、遺伝子組み換え作物が実験段階にあるとの見解に立ち、政府管轄の農地で他の農作物と隔離して作付けしたり、メキシコ特産種を栽培していない州で作付けを認める方針を示している。
トウモロコシはメキシコの主食で、同国中部を中心に生産され、作付面積は農地全体の3分の1を占める。専門家の研究によると、遺伝子組みかえトウモロコシは既にメキシコ特産種の畑を侵食し始めている。(CNN 2009/10/20)清涼飲料水:一部で遺伝子組み換え原料使用 表示義務なし
飲料メーカー大手が、清涼飲料水の甘味料として、遺伝子組み換えしたものが混ざった「不分別」トウモロコシが原料の「異性化糖」を使っていることが毎日新聞の調べで分かった。異性化糖は遺伝子組み換えの表示義務がなく、消費者の抵抗感もあるため、積極的には公表されていない。
組み換えトウモロコシは、厚生労働省などによって安全性が確認され、輸入が許可されている。異性化糖は国内コーンスターチ(でんぷん)業者が、輸入トウモロコシから加工して作る天然甘味料で、ソーダ類などで「ブドウ糖果糖液糖」などと商品に表示される。
アサヒ飲料▽大塚製薬▽キリンビバレッジ▽サッポロ飲料▽サントリー▽日本コカ・コーラ▽ポッカコーポレーション▽ヤクルトの8社にアンケートし、清涼飲料への遺伝子組み換え使用の有無を聞いた。その結果、「一部使用」も含め、アサヒ飲料▽キリンビバレッジ▽サッポロ飲料▽サントリー▽ヤクルトの5社が異性化糖で「不分別」を使っていると答え、ポッカは「使用の可能性がある」と回答した。ヤクルトは「ほとんどの異性化糖メーカーが原料を遺伝子組み換えに切り替え始めている。組み換えでない原料の異性化糖は、必要量の安定確保が不可能になった」と説明した。一方、大塚製薬は「使っていない」とし、日本コカ・コーラは「情報公開を義務づけられた内容以上の質問には答えられない」と回答した。
現行制度では豆腐、納豆、コーンスナックなどは表示義務があるが、異性化糖、大豆油などは製造過程で組み換え遺伝子などが分解・除去されるため、表示義務はない。表示制度がない米国、すべて表示している欧州連合(EU)などと各国で対応が分かれている。
日本では、遺伝子組み換え作物への不安感が根強く、「安全性にも不安があり、食べたくない人が選択できるようにしてほしい」(生活クラブ生協千葉)などと表示対象の拡充を求める声が多い。【遠藤和行】◇食品メーカー、GM作物表示に消極的
清涼飲料と遺伝子組み換え(GM)作物の関係はGM作物が食品に広く使われていることの一端に過ぎない。大量輸入している穀物の半分が安全性が確認されたGM作物と推計され、加工品が各家庭の食卓にのぼっている。納豆、豆腐、スナック菓子などはGM作物が使われていないが、GM作物を原料にした食用油、GM飼料を食べた牛肉、鶏卵などは市場に出回っている。
日本では消費者の反発を恐れ、多くの食品メーカーがGM作物の表示に消極的だ。また、異性化糖や食用油などはGM遺伝子が残らず、表示義務もないため、消費者がGM情報を得る手だてはない。
飲料各社には制度上の落ち度はないし、安全性は国が認めているが、消費者にとっては選択の機会を奪われているのは事実だ。大手スーパーのイオンや生協は原料に使ったら自主表示しているが、それは一部に過ぎない。
GM作物に傾斜するのは主要輸入先の米国で、組み換えトウモロコシの栽培割合が8割に達し、非組み換えを調達しにくくなっている背景もある。コスト面を含めた現状を消費者と共有するためにも飲料に限らず食品メーカーは積極的にGM情報を表示する時期に来ている。【遠藤和行】<遺伝子組み換え作物> 特定の除草剤や害虫に強い遺伝子を、微生物などから取り出して組み込んだ作物。日本農林規格(JAS)法に基づき表示対象は大豆やトウモロコシなど農作物7種、豆腐やポップコーンなどの加工食品32食品群。「遺伝子組み換え」「遺伝子組み換え不分別」の表示義務がある。非組み換えなら無表示か、任意で「遺伝子組み換えでない」などと表示できる。異性化糖、大豆油などは原料が遺伝子組み換えでも検証できず表示の対象外になっている。(毎日新聞 2009/11/01)
遺伝子組み換えブロッコリーか 三重の空き地 ニョキニョキ自生
組み換え遺伝子を持ったブロッコリーとみられる植物が、津市内の空き地で自生しているのを、現地調査していた市民グループ、遺伝子組み換え食品を考える中部の会(伊沢真一代表)が見つけた。輸入されて自生した遺伝子組み換えナタネが、同じアブラナ科のブロッコリーと交雑したとみられる。農林水産省によると、ナタネ以外の組み換え植物が確認されたのは全国で初めて。研究者は「国内の他の野菜との交雑が広がる恐れもある」と指摘している。
津市の国道沿いの空き地で今月上旬、ブロッコリーに似た葉を持つ高さ1メートルほどの植物一株を発見。葉をすりつぶして抗原抗体反応を見る簡易検査と、遺伝子塩基配列を調べるPCR検査の結果、「ラウンドアップ」と呼ばれる除草剤の耐性遺伝子が見つかった。
この空き地では、遺伝子組み換えナタネ約10株が自生しているのも確認した。ナタネはカナダなどから年間200万トン輸入されるが、7割以上が遺伝子組み換えとみられ、トラック輸送中にこぼれ落ちて自生する例が全国で確認されている。
同会メンバーの河田昌東・四日市大非常勤講師(分子生物学)は「遺伝子組み換えナタネは多年草化し、花粉を多く飛ばすので交雑しやすい環境にある」と話す。アブラナ科の野菜は小松菜や白菜など数多くあり、交雑が広がる恐れもある。
河田さんは「農家の栽培するブロッコリーに組み換え遺伝子が入り込む可能性もある。早めに探し出し、抜き取る必要がある」と警告する。
農水省による全国的な輸入ナタネのこぼれ落ち実態調査では、交雑は確認されていない。同省は「野菜は、肥料を与え、人の手をかけないと育たないので、優占種としてはびこる可能性は低いのではないか」(農産安全管理課)と話している。<遺伝子組み換え植物> 1996年にカナダで商業栽培が開始された。現在は、除草剤耐性や殺虫遺伝子を人工的に入れ込んだ大豆やナタネ、トウモロコシなどが世界1億2500万ヘクタール(2008年度)の農地で栽培されている。農水省によると、国内での商業栽培はサントリーによる「青いバラ」だけという。(東京新聞 2009/11/21)
遺伝子組み換えナタネ:港から国道沿いに自生 愛知で確認
除草剤耐性を持つよう遺伝子が組み換えられたセイヨウナタネ(GMナタネ)が輸入後、愛知県知多市のふ頭から同県弥富市にかけての国道沿いなどに自生しているのをGMナタネの調査に取り組む市民団体「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」が新たに確認した。同会は「移送ルートの一部に落ちたものが育ったのではないか」と指摘している。人工的に遺伝子が組み換えられた外来種のセイヨウナタネの定着は、日本の生態系に影響を与える可能性が指摘されている。【福島祥】同会が今年4月11日に調査したところ、知多市北浜町のふ頭でGMナタネの自生地を確認した。セイヨウナタネは国道247号を北上、県道や国道23号を経て弥富市三好まで計17カ所に点々と自生。採取して検査した結果、8カ所は除草剤耐性を持つGMナタネであることが分かったという。
日本貿易統計(08年)によると、年間231万トンのナタネが主に油の原料としてカナダなどから輸入されているが、GMナタネの割合は不明だ。農民連食品分析センター(東京都)によると、日本に自生しているGMナタネは、港から製油工場などへの輸送中にトラックからこぼれ落ちるなどして育ったとみられる。
日本に「侵入」したセイヨウナタネの中には、本来一年草のはずが多年草化したり、茎が太くなるなど巨大化したものもある。同じアブラナ属の植物と交雑し奇妙な姿を見せるものもあるという。
同会は昨年10月、津市の国道23号沿いの空き地で、ナタネのような黄色い小さな花に、ブロッコリーのような葉を持つ植物を見つけた。同じ空き地には、カブや小松菜のような葉を持つ個体も発見。近くで見つかったセイヨウナタネを含め、いずれからもGMナタネの遺伝子が確認された。調査に参加した四日市大学の河田昌東(まさはる)非常勤講師(環境科学)は「自生したGMナタネが世代交代して増えた結果、突然変異や交雑など、国がGMナタネを承認した時には想定しなかったことが起きている」と指摘している。<遺伝子組み換え(GM)ナタネ> 農水省は04年、茨城県・鹿島港周辺でGMナタネが自生していると発表した。その後、名古屋港や四日市港でも自生が確認された。「交雑によって除草剤が効かない雑草が現れたり、食卓の野菜の中に入ってくる可能性もある」との懸念が指摘されている。環境省は「生態系への影響はない」とするが、毎年、主要な輸入港周辺などで分布状況を調べている。(毎日新聞 2010/05/12)
遺伝子組み換え生物、被害発生前に対策 国際協定案
国境を越えて移動した遺伝子組み換え生物などが生物多様性に被害をもたらす恐れが出た場合、当該国が事業者に対策を求めることができるとの規定を盛り込んだ新たな国際協定の案が、26日までに明らかになった。
今年3月に判明した素案の段階では、被害発生後の事業者による原状回復などを規定していたが、今回の案はさらに進め、発生前にも対応を求めることができるとした。
名古屋市で10月に開く生物多様性条約の下のカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)で、補足議定書として採択を目指す。
組み換え生物は開発や輸出入が進む一方、生物多様性に被害が生じるとの懸念が根強い。新協定案は、バイオテクノロジーで改変された生物が輸出先の国で環境中に出るなどして多様性に与えた被害が対象。人の健康リスクも考慮するとした。
素案では事業者の定義が固まっていなかったが、今回の案は組み換え生物などを「直接または間接に管理する者で、開発者や生産者、輸出入業者、輸送業者などを含み得る」と明記。
被害を受けた国は事業者に対し、被害の最小化や、原状に近い状態に回復させるよう求めることができるほか、そのままでは被害が生じる恐れが強い場合にも、対応措置を取るよう求められる。(共同)(日本経済新聞 2010/06/26)EU、遺伝子組み換え作物栽培の許可・禁止権限を加盟国に
欧州連合(EU)の欧州委員会は、遺伝子組み換え作物(GMO)栽培の許可・制限・禁止に関する権限を加盟各国に与える法案などをまとめた。科学的観点からGMOの安全性を審査するEUの認可制度は変更しないものの、GMO栽培をめぐる加盟国の意見は大きく分かれているのを踏まえ、各国独自の対策を柔軟に打ち出しやすくする。
EUでは栽培が認可されたGMO栽培について、原則として各加盟国は禁止できない。だが「安全上のリスクがない」と食品安全の専門機関が評価しても禁止を続ける国も多く、ルールがあいまいに運用されてきた。加盟国が一時的に禁止できる「緊急条項(セーフガード)」もあるが、手続きが煩雑だった。
法案が成立すると、加盟国はEUレベルで認可したGMOであっても、自国内で栽培を禁止できるようになる。既に独仏やオーストリアなどが一部GMOの禁止措置を導入しており、こうした現状を追認する形となった。半面、GMOに積極的な英国や北欧などでGMO栽培の許可が増え、EU域内の流通市場が混乱する可能性もある。
GMO栽培が進む米国と異なり、EUではGMOの安全性に関する消費者の懸念が強く、普及が進んでいない。加盟国や欧州議会の党派ごとに意見が鋭く対立する政治問題ともなっている。法案には加盟国と欧州議会の承認が必要で、調整は難航しそうだ。
EUでは食料、飼料などに占めるGMOの含有率が0.9%以上だと、その内容を表示しなければならない。だが、生産過程で意図せずにGMOが混入され、有機栽培作物の生産者が被害を受ける恐れがある。このため欧州委は法整備に先立つ指針改正で、加盟国が自国の一部でGMOを一切栽培しない地域を設定できるようにする。(ブリュッセル=瀬能繁)(日本経済新聞 2010/08/02)遺伝子組み換え反対の活動家ら、仏政府系研究所を襲撃
パリ(CNN) フランス農学研究所(INRA)は16日、遺伝子組み換え作物に反対する活動家グループが施設を襲撃し、大きな損害を与えたと発表した。
INRAのマッソン所長によると、15日未明、「Faucheurs Volontaires(自発的な収穫者たち)」というグループの活動家ら約70人が、70本のブドウの木を根こそぎ抜き、バラバラに切り刻んだ。被害総額は100万ユーロに上るとしている。警察は約60人を拘束し、尋問した。
抜き取られたブドウの木は、病気に強い品種を開発するための遺伝子組み換え実験に使われていたもので、以前にも活動家の襲撃を受けたことがあった。
活動家グループは、この実験は禁止されている遺伝子組み換え作物の導入につながるものであるとし、実験中のブドウの木を「無効化した」と声明で主張している。
このグループはフランスとドイツに支部を持ち、これまでにも多くの地域で遺伝子組み換えトウモロコシを襲撃している。
マッソン所長はCNNに対し、INRAは政府の支援を受けた純粋な研究機関であり、実験中のブドウの木が販売されたことはないと語っている。
関係省庁の大臣らやフランス農業者連盟も、この事件を非難する声明を発表している。(CNN 2010/08/17)遺伝子組み換えサケは安全 FDAが評価結果
【ワシントン共同】米国のバイオベンチャー企業が開発した遺伝子組み換え技術により通常の2倍の速さで成長するサケについて、米食品医薬品局(FDA)は3日、食べても安全性に問題はないとする評価結果をまとめた。ロイター通信が報じた。
FDAは近く、専門家や関係者が集まる公聴会を開き、承認の是非を検討する。世界では、さまざまな遺伝子組み換え作物が栽培されているが、食用の動物の承認例はないという。
サケは米マサチューセッツ州のアクアバウンティ・テクノロジー社が開発し、FDAに承認申請している。外見は通常の大西洋サケとほぼ同じだが、成長が速く、少ない量の餌で効率よく育てることができるのが特徴。
FDAの分析では、ビタミンやミネラル、脂肪酸などの成分は通常の大西洋サケと変わらず問題はない。基本的に不妊になるため、いけすから逃げて自然環境の中で繁殖し、在来種を駆逐する可能性も極めて小さいという。
FDAの動きに対し、食品安全の専門家や環境保護団体は「長期的に食べた場合の安全性が分からない」などとして、承認反対に向けた活動を予定しているという。(共同通信 2010/09/04)遺伝子組み換えサケが食卓に? 2倍の早さで成長 米国
【9月6日 AFP】米国で、遺伝子組み換え技術を用いて通常の2倍のスピードで成長するよう改良したサケが、一般市民の食卓に上る可能性が出てきた。
このサケは、マサチューセッツ(Massachusetts)州のアクアバウンティ・テクノロジーズ(AquaBounty Technologies)が開発したもので、タイセイヨウサケ(アトランティック・サーモン)に成長の早いキングサーモンの成長ホルモン遺伝子を組み込んでいる。「アクアドバンテージ(AquAdvantage)」と名付けられた。
米食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)は19日から2日間、公聴会を開いて生産販売の認可の是非を審議する。米国では過去に遺伝子組み替えヤギの乳を用いた血栓予防剤の製造が認可された例はあるが、遺伝子組み換えサケが認可されれば、食用の動生物類への遺伝子組み替え技術の使用が承認される初めての例となる。■「天然サケ保護できる」と主張
アクアバウンティ社によると、この遺伝子組み換えサケは通常のタイセイヨウサケに比べ、市場サイズに成長するまでの期間が半分に短縮できた。その他の特徴や成分などは「一般的なタイセイヨウサケと全く変わらない」という。
同社は、サケ需要の高まりに対応することと天然サケの乱獲防止の両方への貢献が期待できると説明。海水魚を内陸の淡水施設で養殖する際に起こりがちな病気などの問題も防げるとして、「安全で持続可能な食料供給を確実にする上で強力な柱となる技術だ」と認可への自信を見せている。■安全や生態系への影響に懸念
だが、環境保護団体や食料安全啓発団体は、遺伝子組み換えサケを認可すれば他の食肉・魚類についても遺伝子組み換えへの道を開くことになり、健康面や環境へのリスクからも容認できないと強く反対している。
また、養殖される遺伝子組み換えサケが水槽から逃げ出し天然サケと交雑した場合、在来種の保全をおびやかすなど生態系に悪影響を及ぼすとの批判もある。
FDAは公聴会を前に実施したリスク調査で、養殖サケが逃げ出し野生化する可能性は「極めて低い」とし、遺伝子組み換えサケが「自然環境に著しい影響を及ぼすことはほとんどない」と結論付けている。(AFP 2010/09/06)遺伝子組み換えサケのラベル表示を消費者らが要求
遺伝子組み換えサケ承認反対派の消費者活動家や環境保護主義者らは、FDA(米国食品医薬品局)諮問委員会に対し、このサケをヒトの食用として承認した場合、ラベル表示を義務付けないのは無責任であると訴えた。米国民は自分が何を食べているかを知る権利があると、消費者らは主張している。
同諮問委員会は9月19-20日に開催した2日間の公聴会で、反対派および賛成派(このサケを開発したアクアバウンティ・テクノロジーズAquaBounty Technologies社を含む)の意見を聴取し、従来の2倍の速さで成長するこのサケについて科学的に審査し、ラベル表示するかどうかについて公の意見を求めることを決定した。現行の連邦政府のガイドラインでは、FDAが従来のサケと同じ組成であると判断すればラベル表示の義務はないとされていると、AP通信は報じている。(※FDAは外部の専門家で構成される諮問委員会の採決勧告に従う義務はないが、通常は勧告を受け入れている。)
アクアバウンティ社によれば、遺伝子組み換えサケは従来のサケと味、食感、色、匂いに違いはないという。FDAはこのサケを消費者に販売するか、また表示を義務付けるかどうかをまだ決定しておらず、決定までには数カ月かかる可能性もあるとAP通信は伝えている。
現在、遺伝子組み換え作物として大豆とトウモロコシがヒトの食用として販売されているが、このサケが承認されれば、遺伝子組み換え動物が初めて米国の食卓に上ることになる。アクアバウンティ社は、このサケによって養殖魚の汚染や疾患などの問題が軽減されるほか、乱獲の防止にもなるとしているが、反対派は消費者の健康と環境の両方に脅威をもたらすとの懸念を示している。(日経ヘルス/HealthDay News 2010/09/22)遺伝子組み換えサケ:成長速度2倍 米企業が開発
通常の倍の速さで成長する遺伝子組み換えサケを、米企業が開発した。米食品医薬品局(FDA)は同社の申請を受け、販売の可否を最終判断する見通しだ。大豆やトウモロコシなど組み換え作物は広く流通しているが、遺伝子組み換え動物が食品として流通するのは前例がない。米科学誌サイエンスは19日発行の同誌で、多角的な検討を求める研究者の投稿を掲載した。【田中泰義】開発したのはアクアバウンティ・テクノロジーズ社(マサチューセッツ州)。アトランティックサーモン(大西洋サケ)に、キングサーモンの成長ホルモン遺伝子など2種類の遺伝子を組み込んだ。サイズは通常の大西洋サケと同じだが、成長が早く、通常の半分の期間で出荷できるため、餌も少なくて済む。
FDAはこれまでに、栄養価やアレルギーの危険性など「通常と同等」と評価。組み換えサケは不妊処理され、陸上のいけすで養殖するため、生態系への影響も極めて低いとしている。
米国ではサケが健康にいいとして消費量が増えており、乱獲による資源減少も心配されている。組み換えサケはこうした需要増に応える狙いがあるが、米デューク大のマーチン・スミス准教授とノルウェーの研究者はサイエンス誌上で、社会に与える影響は大きいとして「食品の安全性や環境影響だけでなく、健康や経済への功罪も評価すべきだ」と主張している。
環境保護団体グリーンピースなどは「組み換えサケが環境中に逃げ出せば、在来魚を駆逐する可能性がある」と警告する。(毎日新聞 2010/11/19)ナタネ油はいまやすべて遺伝子組み換えに 国内での遺伝子汚染も始まっている
遺伝子組み換え食品を口にしたくなければ、ナタネ油はすべて拒否、という事態が迫っている。ナタネの輸入量は207万トン(870億円)。カナダ産が95%。オーストラアが残り5%。カナダではナタネ栽培面積に占めるCM(遺伝子組み換え)品種の割合は93%。オーストラリアでも、西オーストラリアで2010年1月から遺伝子組み換えの試験栽培を認め、すでにGM菜種は6%に達している。こうして国内に運び込まれたGMナタネによる遺伝子汚染も始まっている。以下、Twitterからの情報を紹介する。...(日刊べリタ編集部)(日刊ベリタ 2010/12/30)南米を襲う遺伝子組み換え大豆と枯れ葉剤
アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルにわたって遺伝子組み換え大豆の栽培によりすさまじい事態が起きている。モンサント社の除草剤によってベトナム戦争で多数生み出された出生障害に類似したケースが続出している。実態調査を発表しようとしたら、組織的な暴力団に暴行を加えられ、アムネスティ・インターナショナルが真相究明を要求する事態に。遺伝子組み換え大豆は何をもたらすのか、国際的な科学者のチームが共同で調査を発表した。これはその紹介である。...(日刊ベリタ編集部)(2011/01/06)
ノーステック財団、密閉型の植物工場 遺伝子組み換え植物生産
北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)は1日、遺伝子組み換え植物などを人工的に栽培できる「植物工場」を札幌市内に建設すると発表した。建設費は10億円で、約6億円を国が補助する。企業に開放し、道産農産物を原料にした医薬品開発に役立ててもらう。
11月から産業技術総合研究所(産総研)北海道センターの敷地内で植物工場を建設し、2012年6月に完成させる。延べ床面積は910平方メートル。工場を密閉し、実験的に栽培する植物の花粉が外部に出ないようにする。
植物工場では、遺伝子組み換え作物の開発や、水耕栽培の収量拡大技術、植物から効率的に医薬成分を抽出する技術を研究する。製薬会社や食品メーカーなどを対象に貸し出す予定で、年内にも公募する。
ノーステック財団は、北海道大学や産総研などが進める基礎研究を植物工場を使って実用化につなげる。産総研が進める犬の歯周病を治す「イヌインターフェロン」を含んだイチゴ開発の基礎研究を実用化できれば、「道内農産物の付加価値の向上にも役立つ」(同財団)という。
同工場建設にあたり、経済産業省の「先端技術実証・評価設備整備補助金事業」から補助金が支払われる。全国28研究機関が応募し、11機関が採択された。(日本経済新聞 2011/07/02)遺伝子組み換えパパイア輸入へ 生で食べる作物で初
【ロサンゼルス=共同】遺伝子組み換え技術を使って栽培されたハワイ産パパイアが、12月にも日本へ輸出できる見通しとなった。生で食べる機会が多い遺伝子組み換え作物を日本が輸入するのは初めて。消費者に遺伝子組み換え作物への抵抗感が強い日本市場で受け入れられるか、関係者は注目している。
在日米大使館は8日、東京都内で、このパパイアを開発した技術者の講演会を開く予定。米国で栽培が盛んな遺伝子組み換え作物をさらに受け入れるよう、日本側への働き掛けを強める構えだ。
このパパイアは「レインボー」と呼ばれる品種で、パパイアの木を病気にさせるウイルスへの抵抗力がある。ハワイでは一般的に栽培、消費されており、米国は安全性に問題はないとして日本に受け入れを求めてきた。
日本の消費者庁は8月31日付で、遺伝子組み換え作物に関する食品表示の規則を改定し、対象の品目にパパイアとその加工品を追加。輸入解禁に向けた主な手続きが終わった。
輸入は、規則施行日の12月1日に解禁。ハワイのメディアは「10年越しの交渉」が実ったと好意的に伝えている。
遺伝子組み換え技術を持つ米企業などでつくる「バイテク情報普及会」によると、日本では外国産の遺伝子組み換え大豆やトウモロコシが油などの加工食品の原料に使われているとみられる。(日本経済新聞 2011/09/06)遺伝子組み換え:パパイア、輸入解禁 食品安全委「健康影響ない」 「消費者敬遠」業者は二の足
ハワイで一般的に流通している遺伝子組み換え(GM)パパイアが、12月から輸入可能となる。一個一個に「組み換え」と分かるシールの表示が義務づけられる。GM作物はこれまでトウモロコシなどが食用油の原料や家畜のえさに使われているが、生で丸ごと食べるGM作物の輸入は初めてだ。【小島正美】◇食品安全委「健康影響ない」 「消費者敬遠」業者は二の足
日本に輸入されるパパイアは主にフィリピン産とハワイ産。フィリピン産(約2300トン、10年)が約8割を占め、ハワイ産は約2割だ。空輸されるハワイ産は味は良いが、約600〜1500円とフィリピン産の2倍以上で、百貨店では高級品扱いだ。
ハワイでは70年代以降、果実に黒い斑点をつくるウイルスの病気が増え、90年代前半に全滅寸前まで追い込まれた。この時開発されたのが、ウイルスに強い遺伝子をもたせた組み換え技術だ。98年にGMパパイアが初めて栽培され、徐々に面積が増えて、昨年は生産量の約8割になった。ハワイのスーパーや飲食店で提供されているのはほとんどGMパパイアだ。
GMパパイアを開発した米国農務省太平洋農業研究センター長のゴンザルベス博士は9月上旬、学会に出席するため来日。「ハワイの生産者はGMパパイアのおかげで生き延びることができた」と説明した。
食品安全委員会は09年7月、GMパパイアの遺伝子データなどを検討し「アレルギーを起こす心配はなく、食べても健康に影響はない」と評価した。遺伝子組み換え食品はJAS(日本農林規格)法と食品衛生法で表示が義務づけられている。パパイアについては消費者庁は「一つ一つに組み換えと分かるシールをはる」と決め、12月からの輸入を認めた。表示義務は乾燥させた製品や缶詰にも適用され、外食メニューは適用外となる。
しかし、業者の多くは輸入に消極的で、日本で店頭に並ぶかどうかは未知数だ。ある業者は「遺伝子組み換えに不自然なイメージがあるためか、消費者側に避けるムードがある。輸入は難しい」という。
日本消費者連盟は「大型哺乳類に食べさせて実験していないなど安全性の審査は不十分、飲食店でも表示すべきだ」と国内販売に反対している。遺伝子組み換え作物に詳しい小泉望・大阪府立大教授(植物分子生物学)は「ハワイで私も食べた。安全性に問題はない。バイオテクノロジーの成果を実感できるよい機会だ」と話す。
GMパパイアは日本で流通するのか。組み換え作物の流通に詳しい消費生活アドバイザーの蒲生恵美さんは、「安価なフィリピン産に比べ価格差が大きいと手が出ない」と話す。流通業者が取り扱うかどうかがパパイアの今後を決めそうだ。(毎日新聞 2011/11/14)遺伝子組み換え大腸菌:武田薬品研施設内で廃液流出 /神奈川
文部科学省は1日、武田薬品工業湘南研究所(藤沢市、鎌倉市)で、遺伝子組み換え大腸菌などの廃液が施設内に流れ出るトラブルがあったと発表した。外部流出は確認されていないという。
同省によると、11月30日午前1〜7時、水道水の止め忘れのため研究所のタンクから廃液1立方メートル程度が1階床面に流出。その後、研究所側が拡散防止措置を取ったという。
藤沢市は1日、トラブルが先月30日に確認されていたにもかかわらず、市への報告が翌日だったとして研究所側に抗議するとともに、「環境保全に関する協定」に基づき、立ち入り検査を実施した。改善対策書の提出を求め、さらに詳しい調査の実施と原因究明、再発防止策を報告するよう指導したという。
研究所稼働に反対する武田問題対策連絡会の平倉誠副代表は「武田はヒューマンエラーは無いようにする、と言ってきたが、無理なことが分かった。そのエラーをチェックできる安全設備設置を、これからも要求していく」と語った。
武田薬品工業は「地域住民に多大な心配をかけ深くおわびする。再発防止策を導入・徹底していく」と話している。【永尾洋史】(毎日新聞 2011/12/02)無審査で遺伝子組み換え細菌=うまみ添加物、大量流通−厚労省
食品衛生法に基づく安全性審査を受けていない遺伝子組み換え細菌を使って発酵させた添加物「5'−イノシン酸二ナトリウム」と「5'−グアニル酸二ナトリウム」が大量に輸入され流通していることが5日、分かった。厚生労働省によると添加物はかつお節とシイタケの風味を出すため、たれやかまぼこ、ハムなどに用いられており、輸入量は年600〜700トンに上る。
厚労省は添加物の販売取りやめを指示し、安全性審査の手続きを開始。「海外では広く使われており、安全性に問題があるとの情報はない」として、審査を通るとの見通しを示した。流通済みの加工食品の販売中止は求めない方針。
厚労省によると、添加物は遺伝子組み換えを行った「コリネバクテリウム」の一種を用い、サトウキビを発酵させて製造、細菌は取り除いてある。韓国・チェイルジェダン社のインドネシア工場で作られ、キリン協和フーズ(東京)など10社が2005年から輸入していた。これらの添加物を使った加工食品の量は、年180万〜200万トンに上るとみられる。
キリン協和フーズが先月、無審査の添加物を使っていると同省に報告した。同社は「昨年10月に韓国企業側から情報を得た。厚労省への報告が遅くなったことはおわびしたい」としている。(時事通信 2011/12/05)遺伝子組み換えパパイア:販売を開始…生食の輸入初
ハワイ産の遺伝子組み換えパパイアが9日、日本に初登場した。会員制の倉庫型店を展開するコストコホールセールジャパン(川崎市)の札幌、兵庫など10店舗で販売が始まった。遺伝子組み換え作物は、食用油や家畜のえさ用で大豆などがすでに輸入されているが、加工せず食べる作物の輸入は初めてだ。
千葉市の同幕張倉庫店には4個入り箱詰めのパパイア(1680円)が並んだ。食品安全委員会が安全性を評価し、消費者庁の表示規定に従い1個ごとに「ハワイパパイヤ(遺伝子組換え)」の黄色いシールがはられている。デパートでは非組み換えの同品種が1個1000〜1500円で売られている。【小島正美】(毎日新聞 2011/12/09)遺伝子組み換えマウス、10日間逃走…厳重注意
文部科学省は20日、独立行政法人国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)が遺伝子組み換えマウスの管理が不十分だとして、同センターに対し、厳重注意した。
同省によると、同センターの研究棟で昨年12月28日、遺伝子組み換えマウス1匹が飼育室から逃げ出した。マウスは、今月7日に、捕獲装置で捕らえられた。飼育室の扉が開けたままで、逃亡防止用装置も外していたことが原因という。
このマウスは、人や哺乳動物に対する病原性は持っていないことから、人への健康影響はない。(読売新聞 2012/01/20)枯葉剤のモンサントがベトナムに進出?
40万人の死者を出した枯葉剤の製造元で反省の色もない米企業を、政府が誘致する事情
遺伝子組み替え作物の種子の世界シェア90%を誇るアメリカの総合化学メーカー、モンサント社がベトナムに「帰還」する準備を着々と進めている。
ベトナムでモンサントの名はそれほど知られていない。しかし同社がかつて開発し、ベトナム戦争で米軍の枯葉作戦で使用された、悪名高き「エージェントオレンジ(枯葉剤)」の名は誰もが知っている。
ベトナムのタインニエン紙によれば、国内の活動家たちはモンサントにベトナムで事業を行う資格はないと反対の声を上げている。ベトナムでは枯葉剤によって40万人が死亡し、50万人の奇形児や障害児が生まれ、200万人にさまざまな後遺症を残した。
モンサントが現在ベトナムで関心を抱いているのは農業分野だ。遺伝子組み換え技術で農作物の収量を上げる技術を持つモンサントを、ベトナム政府が誘致しようとしていると、タインニエン系列の週刊誌が報じた。
ベトナムとアメリカ両国の枯葉剤犠牲者から訴えられているモンサントは、もちろん過去を忘れたわけではない。米軍からの発注で製造した枯葉剤は、植物を枯らしてジャングルに潜む共産ゲリラをあぶり出して掃討するために散布された。
モンサント社の冊子は、枯葉剤は愛国的な化学薬品だったと紹介しいる。「アメリカと同盟国の兵士の命を守る」ために作られたものであり、係争中の裁判については「当事者だった政府によって解決されるべきだ」と主張している。
モンサントのベトナム進出を阻止しようとする活動家たちの戦いは、すでに苦戦を強いられているようだ。タインニエン紙によれば、ベトナムの元副国防相が国会でこの問題を取り上げようとしたが、政権側に発言を妨げられたという。(ニューズウィーク日本版 2012/02/08)遺伝子組み換え作物:栽培面積、過去最大に…米NGO発表
昨年の世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積は過去最大の1億6000万ヘクタールだったと、NGO「国際アグリバイオ事業団」(本部・米国)が14日、発表した。商業栽培が始まった96年に比べて94倍、前年比で8%増えた。特に途上国での増加が目立ち、年内には先進国の栽培面積を初めて上回る見通しという。
栽培国は、米国の6900万ヘクタールを筆頭に計29カ国。ブラジルの3030万ヘクタール、アルゼンチンの2370万ヘクタールなど上位10カ国のうち8カ国を途上国が占めている。生産者は計1670万人で、うち9割以上が途上国の小規模農家だった。主な作物はトウモロコシや大豆など。日本は国内で栽培していないが輸入している。
急増の背景について、事業団は「気候変動に伴う干ばつとそれがもたらす飢餓への脅威から、生産効率の高い遺伝子組み換え作物の需要が高まっている」と分析。15年には約40カ国の約2億ヘクタールで栽培されると予測する。【田中泰義】(毎日新聞 2012/02/14)米モンサントの除草剤訴訟、原告勝利で賠償命令 フランス
【2月15日 AFP】農作業中に除草剤を吸入したために健康を害したとして、米バイオテクノロジー企業大手モンサント(Monsanto)を相手取り、フランスの農業従事者が2004年に損害賠償を求めた裁判で、仏リヨン(Lyon)地裁は13日、原告の主張を認め、賠償請求を認める判決を下した。世界的な影響を与える可能性のある判決となった。
判決は「モンサントのラッソー乳剤(除草剤)を吸引した原告ポール・フランソワ(Paul Francois)氏(47)の健康被害について、モンサントには責任があり、損害賠償を全額支払う必要がある」とした。
原告の弁護士フランソワ・ラフォルグ(Francois Lafforgue)氏は「この判決は、各国の農業従事者に関わるものだ」と述べた。
穀物農家を営むフランソワ氏は2004年、モンサント製の除草剤を使用した際に誤って吸引してしまい、吐き気、吃音、めまい、頭痛、筋肉痛などの症状が表れ、以降1年間は仕事に復帰できなかった。
カナダ、英国、ベルギーではすでに使用が禁止されていた2007年まで、フランスではラッソー乳剤が市場に出回っていた。この点についてもモンサントは指摘・非難されている。
モンサントはまた、有害物質の含有および吸引した際の人体へのリスク、さらにはマスクの着用といった防護策についても、ラベルへの記載を怠っていたとされる。
モンサント側の弁護士ジャン・フィリップ・デルサール(Jean-Philippe Delsart)氏は、原告の訴える症状が除草剤の使用から時間が経過した後に表れたことから、関連については証拠がないと反論した。
上訴についてモンサントは、現時点で未定としている。
大量に使用されている農薬について反対を訴えるフランスの消費者団体「ジェネラシオン・フュチュール(Generations Futures、未来世代を守る運動)」は今回の判決を歓迎している。
同団体の広報は「この問題において、モンサントの責任が認識されることが重要だ。農薬関連企業は今後、責任逃れが不可能になったことを分かっただろう」と述べた。また「全ての農業従事者と全ての農薬による犠牲者にとって重要な一歩。彼らの体をむしばむ病理の苦しみに対してモンサントは責任を問われ、損害賠償が支払われる」と続けた。
農民運動と反グローバリゼーション運動の活動家として知られる、欧州議会のジョゼ・ボベ(Jose Bove)議員は、フランスの農薬認可制度を改革することが必要だと述べた。ボベ議員はAFPに対し、「ラッソー乳剤は1980年代に危険と分類された…しかし、2007年になってようやくその販売が禁止されたことからも分かるように、認可制度を全体的に作り直す必要がある」と語った。(AFP 2012/02/15)仏政府、GMコーンの栽培禁止=「環境保護」で予備的措置
【パリ時事】フランスの持続的開発省と農業省は16日、米バイオ大手モンサントの遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ「MON810」について、仏国内での栽培を一時的に禁止すると発表した。
環境保護のための予備的措置という。
仏政府は2月、MON810が環境に深刻な影響を及ぼす恐れがあるとして、栽培認可を停止するよう欧州連合(EU)欧州委員会に要請。農業省などによると、欧州委員会は要請を欧州食品安全機関(EFSA)に付託したが、 EFSAの見解が出るまでは具体的対策を講じない方針のため、仏政府が独自判断で栽培禁止に踏み切った。
仏政府は2008年に MON810の栽培を禁止したが、行政裁判の最高裁に当たる国務院が11年11月、「健康および環境への著しく高レベルのリスクが存在する証拠が提示されていない」として、禁止を無効と判断。仏政府は国内での栽培を認めない方針を崩しておらず、モンサントは今年1月の時点で「好ましい販売環境が整っていない」として、フランスでは MON810を販売しないと表明している。(時事通信 2012/03/17)米農業団体連合、政府に「危険な」除草剤の分析求める
【18日ロイター時事】米国の農業従事者や食品会社が参加する連合組織「セーブ・アワ・クロップス・コアリション(SOCC)」は18日、化学・種子メーカーが販売する遺伝子組み換え作物と除草剤散布によって生じる恐れのある潜在的な被害について連邦規制当局に分析を求める法的措置を講じると発表した。
ダウ・ケミカル傘下のダウ・アグロサイエンシズやモンサントといった世界的な化学・種子メーカーは、新たな遺伝子組み換え作物と、この作物専用の新除草剤をセットで開発し、販売すべく競争している。除草剤に耐性を持った雑草が米国の農地で急速に拡大していることへの対抗策だ。
ダウとモンサントは、これらの作物と除草剤のセットに対するトウモロコシ、大豆、綿花生産農家からの需要が非常に大きいと指摘する。最も多く使用されているグリホサート系除草剤「ラウンドアップ」に雑草が耐えるようになってきているからだ。
しかし、反対派は、これらの新除草剤(ダウでは「2,4-D(ジクロロフェノキシ酢酸)」、モンサントでは「ジカンバ」)の主要成分が既に市場に出回る除草剤にも使われており、「対象でない」場所にダメージを与えることが判明していると指摘する。対象だけに除草剤を効かせることが難しいからだ。風、熱、それに水分によって化学物質が移動し、庭、作物、それに樹木がダメージを受ける可能性がある。現在この化学物質は厳しい制限の下で使用されているにもかかわらず、ここ数年、多くの農地で大きな被害が出ている。
SOCCと契約する弁護士のジョン・ボード氏は、「これらは市場に出回っている中で最も危険な化学物質だ」と述べた。
SOCCには、遺伝子組み換え作物に反対する他の多くの団体と違い、バイオテクノロジーを利用・支持している農業従事者が多く参加している。SOCCはこれがバイオテクノロジーへの批判ではないと指摘し、バイオ作物とともに使われる化学物質の危険性に焦点を置きたいとしている。
SOCCには2000人以上の農業従事者のほか、インディアナ野菜生産者協会などの団体や食品大手のセネカやレッド・ゴールドなども参加している。(時事通信 2012/04/19)殺虫性GM作物の殺虫成分がヒトの細胞にも影響 フランスの大学で研究結果を公表
殺虫性遺伝子組み換え(GM)作物に次々疑惑が指摘されている。フランス・カーン大学の研究チームは、遺伝子組み換えの殺虫性作物がつくりだす殺虫成分Bt毒素が、人間の細胞に有害な影響を及ぼすと警告している。またスイスの大学の研究チームは、殺虫成分毒素でテントウムシの幼虫の死亡率が高まったという研究結果を公表した。『バイオジャーナル』誌2012年4月号が報じた。...(日刊ベリタ 2012/04/19)
【関連サイト】
遺伝子組み換え食品について衣料品製造会社が知っていること(パタゴニア)
GM food banned in Monsanto canteen (Independent 1999/12/22)
GM scientists 'know too little' on wildlife (BBC News 2003/07/21)
Monsanto Internal Report Leaked to GeneWatch UK (GeneWatch UK)
Monsanto Whistleblower Says Genetically Engineered Crops May Cause Disease (Institute for Responsible Technology)
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