未来を語らない、2001年の終わりに



あと少しで2001年が過ぎ去ろうとしている。かつて私(たち)が子どもだった頃、2001年は「遠い未来」だった。その未来にいったい自分が生きているのかどうかすらも見当がつかなかったが、それでもどうにか今日まで生き延びてこれた。あの頃、2001年は“バラ色の未来”だったような気もする。2001年になれば、当然リニアモーターカーは走っているだろう、宇宙旅行だってできているだろうと漠然と夢想していたくらいだ。しかし現実の「未来」はそうではなかった。この一年を振り返ったとき、おそらく記憶のなかでは「戦争元年」と呼べる年になるであろうか。

2001年と言えば、やはり『2001年宇宙の旅』(1968年公開、スタンリー・キューブリック監督作品。原題は "2001: A Space Odyssey")である。今年リバイバル上映されたとき、シネラマで見られないのは残念だったが、それでも日本最大のスクリーンサイズ(幅19.4m×高さ8.1m)を誇るヴァージンシネマズでこの映画を再見できたことは望外の喜びだった。今あらためて見てもじゅうぶん迫力ある斬新な映像だと再確認するとともに、この2001年に『2001年宇宙の旅』を見るというのはとくべつ感慨深いものがある。しかしいまだに現実世界はこの映画を超えられないでいるとは…。

とっくに忘れかけているが、2000年ないしは2001年にコンピュータが叛乱するという、いわゆる「Y2K問題」というのがあった。実際にはそれほどの影響はなかったが、アップルはさすがに用意周到、『2001年宇宙の旅』に登場した人工知能型コンピュータ「HAL9000」を自社のCM "It was a bug, Dave"(要Quick Time 7.9MB)に再登場させ、「ハロー、デイブ〜Macintoshだけが(2000年問題にも対応できるように)完全に機能してデザインされているんだ〜私なんかよりよっぽどMacの方が気に入っているみたいだね。ねえデイブ、聞いているの?」とY2Kについて語らせたのである。なかなかの妙案だと感心したが、ただ少しばかり気になったことがある。以下、HALの“証言”から──


hal9000.jpg


"Good afternoon, gentlemen. I am a HAL 9000 computer. I became operational at the H.A.L. plant in Urbana, Illinois on the 12th of January 1992. My instructor was Mr. Langley, and he taught me to sing a song. If you'd like to hear it I can sing it for you."


そう、HALは1992年1月12日に稼働したマシンだったわけだが、Macが誕生したのはHALよりも古く1984年だった。何となく疑問をいだきながらも、まあ映画のHALも論理矛盾をきたしたから問題はなかろう(笑)。それによくよく考えれば、HALも映画のなかで「叛乱」を起こしており、Y2K問題を語るにふさわしいともあまり思えないが…(もっともアップルのCMでは「あれはバグだったんだ」とHALは人間のせいにしていたけれども)。ところで、うがった見方かもしれないが私の仮説を提起するなら、HALの名の由来がIBMのもじり(3文字を1文字ずつずらす)であること、そしてMacのPowerPC RISCマイクロプロセッサがIBM製であることから、もしやHALとMacは親戚なのでは?

考えてみると「パーソナル・コンピュータ」と「インターネット」の出現は、思い描けなかった未来と言えるかもしれない。2001年を迎えた今、まさか私(たち)がこうしてWebサイトや電子メールで情報発信しているなど想像すらできなかったわけだから。これは2001年の風景に似つかわしく思える。それと最近になってやっと実物を拝見できたのが、ホンダのASIMO。まだよちよち歩きではあるが、まあ今年の10月31日で満1歳になったばかりでもあるし(笑)。さすがにネコ型ロボット「ドラえもん」ほどの成熟さは見込めないが、これも2001年の風景にふさわしい。

ドラえもんの「どこでもドア」は理想としても、つい最近インターネット上でならタイムスリップできることが発表されたのには驚かされた。それというのは、もうなくなったと思われているWebページなどが過去さかのぼって見ることのできる、100億以上のWebページを保管する世界最大のインターネット図書館 "Wayback Machine" (IThe Internet Archive: Building an 'Internet Library')が開館したというもの。今はもうなくなっている、あなたが探したいと思われているお気に入りのWebページや、あなたが過去に作成され、とうの昔になくしたホームページにも出会えるかもしれない。のび太の気分を味わえるかも?(ただし過去6年間分に限られ、URLを入力する必要があるが) さすが知的所有権を主張するアメリカだけあって、著作権侵害は「図書館」という名目でクリアしようという魂胆か。よくもまあこれだけ大量のキャッシュを全世界から盗んできたのには恐れ入る。これぞエシュロンも顔負けの“泥棒ネコ型ロボット”だな(笑)。

さて2001年が過ぎ去ろうとする現在において、未来はどこにあるのか? と考えると、実はもう未来はとっくに来てしまったのだと私は考える。いやそんなものは空想の産物でどこまで行ってもありはしないのかも。『2001年宇宙の旅』の原作者で、仏教に傾倒して1968年来ずっとスリランカに住んでいるというSF作家アーサー・C・クラークは、未来について「2061年までに国民国家は消滅し、電子ネットワークで結ばれた気の合う者仲間同士のグループが幾千もできるだろう」「宇宙からの脅威だけが、いさかいが絶えない人類を団結に導くだろう」(中日新聞 1998/04/14)と語っている。

しかしながら、イギリスの宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士の見解は厳しい。「人類は今後1000年以内に災害か地球温暖化のために滅亡する」「他の惑星に移住することしか人類が生存する方法はないだろう」(毎日新聞 2000/10/29)と。最近では「宇宙に進出しなければ、人類はウィルスにより今千年紀末までに滅亡する可能性がある」(ロイター通信 2001/11/16)とも発言されている。

しかしながら、私の見解はそのお2人よりさらに厳しい(笑)。おそらく人類は、「遺伝子組み換え作物の遺伝子変異」もしくは「遺伝子兵器の出現」によって今世紀中に滅びるであろう。

つい先ごろNHKの『プロジェクトX〜挑戦者たち』という番組で「食卓の野菜を守れ−8ミリの悪魔・ウリミバエ根絶作戦−」が放映されたのできっとご覧になった方もおられるだろう。かつて沖縄全域で大量発生した害虫ウリミバエは、どんな農薬を使っても根絶できなかったが、そのウリミバエの蛹(オス)に放射線コバルト60を照射して成虫の不妊化を施したあとで大量放飼する(不妊虫放飼法)ことにより、ウリミバエはまたたく間に激減し、1972年に開始された根絶防除作戦から21年後の1993年、沖縄全域から完全に根絶されたのである。地域的にみるなら、久米島ではわずか4年あまりで根絶された。これは何を意味するか?

昨今の報道によれば、世界各国で「精子減少」「不妊症」が増加の一途をたどっているという。たとえば、デンマークでは708人の男性を対象に海軍の医学調査が行われ、対象男性の43%に生殖能力を低下させるに著しい精子数減少が見られたという。日本もまた例外ではない。帝京大学医学部で行われた調査では、医学部の健康な学生約30人の精液を調べたところ、半数を超える学生が「通常の性行為で妊娠するのに必要な精液中の精子数」がWHO基準を満たさなかった。また東京近郊に住む男性で20代男性の精子数(平均値)が40代前後の男性の約半数しかないことも判明した。あるいは旭川医科大学では、56人の男性の精子の染色体を調べたところ、精子の染色体異常率が3.6%- 24.8%にものぼり、全体としてネズミや家畜の約10倍に達するレベルだった。 一説ではその「精子減少」の原因は環境ホルモンともダイオキシンとも化学物質とも言われているが、いずれにせよこのまま行けば「トキ絶滅」と同様、人類の絶滅もそれほど遠い将来ではないだろう。それを加速する要因として、先に挙げた「遺伝子組み換え作物の遺伝子変異」「遺伝子兵器の出現」が決定的な役割を果たす、と私は確信している。

もう、未来を語るのはよそう。


【2001/12/13 江原・記】




■Sigur Ros - Untitled #1 (vaka)



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「喫煙男性は生殖能力低下」 未熟精子多く卵巣壁破れず
鳥取大教授ら研究

たばこをよく吸う男性は運動能力が活発でない未成熟精子の割合が多く、全く吸わない男性と比べると妊娠させる能力が2割から3割落ちる。こんな結果が鳥取大医学部の宮川征男教授(泌尿器科)のグループの研究で分かった。
宮川教授らは1日20本以上のたばこを3年以上吸ってきた男性と、全く吸わない男性それぞれ23人の精子の形態やハムスターの卵巣壁に突入する力、たばこのニコチンが変化してできる物質で、体に有害とされているコーティニンの量などを比較した。
レーザー顕微鏡による形態の分析では、精子の頭部のすぐ後ろに薄い殻のような「膜様構造物」がついたままの未成熟精子が喫煙者では平均して全体の約6割を占めた。一方、吸わない男性では未成熟精子の割合は平均4割だった。喫煙者の精子は、卵巣壁を突破する力も非喫煙者より2割から3割弱かった。
こう丸(精巣)内で、精子を成熟させる働きをする男性ホルモンや男性ホルモン結合たんぱくの分泌量も喫煙者のグループは吸わないグループと比べて少なく、コーティニンの量は平均して吸わない人の21倍を記録した。
宮川教授らは、これらの原因のため、こう丸や副こう丸内で順調に成長するはずの精子が、男性ホルモンなどの分泌量低下で成長を阻害されて未成熟となり、全体として、妊娠させる能力が、吸わない人より2−3割低くなると結論づけている。
これらの研究結果に対し、日本たばこ産業(JT)科学情報室の大河喜彦室長は「比較するグループについて、喫煙以外の要素、例えば食事や遺伝体質、職業、各種医薬品の摂取状況などのデータをそろえているかどうか疑問が残る。要素がすべてそろわないと、喫煙だけで未成熟精子の割合が増えるとはいえないと思う」と話している。

飯塚理八・慶大名誉教授(産婦人科学)の話 この研究は喫煙と未成熟精子の因果関係を焦点にした新しい方法で、評価できる。ただ、精子には正常な人でも未成熟や奇形があり、その割合が15%以下なら正常とみるのが産婦人科医の常識なので、吸わないグループの未成熟が4割というのは、高すぎる気がする。(朝日新聞 1993/11/08)

若いほど精子形成能力が低い 不妊治療で夫500人調査
若い男性ほど睾丸(こうがん)の精子形成能力に問題のある率が高いことが、大阪市内の医師が不妊治療に訪れた女性の夫500人を対象にした調査でこのほど分かった。
近年、男性の精子数減少が指摘されているが、国内でこれだけ大人数を対象にした調査は珍しい。
調査をしたのは西川婦人科内科クリニック(大阪市中央区)の西川潔院長。昨年11月から今年5月までに不妊治療で来院した女性患者について、夫側に原因がないかを調べるため1ミリリットル当たりの精子数や運動率を検査。うち他の医療機関で精子数異常と診断された人やインポテンス(性的不能)の男性は除き、計500人を対象とした。
その結果、自然妊娠が可能とされる4000万個の基準に達しなかったのは、26−30歳が61%、31−35歳が59%、36−40歳が52%、41−45歳が53%と、若いほど比率が高い傾向にあった。
運動率を加味した「活動精子数」の比較で、自然妊娠が困難とされる2000万個以下が31−35歳は64%、41−45歳は53%と、10歳違いで10ポイント以上も差が開いた。
西川院長は「臨床の場で精子が減っているという実感があったが、数字で裏付けられた。最近の高ストレス社会や内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)も精子減少の一因ではないか」と話し、10年前に調べた500人のデータとも比較、分析したいとしている。(中日スポーツ 1998/09/03)

男性の生殖能力低下 研究を
環境ホルモン論争のスカケベック教授語る

環境ホルモンが男性の精子数を減少させるかどうかをめぐる論争の火付け役の1人、デンマーク国立コペンハーゲン大学のニールス・スカケベック教授(生殖発達学)が、このほど市民団体の招きで来日、「世界的に男性の生殖能力の低下を示す状況が起きており、この問題をきちんと研究すべき」と語った。
スカケベック教授は1992年、それまでに報告されていた男性の精子数についての研究論文61編を調査、20か国、約1万5000人の成人男性の平均精子数が、過去50年間に1ミリ・リットル中1億1300万から、6600万に減少、精液量も減っていると発表して議論を呼んだ。
その後、精子数の減少などの原因は環境ホルモンとする仮説がイギリスの研究者などから出され、日本でも話題となった『奪われし未来』(シーア・コルボーンほか著)の中でも紹介されて一挙に注目を集めた。
ただ、精子数については、「変化はない」「減少している」と相反する説が発表され、結論は出ていない。このため、同教授らが中心となり、96年から生殖能力のある男性を対象にアメリカ、フランス、日本など7か国で同一の測定方法により精液量、精子の数や運動能力などを調査している。
来日中の会見で、スカケベック教授は「精子数はあくまで指標の1つ。ほかにも男性の生殖能力の低下を示すデータが発表されている」と指摘した。例えば、デンマークやノルウェー、ドイツなどヨーロッパでは不妊の原因と関係がある精巣がん患者の数がここ30年間で3倍近くに増えていることや、デンマークでは体外受精など人工的な不妊治療によって妊娠するケースが全体の約5%と高い割合にある事実を挙げた。
その原因について「まだ分からないが、胎児の間に何らかの作用があったと考えられる。環境ホルモンの影響も含めて男性の生殖能力に何が起きているか調べる必要がある」と強調した。また、環境ホルモンの影響かどうかはっきりするまでは、「人間の体をなるべく化学物質にさらさないことが望ましい」と答えた。
スカケベック教授は、「環境ホルモン全国市民団体テーブル」(東京)の招待で日本を訪れ、東京、京都、福岡で研究者との意見交換や講演会を行った。(読売新聞 1998/10/18)

「精子減少」原因は環境ホルモン? 動物で疑い濃厚に
日米欧の共同研究始動

男性の精子が減っていると指摘される問題で、生物の生殖機能を乱す環境ホルモン(内分泌かく乱物質)との因果関係を探る研究が活発になってきた。動物実験では“環境ホルモン犯人説”を示唆するデータが集まり始め、これを人間で検証しようと日米欧の国際共同研究も動き出す。ただ、精子減少の真偽や原因の解明には徹底的な調査研究が欠かせず、「官民あげて支援が必要」と指摘する研究者が多い。

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「シロの可能性もあると予想していたのに、逆の結果が出てびっくりした」。東京理科大学の武田健教授は精巣の組織が縮んだネズミの写真を指さしながら、驚きを隠さない。
同教授らは帝京大、国立環境研究所などと共同で、ディーゼル車の排ガスをネズミに長期間吸わせると、精子を作る能力が大幅に低下することを突き止めた。交通量が多い道路沿いの濃度の2−20倍では、半年間で能力が2−5割下がる。ディーゼル排ガスはこれまで呼吸器障害の原因と指摘される一方、生殖器への毒性はないとされてきたが、結果はクロと出た。
排ガス中のどんな物質が原因なのかまだ特定できないが、「ホルモンの働きがかく乱されて精巣に異常が生じたのは明らか」と武田教授は話す。ホルモンに敏感な胎児がさらされた場合の影響はどうなのか、研究チームはさらに実験を続ける計画だ。

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精子減少問題が関心を集めるようになったのは、デンマークのニルス・スキャケベク・コペンハーゲン大教授が92年、「人間の精子数は過去半世紀で半減した」と報告したのがきっかけ。日本でも慶応大や帝京大が精子減少を報告する一方、米国などには否定的なデータもあり、科学的に決着していない。データがまだ少ないことや採取条件にばらつきがあるためだ。
だが、スキャケベク教授は「精子減少を断定できないからといって原因究明を先送りできない」と指摘する。ドイツ、英国などでは成人の精巣がんが急増し、デンマークでは過去50年で4倍に増えた。「精巣組織の異常は生殖機能の低下を雄弁に物語っている。不妊に悩む男性を救うためにも、徹底した研究が欠かせない」(同教授)
問題は、生殖機能低下をもたらす可能性のある“被疑者”をどう絞り込んでいくかだ。精子減少の原因としては(1)きついパンツやジーンズの着用(2)電磁波や放射線(3)都市部の気温上昇や空調機器の普及──など様々な説が提唱され、「人口爆発に歯止めをかけるための遺伝子の命令」といった大胆な説もある。いずれも肯定材料は乏しいが、完全に否定されてもいない。
こうしたなか、環境ホルモン犯人説は動物実験レベルでは裏付けが進んできた。米ミズーリ大のチームは昨年、環境ホルモンの疑いのあるビスフェノールAを妊娠中のネズミに与えると、生まれたオスの精子生産能力が低下したと発表。ダイオキシンでも欧州で同種の報告が相次いでいる。
聖マリアンヌ医科大、大阪大、慶応大など5大学はこうしたデータを裏付けるため、欧米の研究機関と連携して調査研究を本格化する。北海道、北陸、関西など全国規模で精液の採取調査に取り組むほか、環境ホルモンの影響も動物実験で検証し、因果関係の解明につなげていく。

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ただ、課題も多い。環境ホルモン犯人説を人間でも裏付けるには、特定の化学物質にさらされやすい工場や道路周辺などの住民と、平均的な環境に住む人との比較など徹底した疫学調査が欠かせない。岩本晃明聖マリアンヌ医大教授は「地域差の解明が出発点になるが、そのためには国の支援や市民の協力がカギを握る」と話す。
「精子減少は人類を根絶やしにする重大問題と宣伝されがちだが、地に足のついた研究も必要」とスキャケベク教授は話す。化学物質が原因で精子が一度減っても、摂取をやめると再び回復した例が動物実験では報告されている。化学物質の毒性評価の専門家と、男性不妊など医学研究者が連携し、成果を不妊治療に生かしていくといった現実的な視点も重要になる。(日本経済新聞 1998/10/19)

若者の9割 精子異常 4割は精液量過小症
ハンバーガーやジーンズが影響か 大阪の医療機関が調査
ストレスとジーンズの着用が精液量を減らし、ハンバーガーを食べると精子が奇形になる!? 不妊治療を行っているIVF大阪クリニック(大阪府東大阪市)の調査で、健康な20歳前後の男性の9割以上が精子の一部に奇形があり、4割は精液量が少ないことなどが分かった。12日から鹿児島市で開かれる日本不妊学会で発表する。
調査結果を分析した同クリニックの西原卓志薬剤師は、ストレスや食生活、衣服などの生活環境と精子の異常が関連している可能性がある、と指摘している。
同クリニックは5月から10月にかけ、大阪府などに住む19歳から24歳までの健康な男性60人の精液を検査。食生活、衣服などの生活習慣もアンケートした。
精子の奇形が10%以上あると不妊の原因ともなるが、60人中56人、93%が奇形率10%を超えていた。
また精液の量が少ない精液量過小症は43%、精子数が少ない乏精子症が40%に上り、同クリニックで診療を受ける男性患者の平均値よりもやや悪かったという。
生活習慣では「ストレスに弱い」と答えたうちの61%、「ジーンズをよくはく」の62%が精液量過小症で、「ハンバーガーをよく食べる」と答えた77%に精子奇形率が高い傾向があった。
西原薬剤師は「健康とされる若い男性に精子奇形や精液量過小が多く、驚いている。今後も継続して調査したい」と話している。(中日スポーツ 1998/11/12)

日本人男性の精子減少や奇形の報告 不妊学会
日本人男性の精子数が減ったり奇形が増えたりしているとする研究報告が13日、鹿児島市で開かれている日本不妊学会で発表された。
慶応大医学部研究チームは、非配偶者間人工授精のために1970年−98年に提供を受けた約6000サンプルの精子を調べた。その結果、1ミリリットル当たりの精子数は70年代が平均約6500万個、80年代が約6300万個だったのに対し、90年代が約5700万個に減少していた。
また、IVF大阪クリニック(大阪府東大阪市)は大阪府などに住む19歳から24歳までの健康な男性60人から精液をもらい検査。形に異常があり不妊の原因になりうる精子が10%以上あった男性が60人のうち56人、約93%を占めた。
不妊外来に訪れた男性の間でもここ3年間に、奇形な精子を持つ男性の割合が急増していたという。
これらの報告に対し会場から、「調査人数が少ない」「サンプルを同じ医師が調べていないので、検査者によってデータにばらつきがある」などと、検査の仕方に問題があるとの指摘や質問が相次いで出された。
原因についても、動物の生殖能力に異常をもたらすとされる内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の影響を示唆するとの指摘があったものの、食生活や服装などの要因もあげられ、見方は一致せず、より精度の高い検査法による全国規模での統一的調査の重要性が指摘されるにとどまった。(日本経済新聞 1998/11/14)

ディーゼル排ガス 環境ホルモンと同じ作用
男性ホルモン阻害 精子形成に影響 金沢大教授ら発見
ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる微粒子(DEP)に、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)と同じ作用を示す性質があることを、金沢大薬学部の早川和一教授らの研究グループが人のがん細胞を使った実験で突き止め、11日から京都市で始まる日本内分泌かく乱化学物質学会で発表する。DEPに男性ホルモン阻害作用があることを明らかにしたのは世界で初めて。DEPを含め、遅れている化学物質の環境ホルモン作用の解明が急がれる。
研究グループは、男性ホルモンを与えると増殖する性質がある人間の前立腺(せん)がん細胞に着目。4PPb(1PPbこれに対し、ディーゼル自動車の排ガスから採取したDEPを加えた同様の実験では、がん細胞の増殖数は1.7倍程度に抑えられ、男性ホルモン作用を阻害する性質を示した。男性ホルモン作用で合成されるたんぱく質も、DEPを加えると合成量は約半分に抑えられた。
さらに女性ホルモンを与えると増殖する人の乳がん細胞を使った実験でも、DEPには女性ホルモン作用を阻害する作用があることが判明した。
すでに東京理科大と国立環境研究所などの共同研究で、大気中の約20倍の濃度の排ガスを吸わせたマウスは、吸わせなかったマウスに比べ、精子の形成能力がほぼ半減することが確認されている。
環境庁の環境ホルモンとして疑われている物質67種類の中では、DEPの成分のうち、多環芳香族炭化水素類(PAH)のベンツピレンとダイオキシンが含まれているだけだが、早川教授は「DEPには100種類以上のPAHがあるが、合成女性ホルモンと構造が似たものも多く、PAH類全体が環境ホルモンの可能性がある」と話している。
男性ホルモンと精子の関係について、精巣にあるセルトリ細胞から栄養を与えられて造られる精子の形成能力は、この細胞が男性ホルモンのコントロールを受けていることから、男性ホルモンの働きが悪くなると、低下することが考えられる。

国立環境研究所・嵯峨井勝総合研究官の話 「DEPに女性ホルモン作用を阻害する性質も見つかったので、メスの動物の生殖に影響が起きているかどうか調べる必要がある。非常に意義のある研究だ」

<DEP> ディーゼル自動車から排出される黒煙に含まれる微粒子。大きさが10ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)以下の大気中に漂う粒子状物質(SPM)が、ぜんそくなどの呼吸器疾患の原因物質とされているが、東京都内のSPMの7割はDEPだと指摘する専門家もいる。ダイオキシンが含まれていることも判明、発がん性、催奇性などについて研究が行われている。(読売新聞 1998/12/09)

環境ホルモン 生殖機能が低下 成長後も悪影響
国立環境研など
プラスチックの原料に使われ内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)と指摘されているビスフェノールAを、成長したラットが摂取すると精子が減るなど生殖機能に悪影響が出ることが、国立環境研究所と東京大学の共同チームによる研究で分かった。11日から京都市で開かれる「内分泌かく乱化学物質問題に関する国際シンポジウム」で発表する。
環境ホルモンはこれまで妊娠中の胎児に対する問題が指摘されていたが、成長してからの摂取の影響が明らかになったのは初めてという。
共同チームは人間の20歳代に相当する生後120日の雄ラットに、体重1キログラム当たり0.2ミリグラムのビスフェノールAを6日間にわたり口から与えた。摂取をやめてから1カ月後に生殖機能を調べた。
その結果、ビスフェノールAを摂取しなかった5匹のラットは精巣にある精子の個数が平均で4000万個だったが、摂取した5匹のラットは3500万個と減少していた。
また精子の運動率も下がったという。
環境ホルモンが妊娠中に体内に入ると、胎児の発育や成熟時の生殖機能などに影響すると心配されているが、成人した男性についても環境ホルモンの影響を検討する必要が出てきそうだ。(日本経済新聞 1998/12/10)

ディーゼル車排ガスで精子数減少
窒素酸化物影響か 都立衛生研
京都市で開催中の「内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)問題に関する国際シンポジウム」で、東京都立衛生研究所の研究チームは12日、ディーゼル車の排ガスを吸ったラットに精子数の減少など生殖機能の異常が起きたとする研究報告を発表した。
研究チームは大気中の60倍に相当するディーゼル排ガスを含む環境で、生後すぐのラットを約3カ月間育てた。その後に精巣の中にある精子数を調べたところ、排ガスを吸わなかったラットは精液1ミリリットル当たり2500万個だったのに対し、吸ったラットは半分以下の同1000万個だった。
また、精巣などの形成を促す性腺(せん)刺激ホルモンの量も、排ガスを吸ったラットは半分以下に減っていたという。
研究チームは粒子状物質を除いた排ガスを与えても同様な精子の減少が見られたため、排ガス中の窒素酸化物などがホルモンをかく乱しているのではないかとみている。(日本経済新聞 1998/12/13)

「環境ホルモン作用」初めて確認 ディーゼル排ガスで生殖能力低下
ディーゼル排ガスをマウスに吸わせると生殖能力が低下し、次世代にも影響が出たという実験結果を嵯峨井勝・青森県立保健大教授らの研究チームがまとめ、7日に東京で開かれた大気環境学会の国際シンポジウムで発表した。
排ガスの微粒子(DEP)が含む多環芳香族炭化水素という有機物質が原因とみられる。ディーゼル排ガスが内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)として働くことを動物実験で確認したのは初めて。
嵯峨井教授は「環境中に大量に存在する点でダイオキシンよりも危険。ディーゼル排ガス抑制に早急に取り組むべきだ」と指摘している。(中日スポーツ 1999/07/08)

低精子の原因が性染色体上に見つかった
生殖技術の進歩で、精子の数が極端に少ない男性でも、体外受精で父親になれる時代になった。しかし、こうして生まれた男子は、父親の「低精子」を引き継いで、子どもができない可能性が高い、という研究が、7月1日発行の雑誌「人間生殖」(Human Reproduction)に掲載された。
研究者は、ホワイトヘッド研究所(マサチュ−セッツ州ケンブリッジ)のデ−ビッド・ペ−ジ博士。博士によると、「低精子」ないし、「無精子」の性質は、Y染色体のなかの「AZFc」と呼ばれる部分の遺伝的欠陥が原因で起きる場合が多い、という。そして、たとえそういう男性に、人工生殖技術によって子どもができたとしても、この遺伝的欠陥は男の子に伝わり、その息子は、普通の状態では子どもができなくなる、という。すなわち、男の子の側の孫は望めなくなるわけだ。しかし、女の子どもの場合は、父親のY染色体を引き継いでいないから、不妊症などの障害は起きない、という。(日経ヘルス 1999/07/21)

殺虫剤が精子の能力を低下させる──体外受精で証明
殺虫剤にさらされる機会の多い男性は、精子の受精能力が低下していることが、体外受精を試みたカップルを調べてわかった。殺虫剤が精子に与える影響を、現実問題としてはっきりと示されたのは始めてである。
この研究を行ったのは、オランダのワゲニンゲン農科大学の研究者たちで、これを英医学誌「ランセット」最新号で報告した。
研究者たちは、同国で1991年以降に行われた836組の対外受精のケ−スについて、男性の側に一連の質問をして、各人がどの程度殺虫剤にさらされていたかを調べ、同時に、他の有害物質との接触状況についても調査した。
その結果、仕事上殺虫剤と接触することの多い男性では、受精率がはっきりと低いことがわかった。しかし、殺虫剤に含まれるどの化学物質が影響を与えているのか、については特定できなかった。
この研究では、デ−タを分析するさい、男性の喫煙習慣、カフェイン、アルコ−ルの摂取などの要因についても考慮したが、これらの要因は精子の機能にはほとんど影響していないこともわかった。(日経ヘルス 1999/08/19)

日本人男性の27%は精子形成不全
日本人男性の約27%が精子が成熟しない「精子形成不全」であることが、元国立環境研究所長の鈴木継美氏らが行った保存精巣を対象にした調査でわかった。1988年から1993年までは精子形成不全の割合は増加していたが、1998年にはやや改善した。調査は環境庁の委託で、行政解剖機関に1978年から保存されていた20〜69歳の日本人男性の精巣組織697例の状態を判定する方法で行った。フィンランドでは男性に精子形成不全の増加が問題になっているものの、日本ではここ20年間での精子形成不全の増加は認められていないと報告は結論している。(日経ヘルス 2000/01/17)

日本人正常男性の精液濃度は若年男性で低いことが判明
聖マリアンナ医科大学泌尿器科教授の岩本晃明氏らの研究グループは、1997年から国際共同研究として取り組んできた「日本人正常男性における生殖機能調査」を完了。日本泌尿器科学会のポスターセッションで4月16日、その結果を発表した。この調査は、子供がいる(妊孕能を持つ)若中年男性と一般の若い男性とで、精液濃度や精巣の大きさなどを比較するもの。日本人男性では若年者の方が精液濃度が低いとの結果が出たが、禁欲期間などに違いがあり、結果の解釈には注意が必要になりそうだ。
調査の対象は、川崎・横浜地区に住む妊孕能を持つ男性359人と、川崎地区に住む男子大学生336人。前者の調査は1997年11月から1998年12月にかけて、現在妊娠中の女性のパートナーで、現在の妊娠について特に不妊治療を行っていない20〜44歳の男性を対象に行った。後者の調査は、健康な男子大学生(18〜24歳)を対象に、1999年5月から2000年5月にかけて行った。両者とも、本人と母親が日本国内で生まれていることを条件とした。
生殖機能への影響が考えられる因子を両者で比較したところ、精索静脈瘤を持つ人の頻度や精巣の大きさ、運動能を持つ精子の割合などには両者に差がなかった。しかし、精液1mlあたりの精子の数は、妊婦のパートナー(平均年齢31.8歳)では平均1億2090万個、男子大学生(平均年齢20.4歳)では平均7170万個と、大きな違いがあった。総精子数が、世界保健機関(WHO)が定めている正常下限(4000万個)未満の人の比率も、妊婦のパートナーでは5.6%、男子大学生では9.8%と、男子大学生の方が多かった。(日経BP 2000/04/17)

殺虫剤扱う人の精子 運動能力が低い 名大など調査
殺虫剤を散布作業で多量に扱っている人の精子の運動能力が低くなっていることが、名古屋大や愛知医大などの研究グループの調査で分かった。殺虫剤を仕事で扱う人は、吸入や接触を最小限に抑える工夫が求められそうだ。14日から茨城県つくば市で開かれる環境ホルモン学会で発表される。
研究グループは、殺虫剤をまく作業に従事している中部地方の男性96人を対象に調べた。
子供の数(90人が有効回答)については、散布の仕事にまったく関係していなかった時期に誕生した38人は、誕生した季節に大きな差がなかった。一方、散布作業に従事するようになってから誕生した子供32人では、秋(9〜11月)が16人いたのに対し、夏(6〜8月)は1人だった。これは秋の妊娠例が少ないことを意味する。秋に射精された精子が形成されたのは夏で、害虫が大量発生して殺虫剤の散布回数が急増する時期と重なっていた。
18人(平均34歳)から夏と冬に精子を採取し、その数や運動機能、形を調べた。夏に採取された精子は動きが鈍かったり、変形しており、普段殺虫剤を使っていない別の18人(同)と比べて正常な精子の割合が約10%少なかった。しかし、冬に採取された精子では大きな違いは見られなかった。【田中泰義】(毎日新聞 2001/12/14)

生物絶滅 急速に進行──地球環境研究 英国王立協会会長に聞く
地球規模の環境破壊により生物の絶滅が加速している。環境はさまざまな生物によって維持されており、人類は生物から多大な恩恵を受けている。種の多様性が失われれば人類の生存基盤が危うくなる。生態系の変化を数学的に解明し、地球環境分野の研究者を表彰するブループラネット賞を今年受賞した数理生物学者のロバート・メイ英国王立協会会長(65)に聞いた。(聞き手は古谷茂久)

──生態系に異変が起きています。

「地球の生態系は危機的な状況にある。地球上に生命が誕生して以来、生物の絶滅の大きな波は過去5回あった。生物の絶滅はいま、急加速しており、人類は絶滅の第6波の真っただ中にいると考えてよい」
「データが少ないので絶滅の様子を定量的に示すのは難しいが、20世紀には多くの生物の絶滅が確認された。実際に調べられているのは鳥類やほ乳類が大半で、昆虫や微生物など十分に解明できていない生物種も相当数が絶滅しているだろう。私は過去100年間に生物の絶滅は通常の100−1000倍の速度で進んだとみている。種の寿命が1000分の1になっているともいえる。このままでは今後1万年の間に多くの生物が死に絶えることになる」

──大量絶滅の原因は。

「諸説あり、解明されていない。だが近年の絶滅の急加速は明らかに人為的なものと考えている。増えすぎた人類が生物が住む場所を奪ったこと、食用などに捕りすぎたこと、野生生物を人為的に別の場所に移して生態系を乱したことだ。外来の移入種は各地で固有種を脅かしている」
「地球環境の変化も生物にとって脅威となっている。化石燃料の消費がもたらした温暖化は生態系を乱し、多くの野生生物を死に追いやっている。これらの要因が複合的に組み合わさって生物の急激な絶滅を引き起こしている」

──人類は生物の多様性を維持するため何をすべきでしょうか。

「生物が生き延びる環境を保つため、持続可能な開発への転換をはかることだ。これ以上環境を変化させると生物は多くが死に絶える。一方で保護区などを設け積極的に生物を守る施策が必要。保護区のような狭い範囲で十分な生態系を維持できるかは分からない。どれだけの規模の保護区を設ければ生物の多様性を維持できるのかが今後の重要な研究課題となる」
「温暖化対策も重要だ。例えば絶海の孤島にすむ生物は気候が変われば逃げられずに死んでしまう。京都議定書が採択されて温暖化防止への国際的な取り組みがやっと始まった。米国が参加していないのは問題だが、世界が温暖化ガスの排出抑制に動き出したことは評価できる。ただ議定書が定めるように先進国で温暖化ガスの排出を5%減らす程度では不十分だ。生態系を現状のまま維持しようとしたら、排出は例えば60%程度減らさなければならないだろう」
「日本社会は生態系と共存するという伝統を持っている。生物多様性の維持にはまだまだ技術的な問題が多く残っている。研究開発や保護対策などで日本政府の積極的な取り組みに期待している」

生態系保全へ環境政策立案

メイ英国王立協会会長は生態学の世界に理論物理学を導入し、複雑な生物社会の変化を数理的に理解する手法を開発した。この手法により、種の多様性や変動を計測し、予測することが可能になった。
多様な生物種は食料、建材、医薬品、衣料などさまざまな分野で人間の生活を支えている。近年は環境破壊によって生物多様性が急速に失われつつあり、種の保全が世界的な課題になっている。メイ協会長の手法は、生態系保全のための環境政策を理論的に立案するのに用いられている。
ウイルスや細菌が伝染する様子を数理的に予測するのにも応用され、エイズ対策などにも役立っている。

ロバート・メイ氏 1936年オーストラリア生まれ、56年シドニー大学卒業。シドニー大をはじめ、米プリンストン大、英オックスフォード大の各教授を経て、1995−2000年英国政府主席科学顧問。2000年から英国王立協会会長。(日本経済新聞 2001/12/24)

恐竜の絶滅は温暖化が原因 英米グループ
【ワシントン10日共同】今から約6500万年前の白亜紀末期から第三紀初めにかけて、恐竜などの生物が絶滅したのは、巨大ないん石の衝突で大気中に大量の二酸化炭素(CO2)が放出され、急激に地球の平均気温が上がったため−。こんな説を、英シェフィールド大、米ペンシルベニア州立大などの研究グループがまとめ、11日付の米科学アカデミー紀要に発表した。
研究グループは、米ノースダコタ州などで発掘されたイチョウの葉の化石を分析し、大気中のCO2濃度を反映する気孔の数を指標に、当時の大気中のCO2濃度を推定。コンピューターモデルを使い、当時の平均気温などを解析した。
その結果、第三紀初めに350−500ppm(1ppmは100万分の1)だったCO2濃度は、その後の1万年間で2300ppmにまで上昇。この間に増えたCO2量は、6兆4000万トン−13兆トンと極めて大量で、このCO2による温室効果で地球の平均気温が7.5度も高くなった、とのデ一夕が出た。
研究グループは「火山活動ではこれほど大量のCO2が発生することはない。いん石衝突時の高温で岩石中から大量のCO2が放出されたことが原因だ」と指摘。「衝突で大気中に巻き上げられたちりによる異常低温に続く、長期的な地球の温暖化が、恐竜などの大量絶滅を招いた」と説明している。(中日新聞 2002/06/11)

農村の男性は精子が少ない──農薬のせいか
「農業地帯の男性の精子は数、形、活発度で都市部の男性の精子よりも劣る。これは農薬のせいである」という研究が発表された。
米国立環境健康科学研究所の機関誌「環境健康展望」(Environmental Health Perspective)のオンライン版でこのほど伝えられたもの。
ミズーリ大学シャナ・スワン(女性)らの研究チームは、ミズーリ州ブーン郡の男性の精子を都市部の男性と比較した。その結果、ブーン郡の男性の精子の数は1ml当たり平均5900万だった。これに対して、ニューヨークの男性は1億300万、ミネアポリスで9900万、ロサンゼルスで8100万だった。また、ブーン郡の男性の精子は弱々しかった。
原因について、研究者たちは、農薬など環境要因がこの違いとなって現れていると考察している。ブーン郡の半分以上が農地で、化学肥料、殺虫剤、除草剤がふんだんに使われているという。(日経ヘルス 2002/11/21)

人類終末、確率は「五分五分」
ロイター通信が最近、遺伝子操作やナノ・テクノロジーなど、技術の発展が招く人為的災難のため人類が終末を迎える確率は50対50にまで高まったと報じた。
同通信は英国ケンブリッジ大天文学者のマーティン・リース教授の談話を引用「科学の発展により、核兵器のテロや致命的な変種ウイルス、非道な機械と人間性を失った遺伝子変形人間の出現といった新たな脅威が登場した」とし、このように伝えた。
リース教授は「2020年には、バイオ・テロやバイオ・エラーが1度起こるだけで100万人が死亡するようになるだろう」とし「100年前には2割に過ぎなかった終末の確率が、現在は5割にまで高まった」と主張した。 同教授はまた「マイケル・クライトンの小説のように、ナノ・テクノロジーの恐怖も潜在的脅威だ」とし「自らのクローンを作り出す超微細マシンが生物をたいらげ、数日間で1つの大陸を焦土と化すことも可能だ」と話した。(中央日報 2003/06/12)

10年余りで男性の精子の数が3分の1減少=英研究者
【ロンドン5日】英国の研究者らが5日公表した調査結果によると、男性が持つ精子の数が1989年以来約3分の1減少していることが判明した。飲酒や肥満などが要因として考えられている。
調査は、89年から2002年までの間にスコットランド北部のアバディーン受精センターを訪れた男性7500人を対象に行われた。
それによると、正常なサンプルの精液1ミリリットル中に含まれる精子は2000万個強で、平均29%減少していた。
主任研究者は「これは若干懸念すべきであり、説明を必要とする現象だ」としている。可能性としては、生活スタイルの変化、特に薬物の使用や、アルコール、喫煙、肥満などの要因や、農薬、環境中の他の化学物質などが考えられるという。その上で「これらの要因を特定するための研究が必要だ」と指摘した。〔AFP=時事〕(時事通信 2004/01/05)

『大量絶滅時代急速に進行中』
人類の自然破壊原因 「地球政策研」が警告

【ワシントン=時事】世界各地の環境調査を行っている民間の地球政策研究所(本部ワシントン)はこのほど、地球上で現在、動植物のさまざまな種の絶滅が急速に進んでおり、地球は6度目の大量絶滅時代に向かって進んでいると警告。特に、人類による自然破壊に歯止めを掛けるべきだと勧告した。
同研究所の声明によれば、地球では2億4500万年前に全動物の95%近くが絶滅したほか、6500万年前に恐竜が絶滅するなど、過去に5回の大量絶滅時代があった。
いずれも火山の噴火やいん石の衝突、気候変動などが原因だった可能性が大きく、絶滅の後に生物の多様性が復活するには1000万年以上を要したという。
現在、地上の種は1000万を超えると科学者らは推定している。しかし、微生物から大型のほ乳類まで、年間に数千種が死滅しており、過去6000万年間と比較して、実に1000倍から1万倍の速さで種が減少している。
地球の歴史では、大半の期間で種が死滅するよりも新しい種が登場する割合の方が大きく、生物の豊かな多様性が保たれてきた。ところが、今は明らかに死滅のペースの方が速い。
特に、中南米、中央・西アフリカ、東南アジアで熱帯雨林が急速に失われている結果、世界中の植物の約半分が絶滅の危機にひんしている。また、ほぼ5500種の動物が危険な状態に置かれている。(中日新聞 2004/03/06)

農作物品種の4分の3消失 国連、食生活に脅威と警告
【ニューヨーク20日共同】国連食糧農業機関(FAO)は20日、農作物のうち4分の3の品種がこの100年間で失われ、生物の多様性が失われていることで食の安全性が脅かされていると警告する声明を発表した。
品種の減少は、森林伐採や都市化、環境破壊に加え、機械化に適した農作物が重点的に生産されていることや食生活の変化などが原因。FAOは、人間が食料として依存している生物の種類保全の重要性を強調、10月16日の「世界食料デー」のテーマに生物多様性の問題を取り上げるとしている。
声明によると、家畜6300種類のうち1350種類が、存続が危機にさらされているか既に絶滅したという。
生物の種類が減少していることで、人間が摂取する動物性タンパク質の90%は約10種類の動物に依存。植物から摂取しているカロリーのうち半分は、わずか4種類の農作物で占められているのが現状だという。(共同通信 2004/05/21)

携帯電話、精子に悪影響与える可能性=ハンガリーの科学者ら
【ロンドン28日ロイター】ハンガリーの科学者らによる研究チームが、携帯電話は男性の精子に悪影響を与える可能性があると発表した。
ただ、専門家らは結論付けることはできないとしている。
研究報告は、携帯電話を腰付近のポケットやウエスト装着型のケースに入れて持ち歩いていると、精子の数が約30%減少すると指摘。
チェコの大学で産科・婦人科学を担当する博士は、報告のまとめのなかで、「携帯電話の長期的な使用が(精子や)男子の生殖力に悪影響を与える可能性がある」と述べている。
同チームは、221人の男性の精子を分析し、携帯電話の使用状況について質問。その結果、待ち受け状態を含めた携帯電話の使用と、精子の濃さと質の低下の間に相関関係がみられた。
こうした報告に対して、興味深い調査結果ではあるが、決定的とはとても言えない、などの反論も出ている。(ロイター通信 2004/06/29)

ディーゼル排ガス胎児に影響? マウスは精子生産力低下
妊娠中にディーゼル排ガスを吸ったマウスから生まれた雄は、成長後の精巣に異常が現れ、精子生産能力も低くなることが、東京理科大薬学部の武田健教授と押尾茂研究員らの実験でわかった。
同様の症状は、成熟した雄マウスに排ガスを吸わせる実験で確認されていたが、胎児への影響が突き止められたのは初めて。排ガス浄化装置でも除去できない物質が原因の可能性もある。北海道旭川市で開かれる日本不妊学会で9月4日に発表される。
実験では、ディーゼル排ガスの濃度を環境基準の5倍にした室内で、母マウスを妊娠2日目から2週間飼育。清浄な空気に戻した後、妊娠約20日目で誕生した雄への影響を調べた。
その結果、1日当たりの精子生産量が生後5週で通常の52%、生後12週で68%しかなかった。精巣を顕微鏡で観察したところ、精子を作る精細管の形に異常が見られ、細胞核の数が異常に多い細胞もあった。
一方、生後12週では血中の男性ホルモン「テストステロン」の量が、通常の4.67倍にも達した。研究チームは、生殖に関連するホルモンのバランスが崩れ、精子形成の異常を引き起こしたと見ている。
トラックなどで使われる浄化装置を通した排ガスでも、精子生産量や男性ホルモン量への影響はあまり変わらなかった。押尾研究員は「浄化装置をすり抜ける超微粒子が原因かもしれない。人間にも同様の影響を与える可能性があり、検証が必要だ」と話している。(読売新聞 2004/08/30)

研究報告「2.5億年前の大絶滅は隕石衝突が原因ではない」
(WIRED NEWS 2005/01/24)

10年以内に地球気象が破局──英などの新リポートが警告
【ロンドン24日】24日付の英紙インディペンデントによると、地球温暖化が後戻りできない点(ポイント・オブ・ノーリターン)に達しつつあり、広範な干ばつや穀物の不作、水不足などが発生する可能性があるとのリポートがまとめられた。
問題の研究は「気象変動に対処する」と題されたリポートで、英国や米国、オーストラリアの研究所が作成した。同紙は「気象変動による破局への秒読みが、政治家や企業リーダー、学者からなる特別調査チームによってまとめられた。彼らは10年以内に(地球温暖化が)ポイント・オブ・ノーリターンに達する可能性があると結論付けた」と解説した。
同リポートは「産業革命前の1750年当時の世界の平均気温よりも気温が2度上昇した時、ポイント・オブ・ノーリターンの兆候が現れるだろう」と指摘。「世界の平均気温は産業革命前よりも既に0.8度上昇、さらなる上昇が迫っている。ポイント・オブ・ノーリターンにはあとたった1度しかない」と分析した。
こうした気温の上昇は、広範な農業の不作、水不足、大干ばつ、疾病の増加、海面の上昇、森林の消滅などにつながる可能性があるという。
平均気温が2度上昇した後には、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は400ppmとなる。現在は379ppmで、年間2ppm以上増加しているため、ちょうど10年以内で400ppmの境界を越える可能性があると付け加えた。
同リポートは、G8に対し、2025年までに発電の4分の1を風力などの再生可能なエネルギー源から作り出すよう求めるとともに、10年までに低炭素エネルギーに関する研究費を倍増させるよう求めている。
英国は今年G8(先進8カ国)とEU(欧州連合)の議長国で、ブレア首相は気象変動で進んだ措置を講じると公約している。リポートの取りまとめに当たった英国のバイヤーズ元運輸相は「これはカチカチ音を立てている環境時限爆弾だ」と指摘した。同氏はブレア首相に近い人物。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/01/24)

早まる地球の生態系破壊 国連が初の評価報告書案
1950年からの40年間で森林や草地の14%が消失したことが、国連による世界初の地球規模の生態系評価報告書案で7日、明らかになった。
過去20年間に沿岸のマングローブ林の約35%が破壊されるなど人間の活動により世界で生態系の劣化が進み、生物種が絶滅する速度は自然の1000倍。報告書案は、50年後の生態系のコンピューター予測も示し、「現在のような自然資源の利用をいつまでも続けることはできない」と、人間の生態系利用の在り方に抜本的変革を求めている。
評価は「ミレニアム生態系アセスメント」と呼ばれる。日本など95カ国、1300人以上の科学者が4年がかりでまとめた。
報告書案によると、過去50年間に森林や草地の多くが農地に転用されるなどして減少。20世紀後半の数十年間では世界のさんご礁の4分の1がなくなり、沿岸のマングローブ林の破壊も深刻だった。
漁業や水資源のために重要な淡水域の生態系破壊も激しく、現在残る湿地は1900年ごろの半分だけ。世界中の主要な500の河川の半分以上が、深刻な水質汚染や水不足に見舞われている。
この結果、過去100年間に分かっているだけで約100種類の鳥や哺乳(ほにゅう)類、両生類が絶滅。この速度は自然に起こる絶滅の1000倍以上にもなるという。
報告書案は「今の傾向が続けば2050年までに、残された草地や森林の20%が破壊される」と予測。「この結果、人間の生活自体が立ち行かなくなる」と警告した。また、地球温暖化がこの傾向をさらに悪化させるとの予測結果も紹介。大気中の二酸化炭素濃度を450ppm以下に抑える努力などを求めた。

■世界の環境政策のよりどころになる
西岡秀三・国立環境研究所理事の話 地球の生態系の現状や変化は、個別な報告が多く、全体像が見えにくかった。地球生態系の全体像に迫り、自然の劣化をはっきりと示した報告は、今後の世界の環境政策立案上、重要なよりどころとなる。政策決定者は真摯(しんし)に受け止めてほしい。

<メモ>ミレニアム生態系アセスメント
海や森林、湿地や河川など地球の生態系の変化を総合的に評価、コンピューターシミュレーションによる将来予測まで加えて、生態系保全と両立する開発の道を探ろうとの研究計画。米国のシンクタンク、世界資源研究所が提唱。世界銀行などの出資を受け、2001年6月に国連が正式に発足させた。米航空宇宙局(NASA)や日本の東大や国立環境研究所などの研究者が参加している。(東京新聞 2005/02/07)

温暖化、現在のペースだと…今世紀中に固有種大量絶滅へ
地球温暖化が現在のペースで進むと今世紀中に、希少動植物が集中して生息する地域で、そこにしかいない固有種の大量絶滅が起こる恐れが大きいとの研究を、カナダ・トロント大などの国際チームが14日までにまとめた。温暖化による影響だけで、約6万の固有種が絶滅する恐れがあるという。アジア太平洋地区ではタイやミャンマー、南西オーストラリアなどで特に影響が顕著だと分かり、チームは温暖化対策の強化を求めている。
世界中には限られた範囲の土地に、多くの固有種がすむ「ホットスポット」と呼ばれる地域が存在する。チームは、ホットスポット25カ所について、現在のペースで温暖化が続いた場合、生物が依存する植生がどれだけ変化するかをコンピューターモデルで推定。結果を基に各地域の固有種の絶滅を予測したところ、平均12%、最大で43%の固有種が絶滅するとの結果になった。最大の場合だと、植物は約5万6000種、動物は約3700種に相当するという。
アジア太平洋以外では、アフリカ南端やカリブ海、地中海などで特に影響が深刻と推定された。日本列島も昨年、国際環境保護団体により新たにホットスポットと認定されたが、今回の研究では評価の対象外。しかしチームのメンバーで米環境保護団体、コンサベーション・インターナショナルのリー・ハンナ博士は「日本の貴重な動植物も温暖化によって危機にさらされるのは明らかだ」と話している。(共同)(産経新聞 2006/04/15)

精子の数、日本男性が最下位…日欧共同研究
日本人男性の精子数は、フィンランドの男性の精子数の約3分の2しかないなど、調査した欧州4か国・地域よりも少ないことが、日欧の国際共同研究でわかり、英専門誌と日本医師会誌5月号に発表した。
環境ホルモンが生殖能力にどう影響するか調べるのが目的。精巣がんが増えているデンマークの研究者が提唱し、日本から聖マリアンナ医大の岩本晃明教授(泌尿器科)らが参加した。神奈川県内の病院を訪れた、20〜44歳の日本人男性324人(平均年齢32.5歳)の精液を採取した。
年齢などの条件は各国でそろえ、禁欲期間の長さの違いによる影響が出ないよう補正して、各国男性の精子数を統計的に比較した。
日本人男性は他国の男性よりも禁欲期間が長く、日本人の精子数を100とすると、フィンランドが147、スコットランド128、フランス110、デンマーク104で、日本が最低だった。
ただ、環境ホルモンの関与が疑われる精巣がんや生殖器の異常の発生率は、日本人男性では非常に低く、研究チームは「精子数の違いは栄養や生活習慣、人種差などが関係しているのではないか」としている。(読売新聞 2006/05/31)

海の幸40年後には消滅? 米科学誌警告
【ワシントン=渡辺浩生】約40年後には世界中の多くの海産物が絶滅してしまう−。3日発売の米科学誌、サイエンス最新号がこんな研究報告を掲載した。乱獲と環境破壊で、まぐろやカニなど海の幸が食卓に上らなくなる日が来るという。日本人だけでなく、すしや刺し身がブームの欧米人にも衝撃的な警告だ。
ダルハウジー大(カナダ)のボリス・ワーム教授が率いるグループが4年間調査。1950年以降の全種の魚類データや、過去1000年の歴史的記録をもとに、海洋生物の多様性の衰えが人の食生活・経済に与える影響を分析した。
その結果、「2003年時点で全体の29%の海洋生物で捕獲量の90%が減少した」ことが判明。乱獲と生態系の破壊が主な原因で、現在のペースが続けば48年までにマグロ、カジキなどの海産物からイルカなどのほ乳類まで、あらゆる種が衰退すると予測した。
ワーム氏は「われわれの予測を超えた結果にショックを受けた」と語った。種の急減による影響で海が生物を生み出す力のほか、環境汚染や天候変化のショックからの回復力も失われるという。
「50年までに生息する魚類はほとんどいなくなるということだ」とサイエンス誌のアンドリュー・サグデン編集長もロイター通信に指摘。ただし、「行動するに遅すぎることはない」とも付け加えた。(産経新聞 2006/11/03)

「人類は別の惑星に移住を」 ホーキング博士
ロンドン(ロイター) 英ケンブリッジ大のスティーブン・ホーキング博士(64)は30日、英BBCラジオとのインタビューで、人類の未来について語り、「滅亡を避けるためにはどこか別の惑星に移住しなければならない」と話した。博士はまた、自ら宇宙旅行に参加してみたいと述べ、新たな挑戦への意欲を示した。
ホーキング博士は世界的な理論物理学者で、一般向けの近著としては「ホーキング、宇宙のすべてを語る」がある。20代で筋萎縮性側索硬化症と診断され、車いすの生活に。40代で気管切開の手術を受けた後は、コンピューターによる合成音声で会話をしている。
このほど、英王立協会が優れた科学者に贈るコプリー賞の受賞を機に、インタビューに応じた。博士はこの中で、「人類は遅かれ早かれ、いん石の衝突や核戦争によって滅亡する可能性がある」と指摘。そのうえで「別の太陽系の惑星へ移動し、自立した生活を営むことができるようになれば、将来は安泰だ」と強調した。
そのためには高速の移動手段が必要になる。人類が生存可能な惑星に到達するのに、従来のロケット技術では5万年もかかってしまう。「SF映画には、一瞬のうちに目的地へ移動できる『ワープ』という方法が登場する。だが残念ながら、光を超える速さで移動することは、理論上不可能だ」と、博士は話す。「しかし、光速に近い速さを実現することなら可能だ。これが達成できれば、目的とする惑星に6年間で到着できる。移動する本人たちにとって、それほど長い時間ではないはずだ」という。
博士はまた、自身の将来について、「死ぬことを恐れてはいないが、死を急ぐつもりもない。次なる目標は宇宙へ行くことだ」と言明。「(民間宇宙旅行会社を設立した)リチャード・ブランソン(バージングループ会長)が、力を貸してくれるかもしれない」と語った。(CNN 2006/12/01)

喫煙は精子を損傷、子孫のDNAに悪影響も=カナダ研究
【ワシントン2日ロイター】喫煙によって精子が損傷を受ける可能性があり、遺伝子を通じて子供へも悪影響があるという研究結果が報告された。カナダ保健省の研究者が今週発行の学術誌「Cancer Research」で発表した。
マウスを使って実験を行った同研究によると、たばこの煙が精子の細胞のDNAに変異を起こすことが分かったという。こういった突然変異は、遺伝情報に永久的な変化をもたらすとされている。
同研究の責任者で、保健省の環境職業毒性学担当のキャロル・ヨーク氏は、「これらの変異が遺伝したら、子孫の遺伝的構成物の中に不可逆変化として存続します」と指摘。「母親の喫煙が胎児に悪影響することは周知のことですが、父親による喫煙の方も、それが母親と出会う前であれ、子供に悪影響を与える可能性が示されました」と述べた。(ロイター通信 2007/06/03)

2060年に世界が終わるニュートンが予言
【エルサレム21日共同】「早ければ2060年に世界の終末が来る」−。AP通信によると、英国の数学・物理学者のアイザック・ニュートン(1642−1727年)が旧約聖書を解読した上でこう予言、文書に記していたことが21日までに分かった。
文書は1700年代初頭に書かれ、1936年にロンドンのオークションでユダヤ人学者が落札。69年以降はエルサレムにあるヘブライ大図書館が保管し、18日から公開されている。
ニュートンは、旧約聖書のダニエル書の暗号めいた表現から「2060年」を割り出し「その後に世界の終わりが来るかもしれないが、それ以前に終わる理由は見いだせない」などとしている。
ニュートンは、終末の日をめぐるさまざまな憶測を決着させようと予測したとし、別の文書では、終末の日々には「邪悪な国家の滅亡、すべてのトラブルの解決」などがあるだろうと予言している。(共同通信 2007/06/21)

霊長類の3割、絶滅の危機
国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)は、ゴリラやオランウータンなど世界の霊長類の約3割が、絶滅の危機に直面しているとする報告書を作成した。
人類を除く霊長類にとって、地球環境の悪化は危機的な事態にまで進行しているという。
IUCN種の保存委員会などが、21か国60人の専門家の分析を基にまとめた。報告書は、現在394種が確認されている霊長類のうち114種が、深刻な森林破壊、違法な狩猟、ペット目的の捕獲、地球温暖化などの原因で、絶滅の恐れがあると指摘。特にアジアが深刻で、絶滅が心配される上位リスト25種中11種が、アジアに生息する霊長類だった。
上位リストには、西アフリカのクロスリバーゴリラ、インドネシアのスマトラオランウータンなどが含まれており、「地球温暖化と熱帯雨林の破壊を食い止めることが、霊長類を絶滅から救う道だ」としている。(読売新聞 2007/10/29)

90歳になったアーサー・C・クラーク、3つの願いとは
コロンボ(AP) 代表作「2001年宇宙の旅」で知られるSF作家、アーサー・C・クラーク氏が16日、90歳の誕生日を迎えた。卒寿を迎えたクラーク氏は、スリランカの自宅で「3つの願い」を披露。そのうちのひとつは、「地球外生物との遭遇」だという。
英国生まれのクラーク氏は、1954年にスリランカへ移住。「2001年宇宙の旅」の続編のほか、「幼年期の終り」など多数のSF作品を送り出している。
コロンボの自宅で開いたこじんまりとした誕生会には、科学者や天文学者、政府関係者などが駆け付けた。
その席でクラーク氏は、「この宇宙の中で、我々は孤独ではないと、ずっと信じている」と述べた。そして、人類は地球外生命体の呼び掛けや何らかのサインを待っているが、「それが起こるのはいつかは思いも付かない。案外、早い時期に起こって欲しい」と続けている。
残る2つの願いは、「自宅での静かな暮らし」と、「クリーン・エネルギーの利用」を挙げた。
ポリオ後症候群のため、車いす生活のクラーク氏だが、誕生会ではスリランカ大統領ら出席者の前で、出席者が「ハッピーバースデイ」を歌う中、大きなケーキにナイフを入れた。
また、「時々、どういった人物として記憶に残って欲しいかと質問される。わたしには色々な経歴があるが、作家として記憶に残って欲しいと願っている」と語った。(CNN 2007/12/18)

「2001年宇宙の旅」作者、スリランカで死去
【コロンボ19日ロイター】小説「2001年宇宙の旅」で知られる英国人サイエンスフィクション(SF)作家アーサー・C・クラークさんが、スリランカで死去した。90歳だった。クラークさんの秘書が19日明らかにした。
秘書によると、死因は心肺機能の不全。1917年に英国で生まれたクラークさんは、70年近くにわたるキャリアの中で80冊以上の著作と多くの短編小説や記事を執筆。1940年代には、2000年までに人類が月に到達すると予想していた。
クラークさんは昨年12月、90歳の誕生日に友人向けの別れのメッセージを録音。その中で、生きているうちに地球外生命体が存在する証拠を見たかったと述べていた。(ロイター通信 2008/03/19)

加速器実験で地球消滅? 元米政府職員ら差し止め提訴
【ワシントン30日共同】欧州合同原子核研究所(CERN)がスイス・フランス国境で建設中の巨大加速器で生成されるブラックホールに、地球がのみ込まれる恐れがある−。こう主張するハワイ在住の元米国政府職員らが、CERNや米エネルギー省などを相手に計画の差し止めを求める訴訟を、ハワイ連邦地裁に起こした。米ニューヨーク・タイムズ紙が29日報じた。
加速器は1周27キロで世界最大の「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)。陽子同士を衝突させて質量の元になる未発見の粒子を確認するなどの物理実験を、今年夏から始める。CERNなどによると、極小のブラックホールをつくる計画はあるが、短時間で消滅し、深刻な影響が出る可能性はないという。
訴えたのは米退役軍人省の元放射線安全担当官ウォルター・ワグナー氏ら。生成された数多くの極小ブラックホールが融合して大きくなったり、接触した物質を高密度の塊に変えてしまう仮説上の粒子が発生したりして、地球が壊滅する可能性があるとしている。
米司法省は審理が6月に設定されたことを明らかにした。ワグナー氏は同様の理由で、現在は問題なく稼働している別の加速器を運営する米国内の研究機関を訴え、敗訴した経歴がある。(共同通信 2008/03/30)

バイオ燃料で生物絶滅加速 原料生産で生息地破壊
二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないとして各国で急速に進むバイオ燃料の開発が希少な生物種の生息地を破壊、絶滅を招き、世界の生物多様性減少の一因になっているとの報告書を、生物多様性条約の事務局(カナダ・モントリオール)がまとめた。
報告書は「バイオ燃料生産の拡大政策を進める科学的な根拠はない」と現状を厳しく批判。19日からドイツのボンで開く条約の締約国会議で、環境破壊につながらないバイオ燃料であることを認証する制度や国際基準づくりに向けた作業を進めるとの決議を採択するよう提案している。
報告書によると、原料作物の栽培方法によっては土壌中のCO2が大気中へ放出される量が増えるため、バイオ燃料の利用は温暖化防止に貢献するどころか、温暖化を加速させる恐れもある。
報告書は、トウモロコシやサトウキビ、アブラヤシなど現在のバイオ燃料の原料作物は天然の林や湿地、草地などを切り開いて生産され、生物の生息地を破壊して絶滅などを加速する危険性があると指摘。東南アジアなど多くの国で、既に森林破壊などを招いているとした。これらの作物を育てるために大量の水資源が必要で、淡水の生物の生息状況を悪化させるとの懸念も表明した。
バイオ燃料作物の栽培は土壌の劣化を招きやすく、自生地ではない地域にまで栽培が広がると、在来種に影響を与え生物多様性の消失を招く原因になると警告している。

<バイオ燃料> トウモロコシやサトウキビ、アブラヤシを発酵させるなどして生産した燃料の総称。植物は大気中のCO2を吸収して育つため、石油などと違い、燃やしても地球温暖化の原因にならないとされる。温暖化対策の進展や原油価格の高騰が原因となって、二本など各国政府が補助金制度を導入するなどして開発に力を入れているが、発展途上国での森林破壊を加速し、食糧価格高騰の一因になっているとの批判も高まっている。(共同通信 2008/05/02)

ペンギンに環境破壊の影響 絶滅の危険も 米学者警告
ワシントン(AP) 南半球の各地に分布するペンギンの多くが地球温暖化など環境変化の影響を受け、絶滅の危険性も増大しているとの警告を、米生物学者が発している。16─19種に分類されるペンギンのうち、10種以上が現在、何らかの問題に直面しているという。
米ワシントン大で人間の活動が生態系に与える影響を研究するディー・ボアスマ教授が、専門誌バイオサイエンス7月号に論文を発表した。それによると、「マゼランペンギン」の世界最大規模の生息地として知られる南米アルゼンチンのプンタトンボでは、繁殖行動を示すつがいが60年代後半には40万組いるとされたが、06年10月までに20万組に減っていたことが分かった。
また、アフリカ南部に生息するペンギンの繁殖つがい数は、過去100年間に150万組から6万3000組まで激減したという。
「人間から遠く離れた場所にすむペンギンは、環境破壊の影響をあまり受けないと考えられてきたが、それは間違いであることが確認された」と、ボアスマ教授は説明する。
同教授によれば、ペンギンが直面する問題はいくつか考えられる。たとえば、ガラパゴス諸島に生息するペンギンは、海面の水温が高くなるエルニーニョ現象の影響を強く受ける。えさとなる小魚などが海中深くまで潜ってしまい、水面付近では見つけにくくなるためだ。記録的なエルニーニョ現象が観測された98年には、雌ペンギンの平均体重が約2割減ったという。エルニーニョについては、地球温暖化との関連を指摘する説もある。
ウルグアイやアルゼンチン、ブラジル沖の油田周辺にすむペンギンにとっては、石油流出事故などによる海水汚染も深刻な問題だ。このほか、周囲の観光開発や乱獲型の漁業も、ペンギンの減少につながっていると考えられる。
同教授ら専門家は「ペンギンだけでなく、ほかの動物や人間も近い将来、同様の問題に直面する可能性が高い」と、警鐘を鳴らしている。(CNN 2008/07/05)

世界の霊長類の半分が絶滅の危機 保護団体調査
ロンドン(CNN) 世界の霊長類の約50%が絶滅の危機にさらされており、特にアジアの状況は深刻だとする報告書を、自然保護団体のコンサベーション・インターナショナル(CI)がスコットランドで開かれた国際霊長類学会で発表した。
CIは国際自然保護連合(IUCN)などと協力して世界634種の霊長類について調査。その結果、アジアでは霊長類の70%以上が、絶滅危惧(きぐ)種を分類したレッドリストで「絶滅危惧II類」(絶滅の危機が増大)、「絶滅危惧IB類」(絶滅の危険性が高い)、「絶滅危惧IA類」(絶滅の危険性が極めて高い)のいずれかに入ることが分かった。
霊長類の生存を脅かす原因として熱帯雨林の破壊に加え、狩猟も浮上していると報告書は指摘。ベトナムとカンボジアでは霊長類の約90%に絶滅の恐れがあり、テナガザル、ラングールなどの個体数が減少。食用にされたり中国の伝統薬やペット用として取引されることで減少に拍車がかかっているという。
アフリカでは、オナガザル科のアカコロブス13種のうち11種が絶滅危惧IA類かIB類に分類された。うち2種は既に絶滅した可能性もあるとしている。
CIのラッセル・ミッターマイヤー会長は「状況は私たちが予想していたよりもはるかに深刻だ」と警鐘を鳴らしている。(CNN 2008/08/05)

霊長類の半数に絶滅の危機 バイオ燃料開発も一因
地球上に生存する霊長類634種の半分近い303種が絶滅の危機にあり、うち69種は絶滅の恐れが極めて高いとの調査結果を、国際自然保護連合(IUCN)と国際的な環境保護団体、コンサベーション・インターナショナル(CI)などの研究グループが5日、発表した。
世界の霊長類の生息状況に関する初の包括的な評価という。バイオ燃料開発ブームもあって急速に進んでいる森林伐採や狩猟が主な原因で、霊長類が置かれた厳しい状況が明らかになった。
絶滅の恐れが極めて高い69種は、スマトラオランウータンなどの大型類人猿から、小型の原猿類までさまざま。ベトナムのトンキンシシバナザルやコロンビアのワタボウシタマリン、約140匹しかいないとされるマダガスカルのオオタケキツネザルなどが含まれる。
コートジボワールやガーナに生息するミスウォルドロン・アカコロブスのように、過去約25−30年も目撃例がなく、絶滅した可能性が高い種も2種類あった。
個体数の減少は東南アジアで特に深刻で。カンボジアでは生息する霊長類の90%が、ベトナムでは86%が「絶滅の危機にある」と評価された。
これまで世界の霊長類は25−30%が絶滅の危機にあるとされていたという。
一方、ブラジルの小型の霊長類キンゴシライオンタマリンやアフリカ・ルワンダなどのマウンテンゴリラのように、極めて絶滅の危険が高いとされたが、保護活動の結果、危機の程度が小さくなったと評価された例もわずかながらあった。(共同通信 2008/08/05)

携帯電話の通話モードで精子の「質」が低下と 米研究
(CNN) 通話モードの携帯電話をズボンのポケットに入れておくと、精液中のフリーラジカルが増加し、精子の運動量などが落ちて精子の「質」が低下するとの研究結果を、米国の研究者が18日に発表した。
クリーブランド・クリニックのアショク・アガーワル氏が率いる研究チームは、男性32人から提供を受けた精液をそれぞれ、同一人物のものを2グループに分け、ひとつを携帯電話の近くに置いた。
携帯電話との距離は、ズボンのポケットに電話機を入れてハンズフリーで通話する状態を想定した2.5センチに設定。米国でもっともよく使われている周波数850MHzの電話機を使い、通話モードで1時間にわたって精子を置いた。
その結果、人間の体内でさまざまな病気に関与するフリーラジカルの量が、携帯電話の近くにおいた精液内で85%も増加。精子の運動性や活動力も低下したことが判明した。
アガーワル氏は、今回の実験では実際の人体とは異なり、携帯電話の電波にさらされた精液は皮膚や骨、組織などに覆われていないため、さらなる研究が必要だと指摘。
しかし、これまでの研究で、1日に4時間以上にわたって携帯電話を使う男性は、この時間以下しか使わない男性に比べて、精子の質が著しく低下していたことが分かっているとして、携帯電話の電波が何らかの影響を与えている可能性があるとしている。(CNN 2008/09/19)

ほ乳類の約4割が絶滅の危機、IUCNが警告
スペイン・バルセロナ(CNN) 全世界のほ乳類のうち約4割にあたる36%が、絶滅の危機にさらされていると、国際自然保護連合(IUCN)が6日、当地で開催中の世界自然保護会議で発表した。12年前の調査時に比べて、状況は大きく悪化しているという。
IUCNは絶滅の危機にある動植物リスト「レッドリスト」を作成、公表している。
新たな調査結果によると、ほ乳類5487種類のうち、約21%に相当する1141種類が絶滅の危機にあり、詳しい情報が十分に得られていない836種類を含めれば、約4割に相当する36%が、危険な状況に追い込まれているという。
このうち、成体としては143頭しかいないスペインオオヤマネコなど188種類が、絶滅寸前となっている。また、キューバに生息していたネズミ目フチアの仲間など、29種類がほぼ絶滅した。
過去500年間で絶滅したほ乳類は、76種類に達している。
ほ乳類の存続が危うくなっている理由として、環境悪化や人間活動を指摘。特に南米やアフリカ、東南アジアでは多くの地域で大型ほ乳類の姿が消えているという。
一方、保護活動も一定の成果が上がっており、絶滅の危機にある動物のうち5%で、数が回復しつつある。
かつて中国に生息していたシフゾウは、野生下ではすでに絶滅している。しかし、繁殖下では順調に数が増え、今後は野性に返される計画も持ち上がっている。
IUCNが作成するレッドリスト最新版には、ほ乳類のほか全4万4838種類の動植物が記載されており、このうち38%が絶滅の危機にある。特に両生類では、すでに約3分の1が絶滅している。(CNN 2008/10/07)

コウテイペンギン:絶滅も 今世紀末、南極温暖化で──米仏チーム分析
地球温暖化が現在のペースで進むと、南極のコウテイペンギンが今世紀末には絶滅する可能性があることが、米仏の研究チームの分析で分かった。温暖化で海氷が減り、繁殖が困難になるためと指摘している。米科学アカデミー紀要電子版に発表した。【田中泰義】

コウテイペンギンは南極だけに生息する世界最大のペンギン。冬の間繁殖する。オスが内陸で卵を温める間、メスは海氷上に移動し餌を取る。餌を体内に貯蔵してオスの元に戻り、ふ化したヒナに与えて育てる。
研究チームは主要な生息地のアデリーランド地区で1962〜2005年の個体数と気温の関係を分析した。72〜81年の温暖期には海氷が急減し、つがいが3000組に半減していた。
国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が07年に示した温暖化シナリオに沿い、今世紀末に大気の二酸化炭素濃度が現在の2倍になると想定。予測される海氷面積の減少や寿命(約20年)などから、個体数の変動を推計した。
その結果、海氷面積は10年間に最大3.7%ずつ減少し、個体数は2018年ごろから激減。今世紀末には、存続が危ぶまれる約400組まで減ると結論付けた。研究チームは「産卵期をずらすなどライフサイクルが変わらない限り絶滅を回避することは難しい」としている。

高橋晃周・国立極地研究所准教授(動物生態学)の話 観測に基づいた予測で、従来の研究に比べ信頼性が高い。だが今のところ、南極の昭和基地近くを含め他地区で顕著な減少は見られない。詳しい調査が必要だ。(毎日新聞 2009/01/29)

過去5世紀で絶滅した生物は800種以上=IUCN
【ワシントン1日ロイター】過去5世紀で地球上から絶滅した動植物は800種を超え、現在は1万7000種以上が絶滅の危機にひんしている。国際自然保護連合(IUCN)が明らかにした。
IUCNの新たな分析によると、西暦1500年以降に姿を消した野生生物は869種。
また、現在は少なくとも1万6928種が絶滅の危機にひんしており、両生類の約3分の1と哺乳類の約4分の1がその中に含まれている。
2004年に発表された絶滅危ぐ種を掲載したレッド・リストでは、1500年以降に絶滅した動物は784種だった。(ロイター通信 2009/07/02)

地上絵残したナスカ人の滅亡、森林伐採で加速=研究
【バルセロナ(スペイン)2日ロイター】ペルーに巨大な地上絵を残し、謎に包まれているナスカ人は、1500年前に森林を伐採し自らの滅亡を早めていたという。2日に発表された最新の研究で明らかになった。
英ケンブリッジ大学などの研究者らによると、この地域に生息する根の長い木が湿度を保ち、葉が土壌の養分となっていたが、伐採により空気が乾燥しすぎたため、人々が十分な食料を収穫できなくなったことが分かったという。
研究グループは、世界中の乾燥地帯の環境保護を強化する必要が示されたと指摘。研究に参加したキュー王立植物園のオリバー・ホエーリー氏は「過去の過ちが、今の時代に重要な教訓を与えてくれている」と述べた。
これまでに、一部の考古学者は、ナスカ人が滅亡したのは大規模なエルニーニョ現象が発生し、大雨や壊滅的な洪水が引き起こされたためとの考えを示していた。(ロイター通信 2009/11/02)

ガラパゴスで進む生物絶滅 海亀も危機、専門家調査
ユニークな生態系が存在する南米・エクアドルのガラパゴス諸島で、地球温暖化や乱獲などによって、24本の脚を持つヒトデやスズメダイの一種など9種の海の動植物が絶滅、オサガメやタイマイなど、さらに9種に絶滅の危機が差し迫っているとの調査結果を、米国やエクアドルなどの専門家グループが4日、発表した。
グループの1人、米国のシルビア・アール博士は「世界の海の環境は、温暖化と乱獲によって脅かされているが、ガラパゴス周辺の海にそれが最も顕著に現れている」と指摘。温室効果ガスの排出削減や保護区の拡大などといった取り組み強化を訴えた。
調査をしたのはチャールズ・ダーウィン財団や環境保護団体、コンサベーション・インターナショナル(本部・米国)などのグループ。
かつては同諸島周辺の海に多くみられたスズメダイの一種は、1982〜83年の大規模なエルニーニョ以降、25年以上確認されておらず、絶滅したとみられる。24本脚のヒトデはガラパゴスの固有種だが、同様に生息が確認できず、絶滅したらしい。また、比較的温度の低い海水を好む藻類など7種の植物も約20年間、見つからず、絶滅した可能性があるという。
このほか、ダーウィンの進化論研究の題材とされた鳥であるフィンチの一種、タイマイやオサガメといった海亀など計9種も、数が極端に減るなど「近い将来に絶滅の危険が高い種」とされた。
グループは「漁網による混獲や乱獲に加え、近年の温暖化で海水温が高い状態が続いていることが原因だ」としている。

<ガラパゴス諸島> 南米エクアドルの西約1000キロの太平洋にある火山群島。1978年に世界自然遺産第1号に登録され、98年に新設された海洋保護区も2001年、世界遺産の対象に含められた。ゾウガメやイグアナなど希少な動植物が生息するため観光客に人気。観光客増加に伴って移住者や外来種も増えたことなどから、生態系が脅かされ、07年に緊急に保全対策が必要な「危機遺産リスト」に加えられた。(共同通信 2009/12/04)

コアラに迫るクラミジアとエイズ、30年以内に絶滅の恐れも
オーストラリア・クイーンズランド州(CNN) オーストラリアの貴重な観光資源ともなっている有袋類のコアラが、クラミジアやエイズによって命を落としており、対策を講じなければ今後30年以内に絶滅する可能性があると、専門家が懸念している。
オーストラリア・コアラ基金によると、国立公園に生息するコアラの個体数は過去6年間で、10万匹から4万3000匹以下に減少した。この速度で減少が続けば、30年以内に絶滅する。
コアラの個体数が減る原因として現在、環境破壊による生息地の減少だけではなく、感染症のクラミジアやコアラ・エイズ(KIDS)が指摘されている。野生動物専門の病院には年間、少なくとも700匹のコアラがこういった病気で搬送されているという。
KIDSはレトロウイルスにより感染し、症状は人間のエイズに似て、免疫力が後退して感染症やがんなどで死に至る。接触感染で広がるため、コアラの大量死に結びつく恐れがあるという。
専門家は、ワクチンは将来も開発される希望が薄いと指摘。コアラ保護のためには、生息域を守り感染拡大に注意して、個体数を見守る必要があるとしている。(CNN 2009/12/14)

気候変動で「ニモ」が絶滅の危機に=IUCN
【コペンハーゲン14日ロイター】映画「ファインディング・ニモ」のキャラクターとなり、一躍人気者になったカクレクマノミが、地球温暖化による海水の酸性化などにより、絶滅に近づいているという。
国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が開催されているデンマークの首都コペンハーゲンで14日、国際自然保護連合(IUCN)が報告した。 
それによると、海水の酸性化や水温の上昇で、さんご礁が破壊されるほか、カクレクマノミが隠れ場所のイソギンチャクを探すための嗅覚が影響を受けているという。
この報告では、地球温暖化で最も打撃を受けた動植物10種も明らかになり、カクレクマノミのほかには、ベルーガ(シロイルカ)や、オサガメ、コウテイペンギン、コアラなどが挙がった。
報告書を執筆したウェンディ・フォーデン氏は、記者団に「動植物は環境に適応するが、変化の速度は遅くなければならない。各国の政府が力強くタイムリーな目標に全力を傾け、気候変動の速度を落とすことができれば、これらの種に生き延びるチャンスを与えることができる」と話した。(ロイター通信 2009/12/15)

霊長類303種が絶滅危機に 国際自然保護連合
世界中に生息する霊長類のほぼ半分に当たる303の種や亜種に絶滅の恐れがあり、中には個体数が100前後しかいなくなったものもあるとの報告書を、国際自然保護連合(IUCN)や国際霊長類学会などのグループが18日、発表。特に絶滅の危険度が高いインドネシアのメガネザルやオランウータンなど25種をリストアップし、保護対策の強化を求めた。
環境保護団体、コンサベーション・インターナショナルのラッセル・ミッターマイヤー代表は「霊長類の危機的状況は、地球規模で進む環境破壊の象徴ともいえる」と指摘。「10月、名古屋市での生物多様性条約締約国会議(COP10)で、各国政府は霊長類保護に真剣に取り組む姿勢を示すべきだ」と話している。
IUCNが調査した亜種を含めて634種の霊長類のうち、絶滅の恐れがあるものが303種に上り、森林破壊や狩猟、ペットとしての違法取引が主な原因と分かった。
特に絶滅の危険度が高い25種類中11種がアジアの霊長類で、インドネシアのスマトラオランウータン、個体数が200頭以下に減ったベトナムのトンキンシシバナザルなど。同国のラングールというサルの一種は、伝統的医薬品目当ての狩猟で急減、現在は60〜70頭しかいなくなったという。
このほか、アフリカのカメルーンやナイジェリアに200〜300頭が生息するだけになったクロスリバーゴリラなども極めて絶滅の恐れが高い。(共同通信 2010/02/18)

5分の1の植物が絶滅危機に 「絶滅種」動物の生存例も
ロンドン(CNN) 英王立植物園が行った調査で、世界の植物の5分の1が絶滅の危機にあることが判明した。
調査はキュー王立植物園や国際自然保護連合(IUCN)などが実施し、29日に結果を発表した。世界各地に分布する38万種以上の植物を5グループ(コケ植物、シダ植物、裸子植物、単子葉植物、マメ科植物)に分類し、合計7000種類の植物を調査した。その結果、5分の1が絶滅危惧(きぐ)種に分類されることがわかった。5グループのうち状況が最も深刻なのは裸子植物で、36%が絶滅の脅威にさらされているという。
特に熱帯雨林地域が深刻な状態にあるという。植物の絶滅につながる原因は人間の活動(81%)、自然の脅威(19%)とされており、農地や飼料育成地の開発、伐採により植物の多様性が損なわれつつあると調査結果は指摘している。
他方、オーストラリアの研究者グループがこのほど論文誌に発表した研究成果で、絶滅したと考えられていた種の一部が実際には生存している可能性があることが明らかになった。
クイーンズランド大学の生物学者らが180以上の絶滅種を調査した。その結果、調査対象となった生物の3分の1は実際には絶滅していなかったことが判明した。論文は、保護推進者らが個体数を偏重していると批判している。
研究グループのダイアナ・フィッシャー氏によれば、人間の介在や病気などが原因で絶滅したとされる種よりも生息地の減少により個体数が減少した種が再確認される傾向にあるといい、生息地とは別の場所で発見されるケースがある中、保護しなければ絶滅するおそれがあると同氏は指摘する。
絶滅したと推定された後に生存が確認された種としては、50年以上前に野生では絶滅したと考えられていたオカピがコンゴで確認された例や、6500万年以上前に絶滅したと考えられていたシーラカンスが1938年に確認された例がある。(CNN 2010/09/30)

海洋生物に迫る大量絶滅の危険性 科学者らが報告書
ロンドン(CNN) 世界の海洋生物が大量絶滅の危機に直面していることが、各国の科学者らによる暫定報告書で明らかになった。
報告書は、海洋研究国際計画(IPSO)の呼び掛けで今年4月、英オックスフォード大学での会議に参加した18団体、27人の専門家チームが、国際自然保護連合(IUCN)と共同でまとめ、21日に国連へ提出した。
会議では、海洋の汚染や酸性化、水温上昇、魚の乱獲、酸素濃度低下の影響を総合的に検討し、地球史上で過去5回あったとされる大量絶滅期と同様の条件がそろっているとの結論が出た。今後一世代のうちにサンゴ礁が消滅するなど、海洋の生態圏全体が失われる恐れがあるという。
報告書は、生態系の破壊が予想以上の速さで進行していると警告。一部の魚は、行き過ぎた商業漁業によって以前の1割以下まで減ったとも指摘している。
IPSOの研究責任者を務めるオックスフォード大のアレックス・ロジャーズ教授はCNNとのインタビューで、大気中に放出されて海洋に吸収される二酸化炭素(CO2)の量はかつてない勢いで増加していると話し、CO2サイクルの乱れは過去の大量絶滅でもみられたと強調した。(CNN 2011/06/22)



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