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監視社会:世界中で加速
監視社会:世界中で加速
カナダ・クイーンズ大のライアン教授に聞く
◇9.11以降、治安対策が優先事項に/脅威理由に社会的弱者の人権軽視監視社会をテーマにした研究の世界的権威といわれるカナダ・クイーンズ大学のデービッド・ライアン教授(55)に、01年9月11日の米同時多発テロ以降、世界中で加速しているとされる監視社会化の動きについて現状と課題を聞いた。教授は「世界中で治安対策が優先事項になった。テロ対策を超えた措置もあり、悪用を注視していくことが重要だ」と警告した。教授は、18日に東京の上智大学で開かれた国際シンポジウム「<監視社会>と<自由>」(毎日新聞社後援)などに出席するため来日した。【臺宏士、乾達】
──テロなどから社会を守ることは従来も重要でしたが、9.11を境に大きく変わった点は。日常的にテロの危険性が認識されるようになったため、より多くの人に疑いの目が向けられるようになった。治安対策が世界中で政治的優先事項になった。カナダでも国境で盛んに警備が強化され、警察は航空機の乗客の個人情報を無制限に利用できるようになった。警察だけでなく、空港、鉄道への監視カメラ導入や警備員配置など民間の警察的活動も急増した。さらに職場、買い物など別々の場所でデータベース化されていた個人情報をネットワークで照合し、誰が「危険人物」かといった分類に利用することも正当化されるようになった。
──米国は愛国者法により容疑者の人権を制約できる捜査を認めたほか、入国する外国人から顔写真と指紋を採取しています。ある程度の人権の制約はやむを得ないという意見もあります。危険の予測には、より多くの個人情報が必要になる。一方、市民もテロの恐怖や不安を取り除こうと、情報提供に積極的に応じるようになるため、より監視が強化される。問題なのは、治安対策の強化がかえって目に見えない危険に対する恐怖が市民の間に増すという構図になり、その結果、危険が自己増殖して、情報の収集と提供の連鎖が起きていることだ。
──米国の対応はテロ対策によるプライバシー侵害をどこまで容認するかという問題にとどまらず、民主主義の原則を揺るがしかねないという指摘もあります。その通りだ。こうした一連の措置はテロ対策という枠を超えた大掛かりな検査手段になっている。テロリストを退治できる効果は薄く、不法移民など別の望ましくない人々を排除するのに有効に機能している。また、対テロ戦争の明確な定義はないので、緊急的な特別措置が延々と続けられることになり、テロリストの定義も拡大した。アテネ五輪は監視技術の「展示会」になり、特に標的になったのがアラブ系やイスラム教徒だった。カナダで個人情報保護のための第三者機関・プライバシー保護委員会の委員長は最近、「テロ対策がすべてのカナダ人の個人情報を使う口実にされている。プライバシー侵害だけでなく、民主主義に対しても悪影響が出ている」と発言した。
──9.11後の米国や世界が失ったものは何でしょうか。最も悪影響を受けているのは少数民族、女性、難民、移住労働者など社会的な弱者だ。これまでも麻薬戦争などさまざまな脅威が利用されてきたが、その中でも9.11という脅威は、政治的権利、言論の自由、平等を軽視しても、社会的な関心をそらすことができる便利な材料になった。その証拠にテロ対策に熱心な米英両国は、世界で最も貧富の差が拡大している国でもある。
──日本でも監視社会化に異議を唱える声が出ています。私は監視そのものに反対しているわけではない。福祉国家のようにすべての人がきちんとしたサービスを受けるには、個人情報の蓄積が必要になる。どのような目的なのか分析し、市民合意で作った一線を逸脱した悪用がないかを注視していくことが重要だ。
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◇国際シンポジウム「<監視社会>と<自由>」18日の国際シンポジウム「<監視社会>と<自由>」では、ライアン教授が基調講演をした後、田島泰彦・上智大教授(メディア法)をコーディネーターに、▽江下雅之・目白大助教授(メディア史)▽小倉利丸・富山大教授(情報論)▽渋谷望・千葉大助教授(社会学)が日本の状況について問題点を探った。
●グレート・マザー「監視社会を象徴する言葉に『ビッグ・ブラザー』があったが、今の時代は『グレート・マザー』だ。監視するかもしれないが、同時に守ってもくれる。ただし、手のひらの外に出ることは許されない」
江下助教授は現代の監視社会をそう表現した。ビッグ・ブラザーは英国のSF作家、ジョージ・オーウェルが1949年に描いた近未来小説「1984年」に登場する超監視国家の絶対的支配者だ。ところが現代は、監視カメラなどのセキュリティー機器やサービスの低価格化が、従来監視される側だった市民の間での利用も促進した。江下助教授は「監視されていると分かっていても便利だと感じてしまう現代のジレンマだ。『いいんじゃないか』との議論が先行すると、個人情報はどんどんばらまかれていく」と指摘した。
一方、田島教授は「監視カメラは商店街など民間による設置が圧倒的に多く、東京・歌舞伎町のような警察の管理は少ない。しかし、民間主体のように見えても背後には警察によるアドバイスがあることも少なくない」と話した。全国の自治体ではマンションなどでの監視カメラ設置や警察と連携した地域の防犯システム作りなどを柱とした「生活安全条例」の制定が相次いでいる。東京都は今年度予算に、治安対策として設置するカメラの設置補助費3億円を計上し、11の商店街への助成を決めている。
●共謀罪の新設テロなどの組織犯罪を未然に防ぐことは監視の大きな目的だ。渋谷助教授が「究極の予防」と表現したのが「共謀罪」の新設だ。秋の臨時国会で刑法改正案などの審議入りが予想される。同罪は4年以上の懲役・禁固刑を定める罪を共謀した場合に適用される。実際に犯罪を実行しなくても、運用次第では事前に犯行を仲間内で計画しただけで罪に問えるため、市民団体や労組の会合も適用対象になり、集会・結社や言論・表現の自由を侵害する恐れがあるとの指摘が出ている。
渋谷助教授は「オーバーステイの外国人情報を入国管理局のホームページからでも通報可能になるなど、日本で『疑いの文化』が広がっている」と指摘した。
●変質する電子政府小倉教授は、経済産業省が昨年10月に出した「情報セキュリティ総合戦略」を取り上げた。小倉教授によると、産業界の利害を重視してきた同省が国益を前面に出し、IT産業の国家統制に道を開くような提言だという。小倉教授は「9.11以降、電子政府での自衛隊と警察の役割が強調されてきている」と指摘し、「監視ビジネスが大きくなり、日本の産業を支えるようになると、後戻りができなくなる。監視が一つの文化になると、私たちは監視されていることさえも気づかなくなる。監視ビジネスを産業化させない努力とともに電子政府の形を改めて見直す必要がある」と話した。
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■人物略歴◇デービッド・ライアン
英国エディンバラ生まれ。ブラッドフォード大学卒。90年から現職。著書に「9.11以後の監視」(明石書店)、「監視社会」(青土社)など。
【関連記事】
米政府が民間ネットワーク監視を計画?
28日のNew York Times紙が、「ハッキング行為防止のために民間ネットワークを監視する」という米政府の計画を報じた。これは「Federal Intrusion Detection Network(FIDNET)」と呼ばれるプランの一環で、これをめぐって各方面から反発の声が上がっている。だが政府側は、民間ネットワーク監視の計画はないとしている。大統領諮問機関のNational Security Council(NSC)がZDNNに説明するところでは、これは1年以上前からの計画で、最近、米政府機関のコンピュータネットワークや民間の機密情報ネットワークがクラッカーに狙われていることから、侵入行為を防ぐ目的で、セキュリティシステムを米政府が監視するという計画のものだという。Center for Democracy and Technologyが入手した政府計画案では、民間ネットワークの監視もプランの中に含まれているが、NSCではそれを否定している。(ZDNN/USA 1999/07/28)通信傍受疑惑:英米が正当性を主張 EU各国は反発
【ロンドン6日岸本卓也】世界の通信情報を盗聴している疑惑が持たれている米英など英語圏5カ国の通信傍受機関・エシュロンについて、英国の欧州連合(EU)担当大使や米中央情報局(CIA)元長官が盗聴行為の正当性を主張したことが明らかになった。2人は盗聴した情報の悪用は否定しているが、EU各国は「開き直りだ」と反発している。EU議長国・ポルトガルは司法担当閣僚会議で本格的な対抗措置を検討する構えだが、英国は閣僚会議の議題に乗せることに抵抗している。
エシュロン機関(米・英・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)は人工衛星とコンピューターを駆使して世界の電話、ファクス、Eメールを盗聴しているといわれ、EUが調査を進めている。このほどEUが米英に質問したところ、両国ともに「不正行為はしていない」と回答したが、英政府を代表してEUに書簡で回答したスティーブン・ウォールEU担当大使は「国家の経済的安定を守ることは盗聴活動の正当な理由の1つだ」と述べた。
また、1993年から95年までCIA長官を務めたジェームズ・ウルジー氏は米ウォールストリート・ジャーナル紙に対して「米国が欧州企業の情報を盗聴する由は、取引先の政府へわいろ攻勢をかけるからだ。しかし、米情報機関は情報を米企業に渡さず、わいろ工作を当該政府に通報する。わいろを使ったり、国連の経済制裁措置を破って取引する企業を監視するのは当然だ」と述べた。
これに対して、ポルトガルのゴメス内相は米英の対応について「疑惑の解明を求めるEU加盟国の正当な要求を尊重していない」と批判し、司法担当閣僚会議でエシュロン機関の盗聴問題を議題にすることを加盟各国に打診した。英国は議題にしないように各国に働きかけているが、ポルトガルを支持する国は多い。(毎日新聞 2000/04/06)Eメールすべて傍受可能に 英の情報機関M15が準備
【ロンドン30日=渡辺覚】30日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、英国のスパイ防止機関MI5が、高度化するテロ活動の防止を目的に、インターネットを使って国内で送受信されるすべての電子メールを傍受する体制を確立する、と1面トップで報じた。
同紙によると、MI5は2500万ポンド(約42億円)を投じ、本部内に電子メール傍受のための新組織「国家技術支援センター」(GTAC)を設立。その上でMI5は、同センターと、英国内に約400社あるプロバイダー(インターネット接続業者)のホストコンピューターなどを専用のケーブルで直結する。
この結果、年内には、英国内で送受信されるすべての電子メールやホームページ上のメッセージを、すべて読み取ることが技術的に可能になる、としている。
日本で昨夏成立した通信傍受法は、電子メールなどの傍受に際して裁判官の礼状をその都度必要とし、記録提出も義務づけている。
英国では以前から捜査機関による通信傍受が認められているが、今回明らかになったプロジェクトは、より巧妙化するテロリストや国際的な組織犯罪に対抗するために、インターネット上のすべての情報に“網”をかける方法で、国内で論議を呼ぶのは必至。野党・自由民主党の議員は、「国家の安全と個人のプライバシーのバランスは、あまりにも国家寄りになっている」と、強い懸念の声を上げている。(読売新聞 2000/05/01)エシュロン:人権侵害、と欧州議会報告草案 米など5カ国盗聴
【欧州総局】米英など英語圏5カ国の通信傍受機関(暗号名エシュロン)の実態を調べた欧州議会エシュロン調査委員会の最終報告書草案を毎日新聞は27日、入手した。調査委は世界の電話、ファクス、Eメールを盗聴しているエシュロンの存在を「疑いない」と断定した。草案は「プライバシー保護を定めた各種の国際協定に違反している」と米英を強く批判し、企業や個人に対し通信の暗号化による自己防衛を呼びかけている。
国際的に権威ある機関がエシュロンの存在を確認して人権侵害だと告発するのは初めて。調査委は欧州連合(EU)加盟国がエシュロンのような盗聴機関に参加した場合「欧州人権規約に違反する」として英国に警告した。米国には人権保護の国際協定への加入を要求しており、欧米間の外交課題となるのは必至だ。
米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国はエシュロンの存在を公式に認めていない。しかし、調査委は「傍受基地のアンテナの種類から軍事通信ではなく民間通信を傍受している」などの根拠を示し、5カ国は傍受した情報を共有する協定を結んでいると結論づけた。
草案は「エシュロンは企業秘密を入手できる」と明記し、テレビ会議を含む企業情報の盗聴が可能だと強調した。調査委は「産業スパイの証拠は見つからなかった」と述べたが、「米情報機関の関係者は産業スパイの発覚を恐れているかのように否定する」と疑惑濃厚であることを示唆した。
調査委は、フランスとロシアがエシュロンに似た盗聴機関を持つ可能性のあることに触れたが、「米英の盗聴能力は圧倒的だ」と断じた。民間通信が対象の盗聴機関への対応策として、調査委は「企業や個人が盗聴を防ぐ手段を持つしかない」と暗号システムなどの商品化を認めた。
調査委はエシュロンの通信傍受基地の疑いがある世界20カ所の施設を挙げ、青森県の米軍三沢基地には14基のアンテナがあると記載している。また96年、日本の通産省の米国車輸入交渉の情報が米国側に盗聴された疑いも指摘した。
調査委はEUに対してプライバシーなど人権関連法規の一元化や情報機関の規制統一を求めた。国連や世界貿易機関(WTO)には情報機関の盗聴から企業や個人の通信を守る新協定策定を提唱。“情報戦争”が市民の人権を侵害する時代に入ったことに警鐘を鳴らしている。
最終報告書は6月上旬にも公表される。草案全文はA4判119ページ。<ことば>エシュロン
人工衛星などを使った米国主導の大規模な通信傍受網。暗号名エシュロン(ECHE LON)は階段格子、階層などの意。47年、米英が秘密裏に組織し、他の3カ国が加わった。情報は米国家安全保障局に送られる。冷戦期は共産圏を対象にしたが、現在は商業通信や個人向けも傍受できる。欧州連合(EU)の欧州議会は昨年7月、調査委員会を発足させた。(毎日新聞 2001/05/28)エシュロン:毎日新聞が入手した欧州議会最終報告書草案=要旨
毎日新聞が入手した欧州議会調査委のエシュロン最終報告書草案の要旨は次の通り。▽調査委員会設置の理由=欧州連合(EU)規約に規定された人権を侵害する恐れのあるエシュロンを調査するため、欧州議会は調査委員会を設置した。
▽エシュロンの特徴=受信基地と衛星を使って電話、ファクス、電子メールなどの個人や企業の情報を盗聴できる。他に例を見ない大規模な通信傍受システムである。英、米、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏5カ国が参加する世界規模の盗聴網で、参加国は入手した情報を共有できる。
▽エシュロンが存在する証拠=軍事施設など立ち入りが厳しく制限されている場所に傍受施設がある。また、受信アンテナの種類と大きさから判断できる。通信傍受に使われるアンテナは通常、直径15〜18メートル。パラボラアンテナは球状の白いカバーで覆われ、アンテナが向いている方向を隠す目的がある。こうしたアンテナは軍事目的では利用されておらず、民間の通信傍受に使われている可能性が高い。
▽UKUSA協定=第2次世界大戦の際、英国(UK)と米国(USA)が中心となり、日本の無線を傍受するために結んだ同盟。戦後の1948年にはソ連の通信傍受を目的に再編され、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの諜報機関が加わった。豪防衛信号局(DSD)幹部はUKUSA協定の存在を認め、外国通信傍受機関と協力していることを認めている。
▽傍受局の疑いのある基地=世界に20カ所。ヤキマ、シュガーグローブ(米国)、セバナセカ(プエルトリコ)、モーウェンストウ、メンウィズ・ヒル(英国)、ジェラルトン(豪州)、バート・アイブリング(独)、グアム、香港など。この中に青森県・三沢米軍基地が含まれている。
▽三沢基地=米陸軍の諜報セキュリティ司令部(INSCOM)、海軍セキュリティグループなどが駐留し、情報の解析を行っている。敷地内には14の衛星アンテナがある。三沢は「暗号解析センター」の役割を担う。
▽他に通信傍受システムが存在する可能性=仏、露は理論的には可能だが今のところ情報はなく、通信傍受網は事実上、英米が独占している。
▽エシュロンとEU規約の対比=エシュロンが産業スパイ目的に使われたり、個人情報の侵害につながっているとすれば、EUの人権規約に違反する。EU加盟国の参加は規約違反である。
▽諜報機関による通信監視とプライバシー=個人情報を監視すること自体が基本的人権の侵害である。米国家安全保障局(NSA)などが欧州で活動する主たる国は英国とドイツであり、特に両国は米国に対して、欧州人権規約を尊重するよう要請し、違反する場合は活動の禁止を求めるべきである。
▽EU市民の情報機関からの保護=共通外交・安全保障政策面から見ても統一基準の作成が望ましい。
▽産業スパイの防止=エシュロンは企業秘密を入手できる。世界規模で展開する企業はテレビ会議などの先進技術を導入しているが、こうした企業情報をエシュロンは盗聴できる。米中央情報局(CIA)はエシュロンへの関与を否定している。
▽暗号化による自衛=個人や企業情報を守るには、発信する情報を暗号化するなどの自衛措置が必要である。ただ、個人情報の暗号化には技術面やコストで問題が多い。
▽結論と提案=欧州議会は、「欧州評議会」(43カ国加盟)に対し、通信傍受などの新技術による人権侵害を考慮する欧州人権規約の見直しを求める。EUに対して、企業情報保護に関する相談窓口の設置を勧告する。
また、米国には「市民・政治的権利に関する国際規約(国際人権B規約」の追加議定書への署名国連にプライバシーの保護を定めた同規約17条の見直しを求める。さらに、世界貿易機関(WTO)の枠組みで、産業スパイ防止対策の話し合いを提案する。【欧州総局】(毎日新聞 2001/05/28)エシュロンの存在「疑いない」 欧州議会が報告書案
米国や英国が共同運用しているとされる通信傍受システム「エシュロン」についての調査報告書案が29日、欧州議会の特別委員会に提出された。地球規模の傍受システムの存在を「もはや疑いようもない」としたうえ、個人や企業のプライバシーを守るために欧州連合(EU)ぐるみの対応策を促している。採択されればEUの公式文書の性格が強まり、米欧関係や「身内」である英国の立場にも影響しそうだ。
「エシュロン特別委員会」に出された報告書案は、民間通信までを傍受する大がかりなシステムが存在する根拠として、世界各地の軍事基地にある大型アンテナを挙げている。それによると、民間の衛星通信を傍受するには、旧型で直径25〜30メートル、新型でも15〜18メートルのパラボラアンテナが必要。この規模のアンテナが軍事目的で使われることはなく、基地内にある直径18メートル以上のアンテナは民間通信の傍受用とみられる、としている。
該当する基地はシュガーグローブ(米)、メンウィットヒル(英)、三沢(日本)など11カ所。大型アンテナはないが、傍受にかかわっている疑いのある基地を別に9カ所列挙している。
具体的な産業スパイ疑惑については「立証できなかった」としたが、多国籍企業のテレビ会議や、本社と工場、研究所間の情報交換が傍受される可能性に触れた。
報告書案は結論で「無差別な通信傍受は、個人のプライバシー尊重をうたった欧州人権憲章などに違反する」と述べ、関係国の自制を求めた。EU加盟国である英国とドイツについては、国内の軍事基地に常駐する米国人の活動に一定の制限を設けるべきだと指摘。欧州市民や企業の権利を守るため、暗号ソフト開発などの対抗策をEU単位で講じるよう進言した。(朝日新聞 2001/05/29)エシュロン:日本の外交電文も傍受 NZの研究者が証言
【ウェリントン堀内宏明】米英など英語圏5カ国の通信傍受機関(暗号名エシュロン)の一環として、ニュージーランドの情報機関がオセアニア地域で日本の在外公館の外交電文を傍受している実態が26日、明らかになった。エシュロン問題を調べ、欧州議会調査委員会で証言したニュージーランド在住の研究者、ニッキー・ハガー氏(42)が毎日新聞に明らかにした。日本の外交情報は「JAD」の暗号名で呼ばれ、81年以降、貿易や漁業など経済分野の情報を中心に収集され、米国に報告されていた。
ハガー氏によると、日本の外交情報収集の担当は、ウェリントンにある「政府通信安全保障局(GCSB)」。同氏はGCSBの現・元職員やエシュロンに詳しい政治家、軍人ら約50人を聴取した。
GCSBは89年までは米国の傍受施設から転送された情報を解析した。90年以降、ニュージーランド北部ワイホパイの傍受施設が通信衛星などを経由する日本大使館などの専用通信回線の電文内容を傍受していた。
日本の外交電文はすべて暗号化されていたが、米国から提供されたコンピューターは大半を解読したという。これを日本語に堪能な職員が翻訳し、エシュロン統括本部がある米国家安全保障局(NSA)に送っていた。
情報収集は、オセアニア各国の日本大使館の外交リポート、貿易・漁業交渉報告、途上国への支援内容、ビザ関連が主だった。80年代には日本政府が第三国と進めていた石炭売買契約の価格が傍受され、ニュージーランドの企業が落札したことがあったほか、施設の建設などで同国企業が参入できそうな日本の援助計画を察知したという。
ワイホパイの施設には90年代半ばに電話など音声通信の盗聴設備も導入され、在外公館以外に南太平洋で操業する日本漁船やプルトニウム運搬船の通信も傍受できる。
ハガー氏は「日本の外交情報収集は米国の要請を受けて始まった。経済に強い日本の政策が太平洋地域に及ぼす影響を分析するのが目的だった。高度の機密電文は複雑に暗号化されており、解読できなかったようだ」と話している。◇ 外務省幹部は毎日新聞の取材に対し「傍受されたのは簡略な電文だと思う。超極秘の外交電文を解読するのは無理だ。事情が今一つよくわからないが、日本の外交機密はしっかりと守秘されているものと確信している」と話している。
<ニッキー・ハガー氏> 1958年生まれ。外交・軍事問題の民間研究員。96年、GCSBの調査をもとにした著書「シークレット・パワーズ」を発表し、エシュロンの存在を指摘した。(毎日新聞 2001/06/27)
米政権 外国人拘束の時限拡大 国外追放新法や盗聴の強化図る
【ワシントン20日=福田伸生】アシュクロフト米司法長官は18日、正規の査証などを持たずに入国した外国人を令状なしで拘束できる時限を24時間から48時間に改める、と発表した。捜査機関が電話や電子メールを幅広く「盗聴」できるよう、法改正も図る。いずれもブッシュ政権によるテロ対策の一環。米社会の柱である「自由」の過度な制限を危ぶむ声も聞かれ始めた。
19日現在、テロ事件への関与を疑われ、124人が拘束され、うち119人が形式上、移民法違反に問われる。「外国人に対する別件捜査が横行しかねない」とみる弁護士もいる。
司法省はさらに、テロリストの疑いがある外国人を拘束後、証拠を示さずに国外追放できる新法を練っている。テロ容疑者を裁く特別軍事法廷の設置も検討している。
新技術で治安を維持する試みも検討されており、ニューヨーク・タイムズ紙によると、国民が将来電子身分証を持たされる事態も次第に現実味を帯び始めている。(朝日新聞 2001/09/21)英、テロ対策で全国民にIDカード・逮捕権拡大も
【ロンドン24日共同】ブランケット英内相は23日、テロ対策のため全英国民にIDカード(身分証明書)所持を義務付けることなどを定めた新しいテロ防止法案を国会に提出する方針を明らかにした。24日付英各紙によると、法案にはこのほか(1)警察の逮捕権を拡大し、テロ情報を知る疑いのある人物を尋問のためだけに身柄拘束できるようにする(2)電子メール監視権(3)テロ容疑者らの銀行口座記録の強制開示(4)秘密情報機関による電話盗聴記録を公判で証拠採用できるようにする―などが盛り込まれる見通し。
逮捕権拡大などは、昨年、英国内法として発効した欧州人権規約と抵触する恐れがあるため、人権法規の改正も視野に置いているという。「市民の自由を害しないように」との慎重論もあるが、内相は「警察国家にならないためにも、人権とテロ対策の新しい調和を見いだす必要がある」と主張している。ブレア首相も法案への支持獲得のため議会対策を展開中。伝統的に当局による規制を嫌う英国でも、最新の世論調査で86%が何らかのIDカード所持に賛成している。(日本経済新聞 2001/09/24)アフガン攻撃:米、国土安全保障局を創設 テロ対策強化
【ワシントン佐藤千矢子】ブッシュ米大統領は8日、テロ対策について大統領に直接報告する閣僚級機関「国土安全保障局」を創設し、長官にトマス・リッジ前ペンシルベニア州知事(56)を任命した。同局創設は先月20日のブッシュ大統領の議会演説で発表された。約46の政府機関を管轄し、テロ攻撃に対抗するための国会戦略策定を指揮・調整・監督し、テロ対策に取り組む態勢を整える。
同局は、国家安全保障会議の「国内版」とも言える。任命を受けてリッジ氏は具体的な課題として、(1)海外スパイ活動強化のため諜報機関に十分な資金と技術を提供(2)生物化学兵器スパイを見つけ出し封じ込めるシステムの開発(3)発電所、電話、鉄道、高速道路、港、食料・水供給の安全強化──などを挙げた。(毎日新聞 2001/10/09)米テロ対策法が成立 盗聴権限拡大など認める
【ワシントン26日共同】ブッシュ米大統領は26日、捜査当局による盗聴権限の拡大などを認めるテロ対策法案の修正案に署名、同法が成立した。
調印式で大統領は「新たなハイテク技術を駆使するテロには新たな法制が必要だ。テロリストは必ず処罰する」と述べ「テロとの戦いの重要な一歩」と強調した。
米中枢同時テロで危機にひんした治安を回復し、テロの再発防止と対テロ戦争の勝利に向けて、強力な国内法が整備された。個人のプライバシーや経済の自由を侵害するとの懸念も指摘されているが、「テロリストとの総力戦」(ブッシュ大統領)を戦うための武器として上下両院とも圧倒的多数が賛成した。
同法は(1)電話の盗聴(2)インターネット使用記録の押収(3)テロに関連するとみられる外国人の身柄拘束―などで大幅に捜査当局の権限を拡大し、情報収集力を増強。テロ犯罪の厳罰化、入国管理の強化などを通じてテロ予防を目指すほか、マネーロンダリング(資金洗浄)に関しても国内外の金融取引の監視を厳格化する。
盗聴などについての適用は2005年末までに限定される。(共同通信 2001/10/26)米、テロ対策法が発効 通信傍受・資金追跡を強化
大統領署名 私権制限鮮明に
【ワシントン26日=吉次弘志】ブッシュ米大統領は26日、米議会が可決した包括的なテロ対策法に署名し、同法は正式に発効した。連邦捜査局(FBI)などによる通信傍受権限の強化や、金融機関の口座管理強化の義務づけが柱。英政府も近く反テロ法改正案を議会に提出する予定。個人の自由を重視してきた英米で、米同時テロを踏まえて私権を制限する流れが鮮明になってきた。
署名に際し大統領は「すべての米国民の憲法上の権利を保護しながらテロにうち勝つ重要な一歩を踏み出した」と語った。同法案は米下院が24日に可決。上院も25日に賛成98反対1の圧倒的多数で可決していた。メールも対象
同法の柱の1つは、テログループ追跡のための通信傍受の強化。従来は捜査当局は裁判所の命令の下で特定の電話番号の傍受ができるだけだったが、新法では次々に使用する電話を変える疑わしい使用者を追跡、継続的に傍受することが可能になった。
従来の規定では不明確だった電子メールの傍受もできるようになったほか、中央情報局(CIA)とFBIなどが簡便な手続きで傍受情報を共有できるようになった。ただ、人権団体などからのプライバシー保護の主張に配慮、通信傍受強化は有効期限が2005年末までのサンセット条項とした。口座厳格管理
テロ資金の取り締まりに向けては、在米金融機関が海外にある金融機関の実体のない口座から資金を受け入れることを原則として禁じた。さらに在米金融機関に海外からの取引の口座管理を厳格にするよう求め、米当局への報告義務も強化した。
ブッシュ政権は同法の議会審議に際し、テロへの関与が疑われる外国人(移民を含む)について、国外追放までの間は無期限の拘留を認める条項を盛り込むよう求めていた。
しかし米議会はこの提案を拒否。代わりにテロの疑いのある移民について司法長官が(1)国外追放手続きを即刻開始する(2)拘留後7日以内に起訴か釈放かを決める──のいずれかの手続きを取るよう求める条項を盛り込んだ。(日本経済新聞 2001/10/27)<米テロ対策法の骨子>
一、テロリストとそれをかくまう者や資金提供者への刑罰を強化
一、テロとの関連が疑われる人物に対し、一件の令状で複数の電話を盗聴することを容認
一、テロとの関連が疑われる人物に対し、一件の令状で電子メールと関連機器への捜索を認める
一、テロとの関連が疑われる外国人に対し、国外追放したり身柄を拘束したりする権限を強化
一、外国人留学生60万人の電子メールのやりとりを追跡するためのデータベース創設
一、電子メール追跡システムの捜査への利用についての規制を緩和
一、盗聴などについては2005年末で適用を停止
一、捜査当局間の情報共有の推進
一、在米金融機関が海外の金融機関の実体のない口座から資金を受け入れることを原則禁止
一、在米金融機関の海外との取引の管理を厳格化し、当局への報告義務強化
一、「平和的使用目的」以外の、生物・化学テロ兵器に転用可能な物質の所持を禁止
一、アフガニスタンのタリバン政権への農業製品、医薬品、医療機器の輸出規制権限を大統領に付与
一、米北部国境の入国管理を人員増などで強化米国議会、テロ対策法案を可決──時限立法でも残る不安
(WIRED NEWS 2001/10/29)米司法当局、通信傍受拡大などテロ対策法の新たな権限を行使
(WIRED NEWS 2001/12/03)反テロ法で入国拒否リスト発表、日本赤軍も──米国務省
【ワシントン和田浩明】米国務省は6日、10月に制定された反テロ法にもとづき日本赤軍など39団体を指定した「テロリスト入国拒否リスト」を発表した。指定を受けた組織のメンバーは、ビザ発給拒否や国外退去処分などの対象になる。
同リストは国務省が司法省と協議のうえ、作成した。指定を受けたのはアフガニスタン、パキスタン、イエメンや北アイルランド、ギリシャなど23カ国・地域の39団体。
国務省はこれまで「外国テロ組織」を指定、資産凍結などの制裁措置を適用してきた。日本赤軍については「目立った活動がない」との理由で10月にいったん指定を解除したが、「依然として米国政府の懸念の対象」との判断で、今回の排除リストに含めることになった。
国務省では「外国テロ組織指定は認定条件が厳しい。広範な広がりを持つテロ活動により効果的に対処するために新リストを導入した」と説明している。(毎日新聞 2001/12/07)ref. Statement on the Designation of 39 Organizations on the USA PATRIOT Act's "Terrorist Exclusion List"
(U.S.PRESS STATEMENT 2001/12/06)英議会 反テロ法案が成立
【ロンドン15日=福田伸生】英議会は14日、国際テロリストを起訴しないまま無期限に拘束する反テロ法案を可決した。「市民の自由と両立しない」といった批判を与党の労働党からも受け、ブレア政権は宗教的な敵意をあおる言動を禁じる条項を撤回。ようやく成立にこぎつけた。(朝日新聞 2001/12/16)警察庁 電子メール傍受実施へ 4月から装置配備
警察庁が、電子メールを傍受できる「仮メールボックス」という装置を、来年4月以降、14都道府県警に配備することが28日、分かった。昨年8月に施行された通信傍受法に基づくもので、電話やファクスとともに、メールが犯罪捜査で見逃せない存在になったことが背景だ。
米国でテロ対策法が成立するなど、世界的に捜査当局のインターネット監視が強まるなか「知らないうちに一般市民のメールが盗聴される危険がある」と懸念する声も上がっている。
同庁によると、仮メールボックスは、ネット接続業者(プロバイダー)の通信設備につなげて、電子メールを記録するコンピューター。
裁判所から傍受令状が出てから、プロバイダーの立ち会いで、各県警が設置し、10−30日間取り付けたままにしておく。令状に書かれた傍受対象のメールアドレスを入力すれば、期間中にそのアドレスに関連するメールを、自動的にフロッピーディスクに保存する仕組みだという。
メールなどネット上のデータは、デジタル信号化されているため記録が簡単にできる。このため社民党の福島瑞穂幹事長らは「装置が違法にほかのメールを記録しても、確認する手段がない。市民のプライバシーが侵害される危険性がある」と指摘。違法な捜査が行われないか、第三者がチェックできる仕組みが必要だと訴えている。
仮メールボックスを配備するのは、北海道警、宮城県警、警視庁、埼玉県警、千葉県警、神奈川県警、静岡県警、愛知県警、京都府警、大阪府警、兵庫県警、広島県警、香川県警、福岡県警、関東管区警察局。プライバシー保護どう実現
警察庁が、来年4月から電子メールを傍受できる体制を整える。世界的にインターネット監視が厳しくなるなか、個人のプライバシーなどが侵害されない仕組みを、どう維持するのかが大きな課題だ。メールの傍受で間題になるのが、対象のメールを保存する際、関係のない市民のメールの件名やアドレスなどを見ずに検索し、保存できるのかという点だ。
警察庁は「仮メールボックスが、指定したアドレスで送受信されたメールだけを自動的に保存するため、ほかのメールを一覧することはない」と説明するが、確認するのは難しい。
市民団体「ネットワーク反監視プロジェクト」の小倉利丸さんは「傍受したデータは(警察が)改ざんもできる。企業や個人の通信がネットにシフトするなか、市民のプライバシーを侵害しないという保証がますます必要になる」と話している。(中日新聞 2001/12/28)テロ絡み逮捕・拘束 「米以外で800人超に」
【ロサンゼルス支局7日】7日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、米同時多発テロ後に米国以外の50カ国以上で逮捕・拘束されたテロ絡みの容疑者数が800人から1000人にのぼると報じた。これとは別に米国内での逮捕・拘束者数は、640人余りにのぼる。米政府当局者の話として伝えた。(朝日新聞 2002/01/08)「国外退去命令無視」アラブ系6000人を追放へ 米司法省
司法省が、国外退去命令を受けながらこれを無視して米国内にいる中東、アラブ系約6000人の逮捕、追放に着手する。8日付ワシントン・ポスト紙の報道を司法省が確認した。同時多発テロを受けて、テロの温床となりかねない違法滞在者の一掃を図る中で、まず中東、アラブ系に標的を絞ったもので、米国内には人種的な偏見をあおると危ぐする声も出ている。
同時多発テロ後に米移民帰化局が改めて調査したところ、ビザの期限が切れたり犯罪に関与したりして米国からの退去を命じられながら、依然国内に居座る外国人が約31万5000人いた。同局は先月、こうした外国人を逮捕し強制的に国外に追放すると発表しており、今回の司法省の措置はこれを中東、アラブ系から始めると決めたものだ。
こうした外国人の中ではメキシコ人を中心とする中南米系が最も多い。にもかかわらず中東、アラブ系から着手する理由を、司法省当局者は米メディアに「(ウサマ・ビンラディン氏が率いる)アルカイダのメンバーが多い国」「テロリストになる可能性が高い」と説明している。(朝日新聞 2002/01/09)反テロで人権侵害と警告 国際人権団体が報告書
【ニューヨーク16日共同】国際的な人権監視団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部ニューヨーク)は16日、昨年9月の同時テロ以降、世界各国で反テロを口実にした人権侵害が拡大していると警告する2002年版報告書を発表した。
特に反テロ闘争を主導する米国については、従来の人種差別や死刑制度、同性愛者の権利などに加えて「反テロ対策」の項目を新設し、アラブ系市民らの大量拘束や特別軍事法廷の設置構想を批判。
また、チェチェンや新疆ウイグル自治区での反政府活動をテロと規定するロシア、中国とそれを黙認する米国に強い懸念を表明した。
報告書は米国の反テロ対策として、昨年11月までに1100人以上のアラブ系、イスラム教徒らを拘束したが「そのほとんどがテロとは無関係だった」と指摘。さらに、テロ容疑者と弁護士の会話を米政府がモニターできる措置や軍事法廷の問題点などを列挙した。
特にペルーやナイジェリアがテロリストを軍事法廷で裁くのに反対した米国は自らに脅威が及ぶと「突然、同じような制度を持ち出してきた」と批判。
さらに報告書は「各国政府は同時テロを利用して、国内紛争を反テロ闘争に仕立てている」として、チェチェンでの残虐行為を正当化するプーチン・ロシア大統領らに懸念を示した。(共同通信 2002/01/17)数百人のアラブ系住民が依然として拘束されている=米人権団体
【マイアミ13日ロイター】米人権問題専門家によると、米国内で拘束されているアラブ人およびアラブ系米国人の数は、対米同時テロ攻撃から半年たった現在でも、依然として数百人にのぼると見られており、このなかには中東での迫害を逃れてきた亡命希望者や、女性、未成年者なども含まれている。
アラブ・アンチ・ディスクリミネーション・コミッティーのフセイン・イビシュ氏は、「どれだけの人数が拘束されているのかはまったく分からないし、これを把握している人はいない。政府が開示しないからだ」と述べた。
昨年12月には、全米市民自由連合をはじめ15の人権団体が、昨年9月11日以来、逮捕または拘束された個人についての基本的な情報の開示を求める訴訟を起こしたが、実際の審理が開始されるまでには、あと1カ月ほどはかかると思われている。
司法省は、拘束者リストの公開や正確な全体数などの公表を拒否している。同省が2月15日に明らかにした最新の数値によれば、移民法違反の疑いで拘束、あるいはテロ行為との関連性の疑いで捜査されているのは327人。(ロイター通信 2002/03/13)米のテロ拘束者で人権侵害 アムネスティが報告書
【ニューヨーク14日共同】人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは14日、米中枢同時テロに絡んで身柄拘束された米国内の外国人の実態をまとめた包括報告書を発表した。
報告書は本人に拘束理由が告知されず、家族には居場所も知らされないばかりか、弁護士への迅速な接触も事実上制限、中には暴力行為を受けるなどの人権侵害が横行していると厳しく批判。米政府に拘束者の数、国籍に関する情報の開示や国際基準に従った取り扱いを勧告している。
米各地の非政府組織(NGO)と協力、拘束者への聞き取り調査を基に作成されたもので、具体的な実態がこれほど詳細に明らかになったのは初めて。
米政府はテロ後、査証の期限切れなどを理由にアラブ系を中心に約1200人を拘束。報告書によると、このうち約300人が訴追あるいは釈放されずに拘束され続けている。ほとんどは名前や容疑事実も公表されず、家族の面会も多くが拒否されている。また、英語やスペイン語が分からないため、拘束理由すら知らない人も多数いるほか、正当な理由がないまま長期間にわたる拘束を強いられるケースが相次いでいるという。(共同通信 2002/03/15)入院中も手錠、犬で脅迫 アムネスティが具体例
【ニューヨーク14日共同】「入院中は手錠と足かせで拘束」「囚人服姿で航空機に搭乗」―。「人権大国」を自負する米国で同時テロ後、入国管理法違反で拘束された外国人への人権侵害の具体例を、14日発表のアムネスティ・インターナショナルの報告書から拾った。
エジプト人男性は一時入院した2週間、病室で手錠、足かせでベッドにくくりつけられた。ニュージャージー州の留置場では、麻薬探知犬を拘束者の部屋に入れ、犬を怖がる人にはわざと近づけて脅した。ミシシッピ州の留置場ではパキスタンの学生が殴られ「テロリスト」とののしられた。
今年1月、ニューヨークからネパールに国外退去となった男性は囚人服のまま航空機に乗せられた。
ニューヨークの留置場では、外部への電話連絡は週1回だけ許可された。相手が電話に出ない場合は、さらに1週間待たされるという。法律事務所が既に閉まっている午後5時半以降だけ許可された人もいた。いったん指定した相手の電話番号を変更できず、弁護士への接触をあきらめたケースもあった。
拘束されたパキスタン人男性の妻がニューヨークの留置場に居場所を照会すると、同留置場は「いない」と回答。今年1月、いることが判明、ようやく面会できた。(共同通信 2002/03/15)ネズミの脳に電極を埋め込みリモコン操作する研究
(WIRED NEWS 2002/05/08)米が留学生監視システム/テロ対策で日本人も対象
【ワシントン10日共同】アシュクロフト米司法長官は10日、テロの未然防止を目的に、米国内に滞在する日本人を含む約100万人の留学生の行動を監視するシステムを7月から導入すると発表した。
昨年の米中枢同時テロの実行犯が、いずれも学生ビザなどを取得して合法的に入国していたことが判明、米政府の入国管理業務がずさんとの批判に対する措置。
長官は記者会見で「これで留学生が入国後、本当に学校に通っているかどうかなど、政府が当然把握しておくべき情報を入手することができるようになった」と述べた。(共同通信 2002/05/11)欧州の新通信保護法で懸念されるプライバシー侵害
(WIRED NEWS 2002/05/31)「全国民データベース」化が懸念される米国防総省のテロ防止データベース計画
(WIRED NEWS 2002/08/08)テロとの戦いを口実に、強化されていくインターネットの取締り
(WIRED NEWS 2002/09/06)「9・11以降の人権状況深刻」
「昨年9月11日以降の人権状況を非常に心配している。まず米国を非難しなければならない」。11日付で退任するロビンソン国連人権高等弁務官は10日、国連欧州本部で記者会見し、同時テロ以降「テロ対策」を理由に人権をかえりみない政策が米国を筆頭に世界的に広がりつつあると苦言を呈した。
ブッシュ米政権はタリバン兵捕虜の扱いで非政府組織(NGO)などから強い批判を受けた。イスラエルがパレスチナ、ロシアがチェチェン紛争、中国が新疆ウイグル自治区のイスラム勢力への対応などで「テロ対策」を全面に打ち出したことなどが弁務官の懸念の背景にある。(ジュネーブ=清水真人)(日本経済新聞 2002/09/11)同時多発テロから1年──米国では市民的自由も犠牲に
(WIRED NEWS 2002/09/12)航空機乗客の危険度をランク付け、対テロ用強力個人データベース・システム登場
(WIRED NEWS 2002/09/19)『パトリオット法』に対するACLUの抗議運動がいよいよ本格化
(WIRED NEWS 2002/10/21)ゴーサインが出た体内埋め込みチップ、なお前途は不透明
(WIRED NEWS 2002/10/24)「公衆監視カメラの普及」が実現する社会とは
(WIRED NEWS 2002/10/30)英政府、性犯罪者の再犯防止に「体内チップの埋め込み」を検討
(WIRED NEWS 2002/11/21)米国防総省、テロリスト追跡システムの実証研究を実施へ
ワシントン(CNN)米国防総省は20日、旅券発給やクレジットカードの記録などを結びつけて不審な動きを見つけだし、普通の市民を装ったテロリストを追跡するシステムの実証研究に入ることを明らかにした。
国防総省のオルドリッジ次官によると、総合情報認識システム(TIA)と呼ばれるこのシステムは、旅券発給、査証発給、就労許可発行、クレジットカードによる商品購入、航空券、化学製品、銃の購入記録のほか、逮捕歴などを結びつけてテロリストを見つけ出す。高速の機械翻訳機能も追加される予定だ。
同次官によると、今回の実証研究では本物のデータは使われず、試験用のサンプルデータが使われる。(CNN 2002/11/21)問題山積、米国防総省の国民データベース計画
(WIRED NEWS 2002/12/03)「専制政治の道具」になるコンピュータ
(ITmedia News 2002/12/09)米同時テロ:関連逮捕者は計約900人 司法省が情報公開
【ワシントン斗ケ沢秀俊】昨年9月の同時多発テロ以降、米司法省がテロ関連で逮捕、拘束した人数は約900人に上ることが11日、明らかになった。AP通信の情報公開請求に対し、同省が文書で答えた。
それによると、犯罪の被疑者として逮捕、起訴されたのは134人。ほとんどはテロとは無関係の別件での起訴で、うち99人は司法取引で有罪を認めた。出入国管理法関連では765人が拘束され、うち478人が国外追放された。6人が現在も収容されている。
テロ後、中東出身者などが微罪の別件逮捕で長期拘束されるケースが相次ぎ、人権団体は「テロ対策を口実とした人権侵害だ」と批判していた。司法省はAP通信への回答で、「重大な犯罪が起こる前に危険な人物を排除し、人々の安全を守るため、あらゆる手段を使う」との強硬姿勢を示した。(毎日新聞 2002/12/12)反テロ戦争、人権侵害も=国連人権高等弁務官
【ヘルシンキ17日ロイター】デメロ国連人権高等弁務官は、米国が主導する反テロ戦争が人権を侵害しており、世界各地で偏見を増長させている、と述べた。
同弁務官は記者会見で、「テロとの戦いにより、世界各国で人権の基準に対する影響が出ている」と述べた。
同弁務官は、昨年9月11日のテロ攻撃への対応として、民間人に対する攻撃に備えて警備を強化する必要があることは理解できるとの見方を示す一方で、テロとの戦いが、すでに存在する偏見をさらに悪化させてもいる、と述べた。(ロイター通信 2002/12/17)米政府、指定国の外国人男性に写真と指紋の登録を強制
(WIRED NEWS 2002/12/18)米国民データベース計画のリーダー、個人情報をネットで公表される
(WIRED NEWS 2002/12/19)米国の地方自治体、『パトリオット法』拒否を続々決議
(WIRED NEWS 2002/12/24)米首都で極秘の核テロ警備 中枢同時テロ直後
【ワシントン24日共同】24日付の米ワシントン・ポスト紙は、中枢同時テロ発生後の昨年末、ブッシュ政権が首都ワシントンとその周辺で核兵器を使用したテロを想定した極秘の大規模警戒作戦を展開していたと報じた。
同紙によると、核爆弾や放射線を放出する爆弾によるテロを防止するため、専門家がワシントン市内や周辺の主要道路、河川に放射線の探知センサー網を設置。移動式センサーを搭載した車両が首都圏をパトロールした。
その後、警戒態勢は解除されたが、当時、首都近郊では核兵器を処理できる統合特殊作戦司令部の特殊部隊が高度警戒態勢を敷いて待機していたという。(共同通信 2002/12/24)首都に核テロ防衛網=米紙
【ワシントン24日時事】24日付の米紙ワシントン・ポストによると、ブッシュ政権はテロ組織アルカイダによる首都ワシントンへの核テロを阻止するため、センサーを使った防衛網を極秘裏に構築した。使用される前に核爆弾などを発見するのが目的とされ、大掛かりな実験を行っているという。(時事通信 2002/12/24)米国の個人情報データベース連携計画に反対強まる
米国防総省がテロ対策の一環として、クレジットカード会社や健康保険会社などのデータベースを連携させるTotal Information Awareness(TIA)プログラムの導入を計画しているが(12月19日の記事参照)、この計画に対して米国議会でも反対の動きが高まっている。
Russ Feingold上院議員は1月16日、TIAを阻止するための法案を提出する計画。これが通過すれば、米国議会で「データマイニング問題を検討」するまでの間、TIAプログラムは中止される。
たとえ同法案が可決されなかったとしても、このような異例なやり方で阻止しようとする方策が採られたことにより、国防総省がTIAを見直すことになるかもしれない。
TIAはそのまま遂行された場合、クレジットカード会社、健康保険会社、自動車当局といった情報源のデータベースがリンクされ、テロリストを探し出す目的で警察が利用できるようになる。(ZDNet News 2003/01/17)ACLU、米国一般市民に対する監視システムに警鐘
(WIRED NEWS 2003/01/21)各乗客が危険人物かどうか判断 米政府がシステム試行
ワシントン(AP)米運輸安全局(TSA)は、クレジットカードの利用歴などから、民間航空機に搭乗しようとする各乗客が危険人物かどうかを判断するシステムを導入する。まずデルタ航空が米国内3空港で試行を始めるが、「プライバシーの侵害だ」とする市民団体の批判も出ている。
このシステムは「コンピューター支援乗客事前検査システム(CAPPS2)」と呼ばれ、01年9月の米同時多発テロのあと米議会で承認されたもの。各乗客のクレジットカード利用歴、銀行口座の利用歴などのデータベースを参照し、政府の監視対象リストに入っていないかどうかも調べる。
その結果、各乗客にはその「危険度」に応じて、「緑」「黄」「赤」の記号が割り振られる。空港で乗客が搭乗手続きをすると、暗号化された危険度が搭乗券に印字され、搭乗口に向かう前の保安検査の際、検査員が危険度に応じた検査を行う。
ほとんどの乗客は「安全」とされる「緑」と判断され、これまでと変わらない扱いを受けるが、「黄」と判断されると特別に厳格な検査を受け、「赤」の場合は搭乗を拒否される。
最初に3空港で試行を行うデルタ航空は、どこの空港で試行を行うのか明らかにしていない。
TSA幹部は「CAPPS2が参照するデータベースはプライバシー保護法の下ですでに運用されているもので、人種・宗教・民族性に基づかないものだ」と話している。
しかし、市民団体からは「CAPPS2は、プライバシーの侵害で違憲だ。もしデータベース運用で誤りがあれば、罪のない人が危険とみなされる可能性がある」と批判している。
「全米市民権連合」のカティー・コリガン弁護士は「CAPPS2は、恒久的なブラックリストを作り出す可能性があり、一部の米国人は自由に旅行ができなくなる」と話す。
実は似たシステムは航空会社がすでに開発している。ノースウェスト航空は90年代、乗客が航空券を購入するときに現金を使ったかクレジットカードを使ったかや、乗客の住所、予約をした日などから危険人物を見つけるシステムを稼動させている。
このシステムでは、「現金で片道航空券を買った」などという不自然な客は、特別な検査を受けることになっている。
CAPPS2は民間航空会社のシステムとは違い、連邦政府がデータを管理するところが大きく違うとされる。(CNN 2003/03/01)乗客の身元調査システムを試験運用する航空会社にボイコット運動(上)
乗客の身元調査システムを試験運用する航空会社にボイコット運動(下)
(WIRED NEWS 2003/03/07-10)ブッシュ米大統領、インターネットも機密扱いに
George W. Bush米大統領は米国時間3月25日、政府が機密扱いにできる情報に関する定義を変更した。政府はインターネットなどの基幹インフラや大量破壊兵器、国際テロリズムに対する防衛に関する情報を重要度に応じて機密扱いする権限を持つようになる。
これはBill Clinton前大統領が1995年に署名した命令書の改編となる。Clintonは「一度機密情報のリストから外れて一般公開された情報は、再び機密扱いにはできない」としていたが、Bushは再び機密扱いにできることに変更した。また、Clintonの命令書において、機密情報の7つのカテゴリーの1つに「システムの脆弱性や能力、軍事施設、国家防衛に関するプロジェクトや計画」があったが、Bushはこの定義を拡大した。新しい大統領命令では、「システムの脆弱性や能力、軍事施設、インフラ、国家防衛に関するプロジェクトや計画、国際テロに対する防衛を含む軍務」となっている。
電子プライバシー情報センター(EPIC)の相談役のDavid Sobelは、変更の理由が理解できないと述べている。国家安全保障に関する科学、テクノロジー、経済情報を対象とする既存カテゴリーでも、インターネットなどの基幹インフラの情報を含むことができるからだ。また、科学者連盟(FAS)のアナリストのSteven Aftergoodも、「以前の命令書でも同じことを許可できただろうに」と疑問をとなえる。
情報公開法のもとで政府に機密情報書類を公開することを求める訴訟が起きると、機密情報の定義が論点となることが多い。新たな大統領命令の狙いは、政府の機密情報の決定を法廷で弁護する立場の米司法省に、答弁の余地をより多く与えることにあるのだろう。(CNET Japan 2003/03/27)テロの「疑い」だけでDNAサンプルを取られる、米司法省提案の新法
(WIRED NEWS 2003/04/03)ここまで見られている、旅行者のプライバシー
(WIRED NEWS 2003/04/07)ネット電話の盗聴に向けて準備を進めるFBI
(WIRED NEWS 2003/04/10)DNAの強制採取が可能に 米、反テロ法で改正案
【ワシントン28日共同】テロリストの疑いがある人物から強制的に遺伝子(DNA)サンプルを採取できることなど、捜査当局に大きな権限を与える米国の反テロ法(愛国者法)の改正案が27日、明らかになった。
中枢同時テロ直後に成立、テロリストの摘発強化を理由に、捜査当局に盗聴や外国人監視の権限などを認めた同法を強化、捜査当局の権限をさらに拡大する内容。
人権保護団体などからは「プライバシーの侵害や市民的自由の抑圧につながる」と厳しい批判が出ている。
改正法案は、司法省と国防総省が、特定の人物をテロ行為に関与した疑いがあると認定した段階で、両省にDNA判定のためのサンプルを採取する権限を付与。収集データを基に、個人特定のための「テロリスト特定データベース」を作る。
容疑者はDNAの提供が釈放の条件とされ、提供を拒否すると罰金や禁固などの刑に処せられるケースもある。(共同通信 2003/04/28)空港で指紋採取や写真撮影 米、ビザ持つ外国人から
【ワシントン20日共同】AP通信によると、米国土安全保障省のハッチンソン次官は19日、米政府は来年1月からテロを未然に防ぐことを目的として、査証(ビザ)を取得して米国に入国する外国人に対し、米国の空港や港で指紋採取や写真撮影などを実施する方針を明らかにした。2001年9月の米中枢同時テロをきっかけに、厳格さを増している米国の出入国管理政策が来年以降一層強化されることになる。
APによると、ビザを所持して米国に入国した外国人は、昨年だけで2300万人に達しており、全員を写真撮影し、指紋採取を実施した場合、入国手続きに手間取るケースが多く出ることが予想される。
米国人や観光などの短期間滞在で査証を必要としない外国人は対象外だが、指紋採取などが義務付けられることから人権団体などから批判が出そうだ。(共同通信 2003/05/20)あらゆる個人情報を記録する米国防総省の新プロジェクト
(WIRED NEWS 2003/05/21)どこまでも追跡される!? 米国防総省、新たなビデオ監視システムの構築へ
(WIRED NEWS 2003/06/09)米当局によるネット監視に市民的自由の擁護派が懸念(上)
米当局によるネット監視に市民的自由の擁護派が懸念(下)
(WIRED NEWS 2003/06/12-13)米国防総省、「隣人を見張る」ためのデータベース作成へ
(WIRED NEWS 2003/06/27)市民が政府を監視しかえすウェブサイトが登場
(WIRED NEWS 2003/07/08)個人情報集めテロ発見 米国防総省計画、批判も
【ワシントン7日共同】クレジットカード情報など米国民の電子情報を大量に集めて分析し、テロを起こす可能性がある人物を割り出すデータベースをつくる米国防総省の計画の内容が7日、明らかになった。
過去のテロリストの行動記録から特有の行動パターンを発見する一方、カード情報や医療、教育、図書館の利用記録など、できる限り多くの官民データベースから情報をリアルタイムで収集。テロ犯特有のパターンに合致した行動をする人を見つけ出すことで、テロリストを事前に発見し、結果を情報機関や捜査機関に提供するという。
だが、市民団体からは、政府によるプライバシーや人権の侵害への懸念や批判の声が出ている。
国防総省が米議会に提出した資料などによると、データベースは「テロリズム情報認知システム」と呼ばれ、同省の国防高等研究計画局が5年がかりで開発を進める。(共同通信 2003/07/08)「インターネット電話盗聴」に動き出したFBI
(ZDNet News 2003/07/30)米格安航空、乗客の個人情報を国防企業へ流出
ニューヨーク(AP)米格安航空会社大手、ジェットブルーが乗客約500万人分の氏名、住所や電話番号などの個人情報を米国防総省の契約業者に提供していたことが19日分かった。業者はこの情報を基に、テロリストなど「危険性の高い」乗客を察知するプログラムの開発に使っていた。
ジェットブルーは社内内規に違反し、乗客情報を流していた事実を認め、抗議した人間に対しては首脳名で謝罪の電子メールを送った。再発防止の改善措置も取るとしている。業者は、関連の情報を既に廃棄、政府機関などには渡っていないとも説明している。
情報流出は、プライバシー保護活動を続ける個人のサイトの報告がきっかけで判明した。
市民権利団体などは、今回の情報漏洩が重大なプライバシー侵害事件であるとして強く反発、連邦議会に問題を取り上げるよう促した。一部の団体は訴訟の構えを見せている。
業者は、アラバマ州に本拠を置くトーチ・コンセプツ社で、情報分析などが主要分野。今回の情報利用は、「航空乗客危険分析」などと題されるプロジェクトのためだった。
ジェットブルーによると、米国防総省からの特別の要請があり、情報提供を昨年9月に実施した。金銭は一切絡んでいないと主張している。同省は目的について、「軍事基地の治安確保の研究」と説明していたという。
米国では今年3月、米同時多発テロを受け、乗り入れの外国航空会社などに乗客データの提供を義務づける法律を施行している。(CNN 2003/09/20)参照:乗客記録を無断で米国防総省の契約業者に提供──航空会社に集団訴訟
(WIRED NEWS 2003/09/25)人工衛星で全世界を常時監視する米政府の計画、スローペースで進行
(WIRED NEWS 2003/10/20)米CIA、移動する人物の虹彩の識別技術を開発
【ワシントン4日ロイター】米中央情報局(CIA)は現在、精度が著しく不安定な顔面識別技術の向上を図る一方、離れた場所を移動する人物の虹彩を識別する技術を開発している。
現在の技術では、光の程度や表情が異なるだけで人物の識別能力が格段に低下する。これに対し、CIAが現在開発しているのは、この精度が10倍に向上した技術という。
また、精度が高いとされている虹彩の識別も、現在は読み取りの際に機械の前で静止していなければならない。CIAは、移動中の人物の虹彩をカメラでとらえ、識別する技術は利用価値が高いとしている。
米国では現在、キューバのグアンタナモ海軍基地の拘留者識別に、バイオメトリクスと呼ばれるこれらの技術を利用している。拘留者が釈放後、再び米当局の捜査対象となった際にこれらの記録を照合することができるなど、テロ・騒乱対策で有用という。(ロイター通信 2003/11/05)ゴア氏、テロ取締口実に自由抑圧と政府批判
ワシントン(CNN)アル・ゴア前副大統領は9日、ブッシュ政権が対テロ戦争を口実に国民の様々な自由を抑圧し、強権的な監視国家を作っていると強く批判した。
当地で開かれた法律関係者や市民団体の集会で、2500人を前に講演したゴア氏は、テロ攻撃や大量破壊兵器の危機に際して行政府が速やかに対応できるようにするのは必要だが、「ブッシュ大統領はこの必要性を、この国の民主主義にとって不健康なまでに拡大解釈している」と批判した。
ゴア氏は、ブッシュ政権が「情報の非公開と絶対的な権威による支配」を目指し、「オーウェルが小説『1984年』で警告したような監視・干渉型のビッグブラザー式政府への道を突き進んでいる」と指摘。「政府は国家安全保障を名目に、市民を秘密裏に監視し個人情報を盗む権利を手にしたが、対テロ戦争についての重要情報を国民に公開することは拒んでいる」と批判した。
さらにブッシュ大統領が、米軍全軍の最高司令官としての立場を強調することによって自らの権威と権力を最大限に拡大し、「政府の長としての立場、国家元首としての立場、そして共和党党首としての政治的立場をすべて一つに融合させようとしている」と指摘した。
その上でゴア氏は、連邦議会が01年9月11日の同時多発テロ後に可決した愛国者法は、市民の自由を侵害しすぎているとして、撤廃を求めた。同法はテロ取り締まりを名目に、政府が市民を監視・拘束・捜索する権利を拡大したもの。
また多くの米国民が具体的な罪状で起訴されないまま、グアンタナモ米軍基地で拘束されていることに強い懸念を示し、適正な裁判手続きが必要だと強調。「米国にそれができないのに、米兵が海外できちんと扱ってもらえるはずがない」と述べた。
ゴア氏は、「テロリスト逮捕のために市民の自由を攻撃することは無意味だ。オサマ・ビンラディンを逮捕するためにイラクを侵略することが無意味なのと同じだ」と述べ、「政府はどちらの場合も、攻撃目標を誤った」と非難した。
00年大統領選でブッシュ大統領に僅差で敗れたゴア氏は、04年大統領選への不出馬を表明している。この日、参加者は「ラン、アル、ラン!」と唱えて立候補を求めたが、ゴア氏は首を振って講演を続けた。(CNN 2003/11/10)10年以内に全国民に身分証明書=人権団体などが反発−英
【ロンドン11日時事】英政府は11日、詳細な個人情報を記載する身分証明書の所持を向こう10年以内に全国民に義務付ける方針を明らかにした。指紋や眼球の虹彩などを刷り込むことが検討されており、人権団体などから批判が強まっている。(時事通信 2003/11/12)指紋登録で拘束1万2000人 米人権団体、撤廃を要求
【ロサンゼルス12日共同】人権擁護団体「全米市民自由連合」(ACLU)ロサンゼルス支部は12日、米政府が中東出身者らに指紋登録などを義務付けた制度が開始されてから1年間で、約8万3000人が登録、うち少なくとも1万2000人が一時拘束されたことを明らかにした。
拘束者の多くは、滞在ビザが切れていたり書類不備などの形式犯で、大半は短期間で釈放された。同支部のランジャナ・ナタラジャン弁護士は、登録するのはそもそも犯罪やテロとは関係のない人々だと指摘、「テロリストは1人も見つかっておらず、不当なシステムだ」と制度撤廃の必要性を強調した。
政府が実態を明らかにしないため「これ以外に数千人が拘束されている可能性もある」(同弁護士)という。(共同通信 2003/11/13)米国土安保省:生物兵器テロ監視センサーを導入
【ワシントン河野俊史】米国土安保省は14日、生物兵器テロを監視するためのセンサー(感知装置)を国内の31都市に導入したことを明らかにした。大気中の病原菌の有無を継続的にモニターするシステムで、全米人口の約半分の居住地域がカバーされるという。
同省によると、このシステムは「バイオウォッチ」と呼ばれる。各都市ごとに平均十数カ所、全米で約500カ所に設置したセンサーで大気のサンプルを集め、炭そ菌、天然痘、ペストなどの病原菌が放出されていないかを常時、分析、監視するという。
導入された都市名は明らかにされていないが、AP通信によると、ワシントン、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ボストンなどが含まれている。
年間の経費は約6000万ドル(約65億円)に上る。この監視網でも生物兵器テロそのものを防ぐことはできないが、同省は「病原菌を早期に検出し、感染者が発症する前に対策を取れる」と説明している。ただし、このシステムは病原菌が少量だったり、建物内で放出された場合には機能しないとの指摘もあり、専門家の間にはコストに見合う有用性を疑問視する声もあるという。(毎日新聞 2003/11/15)米国:反テロ法の一部は違憲 サンフランシスコ連邦高裁
【ロサンゼルス國枝すみれ】サンフランシスコの連邦高裁は3日、国務省がテロ組織と認定した組織への資金・物資の提供を禁じた96年の反テロ法の一部は憲法違反という判決を下した。
95年4月のオクラホマシティー連邦ビル爆破事件を機に作られた同法を対テロ対策に多用するブッシュ政権にとって打撃になりそうだ。
AP通信によると、同高裁は、テロ組織で訓練したり、ロビー活動などの人的支援を行った人物に対し、終身刑を含む重い刑罰を与えることは違憲であるとの判断を示した。
テロ組織として認定されているクルド労働者党(PKK)の利益のために、民間の人権法律団体が米議会でロビー活動することの是非を争った裁判で、同高裁は「物資供与の中に(ロビー活動など)人的支援を含めることは、言論の自由を侵害する恐れがある」として、ロビー活動は反テロ法違反とする政府の主張を退けた。
また、テロ組織と認定された組織への資金提供を理由に刑事訴追する場合、献金がテロ行為に使われることを被告が認識していたことを証明する義務があるとした。
高裁は「政府の解釈では、クルド難民の子どもを支援するためにクッキーを購入した女性ですら、同法で罰することができる」と批判した。(毎日新聞 2003/12/04)米国の全入国者指紋・写真チェックシステム、年明けから稼働
(WIRED NEWS 2003/12/10)米で検挙のテロ容疑者6400人、有罪は7分の1以下
米シラキュース大学が8日発表した調査で、2001年9月の同時テロ後に米国でテロ関連の容疑で検挙された人は約6400人に上り、うち有罪になったのは7分の1以下の879人にすぎなかったことが分かった。有罪の場合も懲役の平均は14日で、司法当局のテロ対策の実効性に疑問の声も出ている。
調査は今年9月30日までの政府の記録を基に分析した。報告書によると、逮捕後に釈放または無罪となった人は1802人で、釈放の理由の35%が「証拠不十分」だった。2845人が処分保留のままになっている。
調査結果について全米市民自由連合(ACLU)は「司法当局が対テロ戦の成功を誇張し、市民の監視強化の正当化に利用していることが明らかになった」と指摘。これに対しマクレラン大統領報道官は「調査は、初期段階の逮捕と起訴がテロの抑止と情報収集に役立っていることを無視している」と批判している。(ワシントン支局)(日本経済新聞 2003/12/09)乗客の個人情報が米国へ EUが提供に合意
【ブリュッセル17日共同】欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、航空機でEU域内から米国に向かう乗客の個人情報を、テロ防止の目的で米国に提供することで米国と合意したと発表した。来年3月か4月ごろに実施される予定。
対象は国籍にかかわらず乗客全員で、乗客は搭乗手続き時に個人情報が米国に送られ保管されることに同意を求められる。拒否すれば搭乗券が発券されないか、米国に入国後に厳重な取り調べを受けることになる。
米国は2001年9月の米中枢同時テロを契機に、米国に航空機で向かう乗客の個人情報を提出するようEUに求めたが、EUはプライバシー法に抵触するとして難色を示していた。(共同通信 2003/12/18)外国機に武装要員義務付け 米、テロ対策で緊急命令
【ワシントン29日共同】米国のリッジ国土安全保障長官は29日、米国に乗り入れたり上空を通過したりする外国航空機に対し、必要に応じて武装要員の搭乗を義務付ける緊急命令を出した。外国機がテロリストの標的になる可能性が高まっているとの情報を受けた措置で、即時発効した。
外国政府が武装要員の搭乗を拒否する場合は、当該機の米国乗り入れを禁止するなどの対抗措置を取る。国土安全保障省のスポークスマンは「対象となる航空会社や要員の搭乗頻度など詳細は今後検討する」としているが、関係国が直ちに訓練された要員を確保できるかどうかなど、実行には困難も予想される。
長官は「航空機への脅威は国際社会への挑戦であり、各国が緊密に協力すべきだ」と述べた。要員搭乗を求めるケースについては「適切と考える時」とし、頻度などは明らかにしなかった。(共同通信 2003/12/30)“指紋には指紋を”ブラジルが米のテロ対策に報復
【リオデジャネイロ=本間圭一】ブラジルの連邦警察は1日から、同国に入国する米国市民に対し、指紋と顔写真の登録を始めた。
米政府が今月5日から、テロリストの不法入国を防ぐため、査証(ビザ)を取得して入国するすべての外国人に指紋と顔写真の登録を行うことへの報復措置。ブラジル政府は、米政府に、登録作業からブラジル国籍者を除外するよう働きかけたが、認められなかった。報復措置を命じたブラジル連邦地裁判事は、「米政府の決定は、外国人排斥を示すもので、(ドイツでユダヤ人を迫害した)ナチスの恐怖にも匹敵する」と反発している。ブラジルで、指紋などの登録作業は1日、同国最大の都市サンパウロの国際空港で始まった。
ただ、今回の判事の命令は、上級裁の決定で覆される可能性もある。(読売新聞 2004/01/02)テロ対策:米入国者の顔写真と指紋を電子的チェック
【ワシントン和田浩明】米政府は5日、ビザ(査証)を取得して米国に入国する外国人訪問者の顔写真と指紋の電子的チェックを全米115の国際空港と14の主要港湾で開始した。同制度を運用する国土安全保障省のリッジ長官は同日会見し「旅行者を受け入れつつ、テロリストを排除するためのもの」と趣旨を説明した。
同制度では、ビザ取得者が米国の在外公館であらかじめ顔写真と指紋を電子的に登録。入国審査の際、再び顔写真を撮影し指紋をスキャンして照合し、本人確認を行う。出国時にも指紋を電子的に確認する。
短期滞在者の査証が免除されている日本などからの入国者も、長期滞在のため査証が必要な場合はチェックされる。旅行者の個人情報が収集されるため、米国の人権団体などからは犯罪捜査などでの乱用の可能性も指摘されている。
同制度の対象となるブラジルなどは、抗議の意味も込めて米国からの訪問者の指紋を入国時に登録させ始めた。(毎日新聞 2004/01/06)航空機利用客の個人情報データベース化へ 米政府
ワシントン(ロイター)12日付の米ワシントン・ポスト紙は、航空旅客機を利用する乗客に対して、米政府が個人情報をデータベース化するコンピュータ・システムの導入を進めていると報じた。航空会社や民間人権団体などは、プライバシーの保護が守られないなどとして反対している。
同紙によると、米政府は早ければ来月から、航空会社や旅行会社に対して乗客の個人情報を照会して、個々人に番号と色で与えて、脅威の度合いを識別するとしている。また、頻繁に航空機を利用する人は、個人情報を政府にあらかじめ提出しておくことで、空港での保安チェックが軽減されるとしている。
プライバシーの保護を訴える市民団体などは、乗客の一部が他の客より厳重なチェックを受けることは差別的な待遇に当たると主張している。
米政府は先週から、査証(ビザ)を持って入国する外国人旅行客に対して、指紋押捺と写真撮影を義務付けている。(CNN 2004/01/13)米大手航空会社、テロ対策で乗客情報を米政府に提供=米紙
【ワシントン17日ロイター】米紙ワシントン・ポスト電子版は17日、ノースウエスト航空が米同時多発テロ以降、米政府が極秘に進めていた航空保安プロジェクトのため、多数の乗客に関する情報を米政府に提供していたと報じた。
同紙によると、ノースウエスト航空は、2001年10―12月に同社便に搭乗した乗客1000万人余りに関するデータを米航空宇宙局(NASA)エームス研究所に提供していた。
同社は声明で「保安上の理由で米政府に協力する責務があった」として、米政府が行っていた航空保安技術強化のための研究に協力したことを認めた。
また、乗客の情報に関する秘密について、同社は「(守秘条項は)営業上の理由で第三者に乗客の情報を提供しないことを規定したものであり、今回の問題は事情がまったく異なる」との立場を示した。(ロイター通信 2004/01/18)反テロ愛国法に初の一部違憲判決 ロサンゼルス連邦地裁
同時多発テロをきっかけに米国で制定された反テロ愛国法について、米ロサンゼルスの連邦地裁が初の一部違憲との判決を下したことが26日、明らかになった。
同法は、国際的なテロ組織に対する専門的な助言や支援を禁じている。これに対し、同地裁のオードリー・コリンズ裁判官は23日、「どこまでが禁じられた支援に当たるのか境界があいまいで、平和的で非暴力の活動への援助もできなくなる。米国憲法修正第1条(言論の自由など)を侵すものだ」と述べた。
この裁判は、トルコのクルド人難民とスリランカのタミル系住民を援助する米国の市民団体や個人が、同法は市民の人道的な援助を不当に抑圧するものだと主張して提訴していた。米政府は、クルド人組織の一部について、テロ行為に加担していると認定している。
判決に対し米司法省は26日、「反テロ愛国法はテロとの戦いの重要な道具だ。テロリストに爆弾の製造法などを教える人間によって、米国人は脅かされている」との声明を発表した。上訴など今後の対応を検討中という。(朝日新聞 2004/01/27)テロ後の移民拘束は人権侵害=米団体が国連部会に申請
【ニューヨーク27日時事】米国の人権擁護団体「全米自由人権協会」(ACLU)は27日、米政府が2001年9月の同時テロ後、事件捜査に絡んでイスラム系移民数百人の身柄を極秘に拘束したのは国際人権法に反するとして、国連人権委員会(ジュネーブ)の「恣意(しい)的拘束に関する作業部会」に審査を申し立てた。
米国では同時テロ後、南アジアや中東出身の移民が拘束され、大半は不法滞在を理由に国外退去処分になっている。拘束された延べ人数は2000人以上ともいわれるが、米政府が被拘束者の名前や人数を公開していないため、実態は分かっていない。(時事通信 2004/01/28)プライバシー懸念し中止 NASAの乗客データ研究
【ワシントン29日共同】米ノースウエスト航空が、米航空宇宙局(NASA)に乗客データを提供していた問題で、NASAはこれを基に、データベースからハイジャック犯などの危険人物を洗い出すソフトウエアの開発を目指したものの、その後プライバシー問題などへの懸念から、研究を中止したことが29日、分かった。
プライバシー問題に取り組む米国の市民団体「電子的プライバシー情報センター(EPIC)」は「NASAとノースウエストの行為が、乗客のプライバシーを侵害したことは明らかだ」として、NASAに内部文書の公開を求める訴訟を提起。ノースウエストに損害賠償請求訴訟を起こすことなども検討している。
EPICが入手したNASAの内部文書などによると、NASAのエームズ研究センターの研究者が2001年12月に、ノースウエストに同年7、8、9月分の乗客データの提供を要請。同社がこれに応じた。
だが、NASAは03年9月、米航空会社のジェットブルーが防衛関係の企業に乗客情報を提供したことが問題化した直後に、この研究に予算を付けないことを決定。研究者はすべてのデータを同社に返却したという。
ノースウエストは「航空安全の向上目的での政府の研究へのデータ提供は適切なことだった」と反論している。(共同通信 2004/01/30)「テロ情報収集」を名目に、国民のデータマイニングを続ける米国政府
(WIRED NEWS 2004/02/26)ネット監視の強化を求める米政府、メーカーに盗聴対応を義務づけへ?
(WIRED NEWS 2004/03/16)米政府による航空旅客個人情報の要求に欧州議会が反発
(WIRED NEWS 2004/04/02)日本人観光客も指紋採取 米、テロ対策で
【ワシントン2日共同】米政府は2日、テロ対策の一環として、現在は査証(ビザ)を免除している日本や欧州諸国など計27カ国からの観光客など短期滞在者を対象に、米国入国時に電子的に指紋を採取し、顔写真撮影を行う生体識別(バイオメトリクス)検査を導入すると発表した。
開始日は未定だが、エアリー国務省副報道官は9月末までの導入を目指す方針を表明した。
日本人短期滞在者は年間約335万人。一部のビザ取得者を除く14歳から79歳までの日本人に指紋採取などが義務付けられ、観光客が集中する時期には入国に従来以上の時間がかかりそうだ。
米議会は、生体識別情報を記録した旅券を発行しない国にはビザ免除を認めない措置を10月下旬から取ることを決定。米政府側は「10月までの新旅券発行は技術的に不可能」と2年間の延期を求め、検査導入はこれに伴う補完措置だ。(共同通信 2004/04/03)テロ対策:米・指紋チェックの効果に疑問の声
米政府が観光客など短期滞在者にも指紋と顔写真の電子的チェックを行うと発表したことに対し、プライバシー保護に取り組む日本の市民団体からは強い反発の動きが出ている。旅行業界は「決めたのであれば、仕方がない」とあきらめ顔だが、専門家からはテロ抑止の効果を疑問視する声も上がった。
「いくらテロ対策だといっても、やりすぎだと思う。採られた指紋も何に使われるか分からないから、米国への旅行は今回で最後にします」。3日午前、観光のため成田空港からニューヨークへ向かう岐阜県の男性(65)は話した。
同時多発テロやイラク戦争で打撃を受けた旅行業界からは「アメリカには行かないという人が出るかも」と心配する声も上がる。「静観するしかない。アメリカが嫌というなら他の国を勧めるのが仕事だが、多くは『安全のためには仕方ない』と考えるのではないか」と東京都内の旅行代理店幹部。大手旅行代理店「JTB」は「外務省の指示を待って正確な情報をお客様に伝えるだけ」と語る。
「プライバシー・アクション」(白石孝代表)などの市民グループは今年3月、米国で「9.11」後の治安強化策をプライバシー保護の立場から監視する「電子プライバシー情報センター」法律顧問のマルシア・ホフマンさんを招いて集会を開いた。ホフマンさんは「対象者のほとんどは違法行為の容疑者でさえない一市民だ。個人情報の使用範囲の全容も明らかではない。米国政府が収集した個人情報は今後、テロ対策とは異なる目的に用いられるだろう」と批判した。
白石さんは「米国は今では世界で最も外国人の管理が厳しい国になった。今秋には『ハワイに行かない』キャンペーンを展開し、廃止を求めていきたい」という。
甲南大の園田寿教授(刑法、情報法)は「指紋情報は最もプライバシーにかかわる個人情報だ。生体情報による識別は、犯罪抑止に一定の効果はあるのかもしれないが、適法な滞在者を装うことが多いテロリストにどこまで効果があるかには疑問が残る。自分の個人情報の開示を請求し、間違っていれば訂正や削除を求めることができるなどの国際的に確立したルールが、どこまで保障されるのかは不透明だ」と指摘する。(毎日新聞 2004/04/03)日本からの入国者も指紋・写真チェックが必要に──米国がプログラムを拡大
(WIRED NEWS 2004/04/05)アメリカン航空「乗客の個人情報が調査会社に渡った」
アメリカン航空は、乗客120万人分の個人情報が民間調査会社4社に渡ったことを認めた。安全保障の目的で集めた個人情報の保護について、一段と懸念が高まりそうだ。
同社は「2002年6月に集めた乗客の情報が、米運輸省運輸保安局(TSA)に直接ではなく、政府との契約獲得を狙っている調査会社4社に渡ったことがつい最近分かった。秘密が保持されなかったことによる被害は起きていない」としている。だが、他の航空各社と同様の問題が再び起きたため、今後懸念が高まるとみられる。
乗客の個人情報は予約時に記録されたもので、名簿には社会保障番号や旅程などが含まれているとみられる。現在は国内線・国際線を問わず、テロ対策の一環としてセキュリティー担当官からこうした情報の提供を頻繁に求められる。だが「プライバシーの侵害が繰り返し起きており、調査の正当性が揺らいできている」との批判が出ている。
昨年9月にはジェットブルーが国防総省の契約調査会社に、今年1月にはノースウエスト航空が米航空宇宙局(NASA)の研究機関に、それぞれ乗客情報を提供していた。アメリカン航空は、こうした事態を受け内部調査を実施した結果、同様の事実が発覚したという。(英フィナンシャル・タイムズ特約) (日本経済新聞 2004/04/12)アメリカン航空が乗客データ提供を告白、米運輸保安局の嘘が明らかに(上)
アメリカン航空が乗客データ提供を告白、米運輸保安局の嘘が明らかに(下)
(WIRED NEWS 2004/04/15-16)米政府、「テロリスト監視」向けにRFIDタグ・システムを推進
(WIRED NEWS 2004/04/27)英、指紋など生体情報入り身分証明カード導入へ
英政府は国内の全住民を対象に身分証明(ID)カードを導入する法案を発表した。指紋、眼球の虹彩などバイオメトリクス(生体認証)情報をICチップに記録してカードに搭載し、2007年の発行開始を目指す。企業が本人確認や安全対策として生体情報を利用するケースは増えているが、国全体でのカード発行は主要国で初めて。
IDカードは住民が公共サービスを受ける場合などに本人確認用として必要になる。英国に3カ月以上滞在する外国人も対象。ブランケット内相は「犯罪やテロ、不法移民などを防ぐための手段が必要だ」と強調した。英国は同様の識別情報を含んだ新パスポートを2005年から導入する予定。新パスポートを所持していればIDカードは必要ない。英政府は2013年までに国民の8割が新パスポートを持つと見込んでおり、新パスポートを持たない住民にIDカードの取得を働き掛ける。政府は法案の今年中の成立を目指す。議会は2013年までにカード所持を義務づけるかどうかを決める。最新の世論調査では国民の8割がIDカード導入に賛成した。(ロンドン=横田一成)(日本経済新聞 2004/04/27)米航空大手、顧客情報を当局に大量提供・米紙
【ニューヨーク3日共同】3日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、航空世界最大手アメリカン航空の持ち株会車AMRなど4社が、2001年9月の米中枢同時テロ以降、米連邦捜査局(FBI)の召喚に応じて大量の顧客情報を極秘に提供していたと報じた。専門家によると、これほどの規模の個人情報が当局に渡されたことが判明したのは初めて。
情報を提供したのはアメリカンをはじめユナイテッド航空、デルタ航空、ノースウエスト航空の4社。00年9月から01年9月の1年間に渡された個人情報は数百万件に上るとみられる。ノースウエストは、住所、電話番号、クレジットカードの番号などが含まれる可能性を認めた。
FBIがこれらの個人情報をほかの政府当局に知らせたかどうかは不明。(日本経済新聞 2004/05/03)米当局に提供されていた、12万人分の「テロ予備軍リスト」
(WIRED NEWS 2004/05/24)米政府、個人情報調査を継続=議会報告書
【ワシントン27日ロイター】米国防総省が提案し、論議を呼んだコンピュータによる情報監視計画が、米議会によって中止されてから9カ月が経過した。しかし米政府は不審な動きを察知するため、個人情報記録の徹底調査を続けていることが、ロイター通信が入手した報告書で明らかになった。
議会の会計検査院によると、同省が提案した「全情報認知計画」(事業総額5400万ドル)は昨年9月、米議会の反対で中止された。
しかし、米政府のコンピューターは引き続き膨大なデータベースを巡回し、犯罪やテロにつながる手がかりを探っている。
米政府の調査は「データマイニング」と呼ばれる手法で実施されており、199件中36件は民間からの個人情報を行うものという。
専門家らは、こうした動きが放置されると人権侵害につながる恐れがあるとして、懸念を表明している。(ロイター通信 2004/05/27)航空客の情報提供で調印 EUと米国、テロ防止
【ブリュッセル28日共同】欧州連合(EU)と米国は28日、テロ防止の目的で、EU域内から米国に向かう航空旅客の個人情報をEU側が米国に提供する協定に調印した。欧州委員会が同日、明らかにした。
提供する情報は、乗客の名前や住所、旅券やクレジットカードの番号など34項目で、情報は3年半保存される。航空会社は個人情報提供に同意しない乗客には発券を拒否できる。
両者は昨年12月に基本合意したが、欧州議会はEUのプライバシー法に違反するとして反対決議を採択。欧州司法裁判所に提訴する動きを見せたため、合意内容をめぐり調整していた 米国は協力しない航空会社に対し、高額の罰金や着陸拒否の制裁を通告。このため、実際には多くの航空会社が既に旅客情報を提供している。(共同通信 2004/05/29)『米国パトリオット法』にNOを突きつける地方自治体
(WIRED NEWS 2004/06/09)米運輸保安局、航空旅客情報受け取りの事実がまたもや明るみに
(WIRED NEWS 2004/06/28)安心のためなら「裸」もOK──政府のセキュリティー対策に幻想をもつ米国人(上)
安心のためなら「裸」もOK──政府のセキュリティー対策に幻想をもつ米国人(下)
(WIRED NEWS 2004/06/28-29)米政府、搭乗禁止者リスト照合を航空会社から引き継ぐ方針
【ワシントン16日ロイター】米政府は16日、テロリストの可能性のある人物を発見するため、航空機の搭乗者名と搭乗禁止者リストを照合する手続きを航空会社から引き継ぐ方針を明らかにした。
国土安全保障省のハッチンソン次官は上院商業委員会で、これにより、航空会社にチェックを委託するよりも確実に容疑者を拘束することができる、と証言。この措置は、2001年9月の同時テロを調査している独立委員会の勧告にも含まれていた。
搭乗禁止者リストをめぐっては、市民自由連盟(ACLU)の支援を受けた米国人7人が4月、同リストに間違って名前が記載されたとして、国土安全保障省などを相手取り、集団訴訟を起こしている。(ロイター通信 2004/08/17)指紋と顔写真を全旅行者に義務化 米政府、9月末から
米政府は17日、テロ対策強化のため、査証(ビザ)が免除されている日英独仏など27カ国からの短期滞在の旅行者に対しても、9月30日以降は入国審査の際に指紋採取と顔写真撮影を義務付けると発表した。ビザを持つ長期滞在者に1月から適用してきた措置を拡大するものだ。年間400万人を超える日本人観光客も対象になる。
指紋は両手の人さし指を一本ずつ機械に押しつけて採り、顔写真は立ったまま撮影する。国際指名手配リストや米連邦捜査局(FBI)の手配リストなどと照合し、犯罪容疑者や不法入国者を摘発するという。14歳未満の子供と80歳以上の高齢者は免除される。
また、10月26日以降、米国に入国する場合は「機械読み取り式の旅券(パスポート)」の提示が求められる。日本のパスポートはすでに大半が機械読み取り式になっているが、一部の在外公館で発行されたものは同方式になっていない。これらのパスポートを保持する旅行者はビザをとらないと米国への入国ができなくなるという。(朝日新聞 2004/08/18)テロ対策センター新設へ 米大統領が署名
【ワシントン27日共同】マクレラン米大統領報道官は27日、米中枢同時テロを検証した独立調査委員会の勧告を踏まえ、情報機関の一元化を図り情報収集・分析機能を強化するため、ブッシュ大統領が「国家テロ対策センター」を新設する大統領令に同日署名することを明らかにした。
また報道官は、ブッシュ大統領が先に発表した「国家情報長官」の新設については、議会の立法措置が必要なため、ポスト新設までの暫定的措置として中央情報局(CIA)長官の権限を強化する別の大統領令が出される見通しを示した。(共同通信 2004/08/28)テロ対策、米で監視と規制強化 9.11から3周年
航空旅客の不審者リストづくり、バイオメトリックス(生体認証)を使った身元の特定、テロ警戒情報のネットワーク化──。同時多発テロ事件から11日で3年を迎える米国では、ブッシュ政権が新設した国土安全保障省を中心に、テロ対策の名の下に監視と規制の強化が一層進んでいる。一方で大統領選挙を間近に控え、これまで、一種タブー視されてきた利便性や市民的自由とのバランスをめぐる議論も活発化してきた。
民主党の重鎮ケネディ上院議員が地元ボストンに帰ろうとワシントンの空港カウンターでクレジットカードを出した。
「あなたには切符を売れません」
国土安全保障省に問い合わせ、似た名前を使った人物が「不審者リスト」に含まれていたためと分かった。8月中旬の上院司法委員会でこの体験を明かしたケネディ氏は、「普通の米国市民がこうした状況に陥ったら、公正な取り扱いを受け、権利が侵害されないことを、どうやって保証できるのか」と憤った。
同省は今月3日、このような誤りを防ぐため、米主要航空会社の優待マイレージ会員を対象に、個人情報を事前登録する「登録旅行者計画」を一部空港で試験的に始めた。氏名、住所、生年月日、指紋情報を空港治安当局に事前に提供し、問題なしと認定されれば、搭乗前に無作為抽出で実施される「2次検査」の対象にならないで済む。
ケネディ氏に直接おわびの電話をかけたという同省のリッジ長官は、7日の講演で「テロ対策で市民的な自由を犠牲にするつもりはない」と語った。
とはいえ、ブッシュ政権が昨年はじめに示した、テロ対策法「愛国法」の改定草案には、従来は考えられなかった項目が並んでいる。テロ組織を支援した米国人の市民権剥奪(はくだつ)▽司法長官が脅威と判断した永住許可者の国外追放▽DNA情報データベースの構築を拒否した場合の罰金、収監▽令状なしのインターネット、メール利用状況の監視▽訴追されるまでテロ容疑者の拘束情報の公表禁止──などだ。
テロ対策と情報公開とのせめぎ合いも表面化している。米人権団体PFAW(本部ワシントン)は8月下旬、9.11直後に連邦捜査局(FBI)が拘束したアルジェリア男性に関する公文書の公開を求める訴えを連邦地裁に起こした。勤務先のフロリダ州の食堂で、テロ実行犯のモハメド・アタ容疑者ら2人に食事を提供しただけで、5カ月間も拘束されたという。
9.11直後に拘束されたアラブ、イスラム系の米国人は数百人に上るとみられるが、司法省はプライバシー保護を理由に一切の公表を拒んできた。このアルジェリア人の弁護士、デボラ・ルーさんは「裁判を通じて、当局が根拠なしに情報公開請求を拒否している実態をあぶり出したい」と話す。
ジャーナリストの組織など30団体で作る「オープン・ザ・ガバメント」(本部ワシントン)は8月下旬、ブッシュ政権が03年度に機密扱いにした公文書は、計約1400万件にのぼるとの調査結果を公表した。政権初年度の01年度に比べて6割以上増えており、特に9.11以降の急増が目立つという。
オハイオ州立大学のジョン・ミューラー教授(政治学)は「ブッシュ政権は政策遂行のため、『テロへの恐怖』をなるべく消さないように意図してきた。だが大統領選挙が近づき、テロ対策最優先に対する異議申し立てはタブーではなくなってきた」と見る。
この夏、同教授はワシントン州のあるラジオ局の番組で「9.11の犠牲は、交通事故や災害の年間死者数よりずっと少ない。個々の国民にテロがどれほどの脅威なのかを、現実的に論議し直すべきだ」との持論を語った。相当な非難を覚悟したが、実際に寄せられた反応は、電子メール1本をのぞいて、すべて肯定的なものだったという。(朝日新聞 2004/09/11)米入国に指紋と顔写真 30日から日本人観光客も
米入管当局は30日から、現在査証(ビザ)を必要としない日本など27カ国の短期の観光客らに対しても、空港や港での入国時に顔写真を撮影し指紋も採取する。ブッシュ政権が進めるテロ対策強化の一環だ。
国土安全保障省のウェブサイトなどによると、ビザの有無にかかわらず、入国審査カウンターで指紋読み取り機に両手の人さし指をかざし、デジタルカメラで顔写真を撮影する。手続きは15秒程度とされ、入国のたびに同じ手続きが必要となる。
また10月26日以降は、機械読み取り式の旅券(パスポート)でなければ、ビザなしでの米国渡航が認められなくなる。(共同通信 2004/09/25)市民の監視が拡大? 国内の地理情報収集を強化する米政府
(WIRED NEWS 2004/09/29)米連邦地裁が愛国法に違憲判断、米治安政策に新たな打撃も
【ニューヨーク29日ロイター】米連邦地裁は29日、愛国法に基づいて米連邦捜査局(FBI)に付与された捜査権限は、憲法に違反するとの判断を下した。
今回の司法判断は、愛国法の捜査に関する部分について下された初めてのもの。
FBIがインターネット接続業者や電話会社などの通信関連企業に対して、顧客の個人情報の提示を求めることを認めるのは、「歯止めのない権限」だとする原告団体が勝訴したことになる。
判断を下したビクター・マレロ判事は、「民主主義は極度の秘密主義を嫌悪する」としながらも、愛国法は、言われのない捜査を禁じる憲法に抵触すると説明した。
このFBIの権限は、テロとの戦いでブッシュ政権が基本としているもので、今回の判断は米国の治安政策に新たな打撃をもたらすことになる。(ロイター通信 2004/09/30)米国、査証免除国からの渡航者に指紋採取と写真撮影を開始
【ニューヨーク30日ロイター】米国は30日、国境警備強化の一環として、短期滞在用査証(ビザ)免除国である27カ国からの渡航者に対し、空港で指紋採取と写真撮影を開始した。
渡航者は入国管理手続きの前に、人差し指の指紋採取のため2回のスキャンを受け、写真を撮影される。
この措置の対象国には英国、フランス、ドイツなど欧州諸国のほか、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイなども含まれる。
既に1月から、ビザの必要な諸国からの渡航者に対しては適用されていた。
ただ、カナダ人と、頻繁に入国し、短期間「国境地帯」に滞在するため国境通過証の発行を受けたメキシコ人渡航者、および14歳以下と79歳以上の渡航者は適用外となっている。(ロイター通信 2004/10/01)「チャットルームの監視システム」研究を推進する米政府
(WIRED NEWS 2004/10/13)人体埋め込み型の医療用チップを承認、米FDA
ワシントン──米食品医薬品局(FDA)は13日、人の体内に埋め込む医療用チップを承認した。チップに記録されているシリアル・ナンバーを利用し、コンピューターのデータベースから血液型や治療歴などの情報を引き出すことが出来る。緊急時に素早い対応が可能になる半面、プライバシーの侵害を懸念する指摘も出ている。
承認の対象は、米アプライド・ディジタル・ソリューションズ(ADS、本社:フロリダ州)が開発した「ベリチップ」で、大きさは米粒ほど。注射器で体内に埋め込むが、全体の処置が終わるまで20分もかからず、傷跡も残らない。チップに記録されるのはシリアル・ナンバーのみで、患者のアレルギーや投薬履歴などの医療情報は、シリアル・ナンバーを利用してデータベースから引き出す仕組みになっている。
ベリチップはメキシコで既に利用されており、医療目的で1000人以上の患者に埋め込まれているほか、検察当局の職員ら200人が、機密文書を保管する警備が厳しい部屋の出入り時に、個人認証用として使用している。
医療に関するプライバシー問題に取り組む、米ヘルス・プライバシー・プロジェクトのエミリー・スチュワート氏は、「こういった機器は、医療内容の改善に役立ち、大きな利益がある半面、導入当初にプライバシー保護を確立していなければ、患者にとって深刻な影響を与える」と懸念している。(CNN 2004/10/14)医療用体内チップ、米で承認 プライバシー侵害懸念も
米食品医薬品局(FDA)は13日、体内に埋め込む医療用の電子認識票「ベリチップ」を承認した。体の表面にスキャナーをかざせば、患者の体質や治療歴を専用のデータベースから引き出すことができる。きめ細かい医療につながる期待がある一方、プライバシー侵害の恐れも指摘されている。
販売元の米アプライド・デジタル・ソリューションズ社によると、ベリチップは米粒ほどの大きさで、上腕部の皮膚の下に埋め込む。処置は数分ですむという。
16けたの識別番号が入力されており、医師や看護師が患者の体にスキャナーをかざして読み取る。これをもとにデータベースに接続すれば、患者の病歴や投薬歴、血液型などの医療情報が閲覧できる。
意識不明の患者や意思疎通の困難な患者が運び込まれても、医師が適切な治療をできる。薬によるアレルギー発作や薬の飲み合わせといった事故も避けられる。ただ、プライバシー保護の専門家らからは「個人情報が盗まれないか」と懸念する声が出ている。(朝日新聞 2004/10/14)参照:FDA、人体埋め込みチップの医療目的での使用を承認
(WIRED NEWS 2004/10/14)顔と指紋の記録を義務化=電子パスポート導入でEU
【ブリュッセル26日時事】欧州連合(EU)は26日、ルクセンブルクで閣僚理事会を開き、加盟国が導入する電子パスポートに、顔と指紋に関するデジタル情報を記録するよう義務付けることで基本合意した。
当初は、顔に限り義務化する方針だったが、独仏などが厳しい措置を要求したため、指紋も対象となった。(時事通信 2004/10/27)旅客機に高圧電流銃装備 米国土安全保障省が承認
米国土安全保障省は8日、護身器具メーカー、テイザー・インターナショナル製の高圧電流銃を米国へ乗り入れする国際旅客便に備え付けることを承認した。
民間機にこうした護身用器具の装備を認めたのは初めて。ロイター通信によると、同省による審査を経て近く大韓航空が導入する予定。
米政府は米中枢同時テロ後に、空港など航空施設での警備を強化。この一環として、離陸後の航空会社による自衛手段の補強に理解を示した。(共同) (産経新聞 2004/11/09)米国ホームレス管理データベース:女性擁護団体が懸念
(WIRED NEWS 2004/11/10)空港で服の上からX線探知、「プライバシー侵害」論争に
ロンドン──英国ロンドンのヒースロー空港にこのほど導入された、服の上から検査出来る新型の「X線金属探知機」をめぐり、国内の人権団体から「のぞき行為であり、プライバシー侵害だ」と反発の声が上がっている。
同探知機は、低レベルの放射線をあてると、画面に裸に近い全身像が白く映し出され、拳銃などの金属物が黒く浮き出るようになっている。先月から、4カ月の試用期間を設け、導入された。
これに対し、人権団体「リバティー」が「明らかに個人のプライバシーの侵害だ」「のぞき趣味者の特権だ」と反発。「セキュリティー装置を導入することに反対するわけではないが、(裸に近い映像を)映すことが必要だとは思わない」と主張している。
また、同探知機導入の必要性を証明するために、従来の装置が「不適当だ」という証拠を提示する必要がある、とも指摘している。
米交通安全局も「このような探知機を導入する際には、プライバシー関連事項などをあらかじめ提示しておく必要がある」などと懸念を示している。
一方、ヒースロー空港側は、検査を受けた搭乗者のうち、98%が同装置の使用について賛成の意見を示していると主張。「(撮影した)画像はデータとして残すことはしない。検査も、同性の検査官が行い、対象者の顔を見ることもない」と強調している。
預託荷物などの検査でこれまで使われてきた一般的なX線金属探知機は、プラスチック爆弾「セムテックス」と同等の濃度を持つチョコレート、ピーナツバターなどを、誤って爆弾と判断してしまうなどの問題が指摘されていた。(CNN 2004/11/10)参照:公認の覗き? ヒースロー空港で衣類を透視するX線検査
(WIRED NEWS 2004/11/12)米運輸保安局、航空会社に旅客データ提供を命令
(WIRED NEWS 2004/11/15)米航空各社、米運輸保安局に旅客データを提供
(WIRED NEWS 2004/11/25)「政府による社会運動の監視」を懸念:ACLUが情報公開請求
(WIRED NEWS 2004/12/03)ミスター・ビーン、新法は言論の自由侵害と非難
【ロンドン6日ロイター】英人気コメディー「ミスター・ビーン」で知られる俳優ローワン・アトキンソン(49)は6日、英議会で成立する見通しの反テロ法案に宗教的憎悪の扇動を禁じる条項があることに対し、言論とユーモアの自由を侵害すると非難した。
宗教が皮肉を飛ばす対象として、実質的に不可侵の領域となってしまうとの懸念を表明した。
自身の作品だけでなく、1979年に「反キリスト教的」と批判された「モンティパイソン/ライフ・オブ・ブライアン」のような映画なども訴追の対象になってしまうとしている。
アトキンソンは、アーティストやエンターテイナーにとって言論の自由は守らなければならないとし、宗教や宗教指導者を鋭く風刺することを禁止する法律を受け入れてはならない、と強調した。
英国の現行法では、肌の色や人種、民族的出自による差別を禁じているが、宗教はこの限りではない。法案に反対する人たちは、新法が必ずしも必要でないと主張している。
アトキンソンは声明を発表し、人種差別行為と宗教上の信仰を風刺する行為の間には明らかに違いがあると表明。この違いが自由な言論が成り立つ理由の1つだとしている。
新法は英国の宗教団体の過半数が支持。特に米同時テロ以降、ややもすれば攻撃の対象となりがちな国内のイスラム教徒180万人は歓迎している。(ロイター通信 2004/12/07)人にも埋め込みチップ? 米が敵味方識別で計画
人権よりテロ対策 ペットで実用化
人体に埋め込むマイクロチップなど電子標識を、テロ対策に─。米国防総省の助言機関が先月、こんな報告書を公表した。ペットの個体識別で実用化が進んでいるチップを、敵味方の識別で人間にも使おうというのだが、そこまでやる?
「戦闘への、戦闘からの移行」と題する報告書をまとめたのは米国防科学委員会だ。技術革新を米軍の装備に生かすための提言を行う助言機関でアフガニスタンやイラクでの戦争を検討し、米軍は「一般市民に交じって活動するテログループなどを特定、追跡する能力が低い」と指摘した。
イラク・モスルの米軍基地内で先月21日、22人が死亡する爆発事件が起きたのも、イラクの軍服を着用していたらしい自爆犯を識別できず、基地内に入れたのが原因だった。
報告書は「現代の脅威への対処」として「人間や物資の動きの追跡が重要。それらに標識を付けることが新しい手段となりうる」と、国防総省に検討を提言している。
欧米を中心に、家畜などのほか、ペット管理のために、飼い主などの情報をバーコード入力した長粒米大のカプセル型チップを、動物の皮下に注射で埋め込む動きが進んでいる。日本でも昨年、犬などのペットを輸入する際の義務付けが決まった。米国ではテロとの戦いで、人間への利用を検討しようというわけだ。
人体埋め込みチップ自体は2002年10月、すでに米国のアプライド・デジタル・ソリューションズ(ADS)社が販売を開始。麻酔をし上腕部などに注射器で挿入、跡は残らないとされる。価格は埋め込み料込みで200ドルほど、読み取り装置は1500ドル以上する。
中南米諸国では、頻発する誘拐対策として、衛星利用測位システム(GPS)と連動させ、被害者の位置を特定できるようにする仕組みとして販売。スペインやオランダのクラブでは、一般客の入場が禁止された部屋への入室IDとして使用され始めているという。AP通信はメキシコ検事局が昨年7月、入室制限区域への出入りを管理するため幹部にチップを埋め込んだと伝えた。
科学技術の発展を背景に進む軍事革命に詳しい桜美林大学の加藤朗教授(国際政治)は「民間人とテロリストとの識別は難しく、何らかの対応は避けられない」としながら、こう指摘する。
「(人体埋め込みチップなどの標識は)テロ対策に有効で、技術的に可能でもある。とはいえ人間の場合、国が個人の行動を監視することにもなり、人権問題が生じる。テロ対策でそこまでする必要ありとされるのかどうか」(中日新聞 2005/01/05)身元不明遺体にマイクロチップ・インド洋大津波
【プーケット(タイ南部)=窪田淳、諸岡良宣】インド洋大津波で、損傷が激しい身元不明の遺体の特定を急ぐとともに取り違えを防ぐため、タイ当局は9日までに、遺体へのマイクロチップの埋め込みを開始した。チップには4ケタの識別番号を入力し、非接触型のスキャナーで読み取る仕組み。タイ国家警察幹部の発案に、大学の研究者らが協力して実現したもので、遺体の身元確認にマイクロチップを用いるのは世界初という。
多くの外国人観光客も犠牲になったタイ南部のビーチリゾート、カオラック北郊のバンムアン寺院の遺体安置所。マスクに防護服姿の医師らが遺体に次々と注射針のようなものを刺す。直径約2ミリ、長さ約1センチのマイクロチップの埋め込み作業だ。同安置所を含め、タイ南部一帯では依然として3000体を超える遺体が身元不明のままだ。(日本経済新聞 2005/01/10)米が津波警報の強化策、地球の半分以上カバー
【ワシントン=笹沢教一】米政府は14日、スマトラ島沖地震による津波で深刻な被害が出たのを受け、地球の半分以上をカバーする津波探知警報システムの強化策を発表した。
今後2年間で3750万ドル(約38億3000万円)を投じ、2007年半ばまでに日本近海を含む太平洋と西大西洋、カリブ海沿岸に計32個の監視ブイを新たに設置。米主導で2003年から整備を進めている全地球観測システム(GEOSS)の機能を向上させる。監視対象域では、地震発生後数分以内にほぼ100%の精度で津波を予測できるようになるという。
津波被害を出したインド洋ではブイの設置が計画されていないが、マーバーガー大統領補佐官(科学技術政策担当)は「GEOSSには、被災国のインドやインドネシア、タイも参加しており、GEOSSの能力向上がインド洋を含む地球全域の防災強化につながる」と話している。(読売新聞 2005/01/15)人体埋め込みチップ:ハーバード大の医師が体験
米ベリチップは21日(米国時間)、救急医療担当の医師で、米ハーバード大学医学部CIO(最高情報責任者)のジョン・ハラムカ氏が、同社の人体埋め込みチップを体験したと発表した。医療への活用を検討するのが目的だ。有力大学が関心を示したことで、普及に弾みがつきそうだ。
「ベリチップ」は長さ1センチ程度。既往症や保険証番号などの情報を記憶させたうえで、人間の体に埋め込む。その部分に読み取り機をかざせば、情報を得られる仕組みだ。
ハラムカ氏の場合、手術は15分で終わり、傷も残らなかった。読み取りは約12センチ離れた位置からでも、100%の確率で成功。埋め込み後に標高1800メートル級の冬山にも登ったが、問題なかった。
救急医療の現場では、患者が意識不明の場合が多いため、チップの活躍が期待できるという。患者の取り違え、投薬ミスの防止策としても、導入を検討している。
ベリチップによると、昨年はメキシコの検事総長が、セキュリティ対策への採用を目指して自ら埋め込みに踏み切った。【南 優人/Infostand】(毎日新聞 2005/01/24)ref. 人体埋め込みチップ:ハーバード大の医師が自ら体験
(WIRED NEWS 2005/01/24)海底通信ケーブル盗聴する潜水艦就役へ、米海軍
ワシントン──AP通信は18日、近く就役する米海軍の攻撃型潜水艦「ジミー・カーター」に海底通信ケーブルの盗聴を可能にする機器が積載されている、と伝えた。対テロ戦争などの作戦に従事するとみられる。
就役は19日で、「シーウルフ」クラスの同型艦と比べ、全長が約30メートルほど長く、盗聴に必要な機器を積んだためとも考えられている。米海軍は、類似の盗聴任務に就いていた潜水艦を保有していたが、昨年秋に退役。「ジミー・カーター」はその後継艦とみられる。
海軍当局者は、同艦の性能の詳細については説明していない。米中央情報局(CIA)の元職員であるシモンズ下院議員(共和党)は、「話すことは出来ない部分はあるが、対テロ戦争の遂行に必要な独自の機能を保持している」と明かしている。「ジミー・カーター」は議員の選挙区であるコネティカット州で建造されていた。
海軍がこれまで公表した情報によると、同艦は、機雷付設、巡航ミサイル「トマホーク」の武器を備えるほか、探索などに用いられる小型艦艇も搭載。海軍特殊部隊である「シール」の隊員50人程度も収容する。(CNN 2005/02/19)容疑者を強制的に監視=テロ防止法が成立−英
【ロンドン11日時事】英上院は11日、テロに関与する疑いのある者を強制的に当局の監視下に置くことを定めた「テロ防止法案」を可決、成立させた。
同法の下では、当局がテロ容疑者に発信装置を装着したり、自宅に「軟禁」したりできる。先に法案が下院で可決された後、上院で否決されたことから数日間にわたって混乱が続いたが、ブレア首相が「1年後に見直しの機会を設ける」ことを約束、可決にこぎつけた。(時事通信 2005/03/12)米州域内の往来に本人確認義務付け=テロ対策で出入国管理強化−米政府
【ワシントン5日時事】米政府は5日、2007年末までにカナダ、中南米諸国との間を往来するすべての米国民と相手国国民に対し、旅券や特別の身分証明書による本人確認を義務付けると発表した。01年9月の同時テロを受けた出入国管理強化策の一環。
この措置は、05年12月末から中南米諸国との間の海上・航空の移動から順次実施され、07年12月末には陸上移動も含めたすべての越境が対象となる。(時事通信 2005/04/06)英、来年から旅券に指紋情報=新規申請者に義務付け−新聞報道
【ロンドン12日時事】12日付の英夕刊紙イブニング・スタンダードは、英政府が来年から新規発行するパスポート(旅券)に、所持者の指紋情報を盛り込むことを決めたと報じた。
同紙によると、英国で新規申請されるパスポートは年間60万件。いずれ年500万人に上る更新者に対しても指紋の記載が義務付けられる見通しという。指紋情報はマイクロチップに盛り込まれるとみられる。(時事通信 2005/04/13)米政府、領空通過の外国航空会社に対し乗客リスト提出要求へ=米紙
【ワシントン21日ロイター】21日付のワシントン・ポスト紙は、米政府が、米国の領空からテロリストを締め出す対策の一環として、米国領空内を飛行する前に、乗客リストを提出するよう外国の航空会社に要請する予定であると報じた。
同紙によると、米国と外国の当局者は、航空会社または米政府のいずれが、米国の「搭乗拒否」リストと乗客名簿との照合について責任を持つかについて現在交渉中で、「数週間のうちに」行政命令が出されるとみられている。
2001年9月11日の同時多発テロ以降に採用された警戒リストは、テロリスト容疑者の米国への入国、または同国行きのフライトへの搭乗を禁じている。(ロイター通信 2005/04/21)米、2008年から全家畜IDシステム導入を義務づけ
【ワシントン=吉田透】ジョハンズ米農務長官は5日の記者会見で、米国内で飼育されているすべての家畜を個別に識別できるシステムの導入を2008年1月から畜産業者に義務づける考えを表明した。09年1月までには家畜IDシステムを統合し、BSE(牛海綿状脳症)の疑いがある牛の居所などを48時間以内に特定できるようにする方針だ。
BSEなどのまん延防止策の一環。03年暮れに米国初のBSEが見つかった際、感染牛の出生地や同じ牧場で飼育されていた他の牛の居所などを特定するのに手間取った反省に基づく。
ジョハンズ長官は業者に管理を義務づける情報として「家畜の生年月日も含める可能性もある」と発言。生年月日までわかればBSEの可能性が高い牛とそうでない牛との振り分けが容易になるが、米国の広大な牧場では放牧中に子牛が生まれることが多く、これらの牛の出生日の特定は困難との声もある。(日本経済新聞 2005/05/06)米、違反者乗せると罰金 機械読み取り式旅券で
【ワシントン12日共同】米政府は12日、米国入国に際し査証(ビザ)を免除している日本など27カ国に対し、6月26日以降は機械読み取り式の旅券(パスポート)でなければビザなし入国を認めないと注意喚起。違反者を乗せて米国に到着した航空会社や船会社には、1人につき3300ドル(約35万円)の罰金を科すと警告した。
米政府が進めるテロ対策の一環で、当初は2003年10月1日実施を予定していたが、27カ国側の準備が間に合わず、延期されていた。米政府は今年10月26日以降に発行される旅券は、指紋など生体識別(バイオメトリクス)情報を記録するよう求めているが、日本を含む多くの国が技術的に間に合わないとして、再び延期を要請している。(共同通信 2005/05/13)3分の1がメール監視 米企業、4分の1が解雇も
【ニューヨーク9日共同】米企業の約3分の1が社員の送信する電子メールを監視しており、約4分の1が、過去1年間にメールを不正使用した社員を解雇していたことが9日、米企業に対する調査で分かった。電子メールは他人に分からず送信できるため、重要な情報の漏えいにつながるとして、米企業がメール監視を本格化していることが浮き彫りになった。
調査を実施したのはメールのセキュリティー関連会社プルーフポイント。調査によると、1000人以上の企業の36.1%が、社員の送信メール監視のために担当者を雇用し、35.2%が1年以内にメールによる機密情報漏えいの疑いで調査を実施。従業員2万人以上の大企業では40%がメール監視していた。(共同通信 2005/06/10)米運輸保安局、飛行機の乗客情報を秘かに収集か
(WIRED NEWS 2005/06/22)米国防総省:軍入隊者獲得で1200万人をデータベース化
【ワシントン及川正也】米国防総省は、軍入隊者獲得のため、16歳以上25歳以下の米国人約1200万人分の名前や生年月日などの広範な個人情報をデータベース化していることを明らかにした。学校の成績や身長・体重、電子メールアドレス、社会保障番号なども含まれており、個人情報保護団体が批判している。
個人情報のデータベース化は02年に開始、03年に完成した。同省の委託を受けた民間調査会社が管理している。全米の高校生や大学生、選択徴兵制登録者らが対象で、これまでに約3000万人分をデータベース化し、うち1800万人分は削除したという。
米陸軍では、イラク戦争での死傷者増加に伴い今年2月以降4カ月連続で採用兵員が目標に届かない募集難が続いている。24日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、個人情報は主にダイレクトメールによる募集案内に使われているという。
チュー国防次官(兵員管理担当)は「入隊を働き掛けるのが目的で、個人情報が外部に出ることはない」と正当性を強調しているが、専門家は「(政府による個人情報収集を制限する)米プライバシー法に抵触する」と批判している。(毎日新聞 2005/06/24)テロ警戒レベルを引き上げ=副大統領陣頭に対応策−米
【ワシントン7日時事】米国土安全保障省のチャートフ長官は7日記者会見し、鉄道や地下鉄などの公共交通機関に関するテロ警戒のレベルを引き上げると発表した。米本土へのテロ情報は今のところないものの、ロンドンで発生した同時テロ事件に対応した措置。テロ危険度は現在上から3番目の黄色(かなりの危険)だが、これを2番目のオレンジ(高度の危険)にする。
米政府は2001年の同時テロ以降、国内のテロ危険度を5段階で示しており、昨年8月にも世界銀行や国際通貨基金(IMF)などを対象に引き上げられたが、その後黄色に戻されている。
一方、CNNテレビによると、グレンイーグルズ・サミットに出席中のブッシュ米大統領に代わり、チェイニー副大統領がホワイトハウスの危機対応室に入り指揮。大統領もテレビ会議でワシントンに残る政権幹部に対し、情報収集に当たるとともに適切な対応を取ることなどを指示した。(時事通信 2005/07/08)テロに屈しない姿勢で結束=新たな「反テロ法案」、秋に提出−英首相
【ロンドン11日時事】ブレア英首相は11日の議会で声明を読み上げ、ロンドンで起きた同時爆破テロを受けて、「英国民はテロに屈しないという断固たる姿勢で結束した」ことを強調した。首相が議会でテロについて触れたのは初めて。
さらに首相は、テロリストを厳しく取り締まる新たな「反テロ法」の制定に尽力することを明らかにした上で、今年秋には議会に法案を提出する意向を表明した。2001年の米同時テロ直後に成立した「反テロ法」については昨年、人権侵害に当たるとの批判が強まったが、今回のテロを受けて政府はより強硬な反テロ法案を提出する可能性がある。(時事通信 2005/07/12)英『国民IDカード』 テロ事件で導入加速?
英国のブレア政権が掲げる全住民対象の「国民IDカード」(身分証明書)導入が、ロンドン同時テロをきっかけに加速する可能性が出てきた。IDカードには指紋、瞳の外側の虹彩など生体識別(バイオメトリクス)の個人情報が記録される。与党・労働党内にも「人権侵害や監視が強まる」との声が根強いが、テロ事件は、批判派の発言を弱めることになるのか。(ロンドン・松井学)「これがIDカードなのよ。クレジットカードの大きさで、私の指紋も記録されている。プライバシーを侵す心配が議論されているのは知っているけれど、私自身は見られて困るものは何もないわ」
ロンドンの主婦スー・ロビンさん(49)は、IDカード導入に賛成で、現在、実施されている試行モニターを務めている。
母親のメスさん(84)が隣から「きょう、私はエリザベス女王に招かれてお祝いの会に出る機会があり、会場入り口で身分証明のパスポートを出しながら思ったの。IDカードができれば、もっと小さくて便利になる」と口を挟んだ。
鉄道警察隊員のサマンサ・ハウさん(26)もIDカード導入に前向きだ。
「私の仕事には断然役立つ。例えば、駅構内でだれが怪しいかなんて、顔だけ見てもわからない。IDカードがあればだれだかを特定できる」■2008年開始目指し首相が再び法案
ブレア首相は昨年11月、テロや犯罪対策のため、生体識別情報を使ったIDカード導入を2008年から始める方針を示した。対象には、国民のほか、一定期間滞在する外国人も含むとされる。
カードには氏名、住所、性別、生年月日、顔写真のほか、ICチップに、指紋、虹彩、顔識別情報を記録させる。カードを常に携帯する義務はないが、社会保険の手続きや証明書発行など公共サービスを利用する際に必要になるという。
IDカード導入への根強い反対意見に対し、首相は「不法就労や不法移民、テロ、社会保障の不正利用などを防ぐうえで不可欠」と繰り返してきた。今年5月の総選挙で勝利後、導入のための法案を再提案した。
ロンドンに住むグラフィックデザイナー、アレックス・ホールさん(23)は、今回のテロをきっかけに法案が議会を通過する可能性が高まるのではと言う。
「英作家ジョージ・オーウェルが小説『1984』で描いた監視社会につながると反対が根強いけど、治安対策にもなるのだから、頭ごなしに否定するのはおかしい。法案は先月、下院の第2議会を僅差(きんさ)で通過した。テロを完全に防ぐことができるとは思わないけど、テロ事件によって治安強化の声が高まり、上院では賛成が増える」■発行の費用は1人に2万円も
事務員タムド・オレイラさん(30)はテロ事件で揺れる気持ちを説明しながら、IDカードを取得する際の負担の重さも指摘した。
「『7.7』までは絶対に反対だったけど、テロを知って賛成する気持ちが出てきた。問題は多いよ。発行に1人93ポンド(約2万円)かかると政府は言っているし、紛失して、また同額かかったりしたら困る」
法案の行方は、市民の間でも関心が高く、導入を警戒する声はまだまだある。
刑務所出所者の更生施設で働くウエンディ・ロミーさん(35)は「導入に反対すると、『あなたは、やましい個人情報があるのでは』と逆手にとって言われること自体、この法案には問題がある」と説明して、反対意見をこう話す。
「偽造が心配よね。だれかが私になりすまして、何か犯罪を起こしたらと思うとぞっとする。精緻(せいち)な技術だから偽造は難しいという政府説明だけど、偽札と同じで4、5年たてば偽造が起こらないとはいえない。将来的には、究極の個人情報といわれるDNA情報を入れようということになるかもしれない。いったん導入を認めたら乱用される。独り歩きが心配だわ」
英政府は、IDカード情報について、警察の使用は制限されるとしてきた。だが、昨年10月末、治安対策の要だったブランケット内相(当時)が「情報機関は除く」と発言して問題になった。「不正に情報を操作すれば懲役10年、不正開示は懲役2年」(ブレア首相)との歯止めがかかるかどうかは不明だ。
英国は1939年にIDカードを導入したが、戦後の52年にチャーチル政権がIDカードの制度を廃止した。BBC放送は現在、ホームページの時事用語解説で経緯をこう指摘する。
「第2次大戦中、IDカードはナチスのスパイから国を守る方法だとみなされた。平和な時になって、単に要らなくなったのだ」■実施コストは大“副作用”の懸念
英国が導入を計画しているIDカードについて「今後、世界的なIDの潮流となり得る」と指摘するのは軍事ジャーナリストの神浦元彰氏だ。「バイオメトリクスを使えば、監視カメラの画像とコンピューターとをつなぎ、歩いている個人を瞬時に識別できる」
米国で技術革新を米軍装備に生かす提言を行う国防科学委員会は、こんな報告を行っている。
「特定個人の本人確認にさまざまなバイオメトリクスの技術が利用できるようになっている。指紋、手相、虹彩、DNA、顔識別、声紋などだ。チェックポイントなどでの即時認証では、これらのうち2つの組み合わせで望ましいパフォーマンスが得られる」
だが、IDカードはテロ対策として有効なのか。
神浦氏は、犯罪抑止などの観点から、「やる意味はある」とした上で、「建物の出入りでは、個人認証はできる。だが、地下鉄やバスなど人が多い場所でできるのか。あらかじめ特定した人物の追跡は可能になるが、テロリストの一味であることが事前に分かっていないと意味がない」とも。
桜美林大学の加藤朗教授(国際政治)は「犯罪抑止や病院利用など社会サービスにつながるメリットはあるが、国がシステムを管理するデメリットもある。まず費用の問題。それをクリアできたとしても、全員にIDを持たすことができるのか。人権問題も残る。さらに、外国から入ってくる人たち、すでに違法に入国している移民は、認証できない。
人の往来が激しい欧州連合(EU)では、1カ国だけでやって、どれだけ意味があるのか」と話す。
さらに、「テロのこれまでの流れからすると、何らかの対策をとっても敵は裏をつく手段を考えてくる」とし「だが、国として、何かやっているといわなければいけない側面もあるのではないか」と続けた。
反監視団体「プライバシー・インターナショナル」(本部・ロンドン)は、1986年以降、テロ被害を最も受けている25カ国のうち、80%の国は何らかのIDカードを導入しているとし、テロ対策上、IDカードの有効性は証明されていないと主張している。
神浦氏は「国家政策に異を唱える人々の監視にも使われ得る。安直に考えると監視社会の副作用はすさまじいものになる可能性がある」と警鐘を鳴らす。加藤氏も指摘する。「やる価値があるかどうかは政治判断だ。それと、結局、その社会がどう判断するかだ」 (星野恵一)(東京新聞 2005/07/13)全指紋の採取義務付け 米、テロ対策強化で
【ワシントン14日共同】米国土安全保障省のチャートフ長官は13日記者会見し、ロンドン同時テロを受け、米国を初めて訪れる外国人から、両手のすべての指の指紋を採取するとのテロ対策強化策を発表した。
長官は国務省、司法省と協議の結果の措置だと述べた。開始時期は「将来」とだけ語った。
米国は2001年9月の米中枢同時テロ後、両手の人さし指の指紋採取を入国する外国人に義務付けているが、すべての指の指紋採取は極めて異例で、人権面から国際的な批判を浴びそうだ。
長官によると、訪米が2回目以降の人にはすべての指の指紋採取は求めない。全指紋の採取でテロリストの入国を阻止する効果を持つとしている。(共同通信 2005/07/14)「過激派データベース」作成へ=世界の要注意人物を登録−英政府
【ロンドン20日時事】クラーク英内相は20日下院で、ロンドン同時テロの対応策に関する声明を発表。過激派の取り締まりを強化するため、テロ扇動など「容認されない活動」を行う人物のデータベースを作成する計画を明らかにした。
データベースは内務省と外務省、情報当局が共同で作成。「容認されない活動」には、過激な説教を行うほか、テロを助長する内容の文章を執筆したり、ウェブサイトを運営したりすることも含まれる。英国在住者だけでなく世界中の「要注意人物」が対象で、登録された人物は英国への入国を拒否される可能性がある。(時事通信 2005/07/21)米国:「反テロ」恒久化法案を可決 盗聴条項も10年延長──米下院
【ワシントン及川正也】米下院は21日深夜、01年の米同時多発テロを受けて制定された愛国者法(反テロ法)を、期限を延長して恒久化する法案を賛成多数で可決した。上院でも同様の法案を審議中。ブッシュ大統領は下院可決を歓迎する声明を出した。
同法は一部条項が年内に期限切れとなるため、ブッシュ大統領が恒久化を求めている。テロ防止のため捜査当局に盗聴や図書館での閲覧記録、医療記録の入手を認めており、民主党や市民団体の一部が「市民の自由を侵害している」と批判している。
改正案は、期限切れとなる16条項のうち、争点の「盗聴条項」と「記録入手条項」の2条項を10年延長し、残る14条項は恒久化する内容。民主党や共和党の一部は4年間の時限延長措置を主張し恒久化に反対していた。
約9時間に及んだ21日の審議では、共和党議員から、今月7日に続き、21日に再び起きたロンドンでの同時爆破テロを取り上げてテロ対策強化の必要性を求める意見が相次ぐ一方、民主党からは「権力の乱用」を危惧(きぐ)する意見が出た。
採決では、民主党から44人が賛成に回る一方、共和党の14人が反対するなどねじれ現象も見られた。ブッシュ大統領は声明で、愛国者法は「テロとの戦いや米国民を守るうえで欠かせない」と強調した。上院では今秋に採決される見通し。(毎日新聞 2005/07/23)反テロ新法、仏も制定へ ネット監視や交信記録保存も
フランスのドビルパン首相は27日の記者会見で、テロの予防と摘発のための新法案を9月にも国会に提出する考えを明らかにした。すでにサルコジ内相に具体化を指示しており、年内の施行をめざす。ロンドンでの連続テロを受けて決断した。
首相によると、新法には(1)街頭や公共交通でのビデオ録画の強化(2)航空旅客などの「危険人物」リスト作成(3)インターネットの監視(4)電話の交信記録保存、などが盛り込まれる見通し。
英国で、街頭の監視ビデオの映像が容疑者の早期特定に威力を示したことを考慮した対応とみられる。首相は「正当防衛を超える射撃は(新法でも)認めない」とも語り、テロ捜査の過程で無関係の市民を射殺した英国とは一線を画す姿勢を示した。(朝日新聞 2005/07/28)NY市警の持ち物検査、自由人権協会が憲法違反と提訴
7月からニューヨーク市警がテロ対策で、公共交通機関の利用客の手荷物検査を始めたことに対し、ニューヨーク自由人権協会(NYCLU)は4日、検査の停止を求める訴えを米連邦地裁に起こした、と発表した。「令状に基づかない捜索などから個人を守る合衆国憲法修正4条に違反する」と指摘した。
ロンドンで2度目のテロ事件があった7月21日、市警は地下鉄やバスの利用客の持ち物検査を始めた。地下鉄は主な駅で時間も限られるが、駅の入り口前でリュックなどを持った人を呼び止めている。拒否した人は構内には入れないが、そのまま立ち去っていいという。対象者は人種で選ばないとしている。
同人権協会のドナ・リーバーマン代表は「このような検査は前代未聞。不法で効果がない」と主張。「対象者を大勢の乗客から無作為に選ぶのは不可能で、人種による選定に偏る傾向は否定できない」としている。
一方、米メディアには、ある程度は人種に基づく検査になっても仕方がない、との見方も出ている。(朝日新聞 2005/08/05)陸路の出入国管理でICタグの導入を計画、米国
米ニューヨーク州アレクサンドリアベイ──米国土安全保障省は8日、陸路を通じて入国する外国人旅行者を主な対象に、滞在データや身体的特徴などの個人情報を記録した小型無線ICタグ(RFID)を出入国管理業務に利用する初期実験をカナダ国境で実施した、と述べた。
RFIDは、ICチップを埋め込んだ非接触型のタグ。このシステムは、各種のビザ申請が必要な外国人が対象とみられ、発給が認められた際、タグが付けられた出入国カードを配布。同時に、ビザ申請者の個人情報などを、米国の関連当局に連絡する。
タグ所有者が車両等で米国に入国する際、入管施設に備え付けられたアンテナ、関連機器がタグの番号を離れた地点から確認。米当局が持つデータと参照し、タグの保有者の身元を調べる。
入国者が直接、入管職員と接触する手間が省け、アンテナ、関連機器は一度に複数の情報が読み込み可能だという。高速道路の料金支払いなどで使われているICタグのシステムに似ている。
国土安全保障省は、RFIDの導入で入管業務の混雑を緩和すると共に、テロリストの可能性のある人物や麻薬密売組織メンバーなどの入国を効率的に阻止出来ると期待している。
初期実験では、アンテナがタグを正確に認識し、読み取った情報が政府の管理情報と一致するかなどを分析する。次段階の実験は来年春に予定。成果が得られれば、米出入国管理業務の標準システムにすることを想定している。
初期実験は米国、カナダ国境の検問所2カ所で実施。この後、米、メキシコ間の2カ所で試す。
米国は昨年、3年前の同時多発テロを受けた入国管理強化で、空港や港などで、入国者の指紋採取と顔写真撮影を義務付けている。(CNN 2005/08/11)NY地下鉄に軍事技術 テロ対策で監視カメラなど4000台設置
【ニューヨーク=池尾伸一】ニューヨーク市と地下鉄を運営するMTA社は23日、同市の地下鉄駅構内に、ハイテク軍事技術を応用した最新式のセンサーや監視カメラなどを設置するテロ対策強化を発表した。緊急通報用に駅で携帯電話も使えるようにする。交通機関を狙い打ちしたロンドン同時テロを受けた対策の一環。
同市などによると、約2億ドル(約220億円)かけて、277ある地下鉄駅に、光が届かない場所でも感知する監視カメラ1000台、センサー3000台を設置する。構内に一定時間、ブリーフケースなどが放置された場合、コンピューターにより「不審物」として通報する。来週から順次導入する。
ロンドン同時テロ以降、ニューヨーク市内の地下鉄では警察官が通勤客のバッグを抜き打ち検査するなどの対策を実施している。(中日新聞 2005/08/24)FBIの図書館記録押収、「愛国者法の乱用」と提訴
【ワシントン=貞広貴志】米市民権団体「全米市民自由連合(ACLU)」は26日、連邦捜査局(FBI)が愛国者法の権限を乱用してコネティカット州の図書館の記録を押収したとして、司法長官やFBI長官を相手取り「事実関係の公表」を求める訴訟を起こしたことを明らかにした。
ACLUは捜査対象となった公共図書館の委託を受けて提訴しており、公共機関が捜査の当否を問う異例の訴訟となる。
愛国者法は、特定の犯罪容疑がなくても図書館の利用情報を捜索できる権限をFBIに与え、捜査の事実すら公開することを禁じている。
このため、今回の訴訟は日時や場所を伏せる秘密訴訟の形をとっている。(読売新聞 2005/08/27)英国:対テロ個人監視、全欧レベルでの積極導入を主張
【ロンドン山科武司】8日からの欧州連合(EU)内相会議などを前に6日、クラーク英内相は会見し、テロ対策に関し「『個人の自由』と『国家の安全』の関係が議論される必要がある」と述べた。監視カメラや指紋など生体認証によるパスポートの導入などを全欧州レベルで進める必要があるとの見方を示したもので、人権侵害にあたると否定的な国の反発を受ける恐れもある。
クラーク内相は「監視が問題というが、安全に地下鉄で旅行できる権利も認められなければならない」と、積極的な導入を訴えていく姿勢を示した。(毎日新聞 2005/09/07)テロ対策、新段階に 「思想や表現」対象
【ニューヨーク14日共同】国連安全保障理事会首脳会合が14日、テロ扇動行為の法規制を求める決議1624を全会一致で採択したことを受け、会合に参加したブッシュ米大統領ら各国首脳は国連加盟国に対し早期の履行を訴えた。決議採択は、テロリストへの大量破壊兵器移転阻止に重点を置いてきた国際社会のテロ対策が「思想や表現」を取り締まる新たな段階に入ったことを意味するが、人権団体などは「テロ扇動行為」の定義があいまいで乱用の恐れがあると批判している。
ブッシュ大統領は、テロの脅威に打ち勝つため、国際社会には「初期段階でその芽を摘む厳粛な義務がある」と強調。今年7月のロンドン同時テロの教訓を踏まえ、暴力行為を触発しかねない過激な思想や表現を取り締まるために「適切な措置」を取るよう各国に要請、決議履行を促した。(共同通信 2005/09/15)『カトリーナ』犠牲者の遺体管理にRFIDチップを活用
(WIRED NEWS 2005/10/03)「大企業と米政府によるRFIDの陰謀」を主張する新刊
(WIRED NEWS 2005/10/13)対テロ法案、英上院が否決 「言論の自由に抵触」
【ロンドン26日共同】英上院は25日、テロ対策の一環として政府が提案した、宗教への憎悪をあおる言動を禁止する法改正案を否決し、下院に差し戻した。
与党労働党を含む議員多数が「言論の自由に大きく抵触する恐れがある」などとして反対に回った。7月のロンドン同時テロ以後、過激な思想を説くイスラム教指導者の国外追放を打ち出すなどした政府の強硬策に警鐘を鳴らすもので、ブレア政権には痛手となった。
英PA通信によると、反対した議員らは、法案がジャーナリストや演劇関係者らの活動に与える影響が大きすぎるとし、違法とする言論の範囲を厳格に定義するなどの修正を求めている。
政府案には、英国の人気コメディー「ミスター・ビーン」で主役を務める俳優ローワン・アトキンソンさんらが強い反対意見を表明していた。(共同通信 2005/10/26)英下院:反テロ法案重要条項を否決 与党多数が造反
【ロンドン小松浩】英下院は9日、テロ容疑者を起訴しないまま90日間(現行14日間)拘束できるとした反テロ法案の重要条項を賛成291、反対322で否決した。ブレア政権が97年に発足して以来、政府提出法案の条項が下院で否決されたのは初。ブレア首相には大きな政治的打撃となった。下院は代わりに拘束期間を28日間に延長する修正案を可決した。
与党・労働党は354議席を占め野党を66議席上回っているが、野党・保守党、自由民主党の反対に加え与党から多数が造反した。下院の反テロ法案審議はすでに、テロ行為を称賛する言動の禁止など他の重要条項を可決しており、容疑者拘束期間延長の修正を踏まえて近く下院で法案全体を可決、上院に送る。上院でも「称賛」の定義や拘束期間をめぐって紛糾が予想され、政府の目指す年内施行は微妙だ。
世論調査で6割から7割が「90日間」を支持していたこともあって、ブレア首相は修正を模索するクラーク内相を抑えて政府原案にこだわり、外遊中のブラウン財務相、ストロー外相を急きょ呼び戻し可決を目指した。だが、人権侵害につながりイスラム社会の反発を招くとした反対論を説得しきれなかった。
首相は「間違ったことをして勝つより正しいことをして負けた方がいい場合もある」と強気の構えを崩していないが、英メディアは「極めて深刻な敗北」「権威の失墜」と衝撃の大きさを伝えている。病院経営や学校経営への民間参入などブレア改革の仕上げとされる今後の課題にはさらに多くの労働党議員の反対が予想され、政権運営は厳しさを増しそうだ。(毎日新聞 2005/11/10)スパイ活動予算は5兆円 米政府高官が機密漏らす
【ワシントン10日共同】米中央情報局(CIA)など米国の計15の情報機関がスパイ活動や情報収集に使う年間の予算が総額で約440億ドル(約5兆2000億円)に上るとみられることが分かった。米メディアが10日までに報じた。
米情報機関の予算は機密扱いとされてきたが、メアリー・マーガレット・グラハム国家情報副長官が今月7日に開かれた情報当局者を集めた会合で予算規模に言及した。
巨額の予算規模は、日本の2005年度予算の防衛費5兆円弱に匹敵する。副長官は誤って機密を漏らしたとみられるが、関係者には驚きを持って受け止められている。
国家情報長官のスポークスマンは、副長官が言及した数字が正確かどうかについてコメントを避けている。
米メディアによると、ネグロポンテ国家情報長官がCIAや国防情報局(DIA)、連邦捜査局(FBI)などを統括し、その下で複数ある副長官ポストの1つを務めるグラハム氏はCIA歴27年のベテラン。(共同通信 2005/11/11)米、対テロ戦争で8万人拘束・2001年秋以降の合計
【ワシントン=加藤秀央】AP通信は16日、米軍や中央情報局(CIA)などが2001年秋以降の「対テロ戦争」でこれまでに8万3000人以上を拘束したと報じた。大半は事情聴取の後に釈放されたもようだが、人権団体には長期間にわたり不当に拘束されている収容者が少なくないとの批判もある。
同通信によると、現在はイラクにある米軍収容所が約1万4500人、キューバのグアンタナモ基地が500人弱を収容している。イラクでは約230人が2年以上収容されているという。ほとんどはイラクやアフガニスタンで拘束され、アルカイダやイラク武装勢力との関連などについて取り調べを受けている。
これ以外にCIAがアジアや東欧で極秘に尋問を続けているとの報道もある。「収容者の拷問や非人道的な扱い」を一切禁止しようとの米議会の動きにチェイニー副大統領が反対を公然と働きかけるなど、米国内でも尋問の手法を巡り議論が続いている。(日本経済新聞 2005/11/17)20カ国以上に情報センター CIA、対テロで作戦
【ワシントン18日共同】18日付の米紙ワシントン・ポストは、米中央情報局(CIA)が欧州やアジア、中東など20カ国以上に「対テロリスト情報センター」を設置し、それぞれの国の情報機関と共同で、テロ容疑者の拘束作戦を行っていると報じた。
同紙によると、情報センターの存在は、CIAの任務が、米国に協力するスパイを外国政府内部に見つけることから、対テロ作戦での外国情報機関との協力強化に、大きく変化したことを示しているという。
情報センターは、国際テロ組織アルカイダの重要容疑者らを拘束しておくため、東欧などに設置されていることが明らかになったCIAの秘密収容所とは、直接関係ないという。(共同通信 2005/11/18)文化担当装うスパイ増員 CIA計画と米誌
【ニューヨーク27日共同】28日発売の米誌タイムは、米中央情報局(CIA)のゴス長官が、文化や経済担当の大使館員などを装った工作員を増員するとともに、冷戦終結で閉鎖したCIAの活動拠点を再稼働させる計画だ、と伝えた。政府筋の話として報じた。
ブッシュ大統領は1年前「可能な限り早期に」工作員の数を50%増やすよう命じたといい、バージニア州東部で約6カ月間の「新人研修」を行っている工作員訓練センターは満員状態という。
また同筋によると、CIAは国家情報長官ポスト新設で組織の弱体化など逆風にさらされていることから、外交特権を持たない学生や企業関係者を装う工作員を世界中により多く配置、危険ではあるが実り多い情報収集活動を目指す考えという。(共同通信 2005/11/28)ID提示拒否の米女性を逮捕 テロ警戒による警察の警備過剰か
【コングレス(米アリゾナ州)27日=マクレーン末子】2001年の9. 11の同時多発テロ以降、米国内では、連邦政府機関での警備強化が一層強まり、警官には服従という風潮が市民を脅かしている。コロラド州デンバーの公共バス内では、警官から身分証明書(ID)提示を求められ、拒否した女性が逮捕されるという事件が起きている。この女性の乗ったバスルートには、政府施設が立ち並ぶ一画があり、そこにさしかかると、乗客すべてにID提示が求められるという。米国では法的には、ID携行は規定されていず、提示拒否もできるが、警官にそむく者は逮捕というのが現実のようである。... (日刊べリタ 2005/11/29)刑期延長や監視カメラ増設など、仏の反テロ法案可決
【パリ=島崎雅夫】フランス国民議会(下院)は29日、英国ロンドンでの同時爆破テロ事件を受けてサルコジ内相が提案した新たな反テロ法案を審議し、賛成373、反対27の賛成多数で可決した。
12月中旬にも上院で審議されるが、与党が多数を占めていることから法案可決は確実。
反テロ法案は15条からなり<1>テロ首謀者に最高30年の刑期を適用するなど禁固刑の刑期延長<2>空港、地下鉄、商店街などへの監視カメラ増設<3>航空や国鉄など公共輸送機関に対する乗客者リスト開示要求<4>テロ被疑者に対する尋問期間を4日間から6日間に延長──などを柱としている。
ドビルパン首相、サルコジ内相は、法案審議にあたって仏でテロが起きる可能性がかつてなく高まっていると指摘した。与党・民衆運動連合(UMP)と仏民主連合が賛成、共産党と緑の党は人権侵害を理由に反対した。最大野党・社会党は棄権した。(読売新聞 2005/11/30)米政府のテロ監視リストに8万人も=各航空会社に配布
【ストックホルム8日】旅客機搭乗前に乗客をチェックするために米政府が各航空会社に配布しているテロ容疑者リストに今や8万人の名前が載っていると8日付のスウェーデンの新聞スベンスカ・ダーグブラデットが欧州の航空業界筋の話として報じた。
同ブラックリストには2001年9月11日の米国での同時多発テロの前には16人しか載っていなかったが、同年の年末には1000人に、その1年後には4万人に増加、現在では8万人に達しているという。各航空会社は、米国に向かう旅客を同リストとつき合わせて調べ、同じ名前があった場合は米国土安全保障省に連絡しなければならない。
航空業界筋によれば、リストは搭乗を拒否し警察に通報する「ノー・フライ・セクション」と、追加のセキュリティーチェックを行う「選択セクション」に分かれている。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/12/09)CIA、欧州で拉致繰り広げる=調査報告
【パリ13日】米中央情報局(CIA)の秘密収容所設置疑惑を調査している欧州会議の担当責任者は13日、CIAが欧州各地で拉致を繰り広げ、拘束した人々を不法に他国に連行している疑いがあることを明らかにした。
CIA疑惑に関する欧州会議のディック・マーティ調査官が同会議人権委員会の会合で報告した。その報告によれば、欧州に秘密収容所を開設している疑いをもたれているCIAは欧州各地で人々を拉致し、弁護人をつけるなどの法的支援手続きを取ることなく、拉致した人たちを他国に移送しているもようだ。
欧州会議は、人権や民主主義の強化に向けた国際機関で、CIA収容所疑惑の調査を進めている。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/12/14)9/11後、ブッシュ氏がNSAに「盗聴」許可 国内で
ブッシュ米大統領が2001年9月の米同時多発テロを受け、国際通信傍受などの専門組織、国家安全保障局(NSA)に対し02年、通常では必要な裁判所の許可を求めずに、米国内の居住者を対象に盗聴を許していたことが15日分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が米現・旧政権の高官複数の証言として報じた。
大統領令に署名して許可した。国際電話や国際電子メールの盗聴で、数百件もしくは数千件が実行されたとしている。盗聴されたのは米国内の居住者で最大500人。海外に居住、テロリストとの関与が疑われる人物を含めれば、最大7000人になるとも伝えた。
盗聴の許可については、テロ予防に必要な措置との認識が政権内にあったという。ただ、NSAの一部幹部は、合法性に問題があるとして実行を拒否した。ブッシュ政権は、法律上の適否に関する疑義が出てきたことを踏まえ、昨年、盗聴を中断させた。しかし、タイムズ紙は、実施に「新たな規制」を加え、続行させていることを示唆している。
タイムズ紙は、盗聴の実行について、ブッシュ政権が議会指導者や国家安全保障問題を担当する非公開の法廷に報告した、とも報じている。ネグロポンテ米国家情報長官の側近は、事実確認を拒否している。
同紙は、ホワイトハウスが過去1年間にわたり、テロリストの利益になりかねないとして今回の報道の中止を要請していたとの事実も指摘。米政府の立場を考慮し、テロリストに利するとみられる部分を記事から落とし、掲載に踏み切ったとも述べている。(CNN 2005/12/16)米国:テロ関連、数千人を盗聴 反戦集会の情報、データベース化──メディア報道
◇米で国民監視
【ワシントン和田浩明】01年米同時多発テロ後、海外での情報収集が主任務の米機関が、米国民の監視を秘密裏に行っているとの米主要メディアの報道が相次いでいる。16日付のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、ブッシュ米大統領の秘密指令で国家安全保障局(NSA)が最大数千人規模を対象に米国内でテロ関連情報を盗聴したと報道した。また、NBCテレビは13日、国防総省が反戦集会の情報をデータベース化していると伝えた。
タイムズ紙によると、NSAが情報を集めているのは、米国内から発信される国際電話や電子メールなど。米国内での盗聴には通常、裁判所の令状が必要だが、そうした措置も求められていないという。タイムズ紙は「テロリストを利しかねない」との米政府高官の要請をうけ、約1年間、この記事を掲載しなかったと説明している。
同時テロを実行した国際テロ組織「アルカイダ」は米国内の協力者と電話などで情報交換や準備を行った。NSAの主任務は海外での電子情報監視だが、同大統領は02年、米国民を対象とした「監視的」行為を許容する通達を出したという。NBCによると、国防総省は同時テロ以降、反戦集会の情報をデータベース化。最近約11カ月間に発生した約1500件の「懸念事案」について日時、場所、脅威評価や政府対応が一覧化されている。(毎日新聞 2005/12/17)FBIが民間団体を監視・情報収集…米紙報道
【ニューヨーク=大塚隆一】20日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、連邦捜査局(FBI)の対テロ部門が環境、動物愛護、貧困救済などの民間団体の監視や情報収集を進めていると報じた。
市民団体が入手したFBIの内部資料を基に伝えた。
米国では国家安全保障局(NSA)による国内での盗聴が問題になったばかり。監視対象になったグリーンピースなどの民間団体側は「権力の乱用だ」「我々はテロ組織とは関係ない」と反発している。
これに対し、FBI当局者は「政治的信条を理由に個人や団体を捜査することはない」と強調。監視や情報収集はあくまでも各団体の違法行為に関連したものと主張しているという。(読売新聞 2005/12/21)世界初「全車監視網」導入へ=24時間網羅、犯罪摘発に貢献も−英
【ロンドン22日時事】22日付の英紙インディペンデントは、車を走らせればどこかの監視カメラにほぼ間違いなく収録される「全車監視システム」を、英警察当局が2006年に導入する見通しだと報じた。全車両を網羅する制度は世界で初めてで、自動車を利用した犯罪の早期摘発などに役立つと期待される。(時事通信 2005/12/23)パリの街角にも監視カメラ=反テロ法が成立―フランス
【パリ22日】フランス上院は22日、鉄道駅や空港、教会、核施設その他の公共の場所で監視カメラを増やすなど、テロ対策を強化する内容の反テロ法案を202対122の賛成多数で可決、同法は成立した。7月にロンドンで起きた同時テロを機に、保守強硬派のサルコジ内相主導で法案が提出されていた。
同法は、カメラによる監視網拡大のほか、インターネットや携帯電話による交信記録の保存と当局による盗聴の容認、国境を通過する鉄道や車のチェック強化、不審者のスポーツ施設への入場制限、テロ容疑者の正式手続きなしの拘置期間の4日から6日への延長などを盛り込んだ。
市民団体や野党陣営は、こうした監視強化がプライバシー侵害や、移民問題とテロ問題の混同につながりかねないとして、懸念を表明。最大野党の社会党は、反テロ法について違憲審査を憲法院に求める方針を示している。〔AFP=時事〕(時事通信 2005/12/23)米入国時に全指紋採取へ 日本人観光客も対象
【ワシントン10日共同】米国土安全保障省は10日、米国に入国する外国人を対象にした生体識別(バイオメトリクス)検査で、これまで両手の人さし指に限っていた指紋採取を両手のすべての指に拡大し、今年から段階的に実施していく方針を発表した。
テロ対策の一環で、米政府が入国に際し査証(ビザ)を免除している日本や欧州諸国など計27カ国からの観光客ら短期滞在者も対象となる。同省高官は、すべての指に拡大することで、人物確認の正確さを増すことができると説明した。
高官はまた、この27カ国に導入を求めている生体識別情報を記録した新たな旅券(パスポート)について、関係国の要請から今年10月26日に延期した期限を各国が守るよう呼び掛けた。(共同通信 2006/01/11)2006年の「ビッグ・ブラザー」=英、全土で自動車監視へ
【ロンドン26日】ジョージ・オーウェルの小説「1984」に登場する支配者「ビッグ・ブラザー」を連想させる監視の目が英国で広がっている。英政府は犯罪容疑者やテロリストの捜索に役立てるため、路上の自動車の動きを調べて記録する「自動ナンバープレート認識(ANPR)」システムを今年末までに全土に広げる計画だ。
このシステムは、何千台もの監視カメラで読み取った車のナンバーをデータベースと照合して1日当たり約3500万もの情報を分析、そのデータを警察や国内の治安情報活動を担当する情報局保安部(MI5)に送り、犯罪容疑者やテロリストの捜索に活用するというもの。盗難車や無保険車、運転者に逮捕状が出ている車などを探知した場合、自動的に警報を発する仕組みだ。警察が関心を寄せる人物の追跡にも役立ち、ブレア政権は今年、この計画に約1500万ポンド(約31億円)を投入した。
内務省の実験では、年間平均検挙率が10倍に跳ね上がったという。ただ、地元のドライバー団体関係者はプライバシーの侵害だと批判。さらに、ロンドン市民だと1日平均300回も写されるほど既にビデオカメラだらけの英国では、同システムは「やり過ぎ」という声も上がっている。〔AFP=時事〕(時事通信 2006/01/26)大半はテロと無関係=5000人以上を令状なしに盗聴−米紙
【ワシントン5日時事】ブッシュ米大統領が国家安全保障局(NSA)による裁判所の令状なしの盗聴を承認していた問題で、5日付のワシントン・ポスト紙は、これまで盗聴の対象となったのは5000人以上の規模で、ほとんどがテロリストとは無関係だったと報じた。
同紙は関係筋の話として、令状なしに国際通話を盗聴した結果、テロリストとしての疑いが濃厚で国内通話の盗聴も必要と判断されるケースは「年間に10人を下回っている」と伝えた。また、テロの疑いが認められなかった通話のデータが政府内で蓄積されている恐れも指摘している。(時事通信 2006/02/05)鍵代わり体内チップ、社員に埋め込み 米の警備会社
米オハイオ州にあるセキュリティー会社シティーウオッチャー・ドットコムが、会社の特定の部屋に入る従業員2人の体内に米粒大のID(認証)チップを埋め込んだ。専用装置がチップの発するラジオ周波数を読み取り、部屋の鍵が解除される。チップをつくっているフロリダ州の会社ベリチップによると、意識不明で救急搬入される可能性のある患者の識別対策として、近く病院にも導入される。
2人とともにチップを埋め込んだショーン・ダークス社長によると、前腕部の皮下に注射のように挿入され、外からは見えない。同社は顧客の監視カメラのビデオを保存しており、部屋に入室する必要のある従業員2人が埋め込みに同意した。「カードを忘れて入れないという事態は起きない。追跡装置ではないので居場所がわかる心配はない。副作用もないと聞いている。不安や気持ち悪さはない」とダークスさんは話した。
ベリチップのジョン・プロクター広報担当によると、米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。今後、ニュージャージー州の病院をはじめ、米国内68の病院に導入される予定だ。
病院では意識不明で運ばれた患者の名前、血液型、病歴を調べるために時間がかかることもある。かかりつけの病院で患者の同意を得てチップを埋め込んでおけば、こうした情報がすぐに得られるという。入力されるのは16けたのコードで、医師のパスワードと合わせて医療記録にアクセスする。今後、追跡装置との一体化は可能とみられ、使用方法によっては問題が生じることも考えられる。(朝日新聞 2006/02/15)参照:米国初、体に埋め込んだICタグで従業員を認証
(WIRED NEWS 2006/02/15)テロ犯役俳優2人が英で拘束される
今年のベルリン映画祭の準グランプリに当たる銀熊賞(監督賞)受賞作「ロード・トゥー・グアンタナモ」で、米軍に拘束されたテロ容疑者を演じたパキスタン系英国人ら男優2人が、反テロ法に基づき一時的に拘束されていたことを21日(日本時間22日)、英警察当局が明らかにした。
男優らの所属事務所などによると、拘束されたのは16日、ベルリン映画祭からロンドン郊外のルトン空港に戻ったところだったという。「ほかにも政治的な映画に出ているか」などと尋問を受け、財布や名刺などを調べられたとしている。男優らとともに、映画のモデルになった元被拘束者の2人も一緒に拘束された。
「ロード−」はアフガニスタンで捕らえられた3人の英国人がグアンタナモ米軍基地で過ごした2年間を描いたもので、収容者への虐待がテーマ。当局は「約1時間、足止めにした」と拘束の事実を認めた。しかし、「逮捕はしていないし、入国審査で旅行者をチェックするのは通常任務で、どの空港でもやること。係員は義務を果たしただけ」と、政治色の強い映画の出演者を特定した拘束ではないことを強調した。
「ロード−」を手掛けた英国出身のマイケル・ウィンターボトム監督(44)は、これまでにも政治色の濃い映画を撮ってきた。難民キャンプ出身のアフガン人少年2人が、亡命を求めて英国まで旅する「イン・ディス・ワールド」は03年に同映画祭のグランプリにあたる金熊賞を受賞。今回の受賞の際は「グアンタナモ閉鎖を目的に映画を製作した」とコメントしていた。(朝日新聞 2006/02/23)反テロ法:ブッシュ米大統領が署名し、成立
ブッシュ米大統領は9日、改正愛国者法(反テロ法)に署名し、成立した。同法は米同時多発テロを受けて4年間の時限立法として制定され、期限延長を目指していた。期限切れの16条項中、盗聴や個人情報入手について定めた2条項を4年延長し、残りは恒久化する。捜査対象者に対するプライバシー保護規定も強化した。(毎日新聞 2006/03/10)生体情報付きID導入へ 英上院可決、10年から
【ロンドン29日共同】英上院は29日、住民の生体識別(バイオメトリクス)情報を含むIDカード法案を一部修正し可決、2010年からパスポート取得者を対象に導入される見通しとなった。
生体情報まで含んだIDカードの発行は珍しい。英政府は同法案をテロや犯罪対策強化の柱の一つと位置付けており、米国をはじめ他の先進諸国にも影響を与えそうだ。
英政府は08年から国民がパスポートを取得・更新する際、顔の形や眼球の虹彩、指紋などの生体情報を氏名や住所、写真などとともにデータベースに登録。ICチップに個人情報を記録したカードの発行を10年から始める。(共同通信 2006/03/30)NY市警、テロ対策で500台の監視カメラ
AP通信によると、ニューヨーク市警はこのほどテロ防止や犯罪対策として900万ドル(約10億6000万円)を投じて500台の監視カメラを市内の街灯に設置した。連邦政府による補助金交付が認められれば、さらに数百台を増設する意向。英国の金融街で採用された措置にならった。
市警のケリー本部長は「ニューヨークはなお(テロリストの)標的とみられ、都市を守るための措置を取る必要がある」と強調するが、プライバシー侵害などを懸念する声もある。人権団体はカメラ設置が「事前に市民に十分知らされていなかった」と反発している。
ニューヨークでは既に地下鉄に1000台の監視カメラを設置済みで2008年までに2100台を増設する計画もある。(ニューヨーク=米州総局)(日本経済新聞 2006/04/17)情報機関職員、世界に10万人・米国家情報長官
ネグロポンテ米国家情報長官は20日、ワシントン市内での講演で、中央情報局(CIA)など米国の情報機関で働く職員が国内や世界に約10万人いることを明らかにした。機密扱いとされていた米情報機関の具体的な職員数が公表されたのは初めて。
長官は「秘密厳守の決まりに抵触しない範囲で、国民は情報機関職員の活動や目的、功績について知らされるべきだ」と語った。
長官によると情報収集・分析活動にかかわる連邦機関は16。CIAのほか国防総省の傘下にある国家安全保障局(NSA)や国防情報局(DIA)、連邦捜査局(FBI)の一部などが含まれる。(ワシントン支局)(日本経済新聞 2006/04/21)『市民密告法』ロシアに復活
テロ情報なら『匿名』でもOK
【モスクワ=稲熊均】ロシア議会で、テロに関する市民から治安機関への「密告」を容易にする修正法案が可決され、プーチン大統領の署名後、発令されることになった。一方で、議会は連邦保安局(FSB)がテロ情報を把握した場合、令状なしで特定の人物を拘束できる「反テロ法」修正も審議中。「密告」をもとに強制捜査を乱用する恐れも出てきそうだ。
マスコミ統制などと合わせ、プーチン政権の強権化を示す動きとなっている。
治安機関などへの情報提供に関する法律の正式名称は「市民からのアピールの受け入れに関する法」。修正案が26日に上院で可決された。
これまでは情報提供者の住所、氏名、年齢、職業などの明記が必要で、ない場合は破棄されることになっていたが、修正案では、テロ情報に関しては匿名でも治安機関などが受け入れ、テロ対策に生かすことになった。
テロ情報以外の、政府や高官への批判、異議申し立てに対してはこれまでと同様、実名などが必要で、明記されていても「不適切な内容、表現」であった場合は、破棄されることになった。
同法はソ連時代の1968年に制定され、当時は匿名でも市民からの情報を受け入れていた。しかし、88年になり、ゴルバチョフ政権のグラスノスチ(情報公開)政策で、匿名情報は、悪意ある「密告」につながり社会の相互不信を招くと判断され、実名などの明記が必要と修正された。
今回の再修正について議会は「現在の法律は古くなったため修正の必要があった」と説明しているが、実際には88年以前に戻ったかたちだ。
一方、下院で審議されている反テロ法の修正案では、FSBはテロの情報を得て工作活動に入った場合、最大46時間まで、裁判所の令状なしで、家宅捜索や関係者への工作や盗聴などができるなど、大幅に権限が強化される。(東京新聞 2006/05/01)国家安全保障局が大量の通話記録を収集 米紙報道
ワシントン(CNN) 11日付の米紙USAトゥデー紙は、米通信大手AT&Tなど3社が01年の米同時多発テロ直後から、国家安全保障局(NSA)に国内電話の通話記録を提供していると報じた。議会などからはプライバシーの侵害を懸念する声が上がっているが、ブッシュ米大統領は同日、「情報活動の対象はあくまでテロ組織だ」と述べた。
同紙によると、AT&T、ベルサウス、ベライゾンの3社は、これまでに計数十億件の通話について、電話番号や日時、場所などのデータを提供してきた。テロ活動を示す通話のパターンを探るためで、NSAが会話の内容を録音したり傍受したりすることはないという。
これについて、ブッシュ大統領はホワイトハウスで記者団に「無実の米国民の私生活をせんさくしているわけではない」と強調。「一般国民のプライバシーは固く守られている」と述べた。報道内容の真偽については直接言及しなかったものの、「政府は裁判所の令状なしに、国内電話での会話を聞いたりしない」と語った。
AT&Tとベライゾンの代表者らは「国家安全保障上の問題にはコメントできない」との立場を示した上で、「違法行為はない」と主張している。
ブッシュ政権下の情報活動をめぐっては昨年末、テロ容疑者らが米国内と海外の間で交わす通話をNSAが盗聴していることが明らかになり、違法性をめぐる議論が続いてきた。米中央情報局(CIA)長官に指名されているマイケル・ヘイデン国家情報副長官は、NSAがこれらの情報活動を開始したとされる01年当時、NSA局長を務めていた。新たな指摘が加わったことにより、上院での承認はさらに難航する見通しだ。(CNN 2006/05/12)独情報機関が違法監視 イラク戦争など特ダネの記者ら
【ベルリン=三浦耕喜】ドイツの情報機関「連邦情報局」が、少なくとも2005年まで、ドイツ国内の複数の記者を監視下に置き、取材動向などについて情報収集を行っていたことが12日、明らかになり、批判の声が上がっている。
独議会の諮問を受けたシェーファ一元独連邦裁判所長官がまとめた報告書の内容として、12日付の南ドイツ新聞が報じた。それによると、イラク戦争などで特ダネを連発した独週刊誌「シュピーゲル」記者ら5人が監視の対象になっていた。
同局は、周辺の同僚からも監視対象である記者の動向を聞き出していたはか、編集局からごみとして廃棄された文書を入手して解析。編集局の地下駐車場まで記者を尾行することもあった。
情報提供の見返りに、記者に金銭を渡すケースも報告されている。元記者の1人は、1982年から98年まで、計60万マルク(約3600万円)以上を受け取っていたという。南ドイツ新聞によれば、シェーファー元長官は「明らかな違法行為や、報道の自由への侵害があった」と語っているという。(中日新聞 2006/05/13)米国:通信3社、通話記録を政府に提供 同時多発テロ後、全顧客分
【ワシントン和田浩明】令状なし盗聴で批判を浴びた米国家安全保障局(NSA)が、テロ対策として米通信大手から国内全顧客の通話記録の提供を受けているとUSAトゥデー紙が11日報じた。ブッシュ米大統領は声明で「連邦政府の情報収集活動は合法だ」と強調したが報道内容は肯定も否定もしなかった。与野党の有力議員が懸念を表明しており、米中央情報局(CIA)長官に指名されたヘイデン前NSA局長の上院での承認を難航させる材料になりそうだ。
ブッシュ政権は令状なし盗聴について「テロ組織アルカイダの関係者による国際通話を対象にした限定的なもの」と説明していたが、報道が事実なら、米国民の国内通話も監視対象になっていたことになる。
ブッシュ大統領は11日昼過ぎ(日本時間12日未明)記者団に緊急声明を発表。報道については間接的に言及しただけで、NSAの令状なし盗聴のテロ対策としての正当性を改めて強調し、「国内通話は令状なしで盗聴していない。米国民のプライバシーは厳守している」と述べた。記者の質問には答えなかった。
同紙によると、通話記録の提供は米同時多発テロ(01年9月)直後にNSAの強い要請で極秘裏に始まった。名前や住所など顧客を直接特定できる情報や通話内容は含まれていないものの、すべての通話の頻度や期間、通話先などが含まれている。NSAは通話パターンを分析し、テロ活動を把握するのに使っており、「全通話のデータベース化が最終目標」(関係者)だという。
提供しているのはAT&T、ベライゾン、ベルサウスの3社だといい、顧客総数は2億人を超える。各社は記録提供は確認しなかったが「顧客のプライバシーは守っている」と主張している。
別の通信大手で米中西部で約1400万人の顧客を持つクエストは、利用者のプライバシー侵害や法的問題の懸念から提供を拒否したという。
米通信法222条は、法的な要請か顧客の書面での許諾がない限り、通話記録の開示を禁止しており、違反者には高額の罰金が科せられる。
報道を受け、上院法務委員会のスペクター委員長(共和党)は各社を呼んで事情を聴取する意向を表明。上院情報委員会のロックフェラー議員(民主党)はNSAの活動に関する議会への説明が不十分で合法性の疑問も残っていると語った。(毎日新聞 2006/05/12)生体認証付きIDカード導入へ=外国人就労で米大統領
【ワシントン15日時事】ブッシュ米大統領は15日の移民対策に関する演説で、「すべての合法的な外国人労働者のためになる措置」として、新たなIDカードを導入する方針を表明した。このIDカードは偽造防止のため、デジタル化された指紋など生体認証を採用するという。(時事通信 2006/05/16)FBI 報道機関の通話調査
CIA問題で“弾圧法”適用
【ワシントン=山崎伸治】米中央情報局(CIA)が海外に「収容所」を設けているとの暴露報道(2005年11月)について、記者に情報をもらした職員を摘発するため、米連邦捜査局(FBI)が主要メディアの電話通話記録を調べていることがわかりました。その手段として、テロ防止を口実にした弾圧法である「愛国者法」が用いられています。
ABCニュース(テレビ)の調査報道記者、ブライアン・ロス、リチャード・エスポジート両氏が15日、同ニュースのブログに掲載した記事で明らかにしたものです。
それによると両記者は先週、面会した「連邦政府の法執行担当の高官」から、「そろそろ新しい携帯電話にしたほうがいい。急げ」と告げられました。別の情報源からは、CIA情報の漏えいを捜査する一環として、ABCニュースと米紙ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストの記者がかける電話の相手をFBIが追跡しているという話も伝わりました。
ABCニュースはCIA「収容所」報道で唯一、所在地をポーランドとルーマニアだったと明らかにしたため、「CIA高官を怒らせた」という経緯があります。
両記者のブログ掲載記事に対し、FBIは15日夜、声明を発表。「FBIは理にかなった捜査手順を踏んで、政府の職員が無許可で秘密情報を漏らすという犯罪行為があるかどうかを判断する」として、まずは政府機関の通話記録を調べ、さらにメディアの側も捜査することを認めました。
さらにある政府高官は、両記者に「かつてこういうこと(通話の追跡)をするのは難しくて複雑だったが、ブッシュ政権になってもはやそんなことはない」と語ったといいます。
16日放送の米パシフィカ・ラジオ「デモクラシー・ナウ」に出演したロス記者は、FBIによる通話記録の入手が「愛国者法」の一条項にもとづいて行われ、「合法」とされていると指摘しました。
同法によってFBIは、裁判所の令状がなくても自ら「国家安全保障書簡」(NSL)を発行し、それにもとづいて資料を押収できるようになっています。FBIは昨年、9254通のNSLを発行しましたが、3500通は一般市民あてでした。ロス記者はNSLの発行が「非常に日常的に、簡単に行われている」と批判しました。(しんぶん赤旗 2006/05/19)ネットで誰でも国境監視 米テキサス、カメラ設置へ
【ロサンゼルス10日共同】国境を接するメキシコからの不法移民流入に悩む米テキサス州で、リック・ペリー同州知事がこのほど、国境付近に監視カメラを設置し画像をインターネットにリアルタイムで流す構想を発表した。ネット上で誰もが国境監視員になれるというユニークな不法移民対策だが、効果をめぐっては反対意見も強い。
構想では、広大な無人の農地や野原になっている国境沿いの移民ルートに、夜間も使えるビデオカメラを設置。映像をネットで見て不審な人物の通行など異常に気付いた人は、誰でも国境警備隊の無料ダイヤルに通報できる。ペリー州知事は1日の記者会見で、500万ドル(約5億7000万円)の予算計上を発表した。
地元メディアによると、人権団体などからは「メキシコ人を狙い撃ちした差別的措置」「不法入国者らはすぐにカメラの位置を見破ってしまう」などの批判がある。(共同通信 2006/06/10)米、銀行取引も監視 米主要紙一斉報道 政府「対テロに必要」
【ワシントン23日青木忠興】2001年9月の米中枢同時テロの直後から、米財務省が国際民間組織のデータベースから情報を得て、銀行取引を監視、追跡していることが23日、明らかになった。スノー財務長官は事実関係を認めたうえで「テロとの戦いにおいて重要な手段だ」と必要性を強調した。しかし、令状のない電話盗聴や通話記録収集に続く銀行取引の監視について、プライバシー侵害を懸念する米国自由人権協会は「ブッシュ政権の権力乱用だ」と非難した。
米主要新聞は同日、この問題を一斉に報道。スノー長官は「米国民の個人的な取引記録をあさっているわけではない」として、テロ容疑に限定し、国民のプライバシーに配慮していると強調。テロ組織の資金源を捜査するための「情報源と手段が公になったのは大変残念だ」と報道を批判した。
チェイニー副大統領も「取引監視は合法」と、監視の正当性を主張。スノー大統領報道官は事前に関係議員に通知していたと指摘した。データベースは、国際金融システムにかかわっている国際銀行間通信協会(ブリュッセル)が運営。同協会は同日発表した声明で「必要があれば提出命令に従わねばならない」と述べ、米財務省と交渉の末、記録提出に応じたことを明らかにした。(西日本新聞 2006/06/24)反戦集会を監視
検事総長懸念で中止に
米加州
【ワシントン=山崎伸治】米カリフォルニア州の「テロ対策」部門が、州内での反戦グループの集会などを監視し、情報を収集していたことがわかりました。
1日付の地元紙ロサンゼルス・タイムズが州の「国土安全保障局」(OHS)の報告書を入手して明らかにしたものです。
報告書は今年3月以来、毎日作成されていました。ところが約2カ月前、同州のロキヤー検事総長の事務所が監視の事実を知り、OHSに「抗議行動の情報を集めることは、正当な対テロ情報収集とはいえない」と懸念を表明。OHSはその後、作成を中止したといいます。
ロキヤー氏の事務所はこのことを内密にしていましたが、同紙の取材に対してようやく、憲法が保障する「言論の自由」を侵害するものだと表明しました。
OHSの報告書は「カリフォルニア州のどこで、どのような目的で、どれほどの政治的なデモがあったかの詳細」を記録。入手したのはそのうちの2日分で、そこにはアザラシ猟に抗議する動物保護団体の集会、婦人国際平和自由連盟のイラク戦争反対集会などの情報がありました。今後の集会などの予定も紹介されています。
3月にイラク戦争終結を呼びかける集会を開き、報告にも記録されたグループの関係者は、「税金の無駄遣いだし、言論の自由をうたった憲法修正第1条がだんだんと侵害されているようだ」と同紙上で批判しています。(しんぶん赤旗 2006/07/03)離陸前に乗客名簿提出を 米、航空各社に義務付け
米国土安全保障省は12日、テロ対策の一環としてすべての航空会社に対し、米国便が出発地を離陸する前に、乗客名簿を米当局に提出するよう義務付けることを決めたと発表した。今後、関係者や専門家の意見を聞いた上で、早ければ来月半ばにも実施する。
米国内に入港する客船にも同様のルールが適用される。
米当局はテロとの関連が疑われる人物のリストを作成しており、乗客名簿をこれと照合、合致する名前があった場合、当該機の米国乗り入れを拒否する。照合に時間がかかり出発が大幅に遅れるケースなども予想されるが、チャートフ国土安全保障長官は「テロリストを米国から遠ざけておくのがわれわれの最優先事項」として、理解を求めている。
各航空会社はこれまで、乗客名簿を離陸直後に提出していたが、疑わしい人物の名前があるとして米国への着陸を拒否されたり、行き先変更を求められるケースが後を絶たなかった。離陸前の名簿提出により、こうした事態は避けられる。(共同)(U.S. FrontLine 2006/07/13)記者の電話記録提出認める判決 NYタイムズ逆転敗訴
ニューヨークの米連邦高裁は1日、連邦検事が求めていたニューヨーク・タイムズ紙の01年当時の記者2人の電話記録提出を認める判決を言い渡した。3人の判事が2対1に割れたが、電話記録の提出によって報道の自由が脅かされることはないと結論づけた。
検察側は、米国内のイスラム系慈善団体の資産凍結の動きについて2記者にだれが情報を漏らしたかを捜査する過程で、タイムズ紙に情報源を明かすことを求めていた。タイムズ紙の記者が慈善団体側に取材したことで強制捜査が漏れたと主張、タイムズ紙側が情報源の開示を拒否したため、記者2人の電話記録を大陪審に提出するよう求めた。
タイムズ紙はこれを阻止するために提訴、05年に1審の連邦地裁はタイムズ紙側の主張を認める判決を示していた。今回、逆転敗訴となったタイムズ紙の記事によると、控訴するかどうかは決めていないという。
2人の記者のうち1人は昨年、中央情報局(CIA)の元工作員の身元を政府高官が漏らした疑惑に絡んで情報源の開示を拒否して収監されたジュディス・ミラーさん。ミラーさんはその後、退社している。(朝日新聞 2006/08/03)NY地下鉄の手荷物検査は「合憲」 米連邦高裁
ニューヨークの連邦高裁は11日、ニューヨーク市警が地下鉄で実施している「無作為」の手荷物検査は合衆国憲法に違反しないとする判断を示した。米自由人権協会(ACLU)は、正当な理由のない捜索や押収を受けない権利を保障する合衆国憲法の修正第4条に違反するとして市警を訴え、連邦地裁がこれを退ける判決を出したため、控訴していた。
昨年7月のロンドンの地下鉄同時テロの発生直後から、ニューヨークの地下鉄の少数の駅で乗客の手荷物検査が始まった。検査に応じない場合は、駅構内に入れない。市警は無作為の検査だとしており、担当の警察官や実施駅の数は、その時々の警戒の必要性に応じて変わる。
連邦高裁の判決は、検査について、テロを阻止するという特別の目的のためで、抑止効果も期待できるとした。手法についても、市民のプライバシー侵害は限定的だとして地裁の判決を支持した。(朝日新聞 2006/08/12)靴のX線検査を義務付け 運輸当局、薬は緩和
運輸安全局(TSA)は13日、英国の旅客機同時テロ計画発覚を受け、米国で旅客機に搭乗するすべての乗客に、はいている靴のエックス線検査を義務付けるとの新しい措置を公表した。
2001年に米国行き航空機を靴に隠した爆発物で爆破しようとした事件が摘発されて以来、TSAは乗客に搭乗前検査で靴を脱ぐよう勧告してきたが、今回のテロ計画発覚で、強制力のある措置に変更した。
TSAは一方で、機内への持ち込みを禁止していた液体のうち、糖尿病の治療に使われるインスリンは約225グラム、市販の薬品も約113グラムまで持ち込みを認めるよう制限を緩和。医師の処方に基づく薬の持ち込みも認める。(共同)(U.S. FrontLine 2006/08/14)EU内相、テロ関連サイト監視強化で一致
【ロンドン=横田一成】英仏独など欧州連合(EU)主要国の内相は16日、英国発の旅客機爆破テロ計画摘発を受けて、ロンドンでテロ対策について協議した。テロ組織が互いの連絡などに使っているとされるインターネットのウェブサイトの監視強化で一致、情報面でのテロ対策を強めていく姿勢を示した。液体爆弾など爆発物探知も強化していくことも決めた。
記者会見した英国のリード内相は「テロの脅威は英国だけでなく欧州全体のものだ」と指摘、(1)液体爆弾などの阻止(2)インターネット上のテロ関連ウェブサイトの監視(3)空港などの警備強化(4)各国間の情報交換──などについて話し合ったことを明らかにした。(日本経済新聞 2006/08/16)米国:政府の「令状なし盗聴」は違憲 連邦地裁が中止命令
【ワシントン和田浩明】ブッシュ米大統領が承認した令状なしの国内盗聴は憲法違反だとして市民団体などが国家安全保障局(NSA)を相手取り起こした訴訟で、ミシガン州デトロイトの連邦地裁は17日、原告側の主張を大筋で認め、令状なし盗聴の即時中止を命じた。米司法省は即日オハイオ州の連邦高裁に控訴し、地裁に命令の執行猶予手続きを取った。
対テロ戦争の一環でブッシュ政権が導入してきた攻撃的な情報収集・捜査手法に対し、司法から改めて強い疑念が突きつけられた形だ。6月にも連邦最高裁が、対テロ戦争容疑者を裁く軍事法廷が米国内法や戦時捕虜の保護を定めたジュネーブ条約に違反するとの判断を示している。
しかし、ホワイトハウスは17日、大統領報道官の声明を発表し、NSAによる盗聴は「対テロ戦争の最も重要で効果的な道具の1つであり、強固な法的根拠に基づいている」と主張、地裁の決定に反発を示した。
デトロイトの連邦地裁のアンナ・テイラー判事は、令状なし盗聴が、表現の自由を保障する米憲法修正第1条や、違法捜索を禁じる同4条、憲法上の三権分立原則などに違反するとの原告側主張をほぼ全面的に容認。「国防の名の下に、我が国を意義あるものにしている価値を破壊するのであれば、皮肉なことだ」と指摘した。
同訴訟は全米市民的自由連合(ACLU)やジャーナリストらが1月に提起した。司法省は、令状なし盗聴は対テロ戦争を認めた連邦議会決議や大統領の軍最高司令官の権限などに基づいたもので、国際テロ組織「アルカイダ」関係者との通話や電子メールに限定されていると主張。国家機密の秘匿特権などを盾に、訴えそのものを却下するよう求めていた。(毎日新聞 2006/08/18)テロ捜査 数千人を監視 英捜査当局、TV収録で公表
【ロンドン=蔭山実】BBCテレビは1日、国際テロ組織、アルカーイダを取り上げたドキュメンタリー番組(3日放送予定)の収録で、ロンドン警視庁の対テロ捜査責任者、ピーター・クラーク氏が「監視しなければいけない人物の数はすでに数千人規模に上っている」と語ったと伝えた。
クラーク氏は「テロリストやテロ攻撃に加担する者以外にその支援者やテロを奨励する者も含まれている」と話し、テロ捜査の結果から、2001年の米中枢同時テロ以降、海外からのテロリストだけでなく、英国内でもテロ組織が拡大し、テロの脅威を生み出していると強調した。
英議会の情報安全委員会の報告書によると、英国内でテロに関与している疑いのある人物の数は2001年の段階では250人とされたのが04年夏には500人に増え、昨夏のロンドンでの同時テロの時点では800人と拡大し続けており、英国内のテロの温床の広がりを印象づけている。
また、クラーク氏は英国の若いイスラム教徒らをイラクに送り込むのを支援している組織も確認したとも語り、多様な組織の存在や活動も明らかになりつつあるようだ。(産経新聞 2006/09/02)全指紋採取、08年末までに 米、初訪問の外国人に
【ワシントン8日共同】チャートフ米国土安全保障長官は8日、ワシントンで講演し、米国を初めて訪問する外国人に対しテロ対策の一環として、両手のすべての指紋を採取する規則を今秋から導入、2008年末までにすべての入国地点で実施する方針を表明した。
米国は01年の中枢同時テロ後、外国人の入国時に両手の人さし指の指紋採取を義務付けている。しかし長官は両手のすべての指紋を採取することで、テロリストの識別をより容易にし、テロ抑止効果も生まれると強調した。
当初は査証(ビザ)を発給する在外公館などで導入、08年末までに全米の空港や港などで完全実施する。(共同通信 2006/09/09)国土安全保障省、国境警備対策でボーイングと契約
【ワシントン21日ロイター】米国土安全保障省のチャートフ長官は21日、メキシコ・カナダとの国境警備のための感知装置や監視カメラなどの開発契約をボーイング<BA.N>と結んだと発表した。
チャートフ長官は声明で「国境警備対策は最新の技術とインフラを組み入れ、不法移民の入国を阻止し、国境を越えようとする脅威を食い止める。戦略的提携により、国境警備を迅速に強化するため、民間セクターの知識と専門技術を利用することが可能となる」と述べた。第一弾としてメキシコとの国境警備を強化する。
同省は契約額を明らかにしていない。専門家は21億ドル程度とみている。契約期間は3年で、3年まで延長が可能。追尾装置や通信機器の配備のほか、国境沿いに300以上のレーダー塔を設置する案が含まれている。(ロイター通信 2006/09/22)米下院、令状なしの盗聴を容認する法案を可決
【ワシントン28日ロイター】米下院は28日、ブッシュ大統領が支持している礼状なしの盗聴に条件付きで議会が権限を認める法案を可決した。
法案は賛成232票、反対191票で可決され、ほぼ民主・共和両党の議席配分通りとなった。
しかし、上院では合意が成立しなかった。(ロイター通信 2006/09/29)国境に1000キロフェンスを設置へ 米、不法移民対策で予算成立
【ワシントン4日共同】メキシコとの国境に設置する不法移民阻止を目的とした約1100キロに及ぶフェンスの建設費などを盛り込んだ米国の2007会計年度(06年10月−07年9月)の国土安全保障関連予算案が4日、ブッシュ大統領が署名し成立した。予算総額は350億ドル(約4兆1000億円)。国境警備強化に充てられるのは12億ドル。フェンスのほか、監視用の赤外線カメラなども設置。(共同通信 2006/10/05)欧州連合:航空乗客データを今後も提供 米国と合意
【ブリュッセル福原直樹】欧州連合(EU)と米国は6日、テロ防止のため欧州発米国行き航空便の乗客データを今後も米に提供することで基本合意した。双方は2年前から同様の協定を結んでいたが、欧州議会などが「プライバシー保護」の観点から反発。欧州司法裁判所も今年、協定を無効としたため、再交渉を行っていた。
新協定で欧州の航空会社は、米に乗客の住所や電話番号、クレジットカード情報など34項目を提供。米連邦捜査局(FBI)や米中央情報局(CIA)のテロ対策に使われる。交渉筋によると米は「乗客データを提供しない場合、米国への着陸を拒否する」と主張したという。新協定は07年7月まで有効。(毎日新聞 2006/10/07)米国:テロリスト誤認は数千人に 不正確な監視リスト
【ワシントン和田浩明】米当局が運用するテロリスト監視リストに名前の記載があるといったん認定されながら再調査で誤認と判明した旅行者の数が、今年1月までの約2年間に少なくとも数千人に及ぶことが米会計検査院が6日発表した報告書で明らかになった。同リストをめぐっては複数の連邦議会議員が空港で足止めを食うケースが発生するなど、正確性への懸念がある。
米連邦捜査局(FBI)が管理するテロ監視リストは、航空機利用者や、米国に入国しようとする旅行者の身元確認のため運輸安全保障局(TSA)や国務省などが参照する。被記載者は利用や入国を拒否される。登録テロリストと似た名前の場合、FBIが再確認する手順になっている。
検査院によると、03年12月〜06年1月までに、FBIは数万件の再確認要請を受け取ったが、このうち半数は誤認だった。実数は「機微情報」だとして非公開。監視リストそのものの間違いは、05年だけで31人分が確認され除去された。
誤認であっても記載された本人でなければ監視リストからの除去申請ができない。このため、TSAでは個人情報を登録しテロリストでない確認を受けるよう呼びかけており、05年12月までの約2年間に3万人以上が登録したという。検査院は「旅行者、入国者の数が年間延べ数億人に達することを考えれば、ごく限られた数」との見解も示している。(毎日新聞 2006/10/07)非暴力運動をテロ扱い
米国防総省 反戦集会を監視
【ワシントン=山崎伸治】米国防総省が秘密裏に国内の反戦運動に関する調査を行い、情報を「テロ対策」のデータベースに蓄積して他の政府機関と共有していることが明らかになりました。全米市民的自由連合(ACLU)が12日、情報公開法にもとづいて入手した米政府文書を公表し、非暴力の抗議行動をテロ扱いするものと批判しました。
ACLUによると、国防総省は国土安全保障省や地方の警察署、FBI(連邦捜査局)合同テロ対策本部などの情報源を使って、戦争反対の抗議行動に関する情報を収集。
それを「脅威および地域監視通知」(TALON)と呼ばれるデータベースを通じ、政府機関に提供しています。TALONはもともと、国内でテロとのつながりのある組織や人物を突き止めるためのものです。
公表されたのは「TALON報告」という連絡文書。冒頭に「この情報は司令官および参謀に対し、テロ活動の可能性に注意を喚起し、その他、軍の保護にかかわる問題を通知するためだけに提供されるものである」とただし書きされています。
2005年4月6日付の同報告には、ジョージア州アトランタで「情報提供者」が「戦争に反対し新兵募集に抗議する集会は、2カ月ごとに新しい場所に移動する」と連絡してきたとあります。
05年3月1日付の同報告では、キリスト教系非政府組織(NGO)のアメリカ・フレンズ奉仕委員会がイラク開戦2周年に行う集会の予定が紹介されています。テロとは無関係の平和組織までが監視の対象となっています。
ACLUの弁護士ベン・ウィズナー氏は「米軍には、米国の戦争政策に反対する米国民の平和的な活動を監視する理由などない」と批判。「『テロとのたたかい』の名のもとに、この政権が手に入れてきた歯止めのない権限に注意を払う必要がある」と呼びかけています。(しんぶん赤旗 2006/10/15)アジア系イスラム教徒を監視せよ−英教育省が検討
【ロンドン16日】16日付の英紙ガーディアンが報じたところによると、英教育省は、大学の教師や職員に、テロ行為の支援やイスラム過激主義への関与が疑われるアジア系イスラム教徒を内密に調査するよう求めることを検討している。
これまで学内でのテロリストの勧誘活動に警告が出されてきた。同省がまとめた18ページの文書では、学生の一部を標的とすることの問題も認めており、検討のため公的機関に諮られているという。文書では、世間から隔絶する傾向のあるイスラム教徒の学生は、社会に溶け込んでいる学生よりも過激主義に傾く恐れが強いと指摘している。 〔AFP=時事〕(時事通信 2006/10/16)米、特別軍事法廷の設置法が発効 同時テロ容疑者起訴へ
ブッシュ米大統領は17日、対テロ戦争で拘束した人物を戦争犯罪などで裁く特別軍事法廷を設置する法案に署名し、同法が発効した。11月の中間選挙を前に、与党共和党の 旗印として、「テロに厳罰で臨む」姿勢を強調する政治的な意味合いが強い。一方で、人権法の専門家は多くが、戦時を理由に「法の支配」の原則とかけ離れた重大な欠陥を含んだ立法だと批判しており、議論を残したままの出発となった。
大統領は署名式典で、「これは米国人の生命を救う法だ。この法によって、中央情報局(CIA)の尋問作戦を継続することが可能になる」と主張した。
しかし同法には、対テロ戦争の「敵性戦闘員」だと認定されて拘束された人が、拘束の当否を通常の司法の場で問うことを禁じる条項が含まれている。戦時を理由に憲法上の権利を制限する立法自体、違憲のため無効だと訴える動きもすでに出ており、司法の判断が注目される。(朝日新聞 2006/10/18)共和党、「テロの恐怖」CMで強調
11月7日の米中間選挙に向けて苦戦が続く共和党は、米国を狙ったテロ攻撃の恐れを強調して同党への投票を呼び掛けるテレビ広告を22日から全米で放送する。広告ビデオは同党支持者らへの電子メールでも一斉に配信。民主党は「有権者をどう喝し、経済やイラク政策などの失政から目をそらさせるための死に物狂いの策略」と批判している。
広告は時計が針を刻む音を背景に、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンらが米国への攻撃を予告した声明を表示。爆発音と共に自爆テロの写真を映し「11月7日には投票を」と締めくくっている。共和党は泥沼化するイラク政策への不満の高まりや相次ぐ議員の不祥事などで逆風にさらされており、「得意技」のテロ対策をアピールすることで共和党支持層の投票率アップを狙う。(ワシントン支局)(日本経済新聞 2006/10/22)米連邦議会下院議員、「テロリスト」に間違われ搭乗拒否
カリフォルニア州サンタアナ──民主党のロレッタ・サンチェス連邦議会下院議員(カリフォルニア州選出)が、同姓同名のテロリストと間違われ、米ユナイテッド航空への搭乗を一時拒否された、との事実を明らかにした。同議員の名前が、米同時多発テロ後に打ち出された「搭乗禁止リスト」に載っていたことが原因だった。
同議員によると、秘書が10月下旬、アイダホ州ボイシからコロラド州デンバー経由でオハイオ州シンシナティ行きの片道切符を手配しようとしたところ、インターネットや空港で搭乗券を発行してもらうことができなかったという。
同航空のカウンターで手続きするよう言われた同議員は、自分の名前が「搭乗禁止リスト」にあるとして、航空会社職員から身分証明書の提示を求められた。生年月日によって、リスト上の人物とは別人と確認した後、航空機に搭乗することができたという。
米運輸安全局(TSA)は、治安維持の理由で、同議員と同じ名前が「搭乗禁止リスト」にあるかどうかは明らかにできないとしているが、名前を混同する事例もあると認めた。また、リスト上の名前と酷似した人物を調査するのは航空会社の責任としている。
サンチェス議員の地元は、2万4000人のアラブ系アメリカ人が居住するオレンジ郡を含む第47選挙区。現在、5期目。「搭乗禁止リスト」に反対の立場を取り、同リストに掲載された選挙区の有権者数人の名前を削除するよう働き掛けている。(CNN 2006/11/02)米国:旅行者の個人情報、民間に提供 国土安保省
【ワシントン和田浩明】米国土安全保障省が02年以降、米国に出入りするすべての旅行者を対象に、テロリストや犯罪者かどうかを評価するコンピューターシステムを運用し、評価内容やその根拠となる個人情報の使用を外国の司法・情報機関や一部の民間企業に認めていたことが1日、わかった。AP通信などが報じた。個人データは40年間保存される。同省は「国家安全保障のため不可欠」と強調するが、専門家からは「プライバシー侵害の危険がある」との声も上がっている。
「自動標的化システム(ATS)」で、国土安保省の税関・国境警備局が運用。航空各社から提供された乗客の個人情報や、業者が提出した貨物のデータなどを基に、米国に入る「ヒトとモノ」のテロ・犯罪関連リスクを自動的に評価する。入国管理担当官らによる審査を効率化するため、01年同時多発テロを受けて、当初は国外からの貨物を対象に導入された。ワシントン近郊に置かれたデータベースを、空港、港などの端末からネットワーク経由で使用する。
米政府が11月の官報に掲載した同省の発表などによると、乗客らのテロ評価の根拠として収集されている個人情報は氏名、住所、電話番号、航空運賃の支払いに関する情報、電子メールアドレス、座席や機内食の好みなど。ATSに含まれる情報は、同局の判断で外国の法執行・情報機関への提供が許されている。連邦政府と契約を結んだ民間企業や研究者なども一定の条件を満たせば使用が可能になるという。
ところが、テロや犯罪の危険度の評価内容は本人にも閲覧を認めていない。対象者は同局に対して異議の申し立てはできる。40年というデータの保存期間はテロリストの活動可能期間を想定したものだという。
国土安保省は先月公表したプライバシー評価などで、ATSはテロリストの入国を阻むためのシステムで「国家安保上不可欠」だと述べている。収集した個人情報や評価内容の不適正使用や漏えいについては、データベースの物理的保護や通信の暗号化、アクセス可能な職員の限定などの対策を取っている。(毎日新聞 2006/12/03)全身写すX線に抵抗も テロ対策、米空港で試験
運輸安全局(TSA)は2日までに、アリゾナ州フェニックスの空港で、乗客の全身をエックス線撮影し、不審物を発見する新方式の身体検査を近く試験導入すると発表した。AP通信などが伝えた。
巧妙化するテロへの対策の一環だが、乗客の全身が輪郭として画像化されるため、プライバシー侵害との指摘もある。TSAは「エックス線検査を拒否し、従来の手作業による身体検査を選択することも可能」としている。
検査の対象は、通常の搭乗前検査で不審物などを所持している可能性があると判断された乗客。その場合、乗客は大型のスクリーンの前に立ち、エックス線検査を受ける。衣服内に隠された銃器のほか、通常の金属探知機が見逃しやすいプラスチックや液体の爆発物などを高い確率で発見できるという。
TSAは、検査画像を保存したり印画することはないとしている。(共同)(U.S. FrontLine 2006/12/04)独、危険人物データを一元化 「警察国家」懸念も
【ベルリン=黒沢潤】ドイツ連邦議会(下院)は1日、テロ活動への関与が疑われる人物の個人情報を一元化する「テロ対策・データバンク」の創設を賛成多数で承認した。連邦参議院(上院)を通過するのは確実で、同バンクは来年1月に創設される見通しだ。ドイツはこれまで、ナチスや旧東ドイツ時代の記憶から、警察や情報機関による個人情報の一元管理に慎重姿勢を見せてきたが、増大するテロの脅威に対応するため、方針を大きく転換する。
統合されるのは、テロ関与が疑われる人物の職業やインターネットなどの通信記録、銀行取引、外国渡航歴、宗教、テロ組織との関係など。
ドイツはこれまで、ナチスの国家秘密警察(ゲシュタポ)や旧東独の秘密警察(シュタージ)が国民を徹底監視した「負の歴史」を反省し、東西ドイツ統一後も捜査・情報機関の役割分担を明確化してきた。しかし、地方警察や州内務省、連邦情報機関など合計37もの機関がバラバラに個人情報を集積しており、捜査に支障も生じていた。
方針転換の契機となったのは、独西部の2カ所で今年7月に発生した列車同時爆破テロ未遂事件。レバノン出身の容疑者たちはサッカーのワールドカップ(W杯)期間中もテロを計画していたため、法制化への動きが一気に加速した。
野党90年連合・緑の党や左派党の議員は法案に強く反発しているが、ショイブレ内相は「警察国家」になる懸念はないと繰り返し強調している。(産経新聞 2006/12/04)人権団体などが全身透視身体検査機に反対=米の空港で導入予定
【ワシントン4日】米アリゾナ州の空港で今月テストされる予定の、全身をX線で透視して身体検査を行う機器バックスキャッターに対して、人権活動家らが丸裸にして検査するのとほぼ変わらない上に、撮影された映像が外部に出て売買される懸念もあり、プライバシー侵害の恐れがあるとして反対を表明している。
この機器の導入を予定しているのは、フェニックス・スカイハーバー国際空港。検査官は全身の透視映像で、人体に隠された武器だけでなく、非金属製の危険物まで探知できるようになる。しかし、米市民自由権連合などは、この機器はヌード写真を示すことができ、その結果、例えば、それが流出してインターネット上で公開されたり売買されるなどの悪用につながる懸念があるとして、導入に反対している。
これに対して連邦当局は、検査官は性器をぼやかせることが可能だし、X線の映像は乗客に問題がなければその場で消去されるので、そのような恐れはないとしている。このシステムを運用する運輸保安当局も、映像を印刷したり、他に転送したりすることはできないという。〔AFP=時事〕(時事通信 2006/12/05)外国人のID所持義務付け検討へ=08年から導入も−英政府
【ロンドン19日時事】英内務省は19日、日本人を含む同国在住の外国人に対し、生体識別(バイオメトリックス)情報が組み込まれた電子身分証明(ID)カード所持の義務付けを年明けから検討すると発表した。
同省によると、順調にいけば2008年から段階的に導入される見通しで、カードには指紋、虹彩、顔面の特徴などの情報が組み込まれる。同省はテロや不法移民、身分詐称の防止に効果を発揮すると期待している。(時事通信 2006/12/19)旅行者の危険度格付けは効果的=米高官
【ワシントン20日時事】米国土安全保障省のローゼンツウェイグ次官補代行は20日、記者会見し、米政府がテロ対策の一環として旅行者の危険度を格付けしている問題について、「より厳密な入国審査を必要とする疑わしい人物を割り出すのに活用している」と述べ、効果を上げているとの見解を示した。(時事通信 2006/12/21)米市民の金融取引記録を入手 テロ疑い国防総省、米紙報道
【ニューヨーク14日共同】米国防総省や中央情報局(CIA)が、テロやスパイ活動が疑われる国内の米国人らの銀行口座やクレジットカードの取引記録を入手していたことが明らかになった。国防総省は今後データベース化も計画しているという。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が13日報じた。明確な根拠がなく、金融取引記録の入手をめぐり人権団体などから批判が出そうだ。(共同通信 2007/01/14)米政府、令状なし盗聴中止 議会の理解得られずと判断
スノー米大統領報道官は17日の記者会見で、テロ対策の一環として行ってきた裁判所の令状なしの国内盗聴を中止、今後の通信傍受は令状を取得した上で実施することをブッシュ大統領が決定したと明らかにした。
報道官は、政府の求めに応じて裁判所が「迅速で効果的に」令状を交付するシステムが整ったため、令状なしに盗聴を行う必要がなくなったと決定理由を説明したが、盗聴を強く批判していた野党民主党が多数派となった議会の理解をこれ以上得られないとの判断が背景にあるとみられる。
ブッシュ政権は米中枢同時テロ後、大統領がひそかに署名した大統領令に基づき、国家安全保障局(NSA)が国際テロ組織アルカーイダとの関係が疑われる国際電話の盗聴や電子メールの傍受を開始。米国内での盗聴は「外国情報監視裁判所」の令状取得が義務付けられているが、大統領は令状交付に時間がかかることなどを理由に、令状なしの盗聴は憲法で認められた大統領権限で可能と主張していた。
しかし、昨年8月には、デトロイトの連邦地裁が盗聴を違憲と判断。盗聴は市民権を侵害しており、中止すべきだとの声が強まっていた。<米国内盗聴問題> 2001年9月の米中枢同時テロ後、国家安全保障局(NSA)がブッシュ大統領の許可を得て、令状なしで米国内での電話盗聴、通信傍受を行っていた問題。05年12月、米紙ニューヨーク・タイムズの報道で発覚、大統領は盗聴を命令したことを認めた。同紙によると、常時500人前後が傍受対象になっていたとみられる。デトロイトの連邦地裁は06年8月、令状なし盗聴は違憲とする判決を言い渡した。(共同)(産経新聞 2007/01/18)
米国防総省
反戦行動186カ所監視
人権団体批判 “言論の自由を侵害”
【ワシントン=山崎伸治】人権擁護団体「全米市民的自由連合」(ACLU)は17日、国防総省が少なくとも186カ所の反戦抗議行動をひそかに監視し、2800件以上の情報を「テロ対策」を目的とした政府のデータベースに蓄積していたと明らかにしました。ACLUは「国家安全保障を口実に、米国民のプライバシーと言論の自由を侵害するものだ」と批判しています。
このデータベースは「脅威および地域監視通知」(TALON)と呼ばれ、米軍に対する「テロ活動」に関する情報を蓄積し、政府内で共有するものです。ACLUは「TALON報告」という内部文書を情報公開法にもとづいて入手。分析結果を報告書として公表しました。
それによると、国防総省が主に監視していたのは、反戦・平和組織が行う新兵募集反対の行動でした。「アメリカフレンズ奉仕委員会」や「平和と正義のための連合」、「退役軍人平和会」、「コード・ピンク」など32の組織が対象。地域はカリフォルニアやニューヨークなど13州と首都ワシントンに及んでいます。
内部文書のなかには「退役軍人平和会は平和的な組織だが、将来、抗議行動が暴力的になる可能性がある」など一方的に決め付ける記述などが見られます。
ACLUは、「いまこそ議会は公聴会を開いて、こうした権利侵害が起きた経過を調査し、繰り返されないようにすべきだ」と訴えています。(しんぶん赤旗 2007/01/20)隣国との往来も旅券携帯義務化=テロ対策で入国管理強化−米
【ワシントン22日時事】米政府は23日から、米国と近隣のカナダ、メキシコなどとの間を空路で往来する旅行者にパスポート(旅券)の携帯を義務付ける。2001年の同時テロを踏まえた出入国管理強化策一環で、08年1月からは陸・海路の往来にも適用される。(時事通信 2007/01/22)全身透視検査を試験導入―米空港=プライバシー侵害の声も
【サンフランシスコ(米)23日】米運輸安全局は23日、旅客の全身を透視する「バックスキャッター(後方散乱)画像式」のX線装置をアリゾナ州フェニックスのスカイ・ハーバー国際空港に試験導入した。隠している物がないか調べるのが目的だが、プライバシー保護を訴える人々は、旅客の衣服の中を透視するのは問題だと批判している。
同空港の保安検査場に導入された装置は大型の衣装ダンスほどの大きさで、透視映像は少し離れた所にあるコンピューターのモニター上に薄い灰色のシルエットとして映し出される。男性旅客の映像は男性係官が、女性旅客の映像は女性係官がチェックし、隠している物が探知された場合、衣服の上から触れてさらに調べる。
国土安全保障省スポークスマンは、装置のX線は衣服を透過するが、旅客の裸を見ることは絶対に不可能だと説明。検査を受けるかどうかは自由で、映像は記録したりせず、検査後消去されるとしている。
運輸安全局によると、試験は3カ月間行われ、有効と確認されたら、ニューヨークやロサンゼルスなどの主要都市の空港にも装置が導入されるという。〔AFP=時事〕(時事通信 2007/02/24)ストリップ?米空港検査にX線スキャナー導入で物議
【ニューヨーク=長戸雅子】テロ防止策の一環として、米アリゾナ州フェニックスの空港に旅客の全身をX線スキャナーで透視する検査機が試験導入された。従来の金属探知機では発見しにくいプラスチック爆弾などの発見に効果があるとされることから「安全が最優先」との肯定的な意見の一方、X線が衣服を通過し「事実上のストリップ検査」という非難も出るなど物議をかもしている。
新検査機は自動販売機ほどの大きさで、旅客は機械の前の所定位置で両腕をあげて立つ。検査時間は1分足らずで、映像は離れたところにある別室のモニターに映し出される。男性の旅客の映像は男性係官が女性の映像は女性係官がチェックし、検査後は消去される。
検査機を開発したアメリカン・サイエンス・アンド・エンジニアリング社によると、映像には旅客の体のシルエットが浮かび上がるが、細部はぼかされており、裸体が見えるようなことはないという。
しかし、実際の映像を見た技術とプライバシーの問題を考える米NGOの代表は「細部がぼかされていても、詳細すぎるものだった」と懸念を表明。
米自由人権協会のバリー・スタインハート氏も「1つ前の技術段階の画像を見たが、ヌード写真のようだった。画像をぼかすことで凶器もぼかされることになるのではないか」と不信感を強調する。
空港当局は、対象になるのは金属探知機の検査でひっかかった旅客であり、空港職員による服の上からのボディーチェックか検査機による検査かを選ぶことができるため、「押し付けがましい制度」との批判に反論。
米運輸安全局は効果や旅客の反応をしばらく観察し、有効と判断されればニューヨークやロサンゼルスなどの主要都市の空港にも配置する。(産経新聞 2007/03/09)FBI:テロ捜査で違法に個人情報700件 司法省「刑事処分も」
【ワシントン大治朋子】米司法省は9日、管轄する連邦捜査局(FBI)が、テロ対策として違法に個人情報の収集、不正使用などを行っていた可能性が高いとする報告書をまとめた。FBIはテロ対策などとして裁判所の許可なしに個人の通話記録や銀行取引情報などを入手する権限が認められているが、違法性の高い収集が少なくとも700件、不正使用が22件発覚した。ゴンザレス司法長官は会見で「刑法による処罰もありうる」と指摘、さらなる調査を指示した。
報告書(126ページ)は司法省の監察総監室がFBI本部や全米各地の支局などを対象に150人以上の職員らへの聞き取り調査や資料の収集などでまとめた。
FBIは裁判所の許可なく「国家安全書簡(NSL)」を発行することが認められている。これを受けた電話会社や銀行は顧客の個人情報を本人の承諾なく提供しなければならない。だが、報告書によると、FBIは「緊急書簡」とする別の違法な書簡を作成。本来NSL作成に必要な手続きを経ず、権限のないFBI幹部による署名で同様の書簡を発行。少なくとも700件の違法な個人情報の収集を行っていたとみられるという。
また、これとは別に、FBIによるNSLの目的外使用など違法な使用例も22件あったという。
NSLは00年は年間約8500件発行されたが、01年の米同時多発テロ後の03年は3万9000件、04年は5万6000件と急増している。
司法長官は会見で「報告書に記載された内容は容認しがたい」と指摘。FBIのモラー長官は「(個人情報の)安全保護を十分行っていなかった責任は私にある」と述べたが、辞任は拒否した。
民主党のレイヒー上院司法委員長は「報告書は当局による権限の乱用を示している」と批判した。米議会は愛国者法などによるFBIの権限強化に伴う人権侵害を懸念。司法省に調査を要請した。今回の報告書は主に03〜04年分で、05年以降分は07年末までに議会に提出される予定。<国家安全書簡(NSL)> 米議会は86年、裁判所の許可なく通話記録、旅行記録、銀行取引記録などの電子記録を入手できるとする権限をFBIに認めた。FBIは「国家安全書簡」(ナショナル・セキュリティー・レターズ=NSL)と呼ばれる口外禁止の書面を作成。受け取った電話会社や銀行などは特定の個人情報を提出しなければならない。当初その対象は外国のスパイなどに限られたが93年、テロリストやスパイと接点のあるすべての人物が対象となった。01年の米同時多発テロ後制定された愛国者法施行後は、FBIがテロなどに関係していると「判断」すれば制約なしに個人情報を収集できることになった。(毎日新聞 2007/03/10)
NY市警がスパイ大作戦 反ブッシュによる混乱恐れ
ニューヨーク市で2004年8月に開催された共和党大会を前に、同市警本部が国内外に秘密捜査官を派遣、市民団体などに「スパイ」として潜り込ませるなどして活動を監視していたことが明らかになった。25日付のニューヨーク・タイムズが報じた。
この党大会は同年11月の大統領選に向け、ブッシュ大統領を党候補に再指名。反ブッシュの活動家が全米から集結することが予想されたため、市警は混乱やテロを阻止する目的で、広範な「スパイ作戦」を実行した。
同紙によると、反テロ戦を背景とした警察の権限強化で、監視活動そのものは適法とされるが、監視対象の大半は無害な団体・グループだったとみられ、広範囲にわたった異例の捜査の是非をめぐり議論が起きそうだ。
秘密作戦は大会の約1年前から始まり、捜査官はカナダのモントリオール、欧州などニューヨーク以外の少なくとも15カ所でスパイ活動を実施。
同紙は、監視の結果として幾つかの逮捕事例を挙げているが、詳細には触れていない。党大会は厳戒態勢の中で開かれ、デモや集会で約1800人が逮捕された。(共同)(U.S. FrontLine 2007/03/26)米国:テロやスパイ対象の盗聴・家宅捜索が急増
【ワシントン和田浩明】国際テロ容疑者や外国のスパイ活動を対象にした米国内での盗聴や家宅捜索を承認した令状の発行数が06年は2176件に達し史上最高を更新したことが司法省が4月30日公表した年次報告書で明らかになった。令状発行数は01年同時多発テロ以降毎年増え続けており、大規模テロ再発に神経をとがらせ監視を強化する米政府の姿勢が垣間見える。
米国内での国際テロ、スパイ活動を対象にした米政府機関による盗聴には「外国情報活動監視法(FISA)」に基づく特別法廷の令状が必要。司法省によると、06年の発行数は前年の2072件より104件増えた。同時テロ前の00年の2倍以上に達している。
ブッシュ政権は特別法廷では手続きに時間がかかりテロ組織などの活動に対応しきれないとして02年から極秘裏に令状なし盗聴を行っていたが、米メディア報道で発覚し昨年夏に連邦地裁が違法判決を出した。司法省は同月13日、FISA改正案を連邦議会に提案したと発表している。(毎日新聞 2007/05/02)米国:愛国者法、情報提供命令14万件 対テロ「成果」1件 収集時に「かん口令」
01年9月の米同時多発テロ直後に成立した愛国者法(反テロ法)は、裁判所の令状を必要としない家宅捜索や電話記録の収集など、かつてない広範な権限を捜査機関に認めた。米国は「安全」と引き換えに、個人の自由や権利を制約してきたが、「成果」に伴う犠牲は少なくない。愛国者法は米国に何をもたらしたのか。【ワシントン大治朋子】05年7月、米東部コネティカット州に住む図書館員、ジョージ・クリスチャン氏らのもとに米連邦捜査局(FBI)から電話が入った。同氏が事務局長を務める同州ハートフォード地区の図書館協会(27図書館加盟)を通じ、加盟図書館のインターネット利用者情報を調べたいという。FBIはかん口令を強調した。後日、情報提供を命じるFBIの「国家安全書簡」(ナショナル・セキュリティー・レターズ=NSL)が届いた。
86年、FBIが裁判所の令状なく電話や銀行、クレジットカードなどの個人情報を求めることができる文書として、NSLが認められた。NSLを受け取った企業などはその内容を口外できない。情報の対象は当初、スパイ容疑者らに限定されていたが、愛国者法によりFBIがテロ活動などに関係があるとすれば、特別な証拠がなくても情報請求が可能となった。
クリスチャン氏が調べたところ、人権団体「全米市民的自由連合(ACLU)」(本部・ニューヨーク)が、「一般人の個人情報を広く情報収集し、無期限のかん口令を強制するのは憲法違反」と司法省を訴えていた。1審は「過度の秘密主義は民主主義に反する」とし、NSL規定は憲法違反との判決が出ていた。◇違憲判決、記録に残る
「学生がコーランについて調べたと分かっただけで、その学生は不審な人物と記録されるのではと思った」。クリスチャン氏が当時を振り返る。05年8月、同氏らは、ACLUで愛国者法についての違憲訴訟を担当するジャミール・ジャーファ弁護士らに相談。司法省を相手取り、新たに提訴した。1審は「無期限のかん口令は必要性が認められず、憲法違反」と主張を認め、司法省は控訴した。
米議会は06年3月、NSL規定を含め愛国者法恒久化を承認、可決した。それを見届けたかのように数週間後、司法省は、クリスチャン氏らへの「かん口令」を解除。同時に1審判決が、かん口令を「憲法違反」とした部分を無効にするよう求めた。裁判所はこの請求を却下し、「かん口令は違憲」との司法判断は記録に残った。司法省は図書館に対する情報提供の請求そのものも取り下げ、裁判は終わった。
クリスチャン氏らは同5月に記者会見。愛国者法に基づくNSLにより一般市民の情報収集が開始されて以来、実態が公表されたのは初めてだった。だがクリスチャン氏は「議会が愛国者法の恒久化を可決する前に、我々の懸念を広く伝えたかった」と悔しがった。◇報告書で不正も発覚
米議会の求めを受けて今年3月、司法省が発表したNSLの実態報告書(03〜05年分)によると、NSLの発行数は愛国者法施行前(00年)は年間約8500件だったが、03年は3万9000件、05年に4万7000件へと急増していた。この3年間に発行されたNSL(計約14万件)に基づくテロ関連捜査での逮捕件数は1件で、テロ関連の「資料」を渡した人物の摘発だけだった。一方で米国人を対象とした調査は03年は39%、05年には53%と急増している。
不正も見つかった。NSLを発行せず個人情報を集めた例などが44件あった。手続きをさらに簡単にしようと、「緊急書簡」と題名をつけた別の書類を作成し、権限のない職員が署名して734件も発行していた。300件の通話記録も不正に入手していた。
報告書の内容を深刻に受け止めた米上院司法小委員会は先月11日、クリスチャン氏を招いた。意見陳述で同氏は「テロへの恐怖から自由な社会を破壊すれば、それはテロリストの勝利です」とその思いを語った。◇「テロへの恐怖」の中で成立
米同時多発テロ(01年9月11日)の翌月、一連の炭疽(たんそ)菌事件による死傷者が相次いで「次のテロ」への恐怖が全米を覆う中、愛国者法は異例のスピードで成立した。米メディアはその後、議員の多くが342ページにのぼる膨大な条文を「まともに読んでいなかった」と批判した。
捜査権限を拡大する他に、同法が重視したのが諜報機関の間に存在する「壁」の撤去だ。米国では9.11テロ以前から、米中央情報局(CIA)やFBIがテロ情報を断片的に把握しながらテロを阻止できず、縦割り組織の弊害が問題視された。「壁」の撤去により、米国では現在、約50の政府機関で巨大な「統合個人情報データベース」(約5億6000万件)を共有する。数万人の職員らがアクセス可能で、FBIがNSLで収集した情報もここに蓄積されている。
時限立法だった愛国者法は06年3月、盗聴や個人情報入手について定めた2条項がさらに4年延長され、残りは恒久化された。◇チェック機能、早急に回復を──元司法省法政策室副代表で保守系ロビー団体「アメリカン・フリーダム・アジェンダ(AFA)」のブルース・ファイン代表
米連邦捜査局(FBI)が「国家安全書簡」(NSL)を多用するのは、簡単に発行できるからだ。特に9.11テロで捜査機関は諜報(ちょうほう)活動不足と批判されたので、多少やり過ぎても構わない雰囲気がある。彼らは安全になると考えれば、とことん諜報活動を進める。制御するのが司法なり議会だが、NSLは裁判所の令状を必要としない。議員も憲法や自分らの役割を理解せず、再選ばかりを考えて、捜査当局への監督機能が働いていない。チェック&バランス機能を早急に回復する必要がある。
FBIは分析不能なほど膨大な情報を集めているが、分析できない情報には意味がない。9.11テロの前も断片的な情報はつかんでいたが、それを分析しテロを予測することができなかった。分析力こそ米国の課題だ。◇検証抜きの人権制限は問題──元カナダ最高裁長官法務書記で人権団体「ACLU」の愛国者法違憲訴訟を担当するジャミール・ジャーファ弁護士
NSLによる諜報活動は、テロ容疑者の捜査というより、容疑者とたまたま居合わせた人や、その知人の知人にまで及ぶような広範囲な個人情報収集だ。目的は巨大データベースの構築だ。
「何も悪いことをしていないから調べられても構わない」という人がいる。しかし、FBIが広範囲に監視しているとなれば、「愛国者法はおかしい」などと自由に議論できる社会は失われていく。愛国者法が成立した当時、米国はパニック状態だった。そうした状態で物事を決めれば、かならず度を越す。
「安全」と「人権」のバランスだという人もいるが、そもそも本当にこのシステムが安全をもたらすのか。NSLはテロ摘発に役立っているのか。「成果」を検証せずに人権を制限しても、安全は得られない。(毎日新聞 2007/05/15)病床の司法長官に盗聴承認要求 米高官が議会で証言
【ワシントン16日共同】米中枢同時テロ後、国家安全保障局が行ってきた令状なしの国内盗聴権限の期限が迫った04年、ブッシュ政権の当時の高官らが入院中だった国内盗聴慎重派の司法長官の病室に押し掛け更新に応じるよう要求していたことが15日分かった。当時、司法省ナンバー2の副長官が上院司法委員会で証言した。この問題をめぐり政権内部で深刻な対立があったことを裏付ける議会証言は初めて。(共同通信 2007/05/16)自衛隊が『市民』監視 批判的289団体・個人 内部文書を共産党入手
共産党の志位和夫委員長は6日、記者会見を開き、イラクへの自衛隊派遣に反対する団体や個人について、陸上自衛隊情報保全隊が収集した情報をまとめた「内部文書」を自衛隊関係者から入手した、と発表した。対象となっていたのは、市民運動や労組、政党、宗教団体、地方議会の動き、派遣をめぐる取材活動などで、全国41都道府県の計289団体・個人の活動状況が記録されており、高校生のグループも含まれていた。
志位委員長は「自衛隊という軍隊が、市民団体やジャーナリストなどの動向を監視するのは、表現の自由やプライバシーの侵害で違憲。自衛隊法にも根拠を持たない活動。戦前・戦中の『憲兵政治』を復活させようとする許し難いものだ」と批判。鈴木政二官房副長官に中止を要求した。
文書は「情報資料について(通知)」と「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」の2種類で、A4判で計166ページ。イラク派遣の基本計画閣議決定を直前に控えた2003年11月から、陸上自衛隊本隊の主力部隊がイラク・サマワに到着した04年2月にかけ、1週間ごとに調査されたもの。市民運動や労働運動を「民主党系」「共産党系」「社民党系」「新左翼等」などに分類し、集会やデモ、ビラ配りなどの日時・場所、状況、参加者の写真のほか個人が送ったはがきの内容なども記録されている。
「情報資料について」は東北方面情報保全隊長が作成し、中央の情報保全隊長や他の四方面の情報保全隊長などに配布。イラク派遣反対運動や平和運動だけでなく「医療費負担増の凍結・見直し」「年金改悪反対」「消費税増税反対」などの運動も記録。民主党の増子輝彦衆院議員(当時、現参院議員)が自衛隊の後援団体の新年会で「派遣に反対」とあいさつしたことが「反自衛隊活動」と記載されていた。
報道関係では、駐屯地司令らと報道各社支局長との懇親会で、自衛隊の情報収集能力や訓練内容、兵器の性能などの質問が出たことを質問者の実名入りで記載。また、岩手駐屯地からの派遣人数や時期についての電話確認や、青森駐屯地正門前で退庁する隊員に対し行われた取材を「反自衛隊活動」と記していた。(東京新聞 2007/06/07)ドイツでも市民を監視 軍が反G8デモ撮影
【ベルリン=三浦耕喜】先にドイツで行われた主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で、ドイツ空軍のトーネード偵察機がサミットに反対する反グローバル化のデモを監視していたことが明らかになり、物議を醸している。市民運動をめぐっては、日本でも自衛隊による監視活動が明らかになったばかり。軍が守るべき市民はだれなのか、ドイツでも「おれたちはテロリストではない」との声が上が
っている。
問題となっているのは、6日から8日まで開催されたサミットの警備でドイツ空軍が動員した偵察機2機。2機は、デモに参加した約5000人が宿泊していたキャンプ場上空を低空飛行。約150メートルの高度で写真撮影したという。
だが、同偵察機はイスラム原理主義タリバンの動向を探るためドイツがアフガニスタンに派遣したのと同じ機種。大連立政権与党の社会民主党(SPD)からは「市民をタリバン扱いするものだ」との批判が噴出した。
独国防省は事実関係を認めた上で、「省庁間協力として行った」と説明。偵察能力のない警察に代わってデモ隊の動向を把握するために必要だったとしたが、野党側は「国内での軍の活動は基本法(憲法)で制約されている」と憲法違反だと指摘している。(東京新聞 2007/06/15)マンハッタンに監視カメラ網設置へ テロ防止でNY市警
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は9日、ニューヨーク市警当局がテロ防止策の一環として、マンハッタン南部にロンドンのような監視カメラ網を設置する計画だと報じた。
同紙によると、米国としては初めての監視網設置計画。チャイナタウンやリトルイタリー、ウォール街、グラウンド・ゼロがある14丁目以南の地区に、年内に計116台の自動車ナンバー識別カメラを設置する。(共同)(産経新聞 2007/07/09)インドネシア:エイズ感染者にICチップ 州議会で条例案
【ジャカルタ井田純】エイズウイルス(HIV)感染者が急増しているインドネシア東部・パプア州議会で、感染者にマイクロチップの埋め込みを義務付ける条例案の審議が進んでいる。ウイルスの流行防止を理由に、感染者の行動を監視するのが目的で、支援関係者などからは「ひどい人権侵害だ」との非難が出ている。
条例案は、「患者・感染者の行動と性行為を監視する」ために「探知装置が必要」としている。地元紙によると、条例化を求める地元医師は、同州のHIV蔓延(まんえん)について「パプア人の存亡にかかわる事態」と述べ、「感染拡大につながる危険な行動を取る感染者に限定して、マイクロチップを埋め込むべきだ」と話している。これに対し、現地のHIV対策責任者は「患者・感染者を特定して識別する行為で、人権侵害にあたる」と強く非難している。
同州の感染者数は人口10万人あたり67.55人で、同国平均の4.27人を大きく上回り、同国で一番となっている。(毎日新聞 2007/07/25)英、ビザ発給に指紋情報を義務づけ 留学目的も
英国政府は25日、テロ対策の強化のため、ビザを申請するすべての外国人から指紋をとる方針を発表した。08年3月から実施する。反テロ法も改正し、起訴前の容疑者の拘束期限を延長する考えだ。05年夏のロンドン同時爆破テロ以降もテロが続いたほか、大規模なテロ計画も次々に明るみに出ており、治安の維持には情報の蓄積と当局の権限強化が不可欠と判断した。
指紋採取は、移民、留学といったビザ申請の目的を問わずに実施し、データベースに蓄える。従来は、ビザの発給地が一部の中東諸国などの場合に限定していたが、日本を含むすべての在外公館での発給を対象とする。
さらに、反テロ法で逮捕した容疑者の起訴前の拘束期限を、現在の28日から最大で56日に延長したいという。実現すれば05年のテロ前と比べ、拘束期限が4倍となる。
一連の対策は、国際テロ組織への対応に加え、6月末に起きたロンドンやグラスゴー空港での連続テロで、外国生まれの容疑者が目立ったことが背景にある。ブラウン首相は国会での演説で「テロに打ち勝つため、息の長い取り組みは避けられない」と強調した。
ただし、01年秋以降にテロ関連で逮捕された1200人超のうち半数以上が起訴されていない。捜査当局の権限強化には反発が出ている。(朝日新聞 2007/07/26)米国:令状なし盗聴法案成立へ
【ワシントン及川正也】米下院は4日夜、テロ対策の一環として、裁判所の令状なしに国家安全保障局(NSA)に通信傍受を認める法案を可決した。上院は3日に同様の法案を可決しており、ブッシュ大統領の署名を経て成立する。大統領は「米国を守り続けるために必要な法案だ」と上下両院の決定を評価する声明を発表した。
米国では諜報(ちょうほう)機関の権限乱用を防ぐため、外国情報監視法で国内の盗聴には裁判所の令状を得るよう定めている。しかし、ブッシュ政権は01年の同時多発テロ後、テロ捜査を名目に大統領権限で令状なしでの国内盗聴を承認してきた。
上下両院を通過した「外国情報監視法改正案」は、テロ捜査の過程で電話や電子メールなど交信当事者の少なくとも1人が外国にいるか、いると推定された場合、「令状なしの盗聴」を認める内容。ブッシュ政権の盗聴政策を追認、法制化した格好だ。野党・民主党にはプライバシー保護の観点などから反発もあるが、「テロに弱腰」との批判を避けたい一部議員が賛成に回った。(毎日新聞 2007/08/05)米国:盗聴法成立「情報のプロが柔軟性持てる」と大統領
【ワシントン及川正也】ブッシュ米大統領は5日、テロ対策の一環として海外のテロ容疑者に対する盗聴など通信傍受を裁判所の令状なしに認めるための改正外国情報監視法に署名し、成立した。通信傍受の承認は司法長官か国家情報長官が行う。
同時多発テロ以降、大統領の承認により「令状なしの盗聴」を進めてきたブッシュ政権の盗聴政策を法制化したもの。大統領は声明で「この法律により、わが国の情報のプロたちは柔軟性を持つことができる」と強調した。(毎日新聞 2007/08/06)航空機テロ防止策、米が飛行前の乗客名簿提出を義務付けへ
【ワシントン=大塚隆一】米国土安全保障省は9日、航空機テロを未然に防ぐための対策を強化すると発表した。
それによると、国際線を運航する航空会社は、外国の空港から米国に向かう便について、離陸30分前までに乗客名簿を提出することが義務付けられる。現在は離陸後15分以内に提出することになっている。また、要注意人物リストと乗客名簿の照合は航空会社が行ってきたが、新たな防止策では、国土安全保障省が自ら実施する。
一連の措置は今秋から試験的に実施し、来年の本格導入を目指す。記者会見した同省のチェートフ長官は「離陸後に乗客名簿を提出させるのでは遅すぎる」と強調した。(読売新聞 2007/08/10)米軍、イラクの首相や大統領ら全閣僚の電話を盗聴
情報戦も激化するイラクでは、イラク政府に主権を完全委譲したはずの米軍がイラクのジャラール・タラバーニー大統領やヌーリー・マーリキー首相を初めとする全閣僚の全通話を盗聴していたとイラクの携帯電話会社、イラークナーの情報筋が暴露した。イラク傀儡政府は盗聴されていることを熟知しながら、米軍に抗議できなかったという。20日付のクドゥス・プレス(本社・ロンドン)がスクープした。...(斉藤力二朗) (日刊べリタ 2007/08/21)米国:抗議活動の市民をチェック 「大統領マニュアル」報道──米紙
【ワシントン大治朋子】米ホワイトハウスがブッシュ大統領への抗議活動を排除するため作成した機密文書「大統領事前マニュアル」が米国で起きた国家賠償訴訟の過程で明らかにされ、入手した米紙ワシントン・ポストが22日、詳細を報じた。
報道されたマニュアルによると、現場で大統領支持者のボランティア組織「抗議(対策)部隊」を作り、抗議活動を起こしそうな市民をチェック。横断幕のような「折りたたんだ布」を持っていないか、上着の下に大統領批判のTシャツを着ていないかなど、会場をくまなく「散策」し報告するよう求めている。
さらに、「好ましいメッセージ」を書いた大きなプラカードや横断幕を用意させ、抗議活動があった場合、メディア席と抗議団体の間に割って入り、報道陣から見えなくさせるよう指示。不満の声が上がった時は「『USA!USA!』と叫びメディアのマイクに抗議の声が拾われないようかき消す」「最終手段として警備員が排除する」などと規定している。
マニュアルは、大統領が抗議の横断幕などを「見たくない」と言ったことから02年10月に作成。04年7月、演説会場で「ブッシュを憎悪する」と書かれたTシャツを着て逮捕されたテキサス州の男女が起こした国家賠償訴訟裁判で、ホワイトハウス側が提出していた。(毎日新聞 2007/08/24)令状なし情報収集は違憲 米地裁がFBIに中止命令
【ワシントン7日共同】ニューヨークの米連邦地裁判事は6日、テロ対策のために制定された「愛国者法」に基づき、連邦捜査局(FBI)が令状なしに電子メールや電話の通話記録などの情報を収集するのは違憲と認定、情報収集活動の中止を命じた。7日付ワシントン・ポスト紙が報じた。
愛国者法により、FBIなどには電話会社やインターネットプロバイダーに対し、通話記録やメールの内容を開示することを命令する権限が与えられている。
しかし今回の決定は、FBIが自ら発行し、事実上司法がチェックできない文書に基づき、安全保障上の重大な脅威とは限らない情報を収集するのは、権力の分立を定めた憲法に違反すると指摘した。
裁判を起こしていた市民団体「全米市民自由連合」は決定について、「ブッシュ政権の権力の使い方が憲法違反であることがはっきりした」とコメントした。(共同通信 2007/09/07)反テロ法、違憲と認定=「相当な理由」ない捜査は不当−米連邦地裁
【ロサンゼルス26日時事】「相当な理由」がなくても強制捜査を認めた反テロ法(愛国者法)の条項は違憲だとして、米オレゴン州の弁護士ブランドン・メイフィールド氏(38)が提訴した裁判で、同州の連邦地裁は26日、不合理な捜査や押収を禁止する憲法修正第4条に条項は違反すると認定した。
反テロ法は2001年の米同時テロ事件後にテロ対策強化を目的に制定されたが、強力な捜査権限を認めたため、人権侵害との批判が根強い。同法を「テロとの戦い」における有力な武器と位置付けるブッシュ政権にとって、今回の判決は痛手となりそうだ。
死者191人を出した04年のスペイン・マドリードの列車爆破テロ事件後、連邦捜査局(FBI)は同氏を誤認逮捕。同氏は、FBIが反テロ法を根拠に行った電話盗聴や家宅捜索を違憲と訴えるとともに、「(同氏が)イスラム教徒であることから、容疑者として捜査標的になった」と糾弾していた。(時事通信 2007/09/27)米大手電話会社、令状なしに通話記録提供
16日付の米紙ワシントン・ポストは、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが2005年以降、裁判所の令状なしに数百回にわたり、米連邦政府機関に顧客の通話記録を提供していたと伝えた。
米下院エネルギー・商業委員会に所属する民主党議員の照会に対し、ベライゾンが書簡で回答した。書簡によると、緊急を要する要請だったため、同社はその正当性や必要性を十分に吟味しないまま通話記録の提供に応じていたという。
書簡によると連邦捜査局(FBI)は、電話をかけた個人顧客だけでなく、その電話を受けた市民や、電話を受けた市民がさらに電話した相手を特定する情報も提供するよう求めており、政府による通話記録収集活動の一端が明らかになった。(共同)(産経新聞 2007/10/16)英国へのビザ申請、日本人にも指紋採取を義務づけ
【ロンドン=森千春】英政府は8日から、英国入国ビザを申請する日本人に対して、指紋を採取する。
テロ取り締まりのための出入国管理強化の一環。日本人のビザ申請の際に、指紋データの提供を義務づけるのは、米国に次いで英国が2番目となる。
ビザ取得が必要なのは、英国に6か月以上滞在する場合で、短期の観光旅行などは対象外。英政府は、すでにパキスタン、イランなど計93か国からのビザ申請の際に指紋を採取している。来年からは、欧州連合(EU)加盟国国民など、ビザが免除されている場合を除き、ビザを申請する全外国人に対して指紋採取を行う方針。(読売新聞 2007/11/06)鉄道駅で空港並み荷物検査 英がテロ防止強化策
【ロンドン14日共同】ブラウン英首相は14日、国内のテロ防止に向けた警備強化策を明らかにした。主要な鉄道駅で空港並みの荷物検査を導入するほか、新たに160人の「対テロ・アドバイザー」を組織し商店街などの警備指導に当たらせるとしている。英国では6月に、ロンドンでの車両爆破未遂事件に続き、同国北部のグラスゴー空港に車両が突入するテロが発生。警戒態勢見直しを進めていた。(共同通信 2007/11/15)米入国の外国人、両手すべて指紋採取 入国審査厳格化
米政府は29日からテロ対策を目的にした外国人の入国審査をさらに厳格にし、両手すべての指からの指紋採取を始める。国土安全保障省によると、首都ワシントン近郊のダレス国際空港から段階的に全米の主な空港に広げていくという。
入国審査時の外国人からの指紋採取は「US―VISIT」プログラムと呼ばれ、01年の同時多発テロを受けて04年に始まった。現在は両手の人さし指に限られているが、個人を特定する精度の向上を目的に10本の指からの採取に踏み切った。
29日からダレス国際空港で先行的に実施し、08年初めにボストン、シカゴ、デトロイト、アトランタ、ヒューストン、マイアミ、ニューヨーク(JFK)、オーランド、サンフランシスコの9空港でも始める。すでに査証発給の際には、指10本からの指紋を採取している。
日本で20日から始まった新審査制度は、両手人さし指の指紋を採取している。(朝日新聞 2007/11/22)テロ抑止…米、指紋など個人情報の収集拡大
【ワシントン=山本秀也】米紙ワシントン・ポスト(22日付)によると、米連邦捜査局(FBI)は、指紋のほか、耳の輪郭や瞳の模様などのデータを大量に蓄積する世界最大の生体認証(バイオメトリクス)システムの構築計画を固めた。米政府は入国者から両手すべての指紋を採取する制度を今月から順次実施しており、テロ抑止や犯罪捜査に向けた個人の生体情報の収集と活用を飛躍的に広げる構えだ。
FBIの計画では、現在5500万件保存する指紋のデータベースを耳の輪郭や顔の形などに広げ、テロ抑止や犯罪捜査の照会に当てる。予算は当初、10億ドルを予定。計画を担当するFBIの犯罪司法情報部では、この巨大データベースにより、「大きく、速く、効率的」な情報照会が可能になるとしている。
米中枢同時テロ後、米政府は国際テロ組織アルカーイダ構成員の割り出しなど、テロ抑止に向けた生体情報の収集を広げてきた。国防総省では、イラク、アフガニスタンで収集した150万件の指紋などを蓄積しているほか、国土安全保障省は海外での査証(ビザ)申請や入国審査で収集した数百万件の指紋データを管理してきた。
入国審査では、今月からワシントン近郊のダレス国際空港で、入国者の指紋採取がこれまでの指2本から両手すべてに拡大された。両手の指紋採取は、年明けからサンフランシスコ、ニューヨークなどの主な国際空港に広げられる。
こうした生体認証に関する情報は、すでにFBIなど他省庁との連携が進んでいた。水際での指紋収集の強化には、入国審査に長い時間を要するとして異論はあるが、テロ抑止のため必要とする見方が米国内では圧倒的に強い。米国内の人権団体や韓国系などの移民組織についても、指紋採取を問題視した大規模な反対運動は伝えられていない。(産経新聞 2007/12/23)「過激サイト」の取り締まり強化=テロ対策で英政府
【ロンドン17日時事】スミス英内相は17日、ロンドン市内でテロ問題について講演、若いイスラム教徒らが過激化するのを防ぐため、過激思想をあおるウェブサイトの取り締まりを強化していく方針を明らかにした。
同内相は「人々がテロリストになったり、テロを支援したりするのを防ぐことは、われわれが直面している長期的な難問だ」と指摘。今後、インターネットプロバイダーなど通信業界と協力して、イスラム過激主義を助長するサイトへの対策を進めていく考えを表明した。(時事通信 2008/01/18)FBIが生体情報蓄積へ プライバシー侵害懸念の声も
ウェストバージニア州クラークスバーグ(CNN) 米連邦捜査局(FBI)は容疑者特定精度の向上に向けて、掌紋や虹彩、入れ墨といった生体情報の巨大データベースを構築する。近くデータベース構築に関する総額10億ドル、期間10年間の大型契約を発注する予定で、国境警備やテロ対策に活用する意向だ。
FBIは既に収集した指紋5500万セットをを今後も重視するが、身元特定の新たな手段として様々な生体情報との照合を実施し、容疑者の身元を絞り込みたい考え。手始めとして既に掌紋収集を開始し、顔写真や傷跡、入れ墨の画像も収集中。データは当地のFBI施設地下にあるコンピューターに蓄積される。近く虹彩による身元照合が開始される可能性もある。
施設付近にあるウェストバージニア大学の認知技術研究センターは、FBIが将来使用する生体認証技術を試験中だ。同センターの関係者は、異なる生体情報を組み合わせることで認証精度が向上するとしている。
人権問題の専門家らは情報収集に伴うプライバシー侵害を懸念しており、「いつどこでも一挙手一投足を監視される社会の始まりだ」と警戒する向きもある。ただ、FBIは、収集した個人情報を全て保護し、適用を犯罪者や機密情報を扱う職務を希望する人々に限定していると主張する。
生体認証技術の信頼性をめぐる疑問も残る。2006年にドイツで行われた研究によると、混雑している鉄道駅で顔による認証を行ったところ、精度は昼間60%だったが、夜になって光の状態が変わると10─20%に低下した。専門家は、今のところ精度が高い認証手段として虹彩と指紋を挙げているが、将来的には歩き方のくせなどあらゆる種類の認証方法が登場する可能性もあると指摘している。(CNN 2008/02/05)EUも渡航者に指紋提出など義務付け、テロ対策で
【ブリュッセル=尾関航也】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は13日、テロ対策の一環として、日本を含むEU域外からの渡航者に指紋提出などを義務付ける入国管理強化法案を発表した。
加盟諸国と欧州議会で承認されれば、2015年までに施行される。
法案は、域外からの渡航者に対し、査証(ビザ)申請や入国の際に、顔写真や指紋などの生体認証情報の提出を義務付ける内容。テロ組織メンバーや犯罪者の入国防止や、不法移民の摘発に利用する。
日本と米国はすでに同様のシステムを導入している。EUは加盟各国の入管システムの統一に時間がかかるため、法案が成立しても、施行は早くて2012年になる見通しだ。(読売新聞 2008/02/14)生体認証IDカード 今年11月から段階的に導入 英国
【ロンドン=木村正人】 英国のスミス内相は6日、指紋や顔写真など生体認証(バイオメトリックス)情報が組み込まれた電子身分証明カード(IDカード)を今年11月から段階的に導入する方針を発表した。2017年の全面実施を目指している。テロ対策や不法移民対策を強化するのが狙いだが、市民団体は「人権侵害だ」と反発している。
内相の発表によると、11〜12年から16歳以上のパスポート申請者はすべて生年月日、住所のほか、指紋や顔写真などの個人情報を国民識別情報登録データベースに登録する。このほか、(1)今年11月以降、欧州連合(EU)外からの移民を対象にIDカードを発行(2)来年から、特別な警戒を要する空港で働く条件として英国民やEU内からの移民計20万人にIDカードの取得を義務化(3)10年以降、銀行口座を開設する学生に取得を促進(4)11〜12年から生体認証付きパスポートを発行する際、取得を選択−するなどの手順でIDカードの普及に努める。
内相は「15年までに移民の9割がIDカードを携帯するようにするのが狙い」と話した。
英政府は当初、08年中に英国民にIDカードを発行し、10年に広く普及させる予定だったが、昨年、個人情報紛失事件が相次ぎ、計画の大幅修正を余儀なくされた。フランスは9割以上がIDカードを携帯しているが、それ以外の国はIDカードの導入には慎重だ。(産経新聞 2008/03/07)テロ防止で2万2000人監視 スミス英内相
【ロンドン13日共同】13日付の英日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドによると、スミス英内相は同紙との単独会見で、テロ防止のために当局が2万2000人の行動を監視していることを明らかにした。
英政府はこれまで監視対象者を「少なくとも1600人」(英情報局保安部)としていた。同紙によると、内相は「200の(テロ関連)グループと30のテロ計画がある」とも指摘。「脅威は実際に増大」しているとし、警察の捜査権限を強化する反テロ法の改正は不可欠だと述べた。
ブラウン政権は、テロ容疑者を起訴しないまま警察が拘束できる期間を28日間から42日間に延長する法改正案を提出。しかし、与党労働党内からも異論が相次ぎ、下院で可決されるかどうかは微妙な情勢となっている。(共同通信 2008/04/13)25メートル先から衣服の下を透視可能、高性能カメラ開発
ロンドン(CNN) 英国の企業がこのほど、25メートル先からでも人物の衣服を透視し、体に身につけた金属などを発見できる高性能カメラを開発した。空港など公共の場所において、テロ防止対策の大きな力になるとしている。
英スルービジョンの「T5000」は、テラヘルツ波を利用して、衣服の下にある金属や非金属などを見つけることができる。これまでにも同様の技術は世界各国の空港で採用されているが、「T5000」はより開かれた空間でも利用でき、時間をかけずに身体検査が可能だという。
また、放射線を発することなく、爆発物や液体、麻薬、武器、プラスティック、セラミックなどを識別できる。すでに、ロンドンのカナリー・ワーフの金融街に導入されているという。
高性能で、武器などの発見に役立つ一方、知らないうちに自分の体を透視されている可能性があるため、プライバシー侵害にあたるのではないかと懸念する声もある。
しかし、スルービジョンのクライブ・ビーティ最高経営責任者(CEO)は、衣服の下を透視するからといって、解剖学的な体の特徴が見られることはないと説明。「電球で光を当てるようなもので、心配することはない」と話している。(CNN 2008/04/16)入国管理に顔の自動認識装置導入=英空港
【ロンドン25日AFP=時事】英国政府は25日、治安強化のため、欧州諸国からの航空旅客に対して今夏から顔の自動認識技術を導入すると発表した。
これは、入国する旅行客が無人のゲートを通過する際、その顔をスキャンし、生体認証式のパスポートに記されているデータと比較するもの。英内務省当局者は「わが国は国境管理が世界で最も厳重な国の1つで、それだけ時間もかかる。しかし、長時間待たせることは避けたい」とし、この新技術導入への期待感を表明した。
英国は近く、欧州連合(EU)諸国のほか、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインからの旅行客を対象にテスト運用を行う。ガーディアン紙によると、英政府はどの空港をテストに参加させるかについてまだ決定していないという。(時事通信 2008/04/25)旅行者に入国事前承認制=ビザ免除対象国に来年1月から−米
【ワシントン3日時事】米国土安全保障省は3日、観光や商用目的で短期間、米国に入国する場合にビザ(査証)が免除されている日本など27カ国の旅行者は、来年1月12日から少なくとも出発3日前までに同省がウェブサイト上に開設する旅行承認電子システムで入国を事前申請し、承認を得なければならないと発表した。
同省は「テロ対策上、ビザ免除者が搭乗前に入国適格者であるかどうかを調べるため」と説明している。申請するのは、現在、ビザ免除者が米国に入国する際に税関・国境警備局審査官に提出している「I−94W」と呼ばれるカードの質問内容。通常は航空機などの中でカードが配布され、氏名や生年月日、滞在先を記入する。
承認されても、入国審査は受けなければならない。取得した承認の有効期間は2年間で、パスポートが失効した場合などには再取得の必要がある。入力情報は米捜査機関のために12年間保管される。(時事通信 2008/06/04)米国:「令状なし盗聴」合法化へ
【ワシントン大治朋子】米上院は9日、テロ対策の一環として令状なしの盗聴政策を法制化する「改正外国情報監視法案」を賛成多数で可決した。同法案は先月すでに下院を通過しており、ブッシュ大統領の署名を経て成立する。盗聴に協力した通信会社などを訴訟から守る免責条項を盛り込むなどブッシュ政権の意向を強く反映した内容になっている。
改正法案は国家安全保障局(NSA)に対し、「緊急」と認められる場合は令状なしで盗聴できるとした。法案審議では「国家の安全」と「個人の人権」のバランスが問われ、上院は賛成69、反対28で可決した。次期大統領を目指す共和党のジョン・マケイン上院議員は投票せず棄権。民主党のバラク・オバマ上院議員は「令状なしの盗聴」を強く批判する姿勢を示していたが、賛成に回った。
政権は01年9月の米同時多発テロ後、大統領権限で秘密裏に「令状なし盗聴」を開始。05年12月、米紙の報道で実態が明らかになり、人権団体などが「プライバシーの侵害」と批判していた。(毎日新聞 2008/07/10)米「盗聴」法が成立 大統領署名
【ワシントン=弟子丸幸子】ブッシュ米大統領は10日、国際テロやスパイ活動の容疑者への通信傍受を定めた海外秘密情報監視法(FISA)改正案に署名、同法が成立した。政府の情報機関は裁判所の令状なしに、電話の盗聴や電子メールの閲覧などができるようになる。ただ、政府による通信傍受への反発は米国内で根強く、合憲性を問う議論が今後も続きそうだ。
大統領は同日、署名にあたり「敵が誰と何を話し、何を計画しているかを知らねばならない」と記者団に語った。同時に「この法律は米国への新たな攻撃を防ぐ上で極めて重要だ」と令状なしの通信傍受の必要性を訴えた。
改正法は米国に対するテロを未然に防止することを目的としたもの。米国外でテロが計画される状況を想定し、外国にいる人物の通信傍受を認めている。この際に海外と米国との電話や電子メールも監視対象となるため、米国民のプライバシーを侵害するとの批判につながっている。同法では情報提供に協力する通信会社の免責事項も盛り込んでいる。(日本経済新聞 2008/07/11)米国 反戦活動家が捜査当局によって「テロリスト」に
米東部・メリーランド州の反戦活動家や死刑廃止を求める市民団体のメンバーが、州や連邦政府が作成する「テロリスト」の人名データに登録され、そうした人々が主催する集会やデモ、さらに使用するEメールも恒常的に捜査当局のスパイによって監視されていた事実が、このほど情報公開法で入手した捜査資料によって明らかになった。
公開されたのは、2005年3月から06年5月までの288時間に及ぶ監視記録46ページ分。それによると、20あまりの州内の集会に州警察の「バルティモア情報部」と呼ばれる機関からスパイが送り込まれ、反戦活動家のリーダーの「主要犯罪」が「テロリズムー反政府」という項目に入れられ、「対テロデータベース」に登録されている。だがこうした団体や参加者は暴力など違法行為をしておらず、思想だけで「テロリズム」と認定され、監視理由になっていた。(編集部)(週刊金曜日 2008年7月25日号 vol.712)全国民の生体認証DB設置、イスラエル政府が閣議決定
【エルサレム=三井美奈】イスラエル政府は3日、全国民の指紋や顔の骨格などの生体認証(バイオメトリクス)情報を集めたデータベースの設置を閣議決定した。
国会での承認を経て、来年中に法制化される見通し。
法案によると、情報は旅券や身分証にも記録され、協力を拒否した者は最高1年の禁固刑に処せられる。内務省報道官は「国内で年間15万件の身分証の紛失や偽造、盗難事件が起きており、犯罪防止に役立つ」と述べているが、人権団体は「データベース化は、個人情報流出の危険がある」と一斉に反発している。
イスラエル紙ハアレツによると、全国民を対象にした生体認証情報のデータベースは、クウェートやイエメンなどで導入が進んでいる程度だという。(読売新聞 2008/08/05)メキシコ、誘拐対策で体内に発信機を埋め込む人が増加
【ケレタロ(メキシコ)21日ロイター】裕福なメキシコ人のなかには、誘拐事件の増加を恐れて、多額の資金を投じて体内に衛星発信機を埋め込む人たちがいる。誘拐犯の隠れ家や車のトランクの中に押し込められても、衛星を頼りに見つけてもらうことができるからだ。
メキシコ当局の発表によると、同国の誘拐件数は、2004年から2007年の間に約40%増加した。メキシコは、イラクのような紛争が絶えない場所やコロンビアと並んで、最も誘拐件数の多い国のひとつとなっている。
中流階級の人たちの間でも、超小型チップを体内に埋め込もうとする人々が増えている。そうした超小型チップのデザインと販売を手掛けるXega社の売上高は今年に入って13%増加している。
同社のサービスは、顧客の体内に注射器で米粒ほどの大きさのクリスタルで覆われたチップを埋め込み、緊急時には、そのチップが衛星を通じて信号を発信し、正確な位置をつきとめるというもの。発信機の価格は4000ドル(約43万円)で、そのほかに年間2200ドル(約24万円)の費用がかかる。(ロイター通信 2008/08/23)DNAで男性犯罪者の「名字」判定も可能に=英研究
【ロンドン8日ロイター】英レスター大の研究者らは8日、父親から息子に受け継がれるY染色体の DNA分析に基づき、同じ名字の男性は遺伝子的なつながりを持つ可能性が高いことを証明したと発表した。これにより、警察がDNA情報のみから事件の容疑者や被害者の名字を割り出せるようになる可能性がある。
2500人の男性を対象にした調査では、同じ名字を持つ2人が同じかほぼ同じY染色体タイプである確率は平均24%だったが、珍しい名字の人たちでは約50%、「アッテンボロー」や「スウィンドルハースト」といった名字では70%以上と高かった。
研究者は、名字とY染色体のタイプをデータベース化すれば、DNAだけで名字を予想できるかもしれないため、犯罪科学の面で役立つ可能性があるとしている。(ロイター通信 2008/10/09)政府が在外米国人の私的通話を盗聴と 元通訳兵らが告発
ワシントン(CNN) 米国家安全保障局(NSA)がテロ監視活動の一環と称して、外国に滞在する米国人と国内の家族や恋人らとの国際電話を盗聴、記録していたとの疑惑が浮上し、米議会が調査に乗り出している。米軍で通訳を担当していた元兵士2人が、9日放送の米ABCテレビの番組で、盗聴にかかわった経験を明かした。
ABCとのインタビューに応じたのは、元陸軍予備兵のアドリエン・キン氏と、元海軍のデービッド・マーフィー・フォーク氏。ともに通訳要員として、ジョージア州にあるNSAの通信傍受施設に勤務していた。
ブッシュ政権が設けたテロリスト監視プログラムでは、テロ容疑者のかかわる国外との通信を、情報機関が令状なしで傍受することが認められている。プログラム発足時にNSA局長だったヘイデン中央情報局(CIA)長官は、「国民の私的な会話を傍受することはないし、偶然傍受してしまった場合はただちに記録を削除する」と強調してきた。
だが両氏がABCに語ったところによると、NSAでは日常的に、イラクなどに駐留する米兵や、ジャーナリスト、支援活動家らが、国内の家族らと交わした会話を傍受していた。「テロとは何の関係もない人々が、個人的、私的なことを話していた」「だれかが傍受した恋人同士の会話などを仲間に聞かせることもよくあった」と、両氏は指摘する。疑問を感じて上官に訴えても、そのまま記録を続けるよう指示されるばかりだったという。
これに対し、NSAの報道担当者は「通信傍受は法や規則にのっとって行われている」と反論。内部調査の結果、一部の指摘はすでに「根拠なし」と判断され、引き続き徹底的な調査を進めていると述べた。
両氏の告発は、NSA批判で知られるジム・バンフォード氏が来週出版する新著「The Shadow Factory」にも紹介されている。同氏はCNNとのインタビューで、「2人の話から、NSAが一般国民の私的会話を聞いて記録し、削除せずに保管していたことは明らかだ」と語った。
上院情報特別委員会のロックフェラー委員長はこの件について、「国民のプライバシーと自由にかかわる重大な問題だ」とコメント。委員会として、NSAの監視業務に問題がないかどうかを厳しく追及していく構えを示している。(CNN 2008/10/10)「搭乗拒否リスト」に2500人 米テロ監視対象者の人数公表
ワシントン(CNN) 米国土安全保障省(DHS)のマイケル・チャートフ長官は22日、米政府のテロリスト監視リストに登録された人物の人数を初めて公表した。
チャートフ長官によると、運航の安全を脅かす恐れがあるとして航空機への搭乗を認めない「搭乗拒否リスト」に記載されている人物は2500人。うち米国人が約10%を占めるという。また、搭乗は認めるが厳重な検査の対象とする「セレクティーズ」リストには1万6000人が記載されている。
人権保護団体の米自由人権協会は、同リストには2001年の同時多発テロ以降、100万人以上が記載されたと推定していた。
ただ、一般の旅行者がリストに掲載された人物と間違われ、空港で厳重なチェックを受けるといった問題も発生している。このため米政府は22日、こうした問題を防ぐための新制度「セキュアフライト」を発表した。
この制度では航空会社に予約を入れる段階で搭乗者の氏名、生年月日、性別を登録。その情報を米運輸保安局(TSA)に送り、監視リストと照らし合わせる。監視対象者と間違われる人は、これで大幅に減るだろうとDHSは予想している。(CNN 2008/10/23)米国境で個人情報読み取り機を導入〜国土安保省、「スキミング」の懸念も
カナダやメキシコと米国との国境の一部に、パスポートなどの身分証明書から、無線ICタグ技術を使って個人情報を読み取る装置が導入されている。
USAトゥデイによると、読み取り機が設置済み、あるいはすでに設置が決定しているのは、ワシントン州ブレイン、ニューヨーク州バッファロー、ミシガン州デトロイト、アリゾナ州ノガレス、カリフォルニア州サン・イシドロの5カ所。バッファローでは11月28日から、ブレインとノガレスではすでに稼動中。残り2カ所は今後数カ月以内に稼動される予定だ。
新装置の導入は、国土安全保障省が新たに打ち出した国境警備の強化と入国処理の迅速化を目的としたもの。現在、米政府が発行しているパスポート、パスカード(カードサイズのパスポート)、運転免許証などの身分証明書は、所有者の氏名や誕生日、国籍などの個人情報とデジタル写真を含むICチップを内蔵している。新装置は、無線ICタグ(RFID)技術を使い、身分証明書の情報を離れていても読み取ることができる。
税関の係員は、車が検問所にさしかかる時点で、車内の人物の顔写真と個人情報を把握。氏名が監視リストまたはデータベースの情報と一致すれば、当該者は別室に呼ばれ質問を受ける。税関国境警備局は同装置の導入で、国境での手続きがより効率的になると説明している。
これに対しプライバシー擁護団体は、テロリストやほかの犯罪集団が同様の技術を用いて、パスポートなどから個人情報を読み取る可能性があると警告している。「スキミング」と呼ばれる情報読み取り技術を使うと、最大50フィート離れた場所からでも情報の搾取が可能だという。さらに、国境以外のほかの場所でも悪用される危険性を指摘する。
国土安全保障省は、装置がICチップから読み取るのは個人情報ではなくコードのみで、そのコードによってデータベース上の個人情報がモニターに表示されると説明している。また、パスカードは使用しない時は情報漏れを無くすために保護用ケースに入れるようになっている。
来年6月からアメリカ国境を越えるすべての人にID表示が義務づけられる。これまでに国務省によるパスカードは60万枚、ワシントン州とニューヨーク州によるIC入り運転免許証は4万枚発行されている。(U.S. FrontLine 2008/11/24)チップ埋め込んでHIV感染者を監視、インドネシアで窮余の条例案
【ジャカルタ=佐藤浅伸】エイズウイルス(HIV)感染者の皮膚にマイクロチップを埋め込み、信号を受信して性行動を監視する──。
インドネシア東端パプア州で、異例の条例案が可決される見通しが強まっている。
感染拡大に歯止めをかけるための窮余の策だが、民間活動団体(NGO)などから「人権侵害だ」と強い批判が出ている。
条例案によると、「性的に活動的」な感染者・患者が対象で、故意に他人を感染させた場合、最高で禁固6月か罰金5000万ルピア(約40万円)が科せられる。また、全州民にHIV検査を義務付けている。
パプア州は独立紛争が続いたことから外国人の立ち入りが制限され、情報面で立ち遅れた。エイズ教育も普及しておらず、感染者・患者数は累計で約4300人に上り、ジャカルタ特別州と並んでずば抜けて多い。
現地からの報道によると、法案は近く可決され、年内にも施行される可能性が高いが、エイズ問題に取り組む地元NGOなどは「感染者は同じ人間であり、動物ではない。予防のための最善の方法は教育の普及とコンドームの使用の徹底だ」と反発している。(読売新聞 2008/12/01)英国のDNA情報保管は権利侵害と、欧州人権裁判断
ロンドン──欧州人権裁判所は4日、英国が犯罪容疑者のDNAや指紋情報を、起訴取り下げなどで有罪とならなかった場合でも保管し続けているのは、容疑者だった人物の私的生活を守る権利を侵害しているとの判断を下し、英当局に対して訴えを起こした英国人2人に裁判費用の支払いを命じた。
英国では犯罪発生時、逮捕者のDNAと指紋情報を収集し、容疑者の有罪・無罪にかかわりなく、データを保管。現在、当局は約450万人分の情報を保管している。
このシステムに対し、いったんは逮捕されて起訴取り下げや無罪となった英国人男性2人が、当局が指紋情報などを保管し続けているのは、私生活を守る権利を侵害していると訴えた。
2人は、パートナーに嫌がらせしたとの容疑で2001年3月に逮捕され、3カ月後に相手と和解して起訴取り下げとなったマイケル・マーパーさんと、2001年1月に強盗未遂容疑で逮捕された少年Sさん。Sさんは逮捕当時11歳で、現在も未成年のため氏名などの詳細は明らかになっていない。Sさんはマーパーさんの起訴取り下げが決まった01年6月に、無罪となっていた。
欧州人権裁判所は、英当局が容疑者の生体情報を保管し続けることは、欧州人権条約に反すると判断。2人に対し、4万2000ユーロ(約500万円)の支払いを命じた。
この判断に、マーパーさんは「英当局が犯罪捜査にDNAを利用する考え方には反対していない。有罪となった被告については、生体情報を保管し続けてもよいと考える」と述べ、犯罪捜査における生体情報の利用そのものについては認める立場を強調。しかし、「有罪とならなかった場合については、生体情報は破棄するべきだ」と主張している。
一方、ジャッキー・スミス英内相は欧州人権裁の判断について「残念だ。DNAや指紋情報により、毎月3500件以上の容疑者が判明しており、生体情報は犯罪捜査において必要不可欠なもので、正義のための情報保管だ」と反論している。(CNN 2008/12/04)米副大統領側近が反対派監視 メール傍受と米誌報道
【ワシントン3日共同】2日の米誌バニティ・フェア(電子版)はブッシュ政権の8年間を回顧する特集記事で、強硬派のチェイニー副大統領の側近がホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)メンバーの電子メールを盗み読みし、反対派や穏健派の動向を監視していたなどの「秘話」を紹介した。
NSCは外交・安全保障問題に関し、米省庁間の政策を調整、決定する機関。パウエル前国務長官の首席補佐官だったウィルカーソン氏によると、NSCのあるメンバーは副大統領らの側近にメールを見られていることに気づいた。
この人物は監視の実態を調べるため、副大統領の右腕だったリビー首席補佐官(当時)の怒りを買うようなメールを試しに第三者に送ってみたところ、1時間もしないうちに首席補佐官が職場にやって来たという。
同誌はこのほか、大型ハリケーン「カトリーナ」が2005年夏に米南部を直撃した際、連邦政府の対応が遅れたことが政権の命取りになったとする複数の元高官による証言を掲載。このうちバートレット元大統領顧問は「政治的には、あれが(ブッシュ政権という)ひつぎに打ち込まれた最後のくぎだった」と述懐した。(共同通信 2009/01/03)搭乗客を「丸裸」にする探知機に待った、法整備必要と 米国
ジョージア州アトランタ(CNN) 空港のセキュリティ・チェックで試験導入されている最新鋭の探知機が、搭乗客をまさに「丸裸」の状態で映し出しており、法整備がないままに本格導入するのはプライバシー保護の観点から問題があるとして、米国のプライバシー保護団体が国土安全保障省に対し、機器の使用一時停止を求める訴えを起こす計画を立てている。
保護団体が反発しているのは、「whole-body imaging」と呼ばれる機器。2007年11月にアリゾナ州フェニックスの空港で初めて導入され、現在では全米で40台が導入されている。1台あたりの価格は17万ドル(約1632万円)。米運輸保安局(TSA)によれば、米国の19空港で試験導入している。
TSAによると、この機器は金属と非金属の両方を探知することができるため、搭乗客の安全に非常に役立っているという。また、搭乗客1人あたりの探知時間が15─30秒と短くて済む。職員が金属探知機を手に持って調べる現在の方法では搭乗客1人あたり2─4分ほどかかっているため、時間が短縮され効率が良いといった利点を強調している。
しかし、プライバシー保護団体は、人間の体が丸裸の状態で映り、まるでストリップのようだと指摘。この機器の利用の目的や是非などについて「航空乗客は知る必要がある」として、なんらかの法整備が必要だと訴えている。(CNN 2009/05/19)米国、陸路でも入国時のパスポート提示義務付け
(CNN) 米国土安全保障省は6月1日から、陸路で米国へ入国する米国人やカナダ人に対しても、パスポートなど身分を証明する文書の提示を義務付ける。
空路ではすでに、2007年1月23日から実施されている「西半球海外渡航イニシアチブ(WHTI)」の一環で、カナダと米両国の国境警備当局に周知する。
WHTIは2001年9月11日の米同時多発テロを受けて定められた。(CNN 2009/05/27)ブッシュ政権時代の盗聴活動、成果は限定的と 調査報告
ワシントン(CNN) ブッシュ前大統領が米同時多発テロ以降、テロ計画を阻止するためとして、国家安全保障局(NSA)による令状なしの盗聴活動を大統領権限で許可していた問題をめぐり、司法省、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)などの監察官による調査報告が発表された。情報当局者らへの聞き取り調査の結果、盗聴によって得られた情報がテロ阻止につながった具体例はほとんどなかったことなどが明らかになった。
ブッシュ大統領が盗聴作戦の存在を認めたのは05年。裁判所からの令状なしの盗聴を禁止した78年の外国情報監視法に違反するとして問題となったが、大統領や政権高官らは、盗聴から得た情報がテロを阻止し、人命を救ったと主張、成果を強調していた。
しかし、報告書は「盗聴内容の大部分は、テロとは無関係と判定された」と指摘。情報当局者の多くは「盗聴が直接テロの阻止につながった例を、具体的に挙げることができなかった」としている。
報告書によると、CIAには盗聴によって得た情報の有用性を検証する仕組みがなく、それぞれの情報がテロ対策にどう結び付いたかは記録されていない。また、FBIやCIAの要員からは、「盗聴から得られた情報には詳細が不十分だった」「情報の提供を受けられるのはごく少数の職員に限られていたため、十分に活用できなかった」などの批判も上がったという。
報告書について、上院情報特別委員会のファインゴールド議員は「違法な盗聴作戦がどれだけひどく、有害だったかを示している」と語った。(CNN 2009/07/13)まるで秘密警察!ドイツ銀行で記者など監視
【ロンドン=是枝智】独銀最大手のドイツ銀行は22日、機密情報が外部に漏れるのを防ぐため、行内の一部が同行の役員や株主、記者らを監視するなど、プライバシー保護の点で法的に問題のある行為が2001〜07年に4件あったと公表した。
関与した安全対策部門と投資家向け部門の責任者2人を解雇した。
ドイツの大手企業では昨年以降、盗聴事件などが相次いで発覚しており、旧東独で市民を監視していた秘密警察シュタージを連想させる「スパイ・スキャンダル」(英紙フィナンシャル・タイムズ)として批判の的となっている。
ドイツ銀が調査を依頼した法律事務所の報告によると、組織的な関与はなかったが、マスコミへの情報源を突き止めるため、安全対策部門が外部に委託し、監査役や記者を監視した例があったという。独メディアによると、連邦データ保護法(日本の個人情報保護法に相当)違反などの疑いで検察当局も捜査に乗り出す可能性がある。
ドイツでは08年に、通信大手ドイツテレコムが、自社の機密情報が漏えいするのを防ぐため自社の役員と記者の通話を盗聴するよう外部の企業に依頼していたことが発覚。旧国鉄のドイツ鉄道でも09年3月、社員の電子メールを秘密で監視し、削除したりしていたことが明らかになり、社長が辞任に追い込まれた。(読売新聞 2009/07/23)1日300人以上の無実の人のDNA情報が英国の犯罪データーベースに
DNA鑑定の発祥地英国では、捜査当局が犯罪の現場や逮捕者の唾液からDNA情報を採取し、これを1995年から「国家DNAデータベース」として蓄積している。その中味は容疑者あるいは犯罪者のデータベースだ。英国の総人口の85%が在住するイングランド・ウェールズ地方では、逮捕後、無罪と判明しても、DNA情報を永遠に保管し続けるため、人権団体などから非難が起きている。野党自由民主党の調べでは、毎日300人以上の無実の人のDNA情報が、国家データベースに新規に保管されているという。...(ロンドン=小林恭子)(日刊ベリタ 2009/07/24)携帯や定期、クレジット… 捜査照会で情報『筒抜け』
IT(情報技術)化が進み利便性が高まる半面、個人情報の蓄積も増大している。携帯電話やクレジットカード、ICカード定期券…。検察への情報提供が明らかになったタスポ以外にも、日常生活の情報が詰まった必需品は多く、取り扱う事業者は捜査照会に対応。程度の差はあれ、本人の意思と関係なくプライバシーが『筒抜け』になっているのが実態だ。
2003年の個人情報保護法の成立以後、公私を問わず個人情報の取り扱いは慎重になったが、刑事訴訟法は「裁判の執行や捜査について、公務所(官公庁)や公私の団体に照会して必要事項の報告を求めることができる」と規定。捜査当局はこれを根拠に照会する。
ただ、応じるかどうかは任意で、役所や企業側が提供を拒めば、当局が裁判所に令状請求して差し押さえる場合もある。(共同)(U.S. FrontLine 2009/07/26)監視カメラ設置地域拡大へ=テロ対策を強化−NY市
【ニューヨーク時事】5日付のニューヨーク・タイムズ紙などによると、ニューヨークのブルームバーグ市長はテロ対策強化のため、中心地マンハッタンで監視カメラの設置エリアを拡大する方針を表明した。同市では先月、地下鉄などの爆破計画が発覚し、テロへの懸念が再燃している。
新たに対象となるのはエンパイア・ステート・ビルや国連本部があるミッドタウン地区。監視カメラのほか、自動車ナンバーの読み取り装置や兵器の感知器を含めた警戒網が2011年までに本格稼働する見通しだ。(時事通信 2009/10/06)
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