狂牛病 BSE

[2006-2008]



BSE発症実験、国内で初成功か 北海道の試験場
牛海綿状脳症(BSE)を人工的に発症させる実験をしている北海道立畜産試験場(北海道新得町)で、数頭の牛にBSEの初期症状とみられる兆候が確認された。今月中に牛を解剖し、感染の有無を確定する。同様の実験は英国で成功しているが、国内では確認されていない。BSE発症メカニズムの解明や、生前の診断法の確立などにも役立つという。
同試験場によると、04年2月、同7月、同9月の3回、BSEで死亡した牛の脳0.1グラムを、ホルスタインの雌牛計14頭の脳内に直接接種。その結果、2月に接種した6頭のうち数頭が、歩く際にふらついたり、音に敏感になったりするBSE初期とみられる症状を示したという。
これらの牛は昨年末、動物衛生研究所プリオン病研究センター(茨城県つくば市)に運ばれた。同所で解剖される予定。
試験場では「BSEの発症メカニズムの解明のほか、牛の体内でどのように感染が広がるかや、生前にBSEを診断する方法の確立にも役立つ」と期待している。(朝日新聞 2006/01/04)

食肉処理場から逃亡の牛、脱出成功で「助命」に
【サルモン(米アイダホ州)10日ロイター】先週米モンタナ州の食肉処理場から逃げ出した1頭の雌牛が「助命」されることになった。関係者が10日明らかにした。
グレートフォールズにある食肉加工工場のマネージャーのモリスさんは、この牛がミズーリ川を渡り切るのを見た瞬間、助命することを決めたという。
その牛を今後どうするかについて、地元住民らは、モンタナ州の放牧地で飼い続けるか、シアトルの動物保護区域に送るかを電話による世論調査で選ぶ予定。
モリスさんによると、この雌牛「モリー」が今回の件で有名になったことから、テレビなど報道機関からのインタビュー依頼や、国内外からの問い合わせが殺到しているという。
モリスさんは、「これまでずっと牛を飼ってきたが、まったく驚いた。牛とは思えない行動をとった」と述べた。(ロイター通信 2006/01/11)

米国産牛肉、危険部位混入 業者を輸出停止処分
農務長官 再発防止策、早急に

【ワシントン=気仙英郎】ジョハンズ米農務長官は20日、日本に輸出された米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の病原体がたまりやすい特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入していた問題で緊急記者会見し、緊急措置として、今回の危険部位を出荷した施設に対し、輸出停止の処分を科したことを明らかにした。また、その施設を検査した係官も処分対象とする方針を示した。
長官は会見で、「容認できない失敗だ」と遺憾の意を表明。そのうえで、「われわれは日本の当局者と協力して、速やかかつ確実に行動する」として再発防止に向けた対策を早急に実施する考えを示した。今後、日本向けの輸出対象施設に対して再点検を実施。検査にあたっては、係官を2人以上配置するという。
今回の問題について、すでに加藤良三駐米大使に対し、事情説明を行っているが、さらに日本の当局者との連携を強めるため、農務省の担当者を日本に派遣した。また、日本に続いて米国産牛肉の輸入再開を決めている韓国やシンガポールなどに対してもBSEの対策強化を連絡し、理解を求めていく。
一方、問題の牛肉を出荷した食肉処理業者アトランティック・ビール・アンド・ラム(ニューヨーク州)は20日、「輸出の要件を間違って解釈した単純なミスだった」との声明を発表した。
同社によれば、問題の牛肉は生後4カ月半未満の骨付き肉という。ただ、同社の食肉は「米国市場で幅広く消費者に受け入れられている」として安全性に問題がないことも強調した。(産経新聞 2006/01/21)

ミスどころか知らないとは 危険部位混入のUSビーフ
危険な部位が混入した問題のUSビーフ。21日、単純ミスどころか米国の検査担当者が「除去」という対日輸出の基本ルールすら知らずに持ち込まれていたことが分かった。「信じられない」と憤る政府や専門家。「裏切られた思い」と頭を抱える外食産業。「このままでは誰も米国産を信用しない」。食の安全は一体、いつになれば確保できるのか。(共同)(産経新聞 2006/01/21)

米検査官ルール知らず 専門家ら「信じられない…」 BSE危険部位混入
「(SRMの)取り残しを見逃すなんてひどいと思ったが、(米国の検査担当官がSRMの除去という輸出ルールを)知らなかったなんて…」。1カ月前に輸入再開に踏み切った農林水産省の幹部はあきれたように語った。
BSEの病原体がたまりやすい脳などのSRMの除去と生後20カ月以下の確認は、日本向けの輸出条件。安全政策の「根幹」を検査官が知らなかったことは、政府にとっては予想だにしなかった事態といえる。条件順守の徹底がなされていない大きな問題に、米国に対策強化を求める声が高まっている。「食の安全」を監視してきた消費者問題研究所の垣田達哉代表も「危険部位の除去は基本中の基本。それすら認識していなかったのは信じられない」と話す。
輸入再開を決める内閣府の食品安全委員会の議論でも、検査体制を不安視する声は強かった。垣田代表は「検査を通った牛肉をさらに検査する第三者機関が必要。そうしなければ消費者が誰も米国を信用しない」と言い切る。
東京都渋谷区のスーパーでは、19日に米国産牛肉の販売を再開したばかりだったが、今回の事態を受けて20日夜、急遽(きゅうきょ)店頭から商品を撤去した。担当者は「販売予定の数量は少なく、消費者も冷静で営業への影響は限定的だろう」としながらも、「販売再開からたった1日で撤去とは…」とうんざりした様子だ。
米国では、日本向けと国内向けの食肉処理が同じ施設で行われており、今回のような事態が起きる危険性はあった。日本向けに別の処理施設を確保することは資金面で無理なためだ。それだけにより厳格な検査が必要だった。
今回の問題について、全国消費者団体連絡会(神田敏子事務局長)は21日、「日本のリスク管理の責任も大きい。(食肉処理施設の)査察はすべての日本向け認定施設を調査し、輸出プログラムが本当に順守できるかどうかの確認が求められる」との文書を、小泉純一郎首相、中川昭一農水相、川崎二郎厚労相あてに送った。(産経新聞 2006/01/22)

交通事故の方が確率高い 米次官、牛肉問題で本音?
来日中のペン米農務省次官は24日、都内の米国大使館で開いた記者会見で「車を運転してスーパーに行き事故に遭う確率の方が、牛肉を食べて病気にかかるよりも高い」と述べ、米国産牛肉の「安全性」を強調した。米国側は今回の特定危険部位混入問題では低姿勢を貫いているが、思わず本音が漏れた格好。
同次官は「バランスを取り、科学的に見てほしい」と訴えるが、食の安全に敏感な日本の消費者の感情を逆なでする恐れがありそうだ。
ジョハンズ米農務長官も昨年6月、米国で2例目となる牛海綿状脳症(BSE)の感染牛が確認された際、交通事故を引き合いに出した同様の発言をしている。(共同通信 2006/01/24)

消費者は冷静 米国産牛 なくても食卓困りません
米国産牛肉の輸入が再び停止された。外食産業などへの打撃は大きいが、一般の消費者は冷静に受け止めている。輸入がなかったこの2年間で、家庭では米国牛なしの食生活が当たり前になっているからだ。安さは魅力。しかし、安全性を犠牲にした拙速な輸入再開論には、消費者の批判の目が向けられそうだ。(杉戸 祐子)

「鶏肉と豚肉を中心に魚も取り入れてます。牛肉は月に1、2回食べるかどうか」。埼玉県熊谷市の主婦岡田教子さん(58)は、日ごろの食生活についてこう説明する。
牛肉は国産にこだわっている。「米国産は安いけれど、生産者が多すぎてルールが徹底できていない気がして。生産や流通のルートを知るには、多少割高でも仕方ないし、作り手や売り手との信頼関係を保つためのコストかな」
千葉県野田市のパート荒井則子さん(61)は「普段は魚が中心」という。牛肉は国産派で、今回の輸入停止には「やっぱりね…」と思った。「孫に好物の牛丼を作ってあげるとき、何よりも安全面が気になる。国産は高いけど、安心を買っていると思っています」
米国でBSE(牛海綿状脳症)が発生し、米国産牛の輸入が初めて停止されたのは2003年末。しかし、この年以降の国産牛の卸値は、わずかに上昇した程度だ。
「輸入停止をきっかけに消費者の選択が外国産から国産にシフトした。安全面を気にするようになったようです」と東京食肉市場(東京都港区)の担当者は分析する。
「年間平均がわずかに上昇したのも、国産牛の生産農家が減って供給量が落ちているから。今回の輸入再停止の影響は今のところない」とみる。
他方、輸入牛の動向を財務省の「日本貿易統計」でみると、輸入量の合計は03年が約52万トン、04年は約45万トン。米国産の輸入停止に伴って豪州産が増えているが、輸入量そのものは減っている。
日本消費者連盟(東京都新宿区)の水原博子事務局長は「安全性や価格面から牛肉以外の食材を中心に献立を組み立て、国産牛を時折取り入れるという家庭が増えているようですね」と語る。自身もお正月にだけ、国産牛のステーキを食べ、普段は魚と豚肉、鶏肉を主菜にしているという。
「わが家では牛肉はたまに食べるごちそう。そうすることで、子どもに食の喜びも教えられます。大量生産、大量消費で見逃されてきた食品の『質』を考え、安全面に投資することはぜいたくではありません」と呼びかける。
BSE問題に詳しい青山学院大学の福岡伸一教授(分子生物学)は、「輸入のなかった2年間、そして今回の再停止後も国内の一般消費者に混乱はない」と指摘。
「米国牛がなくても食卓は困らないぞ、ということの証左。外食産業への影響はあるが、政府は輸入再開を急がず、国内と同じ基準の安全が確保できない限り、米国牛を受け入れない強い姿勢を示すべきです」と訴える。

◇これまでの経緯◇

米国産牛肉は2003年末にBSEの発生が確認されたのに伴い輸入が禁止された。政府は(1)生後20カ月以下の若齢牛に限定(2)特定危険部位の除去−という条件付きで昨年末、2年ぶりに輸入を再開した。
しかし、今月20日、特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が残った牛肉が発見され、輸入は再度停止された。米国側は、安全確保の徹底を強調しているが、輸入再開のめどは立っていない。(東京新聞 2006/01/28)

民主調査団「米のBSE対策ずさん」・大手施設を視察
訪米中の民主党のBSE(牛海綿状脳症)議員調査団の山岡賢次衆院議員らは31日、ワシントンで記者会見し、前日訪れたカンザス州の大手食肉加工施設の視察結果を公表した。処理中の牛の脊髄(せきずい)が周囲の肉に飛び散り、洗浄も不十分だったと指摘。米牛肉の輸入再開条件である特定危険部位(SRM)の除去がずさんだと米BSE対策を批判した。
民主党の議員団が訪れたのは米食肉最大手タイソン・フーズの加工施設。調査団は牛の背中を切り裂く「背割り」の様子などを視察し、「脊髄液は周囲の肉に飛び散っていた」(山田正彦衆院議員)という。その後の洗浄も不十分で「出荷前の枝肉にも脊髄が付いていたのを確認した」(岡本充功衆院議員)。
山岡議員らは「米国が約束していたSRMの除去は守られていない」と強調。帰国後に、小泉内閣の責任を問うとした。(ワシントン=吉田透)(日本経済新聞 2006/02/01)

BSE:危険部位の除去、9施設確認できず 米監査機関
【ワシントン木村旬】米農務省の監察官事務所(同省の内部監視機関)は2日、牛海綿状脳症(BSE)の防止対策として義務付けられている牛の特定危険部位の除去が、米国内の食肉処理施設で適切に実施されているか確認できないとの報告書を公表した。日本向け米国産牛肉に危険部位の脊(柱せきちゅう)(背骨)が混入していた問題で、日本は輸入を再停止したが、米国のずさんな実態が改めて指摘されたことで、日本の消費者の不安が強まり、輸入停止が長期化する可能性がある。
米国は生後30カ月以上の牛で危険部位の除去を義務付けているが、報告書は、監察対象となった処理施設12カ所のうち9カ所で「記録不足によって、危険部位の除去が適切かどうか確認できなかった」と指摘した。
牛の出生日の登録が義務付けられていないため、月齢の確認が業者の判断に任されていることも指摘した。
報告書は、行政側が事態を十分に把握していなかったことにも言及し、「全施設を対象に危険部位の管理計画の適切さを検証する」などの改善策をまとめ、同省の食品安全検査部門などに要請した。同部門などは1月20日付の書面で指摘事項に同意し、今年9月までに改善策を実施するとしている。(毎日新聞 2006/02/03)

米牛肉 輸出再開にトリック
企業認証あれば製品条件満たす
日米政府とりきめ

「米農務省の認証を受けた企業は、(日本向け輸出)条件を満たしているとして製品を表示、販売することができる」──昨年12月の米国産牛肉の輸入再開にあたって、牛肉製品そのものを検査するのではなく、米政府が認証した施設で処理すれば再開条件を満たす製品とみなすトリックのあるとりきめを、日米両政府間で結んでいたことが3日までにわかりました。
この文書は、日本向けに輸出する牛肉を扱う米国の事業者に適用される「牛肉に関する特定された製品の条件」。米国産牛肉輸入再開のため昨年12月12日に「家畜衛生条件」とともに日米で合意した文書です。
同文書は、一昨年10月に日米で合意した牛肉輸入再開の条件にかかわる追加的な事項などを定めたもので、(1)企業の「内部監査」にかかわる事項(2)脊柱(せきちゅう)などBSE(牛海綿状脳症)の危険部位を除去する牛肉製品の規格、月齢条件などが書かれています。
食肉処理施設は、米農務省の品質システム評価プログラムで定義された手順や条件が文書で作成されているかどうかで、現在、米国4大大手メーカーなど38施設が認証を受けています。
日本向け米国産牛肉について、同文書は「品質システム評価プログラムを通じ、輸出証明プログラムの下で日本向けに特定された製品の条件を満たさなければならない」としています。
しかし、危険部位の背骨つき米国産牛肉がことし1月20日、日本に到着したことで、「製品の条件」を満たしていることを確認できないシステムだったことが裏付けられました。
米政府認定施設である食肉処理場から、米政府の検査官の証明書もついて出荷されただけに、施設認定で「製品の条件を満たしている」とみなすのでは、条件順守が絵に描いたもちにすぎないことがはっきりしました。(しんぶん赤旗 2006/02/04)

歩行困難の20頭食用に 目視検査が不十分
BSE対策で米報告書

【ワシントン8日共同】米農務省の監察官事務所による牛海綿状脳症(BSE)対策に関する2005年監査報告書で、食肉処理施設12カ所の一部から、原因不明で歩行困難の牛計20頭が食肉処理されていたことが7日、分かった。施設では処理前に牛が歩行可能かどうかを確かめる目視検査も十分実施されていなかった。
米国でのBSE対策の信頼性があらためて揺らぐのは確実。特定危険部位の混入問題で再停止した米国産牛肉の対日輸出の再開時期に影響を与える可能性もある。
牛が正常に歩けない状態はBSE感染の兆候ともされ、米政府は国内で初めてBSE感染牛が見つかった直後の03年12月、食用にすることを全面禁止している。
今月2日に公表された監査報告書によると、12施設のうち2カ所では04年6月から05年4月の約10カ月間、29頭が歩行困難なまま食肉処理されていた。施設の記録から、うち9頭は脚のけがなどが原因と確認されたが、残る20頭については「ダウナー(へたり牛)」などと記されていただけだったという。
これらの牛は、施設到着時点での目視検査で正常と判定されたが、その後、処理されるまでの間に歩けなくなっていた。施設に常駐する農務省検査官はいったん検査にパスしたことを理由に処理前の検査を十分行わずに、食肉処理を認めていた。2施設の所在地などは明らかにされていない。
報告書はまた、目視検査の際に33の施設では5−10%程度の牛しか対象としない「抜き取り方式」を採用していたと指摘。国際機関はすべての牛の検査を求めており、農務省も05年7月に抜き取り方式禁止を決めている。(東京新聞 2006/02/08)

牛の内臓も未承認輸出=問題の業者、ずさんさ浮き彫りに−米報告書
【ワシントン17日時事】米農務省は17日発表した対日調査報告書の中で、脊柱(せきちゅう)付きの牛肉を日本に輸出した米国内の加工業者が、牛の内臓と舌も未承認輸出していたことを明らかにした。牛の内臓や舌を対日輸出する場合、牛の処理に当たって農務省から承認を受ける必要がある。日本に輸出されたものの中にはこの承認前に処理された牛の内臓などが含まれていた。日本政府側は、この内蔵などは国内に流通していないとしている。
米政府は今回の対日報告書で、問題の原因を特定の業者と検査官が規則に不慣れだったためと説明したが、ずさんな実態が改めて浮かび上がった格好だ。(時事通信 2006/02/18)

BSE:米業者、全頭検査求め農務省を提訴へ
【ワシントン木村旬】米中堅食肉加工業者のクリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ(カンザス州)は22日、牛海綿状脳症(BSE)対策として、民間業者による自主的な全頭検査を米農務省が認めないのは不当として、同省を23日に提訴する方針を明らかにした。
日本による米国産牛肉の輸入再停止の長期化が予想される中、同社は日本並みの全頭検査を自主的に実施し、日本向け輸出の早期再開を実現したい考え。
日本の禁輸措置で米国の中小食肉業者の経営が厳しくなっていることが提訴の背景にあるとみられる。同社は「全頭検査を求める顧客に応えたい」と説明している。
同社は、03年12月に米国で最初のBSE感染牛が確認され日本が輸入停止した直後に輸出再開に向け自主的な全頭検査の許可を農務省に申請した。しかし、同省は04年4月、「全頭検査は非科学的」と主張し、同社の申請を拒否していた。(毎日新聞 2006/03/23)

米国産牛肉:全頭検査求め提訴の米食肉加工業者に聞く
米中堅食肉加工業者、クリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフは23日、牛海綿状脳症(BSE)の自主的な全頭検査容認を求めて米農務省を提訴した。同社のジョン・スチュワート最高経営責任者は、毎日新聞と会見し「農務省は全頭検査の負担を嫌う大手業者に配慮している」と批判した。【ワシントン木村旬】

──農務省は全頭検査を拒んでいます。
◆農務省が「全頭検査は非科学的」と主張しているのはシェアの約8割を占める業界大手4社が検査したがらないことに配慮しているためだ。検査費用は1頭20ドル(約2300円)かかり、大手は負担増を嫌がっている。当社は高級牛肉中心なので検査で(より安全という)価値が高まる。

──日本の消費者は米国の検査体制に不安を感じています。
◆米国産牛肉は世界で最も安全と信じているが、日本の世論調査を見ると消費者は米国産牛肉に懸念を持っている。顧客を満足させるために全頭検査をしたい。

──日本政府は輸入再開の条件として全頭検査は求めていません。
◆当社は民間業者の立場で日本の消費者の懸念を解消したい。輸入停止を招いた特定危険部位の混入問題は不幸な事件だが、日本は説明を求める権利があり米国はしっかり調査すべきだ。

──農務省は検査頭数を縮小する方針です。
◆米国産牛肉の安全性に対し国際的な懸念を広げてしまう。農務省はBSE感染牛を見つけたがっていないのではないか。それには検査を十分にしないのが一番だ。

──提訴に踏み切った理由は?
◆04年に50万ドルを投じて検査施設を整え農務省に自主的な全頭検査を申請したが拒否された。農務省は検査器具の監督権限を持ち、当社は器具を使えない状態が続いている。農務省と2年以上協議したが我慢の限界だ。当社を支持する業者は増えており、今後も拡大するだろう。(毎日新聞 2006/03/24)

早期輸出再開へ信頼性向上 全頭検査要求 米食肉会社CEO
【ワシントン=気仙英郎】自主的なBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の全頭検査を求めて米農務省を提訴した米食肉処理会社クリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ(カンザス州)のスチュアート最高経営責任者(CEO)は23日、産経新聞社のインタビューに応じ、「自主的な全頭検査は米国産牛肉の信頼性を向上させるものだ」と強調した。一問一答は次の通り。

──なぜ今、提訴したのか
「この2年間、自主的検査を求めて農務省と交渉を続けてきたが、話し合いは平行線だった。今が行動するときだと判断した」

──日米政府間では、全頭検査は交渉課題になっていないが
「われわれは早期輸出再開を求めているだけだ。日本に行って政治家らと会い、話し合ったが、自主的検査が輸出を円滑にすることにつながるとの認識を得た」

──この裁判が日米間の輸入再開交渉に影響するか
「輸出再開に影響を与えることは、われわれの意図することではない。BSEの全頭検査を求める日本の消費者を満足させるために、自主的全頭検査を認めてほしいと求めているだけだ」

──自主検査にかかる費用は
「50万ドル(約5800万円)をかけた検査施設をすでに持っている」

──提訴を支持する業者はいるのか
「規模が大きな食肉会社は検査態勢が整っておらず、コストがかかるため、全頭検査に反対している。しかし、われわれはすべての同業者に全頭検査を求めているわけではない。何社ぐらいあるかは分からないが、われわれを支持する食肉処理会社は2年前に比べて確実に増加している」

──日本へ輸出できないことによる損失は
「1億ドル(約118億円)以上だ」

──裁判での勝算は
「結果を待たなければならないが、われわれの方に分がある。楽観的に考えている」(産経新聞 2006/03/24)

知りたい:プリオン調査会6委員辞任 「政府に利用された」
留任した委員は反論

◇「科学的に議論」留任した委員は反論
BSE(牛海綿状脳症)問題や米国産牛肉の安全性を評価してきた内閣府の諮問機関、食品安全委員会プリオン専門調査会(12人)のメンバーの半数6人が先月末、辞任した。「残れば学者として信用を失う」「科学的思考さえ許されない」。辞めた委員は安全性に慎重な姿勢だったが、その言葉からは、学者としての危機感と同時に、政府に利用される諮問機関のあり方に対する批判も浮かび上がる。【藤原章生、本橋由紀、永山悦子】

「安全対策の管理側(厚生労働省、農林水産省)は、彼らが求める答えを引き出す諮問しかせず、あり方自体がおかしい」
 調査会で座長代理を務め、今回辞任の道を選んだ金子清俊・東京医科大教授はこう批判する。年齢制限を理由に辞任を促された山内一也・日本生物化学研主任研究員(74)も「事実を基に論を進める科学的思考とは違う」と振り返る。
プリオン専門調査会は03年8月に発足。同年12月、米国でBSEが発覚し、調査会は昨年5月から「米国・カナダ産と日本産牛肉を食べた場合の危険は同じかどうか」というテーマに取り組んだ。
ただ、条件がつけられた。米国産は、危険性が低いとみなされる若い牛に限定され、さらに脳や脊髄(せきずい)など危険な部位を除いたものを評価するという内容だ。
結論は「米国産と国内産牛肉のリスクの差は非常に小さい」とされ、輸入再開に結びついた。小泉純一郎首相は施政方針演説で「科学的知見」を踏まえたと力説したが、直後に米国産牛肉から背骨が見つかり、輸入は再びストップした。
「我々はあり得ない条件で机上の空論を重ね、政府は私たちの答えの一部を示し『科学的根拠』を発表したのです」。金子教授が辞めた理由の一つは、政府の方針にお墨付きを与えるため利用されたという無力感だった。山内氏も「政府は輸入にストップがかかると『先生方が安全と言った』と責任をなすりつけた」と不満を隠さない。
「他の委員の辞任にはコメントできないが、調査会の諮問がおかしいということは多くの人が当初から気付いていたはずだ」。昨年1月から欠席を続けていた品川森一委員(前動物衛生研究所プリオン病研究センター長)は辛らつに批判する。
慎重派でも会議に残った堀内基広委員(北大大学院教授)は「ブッシュ大統領が来日する昨年11月の前には2週連続で会議があり、負担が大きかった」と語る。
もちろん、反論もある。留任した国立医薬品食品衛生研究所の山本茂貴委員は「一定の条件の中で、危険を評価するのは普通のこと」と、現実と科学的論議に折り合いをつける諮問自体に間違いはなかったとみている。
寺田雅昭食品安全委員長も、6日の同委員会後、「初めに結論ありき、との批判は100%あたっていない。他の審議会とは違う真剣な議論があった。後から(審議方法への批判を)言われると『そりゃないよ』と思う」と不満を述べた。
6人の辞任に伴い今月1日付で新たに6委員が選ばれた。正式に再任を求められなかった甲斐知恵子委員(東京大医科学研教授)は「今後、慎重派の声が小さくなるのでは」と懸念を示している。(毎日新聞 2006/04/08)

BSE:ヤコブ病、潜伏期間50年超も──ロンドン大研究
【ワシントン共同】牛海綿状脳症(BSE)の牛を食べて発病するとされる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、感染から発病までの潜伏期間が、長い人で50年を超す可能性があるとの推定を、英ロンドン大などのチームがまとめ、24日付の英医学誌ランセットに発表した。
従来は長くて20年程度との推定もあったが、チームは長期的な監視が重要と訴えている。
根拠は、BSEやヤコブ病と同様に異常プリオンが原因とされるクールー病。死者への敬意を表す手段として人の脳を食べる習慣があったパプアニューギニアの一部に残る疾患で、潜伏期間は平均12年とされてきた。
チームは比較的最近死亡した患者11人の中に、潜伏期間が50年以上とみられる例を複数発見。こうした人に共通した遺伝的特徴も見つけ、潜伏期間は個人の遺伝的特徴に左右される可能性があると推定した。
変異型ヤコブ病でも患者に共通する遺伝的特徴があることなどから、現在の変異型患者は潜伏期間が特に短い人であり、牛から人へ種をこえた感染の影響を考えると、50年よりさらに長い期間を経て患者が増える可能性があると結論づけた。(毎日新聞 2006/06/24)

米国産牛肉:輸入再開、慎重対応促す BSEに息子を奪われた英国人夫妻
◇「安全に絶対はない」
BSE(牛海綿状脳症)牛を食べて起きる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病で5年前、25歳の長男を亡くした英国のファーキンス夫妻が24日、東京都内で講演した。夫妻は、急速に病状が悪化する息子をみとった親の思いを切々と語る一方、「英国では政府が『リスクはない』と言い切る過ちを犯した。安全管理の規則が守られるかは不明で、人々がリスクを知り、選択できることが大切だ」として、米国産牛肉の輸入再開を進める日本に慎重な対応を促した。
全国農林漁業団体職員労組連合(東京都港区)などが招き、約100人が講演を聞いた。
長男のエリスさんは、00年1月ごろから神経質になり、8月に体重が急減。記憶喪失などの症状が表れて12月にヤコブ病と診断され、翌年3月に死去した。
父のレスターさん(57)は「英国のヤコブ病死者は約160人だが、潜伏期間が長く、私たち夫婦も未発症なだけかもしれない」と説明、「脳機能が半年で急速に減退し、混乱と恐れ、孤独や失望を感じた。こんな病気が日本に来たら大変なことになる」と警告。また、米農務次官らの「交通事故より確率が低い」との発言には、「自分の子がその確率に含まれる覚悟ができているのか」と反論した。【山田大輔】(毎日新聞 2006/06/25)

カナダ、飼料規制を強化=全動物に使用禁止−BSE対策で
【ワシントン26日時事】カナダ食品検査局は26日、BSE(牛海綿状脳症)の感染原因とされる肉骨粉と呼ばれる飼料原料について、すべての動物やペットの飼料への使用を禁止する包括的な飼料規制強化策を発表した。2007年7月12日施行する。肥料への使用も禁止する。日本などが要求していたもので、米国の対応が注目される。(時事通信 2006/06/27)

人から人への感染に警鐘=BSEで米経済紙
【ワシントン28日時事】28日付の米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「BSE(牛海綿状脳症)は社会病」と題した論説記事を掲載。この中で、BSEによって引き起こされるヒトの変異型ヤコブ病について、「将来、牛ではなく、ヒトのキャリアからの感染が問題になるのは確実だ」と警告した。(時事通信 2006/06/29)

米農務省、BSE監視プログラムを縮小
【ワシントン20日ロイター】ジョハンズ米農務長官は20日、牛海綿状脳症(BSE)監視プログラムを縮小する方針を発表した。米国内でBSE発生が少なくなってきたためとしている。
ジョハンズ長官は、検査頭数を年4万頭に削減すると述べた。農務省は、現行の検査強化プログラムが導入された2004年6月以降、月平均約3万頭の検査を実施。この2年間で当初計画を上回る75万9000頭以上を検査してきた。(ロイター通信 2006/07/21)

加工食品大手、米国産牛肉の使用見送り
日本ハムと伊藤ハム、丸大食品の食肉関連メーカー大手3社は、自社で生産するハンバーグやローストビーフなどの加工食品に当面、米国産牛肉を原料に使わない方針を決めた。各社は豪州、ニュージーランドや日本国内での調達体制を確立している。米国産牛肉の輸入解禁後も安定供給などで不安が残ると判断した。
各社は米国産牛肉の生鮮食肉としての取り扱いにも慎重な姿勢を崩していない。今週中にも予定される輸入解禁後も、米国産牛肉の需要が本格的に回復するにはまだ時間がかかりそうだ。
3社は豪州など海外から牛肉を輸入し、流通・外食産業向けなどに食肉として供給。一部は自社工場などで加工して調理済みハンバーグやローストビーフ、サラミなどとして自社ブランドで販売している。(日本経済新聞 2006/07/25)

米国産牛肉「食べたくない」45%…読売調査
読売新聞社の全国世論調査(5、6日実施、面接調査)で、輸入が再開された米国産牛肉の安全性に「不安」を感じている人が「大いに」「多少は」を合わせて80%に上った。
「不安を感じていない」は計19%だった。また、米国産牛肉を食べたいと思うかを尋ねたところ、「食べたくない」が45%、「しばらく様子を見て判断したい」が43%と、“消極派”が約9割を占めた。「食べたい」は10%にとどまった。
米国産牛肉は既に、一部の大型量販店で売られており、今後販売が拡大される見通し。だが、消費者の多くは米国産牛肉の安全性について不安感を持ち、購入を手控える傾向にあることが浮き彫りとなった。
政府が輸入再開を決めたことについては、「支持しない」が「どちらかといえば」を含めて59%と半数を超え、「支持する」37%を上回った。「支持する」と答えた人の中でも、安全性に不安を感じている人が6割に上った。(読売新聞 2006/08/11)

吉野家だけ「使う」と回答 米国産牛肉のアンケート
日本消費者連盟と市民団体「食の安全・監視市民委員会」は12日までに、大手食品関連企業24社を対象に、輸入が再開された米国産牛肉を使うかどうかについて質問した結果、明確に「使う」と答えたのは吉野家ディー・アンド・シーだけだったと発表した。
7月中旬から月末にかけて、スーパーや牛肉チェーン、ファストフードなどにアンケートを実施、21社から回答を得た。7社が「使わない」とし、「その他」と回答した企業8社のうち7社は「当面使う予定はない」(イトーヨーカ堂、すかいらーく、ジョナサンなど)としており、企業側が取り扱いに慎重であることが浮き彫りとなった。
「使わない」と回答したのは「ゼンショー」「日本マクドナルド」「どん」など。「状況によっては使う」と答えたのは5社で「消費者の動向や牛肉の質、価格などを見た上で判断」(安楽亭)、「輸入量、価格が安定すれば使う」(焼肉屋さかい)、「安全性の認知度が高まってから」(丸大食品)などだった。(東京新聞 2006/08/12)

「待ったかいあった」米大使、吉野家で大盛りに満足
「待ったかいがあった。安くて、早くて、おいしい。なぜ人気があるのか分かった」。吉野家ディー・アンド・シーが、米国産牛肉を使った牛丼の販売を再開した18日、都内の吉野家の店舗を訪れたシーファー駐日米大使は「大盛」を平らげ、満足そうな表情を浮かべた。
大使は同日午前11時の牛丼販売に合わせ、スザンヌ夫人と連れだって米大使館近くの店舗に到着。満員の店内でカウンター席に座り、慣れたはし使いで牛丼を口に運んだ。
昨年4月の着任時には、米国産牛肉の輸入禁止措置が既にとられていたため、牛丼を食べるのはこの日が初めてという大使。「安全な牛肉の供給ができるよう、できる限りのことをしていく」と、米国産牛肉を日本の消費者にアピールした。〔共同〕(日本経済新聞 2006/09/18)

BSE検査に「不安」表明 上院議員が書簡
共和党のバニング上院議員(ケンタッキー州選出)が、米政府が縮小を決めた牛海綿状脳症(BSE)の検査態勢に「不安」を表明する書簡をジョハンズ農務長官に送っていたことが12日、分かった。
6日付の書簡は、民間加工業者による自主的なBSE検査を認めない農務省方針にも言及し「政府によるしっかりした検査が、自主検査とあいまって海外の消費者の信頼回復につながる」と指摘している。
米国で最初のBSE感染牛が見つかったのを受け、農務省は2004年6月から検査の対象牛を拡大。しかし、ジョハンズ長官は今年7月、米国産牛の安全性が確認されたとして対象牛をそれまでの10分の1に減らす方針を発表している。(共同)(U.S. FrontLine 2006/10/13)

“米は病気牛も流通”
BSE討論集会 ずさん対策を証言

「アメリカは、BSE(牛海綿状脳症)の病気牛も食肉流通からはずさない」。BSE討論集会が11日、東京都内で開かれ、米国農務省の食肉検査官の内部告発を支援している同国弁護士のフェリシア・ネスターさんは、米国BSE対策のずさんさを訴えました。
日本では行政がBSE対策をとっていますが、アメリカでは食肉企業が中心です。と畜場での牛肉処理は1秒で6頭になり、「政府検査官が危ないと思っても、工場ラインを止める権限がない」とネスターさん。外国視察団には速度を落として丁寧な検査を見せるといい、「視察団が帰ったら元に戻す。(日本政府がいう)抜き打ち検査はありえない」と語ります。
米国産牛肉問題は、日本向け輸出解禁後にBSE危険部位の背骨が混入し、再再開後3カ月余で日本向け輸出が認められていない胸腺混入が発覚。ネスターさんは「大企業は移民労働者がほとんど。日本向け対策を徹底しようにも英語がわからない」とのべました。
講演者の金子清俊東京医科大教授(食品安全委員会プリオン専門調査会の前座長代理)は、米牛肉の科学的評価ができないまま、日本向け輸出プログラムの実行を仮定した答申を政府に利用された経緯を紹介、「アメリカと日本の安全基準が違う」と指摘しました。
集会は、全国食健連が主催しました。参加者は「霧が晴れた。同等なBSE対策を日本は求めるべきだ」との声をあげました。
米国のBSE対策違反が恒常的に発生していることは、日本共産党の紙智子参院議員事務所も『日本向け米国食肉処理施設におけるBSE違反記録』に調査結果をまとめ、解明しています。(しんぶん赤旗 2006/11/12)

BSEにならない牛を開発 遺伝子操作でプリオン除去
【ワシントン3日共同】牛海綿状脳症(BSE)に関係するプリオンタンパク質を持たず、BSEにかからない牛を遺伝子操作でつくったと、キリンビール子会社を含む日米の研究チームが3日までに米科学誌ネイチャーバイオテクノロジーに発表した。
同じ病原体が原因で人がかかる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染を防ぐ手掛かりになるとしている。
BSEやヤコブ病は、脳細胞などの表面にある正常型プリオンタンパク質が、異常型プリオンタンパク質により異常型に変形させられ増殖することで発症するとされる。
チームは正常プリオンをつくる遺伝子が働かないようにした牛の体細胞の核を、核を抜いた受精卵に移植して子宮に戻す体細胞クローン技術で、正常プリオンを持たない牛を12頭つくった。
牛を解剖し脳組織から抽出した溶液を異常プリオンに加えても、異常プリオンは増殖せず、これらの牛に正常プリオンがないことが確認された。
解剖した3頭を除き、発育や健康状態は観察期間中の生後20カ月までは普通の牛と変わらず、チームは「正常型がなくても健全に成長するようだ」としている。現在、異常プリオンを牛に注入しBSEを発症しないかさらに検証中で、結果が出るまで2〜3年かかるという。
牛を原料にした医薬品からヤコブ病が感染した例はないが、厚生労働省は異常プリオンが蓄積しやすい脊髄(せきずい)などの部位を原料にすることを禁止しており、キリン子会社のヘマテック(米サウスダコタ州)の黒岩義巳研究ディレクターは「牛からとった材料を使った医薬品の安全性を高めることができる」と話している。(共同通信 2007/01/03)

松屋フーズ、米国産牛肉を一部メニューで使用再開
牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズは10日、BSE(牛海綿状脳症)騒動で04年2月以降停止していた米国産牛肉の使用を11日から牛丼以外の一部メニューで再開すると発表した。十分な肉量を確保できないため、東京都と神奈川県の計7店舗に限定する。大手牛丼チェーンでの使用再開は、吉野家ディー・アンド・シーに次いで2番目。
使用するメニューは「牛焼肉定食」(税込み630円)と「カルビ焼肉定食」(同680円)。これまではメキシコ産と豪州産牛肉で代用してきた。牛丼での使用についても、「提供する時間を限定するなどして年内には再開したい」としている。
牛肉の安全性については、米国の大手食肉加工場を数カ所視察して、確認したとしている。(朝日新聞 2007/01/10)

狂牛病はウイルスが原因か〜イェール大、プリオン説に異論
BSE(狂牛病)などほ乳類の脳疾患は、科学者らが考えてきたプリオンと呼ばれる奇形タンパク質が原因ではなく、ウイルスによって引き起こされる可能性があるという研究結果を、イェール大学の研究者らが発表した。
ロサンゼルス・タイムズによると、イェール大の研究では、BSEに類似する2つの脳変性疾患に感染したネズミの神経細胞から、ウイルスのような分子が見つかった。感染していない細胞の中にそうした分子はなかった。
研究を主導した同大学のローラ・マヌエリディス博士(神経病理学)は、今回の発見は、感染した脳のプリオンがウイルス性感染症の結果であり、脳疾患の原因ではないことを示していると話す。研究結果は米科学アカデミー紀要に掲載された。
マヌエリディス氏の発見を疑問視する脳研究者もいる。復員軍人医療センター分子神経生物学研究所のボブ・ロウアー氏は、「ウイルスのような分子が感染した細胞だけに見られるというのは、注目に値する。ただしそれは感染の状況証拠にすぎない」と指摘する。
海綿状脳症とも呼ばれるBSEは、羊の海綿状脳症(スクレイピー)や人間がかかるクロイツフェルト・ヤコブ病と同様、遅発性脳変性疾患の一種。
BSEはプリオンが原因という説では、正常なタンパク質の分子が突然異常に折れ曲がり、他のタンパク質にも異常が広がっていくと言われていた。
マヌエリディス氏の過去の実験では、海綿状脳症の後期までプリオンは現れなかった。早期段階に現れる物質を発見するため、同氏らは今回、スクレイピーおよびクロイツフェルト・ヤコブ病に感染したネズミの脳を、培養した神経細胞に注入した。この結果発生したのは、小さなウイルスが密集したように見える球体だけだった。
ウイルスのような分子が感染の唯一の要因であることを証明するため、マヌエリディス氏は今後、分子を隔離し、健康な細胞に注入して感染が起きるかどうか調べる予定だ。(U.S. FrontLine 2007/02/02)

衛生証明書ない米産牛肉が混在 輸出工場の手続き停止
農林水産省と厚生労働省は16日、米タイソン社レキシントン工場(ネブラスカ州)が日本に輸出した米国産牛肉の一部に、米農務省が発行する衛生証明書に記載されていないバラ肉が交じっていたと発表した。米国産牛肉の輸入は日米合意で牛海綿状脳症(BSE)のリスクが低いとされる「月齢20カ月以下」に限定されているが、この条件に違反している疑いがあり、両省は同工場が出荷した牛肉の輸入手続きを停止している。
米国産牛肉は昨年7月27日に輸入再々開が決まり、これまでに同証明書のリストにない内臓(胸腺)の出荷が11月に判明しており、これで2例目。月齢20カ月を超える牛の肉であることが確認されれば初の条件違反事例となる。両省によると、横浜港に到着した同工場からの冷凍牛肉473箱(計約9トン)の中に、衛生証明書のリストにないバラ肉(2箱)があるのに倉庫業者が気づき、今月5日、農水省・動物検疫所川崎分室に報告。両省は輸入手続きを止めると同時に、米側に輸入条件を満たした牛肉かどうかや、輸出された原因などの調査を依頼した。
16日になって米側から「誤って日本向け貨物とともに出荷された」と報告があった。同工場が出荷した牛肉のすべてを調べたが、危険部位の混入などは見つからなかったという。 (朝日新聞 2007/02/16)

基準外牛肉混入、米社「原因は従業員の不注意」
【ニューヨーク=中前博之】日米合意で定められた月齢20カ月を超える米国産の牛の肉が日本に輸出された問題で、出荷元の工場を運営する米食肉大手タイソン・フーズ社は16日、従業員の「不注意」が原因とする声明を発表した。同声明は今回輸出された肉に「BSE(牛海綿状脳症)の危険部位は含まれていない」と説明、同社は他の6工場から日本への輸出を継続する。
タイソン社の広報担当によると、問題となったのは月齢30カ月以内の牛の肉。ケンタッキー州レキシントン工場で国内向けに出荷する予定だった2箱(約43キログラム)が日本向けに混入した。同社は「米農務省と連携し、日本の基準をクリアした牛肉だけを確実に輸出する対策を講じつつある」と説明している。(日本経済新聞 2007/02/17)

BSEリスク 米を「準安全国」認定へ 国際機関5月にも月齢問わず貿易可能
【ワシントン=時事】植物の検疫ルールを定める国際獣疫事務局(OIE)は、米国のBSE(牛海綿状脳症)安全度を上から2番目に安全な「管理されたリスク」に認定する方針を固めた。関係筋が明らかにした。
日本など貿易相手国に、牛の月齢と無関係に米国産牛肉の輸入を求めることが、国際的に認められることになり、米国は月齢20カ月以下に限定している輸入条件の撤廃を日本に一段と強く求めてきそうだ。
OIEは、従来5段階だったBSE安全度を今年から最も安全な「無視できるリスク」「管理されたリスク」「不明なリスク」の3段階に簡素化。米国は昨秋、OIEに認定を初申請した。
関係筋によると、OIEは先週、専門家による科学委員会を開催。加盟国に対し、米国の安全度を「管理されたリスク」に認定する勧告を出す方向で一致した。5月下旬の総会時の正式決定まで加盟国からの意見を受け付けるが、総会では科学委の結論がそのまま承認される見通し。
発生率が低く、BSEの原因物質が含まれる特定危険部位の除去など一連の感染防止策が評価されたとみられる。ただ「無視できるリスク」の認定には、BSE発生国であることに加え、飼料規制強化が遅れていることなどが障害になっている。
米国は、OIE規準に基づく輸入規準の緩和を日本だけでなく、韓国や中国などにも一気に迫る構え。応じない場合は、国際ルール違反として、世界貿易機関(WTO)提訴や米通商法に基づく制裁発動など、貿易上の対抗措置をちらつかせる場面も出てきそうだ。(中日新聞 2007/03/09)

米国産牛肉、西友が販売再開へ…大手スーパーで初めて
大手スーパー西友は26日、米国産牛肉の販売を、関東の20店舗で31日から再開すると発表した。
BSE(牛海綿状脳症)の特定危険部位の混入で輸入が停止されていた米国産牛肉について、政府は昨年7月、輸入再開を決定した。
しかし、多くのスーパーは消費者の反発などに配慮して販売再開を見合わせている。大手スーパーの販売再開は西友が初めてとなる。
西友が大手スーパーの先陣を切って、米国産牛肉の販売再開に踏み切る背景には、西友の親会社、米ウォルマート・ストアーズの意向も影響しているとみられる。西友は、「米国産牛肉を販売することで、お客様の選択肢を広げることができる」として、消費者の反応を見ながら、販売する店舗を拡大する方針だ。
これまでに販売再開したスーパーは、マルナカ(本社・高松市)など、ごく一部に限られている。
大手スーパーのイオンとイトーヨーカ堂は「消費者の反応を今後も慎重に見極めたい」などとしており、早期の販売再開の予定はないとしている。(読売新聞 2007/03/26)

輸入食品:北米産イメージ「安全面に問題」──主婦に調査
主婦の約85%が食品を買うときに国産か輸入かを気にかけていることが、農林漁業金融公庫の調査で分かった。BSE(牛海綿状脳症)の影響で、北米産の食品に安全面の問題があるとのイメージがなお強いことも浮かび上がった。
2月に20〜60代の主婦2078人にインターネットで調査した。国産かどうかを気にかける割合は高齢層ほど高く、60代は91.5%に上った。
輸入地域別に食品のイメージを尋ねた(複数回答)ところ、東アジアと北米で、「安全面に問題」との答えが1位に挙げられた。東南アジアとオセアニアは「安い」が最も多かった。BSEの発生がないオセアニアは「安全」との答えも36.3%と多かった。価格が3割以上高くても国産品を選ぶ人が多い品目は牛肉(21.4%)、鶏肉(19.5%)、シイタケ(19.0%)などだった。【位川一郎】(毎日新聞 2007/04/05)

BSEの全頭検査訴訟、業者側が勝訴=農務省による禁止は違法−米地裁
【ワシントン16日時事】米牛肉処理業者クリークスートン・ファームズ・プレミアム・ビーフ(カンザス州)が自主的なBSE(牛海綿状脳症)検査の容認を求めて農務省を提訴した問題で、米ワシントン連邦地裁が検査禁止は違法だとして、業者側勝訴の判決を言い渡していたことが16日までに明らかになった。民間業者による全頭検査に道を開くもので、注目される。
判決は農務省に対応する時間を与えるため、6月1日までは有効とならない。同社は既に全頭検査のための施設を建設済みだが、「農務省に協力する用意がある」としており、農務省が控訴するかどうかを見極めて検査開始を判断する。(時事通信 2007/04/17)

米産牛肉で4例目の違反 1施設からの輸入停止
農水省と厚生労働省は18日、輸入された米国産牛肉の中に、生後20カ月以下とする輸入条件に違反する可能性がある内臓肉が見つかったと発表した。出荷した米カーギル社のフォートモーガン工場(コロラド州)からの輸入手続きを当面停止する。輸入を再開した昨夏以来、4例目の輸入停止となる。
牛海綿状脳症(BSE)と関係する特定危険部位はなかった。輸入に必要な米政府の証明書がないため月齢が確認できず、日本向けでないラベルが張られていた。
両省は現在、米国産牛肉の安全性を検証する現地査察を実施中。同工場への査察を15日に終え、システム上の問題がないことを確認したばかりだった。他の施設を含め査察で問題がなければ、輸入条件緩和をめぐり6月上旬にも米国と協議入りする見通しだったが、査察実施中の問題発覚は協議の行方に影響を及ぼす可能性がある。(東京新聞 2007/05/18)

米産牛輸出の月齢制限を撤廃 国際獣疫事務局
家畜の安全基準を定める国際獣疫事務局(OIE、本部・パリ)は22日の年次総会で、米国を「牛海綿状脳症(BSE)の感染リスクが管理されている国」に認定。月齢にかかわりなく輸出を認めることを決めた。日本は米国産牛肉について独自に「20カ月以下」の月齢制限を課しているが、米国は撤廃に向けて国際的なお墨付きを得た。
OIE総会は、牛のBSE感染リスクについて、米国、カナダ、ブラジルなど6カ国・地域を「管理されている」に認定する科学委員会の報告を全会一致で承認した。
OIEのバラ事務局長は記者会見で、米国の認定について「リスクがゼロというわけではなく、牛肉や一定の製品の輸出について十分な管理は必要だ」と述べた。(朝日新聞 2007/05/23)

BSE・ヤコブ病 治療に道
「プリオン病」抑制物質発見…岐阜大

脳神経が破壊されるウシのBSE(牛海綿状脳症)や人間が感染するクロイツフェルト・ヤコブ病などの「プリオン病」の進行を抑制する物質を、岐阜大学人獣感染防御研究センターの桑田一夫教授らの研究グループが突き止めた。
動物実験などで、この物質が脳内に蓄積する異常プリオンたんぱく質を激減させることを確認、治療法につながる成果として注目されそう。研究成果は、米国科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
プリオン病は、脳内にもともと存在する正常プリオンが変化して、異常プリオンとなり、これが蓄積して発症する。
プリオンは、230〜253個のアミノ酸で構成されるが、桑田教授らは、異常プリオンでは、159番目のアミノ酸(アスパラギン)と196番目のアミノ酸(グルタミン酸)との間の距離が、正常プリオンの約3倍に広がっていることに着目した。
コンピューター上で、32万種類の化合物の中から、距離の広がりを食い止める可能性を持つ44種類の化合物を抽出。その中から、アスパラギンとグルタミン酸との距離が広がらないよう、つなぎ留める働きのある鎖状の化合物「GN8」を作り出した。
実験では、異常プリオンを持続的に発現するマウスの培養神経細胞に、この「GN8」を投与したところ、異常プリオンを半分に減らすことができた。また、プリオン病を発症させたマウスに、GN8を投与したところ、食塩水だけを投与した場合と比べて、生存期間が長くなった。
研究グループは、異常プリオンをより効果的に減らすことができるようにGN8を改良し、治験などを行いたいとしている。

<GN8> 岐阜大の頭文字「G」と共同研究者である長崎大の頭文字「N」をとってつけた化合物の名称で、自然界には存在しない物質。炭素、窒素、水素、酸素からなる有機化合物で、岐阜大学が独自の論理的創薬方法で作り上げた。(読売新聞 2007/07/03)

BSE:遺伝子変異で発症 米チームが初確認
【ワシントン共同】牛海綿状脳症(BSE)の病原体である異常プリオンたんぱく質が、外部からの感染ではなく遺伝子の変異で体内でつくられ、BSEを発症したとみられる牛のケースを米農務省の研究チームが12日、米科学誌プロス・パソジェンスに発表した。
遺伝性BSEが見つかったのは初。遺伝子変異が原因とすれば、感染源とみられる肉骨粉の餌を排除しても発症する可能性がある。
チームによると、06年に米アラバマ州で発症した10歳の雌牛の調査で、感染源が特定できなかったため遺伝子を解析。正常プリオンたんぱく質をつくる遺伝子に変異が見つかった。この変異は少なくとも8000頭以上の牛では見つからず、まれな変異と考えられるとしている。(毎日新聞 2008/09/14)



【関連サイト】

Mark Purdey Official Site

米国産牛肉輸入問題関連の記事(Carlos Hassan's Column & favorite)

狂牛病の原因は「肉骨粉」ではない ある農家の仮説(Jan Jan 2004/03/18)



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