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秘密クラブ「ビルダーバーグ」

5月にパリで会合




2003年6月22日(産経新聞)

秘密クラブ「ビルダーバーグ」
5月にパリで会合


■王侯貴族、政財官トップ集結 米欧“陰のサミット”

米欧の王侯貴族から政財官のトップ級が集まって年に1度、米国や欧州で会合を開き、世界の主要問題を討議する秘密クラブ「ビルダーバーグ」の存在が最近、話題を集めた。今年は5月15−18日に、パリ郊外ベルサイユで開催され、イラクの戦後や中東問題、欧州の将来像を探る協議会、経済問題、テロなど幅広く討議したほか、イラク戦で悪化した米仏関係についても修復を試みたとの情報もある。(パリ 山口昌子)


≪1954年創設≫

会合が開かれたベルサイユの最高級ホテル「トリアノン・パーク」には仏機動隊(CRS)などが厳重に警護する中、高級車が続々と到着した。イラク戦で米仏関係悪化のおりからドビルパン仏外相とウォルフォウィッツ米国防副長官がこの場で会談し、6月初旬の主要国首脳会議(エビアン・サミット)前に米仏関係の修復をひそかに試みたとか、イラク戦で悪化した仏・スペイン関係を心配して仏王家、ブルボン王朝出身のスペイン国王、フアン・カルロス1世が乗り出し、パウエル米国務長官が会合結果を報告するよう命じたなどの未確認情報が流れた。
フアン・カルロス1世をはじめオランダ国王のベアトリックス女王、キッシンジャー米元国務長官、デービッド・ロックフェラー氏らは、フリージャーナリストらによる目撃証言があるが、最終日に公表された出席者リスト約100人の中にはフアン・カルロス1世やベアトリックス女王はもとよりドビルパン外相の名もなかった。
一方で、ウォルフォウィッツ副長官の名前は確かにあり、リストの公表が一部であることや「秘密クラブ」的な一面があることをうかがわせた。
クラブは冷戦中の1954年5月、米国と欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国の「橋渡し」を目指して、オランダのベルナルド王子によって創設されたもので、「民主主義擁護の世界的ロビー」(仏記者)とでもいったらよいだろうか。第1回会合がオランダ・オーステルベークの「ビルダーバーグ・ホテル」で開催されたところから命名され、初代会長には後にNATO事務総長になる英国のキャリントン卿が就任した。


≪内容は公表せず≫

討論の自由を堅持し、予期しない影響力を排除するために討議内容は公表しないことを鉄則としているが、米欧の有力者が大挙して出席するため70年代ごろからクラブの存在がしだいに知られるようになった。
その結果、70年代に批判的記事を書いた英フィナンシャル・タイムズ紙の記者が辞職に追い込まれたとか、会場の従業員には「見聞したことはいっさい話さないように。違反したら解雇」との厳命が下されているといった“伝説”も広がったうえ、クリントン米前大統領(91年)やブレア英首相(93年)が就任前に招待されたこともあり、世界政治に影響力のある秘密結社的性格を指摘する声もある。
クラブ側は出席者が個人的資格で参加する「私的クラブ」であり、性格的には「国際フォーラム」と定義するなど、クラブが秘密クラブでも圧力団体でもないことを強調する一方、この数年は出席者のリストや議題など一部を公表し、米欧の大物ジャーナリストも招待しているが、討議内容を記事にしないことは厳守されている。
フリージャーナリストらがサイトなどで発表したところによると、昨年は5月30日から6月2日まで米バージニア州の高級ホテルで開催され、主要議題はイラク戦争や反グローバル化運動への防衛対策だった。
2001年は5月末にスウェーデンで開催され、テーマはNATOの将来や食料の安全、欧州連合(EU)の拡大、中露関係、仏大統領選など。2000年は6月初旬にブリュッセル郊外で開催され、米大統領選など。1999年は6月初旬にポルトガルの中西部の保養地シントラで開催されたほか、同年11月初旬に米ワシントンでも開催され、米大統領選が主要議題となっている。
ビクトリア英女王時代(19世紀)の宰相で文学者でもあったベンジャミン・ディスラエリ伯は、「世界は、舞台裏まで潜り込む目を持たない者が想像できない他の人物たちによって統治されている」と述べたが、「ビルダーバーグ」にこの言葉がはたして該当するかどうか−。


≪2003年の主要出席者≫

【米側】
キッシンジャー元国務長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、ボルトン国務次官(軍備管理、国際安全保障担当)、ハース国務省政策企画局長、パール国防政策委員会委員、ルギー・ハーバード大学ビジネス政治センター所長、ソーントン・ゴールドマンサックス・グループ最高経営責任者(CEO)、ウォルフェンソン世界銀行総裁、ニューヨーク・タイムズ紙のフリードマン外交コラムニストら。

【欧州側】
ジスカールデスタン仏元大統領、ラスムセン・デンマーク首相、リッポネン・フィンランド前首相、ドゥランバロゾ・ポルトガル首相、コペ仏政府報道官、国際テロ対策専門のブリュギエール仏検事、キング・イングランド銀行副総裁、トリシェ仏銀行総裁、欧州委員会のラミー通商担当委員、クラースNATO元事務総長、カミュ欧州空防衛宇宙社(EADS)CEO、仏大手保険AXAのドカストリ会長、ドモンブリアル仏国際関係研究所所長、ルルーシュ仏議員(保守政党・国民運動団体)、フィガロ紙社説担当のアドラー記者ら。



【参考文献】

ビルダーバーグ倶楽部−世界を支配する陰のグローバル政府

bilderberg_club.jpg著者:ダニエル・エスチューリン/山田郁夫=訳

定価:1,890円(税込)

ISBN:4862380328

発売:2006/11/7

内容:
衝撃のノンフィクション! ビルダーバーグ、それは世界の有力な政治家、銀行家、多国籍企業が秘密裡に組織した国際機関。
政治、市場経済、戦争を仕切る権力者たちが目論む、「新たな世界秩序」樹立計画の驚愕の内実。
ビルダーバーグは、何もかも見通す監視機能を備えた陰のグローバル政府だ。密室の年次総会では、悪魔的な計画をいかに実行するかが決まる。
決まれば、すべてが必然となる。戦争、飢饉、貧困、政府転覆、それに加えて思わぬ政変や社会変動、あるいは通貨価値の変動などが突然起こるのだ−(本文より)

★世界35カ国で出版予定★

ビルダーバーグ会議の出席者たち:
デービッド・ロックフェラー、ヘンリー・キッシンジャー、アイゼンハワー以降の歴代米国大統領、トニー・ブレア英国首相、ロスチャイルド財閥、ジャン・クロード・トリシェ欧州中央銀行総裁、ハビエル・ソラナ前EU理事会事務総長、ビル・ゲイツ夫妻、欧州の全王室…etc.

著者プロフィール:
ダニエル・エスチューリン
ジャーナリスト。1966年ソ連生まれ。1980年3月、父は著名な科学者だったが、反体制活動家でもあったためKGBに拷問を受けて死亡、さらに叔父はスターリンの悪口を言ったことを密告され、チェーカー(KGBの前身)によって殺害される。一方、祖父がKGBの部長を務め対敵諜報部員をしていた関係で、著者はKGBをはじめ、CIAなどからも多くの機密情報を得ているが、特にビルダーバーグについては、衝撃的な事実を多数掘り起こし、何度も命を狙われる。そのため長年トロントに住んでいたが、現在ではマドリッドに移住し、執筆活動を続けている。



【新聞・書評】

ビルダーバーグ倶楽部 世界を支配する陰のグローバル政府
[著者]ダニエル・エスチューリン 山田郁夫訳
バジリコ / 1890円

[評者]越智 道雄 (明治大教授)

■民衆と資源の管理策を暴く

本書は「世界政府」の設立を策定する秘密組織、ビルダーバーグに迫ったものである。各国首相、多国籍企業のトップ、世界銀行や国際通貨基金(IMF)の幹部らが参加するこの組織は、欧米中心の大西洋同盟である。組織名は1954年に第1回会合が行われたホテル名からとった。
地球資源の枯渇が迫り(石油資源はあと20年分しかない)、資源の効率的管理が急務となると、グローバリズム経済が活性化、民族国家が衰退する。民族国家の屋台骨は中流層が担ってきたが、産業の空洞化で失業した彼らは失権しつつある。
資源の国際管理を軸として、世界政府、国際法廷、国際軍その他が不可欠となる。それには個々の国家や国軍の解体が前提となる。今日はその過渡期で、ブッシュ政権の「米一国主義」はその潮流への抵抗の典型だ。この政権を支えてきたキリスト教右翼は、世界政府設立をエリート層の国際的大陰謀と主張してきた。非エリート層の「陰謀史観」には、リバタリアン(自由意思論者)のような、キリスト教右翼よりは知的レベルの高い人々もいる。本書はこのレベルに相当するだろう。
著者はビルダーバーグ暴露に人生を賭けたわけだが、スターリニズムの恐怖をこの秘密組織に重ね合わせることが生理になっている。しかしビルダーバーグは暗殺などの強硬措置よりもメディアその他を使った洗脳によって目的を遂げようとする(昨今の禁煙運動の進め方はその典型)。この組織は、世界の人々の体にマイクロチップを埋め込み、それがないと生活が成り立たない状況に追い込み、民衆の国際管理を容易にしようとする。
すでに国連、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、北米自由貿易協定(NAFTA)その他、ジグソーパズルのように世界政府の輪郭が浮かび出てきた。これらが1つに繋(つな)がるのはいつの日だろうか? グローバリズム、反グローバリズム、私たちはどちらを選べばよいのか?

Daniel Estulin 1966年、旧ソ連生まれ。ジャーナリスト。現在はマドリードに居住。(東京新聞 2007/01/28)



【関連記事】

Henry Kissinger to attend Bilderberg meeting
The Portugal News has been informed by the US Liberty Lobby Assembly, an organisation that monitors the activities of the secret geopolitical Bilderberg group, that the group's 2003 annual meeting will be held from the 15th to the 18th of May in Versailles, France.
It has also confirmed that among the attendees will be the former US secretary of state, Dr. Henry Kissinger. He is wanted by the French police for further questioning in connection with alleged war crimes carried out during the Chilean political coup of 1973. Five French nationals went missing after the coup, which Dr. Kissinger is suspected of organising. During a visit to Paris in May 2001 he was summoned to appear before Judge Roger le Loire at the French Palais de Justice.
Full coverage of the Bilderberg Versailles meeting will be carried by The Portugal News in future editions - keep posted.(Portugal News 2003/05/17)

オランダのベルンハルト殿下が死去 WWF初代総裁
ベルンハルト殿下(オランダ・ベアトリックス女王の父)オランダ王宮府によると、1日、オランダ中部ユトレヒトの病院で死去、93歳。がんが全身に転移し、ここ数週間危篤状態が続いていた。
1911年6月29日、ドイツのイエナで生まれた。37年にオランダのユリアナ前女王と結婚。第2次世界大戦中は連合軍のパイロットとして活躍。自然保護活動に熱心で、61年、世界自然保護基金(WWF)の初代総裁に就任。著名な政治家や実業家、学識者らでつくる親米のビルダーバーグ会議議長を約20年間にわたって務めた。
長年連れ添ったユリアナ前女王は今年3月に死去した。(共同)(産経新聞 2004/12/02)



【関連サイト】

Bilderberg (Free Press International)

Bilderberg - The High Priests of Globalisation (Unofficial Site)

The Bilderberg Archive 2005 & Before

Bilderberg: The ultimate conspiracy theory (BBC News)

Inside the secretive Bilderberg Group (BBC News)

Bilderberg Puts Heat on 'Loose Cannon' Bush Over Mideast Policy (American Free Press)

Did Hillary Clinton Attend Bilderberg Conference? (Prison Planet.com)



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