ジャニーズ「帝国」告発本を読む



『二丁目のジャニーズ』

『二丁目のジャニーズ 死闘篇』

『二丁目のジャニーズ 最終戦争篇』(以上、原 吾一著)

『ジャニーズのすべて 少年愛の館』

『ジャニーズのすべて 反乱の足跡』

『ジャニーズのすべて 終わりなき宴』(以上、平本淳也著)


これらジャニーズ「帝国」告発本が、鹿砦社から相次いで出版された。そもそも鹿砦社がジャニーズ事務所を敵に回すようになったのは、『SMAP大研究』という本を出版しようとしたところ、ジャニーズ事務所側が出版の事前差し止めを強行に行ってきたことがそもそものきっかけであった。しかし鹿砦社代表の松岡利康氏は、


以来、われわれは、ジャニーズに対し死闘(デスマッチ)を宣言した。もともとケンカを売ってきたのは、老いさらばえたジャニーおじさんとメリー・ヒステリックおばさんである。『おまえはただの現在にすぎない』(トロツキー)──帝国の崩壊はもうすぐである。裸の王様となった老人どもの行く末は、ブタ箱か墓場であると言っておこう。

(『二丁目のジャニーズ』あとがき)


と、ジャニーズに宣戦布告。これらジャニーズ「帝国」告発本で書かれていることは公然の秘密とはいえ、もうすでに誰もが知っていること、周知の事実なのでとりたてて格別の驚きはない。ジャニーズ事務所の社長ジャニー喜多川氏が生来の少年愛者であり、自分の好きな子どもたちばかりを面接で選りすぐってはジャニーズ事務所に入れ、“合宿所”と呼ばれるジャニー氏のプライベートルームに少年たち(ジュニア)を連れ込んで一緒に入浴したり、ベッドをともにしたり…。当然のごとく芸能界へのデビューを交換条件にしたセックス(なんと少年にアナルセックスまで!)も行われ、さらには芸能界や政財界への商取引きとしても慣行化されているのだという。

今回これらの告発本を読んであらためて痛感したのは、すでにジュニアたちはジャニー氏が少年愛者でありセックスを強要するということを事前に察知しており、これも芸能界へデビューするための“関門”、つまり代償行為なのだと割り切って素直に受け入れていることである。2丁目のウリセン(男性相手に金銭で売春を斡旋する店)で働く「翔」こと、ジャニーズ事務所のCクンは率直にこう言ってはばからない。


ボクだけじゃなくて、ほかの皆も、心のなかでは社長に誘われたいと思っているんじゃないのかなあ。社長と寝て、それでスターになれるんなら、誰だって嫌とはいわないよ、きっと──

(『二丁目のジャニーズ』)


むろんジャニー氏とのセックスを拒否すれば芸能界へのデビューはあっけなく絶たれる。芸能界に君臨するジャニーズ事務所に逆らえば、即ちそれは芸能界では生きていけないことを意味する。それはジュニアのみならず、テレビ局も芸能週刊誌も芸能リポーターも変わらない。「触らぬジャニーズに崇(たた)りなし」なのであろう。そういうなかで、これら告発本の出版は快挙と言えることなのかもしれない。誰もが言いたくても言えないでいたことを、はっきりと口に出して言ってしまったのだから。

ところで、鹿砦社から出ているジャニーズ関連本は、先に紹介した6冊だけではない。実に数えること19冊ものジャニーズ本がこの鹿砦社ただ一社から刊行されているのだ(1996年10月現在)。執念というのは、げに恐ろしいものである。そしてまた新たに20冊めの最新刊本が発売された。その名も『ジャニーズ噂の真相Q&A』。著者は『ジャニーズのすべて』シリーズを書いた元ジャニーズの平本淳也クンとジャニーズ同窓会(ジャニーズ出身タレントOB会)との編著となっている。この9月に『ジャニーズのすべて 終わりなき宴』が出たばかりだというのに、もう翌月に次の本とは恐れ入る。

で、内容の方はというと、ジャニーズをめぐる噂や疑惑の数々をQ&A形式で検証してみたもの。「俺たちが取材してわかったことや信憑性の高い答えを探してみたんだ」と平本クンがプロローグに書いているとおり、歯に衣着せぬ答えが用意されているので興味深い。たとえばオープニングのQ&Aはいきなりこうだ──


Q:ジャニーズからデビューするにはジャニーさんとHしなくっちゃだめなの?

A:100%中100%! ジャニーさんと交じりあわないとデビューはありえないのがジャニーズ事務所に長く伝わる儀式だ。ショックかもしれないけれど真実だ。(以下略)


これでもかこれでもかと反撃の手をゆるめない鹿砦社の動きにはホント感心するよ。


【1996/10/21 江原・記】



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