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北 山 銅 版 画 室ー健康な銅版画スタジオ

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 健 康 制 作 環 境 に つ い て
北山銅版画室/Studio Kitayama は『 健 康 な 銅 版 画 ス タ ジ オ 』です。

伝統的な銅版画材料から非毒性版画制作-Non Toxic Printmaking-への移行について研究しています。
人体に有害な物質を含む溶剤(石油系有機溶剤)などは使用しません。健康な凹版画制作の環境づくりに配慮しています。

[キースハワードの非毒性版画制作 ページ]

[非毒性凹版画とは]

[有機溶剤の毒性と健康影響について]

[石油系溶剤の分類]

[種類別有機溶剤の毒性](PDF形式:202KB、1ページ)
PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビ システムズ社から無償提供されているAdobe ReaderTM プラグインが必要です。



◆健康な制作環境について◆

■腐食液は塩化第二鉄を使用。

■有害物質を含む溶剤(ベンジン、リグロイン、灯油、ホワイトガソリンなど)は使用しません。

現在、当スタジオでは、アクリルベースの水性グランドや植物バイオの溶剤の使用に切り替えたため、ベンジン、リグロイン等の石油系溶剤は不必要です。
また、水溶性絵の具などを使ったソフトグランドの技法もあります。

ベンゼンはベンジン、灯油、ガソリン等の石油系溶剤に含まれる物質で、人体に於いて発ガン性が確認されています。(参考資料:⇒http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/Aug1999/990817.html / ⇒http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/April1999/990429.html

染み抜き用や試薬のベンジン・リグロインの現市販品ではベンゼンフリー(ベンゼンによる毒性の影響がほとんどないと考えられるごく微量の含有量-1%以下)の商品や、芳香族系を低く押さえる努力がされているものもあるようですが、主成分の n-ヘキサンも有害物質です。使用される溶剤の成分と含有量については、注意して、その含有物質の毒性について認識を持っておくことが健康被害から守るために必要だと思います。

止むを得ずベンジン等を使用するときは、換気をよくして、吸入や皮膚接触はできるだけ避けなければなりません。

ベンジン等を使用して銅版の汚れを除去するときは、蒸気に目を侵されないように溶剤を流した版に顔を近付けないことや、指についたインクをベンジン等で拭き取ることは止めなければなりません。


■印刷後の銅版は、サラダ油や植物バイオの溶剤-D*SOLVインククリーナーでインクを拭き取りその後、食器用洗剤(石鹸)で水洗。
*サラダ油は、複雑な腐食や深い腐食の版では取れにくい場合があります。

■インクのついたローラー、ゴムべら、インク練り台などの掃除にもサラダ油を使用。その後アルコールで拭く。または、食器用洗剤(石鹸)で水洗。手についたインクもサラダ油で拭くとある程度取れます。その後石鹸などで水洗。

■ピカール(金属磨き)で銅版を磨いた後の汚れも、サラダ油またはD*SOLVインククリーナーで拭き取りその後、食器用洗剤(石鹸)で水洗。

■ハードグランドはベンジン、リグロインなどの不必要なアクリルベースの水性グランド Z*Acryl を使用

従来のアスファルトを原料にしたグランドの除去や裏止めニスも、植物バイオの溶剤-D*SOLVインククリーナーで除去できます。その後、水洗。

《 版画制作の環境に於いて、欧米の版画スタジオや大学では、日本以上に健康と環境問題に関心が高まっています。そして、水性グランドや、また、インク除去用には植物性洗剤が多く使われるようになっています。》

北山銅版画室/Studio Kitayamaでは、Z*Acryl ハードグランド(アクリルベースの水性グランド)、100%植物バイオの溶剤などを販売しています。

■ピカール(金属磨き)は液体のものより半練りタイプの方が臭いが穏やかです。

■有機溶剤のついたウエスは、有害ガスの蒸発を防ぐため缶に入れて密閉します。

■室内の空気を清浄に保つため換気します。

--- このような取り組みにより、より安全に安心して作業を進められるように工夫していきたいと思っています。---



以下の文章は参考資料としてwebサイト「住まいの科学情報センター」内の
(⇒http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/Aug1999/990817.html
Author:東 賢一
混合溶剤曝露による慢性脳障害
1999年8月17日 CSN #089 ”から一部抜粋、引用したものです。

有機溶剤は揮発性が高い物質が多く、眼・皮膚・気道への刺激や、中枢神経系への影響があるため、直接皮膚に接触したり、蒸気を吸い込んだりすることは、できるだけ避けなければなりません。 

米医師会雑誌(JAMA)で発表された有機溶剤に関する最近の研究において、有機溶剤への妊娠期間中の曝露とその後の影響が報告されています[3]。この論文では、妊娠初期13週の間に有機溶剤に曝露した、工場作業者、実験補助、アーティスト、グラフィックデザイナー、印刷産業労働者、化学者、画家、OL、獣医、葬儀場労働者、大工、社会福祉家、カー清掃業の労働者125人を分析した結果、胎児の奇形などの先天性異常のリスクが13倍増加すると報告しています。また、妊娠期間中の女性の有機溶剤への曝露は、できるだけ最小限にすべきだと指摘しています。 

その他にもリウマチ性関節炎、狼瘡症、鞏皮症などの結合組織疾患や癌との関連性について、レイチェル・ニュース#647で紹介されています[4]。 

今年5月に発表された、アメリカ政府が発行する科学雑誌「環境衛生展望」において、30年間種々の有機溶剤に曝露した57歳のペンキ塗布作業者に発生した慢性脳障害について、ボストン医科大学のRobert G. Feldmanらが報告しました[5]。 

この作業者は、ペンキ屋として16歳から30年間仕事を続けていました。その間、換気状態が良くない場所でもよく仕事を行っていました。また仕事が終わった時に、有機溶剤を使って腕や手に付着したペンキを取り除いていました。そして、その作業者と彼の家族は短期記憶機能が低下しているや、40歳代前半での情動が変化していることに気づきました。またその症状は、仕事を辞め、塗料や溶剤に曝露しないようになった後でも進行しました。 

そこで、継続的に神経心理学のテストを行った結果、生涯治療不可能な認識力不足であることがわかり、さらに磁気共鳴診断装置 (MRI)によって、脳の白化現象を伴った容積減少が確認されました。そしてこの患者は、アルツハイマー病、多発性脈管梗塞痴呆症、アルコール性痴呆症のような痴呆症ではなく、慢性的な毒性脳障害と診断されました。有機溶剤が中枢神経系に影響することはこれまでにも報告されており、今回の研究もそれを裏付ける結果が得られました。

家庭や職場で有機溶剤を大量に使用する場合は、曝露をできるだけ最小限に抑えるためにも、換気に注意を払い、保護具を着用すべきです。国際化学物質安全性カード(ICSC)に化学物質ごとに取り扱い上の注意事項や応急処置方法が記載されています[2]。取り扱い上の注意事項について、私の知見と経験を含めて以下に示しますのでご参照下さい。 

<有機溶剤取り扱い時の注意事項>

・大量に有機溶剤を取り扱う場合は、ドラフト内あるいは局所排気ブース内で行う。あるいは風通しが良く換気の良い場所で行う。
・保護メガネ(一般の眼鏡でも構いませんが、ゴーグルのように蒸気が入らないシールドタイプがベスト)を着用する
・保護手袋(有機溶剤に溶けないポリエチレン製の手袋)を着用する
・保護衣(作業用の衣服など)を着用する
・有機溶剤用の防毒マスクを着用する
・作業中は飲食や喫煙をしない。またライターなどの火気は使用しない。静電気の発生に気を付ける。

有機溶剤は身近に使用する化学物質です。健康への影響などの危険性をしっかり認識し、取り扱いに注意して使用することが大切です。  

<参考文献>

[1] 「誤飲物質の毒性検索システム」外来小児科学ネットワーク
http://city.hokkai.or.jp/~satoshi/TOX/tox.html

[2] 国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版、国立医薬品食品衛生研究所 (NIHS)、化学物質情報部
http://www.nihs.go.jp/ICSC/

[3] Sohail Khattak and others, "Pregnancy Outcome Following Gestational Exposure to Organic Solvents,"
米医師会雑誌: Journal of American Medical Association (JAMA), Vol. 281, No. 12 (March 24/311999), pgs.1106-1109.
http://jama.ama-assn.org/issues/v281n12/full/joc81429.html

[4] RACHEL'S ENVIRONMENT & HEALTH WEEKLY #647, April 22, 1999.
日本語の概要文は、「住まいにおける化学物質」のCSN #042で紹介しています。
(⇒http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/April1999/990429.html

[5] Robert G. Feldman, Robert G. Feldman, Thomas Ptak
環境衛生展望(Environmental Health Perspectives)Volume 107, Number 5, May 1999
URL: http://ehpnet1.niehs.nih.gov/docs/1999/107p417-422feldman/abstract.html


●他の海外を中心とした化学物質に関わる健康と環境情報 については、
「住まいの科学情報センター」(⇒http://www.kcn.ne.jp/~azuma/index.html)のChemical Safety Newsデータベースへどうぞ。




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