嘘ついたら……



 ご存じのように、私は現代人には珍しいほどの正直者なワケだが、私がウソをつかなくなったのには理由がある。幼い頃、誰とだか忘れたが、こんな約束をしたからである。「ウソついたら針千本の〜ます」。針を飲むのである。しかも千本もである。これは恐ろしい。
 以前にも書いたが、私はモーレツな先端恐怖症である。ちくっと刺さりそうになるのを見るだけで気が遠くなりそうなのに、それを口から飲めというのだ。こんなコトするくらいなら、ウソなんてつかずに正直でいる方が断然良い。
 ところが、自らウソをついて、針を飲んでしまったヤツがいる。こいつだ。記事によると、スーパーマーケットで買ったフライドチキンに自ら針を刺し、それを4本も飲み込んだ(!)という。それを元にスーパーを恐喝しようとしたそうだが、あっさり自作自演がバレて逮捕されている。
 千本ではなかったが、4本でも十分スゴイ。1本ずつ飲んだのか、それとも4本まとめて飲み込んだのかは知らないが、想像しただけでめまいがする。ナニも実際に飲まなくとも、チキンに刺して「こんなのが刺さってたじゃねぇか、このヤロー!」とイチャモンをつけるだけで十分だったと思うのだが、この男は正直に飲んでしまった。この嘘つき野郎、ある意味では正直者だったと言えなくもない。
 それにしても、「ウソついたら針千本の〜ます」と約束をした人間はごまんといるが、本当に約束通り針を飲んだ人間は初めて見た。相当の大嘘つきであったワケだが、約束を守ったという意味では、やはりこの男、希代の正直者だったに違いない。

Posted: 火 - 3月 1, 2005 at 03:32 午前         | |


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