『スーパーサイズ・ミー』『マシニスト』 毎月一日は映画の日。本日は、早稲田松竹にて、『スーパーサイズ・ミー』
と『マシニスト』
の二本立てを観る。一方はドキュメンタリー、一方はサスペンス。テーマも作風も全く違うが、一方はぶくぶく太り、一方はガリガリにやせ細る「体重映画」というだけで二本立てしてしまう映画館側のセンス、嫌いではない。
『スーパーサイズ・ミー』は、マクドナルドを1日3食30日間食べ続けたら人間どうなるか?というまったくバカバカしいドキュメンタリー。一応、外食産業や学校の給食問題に警鐘を鳴らすような映像はあるのだが、コレは取ってつけたような大義名分ではないだろうか。「ただただマクドを食いまくったやる!」という電波少年的興味こそミソで、きっと製作者もそれくらいの勢いで作り始めたに違いない。 監督のモーガン・スパーロック自ら実験台となり、ハンバーガーを食って食って太って行く。ついには医者も想定しなかったようなスピードで肝臓や血液に障害をきたし、電話で母親に「オイラもうダメかも……」なんて告白するお涙ちょうだいシーンも登場するのだが、最も身につまされるのが、監督の同棲中の彼女を登場させるコトである。彼女は自然食レストランのコックで、ベジタリアン。しかもなかなかの美人とキタもんだ。そんなベジタリアンの彼女の前で、脂ギトギトのハンバーガーを食べ続けるのだ。コレはイヤがらせか、それともプロのドキュメンタリー作家の性(さが)なのか。どうやら監督は、以前より彼女からベジタリアンになるようにと勧誘されていたらしい。監督は、彼女を愛しているが、それだけは無理だと頑なに拒否していたのだ。そこで観客は、「この実験はもしかして、監督が彼女へ送ったメッセージなのではないか?」と勘ぐり始めるのである。 そんな中、実験も半ばにさしかかる頃、この美人の彼女が監督の私生活での変化について語る。元気もないしボンヤリするコトが多くなった、と。そして、「セックスはたまにするけど、前とは全然違うの」などと赤裸々に語る。「一応は“立つ”けど、前みたいに元気がなくて……」。だから「いつも私が上になってるのよ」だって。これは問題である。大問題である。つまりこの映画が言いたいコト、いや、監督が言いたかったコトとは、ズバリ、『マクドナルドを食べ続けてインポになるか、それともベジタリアンになってカワイイ彼女とHしまくるか』という究極の選択についてではなかったのだろうか。だって、マクドナルドをはじめとする外食産業や肥満問題に対する警鐘や問題提起、というワリには、メチャクチャ美味そうなんだモン、食いっぷりが。 一方、『マシニスト』は、不眠症で1年間眠れず、がりがりに痩せている男の話。主演のクリスチャン・ベイルは、役作りの為に30キロも減量したらしい。頬はこけ、肋骨丸出し、腹と背中はくっつく寸前。この異常な痩せっぷりだけで、映像的はかなり恐怖を感じる。 それに加え、色彩を押さえた冷たい映像や、不眠症患者が見る(であろう)ようなぼんやりした不思議な映像がイイ味を出している。このガリガリの不眠症患者が、機械工として町工場で働いているのである。ドリルやプレスがウィンウィンガシャンガシャンしている中で、今にも倒れそうになりながらふらふらしているのだ。いつ事故が起こるか、いつショッキングな映を見せられるか!?というサスペンス描写だけで、イヤな汗をたっぷりかけるという仕組みはお見事。 ただ、この男がなぜ1年間も眠れなくなったのか、というきっかけが、あまりにもアッサリし過ぎているように思う。まぁ、落ち込むのはわかるけど、そこまで痩せるほど悩まなくても……、というのは、少し無責任な感想か。 Posted: 金 - 7月 1, 2005 at 10:02 午前 | | |
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