『亡国のイージス』



 試写にて、『亡国のイージス』 を観る。
 イージスとは、古代ギリシャ神話に出てくる盾のコトで、その名を取ったのが最新鋭の護衛艦イージス。ところが、戦後60年、我々日本人は守るべきプライドも国家としての形も無くしてしまった。一体何を護るというのか? そんな疑問を抱いた一部自衛官たちと某国のテロリストたちが手を組み、東京湾沖で訓練中のイージス艦を占領してしまう。艦のミサイルはすべて東京都心に向けられ、更に船にはアメリカが開発した特殊兵器も積まれていた。
 と、非常に今日的社会的なテーマのもとに物語はスタートする。阪本順治らしい骨太な映画になりそうだ。ところが、某国の女子高生のような女スパイが出て来た辺りから雲行きが怪しくなる。もしかしてこれは娯楽作品なのか?との懸念を抱きながら観進めると、某国テロリストのボスである中井貴一がメチャクチャ強かったり、アメリカの開発した兵器の形やそれを巡るやり取りが『ザ・ロック』 そっくりだったりして、コレは間違いなくエンターテイメント作品だ!と気づかされるのである。
 そしてラスト30分では、怒濤のツッコミどころが用意されているので、今から観る者は覚悟しておいた方がよいだろう。世紀のニンジン……、じゃなくてカボチャ……、じゃなくて、えーっとえーっと、あ、だいこ(以下自粛)役者、吉田栄作の最後の×××には「お前は××××か!」と会場内全員がスクリーンに向かって右手の甲を差し出して関西芸人さながらツッコンだ。谷原章介の、ジャンプ!キャッチ!くるっと一回転!そして……には、緊迫した場面にもにも関わらず、思わず「ぶはっ!」と声を出して笑ってしまった。そしてナニより、大オチのイージス艦の救い方! 真田広之の××××! どひゃー! 私は漫画のような声をあげ、椅子からズリ落ちてしまった。面白過ぎる。アレ、気づかれなかったらどうするつもりだったのだろう? 一生やってろ! 私はそんな風に心で叫んだのである。
 とにかく、自衛隊が撮影に全面協力し、編集や音楽はハリウッドに依頼し、そして日本を代表する俳優陣を惜しげもなく起用し、こんなトンデモ娯楽映画が出来上がってしまった。自衛隊も、こんなエンターテイメント映画にイージス艦やジェット機を貸し出すとは、思いのほか心が広い。
 こういう自衛隊モノや戦争モノというと、どうしても堅苦しく考えてしまいがちだが、肩の力を抜いて思い切り笑って楽しんでやろう、という精神で挑むのが、本作の正しい見方である。

Posted: 木 - 7月 28, 2005 at 02:25 午後         | |


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