『終わらない物語 アビバの場合』



 試写にて、『終わらない物語 アビバの場合』 を観る。
 とにかく不思議なスタイルの作品だ。1人の少女、アビバが成長していく物語なのだが、その過程において、アビバを8人の役者が演じる。これはよくあるパターンなのだが、本作では、最初は黒人の少女、次が赤毛の白人の女の子、その次が白人の少年(!)、そして黒人の体重150キロオーバーの女の子……という風に、肌の色も体型も性別も違う役者が同じアビバという役を演じるのである。
 この仕掛けを面白いと思うコトができれば、最後まで受け入れるコトができるだろうが、「ナンじゃこりゃ」と思ったらもうオシマイ。本作を観る資格を失ってしまうだろう。
 コレだけころころ主人公を演じる役者が変わるコトにもインパクトがあるが、その女優たちの顔にはもっとインパクトがある。ことごとく味のある顔、まぁ要するに不美人なのである。監督の、このブスへのこだわりは一体ナンなんだ。
 13歳の少女アビバは、早く赤ちゃんを欲しいと熱烈に願っている女の子である。たまたま両親の友人の家に連れてこられた時、友人の息子とSEXをして妊娠してしまう。本人は産みたがるが、母親の猛反対により中絶させられる。その際、子宮摘出までされてしまう。そんなアビバが、家族を求めて家出し、旅をする物語だ。ファンタージーのようでユーモアも漂わせるのだが、突如猛烈に切ない現実を突きつけられる。一筋縄では観られない作品である。
 ちなみに、原題の『PALINDROMES』は、回文(上から読んでも下から読んでも同じ文)という意味だそうで、アビバ(AVIVA)の名も回文になっている。日本語でいえば、「しんぶんし」とか「たけやぶやけた」が有名だが、他にも「軽いイルカ」とか「旦那がなんだ」などもあるが、私の好きなのは、「いよっ、阪神は強い」と「肉の多い大乃国」である。

Posted: 水 - 5月 18, 2005 at 06:07 午前         | |


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