『ミリオンダラー・ベイビー』 試写にて、『ミリオンダラー・ベイビー』
を観る。クリント・イーストウッド監督・主演の、本年度アカデミー賞受賞作である。
ヒラリー・スワンク演じる女ボクサー、マギーが、イーストウッド演じる老トレーナー、フランキーに、自分のコーチをしてくれるよう頼む。女なんて、と拒否するフランキーだが、マギーはしつこく食い下がり、ジムに出入りし、ついにトレーナーになるコトを受諾させる。フランキーの教えの元、めきめき力をつけていき、連戦連勝。ついにタイトルマッチに挑戦するまでになる。 という物語で、「女版ロッキー」みたいな映画かと思っていたら。そこはクリント・イーストウッド、そんな映画を撮るはずがない。後半の展開には、誰もが息を呑む。「ロッキー」がアメリカンドリームを描いた代表作だとすれば、本作はまったく逆。そんな夢は妄想だと否定しているかのようですらある。マギーはトレーラーハウスで育った貧しい家庭の出で、今もウエイトレスをしながらテレビもない生活をしている。そこから抜けだし、アメリカンドリームを掴もうとするのだが。 ネタバレになるので後半は語れないが、衝撃的な現実が待ち受けている。「自分を守れ」が口癖のフランキーは、マギーを守れるのか。ひねくれ者のフランキーが何十年も毎日曜日に教会へ通っているのだが、それが最後に効いてくる。人間の尊厳について問われ、考えさせられる作品だ。共にアイリッシュで、家族から見放されたマギーとフランキーの、本物の父娘のような優しい関係の美しさと、あまりに切ないラストに、心が震える。イーストウッド、老いて尚、ギラギラである。 Posted: 火 - 5月 17, 2005 at 02:32 午後 | | |
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