どうして基地は、ヒーロー側のも敵側のも、隔絶された場所にあるのか?
ヒーロー基地には円環構造が多く、敵基地にはヒナ壇形式が多いのはなぜか?
(仮説)基地は世界である
エリアーデがいうように、建物は世界であり(出典忘れ)、ヒーロー基地は人間世界そのものを象徴する。
だから丸い。
円は、その世界が完成された、独立系であることをあらわす。
円の外=基地の外は、戦いの場であり、敵の世界である。
ヒーロー基地には窓がない。外を見るのも、モニター越しに見たりする。
窓や門・扉といった開口部からは、外界=異界が侵入してくるからだ。
一方、敵基地は《あっちの世界》=異界であり、《こちら側》との関係性においてのみ成立する。
だから、舞台のように《こっち》を向いた構造が、象徴的に望ましい。
ヒーロー基地の役割は、“聖地”になぞらえられるかもしれない。
聖地もまた、ひとつの世界である。エルサレムの第二神殿の崩壊とともに、古代ユダヤ社会が終焉を迎えたように(またシオニズムの萌芽が生まれたように)、基地が壊滅するのは、ひとつの世界の滅亡をあらわす。
聖地は、寺院や教会とはちがう。
寺院や教会は、俗界の中にあって、聖界への“門”としての役割を担う。そのため、建物を尖鋭的に高いものにしたり、鳥居のような門を建てたり、マンダラや天井画のような異界図をかかげたりする。こうした特徴は、ヒーロー基地よりも敵基地に当てはまる。
敵基地は、異界そのものであると同時に、こちらの世界と異界とを結ぶ門としての機能を持つ。
まとめ。
ヒーロー基地……こっち。世界。閉じている(円環)。絶対的。
敵基地……あっち。異界。開いている(門)。相対的。
以上の仮定にもとづく、いくつかの予測。
- 敵基地の外観を見せるなら(城や宇宙船など)、窓や開口部があったほうがいい(そこから人間世界が見えるのがベスト)。
- ヒーロー基地を壊滅させるなら、外からの攻撃よりも、内部から裏切り者が出るパターンのほうがインパクトがある(『ライブマン』冒頭がそう?)。世界の絶対性をそこなわしめるから。
- 敵基地が壊滅してもカタルシスはない。もともと相対的なものだから。
- 敵基地は、地下なり宇宙なり、人間世界から隔絶した場所に置かれるべき。
都市部に置くのであれば、固定基地をなくすか、あるいは別に本拠地を設けて、そことの連絡拠点の形にすべき。
- ヒーロー基地には居住するキャラクターがいたほうがいい。
そのキャラクターイメージがそのまま基地イメージに投影されるので、(基地を売るなら)マスコットキャラは考えもの。
- 移動基地は(敵も味方も)、世界としての象徴性をそこなうので、基地としての魅力はない。
それを補うには、居住空間として設定し、内部描写を充実させて、《世界性》を強調する(エンタープライズ号やマクロスのように)。