「サブリミナル効果」なるものが存在すると、いまだに思っている人がいるんでしょうか?
asahi.com の古い記事が、またぞろ上がってきたみたいなんで、ちょっと反応。 (略)バラエティー番組「マネーの虎」で、1万円札の福沢諭吉の顔を0.2秒間流し、「サブリミナル(潜在意識)的表現手法」と疑われる手法を用いたことに対しても、番組基準の運用が適正ではないと判断した。 「日テレの番組表現手法に問題」 総務省が行政指導(asahi.com 2004.3.12) -- 強調引用者 「学説があるという」ってさあ……。 「ある」とは、断言できないわけ。 「ネス湖には、恐竜の生き残りが棲んでいるとする学説があるという」「義経は落ち延びて、ジンギスカンになったとする学説があるという」……なるほど、これは便利! いくらでもいえますね。 「サブリミナル効果」ってのは、0.03 秒 の広告を映画に挿入したところ、売店の売り上げが伸びました! 新しい宣伝手法をゲット! これぞサブリミナル(識閾下/潜在意識)のパワーだ! という、ジェームズ・ヴィカリーなる宣伝マンのレポート。 1950年代のことです。 こいつはスゲーや! となったわけですが、世界中の心理学者がいくら追試をしても、てんで効果があらわれない。問いつめられたヴィカリーは、実験の話自体が捏造だったと認めます。 自分を売り込みたい宣伝マンのホラ話でしたとさー。 ※ ちなみに、映画の1コマは約 0.04 秒。「0.03 秒」の広告は入れられません。映画が 24fps なのを知らない人たちならではのお話。 でも、フロイトファンのアメリカ人の琴線に触れたようで、いまでも、サブリミナルは大人気。 一番人気は、「ロックに、ひそかに悪魔崇拝の呪文が……」というウワサ。さすが、キリスト教国家を標榜するだけのことはある。 同じような現象は、日本だと「この歌に幽霊の声が……」というウワサになるわけで、お国柄出ますねー! で、ここに来て、にわかに日本のテレビ界で「サブリミナル」が取りざたされるようになったのは、1995年の『報道特集』あたりから。 「麻原彰晃の顔」のインサートカットが問題視されて、民放連は、「サブリミナル効果」と誤解される表現は避けましょう! という自主規制を打ち出した。これ以降、「サブリミナル効果=悪」というイメージがつきまとい、現在に至る(しかも増殖中)って感じ。 まあ、百歩譲って、そこまではいいでしょう。 でもね。 『マネーの虎』が、1万円札の絵を 0.2 秒インサートしたのを「サブリミナル」って?? 6フレームですよ? 人間、2フレもあれば、はっきりと知覚します。 「潜在意識」もへったくれもない。サブリミナルじゃなくて、完全にリミナル。 テレビの原理を、ちょっとでも知らないのかなー? と。 静止画をつづけざまに表示して、あたかも動画に見せかけるのが、テレビや映画というやつ。 動画に見えるためのフレームレートとして、テレビは約30fps(1フレームが約0.03秒)、映画は24fps(1コマ=約0.04秒)を選択した。つまり、これ以下だと、「じつは静止画」だってことがバレる。 「3コマ打ち」という言葉が、アニメ界にはあるそうで。 セルの枚数をケチるために、1枚のセルを3コマ撮る。1枚の静止画が1/8秒=0.125秒。 でも、これだと止まって見えるので、動いてるように見せるために、日本のアニメ界は独特のノウハウを開発した。このケチケチ作戦が、ケガの功名で、他国になかなかマネのできない「ジャパニメーション」の興隆を築いたんだと思います。 逆にいえば、0.1秒だと、止まって見えて見えてしょうがないわけです。 ましてその倍、0.2秒なんてのは、とてつもなく長い時間。 「問題だ!」と目くじらを立てた人は、ビデオに録って、コマ送りで見つけたわけじゃないでしょう。6フレなんていう悠久の時間があれば、誰だってハッキリ見えますから。 旧『ルパン三世』の旧オープニングの踊る不二子や、『ジェットマン』第1話の(たしか)パワーを浴びるシーンのようなフラッシュ表現は、2・3フレくらいじゃなかったかと。 ああいうのも、「サブリミナル」ってことで弾圧されるのでしょうね。 総務省という国家機関ともあろうものが、半世紀も前のホラ吹きが、自己宣伝のために捏造したエセ科学を持ち出して放送に圧力をかけたり、その尻馬に乗ってテレビ局を叩く「一流新聞」があったり。 怪僧ラスプーチンに踊らされたロマノフ王朝だって、オレオレ詐欺の被害者だって、いま目の前に/電話口の前にいる人に引っかかるわけで。 50年前の詐欺に、国家レベルで騙されつづける国なんでしょうか、日本は?
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Total entries in this category: Published On: 2008.09.02 00:41 |