千田@化ケモノ青年さんご指摘どうもです。
たしかに lint 的な原則論を越えて、「Click here」は、とくに外部リンクにおいてダメダメ。 言い訳すると、リンク先が個人ブログで迷惑かけたくないのと、リンク先の主旨とは違う意味での言及なので明示したくないと。「この辺」とぼやかしたのもそう。 言い訳は置いて、せっかくの機会なので、Hypertext についてつらつら考えてることを述べつつ、なぜ「here」リンクがダメダメなのかをこちら的な観点からも補強します。 「World Wide Web」は、Hypertext
——テキストの内外を問わず相互参照するテキストを実用化するために、世界中に網をめぐらせるプロジェクトだった。
聖書に「章・節」の数字がいちいちついているのは、引用出典を明記させ、原典を参照しやすくするための配慮である。自分たちの聖典にまで(むしろ聖典だからこそ)、参照のためのマーキングをするほど、相互参照性を重視するのが、西洋の「知」のありかたなのだ。 そうした伝統の延長に「学術論文」の形式があり、さらにその後継を担うべくつくられたのが Hypertext なのだと思う。引用出典や参考文献にリアルタイムでアクセスできることによって、「知」の作業効率を大幅にアップさせるための。 だから Hyperlink こそが Hypertext の出発点であり、すべてだとさえ思うけれど、理想はどうあれ現実はなかなか難しい。リンクは宣伝用のツールと化した。相手サイトにリンクを埋め込むという面白い試みだったトラックバックはスパムにまみれる。 Hypertext が目指した新しい知のありかたは、Hypertext をツールとして縦横無尽に使いこなす世代に移行して初めて実現するのかもしれない。すでに「はてなキーワード」なんて、単純だけれども興味深い試みも生まれている。 しかし、リンクが意味を持つためには、ある思想を信じていなければならない。 「知恵は個人のものだが、知識は人類のものである」って思想を。 個人の知恵を知識として相互参照し、共有し合うことでさらに個々の知(知識/知恵)を後押しし、全人類的な知が底上げされるのだというような。そうすれば人類の知が発展するとか、そもそも知とは発展するものだとかいう予測には根拠がない。一種の思い込みであり、夢であり、宗教なのであって、だからこそ西洋からしか生まれえなかった概念だと思う(Tron の実身/仮身が近いという人もいるが、あれは「共有」といった幻想を目的としておらず、Hypertext よりも OpenDoc のようなメタファ運用の試みに比すべきである)。人類が一元的に発展しうるし、すべきだという歴史観自体は、西洋人ならぬわれわれが受けつけるべきではない。よかれと思って他国を蹂躙できるのは、その同じ思想にもとづく心性だ。けど、「発展しうる」というポジティブシンキングにだけは共鳴したい。とくに「知」というジャンルにおいては。 どういう「知」のありかたが Hypertext によって形成されうるか。 2つの道がある。1つは「総合的な知」であり、もう1つは「個人的な知」である。で、私個人は前者を断固支持する。 後者を採るならば、従来のペーパーメディアの論文形式とも下位互換性がありすぎる。つまりペーパーメディアで十分なのだ。 前者を採り、Hypertext というネットワークと不可分のメディア形式に、何か新しいものを生み出しうる可能性を期待するなら、どこかで個の能力を超えなければならない。そしてその活路は、「ネットワーク」にあるはずだ。ネットワークの弱さ——あまりに流動的で、時間的・空間的な固定(アーカイブ)がほとんど不可能に近い——は、ここでは強みとなる。もしも「知」が一元的に発展するという思想を前提するなら、流動性は問題にならない。流動しなければ発展もないし、むしろ流動性こそが発展性を保証する。 もう一度言うが、私自身は「一元的な発展」を信じてはいないが、信じたいと思う。この思想(歴史観)に従えば、「最新」であることが、すなわち「最上」である。この考えかたは、西洋経済学的ビジネスのスキームづくりにも合致するし、「10年前の自分よりも、いま現在の自分のほうがすぐれた人間である」といった自負さえ得られる。 ただ一点、それが自己満足にとどまらない可能性があるとすれば、「全人類的」でありうる要素を、流動するネットワークに提供できるかどうかの一点に集約される。 その意味でも「here」といった無自覚っぽいアンカーは徹底排除されなければならない。 深く反省するしだいで、思わぬ長文になってしまいました。
|
Quick Links
Recent Entries
Calendar
Categories
XML/RSS Feed
Statistics
Total entries in this blog:
Total entries in this category: Published On: 2008.09.02 00:41 |