以前、自分が居住するマンションが、某ドラマのレギュラーロケセット(毎回のように出てくるロケ場所)になったことがあった。
自分の仕事とは関係なく、ホントにたまたま。
当時、管理組合の理事長なんかやらされてた自分は、二つ返事で
OK
を出した。
すると、住人たち(組合員というべきか)から澎湃とクレームが……。
「うかうかとテレビなんかに貸して、何かあったらどうするんだ」
「テレビが来るんだぞ」
「テレビのおそろしさを知ってるのか」
自分の職業を明かし、「だからこそ心配はないですから」と説明して回り、ようやく納得していただいた。
ロケ場所を《借りる側》としての苦労は知ってるつもりだったが、まさか、《貸す側》にもそんな苦労があるなんて、想像もしてなかったのが正直なところだ。
「家がテレビに出て、見物人が押し寄せたら困る!」
そういう人もいた。
いくらなんでも杞憂だ。と言いきれるのは、自分が業界関係者とやらだからなのだろう。
少しでも住人に危惧があってはいけない。
そこで、先方の制作部には「ロケ場所の情報を明かさないこと」という条件を加えた。
当然のルールなのだが、あえて。念のために。
それから数年が経ち。
いま、私が同じ立場で、同じ話が持ち込まれたら、断らざるをえないだろう。
あるいは、もっとややこしい条件をつけることになる。
「本人や家族がブログを持つキャスト&スタッフを調べあげ、現場から排除すること」
それが無理無体だというなら、百歩譲って、こんな条件でもいい。
「キャスト&スタッフ本人か家族がブログを持っている場合、その全員が、この撮影にかかわる情報をいっさい漏洩しないという誓約書を提出すること。万が一の場合は、かれらの連帯責任において賠償させること」
(時間切れ。つづく)