「サブリミナル効果」はありえない、と断言はできません。
トイレに花子さんがいる可能性や、北極にサンタクロースがいる可能性だってゼロとはいえない。 百歩ゆずって、サブリミナル効果が存在すると仮定します。 で、「1万円札」をインサートすると、どんな問題があるんでしょう。視聴者に、どんな悪影響を与えると? 潜在意識じゃなくて、わたしの財布にインサートしてほしい……ってのは置いといて。(^^; いつの間にか、サブリミナル効果の定義とは関係なく、「短いカット」自体が問題だという話にすりかえられている。 これは、何を意味するのでしょうか? この件に関する総務省のリリースには、こうあります。 (略)サブリミナル的表現手法及び光感受性に関する映像手法については、民放連及びNHKの番組基準上配慮すべき事項が規定された経緯がありますが、番組制作技術の飛躍的発達等を背景に基準内容が実態に即して必ずしも明確と言えない面があること、さらには、光感受性に関する映像手法については、国際電気通信連合(ITU)における国際的なガイドライン制定の動向があること等を踏まえ、本件問題に対する放送業界全体としての取組みが期待されることから、民放連及びNHKに対し、これへの対応を要請しました。
総務省「サブリミナル的表現手法及び光感受性に関する映像手法の問題への対応」2004.3.12 -- 強調引用者 この曖昧な文章で、注目すべき点は2つ。
で、まったくの偶然だと思いますが、なんとタイムリーにも、6日後の3月18日、総務省は「コンテンツの生体への影響に関する調査・研究」という報告書を発表します。 この報告の「まとめ」では、 (略)生体への影響を定量的に計る計測技術とそれに基づく映像からの影響パラメータの検証、そして影響を与える映像の自動検出変換技術が必要である。
総務省「コンテンツの生体への影響に関する調査・研究 報告書」 2004.3.18 -- 強調引用者
などと結論づけています。 シャープ・東芝・日立と、電機メーカーが名を連ねる「調査・研究」で、「新製品を開発しましょう」という結論が出るのは当然。実質、まず製品開発ありきで、「どういう製品にするか」の調査・研究だといえます。 そうした動きを背景に、あらためて3月12日付のリリースを振り返ってみると、総務省が放送業界に求める「全体としての取組み」とは、「明確」な「技術」を導入すること——新しい映像検閲装置を買うこと——のように見えます。 映像検閲装置といえば、上の報告でも言及されてる英国メーカーのハーディング FPA のサイトでは、ポケモンの映像がモロに使われてたりして、日本をターゲットにしていることがうかがえます(8フレ単位でサンプリングするとかいうのも、リミテッドアニメの特性に合わせたチューン?)。こうした装置が、テレビ局や番組制作会社、星の数ほどのアニメ制作会社に続々導入されてるわけで、この分野では日本が一番ホットなマーケットだったりします。 総務省の「調査・研究」が、医学界や放送業界ではなく、電機メーカー中心なのはなぜか。その顔ぶれに、ソニーや池上通信機、松下電器といった、放送技術に強いメーカーが入ってないのはなぜか? たとえば、ひとつの筋書きを読み取ってみましょう。
という現状が、まず背景としてある。 両方のバスに乗り遅れた電機メーカーにとっては、たとえば「サブリミナル検閲装置」といった、新しい国内需要を掘り起こせるかどうかが、ギリギリのラストチャンス。けれども、ホントに「サブリミナル映像」を検出するためには、映像の意味解析を行なわなければならず、現状の技術ではとうていムリ。 そこで、
って流れをつくろうとしてるんだとすれば、すべての筋が通ります。 ……なんてね。 そんな陰謀論はどーでもいいのですが、ただ、番組がスケープゴートとして血祭りに上げられてるとしたら、どうにもやりきれないものがあります。 「『的』手法と『疑われる』手法」と、放送を弾劾するのであれば、その弾劾自体もまた、「『的』手法と『疑われる』手法」であってはならない気もしますけど……。
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