猫のヤッピィ 

THE FIRST』チームに、ごく最近加わったプロデューサーがいる。

商社から広告代理店に転身したという彼女は、やる気満々。「日本映画が海外マーケットに訴求しきれないのは、ヴィジュアルのセンスが違うんですよ。リテイクってどのくらいできますか」と、見てもいないうちから言い出して、周囲を不安に陥れていた。

一部合成シーンが上がり、ヤッピィのシーンを見た彼女、
「見えた! ヤッピィがキーですよ!」
と叫んだ。
「見えた」以上に、ワタシを不安がらせるセリフはない。 

ヤッピィとは、映画の劇中で少年が飼っている黒猫である。
正確には少年の飼い猫ではないが。

物語は、遭難した難民船が、ショッカーに襲われるところから始まる。
ひとりショッカーの目を逃れた少年が、猫のヤッピィと出逢う。老人の飼い猫だったヤッピィは、飼い主が拉致されてしまって船に取り残されたのだ。
助け合いながら、日本へとたどりつく少年と猫。
少年は猫の名前(ヤッピィ)を知らない。少年はやがて、猫の名前を知るためだけに、老人を助けようとショッカー基地をめざす——というのが、ヤッピィをめぐる展開なのである。


彼女の主張は、ヤッピィをマスコットキャラ化することか?
あるいは、ハリウッド映画チックなファミリー感を出すというか、再会した少年と老人が家族になるストーリーにすることか。
そのどちらかだと予想した。

やがて、彼女が「目を通して」と、資料の束を持ってきた。
その1枚目には、「Anime」や「コスプレ」といった文字が強調表示で踊っている。
パラパラめくると、主要なネコミミキャラの数々が、どれだけの経済効果をもたらしたかというデータ。
「この資料は何だ?」思わず声が荒くなる。「何をしようとしている?」
「別に……ただの思いつきなので……」
「何を思いついたのかと聞いている!」


怒りのあまりに目が覚めた

もちろん、このプロデューサーは実在しない。劇中に、少年も猫も難破船も出てこない。
全部夢だ


安堵しながら、ふと思う。
たとえ夢でも、自分自身の脳内世界にはちがいない。「海外マーケット」とかなんとか言って圧力をかけてきた彼女もまた、自分の一部だ。
そうした問題意識は、自分自身が持っているのかもしれない。
そして、夢のなかの自分が彼女の出方を予測したごとく、無意識のうちに、そうした問題に応答したいという気があるのかもしれん。


……とかなんとかいっても、ネコミミオチで片づける脳だしな。
と気づいて自分の脳に orz になり、二度寝する orz な午前4時。


↑というメモをデスクトップに見つけて、orz な午前0時。なんだよヤッピィって。(^^; 

木 - 6 月 30, 2005 at 00:14 []