| はじめに | |
|
未完成で、準備段階の多様性しか持ち合わせてなく、技術的な熟達において他の楽器の演奏者と比べ伸び悩んでいるドラマーが、あまりにも多すぎるようです。もちろん、技術的な熟達というのは、継続的で正しい練習を通してのみ得られるものです。コンサートで活躍するピアニストの多くは毎日何時間も何時間も練習しています。彼らは学校を卒業してプロの世界に入っても練習を重ねています。バイオリンやコルネット、その他多くの演奏者においても同様のことが言えます。それらの規則的で体系的な練習のおかげで、彼らは常にベストの状態を維持し続けているのです。 ドラムの練習方などに於いて手ほどきを受けていない人達にとってドラムを演奏すると言う事は簡単に見えるかも知れませんが、実際に相当高いレベルでアドバイスのしようがないと言うものでなければ、技術的な努力をして一人前のミュージシャンになったと言う自信をプロの世界に持ち込む準備が出来ずに、何時間も練習する事の大切さを実感する事が出来なくなってしまいます。 しかしながら、ピアニストバイオリニストは一方で初歩的なものから、レベルの高いものまで大変多くの教則本に接する事が出来き、彼らの学びたいものが個々の目的に応じてまとめられていますが、ドラムのそれは楽譜、もしくは楽譜のようなものに限られていて、これらの全てが特定の目的を持ち、モダンドラマーが必要としている高いレベルの基礎的なものを、発展させるための一般的な練習法を含んでいるというものは極く稀であると言えます。 そこで、この“STICK CONTROL - For The Snare Drummer ”は一連の練習法によって、多くのドラマーの悩みを解消し、ドラムを教えている方にとっては良い手がかりになるでしょう。 “STICK CONTROL”は、ドラムのための専門的な教則本で、進歩的で高度な様々のリズムを含んでいて、本書の規則に従って、練習を繰り返す事によって、コントロール、スピード、柔軟性、タッチ、リズム、軽快さ、繊細さ、パワー、持久力、正確さの充実した演奏力を身に付けてる事が出来るようになり、筋肉の反応においても始める前とは比べ物にならないでしょう。 “STICK CONTROL”は、フィンガー、リスト、アームの三種類のストロークを鍛えるために作られたもので、ルーディメンタルなドラマーにとっては、発表会やコンテストで演奏する時に必要なスピードと、パワーと、持久力を鍛えると言う事であり、オーケストラなどで活躍するドラマーにとってはさらりとした歯切れの良い、より軽いタッチの演奏を求められる時に必要である正確な演奏と、柔軟なコントロール、特に“ピアニッシモロール”と呼ばれるものと繊細なダイナミクスの付け方を身に付けると言う事です。 “STICK CONTROL”は、ドラマーの弱点や、利き腕ではない腕のぎこちない動きを克服するのに十分な内容を含んでいます。したがって、スムーズに両方の腕のバランスのとれた演奏を行う事が出来るでしょう。 そして、“STICK CONTROL”で身に付けたスティックワークは一定の規則の中での機械的なもので、他のドラムのシステムと衝突する事は無いので、これを教材として利用している講師の方々は自分の方針に従って、生徒に出している定期的な宿題と平行して利用する事も出来るでしょう。 熟練の講師の方であれば“STICK CONTROL”で扱われている豊富なリズムの中に自分自身の毎日の練習をより面白く、充実した物に出来る物を見つけられるでしょう。 また、一日一時間“STICK CONTROL”を練習する事はあなたがルーディメンタルな演奏者やコンサートで活躍するドラマーであれ、生徒や講師であれ、ジャズドラマーやシンフォニストであれ、きっとあなたに驚くべき結果をもたらすでしょう。 本書にとって(他の教則本についても言える事ですが)もっとも重要な事は、規則的な練習です。そして生徒の方にとっては、私の“STICK CONTROL”を利用しているあなたの講師の助言に出来る限り耳を傾ける事です。 |
|
| ジョージ・ローレンス・ストーン | |
| “STICK CONTROL”の練習の仕方について | |
|
まず、“STICK CONTROL”の中で使われているリズムはナンバーリングされていて、それぞれは通常のような音楽的なエンディングがありません。 これは次のナンバーに進むまでにそれぞれのリズムを何度も何度も練習出来るようにしてあるからです。そして、それが、メソッドの練習の結果が早く得られ、満足のいくものとなるのにもっとも有効でしょう。 私は、それぞれのリズムを20小節止めずに練習する事をお勧めします。それから次のリズムに進みます。これは重要な事です。“STICK CONTROL”他の方法のやり方ではその目的を満たす事は出来ません。 メトロノームを使っていろいろなスピードで練習したり、極端に遅いテンポから極端に速いテンポへと変えて練習する事もお勧めします。そしてその次にはメトロノーム無しで行う“Open And Closed Style i , e ”というものにチャレンジして下さい。 これは、とてもゆっくりなテンポから始めて、だんだんとトップスピードまで上げて、またスピードを遅くして最終的に元のテンポに戻るようにすると言う物です。練習する時には常に筋肉をリラックスさせ、ほんの僅かでも緊張を感じない様にして下さい。“STICK CONTROL”は、調子を整える物であると言う事を忘れないで下さい。 本書は、コントロールを身に付けるために作られています。コントロールはリラックスしたアクションを生むのです。 |
|
|
オーケストラルナドラマーへ : ルーディメンタルと言う言葉を恐れて、パワーを身に付ける練習、強いタッチでのプレイや、オープンロールの練習を怠らないで下さい。 これらを怠る事はあなたの軽やかなタッチや、繊細なダイナミクスの強弱をもダメにしてしまいます。 逆を言えば、これらをしっかりと身に付ける事はモダンミュージシャンとしての解釈力を広げ、より良いスティックコントロールを身に付ける事は、あなたのドラムに素晴らしい効果を与えるでしょう。 | |
|
ルーディメンタルなドラマーへ : あなたの練習時間の中で軽いタッチの練習するのをためらわないで下さい。
それは特に、クローズドロールの練習をすると言う事です。と言うのは、もしあなたがパワーと持久力ばかりを練習していれば、あなたの演奏はぎこちなくヘビーな物に偏ってしまいます。 変な言い方かも知れませんが、軽いタッチを身に付ける事は、あなたにより幅の広いスティックコントロールを与え、あなたのパワー、スピード、持久力を助けます。 |
|
|
本初の中で使われている(最初に出てくるのは 11ページ)オープンロールとはひとつのリズムにおきそれぞれのスティックで2打(2打以上は打たない)打つロールの事です。 クローズドロールと記載されているもの(最初に出てくるのは 12ページ)は、オーケストラなどで頻繁に演奏されている物で、それぞれのスティックをいくつかリバウンドさせ、僅かなプレッシャーをかけながら、ロールとして音をつなげていきます。 このクローズドロールはしばしば間違えやすいスクラッチロールと混同してはいけません。スクラッチロールは筋肉に力を入れてドラムの上のほうから下の方へとものすごいスピードでひっかくようにスティックを動かします。 これは大変高度な技術なので私も、他のミュージシャンもほとんど使う事はありません。最後に、くどいようですがそれぞれのリズムについて20小節止めずに練習してから次に進んで下さい。 |
|
| 翻訳:藤井俊充 |