○女子総括<女子の全体的な傾向について>

表2.女子出場各国の平均身長と平均年齢

<身体能力>

 男子同様に長身化が進むとともに,長身選手の運動能力が高まってきており,190cm以上の大型選手がインサイドだけでなく3Pシュートも平気で狙ってくるケースが数多く見られた.

 上位進出チームほど,ディフェンスのプレッシャーが1試合を通じて強く,相当の脚力強化がなされているようであった.また,インサイドのポジション取りの攻防では,女子においても相当の身体接触がみられた.

 男子と異なり女子の場合には,ジャンプ力にずば抜けた選手というのが少ないため,身長差がそのままリバウンドの差に繋がるケースが多く見られた.特に韓国は,決勝トーナメントに進んでからリバウンドの獲得に非常に苦労していた.

 韓国は,アジア予選時よりもかなり走力とディフェンスプレッシャーが高まっていた.

 

<チーム戦術>

○ブレイク

 ポイントガードがドリブルでボールを運ぶケースが多い.インサイドプレーヤーがボールサイドのローポストに積極的にポストアップしてくる.女子のアーリーでは,アメリカとオーストラリアがいずれもフォワードへパスしたガードを逆サイドへカットさせていた.アウトナンバーやボールサイドのローポストだけでシュートチャンスを創れなかったときに,引き続きクロスコートスクリーンとダウンスクリーンの連続へ移行するアーリーの中で連続的にシュートチャンスを創る傾向が強い.これは,24秒ルールへに変更された場合により重要になると考えられる.

 韓国も積極的にボールを前に進めて速い展開を狙っては来るものの,インサイドプレーヤーがローポストを積極的に攻めるというよりも,インサイドをクリアにしてカットやペネトレートで攻撃するケースが多く見られた.

 

○セット

 1−4セットからのエントリーが多い.シュートチャンス作りは非常にシンプルなスクリーンやカッティングが多く,男子同様にスペースを作って勝負させたいプレーヤーに1対1でボールを持たせるという考え方が多い.女子においてもチームとしてのノーマーク作りだけでなく,個人の1対1での攻撃力がないともはや勝負にならない感じであった.

 ほとんどのチームが何らかの形でシャッフルの動きを取り入れている.シャッフルのベーシックカットを1回入れた後にオプションの部分でシュートチャンスを作っていくチームが多い.

 ブラジルは,フォワードのエースとセンターを生かすための独特のスクリーンを使ったセットが多い.

 クロスコートスクリーンとダウンスクリーンの連続は,強いインサイドを持つチームがノーマルのオフェンスの中に組み入れていた.

 韓国の女子だけが,複雑に動きながらパスをつなげることで,ボールをもらう段階で少しでもディフェンスとの間にずれを作ろうというねらいが強く見えた.また,インサイドにボールを入れた後に,そのセンターが単純にパワープレーで攻撃するだけでなく,すぐに壁パスのイメージでボールをアウトサイドに角度を変えて返したりするパスの中継役をする場面が多かった.また,センターにパスした後のアラウンドや,アラウンドの後のピック,あるいはフレアスクリーンからのピックなど,壁の役割が他の国と比較して多く見られた.また,インサイドのスペースを積極的にオープンにしておき,そのスペースへアウトサイドの選手がペネトレートするという戦い方も韓国特有であった.

 

○ディフェンス

 ガードはオールコートでマッチアップして相手のポイントガードにかなりのプレッシャーをかけている.

 韓国は比較的長時間ゾーンをディフェンスを使用する.他のチームも一定の時間帯でハーフコートのゾーンを使っている.

 アメリカ,オーストラリアは要所要所でオールコートのトラップディフェンスを仕掛けていたが,男子よりも成功率が高かったように思われる.

 

<個人戦術>

 韓国以外のチームは,長距離のセットシュート,中・短距離のジャンプシュートともにワンハンドシュートで,ほとんど男子と同じプレースタイル.日本の女性の体格を考えた場合に,今後どのようなシュート技術を高めるかは問題となるところである.

 アメリカとブラジルのセンターは,背面での1対1のプレーが多く,オーストラリアのセンターは前を向いたフォワード的な1対1のプレーが多い.

 韓国の女子は,アウトサイド,インサイドともにボールをもらった瞬間のプレーの仕掛けが早く,プレーを非常にスピーディーに展開してくる.キャッチからシュートまでの時間も非常に短く,身長差を何とか補おうとする工夫が見られた.個人技のレベルは非常に高い.

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