○ピック(ボールのあるところでのスクリーンで防御を崩すグループ戦術その1)

≪掲載内容≫

練習方法[00/10/20]
ねらい[00/10/20]
ボールマン攻撃[00/10/20]
スクリーンナー攻撃[00/10/20]
3線目の攻撃[00/10/20]
ピックを発展させるために[00/10/20]
ピックの4つのアングル[00/10/31]
ピック&ロール」ではなく「ピック」と呼ぼう![01/5/15]


練習方法

・ハーフコートの3対3で行う(ここではあえてハーフコート全体を使用します)

・フォワードがボールをもっているところから始める.トップがフォワードへパスをすることによって開始しても良いが,「ボール保持者の1対1を助ける」というこのプレーの発想を大切にしたいので,ここでは,ボール保持者が1対1をしようとしているところに隣からスクリーンをセットに行くことでドリルを開始するという原始的な方法を採りました.


ねらい

ボールのあるところでの2対2のスクリーン攻撃とボールのないところでの1対1の攻撃をミックスする.

 ピックの発想の原点を簡単に表現すると「ボールの隣の選手がスクリーン(壁)を作って,ボール保持者をフリーにする」ということである.防御側の能力が高まってくると,単純な1対1だけでは勝負できなくなる.そこで,壁をつくってボール保持者のディフェンスを妨害してやろうという発想が生まれたのであろう.

 しかし,ボールの隣にスクリーンを作ることで,攻撃側には単純な1対1だけでは生まれなかった多数の選択肢が発生し,防御側には対処しなければならない負担が一気に増大した.1対1を5人全員がやるのを1+1+・・・の足し算のイメージだとすると,スクリーンプレーを入れることはかけ算のイメージである.選手が互いに協力して相乗効果が生まれることによって,攻撃の選択肢が格段に増える.

 しかし,スクリーンプレーを2対2の中だけで練習すると,その2対2の中だけのイメージが選手に固定されてしまいがちである.ゲームの中ではピックに対して,残りの3人のディフェンス(ピックとは逆側のヘルプサイドのディフェンス)がボールサイドにヘルプをしてくるケースが多い.これでは2対5の攻撃側が数的不利な状態になる.そこで,ピックの練習を3対3で行うことによって,スクリーンの2対2にヘルプサイドの1対1を加え,2対2に対してそれ以外の選手がどのように参加していけばよいかの基本的なイメージを養おうとするのがこのドリルの狙いでもある.

 3対3であるから,当然3人に攻撃(シュート)があるという意識を徹底させる必要がある.3対3でピックの練習をやると,得てして「ボール保持者だけが攻撃する」というイメージなってしまわないだろうか? それもスクリーンを使った側へのドリブル攻撃を試みて・・・そこからスクリーンナーがロールして・・・・という一連の「形」に則った攻撃である.文字通り「ピックしてからロール」である.しかし,3対3の状態なのだから,3人にシュートのチャンスがあることが,守る側にしてみれば最も脅威になるのは言うまでもないことである.そこで,下の図に示したように3人にそれぞれ表と裏の二つの選択肢を準備することによって「3人×2プレー=6つのプレー」を予め準備しておき,選手にその中から判断させ,駆け引きの楽しさを理解させることがドリルの狙いになる.二者択一のプレーを3人に準備することによって,防御側に「あちらを守ればこちらがやられる・・・」という注意を分散せざるを得ない状況をあっちこっちにいっぱい作るのである. 

 

※スクリーンのスタンスやビジョン,あるいはスクリーンの使い方といった詳細の技術については,多くの指導書に載っているのでそれらを参考にしていただきたい.ここでは,ピックという戦術をどう考え,子ども達にどうやって選択肢のあるバスケットボールを指導していくかということに焦点を絞りたいと考える.


Aボールマン攻撃(スクリーンを使うプレーヤーの攻撃)

1番攻撃:スクリーンを使った側へのドリブル攻撃

 スクリーンをセットしている側へドリブル攻撃を仕掛けてディフェンスをスクリーンに引っかける攻撃.最もノーマルな選択肢である.この選択肢は,2対2だけで練習しているとゴールまでレイアップへ行けるケースが多くなるが,実際の試合場面ではヘルプが来るのでレイアップへ行けるケースは少ないと考えられる.

 1番攻撃でシュートに行けるケースとしては,ディフェンスがスクリーンにかかり,スクリーンナーのディフェンスがスイッチしないようなケースである.この場合には,レイアップではなく,ストップ・ジャンプシュートになるケースが多いと思われる.

2番攻撃:スクリーンの逆側へのドリブル攻撃

 スクリーンをセットすると,ディフェンスの意識はどうしてもスクリーンをどう回避するかに意識が行きがちである.そのディフェンスの心理を逆手にとって,スクリーンと逆側へ一気にドリブル攻撃を仕掛ける選択肢である.ゲームで最初にピックをセットしたときに,この2番攻撃のオプションを仕掛けておくと,次からのピックの時にディフェンスには迷いが生じ,攻撃側が有利にプレーを展開できるようになる.

 この2番攻撃のオプションがあって始めてピック攻撃の選択肢に幅が生まれるのである.1番攻撃の中にもディフェンスがファイトオーバーした場合やスライドした場合のオプション,あるいはジャンプシュートをしたり,一端ドリブルで引っ張ってスクリーンナーのディフェンスを引き出しておいてから再度ドリブル攻撃したりロールするスクリーンナーへパスをしたり・・・といったオプションを作っていくという考え方も当然あるが,ここでは根元的に,スクリーンを使うか?使わないか? という二者択一を仕掛けることが重要であると考えられる.

 ※これに対して,ピックがセットされたときに,完全に2番攻撃(スクリーンの逆側へのドリブル攻撃)を塞ぐコースに立ち(ポジションを移動し),攻撃側をスクリーンの側だけに方向付けするのが防御側の一つの戦術である.これによって攻撃側の選択肢を一つに限定して防御側の分散を回避するのが狙いである.このあたりについては,防御戦術のページで作っていきたいので,ここでは,下に簡単な図を示すのみとする.


Bスクリーンナー攻撃(スクリーンを掛けるプレーヤーの攻撃)

3番攻撃:スクリーンをセットした後のロールによる攻撃

 ボール保持者のディフェンスに対してスクリーンをセットする.スタンスはサイドラインと平行になる.この場合には,ボール保持者が1番攻撃か2番攻撃を仕掛けてくるので,スクリーンナーとしては,1番攻撃でボール保持者のディフェンスが自分にぶつかり,自分のマークマンがボール保持者にスイッチした場合に,ロールしてゴール下へ飛び込むような攻撃が中心になるであろう.「ピック&ロール」というニックネームの由来となるプレーである.スクリーンナーにぺりんめーたーのシュート力がある場合には,ピック&ポップアウトで外へ広がり,3ポイント攻撃を狙うという選択肢もある.

 

 ※スクリーンナーにアウトサイドのシュート力がある場合には,ピック&ロールではなく,ピック&ポップアウト(ポップバック)も有効な選択肢になる.最初は文字通りピック&ロールを3番攻撃として指導するが,徐々に3番攻撃にも裏と表があるという考え方で,ポップアウトを選択肢に入れていくのが良いであろう.

 

4番攻撃:スクリーンをセットすると見せかけてゴール方向へのスリップ

 ピック攻撃をセットすると,防御側も色々な対処を仕掛けてくる(スクリーンナーのディフェンスが完全にスイッチしたり,一時的にスイッチしたり,ショウしたりなど).これらは1番攻撃を仕掛けてくるボール保持者のドリブルのコースをふさぎに来る戦術である.この対処法では,スクリーンナーのディフェンスが,スクリーンナーとゴールとを結んだライン(左図斜線部)をはずすケースが多くなる.この相手の対処法を逆手にとって,空いたゴールラインへ一気に飛び込み,そこでボールを受けてシュートする攻撃である.

 ディフェンス側がピックへの対処を訓練していればいるほど,先回りする傾向にあるため,かかりやすくなるオプションでもある.一度この4番攻撃を仕掛けておくと,スクリーンナーのディフェンスは簡単にはスイッチの位置へポジションを変えづらくなるので,ボール保持者の1番攻撃も仕掛けやすい状況が生まれる.

 攻撃側の目的はあくまでもシュートを狙うことである.自分を守っているディフェンスがゴールラインを空けたらゴール下へ飛び込むのは当たり前のことなのに,ピック&ロールの形にこだわると,つい忘れてしまうのは何故だろうか? 2対2の部分が1対2の数的不利になっている典型である.


C3線目の攻撃(ヘルプサイドのプレーヤーの攻撃)

5番攻撃:ボールサイドへの飛び込みの1対1攻撃

 ピックがセットされると,残りの3人はヘルプサイドで広がったりスクリーンをセットしたりして,2対2の部分を邪魔しないようにするのが一般的であろう.ボールサイドのローポストをできるだけ広くオープンなスペースにして,そのスペースを2人の攻撃のスペースにしようという考えである.逆に,そのオープンなボールサイドのスペースへ飛び込んで積極的に1対1を仕掛けようとするのが,この5番攻撃のオプションである.残りの3人のマッチアップにミスマッチがあったり,自分のディフェンスが完全にマークを見失ったいるような場合には,効果的なオプションになるであろう.

 ボールサイドで2対2をしているからヘルプサイドは邪魔をしないというだけではなく,状況によっては飛び込んで1対1もあり得るという選択肢があれば,守る側も,常に自分のマークマンのことを気にしなければならなくなり,簡単にヘルプだけに集中することができなくなる.防御側の注意の分散である.

 

 1999〜2000シーズンのNBAにおいても,左の図のようにレイカースのトライアングルオフェンスでは,フォワードポジションでピックアンドロールやアラウンドの2対2を仕掛けているところへ,ボールサイドのローポストへシャキール・オニールが飛び込んでくるという状況が多々見られている.スクリーンをセットしてオープンになったローポストを如何に使うかは,戦術立案において考慮すべポイントであろう.

 

6番攻撃:ヘルプの状態を見て合わせのプレー

 6番攻撃は,5番攻撃と異なり,ボールサイドの攻撃に積極的に参加するのではなく,1番攻撃〜4番攻撃までのオプションで攻撃側が防御を突破し,3人目のディフェンスがヘルプへ行かざるを得ない状況になったのを見極めながら,合わせのプレーをする攻撃である.1番攻撃でコートのミドルへドリブル突破してディフェンスがヘルプへ行くケース,2番攻撃でベースライン側へドリブル突破してディフェンスがヘルプへ行くケース,4番攻撃でスクリーンナーがゴール下へ飛び込んだところへディフェンスがヘルプへ行くケースなど,いろんな場面が想定されるために,合わせの動きを一つに決めることはできない.自分のディフェンスの動きを見極めて,ボール保持者から見える角度へ合わせるのが原則である.3ポイントへ広がって合わせることもできるし,インサイドへ飛び込んで合わせることもできる.下図は,2番攻撃の後の合わせの一例である.



ピックを発展させるために

 上の3対3で攻撃側がリバウンドをとった場合には,そのまま攻撃を続けるようにする.この時には,再度フォワードポジションにピックをセットしても良いし,場合によっては下の図のようにトップの位置にピックをセットしても良い.トップの位置でも考え方は同じである.ボール保持者の1対1を隣の人が壁を作って協力することでシュートチャンスを増やすのである.3人全員がシュートのチャンスを狙うことが大切である.6つのオプションはそのまま応用することが可能である.工夫して欲しい.トップにいるポイントガードへセンターがピックをセットするのは,実戦においても非常に効果的な攻撃戦術である.トップのポイントガードへセンターが両側からピックをセットするチーム戦術も,シドニーオリンピックに参加した各国も盛んに用いていた.ポイントガードがレイアップに行けた場合(下図左)は良いが,行けない場合(下図中)には,使った側のスクリーンナーがローポストへ飛び込み,逆側のスクリーンナーがポップアウトして3角形を作ってハイローポスト攻撃を仕掛ける(下図右)のが一般的であろう.

 3対3をやりながら,「2番攻撃から6番攻撃」などとコーチが解説してやりながら,プレーを進めたり,振り返ったりすることで,選手達も選択肢のあるバスケットボールの楽しさを実感できるようになるのではないだろうか.

 上に示したピックのオプションは,ほんの一部分である.また,実際のゲームの5対5では,さらに2人のヘルプが加わるわけであるから,状況はもう少し複雑になる.しかし,ピックの部分の2対2と3線目という状況に変わりはない.ボールサイドの両者に表・裏の選択肢を準備し,ヘルプサイドの3人をどう機能させるかが成功の鍵になるであろう.

 あるいは,下図のようにピックを,パス&ランのスクリーンに使うという手もある.この場合には,スクリーンナーがディフェンスの横というよりも,ディフェンスとゴールとの間に立つとより成功率が高くなる.ピックも固定的に形で考えるのではなく,もっと柔軟に考えるといろんなオプションが考え出せるであろう.

 ミニや中学などの初心者の段階から,二者択一を基本に選択肢を準備し,判断することの重要性を指導することができれば,選手達の将来も明るくなるであろう.形で指導したり,覚えたりするのではなく,あくまでも「駆け引きを楽しむ」力を育てるのが良い指導である.「判断」するためには,選択肢や判断の材料が必要である.「あちらを守るとこちらが守れない」という選択肢を準備してディフェンスを分散させることが攻撃の基本戦術である.選択肢は,2つから出発して徐々に増やしていけばよい.


ピックの4つのアングル

 SCHOLASTIC COACH (1998) SEPTEMBER「PICK AND ROLL AND HOW TO DEFENSE IT」Del Harris (Coach, L.A. Lakers)の中に,5対5の中で使われるピックの4つのアングルについて,詳しい記述があるので以下にまとめてみた.実戦への参考にして欲しい.上に示したようなピックについての3対3の中で(場合によっては2対2の中で)少しイメージが膨らんだところで,以下の4つのアングルを紹介し,フリーランスの中に,自由にピックを入れていくことも可能であろう.

1.wing pick and roll(ウイングでのピック)

 ディフェンスは,特にロールに有利な位置にいる5番の選手に注意しなければならない.5番がシュート力がある場合には,もっとやっかいである.5番がロールせずにポップ・バックすると,ウィーク・サイドにいるディフェンダーがローテーションしてヘルプに行くのは非常に難しくなるのである.

 ウイングからピックを使ってドリブル攻撃する場合には,ジャンプシュートとペネトレートの両方をねらうことができる.スクリーンナーのディフェンスが,ユーザーのドリブラーにヘルプすれば,スクリーンナーは,ロールあるいはポップできる.

 ペネトレートに対して,ウィークサイドからディフェンスがヘルプした場合には,ドリブラーはオープンな選手へパスを送ってシュートさせることができる.

2.middle lane pick and roll(トップでのピック)

 

 このアングルでは,スクリーンナーがポップアウトしてシュートするのが非常に効果的である.しかし,ローポストエリアがオープンな場合には,ロールダウンすることも効果的である.

 ユーザーは,このアングルからはペネトレートするのが非常に効果的である.ドリブラーは,ペネトレートした後,自分でシュートしても良いし,ポップアウトしたスクリーンナーへボールを戻してシュートを打たせても良い.たま,コーナーのディフェンスがヘルプに来た場合には,コーナーのオフェンスへパスをしてシュートを打たせても良い.

 

3.corner pick and roll(コーナーでのピック)

 このアングルによって,ドリブラーがコーナーからコート中央へドリブルすることができれば,色んなオプションが可能になる.図にあるように,逆サイドに3人のオフェンスが広がってスペースをとった場合,スクリーンナーへのヘルプは非常に困難である.ユーザーのドリブラーに対して,スクリーンナーのディフェンスがスイッチした場合,スクリーンナーは完全にミスマッチの状態になり,ローポストで攻撃することができる.

 

4.1)elbow pick and roll to the outside angle(ハイポストでの外側へのピック)

 このアングルは,2のコーナーでのピックと類似しているが,違いは,アウトサイドまでスクリーンナーが積極的にスクリーンをセットに行くのではなく,ガードと逆サイドにいるハイポストプレーヤーがハイポスト付近でスクリーンをセットすることである.ガードが逆のハイポストのプレーヤーを使いながらドリブル攻撃するイメージである.

 ユーザーがジャンプシュートの得意な選手の場合には特に有効なアングルである.NBAでは,マイケルジョーダンやスコッティーピッペンなどがこのアングルでのピックを有効に使って,エルボー(制限区域の台形の角)でジャンプシュートを盛んに打っている.

 スクリーンナーは,ポップアウトとロールのいずれも可能である.スクリーンナーのディフェンスはドリブラーに対してどうしてもヘルプしなければならないので,スクリーンの後の攻撃が有効になる.

 

4.2)elbow pick and roll to the inside angle(ハイポストでの内側へのピック)

 このアングルは,ガードが自分の側にいるハイポストをスクリーンナーに使ってドリブル攻撃するイメージである.ドリブラーは,コートの中央側へもサイド側へも攻撃することができる.どちら側でも有効な攻撃になる.特に図のように中央側へドリブル攻撃した場合には,スクリーンナーのディフェンスがヘルプせざるを得ないので,スクリーンナーはポップアウトが特に有効である.

 


「ピック&ロール」ではなく「ピック」と呼ぼう!

 何気なく「ピック&ロール」と呼んでいるが,実はこの呼び名があまりに広く定着しすぎてしまっているところにこそ,このスクリーンプレーがうまくいかない原因が隠されているということを考えたことがあるだろうか?

 原因としては,

1.ピック&ロールというニックネームがついているが,ピックの後のスクリーンナーのプレーは必ずしもロールだけではない.

 ピックをセットした後のスクリーンナーのプレーには,ピック&ポップアウトもあれば,ピックの後にもう一度ピックをかける「re-screen」と呼ばれるような連続プレーもある. ところが,選択肢が幾つかある中でもピック&ロールという名前があまりにも有名になっているため,指導する側も教わる側も,どうしてもピック&ロールをやってしまう.スクリーンナーは状況に応じてロールしたり,ポップアウトしたり,あるいはピックと見せかけてスリップしたりすればよいのだ.プレーの名前通りのプレーをする必要はない.プレーの名前にとらわれず,状況に応じてプレーを仕掛けるのが原則だ.

 シドニーオリンピックの報告書のページがあるが,その中でも「ピック」という言葉に統一してある.ポイントガードにセンター2枚がスクリーンをセットするプレーも「ダブルピック」としてある.

2.ピック&ロールというニックネームにつられて,ディフェンスの対応とは無関係にロールするスクリーンナーにパスしてしまう.

 ピック&ロールというニックネームが定着しすぎているために,指導する側は,どうしても最初にスクリーンナーのロールにパスを通す練習をしてしまうのではないだろうか? しかし,このプレーのねらいの原点は,ボール保持者の1対1を助けるために壁を作ることである.したがって,スクリーンを使ってシュートを狙わなければならないのは,スクリーンナーではなくボール保持者自身なのだ.ボール保持者自身がノーマークなのにも関わらず,「形通り」ロールしたスクリーンナーにパスを通すプレーヤーがなんと多いことか.これは,ピックというプレーの原点を忘れて,ピック&ロールというニックネームに頭が支配されているからだろう.

 上でも説明したように,二者択一の原則に則って,ボール保持者スクリーンナー3線目の攻撃者の全てにシュートのチャンスはあるはずだ.ニックネームに惑わされて攻撃の可能性を狭めてはならない.

 

 これからは,「ピック」という呼び名を定着させ,ピックが本来持っていた選択肢の広がりを理解し,形だけのプレーにならないように,指導者も選手も工夫していくことが大切なのではないだろうか.