オメガチャート vs. ケンミレ

2005年7月5日 記

ソフトウエアを作っていると、同業他社(というか同種のソフト)の動向も気になり、時々ウォッチしているのだが、その中でも、オメガチャートが面白い。ソースは公開されておりフリーだけれど寄付を募るという、なんだかよくわからない配布形態なのだが、ソフト自体はかなりしっかりしていて、特にスクリプトによる拡張性に魅力がある。オメガチャート作者のブログがまた面白くて、しっかり定期購読するようになってしまった。

少し前、オメガチャートのデータ更新機能で一悶着あった。オメガチャートは拙作のChartScapeなんかとはちがって、株価データの補充や更新をちゃんとサポートしている。しかし、ブログとか2ちゃんとか見ると、データ補充は「ケンミレ」のサイトからやっていたようだ。要はただ乗りしていたようである。それがある時から、ケンミレがブロックするようになって、オメガチャートのデータ更新ができなくなったのだが、オメガチャートの作者はなんとブロック方法をハックして、データ取得ソフトのソースを公開してしまった。オメガチャートの作者のブログではそのことの正当性についての主張があった。私は法律の専門家ではないので、正確なところはよくわからないのだが、けっこうきわどい問題をはらんでいるように思う。

そもそも、不特定多数のhttpアクセスが可能になっているサイトにアクセスすることは、いかなる場合でも合法なのか。Webページは不特定多数からhttpでアクセスされることが前提だから、それをhttpでアクセスすることには何の問題も無いのは明らかでしょう。それならば、Webサーバ上に置いてある非可読データにアクセスするのはどうなのか。ケンミレただ乗りのケースはこれですね。誰でもアクセスできるデータなんだから、それを使うのは合法だという考えもあるんでしょうね。実世界のアナロジーで、鍵をかけていないでドアに「どうぞお入りください」と書かれた家があり、そこに入って生活した場合、家宅侵入に問えるか否かという問題と同じだろうか。はたまた駅前でサラ金のネーちゃんがティッシュ配っているとき、歩道脇に置いていた「ご自由にお取りください」と書かれたティッシュを、段ボール箱ごと持っていったら、それは合法か?

私の個人的見解は、第1ラウンドは、重要な商売道具を誰でもアクセスできるところに置いておいたケンミレに問題があるんだろうと思う。では第2ラウンドで、ケンミレがブロックしたのに、それをハックしてアクセスしたのは?これは不正アクセスにあたるように思える。しかし、オメガチャートの作者は、実際にはそんなことはしておらず、アクセスするためのソースを公開しただけなのだ。これはどうなんだろう。

実はこの話にはさらに面白いオチがある。鳳ソフトという業者が販売している「Alpha Chart」というチャートソフトも、ケンミレをただ乗りして株価データの補充や更新をしていたというのである。こちらのソフトは有償ソフトであるため、突然データの補充や更新ができなくなったユーザがサポート掲示板とか2ちゃんで怒り出してしまった。その結果、鳳ソフト社がとった対応は、なんとサポート掲示板の閉鎖。なんともお粗末な対応であった。まぁ、ただ乗り商品を売るような業者なんで、相応の対応という見方もできるが。 有償ソフトなんだから、データ更新のサーバぐらい自分のとこで立てろよと思うのだが... ただ乗りを放置し続けたケンミレも愚かといえばそれまでだが、それに群がっていたのも同じ穴の...、まぁ、なんというか、お寒い業界である。

この一連の騒動が、鳳ソフト社の不正を暴くための、オメガチャート作者の確信犯的行動というのならば、最高に面白いのだが。(ちなみにベクターの人気順から判断すると、「Alpha Chart」はダウンロード回数が上位にランクする人気のチャートソフトである。)


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