Model ROLLS・ROYCE  

SILVER CLOUD V


Year 1965
Exterior BLACK
Interior BEIGE/ LEATHER 
price \ 8.800.000円(税込み)
Mileage LSKP337
Ammenities US仕様(国内91年登録) 左ハンドル

V8 OHV 6230cc 4速コラムAT 

全長:540cm(実寸は538cm)
全幅:190cm(実寸は186cm)
全高:162cm
車両重量:2140kg
乗車定員:5人

パワステ、パワーウインド、クーラー、ヒーター、ガラス・サンルーフ、ピクニックテーブル、
電動ファン2基、オルターネーターに変更済み、
 他フル装備

・外装オールペイント済み
・内装レザー・オリジナル極上コンディション
・ウッド・リペア済み

機関当社にて完全整備渡し、稀に見る超極上車。 

車検:2年付き


COMENTS
SILVER CLOUDV
・ショート・ホイールベース



解説:

「シルバークラウド」と名が付くモデルは、1955年に発表された「クラウド1」から始まる。
戦後1949年発売、「シルバードーン」で始まったロールス・ロイス・スタンダード・サルーンの新型後継モデルである。
「クラウド3」は、その最終シリーズにあたる。


ロールス社は、戦前、自社ではボディ製作をしていなかった。
エンジン付シャーシでコーチビルダーに持ち込まれ、ボディ製作は、全てコーチビルダーが手がけていた。
エンジン屋とボディ屋の住み分けができていたのである。

ところが、戦後になると、ロールス社は自社でも一部のモデルでボディ製作まで行なうようになる。
このロールス社自社製モデルを「スタンダード・モデル」と呼ぶ。
ボディ自体の呼び名は「スタンダード・スチール・サルーン」、、
多くのコーチビルド物が総アルミ・ボディだったのに対し、ロールス社製は、開閉部(ボンネット、トランク、ドア4枚、給油口)はアルミ製ながら、他は「スチール製」だったのが名の由来。
*この開閉部はアルミ・の伝統は、SZ系(80’〜99’)最終モデルまで引き継ぐこととなる。

一番最初のスタンダード・モデルは、1946年発売のベントレー「マーク6」から、、
ロールス・モデルは「マーク6」のロールス版、前述の1949年「シルバードーン」からである。
なぜ、ベントレーを先に販売したのか?   
それは、初めてのことで、心配だったので、先にベントレー版で様子をみたのである。
何か問題が生じた場合、「ロールス・ロイス」の名にキズを付けるわけにはいかなかったのだ。
慎重にも慎重をきす、如何にもロールス社らしい やり方である。


「クラウド」とは、「雲」、「煙」などの意味を持つ、、
「シルバーゴースト」から続く伝統の幻想的「シルバー・ほにゃらら」・シリーズ。

では、簡単に「クラウド」シリーズを

「クラウド1」は、「シルバードーン」と同じ、直6・4887ccのエンジンを積んだ車ではあったが、ボディデザインの変更以外にも機関系には、大幅な改良が加えられロールス社・直6モデルの集大成、、しかも最後の直6エンジンを積んだモデルとなった。
「クラウド1」の生産台数は、「2238台」(+ロングホイール:122台)。

1959年9月、新設計、総アルミ合金製V8・6230ccエンジンを積んだ「クラウドU」がデビューする。
この時点からロールス社のエンジンは、このV8 一種類のみとなる。
クラウド1と2は、シングルヘッドライトの同じデザインのボディと考えてよいので、外観上で区別することは難しい。
「クラウドU」の生産台数は、「2418台」(+ロングホイール:299台)。

1962年、エンジンの改良(7%パワーUP)とパワステ・サーボ力向上、デュアルヘッドライトに変更された(ファンダー形状も異なる)当「クラウドV」に進化、、このモデルが、クラウド・シリーズの最後の作品となる。
「クラウドV」に至っても、エンジンの出力などのスペックは非公開で、「必要にして十分」としか説明されていない(カタログには、十分という意味の「ENOUGH」と書かれていた)が、洋書によっては、馬力を220ps/4500rpmと明記しているものもある、、?。

当時の英国・車雑誌「AUTOCAR」などの計測によると、最高速度は、

シルバードーン:140km
クラウド1    :170km
クラウドU   :185km
クラウドV   :188km  *全てAT車データ

となっている。
正に必要にして十分、、実際に乗ってみるとトルク感も満点、、これだから、ロールスに乗るのに
「数字」は必要ない。

「クラウドV」は、1962年から「シルバーシャドウ」デビューの1965年の僅かな期間に、
「2555台」(+ロングホイール:254台)が生産された。

現在では、クラウド・シリーズの一番人気は、ダントツ「クラウドV」となる。
人気の理由は、デュアルヘッドライトのクラウドVのボディデザインが「ファンタムY」と似ていてカッコイイ・ということだと思われる。
しかし、なぜに僅か4年間しか販売しなかったのか?
それは、クラウドVと時を同じくして、メルセデスが発表した「グロッサーメルセデス600プルマン」に関係する、、
車高、ブレーキ、パワーウインド、パワートランク、全て油圧で音もなく作動する、この巨大な車の登場は、明らかに、ロールス社のマーケットに挑戦してきたものだった。
「600」は誰もが驚愕する時代の最先端を走るマシンであった。
かたや、ロールスの「クラウドV」は、モノコックボディでもなく、ディスクブレーキでもなく、パワーウインドなどは油圧どころかチェーン駆動、、比べるまでもなく、きたるべき時代には、取り残されたモデル、、、。

慌てたロールス社は、既に開発を進めていた次期モデル「シャドウ」の販売を前倒ししたのである。
この、慌てて販売した、「シャドウ」の初期モデルが、メカ的に宜しくない・のは、ご存知のとおりであろう。

ロールス社が創業以来、震え上ったことは、
戦前の「ベントレー」が「ネイピア社」に売却されそうになったとき(途中参戦し1931年、ベントレー社を横取り買収する)と、この「メルセデス・600」が販売されたときだけであろう。
しかし、今となってはどうか、、メルセデス・600は商売的には失敗であったし、現在でも、その複雑すぎるメカニズムが災いして人気モデルとはいえない。
かたや、「クラウドV」は現在でも絶大な人気を持つ。
過剰品質のエンジンにクラシカルなボデイデザイン、、シンプルで信頼できるメカニズム、、

海外の某ロールス・クラブのデータ(現存可動数)によれば、、

クラウドV(ショート)  2553台中 1920台(75%)
       (ロング)   254台中  180台(71%)

が現存し可動している・という。
この数字は驚異的だ。 とてつもないメーカーが作った、とてつもないモデルなのだ。


クラウドVは、ロールス社、最後のシャーシ&ボディの車で、「クラシック・ロールス」と呼んでよいモデルは、ここまでであろう。そうゆう意味では、クラシック・ロールスの入門車にして、最高レベルの満足感を味あわせてくれる理想的なモデルと言える。
「クラウドV」人気の秘密は、そのデザインだけではない、、エンジン、機関系が素晴らしく効率よく、頑丈にできていて「普通」に乗ることができる・ってのも大きい。
正しく整備されていない個体は論外(ほとんどだが、、)ながら、、「普通に乗れる」を可能にするクラウドVのメカニカルな部分の解説は、後ほどの章で、、。



やっと、当個体そのものの お話、、
1965年、ショートホイールベース最終年のシリアルを持つ。
(ロングホイールの一部とコーチビルド・モデルの一部は作るのに時間がかかり、66年モデルが存在する)

1991年、やはりバブル絶頂期に、輸入・登録されている。アメリカから持ち込まれた左ハンドル。
国内3オーナー。

この個体で特筆すべきは、そのコンディション!
これほど、ベース・ボディのコンディションが良い個体も珍しい。

フルレストア物ではない、、オルジナル・コンディションで、ここまではのものは、まず見たことがない。
そのベースに、さらに、近年、オールペイントが施されているから、外装もビカビカ。ウッドもリペア済み。


それでも、私のようなマニアを う〜ん と 唸らせるのは、シャーシと内装だ。
内装レザー、カーペット、、当時のままと思われる。
そりゃ 少しは 「味」がでているが、、レザーも、まだ、やわらかい、、その風合いも含めて◎
いやいや素晴らしい!

「クラウド3」、、国内、海外で、いつでも数台は販売車を見つけることができるが、、
このタイプのコンディションのクラウド3を見つけることは至難なのは間違いない。
無論、「将来」には、もっと難しい。





では、詳しくは下記より、写真 64枚を↓


外装は、「ソリッド・ブラック」

前述のとおり、近年オールペイント済み、当然ドキレイ!

シャーシベースのコンディションも文句なし。
サビ・クサリ等 まったく見受けられない。
この車が、生産から45年の歳月が流れていること自体 むしろ不思議なほど、、。


「クラウド3」、、この車、実はメカも すごいのであるが、多くの方は、そんなこと知ったことではない、、とにかく、ボディ・デザインに惚れ込むのである。
均整のとれた素晴らしいシルエットであるが、これは、まぐれ・の作品でない。
有名コーチビルダーの作品の いいところ取りをして完成させているのだ。
クラウドが登場する以前のモデル、シルバーレイス、シルバードーンなどのコーチビルド・モデルで非常に似たデザインが存在する。

全長:538cm、全幅:186cmは、例えば、SZ系ロングホイールの「シルバースパー」と同じ、、並べてみても「クラウド」のほうが、はるかに大きく見えるが、それは、目の錯覚、、車高が高いのと、重厚なデザインで、そう見えてしまう。


エッジの効いた巨大パルテノングリル、、これは、ロールス社の職人の仕上げだ。
その上に鎮座する「フライングビーナス」、、もう、これだけで芸術品、、ロールス・ロイスは、グリルが大きければ大きいほど、好ましい。
この後、やめときゃいいのに、流行の空力を考えちゃって、、モデルチェンジの度に、どんどん小さくなる、、、残念。

「フライングビーナス」の正式名称(作品名)は、「スピリット・オブ・エクスタシー」、彫刻家:チャールズ・サイクス作であるが、、ロールスのグリルには、1911年から鎮座している。
当時のロールス社のパトロン貴族、「ロード・モンタギュー」公からの依頼で、モンタギュー公の秘書(愛人)である「エレノア」嬢をモデルに作られたものだが、、「サイクス」がヒントにしたのは、明らかに、サモトラケの「ニケ」像からである。
紀元前ギリシャ文明の遺産である、勝利の女神「ニケ」の像は、1863年サモトラケ島で発見された、、全高:328cm、、現在は、ルーブル美術館に展示されている。
「パルテノン」と「ニケ」、、合わないはずがない、。
私も、このニケ像を見たいがためにルーブル美術館まで行ったことがあるが、見て納得した、、まさしく、フライングビーナスそのもの、、しばし、呆然とその場に立ち尽くすほどに神々しい作品であった。(*他、ナイキ(NIKE)は、社名、ロゴマークまでニケ像から取っている)

戦後から始まったスタンドード・ボディ、、ボディの開閉部分(ボンネット、ドア4枚、トランク、給油口)のみアルミにした理由は、軽量化もあるが一番の理由は、「開閉部からサビるでしょ」の対策のためだ。アルミはサビには滅法強い。
新車時は、たしかボディの耐久性は、50年ほど・・と言っていたようだが、、この個体でさえ、もう46年もの、、まったく問題ない、、100年は持つものだと思われる。
ただし、このクラスの稀少モデル(=後世に残すべし)ともなると、野ざらし車庫(屋外)で保管する車ではない、、
ご購入いただく方は、屋内保管できる方限定となる。
クラウドのシリーズ1や2は、いつか捨てるときがきても、「クラウドV」のみは後世に永遠と残したい。それほど完成度が高い。

よく、一見キレイだが、シャーシやサブフレームが錆びていたり、腐っていたりするクラウドを見かける・・・保管場所が悪いとそうなる・・クラウドは、見えない部分こそ命、、よほどベースが、しっかりしている個体でなければ、いくらお金をかけても無駄となるから、ボランティア以外に購入する理由はない。

内装は、「ベージュ・レザー」

どこをどうみてもオリジナル・レザー、オリジナル・カーペットのようだ。
ただ、少しだけ不安になるのは、キレイすぎること、、45年前の車で、この内装コンディションは 奇跡的、、
この内装が仮に 後にレストアされたものであるとすれば、その職人さんは、ロールス社と同じ材料を入手し、ロールス社の職人と同じ「腕」を持っていたことになる。  それなら、それはそれでスゴイ! どちらにしても「価値」は変わらない。

ウッドもオリジナル「バーウォールナット」のままであるが、表面のクリアは やり直しているものと思われる、、クラック一つなし、、しかし、その作業を施した職人さんも、只者ではない。まるで、オリジナル・クリアの艶、そのもの
ひょっとすると、これも当時のままなのかもしれないが、、そうだとすると、、、販売したくなくなるから、、追求しまい。


現在モデルでは100%見ることがない「細身のハンドル」、、これぞ、ロールス!
イギリス 超の付く高級車の お約束だ。
ハンドルは、パワステで想像以上に軽いが、運転するのに不安はない。
これは、タイヤが進化しているせい。
昔は、「バイアス・タイヤ」であったが、今は「ラジアル・タイヤ」、、、バイアス・タイヤは直線運転には向いているが、道路の凹凸にハンドルを取られやすかった。ラジアルは現行タイヤ、15インチサイズであるから、SZ系モデルと同じタイヤを履けばよいのだ。乗り心地もバツグン。いつでも、安価で入手できる。

パワステ、パワーウインド、クーラー、まるで普通に乗れる。
クラシックカーといえども、何かを我慢することなどない。

当個体、クラウドでは珍しく、「ガラス・ルーフ」が付いている。
天井裏生地モケットと同じスライド式のルーフも付いている。
この「ガラス・ルーフ」、現時点では可動していない(スイッチもない)が、本来は、電動でスライドするはず、、直したい。


「ショートホイール・ベース」の、この個体、、完全にオーナー・ドライバーズ・カーである。
エンジンは、ロールス社・新設計V8エンジン

ロールス社のV8エンジンは、1905年にも試作、完成までされているので、これで2番目となるが、このV8は、まったくの新設計。
これが、現在、すでに「伝説」になろうとしている超過上品質エンジンである。

アルミ合金製、6230cc OHV
、SUツインキャブ、、、
このエンジン、オーナー、もしくはメカニックが、間違った管理、整備で壊さないかぎり、壊れようがないので、生きてるうちに心配することはない。

前オーナーの方々も、きっちり日本仕様・日常の足仕様の整備、改良をしてくれている。
電動ファンを2基増設、ダイナモ(直流)は、オルタネーター(交流)に交換済み、サブ・ラジエーターも増設、、他も一通り考えられる箇所には手が加えられている。
いくら、エンジンに耐久性があっても、そのほかは、「日本で乗る仕様」に改良するべきである。
そこで、どうゆう改良が良いのか?ここがポイント、、、そこが「ノウハウ」
この個体には、先人たちが、すでに悩んだあげくの最善策が施されているので、もう考えなくて良い。

サスは、フロントが、ダブル・ウィツシュボーン、リアは、リーフ式リジット、至って単純、壊れようがない。
クラウドのメカニズムで、注目すべきは、油圧のブレーキ廻りであろう。
4輪ともに、ドラム・ブレーキではあるが、前輪の油圧系パーツは、「ロッキード」製、後輪パーツには、「ガーリング」製のものが使用されている。

更に、これに、「メカニカル・サーボ・ブレーキ」の機能が加わる。
戦前の名車「イスパノ・スイザ」が特許をもつ、「メカニカル・サーボ」、、、ロールス社は、1925年のファンタム1から使用している。
国内各所で行なわれているクラシックカー・レースやフェスティバルに戦前のロールスが、まるで普通に参加して走行しているが、それは、このブレーキシステムの恩恵によるところも大きい。
このシステムは、エンジンの回転(ドライブシャフトの回転)からパワーを取り出し、ブレーキの効きを増大(アシスト)するもので、簡単に言ってしまえば、パワーブレーキだ。
よって、ドライブシャフト回転数が高い(走行速度が速い)ほど、アシスト力は増大する。
シャドウ以降に採用されるシトロエン特許のハイドロとは、まったくシステムが異なる。
私個人の感想だが、ほんの20年ほど前まで、このブレーキシステムを多くの日本人メカニックは、完全には理解していなかったのではなかろうか・と思う。
なにせ、当時は、クラウドのブレーキは、効きが甘くて普通、、なんていっていたものだ、、。
これが、バブル景気のお陰で、多くのクラウドを含むクラシックロールスが海外から輸入され、メカニックも数多くの個体の整備が出来るようになった・・・お陰で当社でも完全に整備できるようになった。
正しく整備されたクラウドのブレーキは、まったく恐いものではない。普通に乗れる。
ご納車時には、メカニカル・サーボのシステムの説明と実際に走行した上で、その特性を体感していただいておくと、いっそう普通に乗れる。


尚、当個体、現時点でさえ絶好調であるが、、大好きな「クラウドV」ともなると、念には念をいれて、最低1ケ月は、納車整備にかけたい。

この個体は、日本に残しておきたいので、、日本在住の方に、ぜひ、ご検討いただきたい。



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