Model VANDEN・ PLAS  

「4Litre・R
Year 1965
Exterior DARKGREEN / IVORY  COMB
Interior GLAYGREEN・LEATHER
price \ 4.600.000
Mileage メーター上:28.374km
Ammenities 本国仕様 右ハンドル (国内80年登録)

「ROLLS・ROYCE」製 水冷直列6気筒エンジン 3909cc 

3速コラムAT

175ps馬力

全長:477cm
全幅:174cm
全高:155cm
車両重量:1670kg
乗車定員:5人

装備:
パワステ、大型スライディング・ルーフ、ピクニックテーブル 他


内外装レストア済みに付き極美、機関当社にて完全整備渡し、超極上車!

車検:
2年付き渡し

COMENTS
「ヴァンデン・プラ  4リッターR」!


ロールス・ロイスのエンジンを積み、唯一量産された社外カタログ・モデル!!

おそらく当社にも、このモデルが(当個体以外に)、入庫することはないであろうから、この機会に ご説明を、

この車は、大変珍しい上に、歴史的に見ても 非常に興味深いモデルである。
しかも、このモデルのヒストリーは、ヘタな小説より面白い、、。


1962年、「ロールス」社と「BMC」(ブリティッシュ・モーター・カンパニー)の間で、ある業務提携が結ばれる。
*「BMC」は、1952年から1965年の間に存在した当時のイギリス最大(イギリス資本で)の自動車メーカーで、傘下には、「ウーズレー」、「ランチェスター」、「ライレー」、「オースティン」、「モーリス」、「ミニ」、「MG」、「ヒーレー」、、そして名門「ヴァンデン・プラ」をも抱える巨大グループであった。

ロールス社とBMCの間で、若い富裕層をターゲットにした車を作ろう・とするプロジェクトが発足したのである。
ロールス社としては、自社モデルに存在しない、苦手な小型高級モデルの市場に興味があったし、BMCとしては、自社ブランドでは、到底太刀打ちできない超高級「ロールス」ブランドが欲しい・という両社の 思惑が一致したのである。

プロジェクトは進み、、途中、販売ブランドを「ベントレー」で、、モデル名は、「JAVA」とする案もあったが、結局、ロールス社サイドで自社ブランド名を使うのには抵抗があったらしく、、頓挫し(他にも「ロールスロイス・ラングーン」、「ベントレー・アルファ」なんてコンセプトモデルがあった)、販売ブランドは、BMCの傘下メーカーから選ぶこととなる。
そうすると、選ばれるべきは、名門「ヴァンデン・プラ」社しかない。

「VANDEN・PLAS」社は、
1898年、ベルギーで馬車製造会社(コーチビルダー)として創業、、
1913年には、イギリスに支社を作り、自動車のコーチビルダー業に乗りだす。
その卓越した技術力とセンスで、瞬く間に、イギリスの富裕層の支持を得て、「ロールス・ロイス」、「ベントレー」、「ディムラー」などのコーチビルドを手がけ、数々の歴史的名作を残す名門中の名門ブランドとなった。
ヴァンデン・プラ(ス)のスを発音しないのは、フランス語読みをしているからである。

共同プロジェクトの販売ブランドは、「ヴァンデン・プラ社」で決まった。
ボディは、既に販売中であったオースティンA60をベースとする「ピニンファリーナ」デザイン「ヴァンプラ・3L」を改良して使用することに、、。

肝心のエンジンは、
1938年に、軍用(高速装甲車など)に設計されたB60エンジン・直列6気筒4.5Lを、1958年に現在版に改良した(軽量化の為、総アルミ合金製とした・直6・3909cc)「FB60」と呼ばれるエンジンが載せられることになる。
このエンジンは、戦後ロールス社の乗用車用エンジンとしては、最軽量、最小排気量のものであった。
なぜ、このエンジンが存在したのかは、最終章で、、。



そうして、1964年「ヴァンデン・プラ  4リッターR」がデビューする。
Rの意味は、「ROYAL」と建前上されたが、「ROLLS・ROYCE」の意味を含めていたものと思われる。
製作は、北ロンドン、Kingsburyにあった「ヴァンデン・プラ」社の「プリンセス工場」で行なわれた。


175ps/4800rpm,,最高速度は、実測で「175km」をマークしたというから、十分なパワーを持ち合わせていたのは、もちろんのこと、、、当時の評論家・一般ユーザーを驚かせたのは、なにより、そのエンジンの静かさ・であったと言うから流石にロールス製エンジン。


全長:477cm
全幅:174cm
全高:155cm
車両重量:1670kg
乗車定員:5人

本家のロールス・ロイスのモデルでは、後にも先にも存在しない小型モデルであったが、ボディ、内装のクオリティにおいてもロールス社から、格を下げぬよう、厳しい注文があった言う。
かくして、ベースモデル、「ヴァンプラ3L」の大ぶりで下品なテールフィンは取り除かれ、全体に落ち着いた上品なボディデザインに、、、
フロント・マスクとリア・テールのデザインは絶品だ。
内装は、ロールスばりに、ウォールナット・ウッドを ふんだん使用、ピクニックテーブルまで、標準装備された。

鳴り物入りのデビューを飾った「4リッターR」であったが、生産台数は、、

1964年  1910台
1965年  3909台
1966年   477台
1967年   220台
1968年   171台

トータル:6687台、プラス、南アフリカにキットで輸出した312台を足して
「6999台」が生産されたのみ、、。
*この内、1台は、エリザベス女王の為にエステートワゴンに改造された。

ロールス社は、当初、年間6000台の「FB60」エンジン・ユニットを供給する計画であったから、計画は、大失敗といえる結果となり、1968年に全ての生産を終える。
ロールス社にとって、この「エンジン」販売は、通常の車輌販売ではなく、完全なるビジネス、、大量生産しなければコストが合わなかったのである。

こうして、「ロールス・ロイス」、「ヴァンデン・プラ」、「BMC」、「ピニンファリーナ」、、そうそうたる顔ぶれがコラボした稀代の一大プロジェクトは、6999台の遺産を残し、
幕を下ろす。


さて、当車両の お話

1965年式、国内には、昭和55年(1980年)に初年度登録。
ファースト・オーナーは、私も お付き合いさせて頂いている尊敬すべき・某イギリス車・オーナーズ・クラブ会長さんである。
このお方は、生粋のエンスージャストで、私の知るかぎりでも、趣味で多くのイギリス稀少車を国内に輸入されておられる。
そのうちの1台というわけだが、、聞けば、数年所有された後、タニマチをしていた某相撲部屋の親方にプレゼントした・というから なんとも粋な話である。
その数年後、業者さんの手にわたり、、当社が平成8年(1996年)に手に入れる。
当社で販売させていただいたお客様(前オーナー)は、すっかり4LRに魅せられ、ヴェンデン・プラ・オーナーズ・クラブの日本支部長までされておられた。

その後、諸事情により、当社に再々入庫となったのが、4年ほど前、
その折、流石に、内外装ともに経年変化によるヤレが見受けられたので、ここはひとつ・・
正しく後世に残すべし・と思い、、外装は、オールペイント、スライデングルーフも外・内張りとも新品張替え、内装も、全シート、ドアの内張り、カーペット、天井内張りに至るまで、新品で張りなおした。
1年以上かけて完成後、売却
ただ、前オーナー様は、諸事情により、ナンバー登録さえされていない。
つまり、レストア後、未走行、屋内保管、当然、コンディションは、極めて よろしい。


世界で唯一、ロールス・ロイス以外で、ロールス製のエンジンを積んで量産された
「ヴァンデン・プラ 4リッターR」!

私自身、国内では、当個体を含め4台しか目撃例がなく、内、2台は、せいぜいレストアベース車のコンディションであった。


詳しくは、下記より、写真98枚を↓


外装は、「ダークグリーン」と「アイボリー」のコンビカラー。

当社が、最初(96年)に手に入れたときから、このカラーであった。
前回、入庫時も、ボディベースにサビ浮き、腐り等は、相変わらず見受けられなかったが、流石に、ペイントには、経年変化によるヤレがあった。
で、前述のとおり、、同色にオールペントし直した◎。

ついでに、ボディ廻りのメッキパーツも、再メッキ、、施工箇所は、

・フロントグリル外ワク
・フロントグリル内・シャッター全て(1本づつばらして)
・フロントバンパー
・リアバンパー
・Fヘッドライトのワク左右
・Fフォグライトのワク左右
・Fウインカーのワク左右
・Rテールレンズのワク左右
・Rナンバープレートのワク
・ホイールキャップ(2ピース)4本

以上、、今も ドキレイ。

当個体には、オプション中で、もっとも高額であったとされる「WEBASTO」社の
サンシャイン・ルーフと呼ばれる巨大なスライディング・ルーフがついているが、
このルーフも、完全にばらして、張りなおした。
当初、ブラックであったが、ダークグリーンの生地に変えたら、まとまりがよくなった。
このルーフ、、開けると爽快感抜群!

全長:477cm、全幅:174cm、全高:155cm

国産車で言うなら、全長は、ゼロ・クラウンより調度10cmも短く、全幅も5cm細い。
外車なら、、例えば、メルセデスのCクラスよりは、少し大きいが、Eクラス(ミディアム)より、全長で、11cm短く、全幅で8cm細い。
替わりに、全高は、異例に高く、、ロールスのシルバーシャドウ、スパー(148cm)より高く、ベントレーアルナージの151cmをも凌ぐ。
車高が高いってのは、見晴らしがよくなるし、見た目もクラシックカーぽくって好ましい。
基本ピニンファリーナのボディデザインに、ヴァンプラのアレンジ・・・どうです、この上品な仕上がりは!

日本の車検証上の車名欄に「バンデンプラ」と記されるモデルは、数少ない。

おそらく、、1959年の「プリンセス3L・マーク1」からではなかろうか?後、、
61年〜64年の「プリンセス3L・マーク2」
64年〜68年の当「4L・R」
67年     の「プリンセス1275」
67年〜74年の「プリンセス1300」
74年〜80年の「1500」、「1.5」、「1.7」
これで、終わりのはずである。

その中でも群を抜く最高級グレード・・稀少「4リッターR」、、本国イギリスを始め、各国のヴァンプラ・オーナーズ・クラブが、保護活動を展開しているが、日本は蚊帳の外、、、どなたか救いの手を!

後世に残すべき名車である。
内装は、「グレイ・グリーン」。

当社でレストアする以前、内装は、「グレイ」であったが、ヤレ・スレもあり、、なんとなく、外色とのマッチングが悪いので、グリーン色がかった「グレイ・グリーン」で張りなおした。
オリジナルに習って、シート中心部分やドアとって部分は、本革で、、それ以外は、あえて合皮で張りなおした。
他、カーペット一式、天井内張りも前述の通り、総張替え済み。
ウッドには、手を付けていないが、、それはきれいだったから、、。

いかにも、イギリス車らしいウォールナット張りのフェイシア・パネル・・・中心上部に
「スミス」の時計、、、ロールスばりの分厚いシートにピクニックテーブル、、
余計なものは、何もない・・こうこなくっちゃいけません。
時計の下に、インダッシュのナビが付いているが、、古いものなので忘れて下さい(使いものにならない)。
ナビをつけるなら、再度、この位置に、新型のインダッシュナビを付けた方が良い。

室内空間は、おなじみ「ADO16」・「プリンセス1300」などとは比べものにならないほど、広い。
この十分な室内空間も、高級感を醸すのに 一役買っている。

大きな径を持つハンドルもオリジナル物、、この細身のグリップこそ イギリス車の証。

総アルミ合金製 直列6気筒 3909cc SUツインキャブ

これが、噂の「FB60」エンジンである。
ロールス製のエンジンとしては、異例にコンパクトなのがお分かりいただけるであろうか?

もう少し、解説を加えるなら、、
ロールス社は、第2次世界大戦に備えた1938年、「Bレンジ」と呼ばれる 3つの軍用エンジンを開発していた。

B40 4気筒
B60 6気筒
B80 8気筒

が、それである。
3つともに、共有のボア・ストロークを持っているが、、それは、戦時中でのメンテナンス性の良さや互換性を重視して作られているからである。

戦時中、B40は、主にオースティンのジープ(チャンプ)に使用されたが、、、市販乗用車に採用されたことは一度もない。

B60は、「ハンバー」の軍用トラックと「ディムラー」のフェレット装甲車のエンジンとして使用された。

B80は、大型軍用車や大型消防車のエンジンなどに使用された。
ロールス社は、この「B80」エンジンだけは、自社ブランドの乗用車にも使いたかったようで、ベントレーで1台
(Scald・Cat)、ロールスで2台(Big・Bertha)の試作モデルを作ったが、結局、頓挫している。
ただし、後(1950年から56年)に18台だけ生産された幻の名車「ファンタム4」の直列8気筒エンジンのベースになったのは間違いなかろう。

*この「B80」エンジンを積む中古の消防車が、時折、市場に出る。
 いつか買おうと狙っているが、、そのエンジンを積めるモデルは、「ファンタム4」しかないので、、エンジンを 眺めるしか使い道がない、、。


興味深いのは、中でも「B60」エンジンで、
1939年のコンセプト・スポーツカー「コーニッシュ」のエンジンにも使用されたし、戦後1946年から再開したロールス社6気筒モデルのベースとなったのも、このエンジ
ンである。

では、当「4L・R」に積まれている「FB60」とは、いかなるエンジンか、、

1958年、ロールス社は、販路拡張を目指し、新しくなった軍の規制に対応できる軍用エンジンの開発をする。
 軍は、近代戦に備え、タフで、空輸に適した軽量エンジンを求めていたのである。
そこで、B60エンジン(4.5L)をスケール・ダウン、3909ccとし、更に、総アルミ製として軽量化・・タフさにおいてロールスの右にでるものなし、、完成したのが、「FB60」エンジンである。
そう、もともと、このエンジンは、「4L・R」に積ませるために開発したエンジンではないのだ。
ただ、「FB60」は、軍に正式採用されることはなかった。
もっと安価で軽量、しかも量産可能な「ランドローバー」などのライバルメーカーが存在したためである。

ロールス社自身、せっかく開発した「FB60」エンジンを、どこかで使用したいと考えていたことは、想像にたやすい、、、
しかし、自社ブランドのモデルに搭載するエンジンとしては、排気量が小さすぎる・・
そこにBMCからの共同プロジェクトの提案・・・渡りに船となり、前代未聞の
「4L・R」が完成するのである。

この「FB60」、、厳格なロールス社の基準を満たしたエンジンで、恐ろしく静かな上、ロールス製エンジン史上最軽量、エンジンとギアボックスを足した重量は「408kg」、、しかも、耐久性にも優れ、最低20万マイル(32万キロ)は、オーバーホール等の必要は生じない・と公言されていた。

「BMC」は、「4L・R」の4ドア・サルーンに続いて、「FB60」を積んだ2ドアのスポーツカーを開発予定で、名前まで決まっていた・・「ファイヤーボール」・であったが、1966年、ジャガー(ダイムラー)を買収したことで、計画は消滅する・・・
ジャガーのEタイプのライバル車を作るわけにはいかなかったのだ。
*この後、ヴァンプラもジャガーの高級モデル部門的会社となってしまう、、。
「FB60」は、「4L・R」の他、オースティン・チャンプに4台、アルビスの水陸両用車に8台、ヒーレーのプロジェクト・モデルに数台の「FB60」が提供されたが、いずれも量産には至っていない。
結局、実際に販売されたのは、当モデルだけであった。

このモデル、このエンジンの希少性と歴史的興味深さ・が ご理解いただけたであろうか、、。











では、当車両を実際に走らせてみよう・・・

セルを廻すと、即座に「FB60」が目を覚ます。
難しさも複雑な儀式も存在しない。
正直、今となっては、決して静かさを自慢できるほど、静かなエンジンではないと思う(当時としては静かだったが)、、逆にトルクの効いたロールスらしい直6サウンドを自慢したい。

ボルグワーナー製の3速ATとの組み合わせも悪くない、、
同年代のロールス・クラウドにはない「パーキングレンジ」があるのはありがたい。
ハンドルは、あくまで細身で、パワステ付きだというのに、この大きさ・・・イギリス車の基本ですな。
そういえば、「パワステ」もオーバーホール済み。

足回りは、フロント:アンチロールバー付きのウイッシュボーン、リア:リーフコイルと普通のショックアブソーバー・・・さる洋書によるとロッキード製?とされるドラムブレーキ・・単純明快構造・・壊れようがない。
構造はクラウドに近いが、、、乗り心地は、ふんわり・クラウドというより、シャドウの乗り心地に近いかも知れない。
弟分の「ヴァンデン・プラ・プリンセス」より、2廻りは、大きく、、高級感も2廻り増しだ。
アクセルを、踏み込めば、そこは天下のロールス・エンジン、、十分なトルク感とともに加速していく。
正に必要にして十分、、


これぞ真の「ベビーロールス」といえる車だ!



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ロールスロイス ベントレー スペシャリスト
株式会社 シーザー トレーディング

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