Model MG 「TC」

Year 1946
Exterior GREEN
Interior クリーム・レザー
price \ 3.980.000
Mileage 並行車に付き、不明
Ammenities 本国仕様  国内 昭和59年登録  右ハンドル

水冷 直列 4気筒 OHV 1250cc  

4速MT

馬力:54ps/5200rpm

全長:357cm
全幅:144cm
全高:134cm
車両重量:800kg
定員:2人

装備

・本革シート
・ワイパー
・「ブルックランズ」ステアリング
・ヘッドライト・ガード




内外装美車、機関当社にて完全整備渡し、超極上車!

車検:2年付き渡し


COMENTS
MG・「TC ミジェット」


世界で最も有名なライト・ウエイトのスポーツカー メーカー「MG」
この会社の基盤を作ったといってよいモデルが、「ミジェット」シリーズであろう。

それは、1928年に発売された「M タイプ・ミジェット」に始まる。
ミジェット=小人 の名のとおり、僅か 850ccのエンジンに車輌重量500kgほどの小型スポーツ・カー
「ミジェット」の快進撃は、このモデルから始まる。

その後、Cタイプ・ミジェット、Dタイプ、J1、J2、PA、QA、PB、RAミジェットと 覚えきれないほどの進化を繰り返し、
ついに、1936年6月 不屈の名作「T」タイプ・ミジェットが発表される。

それが、後に「TA」と呼ばれる初期モデルである。
直列4気筒 OHV 1292ccエンジン 小排気量ではあるが、車輌重量 僅かに800kgのボディに積めば、必要にして十分な走りを見せた。
この「TA」は、人気をはくし、36年から39年の間に3003台が販売され、
1939年 「TB」に進化する。

「TB」は、外見上は「TA」と さほど変更はないものの、エンジンは変更され、新型・小型軽量「XPJM」エンジン(1250cc)が積まれていた。
これにより、「TA」の50psから54psへ、
更に、2速シンクロメッシュの採用などにより、扱いやすさは、格段にUPした。
大ヒットが期待されたモデルであったが、、、
第2次世界大戦・勃発 
翌年までの生産で終了し、生産打数は、「379台」にとどまった。

終戦直後、1945年9月
MGは、早くも 戦後初となるモデルを販売に こぎつける。
それこそ、「MG・TC ミジェット」、、当個体である。

想像のとおり、そんなに早く新型モデルを開発・販売できるはずはなく、
「TC」は事実上、戦前の「TB」に少々 手を加えただけのモデルであった。
とはいえ、その「少々」の箇所が、今となっては想像以上に有効となっている。

・ボディは、10cmほどワイドに、、
これにより、コクピット幅が広がり、少々大柄の方でも、乗りやすくなった。

・「TB」の6Vから「12V」に変更
これも今となっては ありがたい。

・サスペンションには、ガーリング製の油圧ダンパーが装着され、乗り心地を向上させている。


このモデルは、主に カナダ、アメリカで大ヒットとなり、多くが輸出された。

「TC」は、1945年9月から 1949年11月まで生産され

総生産台数:「10.001台」

このうちの4割ほどが 最終 北米に輸出されたようだ。
面白いのは、「TC」は MGの経済的理由?から、「右ハンドル」しか作らなかった・ということ。
1台も 左ハンドルを作らず、これほどの台数を左ハンドル圏の北米に輸出したのであるから、
いかに北米で人気があったかが 伺える。
それを物語る文がある。

「小林 彰太郎さん」編集の著の中に こうゆう一説がある。

「MG・TCの歴史的な意味は、それが、大量にアメリカ、カナダ(それまでスポーツカーに関する限り不毛の地であった)へ輸出され、彼らにスポーツカーの楽しさを初めて実物教育したことだろう。今日の北米大陸におけるモーターレース熱は、文字通り「MG・TC」によって触発されたものだといっても過言ではない。」と、、


「TC」は、1950年1月 「TD」に進化する。
このモデルは、「TC」のクラシック・ボディを残しつつ、近代化に踏み出したモデルであった。
エンジンは、同じ1250ccながら、フロント・サスペンションには ダブル・ウィッシュボーン+コイルを採用、、更に ラック&ピニオン化に伴い、19インチだったホイール(ワイヤースポーク)は、15インチ・ホイール(鉄)に・・・・・これは、多くのファンの間で不評であったが、替わりに回転半径が小さくなった。
「TD」も北米で大ヒット 結果:1950年から53年の間に「29.964台」も生産され、今度は、その8割ほどが北米に輸出された。


1953年10月:「TF」に進化
近代化は更に進み、ボディは、ぐっと低くなり、ヘッドライトもボディと一体化
一目で「TF」と判断できる「T」シリーズ最後のモデルとなる。詳細は割愛。
生産台数:9.602台
*「TE」が存在しない理由は、その発音が イギリス人的に いただけないから。

1955年には、完全な新型モデル「MG・A」が登場、「T」シリーズは終了する。
1936年から55年までと、戦前、戦後を通して、実に長きに渡って生産されたロングセラーモデルであった。

さて、
「T」シリーズをおさらいしてきたが、
当「TC」が、のちの「TD」、「TF」より優れている点、、それは「ボディ・スタイル」に尽きる。

進化は、時に大切なものをなくしてしまう、、。

ボディ全体のバランスは、19インチ・ホイールを履き、その軸が、グリルより前にあるという戦前スタイルを持つ「TC」のが かっこいい。
「TA」、「TB」でも好いが、「TA」では古過ぎて、まともな個体が少ないし、「TB」では、生産台数が少なすぎて 見つからない。戦前モデルを 微妙に進化させてくれた「TC」こそ、理想的なリアル・クラシックカーなのだ。
クラシックカーにおいては、少々の快適性の差より、スタイリングの方が大事。
性能に決定的な差があれば別だが、このシリーズでは、初めから、たいして変わらない、、いや、正しくは新しいモデルの方が 確かに性能は向上しているが、、、その差は、数十年を経た今となっては、各 個体ごとのコンディションの差の方が遥かに 差がでているので、関係ない。




さて、やっと当個体の お話

1946年6月に製造された 「TC」である。

国内に持ち込まれたのは、昭和59年(1984年)4月
その後は、2オーナー。

「TC」には、前期モデルと後期モデルが存在する。
大きな違いは、1ケ所のみ(他にはステリングの色が変わる)

前期モデル:1945’〜47’ :フェイシア・パネル(計器版)が、「ウッド」張り
後期モデル:1948’〜49’ :「ウッド」張りではなく、内張りと同じ素材に(ビニールとかクロス)

もちろん、「ウッド」張りの方が好ましい。
この「好ましい」TCを選択するなら、前期モデルを探すしかないのであるが、、そうそう見つかるものではない。

当個体、数年前に 大掛かりなレストアが施されたようで、「見えない箇所」=ボディ下回りなどのコンディションが素晴らしい。
もちろん、見える箇所(内外装・エンジンルーム)も、 とても65年前の車とは思えないほど◎。
当時の純正カラーは、「グリーン」、「レッド」、「ホワイト」、「ライトブルー」、「ブラック」の5色。

室内のレザーも 調度 いい感じで「味」が出てきている。
もう少し 乗り込んで 時代があってくると、まさに イギリス人好みの たたづまいを持つ個体に仕上がるであろう。
機関的には、まだ、当社で手を入れていない前から、絶好調、、まったく、あっけないほど
普通に乗れる。

最高速は、120kmほどと言われているが、まるで、オートバイに乗っているような車であるから、体感スピードは、実速を 遥かに 上回る。 これは、面白い。
スタッフ数人で交代で乗ってみたが、、誰にでも簡単に運転できる。
気難しさも まるでない。
近年のマニュアル車に乗るのと同じ。
ある種、これほど容易に、しかも、安心して乗れる40年代のモデルも少ない。


この「TC」は、クラシック・ラリーなんかに参加するには、うってつけのモデルであろう。
扱いやすく、頑丈、整備性もよく、意外に速い、、それに、ちゃんとした幌もある。
雨に振られたら、濡れるしかないクラシック・カーが多い中、こいつには、脱着式のサイド・カバーを持つ、折りたたみ式の幌がある。
このサイド・カバーは、外した場合、シートの後ろに 積み込めるようになっている。
幌も張り替え済みで、まだまだ、ぜんぜんキレイ。
この幌が、これほどの実用度とは、、、この時代の車としても珍しい。

「TC」を含めて MGの人気モデルの場合、パーツ供給に困ることもない。
イギリスやアメリカには、MGパーツの専門店も多く存在する。


この世界的不景気をもってしても、クラシックカー価格の高騰に歯止めは かかっていない。
生産台数の多い「TC」の場合、まだ価格高騰には至っていないが、、、、
この車の実車を じっくり見たことのある方なら、その時期も近いのでは、、と思っているはず、。

MG・TC  
戦前の作りを唯一 戦後に残したMGとして、後世に 語り継がれるモデルである。


さて、あとは、下記より怒涛の 写真94枚を ご参考に↓

「TC」は、3パターンのスタイルを楽しむことができるが、個人的には、
オープンにして、フロント・ガラスを前方に倒した状態のスタイルが一番の お勧め!





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