Model BENTLEY TURBO R CONVERTIBLUE (azur)
Year 1990
Exterior WHITE
Interior TAN LEATHER 
price \ 6.300.000
Mileage 29.980km
Ammenities 新車並行車 左ハンドル 
V8OHV 6747cc ターボE/G 3速コラムAT
全長:526cm
全幅:189cm
全高:153cm
車両重量:2330kg

フル電動オープン、幌カバー、エアバック、Fパワーシート、F:シートヒーター+メモリーシート(4人分)+ランバーサポート、ムートンマット、フライングBマスコット、他フル装備

内外装極美 機関当社にて完全整備渡し 超極上稀少車
車検:2年付渡し
COMENTS

1990年式ベントレーターボRをベースに名門「ロバート・ジャンケル」社がコーチビルドしたフル電動のカブリオレである。

日本では、ロールス・ベントレーのストレッチ・リムジンで有名な「ロバート・ジャンケル」であるが、バブル期には、当車両のような特殊なモデルも製作していた。
「ロバート・ジャンケル」は、只者ではない・・・そこで、この機会に「ロバート・ジャンケル」社自体の解説をしておきたい。

「ROBERT・JANKEL」

「ロバート・ジャンケル」は、創業者の名前である。
当車両を製作していた時代の正式社名は、「ROBERT・JANKEL・DESIGN・LTD」。

ロバート・ジャンケル氏は、1938年1月、ロンドンで、服飾会社を営む裕福な家庭に生まれる。
チェルシー・カレッジで機械工学を学ぶとともに、自動車をデザインすることに興味を覚える。
1955年には、早くも「ロバート・ジャンケル」社の前身を設立、主にワンメイク物の自動車デザイン、及び製作まで手がけるようになるが、、このビジネスだけでは生計がたたず、家族が経営する服飾会社でファッションデザイナーを同時にしていた時期もあった。
しかし、自動車デザインとコーチビルドのみで成功する夢は捨てていなかった。

1970年のある日、ジャンケル氏は、自身でレストア、改造した1930年製のロールス・ロイスに乗ってコンチネンタル・ツーリング(ヨーロッパ旅行)に出かける。
スペインで、闘牛士と知りあいになり、この乗ってきたロールスを・どうしても譲ってほしい・と頼まれ、1万ポンドで売却する。
この一件で、自信をつけたジャンケルは、益々自動車ビジネスに傾倒していく。

ここまでは、イギリスに有りがちな、極極小さなバックヤードビルダー的存在であったが、
1972年、ファッションビジネスからも一切、手を引き、満を持して「PANTHER」(パンサー)社を別に設立する。
そう、ロバート・ジャンケル氏は、あの「パンサー」の創業者なのである。
「ジャガー」の創業者「ライオンズ」氏に多大な影響を受けていたジャンケル氏は、「ジャガー」が大好きで、「パンサー」の名も「ジャガー」に憧れて(対抗して)命名した。
「パンサー」のモデルデザインは、全てジャンケル氏が担当、、、設立当初は、戦前ジャガーの名作「SS100」を模した「パンサー・J72」で名を売る。エンジンは、もちろんジャガー製。
この車は、300台ほど生産され、国内にも数台が輸入、現存している。
その後、発表した小型2ドア・オープン、モーガンに似た「パンサー・リマ」はヒット作となり、実に1000台以上を生産し、国内にも多くが輸入された。
余談ながら、個人的に最も好きな「パンサー」は、、ブガッティのロイヤルを模したとされる1975年発表の巨大な車「パンサー・デ・ビル」だ。
ピンとこない方も多いと思うが、、、1996年公開のディズニー映画「101匹わんちゃん」で、悪者の女社長、女優グレン・クローズ扮する「クルエア・デ・ビル」女子が劇中で乗っていたコンビカラーの巨大な車が、正に「パンサー・デ・ビル」である。
「パンサー・デ・ビル」は、発売当初からロールス・ロイス「シャドウ」の2倍もする価格で販売された超高級車で、現在でも、非常に評価の高いモデルであるが、生産台数は極めて少なく、1985年の生産終了までに僅か57台しか生産されていないとされている。
こうして、パンサー社は、順調な滑り出しをみせたが、急激に大きくなり過ぎた会社を手に持て余したジャンケルは、結局、1979年、経済的な理由から、パンサー社を韓国人実業家「ヤン・キム」に転売することになる。

そこで、ジャンケル氏は、ほとんど休眠状態であった「ロバート・ジャンケル・デザインLTD」を再興、、1980年から、超高級車のコーチビルド業に専念することで再スタートをきる。
まず、最初に その名を世界に轟かせたのは、やはり、ロールス・ロイス・スパー(スピリット)ベースのストレッチ・リムジンのクォリティの高さであった。
*当社でも、ロールスのストレッチ・リムジンは(メーカーリムジンの他は)、「フーパー」社と「ロバート・ジャンケル」社のものしか基本的に扱わない。それほど、クォリティは高い。
80年代は、にわかにバブル景気が増していき、各国からスペシャルカーのオーダーが舞い込むようになる。
もともと、「パンサー」という独自の車を生産できるほどのノウハウとセンスを持っていたジャンケルは、お客の好みを事前にサッチするかのように、そのモデル・ラインナップを増やしていく。
その中で、登場したのが、当「ターボR・コンバーチブル」・・・商品名がまた面白い・・・なんと
[アズール」であった・・・ロールス社が同名の「アズール」を発表したのは1996年のこと・・・
(ロバジャンは、フランス語AZUR、ロールス社は、英語AZUREとしたが、どちらも・紺碧の青い空、海・という意味は同じ)
はて、どんな関係があるのやら、、、どちらにしてもコンセプトは同じ車、、ロバート・ジャンケルが如何に先見の目を持っていたかが伺える。


「ジャンケル」氏は、その後、1999年に「パンサー」社を再買収したと聞くが、、その後は??
2005年4月25日、、、ジャンケル氏は、志半ばに、この世を去る。
「ロバート・ジャンケル」社は、その後、社名を「JANKEL」とし、現在でも、当時と同じ南イングランドのサリーで経営を続けている。
現在は、主に中東のお金持ち用と思える高級装甲車のコーチビルドを得意としているようである。


さて、やっと当モデルのご説明に入ろう。
私の知る限りでは、1980年代の終わりごろから、1991年まで、「ロバート・ジャンケル」には、国内に正規輸入販売元が存在した。
当個体も、その会社が輸入したものかもしれない。
当モデルのコーチビルド技術は、ストレッチ・リムジンなど問題にならないほど高度だ。
この車が、元々4ドア・サルーンであったのが、信じられないほど、よく出来ている。
圧巻は、電動オープンの仕組みで、本家ロールス社のオープンモデル「コーニッシュ」でさえ、幌の留めフックが手動であった時代に、電動フックを採用している。
幌の仕組みは、コーニッシュなどと同じ油圧式で、構造はよく似ている、、、電動フック部分のパーツ、モーターは、ドイツ製で、かなりの苦心の末、考えだされたものであろう。
この部分の仕組みも、素晴らしくよくできていて、、正直、コーニッシュ4の電動フックより、よほど信頼性がある。

「ロバート・ジャンケル」が製作した当モデルやストレッチ・リムジンは、バブルが弾けた1992年以降、知る限り、1台も輸入されていない。
それもそのはず、ロバジャンで最も安価なストレッチ・リムジンでさえ、6800万円〜、、当モデルで、確か8000万円ほど、、バブル経済期でなければ、購入できる日本人はそうそういまい。
当個体は、数年前、当社で販売させて頂いた「シーザー認定中古車」、、、
前オーナー、大切に保管していただいていたものの走行距離は伸びていない。
お陰で、現在でも素晴らしいコンディションを誇る。
国内、海外を通して、当個体の他に、2.3台見かけたことはあるが、世界的に見ても極めて珍しいモデルであることは間違いない。

天才「ロバート・ジャンケル」が作った、もう一つの「アズール」、、詳しくは下記より↓


外装は、「ホワイト」。

元色ながら、すでに一度オールペイントされているので、90年式にありがちな塗装のクラック(ワレ)などは見つからない。
ボディサイドの2本のコーチラインは、内装に合わせ「ブラウン」。

ベースユニットは、もちろん、「ターボR」、、
本来、ターボRの全長は、528cmであるが、当モデルは、車検証上も実寸も「526cm」である。いったいどの部分が短くなっているのか見ても分からない。
ドアは、当モデル、「130cm」、、オリジナルのターボRのフロントドアは「107cm」、、23cm延ばして製作されたものであるが、恐ろしくよい仕上がりで、計測するまで、オリジナルのままだと思っていたほど、、、スゴイ。
どのみち、4ドア・サルーンを2ドアの電動コンバーチブルに改造するのであるから、並のコーチビルダーでは不可能な技量を要す。
*同時期「フーパー」社でも、似たように、ロールスとベントレーの4ドア・サルーンから2ドア・クーペとコンバーチブルを製造していた。「フーパー」のモデルは、数台見にしたが、特にコンバーチブルモデルは、出来のよいのと悪いのの個体差が激しい。

特筆すべきは、やはり、前述したとおり、この物凄くよくできた屈強な「幌」だ。
本家「コーニッシュ」より、更にフラットに折りたためる。
この幌の完成度とトータルデザインの素晴らしさが相まって、、知らない方に、、ベントレーには、こんなモデルも存在した・・と言っても信じてしまうだろう。

ボタン一つ、完全にフル電動の幌、、開けるのに「17秒」、、閉めるのに(自動でフックがロックされるまで)「21秒」であった。(当個体データ)

乗ったところで、分厚い幌、、4ドアのターボRと遜色ない、、ボディ剛性も◎。
ただし、オープン状態にして乗ると、気分的なものか、、舞い込む心地よい風のせいか、、まったく別ものの車に乗っているようだ。
爽快なこと、このうえない。

内装は、「タン」レザー。

ロールス社・オリジナルのままの「コノリー」レザーだ。
コブ目の多いバーウォールナット、最高部分のコノリー社レザー、ウェリントンの重厚なカーペット、、、うまい具合に、オリジナルの良いところは全て残されている。
レザー、ウッドを含め、内装コンディションも、大変良い。

ドライビング・ポジションもターボRそのままなので、違和感は、まったく無し、、、
リアシートの居住空間もコンパクトに折りたためる「幌」のお陰で、非常に広い、、
4ドア・ターボRと大して変わりない、、、当然、本家ロールス社の「コーニッシュ」、「アズール」
と比べても問題にならないほど広い。

広い、といえば「トランク」容量もオリジナルとさほど変わりはない、、、通常、コンバーブルに改造することで、不便になりそうな部分が損なわれていないのは、やはり、「ロバート・ジャンケル」の技量の賜物。


あと付けで、インダッシュナビ・TVが付いているが、パナソニックのDVDナビ、、、使えるが、もう古い
。で、装備欄には書いていない。特にナビ依存症の方であれば、最新式のHDDナビに交換をお勧めする。ノーマルファンの方なら、通常のカセットデッキに戻せばよい。下部デッキが埋め込まれている場所のオリジナル「ウッド」も、この車には残されている。


エンジンは、語りつくした伝統のアルミ合金製 V8 OHV 6747cc ギャレット製のタービンを積むライトブレッシャーターボ・エンジン。

オリジナルのまま、、何も心配はいらない。当社も最も得意とするエンジンであるから、ハズレはない。
一生所有していても、石油がなくならない限り、困ることなど起こりえない。


モデルごとのクォリティ比較は別にして、近年モデルの2ドア4シーターのコンバーチブルで、最も高額なモデルであったことには違いない当モデル、、、
今は亡き、
稀代の天才「ロバート・ジャンケル」氏のためにも、後世まで残し、語り継ぎたい1台である。