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| 外装色は、「ブラック」。 ソリットのブラックである。 フルレストア車ながら、入庫時、そろそろ塗装の数箇所に劣化に見られたので、気に入らない箇所は、再ペイントした・・結果、ほとんどオールペントとなってしまったが、仕上がりには満足・・・当時の深みの有る、しっとり・とした「ブラック」の輝きを取り戻した。 シャーシのコンディションも世界に自慢できるほど、素晴らしく、とても戦前の車とは思えない。 全長:483cm 全幅:173cm 全高:158cm 車重:1700kg 定員:5名 後のベントレーから比べれば、大変小柄なボディである。 車重:1700kgしかない。これは、総アルミボディであるから・であるが、この軽量ボディが「走り」に大いに貢献している。 この車以上に巨大で重いリムジンボディを載せたロールス・ロイスでさえ、軽々と走らせる「直6・4.25」のチューンド版エンジンであるから、当然ながら・・「ダービーベントレー」は 「速い」! 今だに、クラシックカーレースで活躍できるレベルで、例えば、国内最高峰のクラシックカーラリー「ラフェスタ・ミレ・ミリア」に08年2台、07年4台の「ダービーベントレー」が出走した。 ダービーベントレーは非常に乗りやすく(操作性が良く)、マニュアル車を運転できる方であれば、どなたにでも運転できる。 重ステであるから、パワステのように取り回しも片手でラクラクというわけにはいかないが、、良く整備された個体であれば、古さなど、まったく気にならないほど普通に運転できる・・・ そこがダービーのスゴイとこ。 さて、このボディデザインを見ていただきたい。 素晴らしくセクシーで複雑な曲面を持つ・・・ハンドメイドの総アルミボディ・・・眺めているだけでも飽きない。 かくあるべし・・・の お手本のようなヘッドライト廻りの造作・・・ルーカスの巨大なヘッドライトのほか、センターにはフォグランプ、左右にあるヘッドライトは、オリジナルのままでは夜間走行時に暗いので、弊社で跡付けしたクラシックタイプのハロゲンランプ・・実用車仕様。 当個体のコーチビルダーである「スラップ&メイバリー」社を、もう少し解説しておこう、、。 創業は1760年という老舗である。 スラップ氏とメイバリー氏・・創業者2名の名を社名としている。 自動車のコーチビルドに乗り出すのも早く、一番最初の仕事は、1896年、ビクトリアという車をコーチビルド・・・この車は、スペイン女王に納車されている。 後、数々の名車のコーチビルドを重ね、1925年のモーターショーでは、ついにロールス・ロイス・コーチビルドモデルを発表するに至る。 「スラップ&メイバリー」は、1933年の「ダービーベントレー」誕生から1938年までの6年間、毎年、モーターショーで1台づつ「ダービーベントレー」の新作ボディを発表(出品・展示)していた。 1937年のモーターショーに「ツーリング・サルーン」として出品された作品こそ、正に当個体そのものである。 興味深いのは、、1933年出品の2ドアDHC以外、1934年から38年の5年間、全て4ドア・サルーンを出品している点で、このコーチビルダーの得意分野は、4ドア・サルーンであることが伺える。 戦前、ロールス、ベントレー、ダイムラー、タルボットなどの高級車で名作を残した「スラップ&メイバリー」であるが、戦後は、「ルーツ」グループに飲み込まれ、残念ながら、歴史残るような大作は製作できないまま、1967年、会社は閉鎖される。 で、当個体、、確かに、デザインバランスもよく、造作の精度は現在の車以上・と言ってもよい。 ドアが「カチャリ」と閉まる音を聞いただけでも、ただものではないことが分かる。 「4.25」生産シュア第3位の実力は、イギリス中で3位と同じこと、悪いわけがない。 芸術品の域! |
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| 内装は、「バーガンディ」レザー。 内装も完全にレストア済みで、レザー類も、全て張りかえられている。 ウッド類も抜かりなく、リペアされており、どこを見てもキレイ。 室内空間も前後ともに十分に広く、窮屈さは無い。 メーター類は、スピードメーターにタコメーター、電圧計、水温計、燃料計、油圧計、、現在の車と変わりはない。 ETCも取り付けている。 フロントウインドは、写真のとおり、開けることもできる、、開けた状態で走らせてみたが、なんとも心地よかった。 その折、当時オプション設定であった巨大なスライディングルーフも開けておいたのだが、その爽快感といったらない。 この巨大スライディングルーフを開けた状態であえば、セダンカ・のようである。このオプションは有益で運転の楽しみが増す。 右ハンドルの右シフト、運転席への乗り降りには、左ドアから入ったほうがスムーズだ。 右シフトは、ピン・とこない方も多かろうが、右利きの方なら、逆に乗りやすい。利き腕で操作するのだから、、。 H型に溝の入った4速であるから、ギアを入れるのも分けない。ダブルクラッチを踏む必要もない。 ステアリングにパワーアシストはないが、車重が軽く、タイヤも細いので、走り出してしまえば、重い・とは誰も感じないはず、。 ま、百聞は一見にしかず、、 ご興味のある方は、ぜひ、ご試乗ください。 |
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| 6気筒 OHV 4257cc 歴史に残るエンジンである。 この必要以上に頑丈で美しいエンジン、、 現在でも、当時のスペックどうりの性能がだせるところがエライ。 エンジンルームの景観も必見!・・・アルミの作り込みが見るものを圧倒する。傑作だ。 とても車のエンジンのようには見えない・・・精密機械だと思うと理解できるが、、。 オルタネーターも弊社で交換済み。 近代車のような「余計なお世話」な装備は皆無であるから、故障の心配も、心配するレベルにない。 エンジン本体が壊れることも、あと数十年は考えずらいが、パーツ供給の良さも手伝って、修理で困ることもない。 耐久性、操縦性、整備性の良さ、三拍子揃ったクラシック・カーてのは、なかなか無い。 余談: 前述で、当「ダービー・ベントレー4.25」がロールスの「25/30」モデルの高性能版的な ご説明をしたが、、当個体、 1937年式モデル・・・歴史的に興味深いのは、、戦前に輸入された2台の「25/30」の内の1台、吉田茂・元総理大臣が、所有されていた有名なロールス・ロイスも1937年式(フーパーボディ)「25/30」であった。 吉田総理は、このロールスに乗って大磯の○○宅へ行くため、横浜バイパスを通した(作った)・と、されているが、、田中角栄・総理の新潟新幹線以上に、なんとも痛快な話である。 このロールスは現在も当時と同じまま現存し、もちろん、当時と同じ性能のまま走行することもできる。 さらに、もう1台の「25/30」は、やはり1937年式、当個体と同じく「スラップ&メイバリー」のリムジンであったが、この車が空襲を逃れ、生き延びたかどうかは、残念ながら知らない、、。 また、戦前に正規輸入(当時のディーラー:野沢組)された「WO・ベントレー」は7台あるが、、「ダービー・ベントレー」の台数は不明、、。 小林彰太郎先生によると、戦後まで生き延びたダービーは1台しかない。 三井家の当主「三井八郎右衛門」さん所有の1936年式 「3.25」パークウォード・コーチビルドの当個体と良く似た4ドア・サルーンで、戦争中は、長野の三井炭鉱のトンネルの中に隠し、疎開させていたという。 このダービーは、1960年代半ばまで、なんと30年ほども、八郎右衛門さんの愛車として活躍していたが、、 おそらく現在も三井家にあるのではなかろうか? 「スラップ&メイバリー」の傑作は、やはり戦前モデルでしかみることができない。 このコーチビルダーがもっとも得意とした4ドア・サルーン、、しかも当個体は、1937年のモーターショーに出品された、そのものの力作! それでいて、4ドア・サルーンは今となっては、2ドア・モデルに比べ、格安で購入できるのも、お勧めポイントである。 |