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2004/05/16 5月も半ばとなり、オランダにも初夏の香りが漂っております。気候のよさに駆られ「オランダの五月」を書きたくなりました。やはり「5月の花や若葉」は特別です。書き漏らすのが惜しくなりました。^^。6月には、予定通り「成熟の緑」をお伝えすればいいですから。(笑) 2月のクロッカスから始まった球根類の花期は、ほぼ終ったようです。ホッとしております。あまり何度も書きますと花に嫌われそうですが、何百万本という花が咲きそろう「球根花」にはウンザリいたしておりました。あ、クロッカスだけは別です。これは大好きです。極寒の時期、他に花が何もないところに、突然あの鮮やかな美しい花色を見せてくれるのですから。これは正に驚異です。この花の最盛期に時期を合わせた子供達の休暇があります。スキー場へ出かける家族がたくさんいらっしゃる。子も親もとても楽しみにしている休暇です。「クロッカス・ホリデー」と呼ばれております。 5月に戻します。樹からいきましょう。柳。この5月の風に揺れる柳はキレイです。若葉がしなやかな若枝に広がり、とても繊細な姿を見せてくれます。遠景がいいですね。水際にたたずむ、その美しい姿を眺めるには…。遠景がいいと申しました。ええ、近くで見ますと、繊細な姿が見えません。日本の柳では記憶がないのですが、こちらの姿のいい柳は幹の直径が1メートル近くあります。巨木です。正直、葉を着けている時期だけ「柳」と認めることが出来ます、私には。 これだけの巨木ですから、もの凄い数の若枝をハングさせております。これが風車の国の風をうけて揺れ動く様は、繊細ですがとてもダイナミックです。「柳腰」という美しい日本語がありますね。もちろん、これはしなやかな枝の部分を例えた言葉でしょうが、オランダの柳を見て育った人からは、決して出てこない言葉でしょうね〜。こちらで「柳腰」というと「柳の幹のような腰」になっちゃいますね〜、きっと。オランダの柳の若枝も、しなやかではありますけどね。でも、「柳腰」を想わせる方には、滅多にお目にかかりません。トニーとの散歩で水際を歩くことの多い私です。毎回この大きな柳に立ち止まり、感心して眺めております。トニーはその根元に縄張りマークを毎回付けております。 次は「栃の木」です。オランダで「カスタニア」と呼ばれます。これも5月に花を咲かせます。だだいま満開です。巨木になります。近くの公園に大きなものが何本もあります。まあ、オランダではいたるところで見られる樹です。大きなロウソク状の房に小さな花を沢山つけます。この花は、近くでみると感心するほどには美しくありません、私には。遠くからみるとその房全体が一つの大きな花に見え、美しさを増します。ですから大きな樹に咲いている方がよろしい。小さな樹ですと花が眼に近すぎます。白と濃いピンクの2種類がありますが、白の方が断然多いです。初秋にとてもキレイな実をつけますね。栗と同じように美しい光沢を持った実です。散歩中に拾い、持ち帰ります。美しい飾りになります。日本では灰汁を抜いて食するようですが、こちらでは Eatable (食べれる) とは捉えていないようです。 この樹には、オランダでは種々の評価が出まして、なかなか面白いです。その評価は気候に大きく影響されます。大きな葉をつけたカスタニアの樹姿はとても立派で美しいものです。葉は大きく葉の肉厚も十分ありますから、何重にも茂ったその葉は、真夏の強い日差しを遮って、とてもいい木陰を作ってれます。 ここで、質問です。この説明、正しい書き方に見えますか?(爆笑) 「イエス」と「ノー」の両方です。その年の気候によります。昨年は「熱波」に見舞われるほどの乾燥した高温の夏でしたから、日差しも強く「イエス」でした。でもそんな夏は例外です。例年は夏でももっと日差しが欲しいと思うオランダ人です。日差しが不足する年には「こんな邪魔な樹はない!」と評価をくだすことになります。確かに公園なんかに巨大なカスタニアが芝生のど真ん中に立っているのを目にします。 直径10メートル以上の枝葉の広がりです。ピクニックなんかでしたら、何家族も座れる広さの木陰が提供されますね。でも、日差しが弱ければ、木陰に座るようなことはしません。陽の当らない芝生はみすぼらしいことになります。つまり根元の直径10メートル以上の部分で芝が生息できないことになり、土がむきだしになっております。花をつけるこの時期には、すでにこの枝葉は太陽光線を遮るのに十分なボリュームを持っております。今年は暑くなりそうですから、活躍してくれるでしょう。私はこの樹を見るのは大好きです。取って着けたような言い方ですが。 あ、雨宿りには抜群です。 こんな具合に、土地それぞれの環境によって評価のわかれる事柄、モノの多い世界に私達は生きている訳ですね。国際政治情勢もこんな自然界の小さなこととおなじで、いろいろな紛争が生じて当たり前だと思います。立場が違えば意見も違ったものになりますから。その時の感情や利への聡さだけでカスタニアを切り倒したりしちゃいけませんよね。このサイトでは政治の話は書かないことにしているのでした〜。 「蒲」に話を移します。オランダの何処にでも見られる、小さな掘割のような運河が私の家の裏手にあります。昔は水量を調整したり、何かの輸送に使われた運河と思いますが、現在はただの細長い池になっております。そこに2種類の「蒲」が生息しております。2種類とは穂が太いのと細いのです。現在水面から1メートルくらいまで葉を伸ばしております。すこし光沢のあるなかなか美しい葉です。穂がでるのは6月の初旬を過ぎた頃です。 4月の初旬くらいから、この小さな細長い池で、鴨などの野生水鳥の子供がたくさん誕生しております。皇居のお堀の「カルガモ」のニュースが毎日のように流れたのは何年も前ですね。元気でやっているのでしょうね、彼ら。今月に入ってその誕生が多くなりました。現在10くらいの野鳥の家族がその池を泳ぎ回っております。なかなか可愛いい、愉快な、微笑ましい情景です。その池には大きな鯉が棲んでいまして、けっこう釣り人が絶えません。まあ、オランダ人ですから、こんな鳥や動物と一緒に生きて行くことを、ごく自然なことと捉えてる人ばかりです。 オランダには日本で多数見られる白鷺はおりませんが、灰色鷺がたくさん棲息してます。この灰色鷺はなかなか賢い鳥でして、飛んでいる最中に釣り人を見つけると、その釣り人の近くに飛来し、釣り人から数メートル離れた辺りに居座ります。人間と野鳥が上手くやっている典型が見られます。釣り人が釣った雑魚をくれるのを知っているのです。灰色鷺の期待に答えようと釣り人も頑張ります。ただし、この5月の時期を除いてです。この時期に飛来する灰色鷺は、釣り人にも他の人にも滞在許可を貰えず追い払われます。理由はこの灰色鷺は魚だけではなく、水鳥の幼児を捕まえて食べちゃうからです。天敵です。これを人間どもは許可しません。飛来した灰色鷺に向かって、釣り竿を振り回したり、石をぶつけたりします。 でも、この水鳥の幼児を護ってくれる釣り人や他の人が常時いる訳ではありませんから、とても危険です。で、この蒲のブッシュが大切な役割を果たしてくれます。灰色鷺がやってくると母親と一緒に大急ぎでこの蒲のブッシュに逃げ込みます。あ、葦のブッシュも同じ役割をしてくれます。ここには葦もたくさん生えてます。灰色鷺は身体が大きいのでブッシュの中には入って来れませんからね。はじめて釣り人が灰色鷺を追い払おうとするのを見た時、オランダ人にしては珍しく乱暴なことをする人だな〜、と思いました。私が怪訝そうな顔をしているのを見て、直ぐに水鳥の幼児の話をしてくれました。いいものです、こんなコンタクト。 それ以降、私も灰色鷺を見ると追い払うことにしてます。この時期だけですよ! 蒲に話を戻しましょう。穂をつけて群生している蒲はなかなか見事なものです。とてもダイナミックです。2種類あると書きました。細いものは日本で見られる蒲の穂と同じくらいです。太い方はその3倍くらいありますね。日本のサイトの解説ではソーセージを例に出して説明してました。フランクフルトソーセージのようなと…。私の眼にはソーセージには見えません。穂が出始めた時の色が「限りなく白に近い、淡〜いグリーン」です。私の眼には、むかし出雲かどこかで食べた「竹輪」に見えます。あっはは。あるいはキリタンポ。出雲で食べたその「竹輪」は竹を抜かずにそのまま付いてました。とても美味しかったです。焼き色はついてましたが、割とあわい色でした。焼く前だときっと出たばかりの蒲の穂に似ていると思いますね〜。 日本の食い物で「竹輪」は私の大好物です。オランダではけっこう日本食品は買えますが、竹輪は思ったように手に入りません。それでこんな妄想のようなものが蒲の穂に向かってしまう、卑しい私です。^^。 何度も書いてきましたが、近くを流れる大運河の堤防に野草花が咲き乱れております。白を基調背景として、キンポウゲの黄色や野あざみの赤紫、その他もろもろの色が加わります。それに種々の穂をもった野草達=雑草と呼んでもいいのかもしれませんが。自然の色の組み合わせですから、どこか涼しげで美しいものです。 園芸種に見られるような、人工的なうるさいものにはなりません。オランダに何年か住んでからのことですが、花が豪華に咲き競う花壇や庭を、あまり好まなくなってしまいました。食傷しました。日本の清楚に咲く花達を恋しいと思うようになりましてね。 でも、野草花の彩りは、日本もオランダも本質的にはあまり違わないようです。犬との散歩に野草の宝庫ともいえる運河の堤防を歩きまわり、いろいろ新しい発見をしております。忘れていた日本の雑草を思い出すこともあります。とても嬉しいことです。 まあ、私の書くことですから、おふざけが過ぎると言われそうなスタイルになってしまいましたが。これからは、野草の知識を得たいと思っております。勉強なんて表現はしませんよ。自然体でやるつもりですから。無理すると挫折すると思いますから〜。来年の春くらいから、花樹のコンテンツを新たに設ける野望を抱いてやることにします。 Brug43 |