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2004/11/28
シェフ・コック −ブリッジ休暇 3− Brugとテオのブリッジトーナメント最終日です。3日目を終わりトップと僅少差の2位です。2人とも「逆転優勝するぞ〜!」と張り切っています。^^。 昨夜もブリッジの後、激しいディスコミュージックに合わせ、皆さん "ユッタリ" と踊っていました。ちょっとお疲れのようです。皆さん連日の夜更かしだし、熟年組が多いからこうなるのも無理はありません。^^。ヨープさんも一緒に付き合って楽しんでいましたが、疲れてしまったようです。きょうは休養日!とホテルの中でのんびり過ごしていました。Brug もヨープさん同様、タップリ昼寝を楽しんだと言ってました。 2人が寝ている間に、テオが僕を連れてライン川の畔を長時間歩いてくれました。テオと一緒にいるのはホントに楽しい。寒いからあまり人も犬も歩いていなかったけど、テオは急に全速力で走り出したりするから、それを追いかけるのが楽しくてね〜。Brug と歩くのも楽しいけど、走るのが嫌いらしく、殆ど一緒に走ったことはありません。「不可解な」のハンスさんはけっこう走ってくれたけどね。Brug が僕を走らせるときは自転車に乗ってやります。でも、僕は自転車と一緒に走るのがあまり好きではありません。小さい頃、自転車に乗った子供を追いかけて、ちょっと痛い目に遭いました。怪我はなかったけど、それ以来自転車と一緒に走るのが苦手です。 夕食の時間になりました。僕はその前に夕食を済ませました。家にいるときみたいにバリエーションのあるものは貰えないけど、Brug が何種類かの小さなパックを用意してくれて、毎回違った味を楽しめるようにしてくれてます。味にうるさい Brug だからね。^^。 夕食が面白かった〜。もちろん僕は味見もさせて貰えなかったのだけど、メインディッシュがポークかチキンのモカソース添えですって。「え〜!!?」 と、本日のメインディッシュのことを聞いて、驚きと戸惑いの声を上げていました。甘いドロ〜としたソースがポークかチキンの焼いたものに添えられるそうです。付き合わせの温野菜は何種類もあります。マッシュポテトのオーブン焼きとか揚げたポテトが付きます。誰〜れも、このソースを知りません。アイスクリームの上にでも乗っていれば美味しそうだけど、ポークやチキンに合うだろうか?と皆さん不安そうな顔をしてます。 このホテルでは、昨日も一昨日も直前迄ディナーのメニューは公表しませんでした。皆がテーブルに着いてから公表される2種類のメインディッシュから注文出来ることになってます。最初の晩はビュッフェスタイルでしたから、この発表はありませんでした。2日目の夕食からシェフが登場して、面白おかしくメニューの説明をしてくれます。料理に合うワインの説明もしてくれます。もちろんグラス/ボトル単位のどちらでも注文できます。そのあとでウェイター/ウェイトレスが注文を聞いて回ってくれるシステムになっています。なかなか面白い演出だなぁと、Brugが感心していました。一昨日は「舌平目のムニエル」or「ビーフ・フィレミニョン」となっていました。「ビーフ・フィレミニョン」にはイタリアのブルーチーズ、ゴルゴンゾラとバルサミコ酢のソースが添えられるとのことです。シェフはイタリアで修行をしたのだそうです。 Brugはイタリアン・スタイルが大好きです。フレンチはまあまあだそうです。美味しいけど、あのリッチなソースは年に2度も食べれば十分だそうです。^^。で、ビーフを注文してました。ヨープさんは舌平目。Brugは「舌平目」は不味くないけど、いつでもなんかモノ足らない気持ちにさせられる。満腹感のことではなく、味が淡白すぎるので進んで食べたいとは思わないとのこと。ヨーロッパの人達が何故この魚をあれほど珍重するのか分からないとも言ってます。舌の感覚が違うのかもしれないな〜、なんて言ってました。^^。あ、Brugはビーフに添えられるソースに使われているバルサミコ酢が大好きなんですって。ちょっと舌にピリっとくる、刺激性のある味がたまらいと喜んでました。めったにオランダではこの酢を使ったものにお目にかからないそうです。こんな説明をしたら、舌平目を注文しようとしていたテオもビーフに乗り換えました。ヨープさんは玩として「舌平目」です。ビーフがあまり好きじゃないからね。理由は "思うこと"「子羊とヨープさん」にでてました。ビーフを食べたテオと Brug は大満足でした。ソースが肉によく合っていると言ってました。2人ともキレイにソースをパンで平らげてました。ヨープさんの舌平目もとても美味しかったそうです。 昨日は「バターフィッシュのステーキ」or 「ラムのグリル」でした。3人ともラムは苦手なので、迷わず「バターフィッシュのステーキ」を注文してました。注文した後で「それはそうと、バターフィッシュとはどんな魚だろ?」とシェフに聞いてました。3人とも説明を聞いてもよく分からないようでした。大きな魚の切り身で、生の魚肉がバターを連想させるような滑らかな淡い黄色がかったピンクなんだそうです。「ふ〜ん・・」と、納得したようなしないような、おかしな顔を3人ともしてました。もちろんオランダ近海で穫れる魚ではないそうです。南の海で穫れる魚という程度の説明でした。ただし、味は最高!と保証してました。「舌平目と比べると?」と、執拗くBrug が聞いてます。「まったく違う。ずっと濃厚な味わいの魚」との説明。それならいいと Brug も納得。淡白すぎる魚だと嫌だったらしい。 一口食べて「これは美味い!」と3人とも大喜びです。肉厚のステーキになっていて、サイズも大きい。3人とも大満足でした。デザートを食べ終わると、いきなり Brug がキッチンにシェフを訪ねていっちゃいました。気に入った食い物が出た後によくやるBrugの行動です。日本でもそうだったらしい・・。「とても美味しかった!」と、お礼の言葉と「料理する前の魚(肉)の姿」を見せてもらいにです。^^。食い物に対する探究心の旺盛さで鳴らす Brug です。でも、今回は席に戻っても、初めて見る魚(肉)と首を傾げてました。世の中にはまだまだ知らない美味いものがあるものだと、嬉しそうな顔で感心してました。 さて、モカソースです。「確かにポークなんかは甘いアップルソースで食べると抜群だね。ポークチョップ・ハワイアンなんて名付けて、新鮮なパイナップルの輪切りをポークと一緒に焼いて、上に乗せて出したりする。これも美味いね。だからモカソースなんてのも意外といけるかもしれないね〜」と、Brugが言ってます。「それに昨日まで出たもので不味いものがなかった。あのシェフはけっこういいセンスしてる・・」と皆に言ってます。皆も納得してちょっと安心した顔になりました。テオだけがチキンです。Brugとヨープさんはポークです。近くにいたヨープさんの話し相手のご婦人達も Brug の説明に納得顔です。本日のメニューは肉は2種類用意されますが、ソースはこれ一種類しかありませんから、選択の余地はないんだけどね〜。^^。 でも、Brugが言っていたように、昨日までのメニューはすべて美味しかったらしいから、安心してあのシェフの料理を楽しめそうだよね。ヨープさんが「カンバセーション・ピース」としても、とても価値のあるモノになりそうだ!なんてニコニコしてました。ワクワクかな。 さて、アピタイザーの皿が去り、メインディッシュの登場です。表面をキレイに焼いた肉の真ん中から皿の前部に、美しい光沢のある「モカソース」がかかってます。温野菜と冷野菜がキレイに飾られてます。「とても食欲をそそる姿だね〜!」と、お隣に座っているご婦人から声があがります。みなさん「うん、うん」と同意してます。「ボナペティート」とイタリア語を発して Brug がナイフを肉に入れ、一口たべて「うわっ、うま!」と叫びました。日本語で。あっはは。他の皆も同様にいろいろ表現を変えて、その美味しさを賛美してます。 このディナーが皆には最後の晩餐です。「シェフ・コック」が清潔な白いユニフォーム姿でテーブルを回って客に挨拶し、意見を聞いています。「気に入ったらまた泊まりに来てください」ともね。50代の初めくらいで、背は高いけど太ってはいません。一般に、ヨーロッパでは太っているシェフ・コックが多いけど、オランダではあまり太っている調理人を見かけないそうです。あ、Brug の話です。「いわゆるスポーツ選手のような体型の人が多いな〜」なんて言ってました。「不健康な食い物を嫌うオランダ人が多いからね!」と加えてました。 「シェフ・コック」が来ました。Brug の姿を見つけて、ニコニコ話しかけました。英語でね。「ファンタスティック!!」と Brug が料理を誉めました。「けっこう作るのが難しそうなソースですね? よほど手早く上手くやらないと、新鮮なコーヒーの風味が飛んでしまうでしょ?」と Brug が尋ねました。コックさん、嬉しそうに「そうです。新鮮なエスプレッソの風味をなくさないことが秘訣です。この新鮮な風味がなくなると、ただ苦いだけの嫌な味になってしまいます」と説明してます。テーブルの皆さんも色々な質問を飛ばしています。初日からの夕食をホントに満喫したと、全員がシェフに言ってます。Brug が話しかけたせいか、昨日の「バターフィッシュ」のことなども混じえ、いろいろ説明してました。 コックさん、とても嬉しそうです。その最中に僕がテーブルの下にいるのを見つけました。「あれ、タミー!」と素っ頓狂な声をあげました。「ケアンテリアだ。私のタミーにそっくりだ!」ですって。ヨープさんが「トニーです!」と紹介してくれました。僕はすぐにコックさんに飛びつきました。顎の下や脇腹を気持ちよく撫でてくれます。大きいゴツイ手だけど、犬を扱うのがとても上手です。ヨープさんと犬談義になってしまいました。^^。 抱き上げてくれちゃいました。顔をペロリとやったら、大きな声で笑いながら「お前も私のモカソースを食ってみたか?」なんて言ってます。ヨープさんが「人間が食べているテーブルでは、食べ物を貰えないのを理解している犬です。その訓練が出来ているので、安心してレストランへ連れてこれるのです。この Brug が訓練してくれました〜!」と自慢げに説明してます。Brug が「それ以外には誉めるべきところがないトニーだな〜!」と付け加え、大笑いしてます。テオも一緒に大笑いしながら「人を喜ばすのが上手いトニーだな〜!」と言ってくれました。「私のタミーもそれは上手だ!」とコックさん。 皆、ディナーのモカソースにとても満足したようです。隣のご婦人が、美味しい甘いソースだから、デザートにかけて食べたいくらいと言ったら「肉用のソースで塩分が勝ち過ぎてるので、デザートには無理です」と言ってました。デザートにはレモン味の軽いシャーベットがでました。僕を下ろしてコックさんは次のテーブルへいきました。 食事が終わり皆で部屋へ戻りました。テオも僕らの部屋へ来ました。8時半から始まる最終のブリッジトーナメントの前にリラックスしたいと、ビールを飲み始めました。Brugも付き合ってます。ヨープさんはベッドに衣服を着けたまま、リラックスして横たわって話に参加してます。僕は少し眠くなったので、ヨープさんのベッドの下に置いてあるバスケットのベッドに入りました。ウトウトしていたら、テオと Brug が「そろそろ時間だからブリッジルームへ行こう」と出て行きました。僕も一緒に行こうと飛び起きたら、ヨープさんが「トニーはここにいなさい。あとで一緒に行けばいいから・・」と言ったので、そのままバスケットで少し眠りました。 9時半を過ぎた頃にヨープさんが「さあ、行こう!」と起き出して、出掛けました。ブリッジルームではなくカフェへ。もうご婦人方もレトリーバの紳士も来てます。一人見慣れないカッコイイ革ジャンを着た大きな身体の中年の男性がいます。いきなりその人が「トニー!」と叫びました。「あ、さっきのシェフだ〜!」 明日はお休みなんですって。それでカフェで少し飲んでから帰ることにした。僕がいるだろうと思ったしですって。へへ。直ぐに飛びついたら、抱き上げてくれました。顎の下を嘗めてあげたら「くすぐったいから止めろ〜!」と、笑い声をあげてます。こんな犬好きの人と遊ぶのはホントに楽しいです。 ヨープさんがジントニックを注文したら、氷のいっぱい入っているのが自動的に出て来ました。シェフがそれを見て「オッ、アメリカン・スタイル!」と言いました。ビールを飲んでいたシェフですが「私にもこれ!」とバーキーパーに注文してました。「あれ、ヘンクがアメリカンスタイルを好きとは知らなかった!」とバーキーパーがシェフに言ってます。「トニックを入れたカクテルは氷が多い方が美味い!」とシェフ。「ただ、これをヨーロッパの客の前でやると厭がられることがあるので、やらないだけだ! 自宅では氷をタップリ入れて飲んでるよ!」ですって。 ここでもヨープさんとシェフのヘンクさんは直ぐに仲良くなって、オランダ語で笑いながらいろいろ話をしてました。レトリーバの紳士も交えてね。ご婦人方もシェフ・コックと話ができる機会なんて滅多にないからもう夢中でね〜。ディナー前のメニューを面白おかしく説明する話術を持ったシェフだからね! 革ジャンがよく似合ってルックスもいいし、彼は今晩のスーパースターでした。^^。話をしながら僕ともタップリ遊んでくれました。10半くらいにシェフのヘンクさんは帰りました。そのとき一緒に皆で散歩にでてくれました。レトリーバも一緒にね。散歩しながら、4日間の短い付き合いだったが、とても楽しかったねと、皆が言ってます。お互いにいい人達だったからラッキーだったと、一人のご婦人が言うと、ホントだ! と皆が同意してました。こんなイベントに参加すると嫌な人とあたることも多いからね〜、とも言ってました。 12時半くらいにブリッジの最終結果が出ました。Brug とテオは2位でした。優勝は初日からトップを続けたペアでした。最終日のきょうは絶好調で2位との差が大きく開いてしまったと言ってました。テオがあとで説明してましたが、優勝ペアはアチコチのトーナメントでいつでも優勝争いをしているロッテルダムのよく知られているペアだそうです。あのペアと直接当たったテーブルでは、5分5分のスコアだからいい線いったと言ってました。Brug がまだトーナメントに慣れてないから、やはりちょっと甘くなるねとも、言ってました。つまり弱いペアと当たったときに思い切りむしり取っておかないと、大きなトーナメントでは勝てないなぁ、と笑ってました。それができるかな?とも聞いてました。Brug が、テオは?と聞いたら「相手によるね。弱くても嫌な奴等だったらむしり取る!」と言ってました。^^。 最後の深夜パーティです。さらに激しくディスコミュージックが響きます。皆さんもう "ユッタリ" ではなく"ヨタヨタ" と踊ってます。さらにお疲れのようです。^^。でも、顔はとてもハッピーです。座る人が多くなりその分カフェが繁盛して、ウェイターが忙しくなります。「こんな休暇をたまに取るのは精神衛生上大変好ましい!」と、レトリーバの紳士が奥さんに言ってます。「今回はまったく退屈しなかった!」ともね。「お前の保護者として付いてくると、私はブリッジをしないから退屈極まりないことがある。嫌な人達にあたることも多いからね〜」と先ほど散歩の最中に出た話題を説明してました。僕にとっても同じことだと思います。犬嫌いの人に遭うこともあるからね! 翌朝11時前にホテルをチェックアウトしました。ライン川沿いをアムステルダムとは逆の方向にドライブです。さらに東へ、ドイツ国境に向かってドライブしました。"セブン・ハウゼン" という街を目指してます。そこにはテオのお母さんが住んでます。未亡人で一人暮らしです。ヨープさんの提案で、テオのお母さんと一緒にお昼ご飯を食べようということになりました。 楽しい中華料理のランチになりました。例によって Brug が茄子の炒め物を注文しておいてくれました。最後に僕のために「ドギーバッグ」に詰めてもらいお土産としてくれました。^^。 今回は Brug のために食べ物のことをいっぱい含んだ「シェフ・コック」としました。僕は殆ど味見もさせてもらえなかったけどね! では、次の物語まで。 |