|
2004/09/24
ライン川沿いのホテルで −ブリッジ休暇 1− 1998年1月末、ヨープさんや Brug と一緒にオランダ東部、ヘルダーランド州ライン川畔のホテルで4泊5日の休暇を過ごしました。この休暇は僕の大好きな テオ/Theo* の招待で実現しました。 *テオ/Theo をこちらで紹介してます。 前年11月半ば、Brug は友人を招待して誕生日を祝いました。自宅ではなく中華街にある馴染みの中華料理店で祝いました。日本人が Brug 一人、オランダ人はヨープさん/テオ/ペーターの3人、ペーターの奥さんのモリーンが英国人、あとヘンリーというインドネシアからの友人、アメリカからの "ジョー" というメンバーになりました。あ、ヘンリーとジョーのことを書くのは初めてですね。ヘンリーはときどき遊びに来てくれる、犬の大好きな肥満体の30代です。^^。ジョーのことはよく知りませんが、プロのギタリストと言ってました。Brugのオランダ語学校の同級生です。モリーンもそうです。この仲間はいまでもいい付き合いをしているようです。 この中華料理店は "New King" という名前で、Brug のお気に入りです。ことに店主の奥さんを「中国のおねえさん」と呼んで、親しくしています。いまでもよく行きます。普段から Brug はこの友人達を自宅へ招待しては日本食を振る舞っていました。これは病気であまり外出しなくなったヨープさんに、この友人達との楽しい時間を一緒に過ごせるようにとの Brug の配慮からでした。ヨープさんはこの人達と過ごすのが大好きでしたからね。皆が帰る頃になると、いつでも「次はいつにしようか?」というセリフが定番となったヨープさんでした。^^。皆が集まるのは2ヶ月に1度くらいでした。 こんな友好関係の仲間ですから、みなで楽しく中華料理を堪能してました。例によって「中国のおねえさん」と Brug の間で、その日のメニュー選びに大議論が交わされましたが、いつも通りおねえさんにねじ伏せられていました。あっはは。この「中国のおねえさん」は60過ぎです。僕は出掛ける前に自宅で食事を済ませていますから、水だけです。でも、皆と過ごすのが楽しいから一緒に来るのは大好きです。Brug は、ここへ来ると僕のために必ず「茄子のドーチソース炒め」を注文しておいて、帰りにドギーバッグに詰めて持ち帰ってくれます。僕の大好物です。だから僕も客です! このおねえさんも、このことを知っているので、僕を可愛がってくれます。へへ。 食事が終わって、皆で席を他の場所へ移しました。セントラルステーションの近くにあるビクトリアホテルのカフェです。ヘンリーとジョーは中華街から直接帰って行きました。ペーターとモーリンは少し飲んでから、帰っていきました。残ったのはテオとヨープさんと Brug と僕でした。そこでテオがポケットから封筒を出して「誕生日のプレゼント!」とテーブルに置きました。中華料理店で皆から小さなプレゼントを貰って Brug は大声で喜んでいましたが、テオはプレゼントはいいものが見つからなかったので用意しなかったと言ってました。何かいいものが見つかったら「そのときに!」なんて言ってたのにね。 封筒を開けて中身を見た Brug はビックリしてます。「こんなものは受け取れないよ。金額が大きすぎる!」ですって。「ライン川沿いのホテル4泊5日のクーポン券」です。日にちは選択出来るようになってます。人数は3人となってますから、もちろんヨープさんも行けます。犬も一頭同伴となってました。^^。この間、4晩に亘ってこのホテルで「ブリッジ・トーナメント」が開催されます。そのトーナメントへの招待でした。朝食とディナー付きです。 これは「ちょっとしたモノ」です。Brug は断りましたが、とても嬉しそうな顔をしてます。テオが「毎週、ビックリするくらい旨いものをごちそうになっているから、それのお返し!」と威張ってます。毎週火曜日、テオと Brug はブリッジクラブへ出掛けます。テオの勤め先がヨープさんのフラットの近くですから、仕事のあと家へ帰らず一緒に食事をしてクラブへ行くことにしてました。テオは仕事が終わると早めに来て、ヨープさんと僕の相手をしてくれました。ホントに驚くほど犬と遊ぶのが上手なテオです。190センチを超える大男なのにね。もじゃもじゃの髪の毛がすっごくチャーミングでね、いつでも彼が座っているソファーに飛び乗って、彼の鳥の巣みたいになってるモジャモジャの髪に触れようと、何度もジャンプしたものでした。僕もまだ若かったし、程度というものを知らない頃でね〜。^^。 Brug が「こんな高価なものは受け取れないよ! トーナメントに参加するんだったら、自分の分は払うよ!」と言っています。その横でヨープさんが、嬉しそうに見守っています。そのうちヨープさんが口を出し、Brug に「テオの最大の好意だし、素直に招待を受けたほうがいいよ!」と穏やかに言いました。Brug が笑い顔で「自分が一緒にいきたいからだな〜!」とヨープさんに言いました。「うん、もちろんそれもある!」と皆で大笑いになり、Brug は喜んでプレゼントの「ブリッジ・トーナメントへの招待」を受けることに決めました。で、直ぐに日取りを決めてしまいました。「トニーも一緒に行けるぞ!」とヨープさんが僕に説明してくれました。 ヨープさんはそのホテルのある所から何キロか先の "アーネム = Arnhem" という所で生まれています。オードリ・ヘップバーンがこのアーネム生まれだそうです。あ、あの「遠すぎた橋 = A Bridge Too Far」という映画にもなった、ドイツ軍と連合軍の無意味で悲惨な闘いのあったところだそうです。無意味とは、既にドイツ軍本部が敗北宣言したのに、この地に居たドイツ軍にそれが伝わらず、大きな闘いが続いてしまったことです。犠牲者もいっぱい出たようです。戦死というより犠牲者だと、ヨープさんは言ってました。 木曜日の午後から出掛けました。ホテル到着は午後4時過ぎでした。大きくはありませんが、とても旧い建物で、なにもかもとてもゆったり出来てます。既に70人くらいの人達がロビーにいました。皆、ブリッジ・トーナメントへの参加者です。4時半から受け付けてくれ、ヨープさんと Brug と僕は大きな部屋です。ベッドはセミダブル(クイーンサイズと言うんだそうです)が2つおいてあり、ゆったりしてます。6時から参加者歓迎のレセプションが始まりました。100人近い参加者です。こんなトーナメントはオランダ・ブリッジ協会の公認のもので、なかなかルールに厳しいので気をつけるようにと、テオが Brug に説明してました。あ、もちろんレセプションには僕も参加できました。ヨープさんと一緒にいました。他にも5頭くらい犬がいましたが、みな静かにしてます。僕もそれに習ってヨープさんと静かにしてました。ホントだよ。^^。 7時からディナーです。ディナーの前に部屋へ戻り、Brug が僕に夕食をくれました。ダイニングルームへ行くのに僕を部屋へ残した方がいいのかしらと、Brug がテオとヨープさんに話しかけました。2人とも即座に「トニーは連れて行く!」と言ってくれました。そう、もう食事もしたし、水もタップリ飲んであるから、次の散歩までみなのいるところでノンビリ横になれれば満足だから静かにしてるよ。で、一緒に行きました。他の犬も皆きてました。最初のディナーはビュッフェスタイルでした。いろいろなモノがあるので皆さん、何度も自分のテーブルと食べ物が並んでいるテーブルの間を行き来してました。刺身まで出ているのにはビックリしてました。マグロとサーモンでした。マグロはマアマアだけど、サーモンが飛び切り旨いと Brug が言ってました。ヨープさんもオランダのサーモンは昔から旨いので有名だったけど、いまでも穫れるのかな〜と、疑問を挟みながら「美味しい、美味しい!」と食べてました。僕はお腹がいっぱいで、テーブルの下で横になってウトウトしていました。 ディナーが終わって8時半からトーナメントが始まりました。ヨープさんはブリッジに参加しないから、気が向いたらホテルの周りを散歩出来るし、ホテルの中の探索も面白いからと言ってます。ブリッジに参加しない人も何人か同伴して来てるようだし、ヨープさんの話し相手には事欠かない筈だと、テオが言ってました。そんな人達は殆どご主人に同行してきている、初老の御婦人だからね。ヨープさんは、そんな御婦人達が好んで話し相手にしたがるタイプだから、いつもモテモテなんです。話はうまいし、話題が豊富だからね。なんたってそんなキャリアで生きてきたヨープさんだしね〜。 直ぐにヨープさんは4、5人の御婦人達と仲よく世間話を始めました。紹介し合う訳でもないのに昔からお互いよく知っているような雰囲気が漂い始めます。リラックスしてます。犬を連れた男性が僕らのいるコーナーにきました。奥さんがブリッジ狂で、保護者で来ていると言ってました。ヨープさんと同じくらいの年代の立派な風格の紳士です。犬はメスです。^^。7〜8歳くらいのレトリーバで、とても行儀がいい。少し挨拶をしたらゴロンと横になってしまいました。僕には興味ないみたい。僕も眠くなってきてるし、ヨープさんの足下で寝ました。 1時間半くらい経ってから、レトリーバと一緒に散歩に出ることになりました。チャットをしていたご婦人方も一緒に行くことになりました。よく知らないところなので、ラインは付けたままの散歩ですが、やっぱり外出は楽しいです。30分くらい皆でライン川の畔を歩きました。川は暗いけど、歩道の部分は照明がついてますから、とても安全です。そのうちに一緒に歩いている御婦人が「この近くに動物園がある筈だけど・・・」と言い始めました。それを受けて、レトリーバの飼い主の紳士がホテルから逆方向に7〜8分くらい歩けば動物園の入り口に到着できると、言ってました。「動物園ってなんだろう?」 明日出掛けてみようと、皆が言ってました。ヨープさんはどうするのだろう? ホテルへ戻って、皆でカフェへ入りました。ヨープさんは「ジントニック」です。ヨーブさんは Brug やテオみたいにビールが好きではないみたいです。よほど暑い真夏日に飲むビールは美味しいけど、それ以外はジントニックかウィスキーの水割が好きです。それもヨーロッパ風ではなくアメリカン・スタイルのやつ!と言ってます。あるいはジャパニーズ・スタイルのやつ! ヨーロッパ風は氷が十分に入ってないから、貧相で嫌なんですって! 中身はコッチの方が多いけど、氷がタップリはいっていないと気分が滅入るそうです。それで、いつでもバーテンダーに氷をいっぱい入れてくれと注文してます。「私はバーバリアンだから!」と説明してます。バーバリアンとは「野蛮人」のことです。あっはは。 アメリカ在住の経験があったり、アメリカ好きでアメリカを理解しているバーキーパーはいいのですが、アメリカを嫌っている年配のバーキーパーにあたると「白けたり、嫌な顔をされることがある」と言ってます。そんなときのヨープさんは、氷なんてただみたいなものだから、ケチらなくってもいいのにと Brug にこぼしてます。Brug もウィスキーの水割りが好きです。でも外で飲むと冷蔵庫で出来た氷のキューブが1ヶしか入ってこない! いちいち説明したり頼んだりするのが面倒くさくなって、外ではビールかワインに決めたと言ってました。^^。アルコールの楽しみ方は土地によって違うのだそうです。気候も大いに関係するのだそうです。オランダの裕福な家庭でも製氷機付きの巨大な冷凍冷蔵庫なんて殆ど眼にしないそうです。日本でも普通になってきているらしいのに…。 ヨープさん、よくしゃべったのと散歩で喉が乾いたのか、美味しそうにジントニックを飲んでます。そのうち気が付いて僕のためにバーキーパーに水を頼んでくれました。レトリーバと一緒に大きな容器から飲みました。そのあとは眠くなって寝てしまいました。 テオと Brug が来て眼を覚ましました。ブリッジは終わったようです。スコアを集計している最中で、30分後に成績が発表されると言ってました。ヨープさんが結果の予想はと聞きました。順位はわからないけど、55パーセントくらいのスコアになる筈だと、テオが言ってます。60パーセント前後が優勝スコアと思うから、55パーセントだと5位くらいかな〜と、言ってます。上手くプレーは出来たのかとヨープさんが聞いたら、テオが1回、Brug が1回大きなミスをやったな〜と言ってました。それ以外はけっこういい線をいったとの説明でした。テオも Brug もとても楽しくブリッジが出来たとニコニコしてました。ビールを2杯飲んでブリッジルームへ戻って行きました。 ヨープさん達も皆、ブリッジルームへ飲み物を持って移ることにしました。成績発表のあと表彰式があります。日ごとの優勝者や入賞者も表彰されるそうですが、3位に入らないと表彰されません。4日間のトータルスコアで本当の優勝は争われるそうです。ブリッジルームへ入ったら、Brug 達がゲーム中に仲良くなった人達と愉快そうに話してます。失敗談に花を咲かせていたそうです。いいプレーを自慢するより、失敗談の方が人との付き合いが上手く行くのは、日本もオランダもかわらないな〜と、Brug が言ってました。僕なんか失敗談ばかり書かれているけどね! ^^。 スコアが集計され成績発表です。下から順に全ペアの名前が発表されていきます。けっこう待たされましたが、5位のペアが発表されても Brug とテオの名前は出ません。4位も別の名前、3位も別のペアでした。2位で Brug とテオの名前が出ました。嬉しそうな顔です。予想外のいい結果にビックリと喜びがまじり合ったいい顔です。こんな顔を見ると僕も嬉しくなって Brug に飛びつきました。Brug も嬉しそうに僕を迎え、そのあと「テオにも飛びつけ!」と日本語で言ったので、テオにも飛びつきました。ヨープさんも喜んでます。ゲーム中にも Brug は時計を見ていて、ヨープさんの薬の時間を知らせて来ました。いろいろなことがあるとヨープさんは薬を飲むのを忘れることがあります。忘れると回復に時間が掛かるからね。 2位の賞品で「ウインタービール2本詰め」を得ました。アルコール度が20パーセント近い、もの凄く強いビールだそうです。これだけアルコールがあると日本ではビールと呼んではいけないそうです。濃厚な味で Brug は好きだと言ってます。ワインボトルと同じ大きさのものが2本入っていました。ヨープさんはビールが好きじゃないから顔を歪めてました。^^。 表彰式が終わったらブリッジ会場はディスコになりました。参加者全員が参加です。犬もね。もの凄い音だけど、みんな陽気に飲み物を片手に踊り始めました。あ、ここに参加した人達は50−60代の人が大半です。ディスコといっても激しいことにはなりません。あはは。なんか昔のダンスホールとかを思い出すと Brug が言ってました。ヨープさんは踊らないけど、ジントニックが氷の増量を頼まなくても出てくるのでご機嫌で、何杯かお代わりしてました。ヨープさんは若い頃にダンスが好きで、もの凄くダンスの素養があったそうです。ソーシャル・ダンスのコンテストに出て「ブルースの部」で優勝したことがあるそうです。 皆が会場から部屋へ帰り始めたのは午前2時を回っていました。僕にとっても長い一日でした。Brug が寝る前に10分ほど散歩に出てくれました。ヨープさんは久し振りにたくさん飲んだのと、夜更かしで疲れてグッタリしているようですが、嬉しそうな顔でベッドに横になってます。僕はヨーブさんのベッドの下にもぐり込みました。家から僕のベッド(=クッション入りバスケット)を持ってきて、ヨープさんのベッドの下に置いてありますから、安眠できます。 翌日の話は次の「動物園」へ続きます。 動物園へ ≫ |