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2004/05/09 
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丘陵地帯の休暇1
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 1996年6月初旬、オランダ南部リンバーグ州、オランダ/ドイツ/ベルギーの3国が国境を接するあたりで10日間の休暇を過ごしました。そこからすこし先へいったあたりが丘陵地帯になっていて、オランダ人はこの丘陵の一番高いところを山と呼んでいます。海抜250メートルくらいですが、オランダでは最高峰になるんだそうです。

 僕はこの1ヶ月前に、大好きな僕のブリーダーに連れられて、デンマークのコペンハーゲンまで出かけました。コペンハーゲンではドッグ・ショーに出ました。96年度のヨーロッパ選手権です。僕はユース・クラスに出場しました。正直なところ、僕はドッグショーに出るのは好きではありません。でも、そのときは決勝まで行って、5位に入りました。ブリーダーは "一応" 喜んでくれましたが、もう少し訓練が上手く出来ていれば、3位以内に入れたのにって残念がっていました。僕はショーの訓練は大嫌いです。ですから、訓練にも身が入りません。上達もありません。へへ。

 ヨープさんや Brug は5位でも大満足だったようです。でも、僕にはドッグ・ショーやショーの結果は大事なことではありません。楽しかったのは1週間以上、大好きな僕のブリーダーと奥さん、それとクラスは違うけど、やはりショーに参加した2頭のケアンテリアと1頭のラブラドールと一緒にキャラバンで過ごせたことです。

 僕がドッグショーに出るために留守にするときは、必ず僕の2歳年上のお姉ちゃんがヨープさんのところに滞在してくれました。ヨープさんが寂しい思いをしないようにと、ブリーダーの奥さんが気を利かせてくれました〜。(微笑) お姉ちゃんはヨープさんと Brug をとても気に入っていて、喜んでヨープさんのところへ行ったようです。

   dan_L

 リンバーグでの休暇です。そのときのメンバーはヨープさん、ハンスさん/リュートさん夫妻と Brug と僕です。この4人が揃うと夜はブリッジが出来るので、退屈しないからね。休暇の計画はハンスさんが全て立ててくれました。バンガローを借りました。1階に大きな居間とキッチン、ダブルベッドのある寝室1つ。2階にダブルベッドのある寝室1つ、シングルベッドの寝室2つのゆったりしたものでした。トイレは1階にも2階にもありました。バスルームは1階のトイレと同じ場所です。ハンスさんとリュートさんが1階のダブルベッドの寝室です。2階のダブルベッドの寝室にヨープさん、シングルベッドの寝室に Brug です。部屋が一つ余っているので僕が使えたのですが、ヨープさんのベッドの下で寝ることになりました。

 そのバンガローには芝生の裏庭があり、周りは大きな樹々で囲まれています。でも陽は十分当るように作られています。他にもバンガローがいっぱいあります。いわゆるバンガローのキャンプ場です。6月の初旬ですから、まだ子供や一般の人達の休暇シーズンではありません。でも、この6月は Brug があちこちのコラムで書いているように、年間を通じてオランダのもっとも美しい時期です。気候もです。バンガローは50軒くらいあったと思いますが、60パーセントくらいしか埋ってなかったようです。ゆったりした休暇が楽しめました。両隣に滞在したご夫婦と仲よくなり、ランチを一緒に食べたりしました。僕とも遊んでくれました。

   dan_L

 さて、僕の冒険談です。このキャンプ場から丘陵地帯を少し上ったあたりに、大きな牧場がありました。その牧場に沿って散歩道があります。牧場は柵だけでなく金網が張ってあり、僕ら犬が中へ入れないようになってます。キャンプ場には夏休みのシーズンになると、犬や子供がいっぱい来るからね。皆が僕みたいな紳士とは限らないからね。あはは。牧場沿いの散歩道を歩くと遠くに牛が見えます。50頭くらい居たんじゃないかな〜。牧場のこちら側は牧草があまり生えていません。こちら側の牧草はもう食べちゃったみたいです。だから、向こうの方が牧草がいっぱい生えているので、向こうにいるみたいです。

 僕が住んでいるアムステルダムのフラットの近くには大きな牧場がありません。こんなにたくさんの牛を見るのは初めてです。やっぱり興味が湧いてきます。毎朝、皆でこの道を歩きました。様子が分かった頃に、一カ所金網が破れたところがあるのを見つけました。そこから牧場の中へ入ろうとしたら、「ダメ!」とBrug に止められてしまいました。そのときはハンスさんもリュートさんもヨープさんも居たので、Brug の命令を無視して牧場に入るのは止めました。午後の散歩は Brug だけでした。同じ道を歩きました。で、その金網の破れたところへ Brug より先にいって、牧場の中へ入っちゃいました。なんか Brug は慌てたみたいだけど、牛のところへ行きたいから走りました。Brug が「ダメだ〜、そっちへ行っちゃ〜!!!」って怒鳴ってるのが聞こえたけどね。

 で、牛に向かって走っている最中に、牛も僕に気がついて、こちらに向かって動き始めました。そこにいた牛全頭がです。はじめはゆっくりね。そのうち走り始めました。金網のところから牛達がいたあたりまで、300メートルくらいあったと思います。群れになってます。近づくにしたがって牛がどんどん大きくなります。牛があんなに大きいとは知らなかった〜。50頭も一緒に駆けて来るんだから「ドドドッ」って凄い音がするし、地面も揺れてる。これは「ヤバイ!」と思いました。Uターンしようと後を見たら、Brug のいるあたりからは大分離れてしまってました。見回したら、右側がフェンスに一番近いのがわかったので、そちらへ進路を変更して走りました。

 以前、ハンスさんの孫の一人の家へ遊びに行ったとき、近くに小さな羊の牧場がありました。散歩の途中で、そこへ入り込んで羊を追い回したことがあります。20頭くらいいたかな〜。みんな一緒になって僕から逃げ回って、その後を走るのがもの凄く面白くて、楽しかったんです。だから、牛にも同じことが出来ると思ったんだけど、あいつら僕に向かってくるんだもの、勘が狂ちゃったよ!

 右側のフェンスには、僕が先に到着しました。やはり金網が張ってあるので外へ出られません。牛が襲って来るのに身構えました。牛が到着したので、思い切り歯を剥き出して、牛達に向かって恐い顔を作り「ウ〜〜〜ッ」って大きく唸りました。でも、まったく無視されちゃいました。牛どもは僕の前で止ったけど、平気な顔して皆で僕を見てます。フェンスにへばりついてる僕に、ニューっと首を伸ばして口で触ろうとするのがいるし、僕の横からちょっかいを出して来る牛もいます。皆で僕を取り囲んでしまいました。

 ほんとにデカイね、牛って。でも、そのとき気がついたけど、牛って穏やかなんだ〜。皆で僕を襲いにきたのかと思ったら、そうじゃないみたい。僕と遊びたいみたいなんです。眼も穏やかだし、獰猛な感じは全くないのね。だけど、僕はあんな大きなのと遊ぶ趣味はないから、ソロソロと Brug のいる方へ移動して行きました。Brug が心配そうな顔で見てるけど、中には入れないのです。隙を見て Brug の方へ走りました。また牛どもが団体で僕を追いかけます。もう全力で走りました。遠回りになるけど、出来るだけフェンスから離れないように走りました。フェンスの側からは牛は来ないからね。

 Brug の近くへ来たらフェンスの破れてるところを示してくれています。もうホントに死にもの狂いで走りました。やっと金網の破れたところから外へ出られました。息が切れてしまいました〜。Brug が怒っているかと思って、顔を見たら、ニコニコしてます。ニコニコしてるだけでなく、そのうち大きな声で笑い始めました。僕に向かって「大分懲りたみたいだな! いい勉強をしたな!」なんて言ってます。まあ、勉強にはなったけど、あんまり面白くなかったね。恥をかかされたよ。それ以降は牛はかまわないことにしました。

 ホッとして、気がついたら全身が濡れてます。牧場の中を駆け回ったから、牛のまだ乾燥してない糞が全身についちゃったみたいです。ところどころ緑色になってます。新鮮な牧草を食べてる牛の糞だから、その新鮮な牧草の色がそのまま糞にも反映されるんだね。^^。それにしても不快な臭いでした。僕の体温で糞が乾き始めてるから、ところどころ粘るみたいに毛が皮膚にくっついてます。ベトベト、ゴワゴワして動きにくくなるしね〜。Brug は大きな声で「さ、帰ってシャワ〜!!!」と怒鳴ってます。僕がシャワーを大嫌いなの知ってて、意地悪に!

 バンガローへ戻ってすぐシャワーで徹底的に洗ってくれました。シャンプーまで使って。2度と牛なんかと付き合わないと、改めて思いました。Brug はヨープさんやハンスさんに、僕を洗いながら「牧場の出来事=冒険」を説明してます。ヨープさんは大声で笑ってます。ハンスさんも笑っていましたが、僕を諭すように「バカだね、トニーは。身の程を知らなきゃいけない。いい勉強をしたな〜!」と、Brug と同じことを言ってました。

   dan_L

 この休暇中のエピソードはまだたくさんあります。次回も続けますね。では次回まで。
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voetje トニー
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