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2004/03/20 
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子供たち 1 
 
 今日は子供たちのことを話します。もう何度も話しましたが、僕は小さい頃から子供たちと遊ぶのが大好きです。あの子供たちの甲高い笑い声を聞くと、嬉しくなって尾っぽを大きく振ってしまいます。家にいるときも、外で子供達の笑い声が聞こえると、直ぐに出窓に飛び乗って外を見ます。すると子供達が窓ガラスのところへ来て、挨拶してくれます。

 そんな時だけ僕は鼻声で「ク〜ン」と Brug に聞こえるように甘え声を出します。「外へ出て行って皆と遊んじゃダメ?」と聞いているつもりです。でも、Brug は殆どの場合、僕のそんな甘え声を無視します。自分が一緒に出て行けるときじゃないと外へ出してくれません。なんでだろうね〜。僕はもう十分大人になってるし、昔みたいにひどい悪戯はしないのにね。家の前で遊ぶだけなんだから構わないのにね〜。遠くへ行く気はないのに。でも、ダメなものはダメなんだって。 僕はこんな「ク〜ン」なんて甘え声、子供達と遊びたいとき以外は絶対に出さないのに、Brug には全く効果がありません。残念!

 女の子と遊ぶのも好きです。でも、少し乱暴に遊んでくれる子供達が好きです。僕はなんたってケアンテリアだから、上品でおとなしい遊び方が苦手です。何かの拍子に転んだり、多少の擦り傷くらい気にしない子供達がいいです。転んで泣いたりされると、僕はどうしていいか分からなくなっちゃいます。慰め方が分からないから、駆け寄って嘗めてあげるしかないんです。でも、ある時それもしない方がいいのを知りました。

 ある日、近所の広場で女の子と遊んでいました。その女の子の名前を忘れちゃった…。ほかにも男の子が2人いました。で、その女の子、僕と追いかけっこをしている最中に派手に転んでしまいました。膝を擦りむいて血が出たこともあるけど、とても痛そうでした。女の子は泣いてしまいました。僕はすぐにその女の子のところへ走って行き、嘗めたりしながら慰めてあげました。

 そこはレンガを敷きつめた広場でした。あまり大きな広場ではないけど、住宅街の中にあるからけっこう人が通ります。殆どの人が Brug と顔見知りです。かわいい僕を飼っているからすぐ覚えてくれるのね〜。へへ。

 その時、あまり見たことのない40代の人が通り掛かり、僕らを見て駆け寄ってきました。女の子が泣いているので、気になって来たのだと思いました。でも、何か感じがおかしいのです。危険を感じました。で、注意して見てたら、その人が僕を蹴ろうとするのです。「このクソ犬め!」と、怒鳴りながら。僕は蹴られるのは嫌だから、その人から逃げました。

 ちょうど Brug はその場から離れ、広場の横にある池で白鳥の親子を見ている最中でした。女の子が泣き始めるのが聞こえたので、広場へ戻って来ました。僕がその人から逃げ回っているのを見て、Brug が走ります。Brug がその人を止め、「何で犬(僕)を蹴ろうとしているのですか?」と尋ねました。するとその人が「その犬が女の子を襲った。女の子が怖がって泣いていた!」と説明するのです。Brug もその人の説明と剣幕に驚いています。僕もびっくりです。でも Brug がそんなの信じる訳ないよね。で、女の子と2人の男の子に「それホント?」と聞きました。

 子供達の答えはもちろん『ネー = ノー!』です。犬と遊んでいる最中に、自分で滑って転んで、膝を擦りむいた。他にもどこか打ったので痛くて泣いたと説明しました。犬の僕は泣いている女の子を慰めに来ただけと、説明を加えてくれました。その人はとても親切そうなイスラムの人でした。誤解と分かったら、ものすごく恥ずかしそうにしてました。はっきりと大きい声で「ソーリー!」と謝っています。僕にもね。

 Brug が「いいですよ、あなたも女の子を助けようとした訳ですし、いいことをなさろうとしたのですから…。犬はあんな風に人を襲うことはありません。私の犬ですし、そんな危険がある犬でしたら放したりしませんよ。この子達は私の犬と遊ぶのが好きなんです。私の犬も子供達が大好きなのです。あっはは!」と誤解が解けました。あまり犬に慣れてない人みたいで、不思議そうな顔をしてました。

 「そんな顔しないでよ、頼むから。猫の方がずっと危険なんだけどね〜」と、その人に近づいたら、犬が苦手の人だから後退していきます。本当は後退する人見ると、からかいたくなっちゃうのだけど、ぐっと我慢して止めました。これ、ヨープさんに飼われた最初に見つけた遊びなの。

 ヨープさんは僕を飼うまで犬が大の苦手でした。自分で飼い始めた子犬(僕)なのに、最初は恐怖心を抱いて僕に接していました。恐怖心を抱いているのは最初は分からなかったけどね〜。でもそれに気がついたら、脅すのが面白くてね〜。だって僕ら犬には、ヨープさんみたいな人が、犬を見ながら後退するのは「こちらへいらっしゃい!」と招いていることになるんだから。だからヨープさんが後退するとドンドン追いかけたよ、その当時は。2週間くらいしたらヨープさん怖がらなくなっちゃって、つまらないから反応しないことにしたけどね。このイスラムの人の反応はヨープさんのと同じでした。

 このイスラムの人は近くに住んでいる人でした。あまり地元の人と付き合いがないみたいです。でもそれ以降、たまに見かけたときは、ニコニコと Brug に挨拶してます。僕にもね。怖々だけど。^^;

 こんな経験は2回目でした。1回目は僕がまだ10ヶ月くらいの時です。裏の大きな公園で、やっと歩けるようになった年齢の男の子と遊んでいる時でした。男の子(赤ん坊)が自分で転んで泣いたのに、お父さんが僕のせいで転んで泣いたと誤解して、ひどく腹を立てました。そのお父さん、芝生に横になっていて状況を見ていなかったのです。奥さんが一部始終を見ていて、説明をしようとしたのだけど、気の短いお父さんでね〜。奥さんの説明を聞く暇もなく、僕をひどく叩きました。

 後でそのお父さん、奥さんの説明を聞いて Brug と僕に謝ったけどね。Brug もその状況を見ていたので、猛烈に腹を立てていました。でも、奥さんが取りなしてくれたので、うまく収まったみたいでした。それ以降、叩かれれば痛いし危険だから、赤ん坊には近づかないことにしました。ヨープさんはその時は自宅にいて見ていなかったけどね。ヨープさんは喧嘩の仲裁みたいなのは得意だけど、僕が叩かれるのを見てたらどうなったかな〜。

 話を戻します。そのイスラムの人とのことがあってから、Brug は子供達がそんな状況で転んでも、泣いている子供に走り寄らないように僕を訓練し始めました。2年前のことです。これは、けっこう難しい訓練でした。意味は分かるのだけど、転んで泣いている子供を放っとくのはね〜。でも、僕の代わりに Brug か誰かが行くので、僕が行く必要ないのは理解できました。でも、その子が僕の名前を呼んだら直ぐ行くけどね。

 大好きな子供たちと遊ぶのにも、状況をわきまえてないとけっこう危険なことになります。皆が犬を好いてくれる訳じゃないですから。先ほどの赤ん坊の両親は普通のオランダ人ですが、お父さんは犬が好きではないようでした。Brug が日本も同じと説明してくれました。

 子供たちのお話の第1回でした。

 僕としては、子供たちのことはもっと早く登場させたかったのに、代筆の Brug が「何かいいアイディアが出るかもしれない」と今回まで暖めていたみたいです。どうってことないのにね〜、あっはは。

 では、次回の連載まで。

 トニー
 
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Brug43
 

 この「子供たち xx」は「トニーの物語」のシリーズとしてときどき登場させようと目論んでます。前回(第7話)登場のハンスの孫達とのいろいろ愉快なエピソードがあります。この孫たちにシープドックまがいの役割をやらされ失敗、ダメ犬と評価された話とか…。それと最近の話では大好きな近所の子供たち、「クリスチャン」や「ダニエル」とのエピソードを書けると思います。前に住んでいたフラットには子供がいませんでしたから、この街の子供達と遊べるのは、トニーには楽しくて仕方ないことです。トニーの「アドベンチャー物語」は若い頃のエピソードです。人間もおなじですね。^^;


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