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2004/01/01
怖くて危険な... 今日の話、僕が活躍する場面があんまりないので、本当は話したくないんです。でもボスがひどく気に入っていて、第一回の内容はこれと決めてたみたいですから話します。 事件というほどのことじゃないけど、ことが起きたのは家から歩いて三十分くらいのところです。1年半くらい前のことです。週末の朝の散歩の時に起こりました。けっこう恐くて危険な出来ごとでした。家の近くに Noordhollandsch Kanaal という大きな運河が流れています。この運河沿いを歩くのがけっこう楽しいんです。この運河沿いに大きな18世紀の風車があります。とても手入れが行き届いていて、今でも小麦粉を挽くのに使われてます。ボスが他のページでもこの風車のこと書いていましたが、風車でまわす石臼で挽いた小麦粉は、高速で挽く工場生産のものと違って、高温にならないからとてもいい粉が出来るんだって。その粉で作ったパンはとっても美味しいらしいよ。僕は食べたことないけどね、ボスはそんな贅沢させてくれないから。 その風車のところで事件は起きました。その風車の手前に Kinderboerderij というのがあります。日本語に訳すと『子供達のための農場』かな。つまり旧い大きな農家を出来るだけ原型のままにしておいて、その周囲にある器具とか道具も出来るだけ旧いものにしてあるの。一種の博物館みたいだけど、堅苦しくないのね。つまり子供達の遊び場でもあるの。けっこう広い庭も確保されてて、そこに色々な家畜が飼われているの。ほとんどが放し飼いだよ。ロバやヤギなんかも何種類かいるよ。鶏もいるし、豚もいたんじゃなかったかな。僕は犬だから入っちゃいけないんだって。ボスも僕と一緒にしかそこへは行ったことないから、一度も入ったことないんだって。 入場は無料なんだよ。何でもオランダにはこの Kinderboerderij がいたる所にあって、子供達が普段から農業や家畜に親しむことが出来るようなっているそうです。市や地方の教育機関に関係してるんだろうね。昔はここにいるような動物を見ると、捕まえたくてうずうずしたけどね。やっちゃいけないのが分ってる今は、ほとんど見向きもしないよ、そこにいる動物には。だからいまは何処を散歩しても鎖に繋がれずに、自由に散歩出来るんです。 でね、そこへ遊びにきてる子供達が、その農家の博物館の柵の外で遊んでくれることがあるので、そこへ行くのが楽しみなんです。小さい頃から子供達のあの甲高い声や笑いを聞くと、なんか嬉しくなっちゃってね、尾っぽが自然に動いちゃうんだ。僕は子供と遊ぶのが大好きなの。「自己紹介」の中にも向かいの家の息子の「クリスチャン」のこと書いたけど、彼の笑い声と甲高い声は絶品なの。彼も僕のこと大好きだし、僕も彼のその甲高い声にしびれてるから、ホントにいい友達なんだよ。 あ、事件だったね。でね、毎回ではないんだけど、そこに時々野兎が来るんだよ。隣が風車で片方が農家でしょ、食べ物がいっぱい落ちてるんだろうね。草もいっぱい生えてるし。野兎は見つけたら追いかけるよ。何処までも。でも、アイツら逃げ足速いから一度も捕まえたことないよ。だけどその日は、大きな野兎が農家と風車の間の空き地の真ん中に一匹だけいたの。そこで何かを夢中で食べてるの。僕が来てること知ってるくせに知らん顔して食べてるの。 それ見てたら無性に腹が立ってきてね。だけどマトモに捕まえようとすると逃げ足の速い奴だからね〜。で、こっちも知らん顔してそこを通り過ぎたように見せかけて、やにわにUターンして、兎の後から襲いかかろうとしたの。そしたら兎が慌てて風車の脇にある納屋の方向へ逃げたのね。そっちへ行ったらシメタものなんだ! そっちは行き止まりの、コの字型になった袋小路なの。これはホントにシメタと思ったね。いままでそんなチャンス一度もなかったからね。 これは絶対に捕まえてやろうと、ゆったり奥に向かって進んで行ったよ。ボスがちょっと慌ててね。大きな声で「捕まえちゃダメだ!」と怒鳴りながら走って来るのが見えたけど、こんなチャンス二度とないかも知れないから無視ね。ボスが来ちゃうとメンドイことになるから、一気にスピード上げて襲いかかろうと走ったの。そしたら兎の奴、行き止まりの所で止まると思ったのに、急にUターンして僕に向かって来るんだよ。そいつの顔見たら、目は真っ赤に血走ってるし、歯はむき出してるし、耳は立ってるし…、はやい話、もの凄くどう猛な顔をして向かって来るんだよ。後ろにボスが近付いて来てるの知ってたから、心配になって後ろを振り返ったら、もう10メートルくらいのところまできてるの。これはボスに危害が及ぶとまずいから、まずはボスを守ってやらなくちゃと僕も急いでUターンして、ボスの足下に行って兎の来襲に備えて身構えたよ。 そしたら、僕とボスの方へ走っていた兎のやつ、僕のことやっぱり恐いから、方向を変えて僕らの横を通り抜けて逃げて行っちゃった。やれやれ一安心と思ったけど、ここは今後のこともあるから、その逃げて行く兎の後ろ姿に大きな声で「二度とこんなことするんじゃないぞ。ボスがいなけりゃ、お前なんか八つ裂きにしてやるところだったぞ!」と吠えておいた。癖になるからね、ビシッと決めておかないと。ボスは危険を回避出来たんでご機嫌でね、なんかニコニコしてるの。農場に来た人も見てたらしくてニコニコしてました。次にこんな機会があったら、ボスは遠くで見てるだけにして欲しいもんだね。邪魔しないで。 まあ、第一話はこんなところです。このあとボスが解説とかいって何か説明するらしいけど、あんまり真剣に取り合わないようにね。ボスはスゴイ心配性なんだから。 じゃ、2週間後にね。あれ、お正月だから第2話も載せるんだったね。では、もう一つお楽しみください。 トニーBrug43 トニーに恥をかかせるのが目的ではないけど、ちょっと彼の話には無理があります。この「野兎事件」があった後、ある友人に送ったメールのコピーが見つかりました。それを下に貼り付けておきますから見てやって下さい。
解説というより暴露になりました。ゴメンね、トニー。 では、第2話をお楽しみください。 |