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殯の森
最近いいなぁ...と思うのが、新しい葉と、新しい葉が陽の光で透けて重なり合。桜やツツジ。道端のシロツメ草やベランダの月桂樹、ミント、欅らの、新緑の淡いグラデーションに心奪われていました。河瀬直美監督の作品は見たことがなかったのですが、タイトルバックの森が揺れる画を見て気になっているところ、一足先にNHKハイビジョン放映した『
殯の森
』を観ることができました。
朝ご飯を焚いて、仏壇に手を合わせる。そんな生活を続けていると、人の死はそこで終わらずにどこかでつながっているのだろうかと考えています。見たままの世界を越えた何かにおののき支配されている感覚。河瀬監督のオフィシャルサイトでの言葉を引用します。
「それはまちかどのお地蔵様にそっと手をあわせることやお仏壇に炊きたてのごはんを供えるといったことで、そうした日常の行為によって、亡くなった方との交流が生まれることにつながるのでした。そしてそれは、目に見えないものの存在を確認することであり、目に見えているものだけがすべてでないことの表れでもありました。今回の映画を製作するにあたり、どうしたら遺されるもの、逝ってしまうもののあいだにある結び目のようなあわいを描く物語へ昇華できるだろうと考えました。わたしも含めた現代人は、マイナスの要素を排除し快適な空間のみを追い求めるあまり、たいせつなものを確かめられない日々を過ごしているような気がしてなりません。前から続いてきたこと、いまあること、このさきに伝えていきたいこと……この映画が広く人々の心にとどまってゆくことを願います」
不思議とタルコフスキーの映画にある閉ざされた透明感を感じました。ピアノでなぞられる旋律も美しく、劇中での「こうしゃんなあかんってこと、ないから」という言葉も心に繰り返されます。
TakeshiさんのBLOG
で「何かが破れて、自分のやりたいことはとにかくできるような社会へぼくらは移行したような気もする」という言葉を見つけ、自分なりにその答えを考えていた数日間。水と火、光と影、風と波、失った時間と見つけた時間、知らないもしくは知らなくてはいけない事。それらが、時々刻々と姿かたちを変え、相互に干渉し浸食しあい、思いもかけぬ姿で目の前に現れる。静かにカメラを引いたときには何が見えてくるのだろうか。
Posted: 金 - 6月 1, 2007 at 07:07 AM
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Published On: 6 01, 2007 12:15 PM
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