RURIKO



「想い出すってのは忘れていたからだろう。俺は忘れない。だから想い出すこともない」。町を去っていく旭を、叶わぬ再会を心に秘めて見送る姿(実は、次回の映画では場所も名前も変わって再会してるのですが)、脚から靴が脱ぎ捨てられたのにもかかわらず「男には忘れられないことがある。それが済むまで、俺はきみを抱くことさえできない...」と裕次郎がつぶやく。

60年代当時の日活アクション映画のヒロインは浅丘ルリ子。旭もいいし裕次郎もいい(肉付きが少ない時代)けど、ルリ子もいい。可憐な姿が艶めかしい姿に変わっていくのも追いかけて観る楽しみだったように思えます。その、浅丘ルリ子の自伝を林真理子がフィクションとして書いたので、「RURIKO」を早速手にしてみました。

「旭ちゃんや裕ちゃん映画が大あたりしたのは、彼らのせいじゃない。ルリちゃんがいたからだ。そんなことはみんなわかっているはずだったのに、実はわかっていなかった。どの映画もね、旭や裕ちゃんが主役のようでいて、実は主役はルリちゃんなんだ。男達のアクションっていうのは、ルリちゃんの静を引き出すための仕掛けなんだ。ルリちゃんの美しさは、映画の中では母性となって男達を癒し、祝杯していく。男たちはそれにぼんやりと気づいていたはずだ。(中略)今まで誰も見たことにないミューズを、僕の手で出現させることが出来るんだってね」

『憎いあンちくしょう』のロケ地で監督(蔵原惟繕)が口説いていたようだけど、プログラム・ピクチャーとして量産される映画の中にもある種の思想があって、浅丘ルリ子の存在も決して欠かせない存在だったことも確認できました。小林旭、石原裕次郎、美空ひばり(今晩4時間番組を見て、歌のうまさを再確認)...キラ星のようなスターの話満載の、この本を一気に読んでしまいました。林真理子の本って初めて読みましたがなかなかの力作です。角川書店では作者による本の紹介クリップもあるので参考になります。

そういえば、YouTubeを検索していたら「愛の化石」「悲しみは女だけに」(共に1969)を発見。本で、小林旭が「昔の名前で出ています」で借金をチャラに出来た話を浅丘ルリ子としていて、

「歌ってもうかるのねぇ。私もまたレコード出そうかしら」
「ダメだよ。ルリ子は歌がヘタだからな。一曲だけヒットしたやつも、ほとんどが台詞じゃないか」
「悪かったわね」

♪愛するって耐えることなの?...なんか懐かしいなぁ...。それにしてもジャケットがとてつもなくいい。(語りばかりの歌は聞いてて照れますが)

『赤いナイフ』『憎いあンちくしょう』『海から来た流れ者』『渡り鳥シリーズ』...なんか観たくなったなぁ...。
そうそう、熱心なファンサイトも情報たっぷりで気になります。

Posted: 金 - 6 月 20, 2008 at 11:23 PM            


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