調査結果予備報告
刑訴法に関する本、15冊ばかりをチェック
いや〜、ずいぶんと香ばしいコメントがついているなと思って調べてみたら、どうやら、
http://tmp4.2ch.net/test/read.cgi/sisou/1087720065/
の339あたりがきっかけのようですな。いるんだよね〜。自分の知性の限界が世界の限界だと思っている人間。世界の中心でバカと叫んでいるつもりで世界の周辺でバカをさらしているやつが。ちゃんと「陰謀論には気をつけろ」と忠告までしているのに。しかも「アポロ月面着陸はなかった」説についての記事にまでコメントしちゃって。「ジャック・トランス」氏のフィルモグラフィーは調べてみたんだろうな(笑)
さて、自分の知性の限界が世界の限界ではないことを承知している私としては、刑訴法321条における「供述不能」要件の解釈について、調べて参りましたですよ。こういう場合誰のどの本を参照するのが常道なのかわからないのでとりあえずランダムサンプリングで15冊ほどピックアップ。そのうちある程度詳しく「供述不能」要件について言及していたものは約半数。詳しくは明日にでもメモをもとにご報告しますが、結論だけを言うと「国外にいるため」=「供述の時点では国内にいて、その後国外に出た場合に限る」という説を支持するものは皆無でした。ロッキード裁判の嘱託尋問調書に直接言及したものもいくつかあったが、「供述不能」要件が問題になった事例として扱ったものはほとんどなし。消極的にではあるが、「当初から国外にいるケース」を321条が許容することを裏づけているといえるでしょう。伝聞例外の許容範囲に関して、最高裁が嘱託尋問調書の証拠能力を否定した判例に言及するものが一例(評価を明言していないのでおそらく妥当な判例としているのだろうが、この場合はあくまで免責が問題なのであって「供述不能」要件は問題になっていない)。逆に最高裁判例を批判して証拠能力を認めるべきだったとするものが一冊(当然、「供述不能」要件の解釈についても一、二審を支持していることになる)。また、最高裁の判決以前に書かれた本で証拠採用を「妥当」としたものが一冊。さらにコーチャン等が来日して証言するつもりのないことをどの程度まで確認すべきか、という争点を扱ったものが一つ。他に「国外にいるため」という要件を扱ったものとしては、外国人の証人が供述した後で捜査当局が国外退去処分をその証人に対して下したようなケース、すなわち「国外にいるため」という事情が捜査当局の関与によってもたらされたようなケースについて問題にしているものが目立った。言うまでもなく、コーチャン等の嘱託尋問調書の場合、「国外にいるため」という事情は捜査側の関与によりもたらされたものではない。
一般論としては、最高裁判決をひいて「供述不能」要件の本質が「法廷において証言することを妨げる事由」にあることを解説したもの(それゆえ例示的列挙と読むべきとするもの)が目につく。これもまた、「供述の時点から国外にいる」ケースを排除する議論への反証となっている。
Posted: 火 - 8 月 10, 2004 at 10:59 午後
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