『僕らのミライへ逆回転』


監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:モス・デフ、ジャック・ブラック、メロニー・ディアス、ダニー・グローヴァー、ミア・ファローほか
2008年、アメリカ

なんとも冴えない邦題だが、原題が Be Kind Rewind (どうか巻き戻して返却してください)というレンタルビデオ店の常套句(舞台となるビデオ店の屋号でもある)で、「巻き戻し」を「逆回転」に活かそうとはしたわけだ。いまどきDVDではなくビデオばっかりの下町のレンタルショップ、ひょんなことから在庫のビデオの磁気データがすべて飛んでしまい、しかたないので自分たちがつくったチープな映像を「スウェーデン製リメイク」と称して貸し出したところ大評判に……というあたりが『映画秘宝』なんかの紹介では強調されていたのだが、ドタバタが前面に出ているのはもっぱら前半部分で、後半は下町の人情喜劇風に。ビデオのデータが消える経緯にしても、手作りビデオが評判になるという設定にしてももちろん荒唐無稽なのだが、還暦を過ぎて不思議ちゃん系オーラばりばりのミア・ファローや特に美人ではないのに非常に魅力的に映っているメロニー・ディアスをはじめ俳優のフィジカルな存在感でもって成立している。上映時間が102分と比較的短いので店主役のダニー・グローヴァーと常連客役のミア・ファローの関係性(もちろん『ドライヴィング Miss デイジー』の「リメイク」には二人が登場)が説明抜きで投げっぱなしとか、店主が翻意した理由がろくに描かれてなかったりするところは、勢いで乗り切っている。最初に「リメイク」される『ゴースト・バスターズ』からはシガニー・ウィーヴァーが出演。
ろくに宣伝もされてないし、シネコンのなかで最も小さいスクリーンでの上映だったが、週末ということを差し引いてもなかなかよい客の入り、おまけに客席の反応もよくて、映画それ自体というより劇場で映画を観るというプロセス全体を楽しめた。

Posted: 月 - 10 月 20, 2008 at 12:55 午前          

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