『戦場にかける橋』(TV)
監督:デヴィッド・リーン
出演:アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪洲ほか
1957年、イギリス
先日別館の方でひきあいに出したので、昨年HDリマスターで放映されたのを録画しておいたのを思いだした。原作は『猿の惑星』のピエール・ブール。
多分子どもの頃にやはりテレビで観ていると思うが、いま改めて観るとずいぶんと牧歌的というか、いま同じ題材を映画化したら決してこんな風にはならないだろう。シアーズ中佐の台詞にもあるように、この映画は「橋梁建設のうちに戦いの場を見いだした英軍捕虜」の視点で描かれているから、泰緬鉄道の建設全体で発生した大量の死者を思わせる描写はまったくなく(労役を拒否する将校への暴行・脅迫が描かれるだけ)、連合国の捕虜以上に数のうえでも死亡率のうえでも大きな犠牲を出した東南アジア各国の「ロームシャ」は影もかたちもない。現地人は道案内として(そしてほとんどが男ばかりのこの映画にちょっとした華を添えるために)登場するにすぎない。現在なら、旧日本軍であれナチスドイツであれ定型的な悪として描くことを回避すると同時に、多様な被害者の視点が強調されることになるのではないだろうか。
IMDBのユーザーレイティングはかなり高いのだが、「巨匠のオスカー受賞作」という看板を外して虚心坦懐に現代の観客がこの映画を観た時、はたしてシアーズ中佐に観客はどれくらい共感できるのだろうか、というのもちょっと興味深いところである。日本軍を利することになる労役をあえて引き受けることで軍紀を回復し、イギリス人の力をアピールする手段とする・・・というところまではよい。だが連合国による爆破工作を邪魔しようとするにいたっては手段と目的とが取り違えられているとしか思えないのだが・・・*。
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まあもちろん、それを不自然に見せまいとするための伏線は用意されているのではあるが。
Posted: 金 - 7 月 25, 2008 at 11:45 午後
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