『姑獲鳥の夏』(DVDレンタル)
監督:実相寺昭雄
出演:堤真一、永瀬正敏、原田知世ほか
2005年、日本
珍しくレンタルショップを利用した。もともと期待はしてなかったが、「しょっぱい」のひとこと。
最近は滅多に邦画を観ないしたまに観ても滅多に褒めないわけだけれども、まあいくつかのバイアスがかかっていると言えばいる。外国映画の場合あまりにもくだらないものは買い付けの段階である程度ふるい落とされちゃう(その代わり、本当は面白い映画がビデオスルーになったりもするが)のに対し、邦画は玉石混淆で情報が入ってくるわけである。また多くの邦画に感じる「安っぽさ」の主たる原因は「テレビで見る顔ばっかり」というところにあるわけだが、映画とテレビで俳優の棲み分けが相当程度徹底しているのは国際的競争力のあるアメリカぐらいだろうと思うものの、海外のテレビドラマを見る習慣がないので結果としてテレビで見るのは日本の俳優、タレントがメインであって、本国ではテレビに出まくっている海外の俳優でもスクリーンでは新鮮に観ることができるわけである。さらに、日本人が日本を舞台とした日本語の映画を観れば台詞まわしやらセットやら小道具やら時代考証のアラにも気づきやすいが、海外映画だと(相当な数をみているアメリカ映画はまあ別として)見落としてしまい易いだろうと推測することはできて、結果として実態以上に邦画に対する点が辛くなっていることはあるだろう。(←誤字を訂正済み)
さらにこの映画の場合、原作つき、それも人気シリーズと言ってよい作品の映画化であるわけで、ただでさえ先に原作を読んだ人間からは鵜の目鷹の目であら探しをされる宿命にある。
…と、この映画を弁護する材料を並べておいたうえで(すなわち、いかなるバイアスもない観客が観た場合の評価と比べて不当に辛い評価になっている可能性を示唆したうえで)言えば、まあダメですよね。脚本はさほど悪くないと思う。原作のダイジェストとしては(終盤にちょっと余計な脚色があると思うが)。キャスティングについては、原作が示唆するイメージとは別の線を狙ったのだとすると評価は留保するが、あれで原作のイメージを忠実に再現したつもりなのだとすると「アホか?」としか思えない。関口(永瀬正敏)が冒頭で目眩坂を歩いている時によろける演技は「学芸会かよ?」というレベル。原田知世の一人二役も意味がない。いかにも実相寺監督らしいカメラアングルや映像効果もあまりに過剰で監督のマーキングにしか思えなくなってしまう。そのくせ、京極堂古書店での対話シーンは部屋が無意味に広過ぎる。集積された書物の圧迫感がゼロ。「実相寺」の名を知っている人間なら誰もがウルトラセブンとメトロン星人のちゃぶ台をはさんだ対話シーンを想起する場面なのに、無意味に空間が広い。
Posted: 金 - 3 月 21, 2008 at 12:04 午前
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